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#酒屋が選ぶ焼酎
kennak · 2 months
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『ストロングゼロは飲む社会福祉』まことに上手いことを言った人がいるものです。 その言葉を初めてネットで目にした時、私はストロングゼロは卒業し、ペットボトルの焼酎を飲むようになっていましたから、その言葉の意味を理解するどころか、誰よりも体験していたと言えるでしょう。 つまり、毎日毎日飲んだくれていたわけです。一日の半分近くは酔っ払っていたでしょうか。それでも朝から飲むわけじゃありませんから、アル中とまではいかないでしょう。 でね、飲んでいる時に何度か考えたことがあるんです。 お酒が飲めなかったら、自分は一体どうなっていたんだろうって。 飲まない方にどういうことか説明申し上げますと、ストロングゼロやペットボトルの焼酎を飲むような人間はお酒に救われている、酔っ払うことで救われていると考えているのであります。 ですからそのような人間にとって、ストロングゼロは飲める社会福祉というわけです。 その福祉を体質で取り上げられてしまうと私はどうなってしまうのか不安になり、また酒をあおるのでございます。 その日はちょうと七夕でございました。やけに蒸し暑かったものですから、いつもの焼酎をストロングゼロで割って飲んでおりました。こうすると暑い日でも飲みやすくなるんです。 飲みながらネットを見ていると、どこも話題は首長選挙の結果ばかり。 投票締め切りの20時と同時に当確が発表されまして、当選は現職なので予想通りの結果でございましたが、2位と3位は予想外の争いで、こっちの方がずっと盛り上がっている。 2位でも3位でも落選なんだから、私なんかはどうでもいいだろうと思うのですが、ネットの世界はどうもそうじゃないようです。 「あいつに投票したやつはアホ」 「有権者が馬鹿ばかりだから民主主義が成り立たない」 そのような罵倒するような書き込みが無数に見つかるわけです。しかも、ネットのどこへ行ってもですよ。 なんでそんな書き込みをするものなんだろうかと思いましてね、わかりませんよね。共感できない。 でも、そんな時は実際に試すのが一番なんですよ。体験することでわかることがあります。 ストロングゼロもそうでした。どうして飲むのかと体験するうちに、私も毎日飲むようになった。何事も体験しなければわからないものでございます。 ですから私も似たようなものを書いてみました。 「バカだから騙されて投票したんだ」 そうするとですね、不思議なことに気分がぱぁっとよくなったのです。頭の中のモヤが晴れるといいますか。 言葉につられて、まるで自分が強くなったような、偉大になったような気がするのでしょう。 「境界知能」なんて言葉も覚えまして、「お前は境界知能だから当たり前のこともわからないんだ」なんて書いてやると、向こうは黙りこくるわけです。言い負かした。 すると、やっぱり心持ちがよくなってくる。 なるほど。やはり体験してみるとわかります。驚くことに、この頭がすっきりとする感覚はストロングゼロと同じなのでございます。 お酒を飲まれない方、ストロングゼロを必要としない方にはわかりますまい。どうしてストロングゼロのような美味くもない酒を飲むのか。 それと同じで誹謗中傷を不要な方にはわからないでしょう。一方で必要な方もいる。 つまり誹謗中傷は『書く社会福祉』でございます。 そういえば、ネットニュースで読んだことがありました。誹謗中傷で裁判までやって損害賠償が確定しても、相手は支払い能力がないケースが多いというやつです。 目ざとく見つけたんでしょうね、誹謗中傷をすることで自分が救われることに。もしかしたら、お酒が飲めないタイプが「書く社会福祉」を使っているのでございましょうか。 いやいや、私などのように『飲む社会福祉』との併用される方も多いでしょう。 