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#避難小屋なので裏口から入れます
u543z · 2 years
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黒岳から降りてきました👋ヘリ作業日程が二転三転し結局中止🚁でかなり振り回されましたが💦結果いつものメンバーと一緒に作業できたので良かったです😊トイレの汲み取り作業🚽ってテンションあげて楽しくやらないとできません👋言いたいことを好きに言い合える🎺気のおけない仲間ってすごく大事‼おかげで今シーズンも無事に楽しく✌️イシムロライフ終了できました😆みんなありがとう💕感謝です🙏✨ 今シーズン来てくれた方も😆タイミング合わず来れなかった方も😅来シーズンまたよろしくねー🫡💫来年2023年は黒岳石室建設されて100周年です❗🛖✨👴🏾 #黒岳石室小屋締めしました #避難小屋なので裏口から入れます #黒岳バイオトイレ閉鎖しました #層雲峡黒岳ロープウェイ #黒岳石室 #黒岳 #バイオトイレ #いしむろ通信 #NPO法人かむい #登山軒🍜 #愉快な仲間たち #汲み取り作業 #朝焼け #マネキ岩 #来年は黒岳石室100周年です #また来年イシムロで会いましょう #ダブルさなえちゃん #ダブルたまちゃん #みんなありがとう😊 #お尻破けました #仕事は楽しく (Daisetsuzan National Park) https://www.instagram.com/p/CjNXNqpP6Ky/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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kennak · 18 days
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「キノコ雲の子」と呼ばれた高校生がいた。  原爆のキノコ雲に誇りを持つべきでしょうか――。早稲田大4年の古賀野々華さん(23)は5年前、留学先の米ワシントン州リッチランドの高校で、そう疑問を投げかけた。核産業で発展した町での勇気ある行動は、広島市で6歳の時に被爆した後東利治さん(85)の背中を押した。思い出すだけでつらく、向き合うことを避けてきた記憶の扉を開け、体験を語ることを決意した。 ■キノコ雲の校章に疑問 リッチランド高校に留学中の古賀さん。校舎にはキノコ雲の校章が大きく掲げられている(古賀さん提供)  「キノコ雲の校章を誇りに思う」「こんなにユニークな校章は他にはない」  米リッチランド高校。2019年5月、校内向けに配信された3分40秒の動画番組「AtomicTV」で、米国人の生徒が原爆のキノコ雲をかたどった校章を口々に称賛する中、古賀さんが口を開いた。  「原爆で亡くなった人は、町で生活していた一般の人だった。多くの人を無差別に殺した原爆を、私は誇りに思うことはできません」  リッチランドは、核施設で働く労働者や家族のために建設された。第2次世界大戦中に原爆を開発した「マンハッタン計画」の拠点で、長崎に投下された原爆の原料プルトニウムを製造したその施設は、1987年まで操業していた。 ■核産業で栄えた誇り リッチランド高校の校章。原爆のキノコ雲をシンボルにしている(古賀さん提供)  古賀さんが福岡県大牟田市の私立高校から留学したのは2018年8月。最初はリッチランドがどういう場所か知らず、校章を気に留めることもなかった。  半年ほどが過ぎた頃、男性教諭から校章の由来を教えられ、涙があふれた。  「原爆投下で戦争が終わって今がある」。周りの生徒は核産業で発展した町の誇りを当たり前のように口にした。2019年6月の帰国を前に、動画への出演が決まり、校章をテーマに話すと決めた。誇りを否定するつもりはない。ただ、被爆地で起きたことを知ってほしかった。  <日本人留学生、リッチランド高校のキノコ雲ロゴについて語る>。出演後すぐにワシントン州の地元紙で紹介され、ニュースは日本でも報道された。 ■40年続いた悪夢 被爆体験を語る後東さん(左)。古賀さんもその様子を見守った(7月14日、広島市中区で)  被爆者の後東さんはニュースを知って衝撃を受けた。「米国のど真ん中で原爆を批判するこの子はすごく勇気がある。自分も何か話さんといけんのんじゃないか」  1945年8月6日、天満国民学校(現・広島市立天満小)の1年生だった後東さんは、登校して間もなく学校の廊下で被爆した。窓ガラスが黄色く光り、轟音と同時に木造2階建ての校舎の下敷きになった。  何とかはい出し、避難時に見た光景が忘れられない。  あおむけで川を流れる無数の遺体、「助けてください」という叫び声。そして、やけどで頭皮の右半分がずり落ちたまま歩いている人の姿――。自宅を目指したが、がれきの上をはだしで歩くので痛くて前に進まない。様子を見かねたある男性がおぶって神社まで避難してくれた。その夜は神社で一人過ごした。  それから毎夜、目をつむると脳裏に惨状が浮かぶ。46歳頃まで続いた。思い出すことも、体験を口にすることも嫌だった。 ■返事が来ない 後東さんと古賀さんが交わした手紙  古賀さんの勇気に心が動いた後東さんは2019年8月、古賀さんに手紙を出した。<その勇気に私も背中を押され、被爆証言を始めようと決意しました>  しかし、返事は、待てど暮らせど来なかった。「原爆にこれ以上深入りしたくはないんじゃろう」。大きく膨らんだはずの決意がしぼんでいった。  古賀さんには、後東さんのほかにも手紙やメッセージがいくつも届いていた。原爆に特別な関心があるわけではなかった。日本人として素朴な疑問を口にしただけだ。反響に戸惑い、手紙は返事を書かないまま自分の部屋にしまった。  以前から興味のあった福祉を学ぶため、2020年4月、早稲田大社会科学部に進んだ。上京時、後東さんからの手紙も持っていった。「いつか話を聞きたいという気持ちがあったのかな」  コロナ禍での大学生活。児童養護施設のボランティアに応募しても受け入れてもらえない。経験を積めず、人とも会えない。やる気がなくなっていった。  2022年2月、ロシアによるウクライナ侵略が起きた。テレビで流れる戦車や爆撃の映像に衝撃を受けた。ロシアのプーチン大統領は核兵器の使用をちら��かせている。「私にできることは何だろう」。後東さんの手紙を思い出した。 ■動き出した2人の時間 古賀さんが制作したドキュメンタリー「あのプラタナスの木のように」の一場面。左が後東さん  <戦争や核、平和について自分にできる事はないかと考える日々が続いておりました。被爆の話をお聞きする事が今の私にできる事だと思いました>。2022年5月、後東さんに返事が届いた。手紙を出してから3年がたっていた。  後東さんは驚きと同時にうれしさがこみ上げた。手紙の最後に書かれていた携帯番号にすぐに電話をかけた。「またまた勇気をもらいました」  翌6月、広島で初めて顔を合わせた。古賀さんの手にはハンディーカメラ。後東さんの初めての証言を記録し、ドキュメンタリーを制作したいと思った。  まず向かったのは、原爆ドームそばのお寺。被爆死した近所のお兄ちゃんの墓に手を合わせる姿を撮影した。被爆した小学校の校庭にはプラタナスの木がある。被爆で幹が空洞になりながらも緑の葉を生い茂らせる木の前で後東さんは語った。「人間もたくましく生きていかにゃあいけんなあ」  4日間密着した映像は、約15分間の作品にまとめた。タイトルは「あのプラタナスの木のように」。古賀さんには後東さんの姿がプラタナスと重なって見えた。 ■核兵器の町を再訪 核施設から放出された放射性降下物で被曝したと語るトム・ベイリーさん。約1年後に死去した(2022年12月、古賀さん撮影)  2022年10月、古賀さんは3年ぶりにリッチランドを訪れた。  後東さんの被爆証言を聞いて、「原爆投下は絶対悪だ」と強く思った。でも、世界を見渡すと多くの核兵器があるのはなぜなのか。答えを求め、大学を休学して海を渡った。  2か月かけて住民約20人に核兵器に対する考えを聞いた。肯定的な意見が相次ぐ中、一人だけ反対する人がいた。当時70歳代後半のトム・ベイリーさん。施設から放出された放射性降下物で被曝し、甲状腺がんを患っていると語った。  「私は最後のヒバクシャではない」。核開発が続く限り犠牲者が出るとの訴えが、重く響いた。ベイリーさんは今年1月に他界した。 ■人生初、英語の勉強に挑戦 田中さん(右から2人目)に通訳してもらい、留学生と交流する後東さん(中央)(広島市中区で)  後東さんも動き出した。町内会の慰霊祭や区民センターなど、機会を見つけては、どこへでも行って自らの被爆体験を語る。「今さら証言してどうなるという気持ちもなきにしもあらずだが、それを振り切ってやろうと思いよる」。昨秋には自身の証言活動に「ひろしま平和塾 きのこ雲」と名前を付けた。  昨冬に知り合った広島大4年の田中美月さん(22)に通訳を頼み、留学生に話をする機会も増えた。今年に入って毎週3時間、人生で初めての英語の勉強を始めた。 ■2年ぶりの再会 世代を超えて交流を深める後東さん(左)と古賀さん。それぞれの目線で原爆と向き合っている(7月14日、広島市中区で)=東直哉撮影  7月14日、古賀さんが後東さんの初証言を追ったドキュメンタリーの英訳付き版が完成したのに合わせた上映会で、2人は広島で2年ぶりに再会した。会わない間もLINEで近況を報告し合っていた。  「負けんように、証言しようと思っていた」。後東さんが古賀さんと出会ってからの心境を明かすと、古賀さんは「被爆証言が多くの国に伝わってほしい」。2人の思いは呼応し合う。  後東さんはさらに証言に力を入れ、古賀さんは大学卒業後に渡米し、米国での核被害の研究に挑戦したいと考えている。  核兵器が使われない未来へ。1本の動画をきっかけに生まれた世代を超えた交流は、その一歩だ。  ※この記事は読売新聞とYahoo!ニュースによる共同連携企画です。
「キノコ雲の子」、原爆投下の米国で疑問投げかけ 長年口閉ざす被爆者に勇気 #戦争の記憶(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース
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sekai999 · 2 months
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夢日記
2024/09/13 寝れないなと思いながらただだるい体を少しでも楽にするために良い体制を探していた。最終的に平たい長座布団の上に寝そべっていた僕の上半身前面がやけに涼しくて、少しヒリヒリするような脳の認識を感じて視線を下ろしたらむき出しの臓物とも取り難いそれ、が見えた。臓器に対する知識の上での解像度が低いから臓物もどきに変換されたのだろうなと思うのだけれども。 ただどうすることもできなくて、どうしてか動けなくて薄暗がりで鈍く輝く臓物もどきを眺めることしかできなかった。ずっと見ていたら不規則に動く心臓のようなものや腸がだんだん膨張していっているように見えてきて、飲まれてしまう、と思ったら目が覚めた。04:23だった。短い時間だったのに大変不思議な夢だった。 膿んだ傷口が風に当てられて痛む感覚の延長みたいなものをずっと感じていた。
2024/08/22 気がついたら僕は、知らない家庭の団らんというものに混ざっていて、見知った顔を持ったヒトと世界を旅していた。それらしい彼等の風貌をしていて内面は少し違っていて、戸惑いながらも地球にある国々を巡って、世界の様々な人に出会った。様々な文化に触れた。どうしてか各国が地続きの世界で、さいごに見たのはさっきまでともに旅をしていたヒトたちの笑顔と片手に握った金魚が泳ぐビニール袋だった。 この世界はずっとどこかずれていた。例えば、F国では銀色の箸を使って食事をしていたし、最期に行ったA国では、なぜか室内でJ国のお祭りを行っていた。屋台で出される食事はまるで配給や給食のような出し方だった。知っているようで異質なお祭りの空気をどこか遠くで眺めているような気持ちで屋台を見回ったりして、屋台のヒトと何気ない談笑を交わして。 それなりにお祭りを謳歌したあと、お祭りの熱を冷まそうと散歩をしていると眼の前に両手ではとても覆いきれないくらいに広い青が目の前に広がった。 溶けてしまいそうな曖昧な水平線に心を惹かれ半ば引きずられるように、操られるようにそちらへ歩いていく。急に視界の下の方にあったはずの地面を見失った。さっと緊張で滲む手汗を握り、足元を見ると崖だった。間一髪で落ちることなく地を踏みしめた私は眼の前に広がる初めて見る光景を見つめていた。自分の知っている海ではなく怖いくらいに鮮やかな海だった。 ずっと見ていたら呼ばれてしまうんじゃないかと思ってしまうくらいにそこの見えない海と、曖昧な空のどことなく低いのに確かに届かない雲の流れを目で追っていると、後ろから誰かの声が聞こえた。迫りくる明るい声がする方に目を向けると、旅をともにしていた人たちだった。 『良かったね、見つけられたね。』何かを祝福するふうにそう言いながら笑顔で近づいてくる。まるでこの旅の終着点にたどり着いた、みたいな終わりの空気を手のひらに感じながら戸惑っていると急に全身に空気を感じた。紐で縛られたりしていない金魚の入った袋の口が手から離れる。 最期に見たのは離れていく彼らの笑顔と、空を泳ぐ金魚と落ちてくる空だった。 普通に人生の終点だった。
2024/07/27 真昼。僕は確かにさっきまで友人とピクニックをしていたように思う。あちらの世界では遊歩道ではない場所がこちらの世界では何故か遊歩道になっており、そこになんの違和感も抱かなかったくらいには楽しいピクニックだったのだろう。そんな優雅なひとときなど一瞬だった。 「火災発生 火災発生 外出中の方は直ちにお近くの避難所へ___」 突然目も覚めるくらいけたたましいアラートとともに防災行政無線から“乾燥による火災の大量発生”を知らせる声が聞こえてきた。それを聞いても何故かのんきだった僕らはすぐには動かなかったのだが、ふと香ばしい香りが漂ってきた。そちらの方に目をやると一本の生まれたての煙柱が見えた。小規模の森と言いたくなるほど鬱蒼と生えた川岸の草が例によって火を起こしてしまったらしい。 真横で火災が起きている。 事態に気がついた僕達2人は鞄を抱えてあちらの世界には存在しないエメラルドグリーンと白の可愛らしい建築デザインの避難所へ駆け込んだ。何故か裏口から。 避難所の中は学校のように机が規則正しく並んでおり、床も机も一目でわかるくらいには木製だった。すぐに不安な気持ちでふと窓の外に目をやるとそこそこ離れた小学校の方から大きな煙がたっているのが見えた。そちらの方に住んでいる知人らに思いを馳せながら避難所の中を一周する。幼少の頃の日本国外にいるはずの友人や、既にもうこの世にいないはずの人が普通に生きて不安そうな表情を浮かべながら雑談をしている。そんな彼らに懐かしさを覚えて僕は思わず声をかけたが、一瞥すらくれなかった。僕が幻覚をみているのか、僕が幻覚なのか彼らに気がついてもらえることはなかった。 出かける際に持ってきたカバンのほか何も持っていなかった僕らはまだ火災の起きていない方に位置するスーパーに向かおうと避難所の外へ出た。 しっかりとした避難所の冷たい扉を開けいざ出発と思い左右に視線をやると、ちょっと先にある小学校の頃の同級生の家が燃えていた。緑色の芝生も雰囲気のある重い扉も面影がないくらい火の塊だった。 遊園地もブランコの周りに生えていた公園の木々も山も赤く染まっていた。 この世界の終わりを突きつけられた気持ちで即座に避難所へ引き返し、窓の外にまた目をやると避難所の真横の空き地が燃えていた。逃げ場などどこにもなかった。
2024/07/XX ⚠微グロ “目が覚めたら”真っ暗な世界にいた。真っ暗で周りには何も見えないのに自分の手足や足元は目視できた。 不思議に思いしばらくぼーっと周りを“眺めて”いたら極僅かな小さな小さな何かが這いずるような音がした。 音のした足元に目をやると白っぽいグレーっぽい、発光したような細長い何かが蠢いていた。(以下ミミズと称する) あまりのおぞましさに暫く嘔吐いていると足元にミミズが落ちてきた。動揺が引き金となって必死にせき止めていた何かが溢れ出すように吐いた、はずだった。でてきたのは想定とは異なる吐瀉物だった。胃液ですらない。ひたすらミミズが溢れてくる。自分でもわかるくらいに青ざめて真っ白になっていく床に膝をつく。潰れるミミズの体液は真っ青だった。この生物が何なのか自分から溢れてくるのは何故なのかぐるぐる考えながら、一度壊れた堤防からあふれるミミズをただひたすらに吐き続ける。長い時間休まることなく吐き出される苦しさに涙が浮かぶはずなのだが体内には彼らしか詰まっていないのかミミズしか流れてこなかった。自分の手足が次第に骨と皮になってもなお体からでてくるのはそれだけだった。 長く感じられた時間の末空っぽになった体は次第に真っ白な海に近づいていく。薄れる意識の中で最後に見たのは何だったのだろう、僕は目を覚ましてしまった。 とても冷たい世界だった。
僕はいつものように窓枠に座って時計アプリを起動させたスマホを見ていた。 ずっと前に開始させたストップウォッチの画面は止まることを知らずにずっと動き続けてくれるので安心するから。 どれくらいの時間が過ぎただろうか、突然固いはずのスマートフォンの画面がゆがむ。あまりの突然さと俊敏さに半ば寝たような脳みそを起こすまもなく液晶に飲まれる。体に纏わりつくスマートフォンの熱を感じながら意識を手放した。 意識を取り戻すと三人称視点になっていた。 僕の先程まで座っていた窓枠付近には持ち主を失ったスマートフォンが落ちていた。そのスマートフォンにおそらく僕らしき人がドロドロした液晶に飲まれていくその光景をどうすることもできずにただ見守っていた。見守ることしかできなかった。 無機質なはずの板が生命を帯びたかのように、確実に僕を飲み込もうとしている意思をもったかのようにさえ見える飲み込まれ方。 何故か無抵抗に飲まれていく僕の体。 黒っぽい液体にじわじわと飲まれ、見えなくなっていく体。 三人称視点にも関わらずリンクする“息苦しい”という感覚。 体に纏わりつくスマートフォンの熱。 普段のような苦しさはないが多少の焦りを感じた。そこにいる僕が飲み込まれきったらそこはどんな世界なのだろう、薄ぼんやりと眺めては三人称視点の僕もどうにか動こうと試してみるが壁になってしまったかの如くびくともしなかった。 暫くして髪の毛1本まで飲まれてしまった僕はその後何時間見つめてもでてくることはなかったし、三人称視点の僕もまた、どれだけ動こうとしても動けなかった。 ただどこまでも底へ引きずり込まれる感覚を最後に僕は目を覚ましてしまった。 先程まで生命を宿していた冷たいスマートフォンの時計は05:22。夢の中で最後に見た時刻だった。 今思えばもしかしたら三人称視点だと思っていた方の僕自身も飲み込まれている最中だったのではないか、などと思うが、一度中断してしまった世界である以上真相はスマートフォンの暗闇の中だった。そんな考察でもしながら僕はいつものように窓枠に座って時計アプリを起動させたスマホを見ていた。 ずっと前に開始させたストップウォッチの画面は止まることを知らずにずっと動き続けてくれるので安心するから。
へんな養護施設に化け物と天災が来て、必死に逃げるも、もう選択肢 はないと思い下水管から逃げ、へんな科学者みたいなおじさんに拾わ れる。電波関連の管理や下水の管理、変な生き物の研究をしているお じさんのもとで助手として生活していたがある日、お使いがてら養護 施設を見に行くことに。そこであった少年を抱えてまたもや起きた化 け物と天災から同じ方法で少年を逃がし、自分は飛行して逃げたが少 年がなかなか見つからない。下水管の入口のようなもの?を転々とし て脱出口を探す少年をやっと見つけ出し局所的な天災と化け物の出現 の原因解明をする話。
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endekashi · 3 months
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特殊支援部隊『山ん』。
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皆さん、おはるかです。暑サニ負ケズまめったくやっておりますでしょうか?
