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#表情豊かなポーカーフェイス
indatsukasa · 1 year
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a Empressionness Lion-Hearted
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doglok · 14 days
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お顔の表情が七変化する麦わら猫が可愛すぎました ポーカーフェイスだけど…表情が豊かなリタさん( ̄▽ ̄) そう!一見お顔の表情が変わらないようにも思っちゃうリタさんですが ... via YouTube https://www.youtube.com/watch?v=y6tGblxwcS4
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psytestjp · 1 month
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m1sak1momona · 2 years
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JGmomentⅡ
twitterのモーメント移植
戯言(JG)
自分の頭の中と、知識前提でこぼしてるからはたから見たら伝わらないし齟齬しか生まれそうにない
剥製、標本だらけで死んだものしかないけど植物園とかで鮮やかな植物の中に紛れる機関員もいい、見たい
コレクションルームと機関員みたいなのもみたいな~~~~~書庫と機関員でもよい…インターメディアテクにいってくれ…http://intermediatheque.jp
生前葬、献花、花ネタ…ベール、霞、吹雪
霧の濃い森に突如として現れるアンティーク家具(廃家具・廃墟でも可)と機関員とかの図もみたい(形態不問
カバーといってるけど、そうね、「人格」
かれらは多重人格者…意識的だからカバーといえるのだろうけれど。耄碌してきてから自分が「誰」なのか混乱してほしさある
機関員たちも「永遠の夢」から醒めないでほしい、
機関員の呼吸とか鼓動はとても静かだといいしきっと手首を切ろうと僕から流れる血などない、みたいなの描きたい
本当の偽物、真実の嘘
素顔の化粧、本性の芝居
すべてが嘘だってことを知らない世界線ですぱいのお兄さんたちに「嘘だよ」って言ってほしいね!!
さっきの「嘘だよ」は、眠りに落ちる瞬間の夢か現かはっきりしない時、煙草の煙を吐く瞬間、すれ違い様、さよならの後とかにいってほしい。それまでの会話か、最後に交わした言葉か、そのときの感情か、彼の仕種か、それとも彼の全てか、或いは「嘘」そのものか。何に対してなのかが分からない「種明かし」
文字通り「血も涙もない」彼ら
小田切さんの心臓はえぐって?しまったけどあれは心を捨てきれなかった的な皮肉のような絵だったのです
小田切さんの胸元(心臓付近)に、こう、いじるのすきなんですよ…
月に再生を祈る……意図せずして小田切さんに月……すぱいから軍人へと戻る……新月か満月に咲くことが多いとされる月下美人が「満月」で咲いてるのを選んだのは、闇に潜む彼らが嫌う「明るい夜」だからです
私の脳内には舌だけ肥えてる料理できない美食家三好と、漬物だけあればいいじゃないか!って悟ってる三好がいます。
忍者のたまごの5年生げんぱろで、三郎の顔は雷蔵の顔なんだね(変装してた顔)っていうネタが鉄板???なんですけど、機関員たちのばあいは結局「三好」か、みたいなことになるんですよねきっと
はちやさぶろうの場合→「はちやさぶろう」の顔は消えて変装していたふわらいぞうの顔になっている 三好→「三好」自体が機関員の「三好」というカバーであり、機関員になるまえの過去の本人でもなく、その後任務中でつかったどのカバーでもなく「三好」として現代にいるんだね、っていうことだわ
まつげが長い&まっすぐ&伏せがちな人の目にはハイライトが本当に入りにくいのでみよさんはそんなイメージ
風船を過去とか自由とか未来だと考えて、それを貸してくれないかってかつての幼い自分にいうんだけど「お兄さんそういって割っちゃうんでしょ」って断られる機関員さん
骸骨は生と死の象徴
小田切さんを描くときはなるべく、中性的にならないように気を付けています。清潔、精悍さに宿る可愛らしさや色気がでているとうれしいのですが……(突然の語り。三好は女顔ではあるけれど男性を感じられるようなバランスをめざしたい、実井くんは青年でありながら少女のような可憐さを匂わせる雰囲気で、波多野は強い少年らしさの中に成熟している側面がちらつく感じです……(外見のはなし。福本さんは「無」になれる人だと考えてるので封じ込めてるというよりは何もない感じのミステリアスさ、あまりんは余裕がありつつどこか翳る笑顔、神永さんは人と話す時だけ表情豊かっていう勝手なイメージ、田崎さんの天然さはカバーなだけなのか素なのか図りかねてます(掴みきれてない。
オペラたべてるすぱいのお兄さんか魔王をかきたいきもちあります!あり……ま、す……
顔面に線描いてある機関員さんもかきたいなぁ…
あまりんは優しい皮を被った冷血漢・残虐非道がいいな…にじみ出てる気がしますけれど
忘れられないのに思い出せないのが彼ら
見てるのは屠った過去か、捨てた未来か、死にゆく彼か、それとも
それにしても片目ずつで化物と人間にわけるの描きすぎである、(片目ずつで表情変わるのも)
みよさんが鏡をずっとみてるのは設定上は自己愛としているけれど、実際は装うことにとてつもない不安を感じていたらいい。完璧を確認しているけれど、完全なる自分をみているのではなく不完全ではない自分をみてる、
それが記憶無し転生D組設定で 何故か鏡をずっとみてしまう。自分の顔などほんとは好きではないのに。 とかさせたい
慣れきった「自分」に慢心せぬよう気を付けなければ。なにせ細胞はすぐ生まれ変わってしまうのだから。
公式ばりばりハイライトあるよ自尊心の塊だよ生き抜けるに決まってるだろガハハ!みたいな顔してるんだけど自分的には生き急いでるのか死に急いでるのか分からなくて血の気を感じられない彼らが標準なんですよね。そうなんだよなぁ、原作及び公式はちゃんと生に執着あると感じるのよ…なにがどうしてこんなにひねくれたのかは分からぬ
にんじゃのたまごたちは(創作ですけど)思春期に色について学びますけど、成熟した(おそらく)すぱいのお兄さんたちが色について学ぶのってやっぱりどこかちがいますよね…???無垢のままそれを全てうけいれるのと時代背景とで…
「ポーカーフェイス」ってほんと彼らの言葉…ポーカーフェイスの裏でどう思ってたのかなぁ…拙宅のじついくんさんは花街の産まれなのでお気になさらずですけど(?)
ぶん彼らの主張がないからなんだよね…だからマネキン/モデルになれる
「ねぇ」「何。」「貴様は「己」のことをどれほど理解している?」「…またくだらないことを。俺自身、なのだから全てだろうが」「ウソ。俺は貴様以上に「貴様」のことを知ってるよ」「なんだ、貴様が「俺」なのか。」「さて、ね。」「まァ、俺自身はこの世からいなくなったぞ。」「…そうなんだ」
if:機関員のカバーが機関員たちそれぞれの過去のシャッフルだったら 最終までに脱落した機関生に、自身の過去がいればその時点でこの世からいなくなってしまう。とても頭をつかいそうなお話。でも読んでみたい。 会話してるのはおすきな二人でどうぞ。
半年に1回ほど考える機関員の「カバー」は彼らの「過去」のシャッフル…飛崎によって完全に死んでしまった「小田切」は誰なのだろう、と。
役者さんが自分の役以外で演じてみたいのは?っていう質問がすごくね、、、訓練と機関員(最終試験)時点でカバーを変えていたら機関員8人のなかのシャッフルかもしれないけれど、訓練からだったら「過去」を見送った輩もいるのだなぁ…とぽやぽや
かつての「俺」を見るのが楽しい俺は、かつての「彼奴」かもしれない。
化物の自覚があるのか、化物と言われたことがあるのか、化物を何と心得るか、化物でいることの自負心、反対に化物でいることの羞恥があるのかとかとか
機関員のお兄さんたちがどこまでカバーでどこからが素なのかは深淵すぎるのですけど、みよさんの猫嫌いが素としてはめっちゃすきで顔がゆるんでしまうから三好としては触れあわないとかだったらすき。よい。
神国なんて春の夢だよ。
なぁ、お前はいつ神の正体に気づいたんだ? ─さぁな。「俺」が生まれた頃じゃないか? ─そんなの、神が救ってくれなかった時に決まっているだろう。
エマちゃんがもしにほんで育ったとして女学校に通っていたとしたら学校の憧れのマドンナに絶対なると思うんですけど(自己解釈強め)、私生活が謎な感じのマドンナだと思うんですよ(日本語不自由かな?)友人の考察の影響があるので自己解釈かといわれると微妙なんですが甘利とエマのその後は①親と子として嫁ぐまで面倒を見る②孤児院(或いは寄宿舎)に預けて甘利があしながおじさん的ポジにフェードアウト③一緒に暮らしているが「親子」ではない認識を徹底という√分岐かな…今回はふたつめです?
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anazawan · 3 years
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[表情豊かなポーカーフェイス]秦こころ
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indoordiaryubi · 3 years
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2021.01.13(水)
キュウのぴろについて
キュウというコンビにハマっている。 近い記憶だと、M-1 2020の敗者復活戦での活躍が多くの人に評価された、不思議な漫才をするコンビだ。 ツッコミ(?)清水がヨーグルトっていいよな、とヨーグルトの良さについて語り始め、ボケのぴろがうんうんと相槌を打つ。だが、話を聞いているようでなんだか違和感のある相槌をする。
「ご飯のときとかね、朝の。リンゴヨーグルトとか出ると、ラッキーと思ったよね」
清水はまたもヨーグルトが料理に使われることもある、と知識をぴろに話す。それに対して、
「ごめん、知らないわ。料理にも使うんだ。ラトビア人もビックリだ」
相槌の最後に出てくる、ラトビア人という単語に見ている私たちは「ん?」という違和感を覚える。それは清水も同じようで、会話に一瞬の間が開く。
いくつかこういったやりとりがあるが、清水は耐えきれず「ゴリラであいうえお作文すんなよ!」と激昂する。 ご飯、リンゴ、ラッキー。ごめん、料理、ラトビア人。 ゴリラであいうえお作文を確かにしている。そこで観客の大きな笑い。
このネタは「ヨーグルトの話」と題され、このゴリラのあいうえお作文を巡って、話が転がったり、予想を裏切られたかと思いきや、あいうえお作文を使ってやりとりするという根幹は崩れない。そんなヘンテコな漫才だ。
一部引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/31b9d48b65b3199c39ee4c9b4ec6d4dbd63c9a07
===
まあ、この漫才についてはいろんな記事で解説されているので、これ以上いうことはないだろう。 私がキュウにのめり込んだのは、例に漏れずM-1 2020 敗者復活戦であるのは間違いないが、実はその前に少しだけ彼らのことは知っていた。詳しくは以前の日記に記している。 https://indoordiaryubi.tumblr.com/post/639687292049571840/
そこから私はキュウというコンビのことを知り、単独を見れるだけ見、ボケのぴろを素敵だと思った。あまりハマることのなかった3次元の人間を「推し」とすることになったのだった。
キュウの二人は男女問わずお笑いオタクに密かに愛されてきたのだろう。そして、私のように敗者復活戦で魅了された人々も数多く、芸人文化にそこまで詳しくない私でも、特にぴろは女性人気が高いことが感じ取れる。(清水は既婚者だからなのだろうか? 余談だが彼の娘さんは本当にかわいい、そして清水は犬好きだということが彼のtwitterのいいね欄から察することができる、素敵だ)
いままで二次元のキャラクターに恋愛感情に近い思いを抱く「夢女」とよばれる(夢というジャンルも区分がこまかいので、もちろん皆がそうだとは限らないことを最初に記しておきたい)推し方をしたことがあるが、一人の芸人を応援したくなるのは、実に中学生ぶりのことだった。
ぴろという男は本当に不思議なもので、基本的にはボーッとしている顔ばかり媒体に上がっている。だが、漫才をじっくり見てみると、清水に負けず劣らず表情豊かなことが分かる。いつもは前髪に隠れて見えないが、眉毛も相当太いし、笑っている時は八の字眉毛になることも多く、それが可愛らしさというか、愛嬌につながっている気もしなくもない。 彼自身ABEMAの番組で公言している通り、SMマニア(彼がMの方)なのも面白い。幼少時より「さわられたい」という願望を強く持ち、そこからセルフでSMの道に進み、果てには北海道のSの女性に自作(!)のSMグッズを持ち込み会いに行くアグレッシブさを持っている。その番組をキュウを強く認識する前に見たことがあったのだが、ぴろにハマると共にもう一度見返した。面白い人だ、可愛らしい人だと、その時思った。 人の性的趣向を知るのは面白い。もちろん受け入れられないものだってあるが、性に対する価値観は人間を構成する大事な要素の一つだと思う。欲求が少なくても、強くても。
彼の顔をよく見てみると、目が細いからなのか白目に対して黒目の割合が多く意外と黒目がちだ。それでもつぶらな瞳に見えないのは、横に目が長いからなのだろうか。それとも光があまり入らないからか。細い目と相対するように、睫毛は長い。 顔に対して肩幅も狭く、だからか印象に対してヒョロ長いというか、弱そうな印象を受ける。メガネをかけているというわかりやすい「ウィークポイント」も相まって、彼の趣向であるMの気質もなんとなく造形に見え隠れしている気もしなくもない。 唇は下唇より上唇の方が厚いし、笑う時は口角がきゅっと上がっているのが通常のポーカーフェイスとのコントラストを際立たせている。 ずっと見ていたくなる顔だ。
漫才からわかるように、ネタをみるだけでは彼の人柄は掴みづらい。数少ないラジオや媒体での話、ライブに行った人間のエピソードから拝察しても、なかなか彼自身のことが掴みきれない。(素の部分をまだ集めきれるほどファン歴が長くなく、また意図的に摂取しないようにしている自分もいるけど...) それでもなんとなく感じたのは、自分たちのつくる漫才で、何か新しいお笑いの道を作ろうとしているのか?ということ。 twitterや、キュウ公式ラインでもときたま出てくる、「僕らで満たせる欲求が、僕らでしか満たせない欲求でありますように。」みたいな表現。 シンプルな欲求である。オンリーワンであり、それが刺さる人間が今どんどん増えている通り、彼らの漫才は如何様にも並べ難く、それでも彼らを支持する人間は、いや人間の感覚が広まっているのを、知識がない人間でも感じ取れる。
いいところ、というのはシンプルであればあるほどいい、そんなところも素敵だなと思った。 私はまだまだ彼らのことで、知らないことはいっぱいあるし、これからも絶対に知りうることができない部分があるだろう。 それでも、媒体に出ているところだけだとしても、彼らのまわりが、清水が、ぴろが作っていく彼らの道を、一人の矮小なファンとして見守らせてくれ。未来を密かに楽しみにしていこうと思う。
追記:好きなネタは「水分」「干支」「解く」
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yrkhang · 4 years
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「ただ見えなくなる未来」について
こんばんは。最終話の安西先生のモノマネをしている狸です。
終わりが始まった。正直に言ってしまえば、すごく堪えているのだと思う。
その鮮やかさに。またたく刹那の流れ星の、その彩りの多様さに。
そこに至りつつ、これまでと変わらぬ朗らかな表情を見せる人々の暖かな姿に。
すごく、堪えているのだと思う。
いつだったかな、前に書いたことがあったような気がするのだけど。
例えば、ものすごく愛し焦がれてきたものが、ある日目の前から消えてなくなるのだとして。
それは、そこに至るあらゆる様々なもの、関わりとか、在り方とか、そういったものたちが、 「無くなる」訳ではない、と僕は考えていて。
歳をとったせいなのかな、別れというものに慣れつつある自分をふと実感してしまうことがある。
様々な別れ。或る人はただ見えなくなり、或る人はもう二度と逢う事すら叶わない。
別れ。それは別れて尚、とても遠くて、静かで、穏やかで、寂しい。
別れて尚、僕の中にはそこで、その人と共にみた景色だとか、共に過ごした時間だとか、色んなものが存在し続けている。
それらは、僕がその相手たる人々から貰った何らかのもので、だから、僕自身のものでもあり、同時に、それをくれた相手のものでもある。
ふとしたときに何だか分ったり、またその逆に相手のことが分からなくてウンウンと唸り倒したり。
いい歳した大人がするには、格好悪すぎる時間。
でもそれは、自分が相手へと向けた何らかのひとつの形でもあり、また同時に、その相手が僕自身に見せてきてくれたものたちとも、相似形たる何らかの形なんじゃなかっただろうか、と思ってしまう。
僕とオサカナとの時間は本当に短くて。概ね8か月くらいになるのかな。恐れ多いね。
あの頃ぼくはほんとうにひどく落ち込んでいて、この先誰かを、何かをすきになることは無いんじゃないかと思っていたような気がする。
みたのは本当に偶然でしかなくて。
そうだなあ。自分でも未だによくわかってないくらい、なんというのか、それは変に楽しくて、その"楽しさ"にものすごく救われていたことは自覚している。
オサカナはねえ。まず曲がいい。いろんなところで言われているところではあるんだろうけれど、ポストロックというのかな。 僕はお察しの通りエレクトロニカとかそっち方面の音楽を元々志向していた人間で。それを一度はあきらめたニンゲンでもあって。そういう自分からすると、オサカナの音楽というのはホントに、湖をあてもなくブクブク沈んでいたらシーラカンスを発見しました、みたいな感じで。このご時世にああいう音楽をやってくれてる若い人たちがいる。そういうことがものすごく嬉しくて希望みたいになった、ということはくっきりと覚えている。
ただ、僕がオサカナを好きな理由というのは実はおそらくそこではなくて。いやもちろん音楽が良かったから見るようになった、というのは否定しようのない事実ではあるのだけれど。
ただ、そうじゃないということも、恐らくハッキリハッキリと思っていて。
分かりやすいところでいえば、関ジャムを見ていて強く思った、「ああ、これじゃない」という感じがすごく明晰だったのかな。
あの回はBISHのプロデューサーの方がゲストでいらしていて、僕はこのひとのこと、あんまり好きじゃないなと感じたことをひどくよく覚えている。
いや、勿論呼ばれるには呼ばれるだけのしっかりした音楽観、価値観を持っているはずで、事実この方は揺るぎない自身の価値観を持っていて、その筋みたいなものはすごく納得できるなとも思えたのだけれど。
でも、それはぼくの求めたいところとは随分違うんだな、と感じたことをとてもよく憶えてしまっている。
BISHの、あー、うーんなんだろう。こういう書き方をしてしまうとすごく思っているのと違う読まれ方をしてしまうのかなとも思うのだけど、以前からBISHの曲を聴く機会はあって、「いいなあ」とも思ってはいて。けれどもそこで僕は、好きなはずの音楽性に何故かハマれなかったという事実があって。
なんでなのか、長年自分でもわかっていなかったのだけど、あれを見ていてその辺りが少しわかったような気がしたんだよな。
恐らく、人がすきな人間だ。音楽なり絵画なり、様々なきっかけがあるにせよ、僕は最終的にそこを見に行ってしまう。 人が好きだし、だから、そこにある表現の形、例えば音楽とか、例えば映像とか、色々あると思うのだけど、そういうものそのものが「良い」というのとは別に、その表現形式の中にある"人の姿"みたいなものを見に行ってしまうようなところが、僕にはあるのだなとこのとき実感した。
そこに在るひとの姿。どういうかたちでそこにその人が立っていて欲しいのか、と考えたときに、僕は、そこに立つ人自身がそれを望んで立っていてほしいと思うし、そう在ることでもって、そのひと自身が幸せであってほしい。押し付けではなく、その人たち自身が選び取った形で、きちんと納得して、それをやっていてほしい。そんな風に思っていたんだなということを、このとき初めて(おそい)実感したように感じている。
そういう視点を持ってみると、自分がBISHにハマれなかった理由が分かるし、オサカナにハマった理由もなんだか明瞭になるような気がする。
うーん、前にも書いたような気がするけれど。
オサカナの良さを表現しようとすると、個人的には苺のショートケーキみたいになるんですよね。
なんというのかな、音楽的にはものすごく凝ったことをしていて、実際僕もそういうところがきっかけとして惹かれた部分はあるのだと思っている。
でも、彼女たちのほんとうにいいところって、そこじゃないとも思っていて。
なんか、なんだろうな。
例えば、やまさんのブログとか読んでても分かると思うのだけど、オサカナはすごく自然な感じが僕はとてもしていて。それは山さんに限らず、オサカナはみんなそうだなと思っていて。
そういうところが、好きなんだろうなと思っている。
例えば、なんか会とかで暇になった時のてらさんが僕はすごい好きで。なんかぼえーっと何かしら考えてるふうなんだけど、カメラに気付くとゆっくりと、なんというか、にいーってなるんですよね。あれはなんなんだろうなあ。てらさんはお僕にとって僕にとっていちばん理解しがたい人間で、なのだけど、あのサービス精神満天みたいな笑顔が僕はすごくいいなと思っている。
ふかさんはすごく、観ていても大人だなって思うことが多くて、笑顔の中にも余裕のある表情が多い気がしている。でも、僕がいちばんすきな彼女の表情ってそれじゃなくて。なんか、想定外に面白いことがあったりすると、彼女は眉根を寄せるみたいにして(表現が不適切だけどうまく伝わるのかな)「ニッ!」って感じに笑うんですよね。あの表情がほんとうにまぶしくて。向日葵みたいだなって思うんです。
やまさんはねえ。やまさん、「ポーカーフェイス」って巷で言われてるらしいんですけど、あれ絶対嘘じゃないですか???わさび食べてあそこまで顔面真っ赤になる人おる?おらんくない???ご本人に言ったら絶対叱られると思うのだけど、僕は山崎さんはすごく感情表現の豊かなひとだと感じていて、彼女のそういう、なんというのかな、直球火の玉ストレート、みたいな感情表現がすごく好きなんですよね。あんなに素直で正直な人、なかなかいないんじゃないかなって思う。
オサカナは、すごく表現が素直で、歌を聴いていてもそういうところが表れているんじゃないかなって思う。
巷では「うまくない」みたいに言われたりもしているのは知ってる。
でも、そうじゃないと僕は恐らく思っていて。
これはまるっきり繰り返しになるので前に書いた話を読んでくださった方は読む必要がない話なんですけど、だから、そういう意味でオサカナは僕にとって「苺のショートケーキ」なんですよね。苺のショートケーキが「苺のショートケーキ」足る必要条件ってなんだと思いますか?
