#仕事のために人を雇うじゃなくて人のために仕事をつくるケース
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「A,B,C,D,Eをやってください」 と、わりと急がない感じで提示された場合に、 「承知いたしました。優先順位をつけていただくと、重要なものから始められますので、もし可能なら優先順位をつけていただけますか?」 「わかりました」 下っ端同士お互い納得ずくで、時間引き延ばして(上司の鶴声で)事態が改善するまでやってるふりをきちんとやり続けるパターン
#時間稼ぎ#交渉#あほらしい#がんばる#問題の起きない仕事を増やす#お役所仕事#やってるふり#交渉ならいいが、日常業務の中に大量にある#アリバイ#存在意義演出#無駄仕事#しんでほしい#リストラ#廃止されても全然大丈夫だったでござる#恥ずかしい#日常業務を交渉にするなよ金食い虫め#仕事のために���を雇うじゃなくて人のために仕事をつくるケース#専業主婦#アクション大き目#エアワーク#交際費#付き合いゴルフ#仲良し業#ムードメーカー#コネ維持
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各地でカスハラ防止条例が施行され、組織として悪質クレーマーに毅然とした対処をする方針を示すところが増えてきたのは実にいい流れですね。とくに行政は民間の店舗とは違い、市民を「出禁」になんてできませんから、電話口で暴言を吐く相手からの電話を切る根拠ができただけでも充分な進歩でしょう。 働く人を精神的に追い込み、場合によっては刑法に抵触するような行為に至る悪質クレーマーなんてほぼ犯罪者ですからね。カスタマー��ゃなく単なるカス。仮に「お客様なんだから神様だろ!?」なんて言い出したら、そんなのは貧乏神か疫病神の類でしょう。全世界で出禁になればいいんですよ。 これまで、面倒な客でも神様扱いされ、丁寧に対応してもらえてたのは、あくまで「若い労働力が」「安い賃金で」「いくらでも雇える」という一時的な人口ボーナスタイムの恩恵があったからです。 しかし、今や「若い労働力」というだけで希少価値な時代に突入しました。豊富な労働力を前提に回っていた社会の様々な仕組みが回らなくなり、今まで若い店員さんが対応してくれていた業務は、自動発券機、自動配膳ロボット、そして自動精算機に置き換わりました。 ただでさえ少人数で対応しないと運営が回らないお店では、店員さんに文句をつけて手間をかけさせる客や、ましてや暴言や怒号、理不尽クレームをつけるような客はどんどん切られていくことになるでしょう。 ただ、「理不尽なクレームやカスハラには毅然と対処せよ」と命じるのは簡単ですが、結局「現場従業員にカスハラ客の対応を丸投げして押し付けているだけ」みたいなケースもよくあります。本来あるべき「毅然とした対応」とは、経営者や組織の長が「理不尽クレーマーやカスハラ加害者はウチの客じゃない!」と宣言して従業員を守ることですからね。ぜひ、カスハラ防止ガイドラインを策定して啓発を進めて頂ければと思います(当方の専門分野なので、宜しければご用命ください)。 とはいえしばらくは次のような混乱が生じると思われるので、行政側でもできる限りのサポートをお願いしたいですね。 【予想される問題点】 (1)「著しい迷惑行為」の解釈に曖昧さが残り、「正当なクレーム」と「カスハラ」の線引きが困難である故に、現場判断に依存せざるを得ず、対応が属人化してしまうリスクがあること。 (2)規定やガイドライン、対応マニュアルの作成や従業員教育のためにリソースやお金を割かざるを得ず、とくに中小企業にとっては対応負担が増大すること。 (3)「クレーム対応を拒否された」「店員側にも問題があった」などとカスハラ客が逆ギレし、更なる加害行為や批判がエスカレート、SNS等で拡散する等の炎上リスクがあること。 (4)カスハラ行為への罰則が存在しないため、結果的に悪質顧客に抑止力が働かず、繰り返し被害が発生するなど、実効性に���界があること。 【行政・自治体に期待したいこと】 (1)悪質カスハラ加害者名の公表制度 三重県桑名市のように、反復的で悪質なカスハラ行為者の氏名を自治体サイトで公表。 (2)刑事告発支援 カスハラ客の加害行為が脅迫罪等に該当する場合は、企業の代行として警察へ通報。 (3)啓発教育キャンペーン ガイドライン策定、従業員向けの研修などに助成金を支給したり、自治体主催の無料法律相談会を実施するなど。 (4)定期的な条例見直し 6ヶ月~1年ごとに業界団体と協議し、ガイドラインを改訂。段階的な罰則導入など、現場の要望を反映。 カスハラ対策は、疲弊する現場への救いとなり得ます。ぜひこの取組が全国的に広がり、働く人がカスハラ被害からしっかり守られる社会となることを強く望みます。
Xユーザーの新田 龍さん: 「各地でカスハラ防止条例が施行され、組織として悪質クレーマーに毅然とした対処をする方針を示すところが増えてきたのは実にいい流れですね。とくに行政は民間の店舗とは違い、市民を「出禁」になんてできませんから、電話口で暴言を吐く相手からの電話を切る根拠ができただけでも充分な進歩でしょう。 https://t.co/AzjrGRLbQV」 / X
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1988年のこと、私はサンタモニカの専門研究所のコンサルとして働いていた。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の分析ルーチンをセットアップしていた。私は、核酸に関するものであれば、何でも分析ルーチンのセットアップについては多くを知っていた。私がポリメラーゼ連鎖反応を発明したからだ。だから彼らは私を雇ったのだ。
その一方で、後天性免疫不全症候群(AIDS)は、何かしら私の良く知らないことだった。だから、私はこのプロジェクトの進捗とゴールの報告書を書こうとしたときに気づいたのだ、私が書こうとする宣言を裏付ける科学リファレンスの無いことに。つまり「HIVがエイズの原因としてありそうだ」と。
私は隣の机のウイルス学者に聞いてみた。彼は必要無いというのだ。同意できない。特定の科学的発見やテクニックがあまりに確立されていて、そのソースがもはや現代の文献では参照されていないことは本当だ。しかし、HIV/エイズのケースについては、そうではないように思える。私にとってこれは本当に驚きだったが、致死的で治療法の無い病気の原因を発見した者が、科学論文で継続的に���照されないなどということがだ。その治療がされ、忘れられる以前にだ。しかし、すぐに私はわかった、確実にノーベル賞ものだろうが、その者の名前を誰も思い出せないのだ。
もちろん、��の単純なリファレンスは、どこかにあっただろう。でなければ、数万の公務員と多くの尊敬される科学者が、25歳から40歳の間の多数の同性愛者や静脈内薬物使用男性の悲劇的な死を、一つの狭い調査チャンネルで研究し解決しようとしても、許されなかっただろう。他すべての池が空と立証されるまでは、全員が同じ池で釣りなどしない。公開論文がなければならない。あるいは、いくつかが共に示すことだ、HIVがエイズの原因としてありそうだと。なければならないのだ。
私はコンピュータ検索を行ったが、何も出てこない。もちろん、コンピュータ検索では重要なものを見逃してしまうことがある、単に正しいキーワードを入れなかっただけでだ。科学的問題について確実にするには、他の科学者に聞くのがベストだ。それが理由で、ナイスなビーチ付きの遠い場所で科学カンファレンスが開かれるのだ。
私は、仕事として多くの会合やカンファレンスに行ってきた。エイズについて話す者があれば誰でもアプローチする習慣だった。そして彼あるいは彼女に聞くのだ。私の「HIVがエイズの原因でありそうだ」という、ますます問題になっている宣言について何をリファレンスとすれば良いのかと。
二年間にわたる10か15の会合の後、私は極めて怒っていた。誰もリファレンスを示せなかったからだ。心に形成されつつある醜い結論を、私は気に入らなかった。21世紀の黒死病と見なされるようになった病気に対するキャンペーン全体が、その起源を誰も思い出せない仮説に基づいているのだ。これは科学にも常識にも反している。
最終的に、HIVとエイズ研究の巨人に質問する機会に恵まれた。パスツール研究所のドクター・リュック・モンタニエである。彼がサンディエゴにスピーチに来たときだ。これは最後のチャンスだろう、怒りを見せずに私の小さな質問を聞くことができるだろう。そして、モンタニエは答えを知っているだろうと考えた。
見下すような困惑を見せながらモンタニエは言った、「疾病対策センター(CDC)のレポートを引用したらどうでしょう?」
私は言った。「それはHIVがエイズの原因としてありそうかという問題に取り組んだものではありませんよ。そうじゃないですか?」
「違いますよね」と彼は認めた。疑いなく、私が行ってしまわないかと思っている。彼は、周囲の小さな人の輪を助けを求めるように見た。しかし彼らはより確実な答えを待っていた、私と同じく。
「では、SIV(サル免疫不全ウイルス)の仕事を引用したら」と良いドクターが提示した。
「それも読みました、ドクター・モンタニエ」と応答した。「この猿に起こったことはエイズとは似てもいません。それに、その論文は二ヶ月前に出たばかりですよ。私が探してるのはオリジナルの論文です。HIVがエイズを起こすと、誰かが示したものです」。
ドクター・モンタニエの応答としては、素早く立ち去り、部屋中の知り合いに挨拶してまわることだった。
(その事件の後の)数年前の私の車の中にシーンを移そう。私はメンドシノからサンディエゴにドライブしていた。他の者と同じように、私は欲した以上に多くエイズについて知ることになっていた。しかし、未だに知らないのだ、その原因がHIVであることを誰が結論づけたのか。サンバーナーディーノ山に近づくにつれ、私は眠くなってきた。ラジオを付け、エイズについてしゃべってる男を聞いてみた。彼の名はピーター・デュースバーグだった。バークレーの有名なウイルス学者である。彼のことは聞いたことがあったが、論文も読んでないし、講演も聞いたことがなかった。しかし聞いてみたら、ギンギンに目が覚めた。彼が正確に説明していたのだ、HIVとエイズの関係についてのリファレンスを見つけるのに、なぜ私がこれほど手こずったのか、その理由を。何も無かったのだ。いまだかつて、HIVがエイズを起こすことを証明した者はいない。私は家に着き、米国化学学会の会合で彼の考えを話してくれるよう、デュースバーグをサンディエゴに招いた。最初はほとんど疑っていたのだが、視聴者はそのレクチャーにとどまっていた。そして二時間の質疑応答があり、部屋の時間になるまで個別に話し続けていた。全員が持ち込んだ疑問よりも多くの疑問を残していた。
私はピーター・デュースバーグが好きだし、尊敬している。彼が必ずしもエイズの原因を知っているとは思わない。それについては不同意だ。しかし、我々は共に、何がエイズの原因で無いかは確信している。
HIVと呼ばれるウイルスがエイズという病気を引き起こすなどと、一体全体なぜほとんどの人々が信じているのか、何の理由も我々は発見できなかった。単純にこれが真実であることを示す何の科学的証拠も無いのである。
それとまた発見できなかったことは、なぜ医師がAZT(Zidovudine)という毒性の薬を人々に投与するかだ。彼らはその血液中にHIVに対する抗体が存在するという以外は何の症状も無いのである。実際のところ、我々には理解できない、いかなる理由であろうが、なぜ人間がそんな薬を接種するかを。
我々には理解できない、これらすべての狂気がどうして生まれたのか、そして両者ともバークレーに住み、我々は本当に奇妙ないくつかの事柄を見てきた。我々は過ちを犯すのが人間であることは知っている。しかし、HIV/エイズ仮説は最悪の間違いである。
私はこれを警告として強く言いたい。デュースバーグはこのことを長く言ってきた。この本を読むのだ。
キャリー・B・マリス
1993年ノーベル化学賞受賞者
キャリー・マリス:Inventing The AIDS Virus序文 | 字幕大王
我々は馬鹿であることが期待される
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Q.氷河期世代の「生涯子どもなし」、韓国の2倍 なぜ? A.「就職時に不景気で、既存社員の雇用を守るために私たちの採用枠が減らされ」 「不本意ながら非正規雇用を選ばざるを得ず、キャリア形成機会を逃し」 「『非正規は自己責任!』『仕事があるだけ幸せと思え!』『お前の代わりなんていくらでもいる!』とパワハラで使い潰され」 「結果的に給与アップは見込めないのに、高齢化社会を支えるために搾取はされ続け」 「自分たちが高齢者になる頃には年金や医療も充分な恩恵を受けられそうになく」 「少子化で介護してくれる人もおらず、野垂れ死にするイメージしか持てない」ため、子供を持つ余裕なんて全然ないからじゃないですか。 また、その被害が「氷河期世代自体」のみならず、「会社組織」、そして「社会全体」と広範に及んでいることも根深い問題です。どういうことなのか、氷河期世代ど真ん中、1999年大学卒の私が説明しますね。 (1)「氷河期世代自体」の被害 彼らの新卒当時は正社員の求人が乏しく、不本意ながら非正規雇用を選ぶ人も大勢いました。彼らは「頑張って働いていれば、景気が回復した暁には正社員として雇ってもらえる」と期待して不安定な状況に耐え続けましたが、結果的に景気回復期となっても、正社員への転職はなかなか進みませんでした。 なぜなら、雇用が安定���ている会社の多くは「年功序列制度」をとっており、そういった会社で中途採用の対象となるのは、「会社から折に触れて教育研修を施され、将来の幹部候補としてのキャリアを積んできた正社員」が中心。社会人スタート時点で非正規雇用���人や無職期間が長かった人は、採用対象とは見なされなかったからです。 そういった就業環境や社会構造も非正規化の要因であることが当時はあまり理解されておらず、氷河期世代は世間からは「就職できなかったのは自己責任!」「選り好みしなければ仕事などいくらでもある!」などと批判され、厳しい環境でも本人にとっては「やっとの思いで得た職」でもあるため転職にも踏み切れず、求人を出していた所もブラック企業が多かったりするなど、辛い立場に置かれました。 (2)「会社組織」の被害 氷河期世代の就職時点で正社員の求人が乏しかった理由は、景気後退期と重なり、各企業が雇用調整手段として「新卒採用を極端に絞り込んでしまった」からです。結果として、その時点では確かに既存社員の雇用は守られました。しかし年を経るにつれて組織の年齢構成はいびつになり、氷河期から約20年後には「次世代を担うべき中間管理職の層が薄い/空洞化している!」と危機感を抱くハメになってしまいました。 また氷河期世代は劣悪な労働環境下でも低賃金でもよく働いたので、一部の経営者や管理職は当時の非正規労働者の働きぶりがいまだに一定の基準となっており、彼らと引き比べて「最近の非正規の若者は働きが悪い!」「打たれ弱い!」などという不満に繋がっているケースもあります。 (3)「社会全体」の被害 我が国では構造上、非正規雇用のままではいくら経験実績を積んでも給与アップは見込めません。一方で当時はまだ「結婚して所帯を持って一人前」といった価値観も一般的でしたので、家族を養えるだけの余裕が持てない以上、結果として氷河期世代の非婚化、晩婚化にも繋がってしまいました。 タイミングが悪いことに、この就職氷河期は人口ボリュームゾーンである団塊ジュニア(第二次ベビーブーム)世代がちょうど社会に出る時期と一致しました。彼らが滞りなく安定した正社員として就職でき、相応の金銭的余裕が確保できていれば、「第三次ベビーブーム」が訪れ、今ほど少子化対策で右往左往することもなかったかもしれません。 氷河期世代に対しては「自分たちの苦境をなんでも社会とか時代のせいにするな!」「他責が過ぎる!」といった批判が寄せられることがあります。たしかにどんな世代にもそれぞれの苦労があったことと思いますが、氷河期世代はとくに「身近に前例がない状態で、心の準備が間に合わないまま、不遇と冷遇に押し流されてしまった世代」と言えるのではないでしょうか。 先般のコロナ禍中における採用抑制も同様ですが、新卒就職時の景気次第で特定の年代が理不尽を押し付けられ、職業人生が左右されてしまい、単なる雇用形態の違いが、将来の社会保障を脅かす問題になるなんておかしいのです。幅広��年代で雇用調整を請け負えるような仕組みが必要ですね。
Xユーザーの新田 龍さん: 「Q.氷河期世代の「生涯子どもなし」、韓国の2倍 なぜ? A.「就職時に不景気で、既存社員の雇用を守るために私たちの採用枠が減らされ」 「不本意ながら非正規雇用を選ばざるを得ず、キャリア形成機会を逃し」 https://t.co/WKSjhPIAbM」 / X
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「内部告発なんてしなければよかった」公益通報後に解雇や異動…障がい者施設で勤務の3人“不当な処分を受けた”と訴える 施設側は「報復の可能性はない」と主張
2/22(土) 14:01配信
MBSニュース

公益通報後に“不当な処分を受けた”と訴える3人
兵庫県・斎藤元彦知事のパワハラ疑惑で関心が高まった「公益通報」。全国でトラブルが絶えないといい、公益通報者保護法で守られるはずの通報者が解雇されたケースも。大阪で公益通報をめぐって争う裁判を取材しました。
【写真で見る】公益通報したら突然送られてきた『自宅待機の命令書』
公益通報とは…組織の違法行為について勤務先の通報窓口や監督官庁、報道機関などに通報 兵庫県の斎藤元彦知事によるパワハラ疑惑などを調べる百条委員会。2月18日は委員らが非公開で協議を行い、調査報告書の作成に向けて詰めの議論が進められています。
ことの発端は去年3月、元県民局長が斎藤知事のパワハラ疑惑などを記した文書を配布したことです。百条委員会では、県がこの文書を公益通報として扱わず、告発者を特定したことの是非についても議論され、3月上旬にも結論が出る見通しです。
斎藤知事は19日、従来の見解を繰り返しました。
(記者)「公益通報者保護法について一貫して違反していないと?」 (兵庫県���斎藤元彦知事)「県の対応として適切だったと思っています」
そもそも公益通報とは、従業員などが組織の違法行為について勤務先の通報窓口や監督官庁、報道機関などに通報する行為です。2006年には公益通報者の不利益な扱いを防ぐ公益通報者保護法が施行されていますが、通報をめぐるトラブルは、後を絶ちません。
公益通報後に不当な処分を受けたと訴える3人 大阪府内の障がい者施設で看護師として働いていた3人は、3年前、公益通報をした直後に不当な処分を受けたと訴えています。
(朝倉隆介さん)「いまだに何をしたのか、自分が何をして解雇されたのかがわからない」 (吉田さん※仮名)「職場を奪われ、職場を変えられ、職を奪われた。自分の中では消化できていない」 (鈴木さん※仮名)「私たち看護師は利用者を守るために働いているので、その声が届かないもどかしさがある」
いったい、なにがあったのでしょうか。朝倉さんら3人は2019年~2020年に、施設の職員が利用者の口の中にこぶしを押し込むのを見たり、腹部のマッサージと称して利用者の腹に膝を押し当てる行為を聞いたりし、自治体に通報しました。
MBSが情報公開請求で得た「自治体の調査結果」の資料は、ほとんどが黒塗りで具体的には分かりませんでしたが、「虐待があったこと」「著しく不適切な行為があったこと」が認定され、通報した3人によりますと、施設側も非を認めたといいます。
施設から『自宅待機命令書』が届く…その後『解雇・異動』 2022年、3人は「別の事案」について新たに公益通報をしました。その1か月後、3人に施設から“ある書面”が届いたのです。
(朝倉隆介さん)「これが自宅待機命令書です。全部で6枚(6か月分)」
それは、3人に“自宅待機”を命じる書面でした。理由は、「業務のより円滑な運用に処するため」や「業務中の言動について自治体による虐待事案調査が行われているため」(1度のみ)とだけ記されていました。
自宅待機命令は長い人で半年以上で、その後、朝倉さんは解雇、鈴木さんと吉田さんは異動となりました。吉田さんは以前から患っていた適応障害が悪化し、休職を余儀なくされたといいます。
(吉田さん)「説明がなかったので、紙切れ1枚で。(なぜ)そんな扱いを受けないといけないんだろうと思った。もういっそ消えたほうが楽かもしれないなと」
吉田さんは、おととし労災を申請。労基署は調査の結果、施設側の説明不足を問題視し、「自宅待機命令や異動はパワハラにあたる」として労災を認定しました。
【労働基準監督署の書面より】 『待機の理由として、漠然とした理由のみが記されており、請求人(Aさん)に弁明の機会が与えられていなかったことが認められる』 『合理的な説明のないまま6か月半にわたり自宅待機をさせられ、さらに異動先でも職責に見合う仕事を与えられていない』
一方、2度目の公益通報は、自治体の調査の結果、「法令違反はなかった」と判断されたといいます。
(3人の代理人 ���間秀和弁護士)「皆さんが声を上げたのはどういう趣旨なのか」 (鈴木さん)「おかしいことはおかしい。そういう状況を黙って見ていろと言われるのも、やはり看護師としてそれはいけない」
