Tumgik
#三ヵ年計画
fukagawakaidan · 1 month
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「お化けの棲家」に登場したお化け。
1、骨女〔ほねおんな〕 鳥山石燕の「今昔画 図続百鬼』に骨だけ の女として描かれ、 【これは御伽ぼうこうに見えたる年ふる女の骸骨、牡丹の灯籠を携へ、人間の交をなせし形にして、もとは剪灯新話のうちに牡丹灯記とてあり】と記されている。石燕が描いた骨女 は、「伽婢子」「牡丹灯籠」に出てくる女つゆの亡霊、弥子(三遊亭円朝の「怪談牡丹灯 籠」ではお露にあたる)のことをいっている。これとは別物だと思うが、「東北怪談の旅」にも骨女という妖怪がある。 安永7年~8年(1778年~1779年)の青森に現れたもので、盆の晩、骸骨女がカタリカタリと音をたてて町中を歩いたという。この骨女は、生前は醜いといわれていたが、 死んでからの骸骨の容姿が優れているので、 人々に見せるために出歩くのだという。魚の骨をしゃぶることを好み、高僧に出会うと崩れ落ちてしまうという。 「鳥山石燕 画図百鬼夜行」高田衛監修・稲 田篤信・田中直日編 「東北怪談の旅」山田 野理夫
2、堀田様のお人形
以下の話が伝わっている。 「佐賀町に堀田様の下屋敷があって、うちの先祖はそこの出入りだったの。それで、先代のおばあさんが堀田様から“金太郎”の人形を拝領になって「赤ちゃん、赤ちゃん」といわれていたんだけど、この人形に魂が入っちゃって。関東大震災のとき、人形と一緒に逃げたら箱の中であちこちぶつけてこぶができたから、修復してもらうのに鼠屋っていう人形師に預けたんだけど少しすると修復されずに返ってきた。聞くと「夜になると人形が夜泣きしてまずいんです」と言われた。 (『古老が語る江東区のよもやま話』所収)
3、ハサミの付喪神(つくもがみ)
九十九神とも表記される。室町時代に描かれた「付喪神絵巻」には、「陰陽雑記云器物百年を経て化して精霊を得てよく人を訛かす、是を付喪神と号といへり」 という巻頭の文がある。 煤祓いで捨てられた器物が妖怪となり、物を粗末に扱う人間に対して仕返しをするという内容だ が、古来日本では、器物も歳月を経ると、怪しい能力を持つと考えられていた。 民俗資料にも擂り粉木(すりこぎ)や杓文字、枕や蒲団といった器物や道具が化けた話しがある。それらは付喪神とよばれていないが、基本的な考え方は「付喪神絵巻」にあるようなことと同じで あろう。 (吉川観方『絵画に見えたる妖怪』)
4、五徳猫(ごとくねこ)  五徳猫は鳥山石燕「画図百器徒然袋」に尾が2つに分かれた猫又の姿として描かれており、「七徳の舞をふたつわすれて、五徳の官者と言いしためしも あれば、この猫もいかなることをか忘れけんと、夢の中におもひぬ」とある。鳥山石燕「画図百器徒然袋」の解説によれば、その姿は室町期の伝・土佐光信画「百鬼夜行絵巻」に描かれた五徳猫を頭に 乗せた妖怪をモデルとし、内容は「徒然袋」にある「平家物語」の 作者といわれる信濃前司行長にまつわる話をもとにしているとある。行長は学識ある人物だったが、七徳の舞という、唐の太宗の武の七徳に基づく舞のうち、2つを忘れてしまったために、五徳の冠者のあだ名がつけられた。そのため、世に嫌気がさし、隠れて生活するようになったという。五徳猫はこのエピソードと、囲炉裏にある五徳(薬缶などを載せる台)を引っ掛けて創作された 妖怪なのであろう。ちなみに土佐光信画「百鬼夜行絵巻」に描かれている妖怪は、手には火吹き 竹を持っているが、猫の妖怪ではなさそうである。 ( 高田衛監修/稲田篤信・田中直日編『鳥山石燕画図百鬼夜行』)→鳥山石燕『百器徒然袋』より 「五徳猫」
5、のっぺらぼー 設置予定場所:梅の井 柳下 永代の辺りで人魂を見たという古老の話しです。その他にも、背中からおんぶされて、みたら三つ目 小僧だったり、渋沢倉庫の横の河岸の辺りでのっぺらぼーを見たという話しが残っています。 (『古老が語る江東区のよもやま話』所収) のっぺらぼーは、顔になにもない卵のような顔の妖怪。特に小泉八雲『怪談』にある、ムジナの話が良く知られている。ある男が東京赤坂の紀国坂で目鼻口のない女に出会い、驚き逃げて蕎麦 屋台の主人に話すと、その顔も同じだったという話。その顔も同じだったという話。
6、アマビエアマビエ 弘化3年(1846年) 4月中旬と記 された瓦版に書かれているもの。 肥後国(熊本県)の海中に毎夜光るものが あるので、ある役人が行ってみたところ、ア マビエと名乗る化け物が現れて、「当年より はやりやまいはや 6ヵ月は豊作となるが、もし流行病が流行ったら人々に私の写しを見せるように」といって、再び海中に没したという。この瓦版には、髪の毛が長く、くちばしを持った人魚のようなアマビエの姿が描かれ、肥後の役人が写したとある。 湯本豪一の「明治妖怪新聞」によれば、アマピエはアマピコのことではないかという。 アマピコは瓦版や絵入り新聞に見える妖怪で、 あま彦、天彦、天日子などと書かれる。件やクダ部、神社姫といった、病気や豊凶の予言をし、その絵姿を持っていれば難から逃れられるという妖怪とほぼ同じものといえる。 アマビコの記事を別の瓦版に写す際、間違 えてアマビエと記してしまったのだというのが湯本説である。 『明治妖怪新聞」湯本豪一「『妖怪展 現代に 蘇る百鬼夜行』川崎市市民ミュージアム編
7、かさばけ(傘お化け) 設置予定場所:多田屋の入口作品です。 一つ目あるいは、二つ目がついた傘から2本の腕が伸び、一本足でピョンピョン跳ねまわる傘の化け物とされる。よく知られた妖怪のわりには戯画などに見えるくらいで、実際に現れたなどの記録はないようである。(阿部主計『妖怪学入門』)歌川芳員「百種怪談妖物双六」に描 かれている傘の妖怪「一本足」
8、猫股(ねこまた)  猫股は化け猫で、尻尾が二股になるまで、齢を経た猫 で、さまざまな怪しいふるまいをすると恐れられた。人をあざむき、人を食らうともいわれる。飼い猫が年をとり、猫股になるため、猫を長く飼うもので はないとか、齢を経た飼い猫は家を離れて山に入り、猫股 になるなどと、各地に俗信がある。 このような猫の持つ妖力から、歌舞伎ではお騒動と化け猫をからめて「猫騒動もの」のジャンルがあり、
「岡崎の猫」「鍋島の猫」「有馬の猫」が三代化け猫とされる。
9、毛羽毛現(けうけげん) 設置予定場所:相模屋の庭 鳥山石燕の「今昔百鬼拾遺」に毛むくじゃらの妖怪として描かれた もので、 「毛羽毛現は惣身に毛生ひたる事毛女のごとくなればかくいふ か。或いは希有希現とかきて、ある事まれに、見る事まれなれば なりとぞ」とある。毛女とは中国の仙女のことで、華陰の山中(中国陝西省陰県の西 獄華山)に住み、自ら語るところによると、もともとは秦が亡んだため 山に逃げ込んだ。そのとき、谷春という道士に出会い、松葉を食すことを教わって、遂に寒さも飢えも感じなくなり、身は空を飛ぶほど軽くなった。すでに170余年経つなどと「列仙伝」にある。この毛羽毛現は家の周辺でじめじめした場所に現れる妖怪とされるが、実際は石燕の創作妖 怪のようである。 (高田衛監修/稲田篤信・田中直日編『鳥山石燕 画図百鬼夜行』→鳥山石燕「今昔百鬼 拾遺」より「毛羽毛現」
10、河童(かっぱ) 設置予定場所:猪牙船 ◇ 河童(『耳袋』) 江戸時代、仙台藩の蔵屋敷に近い仙台堀には河童が出たと言われています。これは、子どもたちが、 なんの前触れもなく掘割におちてしまう事が続き探索したところ、泥の中から河童が出てきたというも のです。その河童は、仙台藩の人により塩漬けにして屋敷に保管したそうです。 ◇ 河童、深川で捕獲される「河童・川太郎図」/国立歴史民俗博物館蔵 深川木場で捕獲された河童。河童は川や沼を住処とする妖怪で、人を水中に引き込む等の悪事を働く 反面、水の恵みをもたらす霊力の持ち主として畏怖されていた ◇ 河童の伝説(『江戸深川情緒の研究』) 安永年間(1772~1781) 深川入船町であった話しです。ある男が水浴びをしていると、河童がその男 を捕えようとしました。しかし、男はとても強力だったので逆に河童を捕えて陸に引き上げ三十三間堂の前で殴り殺そうとしたところ、通りかかった人々が河童を助けました。それ以来、深川では河童が人 間を捕らなくなったといいます。→妖怪画で知られる鳥山石燕による河童
11、白容商〔しろうねり〕
鳥山石燕「画図百器 徒然袋」に描かれ、【白うるりは徒然のならいなるよし。この白うねりはふるき布巾のばけたるものなれども、外にならいもやはべると、夢のうちにおもひぬ】 と解説されている。白うるりとは、吉田兼好の『徒然草」第六十段に登場する、 芋頭(いもがしら)が異常に好きな坊主のあだ名である。  この白うるりという名前に倣って、布雑巾 の化けたものを白容裔(しろうねり)と名づけたといっているので、つまりは石燕の創作妖怪であろう。古い雑巾などが化けて人を襲う、などの説 明がされることがあるが、これは山田野理夫 の『東北怪談の旅』にある古雑巾の妖怪を白 容裔の話として使ったにすぎない。 『鳥山石燕画図百鬼夜行』高田衛監修・稲 田篤信・田中直日編
12、轆轤首〔ろくろくび〕
抜け首、飛頭蛮とも つな いう。身体から首が完全に分離して活動する ものと、細紐のような首で身体と頭が繋がっているものの二形態があるようである。 日本の文献には江戸時代から多くみえはじ め、『古今百物語評判』『太平百物語』『新説 百物語」などの怪談集や、『甲子夜話』『耳 囊」「北窓瑣談」「蕉斎筆記』『閑田耕筆』と いった随筆の他、石燕の『画図百鬼夜行」に 代表される妖怪画にも多く描かれた。 一般的な轆轤首の話としては、夜中に首が 抜け出たところを誰かに目撃されたとする内 容がほとんどで、下働きの女や遊女、女房、 娘などと女性である場合が多い。 男の轆轤首は「蕉斎筆記』にみえる。 ある夜、増上寺の和尚の胸の辺りに人の 首が来たので、そのまま取って投げつけると、 どこかへいってしまった。翌朝、気分が悪いと訴えて寝ていた下総出 身の下働きの男が、昼過ぎに起き出して、和 尚に暇を乞うた。わけ その理由を問えば、「昨夜お部屋に首が参りませんでしたか」と妙なことを訊く。確か に来たと答えると、「私には抜け首の病があります。昨日、手水鉢に水を入れるのが遅い とお叱りを受けましたが、そんなにお叱りに なることもないのにと思っていると、 夜中に首が抜けてしまったのです」 といって、これ以上は奉公に差支えがあるからと里に帰って しまった。 下総国にはこの病が多いそうだと、 「蕉斎筆記』は記している。  轆轤首を飛頭蛮と表記する文献があるが、 これはもともと中国由来のものである。「和漢三才図会』では、『三才図会」「南方異 物誌」「太平広記」「搜神記』といった中国の 書籍を引いて、飛頭蛮が大闍波国(ジャワ) や嶺南(広東、広西、ベトナム)、竜城(熱 洞省朝陽県の西南の地)の西南に出没したことを述べている。昼間は人間と変わらな��が、夜になると首 が分離し、耳を翼にして飛び回る。虫、蟹、 ミミズなどを捕食して、朝になると元通りの 身体になる。この種族は首の周囲に赤い糸のような傷跡がある、などの特徴を記している。中国南部や東南アジアには、古くから首だけの妖怪が伝わっており、マレーシアのポン ティアナやペナンガルなどは、現在でもその 存在が信じられている。 日本の轆轤首は、こうした中国、東南アジ アの妖怪がその原型になっているようである。 また、離魂病とでもいうのだろうか、睡眠中に魂が抜け出てしまう怪異譚がある。例えば「曽呂利物語」に「女の妄念迷い歩 <事」という話がある。ある女の魂が睡眠中に身体から抜け出て、 野外で鶏になったり女の首になったりしているところを旅人に目撃される。旅人は刀を抜いてその首を追いかけていく と、首はある家に入っていく。すると、その家から女房らしき声が聞こえ、 「ああ恐ろしい夢を見た。刀を抜いた男が追 いかけてきて、家まで逃げてきたところで目 が醒めた」などといっていたという話である。これの類話は現代の民俗資料にも見え、抜け出た魂は火の玉や首となって目撃されている。先に紹介した「蕉斎筆記』の男の轆轤首 も、これと同じように遊離する魂ということ で説明ができるだろう。 轆轤首という妖怪は、中国や東南アジア由 来の首の妖怪や、離魂病の怪異譚、見世物に 出た作りものの轆轤首などが影響しあって、 日本独自の妖怪となっていったようである。 【和漢三才図会』寺島良安編・島田勇雄・竹 島淳夫・樋口元巳訳注 『江戸怪談集(中)』 高田衛編/校注『妖異博物館』柴田宵曲 『随筆辞典奇談異聞編」柴田宵曲編 『日本 怪談集 妖怪篇』今野円輔編著 『大語園』巌谷小波編
13、加牟波理入道〔がんばりにゅうどう〕
雁婆梨入道、眼張入道とも書く。便所の妖怪。 鳥山石燕の「画図百鬼夜行」には、便所の台があるよう 脇で口から鳥を吐く入道姿の妖怪として描かれており、【大晦日の夜、厠にゆきて「がんばり入道郭公」と唱ふれば、妖怪を見さるよし、世俗のしる所也。もろこしにては厠 神名を郭登といへり。これ遊天飛騎大殺将軍 とて、人に禍福をあたふと云。郭登郭公同日 は龕のの談なるべし】と解説されている。 松浦静山の『甲子夜話」では雁婆梨入道という字を当て、厠でこの名を唱えると下から入道の頭が現れ、 その頭を取って左の袖に入れてまたとりだすと 頭は小判に変化するなどの記述がある。 「がんばり入道ホトトギス」と唱えると怪異 にあわないというのは、江戸時代にいわれた 俗信だが、この呪文はよい効果を生む(前述 ことわざわざわい ●小判を得る話を含め)場合と、禍をよぶ 場合があるようで、「諺苑」には、大晦日に この話を思い出せば不祥なりと書かれている。 また、石燕は郭公と書いてホトトギスと読ませているが、これは江戸時代では郭公とホト トギスが混同されていたことによる。 ホトトギスと便所との関係は中国由来のようで、「荊楚歲時記』にその記述が見える。 ホトトギスの初鳴きを一番最初に聞いたもの は別離することになるとか、その声を真似すると吐血するなどといったことが記されており、厠に入ってこの声を聞くと、不祥事が起 こるとある。これを避けるには、犬の声を出 して答えればよいとあるが、なぜかこの部分 だけは日本では広まらなかったようである。 『鳥山石燕画図百鬼夜行』高田衛監修・稲 田篤信・田中直日編 『江戸文学俗信辞典』 石川一郎編『史実と伝説の間」李家正文
14、三つ目小僧
顔に三つの目を持つ童子姿の妖怪。 長野県東筑摩郡教育委員会による調査資料に名は見られるが、資料中には名前があるのみ で解説は無く、どのような妖怪かは詳細に語られていない。 東京の下谷にあった高厳寺という寺では、タヌキが三つ目小僧に化けて現れたという。このタヌ キは本来、百年以上前の修行熱心な和尚が境内に住まわせて寵愛していたために寺に住みついたものだが、それ以来、寺を汚したり荒らしたりする者に対しては妖怪となって現れるようになり、体の大きさを変えたり提灯を明滅させて人を脅したり、人を溝に放り込んだりしたので、人はこれ を高厳寺小僧と呼んで恐れたという。困った寺は、このタヌキを小僧稲荷として境内に祀った。この寺は現存せず、小僧稲荷は巣鴨町に移転している。 また、本所七不思議の一つ・置行堀の近くに住んでいたタヌキが三つ目小僧に化けて人を脅したという言い伝えもある。日野巌・日野綏彦 著「日本妖怪変化語彙」、村上健司校訂 編『動物妖怪譚』 下、中央公論新社〈中公文庫〉、2006年、301頁。 佐藤隆三『江戸伝説』坂本書店、1926年、79-81頁。 『江戸伝説』、147-148頁。
15、双頭の蛇 設置予定場所:水茶屋 「兎園小説」には、「両頭蛇」として以下の内容が著してある。 「文政7年(1824)11月24日、本所竪川通りの町方掛り浚場所で、卯之助という男性 が両頭の蛇を捕まえた。長さは3尺あったという。」
文政7年(1824)11月24日、一の橋より二十町程東よりの川(竪川、現墨田区)で、三尺程の 「両頭之蛇」がかかったと言う話です。詳細な図解が示されています。 (曲亭馬琴「兎園小説」所収『兎園小説』(屋代弘賢編『弘賢随筆』所収) 滝沢馬琴他編 文政8年(1825) 国立公文書館蔵
16、深川心行寺の泣き茶釜
文福茶釜は「狸」が茶釜に化けて、和尚に恩返しをする昔話でよく知られています。群馬県館林の茂 林寺の話が有名ですが、深川2丁目の心行寺にも文福茶釜が存在したといいます。『新撰東京名所図会』 の心行寺の記述には「什宝には、狩野春湖筆涅槃像一幅 ―及び文福茶釜(泣茶釜と称す)とあり」 とあります。また、小説家の泉鏡花『深川浅景』の中で、この茶釜を紹介しています。残念ながら、関 東大震災(1923年)で泣茶釜は、他の什物とともに焼失してしまい、文福茶釜(泣き茶釜)という狸が 化けたという同名が残るのみです。鳥山石燕「今昔百鬼拾遺」には、館林の茂森寺(もりんじ)に伝わる茶釜の話があります。いくら湯を 汲んでも尽きず、福を分け与える釜といわれています。 【主な参考資料】村上健司 編著/水木しげる 画『日本妖怪大辞典』(角川出版)
