2020年4月24日
町山智浩さん「「熱が出たら4日間自宅待機」というガイドライン、専門家会議の連中が「自分は言ってない」と逃げ始めた。そのとおりに4日間待ってたことで亡くなった人たちがあまりに哀れ。」
https://twitter.com/TomoMachi/status/1253406559968755714
ひろゆき, Hiroyuki Nishimuraさん「埼玉県だと病院で適切な治療を受けられないで、死に至ることがあるので、別の都道府県に移動する人が出てきそうな、、、」
https://twitter.com/hiroyuki_ni/status/1253419543310946306
ひろゆき, Hiroyuki Nishimuraさん「数字や文書を隠すと、問題も消え去るというテクニック。」
https://twitter.com/hiroyuki_ni/status/1253418298181468167
YOSHIKI、アメブロ開設。『YOSHIKIの英会話レッスン』をスタート予定
これはちょっと面白いな。
https://www.barks.jp/news/?id=1000179612
癒しチャンネルさん「いつも一緒」
https://twitter.com/iyashichannel_/status/1241567174264676357
毎日新聞さん「大阪メトロは乗務中車掌が業務用タブレット端末で業務と関係のない「KGB(旧ソ連国家保安委員会)」について検索していたと発表。乗務から外し、処分を検討します」
https://twitter.com/mainichi/status/1241668441687408640
もふもふ動画さん「行き場のないチュール」
https://twitter.com/ru_ruru831/status/1241673385064534019
池田清彦さん「@hirat @harada みんなで信じれば嘘も真実って話ですが、嘘はやっぱり嘘で、最後はクラッシュします。嘘でもなんでも儲かりゃいいっていう腐った話に世界が汚染されているのは、間違い無いですが、早く気づいて修正した方が、最終的な痛手は小さいと思います。」
https://twitter.com/IkedaKiyohiko/status/1241752153556832258
読売新聞オンラインさん「盗撮図った巡査長、逮捕した県警は氏名・所属明かさず #社会」
https://twitter.com/Yomiuri_Online/status/1241871038658510849
読売新聞オンラインさん「信号柱に突っ込み破損…車放置し立ち去った中学教諭、現場近くで倒れる #社会」
https://twitter.com/Yomiuri_Online/status/1241871038599892995
毎日新聞さん「日本で初めての肢体不自由児の養護施設「ねむの木学園」を運営してきた女優の宮城まり子さんが21日、亡くなりました。93歳でした。」
https://twitter.com/mainichi/status/1241819718635249664
毎日新聞さん「郵政側の抗議が言い掛かりで、狙いは取材への圧力と認識しながら郵政側への対���を促したとみられます。」
https://twitter.com/mainichi/status/1241884867589074946
防衛省 海上自衛隊さん「㊗️ツイッターアカウント開設㊗️ 海上自衛隊 第22航空群(長崎県大村市)がツイッターを開始しました!是非、フォローをお願いします🚁 #はじめまして #フォローミー」
https://twitter.com/JMSDF_PAO/status/1241884298644303872
ミソキン【YouTube ch ミソキンTV】さん「【悲報】犯罪的可愛さ、日本列島全国民を癒してしまう。」
https://twitter.com/nakamanian/status/1241907132703756288
哉美さん「#バンギャがライブハウスを借りてみた 浦和ナルシス編 浦和ナルシス(@urawanarciss)さんを一日レンタルしたレポートを書きました! 音楽を好きな人に読んでもらいたいです。 #拡散希望 #音楽 #摩天楼オペラ #私の好きなライブハウス #ライブハウス恩返し大作戦 #note」
https://twitter.com/3141opera/status/1241684087112232962
孫正義氏 マスクを月産3億枚提供、「無利益で供給します」/芸能/デイリースポーツ online
https://www.daily.co.jp/gossip/2020/04/12/0013266069.shtml
Coronavirus death rate lower in countries using old BCG vaccine | Daily Mail Online
https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-8197247/Coronavirus-death-rate-SIX-TIMES-lower-countries-use-BCG-vaccine.html?ito=social-twitter_mailonline
休業要請初日の人出 歌舞伎町72%減、大阪駅周辺93%減: 日本経済新聞
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO57960620R10C20A4EA2000
朝日新聞(asahi shimbun)さん「名古屋で保育園児感染 愛知県内の感染者は計351人に #新型肺炎 #新型コロナウイルス」
https://twitter.com/asahi/status/1249311820352876544
池田清彦さん「他の先進国と比べて、コロナ補償に注ぎ込む金は日本がダントツでケチですね。消費税の値上げ分はどこに消えたのでしょうか。僕はテレビを見ないのでよくわかりませんが、NHK を始め、マスコミは他の先進国が、国民一人頭数十万円〜の休業補償を出していることを放送しないのかしら。」
https://twitter.com/IkedaKiyohiko/status/1249316934547464192
読売新聞オンラインさん「大阪地検の司法修習生が感染…同室の修習生30人は自宅学修、指導検察官3人は自宅待機 #社会」
https://twitter.com/Yomiuri_Online/status/1249317604487028738
Hiroshi Nishiuraさん「お、おじさんはただただ悲しいです。僕を含めて、人間とは如何に愚かなものかと。死ぬときにyou could have stayed homeと。に、日本の皆さん、立ち上がって共に声をあげてくれませんか」
https://twitter.com/nishiurah/status/1249306230268375041
朝日新聞(asahi shimbun)さん「仙台で男女小学生ら6人感染、計51人に 新型コロナ #新型肺炎 #新型コロナウイルス」
https://twitter.com/asahi/status/1249318866297057281
東雅夫┃O.Z.N.(おばけずきネットワーク)さん「出版業界の底辺で(笑)40年近く仕事してきた人間として申しあげますと、小規模な版元の場合、たとえば売れ部数が500冊違うだけでも雲泥の差なのです。つまり一個人のささやかな支援が、実効ある力になり得ます。推してる版元、好みの本を企画出版してくれる版元が、この先、生き残るための力に。」
https://twitter.com/obakezukinw/status/1249304951353823234
猫使いの進さんさん「なんやてー」
https://twitter.com/shinsan0919/status/1249360570861506563
高須克弥さん「賛成🙌 たけし、怒り爆発 国民に犠牲強いるなら「国会議員は金返せ!」 - エキサイトニュース」
https://twitter.com/katsuyatakasu/status/1249135382396108801
朝日新聞(asahi shimbun)さん「渋谷署に留置の20代男性が感染 署員ら10人自宅待機 #新型肺炎 #新型コロナウイルス」
https://twitter.com/asahi/status/1249353594232434690
ロイターさん「【閲覧注意】南米エクアドルでは、#新型コロナウイルス 感染で死亡した人の遺体がビニールにくるまれただけの状態で歩道に放置。国民の怒りが爆発した。」
https://twitter.com/ReutersJapan/status/1249344018225528833
ロイターさん「香港の老舗有名店「蛇王二」が閉店へ。名物のヘビのスープともお別れ。」
https://twitter.com/ReutersJapan/status/1249359117996691457
朝日新聞(asahi shimbun)さん「ジョンソン英首相が退院 ロンドン郊外の別荘で療養 #新型肺炎 #新型コロナウイルス」
https://twitter.com/asahi/status/1249347050149302274
ロイターさん「韓国で新型コロナ患者91人が再陽性、WHOが調査へ」
https://twitter.com/ReutersJapan/status/1249344144364929024
朝日新聞(asahi shimbun)さん「感染者、全国で7268人に 東京は5日連続100人超 #新型肺炎 #新型コロナウイルス」
https://twitter.com/asahi/status/1249352085537095680
ロイターさん「「コロナ隊」は市民の家を一軒一軒訪れて、外出しないよう呼び掛ける。」
https://twitter.com/ReutersJapan/status/1249351568463286273
毎日新聞さん「兵庫県は大阪府との連携を重視して、民間施設への休業要請に踏み切る意向です。井戸知事は「(大阪と兵庫の)エリア全体で同じ対策をとらないと」と説明しました。」
https://twitter.com/mainichi/status/1249346534803566593
読売新聞オンラインさん「仙台の子ども5人が感染…保育園や英会話教室に外国籍の女性来訪 #社会」
https://twitter.com/Yomiuri_Online/status/1249337737611747330
KAMEI Nobutakaさん「「胆力と精神力では助からない」 「病気は平等ではない」 「金持ちも貧乏人も同じように苦しむというのはでまかせ」 「低賃金の人たちはウィルスを浴びる機会が多く、感染可能性が高い」 「健康問題は社会福祉の問題」 わずか50秒のニュース映像に込められた強いメッセージ。ぜひ見てみてください」
https://twitter.com/jinrui_nikki/status/1249211791953072130
Masaki Oshikawa (押川 正毅)さん「日本がグズグズしている間に、インドのケララ州で早速韓国式の「電話ボックス型検査室」を導入。こちらは被検者でなくて、検査スタッフがボックスに入ってるんですね。環境によってはこちらの方が合理的かも。 ケララ州は、インドの中では感染拡大抑制に成功している州です。」
https://twitter.com/MasakiOshikawa/status/1249152685724569602
金色樽兵衛さん「ちょっとわしも動画投稿をやってみる。ついったって最大45秒なのね。ワンコーラス収まらない…」
https://twitter.com/tarube_konjiki/status/1249289933157584897
もふもふ動画さん「猫のファッションショーは中止されなかった模様」
https://twitter.com/ru_ruru831/status/1249284229168394243
岡崎体育さん「エビ中のポネキ(@ebichu_staff)とBenthamのオゼさん(@fancy__dance)から回ってきた #うたつなぎ は経済産業省(@meti_NIPPON)の皆様に繋ぎます。」
https://twitter.com/okazaki_taiiku/status/1249366458116657152
日本経済新聞 電子版さん「抗体とは 体内に侵入した病原体を捕まえる免疫分子」
https://twitter.com/nikkei/status/1249366435861757952
会計士KOさん「厚生労働省ブチギレ」
https://twitter.com/CPAKO999/status/1249296306478047232
日本経済新聞 電子版さん「大阪の感染者、計800人超 新たに45人確認」
https://twitter.com/nikkei/status/1249374133475049472
吉田メタルさん「あの〜 スーパーとかコンビニとか 買い物1人で行きませんか? 時間持て余してるのはわかりますが 子供連れた家族とか 楽しげなカップルとか 他人との距離も近くなるし 感染確率上がるだけですやん 今日もスーパーは たくさんの人でにぎわってた。。。 公園も人のいないとこ 行きましょね、、、」
https://twitter.com/metalmanjapan/status/1249344279861837826
吉田メタルさん「もちろん 仕方なくの場合以外ですよ そうじゃない 休日感覚の人が多過ぎて 緊張感のギャップを感じてしまう。。。」
https://twitter.com/metalmanjapan/status/1249378732399157250
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版さん「抗体検査の導入、新型コロナ「免疫パスポート」も #新型肺炎 #新型コロナウイルス」
https://twitter.com/WSJJapan/status/1249464840843919360
ニューズウィーク日本版さん「インドネシア警察、パプア武装独立運動組織を急襲2人殺害 外国人殺人事件に関連容疑か 対話路線の大統領が新型コロナウイルス対応に追われるなか、警察によるパプア独立派への圧迫が強まる #インドネシア #東南アジア #パプア #民族主義 #独立運動 #人権問題」
https://twitter.com/Newsweek_JAPAN/status/1249464827451506696
毎日新聞さん「「出前」や「テークアウト」利用で半額を補助する制度が茨城県常総市で始まりました。苦境に立つ市内の飲食店を支援しようという狙いです。対象店リストを全戸に配布します。」