裁判は今も続く「こんな思いをするのなら、内部告発なんてしなければよかった」 3人は去年6月、解雇の無効や賠償を求め、裁判を起こしました。2度の公益通報が自宅待機命令や処分に影響したのではないかと疑念を抱いたからです。
(朝倉隆介さん)「説明をしてもらっていない。やはり公益通報と(処分とを)つなげてしまう。それ(通報)に対する報復行為じゃないかな」 (鈴木さん)「こんな思いをするのなら、内部告発なんてしなければよかった。もう次に何かあっても、たぶん一生私は(通報)しない」
一方の施設側は取材に対し「係争中でコメントできない」と回答しました。裁判では、次のように主張しています。
(施設側)「原告らが公益通報をしたという事実は一切認知していない。したがって、原告らに対する自宅待機命令などが公益通報に対する報復であるという可能性はない」
自宅待機命令などと公益通報との関係性を否定しています。そのうえで、施設側は朝倉さんについて「業務命令に従わず利用者にとって重大なサービスを休止させた」こと、鈴木さんについては「言動がパワハラにあたるのではないかという複数の報告があった」こと、吉田さんについては「職場への不満を述べて職員を不安にさせた」ことなどがそれぞれの処遇につながったと主張。双方は真っ向から対立したまま裁判は今も続いています。
「『良い情報を提供してくれている』というスタンスで対応すべき」専門家は指摘
全国で相次いでいるという公益通報をめぐるトラブル。国も制度の見直しに乗り出しています。 去年12月、消費者庁の有識者会議は、公益通報者を守るための法律の見直しに向けた報告書を作成しました。そこには、民事裁判では通報と処分との関係について、通報者側ではなく、組織側が立証責任を負うことなどが盛り込まれました。政府は今の国会の会期中に改正法案を提出する方針です。 改正すべきポイントは何なのか。公益通報制度に詳しい淑徳大学の日野勝吾教授は、こう指摘します。 (日野勝吾教授)「(公益通報制度は)自浄作用、組織自体をきれいにしていく、組織を良くするための制度ですから、『良い情報を提供してくれている』というスタンスで、本来、事業者側は対応すべき」 兵庫県知事のパワハラ疑惑で関心が高まった公益通報制度。組織の不正を発見し改善するという目的を果たすため、課題が残されています。 (2025年2月20日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『特命取材班スクープ』より)
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公的年金とiDeCoと企業DCを年金で受け取る時にかかる税金と社会保険料
免責:当エントリは無保証です。間違っている部分があったら教えてください(ワイのために)。
iDeCoや企業DCの節税効果について語る時、ほとんどは一時金受取りにかかる税金が、掛金時に割引になる税金よりも大幅に低い事が前提にある。しかしこれはあくまでも「今の税制度」が変わらない、もしくは大改悪にならない事が前提だ。将来的に、そもそも一時金受取りが制限される可能性は私はあると思っている。というか30年後の税制度について断定的に語る事の方がおかしいのだろう。
そんなわけで��30年後でなく、今の仕組みの元でiDeCoや企業DCを年金受け取りするといくら取られるのかを計算する。
で、いくら貰うかだが、iDeCoや企業DCの残高がある限り5年以上20年以下の期間で比較的自由に受給期間を選べるんで、60歳になった時にいくらお金が欲しいかを考える。というか公的年金だけで生活できるとは思わないほうがいいだろう。ネットで貰えてる年金がいくらか、そいつらの生活費を調べるといい。比べてトントンならいいんだが、生活費の方が多いならがんばって貯金か節約しようねという話。あと自分がいくら年金を貰えるのか試算できる。ねんきんネットというサイトでスマホにマイナンバーカードかざしてログインして見ようや。そうすると会社勤めのワイだと65歳から十数万円貰えるって出たぞ。実際に貰える年金といくらずれがあるのかは分からん。マクロ経済スライドという仕組みで毎年年金が変わる。あと、貯金がたんまりあるって人は年金の繰り下げ受給をすると死ぬまで多くお金が貰える
参考:ねんきんネット
好みや、出来る出来ないは人それぞれだが、少なくとも今はこういう仕組みがあるんだと選択肢として覚えておいても良い。
注意:iDeCoや企業DCは証券会社、生命保険会社によって異なるが5年以上20年以下が受給期間で、75歳までに受取り開始です。100年にわたってもらうとかは出来ないです。
ケース:65歳以上で公的年金とiDeCoと企業DCで年に330万貰う。独身で東京都在住の65歳無職の港区女子。85まで受け取る事になります。
この場合、月に27.5万円貰える or 切り崩す。
課税所得を計算する。なんで330万にしたかというと税金の計算でここが分かれ目になるので都合がいいかなと思った。
課税所得の計算
まず、課税所得(公的年金等の雑所得)を計算する。
65歳以上なら 330万 - 110万(公的年金控除) - = 220万 が雑所得として課税対象になる金額。
計算方法としては330万 × 0.75 - 27.5万 = 220万 でもいい。
国民年金保険料
基本60歳以降は払えないで
国民健康保険料
マジでややこしい。住んでる場所によって違うので検索。
賦課基準額:( 220万 - 43万(基礎控除:所得税とは数値が違う) ) = 177万
A基礎分(医療分)
①均等割額:¥49,100 × 1人 = ¥49,100
②所得割額:¥177万 × 8.69% = ¥153,813
B 支援金分
①均等割額:¥16,500 × 1人 = ¥16,500
②所得割額:¥177万 × 2.80% = ¥49,560
C 介護分
(40歳~64歳の加入者のみ該当)
世帯の令和6年度保険料:合計 ¥268,973
介護保険料
40〜64歳と65〜歳(第一号被保険者)では、計算方法が違うので注意。住んでる場所によって違うので検索。
第8段階 (合計所得金額が190万円以上250万円未満の人)で¥92,160
※ここは43万を引かないらしい。
75歳以上は代わりにこっちで計算
後期高齢者医療制度
所得税
( 220万 - 48万(基礎控除) - ¥361,133(国民健康保険料+介護保険料) ) × 0.05(5%) = ¥67,943
復興特別所得税(防衛特別所属税に改名予定)
67,943 × 0.021(2.1%) = ¥1,426
住民税
(住んでる場所によって違うので検索)
( 220万 - 43万(基礎控除:所得税とは数値が違う) - ¥361,133(国民健康保険料+介護保険料) )× 0.1(10% 6%特別区民税 4%都民税) + 5000(均等割 特別区民税分3,500円、都民税分1,500円) + 1000(森林環境税 (国税)) - 2500(調整控除額 よくわからん) = ¥137,386
これで全部。
国民健康保険料:¥268,973
介護保険料:¥92,160
所得税:¥67,943
復興特別所得税:¥1,426
住民税:¥137,386
合計:567,888 / 年
以上は全部、年金を受けとる時に勝手に取ってくれるので手続きとかはいらんはず。
これが現時点での年金を受けとる時にかかる税金と社会保険料。
で、iDeCoと企業DC分を受け取る事で増える税金と掛け金時に減る税金を比べる。
まず、30歳からiDeCoに3万ぶち込むとする。住民税は10%、低所得者なので所得税は5%で計算。
月3万の15%なんで4,500が得。ただし、iDeCoの手数料として毎月¥171かかる。トータルで月に¥4,329得。これを30歳から65歳まで続ける。
そうすると35年で¥1,818,180得。
毎月¥30000 - ¥171 = ¥29829を35年5%利回りで積み立てると ¥33,888,501 になった。
これを20年かけて0%利回りで受け取るとすると ¥1,694,425 / 年 だった。
厚生年金分と大体同じくらい貰えそう。厚生年金とあわせると¥330万/年 いきそう。
もしくは企業DCに3万ぶち込む。住民税は10%、低所得者なので所得税は5%で計算。社会保険料は所得の閾値ごとに決まるので単純なかけ算じゃないからむずいんだけど、14.5%(厚生年金9.15% 健康保険料4.75% 雇用保険料0.6%) で計算。そうすると、
毎月 ¥30000 × 29.5% = ¥8,850
これを35年で、¥3,717,000 得。
iDeCoのように ¥171/月の手数料はかからないので(会社が払う)、¥34,082,773 が35年後のお金。これはiDeCoと大体同じ。
(節税になった分を投資に回すとかはナシで。あと企業DCをして厚生年金の支払が減ると、受け取る時も減るので注意)
で、iDeCoと企業DCをした分、受取時に増える支払を計算。
厚生年金の受取りを 月¥12万とします。ねんきんネットで、スマホにマイナンバーカードかざしたら調べられるから見といて。
年に ¥144万。iDeCoや企業DCはしていないので受け取りません。上と同じ計算をすると
課税所得 144万 - 110万 = 34万
国民年金保険料 34万 - 43万 < 0 なので所得割額分はなし。均等割だけ払う。49,100+16,500 = ¥65,600
介護保険料 第1段階 本人が老齢福祉年金受給者で、世帯全員が住民税非課税の人 ¥19,200
所得税 34万 - 48万 < 0 。0に何掛けても0。森林税とかは払うかもだけど分からん。
住民税 34万 - 43万 < 0
合計:84,800。
つまり、差額は¥50万/年。これを20年続けると1000万超えるんだけど?一方で、企業DCに3万ぶち込んで得になるのが370万。これ、どう考えてもNISAでいいじゃねえか。
何か勘違いしていたらコメント下さい。
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其の十七彫目
「彫り師の給与体系と運営手法」
さて今回は少し踏み込んだ内容ですので、多少ぼかしながら話していきたいと思います。
多分みなさんは彫り師の給与体系などは興味はありながらも聞きたくても聞けない禁断のエリアのような気がいたします。
閉鎖的な業界でありますが、SNS等が発達してタトゥー業界の情報は多少はみなさんにも入ってくる時代にはなっているとは思いますが誰もほぼ本音は言っておりませんね〜。
昨今これだけ増えているタトゥースタジオなのでその辺の事情を話すのもそろそろアリだと思います。
もちろんいつもながら自分の独断と偏見の内容なのでご了承くださいませ〜。
さてさて、スタイルで言えば完全な個人経営のスタジオ体系、、、、
オーナーがおりながらもスタジオ内の一角で一定額を支払い間借りするスタジオ体系、、、、、、
オーナーがおり彫り師さんを雇うスタジオ体系、、、、、、、、
ざっくり言えばこんな感じでしょうか、、、、
またオーナーが彫り師でない場合もあります。
もちろん見習い彫り師さんは上記の項目には当てはまっていないという前提でお話しいたします。
個人経営のスタジオは単純に月商から家賃、電気代、消耗品などなどの固定費を引いた額が月収になります。
スタジオを間借りするスタイルでは一概には言えませんが、間借り代と電気代等を少し負担するなどなどが挙げられます。
そして多数の彫り師さんがおられる激戦区スタジオはまた特殊で経営戦略が上手いです。
HP制作にも多額の費用を投入しており宣伝手法にも抜かりがないイメージですね。
人口密集地の激戦区ではそれだけタトゥー需要がありますので、供給量[彫り師]をどれだけ増やすか?が課題であり=優れた彫り師の確保が重要になってきます。
スタジオ側はタトゥーテクニックのノウハウを教えてお客さんを安定してまわす代わりにロイヤリティを得ます。
これはどの業界でも同じ事ですね。
「テクニックを教えてもらってお店のお客さんも囲ってすぐ独立します」では筋が通らないのでよく揉めたりするのはどの業界などもあるあるネタではございます、、、、、、
オーナー彫り師さんはタトゥースキル、テクニックも素晴らしい方々が多いです。
激戦区での彫り師兼オーナーとは芸能人や有名人などを顧客に持ち、メディア媒体などにも顔を売りインフルエンサーのような方々に宣伝を手伝ってもらいます。
さすれば必然的にお客さんも多くやってきますが、身体は一つ、、、、、、、
施術出来る仕事の時間は限られ、収入は一定レベル以上は必ず上がらない法則が生まれます。
その辺を理解しているからこそ多数の彫り師さんを雇うスタイルで回転率を上げ利益を上げる手法が出来上がります。
こういう流れを作れば、オーナー自身が矢面にそれほど立たずに経営が成り立ちます。
もちろんオーナーさんはタトゥーテクニックは上手い方が殆どですが、あえて顧客を多く取らず予約を取りづらい状況にして自身のブランド価値を高める、さすればそのスタジオのスタッフ達に仕事が多くまわる、、、こんな感じですかね〜。
これは最近よくある手法で、ある程度の歳を重ねたベテラン彫り師さんにはあまり理解し難い戦略方法なので、ワタクシ自身は否定は致しませんが、、、、、時代の流れなんでなんともね〜、、、、
上記のスタジオオーナーさん達は大体30代〜40代前半の方が多いイメージですかね〜、、、、
事実こういった手法はお金にはなります。
在籍彫り師さんは、そのスタジオの看板名でお客さんをまわして頂いている場合が多いです。
なのでその分のロイヤリティを支払う義務が生じます。
これはオーナーとの関係性にもよるので、これまた一概には言えませんが「約3割から約���割以上」を支払う仕組みになっていると思われます。
在籍している彫り師さんでも有名な方々もいらっしゃるので例外もあり、スタジオによってはインセンティブ「成果報酬」などがある場合もあります。
ロイヤリティは高いがグローブやインクカップなどの使い捨て消耗品等はすべてスタジオ側に用意してもらえる場合もあれば、ロイヤリティは低いが使い捨て消耗品等はすべて自分持ちというケースもあり、どちらがいいと一概に言えません。
宣伝や固定費、トラブルなどはスタジオ側に任せればいいので楽ではあります。
しかし独立を考えた時、ただ彫ってばかりいたではお客さんはあまり付きません、、、
個人のスタジオはそこにコミュニケーション能力がより必要になり、お客さんに贔屓にして頂ける人格も必要になります。
様々な理不尽なトラブルに己で対処してきたかが人間的に成長させるものと考えます。
そういった方々は職業関係なく内から不思議な魅力を感じます。
そうしてお客さんがたくさん来て頂けるようになると考えますね〜。
次回其の十八彫目は「過去と現在の客層の違い」でございます〜。
DMS TATTOO
公式サイト
公式Twitter「X」
#いわきタトゥー#いわき刺青#福島県タトゥー#DMS TATTOO#南相馬タトゥー#郡山タトゥー#茨城タトゥー#東北タトゥー#japanese tattoo#tattoo#いわき彫り師#dmstattoo
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二年前日記26(2021年6/25〜7/1)
6月25日 仕事の日。バスと電車で通勤すると、電車が混んでいてしんどくて普通電車に乗り換えた。朝、来客。THE営業マンな人でギラギラがすごい。ちょっと苦手だけど、社会で戦ってる人というのはこういう人だよな。ちょっとした話題が耳につき自分のお給料は、事業主にすると経費で、なるべく安い方がいいんだよなと思った。まぁ雇われるってそういうことだな。帰って横になる。晩ご飯は、カレー、切り干し大根ときゅうりのサラダ。大豆田とわ子の6話目を見る。
6月26日 夫は仕事。読書、お風呂、掃除などひと通りして、歩いて買い物へ。午前中からなかなか良い動き。お昼はたぬきそばとミンチカツ。昼寝。早めに晩ご飯とつくりおきを始める。うーん、良い1日。晩ご飯は、ささみときゅうりの梅和え、牛肉とごぼうの煮物(お惣菜)、茄子とズッキーニのグラタン、ミンチカツ、茄子の浅漬け。大豆田とわ子の7話目を見る。
6月27日 基礎体温は今度こそ下がったみたい。胎盤完成したのかな。朝、毛布を洗ってコインランドリーへ。乾かしている間に和菓子屋さんに行く。毛布をピックアップして、実家へ。母は買い物に行っていた。いくつかおかずも持っていったのと、あるもので豪華なお昼ご飯。いっぱい食べた。母は、昨日間違えて二回目のワクチン接種に行ってしまったみたい。予約は来週だった。父も母もたくさん食べていた。少し昼寝をして、味の南蛮漬けを母が作っていたのを手伝った。3時ごろに家を出て、図書館に予約の本を取りに行って、買い物をして帰宅。カフェインレスのマウントレーニアを飲みながら、借りてきた本を読む。晩ご飯は夫が作ってくれた。鰤とごぼうのトマト煮、焼き野菜。大豆田とわ子の8話目を見る。途中でGAの住宅のマスターピースが映るので、同じページが見てみたいと思い一時停止して探してみた。夫が多分誰々だよといったので、その建築家のページを見てみると本当にあった。すごー。たくさんあるから本当に読んでいるのか疑わしいと思っていたが、ちゃんと読んでいるのだな。お風呂に入って髪を乾かしながら、見ていたテレビが面白かった。太田伯山ウィカの鼻つまみ��立川志らくがゲストだった。いつもは深夜にやってる番組みたい。見てみようかな。Twitterでは東京マッハのことで、俳句の人がざわついていた。
6月28日 検診の日。血圧と体重は自分で測って母子手帳に記入するのだけれど、血圧が上が141もあり、もう一度測りなおそうと思っていたところで診察の順番がきた。看護師さんがプシュプシュする血圧計で実測してくれると、100ぐらいに下がっていた。採血したあとは血圧が上がるのかな。今度は採血の前に測ることにしよう。赤ちゃんは順調に大きくなっていて、5本指があり、心臓と胃と腎臓がそれぞれ黒く写っていた。とてもありがたい気持ちになった。有り難いことだよ本当に。もっとくるくる動いたりしてるのかなと思ったがそれは見れなかった。性別もまだ。また次は4週間後。来月は夫が休みっぽいので、一緒に行けるかな。それにしてもいつまでたっても不安は不安だな。しても仕方のない不安の前借りはせず、淡々と赤ちゃんを迎える準備をしていこう。病院が思っていたより早く終わったので、本屋さんで漫画を買い、無印で母子手帳ケースとレギンスと下着を買って、駅前の喫茶店でモーニングを食べた。銀行に行ってから帰宅。少し横になったり、本を読んだりする。おやつに先週冷凍していたチーズケーキを食べる。家事をしたり、DVDを見ながら運動したりしているうちに夕方になる。晩ご飯は、味の南蛮漬け、きのことわかめの和え物、ルッコラのオイル蒸し、ぬか漬け。大豆田とわ子の9話目を見る。小鳥遊さんからマレーシアの家の写真を見せられて、こんな家が建てたいなと思っていた気持ちを思い出して、とわ子はマレーシアには行かない決断をしたんだな。あの一瞬の表情で全てを語る演技。すご過ぎるよ。Twitterで句具ネプリの感想を探して読む。自分の句の感想をあげてくださっているかたもあり、それが本当に素晴らしくて嬉しくてちょっと泣く。無料でこんな気持ちにさせてくれるなんて、俳句ってちょっとすご過ぎないか。
6月29日 仕事の日。一本遅い電車に乗り、新快速で行くのがやっぱり楽かもしれないな。同僚に妊娠の報告をした。見たことのない微妙な表情で「おめでとうございます」と繰り返し言われた。今ひとつ関係を深められなかったな。また、じっくり話せる機会があるといいんだけど。私が若い頃に職場の人に教えてもらったようなことを全然話せていないような気がする。ご飯に行って、雑談して、の中でいろんなことを吸収させてもらってたんだな。帰って、近所の人から電話がかかっていたので折り返した。いつもながら、とても元気。もうすぐワクチン2回目を打てるらしい。晩ご飯は、ハンバーグ、だし巻き卵、えのきとワカメときゅうりの和え物、やみつきキャベツ、ぬか漬け、いかなごの釘煮。
6月30日 朝起きたら夫が寝ていて、遅刻したかと思いドッキリする。そういえば今日は有休だったんだ。整形の診察の日。そのあとマイナンバーカードの申請に行って美容院に行くらしい。一日いないのかなと思っていたら、9時半ごろに帰ってきた。病院が早く終わったみたい。マイナンバーカードの申請に私もついていくことにした。申請が終わってお昼の時間だったので、明石焼きのお店へ。明石焼き以外にもいろいろある。夫は木の葉丼を私はざるそばを頼んだ。どちらも美味しかった。帰りスーパーに寄ってもらう。夫が冷凍食品のケースをじっと見つめていたので、餃子食べたいのかと聞くと、冷凍庫がイタリアのだれかのデザイナーのものだったらしい。夏らしい暑さだったので、アイスが食べたくなる。ちょうど四割引の日だったし。迷った結果、ヨーロピアンアイスのレアチーズのにした。帰宅して、手と顔を洗ってアイスを食べて昼寝。食べすぎたー。苦しい。絶対、20個の明石焼きのうち13個ぐらい私が食べた気がする。はっと気がついたときには何個食べたかわからなくなっていた。夫は美容院に出かけ、私は本を読んだり、予定をまとめたりした。近所をぐるりと一周する。晩ご飯は、豚しゃぶ、ぬか漬け、わかめえのき。大豆田とわ子の最終回を見る。まーさんの家は何度見ても本当に素敵。