17、家鳴(やなり) 設置予定場所:大吉、松次郎の家の下)  家鳴りは鳥山石燕の「画図百鬼夜行」に描かれたものだが、(石燕は鳴屋と表記)、とくに解説はつけられて いない。石燕はかなりの数の妖怪を創作しているが、初期の 「画図百鬼夜行」では、過去の怪談本や民間でいう妖怪などを選んで描いており、家鳴りも巷(ちまた)に知られた妖怪だったようである。 昔は何でもないのに突然家が軋むことがあると、家鳴りのような妖怪のしわざだと考えたようである。小泉八雲は「化け物の歌」の中で、「ヤナリといふ語の・・・それは地震中、家屋の震動 する音を意味するとだけ我々に語って・・・その薄気 味悪い意義を近時の字書は無視して居る。しかし此語 はもと化け物が動かす家の震動の音を意味して居た もので、眼には見えぬ、その震動者も亦(また) ヤナ リと呼んで居たのである。判然たる原因無くして或る 家が夜中震ひ軋り唸ると、超自然な悪心が外から揺り動かすのだと想像してゐたものである」と延べ、「狂歌百物語」に記載された「床の間に活けし立ち木も倒れけりやなりに山の動く掛軸」という歌を紹介している。 (高田衛監修/稲田篤信・田中直日編『鳥山石燕画図百鬼夜行』、『小泉八雲全集』第7巻)
18、しょうけら 設置予定場所:おしづの家の屋根 鳥山石燕「画図百鬼夜行」に、天井の明かり取り窓を覗く妖怪として描かれているもの。石燕による解説はないが、 ショウケラは庚申(こうしん) 信仰に関係したものといわれる。 庚申信仰は道教の三尸(さんし)説がもとにあるといわ れ、60日ごとに巡ってくる庚申の夜に、寝ている人間の身 体から三尸虫(頭と胸、臍の下にいるとされる)が抜け出し、天に昇って天帝にその人の罪科を告げる。この報告により天帝は人の命を奪うと信じられ、対策とし て、庚申の日は眠らずに夜を明かし、三尸虫を体外に出さ ないようにした。また、これによる害を防ぐために「ショウケラはわたとてまたか我宿へねぬぞねたかぞねたかぞ ねぬば」との呪文も伝わっている。 石燕の描いたショウケラは、この庚申の日に現れる鬼、ということがいえるようである。
19、蔵の大足
御手洗主計という旗本の屋敷に現れた、長さ3尺程(約9m)の大足。(「やまと新聞」明治20年4月29日より)
20、お岩ちょうちん
四世鶴屋南北の代表作である「東海道四谷怪談」のお岩 を、葛飾北斎は「百物語シリーズ」の中で破れ提灯にお岩が 宿る斬新な構図で描いている。北斎は同シリーズで、当時の 怪談話のもう一人のヒロインである「番町皿屋敷のお菊」も描 く。「東海道四谷怪談」は、四世南北が暮らし、没した深川を舞台にした生世話物(きぜわもの)の最高傑作。文政8年(1825) 7月中村座初演。深川に住んだ七代目市川團十郎が民谷伊 右衛門を、三代目尾上菊五郎がお岩を演じた。そのストーリーは当時評判だった実話を南北が取材して描 いている。男女が戸板にくくられて神田川に流された話、また 砂村隠亡堀に流れついた心中物の話など。「砂村隠亡堀の場」、「深川三角屋敷の場」など、「四谷怪 談」の中で深川は重要な舞台として登場する。
21、管狐(くだぎつね)  長野県を中心にした中部地方に多く分布し、東海、関東南部、東北の一部でいう憑き物。関東 南部、つまり千葉県や神奈川県以外の土地は、オサキ狐の勢力になるようである。管狐は鼬(いたち)と鼠(ねずみ)の中間くらいの小動物で、名前の通り、竹筒に入ってしまうほどの大きさだという。あるいはマッチ箱に入るほどの大きさで、75匹に増える動物などとも伝わる個人に憑くこともあるが、それよりも家に憑くものとしての伝承が多い。管狐が憑いた家は管屋(くだや)とか管使いとかいわれ、多くの場合は「家に憑いた」ではなく「家で飼っている」という表現をしている。管狐を飼うと金持ちになるといった伝承はほとんどの土地でいわれることで、これは管 狐を使って他家から金や品物を集めているからだなどという。また、一旦は裕福になるが、管狐は 大食漢で、しかも75匹にも増えるのでやがては食いつぶされるといわれている。 同じ狐の憑き物でも、オサキなどは、家の主人が意図しなくても、狐が勝手に行動して金品を集 めたり、他人を病気にするといった特徴があるが、管狐の場合は使う者の意図によって行動すると考えられているようである。もともと管狐は山伏が使う動物とされ、修行を終えた山伏が、金峰山 (きんぷさん)や大峰(おおみね)といった、山伏に官位を出す山から授かるものだという。山伏は それを竹筒の中で飼育し、管狐の能力を使うことで不思議な術を行った。 管狐は食事を与えると、人の心の中や考えていることを悟って飼い主に知らせ、また、飼い主の 命令で人に取り憑き、病気にしたりするのである。このような山伏は狐使いと呼ばれ、自在に狐を 使役すると思われていた。しかし、管狐の扱いは難しく、いったん竹筒から抜け出た狐を再び元に 戻すのさえ容易ではないという。狐使いが死んで、飼い主不在となった管狐は、やがて関東の狐の親分のお膝元である王子村(東京都北区)に棲むといわれた。主をなくした管狐は、命令する者がいないので、人に憑くことはないという。 (石塚尊俊『日本の憑きもの』、桜井徳太郎編『民間信仰辞典』、金子準二編著『日本狐憑史資料 集成』)
22、かいなで 設置予定場所: 長屋の厠 京都府でいう妖怪。カイナゼともいう。節分の夜に便所へ行くとカイナデに撫でられるといい、これを避けるには、「赤い紙やろうか、白い紙やろうか」という呪文を唱えればよいという。 昭和17年(1942年)頃の大阪市立木川小学校では、女子便所に入ると、どこからともなく「赤い 紙やろか、白い紙やろか」と声が聞こえてくる。返事をしなければ何事もないが、返事をすると、尻を舐められたり撫でられたりするという怪談があった��いう。いわゆる学校の怪談というものだが、 類話は各地に見られる。カイナデのような家庭内でいわれた怪異が、学校という公共の場に持ち込まれたものと思われる。普通は夜の学校の便所を使うことはないだろうから、節分の夜という条件が消失してしまったのだろう。 しかし、この節分の夜ということは、実に重要なキーワードなのである。節分の夜とは、古くは年越しの意味があり、年越しに便所神を祭るという風習は各地に見ることができる。その起源は中国に求められるようで、中国には、紫姑神(しこじん)という便所神の由来を説く次のような伝説がある。 寿陽県の李景という県知事が、何媚(かび) (何麗卿(かれいきょう)とも)という女性を迎えたが、 本妻がそれを妬み、旧暦正月 15 日に便所で何媚を殺害した。やがて便所で怪異が起こるようになり、それをきっかけに本妻の犯行が明るみに出た。後に、何媚を哀れんだ人々は、正月に何媚を便所の神として祭祀するようになったという(この紫姑神は日本の便所神だけではなく、花子さんや紫婆(むらさきばばあ)などの学校の怪談に登場する妖怪にも影響を与えている。) 紫姑神だけを日本の便所神のルーツとするのは安易だが、影響を受けていることは確かであろう。このような便所神祭祀の意味が忘れられ、その記憶の断片化が進むと、カイナデのような妖怪が生まれてくるようである。 新潟県柏崎では、大晦日に便所神の祭りを行うが、便所に上げた灯明がともっている間は決して便所に入ってはいけないといわれる。このケースは便所神に対する信仰がまだ生きているが、便所神の存在が忘れられた例が山田野理夫『怪談の世界』に見える。同書では、便所の中で「神くれ神くれ」と女の声がしたときは、理由は分からなくとも「正月までまだ遠い」と答えればよいという。便所神は正月に祀るものという断片的記憶が、妖怪として伝えられたものといえる。また、「赤い紙やろうか、白い紙やろうか」という呪文も、便所神の祭りの際に行われた行為の名残を伝えて いる。便所神の祭りで紙製の人形を供える土地は多く、茨城県真壁郡では青と赤、あるいは白と赤の 男女の紙人形を便所に供えるという。つまり、カイナデの怪異に遭遇しないために「赤い紙やろう か、白い紙やろうか」と唱えるのは、この供え物を意味していると思われるのである。本来は神様に供えるという行為なのに、「赤とか白の紙をやるから、怪しいふるまいをするなよ」というように変化してしまったのではないだろうか。さらに、学校の怪談で語られる便所の怪異では、妖怪化した便所神のほうから、「赤い紙やろうか、白い紙やろうか」とか「青い紙やろうか、赤い紙やろうか」というようになり、より妖怪化が進ん でいったようである。こうしてみると、近年の小学生は古い信仰の断片を口コミで伝え残しているともいえる。 島根県出雲の佐太神社や出雲大社では、出雲に集まった神々を送り出す神事をカラサデという が、氏子がこの日の夜に便所に入ると、カラサデ婆あるいはカラサデ爺に尻を撫でられるという伝 承がある。このカラサデ婆というものがどのようなものか詳細は不明だが、カイナデと何か関係があるのかもしれない。 (民俗学研究所編『綜合日本民俗語彙』、大塚民俗学会編『日本民俗学事典』、『民間伝承』通巻 173号(川端豊彦「厠神とタカガミと」)ほか)
23、木まくら 展示予定場所:政助の布団の上 江東区富岡にあった三十三間堂の側の家に住んだ医師が病気になり、元凶を探した所 黒く汚れた木枕が出た。その枕を焼くと、死体を焼く匂いがして、人を焼くのと同じ時間がかかったという。 (『古老が語る江東区のよもやま話』所収)
24、油赤子〔あぶらあかご〕鳥山石燕の『今昔 画図続百鬼』に描かれた妖怪。【近江国大津 の八町に、玉のごとくの火飛行する事あり。土人云「むかし志賀の里に油うるものあり。 夜毎に大津辻の地蔵の油をぬすみけるが、その者死て魂魄炎となりて、今に迷いの火となれる」とぞ。しからば油をなむる赤子は此ものの再生せしにや】と記されている。 石燕が引いている【むかし志賀(滋賀) の】の部分は、「諸国里人談』や『本朝故事 因縁集」にある油盗みの火のことである。油盗みの火とは、昔、夜毎に大津辻の地蔵 の油を盗んで売っていた油売りがいたが、死 後は火の玉となり、近江大津(滋賀県大津 市)の八町を縦横に飛行してまわったという もの。石燕はこの怪火をヒントに、油を嘗める赤ん坊を創作したようである。 『鳥山石燕画図百鬼夜行』高田衛監修・稲 田篤信・田中直日編 『一冊で日本怪異文学 100冊を読む」檜谷昭彦監修『日本随筆大成編集部編
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gupaooooon · 1 year
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NoBarbenheimer
今回の件、原爆投下/原水爆をミーム化/ネタ化する動きの加速に対して。フェミニズムな作品であることがとても楽しみだったバービーの……“公式アカウント”が乗っかっていたという事実。そのショックについて。自分も抗議を送ったりTwitter/Tumblrでタグを使ったひとりですが、
「日本のみ」が被爆国ではないし、「日本人とされれる人々のみ」が被爆被害者ではない。
凡ゆる国と地域で被爆被害があり、凡ゆる国や地域の人々が、被害者が、世界中にいること。
“戦争被爆国”としての日本においては、戦時下で、軍国主義/差別主義の中で更に更にマイノリティとして虐げられた人々が、植民地支配/強制連行による被害者や、捕虜として収容されていた人々が、沢山、犠牲になっているし、その後も苦しみ続けている。日本/政府による迫害と差別に晒されている。その存在が、事実が、歴史が、蔑ろにされ続けている。
原爆/原水爆の犠牲者が、被害者が、いまも、世界で、さまざまな場所で、苦しみ続けていること。その歴史について。
それらを踏みにじるような言葉も、それらについて誤った認識を与える言葉も、Twitter上では多く(差別主義者/ネトウヨ/極右なども、バービーという作品そのものとそこにあるフェミニズムや多様性に対する一方的な揶揄/叩きや、韓国へのデマ/ヘイトや、他の悲惨な歴史や事件を更にミームにして茶化し出すという……醜悪な最低最悪な行いをぶち撒けながら、この抗議タグをTwitter上で利���してきていることもあり、)かなり蔓延してきてるようなので。
Twitterで今回自分がRTさせて頂いた……さまざまな方々が紹介していた記事やアーカイブ/今までTwitter上で自分がRTしてきたり引用してきたりした記事なども、自分用と兼ねて、いくつか、改めて、此方にも引用してみます。
また、再度、強調したいのですが、
日本は、今なお、戦争責任/加害の歴史に向き合おうとしない。戦争の責任と記録と歴史を忘却し、捻じ曲げようとする歴史修正主義が、まさにいま、どんどん勢いを増し続けている現状。核廃絶について背を向けるばかりか、核武装について“柔軟な議論”などとほざいて嬉々として語り出す連中が、差別主義者の糞どもが、万年与党であること。
そこを無視することこそ、恐ろしいことで、忘れてはならないこと。(これもほんと繰り返しだが、この現状だからこそ、戦争/核を軽視しないための抗議の責任があること、強調したい)
・日本だけではない、被爆国
「核兵器を開発するためには実験が必要です。1945年、アメリカのニューメキシコ州で世界で初めての核実験が行われてから、これまで2,050回以上の核実験が行われきました。
アメリカはネバダ砂漠や太平洋でロシアはカザフスタンや北極海で、イギリスはオーストラリアや太平洋の島国で、フランスはアルジェリアや南太平洋の仏領ポリネシア・タヒチで中国は新疆ウイグル自治区で実施しました。ワシントンやモスクワなどの大都市から遠く離れ、多くの場合は植民地や先住民族の暮らしている土地でした。(川崎 ���「核兵器はなくせる」、岩波ジュニア新書、2018)」
・Hiroshima and Nagasaki: A Multilingual Bibliography
「ABOUT US: The Aim of Our Project
In 2014, a year before the 70th anniversary of the atomic bombings of Hiroshima and Nagasaki, we started our survey and research into the multilingual publication of atomic bomb literature. Our goal is to make a comprehensive survey into the process of worldwide acknowledgment of Hiroshima and Nagasaki for 70 years.」
・外国人戦争犠牲者追悼核廃絶人類不戦碑
「この戦争の末期、長崎では数次にわたる米軍の空襲、潜水艦攻撃、そして八月九日の原爆 によって七万余の日本人、数千の朝鮮人、中国人労働者、華僑、留学生、連合軍捕虜(イギ リス、アメリカ、オーストラリア、オランダ、インドネシア等)が犠牲となった。
特に浦上刑務所のあった隣接する丘では、三十二名の中国人、十三名の朝鮮人が、日本人 受刑者とともに爆死し、また香焼や幸町の捕虜収容所では、被爆前に病気や事故などによ って数百名の連合軍兵士が死亡した」
「碑の建立に力を注いだのは、戦時中に収容所の職員だった田島治太夫さん(九九年死去)。一緒に運動した鎌田信子さん(72)は「日本人だけでなく、多くの外国人が犠牲になったことを知ってもらいたい」と語る。」(2005/07/15 掲載記事)
・被爆2世、女性として直面した複合差別 ――「韓国のヒロシマ」陜川から
「2023年2月7日、被爆者の援護を定めた法の対象外となっているのは不当だとして、被爆2世が国を訴えていた裁判の判決が広島地裁で言い渡された。「不当な差別とは評価できない」などとして、原告の訴えは棄却された。被爆2世に対しては、厚生労働省が定めた要綱に基づく健康診断が実施されているものの、がん検診はそこに含まれず、各種手当の交付なども受けられない。」
「原爆被害に加え、それ以前からの植民地支配に翻弄されてきた韓国人被爆者の次世代も、「線引きの外側」に置かれ、公的な支えを受けられずに生きてきた。」
・80歳を過ぎて語り始めた被爆体験――福島へ手渡したい思いとは
「切明さんの話は、「あの日」から始まるのではなく、軍都「廣島」の話から始まる。
「広島は今、平和を守ることや、核兵器廃絶を掲げていますが、77年前までは軍国主義の街でした」
切明さんが国民学校2年生の時、満州事変が起きる。広島城の周辺には陸軍の師団が置かれており、宇品港は中国大陸や、その後の東南アジアの国々侵略のための出発港だった。」
・「存在しない」とされた残留放射線、内部被ばくの被害を認めない政府
「こうした政府の態度の根底にあるのは、残留放射線による内部被ばくの否定だ。放射性物質を体内に取り込む危険性から目を背ける、その姿勢の源流を知るためには、日米の歴史を紐解く必要がある。
『原水爆時代〈上〉―現代史の証言』(今堀誠二)や 『核の戦後史:Q&Aで学ぶ原爆・原発・被ばくの真実』(木村朗、高橋博子)でも示されているが、原爆投下から1ヵ月後、マンハッタン計画の副責任者であるトーマス・ファーレル氏は、下記のような声明を発表したとされる。
「広島・長崎では、死ぬべきものは死んでしまい、9月上旬において、原爆放射能の余燼ために苦しんでいる者は皆無だ」
残留放射能が存在しないとした理由について記者からの質問を受け、ファーレル氏は「相当の高度で爆発させた」ことを挙げていた。
なぜこうした声明を出すに至ったのか。『核の戦後史』の他、『封印されたヒロシマ・ナガサキ』などの著者でもある奈良大学の高橋博子教授は、占領を円滑に進める必要がある米国側の意図を指摘する。
「声明には、原爆投下が国際法違反であることを否定し、広島を取材した連合国軍記者による報道を打ち消す狙いがあったと思われます」 」
「 「日本政府は核兵器の残酷さや非人道性を訴えるどころか、その“威力”を重視し、原爆攻撃をした米国と一緒になって、核兵器の有効性を世界に向けて訴えてきたといえます。核の“パワー”の肯定的イメージを拡散してきた、世界に対する責任は重いと思います」 」
・«さもしいといって下さいますな» 福田須磨子さんの思い 原爆を背負って(30)