https://twitter.com/mainichi/status/1249464814101057539
おもしろきこともなきよをおもしろくさん「>人を媒介とするこのウィルスは隣人同士の猜疑心を煽り、「家にいても(経済的に)ビクともしない人」と「働かなければ死んでしまう人」を残酷にあぶり出してしまいました 上手くまとめましたね (*´∇`*) 格差社会がモロに出てきただけ #為末大 #スガシカオ #糸井重里」
https://twitter.com/MVjrhTd252QD6SX/status/1249251877805600768
K&M&Y&Aさん「医師です。 批判覚悟で言います。 全て後手で失敗続きの現政権。 #PCR検査 も #抗体検査 も抑えつけ、その根拠となる、まともな証拠も議事録も示さない。 医療現場に十分な医療材料も提供しない。 #補償のない自粛要請 で人の外出や接触を8割減らせと要請。 #悲惨な人体実験の途中←今、ここ」
https://twitter.com/uchu1dane/status/1249263256453001217
アニさん「安倍首相+星野源のやつを見てしまって、この自分の感覚を表現する言葉が見つけられなくて困惑している。あえて言うなら恐怖。首相及びそのブレーンが、今の状況が国民にとってどういうものなのか、全く想像できていない、本当に「わかっていない」ことに対する恐怖。」
https://twitter.com/gorotaku/status/1249182109627006982
高須克弥さん「大馬鹿者❗💢💢💨」
https://twitter.com/katsuyatakasu/status/1249328411798994944
資源確保にご協力を!鼓膜さん「術着とガウンとマスクがもう足りません。今開放骨折とか重症外傷運ばれてきたらもう無理です。薬中も無理です。 事故とか、未然に防げるものは防いでください 皆さんが出かけるのは用があるからですよね。不要の外出はないにしても、不急の外出はあるはずです。 玄関をでる前にもう一度考えて下さい」
https://twitter.com/incident_girl/status/1248082507062333440
朝日新聞(asahi shimbun)さん「「まるで戦争」特例乱発 トランプ政権が進める経済統制」
https://twitter.com/asahi/status/1249459801043521537
朝日新聞(asahi shimbun)さん「国会「今や感染危険エリア」 危機対応と対策両立に苦慮」
https://twitter.com/asahi/status/1249459795079204865
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版さん「新型コロナの症状さまざま、遺伝子に手掛かりか なぜ一部の患者はごく軽い症状ですみ、他の患者は重症になるのか #新型肺炎 #新型コロナウイルス」
https://twitter.com/WSJJapan/status/1249459784178380800
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版さん「エイズの教訓:ワクチン開発を当てにするな 数十年前HIVに直面したファウチ博士らが新型コロナに見る共通点 #新型肺炎 #新型コロナウイルス」
https://twitter.com/WSJJapan/status/1249467348190482436
毎日新聞ニュースさん「舞台縦横ときどきナナメ:「寄席の灯」が消えた いつか笑ってネタにできる日のために」
https://twitter.com/mainichijpnews/status/1249467462690541569
毎日新聞さん「新型コロナウイルス対策ですぐにでも使用すべき、入手しておくべき薬はある?」
https://twitter.com/mainichi/status/1249467330373079045
ニューズウィーク日本版さん「猫のコロナ感染率は15%――「人→猫」「猫→人」感染は? 軽症・無症状感染者を自宅待機させる日本では知っておいた方がいいかもしれない #新型コロナウイルス #猫」
https://twitter.com/Newsweek_JAPAN/status/1249469849014853632
毎日新聞さん「大阪府では爆発的に感染者が増える「オーバーシュート」への危機感が強まり、休業要請は避けられないと判断しました。ただ、厳しい財政状況を踏まえ、要請に応じた施設への休業補償はありません。」
https://twitter.com/mainichi/status/1249469847148417029
ロイターさん「動画:「マスクの下の笑顔見せたい」、看護師らが防護服の上に写真」
https://twitter.com/ReutersJapan/status/1249549601243308033
日本経済新聞 電子版さん「7割減要請も人絶えぬ都心 「仕事回らぬ」戸惑う声」
https://twitter.com/nikkei/status/1249548365647380480
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版さん「マスクの次は食糧不足 投資家は懸念すべきか? 問題は生産量ではなく輸送能力の制限や農業労働者の不足 #新型肺炎 #新型コロナウイルス #ハードオンザストリート」
https://twitter.com/WSJJapan/status/1249547897106042880
ニューズウィーク日本版さん「アメリカでコロナ不況対策の現金給付始まる、4人世帯で3400ドル 奇しくも日本で布製マスク2枚が各世帯へ配られ始めるのと同じタイミングで、アメリカでは早くも銀行口座への入金が始まった」
https://twitter.com/Newsweek_JAPAN/status/1249550941453348869
クリーニング店員ですが。さん「クリーニング屋からのお願い��す。 長々と書いてますが是非読んでください。 助けてください。#緊急事態宣言 #拡散希望」
https://twitter.com/JSHN_1004/status/1249286354317369345
新型コロナウイルスは「免疫細胞を無効化する」という研究結果 | ナゾロジー
https://nazology.net/archives/56567
新型コロナウイルスは、石正麗チームがエイズウイルスと合成か。 | Bookservice.JP -Rinkaku-
https://www.bookservice.jp/2020/02/22/post-41435/
県独自の緊急事態宣言発令 香川知事:時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020041400247
通勤者の減少は十分でない、7割の削減を企業に要請=官房長官 - ロイター
https://jp.reuters.com/article/suga-remotework-idJPKCN21V0AE
琉 球 新 報さん「沖縄本島以外で初、八重山地方で感染者が2人出ました。病床が少なく、医療機関の対応が困難になることが懸念されます。県内ではこの日、この2人を含め7人の感染者が確認されました。」
https://twitter.com/ryukyushimpo/status/1249583623545573376
NHK生活・防災さん「消毒液の代わりにアルコール高濃度の酒使用認める 新型コロナウイルスの感染拡大でアルコール消毒液が不足していることを受けて、厚生労働省は、アルコール濃度が高い酒を消毒液の代わりとして使用することを特例として認めることを決めました。」
https://twitter.com/nhk_seikatsu/status/1249609075114954753
共同通信公式さん「「国が休業補償を」82% - 内閣支持減40%、共同通信調査」
https://twitter.com/kyodo_official/status/1249605759484100608
朝日新聞(asahi shimbun)さん「50施設拒否の感染者も 忽那医師「崩壊始まっている」 #新型肺炎 #新型コロナウイルス」
https://twitter.com/asahi/status/1249637463854698498
音楽ナタリーさん「さかなクン×スカパラが誘う「おうちでパラダイス」セッション呼びかける演奏動画公開(動画あり)#おうちでパラダイス #StayHome #stayparadise #スカパラ #さかなクン」
https://twitter.com/natalie_mu/status/1249637533861867521
ゾマホン・スールレレ / Zomahoun Souroulereさん「最近の外出自粛で動物達が人間の気配を外で見なくなって、心配で家に様子見に来ているらしい😃」
https://twitter.com/ZSouroulere/status/1249254168990060545
毎日新聞ニュースさん「新型コロナ検査「病院あふれるの嫌で厳しめに」 さいたま市長、保健所長を注意」
https://twitter.com/mainichijpnews/status/1249637297026260992
朝日新聞(asahi shimbun)さん「リウマチ薬、新型コロナの重症肺炎を改善か 臨床研究も #新型肺炎 #新型コロナウイルス」
https://twitter.com/asahi/status/1249648538624987137
医療用医薬品 : アクテムラ
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00054586
毎日新聞ニュースさん「目標1億円 ミニシアター支援へCF 映画監督ら基金設立」
https://twitter.com/mainichijpnews/status/1249644356094418944
ロイターさん「韓国、新型コロナで少なくとも116人再陽性」
https://twitter.com/ReutersJapan/status/1249643306516189185
朝日新聞(asahi shimbun)さん「都内の感染者は30代が最多 死者は高齢者、男性に偏り #新型肺炎 #新型コロナウイルス」
https://twitter.com/asahi/status/1249644007338029056
ニューズウィーク日本版さん「マスク不足はなぜ起き、どうやって解消すべきなのか 日本の全世帯にマスクを配るより、その費用をマスクの増産に回せば、不足が解消できてなおお釣りがくる」
https://twitter.com/Newsweek_JAPAN/status/1249678724733243393
池田清彦さん「パンデミックを止めたいのなら、3密になる仕事はするな、その代わり補償は速やかにする、ということでなければ無理。PCRは真面目にやらない。抗体検査はやる気なさそう。補償もフリだけ。本当はやりたくてもできない程、国力がないのかもしれないな。」
https://twitter.com/IkedaKiyohiko/status/1249709894296432640
毎日新聞ニュースさん「香川で初クラスター 高松市立保育所で女性保育士8人感染」
https://twitter.com/mainichijpnews/status/1249713115832258560
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版さん「コロナ集団感染の米空母、乗組員に初の死者 #新型コロナウイルス #新型肺炎」
https://twitter.com/WSJJapan/status/1249713613553704962
村本大輔(ウーマンラッシュアワー)さん「二階幹事長が80人の満員集会で「コロナ傲慢・仰天発言」連発!(FRIDAY) - Yahoo!ニュース」
https://twitter.com/WRHMURAMOTO/status/1249713500890361858
町山智浩さん「「安倍総理大臣は、自民党の役員会で『休業に対して補償を行っている国は世界に例がなく、わが国の支援は世界で最も手厚い』と強調しました」。 その発言は虚偽です。各国で補償は実施されています。これを無批判で放送したのなら放送法第4条に反します。」
https://twitter.com/TomoMachi/status/1249766181969358849
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版さん「米アマゾン、生活必需品以外の倉庫入荷再開へ サードパーティー」
https://twitter.com/WSJJapan/status/1249768928940896256
赤松 健さん「経産省/「持続化給付金」4月最終週に確定、申請後2週間で給付|流通ニュース ★持続化給付金について最新情報。「住所」「通帳の写し」「本人確認書類(or法人番号)」「2019年確定申告書類の控え」「減収月の事業収入額を書いた帳簿(様式は問わない)」が必要。割と簡単。」
https://twitter.com/KenAkamatsu/status/1249600764307066880
古舘寛治Kanji Furutachiさん「コロナ禍に…。はっきり言うよ。自民党の改憲が通れば人権は間違いなく制限される。俺みたいに政権批判してる奴は捕まる時代になる。戦前と同じに。言ったからね?俺今言ったから〜知らんかったとか言うなよ〜😭→緊急事態の改憲論議自民、野党に呼びかけ:日本経済新聞」
https://twitter.com/Mkandhi091/status/1249590814868516864
とみさん「すごい… 国が変わりはじめてるのか、あるいはもはや国が機能してないのか… いずれにせよこの高校生たちは「何もしない大人たち」より勇敢だし先進的だと思う 茨城の全県立校、一転休校に 高校生がスト、反発強まり転換」
https://twitter.com/meow164/status/1249663119107829760
毎日新聞ニュースさん「フランス政府、市民の外出禁止を5月11日まで延長 企業への休業補償強化」
https://twitter.com/mainichijpnews/status/1249870413900812289
朝日新聞(asahi shimbun)さん「人工呼吸器増産へ、承認効率化 厚労省、他業種参入促す #新型肺炎 #新型コロナウイルス」
https://twitter.com/asahi/status/1249871001795448833
ロイターさん「英国のジョンソン首相。「NHS(国民医療サービス)が命を救ってくれたことは間違いない」と感謝。」