その主役たる苺自身が、きちんと「苺自身」であることに他ならない。そうでなかったら、どんなに技巧を凝らした作品を作ったって、それは「苺のショートケーキ」にはなり得ない。そして、技巧を凝らしてそういうものを作るのは、その主役たる苺自身の主役性を、作り手たちが信じてくれているからだって僕は思うんです。
彼女たちは、自身でこの時間を終えることを決めた。
毎日悲しくて、寂しくて仕方がない。堪えるなあと思う。
それでも、僕はやっぱり、その時間の終わりにまで際して、そこに立つ主役たちの、ありのままの姿と想いが尊重されてこの結論がある、ということを、心のどこかで寂しく、また同時に嬉しく感じているように思う。
オサカナを知ったばかりの頃に、ひとつインタビュー記事を読んだんです。よくわからなかったから。
それで、その記事の中にある話の内容が、僕が見たと感じた彼女たちの姿、その在り方、生き方みたいなことについて、「そのとおりだな」と思えたから、だから僕はこの子たちをこの先見ていても大丈夫だなって信頼できたんですよね。
そのとき感じた信頼の形が、今この日々においてもそのまま尊重されているということが、その彼女たちの選択を辛く思うことはあるにせよ、僕はすごく嬉しく思っているんじゃないかなと思う。
そのように尊重された彼女たちの未来は、僕からは見えなくなるということがあるにせよ、この先も失われることはないんだろうと思うから。
人間の、在りのままに生きる人々の、笑ったりぼーっとしたり悩んだり、みたいな日常。
周りの人々に大切にされた、人の在りのままの姿。
そういうものは、この先も決して失われることはないだろうと思っている。
けれど一方で、別れというものが分かつものもあることを、悲しいかな、たくさん見てきたようにも思う。
歳をとったせいなのかな。別れというものにはもう慣れたはずなのに、ひどくそれが堪える。
これまでも、この先も、失われるものなんて何もない。短くはあるけれど、僕が見てきたそこに居る人々の在り方がそれをそのように主張し続けている。
ずっと、「別れの悲しみは共に生きる未来を失う事に起因している」と思っていた。
でも、それは間違いだったのかもしれないと、今はっきりと感じている。
未来は、別れて尚失われない。それはこの先もここにあり、ただ、僕にはそれが見えなくなってゆくだけのことなのだろうと今は思っている。
だったら、悲しむべきことなんて特にないんだよな。
楽しく、幸せに、この先も暮らしてほしいなと思う。年寄りと違って若者の未来は無限大だ。好きなことを見つけて、たくさん挑戦していってほしいと思う。頑張るのではなく、楽しみながらいろんなものを見つけていってほしいなと��う。日々元気に暮らしてもらいたいなと思う。
望みはたくさんある。その中には、この先叶わないことも確かにある。
けれど、それはささいなことだと僕は思う。
僕には見えない未来を、この先も彼女たちが笑って歩んでいってもらえたら、僕はとてもうれしい。
見えないから未来がないなんてことは、決してない。
みえないだけで、きちんとその先には続いてゆく道がある。
ただ、それが僕らには見えなくなるだけの事なのだと思う。
こんばんは。最終話の安西先生のモノマネをしている狸です。
どんどん良くなる君のパフォーマンスを、それでももう少しだけ、見ていたかった。
オタク失格です。
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itigo-popo · 2 years
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あけおめ〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!
※旧ブログに既出されているものからの変更点が幾つか有りますが変更したので無かった事にしたというよりは、もう一つの世界線として双方見て頂けたら嬉しいなと思います。
――――――――――――――――――――――――
まずは改めて軽く二人のプロフィールを📝
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■ ルイ・R・ソウル (るい・あーる・そうる)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
🍓のメインキャラクター。
〝R〟の箇所はそのまま〝アール〟と読みます。この〝R〟とは本姓であるミドルネームの頭文字であり後述する花夜に自身の過去を見られるまでは〝とある事情〟でミドルネームを隠して生活していました。
彼の本当の名は〝ルイ・ルドベキア・ソウル〟といいます。因みにルドベキアは英語で〝Rudbeckia〟と表記します。花の名前でもあり花言葉は『正義』や『公平』といった前向きな意味合いを含んだものが殆どで、名前からも後述させて頂くルイらしさを感じます。
ミドルネームを隠していた理由に関しましては後ほど。
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明朗快活な印象を与える少年で正義感が強く天真爛漫です。
何に対しても前向きで優しい心の持ち主でもあります。
誰とでも分け隔てなく接しお喋りが好きで少々中二病。
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同時にお人好しであり困っている人を見過ごせず危険な状況下でも手を差し伸べた結果、自身が損をしたり怪我を負ってしまう事も。しかし本人はそれを気にしていない為、騙され易かったり必然的に運が悪くなってしまったり辛くても表や言葉に出さない等傍から見ると危なっかしい面があります。
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現在は花夜と結婚し徐々に頼り方や甘え方を学んでいます。
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異世界で冒険者として花夜と初めて出会った時に十六歳。それから二年経ち現在は十八歳で日本の高校に通っています。
学校での名前は〝狐塚瑠衣〟であり、日本で花夜と入籍した際に改姓と改名をしています。
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誕生日は6月5日の双子座。血液型はB型。身長163cm。
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髪色はシルバーで毛先はタンザナイトのグラデーション。
瞳は左側がラピスラズリ右側がエメラルドキャッツアイ。
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両眼共に視力良好。至って健康体。利き手は右。
好物は肉とチョコレート。苦手な物は特に無し。
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黒色の服を好んで着る傾向がある。理由はカッコイイから。
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■ 狐塚花夜 (こづか かや)
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🌻のメインキャラクター。
ルイと出会った当初は〝敵〟キャラクターであり、下記にある本来の彼の気質は身を潜め〝別人格の狂人〟としてルイの前に立ちはだかりました。この別人格とは比喩ではなく実際にそうであったものでルイに倒されるまで花夜自身を長年苦しめていたものでもありました。詳細は後ほど。
元々は人間でしたが〝花の女神フローラの末裔※〟の一人であり、区分としては人間よりも神様に近い存在です。
※旧ブログに載ってる以前の設定では〝花の女神フローラ〟ではなく〝義憤の神ネメシス〟の末裔でしたが、より〝花〟との関連性を持たせたく設定の変更を行いました。
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色白で儚げな印象の男性で幸薄そうな佇まいをしています。
ルイとは逆に内向的且つ後ろ向きで疑い深く思慮深い。
口数は少なくルイ以外とは要件のみで済ます事も屡々。
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後述する過去にて一度精神崩壊を発症しており、その後遺症で現在も破壊衝動による残虐性や時折冷酷な判断をする面があり都度ルイに止められています。ルイのおかげでぐちゃぐちゃになっていた精神を継ぎ接ぎし何とか今は普通の人間であった頃の生活を送れるぐらいまで持ち直した状態です。
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現在はルイと再婚※し元の面倒見の良さが戻ってきました。
※何故再婚なのかは後述させて頂く花夜の過去にて明記。
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年齢は後述させて頂く出来事により三十一歳で停止しています。童顔であり外見自体は二十代半ばにも見受けられます。
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誕生日は2月7日の水瓶座。血液型はO型。身長173cm。
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髪色も瞳の色も元々の体質の色素の薄さからの錆利休色。
加えて毛先は後天性の聴色から瓶覗き色のグラデーション。
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視力は悪く常にコンタクト又は眼鏡を着用。
利き手は左。ピアノがちょっとだけ弾ける。
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よく着用するのは着物、白衣、白いワイシャツにジーンズ。
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■ルイの過去
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まず先述させて頂いたミドルネームの件について。
ルイの出生は異世界のとある王国の国王と一般の女性との〝隠し子〟であり正体と本姓を隠す必要が有りました。
国が違えば身篭ってしまった母親諸共その存在を抹消されても可笑しくは無かったのですが国王が自らの手癖の悪さを悔い贖罪により母親の故郷である村で暮らす事となります。
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こうしてルイは〝ルイ・ルドベキア〟ではなく母親の本姓をファミリーネームとし、父親(国王)の姓のイニシャルをそのままミドルネームとした〝ルイ・R・ソウル〟として生活を送るようになります。もし国王の正式な息子として世間に姿を公表し、王族の一人となっていた場合は第七王子でした。
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生い立ちこそ特殊ですが美しくも芯の強い女性であった自身の母親に女手一つで育てて貰ったルイは、彼女から沢山の愛を受け明るくお手伝いが大好きな男の子に成長し、元気いっぱい且つ心身共に無事健康に育っていきました。
母親の故郷である村の人々も優しく出生の境遇こそ悲劇的と捉えれるものでありましたが、暖かい環境で母親と共に穏やかに暮らしていました。しかしルイが六歳前後の年端に母親は病に伏してしまい、まだ幼かったルイの祈りや村の人々の手厚い看病そして医師の治療も虚しく寝室にてルイや村の皆に見守られながら若くして永い眠りに着きました。※
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※この数年後、花夜に指摘されルイ自身も気付いたのですが恐らく母の死後から自然と物事に対し我儘を言わずに我慢するようになっており、表情筋もルイの快晴のような性格にしては些か固くポーカーフェイスに近い変化の乏しいものとなっていました。表情筋に関しては花夜曰く、幼い頃から主に泣く騒ぐ等を我慢していた影響もあるのでは?とのこと。
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【余談】 これに関しては作者である🍓が描くの彼に注目して頂くと成程〜!となるのですが如何せん私🌻が描くと表情豊かにしてしまいがちでして…大変申し訳無い!!( ̄  ̄;)
🍓とルイと出会って三年目になるのですが未だに本家ルイの両目瞑った笑顔見たことないのでは…?ルイ…ルイよ…!
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母親と死別後、村の人々に手助けして貰いながら暮していたルイですが彼が十歳前後の頃、偶然にも村に訪れた神父・オズウェルと出逢い彼が運営する教会に興味を持ちます。
最も近かった人の死を目の前で経験し、残された自分に皆は優しく手を差し伸べてくれるものの、ルイは無邪気に笑うその裏で自身の無力さ非力さを痛感していました。この機会そして出会いは転機だと思い切った彼は自立の意を込め教会の修道士にさせて欲しいとオズウェルに掛け合います。
最初こそ連れて行くのを面倒に思った躊躇ったオズウェルですが、オッドアイであるルイの右側の瞳から〝大変強い魔力〟を感じ、妙に気に掛かった彼はそれを承諾します。
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数日後、母親の墓参りを済ませたルイは村の人々に感謝と暫しの別れを告げ皆に惜しま���ながら母親の故郷…ルイ自身にとっても掛け替えのない場所となった村を後にしました。
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その後は教会内で出会った少女シスター・ラブリーとの交流も交えつつオズウェルの元で修道士として一般教育や学問、その延長線で体術や魔術の鍛錬を積む日々を過ごします。
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そんな毎日の中オズウェルに「お前は魔術の方が向いている」と呆れて忠告をされつつも格好良いからという理由で独学で剣術を学び始め、その傍ら教会内の図書室に置いてあったエセの黒魔術の本に影響され中二病を発症したりと現在のルイという少年を構成するにおいて欠かす事の出来ない、ある意味とても実りのある十代前半を送っていきました。
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因みにルイは魔術の才能こそあるものの当時から聖職者が扱いに長けているであろう回復魔術は苦手分野みたいです。
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そして十五歳の初空月、更なる鍛錬と修行の為ルイは一時的に教会を離れ海を渡り別大陸に旅に出る事を決めます。旅立ちの前日、故郷を訪れ眠る母親に近況と旅立ちの事を伝えようと墓地に足を運んだルイの目の前に先客が居ました。
そこにはルイが赤子だった数十年前以来の再開となる国王としての正体を隠した装いの父親の、弔う姿がありました。
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ルイはこの時、目の前にいる父親の口から直接告げられるまで自身が国王と母親の間に生まれた子である事を知らずに生きて来ました。それもその筈で母親が存命していた頃のルイは、その事を打ち明けるには幼過ぎた為に彼女の死後その事実は父親以外知る由の無いものとなっていました。
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驚きと共に少なからずショックを受けるルイに国王は贖罪の意味合いも込めて王家秘蔵の〝聖剣〟を彼に託します。
これが現在にかけてルイが常日頃から愛用している蒼い宝石が嵌った聖剣で、後に†ダークネス・ファイアー・ソード†という大変に不名誉なクールな呼称をルイから命名されます。因みに、この聖剣は闇属性でも炎属性でもないのでした…。
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こうして父親から譲り受けた聖剣を背負い、ルイは船で国境を渡り知らないものばかりの大陸へ足を踏み入れました。
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大陸での生活は鍛錬や修行という以前にルイにとって大冒険でした。モンスターを討伐し報酬や日銭を稼ぐ日々は新鮮で、上達していく手応えにやり甲斐も感じていました。
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野宿も慣れっ子になった頃、偶然に立ち寄った宿屋のロビーにて小柄な少女とも少年とも見て取れる子供が荒れくれ者に囲まれているのを見掛けます。このまま連れ去られてしまい兼ねないと判断したルイは、その子供の手を引き一目散にその場から逃げ去ります。彼の名は春本といい、この出会いがルイの今後の運命を大きく変えていく分岐点となります。
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・春本に関するプロフィール等の詳細は記事の後半にて。
彼の名前からして外国籍なのは容易に察していたルイですがルイ自身もこの大陸の生まれでは無かったので差ほど気に止めていませんでした。その他にも〝明らかに冒険者の装いでは無い〟〝十歳前後の子供が一人きり〟〝流暢にこちらの言語を話す〟等、違和感は幾つもありましたが春本から打ち明けてくれるまで深入りしないでおこうとルイは優しさから春本を気遣い、二人は兄弟のように打ち解けます。
しかし後にルイは最悪な形で彼の正体を知る事となります。
春本もとい茶屋春本は〝ある人物〟から行方を晦ます為に現代日本からルイが住む異世界に命辛々逃げて来たのです。
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■花夜の過去
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狐塚花夜は狐塚家の次男として生まれた普通の男性でした。当然この頃は髪や瞳も上の画像のように聴色から瓶覗き色には染まっておらず本来は従来の日本人らしい黒髪ですが、生まれつきの色素の薄さ所以に錆利休色の髪と瞳でした。
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長男である六つ年上の兄、下に妹がいましたが妹は種違いの子供であり彼女を母親が妊娠した事を切っ掛けに両親は離婚。兄とまだお腹の中にいた妹は母親と共に再婚相手の元に。花夜は父親に引き取られ、その後は亡き祖父の家※で父子家庭で育ちました。当時花夜は小学三年生でした。
※この祖父の家は狐塚家の先祖代々から受け継いだ物であり老朽化が進んだ現在も花夜が自身の結界内に再構築し暮らしています。外観は古き良き日本のお屋敷といった造形です。
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当時から大人しく内向的で父親の言い付けを良く聞く子供でしたが一人になった事により塞ぎ込みがちな性格に拍車が掛かってしまいました。母親に連れられた兄との仲は特別良かった訳ではありませんでしたが彼がいなくなってしまった後の数日間は花夜にとって大変心細いものでありました。
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やや脱線しますが、この過去の家庭環境からか花夜は洗濯や掃除等はそれなりに出来ますが料理はからっきしで要因の一つとして両親が離婚してからの食生活があり、小学生時代は給料以外の主な食事は外食や父親がコンビニで購入した弁当やカップヌードルであり、後述する中学生以降からは留守番が多く一人で食事する事が多くなり父親から貰った小遣いや、高校に進学した際は自身がバイトで得た給料で近隣のスーパーから購入した値引き品や惣菜が主食でした。
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中学に入学した頃には父親の帰りも段々と遅くなり、最初こそ仕事で遅いのだろうと純朴に考えていましたが高学年に上がる頃には父親も母親では無い新しい女性との密会をしているのだと少年ながらに気付いていました。
花夜が高校生を卒業し大学に入学する頃には父親は急死してしまいますが、最期まで相手女性と再婚まで至らなかったのは女性が複数人いたか、女性側の不倫相手が父親だったからなのではないかと花夜本人は推測しています。とはいえ当時は学費を出してくれた事に感謝していた為、余計な詮索は時間の無駄と考え干渉しなかったので真相は闇の中です。
この様に寂しい少年期を過した経験からか青年期になる頃には物事に対し俯瞰めいた冷めた見方をする様になります。
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因みに父親の葬式の際に母親とその再婚相手、そして義妹と会いますが腫れ物を扱う様な態度に嫌気が差し、それきり花夜からも連絡を取っておらず疎遠です。顔を出さなかった兄の方はというと、とっくの昔に母親の元を離れており母親の手が届かない海外で自身の家族と暮らしているようです。
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その後、花夜は医療系の大学に通い卒業しますが医療機関への就職はせず一般的な中小企業の子会社に勤め慣れない営業の道に進んでいます。これには彼なりの理由があり
前述の通り花夜は大学に進学して日が浅い頃に実の父親の死を経験していますが、その時に自身の最も近い身内であったにも関わらず感情が揺さぶられなかった事や葬式中も一切涙を流さず父親の遺骨を拾い上げた感覚すら他人事の様に思えて仕方が無かった花夜は、自身は人の命に携わる仕事に就かない方が良いと判断したのでした。
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新入社員として働き出した二十二歳の春、自分と同じく新入社員として入社した同期の女性がいました。花夜より覚える速度はゆっくりで先に覚えた花夜が仕事を教える事も多くなり同期というよりは後輩のように感じる女性でした。