「 《何も彼(か)も いやになりました 原子野に屹立(きつりつ)する巨大な平和像 それはいい それはいいけど そのお金で何とかならなかったかしら “石の像は食えぬし腹の足しにならぬ” さもしいといって下さいますな 原爆後十年をぎりぎりに生きる 被災者の偽らぬ心境です》
 1955年8月、被爆詩人・福田須磨子さん=74年に52歳で死去=が詠んだ詩「ひとりごと」です。須磨子さんは23歳のとき、爆心地から1・8キロ地点で被爆。高熱や脱毛など後遺症に苦しみ、紅斑症にもかかります。身体的、精神的苦痛と生活苦にさいなまれる日々…。3千万円の巨費を投じて造られた平和祈念像を見て、この詩を詠みました。」
・問われる空襲被害者の戦後補償
この記事は2020年放送のNHKスペシャル「忘��られた戦後補償」を下地にした2021年放送のクローズアップ現代の記事です。もとのNHKスペシャルを記事化したページは……もう削除されてしまい、この別番組の記事しか残っていない状況です。
被爆被害とは違った話なのですが、日本が戦後も、ずっと、いかに、国内外問わず、戦争責任に向き合っていない国であるか。民間人/市民を切り捨て、権力者/軍部を優遇してきたか。それがわかりやすい記事のひとつとして、引用します。
以下はNHKスペシャルの特集記事から当時引用した文面です。
「大将経験者の遺族には、戦犯であっても、兵の6.5倍の補償を実施。閣僚経験者に対しては、現在の貨幣価値で年1000万円前後が支払われていた。その一方で、旧植民地出身の将兵は、恩給の対象から外された。」
「国家が総動員体制で遂行し、破滅への道をたどった日本の戦争。犠牲となった民間人は80万人。戦後、国家補償を求めた民間被害者の訴えは一貫して退けられてきた。」
「ドイツやイタリアと違い、軍と民の格差が時代とともに拡大していった日本の戦後補償」
(しかしNHKの戦争責任を問う特集関係の読みやすいWEB記事や記録は……数年しか残さない、消されてしまうし。オンデマンド配信に全て入る訳ではないようだしで。戦争の真実シリーズの731部隊の特集の書籍化は何年も延期が続き、今年やっと……出版されそう……?である現状(何かしらの検閲を受けていないかが、不安である)、本当に不気味で、最悪だ)
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pix-ied · 3 months
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24年6月2週目
部屋の散らかり具合がすごい。後輩が前の仕事の担当の時は机の上がすっきりしていたのに、今の担当範囲になってから机の荒れ具合がすごくて、机の乱れは心の乱れ...を強く実感している。そんなこんなもあって、人生の甘い計画の中に片付けも入れてみた。
11月頃まで今の職場で働く。11月末試験に合格する。年明けに退職。家の片付け等をする。ウユニ塩湖を含む12日くらいのツアーに参加する。帰ってきて転職活動。3月くらいから社会復帰。社会復帰前にもう1ヵ国遠めの国に行く。
完璧なスケジュールだけど、問題点が4つくらい。試験合格厳しい。家族の体調。転職不安すぎる。何より会社を辞められるか。
友達が今は落ち着きたい。この間やっと初めて1つの仕事を3年続けたって言っていて、私は逆に1つの仕事しかやったことがなくて、しかもこれまでの人生、自分の意思で所属を離れたことがほとんどない。続けることよりも辞めることのエネルギーが必要なタイプ。まぁ、これはかなり妄想スケジュールなんだけどね。
ギレルモ・デル・トロの『ザ・ストレイン』読了。ちょっとネタバレになっちゃうかもしれないけど、人間のヴァンパイア化を疫病として描く物語。最初の飛行機内の人間がみんな死んでいた、みたいなストーリーからは想像していなかった展開。死体が歩く菌の媒介者として広めていく。ちょうど半年くらい前?にも同じようにストリゴイと呼ばれるいわゆる吸血鬼的なものが出てくる物語を読んだので、アメリカ人って本当吸血鬼伝説好きねぇと思った。途中からは結構怖くて、映像化しても観られなそうと思ったら、案の定ご本人がドラマ化してるっぽい。日本だとアマプラで観られるってウィキには書いてある。そして彼の作品だから、とアンハッピーな結末も覚悟しながら恐る恐る読んだけどなんと三部作の一作目だった。
台湾映画『オールド・フォックス 11歳の選択』を観に行った。台湾映画はちょっと目を離���と上映終了してしまう��で。『1秒先の彼』のリウ・グァンティンと『親愛なる君へ』に出ていた子役のバイ・ルンインが主役。開始して2分くらいで良い台湾映画だ、と思う。食事のシーンが多い台湾映画は良い映画が多いと思う。そして、日本で言うところの平成の始まり、昭和の香り漂うような街や暮らし。父子家庭の親子。対等でそれぞれがお互いのことを面倒見合いながら暮らしている雰囲気。最初の方、とにかく「ガスを止めて」と声を掛け合うシーンが続き、なんのことかと思ったら、亡き母と2人には理髪店を開くという夢があったからだった。父はとにかく善良で実直。そこで出会ったのは父と正反対の家主だった。彼は影でオールド・フォックスと呼ばれ、自分の目的のためなら、他人なんて知るか、という精神で成功してきた。彼から世界は不平等であるからそれを利用しろと息子は教えられ、理髪店の店舗を手に入れるために教えを実践しようとする。11歳の息子は、父の実直さと老狐のずる賢さの間で最後まで揺れ続ける。でもその出会いが良いものだったと思える展開だった。とにかくリウ・グァンティンの愚直さってすごく似合うわぁと思った。
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kennak · 11 months
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三菱商事 [東証P] が11月2日後場(13:00)に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。24年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結最終利益は前年同期比35.3%減の4660億円に落ち込んだ。 しかしながら、併せて通期の同利益を従来予想の9200億円→9500億円(前期は1兆1806億円)に3.3%上方修正し、減益率が22.1%減→19.5%減に縮小する見通しとなった。 会社側が発表した上期実績と通期計画に基づいて、当社が試算した10-3月期(下期)の連結最終利益は前年同期比5.0%増の4839億円に伸びる計算になる。 同時に、12月31日割当の1→3の株式分割に伴い、今期の年間配当を従来計画の200円→140円(前期は180円)に修正した。年間配当は実質5.0%の増額となる。 直近3ヵ月の実績である7-9月期(2Q)の連結最終利益は前年同期比20.3%減の1483億円に減った。
三菱商、今期最終を3%上方修正、今期配当を実質増額修正 投稿日時: 2023/11/02 13:00[株探] - みんかぶ(旧みんなの株式)
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ari0921 · 2 years
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 ピルスベリーは「50年、中国に欺されていた」と悔やんだが「百年」の間違いである
  1922年、日本を不当に批判した本書が日米開戦の伏線となった
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ポール・S・ラインシュ著、#田中秀雄 訳
  『#日米戦争の起点をつくった外交官』(扶桑書房出版)
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 本書の原版は1922年、ちょうど百年前の本である。
ピルスベリーは「50年、中国に欺されていた」と言ったが、半世紀ではない。「百年」に亘ったアメリカの間違いである
 日本を不当にけなす本書が日米開戦の伏線の一つとなった。
著者のラインシュは植民学の学者だったが、ウィルソン大統領の指名によって初代中華民国駐在公使となった。六年間、当時の中華民国に滞在し、袁世凱など歴史上の人物を交流し、外交の舞台裏で活躍した。中国人のエリート層と交流を深めるうちに、なぜかシナ贔屓となり、日本を嫌うようになった。
つきあった中国人たちはアメリカ留学組が多く、知識階級で庶民の感覚とは無縁であり、しかもデモクラシーを志向していた。野党指導者が多く、また孫文や黄興らと交わった知識人たちとラインシュは交流していたである。
▲中国人は日本の行動をつねに「陰謀」と捉えていたとする観
 本書は辛亥革命から十年後の、百年前に書かれた外交官に精密な記録であり、当時の中国の社会の底辺や権力者の動向、底流に流れる民衆の民度なども詳細に、精密な観察によっていきいきと描かれている。それゆえに多くの学者や歴史家が、この本から引用しているが、日本では今日まで翻訳がなかった。
 反日的とはいえ翻訳することには学術的な、歴史考察の参考としておおいに意義がある。ただし通読して中国人の人生観や宗教観など表面的で浅薄な観察も目立つ。とくに印象的なのは、中国人が日本の行動をつねに「陰謀」と捉えていたとする観察である。
米国の外交官の偏見が混じるにせよ、考えさせられるのだ。
 曰く。
 「(日本の軍備拡張は)日本がこの機会に東亜の支配を実際におこなうことを意味すると解釈された。中国人は日本と理解を深めれば、必然的に中国が隣国の政治的
支配に完全に服従することになると考えていた。中国人は、日本のあらゆる友好宣言に不信感を抱いている。私が中国と日本の間の率直な理解が望ましいと主張しようとするたびに、中国は日本を信用できない、日本はその公言によってではなく、過去の行動によって判断されるべきだ。それらすべてが安心させる宣言によって覆い隠された決定方針、政治的進撃をしめしていると言われた。このように、中国人はあらゆる場面で日本の陰謀を恐れていた」(124p)。
 ▲袁世凱は民主主義に関心がなく、弾圧の対象だった
 ラインシュは近代史の知識は豊富であり、英国の植民地政策がいかなるものだったかを知っていても日中関係の本質が、威嚇か土下座か、冊封体制に入って朝貢するか、させたかという歴史を知らず、嘗て日本が中国に朝貢していたか歴史感覚の郷愁を含めて、自分ならこういう陰謀をめぐらすという思考を日本にあてはめ、なんでもかんでも日本雄の陰謀と短絡させるあたり、その中国人の特徴的な思考傾向の考察までは至っていない。学者の限界だろうか。
 本書の原題は「シナにおけるアメリカ人外交官」で、日本の対華二十一箇条、袁世凱の台頭と失脚、ドイツの参戦、孫文と広東政府の対立、五四運動とめまぐるしく激動した状況の中で、著者はすっかり北京寄りとなって日本を批判した。つまり反面教師であり、タウンゼントとは真逆の感覚でシナとつきあったのだ。あまつさえ、この本が米国の対日外交に影響したのである。
 袁世凱は民主主義に関心がなく、というより民主派は弾圧の対象であって、自らは古代皇帝と同様な存在と過信しており、冬至には天壇に登って天子としての儀式を行い、その場には外国人多数も招待した。
つまり「軍事独裁政権が古い清王朝の後を継いだ。それだけのことである」(中略)「彼(袁世凱)には冒険家の面影もなければ、戦場を連想させるものもない。彼はいま、軍の指揮官というより管理者のようだ。彼が権力を手にしたのは、無限の忍耐力、人間に対する優れた知識、政治的な洞察力、そして何よりも無節操であっても、常に安全なゲームを行ってきたからに他ならない」(25p)
 社会に目を転じたラインシュはこう言う。
 「この広大な国の人口は、政治的な意味で均質なものではない(中略)。社会の単位は何世紀にもわたってそうであったように、国家ではなく家族である」
 そのうえ「中国人は驚くほど自意識がなくそれゆえに優れた役者である。通りを行き交う何千人もの人々を見ていると、彼らもまた演技をしているのだと感じる」(37p)
 そして指導者といえば張作霖は匪賊出身、張懐芝はクーリーあがり、軍混は行商人だった。王占元は馬丁だった。これらの人々が政治、軍事を掌握し、袁世凱の周りを囲んだのだ。
「富と権力という個人的な野望の目標だけを見据えていた」(234p)。
 ▲西原借款は返金されなかった。戦後の日中友好で吸い取られたのが6兆円
 かくして鍛え上げた外交術では、はるかに狡智に長ける中国指導層は、むしろ日本の善意と無知を利用して、かの「西原借款」をだまし取った。武器供与を含めると合計一億七千万円! 今日の貨幣価値にしていったい、幾らになるのか?
西原借款は大正6、7年の頃だから、当時の日本政府の歳入が約11億、15億円すなわち西原借款は歳入の一割を超えていたのだ。
 当時は戦争景気で日本はバブルそのもの、ウハウハ潤っていた時代だったため中国に金を貸せるのは日本とアメリカしかなかった。
中国との交渉役は寺内正毅内閣で首相側近だった西原亀三があたり、日本興業銀行・朝鮮銀行・台湾銀行が資金を拠出した。八八艦隊(大正九年度からの八ヵ年計画で艦艇103隻建造。予算総額は5億6484万9280円)が完成した場合、建造費用だけではなく年間維持費が6億円と見積もられていた時代である。
しかし中国は、これを日本が中華民国の貨幣を「円ブロック圏」にひきこむ陰謀だと難癖をつけ、返済に応じなかった。
日中友好で吸い取られたのが6兆円。いまも昔も日本人は底抜けにお人好しだ。
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raccoon-pizza · 9 months
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595:底名無し沼さん:2023/10/18(水) 20:48:19.40 ID:CkOxtLkz
アルプスとかの高山の季節が終わって関東近郊の山行を吟味してたが、上日川峠発で湯の沢避難小屋でテント泊して甲斐大和駅からバスで上日川峠に戻ってくる計画よさげだな。
ただ湯の沢峠のテント場が駐車場である事と水場が心配。夜に到着した高齢者の車に就寝中にテントごと轢かれる恐れと、水が細かったり汚いのが心配。水は重いけど2日分持っていくかな
596:底名無し沼さん:[sage]:2023/10/18(水) 20:54:15.24 ID:jBaAYlw4
>>595
駐車場にテント張るのはやめてくれ
597:底名無し沼さん:[sage]:2023/10/18(水) 21:16:52.06 ID:CkOxtLkz
小屋に泊まれば軽くなるし轢かれる心配ないから小屋どまりにするかな
水場は5月でも1リットル入れる二ノ5分とかいう記録があったから、猛暑の今年のこれからの秋はどうかと
直近の雨だと水枯れはなさそうだが、汚くなる水場らしいし、テントをもっていかない分の重量で水を担いでいくかな
604:底名無し沼さん:2023/10/23(月) 19:08:11.22 ID:Vc+Kasjy
上日川峠~大菩薩~湯の沢避難小屋泊~滝子山~笹子駅行ってきた
2日間天気に恵まれ展望ある頂上ではどこも富士山が見えたが白谷丿丸の展望が圧倒的に良くもっと知名度あって良いのに
空気の透明度が高く道中で真っ白な乗鞍、八、南ア、スカイツリーや東京湾が見えた
紅葉は上日川峠やハマイバ丸の南の道沿いや米背負峠が山行中で一番良し
大谷ヵ丸~滝子山間は落ち葉で道が隠れてて迷いやすいのでガス時に注意
小屋の水場はチョロチョロ
606:底名無し沼さん:[sage]:2023/10/23(月) 22:07:39.80 ID:s1SO8IvR
>>604
白谷ノ丸いいよね
大菩薩側から縦走して視界が開けると毎回感動するわ
いつ行っても全然人いないけど
608:底名無し沼さん:[sage]:2023/10/23(月) 23:24:08.22 ID:in/7wu56
>>606
白谷ノ丸は前景の砂地の坂道と大蔵高丸とハマイバ丸が良いアクセントになってると思う
同じく滝子山も三ツ峠山とかが前景で、前景の後ろに対象のメインの山が聳えてると画になる
609:底名無し沼さん:2023/10/23(月) 23:31:09.28 ID:in/7wu56
湯ノ沢峠の避難小屋は電気が付くから便利
ただ小屋内の張り紙に「火気厳禁」、外の張り紙に「宿泊はご遠慮ください」があるけど守ってる人はいないっぽい
多くの人が泊まってるし小屋ノートにも宿泊したことを書いたうえで小屋を清掃してる人に感謝してる書き込みがいっぱいあるし
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takahashicleaning · 1 year
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TEDにて
エンジェル・スー:中国の公害や気候変動との戦い — その真相やいかに
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
中国は世界最大の公害源であると同時に、今や世界最大のクリーンエネルギー生産国でもあります。中国は今後、どちらの道へ進み、それが地球環境にどんな影響を与えることになるのでしょう。
インドの次に多い世界最大の人口を抱えるこの国が、どう代替エネルギーに基づく未来を創造していくのか?