https://twitter.com/ReutersJapan/status/1249870010014552064
橋下徹さん「こんだけ緊急事態だと言って民間には自粛を求め、それで国会議員は約2200万円の報酬に領収書抜きの経費年1200万と年720万円の使い方自由の事務費。加えて政党全体で350億円の政党交付金。これら全部税金。今こんなにもらうのは申し訳ないと思う国会議員は日本の国にはいないのか!」
https://twitter.com/hashimoto_lo/status/1249602630923370496
読売新聞オンラインさん「感染者の入院病棟で勤務、看護師が感染…フェイスガードや二重の手袋着用 #社会」
https://twitter.com/Yomiuri_Online/status/1249871255110647812
ロイターさん「世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は13日、トランプ米大統領が新型コロナウイルスへの対応を巡りWHOを批判しているものの、米国が資金の拠出金を継続することに自信を示した。」
https://twitter.com/ReutersJapan/status/1249868968392888322
小太刀右京/Ukyou Kodachiさん「「8割効く」コロナワクチン、9月にも実用化:日本経済新聞 人類すごい……。がんばれ……! #日経会社情報DIGITAL」
https://twitter.com/u_kodachi/status/1249833054715047936
GALLERY BIBLIO 十松弘樹さん「すばらしい。このシステムは直送でも書店にお金が入る仕組みです。「町の本屋さんがなくなってさびしい」と言いつつ「便利だから」と密林を使っている人は明日からでもこちらに切り替えてください。町の本屋さんを守るということは自由な言論を守るということだと思います。」
https://twitter.com/GBIBLIO/status/1249258418424016897
朝日新聞(asahi shimbun)さん「感染者、世界で200万人超 欧米5カ国で6割占める #新型肺炎 #新型コロナウイルス」
https://twitter.com/asahi/status/1249869997410635776
ロマンシング阿部さん「ポートランドでほぼ裸の女性たちが出歩いていて何事...と思ったらUber EatsならぬBoober Eats(boob:おっぱい)なるものが…この状況下でストリップクラブで働けない従業員のために始まったサービス。食事代+配達代30ドルで利用できるそうです。さすがポートランド!色々すごい」
https://twitter.com/romancing_abe/status/1249637338507960322
毎日新聞さん「「あなたの行動が大切な人の命を守ります」。北海道と道警は12日夜、札幌市の繁華街ススキノで、接客を伴う飲食店の利用自粛を呼びかけました。」
https://twitter.com/mainichi/status/1249867466974486529
朝日新聞(asahi shimbun)さん「自民・船橋氏の家族が感染 赤坂宿舎で同居、登院を自粛 #新型肺炎 #新型コロナウイルス」
https://twitter.com/asahi/status/1249873523222306816
日本経済新聞 電子版さん「外国人の入国者9割超減、3月 中韓など大幅減」
https://twitter.com/nikkei/status/1249874514730577922
舛添要一氏、トランプ大統領のWHOへの拠出停止に異議「何という指導者だ…全人類が協力して戦うべきときなのに」 : スポーツ報知
https://hochi.news/articles/20200415-OHT1T50042.html
「会社・仕事があるという人はテレワークできるよう上司に言ってください」 緊急事態宣言から1週間に小池都知事 | ABEMA TIMES
https://times.abema.tv/posts/7050143
トランプ大統領 WHOへ資金拠出停止の考え | NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200415/k10012387751000.html
東京都公式と厚労省公式で二倍異なる、東京都での COVID-19 死亡者数(矢崎裕一) - 個人 - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/yazakiyuichi/20200414-00173323/
時事ドットコム(時事通信ニュース)さん「【速報】 新型コロナウイルスについて、北海道大の西浦博教授は、人と人との接触を減らすなどの対策を全く取らない場合、約85万人が重篤になり、約半数が亡くなる恐れがあるとの試算を公表した」
https://twitter.com/jijicom/status/1250219795384942593
コロナ緊急事態下で立憲・高井議員が「風俗店」通い 本人認める | デイリー新潮
https://www.dailyshincho.jp/article/2020/04141700/
自民・二階氏、所得制限付き「一律10万円現金給付」を政府に要望へ : 政治 : ニュース : 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20200414-OYT1T50183/
コロナウィルスに感染しました - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=NGrlyW_vzQU
東京で感染の5人が死亡 | 共同通信
https://this.kiji.is/622741042757649505?c=39550187727945729
東京都内 新たに161人感染確認 計2319人に 新型コロナウイルス | NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200414/k10012386611000.html
村本大輔(ウーマンラッシュアワー)さん「😍 自主隔離中の93歳の女性「ビールが足りなくなった」。危機感を訴えたら、ビール会社から150缶届く」
https://twitter.com/WRHMURAMOTO/status/1250065290131582977
吉村洋文(大阪府知事)さん「コロナの影響で、失業や収入減、その他により、現在の住まいを退去せざるを得なくなった府民の方向けに、臨時の住まいとして府営住宅を準備します。家賃は月4000円、原則6ヵ月(1回更新可)、100戸(300戸まで順次拡大)。4月20日から受付開始。お困りの方は、是非ご利用下さい。」
https://twitter.com/hiroyoshimura/status/1249966394633900032
清水真理 作品集発売中。さん「清水真理人形作品集 Wonderland (TH ART SERIES)発売中です。 https://t.co/gQyArG23ok https://t.co/55kQbtW0Re」
https://twitter.com/shimizumari/status/1171789623564984320
SUGIZOさん「Stay Home Shooting😀 LUNA SEA「Make a vow」 #SUGIZO #LUNASEA #StayHome https://t.co/F2JOzchc2P」
https://twitter.com/SUGIZOofficial/status/1253247237511090176
BARKS編集部さん「【連載】中島卓偉の勝手に城マニア 第94回「牛久城(茨城県)卓偉が行ったことある回数 2回」 https://t.co/F3eAZW8HEB #中島卓偉 #城マニア」
https://twitter.com/barks_news/status/1253247048918241281
太三さん「手刀入り口のあの大仏をブローチにしました。 守神来世さん。 信仰選ばない造りに仕上がっています・・・† 太三工房オールハンドメイド まだ試作段階なので色は異なる可能性があります。 支援寄付に向け発売予定です。 販売の詳細は改めてお伝えします。 https://t.co/22xr5WgO5T」
https://twitter.com/taizodiac/status/1253325769809342469
The Sign Voiceさん「ポスト・マローンがニルヴァーナのトリビュート・ライヴストリームを日本時間の2020年4月25日(土)朝8時から行うとアナウンス。ティーザーが公開されています>>> https://t.co/NVJlaLvAyc https://t.co/ExxLPP7nRK」
https://twitter.com/thesignvoice/status/1253134593592451075
手を洗うピエール中野 凛として時雨 from 埼玉さん「ピエール中野 https://t.co/pZEykvIelK」
https://twitter.com/Pinakano/status/1253363493400481792
マリアンヌ東雲さん「新曲の録音が延期続きなので、宅録デモで自らMV製作に初挑戦致しました。勿論誰にも会わず、何処にも行かずに完成させたわ。ド素人がフリー素材に頼りまくった割には中々罪深い仕上がり・・・?低予算どころか無予算也。 https://t.co/FJK2jtvz5J」
https://twitter.com/marianne_sama/status/1253367269788315648
DEATHROさん「#DEATHRO 2週連続緊急リリース新曲配信中 『闇を切り裂く』 https://t.co/NOBKJYVIBy 『ILLUSION...追いかけて』 https://t.co/fjpIEFlutk #OTOTOY での売上は #SaveOurPlace の取り組みで全額を難波BEARS/今池HUCKFINNへDONATIONします 是非ハイレゾで聴いてくれ! https://t.co/z84j9aAki5 https://t.co/wjiroErp1o」
https://twitter.com/deathro_com/status/1253262819262267393
ライブハウス 目黒ライブステーションさん「【お知らせ】 この度、目黒ライブステーションのreboot(再起動)に向けてクラウドファンディングを立ち上げ、ドリンクチケット、オリジナルグッズをはじめ、様々なリターンをご用意させていただきました。 どうかご協力よろしくお願いいたします。 https://t.co/62OKWlFYtX」
https://twitter.com/megurolivest/status/1251702340777725957
UNCLOCK LOVER 頼田陵介さん「昨日mixとmasteringの事で舜さんにヘルプコールをしたところ、いくつかアドバイスしてもらい実行。 問題解決✨ さすが先輩っ‼︎ 神っ‼︎‼︎ ってなりました。笑 とりあえずゴール作っとかないと差し替えしたあと大変なのでね。 先に… …で、 4時間ほど睡眠を取り 今、ココ #toおはる https://t.co/awJEayX2SO」
https://twitter.com/yorita_ryosuke/status/1253601760943300608
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山姥切探偵事務所
※いつものノリ※ちょぎくに※現パロです※いつも通り人を選ぶかもしれない 探偵事務所、と書かれている看板がある雑居ビルの目の前に安定は立っていた。うろうろと、しばらくの間、どうしようかと悩んでいる。やっぱり引き返そうと思ったところで、脳裏に親友が「安定は優柔不断だなあ」と悪気なく
(なのにどこか意地悪そうに)笑うの姿が過ぎる。想像上の親友の姿なのに、なんだか少しむっとして、負けず嫌いが働き、意を決して雑居ビルの脇にある階段で2階まで上がった。 というわけで、山姥切探偵事務所の門戸を叩いた安定は、中に入ってすぐに気がついた金髪の青年の姿を見て驚く。
まだ学生服を身にまとっていて、これがコスプレでなければ彼は学生だからだった。金髪の青年、まあまんばなんだけど、まんばは「…依頼人ですか」と存外低い声で、愛想なく訊ねる。「え…あ、はい…えっと…君が探偵さん…?」「いえ…俺は…座ってください、飲み物出すんで」
混乱しながらも、安定はまんばに促されるままにソファに座る。土曜昼すぎのテレビが、人気タレントのトーク番組を流していて、特に意味もなく眺めていたら、「どうぞ」とさっき聞いた声がして、ソファの高さに合わせた高さのテーブル、安定の目の前にカタン、と小さな音を立てて、
氷が入ったコーヒーが出された。ぱちぱちとそのグラスを見つめていると「…コーヒー苦手でしたか」とお盆を持つ青年が目を泳がせている。何年下(多分)に気を遣わせてるんだ僕…!と安定は慌てて両手を振って、違うとポーズをとって「ち、違…!…えっと、ミルクとお砂糖ってあります…か?」と続けた。
人が来たからか青年はテレビの電源を切って、それから、ミルクをたっぷりいれたコーヒーに口をつける安定に「うちの…所長は、今不在で…もうすぐ帰ると思うんですが…」と申し訳なさそうにする。安定としては、やっぱりこの子が探偵さんではないのか、と少しほっとした。
「じゃあ、君が探偵というわけではないんだ」「それは…俺、高校生ですよ」これで分かるかと思ったんですが、と学生服のブレザーを自分で指さす。よく見れば、そこにある校章はそれなりに有名な私立校。だから敬語とかも大丈夫です、とたどたどしく話すまんばに、安定もすっかり緊張がとけていく。
「じゃあここのお手伝いさんなんだね、アルバイト?」「手伝い…そんなところ、です…バイト、ではないですが」「じゃあ実家のお手伝いかな、ふふ、偉いなあ…」「そんなんじゃ…」そんなふうに話をしていると、探偵事務所の出入口から音がする。
かと思えば、次には、「国広!だから、制服のままで来客対応をするなと言っただろう!」と怒っているような困っているような声が響いた。 「あんたが昼に出るからしばらく頼むとLINEを寄越したんだろう、今日は土曜、学校が終わるのが12時20分、間に合わせるのがどれだけ…」」
「だからと言って…未成年の学生働かせてるとかバレたらどうなるか…ハンバンガーチェーン店じゃないんだよ、ここは」「借金カタにその未成年を好きに使ってる立場のくせに…」「助けてやったんだろうが人聞きの悪い…あー、もういい…ほら、上で着替えてきなよ、俺の服でいいから」
