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#男女の友情ふぉーえばー
yuanohimichu · 6 months
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少し前に久しぶりに勇征くんと電話したんだけど、いっぱい笑ったなぁ。近況報告とオススメのTikTokと観るべきドラマの話。友達にドタキャンされた話も猫ミーム好きって話とか本当にしょーもない話してた。いつもこんな感じだから落ち着くんだよね。
勇征くんとはもう知り合って数年になるけど、いつも可愛いって褒めてくれて何事にも感想くれて、程良い距離感で仲良くしてくれてるのが本当にありがたくて。彼が居なかったら確実に今ここに居なかったなって自覚してるし、勇征くんの事全く知らずに繋がったからたっぷり自分の事とグループの事を教えてくれて、それで彼のグループを好きになれて、感謝しかない存在。だからゆあがいて嬉しいって思ってくれる皆んなも勇征くんに感謝して!
ゆあが「つまんない!もうやだ!」ってなった時「俺が楽しませてあげるから!」って言ってくれたの、めちゃくちゃカッコよかったです。
勇征くんはいい意味でも悪い意味でも優しすぎるからそのツケというかしわ寄せがきてしんどくなってるの見ると、ゆあも少し苦しくなるかなぁ。彼の優しさに甘えまくる人達が少しでも彼のモヤモヤに気付いてくれますように、って神様にお願いしておくからね。
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お題箱でめちゃくちゃ暴言吐かれた時もヘッダーに入れて守ってくれました、ありがと、勇征くん(逆効果な気もしなくもないけど)ちゅきちゅきラブリーちゃん。多分モチベがだだ下がり中だと思うから、勇征くんには毎日感謝してるよーって事と、何かあったらゆあが助けに行くからねって気持ちを伝えたくなったよってやーつ。
今後の目標は出会ってから1回もした事ないゆあの恋バナを勇征くんにする事です!なんちて。
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取り敢えず、匂わせ厳禁ダヨ!(懐かしい画像)
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elle-p · 11 months
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P3 Club Book Ken Amada short story scan and transcription.
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天田乾子供化計画
「別にいいじゃないですか!順平さんには関係ないでしょ!?」
ここは月光館学園の施設、綾戸台分寮の1階。カウンターの方角から聞こえてきた大きな声に、ラウンジでくつろいでいた面々が、何ごとかと目を向けた。声の主は、月光館学園初等部の天田乾。そのそばでは順平が、にやにやと意地の悪い笑みを見せている。
「いーや、関係あるね。いいか、天田。まだまだ子供のお前が、大人ぶりたい気持ちはよぉーっくわかる。オレだって覚えがある」
「別に大人ぶってるわけじゃ······!」
「まあ、聞けって。子供時代にちゃんと子供であることを十分に楽しめないと、やっぱ人間ってのは歪んじまうんだよ」
「······順平さんみたいにですか?」
「うぐっ、そ、そういうとこがガキらしくねえってんだよっ!」
どうやら、いつも大人びた天田の態度に対し、これまたいつものごとく順平が何かいちゃもんをつけているらしい。
「そもそも、順平さんの方が子供っぽすぎだと僕は思いますけどね。真田さんや美鶴さんの落ち着きを見習うべきなんじゃないかなあ?」
「オレはいいんだよ、オレは。つーかな、オレはホントに心配なんだよ······」
「心配?」
いつになく真面目な口調の順平に、不機嫌そうに顔を背けていた天田も、ようやく聞く気になったのか口調を和らげた。
「······どういうことです?」
「いや、お前さ、いつも学校終わってから寄り道もしないですぐ帰ってくるし、どこか出かけたと思ったらひとりで神社に行ってるていうじゃんか。フツーお前くらいの年だと、やっぱ友達と遊びまわったりとかするもんだろ?さすがに心配になってくるって」
「それは······」
順平の心配には、天田自身にも心当たりがあった。確かに、いまの彼には我を忘れて級友と遊ぶような、心の余裕はない。それは、亡き母に対して誓った、悲願を現実のものにするためのストイックな覚悟ゆえ。しかし、それを順平に教えるわけにはいかない。だから。
「別に、心配してもらわなくても平気です」
天田は、そう言うしかない。だが、それでも順平は諦めなかった。
「いかん。いかん���、キミ!」
「な、なんですか」
「まったく、大人ぶってるくせに、そういうところはガキっぽいんだからな~」
かちん。
その言葉が、天田の心の中の何かを刺激する。
「······わかりました。別に子供っぽいと言われたからって訳じゃないですよ。それに、子供らしくないって言われたって平気ですし。それこそ、その程度でムキになるほど子供じゃないですから。でも、そこまで順平さんが言うなら、歳相応に見えるようやってみますよ。で、いったい僕は何をやればいいんですか?」
つい勢いで、順平に啖呵を切る天田。ラウンジの方では、ゆかりが「あーゆうとこ十分子供らしいよね?」と小声で言い、風花を始めとした面々もうんうんと肯定するが、そのやり取りは天田と順平のもとまでは届かない。 そして。
「よっし!よく言った!」
順平はそう大声を張り上げ、すっくと席を立つ。その顔には、しめた、といった感じの表情が浮かんでいた。ぞわり、と不吉な予感が、天田の背筋をかけのぼる。
「ちょ、ちょっと待······」
「男に二言は、ねえよなあ?」
「うぐっ」
引き返すには、やや遅すぎた。そして天田の予感は、最悪の形で的中していたのだ。
「で······何なんですか、これは!」
「くっくっく、よく似合うぜ~」
ラウンジの真ん中で、天田はすっかりさらし者になっていた。子供らしさはまず形から。そう主張する順平に言われるまま、天田は服を着替えさせられていた。真っ白なランニングシャツに、ちょっと古くなったデザインの半ズボン、頭には麦藁帽子という、昔懐かしの田舎の子ファッションである。どういうわけか、虫取り網に膝小僧のバンソウコという、オプションまでもがちゃっかり用意されていた。
「いや、実はこないだちょろっと実家に帰ったときにさ、オレが昔着てた服が大量に掘り出されてな。天田に着せたらどうなるかなー、とか思ってたもんで」
「要は······順平さんの暇つぶしなんですね? はぁ······満足ですか?じゃ、脱ぎますね」
それこそ子供らしくない深い溜め息をついて、天田はもとの服に着替えようと踵を返した。だが、その両腕をぐっと引き止める者がいた。
「しつこいですよ、順平さ······って、ゆかりさん?風花さん?え?」
引き止める手の主は、意外な人物。ゆかりと風花のふたりだった。何かをぐっとガマンしているかのような、やや紅潮した顔で、ふたりは声をハモらせて絶叫に近い声を出した。
「かわいいっ!!」
「え?え、えっ?」
予想外のリアクションに、天田はすっかり言葉を失っている。だが、盛り上がった女子ふたりのテンションは、間断なく上がり続ける。
「次、これ!これ着てみて!ちょっとストリート風のやつ!」
「ううん、こっちが似合うよ、ゆかりちゃん!ほらお坊ちゃんって感じのブレザー!」
「いえ、あのおふたりとも、落ち着」
「いやーん、何このピンクのベスト!順平、子供の頃こんなの着てたの?もったいない!天田くんに着てもらわないとっ!」
「ゆかりちゃん、ほら!黒のハイソックス、ハイソックス!これは外せないよっ!」
「わ、わ!勝手に脱がせないでくだ」
「た、岳羽······この袖が長めのハイネックなども捨てがたいと思うのだが······」
いつの間にか、美鶴までもが参加していた。
「まったく······ 女性というものは、幾つになっても着せ替え人形が好きなんだな」
「え······ええっ!?」
よりによって、憧れの真田にお人形さん扱いされ、天田の心に絶望感が押し寄せる。だが、脱力するにはタイミングが悪かった。抵抗が弱まった天田に、女性陣がこれ幸いにと群がって、あれこれと服を合わせ始めたのだ。
さすがに天田の人格を考慮してか、下まで脱がされることはなかったものの、次から次へと服を着せられ脱がされて、天田の心にもういいやという諦めの感情が芽生えかけたそのとき。
「ちょ、ちょっと待っててね」
風花がそう言うと、もの凄い勢いで上階への階段へ向かって走り去った。思考能力が鈍った天田が、ここで危険を察知し得なかったのは、一世一代の不覚だったと言えよう。やがてさほど時間を空けずに戻ってきた風花は、いくつかの紙袋を抱えていた。
「こ、これ!これ着てみてっ!!」
そこでようやく、鈍りきった天田の頭の歯車がカチリとはまった。
風花は女性→風花が服を持ってきた→持ってる服はおそらく女物→その服を着せられようとしている→自分は立��な男の子☆
神経回路がそれだけの情報を伝達し、最悪の事態を避けるために手足を動かす信号が発されようとしたときは、既に事態は終了していた。
「か、か、かわいいっ!!」
「うわ······めちゃくちゃ似合う······」
「あ、天田······写真を撮ってもいいだろうか?」
ややロリータ風味が入った、薄いブルーのブラウスと、それに色を合わせたフレアスカート。腰の部分には大きなリボンが添えられ、裾や袖などいたるところにフリルがあしらわれた、可愛いとしか形容できないドレスであった。
「ほぉ······」
「うわ、マジかよ?」
「山岸······やるな」
どうやら男性陣にも、かなり受けがいいようだが、それは何ら慰めにはならない。そして、無言でプルプルと震えるばかりの天田に、アイギスのひと言がトドメを刺した。
「大変、お似合いであります」
「うわあああああああああんっ!!」
見事な逃げっぷりだった。残像すら見えるかという勢いで、天田は2階の自室へと逃げ出したのだ。不覚にも、目には涙が浮かんでいた。
「あ······やば」
「ちょっと、調子に乗りすぎたかな?」
天田の慟哭に正気を取り戻したゆかりと風花を始めとして、そこにいる全員がやりすぎたという表情を見合わせるが、それは後の祭りである。たまだ、この事態の元凶である順平ひとりだけが、いまだに腹を抱えて笑っていた。
「ちょっと、順平。そんなに笑っちゃ悪いよ」
「くっくっくっく······。これが笑わずにいられるかっての。あの天田が泣いて逃げ出したんだぜ?いやー、あいつの子供らしいところが見れて、お兄さんちょっと安心したぜ」
「ホント、大人げないヤツ······知らないからね、天田くんに仕返しされても」
「ま、子供の仕返しなんざタカが知れてるから大丈夫だって。むしろ、オレにイタズラ仕掛けるくらいになれば、アイツも歳相応で余計に安心ってことなんじゃねえの?」
「そう······かなあ?」
周囲の心配をよそに、順平はまったく悪びれたそぶりはなく、むしろ善行を施したと信じている様子である。だが、順平は甘く見ていた。母の復響を胸に生きる小学生が、本気になったらどれほど恐ろしいことになるか、彼はまったく知らなかったのである。
「······っんだ、こりゃああああ!?」
翌朝、寮の中に順平の絶叫がこだました。あまりの悲痛な叫びに、すでに朝の準備を終わらせていた寮生たちが、いったい何ごとかと順平の部屋の前に集合する。
「順平?開けるぞ?」
代表してドアを開ける真田。散らかりきった順平の部屋が、彼らの前にあらわになる。そして、そこに皆が見た物はー。
色とりどりのペンで、顔中に落書きをされた順平の情けない姿であった。一瞬にして、全員が昨日の天田の悔しそうな泣き顔を思い出す。
「ぷぷっ!れさっそく仕返しされてんの!」
真っ先にゆかりが噴き出した。
「笑ってんじゃねーよ!これ、洒落になんねえぞ ······アイツ、全部油性で書きやがった」
拭いても拭いても落ちない落書きに、順平は心底弱りきった声を上げる。落書きの内容も、へたれ、根性なし、変質者、禁治産者、 などなど小学生としては高レベルなボキャブラリーを駆使している。トレードマークのアゴひげの部分には、矢印でポイントされた上に「カビ」とか書かれていた。センスもなかなかである。
「くっくっく、子供の仕返しはタカが知れてるんじゃなかったっけ?あんたさ、昨夜ひとりだけ天田くんに謝りに行かなかったでしょ?言わんこっちゃない」
「っくしょ〜!天田!天田はどこだ!」
「もう、 とっくに登校したわよ。あ、そうだ。もういい時間じゃない。アホの順平に構ってるヒマないわ。行こ、風花」
その言葉を合図にしたように、皆はそれぞれ登校するために散っていった。順平ひとりが自室に残り、天田に対する恨み言を呟きながら、ごしごしと必死に顔をこすっている。
「あの野郎······放課後に折檻してやるっ!」
逆恨み風味で、そう宣言する順平であったが、その言葉は実行されることがなかった。そう、本番はそれからだったのだ。
「だ、だいじょぶ順平?何が魂抜けてるよ?」
昼休み---ゆかりの心配そうな言葉どおり、順平はすっかり憔悴しきっていた。朝の騒ぎのあと、天田が仕掛けたさまざまなトラップが、連続で順平に襲い掛かったのだ。
まず、服を着てカバンを持ち上げようとしたら、机に接着剤で固定されていた。寮を出ようと靴を履いたら、靴先にマヨネーズが詰められていた。駅に着いたら、遺失物の掲示板に「パンツ 伊織順平様」と書かれ、道行く女生徒やOLが笑いを噛み殺していた。学校に着いて上靴に履き替えたら、今度はケチャップが詰められており、シャーペンには芯に見せかけた針金がつめられ、消しゴムにはシャーペンの芯が仕込まれ、教科書を開くと中に挟まれたエッチな写真が落ち、体操着はしゃがむと尻が破れるような細工がされていた。トドメについ先ほど、別クラスの顔も知らない女生徒から、「あのさ、こういうキモイ手紙やめてくれる?マジ迷惑なんだけど」と、 まったく出した覚えのなラブレターに関して、クラスメイトの目の前でなじられ、ついに順平は根を上げた。
「もう······オレ駄目······死にてえ」
ちょっとだけ、その子がチドリに似ていたのも、順平の落ち込みに拍車をかけていた。と、そのときだった。
「あの······伊織先輩、いますか?」
教室前方の入り口から、仕掛け人の天田本人が姿を現わしたのだ。
「あ、天田!てめえっ······!」
と順平が立ち上がろうとしたとき、 先手を打って天田がこう言ったのだ。
「い、伊織先輩······ご、ごめんなさい!」
「へ?」
「お、怒らないでくださいっ!ちゃ、ちゃんとパン買ってきました······から······ぐすっ」
「え?え?」
うっすら涙を浮かべる天田。予想外の事態に焦ある順平に、周囲からの視線が突き刺さる。
「え?もしかしてイジメ?」「うそっ、あんな小さい子を?」「伊織くんサイッテー」
どう見ても、 順平が悪人にしか見えない。慌てる順平は、急いで天田のもとに駆け寄り、小声でささやいた。
「わかった!オレが悪かった!もう勘弁してくれ!明日から学校来れねえよぉ······」
折檻してやると言った勢いはどこへやら、情けなく順平は許しを請う。それを見た天田は。
「僕······すごく傷つきました」
「う。わ、わかってるよ。マジ悪かったよ」
「······欲しいゲームソフトがあるんですよ」
「なっ!?てめ、こら、ゆする気かよ!」
「ごめんなさいー!ぶたないでー!」
「わ、こら、やめ、ちょっと、わかったよ!」
すっかり天田に翻弄される順平。
「くっそう······めちゃくちゃマジになりやがって······大人げねえぞ!······あ」
その順平の失言に、してやったりといった表情を浮かべて、天田はにこやかに言った。
「僕、 子供ですから」
その笑顔は、まさしく子供らしく、それゆえにけっこう恐ろしいものであった。
結論---天田は怒らせないほうがいい。
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oivgbqiqfz358 · 6 months
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--深海人形-- 命はゴミだが
霊を侵してはならない
…。
…私は、楽園を、約束の地を、浄土を、神の御国と呼ぶ。
楽園へ行こう。神の御国へ。
…。
※クロスオーバーネタ注意
※全体的に閲覧注意
※雑多にネタをぶち込み
※キャラ崩壊注意
ガンダムは私の人生が終わる所
…最近、ネコトモとディスカバのアルティメットカップTAばっかりやってます。ネコトモ良いっすよ。退屈な位平和だし。
後、ディスカバの話すると、歴代的にもアイスは変態コピーだと思います。あんなのトリデラでもロボボでもスタアラでもWiiDXでも使い熟せる気がし無ぇ……。
…。
…協業する側がしたいのは、墓標を新調して其の墓を守ろうする模範的道徳行と供養では無く盗掘と墓荒らしである事はよーく分かった(遠い目)。
…随分と他所様所有の墓地を墓荒らしをする気満々ですね()。他所では『死体蹴り』呼ばわりされてたけど(呆れ)。
…。
今考えてるシロッコネタ一覧
FA(フルアーマー)シロッコ ※ZZかよ(※呆れ)
シロッコ ヘビーアームズ
忠犬シロ公
(※ソロモンの悪夢っぽい並)狂犬シロ公
ネオジオンシロ公
クラウンドシロッコ(※カービィWiiネタ)
動物と植物の中間生物・歩根類(※早い話がピクミンの様なモン)シロッコ ※凍らせてから倒すと、大量に、大地のエキスかゲキカラエキスを出す
限り無く胞子生物に近い動物 歩菌類 キノッコ(※同上 キノガッサみたいなモン)
シロッコ AGE-1(※実質MS鍛治みたいなモンだし)
※…結論:シロッコはおもちゃじゃ無いんだぞ!(※迫真)。
…。
名人狙击传 名人狙撃伝
相手の額・首・心臓を、正確に弓で狙撃して最低限の矢だけで仕留める。因みに、此の技の使い手は、主に女性を狙う。
…。
機動戦士ガンダムAGEの大爆死の冥福を祈る part629
※未だにあるのが凄い(※然も今も大好評絶賛現役)。
…。
Q.ジオン公国の軍人を尊厳破壊するには、如何したら良いですか?(※尊厳破壊が癖の者より)。
A.捕虜にした後、処刑(絞首刑での)をちらつかせながら、ティターンズに編入する(※模範解答)。同胞ハンターの爆誕だよ⭐︎(※外道の所業)。
…。
(※漫画版ゲッターパロです)
エリミーヌ「…良い加減に、此の終末の冬で滅ぶのよ、…は、爬虫類共……!!(※生粋の竜族アンチ)。」
アトス「……嗚呼、…嗚呼!!エリミーヌ、エリミーヌゥ!!!!……莫迦め……(※竜族共和推進派)。」
※…ワイのエリミーヌ像此んな感じ(※キャライメージの間違いが酷い)。
…。
星の夢→宇宙の生命はどいつもこいつも不完全なので全宇宙の生命を滅ぼします
エンデ・ニル→虚無のまま生命も宇宙の全てを破壊し尽くす為その限りを尽くす
エフィリス→世界に我以外の存在は要らない、我以外は皆滅ぼすし、滅んで仕舞えば良い
此奴等の目的って結局同じなんだよなぁ()。
…。
意気揚々とこの世界で侵略活動するぜウェーイwwな加害者かと思ったら、ホントに呆気無くピエロか見せ物にされて被害者だからなぁ、エフィリスの立ち位置複雑過ぎなんよ(※遠い目)。
…。
…『他人と言う存在は、自分(達)が利用する為、搾取する為、踏み躙るために存在する(キアラさん並感)』。…其う考え切れる人間程、偉大で人生は確実に成功するとしか言い様が無い。…実際、其れの究極形であるキアラさんは、末長く語り継がれる位トンでも無い女だった(※…無論、fgoじゃない方のです)。
…。
…最近のカービィは積極的絶滅、破滅主義、エフィリズム支持してる様な存在がラスボス・真ボス務めがち(※其の真意は如何であれ、反出生主義を実質掲げる強大な存在がラスボスか真ボスやって居ると言っても過言では無い)。
…。
…其の上、エフィリス以上にどうかしてるのが、新世界捨てて行った連中と言うのマジで救いが無い(※改めてカービィの裏設定黒過ぎなんよ)。
…。
…原語じゃ『Roper(自らのナワバリを区切る者)』だけど、英語名だと『Doomer(地球規模の問題がこの世の終わりをもたらすと信じている人、ドゥームズディが来るのは近いと考える人、<古> 判決を申し渡す人 ※多分ネーミングとしては真ん中では無いか?)』…と言うの格好良過ぎる(※アナザーディメンジョンのローパー属の話)。
そして、スフィアローパーとグランドローパーは、マスクラか何かが原因で破滅して行った古代ハルカンドラ文明人か故郷を軽率な理由で捨てた新世界の住人が成れ果てた姿じゃないかって言われてる(※…だけど、其の一方で、イカサマタマゴやらハルカンドルディとかにも古代ハルカンドラ文明の末裔説あるけど……)。
…。
ボロロア御面「…クゥ……クゥ……(※可愛い声で鳴く)。」
ワイ「…良い声で鳴くのぉ〜〜ww(※最高だぜ)。」
※…とっても良い声で鳴くので、大歓喜しながらゲラゲラ笑ってた(※悪趣味)。
…後、エフィカスの御面好きよ(※…だけど、ローパー属の御面が一番好きかも)。
…。
Q.…イカタマがろーあの中に、カミーユ監禁する話描くって話はどうなったの?(ろーあ可哀想)
A.其の中に、『ソロモンの悪夢』さんも加わる事になったよ(※満面の笑み)。『異宇宙から来た虚言の旅人〜The Best Friends.』と『ボクは許さない〜The Worst Friends.』の続編みたいな話になるかも(※…だけど、描かない可能性の方が高い)。
…もっと書くと、あの団長達みたいな悪党の所為で、「…ヒトと言う生き物ハ、何でも出来て頭が良いだけの救えない下等生物ノチクショウ(※…でしか無い)。」…だと思う様になった、イカタマが団長達よりも明らかに弱いヒトを誘拐して、売り飛ばそうとする話だよ(※未だ企画段階)。
--……人間とは、本当に、面白イナ。
…、
かの船は乗り込む者を楽園にいざなう船(※公式設定)である。…が、その船の邪悪な船長は、地獄に慣れきった全宇宙一ハイプライスのワンマンアーミーである退屈な男、キリコですら、足を踏み入れる事を躊躇する程の地獄へと、彼等を送り込む……。人は楽園を嘲笑う。そして深い地獄に堕ちて行く。神はもうヒトを愛さない。
次回 原罪
神の御国は人と人の間にある。
…。
日本刀好きには悪い奴しかいない。然し、其の悪い奴には二つの種類がある。『死後天国に行ける程度に悪い奴』と『地獄に行く程に悪い奴』と言う二つの種類が。
…。
ちいかわのセイレーンは、何故か世間では一方的に悪者、加害者扱いされてるけど、皆だって、何時も仲良くしてて楽しく一緒の時間過ごして居る友達を、何か(※幾ら小さくて可愛かろうが)訳分からん奴に煮付けとして食われた挙句、其の煮付け奴等が不老不死ロボになって、のうのうと生きてる事(兎に角死なないし厄介)知った途端に「…仇取ったる(※任俠心)!!。」…って思う様になるでしょ?(※…其う言う事です)。
…で、世間の其う言う認識は、『愛の前には強者も弱者も無い(※愛は最強)』…って言う考えから来てるんだろうなぁ(※遠い目)。…でも、あっちはあっちで友情でして……(※友情ですよね?)。
…。
キリストの十字架は、生命の木で作られて居ると言う伝説がある。
WiiDXで彼奴(※某大樹)が追加された事によりクロロ団長(※基督教モチーフ)との関わりが出て来たのは……、…いや、元々あったな……(※思い出した)。
…。
…ショタリョナ・男リョナ嫌いの男塾勢なのに、わざわざ館主様&ふーけつリョナ見に来る、読みに来る達ってドマゾ豚(と孤独死と嫌われ者)の才能あるよ、マジで(※確信)。誇れ、お前は(どドマゾ)豚だ(※すくーな並)。
…因みに、ワイの事を忌嫌いながら、文句言いながら、拙作の格ゲーネタ見に来る人達もドマゾ豚の才能あります(※孤独死の才能も)。…と言う訳で、ワイが責任を持って調教してあげるから、…此れから、一人前のドマゾ豚になろうね(※キモ)。
…此んな自分が嫌いで嫌いで仕方無いな人間に、ジャンル燃料の供給を頼らなくても、今は、ChatGPTとか小説執筆AIなんてのは沢山あるんだから、其れに頼れば良いのに……(※…もしかすると、元々からドマゾ豚だから調教されたいだけなのかなぁ……??)。
…そして、ガソダム&ロボアニメ勢で見に来て、読みに来て下さった方は……。…「…もうすみません(本当に御免なさい)。」…としか言い様がありません。…本当に、すみません(※…昔から此の様な奴です)。
…。
…ごく一部のマイナージャンル民へ。其処迄、粘着する、然もストーカーみたいに、なんて、私の事好きで好きで仕方無いんですね?…ハッキリ言ってキモい、…気持ち悪いです。…今度からは、隣の同類と言う名の同胞か、対話AI(※特にChatGPT)と仲良しになって下さい。…ワイはもっと描きたいジャンルあるので(※…其れと、ストーキングが辞められ無い様なら、ワイが調教して治療しても上げても良いですよ)。…何時迄も執着し続けるなんて、本気で気色悪いですね()。
…。
…桃玉ゆぎおわんぴきめつじゅじゅつメジャーロボアニメみたいなメジャージャンルに長年触れて分かったけど、マイナージャンルは、ファン層に多様性と言う物が無くて、基本的に何処行っても孤独で、嫌われ者で、自己中心的で、気持ち悪いヒトしか居ないんだなぁ?(呆れ)。
…。
御互いに人間性も性癖も意見も相性最悪で「…ジャンルと界隈が同じじゃなけりゃ、…此んな奴とは金輪際付き合いたくねぇ〜〜!!(※縁切りてぇ〜〜!!)。」…って奴でも、居るジャンルと界隈が同じだけで(※だって、他に人が居無さ過ぎるので)正に奇跡なレベルだから、必死に空気読んで、其の貴重極まり無い仲間を失わない為に、どんなに、相手へのヘイトとストレス貯めても仲を取り繕ろわなきゃやって行けないマイナージャンル民はスタート地点の時点で不幸だよな(涙を禁じ得ない)。
…寧ろ、惨めで不幸な人生を送る為に、限界集落マイナージャンル民人生してる嫌いすらある(※極端な話)。
…。
…自分の縄張りを確保する目的で界隈に居座るマイナージャンル民、マジで底辺企業の無能御局様と同じやな(※…メジャージャンルの一角に、ナワバリ作った方が、圧倒的に楽だろうに……)。
…。
?「…御気持ち文章乙ww(※暇人)。」
ワイ「…ワイの事が、嫌いで嫌いで仕方無い筈のドマゾ豚が、ストーキングめいた行為した上で、何か言ってる(※マジキモ怖い)。」
…。
…皆も生き恥をかく事無く、清廉潔白に御亡くなりになろうね⭐︎(※ガトー御兄さんとの約束だよ⭐︎)。
…。
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4komasusume · 9 months
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愛すべきポンコツキャラ達の狂想曲――双葉陽『ばーがー・ふぉー・ゆー!』
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ばーがー・ふぉー・ゆー! 1巻 (まんがタイムKRコミックス)
posted with AmaQuick at 2023.12.24
双葉陽(著) 芳文社 (2023-11-27)
Amazon.co.jpで詳細を見る
 今年最後の取り上げる作品はきららMAXで連載中の作品、双葉陽さんの『ばーがー・ふぉー・ゆー!』です。
 本作の主人公にして笑いの肝であるのが春原(すのはら)こむぎです。第1話の時点で休みの日にはベットに入ったままソーシャルゲームでひたすらハイスコアを目指しています。プレイしているゲームも人気作品ではなく、マイナーで旬の過ぎたハンバーガー店で店員になるゲームで、登場キャラのピ・来栖というキャラに熱を上げている感じです。部活もせずに友達もなし。勉強に力を入れているわけでもない。
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 学校で友達を作ろうと試みますが、そのやり方がイタイことこの上ない。ハンバーガーの帽子をかぶって注目を���びようとする行為には厨二病の症状が見受けられます。自分が思い入れのあるものは他者も同様に価値を認めていると思い込む。自他の境界があいまいな思春期にやらかす案件です。こむぎというキャラが今までの人生で友達関係を作れなかったことが容易に想像できるのです。
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 これらのこむぎの持つザンネン要素は埒外なものではなく、人が誰しも経験するザンネン要素をカリカチュアライズしたものです。読者はこむぎというキャラに共感や理解を持つことができます。さらに妹のまいにこむぎを肯定させることによりネガティブ感を軽減させる演出もしています。肯定させるだけでなくこむぎがアクションを起こさせるきっかけも同時にまいに言わせているのが秀逸です。
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 第1話目で描かれるこむぎは家族という一切遠慮のない相手に見せる地のキャラと、人間関係を構築できていない相手に対する素っ頓狂なキャラの二つを見せています。
 紆余曲折の後にこむぎはモグモグバーガーでバイトをすることになります。職場での仲間という関係を得たこむぎが新しいキャラを見せます。毒舌キャラです。
 モグモグバーガーの立地は吉祥寺駅のすぐそばです。そのおしゃれ街・吉祥寺に恐れおののくこむぎの発言です。
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 ナチュラルに町田を下に見ている発言です。神奈川県との関係でネタにされる町田市というのが下敷きに毒舌ですね。ネタにされることが多い町田ですが、街の持つスペックの高さはかなりのものであるとフォローしておきます。
 仕事仲間という関係性を構築したとはいえ、まだぎこちなさを見せる中でこの毒舌発言をしてくるのです。コメディリリーフとして大変良い仕事をしています。さらに関係性が深くなるとこの歯に衣着せぬ、身もふたもない発言をこむぎはします。
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 病気で休んでいる人の家に行っているのにもかかわらずこの発言と行動。第1話で友達を作ろうと迷走しまくっていたこむぎにこの対応をさせること自体が、作品全体を通しての笑いにもなっています。ちなみにこむぎがこの塩対応するのにはちゃんとした理由があるのです。
 こむぎは第1話目のエピソードで人間関係の構築が下手であることが描かれています。それが一度仲間の輪に入ったらかなり踏み込んだ関係を作っていく、かなりオタク気質の強いキャラクターです。オタクにありがちなキャラクター性に、共感や親近感を覚えるのも魅力の一つではないでしょうか。
 もう一つこの作品での面白さの肝はこむぎと他のキャラクターの関係性の変化です。そのキャラクターは小浦零(こうられい)です。こむぎに次ぐサブヒロインのポジションで、同じくバイトをしている兄の透が大好きな女の子です。お兄ちゃん大好きっこですが、その感情は天井知らずというか底が抜けているというか、なかなかの業があります。
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 先ほどこむぎが病気の男性を放置して帰ろうとしたエピソードを紹介しましたが、放置された男性が透なのです。看病なんかしているところを零に見られたらめんどくさいことになる。それ故の発言と行動だったのです。それほど度を越したブラコンの零ですが、こむぎをバイトに誘ったきっかけを作ったキャラでもあります。登場時は先輩としてこむぎを引っ張っていましたが、実はこむぎより一月早く入っただけで、新人研修も未だに合格していない状態で、こむぎよりポンコツだったのです。
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 こむぎにド直球に失礼なことを思われています。
 零のポンコツが判明したことによりこむぎとの関係が変化します。こむぎにツッコミを入れていた零がボケにまわることになるのです。そしてボケレベルはこむぎを超えていきます。こむぎと零の二人がボケを担当することで笑いのバリエーションが増えるのです。
 
 『ばーがー・ふぉー・ゆー!』ではキャラクターのポンコツ具合が魅力になっています。「愛すべきバカ」という表現がありますが、この作品では「愛すべきポンコツ」といったところでしょうか。ポンコツ部分ではあるけどそれが良さでもあるという描き方がされているのでコメディとして
秀逸な作品となっています。
(量産型砂ネズミ)
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画像出典 芳文社『ばーがー・ふぉー・ゆー!』1巻 P10,P13,P11,P31,P111,P20,P43 掲載順
 
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tadaiso · 1 year
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「どこかに絶対、言い出しっぺがいる!」
※今回の話は写真とは全く関係ない話ですが、フレーバーとして写真載せときます(笠間稲荷神社で撮影)。
「口裂け女」の噂話が世間を騒がせていた頃から少し後の話ですが、僕の地元の小学校の界隈に、ある噂話がありました。
夕暮れ時、辺りが暗くなって、そろそろ街灯が灯り始めるころ、バス通りの野府川にかかる橋の所に中年の背の高い男性が立っていて、通りがかる子供達を突然殴りつけるそうで、子供達が殴られる寸前に男性の顔を見ると、男性の目に黒目がなく、白目ばかりの目で子供達を睨みつけるんだそうです。
この手の話題には目撃者は基本的に存在せず、「友達の友達から聞いた」的な話がベースになっており、話し手の都合で様々なバリアントが生まれるパターンがほとんどなのですが、この「白目」の話題にはバリアントがあまり存在せず、場所も必ず特定の場所で、時間帯もほぼ同じ、そして何より目撃者(被害者ではなく)がいたというのが、とても奇妙で奇怪な噂でした。
土曜の午後、出来の悪い生徒ばかりが居残りさせられていた時にその話題が出てしまい、百字帳を「永」の字で埋める作業に飽き飽きしていた彼らは提出する課題をそっちのけでその噂話を語ることに暑くなってしまい、様子を見にきた先生に怒鳴られたりしながら、なんとか課題をやり遂げて帰宅しようとした時に……。
「『白目』探しに行こっけー」
と、彼らの1人が言い出して、子供たちは噂の現場に足を踏み入れることになったわけだ。
夜の帳が下りはじめ、バス通りの人通りも車の通りも少なくなってきた頃、彼らは駄菓子屋で買い込んだ「ベビースターラーメン」もしくは「どんどん焼」なんかをぼりぼりとさせながら、野府川にかかる橋の見えるバス停のベンチに腰掛けて、「白目」の出現を心待ちにしていたわけですが、「白目」はいつになっても現れず、とうとう夕暮れどころか完全に夜になってしまった。
当時小学校低学年で、秋の終わりの夕暮れ時に外をブラブラしていたら、自分たちの両親も心配しているかもしれない。
「白目」のことを諦めて帰るべきかを議論し始めた彼らに、その時、予想外の出来事が起きた。
「くぉらー!!子供がこんな時間まで何やっとる!とっとと帰って飯食って寝ろ!」
橋の方に立っていた人影が、こちらに怒鳴りながら走ってきた。
手をブンッと振り上げて、大股でドタドタといった感じで迫ってくる。
彼らは「ひょっとして『白目』がきたよかな!?」と驚いて逃げようとしていたが、あまりに急な出来事でパニックに陥ってしまった。
アワアワとしている彼らに向かって、人影はどんどん近づいてくる。
そして人影の姿がよく見えるようになって、彼らは気がついた。
人影は確かに男性だが、彼らが想像していた姿よりもナーフがかかったように貧弱で、背もそれほど高くなく、どちらかというと中年というよりジジイであった。
なんだ、聞いた話より怖くないやと思った瞬間、噂の一部が現実になってしまった。
「こんな時間までブラブラしとらんで、さっさと帰れっ!!」
と、叫びながら彼らの一人ひとりに拳骨を見舞うジジイ、それが「白目」の噂の真実だったらしい。
なぜ「白目」に見えたのか?