先日、能登で復興支援活動をしている人達のお手伝いに行ってきたので、その時見てきたものをシェアしようと思い、久々にPCを立ち上げてブログを書こうと思ったら久々すぎてログインするのに苦労したっていう事は内緒にしておいて、いってみましょー!
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の前にちと近況報告。春になり、とっくに屋根屋に復帰してると見せかけて、自宅の屋根の葺き替えをしてました。九年目にして遂にファイナルシーズンです。皆様のご協力のおかげもあり遂にここまできました。おしょっ様です。後ちょっと。ばんがるぞ!
しかし、そろそろ、会社も忙しそうだし、蓄えも寂しくなってきたのでこの先は仕事をしつつ直していこうかと思ったところ、その前にどうしてもやっておきたい事がありました。
それが今年の元日に起きた能登の震災のボランティアです。石川にはヨコノリ友達も、ウチに来てくれるお客さんもいるので、少しだけでもなんか手伝いたいなと前々から思っていましたが、なかなかタイミングがなく行けずにいたので、仕事に復帰する前の今しかねえ!っつー事でつっこむ事にしました。
つってもどこへ行けばいいかな〜なんて考えていたところ、ちょっと前にボランティアに行ったPOWのショータローに、どっか紹介してっていうとすぐに二つの団体を紹介してくれました。一つはしっかりとした災害救助NGO団体。そして、もう一つが金沢のヨコノリスト達がやっている特殊支援部隊『山ん』なるグループ。もう名前で山んに決めました。
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目指すは能登の先っちょ、珠洲市。ナビで調べるとなんと五時間!ウヒョー!早朝、白馬をデッパツして車をぶっ放します。
氷見辺りからブルーシートの屋根が目立ってきて、さらに進んで七尾の辺りに来るとひしゃげた家が目に入るようになってきました。
しかし、この先がもっと酷いということで既に今回の震災の被害の甚大さが窺い知れました。
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能登の道は市街地以外は比較的スピードの出し易い広い道が多いのですが油断大敵。地震で出来た亀裂を修復したところに段差ができてるのでいいスピードで突っ込むと大変なことになります。
道中パトカーを多く見かけ、車の列の先頭をゆっくり走っていましたが恐らくこういう道での事故を抑える為でしょうか。
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珠洲に入るといよいよ被害は深刻でそこら中の家が潰れていました。
半年経った今でも全然片付いている雰囲気ではありません。
教えてもらった住所はこのすぐ先なのですが、建物などは大丈夫なのでしょうか?
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程なくして特殊支援部隊山んが運営する被災者無料商店、みんなの家に到着しました。山んの代表、マコ君が出迎えてくれました。
マコ君達、山んは地震直後から全国の友人らに支援物資の提供を呼びかけ、支援の手が及びづらい孤立集落や自主避難所に向けて届けてきたそうです。
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 1月中旬に無料商店の1号店を中能登町に開設。2月下旬に珠洲市に民家を借りて2号店を開き、水や食料、洋服、生活用品、学用品などが並び、被災者が必要な物資を自由に選んで持ち帰る形です。メンバーが寝泊まりして交代で店番を務めているそうなので、こうして俺みたいのがヒョコッと顔出して店番するだけでも(店番と言っても無料商店なので基本やることはない)彼らが作業できて助かるそうです(彼らはやることが山積み)。
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行政がやると色々な手続きやら管理やらで膨大な人数で無駄に時間がかかるところを彼らは少人数でシンプルにスムースに行っているそうです。
あ、そういえばさっきまで潰れた家ばかりだったのに、このみんなの家がある小泊地区に入った途端、嘘のように無傷(実際は少しダメージは受けていますが)な家が立ち並んでいました。なんでもこの地区だけは地盤が固いらしく被害が少なく奇跡の2kmと呼ばれているとか。
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小泊では既に電気は復旧しているそうですが彼らはあえてまだオフグリッドで生活しているそうです。もし再び電気が止まるようなことになってもへっちゃらです。そんな事は起こらないことを切に願いますが。
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更に裏庭にある奇怪な建物に案内してくれました。なんすかこれ?
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中に入るとこんな感じ。どこぞの大学の先生が考案した建物らしいですが、外側のテントを膨らませて内側をウレタン(なのかな?)で吹き付けたらはい出来上がり。5.,6人は楽に寝るスペースで一度立てれば三年ほど持つそうです。ポイポイカプセルやん!
複数人で手伝いに来てくれた人に泊まってもらってるそうで。
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なんてやっていると、タートルアイランドのTシャツを着た富山からきたおねーちゃんが、普通車にパンパンの水を積み、送り届けに来てくれました。日々、こうして救援物資が送られてくるそうです。
ヨコノリだけでなく音楽の繋がりからの支援もあるみたいですね。ヤーマン。
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店番や不要材などの片付けをして、この日の任務は終了。
更に北の方の様子を見に行きましょう、ということでマコ君の相方のユージ君が案内してくれました。
今回の震災では地震だけでなく津波の被害も局所的に甚大だったようです。局所的というのは能登半島の北側ではそれほどでもなく被害は珠洲市や能登町の東側に集中したそうです。というのも、北側の方では地盤が隆起して(最大で4m!)防波堤の役割をしたそうです。
対して東側の地域では隆起はほとんどなく、且つ、富山湾沖合の水深が深くなっていて、水深が深くなると早くなる津波の性質もあり地震直後わずか1分で津波が到達し、その後何度も押し寄せてきたそうです。津波の被害のあったところは地震の壊れ方とはまた違い、ものが散乱していて津波の威力の凄まじさがわかります。
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こちらは北側の海岸のかつてビーチだった場所。後に見える白い岩盤は元々水の中だったそう。
ユージくんも地震後初めて訪れたそうで、変わり果てた姿に唖然としていました。
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ユージ君の完璧なタイムスケジュールで最後は能登の最北端、禄剛埼灯台の夕日に連れてってくれました。この灯台は朝日も夕日も拝める素敵な場所です。
この日は散々自然の脅威を感じていましたが、最後に美しい一面を見せてくれました。
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翌朝、早起きして佐渡島から昇る朝日を拝む。
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今度は南に降り、珠洲の蛸島の方の様子を見に行ってきました。こちらも家が密集したところで悲惨な状況でした。半年経ってもまだこのような状況です。
現在、公費解体を行っているのは道路からはみ出した家が優先だそうです。それ以外の家は11月から始まるそうです。11月…。一年近く経とうとしても家の解体すらも終わらないのが現状です。
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さて、山んに戻り朝の涼しいウチに草刈り作業の手伝いをしました。彼らは農地を使わせてもらえるようになったので、畑をできる状態にして小泊に新たな需要を産み出したいそうです。誰かやりたい農家さんいませんか?何年も放っておいた荒地の草はしぶてえぜ。
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自分達で食べる野菜も作っています。
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というわけで、朝採れのビーツを使った味噌汁をいただきました。うんめえ〜!!
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ご飯を食べてる間もちょこちょこと被災者の方達が物資を取りに来ていました。毎日、だいたい30~40人程の方達が来るようです。マコ君達は来る方に気さくに流暢な金沢弁(能登弁?)で話しかけていて、みんなに愛され頼りにされている感じでした。
若い人たちはインスタを見て開店時間の10時頃から来るそうですが、口コミでくるじーさん、ばーさん達は朝8時頃からバンバン来るそうです。
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今日の作業は店も見つつ、他の家の片付け。実はマコ君、みんなの家の近くの二軒の家も使えるようになったそうで、そこの家を活用して飲食店か何か、さっきの農業に話もそうですが、この地区で雇用をうむ仕組みを作りたいと考えているそうです。
そのためにやる事はいっぱい!!
でもなんかワクワクしますね!
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この日はみんなの家の隣の神社でお祭り(お祭りと言っても祝詞をあげる神事的なものだったそう)があるという事でマコ君とユージ君が行ってる間、俺は店番。
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能登の祭りといえばこのキリコ祭りというど長え灯籠で練り歩くっていうド派手な秋祭りがあるそうです。
今年の開催状況はこちらに詳しいです。
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帰ってきて腹がペコリンちょだったので、禄剛埼灯台の麓の狼煙地区の『いかなてて』という最果てのカレー屋さんに連れてってくれました!
無茶苦茶美味いカレーでした!
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更にこの店、レコード屋も併設してるというたまらん造り。俺は井上陽水の二色の独楽というドープなアルバムをゲット!
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そんなこんなで一泊二日の山ん潜入記はこれにて終了。
能登の先端、被災地最前線で必死になって生きている被災者の方々を必死になって(まあ、ヤーマンなんでゆるいところもありますが)支援している山ん。正直その姿勢は、無茶苦茶かっこ良くて心打たれました。今でこそ、ちょっと落ち着いてきたと思いますが、発生直後のこれから冬が始まるというタイミング(スノーボーダー的には一番ワクワクしている時期でもあるにも関わらず!)ですぐに被災地に潜入し活動した時の苦労や恐怖は想像に難くありません。ナフリスペクト!
ちょうど半年ということで、少しメディアにも取り上げられてましたがまだまだまだまだ復興には程遠いといった印象です。引き続き、皆さんの支援は必要だと思います。ボランティアに参加するもよし、山んに物資を送ったり(水に加えて、カップラーメンも喜ばれますよ!)手伝いに行くもよし、いかなててへ行ってカレー食って観光するもよし、支援の仕方もそれぞれでいいと思います。ただこの先も能登から目を離さずに生活していきたいなと思うのでありました。
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P.S. 今度の土曜6日は前述の禄剛埼灯台台地にて復興祈願LIVEがあるそうですよ。山んのmalichanのバックバンドで参加するそうです。いかがでしょ?
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P.S.2 マコ君にPRAY FOR NOTOのTシャツと、無茶苦茶ハイセンスなキャップをもらいました。
ヤーマン。おしょっさまでした!
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yotchan-blog · 4 months
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2024/5/14 8:00:01現在のニュース
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reallypaleninja · 6 months
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彼が刺し貫かれたのは、わたしたちの背きのためであった。
イザヤ52・13-53・12
彼が刺し貫かれたのは、わたしたちの背きのためであった。
イザヤの預言
主は言われる。 52・13見よ、わたしの僕は栄える。 はるかに高く上げられ、あがめられる。 14かつて多くの人をおののかせたあなたの姿のように 彼の姿は損なわれ、人とは見えず、 もはや人の子の面影はない。 15それほどに、彼は多くの民を驚かせる。 彼を見て、王たちも口を閉ざす。 だれも物語らなかったことを見 一度も聞かされなかったことを悟ったからだ。
53・1わたしたちの聞いたことを、誰が信じえようか。 主は御腕の力を誰に示されたことがあろうか。 2乾いた地に埋もれた根から生え出た若枝のように この人は主の前に育った。 見るべき面影はなく、 輝かしい風格も、好ましい容姿もない。 3彼は軽蔑され、人々に見捨てられ、 多くの痛みを負い、病を知っている。 彼はわたしたちに顔を隠し、 わたしたちは彼を軽蔑し、無視していた。 4彼が担ったのはわたしたちの病 彼が負ったのはわたしたちの痛みであったのに わたしたちは思っていた 神の手にかかり、打たれたから 彼は苦しんでいるのだ、と。 5彼が刺し貫かれたのは わたしたちの背きのためであり 彼が打ち砕かれたのは わたしたちの咎のためであった。 彼の受けた懲らしめによってわたしたちに平和が与えられ 彼の受けた傷によって、わたしたちはいやされた。 6わたしたちは羊の群れ 道を誤り、それぞれの方角に向かって行った。 そのわたしたちの罪をすべて主は彼に負わせられた。 7苦役を課せられて、かがみ込み 彼は口を開かなかった。 屠り場に引かれる小羊のように 毛を切る者の前に物を言わない羊のように 彼は口を開かなかった。 8捕らえられ、裁きを受けて、彼は命を取られた。 彼の時代の誰が思い巡らしたであろうか わたしの民の背きのゆえに、彼が神の手にかかり 命ある者の地から断たれたことを。 9彼は不法を働かず その口に偽りもなかったのに その墓は神に逆らう者と共にされ 富める者と共に葬られた。 10病に苦しむこの人を打ち砕こうと主は望まれ 彼は自らを償いの献げ物とした。 彼は、子孫が末永く続くのを見る。 主の望まれることは彼の手によって成し遂げられる。 11彼は自らの苦しみの実りを見 それを知って満足する。 わたしの僕は、多くの人が正しい者とされるために 彼らの罪を自ら負った。 12それゆえ、わたしは多くの人を彼の取り分とし 彼は戦利品としておびただしい人を受ける。 彼が自らをなげうち、死んで 罪人のひとりに数えられたからだ。 多くの人の過ちを担い 背いた者のために執り成しをしたのは この人であった。
答唱詩編
詩編31・2+6、12+13、15+16、24+25
父よ、あなたこそわたしの神。わたしのすべてをあなたに。
詩編31
31・2神よ、あなたのもとにわたしはのがれる。 とこしえに恥を負わせず、正義によって救ってください。 6あなたの手にわたしの霊をゆだねる。 神よ、まことの神よ、わたしをあがなってください。
12敵はみなわたしをあざけり、まわりの人はわたしをのけものにする。 親しい友はわたしを恐れ、会う人は避けて背を向ける。 13わたしは死んだ人のように忘れられ、 こわれた器のようになった。
15神よ、わたしはあなたにより頼む。 「あなたこそわたしの神。」 16あなたの手にわたしの生涯をゆだねる。 わたしの敵から救い出してください。
24神を信じるすべての人よ、神を愛せ。 神は誠実に生きる人を守られ、思いあがる者にきびしい。 25神を待ち望むすべての人よ、 強くたくましく、生きよ。
第二朗読
ヘブライ4・14-16、5・7-9
キリストは従順を学ばれ、御自分に従順であるすべての人々に対して救いの源となった。
ヘブライ人の手紙
皆さん、4・14わたしたちには、もろもろの天を通過された偉大な大祭司、神の子イエスが与えられているのですから、わたしたちの公に言い表している信仰をしっかり保とうではありませんか。15この大祭司は、わたしたちの弱さに同情できない方ではなく、罪を犯されなかったが、あらゆる点において、わたしたちと同様に試練に遭われたのです。16だから、憐れみを受け、恵みにあずかって、時宜にかなった助けをいただくために���大胆に恵みの座に近づこうではありませんか。
5・7キリストは、肉において生きておられたとき、激しい叫び声をあげ、涙を流しながら、御自分を死から救う力のある方に、祈りと願いとをささげ、その畏れ敬う態度のゆえに聞き入れられました。8キリストは御子であるにもかかわらず、多くの苦しみによって従順を学ばれました。9そして、完全な者となられたので、御自分に従順であるすべての人々に対して、永遠の救いの源となったのです。
受難の朗読
ヨハネ18・1-19・42
「キリストは人間の姿で」
ヨハネによる主イエス・キリストの受難
