.福岡❁警固 ❁けごぱん パン屋さんのパンケーキ食べてきました♡ 生地が、、お、おもい!笑 大食漢の私でも食べるのやっとでしたが美味しかった😋 はちみつかメープル選べますがはちみつにしました🍯 割と最近オープンしたてでパンは今度買おうって思った(-´∀`-) とりあえずパンケーキはシェアがおすすめですw久々に昔のアクイーユを彷彿させる生地だった🤣もうばばあなので生地少し軽くなってくれたらありがたいなぁ😇 #パンケーキ #pancake #pancakes #팬케이크 #cafestagram #foodstagram #gourmet #sweets #カフェ好きな人と繋がりたい #カフェ巡り #카페스타그램 #카패스타그램 #けごぱん #福岡観光 #福岡グルメ #福岡カフェ #福岡パンケーキ #いちごスイーツ #警固グルメ #警固カフェ #morning https://www.instagram.com/p/CouAWrXr5E6/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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1207-1211
1207
たくさん洗濯をした。朝から暖かかい日だった。キムチ鍋の残りにごはんと卵と餅を入れておじやっぽいものを食べた。この餅は母が仕事のお客さんからもらったもので(毎年餅つきするらしい)、食べきれないからと毎年わたしのところにもやってくる。わたしも食べきれなくて冷凍していたやつ。いや母はとっくに退職している。これはいつの餅だろう。いつのかわかんないけどふつうに食べられた。スープジャーにこれを入れてお昼にし、入りきらないぶんを朝食べた。
角川ふざけんなとバチぎれた日記を書いた。バチぎれた日記を書くとソワソワしてしまう。わたしはいろんなことをのろのろのろのろ考えているタイプで結論を遅らせがちなんだけど(意図して遅延させている面もある)、この件の差別的な宣伝文に関しては言える人がすぐ言わないとだめだと思った。「伝染する」はひどい。今後いろんな価値観や常識は変わっていく可能性があるけど、いま、この瞬間、「伝染する」にショックを受ける(受けた)人たちがいることを無視しちゃだめだと思った。どのような本も出版を妨げられるべきではないというのはそれはそうなんだろうけど、と同時にNOは言わなきゃと思った。このあいだの日記でも書いたけどわたしにはひどいミサンドリーがあり、自分のあたまで考えたつもりのことはまちがいだらけなんじゃないかと不安でたまらないし、実際しくじりも後悔も多い。でもそれはそれとして「伝染する」はありえねーわ。そう思ったいまのこの気持ちを大事にしたいと思った。
なんかいろいろ終わらなくて観に行きたかった映画を観に行けなかった。しょんぼりしながら帰って寝た。
1208
今日も暖かい。寒さに慣れてきたのもあるかもしれない。デニムのセットアップで出かける。セットアップって好き。太ってからメンズのセットアップをよく着るようになった。
甥の誕生日プレゼントを買う。妹にリクエストをきいたら絵本がいいとのこと。「からすのパンやさん」と「スイミー」が気に入っているからそれ以外のかこさとしかレオ・レオニとの指定。五歳になる。絵本の読み聞かせは書いてある文字をぜんぶ読んであげないと怒るそうで、奥付も音読しているらしい。偕成社、東京都新宿区市ヶ谷砂土原町…とかそういうの。わたしも親向けの解説とかぜんぶ読んでたな。
ブックファーストに行ったら絵本はほぼシュリンクされていて、中身が見られなくてちょっと困った。汚損防止だろうけど表紙しかわかんないんじゃネットで買うより不便だ…。
「どろぼうがっこう」、「だるまちゃんとてんぐちゃん」、「おんがくねずみジェラルディン」、「さんびきのやぎのがらがらどん」をチョイス。中身がわからないから自分の好きなものになる。ジェラルディンはえものおすすめ。だるまちゃんとてんぐちゃんだけシュリンクされてなかったのでぱらっと読んだ。こんないい話だったっけ…ちょっと泣きそうになった。
だるまちゃんがてんぐちゃんの持ち物をつぎつぎほしがり、お父さんに相談して近しいものを手に入れていく。天狗の下駄とか帽子とか。似ているものを探し、自分用を作り出していくさまがかわいくて面白い。あるときてんぐちゃんの鼻にちょうちょがとまって、だるまちゃんも長い鼻をほしがる。最初お父さんは蝶がとまるなら花だと思って色とりどりのお花を並べてみせるんだけど、ちがうそうじゃないんだ、花じゃなくて鼻なんだ、自分は長い鼻がほしいのだとだるまちゃんは訴える。お父さんはお餅をついて鼻を作ってあげて、だるまちゃんは立派な鼻を手に入れる。鼻の先に小鳥がとまって、てんぐちゃんも一緒によろこんで、めでたしめでたし。
めっちゃいい話だな。こういうのって、他人の所有物や身体の特徴をうらやましがるのはやめましょう、自分のあるがままを愛しましょう的なメッセージにしちゃいがちだけど、ほしいものをなんとかこしらえ手に入れるっていうのがいい。めちゃめちゃいい。飛躍しすぎかもだけどこれFTMの話だなって思った。
お昼はピザ。ドミノピザがブラックフライデーで600円というのをやっていて、ブラックフライデーってもう終わってないか?と思ったんだけど(一応ネットでも調べた、12/3までのキャンペーンと書いてあった)、店の窓には600円ですと書いてあるのでこれまだやってるんですかとたずねたらやっていた。一人で昼間からピザ食べるの浮かれてて面白いな。食べたらとても眠くなりやるべきいろいろが捗らなかった。夕方、通販とか書店さんへの荷物を送った。
夜ごはんはかぶと豚の炊き込みご飯。インターネットで見かけたレシピ。あとじゃがいもの煮物と、ほうれん草を炒めたやつ。ほうれん草はナムルかごまあえにしようかと思っていたけどめんどくさくなって塩胡椒で炒めた。炒めただけなのにやけにおいしくて、なんだか感心してしまった。それで(っていうのも意味わかんないと思うけど)久しぶりにヘミングウェイの『老人と海』を読み返した。
1209
甥の誕生日会。妹と妹の夫の勤めている会社の保養所みたいなところですき焼きを食べた。旅館みたいな畳の個室。甥が卵を割ってかきまぜてくれた。駅から保養所への道で父が転んで血だらけになり、店の人にばんそうこうをもらった。何やってんのと母は呆れ、父はばつの悪そうにしていた。これ以上言ったら機嫌が悪くなるからさっさと手当てして話題を変えようという連携プレ���があった。うちの父はいつも威張っていて口が悪く、その一方で信じられないくらいうっかり者で、離れて暮らしていると困った奴だなーとやや笑えるけど毎日一緒にいると扱いづらくて大変だろうなと思う。ただ母も言動に軽はずみなところがありわたしはしばしばぎょっとするので、まあちょうどいいんだろうなと思う。ちょっと飲みすぎた。瓶ビールを何本か飲んだあと、妹と父とわたしで日本酒の四号瓶をあけた。甥がどんぐりをたくさん拾った。一個ちょうだいと言ったら二個くれた。すべすべした立派などんぐりだった。すごく眠かったけど帰り道だったので新宿アルタ前のスタンディングにちょこっとだけ参加。STANDING DEMO QUEERS FOR PALESTINEっていうやつ。人多かった。帰ってから少し寝て、起きて小説を書いた。夜になっておなかがすいたのでコムタンを食べた。
1210