どうやらそれは、ジジイが目医者にでもかかっていたのか、白い眼帯を片方にしていたために、それが白目に見えたのかもしれない……。
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」なんて言いますが、事実とは想像よりもしょーもないものだということは、往々にしてあるのでしょう。
まさか、あんなジジイにビクビクしていたなんて……、と、恥ずかしくなった彼らは、その後は「白目」の話に加わることなく、別のことに興味を持ち始めたのでした。
「一体、誰が『白目』の話をし始めたのか?」
その話をいろんなクラスに聞きに回った彼らですが、どこで聞いても「友達がその友達から聞いた」的な話以上の情報はなく、いつのまにか「白目」の話もどうでもよくなり……。
それから数十年経った今頃になって、ふとそんなことを思い出したわけですよ。
そして「一体、誰が言い出しっぺなんだろうか?」って考え始めたりしてしまうわけです。
「言い出しっぺのヤツ、きっと騙される馬鹿を嗤ってるんだろうなぁ」
腹がたたないでもないが、そんな噂話に引っ掛かった、当時の彼らの方もよろしくなかったのだろう。
「♪噂を信じちゃいけないよ」って歌ってる人もいたのにね。
なんで信じちゃったんだろう?
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0663lovesdq3 · 2 years
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3:女勇者ロゼア
エルマー達一家と東洋人の武闘家はルイーダの酒場に入り、早速乾杯した。
東洋男「では~!みなさ~ん、オレ達の強烈な出会いにかんぱーい🍻!!」
エルマー「ブフ。武闘家さんのせいですよね笑 私は酒弱すぎるので…ノンアルで乾杯!」
バーバラ「なんか面白い事になったわね~笑 かんぱーい!」
エレア「わたしはこどもですからジュースでかんぱ~い!」
東洋男とバーバラはジョッキのビールを一気に飲み干した!
バーバラ「ボーイさーん!おビールお代わり!」
東洋男「おお~奥さんめっちゃいい飲みっぷりぃ! アリアハンの地ビールうんまいなあ~!かーっ!」
バーバラ「武闘家さんも美味しそうに飲むわねえ~! あ''ーーービール美味しいー!これ持って帰りたいわぁ笑 旦那がお酒激弱なもんだから一緒に晩酌出来なくてね~! 酒飲み友達出来て嬉しいわ~🎶」
エルマー「調子に乗って飲み過ぎないようにな、バーバラ。」
エルマーは落ち着いてノンアルをちびちび飲んでいる。
バーバラ「わかってるわよぉ。でも、あなたの奢りでしょ?笑 しっかしアリアハン地ビール美味しすぎ!なんなら樽ごと欲しいわねえ笑」
バーバラは夫と反してゴベゴベ飲み干している。
東洋男「おお、奥さんバーバラさんっていうんだ! そういやお互い自己紹介まだだったねぇ~。 オレはジパングから来た龍人ってんだ。リュウト、な。よろしく~!」
バーバラ「ええ、あたしバーバラっていうの。 リュウトさん、よろしくね!東洋っぽい名前で素敵ね!」
龍人「なはは~バーバラさんありがとう💖 美人に褒められるとマジ嬉しいわ~ひゃははは❤」
相変わらず龍人はデレデレしている笑
エルマー「ほぅ…リュウトさんはあの黄金の国と呼ばれるジパング人だったんですね。 お名前もやはり東洋的な響きなんですね。」
龍人「へー!お父さんジパングの事知ってるんだ! ガイジンさんからみたらオレの国はかなり独特な文化なんだわ。」
エルマー「行った事はないですけど、ジパングの噂をちらほら聞いた事があって… ところでその『ガイジンさん』ってなんですか?」
龍人「あれ…もしかしたら失礼な言い方だったかな~💧 オレら東洋人からみた西洋人やらお父さん達みたいな人達の事言うんだ。 まあ外国人の略みたいな感じで!」
エルマー「あ、そういう事だったんですか。 さっきもリュウトさんにガイジンさんって言われて何それとか思ってたんで笑 私はエルマーです。で、娘がエレア。この子も私と同じく魔法使いです。よろしく。」
エレア「エレアともうします。リュウトさん、よろしくおねがいします。」
龍人「エルマーさん・バーバラさん・エレアちゃんね! エレアちゃん偉いね~!礼儀正しくて気持ちいいわ~🎶 やっぱガイジンさんは名前もカッコいいな~! オレ海外文化憧れてるんだ~!将来の嫁さんガイジンさんがいいもん笑」
バーバラ「まあ!リュウトさんってば外国人と結婚したいのね~! あたしとエルマーも生まれた場所は違うのよ~。 エルマーがノアニールで、あたしはスーなの。パッと見リュウトさんから見たら同じガイジンさんだけど笑」
龍人「へー!じゃあエレアちゃんはノアニールとスーのハーフなんだねえ~! ガイジンさん同士の夫婦は国が違っててもわからんな笑」
バー���ラ「リュウトさんって面白いわねえ😂 あたしは今回が初の海外だし、東洋人見るのはリュウトさんがお初だわ。 それにさっきまで焦げてたから顔わかんなかったけど、男前だったのね~🎶 武闘家さんだっけ?筋肉もすんごいのね!ムッキムキで素敵!」
バーバラのグリーンアイがキラキラしている。 初めて見る東洋人に興味津々のようだ。 龍人はバーバラに褒められてデレデレしている。
龍人「いやいや~😚バーバラさぁん🎶めっちゃ嬉しいけどエルマーさんの前であんま褒めないで~ まーたイオナズン喰らっちゃうよォひゃははは!」
エルマー「まるで私が嫉妬深い男みたいな言い方やめてくださいよ、リュウトさん笑」 (ふーん…バーバラは男らしい奴がタイプなんだろうか。 逞しい東洋人みて随分嬉しそうにしてるなあ。)
エルマーはノンアルをちびちび飲みながら龍人とバーバラの様子を伺っていた。 龍人とバーバラはバンバンビールや酒をお代わりしまくりだんだん出来上がって来ていた。
エルマー(詫びに奢るって言ったけど、私持ちだからってリュウトさんもバーバラも随分飲んでるな💧)
龍人とバーバラでえらい盛り上がってたのでエルマーは愛娘と話をしていた。
エルマー「エレア、ママとリュウトさん盛り上がっちゃってるから退屈じゃないか?」
エレア「そうですね、パパ…おとなのおはなしはわからないので、 やどやにもどってまほうのおべんきょうしてもいいですか?」
エルマー「その方が良いかもな。パパは代金払わないといけないからまだここに居ないとだめだけど、エレアは先に戻ってて良いぞ。」
エレア「わかりました、パパ。では、わたしはおさきにしつれいします。」
エルマー「バーバラ、エレアが宿屋に戻るから見送ってくる。 リュウトさんと飲みすぎて調子乗るなよ。」
エレア「ママ、リュウトさん。ごゆっくり。 のみすぎないようにきをつけてくださいね。 わたしはパパにおみおくりしていただきますね。おさきにしつれいします。」
バーバラ「あらぁエレア、ごめんねえ!エルマーもそのままトンズラしないでねーおほほほほ!お酒代あなたもちなんだからァ~」
龍人「あらエレアちゃんごめんね~💧またリュウトさんとあそぼうね😚 いやーエルマーさんありがてぇ~🎶人様にご馳走してもらう酒は最高に美味いわ!ひゃははははh」
エルマー(…飲みすぎだろこいつら…💧まあ良いけど…)
ーーーーー
エルマーは愛娘を酒場の斜め向かいの宿屋の前まで送ってあげた。
エレア「パパ、おみおくりありがとうございました。 さかばからちかいのにおてすうおかけしました。」
エルマー「お前はまだ小さい子だからね。もしパパ達が遅くなった場合、先に寝てて良いからな。」
エレア「わかりました。」
エルマーはエレアを宿屋に送った後、ルイーダの酒場の前でふと空を見上げた。
エルマー(もう夕方なんだ。夕焼けが綺麗だなあ…)
綺麗な夕焼けをぼーっと見つめていると誰かが近づいてきた。
???「あら!あなたは噂の旅の外国人の方では?」
エルマー「えっ?…!!」
声がした方に振り向くと、男装のような出で立ちをしている若い女性がいた。 黒髪のショートヘアに銀のサークレット、精悍で凛々しいが どこかあどけなさが残る顔立ちでマリンブルーの瞳が印象的な女性だった。 夕焼けに照らされ彼女が輝いて見えた。
???「…こんばんは。夕焼けが綺麗ですね。」
彼女ににこやかに挨拶された。 エルマーは彼女のオーラに圧倒されてたじろぎながら返事をした。 彼女が自分達が切実に会いたかった女勇者様に間違いないと確信したが、探りを入れるように聞いてみた。
エルマー「あ…こんばんは…。そうですね… あ、あの…もしやあなたは…勇者オルテガ様のご息女のロゼア様では…?」
ロゼア「まあ!私の事ご存知だったんですか? はい。私はまさにそのロゼアですが。」
エルマー「やっぱり!ロゼア様!お、お会い出来て光栄です!」
突然現れた女勇者様の唯ならぬオーラにひれ伏してしまったエルマーは 咄嗟に手を胸に当て片膝をついた。
ロゼア「まあ…そんなご丁寧になさらなくても…。突然話しかけてごめんなさい。」
エルマー「い、いえ…お声掛け頂きとても光栄です。 ロゼア様も私の事を何か存じ上げていたようですけど…」
エルマーは珍しく緊張していた。女勇者ロゼアの聖なるオーラが眩しく、全く想像出来なかった姿が予想以上のものだったからだ。 エルマーにはディープインパクトだったようで まともにロゼアの顔が見れなくて冷や汗をかき顔を真っ赤にしている。
ロゼア「実はあなた達を私の家のお隣で数日前に見かけたんです。 宿屋に入るところでしたね。それから私は魔王討伐の準備で色々忙しかったんですけど、あなた達御家族が町中で噂になっていましたので… まさかルイーダの酒場でお会い出来るなんて。」
エルマー「そ、そうでしたか…(どんな噂されてるんだろう…) 宿屋のお隣はロゼア様のご自宅だったんですね。」
ロゼア「はい。私の生家です。今日誕生日を迎えて先程王様に謁見しまして、共に魔王討伐に行く仲間を探しに来たところです。」
エルマー「では今日16歳になられたばかりですか… お誕生日おめでとうございます。王様への謁見���今日だったんですね。」
ロゼア「ありがとうございます。お陰様で今日で成人しました。 あの…良かったらお名前を教えて頂けませんか。」
エルマーは終始緊張していて名乗るのをすっかり忘れていた。
エルマー(😱!わ、私とした事が…💧) 「はっ!し、失礼しました!私は…魔法使いのエルマーと申します。 どうぞお見知り置きを…。私達一家はロゼア様にお会いしたく、スーからアリアハンに参りました。」
ロゼア「!!…まあ…!そんなに遠い所から私に?…ご足労お掛けしました。こちらこそ光栄です。」
エルマー「いえ…。お手を失礼致します。ロゼア様への敬愛を込めて…。」
エルマーはロゼアの手を取り手の甲にそっと口付けをした。
ロゼア「わぁ…エルマーさんのような素敵な方に、こんな紳士的なご挨拶されたの初めてです…。」
ロゼアは照れくさそうに微笑んでいた。 美しい夕焼けの中でキラキラ輝いて見えた。
エルマーもすっかり顔が真っ赤になっていた。 ロゼアのその表情を見て完全に心を奪われてしまい、うっとりした目で彼女を見つめていた。
エルマー(ロゼア様…)
傍から見たらロマンチックなシチュエーションの中なにか鋭い視線を感じた。
バーバラ「ちょっとぉ、エルマー…その子誰ぇ?今その子のお手手にチューしてたわよねえ。 戻ってこないから外出たら夕焼けの中随分ロマンチックに見えたわよぉ、お二人さん…」
大分酔っ払っていてすっかり目が座っているバーバラが仁王立ちで現れた。 泥酔した妻を目の前にし、ロゼアに陶酔していた気分が一瞬で覚めてしまった。
エルマー「!!!うわっ!バーバラ!なんだ、すっかり酔っ払って…💧」
ロゼア(…金髪美人!わぁ…やっぱりエルマーさんとお似合いだわ…) 「あっ、エルマーさんの奥さんですか?初めまして。」
ロゼアはバーバラに軽く会釈した。
バーバラ「??え?あなた、あたしの事どうして知ってるのぉ?」
ロゼア「数日前、うちの隣の宿屋でエルマーさんに抱き抱えられてるところを見かけたんです。私は…!?」
ロゼアが名乗ろうとするとエルマーはサッと手を出し遮った。
ロゼア「エルマーさん?」
エルマー「ここは私が…バーバラ、よく聞けよ。 この方が私たちが会いたかった勇者ロゼア様だ。」
バーバラ「!!へ?えええぇ?んまああ!このコが例の女勇者様っ? ロゼア様ってお名前なのね!? ちょっとあなた!どこでロゼア様見つけたのよぉお?」
バーバラは夫の服の襟に掴みかかった。 エルマーは苦しそうにしている。
エルマー「ぐえっ!く、苦し… ロゼア様にお会い出来たからってコーフンし過ぎだろ、バーバラ…」
バーバラはかなり酔っ払っているが、会いたかった女勇者様を目の前にしてコーフンしているようだ。
龍人「ああ~ん?なんか女勇者様が云々聞こえたけどなんだぁ~?🌞」
エルマー「ゲホゲホ…!!わー…リュウトさんまでベロベロに酔っ払って…💧」 (代金いくらだろう…どんだけ飲んだんだコイツら😱)
ロゼアは状況が飲み込めなくてちょっぴり固まっていた。
ーーーーー
エルマーは謎にはずかしそうにしていた。
エルマー「なんか申し訳ありません…ロゼア様…💧実は我々一家と武闘家のリュウトさんは知り合ったばかりでして… それでリュウトさんとうちの妻が意気投合して沢山飲んでたみたいで… 娘が少し退屈そうにしてたので宿屋に送った帰りに 丁度ロゼア様にお声掛けして頂いた、という感じです…🤦‍♂️💦」
ロゼア「そ、そのようですね笑 酒場だとどうしても大人同士で盛り上がってしまいますし😅 お子さん、今宿屋に居るんですか。後でご挨拶に伺っても良いですか?」
エルマー「はい。是非娘にもお会いして頂ければ…。 娘もロゼア様に会いたがっています。寝ていなかったら良いですが。」
ロゼア「まあ嬉しい☺️たしか青い髪したお子さんでしたね? ぜひこちらこそ伺わせて頂きます。」
龍人「あえぇ?ロゼア様って…うおぉおおおぉお! そこの美少女が噂の女勇者様かあああぁあ!ひゃほーーう💞💖 うわー!はるばるジパングから会いに来たかいがあったわー! ロゼア様めっちゃ可愛い勇者様じゃ~ん😍ひゃは~❤」
バーバラ「いやーん!ロゼア様カッコ可愛いいーィ!😍 だからぁ、エルマァ、どこでロゼア様引っ掛けてきたのよーぅ…」
ロゼア(うーん、奥さんと武闘家さん?はかなり出来上がってるな💧 シラフなのはエルマーさんだけみたいね…) 「あ、ありがとうございます…」
エルマー「引っ掛けてって…💧 まるで私がロゼア様をナンパしたかのような言い方止めてくれ😑💧 私もそこの入口で知り合ったばかりだよ。」
バーバラ「んま~あ!知り合ったばかりでロゼア様のお手手にチューしてたのぉ?エルマーったらえっちねえ!」
エルマー「お手手にチューのどこがえっちなんだよ💧」
龍人「え~!エルマーさん、ロゼア様「と」チューしてたの? わーやらしいんだー🌟ひゃははh」
バーバラ「はぁ?💢エルマーったらロゼア様に何やってくれてんのよ!このドスケベ!」
ロゼア「えぇえええぇ?😳😳😳💦」
ロゼアは両手を頬に当てて真っ赤っかになっている。 エルマーは思いっきり吹いた。顔を真っ赤にして必死に言い訳した。
エルマー「そんなことしてない!!勝手に話盛って私をドスケベ扱いするな!! 私がキスしたのはロゼア様の手の甲だ!ロゼア様を敬うご挨拶をして何が悪いんだ。 お前ら敬愛のキスも知らんのか!!!信じられないなら調べてみろ!! はぁ…この酔っ払いどもめ…」
龍人「ひゃはははははwwwエルマーさんえらい必死なんだけど~笑」
エルマー「…💢」
ロゼア(😳…なんか誤解されてる💧) 「あ、あの…リュウトさん?にバーバラさん…ですか。 私、丁度王様への謁見が済んで、ここで魔王討伐に一緒に行ってくれる方を募ろうと思ってたんですよ。 エルマーさん達のご一家が今とても町中で噂になってたので、 丁度入口でお見かけしたから私がエルマーさんにお声掛けしたんです。」
龍人「あらま!エルマーさん達有名人なん?」
エルマー「その我々の噂なんですけど …確かに町に出る度に視線すごいんですよね。 アリアハン到着時に妻が船酔い酷くて、私が妻を抱き抱えて娘も連れて この町に入った時からザワつかれてしまって。」
バーバラ「あら、うちの家族そんなに噂されてたの? あたししばらく寝込んでてアリアハン見て回れてないから全然知らないんだけど💦」
龍人「えー!まあ数日前だろうけどつまりバーバラさんをお姫様抱っこしてここに来たって事か?そら目立つわなあ笑」
エルマー「お姫様抱っこて笑」
ロゼア「あっ、じゃあ私が見かけた日は多分エルマーさん達がここに来たばかりの日ですね。 あの時は皆さんのお顔見えなくて、お子さんの青い髪が印象的でしたけど… エルマーさんも青い髪されてますよね。珍しいけど私は綺麗な髪色だなって思いました。」
龍人「エルマーさん、その水色頭って突然変異とかなんかワケありなん? オレも水色頭のガイジンさんは初めて見たし、オレそういうの疎いから差し支えなかったら教えてくんない?」
エルマー「水色頭…苦笑 「青い髪」は散々言われてきたけど 水色頭は初めて呼ばれたな…😥なんかリュウトさんは表現が独特で面白いな笑」
龍人「うん、よく言われる笑😂」
バーバラ「水色頭😂あたしもエルマーに出会った時ちょっと珍しいなって思ったけど、 ふっつーに綺麗な色よね~確かに目立つかもだけど。」
バーバラと龍人は酔いが少し覚めてきたようだ。会話がまともになってきた。
エルマー「妻は私の諸事情をすんなり受け入れてくれたので良いんですが、 少なくともロゼア様とリュウトさんも今の会話の反応だときっと肯定してくれそうなのでお話します。」
ロゼア「エルマーさんが良ければ是非。」
龍人「うんうん!オレも聞きたい!」
バーバラ「なかなか深いわよ~このお話🎶」
ーーーーー
ロゼア達は酒場の中で改めて飲み直した。(エルマー持ちの追加料金で) エルマーは自身の青銀髪について話し始めた。
エルマー「大分薄いんですけど私は魔族の血を引いています。 見た目はほぼ普通の人間です。耳も尖っていないし。 私の母方の血筋のようなんですけど、母親は耳が尖っていました。 母の話ですと母の父親…私の祖父ですね。 祖父が半魔族らしくてやはり耳が尖っていたそうです。 祖父は会ったことないのでどんな方か分かりかねますが…。 (※大分後のお話ですが、エルマーの祖父が登場します。生きているようです。) この青い髪…我々は青銀髪と呼びますが、これが魔族の証みたいです。 あとは個人差で何らかの影響かな。恐らくさっきの唱えた記憶がないイオナズンもこの血の影響かと。 魔力だけは幸い強いみたいで魔法使いの職業が上手く活かせてると思います。 子供の頃はよくからかわれましたね、珍しすぎて。 血が途絶えない限りはいつまでも遺伝すると思います。 結婚相手がずっと人間であれば徐々に薄まっていくでしょうけど。 娘も青銀髪になってしまいましたね。あの子も子供でも魔力がとても強いです。」
ロゼアと龍人は同じ表情をして感心をしていた。 バーバラはうんうんと頷いていた。
ロゼア「そういえば、私が王様に謁見中に大きな爆発音聞こえましたね… 王様が「敵の襲撃か?!」と驚かれてました。 あれエルマーさんが放ったけど記憶のないイオナズンだったんですね😅なんでまた…」
龍人「なはは~💧オレがエルマーさんを女の子だと思ってナンパしたら キレられちゃって丸焦げにされちゃってさ~💦 んで、イオナズンした記憶がないし怪我させてしまってすんませんって事で、 エルマーさんの奢りでみんなでワイワイやってたわけよ~ひゃははは!」
エルマー(言い出しっぺは私だけど今日どんだけ飲んだんだよ…💧) 「なんか今日は目まぐるしい1日ですね笑 ロゼア様にも無事にお会い出来たのは嬉しいですが。」
バーバラ「あたしもロゼア様にお会い出来て嬉しいわ~! しかも凛々しくて可愛らしい子でビックリ! だけど旦那のそんな部分見たことなかったんで意外だったわ~。 あたしにもキレないでね、エルマー💦」
エルマー「お前が余計なこと言わなきゃキレないよ笑   女性にはそんなことしないけど。」
ロゼア「バーバラさん、ありがとうございます☺️ 皆さん、リュウトさんのナンパから始まった出会いだったんですか笑 確かにエルマーさん素敵な方ですものね☺️ 町の皆さんが「青い長髪の美形」と噂されてたのでお見かけしたとき、 噂通りでビックリしました☺️」
エルマー「そ、そんな風に言われてたんですか💦あ、ありがとうございます…😳😳😳 ロ…ロゼア様こそ…とても凛としてて可愛らしい方で…私も驚きました…ええ…。」
エルマーはモゴモゴしながらまた真っ赤になった。 すぐにノンアルを飲むフリしてごまかした。
ロゼア「!😳あああありがとうございます…🤦‍♀️💦」
ロゼアもまた照れまくっている。
バーバラ「あなた、ロゼア様が可愛いコで良かったわね~?」
バーバラは夫に冗談ぽく振ってみた。
エルマー「全く想像付かなかったけど、実際お会いできて本当に驚いた…」
エルマーはまだ照れくさそうにしている。 意外な反応だった。 バーバラは夫が他の女性にこんな反応をしているを初めて見た気がした…。
ロゼアは自分の両頬をピシャ!と叩いた。
ロゼア「ふー照れちゃって暑いっ!ごめんなさい。 そっそれで……青銀髪についてですが……💦 この世は魔族とかエルフとか色々な種族がいるみたいですからね…。 なので色んな種族の血が混じってくるのは自然の摂理ではないでしょうか。 エルマーさんの青銀髪…個性的で綺麗で素敵だと思います。」
龍人「うんうん!オレも水色頭珍しくてカッコいいと思うよ~🎶 かなりレアだからビックリされるのは仕方ないけど、何か文句言ってくる奴はシカトでいいじゃん。」
エルマー「うん、既にシカトしてる笑 生まれ持った個性と思って開き直っています。良かった、否定されなくて。」
