2024年8月8日
南海トラフ地震の想定震源域と今回の震源
南海トラフ地震臨時情報の対象の1都2府26県707市町村はこちら(朝日新聞)
気象庁は8日、初となる「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表した。対象となった1都2府26県707市町村は次の通り。同庁は今後1週間程度、地震や津波への注意を呼び掛けている。(内閣府の資料から)
茨城県 水戸市、日立市、ひたちなか市、鹿嶋市、神栖市、鉾田市、東茨城郡大洗町、那珂郡東海村
千葉県 銚子市、館山市、旭市、勝浦市、鴨川市、富津市、南房総市、匝瑳市、山武市、いすみ市、大網白里市、山武郡九十九里町、同郡横芝光町、長生郡一宮町、同郡長生村、同郡白子町、夷隅郡御宿町、安房郡鋸南町
東京都 大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、八丈町、青ケ島村、小笠原村
神奈川県 横浜市、横須賀市、平塚市、鎌倉市、藤沢市、小田原市、茅ケ崎市、逗子市、三浦市、秦野市、厚木市、伊勢原市、海老名市、座間市、南足柄市、三浦郡葉山町、高座郡寒川町、中郡大磯町、同郡二宮町、足柄上郡中井町、同郡大井町、同郡松田町、同郡山北町、同郡開成町、足柄下郡箱根町、同郡真鶴町、同郡湯河原町
山梨県 甲府市、富士吉田市、都留市、山梨市、大月市、韮崎市、南アルプス市、北杜市、甲斐市、笛吹市、上野原市、甲州市、中央市、西八代郡市川三郷町、南巨摩郡早川町、同郡身延町、同郡南部町、同郡富士川町、中巨摩郡昭和町、南都留郡道志村、同郡西桂町、同郡忍野村、同郡山中湖村、同郡鳴沢村、同郡富士河口湖町
長野県 岡谷市、飯田市、諏訪市、伊那市、駒ケ根市、茅野市、南佐久郡川上村、同郡南牧村、諏訪郡下諏訪町、同郡富士見町、同郡原村、上伊那郡辰野町、同郡箕輪町、同郡飯島町、同郡南箕輪村、同郡中川村、同郡宮田村、下伊那郡松川町、同郡高森町、同郡阿南町、同郡阿智村、同郡平谷村、同郡根羽村、同郡下條村、同郡売木村、同郡天龍村、同郡泰阜村、同郡喬木村、同郡豊丘村、同郡大鹿村、木曽郡上松町、同郡南木曽町、同郡大桑村、同郡木曽町
岐阜県 岐阜市、大垣市、多治見市、関市、中津川市、美濃市、瑞浪市、羽島市、恵那市、美濃加茂市、土岐市、各務原市、可児市、山県市、瑞穂市、本巣市、郡上市、下呂市、海津市、羽島郡岐南町、同郡笠松町、養老郡養老町、不破郡垂井町、同郡関ケ原町、安八郡神戸町、同郡輪之内町、同郡安八町、揖斐郡揖斐川町、同郡大野町、同郡池田町、本巣郡北方町、加茂郡坂祝町、同郡富加町、同郡川辺町、同郡七宗町、同郡八百津町、同郡白川町、同郡東白川村、可児郡御嵩町
静岡県(全域)静岡市、浜松市、沼津市、熱海市、三島市、富士宮市、伊東市、島田市、富士市、磐田市、焼津市、掛川市、藤枝市、御殿場市、袋井市、下田市、裾野市、湖西市、伊豆市、御前崎市、菊川市、伊豆の国市、牧之原市、賀茂郡東伊豆町、同郡河津町、同郡南伊豆町、同郡松崎町、同郡西伊豆町、田方郡函南町、駿東郡清水町、同郡長泉町、同郡小山町、榛原郡吉田町、同郡川根本町、周智郡森町
愛知県(全域)名古屋市、豊橋市、岡崎市、一宮市、瀬戸市、半田市、春日井市、豊川市、津島市、碧南市、刈谷市、豊田市、安城市、西尾市、蒲郡市、犬山市、常滑市、江南市、小牧市、稲沢市、新城市、東海市、大府市、知多市、知立市、尾張旭市、高浜市、岩倉市、豊明市、日進市、田原市、愛西市、清須市、北名古屋市、弥富市、みよし市、あま市、長久手市、愛知郡東郷町、西春日井郡豊山町、丹羽郡大口町、同郡扶桑町、海部郡大治町、同郡蟹江町、同郡飛島村、知多郡阿久比町、同郡東浦町、同郡南知多町、同郡美浜町、同郡武豊町、額田郡幸田町、北設楽郡設楽町、同郡東栄町、同郡豊根村
三重県(全域)津市、四日市市、伊勢市、松阪市、桑名市、鈴鹿市、名張市、尾鷲市、亀山市、鳥羽市、熊野市、いなべ市、志摩市、伊賀市、桑名郡木曽岬町、員弁郡東員町、三重郡菰野町、同郡朝日町、同郡川越町、多気郡多気町、同郡明和町、同郡大台町、度会郡玉城町、同郡度会町、同郡大紀町、同郡南伊勢町、北牟婁郡紀北町、南牟婁郡御浜町、同郡紀宝町
滋賀県(全域)大津市、彦根市、長浜市、近江八幡市、草津市、守山市、栗東市、甲賀市、野洲市、湖南市、高島市、東近江市、米原市、蒲生郡日野町、同郡竜王町、愛知郡愛荘町、犬上郡豊郷町、同郡甲良町、同郡多賀町
京都府 京都市、宇治市、亀岡市、城陽市、向日市、長岡京市、八幡市、京田辺市、南丹市、木津川市、乙訓郡大山崎町、久世郡久御山町、綴喜郡井手町、同郡宇治田原町、相楽郡笠置町、同郡和束町、同郡精華町、同郡南山城村
大阪府 大阪市、堺市、岸和田市、豊中市、池田市、吹田市、泉大津市、高槻市、貝塚市、守口市、枚方市、茨木市、八尾市、泉佐野市、富田林市、寝屋川市、河内長野市、松原市、大東市、和泉市、箕面市、柏原市、羽曳野市、門真市、摂津市、高石市、藤井寺市、東大阪市、泉南市、四條畷市、交野市、大阪狭山市、阪南市、三島郡島本町、豊能郡豊能町、泉北郡忠岡町、泉南郡熊取町、同郡田尻町、同郡岬町、南河内郡太子町、同郡河南町、同郡千早赤阪村
兵庫県 神戸市、姫路市、尼崎市、明石市、西宮市、洲本市、芦屋市、伊丹市、相生市、加古川市、赤穂市、宝塚市、三木市、高砂市、川西市、小野市、加西市、南あわじ市、淡路市、加東市、たつの市、加古郡稲美町、同郡播磨町、揖保郡太子町
奈良県(全域)奈良市、大和高田市、大和郡山市、天理市、橿原市、桜井市、五條市、御所市、生駒市、香芝市、葛城市、宇陀市、山辺郡山添村、生駒郡平群町、同郡三郷町、同郡斑鳩町、同郡安堵町、磯城郡川西町、同郡三宅町、同郡田原本町、宇陀郡曽爾村、同郡御杖村、高市郡高取町、同郡明日香村、北葛城郡上牧町、同郡王寺町、同郡広陵町、同郡河合町、吉野郡吉野町、同郡大淀町、同郡下市町、同郡黒滝村、同郡天川村、同郡野迫川村、同郡十津川村、同郡下北山村、同郡上北山村、同郡川上村、同郡東吉野村
和歌山県(全域)和歌山市、海南市、橋本市、有田市、御坊市、田辺市、新宮市、紀の川市、岩出市、海草郡紀美野町、伊都郡かつらぎ町、同郡九度山町、同郡高野町、有田郡湯浅町、同郡広川町、同郡有田川町、日高郡美浜町、同郡日高町、同郡由良町、同郡印南町、同郡みなべ町、同郡日高川町、西牟婁郡白浜町、同郡上富田町、同郡すさみ町、東牟婁郡那智勝浦町、同郡太地町、同郡古座川町、同郡北山村、同郡串本町
岡山県 岡山市、倉敷市、玉野市、笠岡市、井原市、総社市、備前市、瀬戸内市、赤磐市、浅口市、和気郡和気町、都窪郡早島町、浅口郡里庄町、小田郡矢掛町
広島県 広島市、呉市、竹原市、三原市、尾道市、福山市、府中市、大竹市、東広島市、廿日市市、安芸高田市、江田島市、安芸郡府中町、同郡海田町、同郡熊野町、同郡坂町、豊田郡大崎上島町
山口県 下関市、宇部市、山口市、防府市、下松市、岩国市、光市、柳井市、周南市、山陽小野田市、大島郡周防大島町、玖珂郡和木町、熊毛郡上関町、同郡田布施町、同郡平生町
徳島県(全域)徳島市、鳴門市、小松島市、阿南市、吉野川市、阿波市、美馬市、三好市、勝浦郡勝浦町、同郡上勝町、名東郡佐那河内村、名西郡石井町、同郡神山町、那賀郡那賀町、海部郡牟岐町、同郡美波町、同郡海陽町、板野郡松茂町、同郡北島町、同郡藍住町、同郡板野町、同郡上板町、美馬郡つるぎ町、三好郡東みよし町