C 18・1夕食のあと、イエスは弟子たちと一緒に、キドロンの谷の向こうへ出て行かれた。そこには園があり、イエスは弟子たちとその中に入られた。2イエスを裏切ろうとしていたユダも、その場所を知っていた。イエスは、弟子たちと共に度々ここに集まっておられたからである。3それでユダは、一隊の兵士と、祭司長たちやファリサイ派の人々の遣わした下役たちを引き連れて、そこにやって来た。松明やともし火や武器を手にしていた。4イエスは御自分の身に起こることを何もかも知っておられ、進み出て、言われた。
十 「だれを捜しているのか。」
C 5彼らは答えた。
S 「ナザレのイエスだ。」
C イエスは言われた。
十 「わたしである。」
C イエスを裏切ろうとしていたユダも彼らと一緒にいた。6イエスが「わたしである」と言われたとき、彼らは後ずさりして、地に倒れた。7そこで、イエスは重ねてお尋ねになった。
十 「だれを捜しているのか。」
C 彼らは言った。
S 「ナザレのイエスだ。」
C 8すると、イエスは言われた。
十 「『わたしである』と言ったではないか。わたしを捜しているのなら、この人々は去ら��なさい。」
C 9それは、「あなたが与えてくださった人を、わたしは一人も失いませんでした」と言われたイエスの言葉が実現するためであった。10シモン・ペトロは剣を持っていたので、それを抜いて大祭司の手下に打ってかかり、その右の耳を切り落とした。手下の名はマルコスであった。11イエスはペトロに言われた。
十 「剣をさやに納めなさい。父がお与えになった杯は、飲むべきではないか。」
C 12そこで一隊の兵士と千人隊長、およびユダヤ人の下役たちは、イエスを捕らえて縛り、13まず、アンナスのところへ連れて行った。彼が、その年の大祭司カイアファのしゅうとだったからである。14一人の人間が民の代わりに死ぬ方が好都合だと、ユダヤ人たちに助言したのは、このカイアファであった。
15シモン・ペトロともう一人の弟子は、イエスに従った。この弟子は大祭司の知り合いだったので、イエスと一緒に大祭司の屋敷の中庭に入ったが、16ペトロは門の外に立っていた。大祭司の知り合いである、そのもう一人の弟子は、出て来て門番の女に話し、ペトロを中に入れた。17門番の女中はペトロに言った。
A 「あなたも、あの人の弟子の一人ではありませんか。」
C ペトロは言った。
A 「違う。」
C 18僕や下役たちは、寒かったので炭火をおこし、そこに立って火にあたっていた。ペトロも彼らと一緒に立って、火にあたっていた。19大祭司はイエスに弟子のことや教えについて尋ねた。20イエスは答えられた。
十 「わたしは、世に向かって公然と話した。わたしはいつも、ユダヤ人が皆集まる会堂や神殿の境内で教えた。ひそかに話したことは何もない。21なぜ、わたしを尋問するのか。わたしが何を話したかは、それを聞いた人々に尋ねるがよい。その人々がわたしの話したことを知っている。」
C 22イエスがこう言われると、そばにいた下役の一人が、イエスを平手で打って言った。
A 「大祭司に向かって、そんな返事のしかたがあるか。」
C 23イエスは答えられた。
十 「何か悪いことをわたしが言ったのなら、その悪いところを証明しなさい。正しいことを言ったのなら、なぜわたしを打つのか。」
C 24アンナスは、イエスを縛ったまま、大祭司カイアファのもとに送った。25シモン・ペトロは立って火にあたっていた。人々は言った。
A 「お前もあの男の弟子の一人ではないのか。」
C ペトロは打ち消して、言った。
A 「違う。」
C 26大祭司の僕の一人で、ペトロに片方の耳を切り落とされた人の身内の者が言った。
A 「園であの男と一緒にいるのを、わたしに見られたではないか。」
C 27ペトロは、再び打ち消した。するとすぐ、鶏が鳴いた。
28人々は、イエスをカイアファのところから総督官邸に連れて行った。明け方であった。しかし、彼らは自分では官邸に入らなかった。汚れないで過越の食事をするためである。29そこで、ピラトが彼らのところへ出て来て、言った。
A 「どういう罪でこの男を訴えるのか。」
C 30彼らは答えて、言った。
S 「この男が悪いことをしていなかったら、あなたに引き渡しはしなかったでしょう。」
C 31ピラトは言った。
A 「あなたたちが引き取って、自分たちの律法に従って裁け。」
C ユダヤ人たちは言った。
S 「わたしたちには、人を死刑にする権限がありません。」
C 32それは、御自分がどのような死を遂げるかを示そうとして、イエスの言われた言葉が実現するためであった。33そこで、ピラトはもう一度官邸に入り、イエスを呼び出して、言った。
A 「お前がユダヤ人の王なのか。」
C 34イエスはお答えになった。
十 「あなたは自分の考えで、そう言うのですか。それとも、ほかの者がわたしについて、あなたにそう言ったのですか。」
C 35ピラトは言い返した。
A 「わたしはユダヤ人なのか。お前の同胞や祭司長たちが、お前をわたしに引き渡したのだ。いったい何をしたのか。」
C 36イエスはお答えになった。
十 「わたしの国は、この世には属していない。もし、わたしの国がこの世に属していれば、わたしがユダヤ人に引き渡されないように、部下が戦ったことだろう。しかし、実際、わたしの国はこの世には属していない。」
C 37そこでピラトが言った。
A 「それでは、やはり王なのか。」
C イエスはお答えになった。
十 「わたしが王だとは、あなたが言っていることです。わたしは真理について証しをするために生まれ、そのためにこの世に来た。真理に属する人は皆、わたしの声を聞く。」
C 38ピラトは言った。
A 「真理とは何か。」
C ピラトは、こう言ってからもう一度、ユダヤ人たちの前に出て来て言った。
A 「わたしはあの男に何の罪も見いだせない。39ところで、過越祭にはだれか一人をあなたたちに釈放するのが慣例になっている。あのユダヤ人の王を釈放してほしいか。」
C 40すると、彼らは、大声で言い返した。
S 「その男ではない。バラバを。」
C バラバは強盗であった。19・1そこで・ピラトはイエスを捕らえ、鞭で打たせた。2兵士たちは茨で冠を編んでイエスの頭に載せ、紫の服をまとわせ、3そばにやって来ては、平手で打って言った。
A 「ユダヤ人の王、万歳。」
C 4ピラトはまた出て来て、言った。
A 「見よ、あの男をあなたたちのところへ引き出そう。そうすれば、わたしが彼に何の罪も見いだせないわけが分かるだろう。」
C 5イエスは茨の冠をかぶり、紫の服を着けて出て来られた。ピラトは言った。
A 「見よ、この男だ。」
C 6祭司長たちや下役たちは、イエスを見ると叫んだ。
S 「十字架につけろ。十字架につけろ。」
C ピラトは言った。
A 「あなたたちが引き取って、十字架につけるがよい。わたしはこの男に罪を見いだせない。」
C 7ユダヤ人たちは答えた。
S 「わたしたちには律法があります。律法によれば、この男は死罪に当たります。神の子と自称したからです。」
C 8ピラトは、この言葉を聞いてますます恐れ、9再び総督官邸の中に入って、イエスに言った。
A 「お前はどこから来たのか。」
C しかし、イエスは答えようとされなかった。10そこで、ピラトは言った。
A 「わたしに答えないのか。お前を釈放する権限も、十字架につける権限も、このわたしにあることを知らないのか。」
C 11イエスは答えられた。
十 「神から与えられていなければ、わたしに対して何の権限もないはずだ。だから、わたしをあなたに引き渡した者の罪はもっと重い。」
C 12そこで、ピラトはイエスを釈放しようと努めた。しかし、ユダヤ人たちは叫んだ。
S 「もし、この男を釈放するなら、あなたは皇帝の友ではない。王と自称する者は皆、皇帝に背いています。」
C 13ピラトは、これらの言葉を聞くと、イエスを外に連れ出し、ヘブライ語でガバタ、すなわち「敷石」という場所で、裁判の席に着かせた。14それは過越祭の準備の日の、正午ごろであった。ピラトはユダヤ人たちに言った。
A 「見よ、あなたたちの王だ。」
C 15彼らは叫んだ。
S 「殺せ。殺せ。十字架につけろ。」
C ピラトは言った。
A 「あなたたちの王をわたしが十字架につけるのか。」
C 祭司長たちは答えた。
S 「わたしたちには、皇帝のほかに王はありません。」
C 16そこで、ピラトは、十字架につけるために、イエスを彼らに引き渡した。こうして、彼らはイエスを引き取った。17イエスは、自ら十字架を背負い、いわゆる「されこうべの場所」、すなわちヘブライ語でゴルゴタという所へ向かわれた。18そこで、彼らはイエスを十字架につけた。また、イエスと一緒にほかの二人をも、イエスを真ん中にして両側に、十字架につけた。19ピラトは罪状書きを書いて、十字架の上に掛けた。それには、「ナザレのイエス、ユダヤ人の王」と書いてあった。20イエスが十字架につけられた場所は都に近かったので、多くのユダヤ人がその罪状書きを読んだ。それは、ヘブライ語、ラテン語、ギリシア語で書かれていた。21ユダヤ人の祭司長たちはピラトに言った。
A 「『ユダヤ人の王』と書かず、『この男は「ユダヤ人の王」と自称した』と書いてください。」
C 22しかし、ピラトは答えた。
A 「わたしが書いたものは、書いたままにしておけ。」
C 23兵士たちは、イエスを十字架につけてから、その服を取り、四つに分け、各自に一つずつ渡るようにした。下着も取ってみたが、それには縫い目がなく、上から下まで一枚織りであった。24そこで、話し合った。
A 「これは裂かないで、だれのものになるか、くじ引きで決めよう。」
C それは、「彼らはわたしの服を分け合い、わたしの衣服のことでくじを引いた」という聖書の言葉が実現するためであった。兵士たちはこのとおりにしたのである。25イエスの十字架のそばには、その母と母の姉妹、クロパの妻マリアとマグダラのマリアとが立っていた。26イエスは、母とそのそばにいる愛する弟子とを見て、母に言われた。
十 「婦人よ、御覧なさい。あなたの子です。」
C 27それから弟子に言われた。
十 「見なさい。あなたの母です。」
C そのときから、この弟子はイエスの母を自分の家に引き取った。28この後、イエスは、すべてのことが今や成し遂げられたのを知り、言われた。
十 「渇く。」
C こうして、聖書の言葉が実現した。29そこには、酸いぶどう酒を満たした器が置いてあった。人々は、このぶどう酒をいっぱい含ませた海綿をヒソプに付け、イエスの口もとに差し出した。30イエスは、このぶどう酒を受けると、言われた。
十 「成し遂げられた。」
C そして、頭を垂れて息を引き取られた。
 
31その日は準備の日で、翌日は特別の安息日であったので、ユダヤ人たちは、安息日に遺体を十字架の上に残しておかないために、足を折って取り降ろすように、ピラトに願い出た。32そこで、兵士たちが来て、イエスと一緒に十字架につけられた最初の男と、もう一人の男との足を折った。33イエスのところに来てみると、既に死んでおられたので、その足は折らなかった。34しかし、兵士の一人が槍でイエスのわき腹を刺した。すると、すぐ血と水とが流れ出た。35それを目撃した者が証ししており、その証しは真実である。その者は、あなたがたにも信じさせるために、自分が真実を語っていることを知っている。36これらのことが起こったのは、「その骨は一つも砕かれない」という聖書の言葉が実現するためであった。37また、聖書の別の所に、「彼らは、自分たちの突き刺した者を見る」とも書いてある。38その後、イエスの弟子でありながら、ユダヤ人たちを恐れて、そのことを隠していたアリマタヤ出身のヨセフが、イエスの遺体を取り降ろしたいと、ピラトに願い出た。ピラトが許したので、ヨセフは行って遺体を取り降ろした。39そこへ、かつてある夜、イエスのもとに来たことのあるニコデモも、没薬と沈香を混ぜた物を百リトラばかり持って来た。40彼らはイエスの遺体を受け取り、ユダヤ人の埋葬の習慣に従い、香料を添えて亜麻布で包んだ。41イエスが十字架につけられた所には園があり、そこには、だれもまだ葬られたことのない新しい墓があった。42その日はユダヤ人の準備の日であり、この墓が近かったので、そこにイエスを納めた。
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shintani24 · 7 months
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2024年3月1日
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能登地震の倒壊家屋、元日のまま 「一歩一歩進むしかない」(共同通信 3月1日)
石川県輪島市の「輪島朝市」周辺に残る焼け焦げた車両=1日午前
発生から2カ月となる1日になっても、多くの家は倒壊したままで元日と変わらぬ光景が広がる。能登半島地震で大きな被害を受けた石川県ではいまだに1万人以上が避難所にいて、自宅に戻った人も断水などで不自由な生活を強いられている。「大変だけど一歩一歩進むしかない」。輪島朝市の焼け跡に早朝から手を合わせる人の姿も見られた。
朝市近くに住む主婦(77)は倒れかけた家屋を指さし「早くつぶしてくれないと危なくて」とつぶやく。道路には屋根瓦やくぎが��乱したままで「ちょっと歩くだけでも危険を感じる」。
珠洲市飯田町の浜田博司さん(80)は応急危険度判定で「危険」とされた自宅の再建をあきらめ、金沢市の賃貸住宅に家族4人で移る。「未練もあるが2カ月の避難所生活の大変さは体験しないと分からない」と話した。
津波の被害が大きかった珠洲市三崎町では地面が隆起した波打ち際に船や家電、布団などが残されたまま。川端国夫さん(73)は「崩れた建物も撤去してもらわないといけないが、いつになったら業者が来るのか」と力なく話した。
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石川6市町から1400人超転出 地震2カ月、人口流出に拍車の懸念(朝日新聞 3月1日)
6市町の転出者数
能登半島地震で特に大きな被害を受けた石川県内の6市町で、発災から2カ月で1400人超が別の自治体に転出していたことがわかった。転出には至っていないものの他の自治体に避難している被災者も多く、今回の地震をきっかけに人口流出に拍車がかかることが懸念されている。
1日時点で6市町に出された転出届の集計(速報値含む)によると、1月と2月の転出者数は計1449人。昨年同期の計602人に比べて2・4倍となった。地震が起きた元日時点の6市町の人口(11万9650人)の約1・2%にあたる。
1~2月の転出者は多い順に輪島市417人(前年同期196人)、七尾市405人(同200人)、珠洲市240人(同45人)、能登町163人(同57人)、志賀町129人(同82人)、穴水町95人(同22人)だった。
また、石川県は1日、2月1日時点の県内の人口は110万6278人で、地震発生の元日時点から1570人減になったと発表。内訳は死亡が出生を上回る自然減が1030人、転出が転入を上回る社会減が540人で、1971年4月の調査開始以来、自然減は過去最大、社会減は1月の数値としては過去最大だったという。
大森凡世(かずよ)能登町長は朝日新聞の取材に「ショックだ。生活の場を少しでも早く提供しない限りはこの状況は変わらない」と危機感をあらわにする。
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衆院予算委に臨む岸田文雄首相=2024年3月1日午後5時36分、岩下毅撮影
予算成立にこだわる岸田首相、弱体化を懸念か(朝日新聞 テーマ特集:岸田政権)2024年3月1日
新年度政府予算案をめぐる1日の審議は深夜に及んだ。年度内成立が確定する2日までに衆院を通過させようと自民が強行し、野党が抵抗したためだ。誰よりも2日の通過にこだわったのは岸田文雄首相本人だった。
1日の衆院本会議は、拍手とヤジ、双方が飛び交う騒然とした雰囲気となった。
「予算審議は円満にやってきたのに、強行するなんてありえない」
立憲民主党の山井和則氏の衆院本会議での「演説」は、記録が残る1972年以降最長の2時間54分間にわたった。小野寺五典・予算委員長(自民)の解任決議案を説明する場だが、国会混乱の発端は裏金問題にあるとして、裏金作りに関わった自民議員を一人ずつ読み上げて指弾した。
自民の強行に対し、野党はそろって批判した。日本維新の会の馬場伸幸代表は「原因は与党にある」と指摘。国民民主党の玉木雄一郎代表も「上半身は謝っているけれど、下半身は蹴飛ばしているような対応だ」と首相の姿勢を批判した。
ただ、この日深夜、立憲は態度を軟化させ、2日の採決に応じた。
強行は首相の強い意向とされる。年度内の自然成立のめどが立たないまま衆院を通過すれば、その後の参院審議でも野党の攻勢にさらされる可能性がある。自民幹部は「何か一つでも問題が起きて審議が止まれば、とたんに見通せなくなる」。野党側は、二階俊博元幹事長や萩生田光一前政調会長らの参考人招致を求めており、こうした要求にも応じざるをえない可能性が出る。
首相自ら衆院政治倫理審査会(政倫審)に出席したり、政倫審と同時並行で予算委を開催したりするなど異例の対応が続いたことも、予算案の年度内成立を確定させたいとの強い思いの表れだ。
そこまでして自然成立にこだわるのはなぜか。首相周辺は「年度内成立ができなければ、政権の統治能力が問われ、内閣支持率がさらに下がりかねない」と危機感を漏らす。参院中堅が「ここまで自然成立にこだわるのは、政権の弱り具合を首相自らが認識しているからだ」と指摘するように、自然成立が確定できなければ政権の弱体化に拍車がかかる。
とはいえ、こうした事態を招いたのも首相自身だ。強行姿勢を続ける首相に対し、自民重鎮はこう指摘した。「判断が遅すぎる。派閥解散にしてもそう。旧統一教会(世界平和統一家庭連合)もそう。対応がすべて後手に回っている」(三輪さち子)
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繰り返す「在日特権」論は100年前のドイツと同じ 社会保障の行き詰まりを「あいつらのせい」に転嫁(東京新聞)2024年3月1日
根強く繰り返される「在日特権」という言説。だが、税制面での特権について国税庁は2月28日、国会で「ない」と明言した。昨年11月には自民党の杉田水脈衆院議員が「実際には存在します」とX(旧ツイッター)に投稿するなど、保守系国会議員やネット右翼らの「ある」という主張はやまないが、政府が公式に否定した格好だ。杉田氏を含む裏金議員の問題が問われた政治倫理審査会開催の日に、本当の特権は誰にあるか考えてみた。(岸本拓也、西田直晃)
◆国税庁が国会できっぱり否定
「国税当局が、対象者の国籍や特定の団体に所属していることをもって特別な扱いをすることはない」
「在日特権」について「ない」と答弁した国税庁の田原課税部長=衆議院インターネット審議中継の動画から