7月1日 市が主催している妊婦の栄養講座に行く。学生のときの家庭科の授業みたい。健康的な栄養士の先生が教えてくれた。一日の食事を書き出して、こまの図の中に入れていった。5ヶ月以降の妊婦さんが対象だったが、5ヶ月で来ているのは私だけだった。終了後、よければ皆さんで交流をとのことだったが、予定日が近い人もおらずだったのですぐ帰る。また、学校の付き合いみたいなのが始まるんだなぁと思うと少し憂鬱な気持ちになる。大丈夫。もう大人なんだから。図書館で本を一冊借りてから電車で移動。今日は夫と一緒に鍼の日。夫の会社の最寄りの駅で拾ってもらう。時間があったので、近くのカフェでレモネードとマフィンを食べて、手紙を書いた。いつか買った七夕の葉書が使えてよかった。鍼は、またいつものように右に体重が乗れていないことを指摘される。意識してるのに全然変われないのでちょっと嫌になってきた。私たちの次に来ていた親子は、なんとなく先生の親戚っぽかった。お兄さんかも。晩ご飯は、朝のうちに作っていた厚揚げとゼンマイの煮物、豚汁、黒豆ひじきごはん、やみつきキャ��ツ、いかなご。食べてすぐに寝てしまった。
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爆破事件を引き起こした新左翼過激派のメンバー、桐島聡さんが、約50年の逃亡・潜伏生活の果てに搬送先の病院で70歳の生涯を閉じたニュース、界隈では衝撃をもって迎えられました。「えっ、生きていたどころか、50年近くも国内で潜伏して普通に暮らしてたの?」という。 桐島さんへの直接の嫌疑では死亡事件の直接の関与はないものの、所属していた「東アジア反日武装戦線」では連続企業爆破事件の容疑者の一人として全国に指名手配され、やらかしたテロの重さとは似つかわしくない穏やかな笑顔と黒縁眼鏡の風貌が多くの日本人の印象に残っていることでしょう。 経済的厳しさと逮捕の恐怖の中で そして、末期の胃がんで死期を悟った桐島聡さんが、搬送先の鎌倉市の病院で「私が桐島聡です」と自供したため、足取りを掴めていなかった公安当局も唖然とするような展開となったのであります。というのも、桐島聡さんの所属先からは「海外逃亡している」という有力な情報がすでにあったことから、素直に国内にいないものと考えていたところ、まさかのご近所神奈川県藤沢市の工務店に少なくとも二十数年以上勤務していたことが分かって当局大失態であります。下手すると、44年いたことになります。なんだそれは。 すでに周辺取材を済ませた報道は多数ありますが、住んでいたアパートは工務店によって法人契約で社宅扱いで借り上げられていたと見られ、また、近所の繁華街に1人で頻繁に出没しては飲んだり歌ったりと享楽的で明るい一面を持っていたようです。他方で、長年住んでいたアパートに移り住むまでに騒音問題なども起こす一方、周辺賃料の相場で見ると風呂・トイレ無しの古い6畳弱のアパートの家賃は月額3万5000円から4万円ほど。当該市からは生活保護世帯の住宅扶助支給物件とされていたことから考えると、金銭的にはかなり厳しい生活を長年に渡って送っていたものと見られます。 指名手配をされ潜伏生活を強いられてまともな仕事を得ることができない桐島聡さんは、自称「内田洋(ウチダヒロシ)」として、いつ逮捕されるか分からない恐怖に怯えながらなかなかしんどい人生を送らなければならなかったのではないかとも思います。 他方、鹿島建設爆破事件(1974年)などのテロ事件の共謀・実行の事案で見るならば、当時21歳の若者に過ぎなかった桐島聡さんが果たした役割は限定的であることを鑑みて逮捕起訴されたとしても実刑15年程度で出てこられたのではないかとも見られています。 そもそもが、戦争中に日本に強制連行された中国人が悲惨な労働環境に耐えかねて蜂起し400人以上が亡くなった花岡事件(1945年)を理由に鹿島建設への爆破を仕掛けたことが背景にありますが、他の事件も含めて桐島聡さんが起こした事故で直接亡くなった方はおられません。そうであるならば、30代後半にはシャバに出られて一般の国民として暮らしていけたはずの桐島聡さんからすれば、人生の最後まで不自由であまり裕福ではない暮らしを強いられてきたのは結果的に相応の罰を「セルフ終身刑」的な形で受けたことにもなります。 組織の支援や手引きはなかった可能性 さらに、桐島聡さんが勤務していた工務店関係者によれば、働いていたウチダヒロシさんがテロリストとして指名手配されている問題人物であったとは20年以上仕事をしていながらまったく気づいていなかったとのことで、犯行に関わる話を聞いたことも、疑わしい人物と頻繁に接触している雰囲気もなかったとのことでした。ほんまかいな。これから勤務していた工務店周りや、仕事の出先については当局も追加で状況確認的な捜査は行うでしょうから、新たな事実関係が出てくる可能性はあります。 正直、当局としては完全なる出し抜かれ、大失態という評価でもあるため、無理矢理でもなんらか工務店の容疑をでっち上げて起訴でもしようとするんじゃないかと心配になる面もあります。 ただ、現状では桐島聡さんの逃亡・潜伏生活において、過去に事件に直接関係した組織による支援や手引はこれといって無かった可能性が強いと見られます。つまり、本人も反省してか分かりませんが組織から足を洗い、接触を断ってしまっていたからこそ、警察も藤沢市周辺に桐島聡さんが潜伏しているという情報の入手ができなかった可能性が高いのです。 この工務店(というか、人足屋的な仕事がメインだったようですが)を起用した土木系のジョイントベンチャー(JV)を担当した二次請け建設会社によれば、2015年ごろに行った工事の作業員名簿に確かに「ウチダヒロシ」と思われる人物がいることが分かっています。ただし、一般的にこれらの工事に直接携わる作業員については、昨今は従事者全員の氏名を明記したうえで担当事業者ごとに土木工事保険や請負業者賠償責任保険、労働災害総合保険に加入することが義務付けられています。そうなると、偽名で架空の従業員を工務店が「昔から働いてくれていた、訳アリだけど明るいおっちゃん」として置いておくことは、未必の故意で犯人隠匿に協力したとも扱われかねません。 「謎スマホ」を使っていた? また、日雇いの現場においては、私ども産業廃棄物業界も特に気にしていることですが、身元不詳の人物が求職にやってくることも少なくありません。しかし、突発で多くの人員を要するような作業では現場長の独断で「よく分かんねえ奴だけどまあいいか」となりやすいのもまた事実と言えます。本当に訳の分からない奴だとスマホもまともに持っておらず、招集もかけられません。日雇いで稼いでいる人ほど、いまや仕事を得るツールであるスマホは文字通り生命線です。 ���ット回線はコンビニの駐車場や駅周辺に流れてくる野良Wi-Fiでいいので、変な人はどこからどう入手したか不明なだいたい謎スマホか謎ガラケを持ってるんすよね。 で、桐島聡さんの場合は、少なくともある時期までは勤務先の工務店から謎スマホを支給されていたようですが、入院のタイミングでは携帯電話を持っていなかったと報じられています。どういうことなのでしょう。招集がかかってスマホで点呼に応じてる割に、個人で偽造の健康保険証も持っていなかったことが分かっておりますから、おそらく親切な人が社業で使う用に貸与していたのではないかと思います。 無保険逃亡生活の悲しき末路 さて、今回当局対応で浮き彫りになったもう一つの問題は、どうも桐島聡さんは今回救急搬送される1年前、体調に不安があった際に、自費治療で検査し、胃がんを患っていることまでは分かっていたようだという点です。セルフ終身刑なのかなと思う理由として、おそらく経済的に厳しい生活を送ると同時に、胃がんが分かっても保険治療を受けることができない状況で悲観したまま、1年ほど、末期がんとして路上に倒れて運び込まれるまで悪化してしまったという点です。 想像として考え得るのは、犯罪を犯して逃亡生活を送ってきたけれど、酒と音楽で享楽的な日々を送りながらついに身体の異変を知り、しかし治療も受けられず、徐々に悪化して働けなくなっていく中でウチダヒロシではなく桐島聡として人生来し方(こしかた)を思い返して取り返しのつかない犯罪を犯したこと、そしてもうどうにもならないことを思い悩むこともあったのではないかと思います。また、胃がんで搬送されて1週間で亡くなるほど悪化していたとするならば、悶絶するほどの疼痛がたびたび桐島聡さんを襲っていたことは想像に難くありません。 末期がんの人を雇用した経験がひとかたならずありますが、正直、末期の人は働けないほどしんどい状況になります。桐島聡さんは、働けなくなった半年か一年かぐらいは、どうやって食いつないでいたのでしょう。 結果的に、同僚に付き添われて藤沢市ではなく鎌倉市の、病院のポリシーとして困った人は必ず受け入れるという理念を掲げている総合病院に救急搬送されて入院しています。当然担ぎ込まれて入院した当初は健康保険証の提示もされておらず無保険です。が、本人は末期がんで精神混濁の状態ですから、医療行政的にも本人確認義務は身寄りか勤務先、これが無理なら居住しているアパートの大家(所有者)に生じます。少なくとも、元の組織からの支援もなく逃亡していたことを考えると、ほとんどの逃亡期間は無保険であったことはもちろん、身分証明できるものは何一つ持っていなかったことになります。 医療行政の観点からするならば、身元不明者の入院においては、本人確認がむつかしい場合は行旅病人及行旅死亡人取扱法という古い法律に基づいて、病院が所在する自治体で仮の戸籍を発行して本人の意思が回復するまで治療費や入院費を代位弁済することになります。 行旅病人及行旅死亡人取扱法 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=132AC0000000093_20230616_505AC00000000 親族はDNA判定を拒否 ところが、病院が応召義務を拒否できる理由について、例えば暴力団排除条例(暴排条例)で反社会的勢力の皆さんの診療を断ることはあっても、合理的な理由で「テロリストとして指名手配されていたから」というのは含まれていません。認知症で正常な意思疎通に問題があるケースなどは頻出する一方で、非常にレアケースだと思うのですが末期がんで担ぎ込まれてきた人がテロリストの桐島聡ですと病院関係者に自供されてもみんな困惑しただろうなあというのは胸に来るものがあります。あんまりないよねそういうの。 結果的に、桐島聡ですと自供したにもかかわらず、本人確認のためのDNA鑑定は桐島聡さんの親族から拒否されたようですので、彼はあくまで「自称・桐島」としてその生涯を閉じ、長い時間の裏付け捜査を当局の宿題として残し幕を下ろすことになります。 「他人ごとではない」身分保証の問題 今後、この手の話が医療行政で問題視されることが増えるだろうと思うのは、テロリストが救急に担ぎ込まれてみんな呆然とすることではなく、身元不詳の独居老人が救急で運ばれてくることが増えることです。そうなれば、行政手続き上、類似の事案がどんどん出てきたとき自治体と受け入れ病院側で負担が増えていくでしょう。 今回の事件で医療方面がかなりザワザワしているのも、言われてみればそういうことも起きる世の中になるよなという認識が持たれたからに他なりません。 確かに桐島聡さんは行きがかり上、若かりし頃のやらかしで悲惨な事件を起こした責任���自ら背負う形で厳しい人生を送りましたが、特段犯罪を犯したわけでもないのにまともな生活を送ることができず生涯独身のまま孤独な死を迎える日本人にとっては他人事ではないぞということです。 そして、マイナンバーカードによる健康保険証(マイナ保険証)の是非も出てくるかと思うのですが、これは紙の保険証を桐島聡さんが使ったのではないかと問題視するのではなく、まっとうに暮らす国民として偽造されることの少ない身元保証の仕組みがしっかりあることでこのような問題から自分の身を守ることができる、というのは大事なことです。 駆けつけた捜査員には「後悔している」と供述していたらしい桐島聡さんの魂に平穏あれかしと祈りたく思いますが、事件を起こした後、組織とほとんど接触することなく新たな事件を起こさず静かに人生の幕を閉じたのであれば、私たちは彼の生きた歴史から何を学ぶべきなのでしょうか。
逃亡者・桐島聡「セルフ終身刑」問題と関係当局大反省会《私たちは彼の生きた証から何を学ぶべきなのか》 | 文春オンライン
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ワクチン配布数に異常なバラつきがある問題で、基礎自治体の接種体制に大混乱が生じている。その事態改善と収拾に地方行政が奔走しているため現況を報告したい。にわかには信じがたい状況で、接種予約が絶望的に無理な自治体と、接種対象たる高齢者の人数以上の配布を受けた自治体もある。 人口密集地である政令市や感染者数が激増している自治体に大きくカバーして欲しいところだが、隣接自治体でも三倍の格差がある。自治体の接種体制は、大混乱に陥ってしまい、この混乱はさらに激しくなる危険が否定できない。
例えば、人口6,764人の吉富町には、2925回分が配布。同町の高齢者は2,124人であり、つまり希望者は100%接種できる。というか余ってしまう。 隣接する上毛町は人口7,619人(高齢者は2,648人)で吉富より規模が大きいが、975回分のみ。当選確率は約37%。上毛町と吉富町は互いに隣接するのだが、この倍率差は異常だろう。 さらに、豊前市の人口は25,341人(高齢者9,097人)は、吉富町と同数の2925回分に留まる。当選確率は約32%。 築上町は、18,119人(高齢者6,569人)、配布数は1950回分。当選確率は最低の約29%である。
便宜的に用いた当選確率とは、全高齢者が接種を希望したと仮定し、かつ今回のロットから次回の配布が遅延したという条件で計算した。 問題は、「豊前市・吉富町・上毛町・築上町」は、広域連携で合同で接種していく点。それぞれの会場で互いの住民が鉢合わせるわけだが、一自治体は100%の接種で、隣接自治体は3割以下だ。同じ医師会から支援を受け、なんと予約に要するコールセンターも統合されている。配布数が不十分な自治体は第一回接種の予約を受け付けている中で、充分に有する自治体は第二回接種を求める。コールセンターは、二つの業務が混在してしまい、また接種にあたる医師も対応が難しい。
行橋市73,317人(高齢者21,562人)は、2925回分(3箱)。高齢者数が10倍も違う吉富町と同数だ。当選確率は、13%。 本市に隣接するみやこ町は、人口19,512人(高齢者7,721人)に対し、なぜか行橋市よりも多い3900回分(4箱)を配布。当選確率は約50%。 みやこ町には、医師はほとんどおらず、結果的に行橋市の医師もサポートしていく可能性もある。(行橋みやこ医師会) 隣接自治体において、ここまでの当選確率の差は、住民に説明ができない。行橋市においても感染者は出ている。
飯塚市128,184人(高齢者40,121人)も2925回分(3箱)。高齢者数が20倍近く違う吉富町と同数だ。当選確率は、7%に過ぎない。県が調整した結果だが、飯塚市が悪いわけではない。 ここで行橋市と飯塚市について述べさせて頂きたいが、自治体単独での接種能力を一般に有する自治体である。町村の場合は広域連携などで合同接種などを行っており、当然ながら「飯塚市・行橋市は、打つ能力」を持っている。銃はあれども弾がないという状態。
町村を優先配布した可能性は否定できないという声もあるだろう。 しかし、那珂川市50,323人(高齢者11,545)には13箱、実に12675回分が配布。高齢者数よりも多いため、当選確率は100%だ。
地域差なのかと言えばそうではない。遠賀川周辺の3町の例。 65歳以上人口が8780人の水巻町に3箱、9828人の岡垣町に9箱、5800人の遠賀町に6箱と人口規模に応じていない。
当然、地方行政は大混乱に陥った。 最悪の事態としては、かなりの量を破棄せざるを得ない危険性も指摘されていた。理由は本稿で詳述するが、1箱が975回分のため高齢者数が2000とか3000の小規模自治体で中途半端な人数で開封してしまうと、かなりの量を破棄せざるを得ないため。それを抑止するための広域連携だったのだが、バラツキが大きすぎて同時接種は絶望的だ。
また、接種能力を有する中規模自治体で、近隣の町村のサポートを行う市は、自らが守るべき市民の接種が終わってない中で、ワクチンのみ持っている町村の支援を行うのは住民感情からも難しい。接種支援に周れずデッドストック化するリスクもあった。
これらワクチンの配布偏在ですが、本日の状況を報告します。
(プレス対応) 昨日が祝日であったため、(配布箱数のデータについて)メディア側が裏取りできませんでした。公式の資料ではありますが非公開であったため、プレスが扱うにあたっては事実確認が必要だったのです。ほぼ徹夜のまま(早朝4時ぐらいまで)複数の電話会議・オンライン会議を行っており、朝一で対応を開始。 朝より対応。無事に裏取りを完了させ、首長のコメントも用意できました。 明日の朝、一紙ですが掲載できます。web版でありますが、すでに記事はアップされています。取材を経ての、正規の報道です。
次に、地方公共6団体。 動いたのは、市長会です。ここからは御礼になるのですが、谷畑英吾・前湖南市長(全国の副会長など要職を歴任)が一緒に動いてくださいました。一昨日のBlogを拡散してくださり、動きがありました。 私の住む行橋市の田中市長より電話を頂き、本庄市(埼玉県)の吉田信解市長(市長会の委員長)より架電があったとのこと。当市市長からの伝聞にはなりますが「全国市長会会長の立谷会長が、本日たまたま河野大臣に要請書を持って行くところだったので、本問題について共有している。」とのことでした。谷畑市長には行橋市と豊前市の偏在について報告していたため、本庄市長からは行橋・豊前に連絡を入れてくれたと谷畑市長からお伺いしました。当市市長からのお礼をお伝えしました。
私は市長職は有しておりませんので断片情報にはなりますが、市長会トップからは(恐らく自治体名は伏せて)配布数の偏在について報告がな��れた模様です。谷畑市長を経由し、前述の自治体情報については逐一調査するとともに、私の信頼する敏腕記者たちが徹底的に数字の洗い出しを行っていきました。皆、徹夜の連続でした。プレスの動きを淡々と報告しつつ、数字の積み上げ作業を行っていきました。
自治体へのワクチン配布は、厚労省から総務省に移管されていました。総務大臣の記者会見において、本件が反映されたことを確認。各所にお礼の連絡を入れていったのは夕刻でした。目の前の偏在の問題は未解決も、2陣以降の効率化の向上に期待。 ここは総務マターのため、これより都道府県に指導を入れて頂くにあたって、その資料作成を行っておりました。
そうしたところ、これら偏在を解消するためでしょうか、国からさらなる次の便が実数が突然の公開。川の大臣の会見です。各地の市長・町長の動き、メディアの動きが奏功した可能性もあります。
私もその前線で戦っていたのですが、GW直前ゆえ平日が一日しかありません。裏取りを短期決戦で完了させる必要があったため、かなりの手続きを簡素化(詠唱破棄)してしまいました。近隣町長には非常に申し訳なく思っておりましたところ、上毛町の坪根町長が同行してくださり、一部の町長への報告が叶いました。築上町の新川町長にお会いし状況報告をしたのは19時を回っており、ご迷惑にも自宅までお邪魔してしまいました。
とりあえず、大臣まで公式団体名にて情報があがったと想定されるため、第一次の動きとしては良しとします。私は市議でありますので、これが職責の果たし方。 明日、明後日までは過負荷かかる見込み。
さて、これら動きの中で、今後の課題や混乱が想定される箇所が洗い出されてきましたので報告します。 国の新たな発表により、偏在の多くは解消されると期待いたしますが、地方行政における混乱は継続する可能性があり、それを早期に事前想定することにより「接種の混乱抑止、および事態解決」を期待して本稿を記します。
すでに本日の記事がネットには公開されておりますので併せて紹介します。
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報道の紹介明日の朝刊にも掲載されることでしょう。
コロナワクチン、福岡県内の自治体配分数に格差 調整不足を指摘する声も
新型コロナウイルスのワクチン確保をめぐり、福岡県内の自治体間で格差が生じている。5月以降、各自治体で順次、接種を進めていく中、初期段階では人口規模が同程度の自治体間で確保数が大きく異なるケースがみられ、場合によっては規模との逆転現象も生じた。自治体からは必要数をまとめる県の調整不足を指摘する声が上がる。
福岡県内には6月末までに2456箱(6回接種で約287万3千回分)が届く。このうち、5月10日からの2週間に各自治体に届けられるワクチンは567箱で、最多の144箱を受け取る福岡市をはじめ、県内60市町村で高齢者向けへの接種準備が進む。
ただ、複数の県内自治体から「人口規模や接種体制の実情と食い違う配分だ」との指摘が相次ぐ。
県西部では、65歳以上人口(平成27年国勢調査)で約10倍の差がある行橋市(1万9835人)と吉富町(1989人)で、配分数はともに3箱だった。遠賀川周辺の3町でも、65歳以上人口(同)が8780人の水巻町に3箱、9828人の岡垣町に9箱、5800人の遠賀町に6箱と人口規模に応じていない。
自治体のワクチン確保担当者は「自前の接種体制をもとに2週間で可能な量を申請した」との声がある一方、「供給体制が不確実な中、75歳以上の2回接種に必要な量を確保しようとした」との説明もあり、考え方の違いが浮き彫りに。この違いが格差が生じた原因とみられる。