香川県(全域)高松市、丸亀市、坂出市、善通寺市、観音寺市、さぬき市、東かがわ市、三豊市、小豆郡土庄町、同郡小豆島町、木田郡三木町、香川郡直島町、綾歌郡宇多津町、同郡綾川町、仲多度郡琴平町、同郡多度津町、同郡まんのう町
愛媛県(全域)松山市、今治市、宇和島市、八幡浜市、新居浜市、西条市、大洲市、伊予市、四国中央市、西予市、東温市、越智郡上島町、上浮穴郡久万高原町、伊予郡松前町、同郡砥部町、喜多郡内子町、西宇和郡伊方町、北宇和郡松野町、同郡鬼北町、南宇和郡愛南町
高知県(全域)高知市、室戸市、安芸市、南国市、土佐市、須崎市、宿毛市、土佐清水市、四万十市、香南市、香美市、安芸郡東洋町、同郡奈半利町、同郡田野町、同郡安田町、同郡北川村、同郡馬路村、同郡芸西村、長岡郡本山町、同郡大豊町、土佐郡土佐町、同郡大川村、吾川郡いの町、同郡仁淀川町、高岡郡中土佐町、同郡佐川町、同郡越知町、同郡梼原町、同郡日高村、同郡津野町、同郡四万十町、幡多郡大月町、同郡三原村、同郡黒潮町
福岡県 北九州市、行橋市、豊前市、京都郡苅田町、築上郡吉富町、同郡築上町
熊本県 宇城市、阿蘇市、天草市、阿蘇郡高森町、上益城郡山都町、球磨郡多良木町、同郡湯前町、同郡水上村、同郡あさぎり町、天草郡苓北町
大分県 大分市、別府市、中津市、佐伯市、臼杵市、津久見市、竹田市、豊後高田市、杵築市、宇佐市、豊後大野市、由布市、国東市、東国東郡姫島村、速見郡日出町、玖珠郡九重町
宮崎県(全域)宮崎市、都城市、延岡市、日南市、小林市、日向市、串間市、西都市、えびの市、北諸県郡三股町、西諸県郡高原町、東諸県郡国富町、同郡綾町、児湯郡高鍋町、同郡新富町、同郡西米良村、同郡木城町、同郡川南町、同郡都農町、東臼杵郡門川町、同郡諸塚村、同郡椎葉村、同郡美郷町、西臼杵郡高千穂町、同郡日之影町、同郡五ケ瀬町
鹿児島県 鹿児島市、鹿屋市、枕崎市、阿久根市、指宿市、西之表市、垂水市、薩摩川内市、日置市、曽於市、霧島市、いちき串木野市、南さつま市、志布志市、奄美市、南九州市、伊佐市、姶良市、鹿児島郡三島村、同郡十島村、薩摩郡さつま町、出水郡長島町、姶良郡湧水町、曽於郡大崎町、肝属郡東串良町、同郡錦江町、同郡南大隅町、同郡肝付町、熊毛郡中種子町、同郡南種子町、同郡屋久島町、大島郡大和村、同郡宇検村、同郡瀬戸内町、同郡龍郷町、同郡喜界町、同郡徳之島町、同郡天城町、同郡伊仙町、同郡和泊町、同郡知名町、同郡与論町
沖縄県 名護市、糸満市、豊見城市、うるま市、宮古島市、南城市、国頭郡国頭村、同郡東村、島尻郡与那原町、同郡渡嘉敷村、同郡座間味村、同郡南大東村、同郡北大東村、同郡伊平屋村、同郡八重瀬町、宮古郡多良間村
猛暑のせい?広島の夏の交通事故、死者数が倍に 警察が注意呼びかけ(朝日新聞)
7月以降に広島県内で起きた交通死亡事故数が、昨年の同時期を大幅に上回っている。県警によると、連日の猛暑による集中力や注意力の欠如が原因の一つと考えられるといい、注意を呼びかけている。
県警交通企画課によると、7月1日~8月4日の交通事故死者数は12人で、昨年同時期の5人から倍以上に増えている。
このうち、バイクや自転車、歩行者の死者数は計9人。日中の事故で亡くなった人は9人で、夜間は3人だった。
同課は、気温が高くなり、運転などに集中できないことが事故につながっている可能性があると分析。運転する場合はこまめに水分補給したり休憩をとったりし、体調に異変を感じる時は運転を控えるなどの対策が必要としている。
担当者は「交通事故を防ぐためにも、熱中症警戒アラートが発せられるような暑い日は不要な外出を控えて」と呼びかけている。
気象庁によると、広島市内では35度以上の猛暑日が8日まで10日間続いている。(遠藤花)
「1990年に天皇の戦争責任を論じ始めたとき不安はなかったか、ですか? なかったと言えばウソになります」=吉本美奈子撮影
(インタビュー)昭和天皇の戦争関与 歴史学者・山田朗さん(朝日新聞)
「昭和天皇は戦争への主体的な関与をしなかった」「最後まで対米英戦を回避しようとした」。こうした昭和天皇像に、実証的な研究を通じて見直しを迫ってきた歴史学者がいる。明治大学教授の山田朗さんだ。「天皇の戦争指導」の実態はどうだったのか。その歴史を直視してこなかった戦後日本社会とは。
――昭和天皇(1901~89)が戦争中にどう行動し、そのことを戦後にどう考えていたのか。実証的に調べる研究を30年以上も続けていますね。
「きっかけは、昭和天皇の健康が悪化した88年から日本社会を覆った『自粛』現象でした」
「天皇が戦争にどうかかわったかについての先行研究はすでにありましたが、私には『昭和天皇には戦争責任がある』という結論ありきの研究に見えました。他方には『戦争責任などない』との意見もあったけれど、どちらも戦争中の実態を踏まえた議論とは思えなかった。史料を踏まえた実証的な研究が必要だと思いました」
――日本が米英に対する戦争を始めたのは41年12月でしたね。「昭和天皇は最後まで日米開戦を避けようとしていた」という話が広く信じられていますが、事実でしょうか。
「違います。41年9月6日に開かれた御前会議の時点までは、確かに天皇は開戦を躊躇していました。しかし側近の日記や軍の記録などから見えてきたのは、そのあと天皇が戦争への覚悟を決めていく姿でした」
「10月には宣戦布告の詔書の作り方を側近に相談しており、11月には軍の説く主戦論に説得されています。最終的には天皇は開戦を決断したのです」
――昭和天皇は戦争に主体的に関与することがなかった、という理解も広がっていますね。
「事実ではありません。大日本帝国憲法では天皇は大元帥、つまり日本軍の総司令官でした。形式的発言をするだけだったというイメージが広がっていますが、記録によれば、大元帥として出席した大本営御前会議では活発に発言しています。軍幹部への質問や注意を通じて作戦に影響を与えていた実態も、史料から見えてきました」
――昭和天皇が具体的に変えた事例を挙げてください。
「42年のガダルカ��ル島(南太平洋ソロモン諸島)攻防戦で、航空部隊を現地へ送るよう天皇は3回にわたって、出撃をしぶる陸軍に督促していました。3度目の督促の翌日、陸軍は派遣を決めています」
「45年の沖縄戦では『現地軍は何故攻勢に出ぬか』と言って、積極的な攻撃に出るよう要求しました。現地軍は持久戦でいくと決めていたのですが、天皇の意思が現地まで伝わったため中途半端な攻勢が行われ、無用な出血につながりました」
「天皇の言葉が作戦を左右する影響を与えた事例は、満州事変から敗戦までの間に少なくとも17件確認できます。国家意思に影響を与えていた形です」
――作戦指導だけにとどまらず「戦争指導」も行っていたと著書で主張していますね。
「ええ。戦争指導は単なる軍事作戦指導とは異なり、外交などの政治戦略と軍事作戦を束ねた、より高次の指導です」
「昭和天皇は43年のソロモン諸島などの攻防で、戦い方が消極的だと侍従武官長を厳しく叱責し、こんなことでは敵国の士気が上がって第三国にも動揺が広がってしまうと言って積極攻勢を求めました。国際情勢をにらんだ上で国家としてどう作戦を立てるかという戦争指導の領域にこのとき昭和天皇は立ち入っていたと、私は思います」
――昭和天皇はなぜ作戦指導や戦争指導をしたのでしょう。
「大日本帝国という国家の抱えていた構造的な問題が背景にあってのことだったと思います。天皇を好戦的な指導者だったとみなすのは間違いです」
――構造的な問題とは?