「…とか言って、また変なのじゃないよな」「人前で人を変態趣味みたいに言うんじゃない!」安定が2人のやり取りに呆然としていると、先程まで話をしていたまんばが奥の階段の方へと消えていく。代わりに、現れた男性が安定に向き直り、にこりと微笑んだ。
「うちの助手がすまなかった。…さて、用件は依頼、かな」その所作があまりにも完成されていたものだから、安定はすっかり、今しがた交わされていたあまり穏やかではない単語も飛び交う応酬のことなど忘れて、「はい」と返事をしてしまったのだった。
「…脅迫を受けているんです」安定が話始める頃には、少し大きめのパーカーに着替えたまんばが降りてくる。そのまま何も言わず、座って話を聞く姿勢の長義くんの後ろに立った。それに気づいた安定は気まずそうに話を止めてまんばの方を見る。「あ、君…えっとこれは依頼で…」
「わかってます、俺は居ないものと思って貰って問題ないです、続けてください」「そうは言っても…」さっきの話だと未成年というじゃないか、子供に依頼内容を聞かせてしまっていいものか、そう思って安定が逡巡していると、すかさず長義くんがフォローに入る。
「俺が許可してるんですよ、助手、とは言ってもこいつが主に動くこともあるんで、こいつも同席させてください」「…そう?それじゃあ…ああそうだ、立って聞いてるの疲れちゃうでしょ、せめて座って…って、僕が言うのはおかしいか…あの、いいですよね?」安定がそうたずねると、
まんばは目で長義くんに合図を送る。長義くんが顎で自分の隣を指すので、まんばは周囲を伺うように少し目を左右に動かしたあと、なぜか安定の座るソファの後ろを回って、ちょこんと長義くんの隣に控えめに腰掛けた。「…さて、話を続けてください」「え、はい…それで、届いた脅迫状がこれです」
「…失礼、手に取って見ても?」「はい…」そう言って長義くんは、安定が鞄から取り出した、届いたという脅迫状をじっと見る。印刷された無機質な文字は誰のものか判別が出来ない。「…ファッションショーを中止にしろ、ねえ」よくある文面に、長義くんは顎に手を当てて紙の裏表を確かめたりしていた。
それをちらりと横目で見たまんばは、深刻そうな表情の安定に声をかけた。「あの、大和守さんはデザイナーか何かで?」「…うん?いいや、違うよ。デザイナーなのは僕の親友兼幼馴染…だから、正確にはその脅迫状も、僕じゃなくてそいつに届いたもので…」「その親友は何か言ってるんですか」
「こういうやっかみは人気が出るとよくあるから気にするな、と…でも僕心配で…」まんばが何か返そうとしたところで、さっきまで脅迫状を見ていた長義くんがそっと制する。安定は気付いてないようで、思いが溢れ出すように次々と言葉をつむぎ始めた。
「僕、これが悪い冗談だと思えないんです…清光、この前事故にあいかけて…あの車、赤なのにスピード落とすこともなかったし…それに、こういうの何度も来てるみたいだし、郵便受けに直接投函されてたこともあるみたいなんです…なのに、通報しようって言っても、
沖田くん…えっと、僕と彼の師匠みたいな人なんですけど、その人、ずっと入院してて、もう長くなくて、だから、最後になるかもしれないから、このショーは絶対成功させたいって、沖田くんに見せたいから、中止には出来ない、だから警察にも言わないでって…その気持ち、僕にもすごくよくわかるから、
どうしたらいいのかわからなくなって…」「…それで、秘密裏に探偵事務所に来た、と」「…はい」「事情はわかりました、それで、大和守さんとしてはどうされたいんでしょう」長義くんがそう返すと、安定は話を信じて、依頼を受けてくれそうな雰囲気に、ほっと肩をなでおろす。
そして、息を吸い込んで、何か思い切るような調子で続けた。「ショーを無事に終わらせたい、僕だってショーを中止にしたくなんてない、沖田くんには笑ってほしいし、清光にも…でも、大切な人だから、危険な目にだって遭ってほしくないんです…警備はもちろん厳重にすると思いますが…
それでも心配なんです…」そこまでいうと、「お願いします」と深く頭を下げた。「…つまり、秘密裏に犯人を特定、出頭させてしまうのが早いかな。よし、わかりました、依頼を受けましょう…さしあたっては…」
「お前、何勝手に探偵なんて雇ってんの…」とりあえず、そのデザイナーには話をしよう、ということで、2人が安定に連れられて来た場所は加州くんのもと。いきなり現れた2人組を見て不思議そうにしていた加州くんに、長義くんはことのあらましを説明する。
最初こそ、きょとんとした表情で聞いていたものの、加州くんはどんどん眉を顰めていき、話を聞き終えると、責めるような視線を安定に向けた。「だって心配なんだ…お前の制止を無視したのは悪いと思うよ、けど、僕はお前がもし…」「はあ…別に、過ぎた事だしもういいよ。
だからじめじめしない!きのこ生やさない!お前のその心配性は昔からだし、俺も知ってることだし。…それで、探偵さんは俺に何を聞きたいわけ?」「話が早くて助かるよ。手っ取り早くいこう、心当たりはある?」「あったらもっと手を打ってるよ。
まあ、仕事柄目立つし、多少は有名税だと思ってはいるけど…けど、個人的にはさっぱり…あ、」思い当たる節がない、と言おうとしていた加州くんは、急に何かを思い出したかのように声を上げた。「心当たりがあるのか?」「そういえば、以前うちのをパクったってうるさかったやつがいたなあって。
紛うことなき俺のデザインだったし、確認してみたけど全然似てもいなくて、酷い言いがかりだと思ったんだけどね、あの時は家に押しかけられたりもして、大変だったよ」「…そいつは?」「さあ?急に何も言ってこなくなったから、懲りたのかと思っ��たけど…ああ、でも…もしかしたら…」
「何かあったの?」「…いや、この業界から干されたのかなあってだけ、なんでもないよ」加州くんの口調は、あくまでなんでもない風を装っている。本当に、こういった業界ではその手のことは日常茶飯事なのかもしれない。一番険しい顔をしていたのは、まだ高校生のまんばだった。
長義くんは少し考えてから、そうだな、と独り言のように呟く。「…名前と、顔もわかればそれも。そいつのことを調べてみよう」その言葉を受け、加州くんはさらさらとメモ用紙に何か書き綴り、紙を2枚重ねにして手渡した。
そんなこんなで、まんばは安定と一緒にパーティー会場にいくことになっていた。お互いそれなりの正装で、どこから用意したのやら、長義くんが用意した2人分の招待券片手に潜り込んでいる。「あいつ、本当にここに来るのかな…」「わからない。でも、来なくてもハズレという情報が落ちるんだ、
無駄じゃない…です」「ふふ、探偵さんの助手さんも探偵さんみたい」御堂隆義という男性の名前と、いかにも、といったやや強面な男性の写真を加州くんに提供された長義くんは、それをもとにひとつの手がかりにたどり着いた。しかし、何か自分で動くというわけではなかったらしく、
「というわけだから、御堂家の人間も出ているパーティだ、衣類は一式用意するから、お前が行ってこい」とまんばを放り出した。「…お前は?」とまんばが問えば「俺は他にやることがある」と返される。協力出来ることならなんでもする、と言った安定は、
「方針はわかったけど、でも子供をひとり危険に晒すわけにはいかないよ」の一心で同行することになった。
「それにしても、不思議だね、あの探偵さんとの関係」「まあ…普通はそう考えると思います」「バイトじゃないんだっけ…そうだよね、こうやって調査を本格的にしてるもんなあ」「…えっと、それは…」「あ!踏み入ったこと聞いちゃってごめん、でも気になって…」「…いいです、変なのは事実ですから」
パーティー入りしたのはいいが、どう動けばいいかわからなかった2人は、なるべく目立たない隅、壁の花になりつつ、該当人物の姿を探しながら何となく会話を始めた。話は探偵事務所のことに移る。プライベートに踏み込み過ぎたかと思って、安定が謝った。まんばは別段気にする様子はない。
「…俺は、あいつに会わなければ今頃生きてはいないと思うんです」「え?」「聞いていたでしょう、バイトではないですが、金銭的な問題で…まあ、そういうこと、です」金銭的な?そういえば、借金がどうとか言っていた。多額の借金で生きるか死ぬか、と言ったところを助けられたとでも言うようだ。
こんな子供が?なぜ?そう思うことはあれど、安定はさすがにこれ以上は不躾がすぎる、と聞くに聞けない。「…そっか。色々あったんだね」「大和守さん?…あ、」安定がひとり納得したように呟くのを、なにか聞かれたのかと思ったまんばは不思議そうに見る。
その時、まんばの耳は雑談の波の中ひとつ、目的の人物かもしれない話題を拾い上げた。 「隆義さん、もしもお亡くなりになっていなかったら、今日は記念すべき日になっていたのに」 先程までしていなかったのに、急に息を潜めるようにして会話は続けられる。思わず、まんばも息を殺そうとしてしまった。
「…?どうしたの?何か…」「向こうで会話が聞こえる」まんばの様子に安定が疑問に思ってたずねると、短くそう返された。その言葉を聞いて、安定も納得したようにそちらに注意を向ける。会話はまだ続いていた。
「あら、それはどうかしら?」「どういうことだい?」「隆義さん、事業に失敗したらしいじゃない。借金もあったって。でも、その後急に返済したらしくて、何か危ない仕事をしているんじゃないかって専ら噂よ」「へえ、聞かなかったな」「御堂家の恥だもの、あまり大声では言わないわ」
「…御堂家…御堂…まさか」「国広くん?顔色が…」その会話を聞きながら、だんだん青ざめていくまんばに気付いた安定は何度か声をかける。「…すまな、風、あたってくる」口元を抑え、耐えるような声でそれだけ言うと、まんばは急ぎ足で会場の外へと走り出す。安定もまんばを追いかけ外へと向かった。
唐突な過去編。 遠い記憶のこと。 いつかはこうなるだろうと思ってはいた。学校から帰ると家がなかった。アパートの一室にあるものは何もかも差し押さえられていた。両親はおらず、よく分からない大男が何人も家にいて、玄関で呆然としていると、
そのうちの一人が自分に気がついたようで振り返り近付いてきた。「おう、おかえり」そう言って頭をぐしゃぐしゃと撫でられる。それだけなら悪い人だとは思えないはずなのに、なぜかぞっとして、縫い付けられたようにそこから動けなくなってしまった。「お前の母さんと父さんは酷ェやつだな」「え…」
「可愛い息子捨ててトンズラなんざ、少なくとも善人がやることじゃあねェ」豪快に笑う大男に、僅かに身動ぐ。手にあるのは小型のナイフだろうか。逆らえば最後、殺される、と思った。それから少しの間、真っ白になった頭の中で、なのにぐるぐると渦巻くような感覚の中で、
どっどっと煩い心臓が余計に焦燥を煽る中で、そこにいた。ふと思い出したように大男が自分に向き直る。「…知ってるか?」「…っ、は、何…が、」「お前さんの値段さ」例えばここ。そう言って先程のナイフがピンッと制服のシャツのボタンを飛ばす。丁度胸元の位置だ。
「心臓、とか…ははっこれも親孝行かもなあ?」その言葉で、ぱちん、と張り詰めた糸が切れた音がした。やばい、これはやばい。その一心で、先程まで自由のきかなかった体を動かしてその場を飛び出す。偶然にも不意をつく事が出来たのか、なんとか男に追いつかれることはなかった。
けれど、行くあても当然なかった。とにかく走って、走って、少しでも止まるともう動くことが出来なさそうで、どこまで来たのか、足が縺れて転んで、顔を上げた眼前に、どこかの公園を見つけた。大切にしていたもの全て、写真の1枚すら持っていくことは出来なかった。
辛うじて引っ掴んできた鞄の中身は教科書とノート、体育のジャージ、学生証、定期券程度のもの。学校は携帯電話の持ち込みが出来なかったから連絡手段はない。財布も家の中で落としたままなのか、持ってきていなかった。水道で怪我をした肘を洗い流して、ベンチに座って日の落ちた空を見た。
どうしよう、どうしよう、と頭の中に浮かぶ言葉はそればかりで、なのに公園のベンチなんかじゃあ、なんの打開策も見当たらない。そうしてどのくらいたったか、突然目の前に現れたのは若い男性だった。中学生の自分よりは年上、けれど、はっきりした年齢はわからない。あえて言うなら20代に見えた。
身に纏う衣服はどれも高級そうで、住む世界が違うのだろうと思い知らされる。「…お前、何してるの」そんな異世界の住人は、こともあろう事か根無し草になってしまった自分に声をかけてきた。「…何も」「今日は冷えるよ、上着は?」「…」「えっと…甘いものは好き?コーヒーと紅茶ならどっち?」
「…」「あーもう!なにか言えよ、その口は飾り?」「…っ、ごめ、なさ」「…はあ、適当に買ってくるから、ここで少し待っていろ」そう言ってしばらく経つと、本当にその人は戻ってきた。手には缶コーヒーとホットココア。そのうち、ココアの方を渡してくる。
「甘いのが苦手、とか言われてももう知らないからな」「あ…え、俺…?」「ほら、早く飲んだら?冷めるよ」手渡されたココアはひどく暖かい。悴んだ手には熱いと感じるほどで、制服の袖を伸ばして持ち直した。ひとくち口に含むと、その名の通り甘くて温かい。無機質な大量生産の缶が、
なんだかやたらと優しく感じて、またじわじわと涙が込み上げてくる。「��、何、なんで泣くんだよ…まさか泣く���ど美味しい?」「…っ、おれ、俺…」そこからは嗚咽ばかりがもれて、何も言葉にならない。どうしたらいいか分からなくなったのかその人は、ポケットからハンカチを取り出して、
あまり慣れていないような仕草で拭ってきた。「とりあえず、なんか俺が泣かしたみたいで気分悪いから泣き止んでくれないかな」と、困ったような声でそんなことを言いながら。
帰る家がない、と言えば、その人は深くため息をついた。面倒事にでも捕まった、と言いたげだ。けれど、そのくせ「じゃあ、今日はうちに来なよ。外で寝ると風邪ひくよ」と、未だ泣き続ける自分の手を引いて、家(だと思われるところ)まで連れ帰ってきた。コートも何も着ていない、制服姿だったけれど、
上着を脱いでも部屋の中は暖かい。「第二ボタンも、取れてるね。まさかこんな冬に卒業式だったわけでもあるまいし…」「これは…」「うーん、俺、料理と裁縫だけはめっきりダメなんだよね、悪いけど直せないから、新しいのを用意させよう。それでもいい?」「あ、え…いいん、ですか」
「ボロボロの格好で家にあげたくないだけだよ。俺の敷地内にいるんだから、ちゃんとしててくれないとね」そういえば、ボタンを取られたんだった、と上着を脱いでから思い出した。すかさず気がついたその人は、冗談めかしてそういうと、服のサイズを聞いてくる。次にはどこかに連絡したのだろうか、
「届けさせるからもう少し待ってて」と言ってスマホをテーブルに置いた。もう少し、と言うのは言葉の通りで、本当に30分くらいで宅配が来て、ラフなスウェットと替えのシャツを当然のように渡されることになるのだった。
大男の正体は、税金滞納だか破産だかなどで訪れるような、よく仕組みは理解していないけど、とにかくそういう国の、正式な人などでは勿論なくて(そりゃそうか、とは思うけど)、もっと裏社会の、闇金業者の人だと知らされた。どこからどう調べたのか、その人はそういうと、
「全く、やることが下衆で味がない」と冷ややかに呟く。たしかに怖いはずなのに、家にいた大男よりも安全なように感じる。武器を持っていないからだろうか?わからなかった。「危ないから、しばらくは学校は休みにしてもらうよ。ここは安全だから安心して?