しかし不器用でも挫けず前向きにひたむきに取り組む彼女の姿に花夜は不思議に思うと同時に強く惹かれていきます。
境遇からして今まで異性に余り良い印象が無く深く関わりを持つ事を避けていた花夜ですが彼女を通し偏見を改めます。
そして二十五歳の夏に他の同期や職場仲間、嫌味たらしいが悪人ではない上司の後押しもあり晴れて花夜はこの女性と結婚と相成りました。後に女性もとい花夜の妻は彼との娘をお腹に授かり円満退社しましたが、花夜は妻と生まれて来る娘の為にと意欲的にその会社で働き続けていました。
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この頃は本来の気質である内向的な面は鳴りを潜めており男として又は〝父親〟として護るべきものが増えた為、今の花夜では想像が難しい程に人並みに明るく積極的でした。
この時の花夜の変化に関しては自身の両親を反面教師とした〝普通の家庭への憧れ〟〝自分は両親のようにならない〟といった少年時代に抱いた自身の家庭へのコンプレックスや劣等感を払拭したい強い気持ちの表れでもありました。
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ここからは昔某所で公開していた花夜の回想と共に触れていきます。こちら回想①には②と③と続きがあるのですが、それに移る前に①以前の出来事や過程や経緯を下記にて。
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無事に娘が生まれ夫婦生活も一層に賑やかになり、仕事も軌道に乗り始め順風満帆かのように思えた頃の事でした。
花夜が三十歳を迎えた年の春、久しく新入社員が増えます。
花夜よりも若干年下と上司から聞かされましたが、風貌は窶れ眼光は鋭く深々と刻まれた隈が特徴的な男で職場仲間でなかったら関わる事を躊躇うような怖さを感じました。
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男は覚えが早く、あっという間に研修期間も終わり以降は必要最低限または最低限以下の会話と愛想の無さでした。
仕事自体に差し支えは無かったものの上司や花夜の同期達や先輩達にとって協調性の無さ態度の悪さが不快でしかなく男が職場で孤立してしまうのに時間は掛かりませんでした。
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男の悪手の為とはいえ花夜は虐めを想起させるような環境になってしまった職場が苦手でした。それと同時に男に以前の後ろ向きであった自分の面影を重ねた花夜は、男に対し刺激しない言葉を選びながらも積極的に声を掛けました。
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当初は警戒していた男も花夜に対し本当に少しだけ気を許すようになり身の上話や雑談こそしなかったものの一時期だけは一般的な職場の先輩後輩として遜色ありませんでした。
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同年の秋、花夜は男が食後に服用している抗鬱剤の数が日に日に増えている事に気付きます。男が抗鬱剤を服用している事自体は男が入社した当初から知っていましたが減るどころか増えていくそれに不安を感じました。薬が増えていく度に口数は入社したての頃の以下に減ってしまっていました。
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流石に見ていられなくなった花夜は意を決し極力穏やかに務めながら彼に心配の旨を伝えましたが結果は逆上させてしまい、踏み入ってしまった事に謝罪を伝えたものの以降は邪険に扱われる又は無視をされるようになってしまった為、男から完全に拒絶されてしまい一時期の関係が嘘のように離れてしまった距離は最期まで戻る事はありませんでした。
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その年の冬は酷く凍てついた寒いものでありました。男の症状は悪化し、苛々とした面持ちで聴き取れないぐらいの声量で何かを早口に呟いたかと思えば次の瞬間には上の空で譫をぶつりぶつりと呟いたりと尋常ならざる程に症状が進行していました。その不気味な様子に職場では腫れ物以上に触れてはならない存在になってしまい、花夜以外の面々は口を揃えて早く辞めないかと男に隠れて吐露していました。
居た堪れない気持ちの花夜でしたが男を逆上させてしまった件の日以来どの行動が正解か、もう分かりませんでした。
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この頃の花夜にとって癒しは自身の家庭でした。妻の手料理を頬張りながら娘から聞く幼稚園での出来事は花夜の心を暖かくほぐし、職場での徒労を忘れさせてくれました。妻は察しの良い人で以前に比べ仕事での話を全くしなくなった夫に対し特に言及せず彼の気持ちに寄り添ってくれました。
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そして三十一歳を迎えた年。娘が五歳の誕生日を迎えた年。
・回想の方では、件の男の事を〝同僚〟と表記しています。
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結婚記念日も近かった真夏日。蝉時雨が耳を劈いた猛暑。
この日は久々に残業も無く花夜は定時過ぎに帰宅しますが…
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「今も色濃く憶えているのは男の姓が〝茶屋〟であった事。」
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■〝邂逅〟
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数多の冒険や討伐を経てルイと春本は互いに絆を深め大切な友人…それ以上に本物の兄弟のように親しくなりました。
この頃には高額報酬の討伐も熟せる程に各自大人顔負けの実力を身に付けており台所や個室の風呂がついた長期滞在可能の宿屋の一室を借りて拠点とし日々活動していました。
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いつものように身支度と春本が作った夕食を済ませ、感謝と就寝の挨拶を終えたルイが深い眠りについた翌日の事。
その日は討伐の予定こそ無かったもののルイにしては珍しく夕方頃まで寝てしまいました。まるで前夜に〝睡眠薬〟でも盛られていたかのような…?一先ず、とっくに起きているであろう春本に声を掛けようと寝過ぎて怠い脚を引き摺りながら美味しそうな香りが漂う台所に向かいます。すると…
そこには料理が好きだった彼の作り置きの数々、その傍らには申し訳無さそうに添えられた手紙が数枚ありました。
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手紙には最初に作り置きの保存方法。その次にルイに対しての感謝の言葉や励ましの言葉。そして一番最後に自分の事は心配しなくて大丈夫という旨の内容が綴られていました。
しかし僅かではありますが震えた手で執筆したのであろう痕跡があり酷く胸騒ぎがしたルイは急いで春本を探し回り必死の思いで遂に街外れの廃墟内部に彼の姿を見つけます。
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この時、実はルイが旅立つ際に国王から託された〝聖剣〟の力によって春本の居場所まで導かれたのですが現時点ではルイは特別な剣である事を知らずそれに気付いていません。
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春本を発見したルイですが同時に彼の前に見知らぬ不気味な人影を見つけます。血色の悪い…まるで化狐のような男。
問い掛ける間も貰えず、もう一度、春本と話す事も叶わず、ルイの目の前で春本は謎の人影もとい〝狐塚花夜のような何か〟によって四肢と頭を捥がれ惨殺されてしまいます。
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唐突に訪れた悪夢のような現実。放心状態のルイに謎の男は悪趣味にも彼の反応を愉しむ延長戦で追い討ちを掛けるように、これまで素性を隠して生活して来たルイに対し国王の隠し子である事を知っている様子で見下し嘲笑いました。
心臓が凍てつくような恐怖と身の危険を感じたルイですが自身の命以上に大切な人が殺された怒り、そして初めてルイの心に芽生えた憎しみという感情に一瞬にして苛まれます。
酷く揺さぶられた気持ちに任せ聖剣を振り下ろしました。
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しかし謎の男との力の差は歴然で、一方的に蹂躙される中でルイが辛うじて分かったのは男の使う魔術が時間または時空に干渉する魔術である事。根拠としては振り下ろした筈の聖剣が鞘に戻されていたり、目の前に捉えた筈の男が一瞬にして離れたかと思いきやルイ自身が数秒前の立ち位置に戻されていたりと、文字通り手も足も出ない状況に陥るもルイは諦めず聖剣の加護に守られながら立ち向かいますが、飽きた男に廃墟の屋上から蹴落とされてしまいます。
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崩れ落ちる廃墟と意識の中、ルイは虚ろな視界の先に倒壊に巻き込まれ埋もれていく春本の遺体が眼に映りました。
助けるどころか墓を作り花を添えてやる事すら叶わなかった現実。こんなのは死んでも死にきれない。死んでたまるか。
自身の死を目前にして尚、他者を想いやり悔やむ事が出来る少年の優しくも強い願いに応えるようにして遂に〝聖剣〟本来の力が発動し〝巻き戻し〟が発生します。
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何と皮肉にもルイ側も謎の男と同じく時間に干渉出来る術を持っていたのです。聖剣から発せられる希望に満ちた光に包まれて、朦朧とした意識を手放す直前この世界線でのルイの最後の記憶は、見上げた先の屋上で自身を見下ろしていた男の〝別人〟のように狼狽え今にも泣きそうな顔でした。
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巻き戻されたのは旅立ちの前日。母親の眠る墓地の前で件の〝聖剣〟国王もとい父親からを譲り受けた直前でした。
意識を引き戻された衝撃で膝から崩れ落ちそうになるルイを国王は咄嗟に支えます。焦燥しきった様子で明らかに先程まで会話していた〝ルイ〟とは様子が違うと判断した国王はルイに何「が」あったのか極力落ち着かせる様子で訪ねます。
真実を話すのを躊躇うルイですが、国王は寧ろルイの身に〝何かが起こったのを分かっていて続く言葉を待っている〟ようにも思えたルイは国王に…今の自分の唯一の肉親である父親に現実とし体験した悪夢のような未来を打ち明けます。
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静かに事の顛末を聴き終えた国王は、ルイが危機に瀕した際に巻き戻しを引き起こした聖剣の実態を話していきます。
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先代の国王が語るに聖剣の出処は「遥か昔かつて弱小国であった時代〝神〟※が国の繁栄を願い創造した剣」である事。
話中の〝神〟に関しては神話のような例え話の一つではないかと語り継がれている。そして、この聖剣は見初められた者のみ開放する事が出来る〝特殊な力〟が宿り眠っているとも伝えられてきたのだが、数百年間経っても尚、現国王である自身を含め聖剣の適合者は今まで一人としていなかった事。
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※実際この〝神〟は神話や創り話の人物ではなく、初代国王の目の前に本当に降臨し聖剣を授けています。因みにクランちゃん・グレンくん編に登場した〝神様〟と同一人物です。
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宝の持ち腐れとはよく言ったもので件の宿り眠る力も含め神話なのでは?という冗談めかした謳い文句も添えられて現国王である自身の手元に渡った時、精巧で美しい造形を未だ衰えること無く保っている聖剣を見て「国も大いに繁栄し願いの依代としての役目も終えた今、ただのお飾りとするには余りにも忍びなく罰当たり」と国王が考えていた矢先、自身の元妻でありルイの母親の訃報が秘密裏に届きます。
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死の間際さえも立ち会えなかった事に対しての後悔。自身の不甲斐無さや、先立ってしまった元妻と一人にしてしまったルイへの申し訳無さ。ふと国王は思いました。このような自分の性根では、当然〝聖剣〟も目醒め応える筈が無いと。
ならばせめて、すっかり置き物となってしまった運命を自分が王を終えるまでの数十年間を含め、このまま王室の秘蔵庫の隅で腐らせるくらいなら希望に溢れた…いや希望に満ち満ちて欲しい者のところに今一度、願いを込めて託すべきだ。
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こうして国王は、まだ大人と呼ぶには未熟ではあるが心身共に成熟し始めたルイ…もとい大事な息子へ聖剣を届け渡す為、ルイが保護されていると聞いた教会を統じる見るからに気難しそうな神父の元へ訪れ、訳を必要以上に内密に話し何とか納得して貰えるように説得��し、やっと得た情報を元に偶然を装ってルイが旅立つ前日に、以前から身を隠しつつ足を運んでいた彼の母親乃至(ないし)自身の元妻が眠る墓地にてルイと十数年振りに再会し、無事に彼の手元へ聖剣を託しました。
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※この時、神父もといオズウェルが国王に対し警戒を中々解かなかったのは当然といえば当然で如何せんルイが生まれながら〝隠し子〟となっている現状にしても顔を顰めていますのでルイを護るという意味合いも含めて彼の事を話そうとしませんでした。しかし国王でもある男が、実態は天使とはいえ正体を隠している為ただの一市民でしかない自分に対し態々許可を得てルイに会おうとしている姿勢や裏を感じられない謙虚な物言い、そして亡くなった元妻に対しての想いや着飾った言葉を投げ捨ててしまえば、二度ともうルイには辛く悲しい思いをして欲しくないという願いを込めて聖剣を渡したいという懺悔のような吐露を聞き〝天使〟として『愚かな人間』という認識は変わらなかったものの〝神父〟として国王の罪を赦し、ルイの近況と近々旅に出る事を伝えたのでした。
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幼き頃のルイに聖剣を渡していれば母親を助ける事が出来たかもしれない。
国王の脳裏に後悔の言葉が浮かびます。しかし当時のルイは聖剣より背丈が低い程に幼く、聖剣自体も数百年間お飾りのようになっていたうえ、覚醒した際の聖剣の力の正体も分からない状態であったが為に中々難しい話でありました。力の正体を知った後に項垂れる父親を、ルイは責める訳でもなく「仕方が無かった」と優しく諭します。
息子の慈悲に応えるよう国王は崩れ落ちた膝と首を今一度しっかりと上げ、ゆっくりとルイに向き直り、彼の真っ直ぐな瞳に臆する事も視線を泳がす事も無く見詰め返し「今度こそ、お前にとって大切な人を…仲間でもあり親友でもあった、その子を救けなさい」と決意を新たにするルイを激励しました。
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送り出す前に、巻き戻ったと雖も息子の目の前で友を殺害し挙句に息子自身も蹂躙した件の化狐のような化物のような男を国家機密の兵器や兵力を用いて抹殺したいのが本心とも伝えており、憤慨する国王もとい自身の父親を見て逆に冷静になったルイに気持ちは嬉しいが当事者達では無い外部の者が未来に干渉し過ぎると良い未来まで掻き消してしまうかもしれない、と宥められ落ち着きを取り戻した国王は代わりにと渾身の魔力を聖剣に込め今一度ルイに託し見送ったのでした。
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因みに勘が働いているのか花夜は未だルイの父親に挨拶が出来ていません…。
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ルイにとっては二度目となる旅立ちの当日。今度こそ絶対に救うという強い気持ちを胸に春本との再会を急ぐルイをオズウェルが引き止めます。出会う前の春本が輩に絡まれていた事も思い出し焦燥したルイは彼にしては珍しく声を荒げますが、無策のまま行っても同じ結末を迎えるだけだと厳しい口調で叱咤されます。驚いた事にオズウェルはルイの身に〝何が起きたのか〟知っている様子でした。それもその筈オズウェルの正体は上位階級の生命を司る天使であり普通の人間の神父ではありませんでした。その事実をルイに伝えたうえで彼が案じている春本の身に対し、まだ大丈夫だと教えます。
大丈夫だと断定出来る根拠は…と流石に疑心暗鬼になっているルイが尋ねる前に、オズウェルは春本に絡んでいた輩の一人が身に着けていたピアスをルイにちらりと見せます。ルイの目が確かなら恐らく返り血が着いていたそれをオズウェルは「懲らしめただけだ」と普段通りの涼しい顔で修道服のポケットに仕舞うのでした。彼曰く春本に絡んだ日よりも前に手を下したようで、今後ルイと春本が織り成す因果には差ほど影響は無いとの事でした。
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本当に俗に言う「懲らしめる」と同じ度合いだったのか…?と思ったよりも物騒な事をする神父の皮を被った天使に目を丸々とするルイに、のんびりしている暇は無いとオズウェルは奮い立たせます。この後、最短で約一ヵ月を目安にルイは、前々からオズウェルが気に掛けていた〝ルイ自身の潜在能力〟である右眼に秘められた膨大な魔力を活かす為の剣術ではなく魔術に重点を置いた特訓の日々を開始します。
普段は必要以上に他者に肩入れしないオズウェルですが、彼も過去に大事な人を亡くしており〝救いたいのなら本気でやれ〟と熱意を持ってルイを指導しました。その甲斐と全力で応じたルイの頑張りによって一ヵ月を目安としていた特訓は、日程を繰り上げた二週間目にして全ての教えを身に着け完遂させる事が出来たのでした。
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いよいよ持って訪れた再度となる旅立ち当日。これからルイを待ち構えている世界線の内容を掻き乱さない程度に裏で手助けするとオズウェルに伝えられ、今までを含めた感謝を述べたルイはオズウェルと彼との訓練中にサポートしてくれたラブリーちゃんに見送られながら最早ルイにとって第二の故郷である教会を後にしました。
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因みに、この二度目の世界線から春本は初めてオズウェルそしてラブリーちゃんと後に面識を持つようになります。
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ルイ、国王もといルイの父親、オズウェルの三人の共通点は過去に大事な人を失っている事でありルイの場合は母親と春本の死で二回経験している事となります。
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この時からルイの戦闘スタイルは剣術のみから魔術単体または剣術と魔術を組み合わせた〝魔法剣士〟のスタイルとなります。ルイ自身の素質からの魔術属性は〝光〟であり加えて聖剣のを応用した場合は〝時〟の魔術属性も従え操れるようになりました。但し並大抵の努力で素質外の属性適合は難しく、それこそ血反吐を吐く事を前提とし取り組まねばなりませんでしたがルイは挫けませんでした。全ては春本を助ける為に。
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ルイにとって二度目の旅立ちの地である大陸。そこで〝生きている〟春本と再開した際には思わず感極まって泣き出してしまいそうになりますが、こちらではまだ初対面である春本に怪訝に思われぬよう嘘や誤魔化しが大の苦手のルイは内心それはもう一生懸命になりながら巻き戻し前の世界線を思い出しながら立ち振る舞うのでした。
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穏やかに繰り返しをやり直す日々の中、遂に訪れた春本が失踪してしまう日の前夜。ふとルイは春本が用意した料理を口に運ぼうとした手を止めます。このまま目の前に出された美味しくも温かい夕飯を食べれば…その優しい味に忍ばされた恐らく〝睡眠薬〟も食してしまい、また深い眠りについてしまって春本はその間にきっと死地である例の廃墟に行方を眩ませてしまう……それを分かっていて食べるのか?もし今からでも件の男の前に春本を歩ませるのを止める事が可能ならば、酷く怪しまれようが構わない。今直ぐに彼の手を引いて安全な場所に…そうルイが逡巡していた矢先でした。
妙に〝丁寧〟且つ〝丁重〟な調子でルイと春本が滞在している宿屋のドアがノックされたのです。
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〝何者〟が訪問しに来たか大方分かっている様子で先んじて玄関に出ようとした春本を制し、ルイは聖剣を握りしめて最大限の注意を払ってドアをゆっくりと開けます。すると、そこには予想通り、春本をルイの目の前で殺した男の姿が有りました。悲鳴を喉に押し殺し咄嗟に斬り掛かろうとしたルイですが逃げようともせず酷く項垂れた様子の男に気付き刃を首を掠めるぎりぎりの箇所で止め、どういう訳か男が戦意を喪失しているのを確認すると一度ルイは聖剣を引き下げました。
目に見えた変化は男の頭髪の色味が以前と違う事。そして何よりも何かに怯えながら苦しそうに佇むその姿は化狐ましてや化物と形容するには程遠く別人のよう…いや、恐らく本当に別人もしくは〝別人格〟なのではないか?そして何よりもルイは男の異変に見覚えがありました。確か前の世界線から転移する前も、こんな弱々しい顔をしていたような…?