「ガダルカナル戦で天皇が指導に踏み込んだのは、どちらが航空機を出すかでもめていた陸軍と海軍の対立を解くためでした。大日本帝国では陸軍も海軍も天皇に直属していて、両者を統合して指揮する統合幕僚長のような指導役が不在でした。陸・海軍の対立を調整できるのは当時、天皇だけだったのです」
「軍事戦略と外交戦略の双方を統括しえたのも天皇だけでした。軍の最高指揮権にあたる『統帥権』は天皇にあり、統帥権は行政から独立していました。首相ですら軍事行動の詳細を知ることはできない構造です。外交や予算をつかさどる行政が軍部と分立していた中で、両者を架橋しえたのは実質的に天皇だけだったのです」
――「昭和天皇は戦争指導をしたのか否か」と問う以前に、「そもそも戦争指導をできる指導者は当時いたのだろうか」と考えさせられる話です。
「ええ。戦況の悪化に直面したことで昭和天皇は大日本帝国が抱えた構造的欠陥の深刻さに気づき、自らが動くしかないと考えた可能性があります。陸軍と海軍が持つそれぞれの経験値では解決できない事態があり、政治が軍事を制御できる仕組みも見当たらない。そんな状況下での戦争指導だったのです」
――昭和天皇に戦争責任はあった、と主張していますね。
「実態を踏まえれば、昭和天皇には戦争責任があったと考えるべきだと思います。あれだけの悲惨な結果を招いた戦争において、大日本帝国の軍事と政治の双方を統括できる国家指導者だったのであり、すべての重要な政策決定の場にいたのですから、およそ責任がなかったと言えるものではありません」
――連合国が戦後に日本の戦争指導者を裁いた東京裁判(極東国際軍事裁判)で、昭和天皇は訴追されませんでした。米国が占領統治のコストを下げるために見送ったとされます。
「裁判が始まる前から日本国内では、昭和天皇は平和主義者であって戦争責任を問われるべき人物ではないとのイメージづくりが、政府などによって進められました。天皇を守るためだったと語られがちですが、それだけではなかったと思います」
「戦争は陸軍の強硬派が進めたものであって天皇には止める権限がなかったというストーリーをつくることで、海軍主流派や外務省・内務省の官僚らは自らを『天皇の側にいた者』とし、責任追及を回避できました。その人たちが戦後日本の権力を担っていったのです。このシナリオを最終的に追認したのが米国主導の東京裁判でした」
――その歴史は現在に何か影響を与えているでしょうか。
「責任をとるべき人がとっていないという巨大な前例が今も生き続けています。宮内庁が編纂して今から10年前に公開された『昭和天皇実録』も、天皇は平和主義者だったというイメージを強化する内容でした」
――ウクライナ侵攻などが起きた影響もあって、今、日本政府はかつてない規模での防衛力増強に乗り出しています。
「戦争期の近代日本史が教えるのは、軍を政治的にコントロールすることの難しさです。軍事は軍事の専門家だけが理解できるものだという論理のもと、閉じられたサークルの中で『自己展開』していってしまう傾向が、軍事にはあるからです」
「昭和戦前期と違って今は一応、行政府が外交も安全保障もあわせて統括できる体制には変わっています。しかし、国民の代表である国会のチェックが安全保障政策に反映されているかといえば、答えはノーです」
――5年前に公開された新史料「拝謁記」に注目するよう訴えていますね。なぜですか。
「昭和天皇があの戦争のことを『戦後に』どう考えていたのかを、今までにない生々しさで伝えている史料だからです。拝謁記���は、初代宮内庁長官だった田島道治が昭和天皇の戦後の肉声を記録したものです」
――何が分かったのですか。
「昭和天皇の中で戦後、『誰がどうやっても戦争の流れを止められなかった』という考えが次第に強まっていった事実です。田島の耳に最後には言い訳だと聞こえてきたほどでした」
「陸軍が戦争の牽引者だったのは事実です。しかし昭和天皇はブレーキの壊れたジェットコースターの単なる乗客だったのではなく、操縦する側でした。ブレーキが壊れていたわけでもなく、実際、天皇の聖断という形で戦争は終わっています」
――その歴史からどんな教訓をくみとるべきでしょう。
「戦前は天皇が国家の主権者でした。その主権者が戦後、『自分にはどうしようもなかった』という考えに至っていた。現在の日本では国民が主権者です。再び戦禍に見舞われたあとで『自分にはどうしようもなかった』という総括をまた繰り返すのか。主権者としての選択が問われていると思います」(聞き手 編集委員・塩倉裕)
やまだあきら 1956年生まれ。専門は日本近現代史。軍事史や天皇制論に詳しい。著書に「大元帥 昭和天皇」(94年)、「昭和天皇の戦争認識」(2023年)など。
3 notes
·
View notes
Episode 11 : Tsuzumi Mansion / 第十一話『鼓の屋敷(Tsuzumino Yashiki)』
*Green-colored words are only in anime, not in original manga, and we usually call them “ani-ori(anime-original)".
鎹鴉の天王寺松右衛門「南南東、次ノオ場所ハァ南南東!!」
Tennoji-Matsuemon (Kasugai-Garasu) “Nan-nan-to, tsugino bashowa nan-nan-to!!”
Matsuemon Tennoji(Kasugai Crow) “South-southeast! Your next location is south-southeast!”
竈門炭治郎「わかった!! わかったから、もう少し黙っててくれ。頼む、もうわかったから、頼むよ~」
Kamado Tanjiro “Wakatta!! Wakatta-kara, mo sukoshi damattete-kure. Tanomu, mo wakatta-kara, tanomuyooo.”
Tanjiro Kamado “I heard you! I heard, so give me a break and quiet down! I’m begging you! I got the message, so please!”
我妻善逸「頼むよ!!」
Agatsuma Zen’itsu “Tanomuyo!!”
Zenitsu Agatsuma “Please!”
炭治郎「え?」
Tanjiro “E?”
善逸「頼む頼む頼む…結婚してくれ~!いつ死ぬかわからないんだ俺は!! だから結婚してほしいというわけで!! 頼む!頼むよォ~!」
Zen’itsu “Tanomu, tanomu, tanomu… Kekkon shite-kureee! Itsu shinuka wakaranainda orewa!! Dakara kekkon shite hoshiito iu wakede!! Tanomu! Tanomuyoooo!”
Zenitsu “Please! Please! Please! Please marry me! I could die any day, you know! That’s why I want you to marry me! So please! Please, I’m begging you!”
炭治郎「な…なんなんだ、一体…」
Tanjiro “Na… Nan-nanda, ittai…”
Tanjiro “Wh-What’s up with that? What on earth?”
チュン太郎「チュン、チュン、チュン…」
Chuntaro “Chun, chun, chun…”
炭治郎「おっと」
Tanjiro “Otto.”
Tanjiro “Hey.”
チュン太郎「チュンチュン…チュンチュン!チュン…」
Chuntaro “Chun, chun… Chun, Chun! Chun…”
炭治郎「ええっ?」
Tanjiro “Ee?”
チュン太郎「チュンチュン…」
Chuntaro “Chun, chun…”
――――――――――――――――――――――――――――――
チュン太郎「チュン、チュン、チュン…」
Chuntaro “Chun, chun, chun…”
善逸「頼むよ!俺には君しか…君しかいないんだ!」
Zen’itsu “Tanomuyo! Ore-niwa kimi-shika…kimi-shika inainda!”
Zenitsu “I’m begging you! There’s no one else! You’re all that I have!”
チュン太郎「チュン、チュン…」
Chuntaro “Chun, chun…”
炭治郎「うん、うん。そうか、わかった!何とかするから!」
Tanjiro “Un, un. Soka, wakatta! Nantoka suru-kara!”