在日コリアンらへの憎悪をあおる悪質なデマとして知られる「在日特権」について議論された28日の衆院予算委員会分科会。高橋英明氏(日本維新の会)が、税制面の優遇などがあるのかとただすと、国税庁の田原芳幸・課税部長はきっぱりと否定した。
高橋氏が「朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)とか、それに関わる法人個人にも一切の優遇措置はないのか」と重ねて問うと、田原氏は「繰り返すが、特定の団体なり、その会員に対して、特別な取り扱いをすることはない」と明言した。
在日特権は、在日コリアンが、日本社会で優越的な「隠れた特権」を持っているとする言説で、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)などが主張してきた。内容はデマにあふれ、ネットの検索動向を示すグーグルトレンドによると、14年をピークに世間の関心は薄れていった。
◆杉田水脈氏の「存在する」発言で再燃
しかし、特定民族などへの数々の差別発言で知られる自民党の杉田水脈衆院議員が昨年11月、X(旧ツイッター)で在日特権は「実際には存在します」などと投稿して批判を受けると、その言葉がにわかに注目された。
ただ、これまでも特権の存在は、ことごとく否定されてきた。在特会がやり玉に挙げてきた在日コリアンらに認められている「特別永住資格」もその一つ。1991年の出入国管理特例法で定められ、一般の永住者と違い、入国審査時の顔写真の撮影や指紋採取などが免除される。
韓流ショップや韓国料理店が並ぶ新大久保で、旭日旗などを掲げてデモ行進する在日特権を許さない市民の会(在特会)=2013年3月17日、新宿区で
これらは特権なのか。特別永住者について議論された2014年10月の参院内閣委員会で、山谷えり子・国家公安委員長(当時)は「特別永住資格は特権ではなく、法律や通達に基づくもの」と答弁。当時、在特会関係者と一緒に写真撮影したことが問題視された山谷氏でさえ、特権とは言わなかった。
◆特別永住資格には「歴史的な背景がある」
改めて出入国在留管理庁に聞くと、担当者は「歴史的な背景がある話で、優遇や特権と呼ばれるものとは性質が異なる」と話した。
日本は1910年に日韓併合で朝鮮人を「日本国民」にして、労働力として日本で炭鉱労働などに従事させた。しかし、終戦後の52年にサンフランシスコ平和条約が発効されると、在日コリアンらの日本国籍は剝奪された。
すでに日本に生活基盤のある在日コリアンらが引き続き暮らせるよう韓国政府と議論。その子孫を含め、安定的な生活が送れるように整備されたのが特別永住資格だった。先の担当者は「日本への定住性が強いことや、日本国籍を失わせてしまったことへの配慮は必要で、結果的に一般の永住者と違いが生じた」と説明した。
生活保護を巡っても在日コリアンが「優遇」されているとの主張もあった。改めて、厚生労働省保護課に尋ねると、担当者は「特別永住者だからゲタを履かせることはない。日本人と同じように、支給要件に合致すれば出すし、しなければ出さない」と否定した。
◆「荒唐無稽なデマ、口にする国会議員がいることに驚き」
在日特権は存在しない。政府があらためて示す見解に対し、ジャーナリストの安田浩一氏は「そもそも、この文言をまだ持ち出す人がいることに驚き。荒唐無稽なデマに過ぎないのに。ましてや国会議員が口にするのは異常としか言いようがない」と絶句する。
その上で、在日コリアンの置かれた現状について、「現実には多くの在日コリアンが日本国籍を取得している。優遇措置が存在するなら、わざわざ日本国籍を取得する必要はない。むしろ、日本人と同様に税金を払いながらも、外国人参政権がなく、政治参画の機会すら持てない。そちらのほうが問題だ」と指摘。「マイノリティーがこうした差別を訴えると、『不当な利益を求めるな』という主張が横行しがち。現代における差別扇動の典型的な表現だ」
◆差別のために妄想とデマを寄せ集める、レイシストの作法
ネット右翼の中には、過去に一部の自治体が行っていた在日コリアンへの税の減免措置を「特権だ」と決め付ける言説もある。安田氏は「植民地時代に国籍を一斉に剝奪され、終戦直後には社会保障から排除された無権利状態だった。行政による必要な措置であり、それは特権でも何でもない。在日コリアンを差別したいがために、あらゆる妄想の産物やネット上のデマを寄せ集め、形式的な理由をつくり、武装して差別の正当化を図る。それがレイシストの作法だ」。
今回も、国税庁が在日特権を公式に否定したにもかかわらず、いぜんネット上には、「実質的に特権まみれ」「通名悪用すればいくらでも悪さできる」「ナマポ(生活保護)在日に優先してんじゃん」といった書き込みがあふれる。こうした排外主義的な動きの源泉に何があるのか。
「ヘイトは愛国心の発露ではなく、『政府は私を大事にしてくれるのか』という不安感の裏返しでは」と語るのは、駒沢大の山崎望教授(政治理論)。「社会保障や安全保障の行き詰まりを考えたとき、国に見捨てられる恐れが潜在意識の中にある。その点が日本人と関係のない人々の排除に向かっていく」
東京造形大の前田朗名誉教授(人権論)は「『日本人が損している』『本来得られるはずの利益が得られていない』といった思い込みが背景にある。下に見ている旧植民地出身者に目を付け、そのいびつな感情を『あいつらのせいだ』と転嫁している。100年前のドイツでも、ユダヤ人に対して同じ見方をしていた。世界中どこでも起きうる現象形態だ」と話す。
◆「特権があって当然」という思いがあるからでは
本来なら、政治家はこうしたヘイトやレイシズムに歯止めをかける立場だ。だが、岸田文雄首相が22年に杉田氏を総務政務官に起用するなど、自民党内には、歯止めをかけるどころかヘイトを容認したり、拍車をかけるよう動きや発言が後を絶たない。
前田氏は「一部の地方議員にも排外的な言説をあおる動きがあるが、『差別するつもりはない』という言い訳がまかり通っている。歴史認識の違いで済まされてしまい、議論が成立しないまま、差別と迫害につながっていく」と危ぶむ。
2月29日から岸田首相らが出席して始まった政倫審では、「政治資金は非課税」といった政治家への税制上の優遇措置も問われている。安倍派から寄付された計1564万円が政治資金収支報告書に不記載だった杉田氏、同氏を重用した安倍晋三元首相の名を冠した安倍派の幹部らは裏金疑惑にまみれている。存在しない特権を唱えたり黙認したりしてきた側が、「政治家特権」を享受してきた。
山崎氏は言う。「政治家には『特権があって当然』という思いが多かれ少なかれあるのでは。特権を持っていい人、よくない人という線引き、奇妙なおごりや選民意識が見え隠れする。非常にゆがんだ意識だ」
◆デスクメモ 「在日特権」などのヘイト言説は、旧ツイッターなどで根強く使われる。根拠を示さず短く攻撃的に言い切ってしまう危うさ。旧ツイッターより8字少ない132字制限のこのメモを5年9カ月書いてきて、痛感している。自分はきょうで最後。今まで本当にありがとうございました。(歩)
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azakavrc · 9 months
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「……お前はバカなのか?」
彼……ISDF代表サリハの第一声はそれだった。
別の地区の見回りをしていた彼は仲間からの連絡を受け大慌てでここ、ウェストタウンの拠点に戻ってきた。
まるで戦場のような緊張感が拠点をぐるりと取り囲んでおり、サリハは軽く頭を抱えながら拠点内の応接室に入った。そこにいる来客……アルマ正教会教皇エルの姿を認め溜息混じりに吐き出した言葉がそれだ。
「お邪魔しております。……素敵なご挨拶ですね」
「生憎とお前のような御立派な暮らしなんて経験はないのでな。気に障るのならお引き取り願おう」
「いえ、ここだけの話……わたくしとて、畏まった対応ばかり受けるのは少々辟易しているのです。これは、内緒にしておいていただきたいのですが」
「……そうかい、じゃあ好きにさせてもらう」
「恐れ入ります」
「で、要件はなんだ?お前のようなヤツが茶を飲みにきただけということはあるまい?」
「此方のお茶は独特の風味でなかなか趣深い物で御座いますけれど」
コンコンっ
不意にノックの音がエルの言葉を遮り、
『お茶のおかわりをお持ちしました』
すぐ後を男声が追いかけてくる。
「アインスか。入れ」
「失礼します。……サリハさん、帰ってたンですね……って、ちょ、失礼ですって⁈」
茶器を乗せたおぼんを器用に片手で持ちながら扉を開けて男……アインスが入室する。
ソファに脚を組んで座るサリハの姿を見て目を白黒させている。
「寛大なお心でお許しいただけるそうだぞ」
「はい、構いません。アインス様もお座りくださいませ」
「俺もですか⁈……いや、俺はちょっと、まだ仕事がー……」
「なんだアインス。教皇様の頼みを無碍に断るのか?」
「アンタ絶対楽しんでるでしょ……」
「まぁまぁ。初対面というわけでもないのですから」
「その節は……まさか教皇様があんなところにいるとはつゆ知らず……とんだ無礼を……」
「おいおい教皇サマ。うちの部下をいじめないでやってくれないか」
「誰のせいですか誰の!」
「……うふふ……♪」
「……っとぁ、すみません……」
小さくなってサリハの横に座るアインス。相対する席で口元を隠し笑っていたエルが手を下ろす。その一動作だけで、室内の空気が変わった。
「……先日お送りさせて頂きました書状は、ご確認頂けておりましょうか」
「あぁ、スラムに教会を、とかいう例の件か。確かに拝読させてもらった」
https://discord.com/channels/1020297124434419722/1068114953753608262/1157536351915343923
「手の込んだ悪戯かとも思ったが、話をしたのがコイツで、確かに支援物資も資金も届いた。ご丁寧に教会の印章つきでな。信用しないわけにはいくまい」
「恐れ入ります」
「此方としては願ったり叶ったりではあるが……どういうつもりだ」
「……どう、とは?」
静かに圧を強めるサリハの言葉にもエルの態度は変わらない。ただ横で推移を見ているアインスだけが小さくなるばかりだ。
「あの書状を帝国ではなくこちらに寄越すということは、教会直々に我々の自治を認めたと捉えられかねん。まさかわからずにやったなどということはないだろう?」
「そうした方がよろしかったでしょうか?」
「当然、そうしていたらヤツらはこれ幸いとスラムの土地を接収しようとしただろう」
「然り。そのくらいの調査洞察は、この地を知らぬ……そうですね、“御立派な暮らし”のわたくし達とて可能です。なればこそ、地を知り人を知り、仁徳に満ちた英雄様にこそ打診を行うべきであると判断した次第に御座います」
「買い被り過ぎだが、信用には応えよう。お前ら教会が我々を裏切らないのであれば、我々が教会を裏切る事はない。誓おう……お前らの言う父なる神とやらは知らないが、俺の誇りに賭けて。こいつが証人だ」
急に指されてアインスは驚いて居住いを正す。
それを見てエルは微笑んで頷く。
「我々正教会は、人間が人間として正しく生きていく事をこそ肯定するものです。人は国に属するのではなく、国が人に属するのです。なればこそ、この地はあなた方の治める地。道理を通すべき相手はあなた方で間違いはないでしょう」
「そちらの意向はわかった。ならばここからは交渉の場だ。がっかりさせてくれるなよ」
「勿論。ご期待くださいませ」
若干緩んだ空気にアインスも内心でホッと胸を撫で下ろす。
「そうですね……まず、アインス様。この周辺の地図などありましょうか?」
「え?あ……はい、ちょっと待っててくださいっ」
急に声をかけられたアインスがバタバタと退席するのを見送り。
「此方から求める事は、
ひとつ、教会建設の為の土地の借用、
ひとつ、教会員の駐屯の許可、
ひとつ、教会管理下の隊商の通行、停泊の許可
それからもうひとつ……」
「もうひとつ?」
「建築した教会の管理者、指揮者として此方……ISDFから一名、任命して頂きたく思います」
「……ほう?」
「勿論、教会から補佐役として一名派遣を行いますが、基本的に建築した教会に付随する事物に関する采配の全権は、任命して頂いたその方に委任させていただきます」
「……お前は、自分が何を言っているのかわかっているのか?」
「はい。要するに……
教会建てる土地貸して
教会員が暮らすのを許して
ウチの隊商が通ったり休むのを許して
ついでに一人管理人役を出してくれ
です。そして、建屋の管理から搬入物資、人員、資金、土地活用に至る全権はその管理人役がやってくれ、とそういう要求です」
「……お前は、バカなのか?」
「はて?……あぁ、土地の借用費は搬入物資や資金から供出して頂くとして、教会員の生活費や隊商の消費した資源に関しては別途請求下されば��用意させて頂きます」
「そういう話ではない。……一体何を考えている?」
「何か問題がありましょうか?」
「これのどこが取引だというんだ。全く対等ではない……これでお前らは何を得る?我々を懐柔しようという腹か?」
「そうなれば僥倖では御座いますけれど、踏み台にされるだけでも此方としては十全。それ以上は“おまけ”のようなものです」
「……馬鹿げている」
「そうでしょうか。先程申し上げました通り我々正教会は、人間が人間として正しく生きていく事をこそ肯定するものです。そのために持てるものを捧げる。それこそが教会のあるべき姿です」
「…………」
沈黙が室内を満たす。
「……仕方ありませんね。此処だけの話としてお聞きくださいませ」
先に沈黙を破ったのは、エルだった。
そしてほぼ同時に。
 コンコンっ
「失礼します。すみません、お待たせしま……し、た……」
「ご苦労。座れ」
「はぃ」
入室したアインスが机に地図を置き再びサリハの隣に座る。
(サリハさん、なんか空気重くないですか……何があったンすか)
アインスが小声でサリハに問うもサリハは顎の動きだけでエルに話を促し答えない。
「……大戦により世界が被った被害……物質的にもそうですが、何より人心が負った傷は深く、目に見えぬ存在を信じる心を保てている方はそう多くはありません。されど、傷ついた心が救済を求めるのもまた必定。教会はそのような方に手を伸ばすのがその勤め……」
言葉を紡ぐエルも、それを受けるサリハも、仮面に隠れた顔から表情を窺う事はできない。
「現在の教会が持つ本質はその教えではなく、無国籍の人的ネットワークそのものです。実際に父なる神に信仰を持っている者は、騎士団を除けばごく僅かなのでしょう。わたくしもそれを理解した上で教会を指導する立場に就いております」
「……教皇様がそれ言っちゃうんですか……」
アインスが思わず溢した言葉にエルはゆっくりと頷き。
「事実を事実として受け止めぬほど愚かではないつもりです。されど、世の中は本音と建前を使い分ける事で安定して回るもの。それで救われるものがあるのならば、わたくしは、教会は喜んで嘯きましょう」
アインスは先日補給物資を運んできた隊商を思い出す。教会の印章を刻んだ一団ではあったが、確かにその言動は教会のものと言うよりは商人や輸送屋のそれであったように思う。
「教会の教えに一切の真もないなどと申し上げるつもりは勿論御座いません。どちらも実であり虚であり、結局のところ目指すのは人間の平和と繁栄……そこに尽きるのですから」
「ふん……なるほどな」
「ご理解頂けたようで幸いです」
「此方としてはスラムの奴らが平和に暮らせるならお前らがどんな意図であろうと変わりはないからな」
「十全です。では、話を進めましょう」
「ああ」
「まず、立地に関してですが……」
アインスが持ってきた地図を広げて眺め、
「規則としてそれなりに広めの土地が必要になりますので、相応の場を借り入れたく存じます」
「使っていない土地自体は沢山あるが……」
「有事の際に避難所や防波堤としての役割を担う務めが御座います故……」
「防波堤?」
「はい。街や避難所に賊や根源生物が侵入しないよう、この教会の土地で万全の体勢で迎撃を行えるよう配備できるようにと」
「却下だ」
「……戦力は此方から駐屯させるつもりですが」
「尚更だ。資源のみならず防衛までお前らに委ねるほど俺たちは落ちぶれちゃいない。客は客らしく安全な場所にいろ」
サリハが地図を叩いて示す場所はウェストタウンのはずれではあるものの根源生物が多く観測される砂漠側からは遠い位置だ。
「畏まりました。では此方の場所をお借り致します。近日中に現地視察に人を派遣致します」
「そうしてくれ」
その後も話は速やかに進み、とんとん拍子に取り決めがなされた。
実建築にかかる際の人手借り入れの報酬、教会の規定に伴うワークショップや隊商の巡回周期、砂漠の遭難者や非常事態に備えたビーコン設備の取り付け、有事の際の避難所や臨時病床としての開放規則などなど、話す事は多数あったがつつがなく話は進められ、
「……事前に決めておくのはこれくらいで御座いましょうか」
「先に話していた管理者の件だが」
「はい。建築が終わる頃までに決めて頂ければと思います。……既に候補を絞られていますか?」
「アインス」
「はい?」
「お前がやれ」
「……はああぁ⁈な、なんですか急に⁈」
「アインス様がちょうど席を外していた時に出た話ですね。此方からの要求として、建築した教会の管理者をISDFから一名選出して欲しいとお願いさせていただきました」
「お前なら信用できるし悪いようにはしないだろうと判断した。やってくれるな」
「いや、まぁ……やれと言われればやりますが……いいんすか?俺、信仰心とか欠片もないですよ」
「いくつか守っていただきたい事柄は御座いますが、教会施設を自由に使う為の必要経費とお考え頂きましたら幸いです。勿論、無理にやれと申し上げるつもりは御座いません」
「え、自由に……って、どういう事ですか……」
「後で説明してやる」
「なんかめちゃくちゃ重要な事をさらっと押し付けられてる気がする……」
「正式な決定に関しては、先に申し上げました通り、建築完了までにお知らせ頂ければ重畳です。説明を受けてからご決断ください」
「あー、いや。サリハさんが俺なら信用できるって任せてくれるンですよね。なら、期待には応えますよ」
「話が早いのは助かりますが……押し付けたようで、少々申し訳なくも感じますね……」
「最終的に俺が自分で決めたんで。気にしないでください」
「……畏まりました。では、補助役の選定を急ぎます。建築完了前に此方に向かわせるよう手配を致します」
「お願いします」
ちょうどその時、扉をノックする音が室内に転がり込む。
『教皇様、そろそろ……』
室外で待機をしていた侍女の恐る恐るといった声がその後を追う。
「すぐ向かいます。あなたは出立の支度を」
『畏まりました』