バーバラ「んー…じゃあうちの娘は完全な人間のあたしの血も引いてるからまた少しばかり魔族薄くなっちゃったわね。 だからかしら…エレアの魔法が安定してないの…なんかごめんね😅 旦那と娘が魔法修行してるの見てると、娘の魔法があちこち飛んでったり、 マヒャドがヒャドになったり見てる分は面白いんだけど、 旦那は指導するの苦労してるみたい😅 あたしはただの主婦だし飛んでくる魔法を殴ったりするしか出来ないから…笑 そうね、もし仮にエルマーが将来再婚することがあったら、 例えまたその人が人間でもあたしよりも何かと能力ある人との子供なら 魔族としては薄れるだろうけど、まだマシになる気がするわ。」
エルマーはぎょっとした表情でバーバラに返す。
エルマー「えっ…私がさ、再婚?何をまた…。」
バーバラ「仮の話よ、仮!あたしは『ちからじまん』なだけで魔法も何もからっきしだから笑 だから次の奥さんがもしまた人間でもエルマーみたいな魔法使いとか、 ロゼア様のような勇者様ってくらいだからきっと剣も魔法もマルチな人とかなら、すごい子供生まれそうと思っただけよ。」
エルマー「わ……考えたことなかった。バーバラ意外と頭まわるんだな笑」
バーバラ「!!なによ、失礼ね!こう見えて結構考察とか好きなんだから。」
エルマー「はいはい。バーバラの新たな面を知ったよ🤭」
バーバラ「(舌打ちしながら)絶対バカにしてるでしょ…感じ悪!」
エルマー「ふふふ笑」 (再婚の仮定話だなんてビックリしたけど、 思わずもしロゼア様と私が結婚したら凄い子が出来そうだな、 なんてちょっと思ってしまった…🙄💦恐れ多い事だな……)
ロゼアはバーバラの遺伝子学的な仮考察を聞きながら 頭の中で家系図を張り巡せていた。
ロゼア(うーん…🤔深い。今は戦士的な能力?のバーバラさんが奥さんだから、 つまりは魔法使いで魔族の血もあるエルマーさんとのお子さんは能力がエルマーさんだけど、 戦士的で魔法を使わないバーバラさんと半分こで魔法に副作用が出てしまっているってことよね。 もし奥さんが違う能力の持ち主であれば、子供は両親どちらの能力も引く可能性を秘めている…と。)
龍人「エルマーさん夫妻の漫才よ😂😂😂 そういやバーバラさん何の職業なんだろうと思ってたわ笑 なんか家でも面白そうな家族なんだなあ😂」
エルマー「あっ…冒険者登録まだだった…色々ありすぎて笑 いやあ…面白いというかなんというか…😅 傍から見たら風変わりとは思う。」
ロゼア「バーバラさんの例え話、とても考察が深いですね。 思わず仮の家系図?みたいなものを想像してしまいました。 夫婦漫才面白いです👏ふふふ。楽しそうな御家族なんですね🤭 リュウトさん(武闘家)とエルマーさん(魔法使い)は職業が明らかになっているので、是非私の魔王討伐隊に加わって頂きたいと思ってましたが、 バーバラさんの職業がお決まりでないのなら、良かったら私も選択お手伝いしますよ。」
バーバラ「あたしの仮考察なんかで家系図想像しちゃうなんてロゼア様頭良いのね~! 勇者様やってるだけあるわぁ… ロゼア様、さっきは失態晒してごめんなさいね💦是非お願いします💦」
ロゼア「いえ。お酒が入ったら楽しくなっちゃいますからね笑 じゃあ、バーバラさんって何か得意な事ありますか? 得意な事を活かした職の方が旅しやすいと思いますよ。 ご主人のエルマーさんとご一緒の方が良いでしょう?」
エルマー「ロゼア様…」
バーバラ「まあ…!なんか気遣ってくれてありがとう…。 実はね…勇者様が女の子だってロゼア様の事聞いた時 旦那が1人旅立とうとしてたんで、勢いで娘連れて旦那に付いてきちゃったけど、足手まといだったらどうしようと思ってたの💦 あたし、ロゼア様の事頑張ってサポートするわ!」
エルマー「わ、私は純粋にロゼア様の手助けがしたくて…。 ほら…勇者様とはいえ女性だし力不足な所もあるだろうと…。 お前達置いてくるのも心配だったから付いてきて貰ったけど、 それじゃまるで私がロゼア様目当てみたいで、ちょっと語弊があるぞバーバラ💧」
バーバラ「あら、ごめんなさい💦言葉足らずだったわね😅」
ロゼア「まあ…そうだったんですか…確かにもしそうなってしまったら旅先のご主人が気がかりになりますよね💦 そしてサポートありがとうございます。先程のお話で飛んでくる魔法を殴ると言ってたので笑 多分戦士がいいのかなと思いました。」
エルマー(…もし私が単身赴任だったらどうなってしまってたんだろうか…) 「さすがロゼア様ですね。妻は木こりの娘で『ちからじまん』だし、 地元でも魔物に物怖じせず斧とかフライパンで殴ったりしてくれるんで、私も戦士がピッタリかなと思ってたんです笑」
バーバラ「ちょっとエルマー!あたしが自分で話そうと思ったのに!美味しいとこ持ってかないでよ。」
エルマー「私が説明した方が早い笑」
バーバラ「くっ…無駄に頭の回転良くて腹立つわ〜」
ロゼア「まあ!エルマーさんもバーバラさんの職業同じように考えてたんですね! そしてフライパン!主婦らしい戦い方ですね笑  斧もお使いになるんですか?」
バーバラ「あっ、ええ…うちで薪割りよくやってるから…💦」
ロゼア「バーバラさん、お綺麗なのに豪快な方なんですね🤭 旅が楽しくなりそうです。じゃあやはり戦士が良さそうですね。」
バーバラ「そんなお綺麗だなんて…😭😭😭 あたしもうカッコ可愛いロゼア様に足向けて寝れないわあ~ じゃあ戦士になってきますので宜しくお願いします!!」
バーバラは両手でロゼアに思い切り握手した!
ロゼア「あっ…確かに握力すごいかも💦女傑同士頑張りましょうね。」
バーバラ「はい!ロゼア様に敬礼!」
バーバラはロゼアに敬礼し、酒場の2階に駆け上がって行った。
エルマー「ロゼア様、旅慣れぬ妻に御指導ありがとうございます… そして私達夫婦共々、魔王討伐隊に加えて頂き大変光栄です。」
ロゼア「いいえ。こちらもパーティーがすんなり決まって良かったです😊 頼もしい方ばかりで嬉しいです。回復面がちょっとアンバランスかもしれませんけど。 私、回復魔法は使えますが、念の為薬草も多めに買っていきましょう。 よろしくお願いしますね。」
エルマー「さすが勇者様ですね。判断がとても的確で感動しました。 これからよろしくお願い致します。」
龍人「ロゼア様ありがと~!オレも美少女勇者ロゼア様に付いて行けて嬉しいな~🎶 『女戦士バーバラ』かあ…なんかカッコいいね~🎶」
ロゼア「リュウトさん、私、一応成人したのでもう少女、ではないかも笑」
龍人「へ?ロゼア様まだ若いっしょ?15〜16歳ぐらいかなって思ったんだけど。」
ロゼア「リュウトさん、正解です!私、今日で16歳になりました。 アリアハンでは16歳が成人なんです。」
龍人「あらま!誕生日おめでとうロゼア様!なんか誕生日に討伐の旅開始っていい記念になるね〜!」
ロゼア「ありがとうございます。」
龍人「海外は成人基準違うんだぁ〜。ジパングは成人は20歳なんだよね~。 オレ今21歳でジパングでは去年成人なったばっかだけど、 アリアハンじゃいい大人の男なっちまうんだなあ。 そういやエルマーさん達はいくつなん?」
エルマー「へえ…ジパングでは丁度20歳で成人なんだ。 キレが良くて分かりやすいですね。 私もバーバラも25歳です。偶然にも同年代なんですよ。」
龍人「うぉおおお!大人の男女だ!!オレより年上だったのかあ~💦 ま、オレは気にしないけど🎶」
ロゼア「まあ!エルマーさん達、私よりも9つも年上だったんですね。 どおりでエルマーさん、紳士的で落ち着いてると思いました。 バーバラさんも大人の女性でお綺麗だし…リュウトさんも5つ上で頼れるお兄さんですね。」
エルマー「私はロゼア様から見たらおじさんですね😅」
龍人「ぶははは!なんかエルマーさんがおじさんって似合わんくない?😂😂😂」
ロゼア「そうかも笑 まだまだお兄さんでいけますよ。 25歳よりも少しお若く見えましたので年齢聞いて意外でした。 大人の男性には変わりありませんが。」
エルマー「ありがとうございます☺️💦なんか照れますね…」
ロゼア(エルマーさんは意外と照れ屋さんなのかしら… 素敵なのに可愛い面もあるのね🤭) 「リュウトさん、エルマーさん。これからは仲間として旅立つし、 『ロゼア様』ではなくてもっとお気軽に呼んで頂けたらうれしいです! 私が勇者オルテガの娘という事を気にせずに仲間の一人と思ってお気軽に接して下さい☺️」
リュウト「あら!じゃあオレはロゼアちゃんって呼んじゃお〜っと!😍」
エルマー「では、私はロゼアさん、と…☺️」
バーバラ以外の3人が互いの年齢の話で盛り上がっていたら、 酒場の2階からバーバラが戦士となって恥ずかしそうにゆっくり階段を降りてきた。
バーバラ「あの……ロゼア様💦登録終わったんだけど、 この鎧セクシー過ぎないかしら…もうちょっと布が欲しいかも……」
女戦士として舞い降りたバーバラは露出が高いボディラインが 顕著に出てしまっているセクシーな鎧で参上した。 バーバラは1児の母とは思えぬ胸とお尻が少し大きめなグラマー体型だった。 今までの服はボディラインがあまり目立たないフレアスカートのワンピースだったので (夫以外)バーバラが予想外のスタイルで驚いた。
ロゼア・エルマー「!!!!!!!👀👀👀」
龍人「うっわ!!すっげーーー💖💖バーバラさんめっちゃグラマーじゃ〜ん!!! これはエルマーさん夜もめっちゃコーhn…いて!」
エルマーは恥ずかしそうに黙って龍人に脳天チョップした。
龍人「なーんだよー!エルマーさん子供いるくせにぃ笑」
エルマー「…恥ずかしいんで黙っててくれますかね💧」
エルマーは龍人のスケベさに呆れながら、顔を真っ赤にして照れくさそうに自分が羽織ってた深緑のローブを妻に羽織らせた。
エルマー「バーバラ、取り敢えずこれ羽織っとけ。さすがに目のやり場が… まさか女戦士の鎧がここまで刺激強いとはちょっと予想外だった…」
バーバラ「ありがとエルマー…😭💦」
ロゼア(わ、さすがエルマーさん…紳士🎩だわぁ😳) 「わ、私もなんかすみません…💧戦士お勧めしといてなんですけど、 女性の場合はセクシーなデザインの鎧だったこと すっかり忘れてました…ほんとごめんなさい! でもスタイル良くて羨ましいです!😳😳😳(私あんまり胸ないから…💧)」
バーバラ「ありがとうロゼア様💦 あたしは昔からちょっとぽっちゃりだったから… こんな露出たっかいアーマーじゃ、さすがに歩くのすら恥ずかしいわ… どうしましょ…💧いつまでも旦那のローブ借りてるわけにもいかないし…」
エルマー「私は全然構わんぞ。寒い所以外なら。」
ロゼアはとっさに閃いた💡
ロゼア「あ、あのバーバラさんとてもグラマーなので 私のアンダーウェアが合うか分からないんですけど、それ付けてみたら違うかも… これから私の家に行きましょう!母にも祖父にも討伐パーティーが決まった報告もしたいですし! その後宿屋でエルマーさんとバーバラさんのお子さんにも是非お会い出来たら、と…」
龍人「え~オレそのままのバーバラさんだったら 会心の一撃出まくって張り切っちゃうけどなあ💖」
エルマー(いくら妻でもずっとあんな露出高い装備だったら気が散る💧)
バーバラ「おっお願いします😭これじゃ恥ずかしすぎて戦えない💦」
ロゼア「じゃあ決まりですね!皆さん早速うちにいらしてください💦 この酒場のすぐ向かいなんです。」
今日は女勇者ロゼアの16歳の誕生日。 個性的なメンバーと出会い、これから彼女達のわちゃわちゃな冒険活劇が幕を開ける…。
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chaukachawan · 2 years
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多分妄想と木彫りで演出の役者紹介のテイスト逆な方がしっくりくると思う。おくれてすまん
どうも夕暮児です。
妄想の役者どもと32期の先輩たちを紹介します。
中津川つくも
今公演期間中ひたすらお世話になり続けた。稽古でも場当たりでも、つくもさんがいてくれたから僕らは最強になれた。僕は計画性のない人間なので、つくもさんみたいに引っ張ってくれる人がいないとやってけなかったんだと思っている。女優としてのつくもさんは本当に器用で、一回言ったら全部完璧に演じきってくれるし、それでも満足しないで自分で僕の理想の遥か上を目指してくれた。というか、最高でした。独り語りも、叫びも、変顔も全部上手かった。オムニの時からすごく好きな演技をしてて、主役を任せたいのはこの人だ!ってずっと思ってた。とてもおこがましい願い、叶えてくれてありがとうございます。あなたのような優しい人間になりたいと心から思います。
かけうどん
偉大なる演補。そして舞台ブレイカー。雰囲気ブレイカー。彼が出てくると一気にシーンが切り替わる。長年舞台をぶっ壊して登場したいと思ってたらしい。引退公演で叶えられてよかった。最初にパネルぶっ壊したいって言った時にはどう答えるか迷ってしまったけど、実現してしまうところに執念深さと経験値と腕前の凄さを感じる。何かよからぬことを企んでいる時のロッドさんのニヤニヤした笑顔が本当に好き。インパクトの斜め打ちを教えてもらったのはいい思い出。合宿で夜中に語らった時にロッドさんはすごく正直で真っ直ぐな人なんだなと思った。自分の意見をはっきり言える強さを持っていて、カッコいい。サシでゆっくりたくさん話してみたいな。本当にお疲れ様でした。
藤丸翔
照明会議5時間もやっちゃってすみません。その時感じたのは、引き出しの多さ。身を委ねておけばスラスラ事が運んでいくあの感じ。仕事人だなと思った。照明のこと色々教えてもらった。それからベニ切りも教えてもらった。まだごちゃいさんの5分の1以下のスピードでしか切れない。強い。多分永久に勝てはしない。ツッコミの切れ味もすごい。強い。多分永久に勝てはしない。いや、そもそも僕はボケだった。座長としての安心感がハンパない人。あれくらい信頼を置かれる人になりたい。ということで、来年から藤丸翔と名乗ります。ふじまる・しょうではないです。フジ・マルショウです。なので合法です。箱で一緒にカップ麺もっとたくさん食べたかった。
雑賀厚成
乾杯。いくらでも乾杯したかった。なんなら今後もシドさんに乾杯しよう。ちゃうかが滅ぶその日まで音響班はシドさんに乾杯します。そのくらいシドさんには不思議な魅力があると思います。イジっても受け止めてくれそうな感じ。本当にいいキャラクター。そしてイケボすぎる。音響チーフ3人でラジオやりたい。きっと面白いのか面白くないのかの境目くらいのクオリティになる。でもシドさんの声が聞きたいから聞いちゃう。個人的に木彫りで一番上手かった気がする。
宙稚勇貴
圧倒的クレイジー。34期のみんなは気づいてるのか気づいてないのか。ネジが3本は外れてる希ガス。演劇にアツい。この人に最初にお世話になれて良かった。きっとオムニから一直線で突っ走って来れたのはくうやさんのおかげ。ピザキライ!!楽しすぎた。秋公はああいう稽古場の雰囲気を目指してやってみた。難しかった。やっぱくうやさんすごいや。尊敬。人形役のくうやさん、最初はイメージできてなかったけど稽古場行って感服させられた。引き出しの多さ半端ない。ガンギマリこたちは彼のおかげで出来ました。発声もくうやさんに仕込まれてだいぶ良くなった気がする。すげえや。すげえ。
杏仁アニー
あなたがいなくてどうやってちゃうかを回すのか、無理難題すぎて困る。大体なんでもできる。万能神。講習会行ったら大体いる。いろんなものが作れて絵も描ける。合宿でちゃんぽんを奢ってもらった。嬉しい。ナイ��ビンゴ。スタッフの腕もさることながら、役者としても最強で、外公のひろはマジで鳥肌ものだった。周りのことをすごく見てる人。カッコいいなとずっと思ってます。アニーさんよりすごい小道具をいつか作ってみたい。無理か。頑張る。
あしもとあしっど
背が高くてカッコええ、そして彼にしかできない役が10種類くらいある。ニトロさん、物騒な名前。芸名も物騒だ。ニトロさんの作ってくれたキャスパ映像が大好きで本当に可愛いし最高だった。僕が世界一わかりにくい絵コンテを描いたのだがまさかうまく出来るとは。器用。手作りでいろんなものを作っている。お父さん感ある。でも乙女感も感じる。面倒見がすごくいい人だと思う。何度かご飯一緒に行ったけどウフって笑う。そのウフが好き。今回の役は本当に上手かった。そしてコントも好きだった。まりおうらやま。
友情出演
脚本書く身になったから彼の凄さがすごくわかる。わかる気になってるのもおこがましいかもしれない。強い。強すぎる先輩。最近心なしかエチュードの時に真似してしまうようになった。彼の気張らないスタイルの演技がめちゃくちゃタイプ。脚本も音楽も全部凄い。目指したい姿。音楽は真似できないけど。左利きのエレン好きが判明して嬉しかった。一度ロビンソンさんの演出受けてみたかったな。いつかどこかで。
永満柊人
ミッチェルさん。ポルカ好き仲間。衣装を纏った姿がカッコ良すぎて痺れた。よさこいをやっているらしい。地元の文化だから嬉しい。よさこいはいいぞ。話し始めるとすぐに仲良くなれた先輩。打ち上げの時バックハグされた。キュンとした。不完全燃焼なのでもう一度お願いします。関わることないかと思ってたけど最後の最後で話せてよかった。素敵すぎる男。僕を乙女にする男。
ひろせんせー
コント出てるのを眺めていた。32期はみんな仲良くていいなーと思った。僕のエセ関西弁を誉めてくれた。感謝。
椋子
忙しそうな人。ほとんど話せなかったけど、顔面が優賞をもらってた。優勝してた。素敵。公演出ているのを生でみてみたかった。コントを投げられて直撃して死にかけた。南無。
佐藤舞弥
結局一言も話せなかった。話したかったなぁ。
○こっから妄想
ベジータベジ子
凄い熱量で出たいと言ってくれた。嬉しい。勢いがすごい。車より凄い。ジェット機くらいすごい。いや、それは言いすぎた。多分、夏に飛んでくるカナブンくらいの勢い。ふざけてるように見えて真面目。稽古場で一二を争うくらいの真面目。顔芸が好き。
佐々木モモ
新座長。そして我らが音響班。衣装も凄い。ちゃうかになくてはならない存在。頼りになる先輩。縁の下からも上からもちゃうかを支えている。もはや柱。ちゃか柱。フユコ役美人すぎて死にかけた。黒髪似合う。最初はフユコ誰にしよーかなーなんて思ってた時期もあったけど読めば読むほどころねさんだった。本人にとってお気にのキャラになってくれてたらいいな。
坪井涼
ダメ厳しいのにめちゃめちゃ頑張ってくれた。キャラ作りもめっちゃ頑張ってくれた。本番の迫力No.1。声がとてつもなかった。外公のあざといスタイルからかけ離れた役だったけど、自分的にはしっくり来てた。目には目ン玉歯には歯ン玉をこの世で一番上手く言える人間になってくれました。本当にカッコよかった。
ζ
βさん。ベタベタのβさん。誘拐された。何をとは言わない。
緒田舞里
誘拐ブラザーズっていう男の役なんですけど…って聞いた時どう思っただろうか。想像したら申し訳なくなってきた。ごめんなさい。でも、個人的に弟をあなたより上手くできる人などいなかったのです。案の定最高だった。ありがとう。
三一三
今公演で一皮、いや、五皮は剥けた。ロキの進化によって今公演のクオリティが爆発的に上がりました。たくさん剥けたからそろそろ何とは言わんが上手く行ってほしい。いや、行かなくてもそれはそれで…なんでもないです。感謝してる。努力家なロキ。きっといつか。
トロン
トロンさん。…ううううんカッコ良!目のやり場に困る。爆発力。らっしーを困らせないか心配してたけど困らせてくれましたありがとうございます。来年までにそのかっこよさに追いつきたい。できなそう。
大門宙羽
らっしー。役者初参加で僕の脚本に出てくれてありがとう。そして今後役者やらないの?やらないとしたら貴重な役者姿を間近で見れてよかった。これからは照明の申し子になってくれ。そしてトロンさんに困らせられてるのが可愛かった。
えどいん
殿、面白かった。ガーンの言い方が好き。無限にガーンを供給してほしい。二脚本出てたけど、要領の良さがやっぱ凄いのかなと思った。個人的に最後のシーンの笑顔が最高。
荻野琥珀
演補様。もっともっと頼っていけばよかった。オムニの脚本が好きだった。今回のキャストは意図せず文笑問題のキャストが多かった。凄い。侍ハマり役すぎた。オタクの役はやっぱりこの人。これから演出やる方、復唱しましょう。せーの!荻野琥珀はオタク役!荻野琥珀はオタク役!荻野琥珀はオタク役!…オタク役以外も見てええええええ!!!
かの
雰囲気がすごい。あの役はこの人以外有り得ない。…と思っていたら、ガラの悪い人も得意だった。剣幕がスゴイ。美しかった。流石です。もっと見ていたい。
Aru=R
殺陣をやってもらった。最後の方の上達具合がすごかった。楽ステのアドリブ面白すぎた。最高。またなんかの授業で会えないか��ぁ。
アリリ・オルタネイト
かわええ。刀捌きも素晴らしかった。もっと和装してほしい。二脚本出演お疲れ様。
ふぉにゃ
閻魔という中身おっさん役をやらせてしまった。見た目は美しかった。メイクと舞美を同時にやってのけた。性格の良さNo.1だと思ってる。一回あの衣装で踏みつけてほしい。
たぴおか太郎
映像に衣装に立て看に…お前はすげえ。奈良県民なのに。感性がめちゃくちゃ僕と近いと思う。今後も仲良くいろんな悪巧みをしよう。そして、新人公演ではお世話になります。
水琴冬雪
水タイプみたいな名前やな。演技指導に関して頼ることが多かった。なんでも言いたいことわかってくれる。凄い。全面的信頼。そして、本番では毎ステ笑いをかっさらった。ありがとう。
夕暮児
次はゴギガ⭐︎ガガギゴとして頑張ります⭐︎
スペサン
荷電レプトン
映像オペ。お疲れ様。衣装間違えるなよっ!
梅本潤
音響オペ。大変な脚本だったと思うけど、本当にうまく行ってた。ありがとうございました!
握飯子
A脚の演出様。お世話になりました。たくさん相談させてもらった。演出のスタイルは違うけどすごく勉強になった。今度は僕の脚本に出てほしい。あるいは出させて。
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zauri8836long · 2 years
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Una signora.