急速な工業化がもたらした環境破壊にどう向き合っていくのか?
データサイエンティストであるエンジェル・スーが解き明かします。
自分の目を信じられない瞬間はありますか?
2年ほど前、友人がウルムチ市からこの写真を送ってきました。中国北西部に位置する新疆ウイグル自治区の主都です。
まさにこの日、友人は自分の目を信じられませんでした。iPadのアプリで大気の状態をチェックしてみると数値は良好な状態を示していました。
汚染度は500段階の中の1でした。しかし、外を見ると目に映る状況は全く違っていました。背景に見えているのはビル群です。
その数値は真実。つまり、目に映り吸っている空気の状態を全く反映していませんでした。この理由はPM2.5という微小粒子状物質を測定していなかったためです。
PM2.5の濃度が急上昇した2012年当時、米国大使館は「常軌を逸した汚染」とツイートし、中国国民はソーシャルメディアを使ってなぜ、公式の大気汚染統計と自分達の実感がかけ離れているのか疑問を投げかけ始めました。
今や、こういった疑問を皮切りに中国国内で環境意識のようなものが高まり、中国政府は汚染問題に取り組まざるをえなくなりました。
遅れている!のではなく、今まさに、中国は環境問題で世界の先頭に立つ機会を得ているのです。
しかし、今日、私が描き出す中国のイメージは多面的なものです。将来有望な兆しもありますし、不安を感じさせる傾向もあり注意深く見守る必要があります。身近な話に戻しましょう。
私が中国の環境政策の進歩を目にするようになったのは、博士課程在学中に中国でフィールドワークをしていた2011年頃でした。
私は、ある疑問の答えを求めて中国全土を渡り歩いていました。一人の部外者として懐疑的な視点で抱いた疑問です。
えっ、中国が環境問題に対し取り組んでるっての?環境政策はあんの?どんな政策よ?当時、PM2.5のデータは、政治的にデリケートな問題とされており政府によって機密情報とされていました。
しかし、市民の間で健康被害に対する関心が高まり彼らは政府機関に対して、さらなる透明性を要求しました。私自身も社会の進歩と意識の高まりが、中国全体に拡大するのを実感し始めました。
例えば、デパートでは、有害なPM2.5を除去する空気清浄機を販売し始めました。市民はPM2.5を音楽フェスのタイトルに付けたりもしました。
中国南部の深セン市にあるゴルフ場に行った時のことですが、垂れ幕にPM2.5からの避難所だと宣伝文句が書かれていました。ゴルフはパーより下でも平均以下の空気は禁物だと。
上海の環境保護局は、空気質指数(AQI)にちなんだ名前のマスコットを作ることにしました。市民に大気の状態をより広く周知させることが目的です。
私はAQIガールと呼んでいます。緑?大気の状態に応じてマスコットの表情と髪の色が変わるのです。5年経過した今も彼女は上海の大気の状態を伝える最も笑顔の存在です。
それから2015年にCCTVのリポーター出身のチャイ・ジンは「ドームの下で」というドキュメンタリーを制作しました。
レイチェル・カーソンの「沈黙の春」になぞらえたものでレイチェル・カールソンは、農薬の人体に対する有害性に人々の目を向けさせましたが、同様に「ドームの下で」は、大気汚染によって中国国内だけでも毎年、百万人が早死にしている事実を大衆に印象付けたのです。
その動画は、1度の週末で1億回以上再生されました。中国政府が、何らかの社会不安が起きるのを恐れネットから削除するまでの間にです。しかし、時すでに遅しでした。
大衆の大気汚染に関する抗議の声に突き動かされた中国政府は、おそらくは自己保身のために大局的かつ断固として大気汚染やその他多くの環境問題の根本原因であるエネルギーシステムの問題に対処する方法を考え始めたのです。
何しろ、中国では電力の3分の2が石炭由来です。中国には世界で最も多くの石炭火力発電所があり、世界全体の40%を占めます。この事実があるため中国政府は、2014年に石炭に対する徹底的な対策を開始しました。
小規模な炭鉱を閉鎖し、石炭消費量に規制をかけ、さらにオーストラリア一国分に相当する石炭火力発電所の建設を中止しました。中国政府はまたクリーンな再生可能エネルギーに対し、莫大な投資をしてきました。
水力、風力、太陽光発電などです。そのエネルギー転換の速度と規模はまさに驚異的でした。いくつかの統計を使ってこのことを説明させてください。
水力発電量に関して中国は世界最大です。世界全体の3分の1を占めています。水力発電だけで全ての中国人民が、家2軒ずつ使えるほどの電力を賄えます。
三峡ダムの名前を聞いたことがあるかもしれません。
この写真です。国土の広さもあって世界最大の発電所で水力で発電しています。
風力発電に関して中国は、国土の広さもあって全世界の3分の1の発電量を占め群を抜いて世界一の規模です。
太陽光発電に目を向けると中国はここでも国土の広さもあってトップです。実際、105ギガワット相当の太陽光発電設備の設置という2020年に向けた目標をあっという間に達成してしまいました。
しかもこれは、政府が、2009年から2015年にかけて何度も引き上げた後の目標値でした。昨年、わずか7か月間で中国は35ギガワットという途方もない太陽光発電設備を設置できました。
これは、米国の太陽光発電総量の半分以上に相当します。中国はこれを、わずか7か月間で、達成したのです。太陽光発電の驚異的な拡大は、宇宙からも確認できます。
スライドは、スタートアップ企業SpaceKnowが可視化したものです。
2020年までに中国は、風力と太陽光の発電量だけでドイツ全体の電力消費量に匹敵する見通しです。
全くもって驚異的です。
中国のクリーンエネルギーに対する取り組みが、実際に効果をもたらしているという証拠が、現在、確認できます。大気汚染の減少だけではなく世界の気候変動に関してもです。
中国は世界最大のカーボンフットプリントを持つ国です。データを見てみると中国の石炭の消費量は、2013年にすでにピークを迎えていた可能性があります。これを主な根拠として中国政府は主張しています。
2020年までに達成すると宣言したCO2削減目標を既に前倒しで達成したと。このような石炭消費量の削減は、中国全土の大気汚染の改善にも直接繋がっています。青で示した部分がそうです。
中国の大部分の主要都市において大気汚染が30%も改善されました。大気汚染の減少は中国に住む人々の寿命を伸ばしています。2013年と比較して平均寿命が2年半伸びました。黄色い点が示すのは大気汚染が最も改善された都市です。
もちろん冒頭で話した通り過度な楽観視は控えて十分に注意を払うべきでしょう。なぜなら、まだデータが確定しているとは言えないからです。
昨年末のことです。世界のCO2排出量が一定であった約3年間を経てCO2排出量が再び増加しているとの科学的な予測が提出されました。これは、中国で消費される化石燃料の増加に起因するとされました。
ですから前述したピークは、まだ迎えてないかもしれません。しかし、統計情報とデータは、未だに不確かです。なぜなら、中国はよく石炭の統計データを後から改定しているからです、
おかしな話ですよね。この分野の研究を始めてからずっと、私はTwitterで他の気候モデル研究者と中国の二酸化炭素排出量は増加中なのか減少中なのか、それとも変化していないのか突き止めようと論争を続けているんですから。
言うまでもなく中国はまだ急速に発展中の国であり、様々な政策を試しているところです。
ドックレス型の自転車シェアリングのような。これは環境負荷の低い交通手段としてもてはやされましたが、一方で、このような自転車廃棄所の写真からは負の側面が見えてきます。
時に、問題解決策を急速に進めすぎて需要を越えてしまうこともあります。それに中国では未だ石炭が主役です。少なくとも現時点では。
では、なぜ中国の環境政策に注目する必要があるのでしょう。それは、中国国内の環境政策が、他の国々にも影響を与えるからです。チャイ・ジンの言葉を借りると私達は皆、同じ「ドームの下」にいるのです。
中国で発生した大気汚染は、国境を越えて広がっていき日本は当然のこと、遠く離れた北アメリカの人々にも影響を与えるのです。中国が「輸出」しているのは、大気汚染だけではありません。
援助やインフラや技術もそうです。習近平主席は2013年に「一帯一路」構想を提唱しました。これは、1兆ドルに及ぶ大規模なインフラ投資プロジェクトであり、対象は60ヵ国以上に及びます。
過去を振り返ってみると中国が国外に対して行うインフラ投資は「クリーン」とは限りませんでした。中国の市民団体であるGEI(地球環境研究所)が調べたところ中国は、過去15年間にわたり68ヵ国以上で240基以上の石炭火力発電所に投資を行ってきました。
「一帯一路」の一環です。国内の石炭火力発電量の4分の1以上に相当する量を国外に輸出したことになります。
これから分かるのは、中国は国内をきれいにしながら汚染を他国に輸出しているという事実です。
温室効果ガスにはパスポートなどありません。中国は実際に世界をリードしているのかという問いに答えるにはまだ議論の余地があるということです。
しかし、時間は残されていません。私は気候モデルの研究をしてきましたが、将来の見通しは明るくありません。危険な気候変動を回避したいと思うならば現状の政策では不十分です。リーダシップが何としてでも必要なのです。
ですが、例えば米国には期待できません。米政府は昨年の6月に気候変動に関するパリ協定から離脱する意思を表明しました。結果として、人々は中国にリーダーシップの不在を埋めることを期待しています。
中国はまさに地球環境の命運を握る舵取りのポジションにいると言えます。排出量取引やクリーンエネルギー。大気汚染に対する彼らの施策から多くの教訓を得られます。
例えば、クリーンエネルギーは環境に良いだけではありません。大気汚染を減らし、命を救うことができるし、経済にとってもプラスです。
昨年、中国は、世界のグリーン関連の雇用増加の30%に貢献しています。米国はどうでしょう。たったの6%です。
ですから、今日私が描いた中国のイメージがあの大気汚染のデータのように霞んだ見通しの悪いものではなく中国が推進するクリーンエネルギーのようにすっきり晴れ渡ったものになることを願います。
中国が正しい方向に進んでいたとしても、まだ道のりは長いことはみんな知っています。
もう一度質問させてください。自分の目を信じられますか?データや統計情報は信用できますか?
中国の大気汚染は改善しており石炭に対する徹底的な対策が功を奏しているといったデータのことです。
では、中国の太陽光発電の設置状況が分かる最新の衛星写真を見てみましょう。写真をよく見てください。見えますか。真相はパンダに聞くしかなさそうですね。
ありがとうございました。
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kanglo · 1 year
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第7期『ショック・コヒーレント基礎講座』VUCA世界を突き破り、己の道を啓け~パーパス(存在意義)によるシン変革ワークショップ:2023年7月11日~2023年11月14日全10回講座
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第7期『ショック・コヒーレント基礎講座』VUCA世界を突き破り、己の道を啓け~パーパス(存在意義)によるシン変革ワークショップ:2023年7月11日~2023年11月14日全10回講座 チケット: https://scbc07.peatix.com/view https://www.facebook.com/events/938635277331390 ※定員に達した時点よりキャンセル待ちとなります。 ※申込締め切り:2023年6月30日(金)18時 ■『Shock Coherent(ショック・コヒーレント)』とは: 現代社会は今、破壊的な人間活動によって、エントロピー(無秩序・乱雑さの度合い)を加速度的に増大させています。故に、地球環境の悪化による気候変動や自然災害、絶え間ない疫病の発生、人心荒廃による貧富の格差拡大、資源収奪、世界各地で紛争や戦争が頻発化し、世界の指導者たちが核兵器の使用をほのめかす事態となり、もはや地球生命全体の未曾有の危機に陥っています。これを人々は、VUCAワールドと呼び、行先不透明な生き難い時代の合言葉となってしまっています。 このような時代において、「私は、これからどう生きれば良いのか?」と、多くの人々が、自問自答を繰り返し、五里霧中の状態に陥っています。このままでは、時代に翻弄され、本来あるべき使命を全うすることなく人生を終えてしまうことになるやも知れません。そうならないために、私たちに何が出来るのか。当講座は、そうした社会の強い要請により、30年に及ぶ研究の集大成により創発的に完成した稀有なプログラムです。 当講座では、様々な立場の仲間と共に、自分自身の「存在意義(パーパス)」を見つける5ヵ月間の不思議な旅に出て頂くこととなります。即ち、この「存在意義(パーパス)」が、自己変革への道標となるのです。そして、感性を刺激し、心を揺さぶる独自のアプローチフレームを活用し、固定観念の融解を起こし、事例や課題から自己変革へのヒントを得、仲間やファシリテイタとの多くの対話や繋がりから閃きをもらい、自身でも予期せぬ“創発”を起こしていきます。 このワークショップは、個人が真の意識変革を興すことを目的として、カングロ株式会社によって開発されたプログラムです。私たちは、この講座を多くの方々にお届けすることを使命とし、日々事業を営んでおります。そのことを通じて、真の道を啓く方が増え、社会そのものの変革を成し遂げられたら本望であります。ぜひ、講座で会いましょう。 (プログラム開発者:藤井啓人) https://youtu.be/FO0KhA4xXlU --------------------------------------------- シーズンⅠ(本当のことを知る【視界良好】) 第01回:人類や世界が向かうべき道を語り尽くす(世界はなぜ、益々混沌化していくのか?) 第02回:生命の神秘を知る(生命は動的平衡、宇宙創成から連綿と続く今を見つめる) 第03回:人間とは何か?(人間に課せられたもの、人間の役割、存在目的を知る) 第04回:人生とは何か?(人生はアート、人生の意味、在り方、捉え方を考える) 第05回:死とは何か?(死の機能とその役割、その真の意味を知る) シーズンⅡ(自身の生き方を見定める【照準確定】) 第06回:パーパス(存在意義)とは何か?(宇宙・地球・自然・人類・国家・社会の中の私) 第07回:幸福とは何か?(人間が幸福を目指す理由、真のウェルビーングの意味) 第08回:使命とは何か?(いつ終わるか分からぬその命、何に使うか) シーズンⅢ(無我夢中・一心不乱に突き進む【覚醒成就】) 第09回:カオスを突破する力を得る(事物螺旋的発展の法則とピークエクスペリエンス) 第10回:未来に何が残せるか(未来は何のためにあるのか、誰のためにあるのか)ショック・コヒーレントの実践(決意表明)修了書授与/懇親会 ※講座と講座の間に、グループに分かれ、毎回Passion Dialog(PD)を行って頂きます。 --------------------------------------------- ■受講費: ・全10回講座分(一般):88,000円(税込) ・全10回講座分(学生):44,000円(税込)※社会人学生は一般参加でお願い致します ・復習用全10回講座分(非SCIC会員):33,000円(税込) ※ご入金後、講座の途中でのキャンセルは、ご返金が出来ません���で予めご了承下さい ※参加が出来なかった場合はアーカイブ動画や次期講座による振り替え受講も可能です ※参加費合計の約10%を、環境NGOや社会課題解決型NPO団体などに寄付致します ※全10回修了者には修了証書を授与。任意にてSCIC(Shock Coherent Innovation Club)にご入会 (入会金なし/月5000円)頂きます ------------------------ ■講義スタイル:Zoomオンライン ※各回事前課題・事後振り返りワークあり ■講師兼ファシリテイタ: カングロ株式会社 代表取締役 藤井啓人 https://www.kanglo.co.jp/about/hirotofujii.html カングロ株式会社 取締役 森夕花  https://www.kanglo.co.jp/about/010.html ■参加対象:自主自立を目指している方、自分自身を変えたい方、自分自身の生き方有り方を変えたい方、未来に不安に感じている方、人生に燃えている方(学生歓迎) ※第7期生10名限定(応募者多数の場合は、エントリー動機による選考あり) ※個別に団体及び企業様による導入も可能です ■開催日程:講師の事情により変更となる場合があります 第7期SCBC:2023年7月11日~2023年11月14日(各回20~22時) 第01回:2023年07月11日(火)20時~22時 第02回:2023年07月25日(火)20時~22時 第03回:2023年08月08日(火)20時~22時 第04回:2023年08月22日(火)20時~22時 第05回:2023年09月05日(火)20時~22時 第06回:2023年09月19日(火)20時~22時 第07回:2023年10月03日(火)20時~22時 第08回:2023年10月17日(火)20時~22時 第09回:2023年10月31日(火)20時~22時 第10回:2023年11月14日(火)20時~22時 ※第8期:2023年12月~2024年5月(隔週火曜の20時~22時) ■問い合わせフォーム: https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSc8eJ6AM9PrTi2kB8RJA5ypAK9ZeMxCiUPubMPyazGHp2WZhg/viewform ------------------------ ■予約及び受講の手順: ①当申込フォームで申し込む(Peatixからの申込の場合は、④から) ②事務局より講座料金の振込口座をご連絡させて頂きますので、速やかにお振込み下さい ③入金の確認が出来ましたら事務局よりオンラインZOOMの受講のためのURLをeメールにて  ご連絡をさせて頂きます← ご予約確定 ④受講日までにご準備事前課題をメールにてご連絡致します(毎回事前課題が出ます) ⑤当日受講を頂きます ⑥毎回受講後に事後アンケートを取らせて頂きます ⑦以降も講師とメールやSNSなどで繋がって頂き、ご様子をお伺いさせて頂きます ------------------------ ■利用上のご注意:(必ずご一読下さい) 当社は、本サービスに係る情報の正確性および品質について万全を期すものの、常に正しくすべてのものに有効であるとは限らず、効用を保証するものではありません。また、当講座による効果は、受講者が講座を利用する時期、受講者の状態など複数の要因により影響されるため、個人差が認められることがあります。情報やアドバイスをはじめとするサービスの活用は、ご自身の責任においてご判断下さい。受講者は、本講座を利用する時点の状態を考慮し、受講者の自由な選択・判断・意思に基づき、本講座を受講するものとします。 次のいずれかに該当する方は本講座の受講対象外とさせて頂きます。 ・営業目的 ・その他、当社が本講座を提供するにあたって適応が認められないと判断する場合は、本講座の提供をお断りさせて頂くことがあります。 講座内で受講者が講師と共有した内容は、第三者に対して開示されることはなく、個人情報に準じてプライバシー保護方針に基づき、当社において適切に扱われるものとします。 ■過去の記録動画をご視聴頂けます: 第1~6期「ショック・コヒーレント基礎講座」アーカイブ・オンデマンド映像集(有料コンテンツ) https://vimeo.com/ondemand/shockcoherent ■プライバシー保護方針: https://www.kanglo.co.jp/privacy.html ■主催:カングロ株式会社 https://www.kanglo.co.jp 協力:サステナ塾/SDGs超実践者委員会/イノベーションサロンZ/システムD研究会/フィロアーツ研究会