原稿を提出。ちょっとすっきりした気持ち。日記祭に行く。望月柚花さんと待ち合わせ。新しい下北沢にいまだ慣れないという話。ずっと慣れない気がする。バインミーを食べた。レバーペーストがこってりしていてパンがしっかり固くて、これだよ〜!というバインミーだった。
日記祭、わたしの探し方が悪いのかもなんだけど委託?の本がどこにあるのかよくわからなくていくつか見つけられなかった。売り切れもあった。うろうろ歩きまわって見つけらんない感じにきのうの父を思い出した。似てんのかな。口ばかり達者でうっかり者。でもいい天気であたたかくて、見つからないのもしょうがないなという気持ちになった。外でやるイベントいいな。隙間さんの『うつわ日記』と図Yカニナさんの『沖縄に六日間』を買った。
柚花さんと文章の話とか着物の話とかしながらビールを飲んだ。ミントマイナスマイナスのことを覚えていてくださってうれしかった。そしてしゃべっている途中、ネプリにしているステッカーのPalestinaのつづりがまちがってませんかと糸川さんがDMで教えてくださって、自分はほんとにうっかり者だな…と反省した。父はわたしの名前の漢字をしょっちゅうまちがえるのを思い出す。
ドーナツを買って柚花さんとバイバイし、国会前のデモへ。この日は黒のオールインワン(ツナギ)を着ていて、最近イベントとかスタンディングに行くときよく着てる。どこでも座れるしポケットいっぱいあって便利。日記祭行ってビール飲んでドーナツ持ってデモ行くのどうなんだと思いつつ、そのくらいで参加するおっちょこちょいがいてもいいような気もする。あとやっぱりこういうのにぶらっと行けるのは関東民の特権なんだろうなとは思うので、行けるやつは行っとくほうがいいかなと思っている。そこそこ元気で、子育てや介護やぜったい抜けられない仕事とかもないし。
国会前のデモは年齢層が高くてちょっとびっくりした。ナクバを生き延びたパレスチナ人のお孫さんという方がスピーチしていて、胸が詰まった。警察がすごく多かった。地下鉄の出口を出たところで「イベントに参加の人ですか?」と道案内されかけ、イベントではなくないか…?と思った。
日比谷公園でドーナツを食べ、さっき買った日記を読む。隙間さんの日記、写真(LINEの画面のスクショ)がたくさん袋に入っているもので、公園でこの束をカサカサめくる時間がすごくいいなと思った。内緒話みたいな感じ。futouさんのツイッターから流れてきてなんとなく日記を眺めたことが何度かあって、すっかり忘れていたんだけどちょっと前にツイッターをフォローしてくださってああそういえばと思い出した。日記祭でお話してみたかったんだけどfutouさんから来ましたとか意味わかんないことしか言えなかった。このあいだ角川にバチギレた日記を書いたとき、「毎日書いてる日記だけど、怒っていることについて書くと日記ではなくなるな…。でもこの日これを考えていたという記録だからまあいいかという日記。」というツイートにいいねしてくれてうれしかったの。でもわざわざ言うことでもないなと思った。『沖縄に六日間』は旅日記的なものが読みたくて買った。装丁がすごくいい。国会前の時点でスマホの充電はだいぶ少なかった。電源のあるカフェとかに行けばよかったんだけど天気がよくて思わず公園でぼーっとしてしまった。『ピュウ』を読みすすめた。
体力的にきついかなーと思ったんだけど渋谷ハチ公前のプロテストレイヴをちょっと見に行った。すごくよかった。スピーチがパワフルなのもよかったけど、音楽がすごくよくて…。赤と緑のスモークもよかった。渋谷駅前、スリバチの底に煙と音と声が溜まり、うねっていた。通りすがりに足を止める人も多かったように見えた。これ何やってるんですかと聞かれたのでちょっと説明。ステッカーをあげた。つづりまちがってないほうのやつ。帰って肉を焼いて食べた。
1211
何も捗らない一日だった。きのうおとといと活動的に過ごして疲れているんだと思う。そりゃそうだよなと思う。労働の電話がかかってきたのを無視した。「こわいよお」とか言って布団にもぐった、部屋に一人でいるのにかわいこぶって。メールは返した。春菊とキムチでチヂミを作って夕飯にした。食べながら蘭たんの動画を見た。8番出口のやつ。夜になっても洗濯物はあんまり乾かなかった。今度参加するアンソロの小説を書き進めた。
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【報告】NO MORE OLYMPICS!NO MORE IOC!ぼったくりバッハ断固拒否デモ!
(Photo by @ken123)
10月16日、東京五輪1周年記念事業の一環として「東京レガシーハーフマラソン」が開催され、さらにIOC主催の「Thank You TOKYO」Festival&Ceremonyが行われ、あのぼったくり男爵、IOC会長バッハが来場すると聞いた。
私たちはいつまでオリンピックやIOCの食い物にされなければならないのか。居ても立っても居られずデモを行うことにした。
ところが、IOC会長バッハは直前の10月3日に来日中止を発表。「スケジュールの都合」などと言われているが、この日の来日は今年初頭から決まっていたこと。9月に札幌市長とのローザンヌでの面会をキャンセルしたことからも推測すると、おそらく、いま連日報じられている東京五輪汚職の火の粉が自らに降りかかること、批判の矛先を向けられることから逃げたかったのだろう。なんとも卑怯だ。
しかし、盗人たちからサンキューなどと言われて黙っているわけにはいかない。私たちは予定通りデモを決行することにした。50人が結集した。
JOCビル前には公安がずらり。
さらにオリンピック・ボランティアの青いユニフォームに身を包んだ集団が、ファイブリングスのモニュメントと共に記念撮影をしようと列をなしていた。あれほどオリンピックに搾取されながら、いまなお有難がる者たちがこんなにいるとは世も末だ。
その薄気味悪い空気を打ち壊すように、デモ参加者と、そして10月10日のおことわりんくの抗議行動で爆誕した五輪戦犯7人衆のパネル+森喜朗の胸像が現れた。
(Photo by @ken0123)
デモ前の小集会では、小池百合子に扮した何者かが現れ、築地を破壊しプロポーザル契約によって70年間民間管理させることにしたこと、新国立競技場のために潰した明治公園をおしゃれなカフェやアウトドアショップだらけの広場に再開発することなどをオリンピックの成果として自慢げに演説。ブーイングと共にその場を後にした。
続いて、賄賂疑惑のマスコット、ミライトワとソメイティが登場。風の精の力も借りつつ、いかに東京五輪が汚職にまみれたものだったかをわかりやすく解説し、最後は「オリンピックを応援したのは間違いだった」と改心し、NO THANK YOU TOKYO! ABOLISH THE OLYMPICS!と声を挙げた。
そしていよいよ新国立競技場を2周(!)するデモ出発!オリンピックはどこにもいらない、の声が高らかに響き渡った。
オリンピックいらない!どこにもいらない!
パラリンピックいらない!どこにもいらない!
オリンピック災害終わってないぞ!
札幌招致を今すぐやめろ!
オリンピックは金まみれ!
オリンピックは嘘まみれ!
新国立競技場には、何箇所か競技場内に通じるゲートがある。その前では特にコールに熱がこもった。
No More Olypmics!
No More Paralympics!
IOC, Go to hell!
公園返せ!
団地を返せ!