Tanjiro “I see! Gotcha! I’ll do something about it!”
チュン太郎「チュン!」
Chuntaro “Chun!”
善逸「助けてくれ~、結婚してくれ~、お願―」
Zen’itsu “Tasukete-kureee, kekkon shite-kureee, onega―”
Zenitsu “Please help me! Please marry me! I’m begging―”
炭治郎「何やってるんだ、道の真ん中で!その子は嫌がっているだろう!! そして雀を困らせるな!!」
Tanjiro “Nani yatte-runda, michino mannakade! Sono kowa iyagatte-irudaro!! Soshite suzumeo komara-seruna!!”
Tanjiro “What do you think you’re doing right in the middle of the road? Can’t you see she wants no part of you? And don’t go making trouble for your sparrow, either!”
善逸「あっ、隊服!お前は最終選別の時の…」
Zen’itsu “A, tai-fuku! Omaewa Saishu-Senbetsuno tokino…”
Zenitsu “That uniform! You’re that guy from Final Selection!”
炭治郎「お前みたいな奴は知人に存在しない!知らん!!」
Tanjiro “Omae-mitaina yatsuwa chijinni sonzai shinai! Shiran!!”
Tanjiro “No one I know is anything like you! I don’t know you!”
善逸「え―――っ!! 会っただろうが!会っただろうが!お前の問題だよ!記憶力のさ!」
Zen’itsu “Eeeeeeeee!! Atta-daroga! Atta-daroga! Omaeno mondai-dayo! Kioku-ryoku-nosa!”
Zenitsu “But we met, remember? We met, remember? You’re the one with the problem! Like your memory!”
炭治郎「さぁ、もう大丈夫です。安心して家へ帰ってください」
Tanjiro “Saa, mo daijobu desu. Anshin-shite ie’e kaette kudasai.”
Tanjiro “All right, it’s been take care of. You can head home now without any worries.”
女の子「はい、ありがとうございます」
Onna-no-ko “Hai, arigato gozaimasu.”
Girl “I will. Thank you very much!”
善逸「おい―――っ!! お前、邪魔すんじゃねぇよ!その子は俺と結婚するんだ!俺のことが好きなんだから…おっ、ぶえ~っ!」
Zen’itsu “Oiiiiiiiii!! Omae, jama-sunja neeyo! Sono kowa oreto kekkon surunda! Oreno kotoga sukinan-dakara… O, Bueee!”
Zenitsu “Hey! Stay out of my way! That girl is going to marry me! Because she’s in love with me, all ri―”
善逸「あっ、痛い…痛いよ!やめ…やめて、痛い痛い…」
Zen’itsu “A, itai…itaiyo! Yame…Yamete, itai, itai…”
Zenitsu “Hey! Ouch! That hurts! Stop it! Stop it! Ouch! Ouch! Ouch!”
炭治郎「おっ、落ち着いて!」
Tanjiro “O, ochi-tsuite!”
Tanjiro “H-Hey, calm down!”
善逸「うわぁぁん!」
Zen’itsu “Uwaaan!”
女の子「いつ私があなたを好きだと言いましたか!! 具合が悪そうに道端で蹲(うずくま)っていたから、声をかけただけでしょう!!」
Onna-no-ko “Itsu watashiga anatao suki-dato iimashitaka!! Guaiga waru-soni michi-batade uzukumatte-itakara, koeo kaketa-dake-desho!!”
Girl “When did I ever tell you that I love you? You were crumpled up on the side of the road looking ill, and all I did was speak to you!”
善逸「えっ、ええ~っ!俺のこと好きだから、心配して声かけてくれたんじゃないの~?!」
Zen’itsu “E, eeee! Oreno koto suki-dakara, shinpai-shite koe kakete kuretanja nainooo?!”
Zenitsu “You mean you didn’t reach out to me out of love because you were worried?”
女の子「私には結婚を約束した人がいますので、絶対ありえません!それだけ元気なら大丈夫ですね!さようなら!!」
Onna-no-ko “Watashi-niwa kekkon’o yakusoku-shita hitoga imasu-node, zettai arie-masen! Sore-dake genki-nara daijobu desune! Sayonara!!”
Girl “I already have a fiancé, so not on your life! With all that energy, you must be fine now, right? Goodbye!”
善逸「あっ、ま…待って。待っ…」
Zen’itsu “A, ma…matte. Ma…”
Zenitsu “W-Wait, come back! Come…”
炭治郎「お前、もうやめろ」
Tanjiro “Omae, mo yamero.”
Tanjiro “Look, cut it out!”
善逸「何で邪魔するんだ、お前には関係ないだろ!…何だよ、そ��顔!」
Zen’itsu “Nande jama surunda. Omae-niwa kankei naidaro! …Nan-dayo, sono kao!”
Zenitsu “Wh-Why’d you get in my way? This has nothing to do with you! What’s with that look on your face?”
善逸「やめろ――っ!! 何でそんな別の生き物を見るような目で俺を見てんだ~!お前、責任とれよ!! お前のせいで結婚できなかったんだから!」
Zen’itsu “Yamerooooo!! Nande sonna betsuno ikimono’o miru-yona mede oreo mitendaaa! Omae sekinin toreyo!! Omaeno seide kekkon deki-nakattan-dakara!”
Zenitsu “Stop that! Why are you staring at me like I’m a creature or something? Hey you! You’re responsible for it! Since it’s your fault that I missed out on getting married!”
善逸「何か喋れよ!! いいか、俺はもうすぐ死ぬ!! 次の仕事でだ!! 俺はな!もの凄く弱いんだぜ、舐めるなよ!俺が結婚できるまで、お前は俺を守れよな!」
Zen’itsu “Nanika shabereyo!! Iika, orewa mo-sugu shinu!! Tsugino shigoto-deda!! Ore-wana! Mono-sugoku yowain-daze, nameru-nayo! Orega kekkon dekiru-made, omaewa oreo mamore-yona!”
Zenitsu “Jeez, say something! Listen up! I’m going to die soon! During my next job! The thing is, I’m horribly weak, okay? I’m not kidding! You gotta protect me until I manage to get married, all right?”
炭治郎「俺の名は竈門炭治郎だ!!」
Tanjiro “Oreno nawa Kamado Tanjiroda!!”
Tanjiro “My name is Tanjiro Kamado!”
善逸「そうかい!! ごめんなさいね!俺は我妻善逸だよ!助けてくれよ、炭治郎~!」
Zen’itsu “So-kai!! Gomen-nasaine! Orewa Agatsuma Zen’itsu dayo! Tasukete kureyo, Tanjirooo!”
Zenitsu “Is that right? My apologies! I’m Zenitsu Agatsuma! Please save me, Tanjiro!”
炭治郎「助けてくれって何だ?なんで善逸は剣士になったんだ?なんでそんなに恥をさらすんだ!」
Tanjiro “Tasukete kurette nanda? Nande Zen’itsuwa kenshini nattanda? Nande sonnani hajio sarasunda!”
Tanjiro “What do you mean, save you? What was your reason for becoming a swordsman, Zenitsu? Why are you being so blatantly shameless?”
善逸「言い方ひどいだろ!女に騙されて借金したんだよ!借金を肩代わりしてくれたジジイが‘育手’だったの!!」
Zen’itsu “Iikata hidoi-daro! Onnani damasarete shakkin shitan-dayo! Shakkin’o kata-gawari shite-kureta jijiiga ‘sodate’ dattano!!”
Zenitsu “That’s a harsh way to put it! I got swindled by a woman and racked up all this debt! The old geezer who took it over for me was a cultivator!”
善逸「毎日毎日、地獄の鍛錬だよ!死んだ方がマシだってくらいの!最終選別で死ねると思ったのにさ!! 運良く生き残るから、いまだに地獄の日々だぜ!あ――怖い怖い怖い怖い!」
Zen’itsu “Mai-nichi mai-nichi, jigokuno tanren dayo! Shinda-hoga mashitte kuraino! Saishu-Senbetsude shineruto omotta-nonisa!! Un-yoku iki-nokoru-kara, imadani jigokuno hibi daze! Aaaaa, kowai kowai kowai kowai!”
Zenitsu “Day after day, I had to go through hellish training! It was so bad that I thought I’d be better off dead! I was hoping I could die during Final Selection! But since I was lucky enough to survive, I’m still going through hell every day! I’m so scared! Scared! Scared! Scared!”