あー…勉強が不安なら…そうだな、代わりに俺が見てあげる…疑っているようなら最初に言っておくけど、俺はイギリスにある…」「う、疑ってない…です。でも、学校行かないと…出席日数とか」「真面目だなあ…心配には及ばない。義務教育はね、ちゃんと卒業出来るようにできているんだよ。
君、保健室登校してるのに聞かされなかったのか?」「なんでそれを知って…」「…学生証。個人情報には気を付けようね、こういうことする大人がいるんだから」俺みたいな、ね…と言いながら取り出してきたのは、なんとか持ってきた鞄に入れていた学生証だった。
いつの間にとられていたんだろか、決まってる、寝ているときだ。「あ、ちょ、返し…」「もういいよ、貸してくれてどうも」「貸してないです!」奪い取るように学生証を掴む。手はあっさり離れて、そもそも最初から返すつもりだったようだった。逆に言えば、もうこれで調べることは無いということか。
あまりにも怪しすぎる。安全な場所、衣類、それからデリバリーで運ばれてくるご飯。それを疑うことなく受け入れるには、自分は成長しすぎていて、けれど、跳ね除けて立っていけるほど自分は大人でもなくて。命の恩人なのに、目の前のその人を探るような眼差しをやめることは出来そうにはなかった。
唐突に時間軸が戻るよ! まんばと安定がパーティーに行くあいだ、長義くんは勿論サボってなどいなくて、ひとり埠頭にまで足を運んでいた。加州くんが渡してきた紙の2枚目、隠すように渡してきたそれが示す場所がここだった。字は手書き。加州くんの字ではない。脅迫状が手書きではないため、
犯人はそういったことには慎重なはず。ゆえに、これは届いた脅迫のひとつではない。加州くんの、本当の心当たりだ、と長義くんは考え、ここまで来たのだった。自らの出自の関係で、こういった悪い取引の行われている場所には異様に詳しくなってしまったような気がする。
「…潰そうとしているものを利用している、というのも皮肉なものかもね」ぽつりと呟く声に反応するものは当然ない。あまりにも捜索範囲が広い。見つからないかもしれないな、と1人考える。とはいえ国広を連れていくわけには行かないと、なんやかんやでよく働く助手のことを考えた。
安定は子供を一人で危険なところに行かせるわけにはいかない、と言っていたが、国広はその「危険なところ」の当事者だったことがある。それを拾った自分もま��、似たような存在だったりする。「…知らぬが仏か」向こうは大丈夫だろうか、うちの助手は間違いなく働き者だけれど、特別強いわけではない。
ずっと過酷な環境にいたから、年齢にそぐわない程度には多少場馴れしてはいるけど、あれで年相応に柔いところも沢山あることを数年の暮らしでよく知っている。だから、ハズレっぽい所にあえて行かせたのだ。ただ、もしも向こうがあたりだったとしたら…とそこまで考えて、すぐに考え直した。
「大和守さんもしっかりしてるから、大丈夫か」自分がついていてやれないことに、少しの悔しさを覚えつつも、長義くんは捜索活動を再開した。 しばらく見て回っていると、何か声が聞こえてくる。「…当たり、かな」もう少し近付いて物証を手に入れたい。レコーダーをオンにしてそっと物陰から近付く。
易々と会話を手に入れられそうだった。 「御堂の奴、よかったのか?」「何、あのデザイナーに証拠握られてるんだ、捨て置くのが一番だよ、あれくらいなら高く売れるし…それより…」 中身は取引だった。薬物ではなく、武器でもない、人身売買の類だ。
やっぱり国広を連れてこなかったのは正解だった、と長義くんは息をつきそうになる。まだこちらとしても油断はできない。…見つかったら、こいつらを消さなければならなくなってしまう。とりあえず持ち合わせた護身用のナイフをそっと確認して、再び息を潜めた。
続き! 長義くんが埠頭を出てすぐ、スマホに連絡が入った。見ればこれで3回目の電話、名前を確認すると安定からで、何かあったのかと少し慌てて通話ボタンをタップする。「もしもし、何かあった?」「すみません、その、国広くんがすごく具合悪そうで…会場からは出たんですけど…」「国広は?」
「もう問題ないから…と。でも顔色悪いし、とりあえず近くで休ませています、場所伝えますね」「そのままその馬鹿押さえておいて。そいつ動いてた方が忘れられるとか言ってオーバーワークしがちなんだ、すぐ行く」「忘れ…?わかりました、待ってます」
長義くんは会場となっているホテルからほど近い施設の敷地内にある広場へと向かう。公園よりひっそりとしている私有地は、当然必要もないのに立ち入ることは本来許可されていないところだ。あえてそこを選んだのは恐らく安定ではなく国広の方だろう、と長義くんは考えながら、
埠頭の離の方に隠すように止めておいた車に乗り込む。公園よりも騒ぎを起こせば目立つことが出来る場所でもある。逃げるならこう行け、と教えこんだのが役に立っているようで何よりだった。 埠頭からホテルまでは大した距離はない。ふたりのいる場所も同様だ。10分ほど車を走らせて、目的地に着く。
適当に(とはいえナンバーを覚えられたらやっかいなので、やはり死角を選び)駐車して車から降りた。少し敷地に入ると、人影がふたつ、ベンチに座っている。「よかった、すぐに見つかった」そう言って近付くと、人影のひとり、安定はぱっと顔を上げて、心底ほっとしたと言ったように表情をやわらげる。
まんばはそんな安定に背中をさすられていた。「ありがとうございます、国広くん、立てる?」「…大丈夫、です」「何があった?…人酔い?」「ちが、う…長義、俺は大丈夫…だから、」「そうは見えないんだよ…それとも、何か思い出した?」そう問えば、まんばは図星だったのか、ギクリと肩を震わせて、
観念したように小さく頷く。何か聞いてしまったのだろうか。そう思えば、まんばは小さく「御堂、聞いた名だと…」と呟く。当たりを引かせてしまったかもしれない。失敗した。「…帰ろうか、裏に車を止めてある」
3人で事務所まで帰って、まんばには上の階(実は今の住まい)に行くように伝えた。まんば自身も自分のことはわかっているのだろう、存外素直に頷いて、思ったよりもしっかりとした足取りで階段を上っていく。とりあえず今日はもう休ませた方がいいだろう、話を聞くのは明日だ。
まんばの階段を上る足音が止むのを待って、長義くんは安定に向き直り、少しだけいいかな、と言って安定にソファに座るよう促した。「さて、夜分遅くまで申し訳なかったね」「いえ、依頼したのは僕ですから…それより、国広くんは」「しばらく休めば大丈夫…それに、前にもあったことだから」
あまり深入りしない方がいい話題だろう、そう感じた安定は出されたミルクティーを一口飲んで、話題を変えようと口を開いた(コーヒーに大量にミルクと砂糖を入れていたのを見られていたようだ)。「…えっと、それで、何かわかったのでしょうか」「そうだね、とりあえず単刀直入に言おう。
心当たりの御堂隆義だけど、彼はすでに亡くなっている…それも恐らく殺されて、ね」「殺…なんで、そんな…清光、まさかそれで何かを知って、狙われてるとか…」長義くんの言葉に、安定の表情はさあっと青ざめた。あくまで表情を変えていない長義くんは、それを一瞥しつつも安定に訊ねる。
「あいつ…国広は、パーティー会場で何を聞いていたかわかる?」「あ、はい…僕も途中から聞いてたから…御堂隆義の事業が失敗して、危ない仕事に手を出したって感じのことを…」「そう…単刀直入に言うけど、御堂家は旧財閥系から分かれた家系でね。…いや、旧財閥系から追い出された、
と言った方が正しいかな、裏で指定暴力団と関係を持っていて、そちらでも稼いでるんだ。恐らく薬物か武器か、と思っていたんだけど…商品は人間だったみたい」「人?…それって、まさか…」「そう、人身売買。それで、加州さんだっけ、彼もなかなか強かだね、事情はわからないけど、
その証拠を偶然にも持ってるんだと思う、そして、御堂家の証拠を例のファッションショーでばら撒く算段なんだろう」「そんな…なんでそんな危険なことを…」「わからない。けど、やっぱり大和守さんには話していなかったんだね」そういうと、長義くんは加州くんに渡されたメモを安定の前に差し出す。
「メモ…?」「彼は俺にこのメモを渡してきた…今日埠頭で取引があったんだけど、そのメモだ。加州さんがどこからかこれを手に入れたのは確実だと思う…そして、それを大和守さん、君には本当は知られたくない。だから、こっそり俺に渡してきた…きっと、危険な目にあわせたくないから、
止めて欲しくないから、そんなところだろう」「それって、僕が清光を止めて、警察に通報することでもっと悪いことが起きる…みたい、な…そうだ、沖田くん! 沖田くんの病院が何か関わってたりしませんか」「ああ、共通の知人は関係あるかもしれない、明日案内願おうか」
唐突な過去編再び。 生まれたその時には将来が約束されている人、というのはいくらでも存在する。恵まれた立場ともいうし、ある意味では自由がないとも言うし…その辺は認識の問題だけれど、とにかく、自分の生まれはそういったものに近かった。ただし、華々しい表の道
――たとえば、絵本の中の王子様であるとか、漫画みたいにどこかの財閥の跡取り息子であるとか――ではなかった。山姥切という名は、その手の界隈では広く知られている。物心着いた時には舎弟みたいな奴らが何人もあてがわれていて、自分よりもうんと年上のそいつらを”使う”方法を身につけさせられた。
とはいえ、厳しい環境だったかといえばそうではない。末っ子の自分は、もう両親も歳をとってから産んだ子供だったことやら、年の離れた兄が3人ほどいたことやらが相まって、ほとんど孫を可愛がるような状態、逆に言えば、自分の裁量というのは全くなく”なんでもやってあげる”という状態で
幼少期を過ごした。その時の自分の認識といえば、不自由はないが自由とは言えない。端的に言えば不満だった。自分は兄よりも優れた仕事が出来るはずだ、なのになんで自分だけ何もせずそこにいるだけ、なんて立場に甘んじていなければならない?…とかなんとか、そんな不満を抱えて生きてきたから、
対象の汚点はいやでも目に付くようになる。小学生の頃は、それでも仲良くなったクラスの友達が、ある日急に遠巻きにしてくる、みたいな目にはあったものの、それだけだった。けれど、中学生、高校生くらいにまでなると、さすがに自分の家がヤバいからだ、ということに気がつく。
ヤバい、というのは、家庭環境が劣悪、たとえば暴力を振るう親がいるだとか親がアル中だとか、そういう類のものではない。そう、我が家は、一家がまるまる暴力団(それも国内でも有数の)の取りまとめを行っている、そんな、簡単に言えばヤクザの家だった。幸いにして、可愛がられていたことで
汚れ仕事からは遠ざけられ続けてきた自分にとって、調べれば調べるほど出てくる家族の犯罪履歴は、軽蔑するにあまりあるものだった。だから、高校二年生の時についに家を飛び出した。自分も大いにその恩恵に預かっていたというのに、軽蔑する家族の存在に、自分がその家にいるということに、
何よりそいつらが血の繋がった家族だということに、同じ空気を吸っていることに、何もかもに、耐えきれなかった。転がり込んだのは、事情を知りつつも親身に接してくれた担任教師(長船光忠という名前の、まだ若い担任だ)だった。その時の自分といえば、どうみても家出をした非行少年だ。
けれど、その先生は何も言わず家で匿ってくれた。もちろん、捜索願いなど出されるはずもない。家は裏稼業だから、あまり公で騒ぎを起こしたくないのだというのはわかっていた。けれど、家もそんなに甘くはない。子供の考える家出先など、3日もあれば簡単にバレてしまった。
自分にずっとついていた部下が、先生の自宅まで堂々と迎えに来たのは、3日どころか、わずか2日後だったのを覚えている。絶対に帰らない、と言えば、一時的な子供の我儘、駄々をこねているのだと見なされたのか(事実そうなのだが)、わかりました、とあっさり引き下がった。
「しかし、先生のお宅にお世話になるなら、お金はどうするのですか」とも、その時訊ねられた。先生は「いいんですよ、落ち着くまでここにいてもらって。僕は大丈夫なので」と優しく笑ってくれた。この問答は、そこは一応、犯罪一家である以前に子供を預ける立場だったのだと今になって思うが、
頭を下げたのは俺ではなく部下、つまり家だった。「せめて金銭の方はこちらでなんとかするから」と家の方が押し切って、結局、家出したというのに、家から金銭援助を最大限に受けつつ、高校卒業まで都合よく担任教師の家に世話になったのだった。
大学進学は最初考えていなかったけれど、家族と聞く度に威嚇するような状態だった自分は、先生に「一度、もっと広い世界をみてみたらどうかな」とアドバイスされ、どうせなら、と海外を選ぶことにした。完全に子供の甘えで、実際はおんぶにだっこだったわけだが(先生はあくまで親子の問題として、
親に自分の様子を報告していたらしいことを、後々になってから聞かされた)、その時は距離的に家から離れることで、自立した気分に浸っていたというわけだ。イギリスにある某名門校、もちろん自分の実力を疑うわけではないけど、留学にあたって必要な費用についても出所は家だった。
…恐らく、その金も違法薬物やら武器の売買、どこかからせしめたもの、脅迫、といった諸々から得た金なわけだが。早い話が、自分でなんでも決めたつもりでいて、その実、そんなことは全然なかったわけだ。 それに気付いたのは大学在学中のこと。もちろん怒りが沸いた。家族にも、自分にも。