「……申し訳ありません。この後も予定が御座いますゆえ、これにて」
「ああ。無事に生きていたらまた会おう」
「その日を心待ちにしております。では、皆様に、父なる神の祝福のあらんことを」
エルが退室したのを見送り、アインスは大きく息を吐きソファに体を沈み込ませた。
「はあー……なんかとんでもないことになった気がする……」
「ふ。期待している。俺もまだ予定が残っているから、あとの片付けは頼むぞ」
「あ、はい。了解です」
部屋を出たサリハの指示で、拠点を囲んでいた隊員は速やかに任務に戻っていく。
慌ただしい昼下がりを抜けて、スラムの日は続く。
    幕。
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kennak · 1 year
Quote
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/togetter.com/li/2200899に関してコンビニのカウンター下やスーパーの冷蔵ショーケースに塞がれた手洗い場食品販売施設に必須だったので形だけつけてある。カウンター下手洗い場で手洗いするのは困難。各都道府県の条例により設置義務が決まるが、平成19年通達により設置義務緩和のガイドラインが定められたので、以後開業のコンビニなどでは無い場合がある。 コンビニのカウンター下手洗い場+イートイン席コンビニの客用手洗い場設置義務は緩和されたが、店内に客席がある場合は設置の義務がある。逆に言うとカウンター下に客用手洗い場があるコンビニでは無工事でイートイン席を作る事が出来た。 人工大理石カウンターの下にシンクコンビニカウンターの向こう、壁側にもカウンターがあり、肉まんホットケース、タバコ棚が並んでいるが、一部は天板取り外しが出来てその下には二槽式シンクがある。食品を売る店舗では複槽シンクが必須だったため(自治体による)。先述のガイドライン策定により、洗うのが器具だけで食品を洗う必要がない場合は複槽である必要なしと規制緩和。 レーサーレプリカバイクの後席のバンド二人乗りをあまり考慮していないレーサーレプリカやスーパースポーツ���イプのバイクの後ろシートの前の部分には目を��らさないと判らないようなバンドが存在する。例:NSR250R https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/87/Honda_NSR250R_in_the_Honda_Collection_Hall..JPGこれはデザイン上の飾りではなく、後部乗員用が手で掴まる「シートベルト」で、道路運送車両の保安基準(道路運送車両法の政令)で定められた乗車装置である。撤去すると車両法違反となり車検がある車種では車検が通らない。 鉄道振替輸送とSUICA切符の発行、購入は目的地に輸送するという旅客運送事業の契約成立であるので、不通が生じた場合には振替輸送が供される。契約不履行としての代替手段である。Suicaなどではこの契約が成立していないので振替輸送を受益する事が出来ない。しかしそのSuicaで切符を買ってしまうと旅客運送契約が成立するので振替切符を交付してもらえる。 手荷物輸送運輸業には旅客と貨物の免許がありそれぞれ別物である。故に旅客免許しか受けていない鉄道会社、バス会社は貨物輸送を受ける事が出来ない。フェリー航送は車の持ち主の乗船が必須。だが客の手荷物を別料金、別列車で輸送するという建前で単独輸送する託送手荷物制度が存在する。また、託送荷物には速達性が求められる新聞も加わり、その流れで映画館で放映するニュースフィルムも託送された。ところでセルロイドは爆薬(硝化綿、無煙火薬)から作られるものであり、易燃性で暑い時に勝手に発火することもある。この為に担ぎ屋が持ち込んだタバコパイプ等が発火して火災になる車両事故などが多発して持込が禁止されていた。だが昔の映写フィルムはこのセルロイド製であったので、夏にバス運転席前に置かれた託送手荷物の映写フィルムが突然激しく発火、バスの出口が前一か所だけなので満員の乗客が逃げられずに多数が焼死という事故が何件も起きている。国鉄が廃止したのを皮切りに今は手荷物輸送は殆ど行われていないが、夕方などに客室の一部をロープで締め切って新聞を託送する電車はいまだ存在する。 ソープランドのサービス売春は禁止されているが、ソープランドでの性行為は「自由恋愛が発生したので」黙認されている。 ウリ専男性の売春であるウリ専は認められている。売春は異性間性交であるとの暗黙の了承による。 「ヂーゼル」などの外来語表記明治文明開化以降、大量の外来語が入ってきた為に、小文字カナの使用が始まる(捨てガナという)。明治政府は、政府の公文書や法令での捨てガナの使用を禁止。これに新聞社や大企業なども倣ったため、お堅い業種や監督官庁がある分野では外来語表記に捨てガナが無い表記を工夫するようになった。機械や自動車工学では整備士など国家試験があるので「ディー」と書けず、「ヂー」を使うようになった。この捨てガナ規制は昭和63年に解除された(昭和63年7月20日 内閣法制局総発第125号 『法令における拗よう音及び促音に用いる「や・ゆ・よ・つ」の表記について』)。よく「キューピー社の正式名称は『キユーピーだ』というトリビアが開陳されることが多いが、以上の経緯からナンセンスなインチキトリビアである。「キューピー」や「QP」で登記できなかったからであって、古い外来語名企業は全て捨てガナ表記されていない。(ローマ字やアラビア数字で登記出来るようになったのは2002年11月1日:商業登記規則改正) 裁判での陳述裁判では判決は言い渡しし、口頭弁論などは陳述する事になっている。その為に準備書面を予め提出し、廷内で「書面の通り陳述します」と言うと書面の中身を法廷で話した事になる。 ネット選挙一般的なインターネットとはWWWの事で、ハイパーテキストによる出版であるから出版が準用されて、ネットを通じた選挙活動というのは禁止されていた。が、ガバガバな状態であった。だが公職選挙で出版が制限されるのは出版や印刷には金がかかり資金の差が獲得票数の差になる事を避けるための規制であるから大して金が掛からないWWWでの運動を規制するのは立法趣旨に反する。という事でWWWでの文書図画の公表、頒布は限ってはOKという事にした。但し電子メールアドレス表示必須である(守られてない)。電子メールでの活動は候補者以外は禁止のままだ。 輸入バスの後部脱出ドア数々の車両火災によりバスの後部、出口と反対側には脱出用のドアの設置が義務付けられている。だが外国製バスには無いものが多い。普通は改造しないと型式取得が認められないが、連接車など特別な用途のモノの場合、ガラスカチ割り用のハンマーを後部席に設置してあるから特例的にKという形になっている。 差金の目盛り計量法は日本の旧尺貫法での表記がされた計量器具の製造販売を禁じている。だが建築内装などでは旧尺貫法に準じた長さが未だ標準となっている。そこで、差金の裏に尺に準じた目盛りをメートル表記したものが売られている(尺相当目盛り付き長さ計)。国会で審議されてこれは合法というお墨付きが出た。 三輪自動車のドア海外で製造された三輪トラックなどを日本に輸入する場合、普通自動車としての型式は取れないので、ドアを撤去してサイドカーとして登録する。ドアを撤去するのは、サイドカーの条件として「ドアが無いこと」となっているから。冬は寒いが幌は禁じられていないのでビニルレザーでドア型幌を作って付けても大丈夫かと思われる。なお、50ccの場合はミニカーで登録できるのでピアッジオ・アペ等はドア付きでOkである。 A重油A重油は殆ど軽油で軽油9割、重油1割から成る。軽油には32円/Lの軽油税が掛かるが、道路を走行する車両に搭載されないエンジンで使用する場合その税金は払う必要が無い。その為の油種。トラックが使用したら直ぐに判るように蛍光剤が混ぜられている。 消毒用アルコールIPエタノールには酒税が掛かるがイソプロピルアルコールを少量混ぜて不可飲処置させてあるので酒税が掛からずに安い。 料理酒酒に塩や酢を混ぜて不可飲処置されているので酒税を回避。つまり不味い。  以上、三つだけ選んでお届けした。
「ガバい法律逃れ」三選
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shukiiflog · 1 year
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ある画家の手記if.10
抱きしめるほど深く僕になにかが刺さっていく
ポツリと頰になにか当たった、生暖かい感触。 ソファの上で閉じていた瞼をあげる、窓を開け放していたせいで雨が降り込んできたらしい。 立ち上がって窓を閉めながら時計を見る。10時半。 横でソファに沈み込みそうになっているケータイが鳴った。電話だったので出る。 『ーーーあれ、今日は出るんだ?』 知り合い。 「ひどい言い方だなぁ… 気づいた時はちゃんと出てるよ」 起きたばかりの目を手で押さえて擦る 『絵を描いてたら気づかなかったことにするって』 「ん……」確かにそうだけど 『今からそっち行ってもいい?』 「それは…」今夜そういうことをするしない以前に 「困るな…今は人を待ってるから」 『そうなんだ、じゃあ、また声かけるね』 切れた。余計な詮索はなし。お互いに目的が明快だな いつのまに眠り込んだのかよく覚えていない、隣にくったりと寝そべっているかいじゅうくんを抱き寄せる、記憶を辿ってなんとか繋げようとしてみる、今日は… 香澄が 来た ここに居た、けど、 窓の鍵をおろす。一旦ソファに座る。顔の前に垂れた前髪をかきあげて頭をはっきりさせようとする。髪が伸びてきたな まさか丸一日以上ここで眠り込んでたことはないだろう、それなら香澄は コンビニへ行くと言って出ていった。明るいうちに。僕が眠ってしまっていた間に一度戻ってきた?それで帰ってしまった? 分からないけど僕の頭にあるのは入院する直前の夜、踏み切りの向こうに突き飛ばしたまま置いてきた香澄は、他人事の諍いに首を突っ込んで怪我を負ってやってきた 反射的に勢いよく立ち上がって勢いのまま横のテーブルの天板に思いっきり脚をぶつけた。 「…ッっ〜……」 痛い  骨が内側から振動するみたいに「お…れ、は、…っ」なにを、やってるんだ 理不尽な痛みに片手で打った足を押さえながらもテーブルにもう片手をついて、頭を振ってしっかり立つ。 テーブルの上で指先に触れた腕時計を掴んで顎でおさえながらそれを手首に巻く。 大きなイーゼルの脚にかけていた上着をとって袖を通しながら部屋の電気を消していって玄関を出る。 鍵をかけてナカザトさんの壺の水の中に落としていく。 階段を駆け下りる、まだひどくないけど少しずつ雨足は強まっている。 追いかけて間に合うのかも分からないけど僕の体は動き出す。 なにもないならそれでいいから 僕の目の届く場所に
香澄がどこをどう歩いたかなんて検討もつかないのでとりあえず一本道の坂を下りたところにある行きつけのバーに入る。 サーフィンと芸術が好きな店主と僕はご近所さんで友人だ。この時間帯が一番賑やかな店。 「マスター、僕だけど」 顔の横で扉についた鈴が鳴る。 「直人くん、いらっしゃい。いつもの?」 「あ、いや……」 店の中の数人の客が微かなトラブルの気配に僕のほうへ視線を向ける。 「……大学生くらいの男の子が、ここを通ったと思うんだけど、茶髪の。見なかったかな」 このへんに大学や若い人向けの施設はないから香澄は通りすがりとしてはまあまあ目につく部類のはずだ。 そうだ、それに 「顔に、傷跡が……首のあたりまである大きな怪我のあとが、ある」 あれは、目立つのかもしれない、ただ香澄なんじゃなくて、あれは特徴的ななにかかもしれない、ただ美しいだけじゃなくて 「探してるの?」 客の中の一人が僕とマスターのやりとりを見ていて応えた。心当たりがあるらしい。 「いつ頃、どこで見ました?」 「ついさっき、ここにくる途中の高架下で。遠目にしか見てないけどあれは可哀想だったね」 あれ、が、可哀想、って? 「ど、う、いう…それは、」 僕がカウンターに身を乗り出して問いただすみたいにしたせいで、その人は少し体を後ろに引いて面倒そうに眉を顰めた。 「どうって…ただ色々大変だろうってだけで、変な意味じゃ……」 「直人くん、事情はよく分からないけど行ってみたら?高架下あたりは暗くて危ないし。傘なら貸すから」 空気が悪くなる前にマスターが僕と客の間に傘を自然に差し込んだ。 それ以上どう言える訳もなく、僕は傘を受けとると控えめな礼だけ言って、マスターに傘を返しにくるのを約束して店を出た。 ーーーーー可哀想 僕は そんな目で 見つめたことが一度もなかった でも  そうも見えてしまう  或いはもっと別な風にも それは 知ってる、肖像画に何枚でもしてしまえるように 香澄を見る目が無数にある 僕から香澄へ向ける視線が一つ 幾重にも僕から香澄へ重ねられてもそれは一つだけ 僕に許されるのはその一つだけ あの日、描けないと思って目を閉じた 僕の前にいる香澄以外を  僕には尊重しようもない…から   そんなのはいないのと同じ…だったはずだ   ほんとうに? 可哀想な香澄、色々大変な、香澄 僕の目の届かない、僕の目の前にいない、僕にはどうにもできない、香澄、そこに、刺青が、小さな細かい傷跡が、たくさん降り積もったんだ、 あの日、裸の背中に それを見た 「………っ、」 得体の知れないなにかに耐え難くてごくりと喉を鳴らす、本格的に降ってきた雨の下、持っている傘をさせない 息が詰まる 桜の散り始めた小さな神社を通りすぎて、石畳をおりて、坂道を大股で急ぎながら高架下へ 髪が雨水を含んで僕の顔に張り付く 雨を吸った花弁が革靴の裏についてきて足元を滑らせようとする この辺りはどう歩いても桜、どこまでいっても桜が続く 遠目になにか白いものがゆらゆらしている 尻尾。神社のシロさんだ、この辺りで一番人懐っこい猫 を、高架下でギリギリ雨を避けながら、しゃがんで撫でている、香澄 いた
「………え、あ。」 走り寄ると、見つかった、というような少し慌てた目をして、香澄は立ち上がった。 「……やっぱり香澄は、好かれるね」 シロさんは僕の姿をみとめるとサッとどこかへ逃げて行ってしまった 「けど僕は嫌われる」 「…な、直人、ごめん」 香澄が謝ることはないよ………と、思ってるし、言いたいけどね、 「ーーー香澄、わざとやってる?」 出てきたのはあまり優しい言葉じゃなかった。 「……え…」 髪から伝う雨がうざったくて前髪をかきあげる、香澄の視線を感じる、雨に混じって僕が泣いてるのに気づいた なんで  僕にもよく分かってない 何かが歪むように痛む いつ傷つけたのかも覚えていないようななにかが思い出したように痛む   痛む 香澄が誰かになにか言われるのが、僕の中でずっと引っかかって 見たくないものを真正面に据えられてるみたいだ、目を逸らしたいけど そこにあるのが分かるから、どうしたって視界に入る、逃げられなくて堪らない さっさと絵にして次へいけたら、 香澄を描くのに失敗してから僕はずっと 色んなものと上手く折り合えなくなった気がする、前はもっと単純だった そんなに簡単に済まないって 何もかも僕以外が急に叫び出した 煩いだけじゃなくなって 僕に混じろうとするものが 醜くたくさん重なって まるでもう美しいみたい、 描く気にもなれないくらい 「直人…、ごめん、」 さっきのごめんと少しニュアンスが違う。 「俺…なにか、した…?」 「なにも」 してないよ。香澄になにかされたことなんてあったっけ 香澄、可哀想な香澄、色々大変な香澄、大学生で、いま二十代で、顔に僕の夢ごと負ってしまった傷跡があって、背中に僕じゃない人から負わされた刺青があって、 幾重にも重ねて傷つけることが描いていくことになるなら僕は人間なんて描きたくない 描けないなら見えない 見えないなら描けない そういう関係だったんじゃないのか? 「直人?…どうしたの、なんか変だよ」 「…そうかな」 「濡れてるよ、傘使わなかったの?」 まともに何も言えないまま強まった雨に打たれてずぶ濡れだけど今日の雨はそこまで冷たくない。 濡れていない高架下に入ればいいのにそこに香澄がいるから入れない。 雨音に混じって頭の上の遠くから電車の近づいてくる音が聴こえる。 高架の根元から絡まるようにして大きな桜の樹が枝を伸ばして、道沿いにできた雨水の水溜まりに白く花筏が浮かんでいた。 そういえば桜なんて咲いてた 筆の乗っていたここ数日アトリエに篭りきりで外がどうなっているかなんて気にも留めてなかった この雨で散りきってしまうかな 香澄といて自分のなにが痛んでいるのか分からない でも痛み始めたんなら僕には逃げる道がない 痛むものを見つめないと 「香澄…      」 電車が 僕らの上を通る。 香澄の唇がなにか言葉を紡ぐのが見えた。 僕の口からも勝手に溢れる 〝香澄といるとあちこち痛むよ、前はそんなことなかったのに 離れて過ごしてたら僕だってちゃんと絵を描いて生活してる 一緒にいると上手くいかなくて、なんでだろう わざとやってるのか?〟
電車が過ぎていったあと、ようやく耳に届いた、僕のケータイの鳴る音。 上着のポケットから出して電話をとる。 『ーーー今日はちゃんと出るね』 知り合い。 「うん」 『…泣いてる?』 「…いや、」 香澄は他人の会話をうっかり聞かないようになのか少し顔を伏せた。 『大丈夫なの?』 「うん。やっと会えたから」 香澄の頭をがしっと掴んで逃げないように首に腕をまわして引き寄せてホールドする。 「いたた…  な、直人、」 電話口に聞こえないようになのか小さめな抑えた声で香澄が抵抗しようとする。 それをさらにぐぐっと締めつける。勝手になにも言わないで帰ったことへの恨みがちょっとこもっている。 香澄ごしにケータイを持ち替えて、なんとか耳にあてて話す。 『会えたって、待ってた人?』 「うん」 『よかったね』 「ちょっと居眠りした隙にも逃げるんで油断できないけどね」 「……。」 黙り込んだ香澄の頭にゴツンと頭突きした。木彫りかいじゅうくんと違って重みのある一撃。 『今日はほんとにダメみたいだね』 「うん、悪いけど」 『ううん、その方がいいよ、あなたいつでも断らないから』 そうだったのか。意識したことがなかったけど、断る理由もなかったからかもしれない。 電話越しの相手は断られたのに少し嬉しそうな声だった。 いつも、誘われて訪ねられて声をかけられて、 「今度は俺からも連絡するから。いつも怪我させて…色々ごめん」 『うん、おやすみ』 電話を切ってから香澄の首を両腕を使って締めなおす。 「く、くるしいって、直人〜」 「うるさい。」 抗議は聞かない。 香澄の首に回した腕をさらに締めあげて、 口元にきた自分の腕に歯を立てる。 服の上から、腕を噛む。 ここまで近くに引き寄せたら風景の中に香澄はいない。そのことに少し安堵しながら、 高架、コンクリートの壁に落書き、桜の樹、アスファルト、弱い街灯、光る雨、水溜り、ぼんやりと輪郭を濁した月、僕の腕に腕時計、 「直人…?」 「……。」 香澄に気づかれないように、強く抱きしめたまま離さない。 何かが歪んで壊れそうなのを 歯を食いしばってやり過ごす これ以上閉じられないくらいに強く瞼を閉じる ガリ…と皮膚の裂けかけた感触がして、身体から力が抜ける、 その瞬間まで止まりそうだった息ができるようになった 「………香澄」 「……。」 大丈夫、帰って描いてしまえば今日も絵になる 「…直人、」 「何も…なくてよかった、駅まで送るよ」