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「お前は一体〝何者〟なんだ」 そうルイが問いかける前に男はルイと彼が庇うようにして後ろにいた春本に頭を下げ 「すまなかった」 と一言ルイの聞き間違いでなければ絞り出したような、か細い震えた声で謝罪を吐き出したのでした。
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先程から余りにも予想外且つ前回には無かった展開で困惑し立ち竦むルイの意識を覚醒させたのはパンッ!という人の手が人の肌を手の平で叩いた乾いた音と勢い余って誰かが倒れた鈍い音でした。慌ててルイが視線を上げると、そこには憤慨した様子で普段の可愛らしい顔を怒りで引き攣らせた春本と、赤く腫れ始めている頬に手を添え倒れている男の姿がありました。
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普段は言動こそ子供らしく振舞ってはいるものの根の部分は見た目不相応に大人びている春本が謎の男…後に〝花夜〟と名を知る男に対しルイ自身が慌てて止めに入る程に上記のように取り乱す姿を見たのはルイは今回が初めてでした。
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抵抗しようと思えば止めに入ったルイの腕を振り払うのも造作も無かったであろうにルイ相手だからこそ春本も強く抵抗が出来ず、そして〝何か〟を思い出したのか男に暴力を振るってしまった自身の手足をショックを受けたような表情で見つめ、そのままルイの腕の中で力なく項垂れた春本は大きな瞳を潤ませて遂には泣き出してしまうのでした。
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直ぐ分かったのは二人が以前から面識がある仲という事。
思えばルイからしたら異様な光景でした。前の世界線では惨殺された被害者と惨殺した加害者であった二人でしたが今ルイの目の前にいる彼らは、立場が逆転…というよりは、まるで反抗期の子供とその父親のようにも見えました。
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とはいえ最初の平手打ちだけなら兎も角、激昂した後に足まで出てしまった春本からは〝反抗期〟という言葉だけで片付けてはならない並々ならぬ怒りを感じました。何より春本と実の兄弟のように仲睦まじい信頼を築き、旅の最中彼を傍で見て来たルイは春本が普段からこのような暴力を日常的に振るっていたようには到底思えなかったのです。
では何故これ程までに怒っているのか?そしてルイとしては先程から怒涛の身に覚えの無い新しい出来事の連続で、春本や倒れている男の身を案じている内心ひっそり冷や汗が滴り落ちるのも禁じ得ない心中でした。と言いますのも…
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もしかして世界線の内容を大きく書き換えるような事をしてしまっただろうか?!と一瞬血の気が引いたルイでしたが今この状況下になるまでは前世界線と違った部分と言えば春本と出会った時に彼が件の輩連中に絡まれていなかった事ぐらいであり、世界線の内容を書き換えない程度に裏で協力すると言ってくれていたオズウェルもヘマをするような男ではない為、では何が〝要因〟として状況が変わったのだろうか?思い当たる節を消去法で考えていってしまえば、それはもう呆気ない程あっという間に分かることでした。
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花夜という男の方は訪問してきた際の挙動と前世界線で戦闘をした際に時間を操る能力の使い手だった事を考えると巻き戻し前の記憶を〝憶えている〟のであろう事は本人に問い聞く前から察しが着いていました。しかし驚いた事に春本もルイや花夜と同じく〝憶えている〟側だったのです。
但し今この状況になるまでは〝巻き戻し〟が起きた発端がルイの〝聖剣〟によるものと春本は気付いておらず、「花夜の能力によるものなのでは?」と仮説を立てて、後は図らずしも前世界線と同じよう振る舞うルイと同じく春本も同じように振る舞っていたのでした。
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前世界線の春本は、自身への強い殺気に導かれるようにして廃墟に足を踏み入れていました。そもそも春本が生まれた土地(日本)から随分と離れたこの大陸(異世界)に身を潜めていたのは殺気を放つ男…つまり花夜から逃げ切る為でした。
春本には自身が何故このような異世界まで逃げても花夜?に執拗に追われ、挙句の果てに殺されなければならないか〝訳〟が有りました。理不尽だが諦めすら感じる理由が。
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そのような複雑な事情を抱えた身であった為、本来は単独で行動する予定だったのでルイと行動を共にする気は更々無かったのですが、彼の優しさに触れて人の温かみを思い出した春本はルイを無碍に扱えず、しかし遠く離れていても色濃く感じられていく自身に向けられた殺意にルイを巻き込む訳にいかないと前世界線では作り置きした料理と手紙を置いてルイの元を去り、帰らぬ人となったのでした。
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「しかし妙だな?」と巻き戻し後の世界の春本は頭を捻っていました。前世界線では悪夢もとい〝白い悪夢〟として花夜の怨念と呪詛が頻繁に夢を支配しては魘され日に日に濃く感じられた自身への殺気が今の世界線では感じられないのです。
※〝白い悪夢〟は花夜の能力の一つで退廃的な風景の中で死や虚無を連想させる夢を対象が睡眠時に強制的に見せます。
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そして迎えた前世界線の春本自身が死地へ赴いた日の前夜、突如として訪れイレギュラーな行動を起こした花夜を前にしてもう一度自分を嬲り殺す為に巻き戻したのではないか?という恐怖心は蓋を開けてみれば呆気無く謝罪を告げられてしまった現状に張り詰めきっていた緊張の糸は解れ、同時に今まで積もりに積もったストレスが爆発するのも無理も無く春本は激情のまま花夜に粗暴を働いてしまったのでした。
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ルイは倒れた花夜に手を伸ばし春本が平静を取り戻した頃を見計らって二人の関係、そして明らかに前世界線と様子が違う別人のようになっている花夜に対し説明を求めました。
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ルイ自身も〝巻き戻し〟の発端が自分の願いと〝聖剣〟によるものである事を打ち明けます。やはり花夜の方は知っていたようで静かに聞き入り逆に春本は終始困惑した様子でルイの話を聞いていました。しかしルイが春本を助けたくて起こした巻き戻しである事と花夜の殺意からでは無かったという真実を知り安心した春本は同時に溜まっていた心身の疲労が一気に押し寄せ気を失うように眠りに着きました。
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■花夜と春本■
※ 以下発禁する程では無いがショッキングな表現多め注意
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この先は上記のURL先の記事の読後前提で進めていきます。
話を聴き終えたルイは、海沿いに蹲りながら春本に背中をさすられていました。当時まだ十六歳の少年には親しい人が受けていた悪魔のような所業は聞くだけでも余りに過激で、悲しく悔しい気持ちで一杯になりました。涙と一緒に生理的に少々嘔吐してしまったルイに対して春本は少し嬉しそうに「ルイくんは優しいね」と柔和に声を掛けるのでした。
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見兼ねた花夜は持参してきたミネラルウォーターを肩掛けの質素なショルダーバッグから取り出し二人に差し出します。
ルイが感謝を告げた直後に春本が花夜から奪い取り危険性が無いか確かめる為に毒味をした後ルイに渡します。花夜と春本に今一度礼を告げるとルイは口を濯ぎ、春本は長々と話した喉の乾きを潤しました。飲み終えた後わざと怪訝な顔をする春本に対し花夜は普通の水だと慌てるのでした。
その様子を見たルイは二人に「親子みたいだな」と零した後、しまったなと口を閉じました。迂闊だと思ったのです。理由こそ真逆であるものの両者本物の家族を失っているのに…と大人しくなるルイに対し春本は「ほぼほぼ大正解〜」と心配は要らないという意味合いも込めて彼を明るく茶化します。
「あの時瀕死の僕を救けてくれた〝神サマ〟が花夜さんだよ」
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「…〝最初に〟春本が亡くなったのは〝十年程前〟の話だ」
そして〝現在〟の俺と春本は人間では無いと花夜は話を続けます。先程の話で春本は恐らく蘇生術に近いものを施されているのはルイも分かりましたが花夜側も今は人間では無いというのは多少なりとも驚き…よりルイとしては前世界線の人間離れした戦力を思い返せば寧ろ説得力がありました。
〝器〟となった春本の姿は義父と叔父に惨殺された年齢で顕現しており生きていたとしたら二十歳前後の青年だと花夜は続けます。先程の〝最初に〟という言葉選びに対し不思議に思ったルイですが、春本は前世界線でもう一度殺されている為だと理解すると鎮まっていた怒りの感情を、二度春本を殺した張本人であろう目の前の花夜に今直ぐにでも殴り付けたい気持ちが湧き上がりましたが、ぐっと堪えます。
その様子を無理も無いという面持ちで見据えていた花夜は、堪えたルイに申し訳無さそうに謝罪を零すと話を巻き急いでいる様子で続けます。まるで〝制限時間〟が存在するかのような花夜の言動にルイは首を傾げ、同時に得体の知れない〝正体不明の胸騒ぎ〟を、この時ふと感じていました。
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一先ず先程まで聞いた話中では花夜が何故春本と同じく人で無くなったのか切っ掛けを聞けていません。花夜本人も気付いたのか思考を逡巡しルイに困り笑顔を向けました。
「妻と娘の葬儀を終えた後…元同僚に住所を教えてしまった事に対し謝り続ける上司や仕事仲間だった皆の制止も振り切って、会社に辞表を出した後…睡眠薬を丸々瓶飲んでな」
「そのまま、警察が貼って行ったのであろう立ち入り禁止のテープや看板を押し退けて…妻と娘…そして彼女達を殺した元同僚…殺人犯と同じ…雑木林に埋もれた〝廃神社〟の神木で…殺人犯と同じように首を括って、俺は後追い自殺した」
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「何か…嫌だったんだよな。妻子と…妻子を手に掛けた男が、同じ場所で亡くなっているのが。あの世でも会ってしまっているのではないかと心配で。だから二人を護りたくて、あの男に一番近い所で死んだ。この世では護れなかったから…」
「上司には悪い事をしてしまった。個人情報を漏らした彼が悪いとはいえ間接的にではあるが俺ら一家を丸々殺してしまう手網を引いてしまったからな…今頃どうしているのやら…」
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当時の花夜は三十一歳。彼もまた凄惨なる思い出と共に時が停止したように、その時の姿のまま顕現していました。
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と言っても、この訳の分からない髪色は当然当時のものではなく後天性のものだと花夜は話します。因みに春本の頭髪も同様でこの子も元々は日本人らしい黒髪だったと続けます。
一方、当の春本は花夜の話には興味が無いのか砂浜に木の棒で絵を描きだしたり砂のお城を作り始めてるのでした。
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■〝トケイソウ〟
自身と春本の身に起こった変化は後天性の〝転生〟であると花夜は続けます。転生とは元々死した者が新たなる生命を一から、つまりは新しい母親の母��内にて授かる場合や死した姿のまま全くの別世界に生まれ落ちたりとその概念は様々であるが、花夜と春本の場合は双方共に死んだ直後に〝前世〟に値する自身の肉体を〝器〟つまりは媒体として、現世に顕現している〝花の女神フローラの末裔〟の一人である。そして一人であるという事は花夜と春本の他にも、その〝末裔〟にあたる人物が複数人いるという事なのだが今回の件に彼らが絡む事は無いうえ特に重要性が有る事でも無い為これに関しては「他にもいるのだな」という認識だけで良いと頭が痛くなって来たルイに花夜は申し訳無さそうに伝えるのでした。今、早急に触れるべきはそちらでは無く…
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前世界線で春本を殺しルイも命の危機に貶められかけた、花夜に酷似した〝狂気〟の実体化したような人物の正体。
それは死した花夜が花の女神フローラの末裔の一人として〝転生〟した際に花夜を媒体とし芽吹いた〝トケイソウ〟(時計草)という花に宿った〝言霊〟が原因だと話します。
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従来、【言葉】には〝霊力〟が宿ると言われている。それを人々は〝言霊〟と言い、その霊力は魔力と言い換えても過言では無い。そして花の場合その【言葉】は〝花言葉〟に当る。
本来、トケイソウとは派手で且つ独特な花弁が特徴的ではあるが実る果実が美味しく香りも良い花なのだが言い伝えられて来た〝花言葉〟による〝言霊〟が〝花護〟※として、芽吹いた媒体の末裔に付与され〝開花〟させてしまった。
※花護=造語。加護と同義。
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〝花言葉〟とは、花からしたら人々から受けた祝いの言葉または呪いの言葉ようなもので言葉に込められた意味合いにより含まれた〝霊力〟も高まります。以上を踏まえた上で
トケイソウの花言葉は〝受難〟そして〝狂気〟です。
他にも〝聖なる愛〟や前向きな意味合いを含む言葉も在るのですが〝信仰〟や〝宗教的な情熱〟という花言葉も在ります。そしてトケイソウがそう呼ばれる大前提に、これらの花言葉はトケイソウが某有名な神の子の処刑を象徴する花であると言い伝えらている事に関連付けられての言葉です。
よって〝花言葉〟に関連又は紐付けられた〝解釈〟や〝言い伝え〟も〝言霊〟とし霊力と成り実り、それは一輪の脅威と変貌し宿主となる花の女神の末裔の心に芽吹きました。
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要は、この芽吹いた媒体の末裔こそ花夜であり死して尚閑かに燈る強い復讐心から〝言霊〟としてのトケイソウ(時計草)を惹き寄せてしまい亡骸に僅かに残る殺意そして〝狂気〟を媒体という名の苗床に実らせ花の女神の末裔として転生し目醒めた花夜の中で禍々しく〝開花〟してしまいました。
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更に厄介な事に花夜は元々穏やかな性質からアマチャ(甘茶)という花に魅入られており本来適性が有るのもこちらです。
しかしトケイソウ(時計草)を惹き寄せてしまった事により、二つの真逆の〝言霊〟且つ〝霊力〟が花夜の中で常に反発し合っている状態に陥り、一時は廃人化寸前となります。
その結果、脳が心身の負荷を緩和させる為の信号出し〝二重人格〟となってしまい、攻撃的な人格である〝トケイソウ〟が花夜の中に誕生してしまいました。
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【補足①】
アマチャ(甘茶)の花言葉は〝祝杯〟そして〝至福〟であり、生態も小さな花が愛らしく葉を煎じて飲むと甘く美味しい茶となる為この名称が付けられているそうな。因みに花夜の髪先からふわふわと光漂よっている小さな空色の花や花弁はこのアマチャであり、本来の花夜にとって適正且つ素質が有るのもこちらの為〝トケイソウ〟に人格を取り変われている際も、抵抗でもするかのように花弁が漂っていました。
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【補足②】
因みに春本は〝ヒガンバナ〟(彼岸花)に魅入られています。その花言葉が持つ言霊は〝トケイソウ〟に引けを取らない呪いのような霊力なのですが、春本側の適性が高く自我も強かった為、支配もされず逆に支配している状態です。かと言って服従させているのかと言うと違いヒガンバナの花言葉は〝悲しき思い出〟〝諦め〟といった言葉の他に〝情熱〟〝再会〟といったプラスの意味合いの言葉も存在し春本自身の性質とも相まって互い意気投合し手懐けている状態です。
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■〝三人目のお父さん〟
「トケイソウの持つ〝受難〟の花言葉は、俺が苦悩する程に神化を発揮する。そして、もう一つの花言葉である〝狂気〟は俺の些細な負の感情を種とし芽吹き咲き開花してしまう…
要は一度でもまたは一瞬でも、何かに対して〝負の感情〟を抱いてしまったら、まるで頭の中や心の中が逆時計回りするかのような不安感と不快感に襲われ自身の中の狂気が暴走し意識を失う。その際に出てくる人格が〝トケイソウ〟だ」
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そこまで話し終えた花夜は、膝から崩れ落ちました。ルイは慌てて駆け寄り彼に目をやると、元から悪かった顔色は更に青白くなっており呼吸は荒く冷や汗が浮かんでいます。
今までの話と、この状態の彼を見てルイは確信しました。花夜は今、自身の中で暴走しかけている〝トケイソウ〟を抑え込んでいる。そして、それはもう長く持たない事も…。
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そんな花夜を横目に春本の方はと言えば未だに興味無さ気に黙々と浜辺の砂で城を作っていました。確かに前世界線で春本が受けた仕打ちを考えれば苦しむ花夜に対しての塩対応以上の現状の対応も理解出来るものではあるのですが花夜が二重人格である事が分かった今、流石に春本を少々窘めようとしたルイに対し花夜はやんわりとそれを制します。
そこでルイは花夜から聞いた例の言葉を思い出しました。
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「〝一度〟でもまたは〝一瞬〟でも、
 何かに対して〝負の感情〟を抱いてしまったら…」
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つまりは別人格の方ではない花夜〝自身〟が一度は春本に対し〝殺意〟に繋がる負の感情を抱いてしまった。
そして、それが引き金となって〝トケイソウ〟が花夜の中で芽生えてしまい結果、春本を虐殺してしまったという事実。
「狂気は俺の些細な負の感情を種とし芽吹き咲く。一度でもその思いを抱いてしまった時点で俺は春本に謝る他無い」
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春本も元々は花夜対し今のような辛辣な態度ではなく冗談を言い合えるような、時にはちょっと甘えてみるような互いに義理の親子として〝義理の父と息子〟として良好な関係を築けていました。特に春本は家庭環境に恵まれなかっ為、殊更花夜を〝本当の父親〟の様に信頼し信用していました。
だからこそ大変ショックを受け、自身を虐待していた実父や以前の義父の事を思い出してしまい開いていた心を鍵を幾つも固く施錠するように今度こそ閉ざしてしまったのでした。
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ルイは、どちらの気持ちも正しく思えました。もし自身の母親が他殺…それも単に殺されるのでなく弄ばれた上で惨殺されたとして、その犯人が自殺していて怒りの矛先をどうしたら良いか分からなくなってしまった時その親族を1mmも怨むなというのは頭では関係無いと分かっていても難しい。
それでも手を出すことは生涯通して絶対に無いと誓えるのに別の人格が生まれ気持ちを暴走させられたらもう逃げ場は無いじゃないか。だとしても春本の気持ちに至っては言わずもがな怒って当然である。別人格とはいえ発端が本人に有ると言うのならば、信頼していた人に裏切られ、理不尽な目に遭わさられ挙句の果てに離れてる暮らしていた実父の代わりに殺されるなんて絶対に絶対にあってはならない事だから。
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不意に花夜の口から、まるで神父に希望を乞う罪人ような…祈りのような願いのような…懺悔にも似通った掠れた言葉。
「…君の力で、妻と娘が殺される前に帰る事は出来るか」
ルイは自身の聖剣に視線を落とします。〝時間〟を操る魔力を手に入れオズウェルとの特訓によって多少は過去への干渉が出来るようになったとはいえ、それは戦闘において応用する場合の話であり〝本格的に時空を超える〟規模になって来ると、前世界線の時のように〝聖剣が起こした奇跡〟に頼らざるを得ず、ルイ自身にはやり方すら分からない。
言い淀むルイに花夜は分かっていた様子で寂しげに笑むと、
「絶対的な切っ掛けが無いと…例え、どんなに諦めた振りをしても心身内を蝕んだトケイソウによって暴走させられる」
そのまま今にも倒れてしまいそうな足を春本の元まで運び、痩せ細った白い指先を震わせ彼の頭を優しく撫でました。
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春本は黙っていたが、抵抗し無かったのが彼なりの答えなのだろうとルイは目の前の〝不器用な義親子〟を見て思う。
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その春本の様子に花夜は少しだけ救われたような安心したような表情を涙と共に零すと、真っ直ぐにルイへ向き直り深々と頭を下げました。その深い一礼にはこれから春本の事を頼むという意味合いと今から花夜がルイに頼む〝ある願い〟の身勝手さ、厚かましさ。何より藁にも縋る思いでルイに頼らざるを得ない申し訳の無さが含まれていました。
そして…
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「…また春本を泣かせてしまう。だから、君にお願いがある」
   殺し
「俺を止めてくれ」
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その願いを…どうしようも無い思いを、ルイに託した瞬間、春風の如く突風が吹き同時に視界を遮るように空色の花が舞い吹雪き、反射的にルイは思わず目を瞑ってしまいます。
瞼を開けると花夜の姿は、もう何処にもありませんでした。
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愕然としていたルイを現実に引き戻したのは、春本が出来たばかりの砂の城を退屈そうに蹴っ飛ばし崩した音でした。
視線を落とし春本に目を向けると、そのまま砂の城の横に描いたばかりの春本と誰かの似顔絵のようなものも摺り潰すように足で消しながら地面に吐き捨てるように呟きます。
「…ねぇルイくん知ってる?一説では自殺した人ってさ天国に行けないんだって。酷い話だよね。きっと皆たっくさん!悩んで悩んで、自分で自分を手に掛けたのに、死んだ先までまた苦しい思いしなきゃいけないなんて。あんまりだよね」
「花夜さんにとって、今の人生は地獄と変わらないだろうな」
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その春本の言葉にルイは確かに彼から花夜への〝慈悲〟を感じ取れました。同時に、この二人の関係は再修復出来るのではとも思いました。花夜は春本の実父に妻と娘を惨殺されている。そして、春本は理不尽にもやり場の無い復讐心から花夜に殺されている。それでも、そんな経緯を経たにも関わらず二人の仲が地の底に堕ちたように見えなかった。
そう思えたルイにはもう迷いも躊躇いの感情も無かった。
「花夜を助けよう」
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しかし、ルイの言葉を聞いた春本の反応は芳しく無いものでした。静かに首を振り大きな瞳でルイを見上げ告げます。
「…もう〝さっきまでの花夜さん〟は戻って来ない。
 次に会う時は〝別人〟だ。
 次に会う時は…〝ただのトケイソウ〟だよ」
言葉の意味に気付いたルイは慌てて花夜の跡を追おうとしますが如何せん場所が分からない。春本に目をやっても静かに首を振るのみでした。止めに行けるのならば止めに行きたい。その気持ちはルイだけでは無く春本も同じでした。
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花夜の行方は分からずとも、ルイそして春本にも向かうべき場所の心当たりが有りました。前世界線にて春本にとっては自身の死地、ルイにとっては春本の仇討ちの為に死闘を繰り広げた例の廃墟に今度は二人で一緒に乗り込みます。道中、何かを感じ取ったのか春本が淋しげに小さく呟きました。
「…さよなら、僕の〝三人目のお父さん〟」
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■平凡だった少年と平凡だった父親の最終決戦■
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廃墟に到着したルイと春本を迎えたのは〝花夜〟ではなく〝トケイソウ〟でした。ルイや春本の脳裏に、トラウマのように焼き付いた男の顔は肉体の持ち主である花夜と同じ顔なのに全くの別人に見えました。不気味に面白可笑しく嘲笑する目元と口元は引き攣りまるで〝化け狐〟のような男に花夜に身体を返せとルイは聖剣を構えて捲し立てます。
そんなルイに〝トケイソウ〟は、わざとらしくキョトンとした表情を浮かべた後ケタケタと嗤って言い放ちました。
先程お前と話していた男は、もうこの世に居ないと。
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「殺してくれ」という願いを託しルイと春本の元を去った後〝トケイソウ〟を抑え込むのに限界を感じた花夜は、二人が恐らく最初に足を運ぶであろう彼らにとって因縁の地でもある廃墟に降り立つと、同時にまるで喰い破るかのように花夜の精神を〝トケイソウ〟が蝕み支配していましました。
抑制から解放された〝トケイソウ〟にとって衰弱した宿主は完全に支配出来る絶好の機会でしかなく本格的に自我を支配されてしまった花夜は、身体こそ器として機能しているものの〝花夜だった頃の感情〟は殺されてしまいます。
つまりそれは、〝今までその身体で人生を送ってきた狐塚花夜という人物の死〟を明確に意味しました。
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皮肉な事に花夜も春本と同様に二度殺された事となります。
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ルイは間に合わなかった悔しさ、無力感に打ち拉がれると共に花夜の死にショックを受けながら改めて思い知ります。
「俺を殺してくれ」という花夜の願いは、花夜自身の肉体を苗床にし芽生え咲いた〝トケイソウ〟を苗床である自分諸共「殺してくれ」という意の〝遺言〟だった事を。
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途端、春本目掛け〝トケイソウ〟の攻撃が空気を劈き飛んで来ます。我に返ったルイは、唐突な事で反応し切れなかった春本を庇って聖剣で攻撃を斬り裂くようにして防ぎました。
その様子を見た〝トケイソウ〟は不気味な嘲笑を響かせて間髪入れずに立て続けに春本を、そして彼を庇うルイに対し容赦の無い攻撃を浴びせます。〝時間〟と〝時空〟を支配し操る彼奴の攻撃は一切の隙を赦さず二人に襲い掛かります。
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しかし負けじとルイも、オズウェルの元で必死に習得した光属性の魔術、そして聖剣を応用した〝時間〟と〝時空〟を従え操る魔術で彼奴の神々しく禍々しい猛攻に応戦します。
また都合良く〝巻き戻し〟が発生する保証は何処にも無い。ここで〝トケイソウ〟を食い止めなければ自由の身となった目の前の狂気による被害は外部にも及んでしまう。
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負けられない。前世界線での惨状を繰り返してやるものか。
強い意思がルイを奮い立たせます。今度こそ春本を守る為。
そして己に思いを託した悲しき男の末路に終止符を打つ為。
今一度ルイは聖剣を〝トケイソウ〟に向け構えます。
「〝お前〟の顔は、嫌という程とても鮮明に覚えている」
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呼吸をも許さない目が廻るような激しい攻防。互いに身体中を刻まれては負傷する直前に〝時間〟を〝逆再生〟し、傷痕を塞ぐ為に血肉を〝戻して〟再び立ち向かって、今度は背後や目の前に回り込まれては〝時空〟を操り逆に背後を取り、そうやって繰り返しては死にかけて、また血飛沫や激痛を〝無かった〟事にするかのように〝時間〟を〝戻して〟は戦って、戦って…
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〝トケイソウ〟にとっては愉しい��し合い、ルイにとっては春本を守る為…そして前世界線の春本と、〝トケイソウ〟に支配されてしまった花夜の仇を討つ為の最終決戦が廃墟を崩壊させる勢いで繰り広げられます。いえ、本来ならとっくに崩壊しているはずなのです。しかし崩壊せずルイの足場を保てているのは裏で動いていたオズウェルが駆け付け防衛結界を展開していたからでした。町外れの廃墟とは言えど、これだけ騒々しければ外部から様子を見に来る者が絶対に訪れる。被害を最小限に抑える為、結界を展開して状況や音が外に伝わらないようにしたのです。これらの心配は要らないという意味と、ルイを激励する為にオズウェルは抗争の渦中にいるルイにも聞こえるように、滅多に張り上げる事の無い自身の声を大にして叫びました。「全力でやれ!!」
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オズウェルに着いて来たラブリーちゃんも防衛結界を展開し続ける彼のサポートに回り、オズウェルの魔力を少しでも補うように自身の魔力を注いだり結界を発動し続ける負担により負傷し始めたオズウェルの掌を、微弱ながらも回復魔法で塞ぎながら彼女も祈るようにルイを応援しました。
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この時にオズウェルとラブリーちゃんとの初の面識となる春本も、ルイの知人である彼らの協力に感謝を述べ自身も全身全霊を込めてルイの一番傍でサポートに徹しました。
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前世界線の自分は何処か諦めていた。生きる事を放棄し〝父親〟とよく似た彼奴の手により命を落とした。
〝嘘〟や〝裏切り〟幼い頃から〝人間の闇〟に触れ続け、この世界に〝光〟なんてものは無いと春本は思っていた。
しかし今は〝ルイ〟という少年の小さくも大きい背中を見て強く強く思う。「絶対に生き延びてやる!」と。
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そんな果て無い地獄のような闘いも佳境を迎えます。
決着をつける為〝トケイソウ〟はルイだけを攫い、自身が創造した異空間に彼を強制的に転移させました。春本達のサポートも、ルイの名前を叫び無事を祈る声も届かない…。
その連れ込まれた空間は真夏のような暑さ、そして暑苦しさを増長させるような喧しく響き木霊する蝉の声…
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「結婚記念日も近かった真夏日。蝉時雨が耳を劈いた猛暑。」
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そこには、かつて花夜が妻子を失った日を思わせる景色がルイの目の前に広がっていました。しかし見渡す限り恐らく花夜の出勤先であったであろう会社が含まれているビル街を始め建物の殆どは倒壊しており、不自然に中心部に佇む〝廃神社〟からは一際目立つ巨大な白い鳥居が不気味に…それ以上に悲壮感を漂わせ朧気に傾き聳えていました。
何処か物悲しく退廃的で現実味を感じない景色は〝花夜〟が遺した精神世界を走馬灯のように創り出していました。
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しかし感傷に浸る間もなく〝トケイソウ〟の最期の切り札がルイに襲い掛かります。敵の手中である異空間内で始まる正真正銘の一騎討ち。霊妙で神秘的でありながらも禍々しい悪夢のような超巨大な一輪の妖花を〝器〟としての役目をも終えた花夜の遺体から開花させて捕食するようにして取り込み、本性を現わにして咲き誇り舞い狂う姿は〝邪神〟を彷彿とさせる形貌でありました。
雌蕊の箇所を秒針、雄蕊の箇所を時計数字として開花した超巨大な時計塔のような其れは、崇高で神聖且つ荘厳で邪悪な霊力を纏い咲き後光を満開の花弁に煌々と注いでルイを抹殺する為に全霊力を解き放ちます!