住まいを返せ!
暮らしを返せ!
命を返せ!
新国立競技場を2周する長いデモ。途中にはアルプスの少女ハイシ(廃止)による歌も!
♪オリパラはなぜ いつまでもおいしいの
あの人はなぜ 逮捕されないの
おしえて安倍晋三 おしえて警視庁
おしえて組織委森喜朗
♪TOKYOがなぜ Thank youと言わ��るの
バッハはなぜ ここに来なかったの
おしえておじいさん 教えてIOC
おしえて都知事の小池さん
♪お客さんなぜ 参加費が無料なの?
アスリートなぜ 笑っていられるの?
おしえてオリンピアン
おしえてメダリスト
おしえて楽しめるそのわけを
後で知ったことだが、7月23日のオリンピック1周年記念セレモニーと同様、この日のThank You TOKYOセレモニーでまたしても安倍晋三への黙とうが行われたという。国葬まで強行しておいて、何度弔わせれば気が済むのか。何重にも許しがたい事態だ。
しかし痛快なことに、その瞬間「黙とうの静寂を切り裂くように、「札幌五輪いらない!」などの怒声が響き渡った。黙とうが終わると、約1万人の観客はどよめき、騒然となった。(デイリースポーツ)」という。オリンピック・パラリンピックに社会をズタズタにされた私たちの怒りの声が、オリパラを称え、オリパラを推進した者を称える醜悪な企みを打ち破った瞬間だ。
また、直前になって逃げ出したバッハはビデオメッセージで、「世界的なパンデミックという背景がある中で、東京で皆が一つになる様子はまさに魔法のようでした。私は永遠に感謝します。ありがとう東京、ありがとう日本」などと語ったという。
私たちは一つになどなっていないし、世界的なパンデミックという背景がある中で、あらゆる社会資源を私たちから奪って強行されたオリンピック・パラリンピックを決して許さない。もちろん、オリンピック・パラリンピックがパンデミック以前から私たちの生活を踏みにじり続けてきたことも許さない。サンキューなどと言われる筋合いは一ミリもない。そのことを堂々と訴えたデモとなった。
デモの報道
五輪1周年イベント 冒頭で安倍元首相に黙とうも 反対派デモ響く 観客騒然/スポーツ/デイリースポーツ online (daily.co.jp)
東京オリパラ1周年 バッハ会長「東京が一つになる様子は魔法のよう」 安倍前首相に黙祷も― スポニチ Sponichi Annex スポーツ
東京新聞 こちら特報部「『金まみれ』政治の責任は 消えない『30年札幌有力』1周年イベント合わせ反対デモ」
ところで、デモのあと何人かの仲間が五輪オブジェの前で写真を撮ろうとしたところ、JOCの警備責任者を自称する人物が、あんたたちはダメだと妨害し、あろうことかミライトワの頭をはたいて被り物を奪い落とすという暴力を振るった。また、アルプスの少女ハイシが手に持っていた紙をプラカードだと言って強引に奪い取ろうとした。
五輪オブジェには昼間からたくさんの人々が立ち入り、記念撮影を行っていた。五輪に反対の表現をする者だけ排除するというのは非常におかしい。
また、この人物は、自らの氏名も役職も一切明かさない一方で、私たちをJOC前の広場から締め出し続けている。そして、これまでも抗議行動参加者を「転び攻防」で陥れようとする、オリパラ反対署名の受け取りを拒否するなどの問題行動を繰り返している。(参照)
元々は都立明治公園こもれびテラスという公共空間だった場所が、オリンピックを契機にJOCに奪われ、今は一体何の権限があるのかまったくわからない暴力的な人物の独断によって支配されているのである。これもまたオリンピック・パラリンピックがもたらした最低最悪のレガシーの一つである。
10月16日NO MORE OLYMPICS!NO MORE IOC!ぼったくりバッハ断固拒否デモ・動画はこちら
①NKさん
②KENさん
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short trip to Inujima and styling for island trip
こんばんは。
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昨日は、久しぶりに1日お休みを頂き、日帰りの小旅行に行ってきた。
行くと決めたのも2日前とかで、どこに行こうかなんて考えていた時、最初は豊島美術館にでも行こうかなぁなんて思って調べてみると生憎14日は休館日。
そんな時、ふと思い出したのが犬島だ。
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瀬戸内海を舞台にした「瀬戸内国際芸術祭」(以下「瀬戸芸」)。
数ある芸術祭の中でも知名度・作品数やその質は国内でもトップクラスだと思っている。
そんな「瀬戸芸」には、2010年、記念すべき第1回の時に、3泊4日で訪れた。
その当時は、現在ほど会場となる島が少なかったため、3泊4日の日程でもかなりの作品を見てこれた。
今でも家に保管されている当時の美術手帖。
この当時、大学5年目の僕は、めちゃくちゃ金が無くて、でもどうしても行きたくて、本当に申し訳ないことに、会場に並んでいたこの本を連日さりげなく立ち読みをさせてもらって、日々向かう島の情報とマップを頭に叩き込み、スケジュールを組んでアートを見て回った。
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なので、この本は後日、当時は滋賀に住んでいたけど、滋賀に帰ってからバイト代が振り込まれた後に書店に購入に行った。
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そんな2010年の「瀬戸芸」第一回から会場の一つになっている犬島。
2010年の時は、島へのアクセスや時間の都合から島への訪問を見送ってしまった島になる。
まあ、関西からも近いし、また改めて行けばいいかなんて思っていたら、気がつけば14年。
そんな訳で、今回は14年前の忘れ物を取りに行くような。そんな思いを抱いて行ってきた。
そんな犬島に2010年からずっと展開されている美術館。
「犬島精錬所美術館」
犬島は明治初期、銅の精錬所があり、その精錬所跡地を利用した美術館になる。
第一次世界大戦によって銅価格が暴落し、1909年に開業した精錬所は僅か10年で閉鎖されたそうだ。
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その精錬所跡地は、忘れ去られたまま放棄されていたのだけど、現代アーティストの柳幸典と建築家の三分一博志によって美術館として再生されている。
美術館には、精錬所跡地が当時のまま保存されており、近代化産業遺産としても認定されている。
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この美術館には、エアコンなどは無くて、自然の風の力を使って空気の循環が行われているそうだ。
犬島自体が、東からの風の影響を受けやすく、その風を取り込んで銅の精錬が行われていたそうだ。
なので、この美術館もそんな自然の風などを利用して空気の循環や室内の気温を保っているそうだ。
美術館のエントランスまで続くアプローチは、黒色のレンガが積み上がっている。
これは、当時、銅の精錬をする工程で生まれた不純物を含んだものをレンガに固めていたそうで、それがそのまま放棄されていたものを活用したそうだ。
鉄を多く含む素材となり、夏は表面温度が60度から80度に。
冬は反対に非常に冷たくなるそうで、これもこの美術館が自然の力で気温調整をするのに役立っているそうだ。
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実際に触ると、確かにめちゃくちゃ熱かった。
館内には、日本の近代化に警鐘を鳴らした三島由紀夫の邸宅から出た廃材などを使った作品が並んでいて、空間もとても見応えがある。
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さて、美術館で鑑賞中にめっちゃ驚いたことに、先日西脇のコットン畑に行った際に、一緒に作業をしていた知人の足立くんとバッタリであった。笑