持っていた傘をさして、男二人では少し足りない分、香澄の方へ傘を傾けて 元から濡れてた僕の片方の肩にさらに雨が降り注ぐ。今日の雨は温かい 道のわからない香澄を一番近くの駅まで送っていって、ホームまで一緒についていく。 タイミングよくきた電車に香澄の体を押して乗せた。 何か言いたげな香澄を無視して電車の扉が閉まる。 それを一人で見送った。 電車の窓から香澄はずっと僕の方を見ていた。 その視線に笑顔でこたえる。 行ってしまった電車の舞い上げる風に煽られて上着がはためく、僕の片腕に 服の上からうっすらと見てとれる血が滲んでいた
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tsuntsun1221ts · 1 year
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2023.03 十勝岳
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雲海上の山頂、最奥に日高山脈も見渡せる
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前回来たときは5月と遅い残雪期だったが天候悪く撤退した。今回は3月ということで厳冬期から残雪期の間というところか。この辺りは真冬は天気が非常に悪く、3~4月になると安定して良くなるので、予報を見計らってリベンジしに来た。ただし季節外れの高温ではあったらしい。
前日に出発を決めたので安価なLCCで新千歳空港、そこから鉄道で上富良野へ。飛行機代で10000円強+鉄道代5000円くらい。上富良野から十勝岳温泉へのバスはありがたいことに3月中のみ無料だった。最終バスで白銀荘は17時すぎ到着となった。
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白銀荘周辺は食事を調達する場所が一切ないため、今回は新千歳空港にて調達しておいた。リッチにサーモンにイクラを散らしたのと、牛肉が乗ったお弁当。
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山頂の天気はお昼くらいで最も良くなるとのこと、また17時40のバスに乗って帰るためアタックは0800とかなり遅めに設定。0600起床し朝風呂に入ってくる。いろいろ準備して0800出発。駐車場にはスキーヤーの姿が多く、これくらいの時間にマイカーでやってくる人たちがちらほら。白銀荘から十勝岳山頂は見えないが、すでに最高の天気。火口からは大量の噴煙が出ている。
【コースタイム】白銀荘(0805)→渡渉点(0825)→昭和火口(1005)→十勝岳(1115-1215)→昭和火口(1250)→白銀荘(1400)
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まずは樹林帯から。トレースがたくさんあってありがたい。前回は全く無かったので進行方向に戸惑った。
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15分ほどで樹林帯を抜け森林限界に。振り返ると雲海が広がっていて、ちょうど白銀荘あたりから雲の上だったみたい。見えているのは雲ではなく火口から噴き出す噴煙。
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右方向には上富良野岳?の頭が見える。
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樹林帯抜けてからすぐに渡渉点。前回5月は川の中に足を突っ込んで進んだけど、この時期はまだ十分雪が残っていて橋のようになっている。
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一面銀世界
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振り返ると樹林帯の中に白銀荘が見えた。雲海が果てしなく広がり、北海道の広さを実感する。
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気がつくと左の方に避難小屋があった。夏道とはだいぶ外れている。この時期は国道が一部閉鎖されているため望岳台は使えないとのこと、どおりでみんな白銀荘から出発する。
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ルートは結構好き勝手で、それぞれが登りやすいと思ったように進む。自分もずっと誰かのトレースをなぞるだけはなんか嫌だったので外れてみる。先程まではなだらかな道だったが、昭和火口への登りが本日一番急。
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約2時間で昭和火口に到着(なお昭和火口はもっと小さく、この大きな窪みはスリバチ火口の模様)。この火口は活動していないのか、雪の中に埋もれている。火口の中も覗いてみたかったが雪庇を踏み抜く危険があったのでやめていおいた。向かいにみえるのは美瑛岳。
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昭和火口まで登り切ると再びなだらかに。ようやく十勝岳山頂が見える。ここからは常に最高の景色の中を進んでいく。
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進行方向右側には白銀荘からずっと見えていた噴煙を出している火口と同じくらいの標高に。あっちの方向には大正火口・グラウンド火口・62-II火口と3つの火口が集中しており、どの火口からの噴煙かはわからないが、とにかく活発な火山活動が続いているのがわかる。
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山頂直下が再び急となる。この先でトレースが2方向に分かれており、このまま直進しつづら折りのようにジグザグ登って右のコブを通過するか、途中で左に折れ(真ん中あたりの登山者が歩いている)山頂をぐるっと回って裏手から登るか。後者のほうが道が緩やかみたいなのでそっちにした(距離は伸びるが)。
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途中までは直進し
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左へ折れ、写真の裏手から巻いて山頂へ
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白銀荘から約3時間で山頂に到着。
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奥から富良野岳・上富良野岳・上ホロカメットク山・十勝岳へと続く馬蹄形縦走路。夏にここを歩くのも計画していた。
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さらに奥には日高山脈がずらーっと並び壮観。十勝岳周囲は雲海だが、あっちは麓も晴れているみたい。
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反対方向は美瑛岳・オプタテシケ山が手前に連なるが、奥は大雪山系旭岳が並ぶ。翌日はあっちにも登りたかったのだが、翌日の帰りの飛行機が空いておらず今回の旅は十勝岳のみということに。なおこの十勝連峰から大雪山系までは一応ひとつの山脈としてつながっており、日本海側からの雲(写真左)を遮っている。
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そのため太平洋側は雲ひとつない晴れ。奥に見えているのはニペソツ山・ウペペサンケ山かな?
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左が富良野岳、中央やや右に火口、右端に登山道のトレース
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今登っている人は山頂直下を直進するややキツイ道。
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自分が歩いてきた道(左端は除く)。遠くまでトレースが続いている。写真中央やや上の窪みが通過してきたスリバチ火口(昭和火口)か?
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全景(登山道方面)
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全景(登山道と反対側方面)
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微風で日差し強く適温で快適、雪山なのに山頂になんと1時間も滞在していた、とにかく景色がすごすぎ。早く下山しても帰りのバスは夕方だし。とはいえみんな下山してしまったのでそろそろ降りる。雲海の位置が朝からずっと変わらないので、かなり安定した層がこの周辺を覆っているらしい。
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となりの尾根にも下山者いた(写真中央の点)。
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かっこいい山頂
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ちなみに今回は最初から最後までワカンを装着していた。ご覧の通りこの時期でも積雪で新雪が積もっており、アイゼンだとかなり歩きにくい。なんならスノーシューでも良かった。山頂付近もそんなにカリカリしておらず、普通に積雪。
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昭和火口(スリバチ火口?)。下山のほうが火口の形がよく分かる。
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山頂見納め。ここから先へ下ると見えなくなる。さっきから見てきたが、ものすごい光景だ。
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樹林帯の中に白銀荘が見える。ギリギリ雲海に巻かれていないが、
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高度を下げるにつれてどんどん雲に近くなり、とうとう突入。かなり濃く10m先も見えないんだけど。これトレースなかったら泣いてた。
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樹林帯の中に入ると少し見通し良くなる。
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山頂から約2時間で白銀荘に到着。霧が濃すぎて目の前にあるはずの本館が見当たらない。帰りのバスが3時間後なので、あとは温泉でかなりゆっくりくつろぐ。通常700円のところ再入館のため350円。土曜の午後で人が多かった 。
3月ということでほぼ残雪期だが、それでも北海道なので雪は降るためワカンかスノーシューは必須と思ったほうが良い。現にアイゼンは一切使用しなかった。次回来るときは夏~秋か、果たして今回以上の景色が次来たときに見られるだろうか?
千代ケ岡駅からタクシーで旭川空港向かう予定が、タクシーおらず配車もかなり時間がかかるとのことでかなりヤバかった。上富良野駅は駅前にタクシー何台もとまっていたので慢心していたが、千代ケ岡駅利用する場合は前日などに予約必要。
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getsuryoukai · 1 year
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2023.4.17~19 八甲田山
『残雪の八甲田山行珍道中』 日時 2023年4月17日(日)~19日(水) メンバー ヒロさん、ミジカイさん、ウメちゃん、岳人(記) コース 酸ヶ湯温泉(8:00)➡仙人岱避難小屋(9:30)➡大岳(11:30)➡大岳鞍部避難小屋(12;00)➡毛無岱➡酸ヶ湯温泉(14;00)
4月集会後の🍺飲み会の席で、隣の ミジカイ さんから「再来週、八甲田山に行くんだけど一緒に行かない?」と声が掛かり、物の弾み?で「良いよ、行くよ!」と簡単に応えてしまった。 23年前に月稜会が初めて一泊二日の紅葉山行で観光バスを借りて、会員、ОB、知人を35人を掻き集めて実施し、素晴らしい紅葉を眺めて以来、是非「雪の八甲田山」に登りたいと思って居たからだ。 又、下山時に入浴した趣のある「酸ヶ湯温泉」に泊��れるのも楽しみでした。
16日(日)、13時「東北道浦和インター」に近い我が家迄、ヒロさんが二人のお姐さんを乗せて迎えに来て繰れました。 さあ~、いよいよ片道約750キロの旅です。全員元気?で出発です。 ヒロさん、ウメちゃん、私の順番で運転を交代して22時頃に「酸ヶ湯温泉」に到着しました。 天候は予想を裏切り雪とミゾレです。何処かテントを張れる場所がないかと駐車場をウロウロ廻り「ロープウエー駅」に行ってみましたが何も有りません。 隣の「ガイド事務所」で「素泊まりできる所は無いか?」と尋ねても「無いね~、車で寝たら?」と冷たい返答です。 結局ヒロさんの記憶に在る駐車場が見つからず「酸ヶ湯温泉」の駐車場で寒い~寒いファーストビバークとなりました。 各自狭い座席で合羽とダウンを着込んで寒さや睡魔と戦い?翌日の朝5時頃「宿の温かいサロン」に入れて貰いホットしました。
17日(月)、朝の仙人風呂に入り天候の回復を待ちましたが雪は止まず、相談の結果「弘前城跡」の桜見物観光となりました。 弘前市までは40分位です。途中で全国旅行支援で得た「電子クーポン」でお土産を調達しました。 満開時なので桜祭りが開催され、コロナも落ち着いた事も有り、大勢いの観光客が出てました。 「弘前市で一番美味しいお店は何処ですか?」とミジカイさんが何人かの人に尋ね あっちこっち歩き廻ってやっと昼飯に在り付きました。 3時頃「酸ヶ湯温泉」に戻りましたが山の麓は相変わらず小雪がパラパラ振って明日の天候が気になります。 宿にチェツクインして男部屋で4人で軽く飲み、夕食の会場で先ずは生ビールで明日の晴天を祈って乾杯しました。
18日(火)、朝、目を覚まし「ソー」と障子を開けると明るい空に所々に蒼空も見えます。《遣った!》願いが叶って今日は「八甲田山」に登れそうだ! 予定通り6時40分には山姿に着替えた4人は、朝食会場でタップリお腹にご飯を詰め込む。
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嬉しさを押し殺して装備を身に着け、記念写真を撮って旅館の裏手の神社に向かった。そこが登山口で、既に山スキーツアーのシュプールが続いていた。 8時、山スキーのヒロさんと別れて〔ウメちゃん、 ミジカイ さん、 岳人 〕の順番で歩き始める。夏ならば今日のコースは4時間30分位だが、久し振りに雪山入り私の足では多分6時間位を要するだろう?と思った。 二人に迷惑を掛けないのは「バテない」事である。それには、最初から最後迄自分のペースで歩き抜く事だ! ウメちゃんが50㍍位先をルートを捜しながら行く、20㍍程離れてミジカイさんが、ルート再確認し私の状態を観ながら進むと云う状況です。
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それにしても良く晴れたものだ。昨夜は寝付く迄は晴れは期待せず、雪の中を必死で登る姿を想像してたので嬉しくたまらない。 仙人岱避難小屋から少しルートを間違え20分程ロスをするが、順調に大岳の登りに取付く。森林限界を越えた所でアイゼンを着用する。 強風が吹き始めて視界が一気に悪くなる。一歩一歩アイゼンを効かせて喘ぎ喘ぎ登り続ける。顔を上げればミジカイさんが10㍍程先で、私を観ながら「頑張れ!頑張れ!」と応援してる様だ。ここは未だ冬山だ。 眼下を見下ろすと雪の急斜面が、見えない視界に「ズー」と続いてる。
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滑ってはいけない、緊張しながら更に一歩、一歩と登り続ける事30分、遂に大岳の頂に着いた。「遣った!」視界は全く効かない強風の中で3人は喜びと嬉しさを爆発させた。遠い遥かの東北の「雪の八甲田山」に登ったぞ! スノーシュー登山のカップルと記念写真を撮り合って急いで下山する。
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大岳鞍部避難小屋の近くで、山スキーのヒロさんと出くわす。 頂上とは打って変わって蒼空の好天だ。写真を撮り合って別れ、少し下ると 山スキーツアーのパーテイーが休憩した。我々もここで一服する。 そこから「広大な毛無岱の雪原」をウメちゃんとミジカイさんのスマホのルート図を頼りに延々と歩き続け無事に「酸ヶ湯温泉」に戻った。時間は14時ピッタリで私の予想通リ6時間の行動時間だった。直ぐにヒロさんも戻り旅館前で歓喜?のグータッチをした。 この日は早々に♨温泉に入り、男部屋でお祝いの宴会となる。 中日の今日がこんなに良い天気に恵まれて、それぞれの目的が達せられた事に感謝と喜びを感じて大いに盛り上がりました。 誰かが持参した15000円のワインもアッと云う間に飲み干されました。 その嬉しは夕食時にも持ち越され、終了時間ギリギリ迄席を立たなかったのでスタッフの方に嫌な顔をされたみたいです?