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気持ちを逸らせる秒針が地を囃し空間内を揺らす中、ルイも己が引き出せる全魔力を解放し全身傷だらけになりながらも、沢山の想いを込めて握りしめた聖剣を決してに手離さず〝トケイソウ〟と対峙します。聖剣もルイの想いに応えるように王冠の如く光瞬きます!
少しの隙でも与えれば解き放たれた霊力に貫かれ、足を止めれば背後から迫り狂う無数の根子に捕まり四肢を捥がれてしまう。ルイは漆黒のマントを翻しながら素早く空間内を駆け巡り、当たれば致死量を超え即死であろう攻撃を幾度となく振り切り避け続けて遂には〝トケイソウ〟本体をも駆け昇ったルイは、彼奴の〝核〟となる花弁の中央…雌蕊と雄蕊が、時計の如く不気味に変化し蠢き開花する頂点へ達し、そして…!
これまでの〝全て〟を聖剣に込め、想いを乗せたルイは〝トケイソウ〟に裁きの刃を突き立て〝核〟を破壊し永遠とも思えた永き死闘に終止符を打ったのです。
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壊れた目覚まし時計のように、絶叫を喧騒に響かせながら朽ち逝く〝トケイソウ〟の最期を、主を失い崩壊し始めた空間の中でルイは瞬きせず最後まで粛々と看取りました。
その少年の背は〝第七王子〟の風格が確かに在りました。
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花弁が舞い散り降り注いでは淡い光を放って消えていく中、最終形態となった〝トケイソウ〟に取り込まれいた花夜の遺体も解放され、光と共にゆっくりと地面に横たわります。
すぐさまルイは駆け寄り、もう心音も呼吸もしない花夜の片腕を自身の肩に担ぐように引っ掛け、空を斬るようにして聖剣で空間内の時空を切り開き崩壊に巻き込まれる前にと満身創痍の体で最後の力を振り絞り急いで脱出を図ります。
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しかし、どれ程に頭で分かっていても体は限界を迎えておりルイは足が縺れ、激しい崩壊が止まらない空間で倒壊した建物の下敷きになりそうになってしまいます。花夜の遺体を庇いながら自身の死を覚悟してルイは強く目を瞑りました。
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ですが次の瞬間ルイが体に受けた衝撃は予想外のものでした。圧死する激痛では無く、軽い痛みと浮遊感…
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体力の限界から気を失いかけている朦朧とした意識の中でルイが最後に見たのは、先程まで確かに遺体だった花夜が支えていたルイの元を離れ、崩壊を背に立つ光景でした。
不機嫌そうな…しかし何処か困ったような表情をした彼は、開かれた時空に向けルイを蹴っ飛ばし文字通り重荷となっていた自身は空間内に残る形で半ば強引に有無を言わす隙も与えず脱出させ逃がしたのでした。
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■■エピローグ■■
気絶した状態から目醒めたルイの視界に先ず飛び込んで来たのは、目尻を赤らめ大きな瞳をうるうるとさせルイに抱きついてきた春本の頭でした。嬉しそうにルイの名前を呼ぶ度に揺れる柔らかな髪を優しく撫でてやると、春本の声に継いでルイの元に駆け寄ったラブリーちゃん、その様子を見守っていたオズウェルもルイに優しく声を掛けました。
暫くの間、皆ルイが生きて帰ってきた事を喜びルイも手当を受けながら彼らに感謝の言葉を述べました。
それぞれが落ち着いたところで、ルイは〝トケイソウ〟に連れ込まれた空間を脱出する際に花夜?が助けてくれた事を皆に伝えます。素直に驚くラブリーちゃん、驚いた後に怪訝な表情を見せる春本、顎に手をやり何か考え出すオズウェルといった具合に各自が見せた反応は様々なものでした。
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念入りに花夜の霊力の残滓を確かめた春本とオズウェル。
春本は何かを察した後、それ以上確かめる手を止めて外の空気を吸ってくると告げ廃墟から出て行ってしまいました。
ルイは心配そうに出て行く春本の顔を伺いましたが、意外にも彼は吹っ切れたかのような何処かスッキリとした表情をしていました。春本が出て行った後、夜風に紛れ運ばれた煙草のライターが灯る音が微かにルイの耳に届きました。
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一方、同じく何か察した様子のオズウェルは腕を組見直し〝トケイソウ〟のような脅威は感じられないと断言した後、何とも言い難いといった顔で眉間に皺を寄せ、溜息を一つ零してルイに向き直ると彼に一言忠告するのでした。
「 些か〝面倒な事〟になるぞ 」
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実際この後面倒な事になり〝花夜?〟が再構築した空間内に強制的に招かれたルイは約半年ほど、魔力を制限されてしまった状態で花夜の住む屋敷に監禁されてしまいます。
最初こそ手足を鎖で繋がれたり散々でしたが一ヶ月のうちに和解し軟禁に変わりました。そういう問題ではない。
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後にブチ切れた春本が無理矢理空間内に侵入し執拗に展開された結界を蹴り倒すようにして破壊して迎えに来ました。
しかし、この数ヶ月後にルイと花夜が入籍する為、春本は更に引っ繰り返るのでした。しかし何処か嬉しそうに。
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最終決戦後の花夜?の正体は器であった〝狐塚花夜〟と彼を苗床にし狂い咲いていた〝トケイソウ〟の意識が混合している状態であり、二重人格の時とは似て非なる一つの人格に二人分の意識が混同している状態です。最初の頃は〝トケイソウ〟の面が強く感情の起伏が大変激しい状態が多く、傍から見れば精神的に不安定に見える行動を��繁に起こしルイに対しても辛く当たる事が有りましたが、彼の優しさに触れ絆され段々と本来の〝狐塚花夜〟の面が色付き開花するように戻り咲き現在の花夜に至ります。
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因みに今でも〝トケイソウ〟の面が強く出ているとルイの事を「餓鬼」や「クソガキ」と呼びます。名前も素直に呼ばずにルイの旧姓である「ルドベキア」と呼びます。〝花夜〟曰く、照れ隠しであるとの事。和解後のトケイソウは所謂ツンデレであり、意識を共有している花夜と同じくらいルイに惚れている又は僅差でそれ以上に好きなのですが、比較的ルイには素直に気持ちを伝える〝花夜〟と違い、こちらは思春期の青少年の如く完全に拗らせている為ルイと愛し合う時等は大体〝花夜〟に交代しており自身は意識の隅っ子の方で寝てるらしいのでした。本当に寝てるのかは神のみぞ知る。
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因みに春本は今の花夜≠以前の花夜の認識で接しており些か素っ気無いのもその為。花夜の方も〝トケイソウ〟に近い面では、春本への憎悪に近い感情が未だ根強く残っている為か厳しい態度をとりがち。とはいえ本来の〝花夜〟である部分もしっかり残っており、鎮具破具ではあるものの優しく接しようともしているのでした。しかし優しくしたらしたで春本に気持ち悪がられるので理不尽というのか何と言うか…現在は軽く口喧嘩出来るくらいの仲になった二人です。
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余談ですが決戦前夜に浜辺で春本が作っていた〝砂の城〟は〝自分の家=家庭〟を現し模して作っていた物。蹴っ飛ばし崩したのはそれが無くなったからでした。しかし、ルイが十八歳を迎え花夜と正式に入籍し結婚した現在、春本にも〝新しい未来=彼らの養子〟がひっそりと加わりました。
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この辺に後ほど春本のプロフィールを追記します!!(時間切れ)😭🙏
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画像だったりリンク先だったりと行き来させてしまい申し訳ない;本当は全部画像にしたいのですが転載の枚数制限が一つの記事にて10枚でして、リンク転載の際にで写るサムネで何とかそれっぽくしてる感じですorz(リンクも同様に10が転載の制限なので実質20)有難うtumblr…!最近めっきり忙しくなり、なかなか創作に手を付けれなくて先延ばし先延ばしになってしまいました…誤字脱字とにかく酷い😱と思いますが一旦はこれで載せたいと思います!ではでは〜!
(2022/01/31)🌻
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trumpq · 3 years
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【パトリック・バーン】 2021/1/28 3:27 JST
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次回作に向けての作業中。盛り上がってきました。 きっと興味が湧いてくるはず。 一日じゃ時間が足りない。
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オッケ、お待ちどおさま。11月3日(選挙日)から12月23日(フリンとシドニーと私がホワイトハウスを潰した時)までの期間をカバーする9000語。 https://www.deepcapture.com/2021/01/november-3-december-23-all-the-presidents-teams/
※パトリックさんの筆がノリにノリまくってしまったようです。  最高に面白いです。
※今回原文はリンク元から参照してください。ひとまず全文の機械訳を。
DJTはいかにしてホワイトハウスを失ったか 11月3日~12月23日 大統領の全チーム 2021年1月27日 31分読む
私とシドニーの関係については あまり多くを語るのは 控えようと思う。一つには、時間が経つにつれて私が彼女のために働き、彼女が質問に答えるのを助けるような関係になった。そして彼女が私の弁護士になったような関係になった。それが何であれ、時間が経つにつれて関係は特権が確実に適用されるものになっていった。人は特権を選択的に放棄することはできないし、他の人に「特権」を主張しながら、共有したいものだけを共有することもできない。私はそれを知っている。しかし、私が言えることは、私たちの関係は、私が情報を持って路上を歩いているだけのボランティアから始まったということだ。
しかし、ジュリアーニ市長は私の弁護士にはなってくれなかったし、私の究極の目的、私の唯一の本当の目的は、11月3日から1月6日までの間に起きた出来事を、私が構築できる限り正直に表現して市民に届けることなので、私の説明にはそれほど制約を受けることはない。それは歴史的に価値のあることに思う。
彼らは私をビジネスマンだと思っていたが、 私としては、 私はこのウェブサイト「Deepcapture.com」の所有者であると自己紹介した。私は、このサイトが2008年のビジネス調査ジャーナリズムで数々の賞を受賞し、米国内の汚職に関する最高のジャーナリズムにも選ばれていることを指摘した。 私は人生の中で他のことをしてきたかもしれないが、それに加えて私はジャーナリストであり、ジャーナリストとしての権利を持っている。つまり、私は調査したいことを調査することができ、私がどのように物事を学ぶかについて多くのことを明らかにする必要はなく、もし私がシドニーやルディのような弁護士と私の調査結果のいくつかを共有したいと感じた場合、それはこのウェブサイトが物事を調査し、そのような弁護士や法執行機関とその調査結果を共有してきた他の数十回と何ら変わりはない。
シドニーとの最初の出会いは、おそらく45分ほど続いた。オフィスビルの半分ほどが空いたスペースに、実質的に一人で座っている彼女と、たぶん同行してきたアシスタントの後輩弁護士を見つけた。彼女は知識が豊富で、心の広い人だった。私が到着したときには、人が言葉を交わしたばかりのときのような奇妙なヒリヒリとした空気が漂っていた。私たちはすぐにビジネスの話に入り、彼女が物事を把握していることが明らかになりだした。彼女は、これらのシステムが作られた初期の頃の人々と連絡を取っていて、すぐに彼女は、私たちがある程度の知識はあってもあまり知らない物語の一部(主に機械の起源とその設計上の欠陥の理由)をカバーしていることを教えてくれた。一方で、私たちが選挙後の3日間に私たちの側がすでにデータから導き出したことを確認すると、彼女は私たちが言っていることに理解を示し、私たちは互いにすぐに彼女がすでに知っていることと物事を結びつけることができた。 それは非常に生産性の高い最初の会話で、彼女は私に、オフィスの反対側に行く必要がある、ルディを見つけて、すぐに私と共有したすべてを彼に伝えるようにと言って話を終えた。
サイバーバディと私はオフィスビルの反対側のルディの側に行った。そこが作戦の中心だと理解していた。
何を見つけたかの説明。私が予想していたのは、弁護士と専門家がいる司令部だ。専門家たちは統計的な仕事をして、導いた答えを弁護士に伝えたり、前に説明したような変則性のある調査を通知されていたりするだろうし、法律が確かに定めた策は何でも利用するだろう。思うに戦争ボードがあり、問題のある州には、関連した日付や進捗やすべきことのすべてが洗い出されているだろう。各州とキャンペーン本部には当然、情報ループがあって、経過の進捗を受ける日々会議電話があるだろう。76歳の一人の紳士が管理するにはかなりの量になるかもしれないと思い、ルディには強力な最高執行責任者(COO)がいるのではないかと想像してみた。私が見つけたのはこれだ:
2割が空席で、さらに3割が机を片付けていた。
ある会議室には、テーブルを囲み、大勢の弁護士が集まっていた。そのうち少なくとも3人は優秀だった。これら弁護士は作戦のラバだった。彼らはそれぞれ1つ以上の州を割り当てられていた。しかし、州レベルかそれ以下のレベルでは、 調査や地元の弁護士が起こした訴訟が、有機的に湧き上がってきていた。私は、ルディの法務チームと選挙運動スタッフの間には、オフィスの1階の2/3を共同で占めていたにもかかわらず、コミュニケーションが0であったことを知ることになった。また、選挙運動のスタッフと地元の団体や弁護士の活動との間にも、コミュニケーションは0だった。それが法的な理由なのか、それとも彼らのやり方なのか、私にはわからなかった。 やがて、後者だとわかってきた。
凡人(メディオクリティ) - 私はそれについて意地悪をするつもりはない。例えば、私はこの人物の性別やその他の詳細を明かすつもりはない(弁護士であり、かつてはもっと有名な政府機関でキャリアを積んだ人を想像してほしい、と言う以外に)。しかし、その凡人がいかに恐ろしいまでに暴走したか、そして凡人の振る舞いが驚くほど破壊的だったのかを考えると、私は単純に「凡人」と呼ぶことにする。
司令官 - ブレイキングバッドのマイクを思う。典型的な警官。タフで、正確で、礼儀正しいが、常にポーカーフェイス、死んだような目。会議では口元は手で覆い何も言わずに座っている。何かを聞かれると口を開くかもしれない。彼が口を開けば必ず何か非常に知的なことを言うだろう。疑問に思うのは、「なぜ彼は自分の意見を自分の中に留めておこうとするのだろうか?」ということだ。
市長 - ルディ・ジュリアーニ。私は1980年代後半をニューヨーク市の病院で過ごしたが、ミッドタウンのステーキハウスやブルックリンの店の外で時折マフィアの殺人事件が起きていたのを覚えている(ビジネスには常に良いことだと言われていた)。ルディは当時は連邦検事であり、マフィアをその後解体した。時と場所が重なっていたからこそ、いつも彼に親近感を覚えていた。9/11には「アメリカの市長」になった。その後も何度か会ったことはあったが、いつ会っても私のことを覚えている気配はなかった。ウォール街と戦っていた時は、彼の警備会社が私のために問題を処理してくれた。彼が覚えているかどうかは疑問だが、十数年前に彼が大統領選に立候補してユタ州を通過したとき、地元の共和党員が私に電話し、なぜか私はユタ州の大きな家の集会で彼を紹介するように頼まれた。私は彼のことを調べて、車を走らせ、ルディ・ジュリアーニについて30秒ほどの短い紹介をした。後を継いだ彼と握手を交わし、これが彼の政治家時代の私とルディ・ジュリアーニとの接触のすべてだ。
その日の質疑応答の中で感動したことを覚えている。頑固なプロライフの具温州から中絶についての質問があった。ルディは質問に対し、「いいえ、女性の中絶を犯罪化する法律は絶対に支持しない」と答えた。「中絶に関する法律は常に医師の活動に向けられてきたが、母親に向けられてきたものではない。中絶をしたからといって女性を刑務所に入れるようなことは絶対にしない。それが君たちが求めていることなら、私は君たちの男じゃない」彼はその瞬間、聴衆の2/3を失ったが、政治家にしては珍しい率直さに敬意を表しただけでも、私を含め、1/3の尊敬を得た。
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それから12年後の金曜日の午後3時頃、私はトランプ陣営と、2020年選挙で表面化した不正を調査、対処し、挑戦するためのルディ・ジュリアーニを中心に結成された法律事務所が共有している、オフィススペースに足を踏み入れた。
それは私が期待していた(上記で説明したような)組織、つまりデータ収集から意思決定、情報のループを経て、地理的に分散した大規模な労働力を成功裏に運営する組織、とは全く異なっていた。法律事務所というのは、いずれにしても管理の悪いビジネスであることは有名だが、そのオフィススペースの中で形作られた法律事務所のキャンペーンスペースは、特にクソみたいなものだった。人々は会議から会議へと漠然とさまよった。私が見た会議は、議題もなく、形式もなく、明らかな緊迫感もなく、自由討論のように運営されていた。
約45分以内に私はルディと30分話すことになっていた部屋に案内された。肉体的には、彼は、私が覚えているよりも祖父のような感じで、少し背筋が伸びていて、鋭くて、いらいらしていた。私はその時点で理解していたことの概要を注意深く説明した。その概要とは、MITの数学博士シヴァ博士による発表や、セス・ケセルによる解説を受けて読者が得るであろうもの、さらには上記にすべて参照される、穴だらけのセキュリティを抱えた選挙ソフトウェアに関する話の一連。私は彼を圧倒することを恐れていたので、単純化しようとした。私が話すあいだ、彼は時々自制的にうなり声をあげており、腑に落ちているのかどうか判断するのが難しかった。わずか10分後、ルディは一緒に座る私の正面で複数の携帯のメールをチェックし始めた。アシスタントの一人と会話し、誰かに使いを送らせる、または報告を受けていた。ほとんど注意を向けてくれない人と話をするのは不思議な感じだったが、横に座っている司令官が、そのまま続けるように合図をした。30分も経たないうちに、事務所の外に案内されたが、ぶらつくように言われた。
結局、ジュリアーニ市長と一緒に小部屋に戻され、再び、起きたことについての説明を求められた。私はさっきの説明で彼を圧倒したかもしれない、木を見て森の中で迷子にさせたかもしれないと��付き、76歳のおじいちゃ���のためにするよう簡単にゆっくりと説明した。またしても5-10分もしないうちに、彼はそわそわしだし、時にうなり声をあげ、関係のない用事で人を送り、複数の携帯でメールをチェックし、返信を打ち込んだ... その間、私は軌道に乗ろうとした。しかし、15分後、あの小さなオフィスで何かの匂いを感じた瞬間があった.... 薬?酒?匂いを嗅いで突き止めようとしていた矢先、誰かがまた関係のない問題を抱えて駆け込んできたので、オフィスから追い出されてしまった。
私は再びスタッフの間を歩き回ったが、ほとんどのスタッフは何が起こっているのか何も知らないと公言しており、他の多くは机を銀行の箱に詰めていた。戸惑いながらも、複雑に入り組んだオフィスの中をうろうろしていた。30分後、ホールの下にある別の会議室の外を散歩していると、ルディの聞き覚えのある声で「...こいつの言っていることが全く理解できない.... 」と出入口から聞こえてきた。驚いて角を見回すと、 ルディが移動先の会議室内で、たまたま信心深そうに座るスタッフがいるどのグループにも話しかけていた。
廊下で何人かのスタッフに引き止められた。うちの一人がジュリアーニ市長が必要としているのは、1ページの要約だと言った。非常に簡略化された...1ページ。
別の一人は、グラフとデータを添えて、と付け加えた。
別のもう一人がしゃべり始めて、箇条書きにしてくれと言った。市長は箇条書きが好きなんだ!