そして、そっちがその気なら、と方向転換した。甘やかされている自分の立場を大いに利用することにした。今の自分は、言ってみれば金持ちの家の放蕩息子と言ったところだろう、それならそれで思う存分甘んじてやろうじゃないか、と思ったのだった。まず始めたのは、家と繋がりのある組の把握だった。
部下だったやつに伝えれば、長い反抗期が終わったと喜んでくれた。人生でおそらく最初で最後の親孝行ってやつなのだが。これは裏切りだ。やろうとしたことは、家の為に動くことじゃない。自分の潔癖な性分は、やっぱりこの家を許すことは出来なかった。末端組織から潰してやろう、そんな算段だった。
日本から帰ってきて、今後どうやって家を潰すか、ということばかり考えていた。そんな夜のことだ。公園のベンチで、それは寒そうな格好で、しかもその服も汚れていてボロボロな、そんな子供が泣いているのを見つけた。これは上手く乗せれば売れるな、などと頭の片隅で少し考えてしまったのを振り払う。
そんなことを考えたことを否定したかったのか、自分は家のものとは違うのだ、と誰が見ている訳でも無いのに、誇示したくなった。まず、部下に連絡���とった。子供の特徴と制服を伝え、身元をわれないか伝える。それから、今見かけました、100%善意です、といった笑みを貼り付けて声をかけた。
子供は話しかけても黙りこくっていて、すぐに苛立ちが勝った。同時に、自分にこんなことはあっただろうか、と考えずにはいられない。結局どうすればその子供の恐慌状態を取り除けるかわからなくて、物で釣ることにした。あまりにも安易だった。中学生くらいの子供が飲むものなんて分からなくて、
自販機の前でしばらく悩んだ。結局適当にホットココアを押して、押し付けるように渡したら、ようやく自分に応えた。安易な選択だったのに、打算だったのに、それが少し嬉しいと思って、少しだけ、ちくりと罪悪感が肺の辺りを刺して、どうすればいいのかわからなくなった。
気の迷いだった。子供を連れ帰って、ボロボロな服の替えを調達し、夕飯のデリバリーも頼んで、そのまま自分のベッドに寝かせて、すぐに連絡が来た。子供の身元はあっさり割れた。国広、という名前であること。近くの公立中学に通っていること。ボロアパートの2階に住んでいること。
両親は共に子供を育てるような能力のないやつだということ。学校ではいじめにあっていて、今は保健室登校していること。好きな科目は理科、嫌いな科目は英語、だなんてことまであっさりわかってしまった。それから、今、彼には2億5千万相当の額がついている、ということも。
同時に、思いついてしまった。 彼には今、自分しかいないのではないか?もしも、彼を上手く扱うことができたなら、自分の目的達成に使えるのではないか?と。上手い言い訳を考えているうちに夜はあけた。そうして、暫定的な対応として、国広にここで過ごすことを、半ば強制的に提案したのだった。
続き。また時間軸は現在に戻ります。 まんばは布団に横になると、頭まですっぽりと布団を被った。長義に気を遣わせてしまった、それに大和守さんにも、と考える。今頃2人は今日のことを話しているのだろう。カーテンを閉めて電気を切った部屋は暗くて静かだ。
いつもは遅くまで、何をやっているのか(仕事か、そうでなければ碌でもないことだとは思うが…)、夜型の長義は起きていて、ライトが漏れる中で眠りについているので、こんな暗い中で眠るのは随分と久しぶりな気がする。久しぶりすぎて、少し対処に困ってしまう。
御堂、聞いたことのある名だ。あの日、アパートの2階にいた男だ。長義が捕え損ねたと言っていた、あの。そこまで考えて、またざわざわとした悪寒の様なものが背中の方にはりついた。この感覚をよく知っている。恐怖だ。まんばは逃げるようにぎゅっと目を瞑って、やり過ごすうちに眠ってしまっていた。
「ほら、朝だよ」「んん、…朝…?」「ああ、おはよう国広…なんて言うと思ったか、寝坊だよ寝坊」目を擦りながら体を起こすと、目の前にいたのは既に出掛ける準備を整えた長義だった。「寝坊…?まだ7時…え、7時?」まんばは時間を確認して、ようやく覚醒した。長義くんは夜型。
だから、朝の7時にしっかりと起きていることは珍しい。「まさかもう夜…」「そんなわけあるか」そんな、まるまる1日寝て過ごすなんて、そんなことを、とまんばが青ざめていると、音を立ててカーテンが開く。眩しさに朝だと言うことがわかった。
「長義、この時間に起きてられるんだな」「人を寝起き最悪みたいな言い方しないでくれるかな」「だが事実いつも…」「いいから、早く支度する!それと、朝食は外でとるよ。いつものところでいいね?」「構わないが…どこへ行くんだ…?」「病院。大和守さんが来る前に調べておきたいことがある」
今日は日曜日だからたいてい休診日じゃないか、というまんばの意見は聞き流され、急かされるままに身支度を整えて、2人は揃って事務所の上にある住まいを出た。 近所にあるカフェチェーン店に入って、お好きな席に、と言われるまま、2人は出来るだけ隅の方を選んだ。
長義くんはメニューを見ることなく、まんばに確認することもなく、モーニングセットを2つ頼む。「…それで、昨日はあの後どうなったんだ」「どうって?」「急に病院に行く、と言い出したから。何か思う所でも出来たのかと思ってな」「…そうだな、あまり美味しい話にはならないけど」
「分かってる…だって、御堂隆義は、」まんばはそこで言い淀んでしまい、誤魔化すように水を飲む。長義くんの方も気まずそうに目を伏せた。「…昨日はその、悪かった」「お前が謝るなんて珍しい、傘がいるか…今日は一日晴れの予報だったんだがな」「たまに殊勝な態度を取ればこれだ、可愛くない」
「たまにしかとらない自覚はあるんじゃないか。…それで?どうなったのか知りたい」「御堂隆義は死んでる、そうだね、消された、と言った方が適当だ…ここまでは、お前も想像ついてるだろうけど。…それから、あのデザイナーは、何か持ってる、隠してるというか…
警察に言わないのは何もショーを中止にされたくないからじゃないだろうね」「…それで、なんで病院なんだ?」「彼と依頼人の共通の知人が入院している。…俺は、こいつが鍵だと考えた」そこまで言ったところで、店員がモーニングセットを2つ分運んでくる。「さっさと食べて行くぞ」「…ああ」
長義くんは、あまり依頼人に言えないような方法で情報を獲得することがあった。それをまんばは知っている。だから、今回も安定に知られたくない方法を病院で使おうとしているのだろうと言うことは、何となく思っていた。まんばとしてはどうかと思っているが、
自分もそれに助けられた身なのであまりどうこう言えず、結局やりたい放題にやらせてしまっているのだった。 ついた病院は街の中心部にある総合病院だった。総合病院、とはいえ日曜日は初診は行っておらず、科によっては休診日になっていた。朝も早い時間こともあって、中は比較的閑散としている。
「沖田さん、と言ったか…病室を探すのか?」「いや、それは後でいい。どうせその人自身は何も知らないだろうし。それより、彼のカルテを覗き見たい…そうだな、俺が上手く引き付けておくから、俺が言う情報を見てこい。ついでにこれ、許可証だから無くすなよ」「…またそう無茶苦茶なことを」
長義くんが何をしているのかはよくわからないが、ただの高校生のはずのまんばが、恐らく偽造したのか借り物か、それは分からないが許可証、とか言うのを持ちながらとはいえ、あっさり立ち入り禁止区域に入れる程度には口八丁なようだった。まんばは当たりをつけてカルテを探す。
こういったことは助手として働いて、やたらと上手くなってしまった。「…いいんだろうか、いや、よくはないんだが」ぽつりと呟いて、そうだろうと思われるカルテを見つけた。同姓同名の人がいなければいいのだが、と思いながら内容を確認する。「えっと…心疾患か、担当医は佐々木浩二、経過は…」
約束の時間は10時だったらしい。まんばが戻ると、続きは今度だ、と言って病院を出た。それから、ぐるりと裏を一周して、表側の入口付近で待っている安定に長義くんは声をかける。「待たせたかな、すまないね」「いえ、大丈夫です。…国広くん、もう平気?」「俺は大丈夫です、ちゃんと休んだんで」
安定はぺこりと小さく頭を下げて挨拶をした後、長義くんの少し後ろにいるまんばにも声をかける。まんばがしっかりとした受け答えをしているのを確認し、「よかった」と心底安心したような声を漏らすと、「それじゃあ、病室に案内しますね」と言って病院内に入っていった。
「沖田くん、入るよ…えっと、今日はと、友達…?を2人連れてきたんだけど…」安定はそう言って病室に入る。2人も「失礼します」と挨拶をして後に続いた。沖田くん、という人物は入院着を着ていて、点滴を受けていて、
病室のベッドから体を起こしてなにやら雑誌を見ていた。安定の声に気がつくと病室の入口に顔を向けて、「いらっしゃい」とにっこり微笑む。「…雑誌?」「ああ、君たち、加州とは知り合い?デザイナーをやっててね、絶対大成してみせるから見ててねって」「そう、ですか」
「それに、今度は何かショーがあるみたいで。…とはいっても、僕はあまり詳しくないんだけどね、ふふ、楽しみだなあ」ずっと入院していて先も長くない、と聞いていた2人は、穏やかで、朗らかに、無邪気さすら含んだ笑みを浮かべる沖田くんなる人物に少々面食らう。
同時に、なるほど2人が慕うような人物なのだろうとも考えた。「…あの、加州さんは、どういう方なんですか」「…うーん、ずっと一緒だったからなあ…可愛い後輩だよ、僕ら皆剣道をやっていてね、僕が先輩で、2人は同じくらいの時期に道場に来た後輩。あいつお洒落が好きなのに、
小さい頃は自分にはお洒落なんてする資格がないって泣いてたんだ…気負いすることなく好きなことを出来るようになったみたいで、僕もあいつの先輩として嬉しいよ、それから…」「沖田くん沖田くん、2人が驚いてる」「え、あ…ごめんね、僕お喋りが好きで…病室一人のことも多いし、
話し相手がいるとね、ついつい…」沖田くんは楽しく話を続けていて、2人は話に入るタイミングを見失う。特にまんばは、何度か「あの…」だとか「えっと」だとかもらして、途中で諦めた。つらつらと話し続ける沖田くんを安定がやんわりと止めると、沖田くんはハッとして二人を見やり、
困ったように笑いながら謝る。「いえ…構わないです、俺なんかで良ければ…」「それに、俺達は貴方の話を聞きにきたんですよ」「…僕の?ということは、病院のことかい?何か面白い話題でもあったかなあ…」「佐々木浩二という人間について、知ってることを教えてほしいんです、
些細なことで構いません…俺達は、こういう者でして」そう言うと、長義くんは沖田くんに名刺を手渡す。「え、探偵?すごいね、漫画みたい…でも、佐々木先生のこと、と言われてもなあ…僕の担当医ってことくらいしか分からないや。あ、担当医だから、専門はここだよ…って、探偵ならもう調べてるよね」
ここ、と言いながら、沖田くんは自分の胸の当たりを自分で指差す。安定の表情が僅かに曇った。それを横目に長義くんは質問を続ける。「悪い噂などは聞きませんでしたか?」「あはは、自分の担当医の悪い噂って嫌だなあ…さすがに不安になっちゃうよ」「…じゃあ、良い噂は?」
「良い噂かあ…良い…どんな病気でも治してくれる名医…なんてね、そんな人いないよな。どこかから呼ばれた先生らしいくらいで、本当に何も無いと思う。お役に立てなくてごめんね」「あ…えっと、」「いえ、参考になりました、聞かれたくないことだったかと思いますが協力ありがとうございます」
長義くんはそう言うと、まんばに病室を出るように合図する。まんばもそれに続いて「今日はありがとうございました」と一礼した。「そう?それならよかった、よく分からないけど、お仕事頑張って。それから、安定と…よければ清…加州のことをよろしくね」
病室を出て、示し合わせるように目を合わせ頷き合う。「”どこかから呼ばれた”」「…ああ」「やっぱり恐らく、横流ししてる…下劣だな」「…沖田さん、転院できないんだろうか。こんな所じゃ危ない…し」「何も知らない沖田さんには、当然転院の意思はないだろう?…手遅れ、というのもあるけれど」
先程カルテを盗み見た時に書かれていた内容から、沖田くんなる人物は本当にもう長くないことがわかっていた。「…そうか」「とにかく、そう沈んでいても始まらない、どうにか止めないと」「ああ…命を狙われているのは本当だが、あの脅迫状は捏造…いや、ああやって大事にするように脅されている、
脅迫状が届いたけれどもショーを行う、ということに意味がある」「お前もだいぶ板についてきたじゃないか…そう、そしてその脅迫を行った人物、それこそがこの病院の佐々木浩二、その人だ…以前、加州が御堂隆義と揉めた時にでも偶然そのつながりを聞いてしまったんだろうね…
それで、御堂はこの病院と取引していたわけだ」「でも、どうするんだ、俺達が手に入れた佐々木が黒って証拠も、合法的に手に入れたものでは無いだろう」「そうだな…まあ、任せておけ。なんとかしてみせよう」長義くんはそう言うと、得意そうに口角をあげて見せた。
過去編再び。 怪しい。怪しすぎる。そう思ってからは早かった。1週間くらいたっただろうか。慣れない不自由のない生活ではあるけれど、あまりにもおかしすぎる。疑心暗鬼はひとつの道筋をうんでいた。ひょっとして、アパートにいたアイツらと長義は仲間で、自分を匿うのは嘘で、
本当は、油断したところで自分のことをあいつらに売るつもりなんじゃないか、なんてちょっとした陰謀論だった。陰謀論、とはいえ何も突拍子もない話なんかじゃない。現に、生徒手帳を勝手に見られて調べられた。あれだって、俺が”売り物”を知りたかったんじゃないか?と思う。そうした疑心で、