街を歩いているときにミスタ様を見かけるということは、別に珍しいことではないのだ。そのとき彼が女性と共にいるということも、別に ただ、その日私が目にした光景はなぜか私が見てはいけなかったものとしか思えずとても気分が落ち着かなかった
ナターレの準備に浮かれる街を並んで歩くミスタ様と見知らぬ女性。美しくまとめあげられた髪は私よりすこし短いくらい、コートの下のスタイルも女性的で美しいのであろうということが想像される、お似合いの二人 しかし私を狼狽させたのは女性の外見ではなく二人の間に流れる空気だった。信頼を寄せ合っているのが一目で分かる女性の柔らかい表情、女性に言い負かされたのかバツの悪そうな顔をするミスタ様。当たり前のことだが私はあんな顔をする彼は知らない それぞれが腕に抱える様々な荷物がナターレを過ごすためのものであるというのも追い打ちだった
傷ついたという訳ではなく、裏切られたという気持ちに近い ミスタ様に理想を押し付けている自分のおこがましさにも同時に気がついたが私にとっては本当に裏切られたのは私ではなかったのであろうと思う ミスタ様の大切な方は私の敬愛する彼の人ではないのかも知れないという事実が例えようもなく悔しかったのだ
Una signora.
「シーラE、ジョジョが君のことを心配していたけど何かあったのかい?」 あの光景を見てから数日、フーゴにそう声をかけられて愕然とした。私の様子がおかしいとしたらそれはきっとあの光景が原因だ ジョルノ様は大変聡いお方なので隠し事をしようと思うことは無駄なのかもしれないがそれで���気づかれたくなかったという気持ちが先に立つ 彼は私と違って誰かの後ろめたさを暴き立てるような能力は持ってはおられないし、そもそも私が誰にも話していないことを知る術などない筈なのだがどうしても知られてしまったように感じてしまう。ぎくりとした身体の動きををフーゴに気づかれはしなかっただろうか 「別になにも、ジョルノ様のお耳に入れるようなことはなにもないわ」 この言葉は間違いなどない本心だ 「…それならいいけど」 何か言いたげな視線に噛み付いてやろうと言葉を考える間もなくフーゴの口から次の言葉が聞こえてきた 「それと、ミスタが呼んでいたよ何か頼みがあるそうだ」 それじゃあ Buon Natale. いい夜をね。さらりと置いていかれた祝いの言葉にカチンとくるのを止められない。ナターレを共に過ごす家族がいないのはお前も同じだろう 今日はヴィリアディナターレ、今夜街中の店は軒並み扉を固く閉ざし老若男女は家族とともに過ごすのだ 最もパッショーネは世間が休みだからといって休めるような組織ではないし、若い者には身寄りのない者が私を含めて幾人かいるので本部が無人になることは決してない クララ姉様の死を許容する訳ではないが、ジョルノ様のお役に立てるのならばこの境遇も悪くはないと思えてくるのだった ミスタ様からのお呼出、ということは早速何かトラブルでも起きたのだろうか ミスタ様は明日お休みを取られるご予定なのでミスタ様がいなくても片付けられるようなトラブルであることを願いたい ナターレを共に過ごす方がいるのならそれは幸せなことなのだ
コンコン、とミスタ様の部屋の扉を二回ノックして一呼吸。返事を待たずに扉を開ける 「あぁ、シーラE悪ぃな」 そんな私の無礼を当たり前の様に流すのは何も私が特別という訳ではなくミスタ様にとってこれが当たり前のことだからだ この方は誰かを尋ねるときはノックの返事を聞かずに扉を開けるし、尋ねてきたもののノックには返事をしないという悪癖がある 慣れないものはノックの後に不安になる程度に待たされてそろそろ一分を数えるかというところでようやくおーい、いるなら入ってこいよという呼びかけをうけるのだ 理由があるのかと尋ねる機会は今まで特になかったがどうしてなのかを尋ねたら教えていただけるだろうか 部下の中には、いつでも部屋にくればいいと言われているようでうれしいと感じているものもいるようだ。私はどうにも不用心なように感じている ともかく、ミスタ様にはすこし部下達に気安すぎるところがあるように思う。現に今も、与えられた執務机ではなく部屋の奥に設置されたソファーに半ば寝そべりながらこちらに向けた手のひらをひらひらとふっていて、軽んじる訳では決してないが威厳というものが感じられないのだ 呼ばれるままに奥に向かいソファの横に立つと少し待つように指示された ミスタ様は手のひらに収まる小さな端末に何かを入力している。黒地に赤のラインが特徴的な携帯電話。いつも電話ばかりのイメージがあるがメールだろうか 最後に真ん中のボタンを力強く押してミスタ様はこちらに向き直る 「今日俺の代わりにジョルノの運転手やってくれよ」 御用は、と伺おうとした唇は薄く開いたまま。この方は私などにミスタ様の代わりが勤まるとお思いなのだろうか。最も断る権利などは私には存在しないのだが 「はい、わかりました」 多分一時間もしたらあいつ出られると思うから ミスタ様の命令を聞き逃さないようにしながら心のどこかに不満を覚えている自分を見ないふりをする ミスタ様が他に優先することがあると判断したことであるのなら代理を立てるのはなにもおかしなことではない たとえそれがジョルノ様に関わることだったとしても、何もおかしくはないのだ
「あと、プランツォすませて先に行ってるわってジョルノに伝えといてくれね?」 「今日はジョルノ様とご一緒なんですか?」 思いがけない台詞に思わず疑問を口にした後で聞いても良かったのだろうかと後悔した 「ん?んん、あぁ…やっぱ変だと思うか?」 やーでもあいつ家族と過ごす予定ないって言うしよぉ ぶつぶつと続く言い訳のようなものによけいな詮索と不快には思われていないことがわかる 私は、ミスタ様がナターレを過ごされる相手というのはてっきりご家族かこの間の女性だと思っていた 思えば彼女にも両親や家族はいるのだろうから私の思い込みというのも少し妙な話だが それでも、先日街で見かけた二人の間にナターレを共に過ごす者達独特の空気を見たように感じたのは確かで ともかく、ミスタ様がジョルノ様とご一緒に過ごされるのならばここ数日の私の妄想は杞憂だったということだ
まぁいいや、そういうことだから伝言頼むな 一通りのつぶやきが終わるとミスタ様はそういってソファから立ち上がりひらりと手を振って部屋から出て行ってしまった。私はこの部屋の鍵を持ってはいないのでミスタ様が戻られるまでこの部屋の鍵は開かれたままなのだろうか やはり、不用心だと思ってしまう それともそれもひとつの自信の現れなのだろうか
まずはミスタ様に頼まれた伝言をと思いジョルノ様のお部屋へ向かい扉を控えめにノックする と、即座に入室を促すお声がかかる 扉を開くと正面に配置された執務机にジョルノ様のお姿はなくその少し奥、本棚の前に佇み何事か難しい顔をされていた 「やぁシーラE何か用かい」 ミスタ様からの伝言をお伝えするとジョルノ様がひとつ、大きなため息をつく。何かまずいことを言っただろうか 「ああ、心配しなくても大丈夫、ぼくが今怒っているのはあなたではないので」 それで、彼は君に運転手でも頼んだの? 質問にゆっくりと頷く、もう一度大きなため息が聞こえた 私がジョルノ様の前に立つときに少し緊張してしまうのはいつものことだ。おっしゃる通り怒っておられるようには見えないが少しお疲れなのだろうか、執務机の上にはいくつかの書類が積み重なっている ジョルノ様の命令ならばなんだってできる、と考えている部下は私だけではないのだろうがそれでも彼にしかできない仕事というのは存在するのだろう
「ミスタから何か聞いたかな、プライベートな話で申し訳ないんだけどここまで連れて行ってほしいんだ」 そういって車のキーとともに手渡された地図にはここネアポリスの街からすこし郊外にでた海沿いの土地を示していた
「少し休むね」 出発はミスタ様が出られてから一時間ほど遅れて。街を抜けて一キロほど車を走らせたあたりでそう口にしたきり、ジョルノ様は後部座席でお休みになられている。街を出るということは周りに何もなくなるということでもし仮にジョルノ様を狙う不届きものがいたとしても隠れるところがほとんどなくなるということだ 車に乗ってすぐお休みになられたわけではないということは街中で護衛を任せられるほどには私の戦闘能力を認めてはいただけていないということだろうがそうであっても身に余る光栄に胸が熱くなる。今、私の精神のすべてはジョルノ様をできるだけ素早く、安全に目的地までお送りすることに捧げられているのだ
地図の通りならば目的地までもうすこし、そろそろ分かれ道が見えてくるというところで後部座席から機械的な振動音が聞こえる ジョルノ様が姿勢を変える気配と共にその特徴的な音は止まり、代わりにジョルノ様が涼やかな声で誰かと話し始めた
「ええ、もうすぐ到着します。」 シーラEに持たせてあげるものがなにかありますか?というジョルノ様の声に別に何もなくてもかまわないのにと思ったがジョルノ様の声が柔らかだったので口に出すのははばかられた 電話のお相手はミスタ様だろうか、その柔らかい声色で自身の名前を呼ばれたのをすこしくすぐったく感じたことは誰に言うことでもないだろう ジョルノ様がミスタ様に敬語で話しかけるのは何も特別なことではないということを私はなんとなしに知っていた 普段、私が見かける多くの時間を彼らは上司と上司に信頼された有能な部下としての関係を崩すことはないのだが時折こうして友人のような学生のようなそんなとげのない優しい関係に聞こえる柔らかい会話をされるのでそれを聞くたびに私は、お二人の関係は素敵なものなのだろうなと想像するのであった
「シーラE、左手に海が見えるでしょう?そちらに向かってほしいんだ」 それではあとで、と電話を切ったジョルノ様がおっしゃる通り海に向かって車を走らせる、潮の香りが濃くなり時折波の音が聞こえるような気がしだしたあたりでミスタ様の車が見えた。丘の上の小さな家の前、周囲の風景を邪魔しない程度に自己を主張するメタリックな藍色はそのままミスタ様の人となりを表している あの家まで行けばいいのかとジョルノ様に尋ねようとしたところで、車の横、家の扉から女性が出てくるのに気づいた あの人はこのあいだの
あの道の辺りにつけてくれる?後部座席から聞こえる声の通り小さな家へと続く道の手前に車をつける。 「助かりました、少し待ってね」 自らドアを開けて車を降りるジョルノ様がそうおっしゃるものだから、彼女とジョルノ様の様子を極力気に留めないよう視線を道の先に向ける なぜ彼女がここにいるのだろう 彼女とミスタ様とジョルノ様は共通の知り合いで今夜は共に過ごすということなのだろうかあの家は彼女の家なのか とりとめのない考えごとをしていると耳元で窓が二度ノックされ思わず飛び上がる。慌ててパワーウィンドをおろすとジョルノ様からひとつの茶色い包みを差し出された 「これをどうぞ、彼女の料理は絶品だから」 包みを受け取ると同時に間近で微笑まれて心臓が震える 迎えは必要ないというお言葉にきちんと返事はできただろうか それではといって丘を登って行くジョルノ様と、その隣を歩く彼女の間に流れる空気が、あの日私が見かけたミスタ様と彼女の間に流れるものと全く同じものだったので私は今更ながら先日の自分の勘違いを恥じると共に、ひどく安堵したのだった
「彼女がシーラE?」 横を歩くトリッシュの口から意外な名前が飛び出す 「ミスタ何かいってました?」 「えぇ、ジョルノにべた惚れな可愛い女の子の部下がいるって」 トリッシュの笑みを含んで弾む声にやはり女性は恋の話が好きなのだなと思う 「彼女はそんなんじゃないですよ」 「フーゴもそうやって否定してた。でも、あなたたちが決めることでもないじゃない?」 「それはそうですけど」 あぁそうだ、フーゴと言えば 「彼、怒ってませんでした?」 「そこまでじゃないけど、でもミスタには感謝しなくっちゃ。先に二人で来てくれて本当に良かったわ二ヶ月前に会ったきりだったから食事中もずっと難しい顔だったらどうしようかと思ってたの」 「やっぱりあなたに変な遠慮してました?」 「そりゃぁもうね!行きましょジョルノ、二人に手伝ってもらったら準備が早く終わりすぎちゃって。あとは明日までゆっくりできるんでしょ?」 わたし、二人にみんなの話を聞いてみたいと思っているのとすこし小さな声で彼女がつぶやく みんな、とは彼女と出会ってから一週間、共に過ごした仲間たちのことだ 「僕も、そうだな聞いてみたい。フーゴがいやがるかもしれないけど」 「今年がだめならまた来年があるじゃない毎年集まるんでしょ?」 前向きな言葉に、背中を押されたような気がした
「天下の歌姫の予定を、そんな先まで埋めちゃっていいんですか?」 「ナターレだから、いいんじゃない?」 いたずらっぽく笑うトリッシュの笑顔に自分の顔も自然と笑顔になっているのがわかる やはり僕はトリッシュや今年の春に出会い短い期間ではあったが行動を共にした彼らのことを忘れられないほど大切に思っているし生き残った彼らと共に生きていきたいと思うのだ
扉をくぐる前に一度だけ来た道を振り返ると遠くにシーラEの運転する車が見えた。帰ったら本部の皆のことも労ってやらなければいけない 僕の人生を支えてくれている人は僕が知ってい���よりきっと多くてそれぞれに大切なものなのだから
*Buon Natale.=メリークリスマス **ヴィリア ディ ナターレ(vigilia di Natale)=クリスマスイブ イタリアではイブの夕食から翌日昼食までがメインイベント、家族と過ごすのがデフォ
初出:2014年3月18日 管理ID:3565075
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kinemekoudon · 2 years
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【4話】 ガサが入ると分かっていたのに大麻を所持していたときのレポ 【大麻取り締まられレポ】
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前回のあらすじ 僕と友人の吉岡は、プッシャーのANIから大麻とANI特製の曲げ玉(MDMAとLSD)をひいた後、運悪く職質をしてきた警察に大麻が見つかり、警察署に連行されたのであった。
――僕を乗せたパトカーが警察署に着くと、同乗していた警官は、後続の車に乗っている吉岡やANIを待たずに、僕を警察署の中へと連れて行く。
警官はそのまま3階に上がり、刑事課の脇の通路を歩いていくと、オフィス机にパイプ椅子が2つだけの、いかにも取調室という感じの部屋に案内し、ここで待つようにと僕に言いつけてどこかへ去った。
取調室で待っている間、刑事課のオフィスをじろじろ眺めていると、刑事らは事務作業の手を止めて、僕ににらみを利かせてきた。刑事課は目がパキっている刑事ばかりでおっかない雰囲気だった。
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そうこうしていると、ほぼ唯一穏やかな面をした中年男がやってきた。中年は「事情は聞いたけど、運転席の男が大麻の売人なんじゃないのかな?」などと穏やかな口調で質問してきたが、僕は「さぁ? 違うと思いますけどねえ」などと意味深にしらばっくれておいた。
それから1時間半くらい、中年のゆるい質問にいい加減に返答していると、中年は取り調べに飽きた様子で、「煙草吸うんだっけか? 喫煙所は下の駐車場なんだけど、行くか?」などと言ってきたので、ニコチン中毒の僕は喜んでついていった。
喫煙所で中年と煙草を吸っていると、中年は「前に捕まった漫画家なんかはさ、大麻吸ってインスピレーションを得ようとしてたみたいなんだよね」などと無駄話をしてきた。
僕は素知らぬ顔で「へーそうなんですね。ところで大麻ってどんな効果があるんですか?」と質問してみると、中年は「酩酊感があって、ある種のトランス状態に入れるみたいなんだよ」などと的を射た説明をしていたので、ちょっと感心した。
そうして中年と雑談をしていると、刑事課のオフィスで目をパキらせていた刑事がやってきて「運転席の男から大麻買ったんだろ? 正直に言った方がいいよ」などと煙草も吸わずに無礼な物言いで問い詰めてきた。
僕はそいつの問いかけを無視して、「こうやって気を抜いてるところを狙って、ボロ出させようみたいな作戦ですか?」と中年に話かけると、中年は「いやいや。まず取り調べ中に喫煙所に行くこと自体、滅多にないからなあ」などと言っていた。
僕は中年の方を見たまま「なんか刑事ドラマとかでありそうですよね。こういう取り調べのやり方」などと皮肉めいたことを言ってパキった刑事をあしらうと、パキった刑事は無言で僕を睨みだしたので、中年は気まずそうに煙草を吸っていた。
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取調室に戻った後、中年は「じゃあ事情聴取はこれで終わりだから、パトカーで家まで送っていくよ」などと言って、僕は再度駐車場に連れて行かれた。
僕が乗るよう指示されたパトカーには、既に友人の吉岡が後部座席に乗っていた。警官がいる手前、余計な話はできないので、僕と吉岡はニヤニヤしながら互いを見合った。
パトカーが僕の住むアパートにつくと、同乗していた警官らは、アパートの外観や部屋の扉を撮影してから、住居が確認できる書類を見せるよう僕に言って、その書類を撮影していた。
僕が警官の一人に書類を見せている間、吉岡がふざけてその警官の背中に中指を立てていたが、もう一人の警官に見られてすぐ引っ込めていた。
警官を見送った後、僕と吉岡は“大麻が見つかったのに試薬検査で反応が出ず、現行犯逮捕されなかった”という事実に、2人して抱腹していた。僕らは一旦落ち着こうとコンビニに入るも、興奮が覚めやらず、店内でこれまでの互いの経緯について話し合った。
僕が一番気になっていたのは、吉岡がANIから貰った“曲げ玉”についてだったが、吉岡はANIが職質を受けている間、曲げ玉を後部座席のシートに捨て、それが運良く警察に見つからず、難を逃れたということだった。
そうしてようやく家に戻ってから、僕らは作戦会議をした。とりあえずガサは入るだろうから、今後はネタを持たない、喫煙具も持たない、wickrのログを残さない、ということを徹底し、また内偵にも気をつけようということになった。
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そういうわけで、僕らは家に残っていたなけなしの大麻を全て吸いきった。これで大麻を吸うのは当分先になるだろうと思うと残念だったが、証拠を隠滅できたと思うと清々しさがあった。
朝になり、僕らは早速喫煙具を捨てに行くことにした。出際に職質されては元も子もないので、吉岡に偵察をしてもらったのち、僕はリュックの中に2Lのペットボトルくらいの大きさのガラスボングとモンキーパイプを入れて家を出た。
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僕らは途中で吉岡の家に寄り、吉岡の喫煙具もリュックに詰めると、“エゴデス公園”に向かった。エゴデス公園は、僕と吉岡がLSDでエゴデス(自我の死)を経験したメモリアルな公園であり、また深い池があるので、捨てるならここしかないだろうという話になっていた。
エゴデス公園に着くと、僕らは早速、池に向かってパイプを放り投げた。僕は続けて、ボングを池の中央に放った。放ったボングは、ドボンと音を立てて水中に沈んでから、一度水面に浮上すると、コポコポと音を立てながら再度水中に沈んでいった。
ボングの供養が終わると、忘れていた疲れがどっと襲ってきたので、今日のところは解散し、各々何かあれば逐一報告しようということになった。
――翌日の夜、僕はANIにwickrで電話をかけた。ANIは電話に出るなり「お前らよぉ、喋ってねえだろうなぁ?」とドスの利いた声で聞いてきたので、僕はちょっと萎縮して「喋ってないですよ」と答えた。
しかしANIは僕を警戒して「本当か? 喋ってないか?」などと同じ質問を繰り返した後、「今そこに誰かいるか?」 「今、家か? TVの音聞かせろ」などと言って、僕が警察と一緒にいないかを念入りに確認してくる。
僕がちゃんとANIに言われた通りにすると、ANIは「まぁ大丈夫そうか」などと言い、急にいつものようなフランクな口調に変わって、「お前よぉ、車ん中に大麻捨てたろ?」などと軽く笑いながら聞いてきた。
僕は「すいません。でもあの状況ではそうするしかなくて」と言い訳すると、ANIはふざけた口調で「お前だけ捕まってれば丸く収まってたのによー」などと冗談か本気かわからないことを言っていた。
それから僕は「実は大麻だけじゃなくて、曲げ玉も車内に捨てちゃったんですけど、あれバレなかったですか?」と恐る恐るANIに尋ねると、ANIは愉快なことを言っていた。
ANIの話を要約すると、ANIは自分の車で警察署に向かう際、一度車内をチェックしたところ、僕と吉岡にあげたはずの曲げ玉を発見したので、警官の目をかいくぐってその場で口に放り込んだということだった。
そして、その後の取り調べでは、職質のときに大麻の試薬検査をしていた女の刑事に、朝まで5時間も取り調べされていたという。LSDとMDMAがキマった状態で。
僕は「自白剤飲んだのに、よくも喋らず取り調べトリップを遂行できましたねー」などと茶化すと、ANIは「逆にフレンドリーに対応できてよかったけどな」などと勇ましいことを言っていた。
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――それから2ヶ月経ったが、警察からは何も音沙汰がなかった。僕はこの頃、大麻の使用は合法だし、吸うぐらいならいいだろうと高をくくって、別の友人の家で大麻を吸っていた。
――そうして3ヶ月が経つと、なぜか僕の家には、大麻のバッズやリキッドにエディブル、さらにはLSDまでもが置いてあった。
丁度3ヶ月経った日の夜、吉岡から電話がかかってきた。吉岡は「知り合いの元半グレにドラッグの師匠がいるらしいんだけど、その人に聞いてもらったら、「職質から3ヶ月もガサが入らないってことは通常ないから、この件は事件化してないはずだ」って言ってたんだって」などと嬉しそうに言っていた。
僕はその時、大麻を所持している分際で「吉岡さあ、正常性バイアスかかっちゃってるよ」などと吉岡を腐したが、日が経過するごとに(本当にそうなんじゃないか?)と思うようになっていった。
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――3ヶ月半ほど経った��の朝、在宅勤務の僕は、いつものようにパソコンで出勤ボタンを押すと、再び眠りについた。
それから約1時間後、(コンコンコンコン)とドアをノックする音が聞こえて、僕は目を覚ました。僕はふらふらとした足取りでドアの前まで行く。
「どなたですか?」と尋ねるも、返事がない。もう一度「どなたですか?」と尋ねると、ドアの向こうから「下の階の者ですが」と返事が来る。
僕は眠い目をこすりながら(朝っぱらからなんの用だよ)と少しイラつきつつドアを開けると、警察が4人立っていた。
恰幅のいい一人の男が「警察。今から家宅捜索するから」と目を血走らせながら言った。一瞬で眠気が飛んだ。
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つづく
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この物語はフィクションです。また、あらゆる薬物犯罪の防止・軽減を目的としています( ΦωΦ )
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elle-p · 1 year
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P3 Club Book Fuuka Yamagishi short story scan and transcription.
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風花☆すたんぴーど!