しかし、1ページ以上はダメだ!最初のを繰り返した。
卑劣に捉えられるのを承知で言うと、私は侮辱された。凡人と、書き方に意見したりそんな愚かなアドバイスをくれるような20代のスタッフらによって。私は週末までに彼らに何か得られるよう約束した。48時間。私は一つのお願いをした。他の要求については、彼らのうち担当者にした一名を介し、私の指名するサイバーチーム内の一人に電話をかけて調整するべきだと。そうやって組織ができれば、要望に沿った成果物の追跡も維持できるので、すべてクソみたいなショーにならないだろう。
そして、私はその場を離れ、車でDCに戻った。その日の夜遅くまでに、私はルディのチームの別々の人物から、[バッドニュース・ベアーズ内の※ココ後から削除された]多才な私の同僚たちに、3つの異なるオープンリクエストがあったことを知った。一人はこの種の要求の処理を進ませるだけ、一人はその種の要求をただ処理したいだけ。...そしてクソショーが始まった。
あの広くて溶けそうなオフィスの全員が無能だったと主張したいわけではない。言ったように、有能で熟練した弁護士が3人(出入りしていた憲法学者を含めれば4人)いた。[それから、先輩アシスタントのふるまいをするスーパーモデル並みに可愛い21歳がいた(最初「見栄えが悪くなったな、ルディ」と思っていたら、今まで会った中でも彼女がアシスタントとしてもすばらしく有能だったからだと思い直したほどだ)※ココ後から追加] しかし、その雰囲気は絶望的なもので、リーダーシップはゼロ、スタッフは闇をさまよいうろついていて、会議は組織化された規律あるものにほど遠い2年生の自由討論のようだった。
以降、何人かの[堅実な※削]スタッフと数週間にわたって時折連絡を取ったことで、私は自分が到着する直前のあの日に何が起こっていたのかを知った。ルディは「君たちは法廷で選挙不正を証明することはできない!」と断言していて、それは法的戦略の一部にはならないだろうと強く言った。戦略は、手続き上の理由で挑戦することになるだろう、と。「この州のこの郡は、ある規則を持っていたが、同じ州の他の郡は、別の規則を使っていた」「それは、修正14条の正当な手続きと平等の保護に違反する」 私が到着する直前に、ルディとシドニーの間で大爆発が起き、ルディは数十人のオフィスの前で、シドニー・パウエルを怒鳴りつけて彼女を追い払った。この件は選挙詐欺に関わることではないと宣言し、彼の弁護士に手続きのための書類作成をさせた。後日、ルディのチームからの参加者から聞いた話では、当初ルディはそこまでしたくなかったとのことだった。彼は3つの州で多かれ少なかれ形だけの挑戦をして、それで終わりにしたいと思っていた。シドニーの「大局を見失っている」という固執が、最終的には少しだけ手を緩め、より攻撃的な姿勢を取ることを許してしまったのだ。しかし、それでも、選挙の不正行為や大量の不正操作の可能性については何も話題にならなかった。ルディはフィラデルフィアの投票で数百人の死者が出たという話は大目に見ていたが、それ以上に複雑な話は聞きたくなかった。
選挙が終わって数日後の金曜日の午後、私は偶然にもシドニーに出くわした。彼女は私をルディと話しに行かせていたが、新しい形の選挙不正行為の可能性についてルディと話をした。 ルディはそのことを何も処理していなかっただけで、だからこそ彼はフィラデルフィアで投票した何人の死者がいると思っているのか、私と話をしようとしていたのだ。
その週末、シドニーは彼女の優秀なジュニア弁護士の一人を送り込んで、私とドルフィンスピーカーの数人と一緒に座ってもらった。そのジュニア弁護士は30分滞在することを予想していたが、1時間半後、彼女は隣の部屋に入り、シドニーに電話した。彼女はシドニーに、私たちは商品を持っていること、あるいは様々な州、さらには特定の郡で何が起こっていたかについて、少なくとも十分に理解していることを伝えた。その時点から、私たちとシドニーとの関係は完璧なものとなった。そして、彼らはその資料を自分たちの弁論に取り入れ始めた。
それはそうとしても、私とシドニーがどのように仕事をしていたかについては、これ以上は言わないことにする。
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マーク・トウェインはかつて、友人への長い手紙の最後に、「もっと時間があれば、もっと短い手紙を書いていただろう」と書いている。 市長のオフィスで市長に会ってからの2日間、私には時間があった。日曜日の午後には、私が作成することができる最も単純化された1ページのアカウントの仕上げを行っていた。私の目的は、今回の市長は木の森を見失うことなく、簡潔な1ページで全体のストーリーを把握できるように、ストーリーを簡潔にすること。その時点で、彼が全体像を理解すれば、副請求の各項目に飛び込むことができる。しかし、最初にルディは1ページのブリーフィングを読んで吸収する必要があった(実際には1ページの80%程度にとどまった)。 それは、私自身が言うならば、達成されうる限りの純粋な蒸留物だった。ルディがそれを理解してくれたら、自分たちがどこにいるのか合意したら、他の関連する州のグラフを追加して補足しようと考えたからだ。集まっていた宣誓供述書は、それぞれのポイントを記録するために提出した。そして、そのようなことを繰り返した。しかし、今回は、這って、歩いて、走って、の繰り返しだった。
日曜の夜11時に電話があり、ジュリアーニ市長とその側近がジョージタウンのレストランで食事をしているので、私が書いたものを持って行ってもいいかと言われた。私は服を着て向かったが、到着すると彼の警備員はバーに座って待つよう指示された。市長の個室から誰かが出てきて、市長が私に、私が彼のテーブルに戻らないように頼んだと言うまで、私は45分間そうしたが(警備員はなぜか私のことを心配していた)、結局私の書いた紙を個室に送るように頼まれた。私はそれを送って帰った。
後日、その部屋にいた二人から、私の書いた紙が届いた時のことを聞いた。
まず、午後11時30分から午前1時までの90分間に、ジュリアーニ市長はトリプルスコッチ3本を氷の上で飲み干した。9ショットのアルコールだ。この話に関連する人々は、彼が11時半以前に何を飲んでいたかを保証することはできなかった。
第二に、ルディは皆の前で私の新聞を取り上げ、45秒ほど読んだ後、"あとでやる "と言って新聞を脇に置いた。
三つ目は、凡人がテーブルにいたこと。凡人は1つのポケベルを手に取り、ウンコのように指の間に挟んで、笑いながら発表したらしい「バーンは週末ずっと働いていたのに、これだけ書いているなんて信じられる?」
9時間後の月曜日の朝10時、ルディ・ジュリアーニはシドニー・パウエル、ジェナ・エリスとの共同記者会見に登壇した。ルディは状況の概要を説明した後、シドニー・パウエルを紹介し、誰もがまだ理解していない規模の大規模な選挙不正行為の可能性について議論する予定だった。それは、ここで投票した数百人の死者や数百人の転居ではなく、より深い何か、システマティックなものだと..... 前例がない
計画通りに行くのではなく、ルディ・ジュリアーニは気が散って、夢中になって、40分間ステージの周りで、何百人もの死者がここに投票していたか、どのように違法な人々がそこに投票していたかについての彼の方法をハァハァとパフした..... 彼はおじいちゃんのように自分自身を働かせ、彼が何日も作っていたすべての同じポイントを繰り返すように、髪の毛は彼の顔の両側を走って死んだ、気づかれずに。
その9時間前、彼は90分かけてウイスキーを9杯飲んでいた。 ——————————————————————————————————
もう一つ、ルディの事務所内で当時の話が出てきた。あるペンシルバニア州の弁護士(女性)が、ペンシルバニア州でのファイリングの仕事を引き受けていた。彼女は反対するカークランド&エリスの弁護士から、あまりにも脅迫的で、プロ意識のないメッセージを受け取ったので、カークランドは後にケースINSERT CLIPeから撤退しなければならなかった。震え上がったペンシルバニアの女性弁護士は、提出書類の草案を提出したが、代理人を辞退した。ルディは、ペンシルバニアのファイリングを終わらせてくれる会社を一晩で探さなければならなかった。ついに選挙経験のあるテキサスの弁護士を見つけ、それを完成させ、ペンシルバニアに提出させた。選挙詐欺については言及されておらず、代わりに手続き上の平等保護の議論に焦点が当てられていた。ルディは、それを弁護するためにペンシルバニアの法廷に向かう途中でしか目を通さなかった。 彼はペンシルバニアの法廷に入り、破壊された。
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ルディのチームから電話があった。翌朝ジョージア州に コンピュータ科学捜査の専門家が必要だと。彼らには 『悪用』できる投票機へのアクセス権が与えられていた。問題のライセンスを持ち、認定されたコンピュータ・フォレンジックの専門家たちは、「機械はどこにあるのか?どんな機械なのか?選挙機器の改ざんやいたずらは連邦の重罪であり、どのような法的権限の下で運営されるのか?あらゆる種類の法の執行機関は、後に発生するかもしれない証拠の連鎖の疑問のために、取られたすべての行動を確認し、文書化するのか?」
ルディのチームの反応は 「全てをカバーしている。ジョージア州に行け!」
不安に駆られて、必要な人たちをジョージア州の各地から飛行機に乗せた。彼らはある管区に連れて行かれ、そこで誰かが機械を検査できると漠然と約束していたことが判明した.... しかし、その人はその日そこにはいなかった。あるいは気が変わったのかもしれない。イルカスピーカー達は一日の大半を座りっぱなしでいたが、今度は裁判所の命令で特定の機械へのアクセスを許可している人がいると言われた別の管区に連れて行かれた。そのような人はそこにはおらず、敵対的な郡職員のグループがいた。ルディのチームが手配した弁護士が書類を持って現れるのを待っていたが、彼らは一向に来なかった。何時間も待った後、夕方になると、彼らは車を走らせ、通りを半マイル先の信号機に座っていると、17台のパトカーがライトバーを点滅させながら、彼らが去ったばかりのビルに向かって走っていくのが見えた。マイ・バッドニュース・ベアーズはすぐに、そして無事に巣穴に戻っていった。
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同僚の何人もが、1ヶ月半の間、午後や夕方にルディと時々交流していた。それは、彼が毎日のポッドキャストに過度の注意を払っていたことと、もう一つは彼の飲酒だ。夕方に彼と一緒にいた人たちや午後に彼と一緒にいた人たちには明らかだったことがある:彼は常にクソみたいな顔をしていたのだ。彼自身のスタッフがそれを私たちに話していた。確かに毎晩、あるいはほとんど毎晩、そしてほとんどの午後。それと彼のポッドキャストがルディの人生の唯一の保証だった。
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さて、話を進めて、その代わりに、これまで私がほのめかしていたことを述べてみまよう。選挙後の数日間、人々は国中から連絡を取り合っていた。多く���場合、様々な州の人々のネットワークがあり、投票所で経験したこと、言われたこと、投票監視員が経験したことなど、リグの様々な側面に飛び込んできた。これらの人々は私を見つけるために代表団を派遣した。間もなく、さまざまな出来事の目撃者が飛び込んできて、私を見つけた彼らのネットワーク「リーダー」が現れた。全国各地からボランティアが集まり、その多くは軍や法執行機関での経歴を持つ者であり、ブドウビンを通じて連絡を取り合い、どんな形でも助けてほしいと頼んできた。他の政治的な問題が進行している間、私は同時に、ルディのオフィスで見られると思っていたものを作っていた。ある種の「作戦」だ。サイバー・ガイはすでにいたし、クアンツもいた。内部告発者や関連記事を持つ者多くが、私を探しにDCに飛んできたので、街中のホテルに作戦を仕掛けた。軍将校出身のボランティアの中から、私たちは報告者を見つけ出し、彼らが個人的に専門的に内部告発者や目撃者と会い、彼らの話を聞き、要約を作成するシステムを作った。彼らは、サイバー担当者や他の情報源からの情報をもとに、それらの情報をつなぎ合わせ、11月3-4日に何が起こったのかを、より詳細に把握するための情報を構築していたのだ。
その数ヶ月の間のどこかで、フリン将軍と私は電話で会っていた。私たちの間には、数十年前に私たちの人生の両方で役割を果たしてくれた故人という、奇妙なつながりがあった。マイクとの会話は、別の起業家と会って話すようなものだった。ある時点で彼は現場に到着し、私は様々な方法で集まった才能の集合体について彼に話した:サイバーマン、クアンツ、私たちのサークルへの目撃者と関係者の流れ、複数の報告者の構造、私たちの情報の流れは、すべてをまとめるアナリストのサークルに戻ってきた。 私は、マイクの到着を想定して、全体の構造を大まかに作っていた。彼が到着すると、私の鍵は彼に渡ると理解した。
私は彼から、その構造物の上部をDCから遠く離れた場所に移設してほしいという依頼を受けた。情報の流れは、国中のネットワークを通り、報告者やレポートライターの毛細血管を通って、中央の分析ステーションに入ってくる。ほんの数メートル先には、弁護士でいっぱいのオフィスがあり、私たちが作成している情報を法的に取り入れる役割を果たしていた。私が本能的に構築した構造は、彼が仕事をする法律チームに接続することを望んでいた。私たちは、シドニーとルディの二人が、この仕事の成果を得ることに合意した。
彼が要求した場所に構造物を移動させた。そこには弁護士のチームが配置されていた。しかし、彼らの周りには、役割のはっきりしない様々な人々がいて、私をゾッとさせた。ある元省庁の女性は、大柄で声の大きい女性で、弁護士ではないが、突然現れて、かなりのオーガナイザーであり、ゲートキーパーになっていた。もう一人の参加者は、軍人出身の生意気なイギリス人男性で、突然、自分がこの部屋とあちらの部屋の間のゲートキーパーだと宣言した。なんだか嫌な予感がしてきた。しかし、わずか二日後にフリンから連絡があった。私たちが合意したように(我々二人にとっては当然のことのように、ほとんど会話をする必要がないように見えたが)物事が立ち上がって大雑把になったところで、フリンから電話があり、私に飛んできて後を引き継ぎ、私がDCに戻って一般の人たちと話し始めたいと言われた。我々は、場所を変えながら、ある場所で1時間ほどすれ違うことに合意した。
私は出発の準備をした。私は生意気なイギリス人の男に、3つの重要なメッセージを伝えて欲しいとお願いした。出発前に会う機会のない人にね 彼は同意してくれた。私はそれぞれを簡単に言うと、彼はそれぞれの後に無造作にうなずいた。終わった後、私は彼に理解しているかどうかを尋ねた。彼はさりげなく「うん、全部わかった」と答えた。
「OK.じゃもう一度言ってみて」と私は彼に言った。彼はまばたきもせずに私を見つめた。「わかったって言ったからさ。もう一度言ってみてくれ」彼は実際には言葉を聞いていおらず、何も思いつかなかった。私はペンと紙を持ってきて「3つの覚書きを作ってくれ」と言った。彼はしぶしぶそうした。
何かの理由から、元省庁の女性を連れてDCに戻ることになってた。マイク・フリンが到着する場所に車で向かった。そこに着くと、彼女は横に抜け出して誰かに言った。自分が残るために何かを学んだんだと。フリンが到着して30分間一緒に駐機場で過ごした。私たちは追いついて同期した。キャンプにいたこのイギリス人について疑念を抱いてると彼に話した。周りをうろついてた元省庁の女性についても。それから私は去った。
次の日、DCに戻って知らせを受けた。元省庁の女性は滞在許可を得るために 嘘をでっち上げたと。それが何であれ、それは私が彼女に頼んだことに関係していたか、または彼女にしないように頼んだことに関係していたか、またはいくつかの調査、または何かだった:それが何であれ、それはでっち上げで、自分自身を振り向かせ、田舎のその作戦に留まるように再配置させるために作られたものだった。彼女は直面していて、豆をこぼした:彼女は実際には他の誰かのために働いており、田舎のその作戦に滞在し、スパイして報告することになっていた。彼らはまた、生意気なイギリス人の男と対決し、彼は決して折れなかったと思うが、私は彼がそこにいたすべての人の心の中に間違いなく関与していたと言われている。警備員は2人の登場人物を外に連れ出した。彼らが出て行った後、敷地内の重要な部屋のひとつに、ある種の装置が配線されているのが見つかった。
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今、これはすべての時間が無駄になっていたと言いたいわけではない。私が説明した情報の流れの構造は、私が粗削りにしたものだったが、軍事情報部でキャリアを積んだ三ツ星の将軍に引き継がれ、彼はそれをはるかに良くした。すぐに、それは洗練された分析、レポート、情報を吐き出し、シドニー・パウエルが書いていた報告書に情報を与え、それを埋めるようになった。 私たちは、提供されたすべての情報がルディにも提供されるようにした。
これが、私が引用したようなプレゼンテーションの背景だ。繰り返しになるが、素晴らしい例として、セス・ケシェルに注目してほしい。セスは元陸軍情報部の大尉で、私が先ほど説明した構造の中で重要な役割を果たした。セスは風変わりな男で、確かにスペクトルの中にるが、ポリサイエンスのジャンキーで、管区の数学が大好きだ。このリンク先は21分のビデオになっていて、私が大雑把に作ったものと、マイク・フリンが改良したものを使って自己組織化したチーム内で行われていた仕事の種類の優れた例を提供している。行われていた仕事の種類をよく理解するためには、このビデオの少なくとも一部を見る必要があると思う。
このビデオが再生されない場合は、以下リンクをクリックください。https://youtu.be/xXMW9VNMPT4
それでもDCに戻って、バッドニュース・ベアーズの友人たちと再会したとき、私たちは修復できない断絶に気づいた。 凡人がルディのチームとの接点になってしまい、何もうまく流れていないようにみえたのだ。11月26日、感謝祭の日に、我々はすべてのDCのレストランで一緒に座って、彼らの問題を議論していた。凡人は自分たちをピョンと思っていたようで、「ここに行け、あそこに行け」と説明もなく、「ヘイ、チームメイト、これが問題なんだよ、一緒に取り組んでいくんだよ!」という感覚もないまま、彼らに指示を出していたのだ。情報、計画、アクセスを超管理している。夕食の七面鳥を食べながら、彼らは私にかなり耳を傾けてくれた。彼らの話を信じるのに苦労した。その中には、本当に恐ろしい話もあった。凡人が異性の人や、もしかしたら同性の人を、その場にいる全員に恥ずかしい思いをさせるような方法で口説いていたのだそうだ(私の同僚の一人はある晩、凡人に会いに行こうと誘われ、ホテルのドアが開いたとき、凡人が下着姿で立っていたのだとか)。しかし、今は煮詰まっているという。「翌日には全員がミシガン州のアントリムにいるように」という命令がその日のうちに出ていたからだという。ここでも彼女は、彼らが正確にどこに行くのか、どのような機械に立ち向かうのか、誰の許可を得て機械を開けてハードディスクを画像化するのか、どのくらいの期間そこにいるのか、自分たちでレンタカーを手配するのか、などについての質問には何も答えなかった。そのどれもが説明されていなかった。凡人は、ミシガン州のあんなところやこんなところにいるとの情報を送ってきただけだったのだ。