土曜日の段階では、犬島に来ることを決めていなかったので、まさかここで会うとは。
足立くんはどうやら家族で遊びに来ていたみたいで、めちゃくちゃびっくりした。笑
足立くん。
また来月、西脇で。
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その後は、もう��つ、犬島に行ったら見たい「家プロジェクト」。
2010年よりも施設数も増えた「犬島 家プロジェクト」。
島内を散策しながら、作品を見て回る。
ちなみに、「犬島 家プロジェクト」のチーフキュレーターは、現在「金沢21世紀美術館」の館長も務める長谷川祐子。そして、設計は同じく「金沢21世紀美術館」の設計に携わっている建築家の妹島和世。
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作品も定期的な入れ替えなどもあったりするみたいで。
一番新しいものだと2019年に設置されているそうだ。
犬島 家プロジェクト F邸 名和晃平「Biota (Fauna/Flora)」
犬島 家プロジェクト A邸 ベアトリス・ミリャーゼス 「Yellow Flower Dream」
犬島 家プロジェクト S邸 荒神明香 「コンタクトレンズ」
犬島 家プロジェクト I邸 オラファー・エリアソン 「Self-loop」
お馴染みのアーティストも多いなぁなんて思いながらも、それでもやっぱり普通に楽しめたりして。
ライブにめっちゃツアーする人に似ていて、セトリが変われば別物というか。
同じアーティストでも、そもそも作品が異なればそれは別物だし、空間も変われば感じるものであったり見え方も変わる。
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オラファー・エリアソンに関して言えば、大阪・前橋・犬島と今年だけで3箇所も見ているし。
それでも、やっぱりそれぞれ良かったりして。
陽射しが降り注ぐ島内を散策しながら楽しんで作品巡りを行った。
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さて、正直そんなにお腹も減ってはいないのだけど、せっかくなら何か食べようということで、島内のカフェへ。
ここが最近、僕が成長したところ。
これまでの僕は、本当に旅の途中の食というものに無頓着で、平気で食事を抜くとか、手っ取り早くコンビニで済ませるとか。
せっかく旅に出ているのに、その土地のお店に寄らないとか平気でしていた。
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最近、ちょっとそれを改めるようにして、その土地のものやその土地のお店に入るということを意識してやるようにしている。
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ちなみに、2010年の「瀬戸内国際芸術祭」に訪れた際は、朝と晩はコンビニのパン。昼はコーラ。
マジで終わっている。
高松を拠点にしていたのに、讃岐うどんすら食べていないという。
逆に、その徹底ぶりを褒めてほしいくらいだ。
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まあ、今回は、パスタとビール。
休みだし、昼間から酒飲むのもOKでしょと。
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食事をとったら残り船の出港まで1時間ちょっと。
大宮エリーの作品を見て、そのままひたすら海岸に沿って散歩を。
海が本当に綺麗だ。
以前、夏が好きだという知人に、なんで好きなのかと聞いたことがある。「夏の瀬戸内の海が綺麗だから」という話を聞いた。
その方は、瀬戸内海に面した街の出身なんだけど、マジでそれがめちゃくちゃ分かった。
マジで海が綺麗だった。
青のグラデーション。島々の陰影。
太平洋や日本海のように、水平線が続く風景とはまた違った世界がある。
なんか、夏もいいかもなんて本当に思ってしまった。
(まあ、今日、早速大阪の夏を目の前にして、夏が嫌いだと思い出しました。笑)
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多分、きっと夏の瀬戸内が一番綺麗なんだろうなぁ。
それは僕が冬が好きだという感覚に近くて、僕は長野の松本が地元だけど、確かに冷え込みは半端ないのだけど、北アルプスが雪化粧している姿がとても綺麗で、ピリッとした冬の冷気すら気持ちよく感じてしまうからだ。
さて、僕は様々な芸術祭に足を運んできたけど、初めて行った芸術祭が「瀬戸内国際芸術祭」だった。
その2年後に越後妻有「大地の芸術祭」へ。
この2つ、エリアは違うけど、とにかくランドスケープが素晴らしい。
都市型芸術祭にはない、風景美も楽しめる。
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来年は「瀬戸内国際芸術祭」。
現在僕にとって夏旅の最有力候補だ。
犬島の風景とまた違った風景を楽しめるのだろうか。
今からちょっとワクワクしてしまう。
さて、そんな旅に何を着て行ったのか。
まあ、僕は結構旅のコーデを考える時間も楽しかったりする。
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今回、この小旅行の旅を決めた瞬間に絶対に着ていこうと決めた服が"osakentaro"の"mesh tops"だ。
船が海を行き交う柄が、まさに島旅にはぴったりだ。
僕自身も島の風景にとまでは行かないけど、そんな気持ちでピックしてみた。
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そしてボトムスは"rihei"の"Denim Pants"
"rihei"のデニムは、普段皆さんが街で目にするデニムや、保有のデニムと比べるとライトオンスデニム(厚みが薄いデニム)を採用しているので、軽やかで夏に着用しても気持ち良いのだ。
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全身を淡いブルーで。
海に媚びたコーデで楽しんできた。
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コーデの写真。
オラファーの作品で撮らせてもらうという、超贅沢なことをしてしまったけど、そんな旅コーデも楽しんでもらえると。
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ちなみに、僕の着用しているアイテムとは少し異なるかもだけど、一応"osakentaro"の"mesh"シリーズと"rihei"のデニムをそれぞれ掲載しておく。
まあ、もし気になる方がいらしたら問い合わせください。
osakentaro : rib mesh tops (sea) ¥52,800 (tax in)
osakentaro : mesh tops (bougainvillea) ¥29,700 (tax in)
osakentaro : mesh × denim zigzag stitch pants (people) ¥41,800 (tax in)
osakentaro : mesh × denim zigzag stitch pants (bougainvillea) ¥41,800 (tax in)
rihei : Denim Skirt (navy) ¥30,800 (tax in)
こんな感じで"osakentaro"のメッシュ素材を使ったアイテムと"rihei"のデニムシリーズをピックしてみました。
気になる方はお問い合わせください。
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それでは今日はかなり長々と、ほぼ、旅のお話でしたが、結果、何を着て行ったのか。