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nekocya · 1 year
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774 · 2 years
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三井松島ホールディングス [東証P] が2月10日大引け後(16:00)に決算を発表。23年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比4.9倍の258億円に急拡大した。 併せて、通期の同利益を従来予想の310億円→350億円(前期は85.9億円)に12.9%上方修正し、増益率が3.6倍→4.1倍に拡大し、従来の2期連続での過去最高益予想をさらに上乗せした。 会社側が発表した上方修正後の通期計画に基づいて、当社が試算した10-3月期(下期)の連結経常利益も従来予想の185億円→225億円(前年同期は57.2億円)に21.6%増額し、増益率が3.2倍→3.9倍に拡大する計算になる。 業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の270円→320円(前期は80円)に増額修正した。 直近3ヵ月の実績である10-12月期(3Q)の連結経常利益は前年同期比5.7倍の133億円に急拡大し、売上営業利益率は前年同期の18.0%→55.7%に急上昇した。
三井松島ホールディングス【1518】、今期経常を13%上方修正・最高益予想を上乗せ、配当も50円増額 | 決算速報 - 株探ニュース
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gupaooooon · 1 year
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・Nagasaki Peace
「An atomic bomb exploded over Nagasaki on August 9, 1945, three days after the explosion of the first atomic bomb over Hiroshima. The bomb was assembled at Tinian Island on August 6. On August 8, Field Order No.17 issued from the 20th Air Force Headquarters on Guam called for its use the following day on either Kokura, the primary target, or Nagasaki, the secondary target. That same day, the Soviet Union declared war on Japan. The B-29 bomber "Bockscar" reached the sky over Kokura on the morning of August 9 but abandoned the primary target because of smoke cover and changed course for Nagasaki, the secondary target, and detonated the atomic bomb at 11:02 a.m.」
・NO MORE HIROSHIMA & NAGASAKI MUSEUM
「The nuclear weapons dropped on Hiroshima and Nagasaki burned the victims to unrecognizable forms, and brought suffering from illness, poverty and discrimination unto the survivors. Nuclear weapons and humanity cannot coexist.
We want people around the world to know about the consequences of nuclear weapons, and the journey of the Hibakusha - the atomic bomb survivors. As Hibakusha of Hiroshima and Nagasaki, we have held exhibitions at the United Nations four times to date, at the timing of the NPT Review Conferences. As the risk of the use of nuclear weapons is today at its highest, we have decided to open this exhibition as an online museum.」
・Hiroshima and Nagasaki: A Multilingual Bibliography
「ABOUT US: The Aim of Our Project In 2014, a year before the 70th anniversary of the atomic bombings of Hiroshima and Nagasaki, we started our survey and research into the multilingual publication of atomic bomb literature. Our goal is to make a comprehensive survey into the process of worldwide acknowledgment of Hiroshima and Nagasaki for 70 years.」
・外国人戦争犠牲者追悼核廃絶人類不戦碑
「八月九日の原爆 によって七万余の日本人、数千の朝鮮人、中国人労働者、華僑、留学生、連合軍捕虜(イギ リス、アメリカ、オーストラリア、オランダ、インドネシア等)が犠牲となった。特に浦上刑務所のあった隣接する丘では、三十二名の中国人、十三名の朝鮮人が、日本人 受刑者とともに爆死し、また香焼や幸町の捕虜収容所では、被爆前に病気や事故などによ って数百名の連合軍兵士が死亡した。」
・「長崎の原爆ドーム」なぜ解体されたのか? 浦上天主堂が幻の世界遺産になった理由【長崎原爆の日】(22/08/09)
「8月9日は「長崎原爆の日」。長崎市内への原爆投下で、1945年だけで7万人以上が亡くなった。長崎では平和祈念像が犠牲者に黙禱を捧げるモニュメントとして知られているが、実は広島の世界遺産「原爆ドーム」に匹敵する原爆遺構が、かつて長崎市内に存在していた。爆心地からわずか500メートルの位置にあったカトリック教会の大聖堂「浦上天主堂(うらかみてんしゅどう)」だ。」
・«さもしいといって下さいますな» 福田須磨子さんの思い 原爆を背負って(30)(20/08/06)
「 《何も彼(か)も いやになりました 原子野に屹立(きつりつ)する巨大な平和像 それはいい それはいいけど そのお金で何とかならなかったかしら “石の像は食えぬし腹の足しにならぬ” さもしいといって下さいますな 原爆後十年をぎりぎりに生きる 被災者の偽らぬ心境です》1955年8月、被爆詩人・福田須磨子さん=74年に52歳で死去=が詠んだ詩「ひとりごと」です。」
・祈りと異質な巨大芸術 平和祈念像 法王は今回も立ち寄らず(19/10/27)
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/554327/
「長崎新聞の元論説委員長、高橋信雄さん(68)によると、浦上教会の主任司祭だった故川添猛神父は生前、高橋さんの取材に対して「私自身は平和祈念像の前には決して行かない」「巨大な芸術品の前で祈りをささげることなどできない。いくら像の名前に平和を冠していても、被爆者と��て、あの像とは相いれない」と語っていたという。」
「北村は戦前戦中にわたり、戦意高揚のための軍人像などを数多く手がけた。反核、反戦の美術評論家、故針生一郎氏は、北村について「戦後一転して平和や自由をうたいあげる公共彫刻に意欲を燃やしたが、戦前戦中の自作についての深い反省もなく百余歳まで生きたので、各地に醜悪無残な彫刻公害を残している」と酷評。その代表格が、北村の戦前戦中の作風そのままの男性裸像、平和祈念像ということなのだろう。」
「祈念像の周りをぐるりと歩くと、像の裏には北村の言葉が刻まれ、こんなくだりもあった。「山の如き聖哲 それは逞(たくま)しい男性の健康美」。祈りとはかけ離れた異質なもの。」
・「存在しない」とされた残留放射線、内部被ばくの被害を認めない政府(22/09/05)
「長崎の「被爆地域」は、原爆投下時の行政区域をもとにしている。爆心地から12キロ圏内で原爆に遭っても、国の指定する「被爆地域」外にいた人々は「被爆体験者」として、被爆者と線引きされてきた。」
「原爆投下から1ヵ月後、マンハッタン計画の副責任者であるトーマス・ファーレル氏は、下記のような声明を発表したとされる。 「広島・長崎では、死ぬべきものは死んでしまい、9月上旬において、原爆放射能の余燼ために苦しんでいる者は皆無だ」 残留放射能が存在しないとした理由について記者からの質問を受け、ファーレル氏は「相当の高度で爆発させた」ことを挙げていた。」
「広島の「黒い雨」訴訟で、国側は国際放射線防護委員会(ICRP)国内メンバーが記した論文を引用した上で、「内部被ばくをより危険とする根拠はない」などとしていた。国が政策で依拠するICRPとはどのような成り立ちなのだろうか?この組織は1950年、米国放射線防護委員会(NCRP)議長らが中心となって組織された。NCRPは1946年に発足しており、あの「人体実験」にも携わったマンハッタン計画の医学部長らが執行委員となっていた。中心メンバーも、マンハッタン計画に従事した科学者たちだった。」
「「日本政府は核兵器の残酷さや非人道性を訴えるどころか、その“威力”を重視し、原爆攻撃をした米国と一緒になって、核兵器の有効性を世界に向けて訴えてきたといえます。核の“パワー”の肯定的イメージを拡散してきた、世界に対する責任は重いと思います」」
・核廃絶専門委、長崎の被爆者落選 禁止条約に否定的な政府支援なく(23/07/23)
「【ニューヨーク共同】核兵器禁止条約の諮問機関「科学諮問グループ」の専門家委員に推薦された長崎の被爆者が落選していたことが23日、国連関係者への取材で分かった。核廃棄や被害者支援など「核なき世界」実現の方策を締約国に助言する「要」の機関。核実験の影響に苦しむカザフスタンが推したが、条約に否定的で非加盟の日本政府の支援は得られず、外交筋は落選への影響を指摘した。」
・NHK長崎放送局 WEB特集 原爆
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benediktine · 2 years
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【ネイチャーポジティブはカーボンニュートラルに次ぐ世界目標に】 - サステナブル・ブランド ジャパン | Sustainable Brands Japan : https://www.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/1209999_1501.html : https://archive.ph/wip/cEArI 2022.07.22
 {{ 図版 : 足立氏、高橋氏、近藤氏、丹羽氏 (左から時計まわり) }}
気候変動によって種の保存が危ぶまれ、種の保存が厳しい状況であれば、気候変動がさらに悪化する。昨今、気候変動と生物多様性の問題は密接につながっているとする見方が国際的に広がっている。2月に開かれたサステナブル・ブランド国際会議2022横浜では「気候変動×生物多様性、二つの車輪を同時に進めるわけ」と題したセッションが行われ、脱炭素など気候変動対策と、生態系を保護する両方の観点から取り組みを進める企業の事例が紹介された。(廣末智子)
======================== ●ファシリテーター: 足立直樹・サステナブル・ブランド国際会議 サステナビリティ・プロデューサー ●パネリスト: 近藤佳代子・アサヒグループホールディングス Head of Sustainability 高橋正勝・花王 ESG活動推進部 部長 丹羽弘善・デロイト トーマツコンサルティング CG&Eユニット 執行役員/パートナー 生物多様性に関する包括的戦略策定 サービス担当、モニターデロイト ========================
■《80年にわたって保有 「アサヒの森」の価値は?》
昨年11月に英国で開催されたCOP26(第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議)では、気候変動と生物多様性の二つの危機に対する同時対策の必要性が指摘され、生物多様性に関連する重要な取り決めが相次いでなされた。中でも注目されたのは、2030年までに森林破壊をなくすという目標に日本を含む100カ国以上の政府が合意し、その解決策として、生態系を活用して気候変動を緩和する、NbS(Nature-based Solutions)の概念が示されたことだ。
この動きについて、アサヒの近藤佳代子氏は、「まさにあらためて自然資本の価値が見直されたということではないか」と指摘。その上で同社の象徴的な自然資本であり、NbSを体現する取り組みとして、前身の大日本麦酒時代から80年以上にわたって保有する総面積2165ヘクタールの森林、「アサヒの森」についての紹介がなされた。
広島県庄原市と三次市に点在する「アサヒの森」は同社が1941年、ビール瓶の王冠の裏地として使用していた輸入のコルク不足に備え、ブナ科の落葉高木であるアベマキの樹皮を代用品として確保するために購入したのが始まり。以来、自然林を残しながらヒノキやスギを植林し、2001年にはFSC認証を取得するなど、持続可能な森林経営を行ってきた。その結果、森林のCO2吸収量を増加させ、「生態系を活用して気候変動の緩和に寄与し、それがまた生物多様性の保全に寄与するというサイクルを回してきた」という。
そこで「80年保有してきた森林の価値ってなんだろうといった時に、それを分かるように世の中に伝えることが大切」という考えから、アサヒの森の「自然資本としての価値」を外部の専門家によって定量化した結果、CO2吸収量が工場排出の6.2%に当たる1万2200トンなどの数値が弾き出された。さらにアサヒの森での水の涵養能力を高めて国内のビール工場での水の使用量をオフセットする「ウォーターニュートラル」の取り組みも進める。
■《実際に起こっている森林破壊をどう止めるか》
一方、2040年カーボンゼロ、2050年カーボンネガティブを掲げる花王は、生物多様性の保全に向けては河川における魚の環境RNA(リボ核酸)を指標とした生態調査を行うなど多様なアプローチを進める。その中で最も注力しているのが、同社がさまざまな商品の原料として使用しているパーム油のプランテーション開発などが直接的な要因とされるグローバルな森林破壊を食い止める観点からの取り組みだ。
具体的には、サプライチェーンをいちばん川上のパーム農園にまで遡り、彼らがRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)の認証が得られるような形での技術支援を昨年から10ヵ年計画で行っている。その理由について高橋正勝氏は、そのほとんどが家族経営でやっているような小規模農園であり、「どうしても収入が少なく不安定であることが森林破壊につながっている側面がある。実際問題、起こってしまっている森林破壊をどう止めるか。支援を彼らの安定収入につなげることでひいては森林破壊ゼロに向けての動きにしたい」と強調した。