自治体の申請を取りまとめる県は「市町村には2週間分で接種可能な量を申請するよう通知している」とするが、マンパワー不足や、時間の制約から「各自治体から上がってきた申請を信頼するしかない」(県担当者)という。
ワクチンをめぐっては、必要数は確保される一定の見込みが立ち、今後の配分によって自治体間の偏在は解消していくとみられる。
ただ、ある県西部の自治体首長は「都市部で封じ込めを進めるための優先供給は理解できるが、郡部で格差が生じるのは住民に説明ができず、理解に苦しむ(配分数の)増減もあった。現状のままでは不信を招く」と憤りを隠さない。
産経ニュースコロナワクチン、福岡県内の自治体配分数に格差 調整不足を指摘する声もhttps://www.sankei.com/region/news/210430/rgn2104300003-n2.html自治体の申請を取りまとめる県は「市町村には2週間分で接種可能な量を申請するよう通知している」とするが、マンパワー不足や、時間の制約から「各自治体から上がってきた…
ワクチン配布の考え方(私見)まずもって私見であることは冒頭で述べておきます。
ワクチンそのものが危険という意見がネット上にはあるのは重々承知しておりますが、特に高齢者の中には熱望している方もおり、「国費で購入した資材」に対する「入手難易度」の機会平等の観点は述べられるべきだと考えております。
その上で、人口密集地である政令指定都市や大規模自治体には集中投資して頂いて全く構わないと(少なくとも私個人は)考えています。これは各自治体ごとに考えがありましょうし、接種希望者の気持ちを考えれば「あくまで私見」と述べるに留めさせて頂きたい。
感染者が増えている自治体やまんぼう、ワクチン接種の傾斜配分は全くもって否定する立場ではありません。 むしろ傾斜配分がなされていなければ、それは逆の問題も指摘され��でしょう。単に人口比で割ればいいとは思っておりません。
しかし、明らかに人口比が異なり、10倍とか20倍という差があるのは問題です。各自治体は、接種体制を構築してきており、体制構築(銃を用意)するも弾は来ない、これでは何のために地方行政が準備をしてきたのか全く意味が分からない。
また、多く取り過ぎた自治体も果たして接種可能なのか?という話がでてくる。同時に接種できる人数には、施設規模なども影響してくるわけで、ワクチンさえあれば一気に終わるというものでもない。著しくバランスを欠くことは凄まじい問題を生じてしまう。
特に広域連携の話は、別項で詳述させて頂きますが、「偏在」は接種体制そのものを破壊してしまうのです。この点は強く主張したい。
高齢者への接種を進めるのであれば、対応にあたる医師・看護師への接種を事前に完了させたうえで、まずは人口比(より正確には高齢者数の比率)で基準値を作成する。その上で政令市や人口密集地に加配、ここは大きく加配すべきでしょう。さらに政令市と交流人口の多い自治体に傾斜配分をかけます。
当然ながら感染者数が激増している自治体やまんぼうによる加配も行います。 さらに、接種体制が充分に整っている、つまり銃の多い自治体にもプラスαを行う。 これがスタンダードな考え方ではないでしょうか。
基準値を設け、これをベースに置いたのは地方自治体が接種にあたるためです。 当選倍率に著しい差が出てしまえば、恐ろしいまでの不満を住民に与えることになる。地方の首長は、あくまで地域住民に選ばれているのであり、守るべき住民がおります。行橋市長は行橋市民に選ばれ、そして行橋市民が雇っているのです。行橋市の職員を養っているのは、行橋市民です。
いずれの自治体も、自分の市民を守りたい!という思いは当然に出てくるわけであり、郡部や隣接自治体において高齢化率や感染者数に違いはないものの、何倍もの当選確率の差が出た場合には「地方行政は、住民に説明できない」のです。
その不平不満の中で、市職員らが現場に立てるかと言えば答えはノーです。 基礎自治体には振った以上は、最低限の格差是正はなされていなければ【接種はできません。】というのが私の考えです。
よって最低条件をクリアした上で、つまり一定の公平性は担保しつつも、人口密集地や感染数の多い地域に集中投資する。ここはセンスなのでしょうが、私ならば人口比を5割、傾斜配分用に5割です。傾斜の比率が高いように感じるかもしれませんが、政令市と一般市の人口差は凄まじいものがあり、これぐらいの比率を設けなければ「有意な差」は得られないと考える為です。あくまで私見にはなりますけれども。
一般市側からのクレームはあるかと思いますが、「感染抑制」という考えに立ちかれば、人と人が接する可能性の高いところから集中運用するよりなく、ゆえに準備が整っている自治体にも若干の加配を行うことを条件に交渉します。
スタンダードな考え方ではないでしょうか。 (あくまで私見にはなります。)
大事なことは、ワクチンを熱望する高齢者がいずれの自治体にもおり、現場で対応する市職員が「住民にちゃんと説明できる」だけのロジックとなっている必要があるという点です。そこが満たせるのであれば、どのような方法でも構わない。
後段においては、私個人の考えであるとさらに断ったうえで、高齢者��の接種の優先順位にも言及させて頂きたい。
高齢者のみへの接種という国の方針に反発するわけではありませんが、私は「政令市・人口密集地の”高齢者以外の層”」にも早期に接種して良かったのではないかと思っています。難しい政治判断になるとは思いますが、外に出て、かつ人と会う者にこそ接種を急ぐべきです。
果たして若者が接種を希望するかは分かりませんし(ネット上には危険論があることは承知していると断ったうえで)希望する若者にも接種して行った方が、最終的には感染を沈静化させる近道だと思えてならないのです。
郡部、いわゆる田舎においては、都心部から持ち込まれる事例が多いのは事実です。 まずは都心部を抑えなければ、郡部の自治体は守れない。医療体制も貧弱であり、ここはクラスターが発生、重症者が大量に出た場合には本当に対処不可能なのです。
だからこそ、地方議員としては「都市部の感染抑止を最優先」することは方策としてはアリだと思っており、高齢者のみに限定しての接種ではなく、もう一歩踏み込んだ対策があってもよかったのではないかと考えています。
※ しかし、熱望する高齢者が大量に存在する中で、この政策決定を(自分自身がその立場にあったと仮定して)私ができるかと言えば、強く自信を持つこともできないことは正直に述べておきます。
広域連携とワクチンの破棄
冒頭において、豊前市・上毛町・吉富町・築上町の事例を述べました。 これは県内の各所でも起きていることかと思いますが、連携して接種にあたります。
豊前は市政にはなりますが、人口は2万人代であり潤沢な市職員を有するわけではありません。また近隣の3町は独自の接種体制を構築するのは難しいでしょう。そもそも医師会が全ての自治体にあるわけではないのです。
メディアは大規模自治体の事例ばかりを取り上げますが、郡部には郡部の難しさがあるのです。
1市3町で連携し、共通のコールセンター、同じ医師会で対処する。 事例で言えば、Aチーム(豊前町・上毛町)、Bチーム(築上町・吉富町)を編成し、日付けをずらして同じ医師たちが対応する。 これなら効率的です。
事務局は上毛町が受け、コールセンターは築上町が担っています。
冒頭の事例で、私が「破棄の危険」まで述べた理由がここにあるのですが、吉富町は”第一回接種”の100%持っているため、医者側の協力が得られたならば早い段階で①接種が完了します。
しかし、豊前・上毛・築上町は高齢者の3割しか接種が完了しません。弾が足りないからです。 単に不公平感だけではなく、業務がまわらない。
同じコールセンターにおいて、吉富の「2回目接種の予約」と、豊前・築上・上毛の「1回目接種の積み残し」の対応を行うことは無理です。そもそも第一回接種が完了していない築上町の町長・職員が、吉富の2回目接種に負荷を割くことは(地方自治の観点から言えば)異常です。
コールセンターが機能を停止すれば、接種予約そのものができません。
「緊急だから」とのことで、国からの御下命ではありますが、地方自治体には「通常の業務」も併行して行われているのです。介護保険を止めていいのか、課税業務を止めていいのか。
すでに小規模自治体の行政力は、コロナ以前から相当に弱体化しています。市町村合併とパソコンの導入により、かつてと比較すると地方公務員の数は激減しているのです。効率化を高めていった結果、コスト削減はできましたが、マンパワーは減少しており有事への対処能力は減少していたのです。
「ワクチン予約の電話がつながらない」という抗議とか意見も、役場にはかかってきます。 行橋市(人口7万人)ぐらいの規模であれば、それなりの職員数はおります。うまく編成すれば一時的な負荷分散は可能で、他部門からも応援も見込めます。
けれども町村単位になると全量を投入しても限りがある。 そのための広域連携でした。
「つながらない予約電話」「それに対する抗議」が混在し、職員がボロボロの状態で。。。
【1回目の接種】と【2回目の接種】の予約処理を行うのは不可能です。どうやっても無理なんだ。
では、なぜ広域連携なのかと言えば、ワクチンの有効活用のため、その側面もあったのです。 1箱をあければ975回。これは町村からすると大きすぎるロットなのです。
例えば吉富町の高齢者は2,124人、上毛町は高齢者は2,648人です。 975回とは、接種対象者の半数にあたるわけですが、解凍したワクチン通りの人数が来るでしょうか? では、1100人の接種希望者が来てしまった場合には、2箱目を開けるのか。3週間を空けるため、中途半端に開けてしまった箱の残分を破棄することになっても。
豊前市の人口は25,341人(高齢者9,097人)築上町は、18,119人(高齢者6,569人)。 だから、豊前市と上毛がセット、築上と上毛がセットなのではないでしょうか。私はこの1市3町の議員ではありませんので、この広域化の発端や議論には詳しくありませんが、「ワクチンの破棄分を抑える」効果を期待しての連携であったと考えるのは自然なことだと思います。 (当たりくじは各自治体で管理するも、会場においては同じ箱から出していき順次開梱すれば破棄は極小化できる。)
県が、謎の配分を行った結果どうなったか。 吉富が3箱、豊前が3箱、上毛は1箱、築上は2箱。 吉富は100%、築上29%。
これらのボトムがあわなければ、合同での連携しての接種業務は破綻する。 ならば吉富は3箱を「��きなタイミングでどんどん開ける」と、その分の残分は、場合によっては破棄していかねばならない。
実は、築上町長には話を通さずに動いていたため、先ほどお会いしていたのですが、やはり自らの町民を守らねばならないという観点や、第一回接種・第二回接種の予約作業の混在は「難しいだろう」という考えでしたので、場合によってはコールセンターの統合を解除する可能性だってすでに出ています。 (豊前・上毛・築上は共に高齢者の約3割のため、今後も連携できると思います。)
吉富だけ出て行く形になった場合、吉富町は今から早急に専決処分で予算を通し、スタッフを雇用して体制構築から行わねばなりません。 そして大量のワクチン破棄を行いながら、自前で町民に接種していくよりない。広域で確保した意思を(フリーライドするような形で)残る1市2町が使うことを許したり、築上町のコールセンターが機能するかは分からない。
これは、この1市3町の連携のみの話ではありません。
人口規模の小さな自治体は、恐らく類似の工夫を担当者間で締結していると想定され、この無作為なバラバラのワクチン配布は、構築していた自治体間連携を破壊してしまった可能性が高い。少なくとも前述の4自治体については致命的なヒビが入ったと当職は認識する。
(県は、自治体からの申請数を基準にしたと述べているため、1市3町で申請中の共同歩調をとる予定であったにも関わらず、吉富町が協調を破棄して多く申請したことが発覚しているため。県が止めるべきだったと思う。)
また、築上町町長・上毛町長は頭を抱えており、「じゃ仕方ないかぁ」と笑って許すような表情ではなかった。少なくとも私の見る限りは。
市町村は、それぞれ持ちうる予算も職員数もギリギリの中、一年に渡る「緊急」を延々とこなしてきました。もう、兵隊はいないんです、いないんだ。政令指定都市や都庁とは違うんです。交代要員もいない。
その限られた人的資源を紡ぎ合わせて、それでもゲームチェンジャーとされ、地域住民が期待するワクチン接種に「ギリギリの調整」を組み上げていたんです。こんな乱暴な配布方法は、それを全て破壊する行為だった。
みんなカリカリしている、とても平和的に行こうという空気ではない。 貧すれば鈍するという言葉もあるが、つらい現状があれば「減らされたらどうしよう」と過大に申請した自治体だって出てくるだろう。けれども、それを県が容認してしまえば、全体の破綻を招いてしまう。
実際に、私の目の前で壊れかけている。
これは、県内の各所で生じた「ヒビ」だと思う。 ワクチンは来ても、接種することができるかは分からない。
謝辞
昨日は過去記事を流し込んだのみとなり、少し手を抜かせて頂きました。 その間、命懸けで事務作業をしていた次第です。それは私のことではありません。
何より時間がなかった。 問題発覚が水曜日の昼、ここで各自治体の配布差の問題を知る。 問題は木曜日が祝日であり、平日の金曜日を逃せばGWに突入してしまう。
行政機関の公式の窓口は止まってしまうため、資料の裏取りや首長のコメントはとれなくなる。
与えられた時間は、48時間。
実際に動けるのは金曜日のみ、朝8時から17時まで、実質9時間が勝負。
それまでに必要な資料を準備し(ないから作る)、すべての人間が同時に動かねばならない。
まず、谷畑市長にお礼を書きたい。 相当な多方面に連絡を入れてくださったと思います。 どことどこに連絡というのは教えてくれませんが、行橋市長に、本庄市の吉田信解市長(市長会の委員長)から連絡を頂いています。豊前市にも連絡を入れてくださったと伺いました。
また(本庄市長経由し)市長会の立谷会長(相馬市長)が河野大臣にお伝え頂いたであろうことも。
これを、祝日の一日だけで完了させるというのは、どういう負荷を背負ったのか筆舌に尽くしがたい。 谷畑市長が有する、積み重ねた人間関係、その財産に甘えてしまったというのが実態だ。
私にはできない。
本来は、様々な手続きがある。 私は市長ではないので、ある意味では越権行為だとは思うが、市長会を動かしてくれと要望することは本当は筋違いなのだ。また、谷畑市長は、先日勇退しており現職ではない。物凄く無理をさせてしまったと思う、それでも「頼みます」とお願いしました。
福岡の市長会は、私はアクセスできません。 田中市長に報告しつつ勝手に動きました。その他の市長達には、一部ではありましょうが、上毛町長が連絡を入れてくれました。
そもそも記者は、金曜日の朝一に裏取り(前述の記事の資料は、当時は公開されていなかった)をするため、貫徹で準備をしていました。凄まじい数の自治体に取材をあてていって、それで記事が間に合った。
たった一日の平日、ここに全ての照準をあわせて全処理能力を投入。
正規ルートはとれておらず、あらゆるものをすっ飛ばして対応。 これは本来ならば、行儀の悪い行為であって、仁義をきれたとは言えない。
アニメでいうところの詠唱破棄。 これが許されるのは、事態の緊急性と、日ごろのお付き合い。 (許されてないかもしれませんが。)
豊前市長には市長会から連絡が行っており事態を把握していると推定しますが、1市3町を事例としつつも築上町の新川久三町長には、まったく報告ができていません。 携帯番号を知らなかったから、祝日に連絡をつけることができなかったからです。まったく知らぬ中で、記事だけ出る(築上の名前は出ずとも)のは失礼です。
(平均よりも多い自治体は良いでしょうが、そうではないところには情報共有をしておかないとトップが知らないというのは恥をかかせてしまいます。)
(本来は中間報告を入れつつ動くのが筋です。)
ある程度の目処がついたのは夕刻。
紙面化がほぼ確定の報告を坪根町長にしたところ 「何かして欲しいことはあるか」と言われたので、ワガママを言いました。
上毛町長から築上町長にアポをとってもらったのが18時半頃。当然、庁舎にはおりません。 【いまから行きますから】と押し切ってくれて、新川町長の自宅についたのは19時過ぎでした。
私は、隣接する自治体とはいえ、ただの市議の身分に過ぎないのでありますが、夜中に自宅まで押しかけてお時間を頂きました。まずもって感謝いたします。
報告が遅れたこと、仁義をきってなかったことをお詫びし、現在持ちうる情報を報告しました。
新川町長からは、そこまで君らが粘ったとはと深くお礼を言われ、玄関まで見送ってくれました。
新川町長の携帯番号をゲットした。 今度、町長室も遊びに行っていいって。 やったZE☆
他、各地の地方議会の正副議長級が奔走し、全国の都道府県の配布状況をボトムから逆ハック。 凄い人数が、数日、寝ていない。
一部ではありますが、僭越ながら陣頭指揮をとらせて頂いたことを誇りに思います。 私に賭けてくれたこと、地方行政の矜持を示せたこと、感謝します。
残48時間からスタートし、実際に大臣までつながったこと。 「君だったら間に合うかもしれない、名前は貸すから行きなさい!」って言ってくれたのは嬉しかった。
共に戦ってくれたこと、駆け抜けてくれたこと、 読者の皆様の拡散支援も含め、深く感謝いたします。
ワクチン配布 国、明言ここのニュースは大きく触れる必要はないでしょう。
河野大臣から、PF06、PF07、PF08が示されました。
現在の配布は、PF01~05まで。 PF01~04は少量でトライアルなどに用いられたものです。
本Blogで取り上げた「偏在」は、PF05になります。 ここが高齢者用の大規模納入の開始。
私たちは、PF06において不足自治体との調整、および広域対応をしている自治体の調整を要望する構えでありました。これは都道府県で決定されるものと考えていました。
しかし、PF06~PF08までを国が策定、配布計画として「国が決定」したのです。 昨晩のニュースの中身であります。
実はもうその資料も持っておるのですが、かなりの部分の偏在は解消できるものと期待しています。 最初から国が強権発動できるのであれば、そうしたほうが良かったのかな、とも。
ただ弊害もありまして、都道府県単位で「ここ!」という個所付けができなくなったという課題も残ります。 一気にPF06~PF08まで決めてしまうと、感染爆発などが生じた場合の対応ができません。
とは言え、都道府県単位に(総務省から)取りまとめさせ、基礎自治体に申請させる方式は実際に事故を起こしています。これは大事故と言っていい。
ならば国が早期に乗り出すのも理解はできますし、万が一の大幅不足(地域単位での感染激増)の場合は、何がしかの対処を講じて行けばよい。 どこもかしこも「少しでもワクチンを」となっている以上、それぞれが利害関係者みたいな状況ですから、協議をまとめろというのは無理だったのかもしれません。
下手に余地を残さず、一気に06~08を発表してしまうのは正解かもしれません。
私は、「市」の議員でありますが、他府県の地方議員には申し訳ない思いもあり、ここまでの供給の謎配分は恐らく福岡だけのようです。まだ全県データは見ておりませんが、実は福岡県行政のみが起こした事故という可能性が否定できず、スタートした時点では全貌が見えませんでしたので(また今も把握できていない)ごめんなさい。
公平に、かつ迅速に対応できていた都道府県からすれば、一気にPF08まで固定されてしまったことには弊害もあるかもしれません。
しかし、「いつ、どれだけ入る」という数を、具体的に国が示したことで 「この接種体制で、どこに何人の人員配置」という、純粋な接種体制の構築に集中していけることでしょう。
その計画が立案できるようになったことは、私はやはり喜ぶべきことだと考えております。
スペシャルサンクス 中野区の吉田康一郎議員からは「プリンと羊羹があったら、プリンから先に食べるものだ。物事には優先順位がある。君はいまワクチン偏在問題に特化すべきだ!」という、一瞬、意味が分からない例え話で激励しれくれました。ヘトヘトに疲れていて頭が回っていなくて愚痴ったときです。
私はわけも分からず「プリンも食べたい、羊羹も食べる」と答えたら、「いやプリンのほうが早く痛むから」と言われたので「今度、買ってくれるなら、もう少し頑張る」と答えました。今度、羊羹もプリンも食べさせてくれると信じております。
国希研の同志議員へ。 数日、不在にして申し訳ありません。職権代行を受けてくださった笠間議員に感謝します。
併せて、ウイグルを応援する全国地方議員の会においては幹事長の職を頂いているにも関わらず、他執行部メンバー、代表理事・議員会員の皆様にご迷惑をおかけしました。
もう一両日中には戦線復帰いたします。
↓ウイグル問題の啓発支援にご協力頂ける方は、下記もお願いいたします。↓
ウイグル応援グッズ
保守基金ウイグル応援グッズ | 保守基金https://hosyukikin.jp/category/item/itemgenre/org/uyghur/<strong>ウイグル証言集会</strong><strong> </strong>「ウイグルを応援する全国地方議員の会」が主催し、日本ウイグル協会の共催で実施しています。実際に迫害にあっている方に登壇して頂き、地方議員が同席のもと被害実態を訴えてきまし...