善逸「きっともうすぐ鬼に喰われて死ぬんだ!生きたまま耳から脳髄を吸われて~!イィヤァアア――ッ!! いやぁあああ!助けてェ―――ッ!!」
Zen’itsu “Kitto mo-sugu onini kuwarete shinunda! Ikita-mama mimi-kara nozui’o suwareteee! Iiyaaaaaaaaa!! Iyaaaaa! Tasuketeeeeeeee!!”
Zenitsu “I just know that I’m gonna get devoured and killed soon by a demon! My brains are gonna get sucked through my ears while I’m still alive! No! No! Please save me!”
炭治郎「どうしたんだ、大丈夫か?」
Tanjiro “Do-shitanda, daijobuka?”
Tanjiro “What’s the matter? Are you okay?”
善逸「ヒィ――ッ、ヒィ――ッ」
Zen’itsu “Hiiiii, hiiiii…”
チュン太郎「チュン、チュンチュン」
Chuntaro “Chun, chun chun.”
鎹鴉の天王寺松右衛門「カア~」
Tennoji Matsuemon (Kasugai-Garasu) “Kaaa.”
―――――――――――――――――――――――――――――――
炭治郎「どうだ?」
Tanjiro “Doda?”
Tanjiro “How are you?”
善逸「うん…落ち着いたら腹減ってきた」
Zen’itsu “Un… Ochi-tsuitara hara hette-kita.”
Zenitsu “Yeah. Now that I’m calmer, I’m getting hungry.”
炭治郎「何か食べるもの持ってないのか?」
Tanjiro “Nanika taberu mono motte-nainoka?
Tanjiro “Don’t you have any food on you?”
善逸「ない…」
Zen’itsu “Nai…”
Zenitsu “Nope.”
炭治郎「ほら、これ、食べるか?」
Tanjiro “Hora, kore taberuka?”
Tanjiro “Here, take this. Would you like to eat it?”
善逸「ああ、ありがとう。ん?炭治郎は食わないのか?」
Zen’itsu “Aa, arigato. N? Tanjirowa kuwanai-noka?”
Zenitsu “Hey, thanks. You’re not eating, Tanjiro?”
炭治郎「うん。それしかないから」
Tanjiro “Un. Sore-shika nai-kara.”
Tanjiro “No, since that’s all I’ve got.”
善逸「ほら、半分食えよ」
Zen’itsu “Hora, hanbun kueyo.”
Zenitsu “Here. You eat half.”
炭治郎「えっ、いいのか?ありがとう」
Tanjiro “E, iinoka? Arigato.”
Tanjiro “You sure? Thanks!”
炭治郎「鬼が怖いっていう善逸の気持ちもわかるが、雀を困らせたらダメだ」
Tanjiro “Oniga kowaitte-iu Zen’itsuno kimochimo wakaruga, suzumeo komarase-tara dameda.”
Tanjiro “I know what you mean when you say you’re scared of demons, but you can’t make trouble for your sparrow.”
善逸「えっ、困ってた?雀?なんでわかるんだ?」
Zen’itsu “E, komatteta? Suzume? Nande wakarunda?”
Zenitsu “Was it distressed? The sparrow? How can you tell?”
炭治郎「いや…善逸がずっとそんなふうで仕事に行きたがらないし、女の子にすぐちょっかい出す上に、イビキもうるさくて困ってるって…言ってるぞ」
Tanjiro “Iya… Zen’itsuga zutto sonna-fude shigotoni ikita-gara-naishi, on’nanokoni sugu chokkai dasu ueni, ibikimo urusakute komatterutte… itteruzo.”
Tanjiro “Well, he says that you’re always whining about not wanting to got to work, and you’re always hitting on girls, and that you snore so loud, he’s had it! So he says.”
チュン太郎「チュン!」
Chuntaro “Chun!”
善逸「言ってんの?! 鳥の言葉がわかるのかよ?!」
Zen’itsu “Ittenno?! Torino kotobaga wakaruno-kayo?!”
Zenitsu “He’s saying that?! You can understand bird language?”
炭治郎「うん」
Tanjiro “Un.”
善逸「嘘だろ?! 俺を騙そうとしてるだろ!」
Zen’itsu “Uso daro?! Oreo damasoto shiteru-daro!”
Zenitsu “You’re lying, right? You’re just trying to trick me!”
鎹鴉の天王寺松衛門「カァァ!! 駆ケ足!! 駆ケ足!! 炭治郎、善逸、走レ!! 共に向カエ、次ノ場所マデ!! 走レ!走レ、炭治郎、善逸!」
Tennoji Matsuemon (Kasugai-Garasu) “Kaaa!! Kake-ashi!! Kake-ashi!! Tanjiro, Zen’itsu, hashire!! Tomoni mukae, tsugino basho-made!! Hashire! Hashire, Tanjiro, Zen’itsu!”
Matsuemon Tennoji (Kasugai Crow) “Start running! Start running! Tanjiro, Zenitsu, run! Both of you head over to your next destination! Run! Run, Tanjiro, Zenitsu!”
善逸「ギャ―――――ッ!カラスが喋ってる!」
Zen’itsu “Gyaaaaaaaaaaa! Karasuga shabetteru!”
Zenitsu “That crow is talking!”
―――――――――――――――――――――――――――――――
善逸「なあ炭治郎、やっぱり俺じゃ無理だよ。俺がいたって何の役にも立てないしさ…」
Zen’itsu “Naa Tanjiro, yappari oreja muri dayo. Orega itatte nanno yaku-nimo tatenai-shisa…”
Zenitsu “Hey, Tanjiro, on second thought, I’m not gonna make it. Even if I go along, I’m gonna be totally useless.”
炭治郎(鬼の匂いが少しずつ強くなってる。この��に何かある… あれは��)
Tanjiro (Onino nioiga sukoshi-zutsu tsuyoku natteru. Kono sakini nanika aru… Arewa?)
Tanjiro (The demon scent is getting stronger little by little. There’s something up ahead. What’s that?)
炭治郎「血の匂いがする… でも、この匂いは…」
Tanjiro “Chino nioiga suru… Demo, kono nioiwa…”
Tanjiro “I can smell blood. But this particular scent…”
善逸「えっ?何か匂いする?」
Zen’itsu “E? Nanika nioi suru?”
Zenitsu “You smell something?”
炭治郎「ちょっと今まで嗅いだことない…」
Tanjiro “Chotto ima-made kaida koto nai…”
Tanjiro “Something I’ve never smelled before.”
善逸「それより何か音がしないか?あと、やっぱ俺たち共同で仕事するのかな?」
Zen’itsu “Sore-yori nanika otoga shinaika? Ato, yappa ore-tachi kyodode shigoto suruno-kana?”
Zenitsu “I don’t know about that, but do you hear that sound? Also, are you and I gonna work together, after all?”
炭治郎「音?あっ!」
Tanjiro “Oto? A!”
Tanjiro “Sound?”
善逸「こっ、子供だ…」
Zen’itsu “Ko, Kodomoda…”
Zenitsu “K-Kids…”
炭治郎「どうしたんだろう…」
Tanjiro “Doshitan-daro…”
Tanjiro “I wonder what’s wrong.”
炭治郎「君たち、こんな所で何してるんだ?」
Tanjiro “Kimi-tachi, konna tokorode nani shiterunda?”
Tanjiro “Hey, guys, what are you doing here?”
正一「あっ…」
Shoichi “A…”
炭治郎(かなり怯えているな…)
Tanjiro (Kanari obiete-iruna…)
Tanjiro (They seem really spooked.)
炭治郎「よ~し、じゃあ兄ちゃんがいいものを見せてあげよう!じゃじゃ―――ん!手乗り雀だ!!」
Tanjiro “Yoooshi, jaa niichanga ii mono’o misete-ageyo! Jajaaaaaaan! Tenori-suzumeda!”
Tanjiro “Okay, wanna see something cool? Ta-da! It’s a tame sparrow!”
チュン太郎「チュン、チュン」
Chuntaro “Chun, chun.”
炭治郎「な?可愛いだろ?」
Tanjiro “Na? Kawaii-daro?”
Tanjiro “See? Isn’t he cute?”
チュン太郎「チュン!」
Chuntaro “Chun!”
炭治郎「教えてくれ。何かあったのか?ここは二人の家?」
Tanjiro “Oshiete-kure. Nanika atta-noka? Kokowa futarino ie?”
Tanjiro “Please tell me. Did something happen? Is this your house?”