人生はおかしなものだと思っていた私たちは顔を上げると、確かに私たちのテーブルからほど近いレストランを闊歩していた。私たちはお互いの目にとまり、すぐに凡人は私たちのテーブルの上に立って話していた。それは困った水に油を注ぐための良い機会だったと考えて、私は優雅に私の同僚の前で礼儀正しく会話をして、物事を元に戻すことを意図して、凡人を受け取った。
すぐに、話はミシガン州に変わり、私は午前中の約束の時間にそこに適切な人々を得ることができるかどうかを尋ねられた。私は、これを経営者としての成長の瞬間にしようと思い、「こういう依頼を受けたときには、もっと情報を得たほうがいいんじゃないか」と優しく提案した。同僚は「どこに行くのか?そこにいる人々は協力的なのか? どのような種類のマシンが利用されるのか?どのような法的権限があって、これらの投票マシンのハードドライブの一つを画像化できるのか?人々は宿泊するのか?レンタカーは提供されるのか?ジョージア州で起きたような任務に放り込まれる前の基本的なことだ」
「注目」と凡人は言った。感謝祭の晩餐会で私たちの上に立っていた。 「まず、あなたの会社の構造は何ですか?」
我々はお互いに見つめ合っていたが、そのことについてはあまり考えていなかった。我々は、お互いを見つけて、一緒に世界史的な犯罪のように見えたものを暴くためにしようとしていた人々の束だった。最後に私は言った「我々はバッドニュース・ベアーズだ。私がチームのコーチだ」と。
「オッケー パトリック」と凡人は続けた。「こういうことだ。『明日ミシガンに行く場所を伝えたぞ』でないと無理だと言ってくれれば、できる人を探すよ」
驚いて私は返事をしようとした。そしてさらに驚いたことに、お人好しが私の上で話し始めた「お前のチームに必要な場所を言っているんだ。もしあなたがそれを処理できないなら...」
経済学者の教授の友人が別の教授(左翼の人)にやっていたのを見たことがあるのだが、その人は(左翼の人が良い議論をする代わりにやりたがるように)彼の話を遮り続けていた。 私はただ話し始めた。「まあ、それは私が話し終わったように聞こえるかもしれないが、私は実際にはそうではなかったし、あなたが私の上で話そうとしていると思うかもしれないが、実際にはそうではなかったし、あなたがそうでないと思うかもしれないが、約束するよ、私はあなたよりも長くこれを続けることができる...」などと、一晩中かかっても気にしない勢いで。休憩なしに。約15秒かかって、凡人は私が真剣だと理解したが、私は凡人を黙らせるまでただ何度も何度もそういう風にして話し続けるつもりだった。やがて凡人がしたのは、何かをやや驚いた風に見る、どうやら連邦政府の雇用の数十年間をそのような振る舞いをして逃れてきたようだ。
その時、私は丁重にこう言った。「我々はあなたのために働いているのではありません。我々はボランティアで、あなたがどうすればいいかわからないことを手伝うためにここにいます。 好きな時に他の人を探せばいい。この街での働き方には驚かされますね。グーグルやフェイスブックのような現代的な会社で働こうとしたらニューヨークじゃすぐにクビになる」「最低だな」
普段は人にそんな風に話さないので、自分でもびっくりしたが、あの時はそうだった。私は凡人との会話はナルシストの偏向の絶え間ないゲームであること、 凡人がいかに素人か、「失敗は許されない!」「これをやるか、やってくれる人を見つけるか!」と言いながら歩いている人は、政府内で経営を学んだかもしれないが、もし民間企業に移ったら正午にはクビになってしまうような凡人であることを伝えた。合理的に有能な人は、私の同僚にそのような要求をするときに、関連する情報を提供するだろう。任務でそれらを記入し、彼らにブレインストーミングと貢献ください.... 凡人の目が水を見て、やり過ぎていたことを認識し、私は優しく、柔らかくテーブルから凡人をエスコートするために立ち上がった。私は少しのことを和らげ、物事の上に素敵なファサードを入れて、恥ずかしさの中にある凡庸さを残��ないようにしようと努めた。
私たちが別れるときには、凡人は私の方を向いて言った、「心配しないでください。私は大統領と一緒にいます。私はあなたがこのすべてのために完全に信用を得ることを確認します。」
憤慨して、私は自分の席と友人に戻った。数分後、我々は、実際には、凡人が大きなパーティーの一部になっていたことを見て、そのパーティーと一緒に出て行ったのは、ジュリアーニ市長以外の誰でもなかった。私はすぐに横で彼に鞍替えした。午後10時半頃だったので、彼の足取りは不安定なようで、私は彼の肘のところに行き、不安定なおじいちゃんを車までエスコートするようにしていた。我々は話そうとしたが、彼が言っていることは何であれ、私には不明瞭だった。最後に私は彼に言った。「私が直接連絡を取る方法をお願いしてもよろしいでしょうか?」市長は携帯電話を取り出し、私に彼の番号を教えてくれた。
それからの数週間、私はその番号に電話をしたり、メールをした。ルディからの返事は一度もなかった。
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この数週間の間に、私が知り合った優秀なホワイトハウスのスタッフが何人もいた。一般的には20代後半のスマートな若い男女である。中には(全員ではないが)大のトランプファンもいた。彼らはあちこちで詳細を教えてくれたし、選挙運動やルディ、ホワイトハウスの裏で何が起きているのかも教えてくれた。ある晩、私たちが十分に親しくなったところで、私は髪を下ろしてこう言った。「.... これが日常なのか?」 スタッフの一人(そして、心の中では、非常に親トランプ派の一人)は、「これがそうだ。これこそがトランプ・ホワイトハウスだ。4年間すべてのことがこうやって動いてきたんだ。」
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バッドニュース・ベアーズはミシガン州で必要な時に必要な場所を手に入れた。凡人は他の弁護士やルディのチームのスタッフと一緒にそこにいた。彼らは期待されていた管区に行ったが、ジョージア州と同様に、それはバッドだった。予想されていたような集計機ではなかった。そこには当局も法執行機関も令状もなかった。投票所として機能している公共の建物で働いている75歳の穏やかな協力的な女性がいた。
凡人が異性である郡の労働者とおしゃべりしている間、ドルフィンスピーカーは仕事に行った。その場所を経営していた75歳の女性によって判明した話によれば、選挙の翌日に「郡」から何人かの人が現れて、彼女にカードを挿入し、いくつかの異なる入力を使用してマシンを再実行するように指示したという。指示は意味をなさなかった。そして、指示した者たちはおそらく彼女自身のテキストを送信できなかった。老婦人が選択したことは明らかだった。最後に彼女は、郡に知られずに、オリジナルの実行と再実行の両方の紙の監査証跡を保管していて、それらをクローゼットに保管していたことに言及した。我々オタクたちは興奮して、それを提出してもらった。長いカーペットの上に広げて、数分間勉強しているうちに、彼らは何かを見つけ始めた。驚くべきものを。
バッドニュース・ベアーズはついに、代理の人たちとコーヒーを飲んでいたコーヒークラッチから脱却し、ロール紙の中から何を見つけていたかを指摘した。最後に彼らは「あなたは弁護士ですよね?75歳の女性と他の従業員のカップルから宣誓供述書をもらった方がいいんじゃないですか?」「ああ、もちろんです」と凡人は混乱して、そうした。
それらの学習とそれらの宣誓供述書は、ミシガン州で彼自身の選挙詐欺事件を追求していたミシガン州の弁護士に供給された。数日後、判事はそれを読んで心配になったのか、アントリム郡の投票機を正式に悪用するよう裁判所に命令を下した。バッドニュース・ベアーズはアントラム郡に戻り、今度は裁判所の命令を手にしてハードディスクの画像を撮影し、その画像を持ってベースキャンプに戻った。次の4日間で、彼らは1ヶ月分の仕事を(24時間体制でシフトをずらしながら)行い、まずイメージ化されたハードドライブのセキュリティを破り、次にファイルを再構築し、分析した。それはすべてのシステムを介してフィードアップされ、約1週間後に、アントリム郡コンピュータフォレンジックレポートとして知られ、全国的な波紋を巻き起こした目を見張るような報告書として浮上した。
全国的には他にも驚くべきことが起きていた。前述した懸念している連邦職員の何人かは、西部の州での出来事を追跡していて、投票の裏返しがそこでどのように行われていたかを知っていると確信していた。問題なのは、関連する裁判官(民主党)が検査を許可するように求められると、数日間の引き延ばしを主張し、それによって、反対派が中に入って「スマッシュダウン」(コンピュータ科学者の用語で、監査を見越して、事後的に証拠を修正し、すべてが正しく動いているかどうかを確認すること)を行う時間を与えることだった。しかし、彼らはある場所でミスをしてしまい、スマッシュダウンはうまくいかなかった。判明したデータは、不正を示唆するもので、弁護士は、それが州全体のマシンを調査することを可能にする、はるかに広範な命令の根拠になると主張して、裁判官に戻ってきた。 判事は原則として同意したものの、その矛盾点を利用してこのような大規模な命令を正当化する前に、管区のデータを再度検証する必要があると提案した。 心配していた連邦政府の従業員は問題の場所を監視下に置いたが、確かにその夜、署の駐車場には3台の車が停まっていた。今度こそうまくいくように彼らは叩きのめし方をやり直していたのだ。ナンバープレートから左翼の組合のものと判明した。この手の事件の背景には何度も出てくる。朝になるとデータは修正されていて、それ以上の命令は出ていなかった。しかし、彼らは知らないようだったが、問題の科学者たちは、元のデータと粉砕された車の両方を記録するのに十分な資料を回収していた。
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一方、DCに戻ると、ルディの世界から奇妙なことが聞こえてきた。週に10万ドルの給料をもらっていると聞いていたのだが、彼の周囲では、給料のために郵送しているだけだと主張している人もいた。
さらに重要なのは、ルディの作戦から「2億700万ドル」という数字を聞き始めたことだ。共和党が「盗みを止める」ために2億700万ドルを集めたと主張していた。あるバージョンでは、それは3億ドルを超えて成長した。スタッフの噂のあるバージョンでは、これらの数百万ドルのボタンを押しているのは、共和党全国委員会の高官の女性だった。別のバージョンでは、そのRNCの女性と委員会によってすべてが共同で管理されていて、彼らは将来を見守っていると。1億ドルがジャレッドとイヴァンカの将来の弁護のために用意されていたというのがほとんどの説だ。しかし、誰が担当していたにせよ、彼らはすべてのお金の上に座っていた。約束できるのは、そのうちの1ペニーも「盗みを止める」ために使われていないということだろう。国中の共和党支持者が、10ドルと20ドルの寄付金で、数億ドルを飲み込んだとしても.... 皆、騙し取られたのだ。それは大きなジョークになった:11月3日に起こった地獄が何であれ、何が起こったにせよ、リバースエンジニアリングとスクランブル解除を助けるために、共和党員から共和党員に与えられた数億ドルのポットがあり、それに関連した活動には一銭も行かなかったのだ。それはすべて、彼らの唇を舐めているトップの人々によって保持されていた。
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ジョージア州では、争いがシュールになった。知事の娘と付き合っていた青年が巻き込まれ、その後、彼の車が事故で爆発したのだ。(「BIZARRE EXPLOSION CRASH IN GEORGIA - KILLS HARRISON DEAL」2020年12月5日参照)。その事故は本当に高速道路上でおきたことで、車側面を打って爆発した。エンジンは75ヤード先に飛んだ。事故のビデオ(そのほとんどはインターネットから削除されたようだ)は、火の玉の中で燃える車を映す:それはかなり厄介な車の衝突だった。
そのあとで事故はジョージア州捜査局が引き継いだ。3日後、捜査を行っていた警官のひとりが自殺した。
ジョージア州のある派閥が、選挙の数日後から私に接触してきた。これは、法執行機関や準法執行機関の経歴を持つ人々の興味深いネットワークだった。11月4日以来、彼らは盗みを逆手に取っていた。人や場所を監視下に置き、テレフォトで様々な活動を撮影していた。多数の関係者をマッピングし、追跡していた。さらに、一緒にモーテルに滞在し、州内の悪ふざけを管理しているレーニン主義者の幹部という小さな要素まで、主催者を追跡していた。 彼ら自身の理由で、私を助けるこのネットワークは、影に隠れている必要があったが、数週間が経つにつれて、彼らはジョージアで何が起こったかを再構築するのに役立つ良い情報を提供していた。
ジョバン・プリッツァー(今ではユビキタスQRコードの発明者)という名前の技術者が、ジョージア州の選挙への彼の調査について公開した。彼の仕事を説明するジョバンの最高のショートビデオはこちら。
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数週間の間にルディはいくつかの州で公聴会を予定していた。いくつかは準公式なものだったが、ほとんどはホテルのスペースを借りて行わた。彼の主役は8月から一緒に仕事をしていた軍事情報部の大佐で、基本的には「バッドニュース・ベアーズ」が表面化した情報を報告し、総合するために各州に連れてこられた。 大佐は有能で説得力のある仕事をしてくれたが、我々は皆、次のように考え始めた。戦略はあるのだろうか?ルディの戦略は(あるとすれば)裁判所を通過する長い行進のようだ。州や上訴レベルにケースを持って行く。法廷制度を利用して勝てると想像していたが、それはうまくいかなかった。裁判所はどこにでもあり、特に選挙問題に関与することを嫌がり、すでに1月20日を過ぎてから裁判所の日付を設定していたように。それでもルディは、時折の公聴会や毎日のポッドキャストを見ながら、ただひたすらにうろうろしていた。それは何の意味もないように見えた。
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実を結び始めた活動の一つが、選挙への外国人関与の調査だ。これはそれ自体の主題となるだろう。
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マイク、シドニー、私、そして他の人たちは、缶入りの解決策を開発した。それは、私たちが11月中旬に始めたのと同じ案で、次のようなものだ。以前、オバマ大統領とトランプ大統領によって署名された様々な命令の下では、選挙に外国人の関与があった場合、大統領はかなり広範囲の権限を持っていた。数え切れないほどの前線で外国の関与があることには紛れもない証拠があったが、私たちは大統領の権限の狭いセットだけが発動されることを求めていた。判明した情報に基づいて、大統領は必要な行政命令の下で権限を行使して、単に米国のマーシャルと州兵を問題のある5つの郡に送り込み、紙の投票用紙のバックアップを開く。もし大きな食い違いがなければ、トランプ氏は譲歩するだろう。もし食い違いがあった場合、例えば50万票の矛盾票があったとしても、その場合は、その郡や州で選挙の再集計をするなど、より積極的な行動を取ることができる。5つの郡の再集計は1週間以内に簡単に行うことが可能で、さらなる行動を正当化するものであれば、すべての決議を憲法上のタイムラインで行うことができた。
もしくは、47%の有権者が疑っていた選挙の完全性を疑われている選挙を、締め出さなければならないかのどちらかだった。
フリン将軍は、そのような任務のために、美しい作戦計画を立案した。大統領の署名があれば、全てが動き出す。軍隊と州兵の部隊から適切なチームを作り、それぞれに正確な指示を出した。 最も広範囲な計画では、第一波の再集計が全国の17郡で行われ、民主党と共和党で行われ、誰も結果が選ばれたとは言えない。計画の最も拡張的なバージョンでは、紙の投票用紙の再集計に加えて、さらなる法医学的分析のために、これらの投票機のハードドライブの画像化を想定していた(しかし、機械を「押収」しない。機械はそのままにしておき、ハードドライブを画像化してもらうだけであった)。しかし、ピンチの時には、たった5つの郡を訪問して、紙の投票用紙の箱を再集計し、2-3日で予備的な回答を得ることができ、このようにして全国的なドラマの大部分を終わらせることができた。マイクとシドニーには、法的調査、発見草案、将軍の処刑チェックリストがあり、大統領の署名があれば、すべ���がスイス時計のように動くようになると。
しかし、物事はどんどん進行していった。ルディは公聴会の準備に出かけた。ホテルの一室で我々の仲間の一人に話してもらう必要があった.... 令状が来ないのを待つ日々.... 計画を持った人がいて、それを実行しているという感覚が全くなかった。憲法の期限が迫っているのを見た。
日は数週間になった。12月に入り、12月も半ばになった。様々な州で問題が渦巻いていたし、サイバーチームがパケット・トラフィックを検査して外国の影響を見つけ、海外から侵入されたスマート・サーモスタットを見つけ、投票用紙がなぜ海外でライブ配信されているのかを調べたりしていた。しかし、マイクと私は、こちら側が尻尾を追っていると感じていた。もう一方の側は時間がないと感じていた。ルディのアプローチは確かにそう捉えられるだろう。
ある時、私は大統領がどのように関与し続けているのかを知った。定期的に、ルディ・ジュリアーニと凡人がホワイトハウスに行って大統領にブリーフィングをしていたのだ。本当に、冗談じゃない話。私の同僚曰くその人ともう一瞬も仕事をするくらいなら辞めると宣言したほどひどい人物と、メールを送るのに苦労してドタバタした日々を過ごしていた76歳のおじいちゃんが、大統領に何が起きているのか、どんな選択肢があるのかを説明していたのだ。最初は何かの悪ふざけかと思ったが、確認してみた。凡人と市長は、この世界史的な任務を阻止するという究極のポイント・パーソンだった。
フリンと私は気分が悪くなった。私たちの間では、「なぜこんなことをするのか?」ということがよく話題になっていた。大統領の子供たちは、引退したり、激励会に参加したりしていなかった。 私たちは、大統領のチームから目に見える戦略を見出すことはできなかった。行進命令もなく、ただ組織がうろうろしているだけで、そうしているうちに溶けていくのだ。あまりにも悪質な凡人のため、我々は凡人が我々の仲間と直接接触しないように特別な手配をしなければならなかった。そうでなければ彼らは逃げてしまうだろう。全ての混乱は76歳の紳士に導かれていた。彼は国に愛されていたが、6週間後には歴史上最も洗練されたサイバー窃盗事件に 死者?投票したんだよ!聞いたか?