一部ではありますが、僭越ながら陣頭指揮をとらせて頂いたことを誇りに思います。
私に賭けてくれたこと、感謝いたします。
残48時間からスタートし、実際に大臣までつながったこと。
中一日は祝日、分の悪い戦いだった。
「乗った」という声、
「君だったら間に合うかもしれない、名前は貸すから行きなさい!」って言ってくれたこと、
共に地方行政の矜持を示せたこと、戦ってくれたこと、駆け抜けてくれたこと、感謝します。
読者の皆様の拡散支援も含��、深く感謝いたします。
さて、残りの残務を片付けよう。
よう頑張ったという方は、FBのイイネ・シェア、Twitterでの拡散をお願いします。
※ 恐らく表示される人数が極少数になると思うので、とりあえず「見えた」人はイイネをお願いします。一定数がないと、タイムラインにあがらないと思う。私のアカウントの場合は特に。
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成長のきっかけとなったのは、マリオットホテルが不動産事業から撤退し、ブランド名を商品化する戦略をとったことです。 ヒルトンやハイアットも同様の戦略を採用し、同様に成長しています。 このビジネスモデルでは、各ホテルブランドはホテルを運営せず、それらの建設費用を払うこともありません。あるホテルの支配人の男性は「私たちのような独立系のオーナー兼運営者がホテルを所有し、スタッフを雇っています。多くの人は私たちをマリオットの社員だと思っていますが、実際にはそうではありません」と話します。 こうしたオーナーは身銭を切って不動産を購入し、従業員を雇い、日々ホテルを運営します。そして、業界内で「フラッグ(FLAGS)」と呼ばれる大手ホテルの看板を使用するために、ホテルチェーンに料金を支払っています。 マリオットとヒルトンが所有しているのは全物件の1%未満、ハイアットでも約2%に過ぎません。しかし、この戦略のシフトにより大手ホテルブランドはフランチャイズ料という新しい収入を得ることが可能になりました。 フランチャイズ料は、ホテルが生み出す収益の5~15%に上ることもあります。そのため、ホテルブランド各社は自社ブランドを掲げるに値する価値があることを証明しなければなりません。 ブランドは、ロビーのデザインやアメニティに関するデータだけでなく、各部屋ごとに最適な価格を設定するためのデータも提供しています。例えば、近くで有名歌手のコンサートが開かれると、近隣のホテルの宿泊料は跳ね上がります。 ホテルのオーナーは「例えば火曜日だけ部屋を売ると、水曜日に空室になってしまって損なので、火曜日には非常に高い価格で部屋を売るというケースがあります。私たちが実際に望んでいるのは、月曜日から水曜日までとか、火曜日から木曜日までの宿泊客です」と話しました。 このように価格を流動的に変更することで、収益性の低い日の穴埋めが可能です。なお、オーナーによると、日曜日はビジネスでもレジャーでもほとんど旅行が行われないので非常に客室稼働率が低いとのこと。そのため、日曜日にはただ同然の価格で部屋を提供しているそうです。 ブランドのもうひとつの魅力は、ExpediaやBooking.comなどの予約プラットフォームの手数料が抑えられる点や、ブランドのロイヤリティプログラムを使える点です。マリオットとヒルトンはそれぞれ1億8000万人以上、ハイアットは4000万人以上のユーザーを抱えており、それらのユーザーはポイントを目当てにホテル選びをしてくれます。 アメリカにあるホテルの3分の2がこうした形でブランド化されていますが、フランチャイズモデルが必ずしも有利であるとは限りません。特に、レジャー需要が高い市場などでは、独立運営の方が有利な場合があります。 フランチャイズが展開されるのは、主に比較的ランクが低いホテルです。 場合によってはブランド自身がホテルを運営することがあり、そのようなホテルは主に最高ランクのホテルです。 多くのホテルでは、「素晴らしい客室と簡単な朝食サービスは欲しいけど、宴会場や専門レストラン、スパは要らない」という具合に、ニーズに応じて提供するサービスが限定されています。しかし、最高ランクのホテルではすべてのサービスが求められるので、運営も複雑になります。最高ランクのホテルはブランドが自ら運営を手がけていることが多いのは、これが理由です。 時には、新しいアイデアやデザインを試すために、ホテルブランドがあえて直接ホテルを運営することがあります。また、最初からホテルを売却することを念頭に不動産を購入し、全面改装して価値を高めてから売ることもあります。 The Wall Street Journalは「フランチャイズされたホテルの数は今後さらに増加すると予想されます」と述べました。 この記事のタイトルとURLをコピーする ・関連記事 トリップアドバイザーが選んだ「世界のロマンティックなホテルランキング25」 - GIGAZINE 死ぬまでには一度は泊まってみたい世界の豪華ホテル21選 - GIGAZINE ホテルの宿泊費やライブのチケット価格に「謎の追加料金」をこっそり上乗せすることが禁止へ - GIGAZINE 満天の星が楽しめるホテルを探すのに役立つ「DarkHotels」 - GIGAZINE 「ビジネス旅行客向けの快適な睡眠に特化したホテルの部屋」が特許を取得 - GIGAZINE ・関連コンテンツ Airbnbにネガティブなレビューを投稿したら削除されてしまったという報告、ポジティブなレビューすら削除されたという声も Spotifyがトップ40入りアーティスト数増加を「トップ4万3000の時代になった」と表現 投資家が語る「おもちゃメーカー経営の難しさ」とは? コストコ&AMEXのようにクレカ会社と提携する「コ・ブランドカード」はなぜ使われているのか? 男女でレストランの洗面所を利用する理由の違いを表した図 Airbnbが常に適正な価格を設定する「スマートプライシング」のために取り入れている仕組み Airbnbに都市は破滅させられるのか? アルゴリズムによる価格操作が独占禁止法に違反している場合があるとFTCが警告
ホテルを所有していないマリオット・ヒルトン・ハイアットがホテルでお金を稼ぐ仕組みとは? - GIGAZINE
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科学的に正確でもポリコレ的に正しくない、「不都合」な研究結果をどうするか。
現代西洋社会においてミソジニーは神話である—と唱える女性進化心理学者が、アカデミアの自己検閲、ジェンダー・バイアスと学術界における女性の影響、学問的アプローチに見る男女の違いなどを語った。
↓以下まとめ
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『Modern Wisdom』は、クリス・ウィリアムソン(Chris Williamson)が様々な思想家達を招き、社会・文化・健康などあらゆるテーマについて語る人気ポッドキャスト番組。ジョーダン・ピーターソン博士、サム・ハリス、アンドリュー・ヒューバーマン博士、スティーブン・ピンカー、ダグラス・マーレイなど、豪華なゲスト陣は十人十色で内容も興味深いものばかり。
第665回目のゲストは、ペンシルバニア大学助教授で社会心理学者、そして作家でもあるコーリー・クラーク博士(Dr. Cory Clark)。
クラーク博士は、学術心理学における自己検閲について、特にジェンダー・バイアスと学術界における女性の影響に焦点を当てた研究についての洞察を語った。
以下、クラーク博士とクリスの対談要約と関連する発言を一部抜粋して訳した(発言は繋がっていない場合あり):
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①アカデミアとジェンダー・バイアス
・アカデミアは必ずしも知的純粋さと真実の砦ではない
・蔓延する女性嫌悪という概念は、現代西洋社会においてはほぼ神話である
・もう一方の性に対して、どちらがよりひどい扱いを受けているのかという問いに答えるのは難しい
・我々は女性への加害により敏感な傾向があり、主流のナラティブは反女性バイアスにより重点を置いてきた可能性がある
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クラーク博士(以下、博士):「(一年前に発表した論文について)心理学におけるジェンダー・バイアスに関する最近の研究をレビューしたものなんですが、多くの場合、正反対のことが見られる。つまり、人々は様々な領域で女性に有利な方向へ偏っているんです。
男性よりも女性の方が良く扱われることが多い。男性よりも女性の方が好かれます。同じことをしても、女性は男性より罰せられません。女性は男性より優れているとする根拠が示された時よりも、男性が女性より優れているとする科学的な発見があった場合の方が、人々はより偏見を持ちやすいんです。
つまり、人々は女性が男性よりも優れていることを望んでいる。だから、社会は女性に対して性差別的であり、私たちは女性に対する潜在的な危害に警戒しなければならないという考え方は、実は私たちが男性よりも女性のことをとても大切に思っているという事実そのものから生じている可能性があると思われます。男性に対する偏見が見つかっても、誰も気にしないし、見出しにもならないわけです」
博士:「現代の西洋社会において、それ(女性差別)はほとんど神話だと言っていいでしょう、はい」
博士:「7年間も発表するのに苦労した研究があるんですけど、知能に関するもので。男性も女性も同レベルで知的である、女性は男性よりも知的である、男性は女性よりも知的であるという。
人々は男女が同じように知的、あるいは女性の方が知的というのを好ましく思うんですが、男性の方が女性よりも知的である、というのには苛立ちを覚えるんですね」
クリス:「どうしてでしょうね。というより、まず主流のナラティブでは反女性的バイアスが蔓延しているということになっていて、当の男性達ですら反男性的な感傷に呼応している」
博士:「そうですね。男性も女性も女性有利に傾いたバイアスを持っていますが、女性の方がそれはより強い傾向にあります」
博士:「女性の方が『価値』が高いという考え方は、進化の観点からすると、100人の女性と1人の男性がいれば100人の赤ちゃんを産むことができるが、1人の女性と100人の男性がいれば、1人しか産めないというのがあるかもしれないですね。すなわち女性は『限られた資源』であると。学者達もそう主張してきたし、まあもっともらしいと言えます」
博士:「1920年の時点で男性が女性より賢いとか、女性が男性より賢いというような研究を行ったとしたら、現代と同じ反応があったかと言えば、とても疑問です。
加えて、女性はX年間不利な立場に置かれてきたという文化的なナラティブがある。
これは大きな問題です。そして今、是正措置が進み、完全に逆転してしまった。そして多くの場合、男性は女性のために不利益を被っている。だから、どちらも社会において起こっていることだと思います。女性に対する性差別のようなものがあると、みんなワッと飛びついて炎上する」
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②ガンマ・バイアスの概念
・ガンマ・バイアスとは、女性の成功も男性の失敗も、見出しの中で性的に扱われてしまうという概念である
・人々が日々経験する世界は限られており、ニュースやソーシャルメディアが彼らの世界観を形成している
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クリス:「ガンマ・バイアスというのは、男性心理学センターのジョン・バリー博士が…少なくとも彼が広めた概念です。彼が考案者かどうかは忘れたけど。基本的には、特に一般的なニュース、メディアの記事において、記事が女性寄りのものであれば見出しに性別を表記する、というものです。
あるいは反男性的な記事であれば、見出しに性別を入れる。しかし逆のケースでは、男女の区別をつけない。つまり基本的に、女性の成功も男性の失敗も、結局は両方が取り上げられることになる。だから例えば、白人男性の射殺事件が見出しになったり、女性のCEOが見出しになったりする。
でも、その逆は必ずしも正しいとされないというか、その逆はあまり見ないわけですよね。結果、人々の世界に対する見方に歪みが生じる。今、より多くの人が外よりも家の中で時間を過ごしていて、すなわち彼らが日々経験する世界は限られている。つまり、ほとんどの人は読んだニュースやフォローしているソーシャルメディアを通して、それが世界観を形成してるんですね」
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③高等教育における女性
・2023年第1四半期、女性CEOの数は過去最多となったが、これは必ずしも女性にチャンスが多いことを意味しない
・心理学の学者も、データの解釈に関しては女性寄りのバイアスをもっている
・このようなバイアスは、誰が権力を握っているかということと、実際に何が起こっているかということに対する誤った認識の組み合わせによって引き起こされている
・女性が高等教育を支配するようになったことで、トリガー警告や弱者保護への懸念といった文化的な変化が起きている
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クリス:「科学が女性にとって不利な場合、人々はその情報を検閲したがる傾向にある、という研究もなさってませんでした?心理学者にも(女性重視の)バイアスがあるといういうような」
博士:「まず心理学の教授達にアンケートを取ってインタビューしたんですね。(中略)
動機は、よくわからないですが、いくつか考えられます。ひとつは… 前にも言ったように、私たちは女性により大きな関心を持っている。そして文化的な変化があり、その一部は、女性がより権力のある立場にいるという事実によってもたらされている。
女性がメディアや科学分野といった組織内で権力的地位を占めるようになり、自分達の利益をより気にかけるようになった、というのもあるでしょう」
博士:「この論文はうまくいけば今にも受理されそうなんですが、学者や一般の人々が雇用における男女差別を信じている、というものなんですね。
実際の求人に女性や男性の名前で応募してもらうというものなんですが、2009年ごろから、突然、ステレオタイプな男性向けの仕事でも、女性に有利なバイアスがかかるようになりました。ステレオタイプな女性向けの仕事では常に女性が有利でした。
しかし、一般の人々や学者達は、誰もがその逆だと思い込んでいる。ステレオタイプの男性的な仕事には、女性に対する大きな偏見があると思い込んでいるんです」
クリス:「男がCEOになった、という話には被害者カードを振り回す余地もないので、だからどうした、となるわけでね」
クリス:「ある種のミサンドリー(男性嫌悪)や、男性を非難し続けたいと願望を持つ女性がいるのは、まあ理解できますかね。
Google Scholarでミソジニーを検索すると114,000件ヒットしますが、ミサンドリーを検索すると2,340件しかヒットしません。つまり、人々は反男性的な偏見、特に女性からの偏見について研究していないし、関心もない。
『黒人が人種差別をするなんて、まさかそんなことはない』というヤツですよね。街頭インタビューやアンケートで『女性は性差別主義者ですか?』と質問したら、似たような結果になるに違いない」
博士:「Googleといえばもっと面白いのがあって、これは論文執筆後に見つけたんですけど、『Men are stronger than women(男は女より強い)』でイメージ検索するんです。(男は女より強い、というのは)平均的にというか、ほぼ例外なく事実ですよ。
すると検索結果に表示された41枚の画像のうち、1枚は当てはまるものでした。2枚は中立的なもの。残りは全て、女性の方が男性より強いとする画像だったんです。女性が男性より速く走るとか、女性が男性を頭上に持ち上げるとかね。
だから、『男は女より強いというのは事実だ』と言ったところで、『いや、女の方が強い。グーグルで検索した』となってしまうんですね」
画像 博士:「ここ数年で、学部レベルでは女性が圧倒的に多くなり、男性よりも女性の方がはるかに多く、大学院でも女性の方が多くなり、今では教員も女性の方が多くなっています。かつて教育機関のほとんどは男性によって運営され、学生も男性であったわけですが、今では女性が過半数になりました。
それが唯一の原因だとは言いたくないし、それだけとは思いませんが、過去10年間に起こった多くの文化的な変化の主な原因であることは間違いないでしょう。
なぜなら、それらの変化はすべて女性の価値観を優先しているからです。
例えば、授業でトピックを教えるときに、トリガー・ウォーニング(センシティブな題材、性暴行や虐殺や人種差別などについて扱う前に、そうした話題が苦手な人達が教室を出たり記事を読むのをやめるなどして心理的な負担を回避できるように配慮する措置)を出したがる。
物議を醸しそうな問題を研究した学者がソーシャルメディアで攻撃されたり、解雇されたり、嫌がらせを受けたりするケースが急増しています。
学術雑誌の編集変更を見てみると、リスナーの皆さんには馴染みがないかもしれませんが、シュプリンガー・ネイチャー誌系列の科学界で最も権威のある学術誌が、ここ数年、一連の論説を発表していて、『人間の社会��団の尊厳を損なう可能性のある科学は掲載せず、撤回する可能性がある』と述べているんです。一体どういう意味かと」
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④男女の心理的な違い
・女性は歴史的に子供を育て守る責任があり、男性は集団を守るために連合を形成する責任があった
・女性は物事に対して平等主義的な傾向があり、男性は階層主義的な傾向がある
・女性は自分の功績を過小評価する傾向があり、男性は自分 の功績を過大評価する傾向がある
・女性は言論の自由よりも包摂的な社会を優先する傾向が強く、男性は包摂的な社会よりも言論の自由を優先する傾向が強い
・女性は他人を助けることを目的として科学を追求する傾向が強く、男性は世界を理解することを目的として科学を追求する傾向が強い
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博士:「アカデミアの男女比率構成が変わったことで、女性の関心、すなわち弱者を危険から守るという目的が優先されるのは避けられない結果でしょうね。また女性の方がはるかに形式的平等主義者でもあります。なので男性の方が階層集団的であるのに対して、女性は皆等しい結果になるのを好む傾向もあるんです」
博士:「(身体的特徴の差や原始社会から現在まで積み重ねられた役割の違いなどを鑑みれば)男女の差はものすごく大きいわけです。そして男女には優先順位の違いも見られます。
心理学の教授陣に関して言えば、男性教授は女性教授よりも科学の目的である真実の追求を支持していますし、女性よりも学問の自由を支持しています。
一方で女性は、それらと道徳的な懸念や危害の懸念とのバランスを取る必要がある、と考えています。
つまり、こういうことです。男女の性差や性格が進化し、教育機関の男女構成が変わると、その教育機関が達成しようとしている目標が根本的に変わってしまうのです。
科学の場合であれば、『真実(但し特定の誰かに対するネガティブなステレオタイプを広めないものに限る)』みたいなことになってしまっている」
クリス:「あなたの調査の中に、私の好きな統計があるんですが…男性の56%が、『大学は攻撃的な考えから学生を保護すべきではない』と答えたのに対し、女性の64%は、『保護すべき』だと答えた。
男性の51%は、『学生が暴力的な抗議運動をすると脅した場合にも、大学は講演者の来校を中止すべきではない』と答えたのに対して、女性の67%が『中止すべき』と答えている。
男性の58%は、『学生が攻撃的な発言を報告するために利用できる、大学の秘密報告制度に反対』しているが、女性の54%は『賛成』。
『学生新聞の物議を醸すようなニュースに関して、掲載前に管理者の承認を必要とすべきではない』と考える男性は63%、一方で女性は『承認を必要とすべきだ』が51%。
71%の男性が、『言論の自由を守ることは、包括的な社会を促進することよりも重要』と回答しているが、女性の60%は、『言論の自由を守ることよりも、包括的な社会を促進することの方が重要』と答えています。
つまり、男性は経験的に正しいことを進めることに比較的関心があり、女性は道徳的に望ましいことを進めることに比較的関心があるということでしょう」
博士:「学問の自由を当たり前に重要視していて、科学は当然のように真理を追求するべきだと考えている人には、これらの統計は非常に好ましくないものに見えるでしょう。女性が科学や学問の世界で問題を引き起こしているのでは、とね。
しかし女性達はこの統計を見て『やっとこれで(学問が)救われる』と考えているんです。『誰にとっても安全な場所を作り、科学が良いことをするようにするわ』とね。科学は害を成すものではないんですが。