証言1: 「山岸?ああ、あの地味で大人しい子だろ?前はちょっと暗かったけど、最近少し明るくなったよな。趣味······とかないんじゃねえの?たまに何か難しそうな本読んでるくらいで。あ、でも確か文化部入ってんだよな?あとはぁ、ゴメン、よくわかんねえや」
証言2: 「風花ちゃんは最高っす!あの儚げな姿、聞く者を夢に誘うようなほわほわした声、成績だって常に上位に入る明晰な頭脳、すべてが理想のままの美少女っす!そういや噂では、医学部目指して猛勉強中らしいっすよ。ああ、白衣姿の風花ちゃんに癒されたいっす~!」
証言3: 「山岸風花ぁ?なんかさぁ、あいつって妙にイライラすんだよね。 いつもオドオドラじうじしててさ。まぁ、確かに最近雰囲気変わったけどさ。いつも夏紀と一緒にいたじゃん?こーいうの何て言うの?虎のいを······かる羊だっけ?あはは、アタシってなんか普通に頭良くなーい?」
---人は、さまざまな仮面を持っている。友達と一緒にいる自分、家族と一緒にいる自分、恋人と一緒にいる自分、それぞれ違った顔を持つ。それは山岸風花にしても同様で、さまざまな証言からは得られない一面を、隠し持っていたりする。そしてそれは、同じ巌戸台分寮に住む仲間たちの前では、ごくまれに明らかにされることがある。例えば、こんな風に。
「ふぁ~あ······ん?風花、何やってんだ?」
とある休日の午後、惰眠を貪った順平が自室からラウンジに降りてきたとき、風花はソファに座って目の前の何かに集中していた。テーブルの上には、小さな人形が20数個ほど整然と並べられており、その横にはそれら人形が入れられていたと思しき袋の残骸が山となっている。
「あ、 順平くんおはよ······あはは、ちょっとね」
「ん?これってもしかしてボトルキャップってヤツか?そういやオレも昔集めてたぜ、大リーグシリーズのヤツ。懐かしいなぁ」
順平が言うとおり、それはボトルキャップに小さなフィギュアがついた、ソフトドリンクのおまけとして知られる物だった。
「実は······私けっこうこういうの好きで、たくさん集めてるんだ。ヘン······かな?」
確かにコレクターには男性が多いといわれ、収集癖がある女性は珍しいほうに入るだろう。しかも、いま目の前に並ぶそれは、多少、いやかなりマニアックな部類に入るものだった。
「つか、何だこれ?怪獣?」
「ち、違うよぉ!これはね、“懐かしのモンスターシリーズ・シーズン3 B級ホラー映画の怪物たち” だよ。 怪獣なんかじゃないんだから」
そちら方面にあまり興味がない順平にとっては、幼いころに見た特撮怪獣と見分けがつかないのだが、風花にとっては大きな違いがあるらしい。意外といえば意外な風花の趣味に、順平はちょっと新鮮味を覚える。
「あのね、こっちが『トレマーズ』に出てた地底生物でしょ、そしてこっちが『バスケットケース』に出てたお兄さんのほうね」
お兄さんのほう、とか言われても、弟が誰かすら知らない順平は「そ、そうか」と��か返事ができない。そんな順平に構わず、徐々に興奮をあらわにしつつ風花は説明を続ける。
「で、これは有名な物体X。 もちろんジョン・カーペンターじゃなくて旧作のほう。あ、こっちは取るのに苦労したんだよ、『死霊のはらわた』のアッシュの手首!ちょっとかわいいよね」
勢いが止まらない風花に、暑くもないのに順平は汗だくになる。軽く朝の (もう昼だが) 挨拶をしただけのはずが、妙なスイッチを押して風花の中の何かをはじけさせてしまったらしい。
だが、なぜかそこで風花はふっと表情を曇らせ、はぁと大きく溜め息をついた。
「でも······」
「ど、どうした?」
その憂いを刻んだ横顔に、少しだけ順平はどきりとする。何のかんの言って、風花はかなりの美少女なのだ。だが、その小さい唇から紡がれた言葉は、順平の不埒な馬っ気などしおしおに萎えさせるものだった。
「見つからないの、レア物が」
「へ?レア物?」
「そう。『バタリアン』に出てた、ゾンビ化ガスで生きっちゃった犬の標本。すごいんだよ、身体の真ん中で真っ二つに割れちゃってるのに、わんわん吠えるんだよ。おかしいよね」
屈託なく笑う風花。順平がふとテレビのほうを見ると、横でコロマルがだらりと寝そべって眠っている。風花って、確か犬好きだったよな?それでどうして、真っ二つになった犬でころころ笑えるのか、順平には不思議でならない。
「でね、それが超レアらしくって、いくら買っても出てこないの。シークレットだから個数とかの情報もないし······。いままで全部コンプリートしてたから、このシリーズも揃えたいんだけどな······ちょっと疲れて来ちゃった」
目の前に並ぶ20体以上のボトルキャップは、横に積まれた開封済みの袋からわかるとおり、おそらく今日買ってきたものだろう。いつ頃からコレクションしているか知らないが、これまでに買ったのは相当数に上るのではなかろうか。そして、ややへコみ気味の風花の顔を見ていた順平は、やがてある結論にたどり着いた。
「よっし、 風花!何かオレにできることあるか?そのレア物とやら手に入れるの、オレが手伝ってやるよ。あ、でも金貸してくれってのはナシな。オレってビンボーだからさ」
「え?順平くん······ホントに?······あ、ありがとう······嬉しい」
はにかむような笑顔を見せる風花。ああ、これだ、と順平は思う。以前、チドリを喪って生きる気力すらなくしかけた順平を、さりげなく気遣い癒してくれたのはこの風花の笑顔。それは決して恋愛感情ではなかったが、この子に悲しい顔をさせてはいけないという、ただそれだけの純粋で暖かな想いだった。
「いや~、しかし風花がホラー好きだなんて、ぜんぜん知らなかったぜ」
「え?別に私ホラー好きじゃないよ?」
「は?」
「純粋にコレクションが好きなの。ホラー映画のことは、集めてるうちに詳しくなっちゃった」
「そ、そう、なの······?」
一般人には理解不能なコレクター根性に触れ、先ほどの温かい想いはどこへやら、順平の背筋にちょっとだけ寒気が走る。だが、一度決めたことを反故にするわけにはいかないと、普段は見せない男気を精一杯奮って、順平は風花に対して力強く宣言した。
「おしっ!それじゃ明日から、幻のレア物探しをさっそく始めるぜっ!」
「うん!」
それが、順平受難の日々の始まりだった。
そして、レア物探しの協力宣言から1週間。 早くも順平は根をあげつつあった。
「ぜぇ······はぁ······ぜぇ······。ふ、風花······ちょ、 ちょっと休まない······か?」
「ダメだよ順平くん、さっき休憩したばかりじゃない。ほら、もう少しで寮も見えてくるよ」
レア物探しの協力、それは放課後に風花の買い物に付き合い、荷物持ちを引き受けるというものだった。だが、ひと口に荷物持ちといっても、その量が尋常ではなかったのだ。学校を出て寮までの道中にある、ありとあらゆるデパート、スーパー、駄菓子屋に立ち寄り、連日3~4ダースのドリンクを買い込むのである。単純計算で通常サイズのペットボトル1本500グラムだとして、4ダースでじつに25キロ!子供の頃からのマメな貯蓄で、風花の財力はそれだけの買い物に耐えられるものだった。不幸にも。
しかも、苦行はそれだけではない。ドリンクを買ったら、そのあとに飲むという作業が残っている。無駄を嫌う風花は、今まですべてをひとりで飲み干していたらしい。そのため1回に買える本数は限られていたが、順平の手伝いのおかげでそれが大幅に増えたと、めっきりご機嫌な様子である。だが、しかし······。
「出ねえな······レア物······げふっ」
「そうだね······くっ」
いったい確率的にどれほどのものかは知らないが、レア物ボトルキャップはいっこうにその姿を現わさなかった。
「さすがに······これ以上貯金使っちゃうのもマズイよねえ······くっぷ」
「つか······げぷつ······その前に······うぷっ······オレ の胃袋が······げーっぷ」
「でも······後には引けないよ、順平くん。最後まで、手伝って······くれるよね?」
思い詰めた表情で、順平を見つめる風花。そうか。こいつって、こんな負けず嫌いのところもあったんだ······。再度、自分が知らない風花の一面を見て、 順平はまた新鮮な気持ちになる。そして、そんな風花の知られざる顔は、次々と順平の前にさらされることとなった。
それが、風花の暴走の始まりであった。
「お願いしますっ!もしこのボトルキャップが出たら、譲っていただけませんかっ?あ、これ連絡先ですっ!」
「ふ、風花······さすがに恥ずかしいから······」
あるときは、たまたま同じドリンクを買った客を捕まえ、レア物が出た場合の譲渡契約を取り付けようとする強引な風花の一面を見た。
「レア物ボトルキャップを感じる······ユノの指先」
「って、ここでペルソナ召喚はマズイって!」
またあるときは、ユノのサーチ能力を使って開封せずに中身のボトルキャップを当てようとする、なりふり構わない風花の一面を見た。
「順平くん !これでもう大丈夫!あのね、アイギスのメンテ用に開発された、非破壊検査スキャナを桐条のラボから借りてきたの。これでボトルキャップなんか簡単に見つかるよ!ただ重量が2トン近くあるんだけど······スーパーまでどうやって運ぼう?」
「運べるかあーっ!」
そしてまたあるときは、万事そつがないようでいて意外と後先考えない風花の一面を見た。
······どちらかというと、できれば見せてもらわないほうがいい一面が多かった。
だが、それでもレア物ボトルキャップは見つからず······ついにキャンペーン最終日という日を、ふたりは失意のうちに迎えたのだった。
「結局······ダメだったね」
「ま、そういうこともあるさ。オレの人生なんか、ダメダメのダメばっかりだぜ?」
ポロニアンモールのベンチに並んで座り、おどけて言う順平に、彼が実際どのような気持ちで逆境を乗り越えてきたかを知る風花は、ただ優しく微笑みをもって答える。
「でも、ちょっと悔しいな」
「コレクター魂ってヤツか?」
「ううん、そうじゃなくて······順平くんとか、色々な人に力を貸してもらって、それに応えることができなかったのが、少し悔しいの」
「ま、オレは風花の意外なとこが一杯見れて、面白 かったからオールオッケーだけどな」
冗談めいて、でもかなり本音を覗かせて、順平は風花の無念を慰める。と、そこで。
「そういや、オレとか色々な人にって、ほかにも誰かレア物探し手伝ってくれてたのか?」
「あ、それはね······」
そう、風花が言いかけたときだった。
「風花ぁ!」
「え······え?な、夏紀ちゃん!?」
そこに突然現われたのは、先日家庭の事情で転校したはずの、風花の親友、夏紀の姿だった。
「う、ウソっ!どうしたの!?」
「いや、今日明日って連休じゃん?ちょっとヒマだから足伸ばしてみただけ。急に決めたから都合���いかもと思って、何も知らせてな��ったのにさ、会えるなんて運命っぽくない?」
「うん、うん!ホント運命的だよ!」
子供のようにはしゃぎながら、「何アイツ、 風花のカレシ?」、「ち、違うよぉ、お、同じ寮の人で······」と楽しげに会話する風花。これもまた、順平があまり見たことがない彼女の一面。
「あ、そうそう順平くん」
と、そのとき風花が順平のほうに向かい、夏紀の肩を軽く押し出した。
「さっき言ってた、もうひとりの協力者。 夏紀ちゃんもボトルキャップなんか興味ないのに、いろいろ情 報とか調べてくれたんだよ」
「あ、なんだ風花。まだ飽きずに集めてんの?マジ変なシュミだよね。そう思わない?」
おお、なるほどと順平が思ったそのとき、 夏紀が衝撃的なことを口走った。
「あ、そういやさ風花。前に教えてやった、えっと······バタリアン、だっけ?シークレットのやつ。いよいよ明日からキャンペーン開始だよね。しっかりゲットしなよ」
「··················え?」
「············は?」
「ん?アタシなんか変なコト言った?」
「明日······から?」
「そうそう。忘れたの?シーズン “4” のシークレット情報。アタシのケータイネットワークでゲットした、超貴重な情報なんだからね」
しーん。
不自然な沈黙が3人の間を支配する。
やがて。
「······ふーか?」
「······は、はい······」
「今までの、オレの、苦労は······?」
「············えーと············ごめん」
がっくりと、順平の全身から力が抜け、ボロニアンモールの冷たい大理石の床に突っ伏して動けなくなる。そういや、夏期講習騒ぎのときにもコイツ、うっかり連絡忘れてたっけ、と順平は思い出した。真面目でしっかりしているようで、じつはかなり間抜けでうっかり者。それもまた、風花の愛すべき一面なのであった。
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galradio · 4 years
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201119 庭ラジ#76
11月も終わりに近づいて本格的な冬がやってきそうです。
・この時期ってさジブリをめっちゃ見たくなるのよね
・ジブリで一番何が好きですか?って聞かれるとすごい迷う
・でもわりと王道のやつが一番好きで、千尋かハウル
・何回みても飽きない
 ・ハウルの声優さんが木村拓哉さんってさ、もう恥ずかしいねんけどさ、1年以内に知ってんの、割と最近で…
・それまでエンドロールで「ハウル 木村拓哉」って書いてあって同姓同名やと思ってて
・この人絶対学校で「キムタク」っていじられてんだろうなーと思ってたら、マジのキムタクやった 
・いつもの木村さんの声の感じと違うと思ってたから、だから同姓同名の別人なんやと思ってたぐらいですっげえなあと思って、木村さんってやっぱ
・勝手なイメージだけど、普段のイメージの木村さんの声とか喋り方と全然違ったから、最近知った時びっくりしたのよね
・だから木村拓哉さんがやってるって思ってハウル、さらにかっこよく見えるもんね 
・カルシファー役出たかったなあ
・(∂ω∂)消えちゃうよ〜、消えちゃうよ〜 (モノマネ中)
・俺あとジャイアンのモノマネ自信あんの、ジャイアンやっていい?いくよ?
・(∂ω∂)おい、のび太!野球しようぜ! (モノマネ中) 
・どうですか?そんなに似てない?
・あ、微妙な感じかー!俺唯一声真似これに出てるかな思ってたけど、くっそ〜もう二度とやりません…んふふふ
・でもちゃうちゃう、わかった。確かに野球しようぜはちょっと微妙だったかもしれない、それは。でも「おいのび太」はどうでしたか?ちょっとは似てたんじゃない?もうやめよう、じゃあもういいわ!大丈夫ですもう、諦めます(早口で桃みたいなれんれん)
・何が言いたかったっていうとジブリが見たいっていう、この時期に
・は〜〜いきますか
ふつめる
・あら〜東京都はトンコツスープさんから頂きました!
・題名が「とんこつスープ 東京わけわからん」て、メールのタイトルが 
「おーい永瀬、わしゃ東京に夏から来たんだが、遊ぶ友達も全然おらんけん、毎日スーパーで半額シール貼られるの待ってるべ。なんか一人で楽しめる場所あったら教えてほしいべ。れん大しゅき、ちゅっちゅ」メール 
・バカだよ、おバカですよこの子は。ふざけてるね、この人ねw
・夏から来たんだ?東京に
・てかさ違う違う、こういうメールじゃなくてさ、「弱ペダ」の感想どこいった?この人、自転車乗ってる人ね
・(∂ω∂)弱ペダの感想わい? (ガラ悪関西弁)
・まさか見てないとかそういう感じの人?とんこつスープって、もしかして。
・教えられるわけないよ、そんな人に!一人で楽しめる場所なんて。ねぇ?見てから言って
・最後怖ない?「れん、だいしゅきチュッチュッ」て
・やばいよこの子。東京に戸惑いすぎて、頭もちょっと訳がわからん感じになってきて。男性ですから…
・おもろいな〜、この子
・東京来たんやね。ウイルスとか気をつけてね(笑)(優しい…)
・早く弱ペダ見てください!お願いします
「突然ですが、朝ドラおめでとうございます。私ずっと宮城県にいますが、気仙沼が舞台ということでなんだか感慨深いです。仙台と言ったら廉くんの好きな牛タンのイメージが強いですが、海の近くだと海鮮系も有名でとても美味しいです。廉くんはあまり海鮮系を食べてるイメージがないですが、好きな海の幸はありますか?気になったので、教えていただきたいです。体調に気をつけて頑張ってください」メール
・ありがとうございまーす!
・海鮮系めっちゃ好き
・海鮮丼が食いたくて出前という選択肢もあったのに外出て食ってたこともあったからね、めっちゃすき!
・海鮮丼を食いに箱根の方まで行ったことあるし(箱根にはいかないだろ)
・お刺身とかも普通にいいけど、やっぱ白ご飯と混ざってる海鮮丼が一番好きだよね
・ごめんそこはやっぱ白飯にも繋がってきちゃうねんけど、どうしてもやっぱり
・だから宮城県って有名じゃないっすか?
・漁師の役なんで所作みたいな、船が港に着いて、その後の作業みたいな
・例えば船が流されへんように紐を結んだりとかあんねんけど、そういう所作をちょっと教えていただいて
・その時にメカジキを頂いて、BBQにして、それすごいうまかった!
・メカジキ初めて食べたのよ。バーベキューの炭で焼いたメカジキ食べてんけど、お肉食べてるみたいな感じになった、お魚なのに
・最高でしたよぉ〜 
・さんまもいただいてその漁師さんから。幸せだったねえ〜すっげえうまかった
・好きな海の幸は一番は、なんだろうなー…赤身系かな?マグロ丼とか俺超好き
・合うのよ〜それがまた。お魚さんと白米さんってのが。最高です
「先日、河合郁人くんの番組見ました。キンプリの秘密はありますか?の質問の答えとして、番組中に河合くんから廉くんへメールを送信している場面を見てとてもリアルに感じました。"自販機でジュースを買ってる所を見られたメンバーは全員分おごらないといけない”という廉くんからの返信メールを見て、みんな仲良しなんだなぁとほっこりした気持ちになりました。そして廉くんの丁寧な返信の内容に心打たれ、人として廉くんを見習いたいと思います。他にもキンプリあるあるやキンプリの秘密があったら、教えていただきたいです」メール
・俺、わりとすぐ気づいたのメールには
・普通になんか最初、番組中って知らんかったから、「これ、締め切りいつまでですか?」って聞いて、番組のアンケートかと思ったから。
・「来週中かな」ってきたけど、とりあえず何かせっかくメールくれてるし、早めに送っといた方がいいなと思って、絞り出して絞って絞って、何十分か後に頑張って返信してんけど
・それぐらいちょっと思い浮かばんくて
・一緒にい過ぎると、ないのよ、わからんくなるのよ。
・紫耀の言い間違いも、そんな気にならんくなってくるしね。いつものこと過ぎてね 
・そういうことなのよ!来たか〜メール。これ気になる人きちゃったか〜
・キンプリの秘密…なんだろうなあ…
・でもキンプリあるあるって言ったら、海人の誕プレが遅れがち?
・最近で言うと、岸さんと神宮寺が誕生日やってんけど、未だに何しようかも決めずに買ってもないから
・神宮寺も多分このまま来年になると思うわ。二人とも。 
・俺とかすごい、わりと次仕事で会うときに誕プレ渡すようにしてるし、メールもジンに関してめっちゃ早く送ったな
・「メンバーで一番」って言われたもん、俺
・海人のその感覚がわからんねんけど、あるあるって言ったらこれかな?
・海人、誕プレ返すの遅い?ぐらい。あるある。
「私の日々の楽しみを紹介します。なんだと思いますか?それは聞き茶です。私の家は色んなお茶を作っているので、水筒に入ってるお茶が色々です。毎日学校で今日のお茶は何茶なのか飲むのが楽しみです。例えば緑茶、麦茶、紅茶、ほうじ茶、烏龍茶、ルイボスティー、ごぼう茶など、いろいろです。最近はほうじ茶が1番好きです。廉君もぜひいちどやってみたらいかがでしょうか?」メール
・お茶飲む機会がないねんけど、俺…
・いやなんか静岡県に住んでらっしゃるから、そういう楽しいことができる訳で、東京都に住んでるしがない成人男性の一人暮らしなんか、水ですよほぼ
・お茶飲みたいなーっていう時がたまにあるけど、でも基本水なのよ
・ご飯行っても、お酒か水なの絶対!
・だからあんまほんまに、もう下手したら緑茶と麦茶わからんぐらいのバカ舌になってるかもしらん。お茶に関しては。
・俺の中でこんなお茶の種類あると思ってなかったから。今読んでてびっくりした
・しいてわかりそうなのは紅茶ぐらい?あからさまに味違う
・多分緑茶と麦茶の違いってどんなどんなんやったっけ?って感じやもん
・飲んだだけでね。見たらちょっと色とかわかるかもしれんけど、飲んだら多分一緒やと思う。「お茶!」っていう一種類。俺の中で。
・お茶か紅茶かみたいな
・俺は利き茶向いてない
・俺も、そういう"利き”なんとかだと、きき銃の音。きき銃声。
・中学2年生からハマってたゲームがあって、何年間も通してやってたから、そのゲームの中に出てくる銃の音は今でもわかる
・この銃声はAN94だなとか、これスカーだなとか
・さらに凄いのが、サプレッサーってあるやん?サプレッサーっていうのは銃の先端につけるやつで、銃声を減らすような、銃声なくして敵の位置を気づかれへんようにするためのものやねんけど、ちょっと銃声が変わんの
・静かなブスブスブスって、それも銃によって違うんだけど、そのサプレッサー付けた後の銃声も分かるからね
・そのゲームやりすぎて。だからもう利き銃声はできるね 
・ただそのゲーム内の銃だけですけど。どこにも披露できない特技ですけどね(笑)
 ー
曲:Winter Love Story
初解禁!いい曲〜〜
30分ver
思い出リクエストガーデン
リクエスト/King & Prince ORESEN
「数ヶ月前CDショップのエレベーターで開閉ボタンを押さずにドアがしまるのを待っていたところ、閉まりそうなタイミングで大学生くらいの女子2人が乗り込もうとしました。私は急いで開けるボタンを押そうとしましたが、時すでに遅し。1人がドアに挟まれその反動でドアは開きました。挟まれた子は私が閉まるボタンを押していたと思ったのか、6Fに着くまでの間ずっと『痛かった、まじぴえん』と連呼していました。私は���の時から"ぴえん”という言葉が大嫌いです。ORESENのサビにぴえんという言葉が入っているのを聞いたとき、一気にこの時の記憶が蘇ってきてなんとも言えない気持ちになりました。(廉:笑)しかしせっかく岸くんがプロデュースした曲、リクエストガーデンで流していただけたら少しは払拭できるかなと思いリクエストさせていただきました。たまにはこんな思い出リクエストガーデンもありでしょうか?」メール
・初めてのジャンルのリクエストやね
・ッフフフフフ、ウケんな〜災難やな
・"ぴえん”なあ〜〜
・苦手です、僕こういう若い者の言葉は
・使わない、僕からしたら、使いそうでしょ?僕。
・ガイさん「まあまあまあw」
・実はあんまり使わないんですよ
・忘れちゃった、俺も嫌な思い出あるから!ORESENは
・俺もORESEN嫌な思い出あるから (わかった)(かわいい)
・払拭していきたいと思います
リクエスト/ジャニーズWEST 証拠
・証拠いいよね、流星くんの歌い出しから始まるやつでしょ?
・結構みんなが感情を出してかっこよく歌ってるイメージが印象的
・24時間テレビでもうたってたよね!いい曲よぉ、これ
エンディング
・6枚目シングルI promiseが12/16にリリースされます
・来年春に放送されるNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」に及川亮役で出ます
・健栄製薬さんのヒルマイルドのCMに出演しております。ぜひこちらも塗りたくってみてください!(了解)
雑学コーナー
「爪は何曜日に切るといいかという雑学です。月曜日に切ると健康アップ、火曜日:金運アップ、水曜日:何か新しい知らせがある、木曜日:新しい靴が手に入る、金曜日:悲しいことが起きる、土曜日:恋愛運アップ、日曜日:翌週悪魔に狙われる、だそうです。本当かどうかは分かりませんが面白いと思ったので送ってみました」メール 
・木曜日弱ない?
・ガイさん大爆笑
・気付いた!?木曜、新しい靴が手に入る…弱ない?なかった?もうちょいレパートリーみたいな、ねぇ!? ヨーロッパの考えた人
・日曜日もおかしいのよ 翌週悪魔に狙われる…
・いやいやいや、急に良くないよね。そういうの。
・じゃあ日曜日に切ったらもうあかんやん!翌週狙われんねんで
・だから木曜日と日曜日に切ると、翌週悪魔狙われながら新しい靴手に入れれる
・すごい面白い
・ヨーロッパで広まってる爪切り占いというものだそうです 
・じゃあひたすら岸さんは火曜日に爪切ってるね
・教えとこう。火曜日絶対切った方がいいでって。
・日曜日…あの人いつも何かに狙われてるような感じやから生き方がね。常に何かに追われているような感じで生きてるから
・これ以上焦られても、テンパられてもね。火曜日に…
・庭ラジの日に爪は切ってもあんまりってとこよね
・面白い、ありがとうございます!
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skf14 · 4 years
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08120105
「ああぁ...どーしよ。」
「何、頭痛いの?」
「ゾンビなってもうたかもしれへん。」
「は?」
「ほら。あー。」
「...お前、去年もそれしてたけど、今時中学生でもやらないぞ。そんな古典的なボケ。」
「はー、冷めた大人になったもんやなぁお前は。これやから東京人は。」
真緑に染まった舌を収めた彼が手の中のかき氷を雑にかき混ぜて、冷たい氷が俺の掌に飛んだ。ふわり、香る人工的なメロンの香りが、夏らしくないのに夏を想起させる不思議。
甘い物があまり得意じゃない俺とは裏腹、歯がなくなっても甘いものを食べたいと豪語する目の前の男は折角の鮮やかな緑のグラデーションをストローで壊し、シャバシャバにしてからそれを飲む。もはやかき氷ではない、と指摘し飽きて、今や俺の中でもあれはかき氷のカテゴリーに分類されていた。
発泡スチロールのチンケな容器を酒でも飲むように煽った彼は容器に描かれたペンギンの可愛いイラストを見た後、急に立ち上がる。
「あかん。」
「今度は何。」
「アレ食べるん忘れてた。冷やしきゅうり。」
「まだ花火間に合うだろ、買って来いよ。」
「嘘やん、お兄さん目の前の階段見えてます?」
心底嫌そうな顔で目の前に長く続く石階段を指差した彼はまるで俺を非難するような目線を向けてくるがとばっちりもいいところだ。こっちは彼が食べたいと言い張った袋入りの綿飴(しかも袋の柄はプリキュアだ)を片手に、ちょっといいとこ見てみたいと小馬鹿にされつつ煽られてカチンときた俺が乗っかった結果連れ帰ることになった出目金が二匹詰まった袋が片手に引っ掛かっている。
「だからお前、登る前に買い忘れたもんないか聞いたろ俺。」
「そん時は甘い口やったの。今はしょっぱいもん欲しいねんもん。はぁ、血も涙もない。なんかいる?」
「あー、じゃあ、りんご飴。」
「あ、俺も買お。」
「お前なぁ。またしょっぱいもん欲しくなっても知らねえぞ。」
「ええやん、りんご飴は祭りでしか食われへんし。」
からん、乾いた下駄の音を鳴らした彼がふらふらと浮遊するような足取りで階段を降りていく。黒い麻の生地に白いストライプが走る浴衣の足下をひらりと翻す、帯にうちわの刺さった背中を見送って、まだ始まる気配の見せない花火が咲くであろう目の前の何もない空をぼうっと眺めた。
もう、5回目になるだろうか。ここでこうして彼と、花火を見るのは。
関西支社への出向で出会い、打ち解けていくうちに互いの性的指向を知った。というより、最初からうっすら感づいてはいたが互いに口にはしなかっただけか。いかんせん多数派がのさばるこの世界では、マイノリティー、少数派は一つのコンテンツとして扱われる人権のない玩具にも等しい。
「俺、女の子あかんくてなぁ。男しか好きになれへんねん。きしょいやろ、せやから、あんまり、優しくせんといて。」
見たこともない切羽詰まった顔でそんなことを言われてしまえば、俺の出す答えなど一つしかなかった。
大雑把、雑、適当、ポジティブ、時間にルーズ、子供、俺が今まで出会ったどんな大人よりも、むき出しの心で一人立っていた彼の手を取って、5年になるらしい。
初めてデート、で来たこの東京郊外の祭りが存外彼は気に入ったみたいで、俺が本社に戻った後も必ず夏はここへ来て、一緒に屋台を巡り、この寂れた廃神社の前でそこそこの規模の花火を眺めて、帰る。俺達の夏のルーティンだった。いつも通り、恒例行事。
ブブ、スマホが鳴る。通知が来る設定にしている相手は限られている。ちら、と取り出し画面を見れば、「優秀な俺を褒める準備しとき!」というメッセージと共に、ラムネ2本へ顔を寄せた彼の自撮り。
真っ暗な階段の下の方からからん、ころん、涼しい音が段々と聞こえてきた。人混みで真っ直ぐ前にならえで歩くのが苦手とぼやいていた彼らしく、不規則な足音。いや、単純に歳のせいもあるか。ここの階段は急な上に古くて、1日に二度も登ろうなど俺は絶対思わない。
よたり、到着した彼が膝に手をつき肩で息をしている姿を見て、老いをまざまざと感じる。たった2つ上なだけの俺もきっと、同じようになるだろうと想像しながら。
「あっかん、死ぬ、死ぬ...」
「お疲れさん。」
「ほれ、命の水や。」
「うぉ、冷たっ。ありがとう。さすが自慢の恋人だわ、神。」
「せやろ。はーー。」
「お前きゅうりは?」
「買うてすぐ食うてもうたわ。」
頬に押し付けられたラムネを受け取ればもう既に栓が空いている。ラムネを開けるのが苦手な俺への、無意識の配慮だ。こういうところで、彼の手を取った理由を見せつけられるような気がする。
パリパリ、りんご飴のフィルムが彼の手によって剥かれ、出てきた赤い艶々の飴を彼の緑の舌が舐める。これやこれ、と満足げに肯く姿を見ながら喉を潤せば、もう花火が打ち上がる時間だった。
「なぁ、」
「んー?」
「こっち、来る気ないの。」
「んー、せやなぁ。」
白い歯を飴に突き立ててカシカシと齧る彼の横顔はいつも通り、見慣れた彼の顔で、安心する。はずなのに。何故そんな、答えのわかりきった質問をしてしまったのか、自分でも分からない。
「ここ、ほんま人おらんよな。穴場やーいうてバズったりせんのやろか。」
「半端な心霊スポットなら話題にはなるだろうが、ここは別だからな。」
「まぁ、せやろな。去年また変な噂も出たしなぁ。」
「あぁ、死後に恋愛が成就するって噂、だろ?祭りの日に首を吊る、ってのはどうにも、人の妄想を掻き立てるらしいな。」
「まさか後ろでそんなこと起こってるとは思わんやん。お前おらんかったら来てないわ、俺。」
「ここの花火が好きなんだ、俺は。いつも付き合わせて悪いな。」
「んや、ええよ。」
どん、どん、と、空砲のような音が空に響いて、試し打ちなのか、ひゅるる、細い白い光が空を裂いて���そして、炎色反応の円がぱぁぁ、開かれた。
「おぉ、始まった始まった。」
嬉しそうに顔を上げ笑顔になった彼の肩が動いた拍子にとん、と触れて、抱き寄せたくなる衝動を抑えた。そんな行動、キャラじゃない。目は花火を見たまま、意識はずっと隣に向いている。
「昔嫌いやってん。花火。」
「珍しいな。」
「祭りに行ったって友達の話が羨ましくてなぁ。あんなもん別になんもおもんないわ、って拗ねてた。」
「あぁ。」
「んでも、ここでお前と花火見てから、嫌いやなくなったわ。」
「それならよかった。」
身体に響く花火の音と、左右の森から聞こえる謎めいた虫の声と、それに混じって耳に届く彼の小さな感嘆の声。夏が来て、そして終わる。この1時間足らずが俺にとっての、夏と呼べる時間だった。
「俺、まだ大阪で見たい景色がいっぱいあんねん。」
「知ってるよ。悪かった、変なこと聞いて。」
「それに、」
「それに?」
「お前を独り占めする東京は、嫌いや。」
どぉん、一際響く音と共に、大きな円が空に浮かび、そして光達が橙色の火花のシャワーとなって街へ降り注ぐ。変わり種だ。人間、動揺すると、現実から目を背けて冷静になるらしい。戸惑いがちに重ねられた、二人の間にあった手は少し湿っていて、彼の右手が控え目に俺の指を撫でる。
「ど、うしたの、びっくりした。」
「ここなら、誰もおらんから。あかん?」
「んなわけないだろ。」
少し前の俺を殴ってやりたい。年上には見えない華奢な肩を抱き寄せて、目は相変わらず花火を捉えたまま、己の掌から伝わる低めの体温と、自分の左半身に感じる僅かな重み。
「普通となんも、変わらんのにな。」
「...そうだな。」
「もしもボックスあったらな、日本におる人間を皆ちょっと物分かりよくすんねん。」
「物分かり?」
「そう。で、なんやかんやで俺が国のトップになって、全国民に向けて演説や。」
「ほう。」
「皆さん、よう考えたら、人がどんな人生送ろうが、自由ちゃいますか。多数派だけが正義やと、言い切れる根拠ないでしょ。みんな違ってみんないい、それぞれが幸せな国でありましょう。いうて。」
「いい世界だな、それ。」
「せやろ?国民皆総立ちでスタオベや。拍手喝采の中俺は役目を終えて、社畜に戻んねん。」
けらけら、楽しそうに笑う彼の目に、空を彩る光が映っては消えていく。濁ることのない、綺麗な瞳が照らされて、消えて、照らされて、消えて。
「...ただそこに在ることを、誰かに許してもらわなあかんっていうのは、なんやフェアじゃないな。」
「世界中の人間がお前だったら、優しい世界になるよ。きっと。」
「褒めすぎやで。ダメ人間加速してまう。」
「いいよ、ダメなところは俺がカバーするから。」
「そこはそんなことないよ、やろ。」
空がひっきりなしに明るい。クライマックスが近づいていた。彼が、また、花火を嫌いになる時間が近づいていた。肩に置いていた手で彼の髪をそっと梳いて、撫でる。いつか、お前の手つきは言葉より雄弁や、と悔しそうに言われたことを思い出す。
ぽた、ぱた、黒い浴衣に彼の目から溢れた花火の名残が落ちていくのは、もう目を向けずとも分かることだった。心の造りが繊細なんだ、と、そう言うことしか出来ない俺は、ただ震える肩を抱いていた。透明な玉がほろほろと目からこぼれ落ちて、綺麗だと思った。髪がかけられた薄い耳。新しく開けられたヘリックスには、シンプルなシルバーのリングが嵌まっている。秩序が乱され彼の世界が壊される度増える穴は、もう5つ目になる。
「夏、終わるんやな。」
「また来るよ、たった1年待てばいいだけだ。」
「1年、結構長いんやで。」
「知ってる。」
「お前、ずるいわ。意地悪い。」
花火を見るのが嫌いだったのは、彼だけじゃない。夏が終わってしまうことが怖くて、花火の音を聞くたびに泣いていた昔の苦い記憶が脳裏を過ぎる。当時は漠然とした恐怖ゆえだったが、今ならその気持ちがわかる。夏は、そういう季節なんだ。夏だけは、終わる時に、死を感じさせる。
そして花火は全て空に消え、夏は死に、シン、と鎮まり返ったただの夜に戻った。
「好きだよ。」
「...知ってる。ボキャ貧。」
「腫れるから擦るな。毎年言ってるだろ。」
「うっさ、オカンか。」
「言わせるな。ガキか。」
顔に押し付けたタオル地のハンカチに顔を埋め、ぐすぐすと鼻を鳴らす彼の頭をぐしゃりと撫でてから、立ち上がる。両手には彼に強請られたお土産。出目金を早く水槽へ入れてあげたい。何よりも。
「ほら、さっさと帰るぞ。」
「...お前、情緒ゼロやな。」
「当たり前だ。今日と明日しかないんだから。」
「何が、」
「面と向かって、お前におかえりとただいま言える日が。」
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sonezaki13 · 4 years
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※高2の時に書いた作品です。
リメイク版作成にあたりオリジナルをほぼそのままあげます。誤用、文章作法誤りそのままです。
しとしと降る雨のリズム(後編)
―…鞄の中にクラスの給食の残飯をつめこまれたせいで、その次の日から、絵美の鞄は新しくなっていた。それでも、やっぱりクマはついていた。
朝休み、浅賀は突然、席に座っていた絵美の目の前に自分の手をつき出した。
「見て。コレ。」
浅賀の手は絆創膏だらけだった。
「昨日あんたが私の手の平掴んだ時に、あんたの爪で引っかかれたんだけど。」
引っかかれただけで、そんな傷になるはずがない。まして、昨日、絵美は反論すらしていないし、絵美の給食袋を奪っていた浅賀の方が悪いのは確実だ。
あまりのわざとらしさに、こっちが浅賀を嘲笑してやりたくなった。
でも、もちろんそんな幼稚なことはしない。そんなことをして何になる?