長義のパソコンを勝手に盗み見た。パスワードは使う時にお茶を出すフリをしながらこっそりと見て覚えて、長義が出かけている隙を見計らって起動する。メール辺りを探してみるのがいいだろう、誰かとのやり取りに、怪しいものがあれば黒だ。そうやって、知ってしまった。長義が、
いわゆるヤクザと呼ばれるような家系の人間であること、その家との縁は切れておらず、自分に関わるやりとりをしていることを。 高層マンションだから飛び降りて逃げ出すなんてわけにはいかなかった。エントランスホールを上手く抜けるために、人が来るのを待って、影に隠れるようにして逃げた。
今度は身一つで、学生証はどうしようかとぼんやり考える。当時の自分はまだ中学生で、子供で、だから詰めも甘くて、これでとりあえず逃げきれた、と思っていた。まだアパートにいたやつらは自分を探している、という長義の忠告だって忘れていた。声をかけられた。
振り返ろうとして、その声が聞き覚えのあるものだと気がつく。やばい、と思った時には、頭の後ろ、首の辺りにビリッとした激痛が走り、意識を失っていた。 目を覚ますと、薄暗いところに寝かされていた。辺りを見回しても、身に覚えのない倉庫のような場所で、僅かに潮の匂いがした。
背の高い建物がいくつも積んであって、体を起こそうと試みたところで、自分の手足が自由に動かせないことに気がつく。縛られていた。藻掻くと縄のような感触が擦れて痛む。相当きつく縛ってあり、簡単には抜け出すことが難しそうだった。小さく舌打ちして、他の手立てを考える。
とりあえず、もう暫く寝たふりをしておいた方がいいだろうか、そう思った時だった。声が聞こえた。「こいつなかなか目を覚まさないな」「ガキなんだからしょうがないでしょ」ガキ、子供、自分のことだろう。どうやら結構な時間が経ってしまっているらしい。
そういえば自分は何をされた?そう思ってみると首の違和感にも気付く。火傷をしてしまったような気がする。何か、危害を加えられて気絶してしまったらしかった。「まあ下手に暴れられる方が困る。移動は明朝予定、一晩はここに置いとくしか…」
「そういやコイツ、山姥切んとこの息子といるとこ見たって奴がいるらしいけど、問題ないんスかね」「は?そんなの聞いてねぇぞ…」どうやら、こいつらは長義を知っているが、手を組んでいると言うわけではないらしいことに、内心ほっとした。同時に、疑ったことを申し訳なくも思った。
今の自分にとって、本当に外は危険で、本当に長義は自分のことを匿うつもりだったのだ、と思うと、こんな勝手をしたことに罪悪感すら覚えた。長義も危ない団体の一員であることは本当だし、軟禁状態だったことは確かだし、勝手に個人情報を漁られたのも確かだったのだけれど、
異常な状況に置かれすぎて、少し頭が混乱していたこともあったとは思う(こういうの、なんとか症候群と言うんだったか)。 今下手に目を覚ましてしまえば、”大人しく”させるために手段を選ばないだろう、そう思って、未だ何やら話している2人の会話にはもう蓋をした。疲れていた。
もう諦めよう、せめてあまり痛い思いはしたくはない、そう思って寝たふりを続けようとした矢先、腹部に重い衝撃が走った。声にならない声が漏れて、びっくりしてそのまま目を開ける。ズズっと体が地面に擦れて、蹴られたのだとわかった。「いい加減目ェ覚ませ。移動だ」「…ッう、…い、移動…?」
襟首をつかんで締め上げるように立たせたそいつは、力強く背中を叩きつけて、よろめいた俺はそのままもう1人の元まで動いてしまう。「…ぁ、」さあっと青くなった。そいつはアパートで自分に話しかけてきたやつで、そう、自分のことを”高く値がつく”と言っていたような気がする。
その時のことを鮮明に思い出してしまうと、いよいよ前後もわからないくらい怖くて、この場から離れないと、と思うのに、ガタガタと震えて身動きがとれなくなってしまった。ぐい、と男に引っ張られて、また1歩と足を踏み出してしまう。
「や、…やだ…嫌、」その場から動かまいと力を込めても、大人の男の力に子供である自分が敵うはずがない。嫌だ、と何度も言ったって聞いてくれるはずもない。男はそんな自分の微かな抵抗など構うことなく、引っ張るように連れ出されて、不格好に、いちいち転ぶみたいについて行くことになってしまう。
制服を着てでたけど、シャツは捨ててしまっていたから貰い物だった。悪い事をしたな、とやっぱり思ってしまって、怖いのと不安と罪悪感で、頭の中どころか、もう身体中がいっぱいだった。「逃げ回ったツケは払ってもらうぞ」そう言われて、押し込むように車に乗せられそうになる。
これに乗ったら最後だと、本気でそう思って、ふと顔をあげた先、涙目が一瞬とらえた景色に声が出なかった。突然押されていた力が抜けた。何者かが何かで男を殴ったのだ。けれど、殴ったという事実より、誰が、という部分の方が衝撃的だった。
「…ちょう、ぎ?」「…ったく、匿ってやったというのに世話のやける」そう言って、コンテナ近くにある材木片手に息を切らしていたのは、逃げ出したはずのあの家の主、長義その人だったからだ。
「長義、どうしてここに…っ」「話は後だ、逃げるぞ!余計な証拠を残したくない!」「証拠って、あの人は…」「生きてるに決まってるだろう!俺はあんなのとは違う!」そう言うと、長義は手早く縄をナイフで切って、そのまま腕をつかんで走り出す。
そこでようやくわかったのが、ここが湾岸部の、あまり治安が良くないとよく言われている場所ということ。通りへ出ると一台車が止まっていて、「乗って!はやく!」と急かされるままに車に乗り込む。自分が乗ったのを確認すると、長義も素早く運転席へ乗り込んで車を発進させた。
不思議と、あの時感じた危機感は、再び感じることはなかった。 暫く走って、車の通りの多い道路に出た。明るい街灯、右も左も車が行き交う。横断歩道を歩く人々はいかにもサラリーマンといった風体の人々ばかりで、会社帰りなのだろうか、と考える。日常風景と言われるような光景は丁度こんな感じで、
けれど今の自分にとっては少し眩しい光景だった。信号が赤に変わり、車が止まる。バックミラー越しに長義が見えた。「…だから、外は危険だと言っただろう」「あんたも、同じくらい危険に見えた」「…まあ、そうかもね」「…助けたことにも、意図があるんだろ」
「無鉄砲なガキのくせになかなか冴えてるじゃないか、褒めてやろう」「…隠さないんだな」「必要ないだろう?…さて、詳しい話は夕飯を食べてからだな」しばしの沈黙。再び車が止まって、その頃にはもう、少し前に長義に連れてこられて、出ていったはずのあの建物が目の前にあった。
長義はデリを頼んで、そのあいだ俺は着替えさせられた。「全くボロボロにしてくれて…」「う…すまない…」「まあ子供の服なんてそんなものか。とりあえず夕飯がつくまで着替えておいで」「え、俺が作らなくてもいいのか」「怪我人にあれこれさせるほど鬼じゃないよ」「…そう、か」
なんて会話をして、しっかり用意されていたスウェットに着替える。着替えてリビングに戻れば、長義がちょいちょいと手招きをした。素直にそちらへ向かえば、手にあるのは救急箱だ。「夜も遅いし、今日はもう外には出ない方がいいし、もしも大きい怪我があったとしても病院とかは明日になるけど…」
「大したことな…っ痛、いきなり何するんだ!」「消毒だよ消毒、手足以外は?」長義はなんの予告もなしに腕をつかんで引き寄せると、縄で擦り切れ痕が残った手首を消毒だと言って、丸めた消毒綿を押し付けにかかる。予期していなかった痛みに呻くと、今度はまじまじと俺を見てそう言ってきた。
視線が痛い。「特には…」「そう?とりあえず、足も見せろ」「え…、痛…ッ、だから触るなら言ってから… っ」「って、お前、手足だけかと思ったらほかも結構派手にいってるな…痛くないの?」「痛いに決まってるだろう!現に今そう言って…」「いや、そうじゃなくて、
車でもそういうふうに見えなかったから、」「…それは、非常時だったから」「ふぅん、まあいいけど」何度かそんなやり取りをして、少し緩く包帯を巻かれたり、微妙な形に切り取られたガーゼを当てられたりして、満足気に長義が「終わり終わり。夕飯にしようか」とやっと離れる頃には夕飯が届いていた。
「さて、どうしてここから逃げようと思ったのかな」「…見たから」そう言ってパソコンのある方に視線を向けると、了解したのか長義は「…ああ」と納得したような声を上げる。「まあ、そうだろうと思った。お前、抜け目ないね、この前茶を出した時に指の動きで覚えたんだろう?」「…ああ」「怖い?」
「今は、そうでもない。あいつらとは、違うんだろ…そう言っていた」あんたが、と続けて真っ直ぐに長義を見る。海の底のような瞳は、見つめたところで何も分からなかった。「ああそうだ、あんなのと俺は違う。…お前の処遇についても話そうか」「…売るわけじゃないんだな」
言えば、長義は箸を止めて自分の方を見る。意外なものを見る目だった。「そうか、話していなかったね…俺が買うんだよ」「…誰を」「お前」その言葉に呆気に取られた。何を言っているのかさっぱり分からなかった。 帰ってみれば国広の姿がなかった。
念の為GPSを忍ばせておいた制服の上着を着ていってくれたのは幸いだった。怪しまれることはしたし、まあ妥当な判断だとは思う。けれど、今は本当にあいつにとって外は危険だった。「…明日までに見つけないと」1人そう呟いて、GPSで居場所の探知を始める。キーボードの位置が少しずれている。
どんな方法を使ったのかはともかく、これを見たのだろう、というのはわかった。国広の居場所はこの街を離れ、海、もっと言えば湾岸部へと向かっているようだった。恐らくまだ移動中だろう。思ったよりも早く見つかった。部下に連絡して、うちとの取引に…と考えて、やめることにした。
そんなことしたら家に借りを作ってしまうし、何より国広を好きに出来なくなる。それはまずい、といつもの部下にだけ連絡事項を伝えて家を出た。国広に掛けられていた金額を用意すること、もちろん全て俺のところから出してくれて構わない、責任は俺が持つ。そう言うと、部下は驚いて「いいんですか?」
と確認をとってくる。それもそうだろう、いくら金があれど、あいつにふっかけられた金額を支払うのはかなり痛い。だが、今はそんなことは関係なかった。この辺りで気付くべきだったと思うが、ほんの短い期間にも関わらず、俺は損益を考えることを放棄する程度には国広へと入れ込んでいた。
利用価値を考えるなら、国広を上手く売ってしまった方がいいはずなのだけれど、国広を使って家を、という計画を頓挫させたくなかった。 色々と準備を整えているあいだに日は落ち始めていた。まだ寒い冬だから、日も長くない。倉庫方面につく頃にはもう夜で、1人夜に倉庫に、堂々と正面から入った。
「…国広は?」そう問えば、俺を知る者は情けなく逃げ出したり、知らない者は威嚇したり、とにかくざわついて、その雑音の中、代表の1人が目の前に立つ。「山姥切が何の用だ?」「訂正させてもらうと、俺個人の用だよ。さて、取引といこうか」
取引の中身は単純だ。国広に掛けられた金全てをもって、俺が国広を買取るというもの。あれには利用価値がある、それくらい払うだけの。とにかくそう思っていたから、自分自身では道理だと思ったけれど、相手にはそうは見えなかったらしい。
「は?何言ってるんだ、山姥切んとこがアレを買い取って何の得がある?」「だから、俺個人の取引だと言っているだろう。どうする?今あいつを引き渡せば、確実に今2億は入るけれど?…言っておくけど、あいつ案外小賢しいぞ、油断をすれば逃げられるかもしれない。
それなら俺との取引に応じた方が賢明だと思わないか?」ペラペラとそれらしく捲し立てている間に、向こう側は応じる気はないのか仲間に連絡をとっていたらしい。「あのガキ連れ出しました」と小さく耳打ちしているのがうっかり聞こえてしまった。「ふぅん、あいつは12番倉庫か」「はっ、どうだかな」
「…そ、交渉決裂、かな。ならば無理にでも取���返すだけだ」このあたりの位置把握ならば、家の都合上完璧だと自負していた。迷わず12番倉庫方面に向かうと、丁度国広が何者かに引きずられている所。これはまずい、と思って、次にはもう、武器になりそうな物を適当に掴んで男のに向かって叩きつけた。
こんなことがあったからか、国広は始終大人しく、もう暫くは言うことを聞くモードのようだった。その夜には、部下から、国広を売ると伝達があった旨を伝えられる。どうやら名の大きさに今更恐れをなしたらしい。こちらとしてははじめから穏便に済ませたかったのだが残念だ。さて、これからどうするか。
国広には、家を潰すために動き回ってもらわなければならない。そう育てる必要がある。俺も情報がまだまだほしい。疲れが限界になったのか、眠ってしまった国広をベッドまで運びながらも今後について考えた。考えて、そうだとひとつ考えついた。
「まず、俺はお前を買取った。値段は2億7538万9623円…ちなみにまだ桜中生徒で世間知らずなお前に言ってあげるけど、一般的なサラリーマンが一生で稼ぐ金額は2億弱と言われている…どういうことかわかるね?」朝食もどこかで頼んだものが運ばれてきた。そんな食事をとりながら、
長義はなんでもないように昨日の話の続きを始める。「…俺は、何をすればいい」言わんとしていることはわかった。俺は、長義に対して一生かかっても返せないくらい借金があるのだ。その返済を、長義は求めている。しかし、俺は中学生だし、親は消えたし、家もないし、当然金もなかった。