科学者の優先順位について、別の論文があるんですが、男性は世界を理解し、何が真実なのかを知り、物事の仕組みを解明することに基本的な関心を持っている。
一方、女性が科学をするのは世の中に良いことを起こしたいから、です。つまり、彼女たちの動機としては真実を知りたいけれども、それは、それが他の人々を助けることに役立つ場合だけなのです。つまり、他の人々を助けないような真実、特に他の人々を傷つける可能性のある真実には価値がなく、科学や学問の分野でそれを追求すべきではないと考えるんですね」
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⑤進化心理学とジェンダー・バイアス
・男女は進化によって異なる心理的特徴を持っている
・生物学的性別は、大多数の人々にとって二項対立である
・性的に強圧的な行動をとる傾向は、そのような行動をとる男性に進化上の利点を与えるために進化した可能性が高い
・ジェンダーバイアスは、STEM分野で女性の割合が低いことの最も重要な要因ではない
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クリス:「アレクサンダー・デイト・サイクス(Alexander Date Sykes )が発表した、本当にめちゃくちゃ素晴らしい研究があるんですけどね。彼には再来週あたりにゲストで来て話してもらう予定なんですけども。
55%の独身男性は、この1年の間、女性に声をかけたことがないというんです。女性の77%は、よりアプローチされたと答えていますが、それは18歳から30歳の層に限ります。
そして41歳以上になると傾向が反転し、55%の女性が「声をかけられたくない」と答えたんです。
ここで疑問なのは、『男性は女性にアプローチするのをやめよ』みたいな論説を誰が書いているのかということです。その年齢層の女性達なんですよね」
博士:「ああ、なるほどですね。つまり、女性にアプローチするのを止めろと言っているのは年配の女性で、アプローチされない層の女性なんですね。だから競争相手を排除するべく、20歳の女性を口説くのを止めろと言っているという」
クリス:「そうそう、女性の敵は女性じゃないの、なんて」
博士:「心理学の教授に、『教授は生徒とセックスしたら解雇されるべきか』という質問をしたことがあります。男性は『解雇されるべきではない』と答える傾向にありますが、女性は『解雇されるべき』と言いますね。自分の利益を考えているのかもしれない。
ひょっとしたら若い女性に気を配っているのかもしれない。年上の教授からハラスメントを受けては嫌でしょうから。でも年配の女性教授達にしてみたら、自分らとくっつくべき年齢層の男性教授が、24歳の大学院生と性交しているのが嫌というのもあるかもしれない。まあこれらのことを区別するのは難しいですよね。
個人的にはどちらもれっきとした理由だと思うんですけどね。例えば特に年配で子供がいる女性には、母性本能のようなものがあって、若い人を守りたいという願望があります。同時に若い女性は繁殖の競争相手でもあるわけです。あなたは40歳の女性教授で独身なら、45歳の男性教授が28歳の大学院生とデートするのを望まないでしょう」
クリス:「そうそう、ビル・バービット(Bill Burbitt)の話で、平均的な女性がよりボディ・ポジティブを支持する理由として、自分の周りの太っている友人に痩せて欲しくないから、という」
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クリス:「進化心理学、あなたの専門分野のひとつであり、僕が執着する分野のひとつでもありますけど、進化心理学がこれほど嫌われるのはなぜだと思いますか?」
博士:「私の目的は、なぜ人々が進化心理学や行動遺伝学を嫌うのかを知ることではなかったんですけどね。心理学で物議を醸す結論のほとんどは、あなたをトラブルに巻き込みます。それらはすべて進化心理学や行動遺伝学から来ているといっていいでしょう。
人々は集団の違いに関する結論を嫌うんですね。男女差や人種差、特に進化論的な説明や行動遺伝学的な説明によって支持される結論を嫌うんです。進化心理学も行動遺伝学は互いに相性が良く、というのも進化は私たちの遺伝子に働きかけるからですね。」
博士:「最初に話したように、その違いが女性よりも男性に有利なものであったり、黒人よりも白人に有利なものであったりするとね。
白人が黒人より、あるいは男性が女性よりも優れているようなことがあれば、それについて進化的あるいは遺伝的な説明をするじゃないですか。そんなことをしたらクビになるわけです。論文も撤回されることになる。誹謗中傷も受けるでしょう。
進化心理学はめちゃくちゃになってしまいました���特に、女性が学問の中心を占めるようになるにつれて、有害になりうる話題には気をつけよう、避けよう、となってしまっている」
博士:「まあでもいちばん行きたくないのは社会心理学ですね」
クリス:「ですね。様々な心理学分野の中で最も信頼性が低いのに、現在最も台頭していて、政治的に、感情的に最も支持されている分野という」
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⑥心理学における政治的バイアス
・保守派は心理学で十分に代表されていないグループである
・政治的バイアスは人種的バイアスよりも一般的である
・イギリスでは階級が決定的な要素であり、アクセントは階級を表すことがある
・人々は人種差別よりも政治的人種差別を容認しがちである
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クリス:「学者に平均的な世論調査をすると、特に今、現代の学界では、かなり左寄りになっていますよね」
博士:「それについては議論がありますね。保守派が科学に向いてないとか、科学が嫌いなだけだと言う人もいるんですが、保守派を差別して採用しなかったり招聘しなかったりすると、学者がはっきり言っている研究もあるんですね。だから、人々が保守派を差別していると考えるには十分な理由があるでしょう」
クリス:「スコット・ギャロウェイ(Scott Galloway)が教えてくれたんですが、民主党の親の3分の1か5割だったかな、自分の子供が共和党員と結婚することを恐れているんだそうです。そう、政治的なものに対する集団内、集団外での憎しみは本当に大きく、人々はそれを認めているんですね。恥とも思っていない」
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⑦アカデミアにおける過敏症
・NYUは黒人専用の寮を検討していた
・シュプリンガー・ネイチャー・ガイドラインは、害を及ぼす可能性があるものは抑制すべきであると示唆している
・心理学の教授の多くは、何かを発表するかどうかを決める際には、道徳的な懸念よりも学問の自由を優先すべきであると考えている
・過敏症のせいで、2つの堅実な研究分野が悪評を立てられている
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博士:「NYUだったかな、黒人専用寮を検討していて、それもあれですけど、さらに白人のみの人種に関する集会で『黒人は参加できません。我々のしでかしたクソの山にあなた方は我慢してきたというのに、顔向けできないからです』みたいな感じで」
クリス:「あなたの研究に戻りますが、アメリカ中の心理学教授共を集めたわけですね。有害な結論に達した時それをどう対処するか、奴らは何と?」
博士:「男女の違いについて話してきましたが、私のデータ全体を見渡すと、ほとんどの人が学問の自由を支持し、何かを発表するかどうかを決める際に道徳的な懸念を考慮に入れることには反対しているんです。
なので私は訊いたんです;その発見が抑圧されてしまう前に、一体どの程度、その有害性が確実であるべきか、と。
最も一般的な回答は、『科学的知見を決して抑圧すべきではない』というものでした。そこから段階的に『害を防ぐ唯一の方法が、その発見を抑制することだという証拠があるべき』という感じで、驚いたことに一番下(抑圧すべき)にはほとんど誰もいませんでした。
驚いたというのは、先ほどお話ししたシュプリンガー・ネイチャー・ガイドラインは、『害を及ぼす可能性があると思われるなら、論文をリジェクトするか撤回すべし』というようなものだからです。
しかし、それが適切な線引きだと考える心理学教授はほとんどいなかった。だから私は、この分野がどこに向かっているのか、人々が何を望んでいるのかという認識は、実際にはどうなのだろうかと思うんですね。一部の過激派が、政策に影響を与えるような権力の���を得ようとしているということなのでしょうか。ネット上での声が実在する数以上に多く感ぜられるだけとか。
人々が何を望んでいるのかが歪められている気がしますね。
私たちの多くは怖くて何も言えない。その結果、声を上げる少数派の人達は、大胆な政策変更を行うことができるのです。闘いを挑む人はそれほど多くない。不満を持っている人は何人かいるが、反対意見を持つ人の多くは何も言わないので」
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⑧学界における女性の影響力
・女性がアカデミアを支配し、男性教授候補のプールはますます小さくなっている
・議論されているすべてのトピックの間に共通して通っている一本の糸筋は、ある種の偏狭さと、社会的に過小評価されているとされるグループに対する懸念であり、それはしばしば人生で苦しんだことのない進歩的な白人女性によって推進されている
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博士:「このような性差に加え、女性がアカデミズムを席巻しているのを目の当たりにすると、その数は当分の間、女性側に推移していくでしょうね。現時点では、男性側に戻るという希望はありません。
男性はもうそれほど大学に進学していないし。なので教授になれる可能性のある男性のプールは、日に日に小さくなっています」
博士:「進歩的な人達は本質的に黒人を見下すような話し方をし、黒人と話しているときに自信のなさを見せるのに対して、保守的な人たちは黒人も白人も同じように扱うという論文もあるんです。
他にも、どんなジョークが面白いか、不快か、みたいなことを調べた論文もあって、保守派は『一様に全員をからかう、みんな面白い、みんなこういうことの対象だ』みたいなのに対して、進歩派は『マイノリティ・グループをからかっちゃいけない、他のみんなはからかうけど、彼らをからかっちゃいけない』みたいな感じなんですよ」
博士:「ポーランドの学会にいたんですが、友人のマヤ・グラッソ(Maya Graso)が非常に興味深い発見をしていて。
どうやって計測したのかは失念したんですが、男性は外的危害あるいは肉体的危機の保護者であるのに対して、女性は内的危害や内面的損傷の保護者なんです。つまり、男性は他人が肉体的なダメージを受けているのを見ると立ち上がるのに対して、女性は特に心理的、感情的なダメージを受けている人を守るために立ち上がるんですね。
これは非常に興味深いもので、実際我々が目の当たりにしているのは、肉体的な被害の可能性を生み出してまで女性達が他者の「気持ち」を守ろうとするもので、彼女達は必ずしも二次的、三次的なことまで考慮していないように見えます」
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⑨映画監督とジェンダーの優先順位
・映画監督をする上で、女性は男性とは異なる優先順位を持つ
・2020年版『ムーラン』の予算は2億円、興行収入は7000万円で、1億3000万円の赤字だった
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クリス:「20年くらい前でしたっけ、ディズニー映画の『ムーラン』が最初に作られたとき、主人公は小柄な女の子で、より賢く、より懸命に働くために、あらゆることをする必要があった。
彼女は自分の体格を補うために一生懸命に働いて、頭を使って体格のなさを上手く利用したりして、より速く、より経験を積み、困難を克服し、やったー、彼女は素晴らしい、となったわけですよね。
ムーランの最新版とは対照的なんです。
最新版の主人公は何もする必要がない。彼女はそこにいる男たち全員に見下されている。彼女は当然、その男共より優れている。彼女は困難を克服する必要がない。彼女は魔法のような女性の気、エストロゲンの気、それこそ何でも持っていて、そのおかげで男達全員よりも才能がある。
そして男達はみんな不器用で、恩着せがましい。そしてそれは…どこかで見た展開だよね」
博士:「1作目は男性監督で、2作目はおそらく女性監督じゃないですかね」
クリス:「そう思う?見てみよう。どうかな。なんてことだ。新しい方の『ムーラン』の監督はニッキー・カロ。ニュージーランドの女性映画監督だ。ファックだよ、古い方のは…男だ。バリー・クックとトニー・バンクロフト監督、1998年だって」
クリス:「参考までに『ムーラン』の予算は2億ドルで、興行収入は7700万ドルだった。1億3千万ドルという重い重い代償を払って、女性の脆さを支えたわけなんだね」
(まとめ&訳終わり)
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今回の動画は密かに大先生として尊敬している吉澤洋治さん(@yojireal )にお薦めいただきました。いつもためになる書籍のご紹介やコメントをありがとうございます。
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キックベースって折衷案に見せた野球忖度競技
2020.09.17(木)
「B面ベイビー!」という番組で、YMOを取り上げていた。タイミングよく、たまたま昨日知ったのだ。 YMOは好きだけど聞いたことない曲のが多いし、知ってる曲も有名なやつばっかり。今回のゲストのナイツ塙さんの方が圧倒的に詳しかった。 若い時の細野さんが、ユキヒロさんが、教授が動いてる。当時の得体の知れない人民服の3人組が、ホームでもなんでもないところ、ただの前座でスタンディングオベーションって本当にすごい。元々逆輸入でYMOが日本でブレイクしたのは知ってたけど、前座というのは知らなかった。 当時の映像やら、しかもあの「四人目のYMO」の松方さんがあのライブで後ろの方に見えたでかい機械(タンスね)を動かしたり、それでTECHNOPOLISの「TOKIO」を再現してもらえた塙さんが羨ましい。楽しそう。
そもそもYMOの曲がいろいろ流れるのでテレビの前で座ってるだけで楽しかった。「この時代(80年代)は本当に格好良かった」というのがもう少し抑えてもらえてれば、もっと良かった。YMOは格好いいなと思うけど、竹の子族とか見ても格好いいとは思わないしなあ。
折角なので、そのままEテレを観ていた(ちっちゃい頃は3チャン子だったしね)。
「世界の哲学者に人生相談」という番組。初めて観た。
昨日、会社からの帰り道にぼんやり考えていたこととリンクしていたので、忘れないように、ちゃんと身体に染み込むように書いておく。
そこで紹介されていたのは三木清という日本の哲学者だった。京大始まって以来の秀才と言われていたのに、女性問題のあらぬ噂で失脚。治安維持法違反で2度の逮捕歴。第二次世界大戦が終わる目前に獄死。しかも原因がベッドからの転落。どんな高さのベッドだったのか。
そんな中で諦めず、死ぬ直前まで執筆していたという三木清。
「断念することを欲しない者は、真の希望を持つこともできぬ」
実はわたしも京王線の電車の中から考えて、布団の中で同じような思い至ったのだ。その次の日の今日に、まさかそれを「ズバッ」と言い切ったひとの思想に触れられるとは思わなかった。運がいい。まだ正しいとは言い切れないけど、間違ってはいないんだと思う。
寝る前に勉強したことは記憶しやすいとかいうけど、わたしは綺麗にリセットされることが多いし、なんなら良く夢を観るからその内容で上書きされてしまうから、ちゃんとここに下書きしておいた。
ディレクターのおれとデザイナーのおれ どっちも分かるから分からないししゃーない 分かるから分からない 注文しないしされたない 開き直りの達人 気にするな、はその方向性での解決策がわからなくなった場合 気にするひとはまだその方向性で模索している キックベースは折衷案になってない
昨日、一緒に健康診断を回った後輩からショッキングな言葉をもらった。
「中尾さんて、なんか大人になりましたよね」
年下から、年下の先輩でもなく後輩から言われたケースは初めてだったのでびっくりした。今まで年上のひとからは言われたことは何回かあるので、「そうなのかもなあ」とうっすらと自覚していたし、失礼だとかネガティブな感想はまったく浮かばなかった。 幼馴染のご両親だとか、高校の時の友人だとか、久しぶりに会ったひとからは「全然変わんないね〜」と言われる。 「大人になったね」も「変わらないね」もどっちも本当なんだと思う。わたし自身、価値観や性格みたいなのは変わってないと思っているが、今まで理解しきれなかったことや上手くできなかったことに上手く立ち回りはできるようになったから、変わったともいえる。
たぶん他人から見て「しっかり」の幅が増えたんだと思う。
ある種の諦めなのかもしれない。あるやり方にくくるのを辞めたら意外と楽になったという感じ。
新人の頃は全部に反応してしまっていた。それが笑いや盛り上げといったポジティブなレスポンスだと捉えられて可愛がられ面白がってもらえたけど、仕事となるとパニックになってると思われて(実際そこまで焦ってない)心配されたりもした。良くも悪くもいじりの標的になったりもした。なんか楽しいことしてくれるだろ、と良い捉え方すると期待で、悪い捉え方をすると舐められるのだ。
最近は「なんでわたしがそんな重大な仕事負わされてんだよ」と思うようになり、それに代わり映えのないいじりに一々リアクションするのにも飽きてきて、「ソッスネ」と乾いた笑みで返すようにしたら寂しそうにされた。レパートリーを増やさんお前が悪い。無視も否定もしないだけありがたいと思え。
話はそれたが、それが「大人になった」印象の正体なのかもしれない。
わたしの根本的なところは変わってない。余計なことで気がそれなくなった分、わたしの見方が変わっただけだ。わたしはみんなが思ってたよりも少し大人だっただけだ。
むかしはがむしゃらにやってりゃ良かったが、後輩に指示するときも増えてきて、そうなれば思いつきじゃなくて計画して分かるようにちゃんと説明できるようにならないといけない。みんな、思った以上に原稿を見て噛み砕かないし、分からなかったら聞いてとも言っているのに、想像してたデザインとかけ離れたものがあがってきたりする。
ぺーぺーデザイナー時代は「それ早く言ってくれよ」とか腹の中で思って���けど、ディレクターっぽいことをするようになってから「原稿をちゃんと読め、分かんないなら調べろ、全部教えてもらえると思うな」とも思う。
でもわたしの説明がむちゃくちゃに下手な可能性も高いし、抜け漏れは多いだろうから、お互い様なのだ。それが分かってしまったから、今はしんどい。
先輩の後輩に対する嘆きも、後輩の先輩に対する不満も、両方分かるからしんどい。たまに不満を吐き出すことは大事だけど、そればっかり考えてもしゃあないと思う。正直、どうすることも出来ない。
「諦めなよ」
アドバイスできるとしたら、これ。みんな他人に期待するのを諦めて目の前の仕事をやりたいようにやれば? あ、あくまでもサボっちゃダメなところはちゃんとしつつ。
もっとみんな開き直っちゃえよ。
つい2,3年前、とんでもなく忙しかった部署にいたときは、毎日が怒りの連続だった。先方はむちゃくちゃなスケジュールでむちゃくちゃな修正出してくるし、みんな寝てないと答えが出てるのに「ミスをしないようにするには」会議したり、家に帰れない今の環境を利用して不倫を楽しむ上司と先輩と毎日顔を合わせなきゃいけなかったり(今でも大嫌いなので根に持っている)、もう理不尽なことばっかりあった。
「逃げるのはださい」し、辞めたところで新しいひとが同じように嫌な思いをするだけなので上司や先輩に噛みつきまくっていた。その部署から抜けて1年半が経った今は、もう少しやり方があったんじゃないかと反省してる。
この悩みを打ち明けた時によく言われたのが「気にするな」だった。「気にしなくなった」今でも、その言葉をつかうひとを見ると「雑な表現するなよ」と思う。
真面目なひとでそれに悩むひとが「もっと開き直っちゃえよ」とか「諦めちゃえよ」とは思うが、それが出来なくて悩んでいるのだからもう少し丁寧に書く。
「気にするな」と言うひとは、「今のあなたの考え方、その方向の延長には解決はないんじゃないか」と他人は思っているのだ。それでも気にするひとは、まだその方向性での可能性を模索している。とことんやればいい、と思うがそれが辛いのであれば、考え方を変えればいい。