そして、なぜそれをしていたのかを思い出すだろう。アメリカのブランドは「選挙」だ。アメリカのブランドは「選挙」だ。極めて正確で戦略的な方法で妥協されたと思われる国政選挙があった。外国の関与の手の内を示し、我が国を乗っ取ろうとする中国の陰謀の一部であるかもしれない。それが、私たちが辞めるべきではなかった理由だ。
だからこそ、クリスマスの数日前に マイク、シドニー、そして私は チャンスを掴む時が来たと決心した。招待状なしで、手探りでも手探りでも、ジェダイ・マインド・トリックでホワイトハウスに入り、執務室に入り、大統領と話をすることにした。
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7/24
宅飲み後、感覚的には恋愛感情が少し薄れた気がする。
フラれた原因の真相を聞いた。1つは、何処かに行って楽しい!とか感情的な部分で表情豊かでないから?2つ目は、憧れの先輩感が強く、付き合ってみて違うなとなった。
1つ目は、言われてみてなるほどと思った。ポーカーフェイスになってしまったのは心底好きではなかったからなのかもしれない。
なんやそれ、かっこつけんな
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harudidnothingwrong · 5 years
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micoshi-kd · 6 years
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目頭
特別何か起きたわけではないけれど、
突然目頭が熱く、何かが溢れそうになることがある。
まさに今。
悲しいことがあったわけじゃない。
苦しいことがあったわけでもない。
深く深く掘り下げていくとそこには私の本音がある。
普段から嘘をついているわけではないけれど、
一歩引いて世の中を見ているせいか、
自分の溢れる本音にすごく弱い。
それがマイナスでもプラスの感情でも。
…本音を言おうとすると泣く癖があるんだ。
これは子供の頃から変わらない。
感情や表情を豊かにしてるのはあくまでも相手のため。
感情を殺してるわけではない。
ただ何割か増さないとただのポーカーフェイスになってしまう。
周りにどう映ってるのかはわからないけれど。
フィルターをかけて自分を守るのだ。
そうしないと私はろくに人と会話ができない。
それでも突如襲ってくる私の本音。
今悲しいの。
今苦しいの。
今嬉しいの
今怒ってるの。
いろんなストレートな感情が襲ってくる。
それらを素直に受け入れられればいいが、
私はそんなに器���じゃない。
たぶん、今は感謝の気持ちでいっぱいで。
それで何かが溢れそうなんだと思う。
事あるたびに泣いてたら枯れてしまうよ。
少しずつね。
少しずつ自分の気持ちと向き合うの。
だから、少しだけね、待っててほしい。
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doglok · 9 months
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ポーカーフェイスな猫が一緒に住んでいる犬猫たちに優しくしてギャップ萌え…! 麦わら猫リタさんは表情豊かなんだけど、ポーカーフェイス(どっち?笑) 甘えてる時も何だか不機嫌そうな表情だったり、無 ... via YouTube https://www.youtube.com/watch?v=1TzvUroVodY
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psytestjp · 5 months
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mashiroyami · 6 years
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Page 29 : 遺跡
「おいアラン、ラーナーは一体どうしたんだ?」  カウンター奥の調剤部屋から顔を覗かせたガストンは、怪訝な顔つきで店の机に突っ伏すラーナーを指差す。  開店して早々はまだ客が居ない。薬屋の客など少ない方が良いことに越したことはないが、朝はいつもこうである。近所の診療所も開いた頃から、処方箋を手にやってくる客がどっと増えて忙しい一日が始まっていく。  客がいないのをいいことに、誰も座っていない椅子に座ってラーナーは必死に眠ろうとしているようだった。瞼を閉じ心を落ち着かせようとするが、クロの言葉を振り払うことはできない。  奥の部屋から顔を出しガストンの指先を追ったアランは、顔を引きつらせた。何が原因かは不明だが心当たりはある。離れ際から嫌な予感ばかりして胸が塞がっていたが、火傷を話に出しただろうことも、それでクロが激昂しただろうことも想像に容易い。  どう声をかけたらいいのか分からない男二人は彼女の姿をじっと見つめる。 「師匠、こういった場合どうすればいいんですか」  アランはカウンターに背を向けてひそり声でガストンに尋ねる。つられるようにガストンも身体を百八十度回転する。 「どうすればいいかなんて分かるわけがないだろう。今実際困ってるんだから」 「おばさんを射止めた師匠なんですから、女性の気持ちは俺より分かるんじゃないんですかっ」 「馬鹿言え、エリアとラーナーを一緒にするな。ラーナーの方がずっと繊細だろう」 「確かに……」 「お前はバイト先でこういうのには慣れっこじゃないのか」 「何を言うんですか。確かに接客業ですけどあんなに落ち込んでる人が来るなんて滅多にないっすよ」  巨体のガストンがひそひそと話す様はいつになく動揺しているのが分かる。小さな会話が進められていく中で、来客が現れたことを示すドアの鈴の音が鳴った。  慌てて二人は背筋を伸ばすと、客に向かって朝の挨拶を行う。中年の女性と五歳ぐらいの幼い男の子が手を繋いで店内に入った。親子であろう、具合が悪いのは男の子の方のようで、マスクの下で苦しげな咳を繰り返し鼻を啜る音も聞こえる。 「アラン、カウンターの方を頼む」  ガストンはアランに耳打ちしてカウンターを任せると自分は奥の部屋へと入っていく。 「これ、お願いします」  女性はカウンターに対峙すると鞄からさっと一枚の小さな処方箋を差し出す。アランはざっくりと内容に目を通し、爽やかな営業スマイルを浮かべた。 「そちらの椅子にかけてお待ちください」  左手で促し、母親は軽く会釈をした。  振り返った先で勿論ラーナーの存在にも気付き、思わず母親は顔をひそめたが見て見ぬふりをして、距離を置いた席についた。  が、子供の方は気になるのかじっとラーナーを見つめたまま視線を動かさない。  痰の詰まった咳の音が何度も何度も響く。  その音に起こされるようにラーナーはゆっくりと身体を起こす。アランはガストンに処方箋を渡してから彼女が顔を上げたのに気付いたが、その表情に呆然と息を詰めた。  青白い顔は頬がこけて、疲労困憊といったような酷い顔になっていた。全身から溢れる目を疑うような虚脱感が目に余る。ラーナーは視線を向けられていることに気付くと薄く笑って軽く手を振ってみせた。男の子は首を傾げ、漸くラーナーから目を逸らす。  アランは見ていられなかった。ざわついた心が瞬く間に落ち着かなくなる。  と、その時オーバン家の生活間と繋がっているドアが開きアランは顔をぱっとそちらに向けた。エリアがエプロンを外しながら入ってくるところだった。 「おばさん、カウンターお願いしますっていうか今日は一日休みをください! ちょっと野暮用ができました!」 「はあ?」  突然の頼みにエリアは眉を顰めたが、返事を聞く前にアランは忙しなく調剤部屋に顔を突っ込み同じことをガストンにも願い出る。ガストンも突然の事に戸惑い手元に持っていたものを落としそうになる。 「すいません師匠、明日からまた頑張るのでお願いします! では!」 「おいアラン」  アランは止めどない風のようにカウンターから跳び出し、ラーナーの元にやってきてその腕を掴むと、思わずラーナーは身体を大きく震わせた。 「アランくん?」 「ラナちゃん、ちょっと来て」  半ば無理矢理引っ張ってラーナーを立たせると、店の入り口から直接外に出た。  あっという間の出来事に呆気にとられたエリアはぽかんと口を開け、その場に立ち尽くす。部屋からオーバンも出てきてドアを見つめた。いつもより大きめの鈴の音が未だに響く。  急に静かになって取り残された部屋に、男の子の咳がまた一つこだました。
 *
 何が起こっているんだかさっぱり理解できぬままだ。ラーナーは手を引かれるまま、いつの間にか市営バスに乗り込んでいた。  バス内は程々に混んでおり、立っている客もいた。ラーナーとアランは一番後ろの席に腰を下ろし、ひとまず一息つく。  大きく揺れるバスはトレアスの市街地の中心を走っていて、車窓から景色を覗けば多くの人が歩き車が走っている。市街地はオーバン家周辺と異なり車道が狭く、趣のある淡い色の石でできた背の高い建物が立ち並ぶ。トレアスは坂に面した町で、オーバン家もそうだが、下に広がる市街地以外は厳しい坂が続いている上、住宅が寄せ合うように林立している為道も狭い。だから自転車はほとんど見かけず人々は車、特にバスを重用する。  途中ゆっくりとバスは停車し、待ってましたと言わんばかりにバスの中の殆どの人々がそのバス停で降りていく。一気にバスの中はがらんとして、窮屈だった空気も軽くなる。ほっとラーナーは一息ついて背中を丸めた。 「ね、アランくん。どうしたの突然」  ぼそぼそとラーナーは尋ねる。 「ちょっとな。あまりに酷い顔をしていたもんだからちょっと見ていられなくなったっていうやつだ」 「酷い顔って」 「そう思うんだったらまず鏡を見てみたらどうだい。まあ女の子は泣き顔も可愛いっちゃ可愛いけど、男の目の保養はやっぱり女の子の笑顔ってつなんだよ今笑えてないじゃん」  恥ずかしい台詞と黒い感情を隠し切れていない事実がないまぜになって、ラーナーは押し黙り、膝に視線を落とした。  バスは大きくカーブして細い道に入っていく。  暫く沈黙が続き、その間に二人ほどバスから出ていく。今バスの中にいるのは彼等二人を含めて四人、殺風景なまま坂道を登っていく。 「クロに何を言われたんだ」  アランは呟くように問う。不意に的の中心を射られたように絶句したが、続けざまに軽く笑っ��。嘲るような放り出した笑みだった。  ああやっぱり、そういうことか。暫く生活を共にしていれば彼の勘が鋭いことにも気付いている。最早隠す必要などどこにも無い。 「ここに、トレアスに残れって」 「……ほうほう」 「ここに居たほうがあたしもクロも良いからって。言われた時はショックだったけど、落ち着いてみると……そうした方がいいのかな」  相変わらず下を向いたまま話す。 「あたしもクロに酷いことをしてしまった」  口を尖らせてアランは大きな息を吐き、腕を組んだ。 「火傷のことか?」  ラーナーは黙って頷いた。火傷に限らないけれど、発端としては間違いない。  だよなあ、と力無く返す。 「まあ、あれはあいつの地雷だからなあ。あいつ他人のことはずけずけと勝手に突っ込んでくるくせに自分の領域に他人が入ってくるのは許さない超自己中野郎だからむかつく時あるよな俺も年がら年中ぶちぎれてるわ」 「でも、あたしもクロのこと全然考えてなかった」  同調は空振りし、アランは次の言葉が出せなかった。  沈黙が続き、途中で何人かバスに乗り込んではまた降りていく。人が入れ替わる中、ラーナーとアランだけは後ろの席で残る。坂は更に急になり、バスはトレアスをどんどん上がっていく。  行先を知らない為、バス停が過ぎるたびにラーナーには漠然とした不安が積もっていく。 「どこで降りるの?」 「あ、言ってなかったか」とぼけた声でアランは笑った。「トレアス名物の坂の一番てっぺん、カスミラ遺跡前のバス停だ。世界的にも有名な遺跡なんだぜ」  ふーん、とラーナーは首を少し傾げる。あまりウォルタの外を知らないラーナーには、ぴんと来なかった。  どうしてそこに突然行くことになったのか、ラーナーは思わず尋ねたくなったがやめた。もうここまで来たらただ流されるままにアランについていくことにする。それより他に仕方がないのだから。  最後の会話から二十分ほどバスに揺らされ、ようやく目的地にたどり着く。財布どころか荷物を一つも持ち合わせていないラーナーがバス代を払える筈も無く、アランが二人分を一気に払う。申し訳なさそうに謝罪するラーナーをアランは気さくな笑顔でかわした。  バスは近くのバスの止まる駐車場へと向かう。どうやらここが終点のようだった。それを見送った後、ラーナーは改めて顔を上げ遺跡の姿と対面した。  カスミラ遺跡。  大きく開けた青空を背景に、豊かな緑の中に古い褐色の建物が並ぶ風景は壮大である。かつてここにあった王宮の跡、それがカスミラ遺跡。風化などが原因で荒廃し崩れている塀や建物もあるが、保護団体の努力の上で、今もなお原型をとどめているものも多く見える。以前は栄えていたのだろう、今は自然に覆われているような有様だがそれこそがこの遺跡の美。重々しく荘厳な歴史そのもの。そしてメインは坂の半ばにある宮殿だ。ラーナー達の居る場所からやや左側に見え、大きな木々に囲まれながらも何よりも高く、堂々としている。  頂上は遠く首を大きく曲げてようやく正面に見えた。あそこまで行くのだろうかと思うとラーナーは狼狽する。平坦な道ならまだしも急な上り坂だ、体力の消費は激しいだろう。 「勿論観光はしてもらいたいんだけど、今日の目的はそれじゃないんだ」  見惚れていたラーナーはその言葉ではっと我にかえった。遅れてその言葉の意味を噛み砕き、首を捻る。  それからアランは遺跡の入り口へと先導するように身体を翻し、ラーナーは慌てて後を追う。淡い石でできた道が遺跡の世界へと誘う。 「ラナちゃん、クロのことどう思ってる?」  アランはラーナーを隣に来るよう手で招いてから問う。思いがけない質問にラーナーは困惑した。  時間をかけて考え込んだが、答えに煮詰まり溜息をついた。 「分からない」  どう思っているか。  彼は突如現れた宣告者であり、命の恩人であり、共に旅をしている仲間である。友達といえるほど気の知れたものでもない。衝突も多く、かといって時折ふと見える優しさには心が解れるものもあり、彼という人間性も関係性も形を掴めない。そんな存在。分からないのだ。自分でも。 「よく分からないよ」 「そっか。そうだと思う。俺も未だによく分かんないし、あいつのこと」 「でも、アランくんはずっと前からクロのことを知っているでしょ」 「あいつはまだまだ俺にも沢山隠し事をしてるよ。基本的にポーカーフェイスだしその上言葉少なに語るから説明になってねえし、ぎょっとするような無茶を何の苦もなくやったりするしまじ分かんねえ意味分かんねえどうしようもない」 「……」 「俺が初めてクロと会ったあたりはもっと酷かった。一言も喋らなかったし物も殆ど食わなかったしずっと無表情だったし酷いもんだった。だいぶ柔くなったもんさ」  ひび割れた石の道。風に揺れる花々。周辺にあるのは砕けた塀ばかりで、視界が非常に開けている。  なだらかな坂が続いていたが途中から石の階段へと変わり、いよいよ山登りをしている感覚になってきた。見上げれば階段は緩いカーブを描きながらずっと上まで続いている。三人ほどの観光客がカメラで風景を撮影している隣をそっと通り過ぎた。  階段の道は彼等に疲労を与えたが、淡々と歩みを進めていく間に、ラーナーは不思議と胸の吹き溜まりに穴が開いて風通しが良くなっているような感覚になりつつあった。 「でも、クロは変わっているようで、やっぱり変わっていないんだ」  アランは遅くなってきたラーナーの速度に合わせる。 「表面は変わったというか、さ。根っこの部分はずっと冷たいままだ。俺と師匠とおばさんはそのクロの心を開きたいと思いながらずっとあいつと付き合ってるけど、結局あいつは心を開こうとしない。笑うようになっても、こっちを本当に信頼してるわけじゃない。解るんだよ。俺達はもうあいつのこと信じてやれるのに一方的だ」  歩き続け、穏やかで自然と調和した遺産の中に身を投じていて、なんとなく気持ちも広がっているのだろうか。素直な言葉にラーナーは頷いた。普段は口の悪さが目立つけれど、アランがクロを気にかけていることが伝わる。そして、共感できるものだった。ラーナーの中ですとんと納得する。クロと周囲の関係性は、一方通行の形をしている。 「だけど俺も師匠もおばさんも今までで一番びっくりしたのが、ラナちゃんを連れてきたことだよ」 「え」 「まあどっちかっていうとラナちゃんがクロを連れてきたって感じだけど。どっちでもいいや。とにかくあいつと他人とつるむのはほんと駄目だから、しかも女の子だし、死ぬほどびっくりした。ありえねえって思った。だけどなんかさ、こういうと変だけどさ、クロが変わってきている象徴なのかもしんないとか思ったりしてさ」  真剣に聴きながらも、ラーナーははぐらかすように苦笑し��。 「象徴って、大袈裟な」 「まじめな話さ。お茶飲む?」 「あ、うん」  アランは歩きながら麦茶のペットボトルを差し出す。バスに乗り込む前にさっと購入したものだ。暑さに加え運動するのだから汗をかき水分はみるみる消費されていくと分かっていたのだろう。ラーナーはそれを受け取りぐんぐん飲む。アランももう一つ買っていたもので喉を潤す。  途端に疲れは多少和らぎ、心なしか歩みは速くなる。  周りを見渡せば、いつの間にか高い位置まで来ていた。頂上までの道のりはまだまだ遠いが、トレアスの趣のある風景を一望することができる。思わずラーナーは感嘆した。  一度会話を止め、言いしれない遺跡の哀愁に浸る。  連なるような重々しい塀と、屋根が崩れた建物群は、物寂しさを残しながらもその静寂が一層遺跡の崇高な美を漂わせる。まるで別の世界に迷い込んだような感覚に陥った。人間の姿は無くなり完全に風化してしまう手前で形を残した嘗ての文明と、遙か眼下、今のトレアスの賑わいが同時に視界に映り、過去と現在、あるいは過去と未来の混ざり合った不思議な場所でラーナーは目を細めた。 「ずっと昔、ここに人が住んでいたんだよね」  ぽつりとラーナーは呟く。  崩れかかった建物を吹き抜けてくる風が、滲む汗に沁みて涼やかだった。 「……そうだな。ここに沢山の人がいて、色んな話して。きっと今とそう変わらない雰囲気で」 「今とは違うんじゃない?」 「そうでもないさ。根本的な部分は人間なんてずっと変わっちゃいねえって、きっと。友達作って恋もして、誰かと結婚したりして。ああ、もしかしたら今よりもっとポケモンは沢山いたかもな」 「推測だね」 「大昔の話だぜ。専門外だし。ま、全然分かんねえけど浪漫は感じるよ」アランは感嘆の息をついた。「俺たちはその先にいるんだよな」  それからしばらく無言で、ただ時々ぽつぽつと会話を交わしながら、二人はひたすらに歩を進めていく。  まだ、と尋ねるいつもアランはもう少しと言葉を濁す。さっきもそんなこと言ったじゃんと言い返すと気のせい気のせいと言ってかわす。他愛も無い会話を挟みながら、時々お茶を飲みつつ、長い山道を辿っていれば疲労は重く圧し掛かりラーナーの足は棒のようだ。 「着いた」  そう言ってアランは足を止めた。合わせてラーナーも歩を止め、辺りを見回し何か声をあげようとするとアランは口の前で指を立てる。静かに、というサインだ。ラーナーは息を止め、アランの視線の向こうを見る。  百メートルほど向こう、二メートル程の高さの城壁の上に器用に座っている人間の姿があった。ラーナーは目を見張った。  帽子を脱いで風に靡く深緑の髪、まさしく藤波黒だった。  壁の傍にはポニータも控えている。  彼はずっと向こうを見つめていた。カスミラ遺跡、トレアスの町、町の向こうにあるなだらかな山々、そして上に広がる青く雄大な空。自然と人間の文化、全てを受け入れようと全てを見つめている。
 全てを。
「思うことがあると、いつもあいつはここに来るんだ」  ぼそりとアランは呟く。 「あいつが倒れる前、何かもの思いに浸っているようなこと、無かったか?」 「……あ」思い至るまでに時間を要しなかった。「バハロに向かっている途中で」  旅が始まった日に突然クロは何かが切れたように立ち止まり、黙り込んで虚ろになったことがあった。旅を始めて早々、あれも口論になった直後だった、急に静かになり立ち竦んだまま動かなくなって、名前を呼んでも見向きもしない、とても印象的な出来事だった。 「あれ、一種のサインなんだ。俺達もよく分かってねえけど、身体が限界に近くなった時や一度倒れてから数日は精神が不安定になる」 「そう、なんだ」 「うん。異様に気持ちが激昂したり、かと思えば突然静かになったり有り体に言えば面倒臭い。だけど本人もそれを自覚しててしょっちゅう後悔してる。これが水臭いところだよな、安定しない心を落ちつかせるためにここに来る」  ラーナーはクロを見つめた。こちらに気付いている様子はまるでない。全身を遺跡の自然に同化させているように静かで落ち着きがある。朝の彼とはまるで正反対だ。  大きな風が吹く。しかしクロは全く動じることはない。  ポニータは待っている。彼が気持ちを整理して満足しまた地に立つことを、ただ待っている。それまでポニータはずっと彼の傍についているだろう。  胸の奥がしんと静まっていくのをラーナーは感じた。言葉にならないものが身体の中を巡る。  世界を見渡し世界と同化する横顔がどこか切実で、物悲しい。彼に渦巻いているものを推し量ることは到底できなくても、支えたくなるような、しかし誰も受け入れないような、深い寂しさを纏っていた。 「ラナちゃん、明日のトレアスの市場で朝市があるんだけど、クロと一緒に行ってくれないか」 「……え?」  唐突な提案にラーナーは聞き返す。 「本当はいつも俺が行くんだけど。そこで仲直りしてほしいんだ。クロには俺から言っておくから」 「そんな」揺れる声に戸惑いが滲む。「うまく話せる自信が無い」 「大丈夫。クロだって分かってる筈だ」  ラーナーは黙り込み、もう一度クロの姿に目をやる。  遠い存在だった。今、物理的に離れている距離以上に、心の距離は一層離れてしまった。これを縮めるかそのままか。答えは決まっている。けれど勇気を出すことは怖いことだった。何度も拒絶されて、それでも踏み込んで、互いに傷ついてしまったら。  それでも、きっと、勇気を出すべき瞬間がある。  傍にあった遺跡の塀にラーナーは触ろうとして躊躇し、けれどそっと触れる。ざらざらとしていて、堅く冷たい。 「……うん」  唇を噛みしめて彼女は頷いた。 < index >
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1mitty5-blog · 7 years
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Oct23
わたしはお休みです。るーん。台風は見事に土日滞在していきましたね、、。おかげでどこにも行けなかった。途中家にいすぎて、ちょっと外でようか今なら大丈夫!って言って出たらアトラクション並みに風やばくてギャーってなったの楽しかった。一瞬でびしょ濡れになって2人で爆笑した。先日あんな文章書いたけど別れる気も別れる兆しもさらさらなくてわたしはわりと愛情表現豊かなほうなんですが、彼はもう言ってることが本当なのか冗談なのか本気でわからないくらいにポーカーフェイスで、しかもそれでいて愛情表現もほとんどないので時々わからなくなる。し、だからこっちもすきすきをしすぎるとウザいかもしれないと思ってしまって躊躇してたりもするんやけど。たまにわたしでも言わない激甘いこと言ったりするのよ、ずるい。
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