そんなコーデを考えるのも旅の一部であると。
特別な瞬間に特別なコーデを。
そうなると、また楽しみが一つ増すかなぁなんて思ってます。
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それでは次回もお楽しみに。
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2023年1月9日(月) 出張旅行記その16 【1月7日】 ホテルを出て重い荷物を持ってボーダーを目指して歩いていると,2分としないうちにバイクタクシーのおじさんが声をかけてきました。狙い通りです。 いくら?と訊くと,50,000ドンだと答えます。え、昨日のおじさんは20,000ドンで行くぞと言ったのに。 大袈裟に驚いた顔をしてみせ、さらに歩いていくと,すぐに値引きが始まりました。20,000ドンだ。 交渉成立です。 バイク一台にこの荷物と店主が載るの?といつも思うのですが,毎度なんとかしてくれます。苦労して荷物と共に後部座席に乗ると,昨日のおじさんがやってきました。どうやら,大荷物の店主のことを覚えてくれていたようです。 本当はおじさんのバイクに乗りたかったのですが,交渉が成立した以上,乗り換えるわけにはいきません。おじさん,ごめんね。 イミグレーションの施設の門で,怖そうなお兄さんがSaxケースを指差し,なんだそれは?と尋ねます。Saxだよと答えると,今度はパスポートを見せろ,とここまで固い雰囲気を崩しません。恐る恐るイミグレーションの写真を撮ってもいい?と尋ねると,もちろんさとばかりに軽く応じてくれました。実は優しい人だったんですね。 くそ重い荷物を背負って転がして,ちんちくりんな男がイミグレーションに向かいます。それにしても不便です。窓口がいくつかあるのですが,どこへ向かえばいいのか分かりません。ほとんどが,ベトナム語のみの表記なのです。 ほとんど日本語表記しかなかった頃の日本にやってきた外国人観光客は,このような失望感を抱いていたんでしょうね。やはり複数言語での表示は大事です。 あ...! 弊店の看板は,日本語表示されていなかった😅 こっちだ,あっちだとあちこちたらい回しにされた割に,さほど大きな混乱もなく,出国することができました。スタッフ以上に,周りにいた人たちが,おい,あっちだぞ,そのまま行け行け!と優しく導いてくれたからです。 ララァ,私を導いてくれ。 いよいよ,国境を越えます。遠目に怖そうなおじさんたちがたむろしてましたが(失礼!),写真を撮っておきます。昔,ここの写真を撮ったことがあることからも,許されているはずです。万が一怒られたとしても,これだけ離れていれば,即座に取り押さえられる心配はありません。まずは言葉での警告で済むはずです。 強面のおじさんたちに近づくと,おい,それはなんだ?とSaxケースを指差します。銃に見えなくもないですからね。 おじさんがラオ語を話したので,ホッとした店主。これならそれなりに意思疎通ができます。 Saxだよと答えると,隣の少し若手のおじさんが,おお!Saxだよ,ほら!と,尋ねたおじさんに説明します。 ボーダーの壁面には,ラオスの伝統楽器ケーンのモニュメントが設置されています。撮影していると,先ほどの若いおじさんがサービス精神旺盛に言います。 おい,こっちにもあるぞ!写しとけ よ。 こちらは恐竜の絵のモニュメントが設置されています。 なぜここで恐竜かというと,サワナケーットで恐竜の化石が発見されたからです。福井県のようなものですね。 ついにラオスへやって来ました。そして,言葉が分かるということは,これほどありがたいのとしみじみ思うのでした。 【お知らせ】 ベトナム,ラオスへの買い付け旅行のため,しばらくの間休業いたします。ご迷惑おかけしまして申し訳ありません。 2023年1月28日(土) 19時からの営業再開を予定しています。 ご来店,お待ちしております。 【身体のセルフケア】 2023年2月4日(土),3月11日(土)の開催を予定しております。 16:30~18:30 上福島コミュニティーセンターにて 詳細、お申込みはメッセージにてご連絡ください。 #カフェ #バー #東南アジア料理 Cafe & Bar ສະບາຍດີ(#サバイディー ) 大阪府大阪市福島区鷺洲2-10-26 📞06-6136-7474 #osaka #fukushimaku #cafe #bar #福島区グルメ #福島区ランチ #福島区バー #ラオス #ベトナム #チキンライス #国境 #陸路国境越え #変わろう日本 https://www.instagram.com/p/CnK-7n-yJ81/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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The Band's Visit
Music and Lyrics by David Yazbek
Book by Itamar Moses
Based on the screenplay by Eran Kolirin
dir. Michael Longhurst
2022年11月5日 Donmar Warehouse
2018年トニー賞を10部門受賞した新作ミュージカル。原作は2007年のイスラエル映画『迷子の警察音楽隊』。2023年2月から3月には日本版プロダクションのツアーが予定されている。こちらの版はマイケル・ロングハースト演出、トゥフィーク役にイスラエルの俳優Alon Moni Aboutboul、ディナ役にイスラエルの歌手Miri Mesikaを迎えてのプロダクション。
美術はスートラ・ギルモア。開幕前に背面に英語・ヘブライ語・アラビア語でテロップが出ている。その下は階段になっており、劇中バンド(管楽器、パーカッション、チェロ、ウード、ヴァイオリン)が座って演奏する。向かって左上には小さな電話ブースが据えられている。全面の舞台ではシーンによって異なる椅子や机がキャストによって運ばれる。回転舞台の速度による演出が大変に絶妙。主に夜のシーンが多いということか、照明は全体的に暗めでムーディな雰囲気。
休憩なし100分、英語、ヘブライ語、アラビア語(英語以外の言語の字幕はなし)が飛び交い、特にドラマチックな見せ場もない『カム・フロム・アウェイ』ミーツ『バグダッド・カフェ』のようなこぢんまりとした人情劇がUSの外、UKや日本のクリエイターを惹きつけた理由は見れば納得する。エジプトふうのバンドの音楽とよりニュートラルな処理をされているイスラエルの田舎町のギャップ、見ず知らずのひとびとがお互いにぎこちなく、それでも礼儀正しく失礼のないように交流する様は見ていてとても心和む。彼の地における凄惨な現状を直視せずにこのような物語を楽しむのは無責任なescapismと言われれば反論はできないが、それでも見た後にホットミルクかマルドワインでも飲んだようないい感じの暖かさが残る作品であることは否定できない。この物語をイスラエルの重量級ベテランと、UKの広くユダヤ・中東・地中海系の実力派俳優と手堅いミュージシャンで固めたキャストはBW版と比べてもかなり強力。あまり作り込まず、キャストのパフォーマンスに多くを任せる演出で人間ドラマを見せる方に重点を置いている。それとやっぱりこの小さい舞台でバンドが舞台上で実際に演奏することでさらに親密さをもたらしている。