このゲームにはこのゲームの常識があって、社会だとか道徳的な常識と言うものは存在しない。そんなことはわかっている。
そんなことは当たり前なのだ。
じゃあ、一体僕はどうすればいいのだろう?
「あんたってホントすぐムキになるから。中2にもなって何歳児のつもり?ちょっとは考えて行動したら?」
絵美はそう言われると、小さくうなずいた。顔はうつむき気味でよく見えなかったが、怯えているのはすぐにわかった。
「じゃあさ、今日ちょっと放課後付き合ってよ。怪我させたお礼として。謝罪の機会をあげる。」
浅賀は嫌らしい笑みを浮かべている。
あぁ、また絵美は酷い目に合わされるみたいだ。
そんな今始まったことではないようなことを今更考えると、胸がかきむしられるように熱くて、全てを、胃の中も胃も腸も肝臓も肺も心臓もこの罪悪感も迫ってくる虚無感も、みんなみんな吐き出してしまいたいと思った。
そして、そのくせ僕は黙って見ているだけの傍観者であり続けた。
―…放課後、しとしとと降り始めた雨に気付き、僕は折り畳み傘を探したが見つからず、近くのコンビ二の屋根の下へ雨宿りに入った。
どうやら通り雨のようで、雨はすぐに大粒に変わり、僕の視界に薄い白いカーテンをかけた。
冷たい空気が僕の指先から侵食してくる。
このまま凍ってしまえばいいのに。そして次に目を覚ました時には今とは全てが違う風景が広がっていて、こんな自分ではない人間でありたい。
そんなことを微かに期待して静かに目を閉じて、そっと目を開けてみた。
けれど、もちろん、そこにあるのは相変わらず降り注ぐ雨とコンビニの屋根の下でただ一人で雨宿りをしている、無様な少女だった。
ふと、何かこの目の前の世界とは異質なものが、僕の視界に入ってくるのを感じた。
そこにいたのは絵美だった。この上なくぼろぼろの絵美だった。
黒く変色した制服。傘も差さず雨に打たれて、寒そうに震えている。そして、本当にゆっくりゆっくりと一歩ずつ弱々しい足取りで歩いている。
「絵美!」
僕は名前を呼びながら手招きをした。
いてもたってもいられないのに、僕はコンビニの屋根の下から飛び出すことはできなかった。
絵美は僕に気付くと澄んだ、眼で僕をじっと見つめた。
泣いているのかは雨のせいでわからなかった。
絵美はゆっくりと僕の隣にやってきて、倒れこむようにコンビニの壁にもたれかかった。
「どうしたの?」
絵美はしばらくぼーっとしていたが、うつむいて答えた。
「別に、大丈夫だよ。」
そして、小さい体をぶるっと震わせて呼吸を置いてもう一言言った。それが寒さのせいか、恐怖のせいかはわからない。
「冬のプールは寒いなぁって思った。それだけ。」
どうして絵美はこんな目にあってるんだろう。何が原因だったのだろう。どうしてあんなゲームが始まったのだろう。
わからない。いくら考えても答えは出ない。
「そんな…」
何か言おうとするのに、言葉が出ない。こんなことですら気の効いたことの一つも言えない。言いたいのに、言わなくちゃいけないのに、言葉はバラバラになって不規則に宙をくるくると回っていた。
「私は大丈夫だよ。だから気にしないで。」
そう言った絵美の笑顔は寂しくて儚くて。ガラスのように澄んだ存在のは少し触れただけで壊れてしまいそうで。それがなんだか、悲しくて苦しくて。
僕はどうしたらいいんだろうか。
「あのさ…」
僕はいつの間にか泣きそうな声になっていた。
「痛かったら痛いって言ってもいいし、辛かったら辛いって言ってもいいし、苦しかったら苦しいって言ってもいい。だからさ、我慢なんてする必要ないんだよ。それだけ。」
自分でも何が言いたいのかわからないけれど、僕はそう言って、まだやまない雨を見た。気がつけば、今にも泣き出しそうになっていた。
絵美は暖かく微笑んで、僕を見ていた。
―…「中澤の机くっせぇ。」
廊下は狂った笑い声であふれていた。
「ってか中澤も臭いし。何そのニオイ。」
わかっているくせにわざとそう言って、下卑た笑いが起こる。そして何人かはうつむいて聞かないふり、見ないふりをする。
ちょっとぉ私アイツの近くの席なんだけど~ってか待ってよ教室中臭いしオレの席なんてすでに臭くて戻れねえようっわ授業中なんて耐えれないってどうしようそれを言うならアタシもだよホントいい迷惑だってばアイツウザすぎだよホント目障り消えろよこんなんじゃ教室に入れねえよアイツクラス中に迷惑かけてることわかってんのか
入り混じるざわめき。
絵美の机に大量にまかれた腐った給食は激しい異臭を発し、クラスメイトは全員廊下に避難していた。
雑巾を持った絵美が水道から教室へ向かうと、必要以上の幅の人の道が開いた。
人ごみの中で少しだけ見えた絵美は、強がった歩き方で、誰もいない教室へ入っていった。
広い教室の中で絵美がポツンと、教室の窓際の席で四つんばいになって、腐った給食を拭いている。
そんな様子を見て、また嘲笑が起こる。笑うようなことじゃないのに。
目を背けながらも、心配そうにしている奴だって結局は何もしない。僕も同じことだが。
牛乳を拭き取ると、絵美はまた雑巾を洗って、廊下の開けられた窓にかけた。
そして、強がった表情で自分の席に戻り、ただぼんやりと窓の外を眺めていた。
相変わらず廊下の群集は教室に入ろうとしない。
広い教室の隅で、壊れそうなぐらいに透き通った絵美が窓の外を眺めている風景はなんだか現実感のない夢のようだった。
「まだ臭うし。アイツもっとちゃんと拭けよ。」
嫌そうな顔で、クラスメイトの1人が言う。そして、それに何人かが同調する。
「ホント、アイツは何一つちゃんとできないんだな。」
「だよね。雑巾がけすら出来ないなんて、本当に何もできないんだね。」
「ああいうのをダメっていうんだよ。」
「一生拭いとけって話。」
それが次第に大きくなって、単なるごちゃごちゃした規則性のないざわめきへと変化する。
ってかマジで学校来んなって感じホント消えろよアイツいるだけで空気悪くなること自覚してないんじゃないの同じ空気吸ってるてこと自体が気持ち悪い目障りだよね存在自体がウザイし
耳を塞ぎたかった。けれど、塞げなかった。これが現実だから。これが僕の言う平和だから。
これでいいの?ホントに?
僕は自問していた。
彼らはざわめき続ける。
あぁホントうぜぇさっさと死ねよそうだよ自殺でもすりゃいいんだよさっきから窓の外なんか見て飛び降りたいんじゃないの今すぐ飛び降りろよアイツがいなくなったらどんなに平和になるか全員に死んでわびろよあははホントそうだよねなんで死なないのかな誰か殺してよ~アイツだったら殺しても罪にならないって
本当に楽しそうに笑いあっているクラスメイト。
僕がいるのはこんな世界だってことぐらいとっくに知っていた。
だから、仕方ないんだ。世界を容認するしか世界で生きていくことはできないから。
そう、仕方ない。仕方ないことなんだ。
それなのに僕は手の平から血がにじむぐらい、拳を握り締めていた。
こんなことは今始まったことじゃない。前からだ。いつもと同じじゃないか。それなのにどうして今は、こんなに苦しい?
もはや虚無感は僕のすぐ後ろで、大きな口を開けて待っていた。
僕の中の足りない部分を求める心が激しく疼いていた。
どうしてどうして。ねぇどうして?
―…何とも形容しがたい鈍い音がして、僕はすぐ隣で絵美を嘲っていた男子の顔面を、きつく結んだ拳で殴りつけていた。
殴られた方も、殴った方も、お互い何が起こったのかすぐにわからなかったらしく、僕とそいつはしばらくそままじっとしていた。
廊下が一瞬にして静まり返っていた。
何があったのか。
あぁ、そうか。
僕は
破壊しなければならないんだ。
相手が反撃してくる前に、僕はもう何発か顔面を思いっきり殴った。
血。鮮やかな赤い血が手にべっとりとついていた。
僕の手の平から流れる血と相手の血がまざりあう。
息が苦しい。
僕は逃げ出そうとした女子を思い切り突き飛ばして、上靴で腹を何発か蹴った。
そこにためらいはなかった。
その後は構わず殴った。手当たり次第だった。浅賀も、その取り巻きも、絵美を嘲った他の奴も、単なる野次馬も、見ないフリをした奴も、聞かないフリをした奴も、止めに入った奴も、とにかく殴った。
殴った。血が出る。殴った。殴った。殴った。血が出る。殴った。血が出る。血が出る。
それは永久に続く繰り返しのように思えた。
骨と骨がぶつかって、手がじんじんと痛む。でも、そんなことはどうでもいい。例え手の骨が粉々になっても僕は殴る。
反撃されて床に叩きつけられた。血でぬめぬめとした廊下は鉄臭かったが、僕はゆっくりと息を吐いて起き上がると、また殴った。
今の僕は腕がもげても、足を失っても、目が潰れても、耳が聞こえなくなっても殴るだろう。
あぁ僕は、こんなことしかできない。理由もわからない。
でも、とにかく何かしなくちゃいけないのはわかっていた。僕にはしなくちゃいけないことがあった。
こんなことになったのは欠けている部分のせいなんだろうか。
いつの間にか迫っていた虚無感は消えていた。
しかし、僕はそれと一緒に欠けている部分がわからなくなるぐらい、自分自身をごっそり失ってしまった気がする。
何もかもがめちゃくちゃだ。
こんなはずじゃなかったのに。
僕は自分自身が人間なんかじゃなくて、「殴る」という概念そのものに思えた。
狂って壊れて殴り続けた。そうした所でどうにもならないことがわかっているのに、そうしなくちゃいけない気がして、殴り続けた。
「ゆいちゃん。」
どこからだろう。どこからだろう。
優しい声が聞こえた。
「やめてよ!ゆいちゃん!」
あんなに優しいのに泣きそうだ。泣きそうな声で僕を呼んでる。
行かなくちゃ。行かなくちゃいけない。だから止めないと。殴るのを止めないと。
胸の中で得体の知れない靄が立ち込めて、僕は自分がまっすぐ立っているのかすらわからなくなった。それなのに、殴るのはやめられない。
「ゆいちゃん!」
僕が殴ろうと振り上げた右手を、絵美が両手で握り締めていた。
絵美はなんだか泣きそうで、崩れてしまいそうで。
それを見ていると、なぜだか殴りたい衝動が引いていった。
絵美の手は温かくて、僕の血まみれの手を優しく覆っていた。
僕は…
「ごめん。ごめんね。」
ずっと言いたかったのはこんなにも短い簡単な言葉で、それがわかった瞬間、僕の空っぽの心はふんわりとした何かで満たされていた。
「ごめんね。」
なんだか僕まで泣きそうになっていた。
「大丈夫だよ。ここにいるから。」
絵美が優しく笑って言った。
それがじんわりと温かくて、なんだか嬉しくて、僕は絵美の手を握り返した。
だから、もう大丈夫だ。
【2020年の作者が読んで見つけた課題】
・文章作法を知らない。
・登場人物の人間性や悩み方、暴力描写が薄っぺらいので読者は置いてけぼり。大して辛くなさそうな登場人物たちとあまり痛くなさそうな暴力描写。
・主人公がクソ無神経なのになんか良い話みたいになってるし、自分がクソであることを理解してる上で大した葛藤もなく善人ぶった上に良い話っぽく終わってるのが謎。
・言葉を羅列したり、同じ単語を並べたりして、表現力のなさを誤魔化している。
・僕っ娘の百合と暴力と言わせたい台詞と書きたい場面と語感の良い「しとしと降る雨のリズム」というタイトルを全部詰め込んだのは良いが、どれも掘り下げが浅いため「とりあえず好きなものを全部入れました」感がすごい。いろいろシチュエーションに無理がある。
・当時友達数人からも「腐った給食はどうやって用意したのか」と言われたが本当にそう。
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38nakao · 4 years
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父の日と(ふ)孝行
2020.06.21(日)雨
 母は相変わらずマクドナルドのおばちゃんである。わたしが7歳かそこらからパートを始めてるから、もう20年はとうに過ぎている。「仕事辞めたい」と言うので「辞めたらいいじゃん」と本心から言うが「辞めたらこの家どうすんのよ」がお決まりの手筋。「弟に集ったら?」とか「なんとかなるかもしれんじゃん」というが、今だに攻略できたことがない(仕送りできるほどわたしも経済的余裕はないし、実家に戻れば家賃分を財布に入れてあげられるがそうしてあげたい気持ちも薄い。申し訳ないとは常々思っている)。
 朝起きると、お母さんはもういなかった。大抵朝5時に出勤して、昼下がりに戻ってくる。わたしは薄めの敷布団で寝ていたが、宿主がいなくなったので寝心地の良いベッドに移動して更なる惰眠を取ろうとして、気づく。あーあ、ケータイ置いて行ってる。まあ割とよくあることなので、一度置いた気を睡眠欲に戻す。父がどかどかこちらに来て言う。
「お母さん、財布忘れてるってメールしといて」
 あらあら、流石わたしの母。わたしも忘れ物多いだけある。でも幸いには飲食店だから休憩時間はそこのご飯食べられるし、なんとかなるのではと心配してなかったのだが、父が「もし帰りにスーパーに寄って、いろいろ買い物したのに、レジで気づいたってことになりかねない」と言うから、なんだかんだ優しいなあと思った。いや、実際あり得るし。今日は父の日で、結局買えずじまいだし悩むのも面倒になって直接聞いてみたら、ウォーキングシューズをご所望だったので、買いに行くついでにお母さんの職場に寄った。バックヤード付近で待ち伏せるか、正面から行くか、車の中で相談した結果、お客さんがあまりいなかったら真っ向勝負することになった。お母さんは裏でたぶんポテトとかハンバーガーつくったりする係なので、カウンターにはいない。ゆっくり近づいて、「あの、お客じゃないんですが、あのナカオ、ナカオはいますか、あの娘なんですけど……」何故かテンパってたどたどしくなってしまった。若い店員さんは明るく振舞ってくれて、キッチンの方へ向かって行く。しばらくすると、しかめっ面の母さんがわたしの背後から近づいてきて、「何で来たの」と言うからわたしもしかめっ面で財布とケータイを渡すと、パッと顔が変わった。「いっけね」って顔だ。先ほどの不躾さはどこへやら、「ありがとね」と言ってすぐ元の場所に戻って行った。
 地元で一番大きなショッピングモールに行く。運転はプレゼントをもらうはずのお父さん。でも当たり前の光景なので何も言われない。免許証持ってるけど、運転怖い。もう2〜3年してない。お父さんは駐車場にそこそこ車が止まっているのを見て、「何でこんなにひとがいるんだ」とぼやいた。
 お父さんは予算を気にしているのではと思った。あまり知らないチェーンの靴屋さんに入ったものの、本当に欲しいデザインを手にしてるように見えない。何かそわそわしてる気がする。「しょうま(弟)からもお金もらうし、もう2,000~3,000円くらい高くても大丈夫だよ」と今思えば上から過ぎる気休めの言葉をかけた。そうするとさっきと違うデザインを手に取ってたし、プレゼントなのに予算とか言うもんじゃないな。
 家に帰ってインスタントラーメンのとんこつ味を食べる。父の日なのにお父さんがやってくれる。世話焼きたいひとに焼かせるのも親孝行と言い聞かせる。食べ終わってしばらくすると、『ザ・ノンフィクション』が始まりそうだったので、パソコンで観てみた。同じ時間からプロ野球が始まるから。
 遺品整理人の女性と、その上司にスポットが当てられていた。27歳の遺品整理人の女性、小島さんはその孤独死の現場をミニチュアにしていて、その作品はネットで知り、後日Yahooニュースでも何故「孤独死の事故物件をミニチュアにするか」記事になっていて読んだことがある。その記事は会社の昼休憩で読んでいて、親しい先輩が「何読んでんの」と覗き込み「くぉお〜……(絶句、驚愕のときの口癖)」と発した。その時は26とか27だったし。なにかいじってきたけど、あまりに真剣にわたしが読むもんだから触れちゃいけないと判断して、自分の席に戻っていった記憶がある。
「わたしも多分孤独死するかもしれないな」と思っていたし、そういじられても何も言い返さなかった(「しませんよ!」と言い返して欲しかったくらいわかる。一応弁護しておくと、デリカシーはややないが物分かりの良い先輩で、わたしは今の会社で一番話ができると思っている)。この手の内容をつい見てしまうも、純粋なる興味と予習。どうしてこのひとは孤独に死ななくてはならなかったのか。残された遺族は何を考えるのか。どうして「遺品整理人」を職にしようと思ったのか。自分もこのひとたちに世話になるかもしれないから流れを見とかないと。でも出来ればひとりで死にたくないなあ。
 孤独死するひとは、家族と疎遠になっていたりそもそも家族がいないからその運命を辿ってしまうと思っていたけど、実際はもっと複雑だった。子どもがいて、弟や母がいても、家族仲が悪くなくても、孤独死してしまうひともいるのだ。一人暮らしの家で、急に発作に襲われて苦しみに蹲るしかなければ、誰にも連絡が取れないだろう。最期の言葉も残せない。わたしは自分勝手で、孤独死を恐れているくせに父や母、弟には滅多に自分から連絡しないのだ。
 母はわたしが実家に帰るたび、「結婚しときなさい」とか言う。「良い人いないの」と言われても困る。何でもかんでも恋愛に結びつけようとする。2つ下の弟も浮いた話が一切ないので、母は焦っている。何であんたが焦るんだ、と考えて「こんだけ色々世話したのに、誰にも選ばれないわけない」思いがあるんだろう。生産者目線でわたしたちを評価してるんだ。だからわたしたちが結婚しないと「売れ残り」だと思う。「売れ残りしか生産できなかった自分」を認めたくないし、認めれば恥ずかしい、となる。実際、「結婚できないとお母さん恥ずかしいよ」と言った母に「誰が? 誰に?」と返したら「恥ずかしいというか……」とまごついた。わたしの仮説はズレてなかった。こういう他人の負の感情は当てられる。当てるなら宝くじとか得するものに勘が働けばいいんだけどなあ。
 結婚願望はないわけではないが、そのために何か動くつもりもない。ぜっったいにどんなに急かされても焦っても、その苦しみから脱したくて婚活して挙句に結婚するなんて、相手に無礼なことはできない。だったら一人で強く生きてやる。孤独死の運命を受け入れるしかないね。仕方ないもん。とはいえね、やっぱり寂しいよ。わたしが孤独死が怖い理由は、親が悲しむからだ。もしかしたら、わたしの方が先に死ぬかもしれない。確率は0じゃない。そんな日には、両親、特に母親は「自分の育て方を間違ったんじゃないか」と強く自分を責めて傷つけるだろう。立ち直れなくなるかもしれない。そうなったときに父も既に、もしくは後を追うように他界してしまったとして、母の行くあてのない愛情は、生力は、どこへ向かってしまうのか。そんなことを考えると、わたしは迂闊に死ねない。その後のことは考えたくもない。怖い。
 ここまで母の印象を悪くすることしか書いてないが、ふだんは明るくてよく笑う可愛らしいひとだ。わたしや弟が実家に帰ると、冷蔵庫を食べ物でいっぱいにして待っていてくれる。キユーピーのマヨネーズの瓶に、ジャムを詰めたものが所狭しと並ぶ。ぜんぶ母の手製である。元々わたしがいた部屋ももっと大きな瓶だらけで、梅が浸かってたり、あんずが浸かってたり、暗闇で見ると理科の実験室みたいで最初気味が悪かった。ソーダ水で割ると、とても美味しい。その家事に特化した逞しい母は、わたしと弟の2人を大学4年間しっかり通わせてくれた。しかも2人とも私立、しかも高校から。わたしなんて美大通っちゃったし、ちっちゃい頃は塾にピアノに絵画教室などなど習い事結構させてもらったし、もう金しかかからない。そのくせデザイナーに就職しちゃったから、かけた費用に対してリターンが安すぎる。うちは裕福じゃないから、母はわたしが小さい頃からパートタイマーだ。小学校、中学校と放課後元気に遊ぶわたしに比べて、平日の夕方の母は疲れている姿しか思い出せない。それだから、無下に「結婚を諦めろ」とも言えない。「これ以上干渉したら実家には二度と帰らない」なんて言えない。あまりにも時間もお金も費やされすぎた。そこは理解しているから、わたしはどうしたら良いのか分からない。誕生日も父の日母の日も、毎回プレゼントあげているのも感謝の気持ちよりも罪滅ぼしに近い。あと、「結婚もせんくせに親孝行のひとつもない」と言われないように。可愛いラッピングのしたで身を守っているのだ。
 今日の「ザ・ノンフィクション」を観て、ちょっとそんな気持ちが救われた。番組内でも、肝硬変で倒れ誰にも看取られず遺族が異変に思った頃には白骨化した姿で発見された男性が取り上げられていた。確か50代、アルコールに依存していた。何故彼がアルコールに逃げてしまったのか。最愛の人を失ったからである。その彼女は事故か病気で植物状態になり、還らぬひととなった。この世からいなくなった彼の代わりに、部屋に遺された彼の持ち物から、言葉を読み解けるのが遺品整理人だ。意外とひとは残しているものだ。写真や公的書類、私的な手紙。ゴミが残っていれば何を口にしていたかも分かる。これからスマホやPCによるデータになるだけで、あまり本質は変わらないだろう。遺体を発見した弟さんや息子に先立たれたお母さんは、「もっと連絡すれば良かった」「頼りにしてくれて良かった」と悔やんで責めているようだった。遺族の気持ちももちろんだが、将来の自分も部屋の片隅でこの光景を見下ろしてるかもと思うと、辛かった。
 救われたのは、その亡くなられた男性の四十九日に、遺品整理人の小島さんとその上司の増田さんが訪問に行ったこと。職業ではなくて、死に対して人として向き合ってくれる、そんなひとたちが血の外にいる。男性の持ち物を整理して、「死後であっても見つけてくれる家族がいて幸せだったはず」「家族が悔やむことはない」と遺族の方に言っていたこと。月並みかもしれないが、ちゃんと向き合った彼らが到達した真理。増田さんは「孤独死が恥ずかしい、とならない世の中にしたい」と言っていた。そうであって欲しいし、そう思うひとがゼロではないことに安心した。
 その増田さんでさえ、実の父親の最期を見届けることができなかった。わたしにとって誰かの最期は埋葬される前だった。わたしが知っているひとの姿を留めている最後の瞬間。それがひとの最期だった。増田さんは葬儀には出られたが、生前の姿は見られなかったらしい。よくよく考えたらそうだ。わたしは葬儀にいつでも行けるように、両親の生きているうちは関東にいなきゃと思っている。弟は出張族だし精神がまだ弱いから、わたしは長女で第一子だから、いろいろ準備をしなきゃいけない。しばらく泣くのに飽きた後、弟が号泣している横で我に返って、事を淡々とこなすだろう。
 ひとの最期って何なんだろう。父の日だってのに、お父さんのことより孤独死のこと考えて、ちょっと泣いてしまった。受け入れているけど、寂しいもんは寂しい。少しでも寂しいと悲しくなってしまう。Twitterで呟いたら、「遺品整理の本を読んだら、孤独死する人としない人ってほんのわずかな違いだけだった」とリプライをくれた友人がいた。今までなら理解できなかったけど、本当にそう思うよ。  
「人は いつ 死ぬと思う?」 「人に忘れられた時さ」
 ONE PIECEのドクターヒルルクの言葉を思い出した。死を受け入れながら生を感じてもらえるのであれば、もう怖いものはなくなる。
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hirusoratamago · 5 years
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【QN】ある館の惨劇
 片田舎で依頼をこなした、その帰り道。  この辺りはまだ地方領主が収めている地域で、領主同士の小競り合いが頻発していた。  それに巻き込まれた領民はいい迷惑だ。慎ましくも回っていた経済が滞り、領主の無茶な要求が食糧さえも減らしていく。  珍しくタイミングの悪い時に依頼を受けてしまったと、パティリッタは浮かない顔で森深い峠を貫く旧道を歩いていた。
「捨てるわけにもなぁ」  革の背負い袋の中には、不足した報酬を補うためにと差し出されたパンとチーズ、干し肉、野菜が詰まっている。  肩にのしかかる重さは見過ごせないほどで、おかげで空を飛べない。  ただでさえ食糧事情の悪い中で用意してもらった報酬だから断りきれなかったし、食べるものを捨てていくというのは農家の娘としては絶対に取れない選択肢だ。  村に滞在し続ければ領主の争いに巻き込まれかねないし、結局考えた末に、しばらく歩いてリーンを目指すことに決めた。  2,3日この食料を消費しつつ過ごせば、この"荷物"も軽くなるだろうという見立てだ。
 この道はもう、殆ど利用されていないようだ。  雑草が生い茂り、嘗ての道は荒れ果てている。  鳥の声がした。同じ空を羽ばたく者として大抵の鳥の声は聞き分けられるはずなのに、その声は記憶にない。 「うげっ」  思わず空を仰げば、黒く分厚い雨雲が広がり始めているのが見えた。  その速度は早く、近いうちにとんでもない雨が降ってくるのが肌でわかった。