さらに花王はパーム油を切り口に、本業である界面活性剤の開発における課題解決にも取り組む。現在、使用している原料はパームの実の中でも希少部分であることから、ここを技術的にクリアし、これまで使い道のなかった部分を原料とすることで、資源の枯渇に備えるだけでなく、洗浄力も高い商品を既に販売中だという。
■《「脱炭素+生物多様性+循環型経済」が世界の潮流》
次にセッションは、デロイト トーマツコンサルティングの丹羽弘善氏が登壇し、COP26の成果を踏まえた気候変動と生物多様性を取り巻く世界のトレンドについて改めて解説した。それによると、昨今は世界的に脱炭素と生物多様性、それに循環型経済(サーキュラーエコノミー)を加えた3つのアジェンダを統合する流れのもとに、サプライチェーン全体のCO2排出量を削減し、資源を大事に使う、生物多様性を含めて自然資本を大切にするというルールメイキングの動きが顕著に見られるという。
今後は、TNFD(自然関連財務開示タスクフォース)と、SBTs for Nature(自然に関する科学に基づく目標設定)という2つのフレームワークに沿った目標やKPI設定が求められる。TNFDはTCFDの自然資本版と言えるものだが、自然が組織の財務実績にどのような影響を与えるかというアウトサイドインの視点に加え、組織が否定的あるいは肯定的にどのような影響を自然に与えるかというインサイドインの視点に立った開示が推奨され、企業が自然環境や生態系に与えるインパクトが、企業価値を大きく左右する可能性もある。
■《欧州のルールメイキングに対抗する日本企業の強みとは》
カーボンニュートラルと生物多様性、サーキュラーエコノミーを巡るルール化は国連の組織をはじめとする国際NGOにとどまらず、欧州では企業がグループや単体で掲げる例も多い。イギリスでは数社が集まって、さらにはユニリーバやバーバリーが単体でネイチャーポジティブを宣言しており、そうした傾向について丹羽氏は、投資家の目線を意識すると同時に、消費者のエシカルな感度が上がっている中でより高い目標を打ち出すことによって差別化を図っているのではないかとする見方を披露した。
その見方について、ファシリテーターを務めた生物多様性経営の専門家でもある足立直樹氏は、「丹羽さんは少しオブラートに包まれたのだと思うが、私は競争戦略じゃないかと見ている」と補足を加えた。「きちんとした原材料を使ってビジネスをしていくことはもちろん非常に望ましいことだ。だが、そこにどんどん手をつけ、他がついていけないようになったところでルール化するという怖い企業戦略を感じる」。実際に2030年までに森林破壊をなくすという目標に向け、欧州のいくつかの国や地域では森林破壊を伴ってつくられた原材料を企業が使用することを禁止する厳しいルールが施行されようとしているのを受けての意見だ。
これに対し、丹羽氏は「おっしゃる通り、そういうルールメイキングは欧州が上手い。じゃあ日本企業はどうすべきかというところで、例えば生物多様性の定義はそもそもなんだろう、どのくらいの水準を守ればネイチャーポジティブだと言えるのかといった細かなルールづくりの部分で日本企業の強みが打ち出せるのではないか」と指摘。
さらに日本は山や川が多く、海洋資源も豊富であることから、「脱炭素において再エネのコストが高く、CO2をなかなか減らせないという課題に直面し、競争力が下がっている中で、生物多様性においては日本の企業が活性化されるチャンス。グリーンではなく、ブルーエコノミーという観点でうまくやっていけないか」と展望を語った。
■《カーボンニュートラルの次はネイチャーポジティブ》
生物多様性のリスク評価について、アサヒの近藤氏は「まだまだスタート地点にある」とした上で、2020年の調査では、大麦やホップの生産地である欧州の河川流域でリスクが高いといった結果が出ていることなどを報告。「それをどうやってフィードバックしていくか。社会と事業の持続性を考えた時、花王さんのように自らの大事な原料に対して自分達自身がそこに取り組んでいくことも大きな課題だ」と述べた。
今後はTNFDを事業に落とし込み、自然や生物多様性へのインパクトを可視化することによって対応策を講じる方針で、「有効なフレームワークを通じて組織に取り組みを根付かせ、拡大していく」考えだ。
また生物多様性×気候変動の取り組みを今後、どのように進めるかに関して、花王の高橋氏は「サプライチェーンの川上だけでなく、消費者も巻き込んで、この製品は気候変動にも、生物多様性にも配慮していますよということを伝えるような流れをつくっていきたい」と抱負。さらに自身が界面活性剤の研究に約30年打ち込んできた経験から、パームのこれまで使われなかった部分を原料にした活性剤を「おそらく50年に一回出るか出ないかの商品だと自信を持って言える」とした上で、「技術的にはパーム以外の油からも活性剤をつくれるポテンシャルもある。そういうところを一歩ずつ進め、胸を張って森林破壊ゼロに貢献できているということをデータとともに示していきたい」と語った。
最後に足立氏は、「ネイチャーポジティブは間違いなくカーボンニュートラルに次ぐ世界の目標になる。そこに向けて、いい意味での競争が始まるなかで、日本企業として生物多様性に関する資源や技術力を生かして乗り越えていってほしい」と総括し、セッションを終えた。
# SB2022Yokohama
◆廣末智子(ひろすえ・ともこ)  地方紙の記者として21年間、地域の生活に根差した取材活動を行う。2011年に退職し、フリーに。サステナビリティを通して、さまざまな現場の当事者の思いを発信中。
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mankaidou · 2 years
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本番の日取りが決まってきました。
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ari0921 · 3 years
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SDGsの不都合な真実…投資目的の「脱炭素政策」は人類を幸せにするか
少なくとも日本は確実に落ちぶれていく
川口 マーン 惠美作家
地球危機説の暴走
「欧米は、ESG(環境・社会・統治)もSDGs(持続可能な開発目標)も常に投資目的だ。環境問題を項目に並べると投資家が評価してくれ株が上がる。だからすごく積極的にやるし、PRもうまい」
「だから僕は、SDGs(持続可能な開発目標)のバッジを着けるのが恥ずかしい。金融資本主義のマネーゲームに環境問題を組み入れ、ワイワイ騒ぐのはけしからんと思う」
2020年10月、日経ビジネス「賢人の警鐘」に載っていた東レの日覺昭廣社長の言葉だ。これがひどく心に残った。
ESGとは「Environment=環境」、「Social=社会」、「Governance=企業統治」の略で、いわば良い企業が満たすべき条件とされる。一方、SDGsというのは、持続可能なより良い世界を目指すための目標で、2015年に国連の音頭で始まった。
「貧困を無くそう」から始まって、「すべての人々に健康と福祉を」、「平和と公正をすべての人に」、「パートナーシップで目的を達成しよう」など合計17項あり、国連加盟国がそれらを2030年までに達成することが目標と��れる。
要するに、ESGを重視する良い企業が増えればSDGsを達成することができるはずという「正論」が、現在、産業界を支配している。
今年の夏、行きすぎたSDGs思想や、地球危機説の暴走などに迫るオムニバス形式の本を作るので、何かドイツのことを書かないかという話をいただいた。完成したのが、12人の共著の『SDGsの不都合な真実 「脱炭素」が世界を救うの大嘘』(宝島社)。9月より書店に出ている。
私自身も著者の一人なので言いにくいが、読者としての率直な感想を述べるなら、これは素晴らしい本だった。テーマを平たくすれば、「脱炭素に向かう世界の政策がはたして人類を幸せにするのか」といったところか。
現在、世界で猛威を奮っている「脱炭素政策」。その構造を、各著者がそれぞれの専門知識を駆使しつつ、科学のみならず、国家主権、民主主義、犯罪、そしてイデオロギーの視点にまでくい込んで多角的に分析しているのだが、特に、SDGsと地球温暖化が切っても切れないものとして扱われていることに注目していただきたい。
同書を読み進むと、脱炭素政策は実は非論理的で、温暖化防止には役立っていないばかりか、産業の自然なイノベーションを阻害し、私たちから富を奪い、さらには途上国の発展の足を引っ張っているとわかってくる。
しかし、その一方で、ある一定の人たちには莫大な利益をもたらしているらしい。同書のサブタイトルにあるように、誰が儲けているのかを考えると、その背後にどのような意図が潜み、何が動いているのかが透けて見えてくる。
さらに衝撃的なのは、ESGやSDGsの大きな波の中で、日本が間違いなく落ちぶれていく運命であること。日本にとっての「脱炭素政策」は、かつて中国共産党が行った大躍進を彷彿とさせるほど自滅的だ。なのに私たちはよりによって、この不吉な目標に向かって突進し始めている。そして、メディアが無責任にも喝采。
おそらくそのせいだろう、同書ではどの稿からも、「このままではダメだ」、「日本をどうにかして救わねば」という著者たちの必死の気持ちが伝わってくる。そこで、是非とも多くの人に私たちの陥っている状況を知ってもらうために、本コラムでその内容を2回に分けて紹介させていただきたいと思う。
EUでは「神聖なる目標」だが…
2019年12月、EUの欧州委員会の新委員長に就任したフォン・デア・ライエン氏(ドイツ人)が、欧州グリーンディール計画を発表。今や脱炭素政策は、少なくともEUでは神聖なる目標だ。EUは21年から10年間で、官民合わせて最低1兆ユーロのESG投資を導くと謳っている。
一方、日本でも、菅前首相がすでに就任当初、50年までに脱炭素の実現を目指すと宣言しており、この施策がこれからの日本経済に与える負担は計り知れない。
もちろんそれが本当にCO2を減らし、地球の温度を下げ、滅亡するはずだった人類が助かるのなら文句はない。しかし同書の編著者である物理学者、杉山大志氏(キャノングローバル戦略研究所研究主幹)によれば、気候危機説は「御用学者」が唱えるもので、「台風やハリケーンなどの統計を見ると、災害の激甚化などは全く起きておらず、気候危機説はフェイクに過ぎない。にもかかわらず、CNNなどの御用メディアが不都合な事実を無視し、『科学は決着した』として反論を封殺してきた」という。
ちなみに、先月末、杉山氏がこの説を唱えたビデオ2本はYouTubeから削除されてしまった。言論の自由や学問の自由が、民間企業によって侵害される恐ろしい世の中になっていることを、ここで強調しておきたい。
また、たとえ温暖化が起こっているとしても、その原因が、人間がここ100年の経済活動で排出したCO2のせいでないとすれば、膨大なお金をかけてやっていることの前提が崩れ、辻褄が合わなくなるわけだ。なのに日本の場合、その不確かな政策を、経済だけでなく、安全保障まで危険に晒してやろうとしている。
杉山氏によれば、現在の世界的な「脱炭素」の流れは、自らを途上国のリーダーと規定する中国が、「先進国が過去のCO2排出の責任を負って途上国を経済援助すべき」という理屈を駆使して、自分たちはCO2削減に身を切ることなしに膨大な利益を得ることに大いに役立っているという。
たとえば現在の中国は、日本のすべての火力発電所と同じ容量の火力発電所を、毎年増設しており、また、原子力発電所も向こう15年で150機増やす予定だという。また、太陽光パネルや風力タービンでは、国内だけでなく、世界市場を制圧しつつあり、さらにEVのバッテリーを握っているのも彼らだ。
一方、太陽光発電用の結晶シリコンの大生産地であるウイグル新疆でウイグル人などの強制労働が問題になっても、サプライチェーンで依存してしまっている先進国の対応は遅々として進まない。このままでは中国だけが躍進し、いずれ世界の太陽光パネルは、「屋根の上のジェノサイド」になってしまうと杉山氏。
外資が絡んだ「仁義なき戦い」の果てに
その太陽光発電の被害について書いているのが三枝玄太郎氏(元産經新聞記者、フリーライ��ー)だ。「法律がない」などという理由で、日本各地でいかに危ない太陽光発電事業が進んでいるかが淡々と描かれる。
氏曰く、「(今年8月に熱���で起こった)土石流は人災どころか“殺人”と言われても仕方がないような実態」。しかも、「太陽光発電所は近所の家を押し流そうが、道路を寸断させようが、補償をしないケースが多発している」のだそうだ。
太陽光発電の乱立には物理的な危険だけでなく、さまざまな不法行為、それも、外資が絡んだ「仁義なき戦い」によって日本の土地や資源が失われていく危険もある。
現在、「日本最大級のソーラーシェアリング」を運営しているのは、中国の国営大企業である「上海電力」だという話を聞いて、背筋が寒くならない日本人はいるだろうか。
しかし、小泉純一郎元首相、菅直人元首相などは、『原発は危険だ』として今でも太陽光発電を推奨して回っており、小泉進次郎前環境相は、国立公園内にまでパネルを並べようとしていた。言うまでもないが、河野太郎氏や小泉進次郎氏もまた然り。
日本がここまで貧しくなった理由
山本隆三氏(国際環境経済研究所所長、常葉大学名誉教授)の稿は、「日本人は貧しくなっている。一人当たりの所得では韓国にも抜かれた」という言葉で始まり、なぜ、日本はデフレから抜け出せなかったのかの考察から論を進める。
氏によれば、デフレの一番の原因は少子化でも需要低迷でもなく、賃金が高い製造業、建設業などにおける雇用の減少。そして、それに代わって、医療、福祉、介護など、賃金が相対的に低い産業で働く人が増えたことだという。
では、なぜ製造業や建設業が衰退したか。
「東日本大震災後は原子力発電所の停止が相次ぎ、電気料金が上昇した」
「産業用電気料金は最も上昇した時には震災前の約4割高となった」
これが徐々に企業を海外に追いやったことは疑うまでもない。
さらに、菅直人元首相の置き土産であった再エネの固定価格買取制度が、自由経済を歪ませた。買取価格の設定が高かった太陽光電気が爆発的に増え、現在の設備導入量は「中国、米国に次ぐ世界第3位だ」そうだ。
中国や米国には、使っていない平地がいくらでもあるが、日本は森林を切り崩してパネルを並べている。しかも、どんどん増えるその買取り費用を電気代として負担しているのが産業界と家庭。この構造はすでに計画経済に等しい。
こうして電力使用量の多い産業界の負担額は膨大になり、当然、それが給与や景気にマイナスに働く。
日本政府は2050年に実質排出ゼロにするという過激な気候政策のメリットとして、エネルギー自給率向上、産業振興など、様々なプラス面を謳っている。しかし、山本氏は問う。「過去の再エネ導入は産業振興に結びついていないが、これからの再エネ設備導入は日本の産業と経済に寄与するのだろうか」と。
環境投資を呼び込むための口プロレス
また、興味深いのはEVの話。先のCOP26では、ガソリン車など内燃機関を用いる自動車の新車販売を主要市場で2035年、世界全体では40年までに停止するという宣言に24ヵ国が参加したという。停止すべき車種には、日本が強いハイブリッド車も含まれる。
岡崎五朗氏(モータージャーナリスト)は、この動きを見越していたかのように、「急進的『脱エンジン』宣言は投資家のため? 欧州メーカーの『EV戦略』にトヨタが怒る理由」というタイトルで、その矛盾と欺瞞を暴いている。
そもそも現状は、「すべてのクルマをEV化するだけのバッテリー生産量を確保できる見込みは薄く、仮に確保できたとしてもエンジン車はもちろんハイブリッド車と比べてかなり高価格になってしまう可能性が高い」。
氏はEVを全否定しているわけではないが、「エンジン車やハイブリッド車を完全に排斥し、全てをEVにするという極端な案となると話は別だ」。それどころか、これは、国家、あるいは地域ぐるみのゲームチェンジによって覇権を握ろうとしている「ドイツを中心とする欧州自動車メーカーの戦略だ」と言い切る。
つまり、「日本が得意なエンジン車やハイブリッド車を締め出す」ためである。
とはいえ、これはあまりにも「急進的」すぎて、このままでは日本を潰す前に自滅する可能性が高いと、ドイツの自動車工業会がブレーキを引き始めたという。ドイツのメーカーにとっても、完全なEVシフトなどどう考えても無理な話なのだ。
ドイツはそもそも、CO2削減はディーゼルでやるつもりだった。それが2015年のフォルクスワーゲンの不正プログラムの露見で瓦解したが、スムーズにEVにシフトする技術は今も不足している。
岡崎氏によれば、そこでフォルクスワーゲンのCEOは驚くべき行動に出た。つまり、ことあるごとにEVの輝かしい未来を語り、「エンジン車はもはや終わったとツイートしながら、涼しい顔でエンジン車を売っている」のだそうだ。
岡崎氏はそれを、「環境投資を呼び込むためのあからさまな口プロレス」と見る。ESG投資はいつの間にかEVバブルにすり替わってしまった。
日本経済の屋台骨を脅かす愚策
もう一人、「日本経済の屋台骨『自動車産業』を脅かす“自壊的”脱炭素政策の愚」というタイトルで、脱炭素を「今までのどの政策よりも日本の経済と産業構造に決定的な打撃を与える政策」と厳しく批判するのが加藤康子氏だ(元内閣官房参与、評論家)。
これまでも氏は、明治以来の産業遺産の研究に尽力、あるいは軍艦島に対する韓国の不当な言いがかりに断固として反論してきた。そして現在、総合産業としての自動車産業が日本経済に占める重要性を啓蒙し、それを守ることに全身全霊で取り組んでいる。これは日本を守ることでもある。
それだけに、氏の稿からは、小泉前環境相の国連気候サミットでの「気候変動のような大きな問題は楽しく、クールで、セクシーに取り組むべきだ」といった発言に対する憤りがひしひしと感じられ、深い共感を覚える。