正一「違う…違う…こ…ここは…ば…化け物の…家だ…」
Shoichi “Chigau…chigau…Ko…Kokowa…ba…bakemonono…ieda…”
Shoichi “No. No, it’s not. This… This is… A-A monster’s…house!”
正一「兄ちゃんが連れて行かれた…夜道を歩いていたら、見たこともない化け物が現れて…俺たちには目もくれないで、兄ちゃんだけ…」
Shoichi “Niichanga tsurete-ikareta… Yomichio aruite-itara, mitakotomo nai bakemonoga arawarete… Ore-tachi-niwa memo kurenaide, niichan-dake…”
Shoichi “Our big brother got taken away. When we were walking down the road at night, this monster we’d never seen before showed up. It didn’t give us a glance. Just our brother.”
炭治郎「あの家に入ったんだな?」
Tanjiro “Ano ieni haittan-dana?”
Tanjiro “And they went inside that house, right?”
正一「うん、うん…」
Shoichi “Un, un…”
Shoichi “Yeah. Yeah.”
炭治郎「二人で後をつけたのか?えらいぞ、頑張ったな」
Tanjiro “Futaride ato’o tsuketa-noka? Eraizo, ganbattana.”
Tanjiro “Did you two follow them here? You did good! Great job!”
正一「兄ちゃんの血の痕を辿ったんだ。怪我したから…」
Shoichi “Niichanno chino ato’o tadottanda. Kega shita-kara…”
Shoichi “We followed the traces of his blood. Because he got hurt!”
炭治郎(怪我…)「大丈夫だ。俺たちが悪い奴を倒して、兄ちゃんを助ける」
Tanjiro (Kega…) “Daijobuda. Ore-tachiga warui yatsuo taoshite, niichan’o tasukeru.”
Tanjiro (Hurt…) “Don’t worry! We’re going to defeat the bad guy and rescue your brother!”
てる子「ほんと?ほんとに…?」
Teruko “Honto? Hontoni…?”
Teruko “Really? You really will?”
炭治郎「うん、きっと…」
Tanjiro “Un, kitto…”
Tanjiro “Yeah. For sure!”
善逸「炭治郎。なぁ、この音何なんだ?気持ち悪い音…ずっと聞こえる。鼓か?これ…」
Zen’itsu “Tanjiro. Naa, kono oto nan-nanda? Kimochi-warui oto… Zutto kikoeru. Tsuzumika? Kore…”
Zenitsu “Tanjiro… Hey, what is this sound? This creepy sound never stops. Is it a tsuzumi?”
炭治郎「音?音なんて…」
Tanjiro “Oto? Oto nante…”
Tanjiro “Sound? I don’t hear any.”
炭治郎「見るな!! 大丈夫ですか?! 大丈夫ですか!しっかり!」
Tanjiro “Miruna!! Daijobu desuka?! Daijobu desuka! Shikkari!”
Tanjiro “Don’t look! Are you all right? Are you all right? Stay with me!”
炭治郎(傷が深い。これは…)
Tanjiro (Kizuga fukai. Korewa…)
Tanjiro (The wound is so deep. Is this…)
男「出ら…せっかく…出られ…たのに…外に…出られたのに…死ぬ…のか…俺…死ぬのか…」
Otoko “Dera…sekkaku…derare…tanoni… Sotoni…derareta-noni…shinu…noka…ore…shinunoka…”
Man “Even though… I got out… Even though I made it out… Made it outside. Still… Am I gonna die? Am I still gonna die?”
炭治郎(ああ、死んでしまった…痛かっただろう…苦しかったろう…)
Tanjiro (Aa, shinde-shimatta… Itakatta-daro… Kurushi-kattaro…)
Tanjiro (And now he’s gone… It must’ve hurt a lot. You must’ve suffered.)
善逸「炭治郎、もしかして、その人…この子たちの…」
Zen’itsu “Tanjiro, moshika-shite, sono hito…kono-ko-tachino…”
Zenitsu “Tanjiro, by any chance, is that guy these kids’…”
―――――――――――――――――――――――――――――――
炭治郎(助けられなかった…。俺たちがもう少し早く来てれば、助けられたかもしれないのに…)
Tanjiro (Tasuke-rare-nakatta… Ore-tachiga mo sukoshi hayaku kitereba, tasuke-rareta-kamo shirenai-noni…)
Tanjiro (We couldn’t save him. If only we’d gotten here a little sooner, we might’ve managed to save him.)
炭治郎「ねぇ、この人は君たちの…」
Tanjiro “Nee, kono hitowa kimi-tachino…”
Tanjiro “Hey, is this man your…”
正一「兄ちゃんじゃない…兄ちゃんは柿色の着物を着てる」
Shoichi “Niichanja nai… Niichanwa kaki-irono kimono’o kiteru.”
Shoichi “I-It’s not Brother. Brother’s wearing a persimmon-colored kimono.”
炭治郎(そうか。何人も捕まっていたんだ。戻ってきたら、必ず埋葬します…すみません、すみません…)
Tanjiro (Soka. Nanninmo tsukamatte-itanda. Modotte-kitara kanarazu maiso shimasu… Sumimasen, sumimasen…)
Tanjiro (I see. So, it’s captured more than one person. I promise to bury you when I return. Forgive me. Forgive me.)
炭治郎「よし、善逸!! 行こう」
Tanjiro “Yoshi, Zen’itsu!! Iko.”
Tanjiro “All right. Zenitsu, come on!”
炭治郎「でも、今助けられるのは、俺と善逸だけだ」
Tanjiro “Demo, ima tasuke-rareru-nowa, oreto Zen’itsu dakeda.”
Tanjiro “But no one else can help them now but you and me.”
善逸「ヒイイ…」
Zen’itsu “Hii…”
炭治郎「そうか、わかった」
Tanjiro “Soka, wakatta.”
Tanjiro “Really? All right, then.”
善逸「ヒッ!ヒャ―――ッ!何だよォ――!! なんでそんな般若みたいな顔すんだよォ――ッ、行くよォ――ッ!」
Zen’itsu “Hi! Hyaaaaaaa! Nandayoooooo!! Nande sonna hannya mitaina kao sundayooooo, ikuyoooooo!”
Zenitsu “Hey, come on! Why are you making that ogre face at me? Okay, I’ll go!”
炭治郎「無理強いするつもりはない」
Tanjiro “Murijii suru tsumoriwa nai.”
Tanjiro “I have no intension of forcing you to.”
善逸「行くよォ―――ッ!」
Zen’itsu “Ikuyoooooooo!”
Zenitsu “I said I’ll go!”
炭治郎「もしもの時のために、この箱を置いていく。何かあっても、二人を守ってくれるから。じゃあ、行ってくる」
Tanjiro “Moshimono tokino tameni, kono hako’o oite-iku. Nanika attemo, futario mamotte-kureru-kara. Jaa, itte-kuru.”
Tanjiro “In case of an emergency, I’m leaving this box behind. Even if something happens, you two will be protected. Okay, we’re going now.”
善逸「炭治郎… なぁ炭治郎。守ってくれるよな?俺を守ってくれるよな?」
Zen’itsu “Tanjiro… Naa Tanjiro. Mamotte kureru-yona? Oreo mamotte-kureru-yona?”
Zenitsu “Tanjiro! Hey, Tanjiro! You’ll protect me, right? You’ll protect me, right?”
炭治郎「善逸。ちょっと申し訳ないが、前の戦いで俺は、肋(あばら)と脚が折れている。そしてまだそれが完治していない。だから…」
Tanjiro “Zen’itsu. Chotto moshiwake-naiga, maeno tatakaide orewa, abarato ashiga orete-iru. Soshite mada sorega kanchi shite-inai. Dakara…”
Tanjiro “Zenitsu, I hate to put you on the spot, but…I’ve got a broken rib and leg from my previous battle. And neither are fully healed yet. So―”
善逸「えっ?えええ―――ッ!何折ってんだよ骨!折るんじゃないよ骨!折れてる炭治郎じゃ俺を守りきれないぜ!ししし死んじまうぞ!ヒャッ!どうすんだどうすんだ?死ぬよこれ!死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ…ヒィ――ッ!骨折してるなんて酷い、あんまりだぞ!死んだよ俺!! 九分九厘死んだ!死ぬ死ぬ死ぬ…」
Zen’itsu “E? Eeeeeeeee! Nani otten-dayo hone! Orunjan aiyo hone! Oreteru Tanjiroja oreo mamori-kirenaize! Shishishi, shinjimauzo! Hya! Dosunda dosunda? Shinuyo kore! Shinu shinu shinu shinu… Hiiiiii! Kossetsu shiteru-nante hidoi, anmari-dazo! Shindayo ore!! Kubu-kurin shinda! Shinu shinu shinu…”
Zenitsu “What do you mean, broken bones? Don’t go breaking any bones one me! If you’ve got fractures, you can’t possibly protect me! I-I-I’m gonna die! What am I gonna do? What am I gonna do? I’m gonna die now! Gonna die, gonna die, gonna die! Broken bones? How could you? I’m a dead man now! 99.9% dead! I’m dead! I’m dead! I’m dead!”