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. はい、案の定今日も全員と写真撮れませんでした。 そんな最終日です。 絶対今日は暇だろうも思ってたら ところがどっこいですよ。 雨ざんざんなのに関わらず 沢山の人が来てくれました。 常に笑い声に包まれたこの3日間、 お買い物してくださったみなさま、 本当にありがとうございました!! また次回のイベントにも来てくださいね!! 楽しかったわーーーー。 -------------------- #art #japan #junjiyoshida #福岡 #大名 #警固 #デザイナー #fashion #ファッション #基峰鶴 #日本酒 #酒蔵 #日本酒好きな人と繋がりたい #日本酒女子 #日本酒好き #日本酒男子 #日本酒大好き #アート #kissinthedark #佐賀ん酒 #鶴の箱 #カフェ #カフェ好きな人と繋がりたい #スイーツ #スイーツ好きな人と繋がりたい #福岡カフェ #福岡カフェ巡り https://www.instagram.com/p/CjfpSDXpeFF/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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バイナルカフェ福岡
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福岡天神の警固神社と福岡八女市の八女人形会館にて同時開催中の「ひなカフェ」 本日も元気にオープンしてます✨ 1月20日月曜日まで開催してます(*^^*) この週末、ぜひお越しください‼️ 警固神社のひなカフェイベントは、警固神社横にあります「神徳殿」の二階のお部屋で行っております✨ また、可愛いと評判のお内裏様とお雛様をイメージしたひなカフェオリジナルカップは、六本松421店でも期間限定で使用してます😄 ぜひよろしくお願いいたします🎵 牛島製茶 @ushijimaseicha https://www.yame.co.jp Matchacocoro @matchacocoro matchacocoro.com #ひなカフェ #ひな祭り #八女人形会館 #警固神社 #お茶カフェ #お雛様 #お内裏様 #福岡 #六本松421 #八女茶 #観光 #立ち寄り #牛島製茶 #お茶屋 #玉露スイーツ #matcha #gyokurosweets #tourisum #matchacocoro #fukuoka #japanesegreentea #ropponmatsu421 #ropponmatsu #tenjin #kegoshrine #yamecity (警固神社) https://www.instagram.com/p/B7ciAG8pNIb/?igshid=cwitsfiszp6b
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ああああ
「もういいかなあ」と兄が言ったのでわたしは読みかけの本から視線を上げないまま「なにが?」と訊き返したけれど返事はなく仕方なしにスピンを挟み本を閉じ、読書を邪魔されことに対する文句でも言ってやろうと兄の方を見ると、兄は最初からそうであったかのようにいなくなっていた。わたしはまず部屋の中をくまなく探し、家中をひっくり返し、両親に訴え、警察署に届け、兄の行きそうな店や公園を巡り、学校に確認し、町中に尋ね人のビラを貼り、六年間通った学校に行かなくなり、水晶玉を覗き、Lロッドの行方を追い、恐山でイタコに口寄せしてもらうも圏外だと言われ、失意のわたしを車で轢きかけた男と結婚、兄のことをSNSで拡散してもらい、バズり、当時の同級生を名乗る人物から連絡があり、知り合いだという霊能力者を紹介され願いが叶う薄緑色の石を買い、徳が足らないので世界に三枚しかないというありがたいお札を買い、離婚と同時に出産、ダイソーで売っていたトンカチで薄緑色の石を割り、ガスコンロで札を焼き、海水から作った塩を売って暮らし、わたしが結婚したのと同じ歳まで育った娘が「会わせたい人がいるの」と言って初老の男(以下初老)を連れてきて、わたしはいま初老の運転するバスの中。
「みかん食べる?」娘が冷凍みかんを渡そうとしてきます。初老が娘の恋人なのか気になりましたが、彼がハンドルを握っておりますので機嫌を損ねたら窓の外に広がる渓谷に真っ逆さまということにもなりかねずわたしはなにも言い出せないのです。それにしても、どこに向かっているのでしょうか。ねえ、と娘に尋ねようとすると娘はみかん由来の黄色い手で機械を触っており「なにそれ?」「株」覗いてみようとすると画面を隠し「インサイダ!」と拒絶。反抗期なのでしょうか。
ハッピ、バッデ、トゥユ、
ハッピ、バッデ、トゥユ、
邪悪な秘術を想起させる汚らしい文句。声は娘と初老のものでした。「お母さん」顔を上げると娘がこれまで見せたことのないような笑顔でわたしにノートとペンを差し出しています。ありがとうございます。心根の優しい娘なのです。お義母さあん! と突然、運転席から初老がマイクで叫ぶのでノートを落としてしまいました。ちょうど開かれたページには赤のボールペンで『ギターピックとして代用可能な動物一覧』と書かれているではありませんか。ありがとうございます。ペンギン。ライオン。ワオキツネザル。
「クイズです」初老クイズが始まりました。
「東京タワーと東京スカイツリーは何がために建てられたでしょう」「答えは痛いから」
音割れした初老の声に娘が即答します。
「痛いから?」とわたし。
「東京にはかつて建設を予定されていた塔があった!」「名は東京バベルタワー」「東京は、夢想していた。正しい、理想の己の姿を」「だがそれが叶うことはなかった」「計画は頓挫したのだ」「なんという悲劇!」
娘と初老が交互に、オペラのように歌い上げていきます。ありがとうございます。
「東京は悲しみました」「そして、いつしかそこが傷み、疼きはじめたのです」「東京の悲しみを受け、時の権力者はバベルタワーの代わりに塔を建てました」「順番に、二本」「ですが、それは両方的外れだったのです!」「正解はこれから向かう場所にあります」
「どこに向かっているの?」
「アール県」
ふたりの声が重なり時間はズレます。アール県にある塔は巨大ですがまだ根元しかなく、建設反対派との戦争真っ只中。人を殺傷するのに最適な速さで銃弾が飛び交いバスを出るなり初老と娘がその餌食となりました。二人を埋める余裕もなく走りますと、作りかけの塔の先端にはギトギトとした黒い木でできた小屋。入り口の看板にはペンキで大きく『いろっしょい』と書かれています。ドアは開けっぱなしで、中に入ると小屋と同じくギトギトの木でできた本棚に手作りらしき本がいくつか並んでいました。
「いろっしょい」見ると焦げ茶色のエプロンのギトギトな男が口をOの字にして立っており、わたしにコーヒーを差し出しました。
「テンミニッツ・コーヒーです。黙祷」その十分間でわたしは全てを理解しました。このカフェにいつの間にか忍び込んでは自作の本を勝手に置いていく輩がいて困っているそうです。コーヒーはライカ泥水で、わたしはそれをマスターの顔面に浴びせ本棚に向かいます。悲鳴をあげるマスターこそが犯人なのです。そうやって他人の興味をひいてこの本を読ませようという肚なのです。たちの悪い妖怪のような男。ありがとうございます。そうしてわたしはマスターに代わりそこで本を作ることにしました。絵と文字、それと声。三十年もそうしていると分かります。兄は、そこで奇妙な人生を送っていたのです。兄はこちらで弁当屋の娘に恋をし、交換日記を始めようと迫り、右の耳を捻りちぎられ、通報され、服役し、気のいい模範囚として罪を償い、釈放後は殺人鬼のための懺悔室を西麻布にオープン、週五で気のない相づちを打ち、休みの日にはDI���でギロチン作り、ギロチン繋がりで知り合った女性と結婚するも新婚初夜に誤って妹である私の名前を呼んでしまい、手先の器用な兄の妻がハズバンドと物理的に距離を置くために増築し続けていった家は迷宮となり、膨大な固定資産税に兄がぐずりすぐ近くに地獄を顕現させたことで地価は暴落、やがて妻とも別居し地獄のすぐ隣にある三畳一間に住むことになった兄は、やることがないあまりペンとノートを手に取り本を作り始めました。絵と文字、それと声。その本にはわたしの人生が書かれているではないですか。でもよく見てください、兄の背後から地獄より漏れ出た炎がちるちると、兄(とわたしを)を舐めるようにああ(ああ)。