たまに悩みを言って「考えすぎだよ」と返してくるひともいる。わたしは某所で「考えすぎって言われるのが悩み」と話したときに「考えすぎて悪いことはない」と言われてハッとした。「考えすぎ」と言われている時点で「まだ考えが足りてない」か「考え方が間違ってる」から考えなきゃいけないのだ。
その方向性で考えることをやめる、が「気にしない」ことなんだと思う。しんどくなったときに開き直って音楽を聴いたりお笑いを見たりする。集中はその間だけでもそちらに「気」が向く。音楽に向けば「音楽のことを考える」し、お笑いに向けば「お笑いのことを考える」になる。考えはゆるやかに動き続ける。
月並みだけど、何かが気になる時ってそれしかしてない場合が多い。「友達」で悩んでるひとは「友達」のことを、恋愛なら「恋愛」、自分のことなら「自分自身」のことしか考えてない。
「断念することを欲しない者は、真の希望を持つこともできぬ」
もう開き直っちゃえよ。
最近は上に下に右に左に、いろんな思想がネット上に転がっている。例えば仕事でいうと「少ない給料がもらえないならモチベが上がらないのは当然」、反対に「一生懸命勉強して取り組んで結果を出す、そういうモチベの高いひとを採用したい」もある。両方真理。前者は高い給料欲しけりゃ転職すれば?と思うし、後者は良い人材が雇いたきゃ高い給料出せるように頑張れ、と思う。
みんな自己評価が高いなと思う。まあ自信はないよりあった方が絶対良い。小出しにワガママ言いながら、自分でもなんとかせえとは思う。
うまい折衷案ってなかなか難しい。自分のことを棚上げして文句言う奴は絶対に出てくるし、多数決が勝ってしまうこともある。
結局のところ、「自分のことは自分でやれ」と思う。やりたいことがあればやりたいようにやれと思う。
そうなると「だからデモをやるんだ」とか言われるんだろうな。まあ好きにしたら? 考えて考えて、結果その行動が最適解だと思うのならば。
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米国のスタートアップやビッグテックといえば高給取りやワークライフバランスとセットにしてレイオフについて語られることが多い。レイオフする側についてはあまり出回らないので、米国のスタートアップで働く開発チームのマネジャーの立場から書いてみたいと思う。 まず、レイオフにも種類がある。大きく分けて組織改編に伴うものと、個人のパフォーマンスないしは行動規定違反によるものがある。今回は個人のパフォーマンス起因のレイオフについて書く。 個人のパフォーマンスによるレイオフの場合、通常は事前に何度かフィードバックがマネジャーからある。ビッグテックの場合はPIPという再トレーニングプログラムがあるが、昔いたテックカンパニーでは自分の周りでPIPを受けている人を見かけたことがなく、その後は中堅 - 小規模なスタートアップにしか勤めたことがないので、詳しくない。 ともかく、フィードバックの後に改善が見られない場合、レイオフということになる。これはリーダーシップ層の判断が入る。 レイオフが決まると、まずはオフボーディングのための準備が行われる。基本的にAt will employment (理由を示さずに雇用契約を解消できる)なのだけど、雇用契約で2 weeks noticeにしている場合が多いので、残りの給与支払いの計算や保険に関する書類の用意など、人事やアシスタントを通じて行う。 開発チームとしては、スムーズに引き継げるようにすることと、各種ツールなどへのアクセスを無効化する段取りなどを行う。 パフォーマンスによるレイオフの場合、そもそも影響のあるタスクが割り当てられてないケースが多いので、引き継ぎはそれほどない。マネジャーとして最近のコミットなどをチェックし、どの程度カバー必要か確認する程度。 ちなみにレイオフが決まってから実施されるまでは非常に短い。チームで活躍できないと判断されたら、極力コストを減らすためだ。 そしてもう一つ大事なのが伝えるメッセージを考えること。レイオフは覆らない。簡潔にすみやかに解雇を伝え、オフボーディングプロセスを終わらせるように文言を検討する。 次に、レイオフのためのミーティングをセットアップする。1 on 1 という形にすることもあれば、ミーティングのインバイトに気づかれないこともあるので、定例の時間を調整して(他のメンバーには来ないでもらって)、レイオフの告知に使うこともある。ちなみに会社の規模によってはHRも一緒にミーティングに参加する。 レイオフの告知はいい気分ではない。先方が入室したときにすでに察していることもあれば、こちらの顔ぶれをみて何が起こるんだ?という顔をしているときもある。 今日が会社での最後の日であること、パフォーマンスに問題があったこと、などなど、淡々と伝える。 一通り伝えた後に、向こうの顔を見る。数秒間の気まずい沈黙。 この後の反応は人によりさまざまだ。ただただ茫然自失として、わかりました、という人もいる。 具体的に何が問題だったのか、と聞いてくる人もいる。先日のxyzプロジェクトのことか、あれはこういう理由で問題があったり、時間がかかったんだ、など説明を始める人がいる。デリバリー速度も品質もどちらもいくらでも問題点を指摘できるのだけど、それをしたところで何も変わらないし、それに関する言い訳が出てきて平行線をたどるのが目に見えるので、"われわれの基準を満たしてなかった" 以上の返答はしないようにしている。 "x年間も一緒にやってきたのに、急にこれか!"と言われたこともある。逆にx年やってきて、改善するチャンスはあったのに変わらなかったからこうなったんです...。 あと、最後に "We appreciate your contribution" と"これまでどうもありがとうございました"的なノリで言うことがあったんだけど、"感謝してるならこんなことにはならないだろ" と言われたことがあるので、パフォーマンス理由のときは言わないほうがいい気がする。正解がよくわからない。 とにかくこちらは感情を無にして伝えることが肝要。同情もしんどいなという気持ちも見せる必要はない。 2,3個質問には答えて、適当に wrap up する。時間にするとおよそ15分くらい。 ミーティングはどっと疲れるが、一方でチームの面倒事が一つ減ってほっとする気持ちもある。あとは各種ツールの無効化や備品の返却といった事務作業が残る。 あ、最後に、チームへの配慮も大事な仕事だ。 これは会社やチームによるのだろうけど、自分は事前にチームメンバーに周知する。その際は明確に理由を説明し、ちゃんと活躍しているメンバーには関係ない事象であることを明確にする。ちなみに、毎回割とあっさりとした反応しか返ってこない。(もしかしたら裏で噂などしているのかもだけど) こんな感じで米国のスタートアップではレイオフが行われています。
米国スタートアップのレイオフする側の話
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ディズニーの「差別映画」に見た「幻想の南部」の誕生 ――映画『南部の唄』をみる
ディズニー社が運営するテーマパークのアトラクション、「スプラッシュマウンテン」の題材が変更されるというニュースが流れています。
(参考)
米ディズニーがスプラッシュマウンテンの題材を「南部の唄」から変更
https://news.yahoo.co.jp/articles/360bcd7f93a0e3bf6a37503772ceb96c0a1a5dba
ディズニー映画『南部の唄』は長年にわたって「黒人差別を容認する作品ではないか」という批判にさらされてきた作品で、現状のBlack Lives Matter運動に揺れるアメリカにおいて、仕方のない、決断せざるをえなかったことなのかもしれません。
筆者はかつて、自身が所属する「全日本南北戦争フォーラム」の会報にこの『南部の唄』に関しての雑文を掲載したことがあり、掲載よりずいぶん日が経っており、かつ自身の文責になるものでもありますので、参考までに自分のブログに今、若干の修正を加えて掲載するものです。
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ディズニーの「差別映画」に見た「幻想の南部」の誕生 ――映画『南部の唄』をみる
2018年9月1日、東京都千代田区で開催されましたNPO法人江東映像文化振興事業団様主催、映画『南部の唄』上映会に、本会・全日本南北戦争フォーラムとして参加しました。江東映像文化振興事業団では、本会報にも特別寄稿をいただいている評論家・三浦小太郎氏が役員を務めておられ、その御縁で参加させていただいた次第です。
上映作品だった『南部の唄』は1946年に公開された、ウォルト・ディズニー製作の映画です。いわゆる「ディズニー映画」ですが、人間の俳優で構成される実写で描かれたパートと、アニメで表現される動物劇が巧みに組み合わされた映像作品で、まだCGなどというものが影も形もない時代であるにもかかわらず、俳優とアニメの動物が実に自然な形で「共演」しているなど、映画史の中でも特筆すべき表現技法を見せた作品として語り継がれているものです。
しかしながら、この21世紀において本作『南部の唄』が好事家の話題にのぼるとき、筆頭に挙げられる事項はそうした映像表現の話ではありません。本作に現在ついてまわっている第一の「レッテル」は、「人種差別的な映画だ」というものです。実際、世界中でこの作品は現在、「タブー作品」のようになってしまっており、DVDのような形で簡単に購入し、鑑賞することもできません。そして本作が内包するとされている「人種差別」とは、『南部の唄』というタイトルが示すように、アメリカ南部にある(あった)黒人差別のことを指します。
本作のあらすじを、簡単に紹介しましょう。時は南北戦争後、そうもたってもいないころの話。アメリカ南部ジョージア州の大都市アトランタで両親とともに暮らしてきた白人の少年・ジョニーは、家庭の事情で母親の実家である田舎の農村に引っ越します。母親の実家は富裕な農園主で、いまも多くの黒人労働者(元奴隷)を抱え、綿花プランテーションを経営している一族でした。都会っ子であるジョニーはなかなかその農村になじめず、また大好きな父が仕事の関係でアトランタに戻ってしまい、寂しさからふさぎ込むようになります。しかし農園で働く老黒人、アンクル・リーマスの語る民話に引き込まれていくうち、ジョニーは次第に周囲に心を開いていく――という筋書きです。
この映画は、一部の例外はありますものの、基本的に「いい人」しか出てこない作品です。主人公もその一員である白人の綿花農園主一族は、慈悲深い「お殿様」のような人々で、彼らに仕える黒人労働者は、白人の慈愛を感謝とともに受け取りながら、何の不満もなく、南部での人生を謳歌しているという設定です。白人と黒人は、確かに雇い主と使用人という関係ではありますが、差別のようなものはまったく描写されず、実に親しげに語りあい、交流しています。これは何かの皮肉としてそのような戯画化が行われているというのではなく、本当に本作では、南部の農園はホンワカとした、何かの理想郷であるかのごとく描かれています。
アメリカの有力な黒人団体であるNAACP(全米黒人地位向上協会)は公開直後からこの『南部の唄』に対して、「実際のアメリカにあった激しい人種差別を隠蔽し、南部社会を美化したロクでもない映画だ」との批判を発しており、ゆえに現在、この作品は再上映される機会もなければ、前述したようにDVDなども発売されていません。今回の上映会は、かつて一時期のみ販売されていたVHSを上映したものであるそうで、貴重な機会を与えていただいた三浦さん、および江東映像文化振興事業団様に感謝します。
NAACPが本作に寄せた批判は、おおむね妥当なものであるとは思います。アメリカ南部に苛烈な黒人差別があったことは事実であるにも関わらず、『南部の唄』は前述のように、南部をそんなものがまるでない、牧歌的な理想郷であるかのごとく描写しています。NAACPは、本作が「間違った南部像」を社会に流布することによって、南部に厳然とあった「差別の歴史」が修正されるのではないか、と危惧し、また怒ったわけです。
ただ、本作は本当に(一部の例外を除き)「悪人」というものが出てこない、ホンワカとした物語で、暴力的なシーンも原則としてありません。「この作品が歴史的事実とそぐわないのは事実かもしれないが、そもそもフィクションなんだし、またこの映画を見ることで黒人への暴力、差別が煽動されるようにも見えない」といったNAACPの批判への懐疑が、一部に存在することも事実です。けれども私は「南北野郎」として本作を今回初めて鑑賞させていただいたうえで、���これはとんでもない映画だなあ」と、心底思わされたのです。NAACPが怒るのも無理はない、なぜならばこの映画は、匂い立つほどに南部的、CSA(アメリカ南部連合国)的な色彩をまとっているように感じられたからです。
私はディズニー・アニメの専門家でも何でもありませんが、ややステロタイプながら、以下のように感じています。ディズニー映画の真骨頂とは「階級の移動」です。みじめな下女だったシンデレラは王子様と結婚し、単なるデク人形だったキノピオは人間になります。哀れな子象ダンボは興行界のスターとなり、また『美女と野獣』や『ライオン・キング』は一種の貴種流離譚で、これぞ主人公の所属階級が目まぐるしく変わる物語です。そして俗にいう「アメリカン・ドリーム」の神話がそうであるように、下の階級から歯を食いしばって成り上がっていく挑戦者たちを称賛する精神風土こそが「アメリカという国」の土壌で、そこからディズニー映画が生まれたのは、ひとつの必然ですらあります。
しかしながらこの『南部の唄』ではその上映時間の93分中、登場人物たちの所属階級がまったく移動しないのです。貧しい少女ジニーは主人公のパーティーに招かれますが結局行くことがなく、農園を去ることを決意するアンクル・リーマスも最後には戻ってきます。主人公が飼おうとする哀れな子犬も、結局飼うことが許されません。また主人公一族に仕える黒人労働者は自らの待遇をまったく不満に思っておらず、彼らが毎朝の出勤時に合唱する「私はとどまる、なじんだ家へ」という歌詞の歌は、何か象徴的です。劇中でアンクル・リーマスが語る民話は本作の見どころの一つですが、その劇中劇の主人公、「ウサ君」が最大のピンチを迎えるのは、「人に必要のない干渉をしたからだ」と、具体的に何をしたのかが語られぬまま説明されます。個々のエピソードを見ていくと「本当にそれでよかったのか」「作劇上、ちょっと乱暴すぎるんじゃないのか」と思わされるケースもありますが、ラストのミュージカル調のエンディングは、そうした疑問に何も答えぬまま、すべてをどこかへ流し去っていきます。
ただし本会会員にはもう説明不要でしょうが、これこそが北部流の成り上がり思想、アメリカン・ドリームに対して南部社会が打ち立てていた、CSA的な思想でした。人のことには干渉しない。自分には自分の生き方がある。そして、人は生まれ持った環境の中で暮らしていくことが、最も幸せなのである――。これこそがアメリカ南部の主張で、「奴隷解放」や「産業革命に沿った社会の近代化改革」を訴えた北部へのアンチテーゼでした。もちろん、そういう思想の根底にあったのは、南部の上流階級の「この、自分たちに都合のいい階級社会、奴隷制社会を維持したい」という利己的な思想で、それゆえに南部は南北戦争に敗れるわけです。しかし、この「誰にも干渉せず、またされない、そういう意味での『自由社会』の維持」とは、南北戦争時にCSAが明確に掲げた大義で、そして『南部の唄』の社会は、まさにその「CSAの大義に沿った楽園」なのです。この画面に横溢するCSA的な空気、これにNAACPが言いようのない不快感を覚えた側面はあったのではないかと思いますし、そうであるのならば、一見暴力的ではないこの映画を、彼らが口を極めて罵った理由も、何となく分かるような気がするのです。
繰り返しますように、『南部の唄』に描かれる社会は、間違いなくCSAの大義を反映した理想郷です。ただ、理想郷���あくまで理想郷であるわけであって、現実の南部とは偏った人種差別思想に基づいた、どうしようもなく遅れた農本主義社会に過ぎませんでした。だからこそ南北戦争に敗れてしまったのです。以降、南部はアメリカの経済発展に取り残され、KKKの誕生や公民権運動の混乱などに揺れる、「アメリカの中の恥ずべき地域」などと呼ばれて現在に至ります。しかし、いわばCSAナショナリストとでも呼べる一群は、「かつての南部にはきちんとした理想社会があったのに、北部がそれを壊した。今の貧困と混乱は北部のせいだ」と叫び、現実世界にはどこにもなかった「理想の南部」を形成し、「南北戦争前に帰ろう」といった虚構的主張を展開していきます。『南部の唄』は、そういう「幻想の南部」が形成されていく途上、およびその一つの到達点を示す作品であるとも感じられ、その意味において私には非常に興味深いものでした。
また、もう一つ注目したいのが、本作における珍しい例外的悪役、フェーバー兄弟です。主人公の家のそばに住んでいる貧乏白人の子供で、服装や態度から見るに、その経済状況、教養程度は黒人以下です。実際、一般の白人には従順なアンクル・リーマスも、この兄弟には露骨に悪態をつくほどです。彼らは何かにつけて主人公やその仲間をいじめ、鑑賞者の義侠心を刺激しますが、しかしちょっと考えてみてください。少女ジニーが主人公のパーティーに行くのを妨害する、子犬が主人公にもらわれるのを邪魔するなどといった彼らの行為は、実は「誰もが階級を移動しない」というこの世界の中における秩序の保持者なのです。
さきほど、南北戦争後の南部には「全部北部が悪い」といったような、夜郎自大で卑屈な歴史観が生まれたことを紹介しました。しかしその主な担い手は、結局生活に余裕のある旧奴隷農園主ら上層階級というよりも、南軍の末端を担ったプア・ホワイトという貧乏白人集団でした。彼らは貧しいゆえに「既得権益」などというものとは無縁でしたが、それでも南北戦争を戦わされ、何も得ることのない中で、そういう夜郎自大な歴史観を持つに至ります。しかし、その「卑屈」の力を巨大なエネルギーと変え、いま実現させたのがトランプ政権だったりもするのです。そういう流れからも、実に面白い物語の構図でした。
※全日本南北戦争フォーラム会報 Vol.11 2018年冬季号所載
http://nanboku-sensou.blogspot.com/2018/12/12319511.html
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パブリックなNGSデータをダウンロードするのにお金がかかるようになる(かも)
タイトルは意図的なミスリーディングを狙っており、それが事実の一部であるとしても、これをタイトルに掲げることは非常に悪質なものです。誤解されそうなタイトルで釣らないとブログに読者を集められないのは、ひとえに書き手の怠慢であり、能力不足であり、卑怯さ、姑��さ、誠意のなさ、低俗さ、魂の汚れ、負け犬根性をこれ以上ないほどに示しており、書き手の信頼を大きく損なうものです。「そうは言ってもこうでもしないと見てもらえないでしょ」というのはテロリストの言い分です。普段から誠実に良質なブログ記事を書き続けて信頼を得ていればこんな煽りタイトルを掲げなくても読者は見てくれます。
ごめんなさいね。懺悔終わり。
ほんとは「パブリックなNGSデータのダウンロードが有料になります」というタイトルでしたが、人間は愚かなのでタイトルだけしか読まず本文を読まないので、少しだけ柔らかい表現にしました。大事な話なので最後までちゃんと読んでほしい。
tl;dr
まじで長くなったので忙しい人向けに三行で解説します:
「NCBIの」SRAがクラウドに移行しました、オンプレと並行で運用するよ
NCBI「データ量多すぎてやってられないので配列データからクオリティ情報(BQS)削るよ」
オンプレにはBQS削ったやつだけ置いとくよ
BQS持ったやつもクラウドに置いとくけど、クラウドからオンプレにダウンロードすると転送料かかるよ
NCBIがこの件でパブコメ募集してるので、みんなの意見を教えてね
パブコメ書くの面倒くせえって人はtwitterで教えてね
EBIとDDBJは今まで通りなのでお金かからないよ
本当にtoo longな解説
Sequence Read Archive (SRA) は大規模DNAシーケンス装置(いわゆるNGS)から得られたデータを登録する公共のレポジトリです。米国NCBI, 欧州EBI, 日本DDBJの3つの組織によって共同で運用しています。詳しくはこちら。
この度その3つのうちの1つ、米国が運用する NCBI SRA において、場合によって、ダウンロードする人がお金を払う必要があるケースが発生するようになる見込みです。このことについて、経緯と概要を説明します。
数年前より米国NIHは、ファンドしている研究プロジェクトで用いられる計算機インフラをクラウドに移行しようとしています。NIH配下のNCBIも、このとんでもなくでかいデータ量を誇るSRAを、一体どんなトリックを使ったのか、全てコマーシャルクラウド上に置くことにして、それが実行されました。ここでいうコマーシャルクラウドとは Amazon Web Service (AWS) と Google Cloud Platform (GCP) です。