19日(水)目を覚ますとミゾレが降ってました。 何時もの通リ6時40分に朝食会場で顔を合わせ今日の予定を話し合う。 ミゾレは止んだようだが、今日の長い帰路を考えると、今から行動しても急がし過ぎるから山は止めて「奥入瀬渓流から十和田湖」の観光コースで帰る事にする。私も含めて全員、昨日の山行で今回は充分満足した様だ。 取り敢えず〔全国旅行支援〕で得た〔電子クーポン〕を使ってしまおうと云う事で30分程戻り、農協の経営する店舗で美味しいと云われる「アップルパイ」の入荷を待って購入したが、端末が無く〔電子クーポン〕は使えなかった😭。 しかし、奥入瀬渓流の売店で〔電子クーホン〕を使い切ってホッとする。 寒そうな「十和田湖」を後にして、一路東京へと車を走らせた。 帰りはノンビリムードで、「昼飯&夕食」とSAに寄ったのでお腹が一杯だった。 我が家に着いたのが21時。 「酸ヶ湯温泉」にから約13時間の長旅だったが、皆さん22時には帰宅出来たらしく「ホッ」としました。やっぱり「八甲田山」は遠い。 でも、今回のような気心の知れた素晴らしい山仲間と一緒に登り、大いに飲み、タップリ語り、過ごした3日間は貴重な時間でした。 皆さん有難うございました。
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yotchan-blog · 5 months
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2024/4/30 20:59:13現在のニュース
バイデンはトランプよりマシじゃない Z世代が問う米国の二重基準 | 毎日新聞([B!]毎日新聞, 2024/4/30 20:59:04) 円取引量は22年為替介入に匹敵か 「激しい値動きに声失った」 佐伯遼 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/4/30 20:59:01) <回顧2023>9月 介護施設で送迎車事故 働くため年齢詐称の末に:東京新聞 TOKYO Web([B!]東京新聞, 2024/4/30 20:56:24) 映画撮影中に性的暴行容疑 仏俳優ドパルデュー氏、10月に公判(毎日新聞, 2024/4/30 20:55:34) 埼玉・川口でベトナム人男性死亡 不法残留の容疑者、事件に関与か(毎日新聞, 2024/4/30 20:55:34) 「大黒屋」に2億3000万円追徴課税…他人名義の本人確認書類で免税品販売([B!]読売新聞, 2024/4/30 20:54:52) 住友化学、「危機レベル」過去最悪の赤字見通し 人員4千人削減へ(朝日新聞, 2024/4/30 20:53:01) 装飾画の裏に大量の覚醒剤 成田空港で発見、暴力団組長らに密輸容疑(朝日新聞, 2024/4/30 20:53:01) 柏崎刈羽原発、今夏の再稼働は絶望的 能登地震で「地元同意」長期化(朝日新聞, 2024/4/30 20:53:01) 「琴桜」半世紀ぶり復活 祖父との約束「守れて良かった」 大相撲夏場所の番付を発表([B!]産経新聞, 2024/4/30 20:52:06) まさに新幹線の「人間ドック」 国鉄浜松工場で「0系」車両の全般検査 あの日の鉄道風景([B!]産経新聞, 2024/4/30 20:52:06) 一人歩きの子を見たらどうする? 「瞬間ボランティア」で安全な社会を | 毎日新聞([B!]毎日新聞, 2024/4/30 20:51:53) 米在住シーク教徒暗殺未遂、インド情報機関が関与か 現地報道 | 毎日新聞([B!]毎日新聞, 2024/4/30 20:51:53) 日本航空石川、3週間遅れの始業式「次のステップに向かって、ここで頑張る」 輪島から青梅へ全校避難(東京新聞)|dメニューニュース(東京新聞のニュース一覧|dメニュー(NTTドコモ), 2024/4/30 20:49:13) football life:厳しい日程、アジア勢の底上げ… サッカー男子、苦戦乗り越え五輪へ(毎日新聞, 2024/4/30 20:46:44) 国指定史跡「土塔」で落書き被害 スプレーで文字書かれ 大阪・堺(毎日新聞, 2024/4/30 20:46:44) 「4月に遺体処理を頼まれた」 より上位の指示役か 那須2遺体(毎日新聞, 2024/4/30 20:46:44) スポーツ賭博に使う?職員が6470万円着服 三重・熊野商工会議所(朝日新聞, 2024/4/30 20:44:43) 紀子さま、結核療養の歴史たどる 清瀬市内を2時間以上歩く(朝日新聞, 2024/4/30 20:44:43) 最後の最後まで…AKB48が好きでした 柏木由紀さん、涙の卒業(朝日新聞, 2024/4/30 20:44:43) 新Vポイントがスタート「加盟店がさらに増え、ポイントたまる機会も増える」…三井住友カード・大西幸彦社長([B!]読売新聞, 2024/4/30 20:43:00) 米マイクロソフト、インドネシアに2600億円投資 AI分野など4年で([B!]産経新聞, 2024/4/30 20:37:11) 七海ひろきさんが挑む「2.5次元」、凛としたたたずまいも…実は「ほわっとのんびり動く」([B!]読売新聞, 2024/4/30 20:37:07) 中国共産党の重要会議「3中全会」ようやく開催へ 経済対策など議論(朝日新聞, 2024/4/30 20:34:03) リニア開業延びても「財務負担は軽くなる」 JR東海社長が考え示す(朝日新聞, 2024/4/30 20:34:03) 「荷物小さく」訪日客らに呼びかけるべきか 「観光公害」に危機感(朝日新聞, 2024/4/30 20:34:03) ふと人の気配、記者に放たれた銃弾 最後の目撃者、「なぜ」問い続け(朝日新聞, 2024/4/30 20:34:03) ドリフ仲本工事さんの妻が出版3社を名誉毀損などの容疑で刑事告訴(朝日新聞, 2024/4/30 20:34:03) JSR社長、業界再編で相乗効果追求「ベストな選択肢は日本で」(朝日新聞, 2024/4/30 20:34:03) 九電が再生エネ事業統合、成長の柱に 2050年までに利益7倍目標(毎日新聞, 2024/4/30 20:29:27)
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diieiv · 1 year
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(仮)ズ / (仮)ズ - Released 2013, Streamed 2020~2023 - 全曲について
(仮)ズ / (仮)ズ - Released 2013, Streamed 2020 ~ May, 12, 2023
 ※Tumblrの仕様変更に伴い下記HPに移転しました。
1 - 殺してよ  冒頭4秒 - サウンドチェック。リアPUから出力されるディストーション・ギター、「早く始めろ」と急かさんばかりのスネアが4カウント。リヴァーブを欠いた、しかし存分にダークかつヘビィなシューゲイズサウンドでセルフタイトルは遂に始まる。  遠く響いてくる震えた声から歌詞を正確に聴き取るのは困難だが、そのようなサウンドプロダクションはアルバム全編通して一貫している。時間の制約があるとはいえ録り直しが可能な筈のスタジオアルバムであることを鑑みるならば意識的に聴き取りにくく発音しているのではないだろうか(「綺麗です/僕なんて」または「嫌いです / 僕なんて」と聴こえる)。  タイトル、比較的聞き取りやすい冒頭、明確に聴こえるコーラスセクション直前「頭がおかしいんだ」という言葉から受ける自己嫌悪・内省的印象とは裏腹に、語りかけるような口調があくまで他者或いは聴き手の存在を忘れていない。  何より「死ぬ/死にたい」ではなく、自嘲と共に綺麗な貴方に救いを求める「殺してよ」だ。▶️https://kakkokariz.bandcamp.com/album/decay 2 - できないのうた  抑うつとした救いを乞い願う1曲目と打って変わって、そのギターが生み残していった泥々のカオスの後にバンドはここで激しい躁状態に突入する。音源ではBPM170~180、ライブ版は190~200を行き来するキラーチューン。  これは音源とライブ版で受ける印象が大分異なるので是非聴き比べて欲しい。 (▶️https://soundcloud.com/lcding/q9hsc4tcckwm)    絶叫される「君みたいに/なれないや」「できない/できない/できないな/笑って誤魔化しているだけ」の歌詞は、ここでもやはり自暴自棄だけではなく一方で冷静な自嘲をたたえている。  「美しい/立派な貴方」と「醜くて/駄目な自分」という視点は1曲目と共通するが、ここでは「殺してよ」どころか目の前の「君」を八つ当たりに殺さんばかりの勢いだ。 3 - うさぎ、ガラスの中  (仮)ズ の中では比較的歌詞が聴き取りやすい。  苦しく暴力的ですらあった冒頭2曲と「生まれた時から飼われた、だから野生で生きる術を持たないウサギ」への憐憫が歌われる3曲目。  「ウサギは/死ぬまで/小屋で生きて」「逃げたら/飢えるだけなんだ」  躁・鬱に振り回される様を傍観した後、一時だけ我に帰ることを許された狂人がみせる優しさに触れた瞬間のようで、感情が苦しさや怒りだけではない事を思い出させてくれる。  ……私たちのいる場所は檻の外だと果たして言い切れるのだろうか。  ラスト、金属メッシュのケージが開く様な音がする。うさぎは帰ってきたのか、それとも今度こそ世界を隔てる透明な壁を破ったのか。  全くの個人的な感想を述べさせて貰うとこのアルバムで2番目に好きな部分。 4 - VHS GIRLFRIEND  I ( ↔︎ II ) ⇒ b III ⇒ V ⇒ IV のベースから���まり、かつ一貫してこの進行で楽曲は完結する。  “Add9thで浮遊せずマイナー調で統一した場合の初期ART-SCHOOL的アレンジ”と表現しても差し支えないだろう。強いて挙げればイントロは”UNDER MY SKIN”、コーラス部は”スカーレット”だろうか。  ここでもやはりリヴァーブの欠けた、しかし重苦しい(仮)ズ 的シューゲイズが発揮される。  アウトロの残響やFBノイズを聴く限り実はTimeの長いリヴァーブないしディレイが使用されているにも関わらず、ドリーミーだったりウェットな印象は受けない。簡単に思いつく理由としてはDecay(原音からエフェクトが掛かり始めるまでの長さ)のセッティングを長めに取っているのだろうか。 ▶️https://kakkokariz.bandcamp.com/track/vhs-girlfriend-version 5 - コンクリート  幕間或いはインタールード。冬・早朝のコンクリートに触れた時を想起させる冷たいアルペジオ。そんな物に触れるのは歩いていて転んでしまった時、挫かれて足の止まった時くらいだろうか。 6. プラットフォーム  フェードアウト、下降していくアルペジオがそのまま上昇するかの様にここへ行き着く。(よくよく聴けば駅のアナウンス音のような組み合わせでアルペジオは構成されている)  待ち人を急かすようなつんのめったビートを伴ってアナウンスは鳴り続けている。ドアが閉まるまで4, 3, 2, 1、ギターが鳴らす文字通りのサイレンを伴ってメトロは出発した。 7 - Fault  ……警笛は止んだ。列車は必ず次の駅へ。ではギターは?やはり再び鳴る。ギターロックがギターから始まるのは全く不自然なことじゃない。  サウンドプロダクションはこの楽曲のみアルバム内で大分異なってハイファイで力強い音……というにはやや異色な、録音の時が・場所が異なる質感の違い。  基本的にデッドなサウンドに統一されたこのアルバムの中でも全パートがフィジカルを以てのダイナミクスが生きた演奏を聴かせる。  1曲のみサウンドエンジニアを招いて録音したというのが恐らくこの楽曲と見受けるが、Bandcampの楽曲ページ及び公式HPではその名を確認する事は出来ない。  (仮)ズは2013年5月13日に解散した。よってそのクレジットが、記名性は、恐らく永遠に失われることだろう。 ▶️https://kakkokariz.bandcamp.com/track/fault ▶️https://www3.hp-ez.com/hp/kakkokariz 8 - Youth Youth Youth  実質的なラストを飾る楽曲。  切迫して踏みとどまるビート、冷たいアルペジオ。まるで”ロックバンドみたいな音楽”、”ロックバンドなどというもの”を初めて聴いた時の感覚を思い出すかのような----音数が執拗に詰め込まれているが緩急のついた必死の、ギリギリでカオスに突入しない理性的な----ギターソロ。  「君の銃を撃て」……ギターは銃、刃、時にブランケットかのように鳴る。このギターは額面通り目も眩む光を放つ研ぎ澄まされた刃、体温の感じられない"設計されし"殺戮者・鉄塊としての銃だ。  弾丸は打ち続けられる。弾が尽きるまで。35分間のアルバムが、楽曲自身のテンションが最高潮に達するのは僅か約50秒間/32小節。  弾は尽きた。残った硝煙のように不可避的な演奏が続行される。ブレイクダウン、冷却。1コーラスのそっけないリフレイン。  終わり続けた演奏がついに必然に終わった。 9 - owari  この楽曲はリリース・配信されていたのと殆ど同様のものをSoundCloudで聴くことが出来る。そのタイトルは「全部、大切な思い出だから」で、最後の最後にCV : 花澤香菜の声がタイトルを読み上げて終幕する。  出典は化物語 第十話「なでこスネイク 其ノ貮」か。本編15:09以降、千石撫子が発する一連の台詞から。 ▶️https://soundcloud.com/kakkokariz/zenbutaisetsunaomoidedakara
 期間限定の再結成を除いて(仮)ズの実質的な活動は1年未満、再結成を含めても2年とないだろう。(仮)ズは解散した。  最後に。「コンクリート」から「プラットフォーム」の始まりと終わりまでがこのアルバムの1番好きな部分だ。
| This article was written and published on April 24, 2023.
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azakavrc · 9 months
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◆まだ書きかけ
彼……ISDF代表サリハの第一声はそれだった。
別の地区の見回りをしていた彼は仲間からの連絡を受け大慌てでここ、ウェストタウンの拠点に戻ってきた。
まるで戦場のような緊張感が拠点をぐるりと取り囲んでおり、サリハは軽く頭を抱えながら拠点内���応接室に入った。そこにいる来客……アルマ正教会教皇エルの姿を認め溜息混じりに吐き出した言葉がそれだ。
「お邪魔しております。……素敵なご挨拶ですね」
「生憎とお前のような御立派な暮らしなんて経験はないのでな。気に障るのならお引き取り願おう」
「いえ、ここだけの話……わたくしとて、畏まった対応ばかり受けるのは少々辟易しているのです。これは、内緒にしておいていただきたいのですが」
「……そうかい、じゃあ好きにさせてもらう」
「恐れ入ります」
「で、要件はなんだ?お前のようなヤツが茶を飲みにきただけということはあるまい?」
「此方のお茶は独特の風味でなかなか趣深い物で御座いますけれど」
コンコンっ
不意にノックの音がエルの言葉を遮り、
『お茶のおかわりをお持ちしました』
すぐ後を男声が追いかけてくる。
「アインスか。入れ」
「失礼します。……サリハさん、帰ってたンですね……って、ちょ、失礼ですって⁈」
茶器を乗せたおぼんを器用に片手で持ちながら扉を開けて男……アインスが入室する。
ソファに脚を組んで座るサリハの姿を見て目を白黒させている。
「寛大なお心でお許しいただけるそうだぞ」
「はい、構いません。アインス様もお座りくださいませ」
「俺もですか⁈……いや、俺はちょっと、まだ仕事がー……」
「なんだアインス。教皇様の頼みを無碍に断るのか?」
「アンタ絶対楽しんでるでしょ……」
「まぁまぁ。初対面というわけでもないのですから」
「その節は……まさか教皇様があんなところにいるとはつゆ知らず……とんだ無礼を……」
「おいおい教皇サマ。うちの部下をいじめないでやってくれないか」
「誰のせいですか誰の!」
「……うふふ……♪」
「……っとぁ、すみません……」
小さくなってサリハの横に座るアインス。相対する席で口元を隠し笑っていたエルが手を下ろす。その一動作だけで、室内の空気が変わった。
「……先日お送りさせて頂きました書状は、ご確認頂けておりましょうか」
「あぁ、スラムに教会を、とかいう例の件か。確かに拝読させてもらった」
https://discord.com/channels/1020297124434419722/1068114953753608262/1157536351915343923
「手の込んだ悪戯かとも思ったが、話をしたのがコイツで、確かに支援物資も資金も届いた。ご丁寧に教会の印章つきでな。信用しないわけにはいくまい」
「恐れ入ります」
「此方としては願ったり叶ったりではあるが……どういうつもりだ」
「……どう、とは?」
静かに圧を強めるサリハの言葉にもエルの態度は変わらない。ただ横で推移を見ているアインスだけが小さくなるばかりだ。
「あの書状を帝国ではなくこちらに寄越すということは、教会直々に我々の自治を認めたと捉えられかねん。まさかわからずにやったなどということはないだろう?」
「そうした方がよろしかったでしょうか?」
「当然、そうしていたらヤツらはこれ幸いとスラムの土地を接収しようとしただろう」
「然り。そのくらいの調査洞察は、この地を知らぬ……そうですね、“御立派な暮らし”のわたくし達とて可能です。なればこそ、地を知り人を知り、仁徳に満ちた英雄様にこそ打診を行うべきであると判断した次第に御座います」
「買い被り過ぎだが、信用には応えよう。お前ら教会が我々を裏切らないのであれば、我々が教会を裏切る事はない。誓おう……お前らの言う父なる神とやらは知らないが、俺の誇りに賭けて。こいつが証人だ」
急に指されてアインスは驚いて居住いを正す。
それを見てエルは微笑んで頷く。
「我々正教会は、人間が人間として正しく生きていく事をこそ肯定するものです。人は国に属するのではなく、国が人に属するのです。なればこそ、この地はあなた方の治める地。道理を通すべき相手はあなた方で間違いはないでしょう」
「そちらの意向はわかった。ならばここからは交渉の場だ。がっかりさせてくれるなよ」
「勿論。ご期待くださいませ」
若干緩んだ空気にアインスも内心でホッと胸を撫で下ろす。
「そうですね……まず、アインス様。この周辺の地図などありましょうか?」
「え?あ……はい、ちょっと待っててくださいっ」
急に声をかけられたアインスがバタバタと退席するのを見送り。
「此方から求める事は、
ひとつ、教会建設の為の土地の借用、
ひとつ、教会員の駐屯の許可、
ひとつ、教会管理下の隊商の通行、停泊の許可
それからもうひとつ……」
「もうひとつ?」
「建築した教会の管理者、指揮者として此方……ISDFから一名、任命して頂きたく思います」
「……ほう?」
「勿論、教会から補佐役として一名派遣を行いますが、基本的に建築した教会に付随する事物に関する采配の全権は、任命して頂いたその方に委任させていただきます」
「……お前は、自分が何を言っているのかわかっているのか?」
「はい。要するに……
教会建てる土地貸して
教会員が暮らすのを許して
ウチの隊商が通ったり休むのを許して
ついでに一人管理人役を出してくれ
です。そして、建屋の管理から搬入物資、人員、資金、土地活用に至る全権はその管理人役がやってくれ、とそういう要求です」
「……お前は、バカなのか?」
「はて?……あぁ、土地の借用費は搬入物資や資金から供出して頂くとして、教会員の生活費や隊商の消費した資源に関しては別途請求下さればご用意させて頂きます」
「そういう話ではない。……一体何を考えている?」
「何か問題がありましょうか?」
「これのどこが取引だというんだ。全く対等ではない……これでお前らは何を得る?我々を懐柔しようという腹か?」
「そうなれば僥倖では御座いますけれど、踏み台にされるだけでも此方としては十全。それ以上は“おまけ”のようなものです」
「……馬鹿げている」
「そうでしょうか。先程申し上げました通り我々正教会は、人間が人間として正しく生きていく事をこそ肯定するものです。そのために持てるものを捧げる。それこそが教会のあるべき姿です」
「…………」
沈黙が室内を満たす。
「……仕方ありませんね。此処だけの話としてお聞きくださいませ」
先に沈黙を破ったのは、エルだった。
そしてほぼ同時に。