身売りでもしろというのだろうか、と長義の方をうかがえば、長義はやたらと機嫌が良さそうだった。「話が早くて助かるよ。…俺は探偵事務所を開く。お前はそこで働いてもらう…危険は伴うが、代わりにお前の生活は全て保証してやろう、福利厚生ってやつだね。
それで、依頼のうち、お前が手伝ったものに関しては報酬の3割を俺への借金の返済としてやろう…帰る家もないお前にしてみれば、悪くない条件だろう?」「探偵…」「お前がみたとおり、俺の出身はああいうところでね。けれど、俺はあんなのとは違うんだ、その証明する…
そのための探偵だ、いかにも対立軸にありそうだろう」どうする?と再び聞かれたが、拒否権なんてあるはずがなかった。もう、俺にはこの場所で藻掻くしかないのだから。長義の手を取って「よろしく頼む」と言えば、長義はますます機嫌が良さそうに手を握り返して、「こちらこそ」と少し笑った。
終わらせてなかったので残り!長いよ! 舞台は現在に戻ります。 「要は、あのグループを仕留めて、言質をとってしまえばいいんだ。そうすれば、加州も全てを話してくれる」「仕留めるって…いいのか」「俺たちは警察じゃないからね、正攻法である必要もない」
それに、すでに正攻法ではないだろう?なんでもないようにそう言う長義くんに、まんばはまた始まったとばかりに苦い顔をする。自分がこっそり見に行ったカルテのことだ。けれどいちいち止めることもしない。まんば自身長義くんのそれに助けられた身だし、
長義くんの最終目的も知ってたし、それらをとうにわかった上で今まで付き合ってきてるのだし、それにまんばには長義くんに対して借金があるので、依頼解決の方が優先で、つまり今更のことだった。
長義くんの考えは単純だった。先日の埠頭で取った音声では、次の取引についても話がされていた。同じ場所でもう一度、といった内容のものは、ショーの前日だのものだ。そこで、長義くんは自身の名を使って黙らせる。家には御堂とその関係者についての不利切り捨てを促させておけば、
あとは勝手に消し合うだろう。問題は佐々木の方だった。こちらもその実御堂の筋の人間なのだろう。しかし、こいつを叩かず御堂を叩けば、逆上し依頼人や依頼人の周りの人に危害が及ぶ可能性がある。だから、佐々木は先に見つけ出して自ら黙らせる必要があった。場所の見当はいくつかついている。
「というわけで、もうお前は戻っていろ、あとはこっちで…」「嫌だ」「お前…」我儘を言うな、とため息をつく長義くんをまんばはじっと見る。折れるまで動かない、とでも言いたげな頑なさは長義くんもよく知るところだった。「お前わかっているだろう、お前の知るあの御堂の人間が関わっているんだよ。
現にパーティーでも…」「あ、の時は…だが、二度はないと誓う!これは俺の問題でもあるんだ。俺の問題を、勝手に他人に明け渡したりするものか!たとえお前でも、だ!」そう言い放つと、長義くんは呆れたというようにため息をついた。「…そういうところが子供だって言ってるんだ。
まあいい、精々人質に取られないように、隠れ方は教えたね?」「ああ、わかってる」「それじゃあ行こうか」そうしてまず向かった先は、加州のいる事務所だった。
扉の前で聞き耳を立てると、加州と男の声が聞こえる。早速当たりをひいたようだった。長義くんとまんばは気配を殺して会話の方に集中した。「…かに、お…くんは、…だよ。でも、」扉越しに聞こえる音はやや小さい。もっと、とまんばは寄ってみる。
「治らないのはわかってるよ、何度も聞いたし、何度も諦めさせられたんだ、わかってるよ。もう一度言う、俺はお前の移植手術の話には応じない!ちゃんと脅迫状は安定に見せてる、あいつは動いた。もう満足でしょ?」「ああ、非常に残念だよ。患者の命を救えたかもしれないのに…」「…っお前!」
「証拠は十分…かな。さて、そこまでだ」その言葉を聞いて、長義くんは遠慮なくドアノブを捻った。鍵はかかっておらず、あっさりと侵入を許す。突然の乱入者に、2人はハッとしてそちらを見る。長義くんは2人の注目などものともせずにレコーダーをチラつかせながら話を続けた。
「沖田さんは心臓を患っているそうだね。…確かに移植手術自体は近年増加傾向にあるけど…彼は認可を受けている施設に動く予定もなさそうだし、本当に患者を治す気があるのかな…それとも、奇病の患者の心臓が惜しい?少なくとも俺は聞いたことの無い病名だったし…」「な、何を…」
「お前が御堂の…そう、人身売買を扱う外道共と手を組んでいるのは知ってるんだよ。証拠はここにある…それに、」そう言って、長義くんは少し後ろに視線をやる。まんばは隠れていて、2人からはなんの行動かはさっぱり読めない。佐々木はその一瞬の隙をついて、長義くんに突っかかってくる。
狙いは証拠となるレコーダーだった。軽々と腕を掴まれて、その衝撃でレコーダーは地に落ちる。「っ痛…手荒だな、お前のその行動、それが全部記録してるよ」「壊せば問題は何も無くなるなァ?」「ちょ、探偵さん!」加州くんがやばい!と動く前に、押さえつけられたままの長義くんの目の前で、
レコーダーはあっさりと壊される。長義くんは特にそちらは気にせず、佐々木の方を見る。「持たぬお前に教えてあげようか。まず、お前は医者でありながら、患者の手術に度々、わざと失敗している。…意図的だ。人身売買を行っている御堂と繋がりがあるからね、それはそうだろうな。
けれど、そんな藪医者掛かりたいやつなんていないからね、勤め先の病院については頻繁にうつっていたようだ。もちろん、名前で検索をかけてしまえば悪評はわかってしまう。だから、御堂の人間に火消しを頼んだんだ。こうしてお前は人畜無害な医者を装っては患者に近づいては、
非健康的な臓器を売っていた…何に売れるのかは、知りたくはないけどね。健康体なら、あの手の輩は別の方法でとれるものだ…だから、売れたんだろう」「はっ、それがどうした?」「でも、御堂の家の息子がしくった。御堂は表では旧財閥系の分家のようなもの。
そこから人身売買なんて漏れたらたまったものじゃない。なぜしくったのか。加州が偶然、お前と御堂隆義の会話を聞いていたとか、そんなところだろう。沖田を次に売ることを知った加州はもちろん、そんなことを許せない。だから交渉したんだ。彼の大きなファッションショーは埠頭に近い。
ここに大量の警察をつぎ込めば向こうは手薄になるね?つまりこう、『次のショーで脅迫されたことにするから、沖田には手を出すな』と言ったところだろう…違う?」「…」「無言は肯定と受け取ろうか。けれど、加州とて犯罪の片棒を担ぐのはごめんだ。だから渋った。…けれど、その用意した脅迫状を、
大和守に見られてしまい…そして、彼から俺に依頼が来たんだ。次のショーで大事にすればお前達の取引をしやすくしてしまう…加州は大和守に被害届を出すとは言えないよね…どうかな?」加州は黙ったまま。佐々木はイライラとして、ぎり、と長義くんを押さえつける力を強める。
「お前…言わせておけばあることないことをベラベラと…!」「へえ、それじゃあ、どこまでが本当でどこからが虚構なのか聞かせてもらおうか」ものともせず、長義くんは変わらず佐々木を睨む。佐々木が殴りかからんとしたところで、ついに加州が声を上げた。
「…っ、ほ、本当だよ!そいつがどういう取引をしてるとか、そういうのは知らない!けど、俺のことについては、全部本当だ!」「お前…っ!」佐々木が長義くんを弾いて加州の方を向いたその時。「…国広!」「ああ!」長義くんのその言葉でまんばが長義くんに何かを投げ渡しつつ、
そのまま佐々木に特攻した。手荷物のはスタンガンで、全くの遠慮はなくそれを佐々木の首の後ろに押し当てる。突然の電流に叫ぶ佐々木に、呆然とする加州。その手を引いたのはまんばで、「立てるか?これは護身用のよくあるやつだから、そんなに持たない。早くここからでるぞ」と半ば無理やり立たせて
部屋の出口に向かう。逃がした獲物になんとか注意を向けたが最後、残っていた長義くんはあっさり背後をとった。「最後に教えてやるけれど、お前が壊したのはダミー、本物は今受け取ったんだけどよく取れてるよ」って聞こえてないか、と長義くんはのびた佐々木を見ながらそう呟き、悠々と電話をかけた。
「ちょっと、お前…!」「なんだ?」「いや、何じゃないでしょ、どういうこと?!あの探偵置いてきていいわけ?!」「構わない。事務所で落ち合う予定になっている…それに、あいつなら上手くごまかせる…あ、です」「ごま、…何が?」「…、ファッションショー、頑張ってください」
「言われなくても頑張るよ!ってそうじゃなくて!」走って向かった先、電車まで勢いで乗ってしまった加州は、息を整えながらまんばに抗議の声をあげる。「大和守さんに連絡取ります。もう大丈夫なので」「大丈夫って何が!」「…沖田さん」「…え、」「もう、全部大丈夫…なので」
「…はあ?あーもう!後で全部聞くからね!」そう言いながらも電車はあっという間に数駅を過ぎ、まんばが「降ります」と言えば加州くんも渋々着いていく。事務所の最寄り駅だった。行く道すがら見たところ、駐車場には車がもうあるようだった。帰ったのだろう、早いなと思いつつあがる。
「…ただいま。事情聴取は?」「面倒だから任せてきた」「…そうか」「…それ任せられるものなの?」訝しげに眉を寄せながら加州くんが部屋に入る。その先にはソファにちょこんと座る安定がいた。
こっからエピローグ。ほんと長くてすみません。 翌々日のこと。「…ということで、もう不安の種は取り除かれているかと。犯人は警察に通報されていますし、主治医ですが、変更になるそうです」「そうですか…ありがとうございました」「こちらは証拠品の類ですね。警察のガサ入れはあると思いますが
…そちらに来た折には提出してください」長義くんはそう言って事務的に調査資料を渡していく。「…はい。あの…国広くんは?」「あいつは…あいつなら熱を出したみたいで、部屋で休ませてます。最後ですし…挨拶させましょうか?」「あ、いえ…無理させちゃ悪いですから」安定がそう言って断り、
事務所の外へと見送られ、出入口へと来たところで、上の階から人が降りてくる。確認するまでもない。この数日一緒にいた高校生、国広だった。やや高級そうな素材のパジャマ姿のまま降りてきて、「長義」と呼ぶ声は、何度か話をした時よりも少し幼い。長義くんは断りを入れると振り返って
「お前、そのままで降りてくるなって言っただろう。大体、依頼人に風邪がうつったらどうするんだ」などと諌めるようにしながらまんばの元へ寄る。「…長義の声が下からしたから」「これ終わったら上に戻るから」「仕事あるだろう…俺が下にいればいい」「病人は布団被って大人しくしてろ馬鹿」
その様子をみながら、安定はそうだ、と今しがた寄り道をしたスーパーの袋に入っていたゼリーをもうひとつのビニール袋に入れて、開けようとしていたドアから離れ、長義くんの元へと駆け寄り、ビニール袋を渡した。「あの、これ」「え、いいんですか?」「お見舞い用といえばお見舞い用なので。
それに、彼にもたくさん頑張ってもらいましたから…お礼です」「俺、は…そんな、」言いながら咳き込んでしまうまんばの姿に安定は入院前の沖田くんを重ねてしまって、違うと首を振る。「そ、それじゃあ、本当にありがとうございました!」
そう言って、安定はビニール袋を押し付けると、足早に去っていった。残された長義くんは、ビニール袋を確認する。「…グレープ、みかん、もも、りんご」どれがいい?と訊ねて、まんばにも見えるようにビニール袋を大きく開いた。まんばはぼーっとしながらもビニール袋の中をしばらく眺めて、
小さく「もも…」と呟く。「わかった。食べたら寝るんだよ…俺も今日はもう上に行くから」長義くんのその言葉には声はなく、こくりと小さく頷いてみせた。 あの日、全ての事情を説明した翌日、起き出した時にはまんばには酷い倦怠感と頭痛が襲っていた。ふらふらと起き上がって、
ふらふらと朝食の準備をしていたところを、少し遅く目を覚ました長義くんが発見し、そのまま慌てた様子の長義くんによって、まんばはベッドに強制送還された。その流れで投げ捨てるように渡された体温計で熱を測ると、しっかりと38度を少し超える熱が出ている。
「パーティか病院で貰ってきたか…あるいはストレス性だろうな。今日はもう休め」「でも学校…」「お前は馬鹿なのかな。他人にうつすなって言っているんだよ」「う、すまない…」「医者は…連れていくのもな…呼ぶか。食事も用意させるから…あとは…」長義くんが呟きながら思案していると、
くいと服の裾を引っ張られる。犯人は言うまでもない。「長義、」「…どうしたかな?」「…俺、頑張れただろ」「…うん」それ以上のことはまんばはなにも言わなかった。気まずそうに目を逸らして、なんでもないと言葉を紡ぐことをやめてしまう。長義くんはベッドサイドの端に座って、
目元にかかったまんばの前髪を軽く払ってやった。結構熱くて、少し戸惑う。「…もっと、俺…頑張る、から」「…うん」「だから、今だけ、」それきり、まんばは眠ってしまう。彼に頑張らせるように強いたのは他ならぬ自分だというのに、長義くんは若干の罪悪感にまんばを撫でた手を止める。
彼には確かに退路はなかった、けれど、公的機関に助けを求めさせることをせず、依存させたのは自分だというのに、ふと、同情しそうになってしまった。「…ごめん」眠っていて、視線が合わないことはわかっているのに、何故か顔を見れない。届かない謝罪が、ぽつりと部屋の中に響いた。 おしまい!
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