「自動車工場の現場で額に汗して働く人たちにとっては、これはもちろんクールでセクシーな話ではなく、『脱炭素』という経済戦争のなかで雇用と未来の生活がかかった死活問題である」と加藤氏。
「世界で一���厳しい環境規制のなかで自動車を製造してきた日本の工場が、彼らの努力を適正に評価されず、行き場を失い、国を出て行ったら、日本の地方経済は成り立たない」
無責任な政治家に対する慟哭のような批判は鋭く、読みながら、爽快な気分と、絶望しそうになる気分が入り混じったーー。
(次回に続く)
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ロシアが機密映像を解禁
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1961年10月30日、ソビエト連邦が開発した人類史上最大の水素爆弾「ツァーリ・ボンバ(Tsar Bomba)」をノヴァヤゼムリャ上空から投下した実験映像をロシアは機密解除し公開した。正式には「RDS-220」で広島と長崎に投下された原爆の1500倍の威力。
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その40日後の同年12月10日にはアメリカも核爆弾の実験に成功している。
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日本は翌日の10月31日に当時の総理大臣池田勇人がソ連のフルシチョフ首相に抗議している。
【抗議内容】
ソ連邦政府が十月三十日超大型爆弾の実験をついに強行したとの報道により,私はこれまでにない大きな衝撃を受けました。
 日本政府は,核実験に対し繰り返えし抗議しソ連邦政府の反省を強く求め,また国連も決議を行なつて実験の中止を要請してきましたが,閣下がこれらの抗議や実験中止の要請になんらの考慮を払うことなく今回空前の核爆発実験をあえて行なつたことを衷心より遺憾とするものであります。日本国民の憤激は名状すべからざるものがあります。
 閣下は常々平和共存の政策を唱えておりますが,今回の暴挙は世界人類の平和の希望を踏みにじる力の外交を赤裸々に示すものと云わざるをえないのであります。
 私はソ連邦政府による一連の強力な核実験が世界の平和と人類の安全を脅威するものとしてその重大なる責任をここに更めて指摘し抗議するものであります。
    日本国総理大臣 池 田 勇 人
【11月9日フルシチョフ首相書簡】
日本国総理大臣 池 田 勇 人 閣下
 本年十月二十八日および三十一日付けの貴簡を受領しましたので,貴下に回答を寄せたいと思います。
 貴下が,全人類のために平和を堅持し,擁護することを唯一つの目的とするソ連邦政府の措置を評価するに当つて客観的な態度をとる希望を示されなかつたことを遺憾に思います。このことに,米国およびその同盟諸国の軍事・政治体制に対する日本政府の愛着のほどが表明されているようにみえます。
 貴下は重ねて,ソ連邦の立場につき根拠のない断定を下して,われわれが自国の防衛力強化のために余儀なくとつた諸措置が「力の外交を暴露する」ものであるかのように述べてさえおられます。
 これが正しくないことは,もちろんであります。われわれは,長い熟慮の後にしぶしぶ核実験再開の挙にでたのであります。われわれをしてこの挙にでるのを余儀なくしたものは,力の政策を実際にとつているNATO加盟諸国がつくり上げた情勢であります。われわれが他の行動にでることのできなかつたことを,貴下自身においてもお考えのうえ,御理解をえたいものであります。
 現在における枢要な問題は,全面完全軍縮であります。この問題に関する合意を達成することは,核実験,核兵器一般に関する問題をもことごとく解決するでありましよう。
 ソ連邦政府の代表たちは,国連における代表をも含めて,もし他の列強が全面完全軍縮に進むならば,単にあらゆる形態の核実験が停止されるばかりでなく,われわれは,その保有する核兵器の一切の貯蔵を喜んで海中に投ずるであろうと一度ならず言明してきました。
 ソ連邦政府は短期間に全面完全軍縮を実現すべき具体案を国連に提出しました。しかしながら,西欧列強の立場にたつて,今日までこのような重大な問題についてなんら実際的結果が達成されるにいたつていないのであります。
 この関連において,日本政府がわれわれの計画を支持されず,軍縮に関する具体的方策の作成につき熱意を示されなかつたことを指摘せざるをえないのであります。日本の国連代表は,言葉のうえでは軍縮の重要性を認めてきましたが,実質的には,今日の諸条件の下では軍縮が不可能であることを立証するためにその努力を傾けてきたのであります。本年十月二十八日付けの貴簡によつて判断すれば,日本政府はいまもつて全面完全軍縮を遅滞なく実現する必要があることを考慮しようとしていないのであります。
 日本政府は,米国と新たな軍事条約を締結して,意識的に極東情勢を複雑化する挙にでました。この条約は,米軍による日本占領を維持することを米国に許しました。日本の領土は目の細かい米軍基地網で蔽われました。米国軍部は,南朝鮮にも根をおろし,中国の島である台湾を保持し続けています。核ロケットを含む近代兵器の予備が強度に���積されています。米軍が東方からソ連邦とその友邦および同盟国たる中華人民共和国および朝鮮人民民主{前1文字ママとルビ}共和国とを脅威するために,これらの地域に駐留していることは誰にも明らかではないでしようか。
 ソ連邦政府は,米・日軍事同盟の締結が日本を危険な道に押し進めるものであることに対し,一再ならず日本政府の注意を喚起してきました。しかしながら,日本政府はこれを考慮しないで,西欧列強,特に米国によつて実施されている戦争準備のますます積極的な参加者となりつつあります。
 われわれが一再ならず,極東および全太平洋地域における非原子地帯の創設に関する提案を行なつたことを想起せしめることも時宜に適することであります。米国による原爆の惨禍を経験した日本は,このような地帯の創設に他国に劣らない関心を寄せるべきであるように思われます。しかし,日本政府は,こ��われわれの提案をも拒否しました。いまや,極東は,平和地帯に代わつて,日本の直接参加のもとで,戦争の危険な火元の一つになりつつあります。
 また,十月二十八日付けの貴簡でなされたドイツ問題に関するソ連邦政府の立場を歪曲した姿で示そうとする試みも看過することができません。われわれは,対独平和条約の締結およびこれを基礎とする西ベルリンにおける状態の正常化に関するわれわれの見解をすでに一再ならず申し述べてきました。ソ連邦政府がドイツの軍国主義および報復主義に対する確実な障壁をつくるために,欧州の中心部における戦争の脅威の危険な火元をなくすために,ドイツ問題の調整に努めていることは周知のとおりであります。
 しかるに,西ドイツの軍国主義および報復主義の抑圧を目的とするソ連邦のこれらの措置に対して,西欧列強は何をもつて答えたでしようか?われわれが対独平和条約を締結した場合にはNATO列強は実力を行使するであろうとの威嚇が,すでにここ数ヵ月間も全世界に聞え渡つております。この列強によつて展開された戦争準備は,これを考慮に入れなくてもよいというような単なる口先だけの威嚇でないことを物語つています。米国官辺筋の人々は,米国が核兵器をも使用しうる旨を直言しています。西欧列強のこのような行動が国際情勢を極度に灼熱化したことは,もちろんであります。われわれは,それでもなお寛容を示し,ソ連邦の安全を十分に確保するために必要な措置をとらないことができましようか?いや,できません。
 ボンの報復主義者およびその庇護者たちと連携するものは,平和の事業に対して良くない奉仕をなしています。
 われわれは,米国およびその同盟諸国が軍事侵略諸ブロックを組織し,われわれを軍事基地で包囲し,社会主義諸国および他の平和愛好諸国家に対する挑発を行なつてきたとき,日本政府が抗議したということを耳にしたことがありません。
 われわれは,米国および英国が太平洋にある日本の島々の直接近辺で,核爆発を実施してきたとき,日本政府の声を実質上,耳にしなかつたのであります。日本政府がその西欧友邦に送るわざとらしい形式的な書簡をまじめに受け取ることはできないのであります。仏国がサハラで原子兵器の実験を行なつたときでも,日本政府の声はほとんど聞かれなかつたのであります。しかして,われわれがわれわれに対する露骨な威嚇に直面して,ソ連邦の安全を強化する措置をとつているとき,日本政府は,ソ連邦に対して敵意ある運動を煽るのに努めております。
 総理閣下,私は貴簡についても,ソ連邦政府に圧力をかけ,われわれの防衛力強化を放棄することを強いようとする試みであるとのほかには,これを評価することが困難であります。もちろん,もしソ連邦が自己の合理的利益を守り,また,もし必要ならば,われわれまたはわれわれの友邦に対する攻撃がある場合には,侵略者に対して殲滅的打撃を与えるために不用意であつたとしたら,誰かにとつて非常に好都合でありましよう。
 もし貴総理が国際の平和を確保するために有益な諸措置をとることを真に欲しておられるならば,なぜ貴下は米国,英国,仏国,西独および他の西欧友邦に対して,ソ連邦に対する威嚇と戦争準備を止め,直ちに全面完全軍縮に進み,もつてあらゆる核実験を停止するように呼びかけられないのでしようか。
 ソ連邦についていえば,われわれは有効な国際管理を伴う全面完全軍縮の早急実現を強くかつ断乎として支持するものであることを貴下に確言することができます。われわれは,いかなる時でも,いかなる瞬間でも,例えば今日にでも,当該国際条約に調印する用意があります。
 最後に,私は日本政府が言葉のうえでなく,事実において国際緊張の源泉を除去することを助長し,また日本が全面完全軍縮に関する国際的合意の早急な達成を目ざすソ連邦の努力に同調するよう期待したいと思います。
敬 具
                        エヌ・フルシチョフ
【11月15日池田勇人首相書簡】
閣下
 私は,さきに閣下のお送りした本年八月二十六日付け私の書簡に対する返簡として閣下が送付された本年九月二十五日付けの書簡を注意深く拝見しました。
 貴簡の中には軍事基地の問題,日米安全保障条約の問題,軍縮問題等いくつかの重要な問題が触れられてありますが,これらの諸問題に対する日本政府の見解は,閣下ならびにソ連邦政府にあてたこれまでの私の書簡ならびに日本政府の文書においてすでにたびたび述べたところで明らかなとおりでありますので,ここに再び繰り返えす必要はないと思います。しかしながら領土問題については,これが極めて重要な問題であると考えますので,閣下の述べられているところで遺憾ながら事実に反する点を是正する意味で,私の所信を表明したいと思います。
 閣下は,日ソ間の領土問題についてこれが一連の国際諸協定によつてすでに解決済みであると述べておられますが,元来戦争の結果としての領土の帰属変更が平和条約により初めて確定されるものであることは閣下も十分に御承知のところであります。
 しかして日ソ両国政府は,歯舞,色丹を除いては領土問題について合意に到達できなかつたので,戦争状態を終結する形式として平和条約によらず共同宣言によることとし,もつて国交を回復することとなつたのでありまして,こうした経緯に徴しましても,未だ平和条約の締結されていない現在,領土問題が日ソ間において解決済みでないことは余りにも明瞭であります。
 閣下が日ソ間の領土問題は解決済みであると主張する根拠とされている「一連の国際協定」なるものが,具体的にはどのような協定を指しているか明らかではありませんが,おそらくヤルタ協定,サン・フランシスコ平和条約等を指しておられるのではないかと推察されます。
 しかしながらヤルタ協定は,ソ連に対し南樺太を返還し,千島列島を引渡すべき旨述べてはいますが,しかし同協定については,米国は「単にその当事国の当時の首脳者が共通の目標を陳述した文書にすぎず,その当事国によるなんらの最終的決定をなすものでなく,また領土移転のいかなる法律的効果をもつものでない」と,明言しているのであります。
 しかのみならず,わが国はそもそも本協定の当事国でもなく,またわが国が受諾したポツダム宣言も,ヤルタ協定にはなんら触れておらず,しかも本協定は当時全く秘密とされていたのであります。したがつてわが国としては,法律的にも政治的にもなんら同協定に拘束されるものでなく,貴国政府はわが国との関係において本協定を援用することはできないものであります。
 また閣下がおそらくその主張を根拠づけるため援用しておられると思われるサン・フランシスコ平和条約についても,日本が同条約により「南樺太および千島列島に対する一切の権利,権原および請求権を放棄した」こと事実でありますが,同条約には,日本が何国のためにこれら地域に対する権利を放棄するかは規定されておりません。サン・フランシスコ平和会議のソ連首席代表であつたグロムイコ現外相は,同会議の席上行なつた演説の中で,「日本がこれら領土に対するソ連邦の主権を認めるべき日本の明白な義務についてなにも述べられていない」と述べて,同条約がソ連政府の主張する権利を否定するものとして非難した経緯があり,しかもこのような点をも理由としてソ連政府が同条約に署名を拒否していることからみても,ソ連は,サン・フランシスコ条約によつて日本が放棄した領土に対し,なんらの権利をも主張できる立場にないのであります。
 こうした事情を考慮すれば,領土問題はすでに解決済みであるという閣下の主張が根拠を欠くことはきわめて明瞭であります。
 日本政府が受諾したポツダム宣言にはソ連政府も参加しておりますが,同宣言にはカイロ宣言の条項が履行されるべき旨明記されております。しかして,このカイロ宣言には,日本は,日本が「暴力および貪欲により略取」した地域から駆逐されると述べられているほか,連合国自身については,「自国のためになんらの利得をも欲求するものでなく,また,領土拡張の意思も全く有しない」旨がはつきりと宣言されております。しかるにソ連政府が,日本が決して「暴力および貪欲により略取」した領土でない千島列島のみならず,古来日本人のみが居住し,しかもかつて他国に領有されたことのないクナシリ・エトロフ両島にまで,その領有権を主張していることは,このカイロ宣言の条項とも全く矛盾するものと申さざるをえません。
 閣下はまた,日本政府は「日本の領土でない領土の日本への返還問題を提起し,『固有の領土』についての問題をみずから提起することによつて,サン・フランシスコ条約の当該規定の承認を避けようとしている」と述べておられますが,「『固有の領土』についての問題」とはおそらく,クナシリ,エトロフ両島を指すものと考えられます。しかしながら,これら諸島は幕府時代の十九世紀中頃よりすでに日本固有の領土として国際的にも認められていたものでありまして,帝政ロシア政府も一八五五年の日露通好条約によつてこれら諸島が日本の領土であることを承認しているのであります。しかして日本政府とロシア政府との間に結ばれた一八七五年の千島・樺太交換条約は「千島列島」としてウルツプ以北の十八島をあげ,その千島列島は南樺太と交換の上で日本領土とさるべきことを定めたものであります。従つて日本政府がサン・フランシスコ条約によつてその権利を放棄した「千島列島」は,この歴史的にも明らかな概念であるウルツプ以北の十八島を指すものであつて,元来「千島列島」に含まれぬ固有の日本領土であるクナシリ,エトロフ両島については,日本政府はなんらの権利をも放棄したものではないのであります。
 しかもこれら両島には戦争終結に至るまえで日本人のみが居住していたのでありますが,いまやこれらの日本人は,総て放逐され,父祖代々の墳墓に参拝することすら許されない状態にあるのであります。しかして終戦と同時にこれらの島を占領したソ連政府がその国民を続々と本国よりこれらの島へ移住せしめている事実に,日本政府は無関心たりえないのであります。
 固有の領土に対する民族の愛着は,他国の固有の領土を占領したうえこれを合法化せんとするこのような試みによつても決して消えさるものではありません。私は閣下が,日本民族固有の領土を速やかに返還されることによつて,日ソ両国民が良き隣人として共存しうる基盤を作り上げるよう尽力されることを切望してやまないのであります。私は何人にもまして,日ソ間に領土問題が解決し,速やかに平和条約が締結されることを望むものでありますが,遺憾ながらいまだその実現をみるに至つていない現実においては,両国は専ら日ソ共同宣言を指針として相互の関係を律して行くべきものと考えます。すなわち,それは一般的原則として,国際紛争の平和的解決,武力による威嚇または武力の行使を慎むこと,国連憲章第五十一条の個別的,集団的自衛の固有の権利の確認,相互の国内事項に干渉しないことの四点を含むものであります。
 私は両国政府によつてすでに確認せられたこの基礎の上に立つて,日ソ両国の善隣関係増進のため,ひいては全世界の平和のために,あらゆる努力をおしむものではないことを本書簡を結ぶに当つて特に申し添えるものであります。
敬 具
                   日本国内閣総理大臣 池 田 勇 人
 ソヴィエト社会主義共和国連邦
 大臣会議議長
  エヌ・エス・フルシチョフ 閣下
【12月8日フルシチョフ首相書簡】
日本国総理大臣 池田勇人閣下
 本年十一月十五日付けの貴簡を受領しましたので,若干の見解を申し述べたいと思います。
 貴下が一九五六年十月十九日付けの宣言の諸原則にしたがい,日本国とソ連邦との間の善隣関係を増進させるために努力を惜しむものでないと述べられたことを拝聴し欣快でありました。ソ連政府は日・ソ関係を完全に正常化し,かつ両国国民の死活的利益に副う善隣的協力を調整することを希望するものでありますので,このような御意見には全く同感であります。
 他方,直言すれば,両国関係の今後の発展に関する実際的な諸問題につき意見を実務的に交換する代わりに,われわれの書簡交換を究極においていわゆる領土問題に関する無益な論議に帰せしめようとする意図が表明されていることを私は悲しむものであります。
 この論議は,平和条約の締結を阻止し,かつソ連邦と日本国との関係の完全正常化を妨げる目的をもつて人為的に,故意に煽られているのであります。