炭治郎「善逸、静かにするんだ。お前は大丈夫だ」
Tanjiro “Zen’itsu, shizukani surunda. Omaewa daijobuda.��
Tanjiro “Zenitsu, quiet down! You’ll be all right.”
善逸「気休めはよせよォ――ッ!!」
Zen’itsu “Kiyasumewa yoseyoooooo!!”
Zenitsu “Don’t sugarcoat it!”
炭治郎「違うんだ。俺にはわかる。善逸は…あっ…」
Tanjiro “Chigaunda. Ore-niwa wakaru. Zen’itsuwa… A…”
Zenitsu “I’m not! I can tell, all right? Zenitsu, you’re―”
炭治郎「駄目だ!!」
Tanjiro “Dameda!!”
Tanjiro “No good!”
善逸「ギャ――――――ッ!!」
Zen’itsu “Gyaaaaaaaaaaaaa!!”
炭治郎「入ってきたら駄目だ!!」
Tanjiro “Haitte-kitara dameda!!”
Tanjiro “You shouldn’t be here!”
正一「お…お兄ちゃん、あの箱カリカリ音がして…」
Shoichi “O…Oniichan, ano hako kari-kari otoga shite…”
Shoichi “M-Mister, we heard scratching sounds from inside that box!”
炭治郎「だっ…!! だからって置いて来られたら切ないぞ。あれは俺の命よりも大切なものなのに…」
Tanjiro “Da…!! Dakaratte oite-koraretara setsunaizo. Arewa oreno inochi-yorimo taisetsuna mono nanoni…”
Tanjiro “E-Even still, it pains me that you left it behind! I mean, it’s more precious to me than my own life!”
善逸「キャアアア!あっ、ごめん…尻が」
Zen’itsu “Kyaaaa! A, gomen…shiriga…”
Zenitsu “Sorry! My butt…”
炭治郎(ハッ!…部屋が変わった!! いや、俺たちが移動したのか?鼓の音に合わせて)
Tanjiro (Ha! …Heyaga kawatta!! Iya, ore-tachiga ido shita-noka? Tsuzumino otoni awasete.)
Tanjiro (…It’s a different room. No. Were we the ones that moved? To the beat of that tsuzumi?)
てる子「うっ、うう…」
Teruko “U, Uu…”
炭治郎「お兄ちゃんと離れ離れにしてごめんな。でも必ず守るから。お兄ちゃんのことも、善逸が守るよ。大丈夫。名前は?」
Tanjiro “Oniichanto hanare-banareni shite gomenna. Demo kanarazu mamoru-kara. Oniichanno kotomo, Zen’itsuga mamoruyo. Daijobu. Namaewa?”
Tanjiro “Sorry you got separated from your brother, okay? But I’m gonna protect you no matter what. And Zenitsu is gonna protect your brother. Don’t worry! What’s your name?”
てる子「てる子…」
Teruko “Teruko…”
Teruko “Teruko.”
炭治郎「そうか、てる子。いい名前をつけてもらっ…ハッ!」
Tanjiro “Soka, Teruko. Ii namaeo tsukete moratt… Ha!”
Tanjiro “Is that right? Teruko? That’s a fine name you have―”
炭治郎(いくつかの匂いの中でも、この屋敷に染みついたきつい匂いだ!かなり人を喰ってる!! こいつがこの屋敷の…主!!)
Tanjiro (Ikutsukano nioino naka-demo, kono yashikini shimi-tsuita kitsui nioida! Kanari hito’o kutteru!! Koitsuga kono yashikino… Nushi!!)
Tanjiro (Even among all these scents, This is the strongest one that this house is stepped in! This one’s devoured a whole slew of humans! This one’s the master of this house!)
―――――――――――――――――――――――――――――――
善逸「死ぬ~!死ぬ死ぬ、死んでしまうぞ、これは死ぬ!! 炭治郎と離れちゃった~!」
Zen’itsu “Shinuuu! Shinu shinu, shinde-shimauzo, korewa shinu!! Tanjiroto hanare-chattaaa!”
Zenitsu “I’m gonna die! Gonna die, gonna die, gonna die, I’m telling you! Tanjiro and I got split up!”
正一「てる子!! てる子!!」
Shoichi “Teruko!! Teruko!!”
Shoichi “Teruko! Teruko!”
善逸「だめだめだめ、大声出したらだめ!大声出して悪い奴に聞かれたら大変だよ!ちょっと外に出よう!」
Zen’itsu “Dame dame dame, oogoe dashitara dame! Oogoe dashite warui yatsuni kikaretara taihen dayo! Chotto sotoni deyo!”
Zenitsu “No, no, no, no! Don’t yell like that! If you yell and the bad guy hears you, it won’t be pretty! Come on, let’s step outside!”
正一「なんで外に?自分だけ助かろうとしてるんですか?」
Shoichi “Nande sotoni? Jibun-dake tasukaroto shiterun-desuka?”
Shoichi “What… Why outside? Are you trying to escape all by yourself?”
善逸「えっ…」
Zen’itsu “E…”
正一「死ぬとかそういうことずっと言って恥ずかしくないですか?年下にすがりついて情けないと思わないんですか?あなたの腰の刀は一体何のためにあるんですか?」
Shoichi “Shinu-toka so-iu koto zutto itte hazukashiku-nai-desuka? Toshi-shitani sugari-tsuite nasake-naito omowa-nain-desuka? Anatano koshino katanawa ittai nanno tameni arun-desuka?”
Shoichi “All this constant yammering about dying… Aren’t you ashamed of yourself? Clinging onto a younger person… Don’t you feel pathetic? What are you wearing that swords on your hip for anyway?”
善逸「ぐっは…すごい切れ味の言葉が…ぐはっ」
Zen’itsu “Guhha… Sugoi kireajino kotobaga… Guha!”
Zenitsu “Those words cut so deep.”
善逸「違うんだよ!俺じゃ役に立たないから人を…」
Zen’itsu “Chigaun-dayo! Oreja yakuni tatanai-kara hito’o…”
Zenitsu “That’s not it! I’m not gonna be of any use anyway,”
正一「放して!」
Shoichi “Hanashite!”
Shoichi “Let me go!”
善逸「大人を呼んで来ようとしているんだよ!」
Zen’itsu “Otonao yonde-koyoto shite-irun-dayo!”
Zenitsu “so I’m gonna summon a grownup here, okay?”
正一「放してください!」
Shoichi “Hanashite kudasai!”
Shoichi “Let me go!”
善逸「子供だけでどうにかできることじゃないから、これは!」
Zen’itsu “Kodomo-dakede donika dekiru kotoja naikara, korewa!”
Zenitsu “Because this isn’t something us kids can resolve on our own!”
善逸「あっ…嘘だろ嘘だろ嘘だろ!ここが玄関だったのに!! 外はどこに行ったの?だってこの戸が…こっちか?! ここは?こっちは?」
Zen’itsu “A… Uso-daro uso-daro uso-daro! Kokoga genkan datta-noni!! Sotowa dokoni ittano? Datte kono toga… Kocchika?! Kokowa? Kocchiwa?”
Zenitsu “You’re kidding me, kidding me, kidding me! I’m sure this was the front door! Where’d the outside go? I mean, this door was… Is it this one? How about this one? What about this one?”
善逸「化ケモノだァ―――――ッ!ギャアアア!」
Zen’itsu “Bakemonodaaaaaaaaaaaaaa! Gyaaaa!”
Zenitsu “It’s a monster!”
善逸「何だよォ、その目なに?! やだそんな目!」
Zen’itsu “Nandayoo, sono me nani?! Yada sonna me!”
Zenitsu “What the heck? What’s that look in your eyes? Stop looking at me like that!”