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.福岡❁警固 ❁けごぱん 大きな大きなミルフィーユ(*´ェ`*) びっくりする大きさに🫢 いちごの季節だね🍓 ぜひ予約を🤭 #ミルフィーユ #millefeuille #cafestagram #foodstagram #gourmet #sweets #カフェ好きな人と繋がりたい #カフェ巡り #카페스타그램 #카패스타그램 #福岡グルメ #福岡カフェ #警固カフェ #警固グルメ #福岡観光 #けごぱん https://www.instagram.com/p/CoTi7PQJPws/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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雨の公園で濡れながら本に目を落とす10歳の少女・更紗(白鳥玉季)。
父を亡くし、母が他所に男を作ってしまったことで伯母の家に引き取られるも
そこにも居場所はなく孤独の中で時間を持て余していた。
公園に傘を持って現れたのは、更紗と同じく孤独を抱えた大学生の文(松坂桃李)。
僅かな会話から事情を察した文は、自分の家に来るかと声をかけ二人の共同生活が始まった。
安心して眠れる場所を見つけた更紗と、少しずつ笑顔を取り戻す更紗を黙って受け入れる文だったが
同居生活から2ヵ月経ったある日、文は誘拐犯として逮捕され、束の間の平穏な日々は終わりを告げる。
そこから15年後、更紗(広瀬すず)は恋人の亮(横浜流星)と同棲生活を送っていた。
亮との関係は決して順調とはいえず、狂い始めた歯車の軋む音が更紗にとって次第に重荷になっていた。
相談に乗ってもらうために同僚の佳菜子(趣里)と偶然入ったカフェにいた店主は、紛れもない文だった。
物語は、以前ドラマ化もされた「幸色のワンルーム」(*アマプラ)によく似ている。
「幸色〜」は年端もいかない少女を連れ去った事件を美化していると批判が殺到し
当初は地上波での放送予定だったものを断念して配信へと切り替えられた。
ほぼ同じプロットの物語に挑んだ李監督は、年の離れた二人の絆の強さを
当事者と部外者双方の心情を配慮した上で、常識や倫理を超えて呼び合ってしまう
二人の関係を描き出すことに成功している。
「当事者にしかわからないこと」と「部外者にしか見えないもの」の狭間で揺れる
二人の少女がどちらも素晴らしく、特に更紗の少女時代を演じた白鳥玉季が放つ
眩しいばかりの透明感と芯の強さがうかがえる眼差しは、
今にも壊れてしまいそうな文の脆さとは対照的で重苦しい雰囲気の漂う本作の一筋の光になっている。
『10歳の少女に大学生が声をかけ同棲生活を送っていた』と聞けば
世間の多くは亮や作中の学生達、レストランで働く同僚と同じ感情を抱くだろう。
二人がどんな気持ちで響き合い、繋がっているのかを吟味する間もなく
更紗と文の年齢差だけをもって「汚らわしい」と決断を下す。
法に従って動く警察はまだしも、感情で動く世間の暴走には歯止めが効かない。
理解できないものを排除し、側から遠ざけようとするのは防衛本能故だろうが
自分達の安息のために、行き場のない二人をさらに孤独に追い込むことには無頓着になっている。
二人の共依存を強固にしているのは、実は自分達の無理解なのだという自覚はおそらくない。
終盤で明かされる松坂桃李の事実には衝撃を受けたが
思えばこの作品のポスターや予告編での文は、その片鱗を既に匂わせていて
改めて松坂桃李の凄まじさを思い知らされてしまった。
「新聞記者」「孤狼の血」と映画賞に連続して顔をだし、まだ今年こんな芝居を出してくるとは。
広瀬すずは「ラストレター」の時に森七菜に花を持たせた時と同じく
白鳥玉季の鮮烈さを際立たせる受けの芝居に徹していて、こちらも大女優の風格。
特に亮との関係性が「不穏」→「怒り」→「恐れ」→「諦観」→「憐憫」と変化していく様子を
亮に向ける眼差しだけで表現しているのは圧巻。
さらに亮を演じる横浜流星も、これまでに見たことのない表情を連発し
李組の洗礼を受けて完全に一皮向けた印象。
今年の映画賞は本作の出演者が続々ノミネートされそうな気がする。
まだ上映開始になったばかりの地域や、これから公開になる地域もあるようなので
ラストを含む重要なネタバレには触れないようにしたが
黒沢清監督の「岸辺の旅」やバリー・ジェンキンス監督のオスカー受賞作「ムーンライト」にも
引けを取らない名作だと思う。
映画「流浪の月」当事者にしかわからないこと、部外者にしか見えないもの - 忍之閻魔帳
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🎼 01338 「I Won't Forget You」。
ハワイから帰国した女性らが脳裏にチラつかせた男性、ユゲ・ダイスケが ハワイの地で水上バイクに飛び乗ったところから始まります、とある男女の恋模様を描いた、ドリューなバリモアと アダム・サンドラーは いつまで待っても出て来ない コロンビア映画 「50回目のファースト・キス」 を観ています。福田雄一監督作品。"カイワレツアーガイド" ではたらく 山田孝之さん似のユゲダイスケは、ある日 朝のカフェ (Keneke's Grill) で 長澤まさみさん似の女性に一目惚れします。でも彼女は (サイキッカーでも山の民の女王でも小美人でもありませんけれど) "永遠の10月9日" を過ごしていたりして 月日をオートリバースさせ、物語に永遠を感じさせます。そんなこんなで 月日が巡るこの映画、物語途中、何らかのメッセージだったのでせうか、藤井聡太さんや 何と アメリカ合衆国第45代大統領が バッと出演されていました。彼らの ギャランティの有無が気になりました。
つづいて
"この作品は 家田荘子の原作をもとに フィクショナルに作られたものであり、登場する人物及び団体等の名称は架空で、実在するものとは何等関係ありません" という前書きと トンネルの中を突き進む一台の車の中の岩下志麻さん似の女性がチラリと映るところから始まります、かたせ梨乃さんのいないシリーズ第7弾な東映映画 「新 極道の妻たち 惚れたら地獄」 を観ています。降旗康男監督作品。岩下志麻さん似のうつくしい女性フユの夫、高島忠夫さん似のムラキは 身体を酷くわるくしていて、ゴールデン洋画劇場の司会も ままならないくらいに 入院生活を繰り返していたりして、そんな間 抱えている組織を妻に任せていたのですけれど、退院をして これからといった最中に 突然に現れたヘリコプターから狙撃され、命を失います。その場にいた フユも銃撃を浴びてしまうのですけれど、この映画の主役は そんな安っぽい弾丸にはびくともしなかったりします。けれども 休養中に 若いのが揉めごとを起こしてしまい、フユは 立ち上がるのもやっとの状態で 相手の組織に赴き、お詫びします。といった感じで話が丸く収まるのかと思いきや、またまた襲撃を受けたりして どうにもならないなって思って身を隠して策を練ります。このシリーズでは珍しく 東京に向かってどうのこうのしたりするこの映画、フユが命を狙われたり警察に終われたりするお陰で 出番が控えめなところがツラミですけれど、フユが左の指を切り落とす様が痛々しかったり、ラストの凄さがステキだったりします。
つづけて
"昭和日報" なる旗をはためかせながら 観音開きな自動車が爆走しながら 警視庁の車を追っ駆けるところから始まります、とある別荘の放火と殺人事件を追う新聞記者が遭遇する怪奇な出来事を描いた 大映スリラー映画 「虹男」 を久しぶりに観ています。牛原虚彦監督作品。殺人事件が起きた とある別荘は 虹を研究していた 何たら博士が所有していて、そんな博士の家系では 虹を神聖なものとして崇めるという固い掟のやうなものがあったりします。そんな掟を破って狂い死にした者があってからというもの、口から七色の虹を吐く悪魔が付き纏うやうになって、それを見たものは必ず変死するという伝説があったりする中で、大雨が降り頻る中、浦辺粂子さん似のその家の カネ (婆や) が虹を見て狂い死にます。そんなこんなで虹男の呪いに取り憑かれて次から次へと博士の家の者が命を狙われて ど��のこうのするこの映画、モノクロームな映像の中で虹が映る場面のみカラー映像に切り替わって 気分はメスカリンです。
..