「うわ、うわ! 待って待って待って」  小雨から土砂降りに変わるまで、どれほどの時間もなかったはずだ。  慌てて雨具を身に着けたところでこの勢いでは気休めにもならない。  次の宿場まではまだ随分と距離がある。何処か雨宿りできる場所を探すべきだと判断した。  曲がりなりにも街道として使われていた道だ、何かしら建物はあるはずだと周囲を見渡してみると、木々の合間に一軒の館を見つけることができた。  泥濘み始めた地面をせっせと走り、館の玄関口に転がり込む。すっかり濡れ鼠になった衣服が纏わり付いて気持ちが悪い。
 改めて館を眺めてみた。立派な作りをしている。前庭も手入れが行き届いていて美しい。  だが、それが却って不審さを増していた。
 ――こんな場所に、こんな館は不釣り合いだ、と。思わずはいられなかったのだ。
 獅子を模したドアノッカーを掴み、館の住人に来客を知らせるべく扉に打ち付けた。  しばらく待ってみるが、応答はない。 「どなたかいらっしゃいませんかー!?」  もう一度ノッカーで扉を叩いて、今度は声も上げて見たが、やはり同じだった。  雨脚は弱まるところを知らず、こうして玄関口に居るだけでも雨粒が背中を叩きつけている。  季節は晩秋、雨の冷たさに身が震えてきた。  無作法だとはわかっていたが、このままここで雨に晒され続けるのも耐えられない。思い切って、ドアを開けようとしてみた。 「……あれ」  ドアは、引くだけでいとも簡単に開いた。  こうなると、無作法を働く範囲も思わず広がってしまうというものだ。  とりあえず中に入り、玄関ホールで家人が気づいてくれるのを待とうと考えた。
 館の中へ足を踏み入れ、後ろ手に扉を閉める。背負い袋を床におろし、一息ついた。  玄関ホールはやけに薄暗い。扉を締めてしまえばいきなり夜になってしまったかのようだ。 「……?」  暗闇に目が慣れるにつれ、ホールの中央に何かが転がっていることに気づいた。 「えっ」  それが人間だと気づくのに、少し時間が必要だった。 「ちょっ、大丈夫で――」  慌てて声をかけて跪き命の有無を確かめようとする。 「ひっ」  すぐに答えは出た。あまりにもわかりやすい証拠が揃っていたためだ。    その人間には、首が無かった。   服装からして、この館のメイドだろう。悪臭を考えるに、この死体は腐りかけだ。  切断された首は辺りには見当たらない。  玄関扉に向かってうつ伏せに倒れ、背中には大きく切り裂かれた痕。  何かから逃げようとして、背中を一撃。それで死んだか、その後続く首の切断で死んだか、考えても意味がない。  喉まで出かかった悲鳴をなんとか我慢して、立ち上がる。本能が"ここに居ては危険だ"と警鐘を鳴らしていた。  逃げると決めるのに一瞬で十分だった。踵を返し、扉に手をかけようとした。
 ――何かが、脚を掴んだ。    咄嗟に振り向き、そして。 「――んぎやゃあぁあぁぁぁあぁぁぁああぁッッッ!!!???」  パティリッタは今度こそあらん限りの絶叫をホールに響かせた。
「ふざっ、ふざけっ、離せこのっ!!!」  脚を掴んだ何か、首のないメイドの死体の手を思い切り蹴りつけて慌てて距離をとった。弓矢を構える。  全力で弦を引き絞り、意味があるかはわからないが心臓に向けて矢を立て続けに三本撃ち込んだ。  幸いにもそれで相手は動きを止めて、また糸の切れた人形のように倒れ伏す。
 死んだ相手を殺したと言っていいものか、そもそも本当に完全に死んだのか、そんな物を確認する余裕はなかった。  雨宿りの代金が己の命など冗談ではない。報酬の食糧などどうでもいい。大雨の中飛ぶのだって覚悟した。  玄関扉に手をかけ、開こうとする。 「な、なんでぇ!?」  扉が開かない。  よく見れば、扉と床にまたがるように魔法陣が浮かび上がっているのに気づいた。魔術的な仕組みで自動的な施錠をされてしまったらしい。  思い切り体当りした。びくともしない。  鍵をこじ開けようとした。だがそもそも、鍵穴や閂が見当たらない。 「開ーけーてー! 出ーしーてー!! いやだー!!! ふざけんなー!!!」  泣きたいやら怒りたいやら、よくわからない感情に任せて扉を攻撃し続けるが、傷一つつかなかった。 「ぜぇ、えぇ……くそぅ……」  息切れを起こしてへたり込んだ。疲労感が高ぶる感情を鎮めて行く中、理解する。  どうにかしてこの魔法陣を解除しない限り、絶対に出られない。
「考えろ考えろ……。逃げるために何をすればいいか……、整理して……」  どんなに絶望的な状況に陥っても、絶対に諦めない性分であることに今回も感謝する。  こういう状況は初めてではない。今回も乗り切れる、なんとかなるはずだと言い聞かせた。  改めて魔法陣を確認した。これが脱出を妨げる原因なのだ。何かを読み取り、解錠の足がかりを見つけなければならない。  指でなぞり、浮かんでいる呪文を一つずつ精査した。 「銀……。匙……。……鳥」  魔術知識なんてない自分には、この三文字を読み取るので精一杯だった。  だが、少なくとも手がかりは得た。
 立ち上がり、もう一度ホールを見渡した。  首なしメイドの死体はもう動かない。後は、館の奥に続く通路が一本見えるだけ。 「あー……やだやだやだ……!!」  悪態をつきながら足を進めると、左右に伸びる廊下に出た。  花瓶に活けられた花はまだ甘い香りを放っているが、それ以上に充満した腐臭が鼻孔を刺す。  目の前には扉が一つ。まずは、この扉の先から調べることにした。
 扉の先は、どうやら食堂のようだった。  食卓である長机が真ん中に置いてあり、左の壁には大きな絵画。向こう側には火の入っていない暖炉。部屋の隅に置かれた立派な柱時計。  生き物の気配は感じられず、静寂の中に時計のカチコチという音だけがやけに響いている。  まず、絵画に目が行った。油絵だ。  幸せそうに微笑む壮年の男女、小さな男の子。その足元でじゃれつく子犬の絵。  この館の住民なのだろうと察しが付いた。そしてもう、誰も生きてはいないのだろう。   続いて、食卓に残ったスープ皿に目をやった。 「うえぇぇっ……!」  内容物はとっくに腐って異臭を放っている。しかし異様なのは、その具材だ。  それはどう見ても人の指だった。  視界に入れないように視線を咄嗟に床に移すと、そこで何かが輝いたように見えた。 「……これ!」  そこに落ちていたのは、銀のスプーンだ。    銀の匙。もしかすると、これがあの魔法陣の解錠の鍵になるのではないかと頬を緩めた。  しかし、丹念に調べてみるとこのスプーンは外れであることがわかり、肩を落とす。  持ち手に描かれた細工は花の絵柄だったのだ。 「……待てよ」  ここが食堂ということは、すぐ近くには調理場が設けられているはずだ。  ならば、そこを探せば目的の物が見つかるかもしれない。  スプーンは手持ちに加えて、逸る気持ちを抑えられずに調理場へと足を運んだ。
 予想通り、食堂を抜けた先の廊下の目の前に調理場への扉があった。 「うわっ! ……最悪っ」  扉を開けて中へ入れば無数のハエが出迎える。食糧が腐っているのだろう。  鍋もいくつか竈に並んでいるが、とても覗いてみる気にはなれない。  それより、入り口すぐに設置された食器棚だ。開いてみれば、やはりそこには銀製の食器が収められていた。  些か不用心な気もするが、厳重に保管されていたら探索も面倒になっていたに違いない。防犯意識の低いこの館の住人に感謝しながら棚を漁った。 「……あった!」  銀のスプーンが一つだけ見つかった。だが、これも外れのようだ。  意匠は星を象っている。思わず投げ捨てそうになったが、堪えた。  まだ何処かに落ちていないかと探してみるが、見つからない。 「うん……?」  代わりに、メモの切れ端を見つけることができた。
 "朝食は8時半。   10時にはお茶を。   昼食・夕食は事前に予定を伺っておく。
  毎日3時、お坊ちゃんにおやつをお出しすること。"
 使用人のメモ書きらしい。特に注意して見るべきところはなさそうだった。  ため息一つついて、メモを放り出す。まだ、探索は続けなければならないようだ。  廊下に出て、並んだ扉を数えると2つある。  一番可能性のある調理場が期待はずれだった以上、虱潰しに探す必要があった。
 最も近い扉を開いて入ると、小部屋に最低限の生活用品が詰め込まれた場所に出た。  クローゼットを開けば男物の服が並んでいる。下男の部屋らしい。  特に発見もなく、次��扉へと手をかけた。こちらもやはり使用人の部屋らしいと推察ができた。  小物などを見る限り、ここは女性が使っていたらしい。  あの、首なしメイドだろうか。 「っ……!」  部屋には死臭が漂っていた。出どころはすぐにわかる。クローゼットの中からだ。 「うあー……!」  心底開きたくない。だが、あの中に求めるものが眠っている可能性を否定できない。 「くそー!!」  思わずしゃがみこんで感情の波に揺さぶられること数分、覚悟を決めて、クローゼットに手をかけた。 「――っ」  中から飛び出してきたのは、首のない死体。
 ――やはり動いている!
「だぁぁぁーーーっ!!!」  もう大声を上げないとやってられなかった。  即座に距離を取り、やたらめったら矢を撃ち込んだ。倒れ伏しても追撃した。  都合7本の矢を叩き込んだところで、死体の様子を確認する。動かない。  矢を回収し、それからクローゼットの中身を乱暴に改めた。女物の服しか見つからなかった。    徒労である。クローゼットの扉を乱暴に閉めると、部屋を飛び出した。  すぐ傍には上り階段が設けられていた。何かを引きずりながら上り下りした痕が残っている。 「……先にあっちにしよ」  最終的に2階も調べる羽目になりそうだが、危険が少なそうな箇所から回りたいのは誰だって同じだと思った。  食堂前の廊下を横切り、反対側へと抜ける。  獣臭さが充満した廊下だ。それに何か、動く気配がする。  選択を誤った気がするが、2階に上がったところで同じだと思い直した。    まずは目の前の扉を開く。  調度品が整った部屋だが、使用された形跡は少ない。おそらくここは客室だ。  不審な点もなく、内側から鍵もかけられる。必要であれば躰を休めることができそうだが、ありえないと首を横に振った。  こんな化け物だらけの屋敷で一寝入りなど、正気の沙汰ではない。  すぐに踵を返して廊下に戻り、更に先を調べようとした時だった。
 ――扉を激しく打ち開き、どろどろに腐った肉体を引きずりながら犬が飛び出してきた!   「ひぇあぁぁぁーーーっ!!!???」  素っ頓狂な悲鳴を上げつつも、躰は反射的に矢を番えた。  しかし放った矢がゾンビ犬を外れ、廊下の向こう側へと消えていく。 「ちょっ!? えぇぇぇぇっ!!!」  二の矢を番える暇もなく、ゾンビ犬が飛びかかる。  慌てて横に飛び退いて、距離を取ろうと走るもすぐに追いつかれた。  人間のゾンビはあれだけ鈍いのに、犬はどうして生前と変わらぬすばしっこさを保っているのか、考えたところで答えは出ないし意味がない。  大事なのは、距離を取れないこの相手にどう矢を撃ち込むかだ。 「ほわぁー!?」  幸い攻撃は読みやすく、当たることはないだろう。ならば、と足を止め、パティリッタはゾンビ犬が飛びかかるのを待つ。 「っ! これでっ!!」  予想通り、当たりもしない飛びかかりを華麗に躱したその振り向きざま、矢を放った。  放たれた矢がゾンビ犬を捉え、床へ縫い付ける。後はこっちのものだ。 「……いよっし!」  動かなくなるまで矢を撃ち込み、目論見がうまく行ったとパティリッタはぴょんと飛び跳ねてみせた。    ゾンビ犬が飛び出してきた部屋を調べてみる。  獣臭の充満した部屋のベッドの上には、首輪が一つ落ちていた。 「……ラシー、ド……うーん、ということは……」  あのゾンビ犬は、この館の飼い犬か。絵画に描かれていたあの子犬なのだろう。  思わず感傷に浸りかけて、我に返った。
 廊下に残った扉は一つ。最後の扉の先は、納戸のようだ。  いくつか薬が置いてあっただけで、めぼしい成果は無かった。  こうなると、やはり2階を探索するしかない。 「なんでスプーン探すのにこんなに歩きまわらなきゃいけないんだぁ……」
 慎重に階段を登り、2階へ足を踏み入れた。  まずは今まで通り、手近な扉から開いて入る。ここは書斎のようだった。  暗闇に目が慣れた今、書斎机に何かが座っているのにすぐ気づいた。  本来頭があるべき場所に何もないことも。  服装を見るに、この館の主人だろう。この死体も動き出すかもしれないと警戒して近づいてみるが、その気配は無かった。 「うげぇ……」  その理由も判明した。この死体は異常に損壊している。  指もなく、全身至るところが切り裂かれてズタズタだ。明確な悪意、殺意を持っていなければこうはならない。 「ほんっともう、やだ。なんでこんなことに……」  この屋敷に潜んでいるかもしれない化け物は、殺して首を刈るだけではなく、このようななぶり殺しも行う残忍な存在なのだと強く認識した。  部屋を探索してみると、机の上にはルドが散らばっていた。これは、頂いておいた。  更に本棚には、この館の主人の日記帳が収められていた。中身を検める。
 その中身は、父親としての苦悩が綴られていた。  息子が不死者の呪いに侵され、異形の化け物と化したこと。  殺すのは簡単だが、その決断ができなかったこと。  自身の妻も気が触れてしまったのかもしれないこと。  更に読み進めていけば、気になる記述があった。 「結界は……入り口のあれですよね。ここ、地下室があるの……?」  この館には地下室がある。その座敷牢に異形の化け物と化した息子を幽閉したらしい。  しかし、それらしい入り口は今までの探索で見つかってはいない。別に、探す必要がなければそれでいいのだが。 「最悪なのはそのまま地下室探索コースですよねぇ……。絶対やだ」    書斎を後にし、次の扉に手をかけてみたが鍵がかかっていた。 「ひょわぁぁぁっ!?」  仕方なく廊下の端にある扉へ向かおうとしたところ、足元を何かが駆け抜けた。  なんのことはないただのネズミだったのだが、今のパティリッタにとっては全てが恐怖だ。 「あーもー! もー! くそー!」  悪態をつきながら扉を開く。小さな寝台、散らばった玩具が目に入る。  ここは子供部屋のようだ。日記の内容を考えるに、化け物になる前は息子が使用していたのだろう。  めぼしいものは見当たらない。おもちゃ箱の中に小さなピアノが入っているぐらいで、後はボロボロだ。  ピアノは、まだ音が出そうだった。 「……待てよ……」  弾いたところで何があるわけでもないと考えたが、思い直す。  本当に些細な思いつきだった。それこそただの洒落で、馬鹿げた話だと自分でも思うほどのものだ。
 3つ、音を鳴らした。この館で飼われていた犬の名を弾いた。 「うわ……マジですか」  ピアノの背面が開き、何かが床に落ちた。それは小さな鍵だった。 「我ながら馬鹿な事考えたなぁと思ったのに……。これ、さっきの部屋に……」  その予想は当たった。鍵のかかっていた扉に、鍵は合致したのだ。
 その部屋はダブルベッドが中央に置かれていた。この館の夫妻の寝室だろう。  ベッドの上に、人が横たわっている。今まで見てきた光景を鑑みるに、その人物、いや、死体がどうなっているかはすぐにわかった。  当然首はない。服装から察するに、この死体はこの館の夫人だ。  しかし、今まで見てきたどの死体よりも状態がいい。躰は全くの無傷だ。  その理由はなんとなく察した。化け物となってもなお息子に愛情を注いだ母親を、おそらく息子は最も苦しませずに殺害したのだ。  逆に館の主人は、���閉した恨みをぶつけたのだろう。 「……まだ、いるんだろうなぁ」  あれだけ大騒ぎしながらの探索でその化け物に出会っていないのは奇跡的でもあるが、この先、確実に出会う予感がしていた。  スプーンは、見つかっていないのだ。残された探索領域は一つ。地下室しかない。    もう少し部屋を探索していると、クローゼットの横にメモが落ちていた。  食材の種類や文量が細かく記載されており、どうやらお菓子のレシピらしいことがわかる。 「あれ……?」  よく見ると、メモの端に殴り書きがしてあった。 「夫の友人の建築家にお願いし、『5分前』に独りでに開くようにして頂いた……?」  これは恐らく、地下室の開閉のことだと思い当たる。 「……そうだ、子供のおやつの時間だ。このメモの内容からしてそうとしか思えません」  では、5分前とは。 「おやつの時間は……そうか。わかりましたよ……!」  地下室の謎は解けた。パティリッタは、急ぎ食堂へと向かう。
「5分前……鍵は、この時計……!」  食堂の隅に据え付けられた時計の前に戻ってきたパティリッタは、その時計の針を弄り始めた。 「おやつは3時……その、5分前……!」  2時55分。時計の針を指し示す。 「ぴぃっ!?」  背後で物音がして、心臓が縮み上がった。  慌てて振り向けば、食堂の床石のタイルが持ち上がり、地下への階段が姿を現していた。  なんとも形容しがたい異様な空気が肌を刺す。  恐らくこの先が、この屋敷で最も危険な場所だ。本当にどうしてこの館に足を踏み入れたのか、後悔の念が強まる。 「……行くしか無い……あぁ……いやだぁ……! 行くしか無いぃ……」  しばらく泣きべそをかいて階段の前で立ち尽くした。これが夢であったらどんなにいいか。  ひんやりとした空気も、腐臭も、時計の針の音も、全てが現実だと思い知らせてくる。  涙を拭いながら、階段を降りていく。
 降りた先は、石造りの通路だった。  異様な雰囲気に包まれた通路は、激しい寒気すら覚える。躰が雨に濡れたからではない。
 ――死を間近に感じた悪寒。
 一歩一歩、少しずつ歩みを進めた。通路の端までなんとかやってきた。そこには、鉄格子があった。 「……! うぅぅ~……!!」  また泣きそうになった。鉄格子は、飴細工のように捻じ曲げられいた。    破壊されたそれをくぐり、牢の中へ入る。 「~~~っ!!!」  その中の光景を見て思わず地団駄を踏んだ。  棚に首が、並んでいる。誰のものか考えなくともわかる。  合計4つ、この館の人間の犠牲者全員分だ。  調べられそうなのはその首が置かれた棚ぐらいしかない。    一つ目は男性の首だ。必死に恐怖に耐えているかのような表情を作っていた。これは、下男だろう。  二つ目も男性の首だ。苦痛に歪みきった表情は、死ぬまでにさぞ手酷い仕打ちを受けたに違いなかった。これがこの館の主人か。  三つ目は女性の首だ。閉じた瞳から涙の跡が残っている。夫人の首だろう。  四つ目も女性の首。絶望に沈みきった表情。メイドのものだろう。 「……これ……」  メイドの髪の毛に何かが絡んでいる。銀色に光るそれをゆっくりと引き抜いた。  鳥の意匠が施された銀のスプーン。 「こ、これだぁ……!!」  これこそが魔法陣を解錠する鍵だと、懐にしまい込んでパティリッタは表情を明るくした。  しかしそれも、一瞬で恐怖に変わる。    ――何かが、階段を降りてきている。   「あぁ……」  それが何か、もうとっくに知っていた。逃げ場は、無かった。弓を構えた。 「なんで、こういう目にばっかりあうんだろうなぁ……」  粘着質な足音を立てながら、その異形は姿を現した。  "元々は"人間だったのであろう、しかし体中の筋肉は出鱈目に隆起し、顔があったであろう部分は崩れ、悪夢というものが具現化すればおおよそこのようなものになるのではないかと思わせた。  理性の光など見当たらない。穴という穴から液体を垂れ流し、うつろな瞳でこちらを見ている。  ゆっくりと、近づいてくる。 「……くそぉ……」  歯の根が合わずがたがたと音を立てる中、辛うじて声を絞り出す。 「死んで……たまるかぁ……!!」  先手必勝とばかりに矢を射掛けた。顔らしき部分にあっさりと突き刺さる。  それでも歩みは止まらない。続けて矢を放つ。まだ止まらない。  接近を許したところで、全力で脇を走り抜けた。異形の伸ばした手は空を切る。  対処さえ間違えなければ勝てるはず。そう信じて異形を射抜き続けた。
「ふ、不死身とか言うんじゃないでしょうねぇ!? ふざけんな反則でしょぉ!?」    ――死なない。    今まで見てきたゾンビとは格が違う。10本は矢を突き立てたはずなのに、異形は未だに動いている。 「し、死なない化け物なんているもんですか! なんとかなる! なんとかなるんだぁっ!! こっちくんなーっ!!!」  矢が尽きたら。そんな事を考えたら戦えなくなる。  パティリッタは無心で矢を射掛け続けた。頭が急所であろうことを信じて、そこへ矢を突き立て続けた。 「くそぅっ! くそぅっ!」  5本、4本。 「止まれー! 止まれほんとに止まれー!」  3本、2本。 「頼むからー! 死にたくないからー!!」  1本。 「あああぁぁぁぁっ!!!」  0。  最後の矢が、異形の頭部に突き刺さった。    ――動きが、止まった。
「あ、あぁ……?」  頭部がハリネズミの様相を呈した異形が倒れ伏す。 「あぁぁぁもう嫌だぁぁぁ!!!」  死んだわけではない。既に躰が再生を始めていた。しかし、逃げる隙は生まれた。  すぐにねじ曲がった鉄格子をくぐり抜けて階上へ���び出し、一目散に入り口へ駆ける。  後ろからうめき声が迫ってくる。猶予はない。 「ぎゃああああもう来たあああぁぁぁぁ!!!」  玄関ホールへたどり着いたと同時に、後ろの扉をぶち破って再び異形が現れる。  無秩序に膨張を続けた躰は、もはや人間であった名残を残していない。  異形が歪な腕を、伸ばしてくる。 「スプーンスプーン! はやくはやくはやくぅ!!!」  もう手持ちのスプーンから鍵を選ぶ余裕すらない。3本纏めて取り出して扉に叩きつけた。  肩を、異形の手が叩く。 「うぅぅぐぅぅぅ~ッッッ!!!」  もう涙と鼻水で顔はぐちゃぐちゃだった。  後ろを振り返れば死ぬ。もうパティリッタは目の前の扉を睨みつけるばかりだ。  叩きつけたスプーンの内1本が輝き、魔法陣が共鳴する。 「ぎゃー! あー!! わーっ!! あ゛ーーーッッッ!!!」  かちゃり、と音がした。  と同時に、パティリッタは全く意味を成さない叫び声を上げながら思い切り扉を押し開いて外へと転がり出た。
 いつしか雨は止んでいた。  雲間から覗いた夕日が、躰に纏わり付いた忌まわしい物を取り払っていく。 「あ、あぁ……」  西日が屋敷の中へと差し込み、異形を照らした。異形の躰から紫紺の煙が上がる。  もがき苦しみながら、それでもなお近づいてくる。走って逃げたいが、遂に腰が抜けてしまった。  ぬかるんだ地面を必死の思いで這いずって距離を取りながら、どうかこれで異形が死ぬようにと女神に祈った。
 異形の躰が崩れていく。その躰が完全に崩れる間際。 「……あ……」    ――パティリッタは、確かに無邪気に笑う少年の姿を見た。    翌日、パティリッタは宿場につくなり官憲にことのあらましを説明した。  館は役人の手によって検められ、あれこれと詮議を受ける羽目になった。  事情聴取の名目で留置所に三日間放り込まれたが、あの屋敷に閉じ込められた時を思えば何百倍もマシだった。  館の住人は、縁のあった司祭によって弔われるらしい。  それが何かの救いになるのか、パティリッタにとってはもはやどうでも良かった。  ただ、最後に幻視したあの少年の無邪気な笑顔を思い出せば、きっと救われるのだろうとは考えた。 「……帰りましょう、リーンに。あたしの日常に……」
「……もう、懲り懲りだぁー!!」  リーンへの帰途は、晴れ渡っていた。
 ――ある館の、惨劇。
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sorairono-neko · 5 years
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彼はいつもぼくをびっくりさせる