―――――――――――――――――――――――――――――――
響凱「あいつらさえ邪魔しなければ…」
Kyogai “Aitsura-sae jama shinakereba…”
Kyogai “If it hadn’t been…If it hadn’t been for their meddling…”
炭治郎「てる子、叫ぶのは我慢だ。部屋は動くから廊下に出るな。退(さ)がって棚の後ろに隠れるんだ」
Tanjiro “Teruko, sakebu-nowa gamanda. Heyawa ugoku-kara rokani deruna. Sagatte tanano ushironi kakurerunda.”
Tanjiro “Teruko, you gotta try not to scream. The room’s going to flip around, so don’t go into the hall. Step back and hide behind the shelves.”
響凱「おのれおのれ…あいつらのせいで取り逃がした。小生の獲物だったのに。なぜだ。どいつもこいつも余所様(よそさま)の家にづかづか入り込み、腹立たしい……小生の獲物だぞ。小生の縄張りで見つけた小生の獲物だ……」
Kyogai “Onore onore… Aitsurano seide tori-nigashita. Shoseino emono datta-noni. Nazeda. Doitsumo koitsumo yoso-samano ieni zuka-zuka hairi-komi, haradatashii…… Shoseino emono dazo. Shoseino nawabaride mitsuketa shoseino emonoda……”
Kyogai “Curses, curses! Thanks to them, he got away! When he was my prey! Why is it? Why do they all keep barging into someone else’s home? It’s infuriating. That was my prey! My own prey, discovered on my own turf!”
響凱「あいつらめ…あいつらめ!」
Kyogai “Aitsurame… Aitsurame!”
Kyogai “Curse them! Curse them!”
炭治郎「おい!お前!! 俺は鬼殺隊、階級・癸!! 竈門炭治郎だ!今からお前を斬る!!」
Tanjiro “Oi! Omae!! Orewa Kisatsu-Tai, kaikyu: Mizunoto!! Kamado Tanjiroda! Ima-kara omaeo kiru!!”
Tanjiro “Hey! Listen! I’m with the Demon Slayers Corp. Rank 10, Tanjiro Kamado! I’m going to slay you now!”
響凱「俺が見つけた‘稀血’の子供なのに!!」
Kyogai “Orega mitsuketa ‘marechi’ no kodomo nanoni!!”
Kyogai “A child with rare blood that I found myself!”
炭治郎(とった!)「えっ?てる子!! ハッ!」
Tanjiro (Totta!) “E? Teruko!! Ha!”
Tanjiro (Got him!) “Teruko!!”
炭治郎(畳が側面にある… 部屋が回転したんだ。これがこの鬼の血鬼術!屋敷全てが鬼の縄張り…!!)
Tanjiro (Tatamiga sokumenni aru… Heyaga kaiten shitanda. Korega kono onino kekki-jutsu! Yashiki subetega onino nawabari…!!)
Tanjiro (Now the tatami floors are on the sides! The room’s been flipped! So, this is that demon’s Blood Demon Art! This Entire house is this demon’s territory!)
炭治郎(何だ?! 妙な匂いが迫ってくる。鬼じゃない!)
Tanjiro (Nanda?! Myona nioiga sematte-kuru. Onija nai!)
Tanjiro (What’s this? An odd scent is wafting this way. It’s not a demon!)
嘴平伊之助「ウハハハ…!猪突猛進!! 猪突猛進!! 猪突猛進!!」
Hashibira Inosuke “Uhahaha��! Chototsu-Moshin!! Chototsu-Moshin!! Chototsu-Moshin!!”
Inosuke Hashibira “Comin’ through! Comin’ through! Comin’ through!”
炭治郎(な、なんだあの男!猪(いのしし)の皮をかぶって――…日輪刀を持っている!!)
Tanjiro (Na, Nanda ano otoko! Inoshishino kawao kabutte――…Nichirin-To’o motte-iru!!)
Tanjiro (Wh-Who’s that guy? He’s wearing a boar’s hide! And he’s wielding Nichirin Swords!)
伊之助「さァ化け物!! 屍(しかばね)を晒(さら)して、俺がより強くなるため、より高く行くための、踏み台となれェ!!」
Inosuke “Saa bakemono!! Shikabaneo sarashite, orega yori tsuyoku-naru-tame, yori takaku iku-tameno, fumidaito naree!!”
Inosuke “All right, you monster… Die on the battlefield and serve as my springboard! So that I can become more powerful and soar even higher!”
響凱「腹立たしい、腹立たしい…」
Kyogai “Haradatashii, haradatashii…”
Kyogai “Infuriating! Infuriating!”
伊之助「行くぜ!猪突…猛進!!」
Inosuke “Ikuze! Chototsu…Moshin!!”
Inosuke “Here goes… Comin’…through!”
―――――――――――――――――――――――――――――――
大正コソコソ噂話 ―Taisho Secret―
善逸「なあ炭治郎。さっきお前が無理やり引き剥がした女の子…やっぱり俺のこと好きだったと思うんだよ」
Zen’itsu “Naa Tanjiro. Sakki omaega muriyari hiki-hagashita onna’noko… Yappari oreno koto suki-dattato omoun-dayo.”
Zenitsu “Hey, Tanjiro, I think that girl you forcibly pulled away from me loves me after all.”
炭治郎「何言ってるんだ!明らかに彼女は嫌がっていただろう」
Tanjiro “Nani itterunda! Akirakani kanojowa iyagatte-itadaro.”
Tanjiro “What are you talking about? It was so obvious that she wasn’t into you!”
善逸「そんなことないよ!ああは言ってたけどさ、実は俺に追いかけてほしかったんじゃないか?思い返すと、俺の頬をぶったときも、どこか愛があったみたいに思うし、その後俺をぶっている時も一回一回すごく気持ちがこもっていたし、これは絶対絶対俺のことが好きなのでは~?」
Zen’itsu “Sonna koto naiyo! Aawa itteta-kedosa, jitsuwa oreni oikakete hoshikattanja naika? Omoi-kaesuto, oreno hoo’o butta-tokimo, dokoka aiga atta mitaini omoushi, sono ato oreo butte-iru-tokimo ikkai ikkai sugoku kimochiga komotte-itashi, korewa zettai zettai oreno kotoga suki-nano-dewaaa?”
Zenitsu “That’s not true! She might’ve said all those things, but she could’ve really wanted me to chase after her, right? I think there was love in her eyes when she slapped me, and then all the other times she hit me, she was really putting her heart into it every single time! She must be in love with me for sure, for sure, for sure!”
炭治郎「あ…」
Tanjiro “A…”
善逸「なんか喋れよ!」
Zen’itsu “Nanka shabereyo!”
Zenitsu “Say something, will you?”
炭治郎「ここで大正コソコソ噂話。善逸は、基本的に女の子ならどんな子でも意識してしまい、ソワソワするらしいですよ」
Tanjiro “Kokode Taisho koso-koso uwasa-banashi. Zen’itsuwa, kihon-tekini onna’noko nara donna ko-demo ishiki shite-shimai, sowa-sowa suru-rashii desuyo.”
Tanjiro “Now, it’s time for a Taisho secret! I hear that Zenitsu gets self-conscious in front girls, and his heart starts fluttering.”
善逸「仕方ないだろ?女の子は可愛らしいし柔らかいし、いい匂いするんだから!ああ、女の子のことを考えてたらさっきの子のことを思い出しちゃったよ。この屋敷から出られたら、すぐにでも追いかけて頬ずりして~」
Zen’itsu “Shikata naidaro? Onna’nokowa kawaiishi yawarakaishi, ii nioi surun-dakara! Aa, onna’nokono koto’o kangaete-tara sakkino kono koto’o omoi-dashi-chattayo. Kono yashiki-kara deraretara, suguni-demo oikakete hoozuri-shiteee”
Zenitsu “Well, I can’t help it! Girls are so adorable, so soft, and they smell so nice! Oh, man, now that I’m thinking about them, I just remembered that girl! If I make it out of this house, I’m gonna go right after her and rub my cheek against her!”
炭治郎「次回、第十二話『猪は牙を剥き、善逸は眠る』」
Tanjiro “Jikai, dai juniwa, ‘Inoshishiwa kibao muki, Zen’itsuwa nemuru.’”
Tanjiro “Next, Episode 12, ‘The Boar Bares Its Fangs, Zenitsu Sleeps.’”
善逸「無視しないでくれよ炭治郎~!」
Zen’itsu “Mushi shinaide kureyo Tanjirooo!”
Zenitsu “Hey, don’t just ignore me, Tanjiro!”
(Continue to episode 12)
2 notes
·
View notes