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SHIROUZU COFFEE警固店のあんバタートースト。 Redbeen jam and butter toasted bread at SHIROUZU COFFEE (Kego, Fukuoka city) #福岡スイーツ #kyotosweets #kyotocafe #京都カフェ #福岡 #Fukuokacafe #福岡カフェ #京都カフェ #Kyoto #日本 #japan #케이크 #icu_japan #스위트 #甜点 #日本甜点 #福冈甜点 #福冈 (Shirouzu Coffee) https://www.instagram.com/p/CIr28ZgARFJ/?igshid=1ttkmnjz43hv2
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# リヨン|左側に気をつけろ(5)
2020年2月末にリヨンに到着した頃、新型コロナウィルスCOVIT-19は中国、韓国、日本を中心に感染拡大がみられるというニュースが多かった。もともと日本では花粉症対策としてマスクを着用していたが、渡仏前にはウィルス対策を兼ねるような心持ちに変化していた。
だが、ヨーロッパでは予防的にマスクを着ける習慣がなく、マスクは重病人や医療関係者が使うものという感覚があるという。東アジア系の人や日本食レストランが感染源扱いされて暴力や嫌がらせを受けたというニュースや、むしろマスクを着けているほうが白眼視されるという話も聞き、リヨン到着後はマスクをせずに過ごしていた。
住んでいたのはSaxe-Gambetta という地下鉄が2路線使えるアクセスの良いところで、西に向かって10分も歩けばアラブ系の移民やアジア系の飲食店の多いローヌ川沿いのGuillotiere 。家主からも「中東系やアジア系が多い地区だから、外国人に偏見とかないので心配しないで」と言われていた(ちなみに家主のマダムは自身も日本に旅行経験があり、20代の息子さん2人は日本のマンガが大好きとのこと)。
Guillotiereは東京でいえば上野アメ横みたいな感じだろうか。中華スーパーでは中国語も通じるし、美味しいベトナム料理店や包子専門店などもあり、ブルジョワの多く住むプレスキルやフルヴィエールに比べて庶民的かつ猥雑な空気が個人的にはかなり気に入っていた。
最初の2週間は講義準備に忙しく、アパルトマンにいる時間が多かった。仕事の合間に一人で散歩にでかけたり友人と食事に出かけたりはしたが、それも数えるほど(上の写真は東京ドーム21個分ともいわれる巨大なテット・ドール公園 。バラ園、サボテン園のほか、無料の動物園まである!)。観光もグルメも、3週目にすべての講義を終えてから。最後の1週間に心置きなく楽しもう、という計画だったのだ。
しかし! この最後の講義を終える前夜に、新型コロナウィルスCOVIT-19の感染拡大を受け、マクロン大統領が「来週の月曜から学校や博物館は閉鎖」と発表した。つまり、金曜日に行われた講義が、大学としても研究所としても休校前の最後の講義ということになった。もともと院生向けの少人数講義なのだが、前回に比べて出席者が半分ほどに減ってしまい、翌週から休校になるとあって周囲の空気もバタバタしていた。講義開始前には、マスクをしている人はいなかったものの相互に距離をとって着席しており、部屋の窓を全開にして換気していた(前日には誰もそんなことを気にしていなかったのに!)。確かに、数日前からイタリアやスペインでの急激な感染拡大と外出禁止などがニュースで何度も報じられていたが、それまではどこか「対岸の火事」を眺めるようなところがあった。
さらに緊張が高まったのは、2回目の大統領発表「14日(土)24時から,新たな指示があるまで,レストラン,カフェ,映画館,ディスコ等が閉鎖される。また,食料品,薬局,ガソリンスタンド,銀行,タバコ・新聞販売所といった国民生活に必須のものを除き,全ての商店が閉鎖」という指示が出てから。そのうえ、自粛を求める政府の要請に応えず、若者たちが集って騒いでいたことが医療関係者の危機感(と怒り)を呼び、戦時体制のごとき厳しい外出禁止の指示がでた。すなわち「17日正午から,少なくとも15日間,仏国内(本土及び海外領土)において,外出を大きく制限。野外における集会,友人や親族との会合は禁止。1メートルの距離を守り接触を避けた形での買い物,通院,テレワークが困難な場合の通勤,若干の運動といった必要な外出のみを許容。規則に反した者は罰則を受ける」。翌日、街の雰囲気は激変した。
まさに日一日と厳しくなる状況のなかで、「お楽しみはこれからだ!」などという浮かれ気分は吹き飛んだ。滞在最後の週は、フランス国内の感染拡大を告げるニュースに戦々恐々とすることになった。EU内の自由な移動も出来なくなり、日本マンガ好きの家主の息子さんが短期語学留学のために予約していた日本行きのフライトもキャンセルされたという。パリの街角では警察官が街行く人に理由書の提示(外出が必須であることの理由を書いた文書)を求めている、という場面をニュースで目の当たりにして「うわー、尋ねられてもフランス語じゃ返答できないよ」(講義は英語だった)��、ビビリのわたしは震え上がった。リヨン在住の友人が送ってくれたLINEの写真には、スーパーに入るのにも1メートルの距離をたもって並ぶため30分もかかる様子や、パスタの棚が売り切れで空っぽになっている様子が映っていた。
わたしが何度か通った近所のパン屋は、いつもの若夫婦ではなく見たことのないマダムがレジにいて、フランス語が通じないわたしに対する態度が心なしか固く冷たい。いつものように「ボンジュー!」と元気よく言ってみても、飛沫感染を恐れるかのように一歩さがって小声で返事されるビミョーな距離感。
外出制限がかかる直前にスーパーで最小限の食料は入手してはいたものの、このままでは日本に帰国できなくなるかもしれない。日本の友人たちからも「早く帰国すべし!」というメールやLINEが続々届く。わずか数日の間に、ぐんぐん高まる危機感。厳しい外出禁止令と、イタリア、スペインの危機的な状況を告げるニュースに、リヨン在住の友人は「ウィルスとの戦争でこれほど鬱々としているのだから、本当の戦時体制だったら、いったいどれほど不安で恐ろしいだろう」という感想をもらしていた。確かに、数日前まで人々がたむろしていたカフェやバーが歩道から椅子やテーブルを片付けてドアを閉ざし、人々が慌ただしく行き交っていた通りから人影がごっそり消えた様子は、そんな連想をさせるほど人を暗い気持ちにさせる。天気だけは、曇りや小雨が続いていた先週までとはうってかわって、真っ青に晴れ渡っているのが皮肉だ(冒頭のテッド・ドール公園の写真がどんよりしているのは、曇天だった先週のうちに散歩に行ったから)。
結局、公共交通機関に乗る機会もなくなり、ウィルスと手すり問題は未解決のまま、予定を前倒して帰国することになった。友人の勧めで利用したタクシーの運転手はマスクを着けており、荷物をトランクに入れた後にアルコールジェルで手やハンドルを消毒する「意識高い系」。日本ではタクシー運転手の感染も報道されていたし、密閉空間でもあるので、この「意識高い系」アピールがちょっとした安心感を与えてくれたのも確かだ。
リヨン・サンテグジュペリ空港も、街中と同様に閑散としていた(下の写真は順に、人のいないチェックイン・カウンター、他人と1メートルの距離を保つようにという指示、閉鎖された飲食店、シャッターの下りた空港内の店舗)。乗り換えのパリ・シャルル・ドゴール空港は人が行き来していて、東京行きのJAL便には非常事態のフランスを脱出するとおぼしき家族連れも多く、ほぼ満席だった。
かくして、「フーテンの左」のリヨンでの冒険は、唐突に、慌ただしく、一区切りをつけることと相成った。
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