 コンコンっ
「失礼します。すみません、お待たせしま……し、た……」
「ご苦労。座れ」
「はぃ」
入室したアインスが机に地図を置き再びサリハの隣に座る。
(サリハさん、なんか空気重くないですか……何があったンすか)
アインスが小声でサリハに問うもサリハは顎の動きだけでエルに話を促し答えない。
「……大戦により世界が被った被害……物質的にもそうですが、何より人心が負った傷は深く、目に見えぬ存在を信じる心を保てている方はそう多くはありません。されど、傷ついた心が救済を求めるのもまた必定。教会はそのような方に手を伸ばすのがその勤め……」
言葉を紡ぐエルも、それを受けるサリハも、仮面に隠れた顔から表情を窺う事はできない。
「現在の教会が持つ本質はその教えではなく、無国籍の人的ネットワークそのものです。実際に父なる神に信仰を持っている者は、騎士団を除けばごく僅かなのでしょう。わたくしもそれを理解した上で教会を指導する立場に就いております」
「……教皇様がそれ言っちゃうんですか……」
アインスが思わず溢した言葉にエルはゆっくりと頷き。
「事実を事実として受け止めぬほど愚かではないつもりです。されど、世の中は本音と建前を使い分ける事で安定して回るもの。それで救われるものがあるのならば、わたくしは、教会は喜んで嘯きましょう」
アインスは先日補給物資を運んできた隊商を思い出す。教会の印章を刻んだ一団ではあったが、確かにその言動は教会のものと言うよりは商人や輸送屋のそれであったように思う。
「教会の教えに一切の真もないなどと申し上げるつもりは勿論御座いません。どちらも実であり虚であり、結局のところ目指すのは人間の平和と繁栄……そこに尽きるのですから」
「ふん……なるほどな」
「ご理解頂けたようで幸いです」
「此方としてはスラムの奴らが平和に暮らせるならお前らがどんな意図であろうと変わりはないからな」
「十全です。では、話を進めましょう」
「ああ」
「まず、立地に関してですが……」
アインスが持ってきた地図を広げて眺め、
「規則としてそれなりに広めの土地が必要になりますので、相応の場を借り入れたく存じます」
「使っていない土地自体は沢山あるが……」
「有事の際に避難所や防波堤としての役割を担う務めが御座います故……」
「防波堤?」
「はい。街や避難所に賊や根源生物が侵入しないよう、この教会の土地で万全の体勢で迎撃を行えるよう配備できるようにと」
「却下だ」
「……戦力は此方から駐屯させるつもりですが」
「尚更だ。資源のみならず防衛までお前らに委ねるほど俺たちは落ちぶれちゃいない。客は客らしく安全な場所にいろ」
サリハが地図を叩いて示す場所はウェストタウンのはずれではあるものの根源生物が多く観測される砂漠側からは遠い位置だ。
「畏まりました。では此方の場所をお借り致します。近日中に現地視察に人を派遣致します」
「そうしてくれ」
その後も話は速やかに進み、とんとん拍子に取り決めがなされた。
実建築にかかる際の人手借り入れの報酬、教会の規定に伴うワークショップや隊商の巡回周期、砂漠の遭難者や非常事態に備えたビーコン設備の取り付け、有事の際の避難所や臨時病床としての開放規則などなど、話す事は多数あったがつつがなく話は進められ、
「……事前に決めておくのはこれくらいで御座いましょうか」
「先に話していた管理者の件だが」
「はい。建築が終わる頃までに決めて頂ければと思います。……既に候補を絞られていますか?」
「アインス」
「はい?」
「お前がやれ」
「」
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reallypaleninja · 1 year
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彼が刺し貫かれたのは、わたしたちの背きのためであった。
イザヤ52・13-53・12
彼が刺し貫かれたのは、わたしたちの背きのためであった。
イザヤの預言
主は言われる。 52・13見よ、わたしの僕は栄える。 はるかに高く上げられ、あがめられる。 14かつて多くの人をおののかせたあなたの姿のように 彼の姿は損なわれ、人とは見えず、 もはや人の子の面影はない。 15それほどに、彼は多くの民を驚かせる。 彼を見て、王たちも口を閉ざす。 だれも物語らなかったことを見 一度も聞かされなかったことを悟ったからだ。
53・1わたしたちの聞いたことを、誰が信じえようか。 主は御腕の力を誰に示されたことがあろうか。 2乾いた地に埋もれた根から生え出た若枝のように この人は主の前に育った。 見るべき面影はなく、 輝かしい風格も、好ましい容姿もない。 3彼は軽蔑され、人々に見捨てられ、 多くの痛みを負い、病を知っている。 彼はわたしたちに顔を隠し、 わたしたちは彼を軽蔑し、無視していた。 4彼が担ったのはわたしたちの病 彼が負ったのはわたしたちの痛みであったのに わたしたちは思っていた 神の手にかかり、打たれたから 彼は苦しんでいるのだ、と。 5彼が刺し貫かれたのは わたしたちの背きのためであり 彼が打ち砕かれたのは わたしたちの咎のためであった。 彼の受けた懲らしめによってわたしたちに平和が与えられ 彼の受けた傷によって、わたしたちはいやされた。 6わたしたちは羊の群れ 道を誤り、それぞれの方角に向かって行った。 そのわたしたちの罪をすべて主は彼に負わせられた。 7苦役を課せられて、かがみ込み 彼は口を開かなかった。 屠り場に引かれる小羊のように 毛を切る者の前に物を言わない羊のように 彼は口を開かなかった。 8捕らえられ、裁きを受けて、彼は命を取られた。 彼の時代の誰が思い巡らしたであろうか わたしの民の背きのゆえに、彼が神の手にかかり 命ある者の地から断たれたことを。 9彼は不法を働かず その口に偽りもなかったのに その墓は神に逆らう者と共にされ 富める者と共に葬られた。 10病に苦しむこの人を打ち砕こうと主は望まれ 彼は自らを償いの献げ物とした。 彼は、子孫が末永く続くのを見る。 主の望まれることは彼の手によって成し遂げられる。 11彼は自らの苦しみの実りを見 それを知って満足する。 わたしの僕は、多くの人が正しい者とされるために 彼らの罪を自ら負った。 12それゆえ、わたしは多くの人を彼の取り分とし 彼は戦利品としておびただしい人を受ける。 彼が自らをなげうち、死んで 罪人のひとりに数えられたからだ。 多くの人の過ちを担い 背いた者のために執り成しをしたのは この人であった。
答唱詩編
詩編31・2+6、12+13、15+16、24+25
父よ、あなたこそわたしの神。わたしのすべてをあなたに。
詩編31
31・2神よ、あなたのもとにわたしはのがれる。 とこしえに恥を負わせず、正義によって救ってください。 6あなたの手にわたしの霊をゆだねる。 神よ、まことの神よ、わたしをあがなってください。
12敵はみなわたしをあざけり、まわりの人はわたしをのけものにする。 親しい友はわたしを恐れ、会う人は避けて背を向ける。 13わたしは死んだ人のように忘れられ、 こわれた器のようになった。
15神よ、わたしはあなたにより頼む。 「あなたこそわたしの神。」 16あなたの手にわたしの生涯をゆだねる。 わたしの敵から救い出してください。
24神を信じるすべての人よ、神を愛せ。 神は誠実に生きる人を守られ、思いあがる者にきびしい。 25神を待ち望むすべての人よ、 強くたくましく、生きよ。
第二朗読
ヘブライ4・14-16、5・7-9
キリストは従順を学ばれ、御自分に従順であるすべての人々に対して救いの源となった。
ヘブライ人の手紙
皆さん、4・14わたしたちには、もろもろの天を通過された偉大な大祭司、神の子イエスが与えられているのですから、わたしたちの公に言い表している信仰をしっかり保とうではありませんか。15この大祭司は、わたしたちの弱さに同情できない方ではなく、罪を犯されなかったが、あらゆる点において、わたしたちと同様に試練に遭われたのです。16だから、憐れみを受け、恵みにあずかって、時宜にかなった助けをいただくために、大胆に恵みの座に近づこうではありませんか。
5・7キリストは、肉において生きておられたとき、激しい叫び声をあげ、涙を流しながら、御自分を死から救う力のある方に、祈りと願いとをささげ、その畏れ敬う態度のゆえに聞き入れられました。8キリストは御子であるにもかかわらず、多くの苦しみによって従順を学ばれました。9そして、完全な者となられたので、御自分に従順であるすべての人々に対して、永遠の救いの源となったのです。
受難の朗読
ヨハネ18・1-19・42
「キリストは人間の姿で」
ヨハネによる主イエス・キリストの受難
C��18・1夕食のあと、イエスは���子たちと一緒に、キドロンの谷の向こうへ出て行かれた。そこには園があり、イエスは弟子たちとその中に入られた。2イエスを裏切ろうとしていたユダも、その場所を知っていた。イエスは、弟子たちと共に度々ここに集まっておられたからである。3それでユダは、一隊の兵士と、祭司長たちやファリサイ派の人々の遣わした下役たちを引き連れて、そこにやって来た。松明やともし火や武器を手にしていた。4イエスは御自分の身に起こることを何もかも知っておられ、進み出て、言われた。
十 「だれを捜しているのか。」
C 5彼らは答えた。
S 「ナザレのイエスだ。」
C イエスは言われた。
十 「わたしである。」
C イエスを裏切ろうとしていたユダも彼らと一緒にいた。6イエスが「わたしである」と言われたとき、彼らは後ずさりして、地に倒れた。7そこで、イエスは重ねてお尋ねになった。
十 「だれを捜しているのか。」
C 彼らは言った。
S 「ナザレのイエスだ。」
C 8すると、イエスは言われた。
十 「『わたしである』と言ったではないか。わたしを捜しているのなら、この人々は去らせなさい。」
C 9それは、「あなたが与えてくださった人を、わたしは一人も失いませんでした」と言われたイエスの言葉が実現するためであった。10シモン・ペトロは剣を持っていたので、それを抜いて大祭司の手下に打ってかかり、その右の耳を切り落とした。手下の名はマルコスであった。11イエスはペトロに言われた。
十 「剣をさやに納めなさい。父がお与えになった杯は、飲むべきではないか。」
C 12そこで一隊の兵士と千人隊長、およびユダヤ人の下役たちは、イエスを捕らえて縛り、13まず、アンナスのところへ連れて行った。彼が、その年の大祭司カイアファのしゅうとだったからである。14一人の人間が民の代わりに死ぬ方が好都合だと、ユダヤ人たちに助言したのは、このカイアファであった。
15シモン・ペトロともう一人の弟子は、イエスに従った。この弟子は大祭司の知り合いだったので、イエスと一緒に大祭司の屋敷の中庭に入ったが、16ペトロは門の外に立っていた。大祭司の知り合いである、そのもう一人の弟子は、出て来て門番の女に話し、ペトロを中に入れた。17門番の女中はペトロに言った。
A 「あなたも、あの人の弟子の一人ではありませんか。」
C ペトロは言った。
A 「違う。」
C 18僕や下役たちは、寒かったので炭火をおこし、そこに立って火にあたっていた。ペトロも彼らと一緒に立って、火にあたっていた。19大祭司はイエスに弟子のことや教えについて尋ねた。20イエスは答えられた。
十 「わたしは、世に向かって公然と話した。わたしはいつも、ユダヤ人が皆集まる会堂や神殿の境内で教えた。ひそかに話したことは何もない。21なぜ、わたしを尋問するのか。わたしが何を話したかは、それを聞いた人々に尋ねるがよい。その人々がわたしの話したことを知っている。」
C 22イエスがこう言われると、そばにいた下役の一人が、イエスを平手で打って言った。
A 「大祭司に向かって、そんな返事のしかたがあるか。」
C 23イエスは答えられた。
十 「何か悪いことをわたしが言ったのなら、その悪いところを証明しなさい。正しいことを言ったのなら、なぜわたしを打つのか。」
C 24アンナスは、イエスを縛ったまま、大祭司カイアファのもとに送った。25シモン・ペトロは立って火にあたっていた。人々は言った。
A 「お前もあの男の弟子の一人ではないのか。」
C ペトロは打ち消して、言った。
A 「違う。」
C 26大祭司の僕の一人で、ペトロに片方の耳を切り落とされた人の身内の者が言った。
A 「園であの男と一緒にいるのを、わたしに見られたではないか。」
C 27ペトロは、再び打ち消した。するとすぐ、鶏が鳴いた。
28人々は、イエスをカイアファのところから総督官邸に連れて行った。明け方であった。しかし、彼らは自分では官邸に入らなかった。汚れないで過越の食事をするためである。29そこで、ピラトが彼らのところへ出て来て、言った。
A 「どういう罪でこの男を訴えるのか。」
C 30彼らは答えて、言った。
S 「この男が悪いことをしていなかったら、あなたに引き渡しはしなかったでしょう。」
C 31ピラトは言った。
A 「あなたたちが引き取って、自分たちの律法に従って裁け。」
C ユダヤ人たちは言った。
S 「わたしたちには、人を死刑にする権限がありません。」
C 32それは、御自分がどのような死を遂げるかを示そうとして、イエスの言われた言葉が実現するためであった。33そこで、ピラトはもう一度官邸に入り、イエスを呼び出して、言った。
A 「お前がユダヤ人の王なのか。」
C 34イエスはお答えになった。
十 「あなたは自分の考えで、そう言うのですか。それとも、ほかの者がわたしについて、あなたにそう言ったのですか。」
C 35ピラトは言い返した。
A 「わたしはユダヤ人なのか。お前の同胞や祭司長たちが、お前をわたしに引き渡したのだ。いったい何をしたのか。」
C 36イエスはお答えになった。
十 「わたしの国は、この世には属していない。もし、わたしの国がこの世に属していれば、わたしがユダヤ人に引き渡されないように、部下が戦ったことだろう。しかし、実際、わたしの国はこの世には属していない。」
C 37そこでピラトが言った。
A 「それでは、やはり王なのか。」
C イエスはお答えになった。
十 「わたしが王だとは、あなたが言っていることです。わたしは真理について証しをするために生まれ、そのためにこの世に来た。真理に属する人は皆、わたしの声を聞く。」
C 38ピラトは言った。
A 「真理とは何か。」
C ピラトは、こう言ってからもう一度、ユダヤ人たちの前に出て来て言った。
A 「わたしはあの男に何の罪も見いだせない。39ところで、過越祭にはだれか一人をあなたたちに釈放するのが慣例になっている。あのユダヤ人の王を釈放してほしいか。」
C 40すると、彼らは、大声で言い返した。
S 「その男ではない。バラバを。」
C バラバは強盗であった。19・1そこで・ピラトはイエスを捕らえ、鞭で打たせた。2兵士たちは茨で冠を編んでイエスの頭に載せ、紫の服をまとわせ、3そばにやって来ては、平手で打って言った。
A 「ユダヤ人の王、万歳。」
C 4ピラトはまた出て来て、言った。
A 「見よ、あの男をあなたたちのところへ引き出そう。そうすれば、わたしが彼に何の罪も見いだせないわけが分かるだろう。」
C 5イエスは茨の冠をかぶり、紫の服を着けて出て来られた。ピラトは言った。
A 「見よ、この男だ。」
C 6祭司長たちや下役たちは、イエスを見ると叫んだ。
S 「十字架につけろ。十字架につけろ。」
C ピラトは言った。
A 「あなたたちが引き取って、十字架につけるがよい。わたしはこの男に罪を見いだせない。」
C 7ユダヤ人たちは答えた。
S 「わたしたちには律法があります。律法によれば、この男は死罪に当たります。神の子と自称したからです。」
C 8ピラトは、この言葉を聞いてますます恐れ、9再び総督官邸の中に入って、イエスに言った。
A 「お前はどこから来たのか。」
C しかし、イエスは答えようとされなかった。10そこで、ピラトは言った。
A 「わたしに答えないのか。お前を釈放する権限も、十字架につける権限も、このわたしにあることを知らないのか。」
C 11イエスは答えられた。
十 「神から与えられていなければ、わたしに対して何の権限もないはずだ。だから、わたしをあなたに引き渡した者の罪はもっと重い。」
C 12そこで、ピラトはイエスを釈放しようと努めた。しかし、ユダヤ人たちは叫んだ。
S 「もし、この男を釈放するなら、あなたは皇帝の友ではない。王と自称する者は皆、皇帝に背いています。」
C 13ピラトは、これらの言葉を聞くと、イエスを外に連れ出し、ヘブライ語でガバタ、すなわち「敷石」という場所で、裁判の席に着かせた。14それは過越祭の準備の日の、正午ごろであった。ピラトはユダヤ人たちに言った。
A 「見よ、あなたたちの王だ。」
C 15彼らは叫んだ。
S 「殺せ。殺せ。十字架につけろ。」
C ピラトは言った。
A 「あなたたちの王をわたしが十字架につけるのか。」
C 祭司長たちは答えた。
S 「わたしたちには、皇帝のほかに王はありません。」
C 16そこで、ピラトは、十字架につけるために、イエスを彼らに引き渡した。こうして、彼らはイエスを引き取った。17イエスは、自ら十字架を背負い、いわゆる「されこうべの場所」、すなわちヘブライ語でゴルゴタという所へ向かわれた。18そこで、彼らはイエスを十字架につけた。また、イエスと一緒にほかの二人をも、イエスを真ん中にして両側に、十字架につけた。19ピラトは罪状書きを書いて、十字架の上に掛けた。それには、「ナザレのイエス、ユダヤ人の王」と書いてあった。20イエスが十字架につけられた場所は都に近かったので、多くのユダヤ人がその罪状書きを読んだ。それは、ヘブライ語、ラテン語、ギリシア語で書かれていた。21ユダヤ人の祭司長たちはピラトに言った。
A 「『ユダヤ人の王』と書かず、『この男は「ユダヤ人の王」と自称した』と書いてください。」
C 22しかし、ピラトは答えた。
A 「わたしが書いたものは、書いたままにしておけ。」
C 23兵士たちは、イエスを十字架につけてから、その服を取り、四つに分け、各自に一つずつ渡るようにした。下着も取ってみたが、それには縫い目がなく、上から下まで一枚織りであった。24そこで、話し合った。
A 「これは裂かないで、だれのものになるか、くじ引きで決めよう。」
C それは、「彼らはわたしの服を分け合い、わたしの衣服のことでくじを引いた」という聖書の言葉が実現するためであった。兵士たちはこのとおりにしたのである。25イエスの十字架のそばには、その母と母の姉妹、クロパの妻マリアとマグダラのマリアとが立っていた。26イエスは、母とそのそばにいる愛する弟子とを見て、母に言われた。
十 「婦人よ、御覧なさい。あなたの子です。」
C 27それから弟子に言われた。
十 「見なさい。あなたの母です。」
C そのときから、この弟子はイエスの母を自分の家に引き取った。28この後、イエスは、すべてのことが今や成し遂げられたのを知り、言われた。
十 「渇く。」
C こうして、聖書の言葉が実現した。29そこには、酸いぶどう酒を満たした器が置いてあった。人々は、このぶどう酒をいっぱい含ませた海綿をヒソプに付け、イエスの口もとに差し出した。30イエスは、このぶどう酒を受けると、言われた。
十 「成し遂げられた。」
C そして、頭を垂れて息を引き取られた。
 
31その日は準備の日で、翌日は特別の安息日であったので、ユダヤ人たちは、安息日に遺体を十字架の上に残しておかないために、足を折って取り降ろすように、ピラトに願い出た。32そこで、兵士たちが来て、イエスと一緒に十字架につけられた最初の男と、もう一人の男との足を折った。33イエスのところに来てみると、既に死んでおられたので、その足は折らなかった。34しかし、兵士の一人が槍でイエスのわき腹を刺した。すると、すぐ血と水とが流れ出た。35それを目撃した者が証ししており、その証しは真実である。その者は、あなたがたにも信じさせるために、自分が真実を語っていることを知っている。36これらのことが起こったのは、「その骨は一つも砕かれない」という聖書の言葉が実現するためであった。37また、聖書の別の所に、「彼らは、自分たちの突き刺した者を見る」とも書いてある。38その後、イエスの弟子でありながら、ユダヤ人たちを恐れて、そのことを隠していたアリマタヤ出身のヨセフが、イエスの遺体を取り降ろしたいと、ピラトに願い出た。ピラトが許したので、ヨセフは行って遺体を取り降ろした。39そこへ、かつてある夜、イエスのもとに来たことのあるニコデモも、没薬と沈香を混ぜた物を百リトラばかり持って来た。40彼らはイエスの遺体を受け取り、ユダヤ人の埋葬の習慣に従い、香料を添えて亜麻布で包んだ。41イエスが十字架につけられた所には園があり、そこには、だれもまだ葬られたことのない新しい墓があった。42その日はユダヤ人の準備の日であり、この墓が近かったので、そこにイエスを納めた。
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