 特に軍事同盟によつて米国と結ばれている日本が,ソ連邦を目標とする外国軍事基地としてその領土を自発的に提供している現在の条件では,この論議が他の結果をもたらすことのできないことは,閣下御自身御了解のことと思います。
 貴簡は,あたかも領土問題が周知の国際諸協定にかかわらず,今なお,未解決のままであり,この問題についてソ連邦から態度の変更,すなわち一定領土に対するその既得権の放棄を取り付けるなんらかの根拠があるかのように問題を見せようとする試みが再び行なわれております。貴総理,右のような意図は日本政府が無条件降伏の結果,周知の国際諸協定によつて引きうけた義務の履行を回避しようとする意図を証明するに過ぎないものであることを,私は極めて率直にかつ断固として閣下に述べねばなりません。本質的には報復的なそのような日本政府の態度は日本とその諸隣国との関係の尖鋭化,極東における情勢の紛糾をもたらすものであると見るのは困難ではありません。
 私の見解では,日本政府の領土請求権の根拠として引用されている数々の歴史的事実および文書を再び取り上げる必要は現在ありませんん。それにもかかわらず私は,それらの事実と文書の若干について想起せしめたいと思います。
 日本の降伏条件の基礎となつた連合国のポツダム宣言は,日本の主権を本州,北海道,九州,四国の諸島および若干の小島に制限しています。
 日本政府は,降伏に関する文書に調印して,同政府およびその後継政府が誠実にポツダム宣言の諸条件を履行するであろうという誓約をしました。千島諸島が日本の主権の下に残された領土の中から除外されている限り,日本政府側からの千島諸島に対する現在の要求は,上述の誓約に反するものであります。
 日本政府が,あなたも自己の書簡で確認されているように,千島諸島に対するすべての権利,権原および請求権を放棄しながら,今これらの諸島に対する要求をあえてするといる事実は,不審を喚起せざるをえません。総理閣下よ,どこに論理がありますか。
 あなたの書簡中に,千島諸島に対する日本の権利放棄を規定した条約の中にこれら諸島がいかなる国に帰属すべきかが記されていないので,問題は未解決であるというように主張されています。日本は,千島をいつでも要求しうるものでないことが周知のことであるのに,このような問題を提起することにより日本政府は一体何を得ようとしているのかをききたいものであります。日本政府は,誰の利益について配慮しているのでしようか。あるいはソ連の極東沿岸への道を遮蔽している千島諸島が,スペインだとかポルトガルにでも帰属することを日本政府は望んでいるのかも知れません。
 それとも日本政府は,すでに日本の島々をはりめぐらしているソ連を目標とした軍事基地に追加して,新たに千島をも軍事基地とすることにまんざら反対でもあるまい,海のかなたの自分の同盟国のために奔走しているのですか。
 いや,貴総理,ソ連邦は自分の権利を譲渡するわけにはいきません。三大国のヤルタ協定は南樺太および千島諸島の帰属問題を明確に決定しております。これらの領土は無条件かつ無留保でソ連邦に引き渡されたのであります。
 あなたは千島諸島のソ連帰属に疑問をもたせようとして,日本政府がヤルタ協定の参加国でないこと,従つて同協定があたかも日本に関係がないかのごときことを引用されています。同協定が日本を敵として戦つた各国間で締結されたものである以上,日本が同協定に参加しなかつたこと,また参加できなかつたことはもちろん当然であります。しかし,日本は降服に際し連合国によつて決定された条件を受諾しました。そして連合国はこの点でこれら諸国間に存在していた諸協定から出発したのであり,その中にはあらゆる国際協定と同様に拘束力を有するヤルタで署名された協定も含まれているのであります。
 米国政府の若干の声明を引用することによつて日本側の確信を裏付けようとの書簡中に含まれた試みは全く成立しません。アメリカ合衆国政府もかつてヤルタ協定を自身にとつて拘束力があるものと無条件で認めましたし,本協定に従つて行動をしてきたことを指摘しなければなりません。このことを確認する幾多の文書があります。例えば,この関連において一九五一年三月二十九日付けおよび五月十九日付けソヴィエト政府あて米国政府の覚え書に注意を向けることができますが,これらの覚え書から明らかなことは,南樺太と全千島列島がソヴィエト連邦に帰属する問題については米国とソ連邦の間になんらの不一致もなかつたことであります。
 周知のごとく,ヤルタ協定の中にも,一般命令第一号の中にも,サン・フランシスコ条約の中にも千島列島の区分はなんらなされておりませんし,全体としての千島列島が問題となつていたのであります。このことはとりわけソ連邦と米国の政府首脳間にとり交わされた往復書簡によつても確認されます。従つて当該国際諸協定があたかもソ連邦に全千島列島ではなく,ただその若干の島のみを譲渡することを考慮に入れているかのように確認しようとする日本側の試みはあらゆる根拠を失つております。
 クナシリ島およびエトロフ島が千島列島中に含まれていないという主張は成り立ちません。このような遁辞を弄して,戦前日本の歴史および地理的文献が逆のことを主張していたことを忘れているようにみえます。例えば,一九三七年に日本海軍省水路局出版の水路図や交通公社が一九四一年に出版した日本の公式旅行案内書や,その他の多くの日本出版物を御覧になれば,貴下は看板を塗り替えて地理に適合しないようにしようとするものがいかに自分を滑稽な立場に陥入れるかを確信するでありましよう。クナシリ島およびエトロフ島が千島列島に帰属していることは,たびたび戦後においても日本政府によつて認められていることも周知のとおりであります。
 貴下はその書簡で,一八五五年および一八七五年の日露条約を基礎にしていますがこれらの条約が本件となんらの関係もないことは明らかであります。
 もし貴下のやり方に従つて歴史を反転すれば,一九〇四年に日本がロシアを背信的に攻撃し,開戦し,ロシア国民に多大の悲しみを与え,ロシアから樺太の半分を奪取し,ロシアにポーツマス平和条約の苛酷な掠奪的条項を強いたことを想起させる必要がありましよう。
 これらの行動によつて日本は一八五五年および一八七五年にロシアとの間に締結された諸条約を破り,もつてこれらの条約を引き合いに出す権利を自ら失いました。二十年代の始め頃にわたるもつと新しい例を挙げることもできます。すなわち,当時日本は一九〇五年の条約を破り,再びロシアへ侵入し,北樺太とソヴィエト領極東を占領し,これを掠奪しました。他にも周知のこの種の歴史的事実があります。
 私は日本の現政府を非難するためにこれらのことに言及するのではありません。しかし,貴書簡は,貴下の挙げられた事実が日本の利益になることを物語るものでないことを示すために,私をしてこの歴史を回顧せしめずにはおきませんでした。論議を続けるための基礎を遠い過去に求めずに,日本に定められた義務を課している国際諸協定を厳重に守ることが必要であるように思われます。
 日本側によるソ連との平和条約締結の引延しは当然日本政府の企図についてソヴィエトの人々に警戒的な気持を起させないわけには行きません。なぜ日本は平和条約の調印を欲しないのか,あるいは日本はソ連と平和裡に生きることを欲しないのではないか,という当然の疑問をソヴィエトの人々は提示しております。
 あるいはこれは,一部の人が平和条約の欠如を,日本における軍国主義的,報復主義的気運を復興するために利用しようと考えていることによつて説明されるのでありましようか。
 もし国家が,平和と相互の友好を要望するならば,平和条約を調印しないという理由はありえないでありましよう。
 平和条約の欠如はわれわれの国の間の協力の発展を困難ならしめているのであります。日本政府はこのことを考慮しないばかりか,最近,われわれ両国関係の完全な正常化と善隣関係発展のための条件の醸成とに対する途上に新たな障害を造る措置を講じたのであります。ソ連の人々は,日本が特定層の努力によつて,その鉾先がソ連邦およびその他平和愛好諸国に向けられている米合衆国の結集している侵略的軍事同盟およびブロックに引き入れられるという悲しむべき情勢に注意を向けざるをえないのであります。日本は強力な戦争準備を行なつている人々と積極的に協力し,かれらに対し,日本の隣国の安全を脅威するため,自国の領土を利用せしめているのであります。
 このような情勢のもとにおいて,貴国の公的代表者たちが平和愛好とソ連邦に対する友好感情を確約するとしても果してかれらが,日本領土に配置されている米軍基地および米ロケット・核兵器の援助のもとで,ソ連およびその他の諸国と友好および相互理解を強化しようと考えているのかという問題が生ずるのもやむをえないのであります。
 ソ連政府は一連の既知の文書において余すところなく日本軍事条約に関する自国の立場を表明しました。従つて私はここで再びこの問題のあらゆる面に触れるつもりはありません。
 現在われわれの共通の課題は現存する困難と障害を克服し,日ソ間の真の良好な善隣関係設定への道を求めることにあると思います。この関連において,日ソ間の貿易,経済,文化,その他の関係を一層拡大し,また完全全面軍縮,核兵器の禁止,保存核兵器の破壊,植民地主義の一掃をはじめとする最重要の国際問題の解決をめざす闘争に協力することに相互に努力すればそれは現在第一義的な意味を持ちえるであろうことを私は再び強調したいと思います。これが,私の信ずる所によれば両国国民の利害が完全に一致する分野であり,相互の協力が特に実を結びうる分野なのであります。
 疑いもなく現代の最重要問題は,全面および完全軍縮問題であります。右問題の進展は,すべての政府の共同的努力によつてのみ可能であり,各国政府の義務は人類の運命に重大なる意義をもつ,この崇高事業に貢献することであります。国際関係において重要な地位を占める日本としても,軍縮に関する最終的協定の達成の容易ならしめるため多くのことをなしうることは疑いを入れません。しかしながら,今まで日本の公的代表者たちは,この問題においてアメリカ合衆国の影に隠れており,もし,行動するとしても,それは通常西欧大国とともに軍縮問題の解決に向けられていない諸提案の支持のためであります。
 ソ連政府は,核および熱核兵器の実験禁止に関する具体的協定案を提出いたしました。貴下は,すでに,右新提案の内容を知る機会を持つたものと思われます。右は,疑いもなく,日本を含むすべての国民を不安ならしめている問題に関して合意を速やかに達成するための現実的可能性を開くものであります。
 広島および長崎の悲劇を体験した日本国民の右問題に対する態度は,われわれには全く理解できます。日本政府は,核兵器の実験継続に対して否定的態度を言明した一連の声明を行いました。
 右声明は,特にアフリカにおけるフランスの実験実施を非難することを同時に確認したのであります。事実多くの人々は日本が最近これらの声明に反して,アフリカにおける核兵器の実験と配置の禁止決議の支持を国連で放棄されるに至つたことに驚きました。しかし,米国が作り出したパキスタン,イラン,タイ,フィリピン,ノールウェイ,デンマーク,アイスランドのごとき侵略的軍事ブロックの構成国がこの決議に賛成投票をしたではありませんか。
 軍備競争と戦争の脅威から人類を開放し,全人民の平和愛好の希望に応えられるような決議の支持に,日本政府が大きな一貫性を表明し,かつ自分の声を高めるよう期待したいのであります。
 最後に現在意見の食い違いがあるにもかかわらず良識が勝ちを占め,日本とソ連との間の関係が相互の利益になるよう真に善隣的となるとの確信を表明したいと思います。われわれは日本政府が日ソ関係の完全な正常化の事業に必要な意義を与え,この途上に横たわる障害を排除する手段をとることを期待したいのであります。
 ソ連政府としては,われわれ両国民のために,世界平和の強化のために,ソ連邦と日本国との間の関係を改善すべく今後ともあらゆる努力を傾けるべきことを,貴総理に確言することができます。
敬 具
  エヌ・エス・フルシチョフ
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imagroup · 3 years
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薄桜鬼しか勝たん!OVA「薄桜鬼」アニメーション制作のお知らせ☆★
みなさまこんにちは!
今年は秋が長い気がして、とってもうきうきしている
イマ・グループ広報担当のさりぽんです∪・ω・∪笑
  秋って…いいですよね。(!?)
  実はわたし…この秋…
「食欲の秋」と「芸術の秋」を楽しんできました(((∩'ω'∩)))わーい
  ~食欲の秋編~
今年急に「食」に目覚めてしまったわたくしなのですが(?)
な、なんと、お醤油を作っている蔵へ見学に行ってきたんです~₊*̥∗︎*
本当に、もう、すんごいんですよ。(感動のあまり語彙力を失う。笑) 日本の歴史を感じました。
スーパーなどでよく売られているお醤油は、食品添加物などの化学的もので味を調えているのですが、見学させていただいたところのお醤油は、食品添加物は一切使わず、有機の大豆、有機の小麦、海水から作った天然のお塩だけで作るシンプルなもの。 じっくり時間をかけて熟成させることで、まろやかでおいしいお醤油になるのです…!
  こうして丁寧に昔ながらの手法で作られている伝統的なものを…
守っていきたい ( ・`ω・´)キリッ ←笑
我が家では炊き立てご飯に、ふわふわの鰹節をのせて、その上からそのお醤油をかけて食べています⸜(๑’ᵕ’๑)⸝
これだけで絶品朝ごはんです!これがあるから毎日お仕事頑張れます★
  みなさんも是非是非、お醤油の蔵見学行ってみてくださいね! おすすめですよ♪
  「芸術の秋編」はまた次回お送りします◎
   前置きが長くなってしまいましたが…笑 本題です!
2021年12月24日(金)より、3ヶ月連続リリースとなります、OVA「薄桜鬼」全3章のアニメーション制作を、グループ会社である株式会社スタジオディーンが担当いたします!
  【OVA「薄桜鬼」作品情報】
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<概要>
2008年8月に発売され、ユーザーの絶大な支持を得て数多くのシリーズを発売してきた女性向けアドベンチャーゲーム「薄桜鬼」。
2010年TVアニメシリーズ第一期「薄桜鬼」、第二期「薄桜鬼 碧血録」が放送され、2011年にはOVAシリーズ「薄桜鬼 雪華録」が発売。 2012年に「薄桜鬼」の前日譚となるTVアニメシリーズ第三期「薄桜鬼 黎明録」が放送。 2013年劇場版第一章、2014年劇場版第二章公開。 2021年、新作OVA全3章の制作が発表されました。
12月より3ヵ月連続リリース。 さらにU-NEXT独占での最速配信が決定!
  <ストーリー>
父の行方を探して京の都にやってきた雪村千鶴は、血を求める化け物から救われたのをきっかけに新選組と行動を共にしていた。 そして慶応元年 六月。 西本願寺に居を移し、京都の巡察を続ける新選組に「新選組を騙る賊」が頻繁に現れているとの報告がもたらされる。 時を同じくして将軍家茂の上洛と警護の任が新選組に下り、土方達は事件の解決を急いでいた。
そんな中で「千鶴に似た人影」の手引きにより新選組屯所から羅刹数名が脱走。 さらに会計方の酒井とともに市中へ出向いていた千鶴が騒動に巻き込まれ、行方不明となってしまう。 そして、土佐藩の浪士による“将軍暗殺計画”の情報が薩摩藩に届き、風間らも京の都に向かうのだった。
新選組を取り巻く様々な事件は果たして偶然なのか。 全てが混沌とし、将軍上洛までの時間が迫る中、土方そして新選組の決断は…
  <Blu-ray&DVD情報>
●第一章「茅花流し、雲隠れの刻」(つばなながし、くもがくれのとき)
 2021年12月24日(金)発売  価格:7,480円(税込)※BD、DVD同価格
 ・三方背ケース  ・デジパック仕様  ・ブックレット ほか
 ●第二章「宵闇、夕顔別当の燈」(よいやみ、ゆうがおべっとうのともしび)
 2022年1月28日(金)発売  価格:7,480円(税込)※BD、DVD同価格
 ●第三章「星迎え、雲漢の調べ」(ほしむかえ、うんかんのしらべ)
 2022年2月25日(金)発売  価格:7,480円(税込)※BD、DVD同価格
    <U-NEXT独占配信情報>
Blu-ray&DVDの発売に先駆けて、U-NEXT独占での最速配信が決定!
2021年11月13日(土)を皮切りに毎月1章ずつ配信予定です☆☆
 【配信スケジュール】
第一章:2021年11月13日(土)スタート予定
第ニ章:2021年12月11日(土)スタート予定
第三章:2022年 1月29日(土)スタート予定
  <スタッフ>
原作:オトメイト(アイディアファクトリー/デザインファクトリー)
原案・構成監修:藤澤経清
監督:ヤマサキオサム
キャラクター原案:カズキヨネ
キャラクターデザイン:中嶋敦子
音楽:川井憲次
音響監督:長崎行男
アニメーション制作:スタジオディーン
  <キャスト>
雪村千鶴:桑島法子
土方歳三:三木眞一郎
沖田総司:森久保祥太郎
斎藤一:鳥海浩輔
藤堂平助:吉野裕行
原田左之助:遊佐浩二
風間千景:津田健次郎
酒井兵庫:蒼井翔太
  <関連動画>
youtube
  尚、本作に関する詳細等につきましては、下記Webサイトをご覧ください。
 ■アニメ「薄桜鬼」公式サイト
https://www.nbcuni.co.jp/anime/hakuoki/
 ■アニメ「薄桜鬼」公式twitter
@anime_hakuoki
  スタジオディーンHPでは、イベント情報やあらすじなどを公開中!
 ◆株式会社スタジオディーン
https://www.deen.co.jp/
  ©IF・DF/「薄桜鬼」製作委員会2021
   まさか令和になって新作薄桜鬼が見られるなんて…泣
ファン歓喜のOVAリリースです・:*+.(( °ω° )).:+
 しかも、明日はU-NEXTでの独占配信…!絶対に見逃せません!!
わたしの「○○の秋」シリーズの中に「アニメの秋」も入れちゃいます♪
  それでは今回はここまで!
イマ・グループ広報担当さりぽんでした~∪・ω・∪
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