コマーシャルクラウドは各社共通して、「クラウド上にデータをアップロードするのは無料」だけれども「クラウドの外にデータを持ち出すためには通信料を払う必要がある」のが特徴です(egress charge, イグレスチャージと呼ばれます)。GBあたりの従量課金制で、事業者によって、また月間のトータルの利用量によって単価が変わります(AWSの場合, GCPの場合)が、だいたい1GBあたり0.1USD前後です。クラウド事業者としては、自社クラウド内で計算機を借りてもらった方がビジネス上都合がいいわけですからね。ここで転送にかかる料金を払うのは「データを置いている人」もしくは「データを外に持っていく人」のどちらかになり、これはデータを置く人が決めます。
つまり、NCBIがSRAのデータをクラウドストレージに置くようになると、利用者がデータをクラウドの外にある、自身の管理するコンピュータにダウンロードする場合「誰かが」お金を払わなくてはいけません。そして、NCBIが利用者全員分の通信量を負担するとなると、とても維持できないので、利用者に負担してもらいます、ということだそうです。通信料を払いたくなければ、データ利用者がAWSないしGCPを使ってクラウド上に計算機を立ち上げ、そこにデータを引っ張ってくるようにしなければいけません。ただしクラウドと言っても、同じ事業者の、同じリージョン(クラウドのデータセンターをまとめる単位)でなければいけません。AWS N. virginia に置かれたSRAデータを転送料なしでダウンロードするには、同じ N. virginia リージョンにEC2インスタンス(仮想サーバ)を立ち上げて、そこにダウンロードして計算する必要があります。いずれにせよ、そうすると今度は計算機を立ち上げた分のお金がかかり、いずれにせよお金がかかります。まじかよ。
え、USの人たちはそれでいいわけ?と思うわけですが、先に述べたようにNIHでは米国内の研究者によるクラウド利用をプッシュしており、徐々にクラウドを利用する人が増えているそうです。今既に2割くらいはクラウドからSRAにアクセスしているという話でした。
これで話が終われば「公共データが有料になるとは何事か!」という話ですが、実はもうちょっと話は複雑です。
そもそも、なんでNIH以下合衆国の組織ががクラウドに移行しているのでしょう。まず、巨大なストレージシステムを自前の計算機環境でメンテナンスするのは非常にコストがかかります。大容量ストレージを構築する、ストレージ機器の故障をモニタリングする、ストレージが故障したときにすぐ対応する、そのための人員を確保して給料を払う、サーバルームの空調を含めて安定した電力を供給するための仕組みを作る、そして電気代を払う、万一故障したときや停電のとき、メンテナンスのときのためのバックアップを構築しておく、ストレージシステムへのアクセスのためのネットワークを整備する、ネットワークの故障に対応する、などなど。大規模な計算機システムのメンテナンスをまるごとアウトソースできるコマーシャルクラウドは、餅は餅屋という意味でも、大きなメリットがあります。金銭的なことだけでなく、メンテナンスのノウハウや、最新機器へのアップデート、適切な人員を見つけて雇用することなど、運用のためのコストは実際に払う金額以上になることは普通です。NGSデータがある日突然なくなることは考えられませんし、このまま増え続けるデータのためのシステムを自前で管理するには限界があります。なので、クラウドに移したい。GoogleとAmazonは米国を基盤とする企業なので、米国政府が運営するNIHとその傘下のNCBIが利用しようと考えるのは自然なことです。
しかし、クラウドにぽんと移せば巨大なデータを抱えるSRAの運用の問題が解決するかというと、そういうわけでもありません。INSDCは配列データを研究活動のエビデンスとして保持し続けなければなりませんが、とにかく大量のデータが出てくるので、できることなら使うストレージの量は節約したい。増え続けるデータをそのままストレージに入れ続けていたら、いくらクラウドと言えど、いずれ(容量的にあるいは経済的に)破綻してしまいます。そこで以前から議論されて��る2つのポイントが「hot/coldストレージの利用」と「クオリティ情報 (base quality score, BQS)の削除」です。それぞれ解説します。
hot/coldストレージ
「hotストレージ」、すなわちHDDやSSDで構成された、データをすぐに取り出せるストレージと、「coldストレージ」、すなわちデータの取り出しに時間がかかる代わりにHDD/SDDに対して容量あたりの価格を抑えられるテープストレージの2つを使い分けるやり方のことを指します。これはクラウドでなくてもオンプレの環境でも行われているテクニックです。つまり、大量に登録されたSRAのデータの中でも、頻繁に利用されるのはごく一部であり、それらをより高価だがすぐにデータを取り出せるhotストレージに置いておき、あまりアクセスされないデータをcoldストレージに置いてストレージ料金を節約するわけです。AWSの月額料金でいうと、hotストレージ(汎用S3)が0.021-0.023USD/GBなのに対して、coldストレージであるGlacier(グレイシアーと読みます、氷河という意味)では0.004USD/GBです。ちなみに、さらにアクセスが低頻度になり、より取り出しに時間がかかるオプションGlacier Deep Archiveというものもあって、こちらは0.00099USD/GBです。なので、運用側としてはなるべくデータをcoldストレージに置いておいてストレージ料金を抑えたいわけです。ただし、coldストレージはテープからの読み出しにお金がかかります。そこで、このシステムでは何をcoldに入れて、何をhotに入れるかという判断がストレージ料金の節約において重要です。
クオリティ情報 (base quality score, BQS)の削除
文字通り配列データからベースコール精度の情報をなくしてしまうということです。SRAに登録されるデータはFASTQもしくはBAMであり、フラットファイルであるFASTQは1塩基ごとにベースコール精度の情報を持ちます。最大94種類のASCIIで表されるBQSを削って配列だけにできれば、圧縮効率が上がってさらにストレージを節約できます。これまでに、BQSを完全に削除するのではなく、binningしてより少ない文字種で保持するアプローチもいくつか提案されていますが、「コミュニティでのコンセンサスは得られていない」とNCBI SRAのdata working groupは述べています(Wan et al, 2012, Ochoa et al, 2013, Janin et al, 2014, Yu et al, 2015)。また、NCBIではBQSの削除だけでなく、これまでにも行われてきたsratoolkitのアラインメント情報を利用してさらに配列データを圧縮する技術も、引き続き併用していくということです。
今回、hot/cold戦略とBQSの削除、この2つを組み合わせてストレージ料金と利便性のバランスを取るため、NCBI SRAは以下のような方針を立てました。
データは「オリジナル」と「SRA+BQS」と「SRA-BQS」の3種類のフォーマットで提供する
オリジナル: 登録者が送信したオリジナルのフォーマット。FASTQ, BAM, SFFなど
SRA+BQS: NCBIのsratoolkitでBQSを保持したまま圧縮する。利用者はsratoolkitを使ってFASTQやオリジナルなどのフォーマットに変換できる。インデックスを持つので一部のみ取り出しも可能。
SRA-BQS: 同じくsratoolkitで圧縮しているが、BQSは削除されている
ストレージはオンプレとクラウドの両方を使う
オンプレ: これまでと同じNCBIが運用するローカルのストレージ。ユーザはFTPでデータを取得する
クラウド: AWSとGCPのクラウドストレージ。クラウドの外にデータを持ち出す(ダウンロードする)ときにユーザは転送料を払う必要がある。同じリージョンのクラウド上で利用すれば転送料金はかからない
クラウドストレージでは、hot/coldの2種類のストレージを使う
各ストレージに、それぞれ異なるタイプのデータを置く
オンプレ
SRA+BQS (一部のみ: 登録から一定期間が経つと削除される)
SRA-BQS (登録された全てのデータ)
クラウド hotストレージ
SRA-BQS (登録された全てのデータ)
SRA+BQS (利用頻度が高いデータ, 全体の50%)
オリジナル (1000genomes public datasetのみ、例外的に転送料は事業者持ち)
クラウド coldストレージ
SRA+BQS (利用頻度が高いデータ, 全体の50%)
オリジナル (1000genomes以外全部)
テープからの読み出し料金はNCBIが負担する
無限に負担はできないので、coldストレージからの読み出しはデータ量を制限する
図にするとこんな感じ。
複雑!
ところが事態をもっと複雑にするのは前述の通り SRAはNCBIのみによって運営されるに非ず ということです。はいここテストに出まーす。
NCBI, EBI, DDBJ 3つの組織はそれぞれが配列データの登録を受け付けます。3つのうち1つの窓口から登録されたデータは他の2つにもコピー(ミラー)されます。EBIから登録してもDDBJでダウンロードできるし、DDBJで登録してもNCBIからダウンロードできるし、以下省略。ただし、配列データの圧縮フォーマットに微妙な違いがありますし、タイムラグや組織間の移行に関して技術的なトラブルもあるので常に完璧にミラーされているわけではありません(ここが重要です)。常に100%完璧にミラーができていればいいのですが、無限に人員と資金があるわけではないので、優先順位を付けざるを得ないのが公共サービスを運用する上で難しいところです。
ではEBIとDDBJはどうするんだというと、これまで通りです。 EBIとDDBJはこれまで通りオンプレで運用します。 厳密なことを言うと、EBIはプライベートクラウド環境をインフラに構築しているのですが、コマーシャルクラウドと違って転送料もかかりませんし、利用者から見ると特に何も変わっていないように見えます。余談ですが、EBIのインフラはすごいです。10年かけて(!!)モダンな環境を構築し、データセンターの分散と同期を実現してディザスタリカバリまでできています。我らがDDBJも、資金、人員共に欧米と比較して厳しいリソースで運営していますが、自慢のスパコンシステムにどんどこストレージを増やして対応しています(技術的な問題等々でミラーリングが遅れてしまうこともありますが)。
つまりこういうことになります。
つまり、日本国内のオンプレ環境でSRAデータを利用するユーザ目線で、イグレスチャージ払いたくないぞ!となると、このような感じになります:
BQSが必要?
YES:
DDBJ/EBIに取りに行く。でもミラーリングのタイムラグで最新のものがすぐに取得できないかも。
NCBIのオンプレに取りに行く。登録されたばかりの最新のものしかない。
NO:
DDBJ/EBI/NCBIどこでもOK。
というわけで、考慮すべきは「BQS要るか要らないか」になるわけです。要るならDDBJ/EBIにちゃんとミラーリングされていないと困るし、要らないなら今回の変更は特に影響がない。マッピングやアラインメントでクオリティスコアを考慮するツールやアプリケーションは山程ありますし、RNA-SeqでBQS使ってリードの除去したりも当然するわけなんですが、「多少の精度は落ちるかもしれないけど、ディスクが節約できるメリットを考えたら無視できる」とするケースもあれば「でもBQSないと結果が信頼できない」とするケースもあると思います。
ただし、懸念すべき点はこの
タイムラグや組織間の移行に関して技術的なトラブルもあるので常に完璧にミラーされているわけではありません
という点です。NCBIからちゃんと全部さくさくミラーされていればいいんですが、オペレーションの問題、ネットワークの問題、技術的な問題、データが壊れていた、遺伝研スパコンがメンテで止まっている(メンテいつも長すぎるよね!)、などなどの理由でDDBJからダウンロードができなかった場合、まあEBIに行けばいいんですが、アジアからEBIに繋ぐとネットワーク的に遠くて遅いこともあるし、NCBIに取りに行ったほうが…というケースはままあります。そのときにBQSなくてもいいのか?という話になるわけです。
まとめ
……というような内容がこの Request for Information: Use of Cloud Resources and New File Formats for Sequence Read Archive Data に書いてあります。それを解説するのがこのブログエントリの主旨なのでした。EBI/DDBJの話までは書いてないですが。
個人的な意見を述べると、ストレージの空き領域とネットワークの帯域は何にも代えられないと思っているので、データ量が節約できるならBQSをばっさり落としてもよいと思っています。しかし、ChIP-Atlasのように底引き網方式でSRAのデータを解析している身としては、少なくとも「完全に失敗しているシーケンス」かどうかは見極められないと厳しいなと思います(そういうものがSRAには山程あります。詳しくはおれの力作を読んでくれ)。そういう意味では「SRAのデータ全部FASTQCかけるプロジェクト」ことQuantoの重要性が高まりそうなので、これを構造化したデータとしてメタデータの一部として簡単に取得できるよう改良したいと思っています。(それから、計算が最新の登録に全然追いついていないので、いかにタイムラグをなくすかということも考えていく必要があります)
また、この先もシーケンス装置の進歩は続いていくでしょうから、かつての Oxford Nanopore がそうであったように、リード数やリード長、キャプチャの技術や値段などは非常に優れているが、ベースコール精度を考慮しなければ使えない、という技術がまた出てきたときに、BQSがないとだめ、という状況になることはあるのかなと思います。
というわけで、みなさん是非、日頃SRAのデータを使って研究をする上で(してますよね?)、BQSは絶対にあったほうがいいのか、なくてもまあなんとかなるのか、「NCBIのBQS付きデータが全部クラウド上に行っちゃっても問題ないよ」「いやめっちゃ問題でしょ、DDBJにちゃんとミラーされることが保証されんの?」などなど、ちょっと考えてみてほしいのです。そして、NIHがこのプランについてパブリックコメントを募集していますので、意見を送ってみてください。7/17が〆切です。
Request for Information (RFI): Use of Cloud Resources and New File Formats for Sequence Read Archive Data https://datascience.nih.gov/sra-rfi-submission
RFIでは以下のような質問についての回答を求めています:
研究者がどのようにSRAと関わっているか
SRAデータと一緒に使っているパイプラインやツール
利用している配列データのフォーマット、特にBQScを必要とするかどうか
BQSを除去したSRAフォーマットデータの潜在的な利便性
BQSを除去しアラインメントとして保持されるSRAデータの潜在的なユースケース
登録者が送信したオリジナルフォーマットの研究における具体的な価値
SRAデータを利用しているユーザが、SRAデータがクラウドに置かれることによって、クラウドを利用するようになるかどうか
提案されているアプローチが、現在もしくはこの先の研究にどのように影響を与えるか
その他、クラウド上に置かれたSRAデータの価値を最大化するためにNIHが考慮すべきトピック
意見送るの面倒くさいけどBQSいるやろ、あるいはいらんやろという意思を表明したい方は僕宛にtwitterで@を送ってください。代わりにとりまとめて送っときます。
Acknowledgement
DDBJでDRAをリードしてくださっており、いつも大変お世話になっているDDBJデータベース部門コーディネータの児玉さんにこの記事をレビューしてもらいました。どうもありがとうございます。塩基配列データが欧米だけでなく日本にもちゃんとミラーされており、それを30年に渡り維持し、日々運用してくださっているDDBJの人たちがいて、それを使うのに最高な桃月なしこちゃんこと遺伝研スパコンをメンテしてくださる人たちがいて、こんなに恵まれている国で研究開発ができることに感謝して、このエントリを締めたいと思います。
追記: SRA Toolkit の使い勝手はどうなるのか
SRAをこれまで使っている人であれば、SRAからデータをダウンロードするのに sratoolkit を使っているかもしれません。sratoolkitはNCBIのtechチームによって開発されている配列データをsraフォーマットで圧縮/展開するためのツールです。このツールをインストールするとバンドルされている prefetch というコマンドを使ってダウンロードするか、 fastq-dump というコマンドにアクセッシ��ン番号を入力として与えて実行し、該当するデータのFASTQデータを手に入れるというのが一般的なやり方になるかと思います。
sratoolkitのwiki によると、2019-08-19にリリースされた 2.10.0 から既にクラウド対応が実装されており vdb-config コマンドでクラウドアカウントのcredential(認証情報)を設定しなければダウンロードできないとなっています。実際に2.10系のsratoolkitをインストールし、起動すると vdb-config --interactive を実行せよと怒られます。ここで AWS や GCP という設定があり、ここにイグレスチャージを支払うかどうかを設定することができるようです(試してないので実際に設定した場合の挙動はわからない)。
vdb-config --interactive を実行するとこんなんが出てきまして、ハイライトされている文字のキーを押すと切り替えられる。AをタイプするとAWSの設定になります。
上記の方針に移行するのは今夏以降と聞いています。実際のところ、この記事を書いている2020-06-10現在では、"accept charges"をチェックしなくても、たとえば DRR000001 (納豆菌ゲノム)のデータはチャージなしでBQS付きのデータがダウンロードできます。
ところで最新のSRAtoolkitはこの vdb-config --interactive を 手動で 実行しないとツールが実行できないようになっています。自動的に使うようにすると 競合状態が発生する可能性があるため、と説明されていますが、コマンドライン上でnon-interactiveに設定できないのは明らかなソフトウェア設計上のミスといえるでしょう。チームもこれを認識はしているようで、対応予定だとしていますが、現時点(2020-06-10)ではまだ対応されておらず、全世界の人がみな手動でポチポチ対応している模様。90年代かよ。「Dockerコンテナを作って配ろうとしてるけど、コンテナとかやったことなくて慣れてなくてね」とそんな誰も信じないことを言われても。アップデートが来るまでは2.9系を使いましょう。
SRAtoolkitのアップデートはめんどくさいので僕は以前よりDockerコンテナ作ってたんですが、このような理由で今はインタラクティブシェルでしか動かないんですけれども、よろしければぜひ→ github.com/inutano/docker-sra-toolkit, quay.io/inutano/sra-toolkit:v2.10.7
ちなみに、fastq-dump が遅いというかねてよりのクレームを受けてNCBIのチームは fasterq-dump というより高速でfastq変換に特化したツールを作っております。まだ fastq-dump を使っている方は是非アップデートしてくださいね。遅すぎるfastq-dumpに業を煮やしてかつて実装した pfastq-dump というラッパーツール もあるんですが、大きなファイルになると fasterq-dump の方が速いかもしれません(小さいファイルだとそんなに変わらない: 600MBの DRR000001.sra を共に30秒ほどで4000万リードのペアエンドFASTQに展開)。ディスクI/Oが顕著に効くので、圧縮と展開は速いディスクの上でやりましょう。遺伝研スパコンだと計算ノードの /data1 にSSDが刺さっているのでそこで作業すると爆速です。
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