 グランプリシリーズの最終戦に、勇利はひとりでのぞんでいた。ヴィクトルは帯同していない。それどころか、彼とはこの数週間、まともに話せていなかった。ふたりの出場大会が交互になっており、互いがそれぞれ忙しかったせいである。  ちょっとした言い争いもあった。ヴィクトルは勇利のコーチとしての仕事をすると主張したが、勇利とヤコフが反対したのだ。それでヴィクトルはひどく機嫌が悪かったのだけれど、さらに勇利が、彼が承服できかねるようなことを言った。 「ぼくは絶対にファイナルをきめてくるから。大会のあと、ファイナルまでは日本で調整するよ」 「なんだって?」 「集中して短期的にやりたいんだ。長谷津のリンクのほうが合ってる。ここは人が多い」 「だったら俺も行く」 「だめだよ。ヴィクトルはロシアで練習して。ファイナルで会おう」 「それは俺が必要ないと言っているのか?」 「そうじゃないんだ。そうじゃないんだよ……」 「勇利は勝手だ」 「とにかく、ぼくは日本でやるから。ファイナルのあとは全日本選手権もあるし、ちょうどいい」 「そのあとは四大陸か。そのときまで日本にいるつもり?」 「わからない。まだ考えてないよ」 「勇利は勝手だ!」  勇利はヴィクトルの表情を思い出し、溜息をついた。ヴィクトル、怒ってたな……。まだ機嫌は直っていないのだろうか? 携帯電話を見てみたけれど連絡は入っていない。勇利のほうからする気にもなれない。なんと言えばよいのかわからない。  とにかく、グランプリファイナル進出をきめよう。ちゃんとひとりでもできるところを見せなければ……。  しかし、公式練習に参加した勇利は自分にがっかりした。かなり調子が悪い。四回転がなかなか入らないのだ。トゥループやサルコウはかろうじてきまるけれど、フリップが降りられない。転倒、転倒、また転倒だ。おまけに、ジャンプに気を取られてほかの選手とぶつかりそうになった。集中しなければ……。 「勇利、調子よくないみたいだね」  ともに参加しているピチットが気遣った。 「大丈夫? 具合悪いんじゃないの?」 「身体は平気」 「ヴィクトルと喧嘩でもした?」 「べつに」 「したんだ」 「してません」 「したんだー」 「してないってば!」  ホテルへ戻ってから自分の記事を検索してみたら、「勝生、四回転フリップすべて失敗」「五本挑戦、五回転倒」「回避の選択か」などという文字が躍っていた。 「勝生の四回転フリップの成功率はまだ低い。確実にファイナルをきめるなら、サルコウとトゥループでまとめ、加点を狙うべきだ。いまは無理をする時期ではない。まだ試合はある。果たして勝生の決断は──か」  勇利はぶつぶつと記事を読み上げると、「ばからしい」と携帯電話を投げ出した。 「うるさいな。ほっといてよ」  当日の公式練習でも勇利の調子は上がらず、やはり同じ大会に出場するクリストフに、「勇利、ピーキングめちゃくちゃじゃない?」と心配された。 「失敗したんだよ」 「不機嫌だねえ。ヴィクトルと喧嘩でもした?」 「なんでみんなそういうこと訊くの!?」 「おや、元気じゃないか。しょんぼりされるよりいいね。ちゃんとファイナルきめないと、ヴィクトルにおしおきされるよ」 「ヴィクトルなんか知らない!」 「やっぱり喧嘩したんだ」 「しましたよ!」  喧嘩ではないかもしれない。きちんと話しあう時間がないままに旅立ってしまっただけだ。直前まで、できる限りの指導はしてくれていた。そのため、それ以外のことについてじっくりと語りあう時がなかったのだ。  四回転フリップは回避したほうがよい、という意見をすべて無視して、勇利はショートプログラムの最後にフリップジャンプを跳んだ。結果は見事なほどの転倒で、記事はいっせいに、「だから言ったのに」ということを書き立てた。 「ほっといてよ……」  ああもう、うるさいうるさい。得点を見てよ得点を。ぼくは一位を狙える位置にいるんだよ! まったく……。  しかし、そういう強気な文句とは裏腹に、勇利の気持ちは沈んでいった。明日も失敗したらどうしよう……そもそもジャンプの調子が悪い……。フリップどころか四回転すべて──ううん、ほかのジャンプも全ミスしたら……。  苦い思い出がよみがえり、勇利は苦しんだ。だが、ジャンプの難度を落とそうとは思わない。構成は変えない。グランプリファイナルにも行く。そのためにはどうすればよいのだろう?  よせばいいのに、しつこく自分の記事を調べてしまった。どの新聞社も、「フリースケーティングではジャンプを考えるべき」という論調だった。勝生はもともとジャンプがそれほど得意ではない。四回転フリップは完成していない。運任せのジャンプより、得意なスケーティングで点数を稼ぐべきである。ファイナルがかかっているのだから……。 「…………」  勇利はベッドに寝転がり、目を閉じた。ヴィクトル、助けてよ……。  ヴィクトルに会いたかった。しかし、次に会えるのはグランプリファイナルだ。もしファイナルを逃せば、年内にはもう会えない。四大陸選手権まで日本で練習するのなら、約三ヶ月のあいだ、彼の顔を見られないことになる。  三ヶ月……三ヶ月か。  勇利はまくらに抱きついた。いつもヴィクトルと一緒に寝ているので、なんだかベッドがひろく感じられる。ホテルのベッドはシングルで、ヴィクトルのベッドはその倍以上の大きさなので、たとえひとりでもいまひろく思うのはおかしいのだけれど、それでも勇利はそんな感覚をおぼえた。手の届くところにヴィクトルがいないというのはおかしなものだ。  そう──ずっとおかしかったのだ。ヴィクトルが最初の試合に出るころから、ずっと。あまり話ができなくて、顔も見られなくて、練習ばかりしていて、日常的な会話はほとんどなくて……。  三ヶ月──たった三ヶ月だ。練習していればすぐに過ぎる。子どもではないのだから、さびしいなんて泣くのは変だ。試合も稽古も、きちんとしなくては。自立した選手にならなければいけない。たかが三ヶ月。  ……でも……。 「ヴィクトル、助けてよ……」  勇利は言葉に出してくすんと鼻を鳴らした。  フリースケーティングでも勇利は失敗した。四回転フリップはきまらず、ほかのジャンプでもいくつかちいさなしくじりをした。しかし、伸びやかな音楽的スケートはすぐれてきわだっており、技術以外のところで得点を伸ばした。どうにかこうにか、今年も六位通過でグランプリファイナルにすべりこんだのだ。  勇利は安堵のあまり、記者会見のあと、ホテルですこし泣いた。そして試合の映像を確かめ、みっともないジャンプを見てもっと泣いた。 「へたくそ……」  バンケットの直前に、携帯電話を確認してみたけれど、ヴィクトルからは何の連絡もなかった。勇利は勝手に腹を立てた。おめでとうくらい言えばいいのに、と思った。ジャンプ失敗したからですか。ああそうですか。  頭に来たので、勇利のほうから短い文を送っておいた。ふんだ。ヴィクトルなんか知らない。どうせ三ヶ月も会わないんだから、少々のことを言ってもこわくなんかない。 「勇利、なんか機嫌悪い?」  ヴィクトルから返事がない、とバンケット会場のすみでいじけていたら、ピチットが笑いながら声をかけてきた。 「そんなことない」 「まだ喧嘩してるの?」  勇利はにっこり笑った。 「してないよ」 「してるんだ」 「どうでもいいの。ヴィクトルとは三ヶ月会わないから、喧嘩なんかうやむやになるの。ううん──喧嘩どころか、あのひとは忘れっぽいから、三ヶ月もしたらぼくのことなんか記憶からなくなってるかもね。名前も忘れちゃうかもしれない。お久しぶりです、って挨拶したら、えっと、あれ、きみは誰だっけ、とか言われちゃうんだ」 「荒れてるなあ」 「いいよ。望むところだ。ぼくだって忘れてやるから」 「勇利、酔ってる?」 「酔ってない」 「目が据わってる……何杯飲んだの? また暴れるんじゃないの? ヴィクトルがいないのにまずいよ」 「ふんだ。ヴィクトルなんて、ヴィクトルなんて……」  忘れたいなら忘れればいい。ヴィクトルの忘れんぼ! 勇利は新しいグラスに手を伸ばした。  飛行機の中でたっぷり寝てしまった。タクシーに乗りこみ、夜の街の灯を眺める。ふと思いついて、携帯電話を取り出した。メッセージが入っている。ひらいて笑ってしまった。 『ヴィクトルのばか!』  ヴィクトルは肩をかすかに揺らし、携帯電話を操作した。メッセージを返すのではなく、友人の番号を呼���出した。 「やあ……、楽しんでるかい?」  相手の明るい返事と、喧噪が聞こえてくる。ヴィクトルは目を閉じて微笑を浮かべた。 「そう……、ああ、ファイナル進出おめでとう。君とまた戦えるのがうれしいよ。あの子はどうしてる?」  友人の返答にヴィクトルはくすくす笑った。 「そうか……、うん。俺のことは言わないでくれ。……ああ。そうだな……、あと三十分くらいかな」  時刻を確認した。じゅうぶん間に合うだろう。 「ああ。あまりはめを外しすぎないように見張っててくれ。まったく、俺がいないとどうしようもないんだからね、あの子は」  ヴィクトルは通話を切り、窓にもたれて指で頬を支えた。彼のくちびるは終始笑みを含んでおり、膝の上にある手は、機嫌よさげに、ピアノを弾くように動いていた。  ホテルに着くと、邪魔な荷物をすべてフロントに預けた。 「部屋へ運んでおいてくれ。バンケットホールはどこかな」  案内すると言われたが断って、教えられた通りの階で降りた。すぐ前に廊下が伸び、その向こうに大きな扉がいくつかある。そのうちのひとつがひらいていて、人々の話し声が聞こえた。  中に入ると、ひかりと騒がしさの洪水だった。ヴィクトルに気がついた者たちが、「あ」と口をひらく。ヴィクトルはほほえみながら、ゆっくりと会場をめぐった。すぐに見慣れた後ろ姿がみつかった。何やら陽気にピチットと話している。横顔の頬が赤い。ずいぶん酔っているようだ。しかし、まだ正体をなくすほどではない。  ヴィクトルは、ふと給仕の持っているトレイに目を留めると、「ちょっと貸してくれ」と頼んでそれを手に取った。 「いやあ、だぁからぁ、喧嘩じゃないってぇ」  勇利のふわふわした声が聞こえる。 「ヴィクトルが、すーぐぼくのこと、勝手だとか、人の気持ちを考えないとか言って、怒ってくんの。勝手なのはどっちなんだよって話だよ、ねーえ」  ピチットはうんうんうなずいて聞いている。ヴィクトルは笑いをこらえた。 「つまりそれって喧嘩じゃないの」 「ちがうよぉ。ヴィクトルがひとりで怒ってるだけ……。わりとね、怒りっぽいんだよねえ」 「勇利が怒らせるようなこと言ってるんじゃない?」 「ちがうちがう。ヴィクトルが短気なの。ちょーっとのことですーぐ目を吊り上げるの。あと、怒ってるくせに、一緒に寝たがるの。変わってるよねー!」  空になったグラスを勇利がテーブルに置く。ヴィクトルは彼のかたわらにさりげなく立つと、「どうぞ」とトレイを差し出した。 「あー。ありがとー」  勇利がグラスを取り、両手で持ってごくごく飲む。あぁあ、そんな飲み方をして……。 「もう一杯……」 「だめだ。勇利、俺がいないところでは飲むなと言っただろう」 「え?」 「また俺を怒らせることをしているのか」  勇利が振り返った。目が合った。ヴィクトルはにっこり笑った。 「えっ……」  勇利はつぶやいた。彼は信じられないというように瞳を大きくし、ピチットに寄りかかった。ヴィクトルはすばやく勇利の手からグラスを取り上げ、テーブルに置いた。トレイは、そばに来ていた給仕に返した。 「勇利」  ヴィクトルはもう一度ほほえんだ。勇利のくちびるがふるえた。 「さ、さんかげつ……」 「え?」 「三ヶ月……だったんじゃ……」 「なんだい?」  ヴィクトルは両手をひろげた。喜んで胸に飛びこんできてくれると思ったのに、予想外の行動を取るのはさすがに勇利だった。勇利は悲鳴を上げ、「うそ! うそ!」と叫ぶと、突然その場から逃げ出してしまったのだ。 「勇利!」  ヴィクトルは笑い出した。 「うそ! うそ! うそ!」  勇利は駆けていった。しかし酔っているので、足取りがふらふらしていた。ヴィクトルは心配しながら彼を追いかけた。まわりにいた者たちが事情を察し、笑いながらふたりを見ている。 「うそ、うそうそうそ! うそー!」  勇利は逃げ惑った。よその国のコーチや選手、連盟の者たちのあいだを抜け、よろよろと逃走した。 「うそ! ヴィクトルがこんなところにいるわけないよ!」  勇利はクリストフをみつけると、彼の後ろに逃げこみ、ヴィクトルのほうをにらんだ。 「にせものだね! ぼくを惑わせようったってそうはいかないんだから!」  ヴィクトルは声を上げて笑った。クリストフも楽しそうに笑う。 「クリス、勇利をこっちによこしてくれ」 「はいはい」 「クリス、ヴィクトルの味方する気!?」  勇利が悲劇的な調子で叫んだ。クリストフは相変わらず笑いながら、「それが勇利のためなんだよ」と言い聞かせた。 「ひどい! クリスの裏切り者!」 「勇利はヴィクトルに会いたくなかったの?」 「会いたいとか会いたくないとか、そういう問題じゃないんだよ!」  勇利がまた悲鳴を上げながら逃げ出した。ヴィクトルはクリストフと顔を見合わせた。 「じゃあどういう問題なんだろう?」 「さあ……、あの子の考えることはさっぱりわからないんだよね」  ヴィクトルは勇利のあとについて歩き始めた。勇利はとりみだし、人々のあいだを縫い、どこまでも走っていく。みんなが笑いながら、ほほえましげに彼を目で追った。  勇利はとうとう会場のすみまで行くと、頬に手を当て、まっかになって、「なんで? なんでヴィクトルがここに? なんで? なんか怒ってる? 四回転フリップ跳んだから? わざわざお説教しに来たの? 三ヶ月は会えないはずだったんだよ。三ヶ月だよ!」とぶつぶつ言った。ヴィクトルは背後から彼に近づき、両腕を差し伸べてふいにぎゅっと抱きしめた。 「つかまえた」 「!……」  ヴィクトルは腕の中で勇利を振り向かせた。勇利の目には涙がいっぱいに溜まっていたのでヴィクトルは驚き、それから微笑を浮かべた。勇利が言った。 「ぼく、怒ってるんだからね」 「俺も怒ってる」 「何を?」 「勇利こそ何に怒ってるんだ?」 「だって……」 「俺をおいてさっさと行ってしまったのはきみだ。怒るなら俺のほうだろう。勇利はすぐ自分できめてしまう。なんで俺に相談してくれない?」 「子どもじゃないからだよ! ぼくだって──ぼくだってちゃんとできるんだ。できるんだから。ほ──ほっといてよ!」 「ほっとけない」  ヴィクトルは優しく言った。 「おまえは俺のかわいい子だから」 「…………」  勇利の目から涙があふれた。彼はヴィクトルに抱きつくと、声を振り絞るようにして、「遅いよ……!」とささやいた。 「ごめん」 「遅いよ! 遅いよ遅いよ遅いよ!」 「悪かった。片づけなければならない仕事がいくつもあった」 「ヴィクトルの仕事はぼくのコーチじゃん! それより大事な用事なんてあるの?」 「そうだね。俺が悪かった」 「ぼく、ひとりでさびしかった」 「ごめん」  来なくていいと言ったのは勇利だ。ヴィクトルが勇利のコーチであるために、しなければならないことはたくさんある。すべてをとどこおりなく進めるためには、勇利だって我慢しなければならない。勇利自身、それはわかっているのだ。だから「来なくていい」と言った。それなのに、彼はそんな一般的な見解はかなぐり捨て、ヴィクトルに「遅い」と文句を言う。ヴィクトルはそんな彼がかわいくてならなかった。 「勇利、ファイナル進出おめでとう。うれしいよ。おまえは俺の誇りだ。そして、これで同じ氷の上に立てる」 「ヴィクトル……」  勇利はヴィクトルにしがみついて泣いた。言葉もなく頬をすり寄せる。ヴィクトルは笑って勇利をかたく抱擁した。まわりにいた者たちが笑って拍手した。ヴィクトルは勇利の泣き顔をのぞきこみ、ほっぺたに手を当ててとがめた。 「勇利、俺のいないところでは飲むなと言った約束は?」 「……そんなの知らない」 「俺以外の誰と踊り狂って、誰に部屋へ送ってもらうつもりだったんだ?」 「そんなにぼくのことが心配なら、四六時中くっついて監視してれば!?」  勇利はわめいてまたヴィクトルに抱きついた。うれしいのでそのままにしていたら、彼は、夢ではないのかというようにちらちらとときおりヴィクトルを見る。そうして確かめてから、またぎゅっとくっついてくるのだ。くそ、かわいい。 「ヴィクトル……ほんとにヴィクトル?」 「そうだよ」 「本物?」 「もちろんさ。勇利は本当に勇利?」 「ちがうかも……」 「そうなのかい?」 「ぼくいま、気持ちがぐちゃぐちゃでとりみだしてて、何を言い出すかわからないから……、ヴィクトルの思う勝生勇利じゃないかもしれない……」 「何を言い出すかわからないきみなら、まちがいなく俺の思う勝生勇利だ」 「それ……、どういう意味……?」 「おっと」  ヴィクトルは視線をまわして、なんとなく見覚えのある顔が近づいてくるのに気がついた。日本人だ。そう……、確か、日本スケート連盟の人だったように思う。 「勇利、えらい人が来るよ。品位に欠ける行動は慎めと言い出すつもりなんだ」 「品位に欠ける行動ってなに?」 「俺たちがこうして公衆の面前で抱きあうことじゃないかな」 「品位に欠けるんだ……」  勇利はつぶやいた。 「……そういえばそうだね。人のいるところではよくないかも……慎みがない……」 「そんなことはない。俺たちなら、どこで何をしても気品高いさ。久しぶりの再会だぞ」 「何日ぶりだっけ?」 「三日くらいかな」 「それは長いね……」 「でもああいうおかたい連中にはそれがわからない。めんどうくさいから部屋へ戻ろう」 「待って」  勇利はヴィクトルから離れると、目元を手の甲でぬぐって胸を張った。 「どうせあとでごちゃごちゃ言われるから、いまここでぼくが話をつけてくる」 「わかった。じゃあ俺も行くよ」 「いい。ヴィクトルはここにいて」 「勇利」 「来ないでよ」  勇利はつかつかと壮年の男女のもとへ歩み寄ると、まじめな口ぶりで話し始めた。彼がすこしでも助けを求めたら、とヴィクトルは心構えをしていたけれど、勇利は振り向きもせず、強く何か言い返していた。やがて彼らは勇利のもとから去っていき、勇利はヴィクトルを振り返ったが、そのときの彼の表情は、問題を処理していた堂々とした姿からは想像もつかないほど心細そうだった。離れているあいだにヴィクトルがどこかへ行ってしまったかもしれないと思ったのだろう。あるいは、夢だったのかと。  勇利は身をひるがえすと、ヴィクトルのもとへ駆けてきた。ヴィクトルは両手をひろげて笑い、飛びついてきた彼を抱き止めた。 「勇利」 「ヴィクトルぅ……」 「勇利、部屋へ戻ろう」  会場を出るとき、なぜか拍手で送り出された。ヴィクトルは笑って応えたが、勇利はヴィクトルにくっついたまま顔も上げなかった。  勇利の部屋は狭く、がらんとしていた。ひらいたままのトランクの中は綺麗に片づいている。勇利はいつも旅先で、整理整頓をきちんとしている。この数日、ひとりで、どんな思いでそうしていたのかを考えると胸が痛んだ。 「ここでひとりぼっちで眠ったの?」  ヴィクトルはささやいた。勇利はヴィクトルの首筋に抱きついたまま、身じろぎもしなかった。 「勇利、えらかったね。調子はよくないし、ジャンプもきまらないし。でも俺はわかっていたよ。勇利はひとりでもちゃんとやり遂げるってね。だってきみがそう言って試合にのぞんだんだ。できないわけがない。勇利が勝つって信じてた」  勇利は目を閉じ、ヴィクトルにしがみついて身をふるわせた。ヴィクトルは身体を離し、彼の涙をぬぐってやると、目元にキスして溜息をついた。 「もうどこにも行かないで」  勇利がささやいた。勇利……、ひとりでできると言って、俺から離れてしまったのはきみのほうなんだよ……。ヴィクトルはほほえんだ。 「わかった」 「そばにいて」 「わかった」 「ぼくのことだけ見ていて」 「わかった」 「ぼくのことだけ、考えて……」  ヴィクトルは勇利のくちびるに接吻した。あかりもつけない青白い部屋で、勇利は息をのむほどうつくしかった。ヴィクトルの、誰よりもいとおしい、生涯離せない愛するひとだった。 「いつも……」  ヴィクトルは熱心に低く言った。 「いつも、勇利のことだけ……考えているよ」  勇利のひたむきな瞳が揺れた。はかりしれぬ愛情のこもったまなざしだった。みずみずしいくちびるが何か言いたげにふるえた。向こう見ずな決心でひとりで戦うと言いきった勇利が、いま、ひたすらにヴィクトルを求めていた。 「勇利」  ヴィクトルが上から退くと、勇利は息をつき、天井を仰いだ。両手で口元を覆って身体を揺らす。勇利の隣に横たわったヴィクトルは、彼に腕枕をし、慕わしい気持ちをこめて彼をみつめた。 「夢かも……」  勇利がささやいた。 「夢じゃないよ」  勇利はまた身体を揺らした。それから彼は両手を伸べて、ヴィクトルにぎゅっと抱きつき、肌に頬を寄せた。 「ヴィクトル」 「ああ」  勇利が目を閉じた。その幸福そうな様子に、ヴィクトルも苦しいほどの喜びがあふれた。 「演技、見た?」 「見た……」 「ひどかったでしょう?」 「いや、すてきだったよ。勇利は失敗をするときは、いつも何か別のきらめきを見せる。それこそが俺のこころをとらえて離さない」 「四回転フリップは跳ばないほうがよかった?」 「俺がどう言ったってきみは跳ぶだろう?」 「本当はお説教しようと思ったんじゃないの?」 「思った……」 ���ヴィクトルはつぶやいた。 「でも、勇利の顔を見たら、そんなこと、吹っ飛んじゃったよ」  勇利は頬に両手を当て、まだ信じられないというように、ふーっと息をついた。 「ヴィクトル」 「なんだい?」 「ヴィクトル」 「なに?」 「ヴィクトル」  ヴィクトルは笑って勇利を抱きしめた。 「俺の勇利」 「…………」  勇利はしばらく黙っていたが、ヴィクトルのほっぺたを両手で包みこむと、顔じゅうに熱心にくちづけし始めた。ヴィクトルは彼の髪をそっと手で梳いた。最後に勇利はまたぎゅっとヴィクトルに抱きついた。しばらくしたら、つめたいしずくがヴィクトルの首筋を濡らし、ヴィクトルは驚いた。 「勇利……泣いてるのかい?」 「…………」 「勇利……」 「……もう、会えないかと思ってた」  勇利のかぼそい声がふるえた。ヴィクトルは胸の痛みに耐えた。 「長くても三ヶ月だ」 「三ヶ月なんて永遠だよ」  その通りだ。だからヴィクトルもこうして会いに来たのだ。 「勇利……」  ヴィクトルは笑ってささやいた。 「俺もここから一緒に日本へ帰るよ」 「…………」 「ふたりで長谷津で調整しよう。いいだろ?」 「…………」  勇利は息を吸った。 「……長谷津のリンクはぼくのリンクだよ」 「俺のリンクでもある」 「ばかじゃないの? ぼくのため? ヤコフコーチとヴィクトルを引き離すことはできないよ」 「俺だって勇利とコーチを引き離すことはできない」 「ぼくは自分の意思でそうしたいと言ってるんだ」 「俺だって俺の意思でそうしたいと言ってる」 「ぼくは、ロシアのリンクでは短期集中できないんだよ。ぼくの資質の問題なの」 「俺も、勇利がいないと集中できない。俺の資質の問題だ」 「ばか!」  勇利がヴィクトルに頬をすり寄せた。 「ほんとにヴィクトルって、どうしようもないんだから……」 「だめかな?」 「……うれしい」  ヴィクトルは勇利を抱きしめ、身体を左右に揺らして笑った。 「去年も、グランプリファイナルまでのあいだ、あのリンクで限界まで練習した。今年もそうしよう。それに、離さないでと言ったのは勇利だ。もう絶対に離さないぞ」 「……本当にヴィクトルって、……ばか」  ふたりはさらに身を寄せあい、狭いベッドでかたく抱きあった。互いの吐息が、くちびるが、素肌が、──すべてがとけあった。  朝起きると、ヴィクトルはもう出かけている。勇利はロードワークをかねて走ってリンクまで行き、そこで、すでにすべり始めているヴィクトルをしばらく見学する。そして、リンクが一般開放されるまでのあいだ、集中して練習する。誰にも邪魔されることのない、勇利たちだけの時間だ。ふたりきりでしんとした空気の中、もくもくとすべる。いまはヴィクトルも稽古が必要だから、リンクは半分ずつだ。昼間は陸上で体力作りをしたり、家に帰ってゆっくりしたり、昼寝をしたりして、リンクの営業時間が終わると同時に、また深夜まで練習する。そのあと温泉に入り、食事をして眠る。 「勇利、一緒に寝よう!」 「お断りします」 「なんでそんなにつめたい!?」  一年前とまるで同じだ。  ロシアのリンクは好きだ。いろんな人のスケートを見たり、勉強をしたりするのも好き。刺激をもらうのはためになるし、ヴィクトルが慕われているのを見るのも楽しい。  でも、やっぱり、このリンクで、ヴィクトルとふたりでいるのが、勇利はいちばん好きだった。 「勇利」  ヴィクトルが勇利の手を握って提案する。 「グランプリファイナルのエキシビション、またふたりですべろう」 「うん!」 「誰にも内緒で練習しよう。ふたりだけのひみつだよ」 「長谷津でいきなりプログラムつくって練習し始めたのが、ヤコフコーチにばれるね。おまえらはまた勝手なことを、って怒られるかな?」 「いいんだよ」  ヴィクトルは得意げに口元を上げた。 「俺たちは問題児なんだから」 「ヴィクトルと同じかぁ……」 「勇利はほんとに俺に似たよね。勝手に長谷津で練習するって言いおいて、試合へ行っちゃったりしてさ。俺もそう言ってロシアをあとにしたよ。つまり、ヤコフのゆるしを得て来たわけじゃない」 「えぇ!?」  勇利は言葉を失った。 「うそでしょ!?」 「ほんと」  ヴィクトルは笑って勇利を腕いっぱいに抱きしめた。 「いまごろ、ヤコフかんかんだぞ。俺が勇利のコーチをするって勝手にきめてロシアを飛び出したときみたいにね」 「…………」  勇利は何か言いたげに口元をふるわせ、ヴィクトルの陽気な笑顔を見、それから──自分からもヴィクトルに抱きついた。 「ヴィクトルってほんとしょうがないひと!」 「おまえのコーチ、最高だろう?」
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