飲みながら『書く社会福祉』の方をしていますと、脳の血流が活発になるような感覚がありまして、酒がよく効いいて、体が軽くなって今にも浮き上がるような、そんな心持になれるのです。 よくいますでしょう。居酒屋で大声をだして説教しているおじさんが。あれと同じような状態になれるのです。 この「書く社会福祉」は今では欠くことのできないものになりました。 飲む方の福祉と違いまして、こちらは朝起きてすぐでも、仕事中でもできますでしょう。 気分が落ち込んだ時に、なんでもいいんです誹謗中傷なら。話題だって政治じゃなくていい。芸能、スポーツはもちろんのこと、一般人の弁当だって、本当になんだっていいのです。 バカだとかアホだとか、そういった簡単な言葉で構わないのです。中身なんて必要ありません。 中にはもったいぶった文面を作る方もいますが、中身なんてございません。結局のところ、バカかアホと書いてあるだけでございます。 『書く社会福祉』というのは結局のところ誹謗中傷であればいいのです。 先陣を切ってバカとかアホとか書きますでしょう。そうすると、ネットの向こうの福祉仲間でしょう。わっと集まってきて、あっという間にバカだのアホだの誹謗中傷で埋まっていくのでございます。 それがまた気持ちのいいのです。 共感される、共感することで私のこころが満ちていくのが感じられるのです。 これほどの福祉があるのに秘密にするわけにもいかず、こうしてお伝えしたのでございます。 どうぞ一度、一度でいいから試してごらんなさい。 コツはただ一つ。世の中は馬鹿ばっかりだと思い込むのです。 福祉を受けると思うとハードルが高く感じられるかもしれませんが、気にすることはございません。 一緒に社会をよくして行こうじゃありませんか。 某怪談コンテストに応募しようと思って書いたけど垢バンされるかもしれないから供養に
実話怪談「福祉」
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浅井健一は、1980sのストレイ・キャッツに多大な影響を受けており、ブランキージェットシティ初期の、浅井健一の、ヘアスタイルのトレードマークでもあった、ブロンドリーゼントヘアはストレイ・キャッツのボーカルの髪型を真似したものと思われる。しかし、本人がどう考えているのか、知らないが、顔の彫りの深さから、ストレイ・キャッツより、ボブ・ディランの方に、似ているのである。勿論、個人的な考察に過ぎないのだが。1990年代後期より、リーゼントヘアから、西海岸の海辺にいる、若者サーファーのような、長髪にゆるいまき髪ヘアスタイルに変更されており、それは、今の時代 ( 2023年12月 )まで、継続されていることから、本人に、定着したヘアスタイルと考えても、無論、間違いではない。他には、多機の洋楽を中心に音楽を聴き、影響を受けており、主なバンドは、カーペンターズ、パートリッジファミリー、ショッキングブルー、ジョン・レノン、井上陽水などから影響を受けたと、公言している。本は、JDサリンジャー著『ライ麦畑でつかまえて』、村上春樹著『羊をめぐる冒険』、ジャック・ケルアック著『路上』である。曲のタイトルが、歌詞にも出てくる、「メリールウ」という主人公の名前を使った曲も楽曲している。映��に関しては、浅井健一の曲自身のタイトルでもある、『小さな恋のメロディー』、『イージーライダー』などが上げられる。他にも、観ていたり、読んだりしてはいるが、公に公言しているのは上記のものだ。音楽性は、ブランキージェットシティ以外、静かめな曲を収録した『SHERBETS』や『JUDE』などがある。ほかは、忘れてしまった。あ、あと、歌手のUAと組んだバンド『AJICO』。浅井健一の書く、詩の歌詞は、社会の片隅で暮らすアウトサイダーたちや、野生動物、『神様』が頻繁に登場する。そこが、私の惚れ込んだ理由の一つでもある。そして、『幸せの鐘が鳴り響くとき、ただ悲しいふりをする』という、曲には、『動物愛護団体』まで、詩に盛り込まれている。アウトサイダーたちで、言えば、売春婦、麻薬常用者、浮浪者、インディアン、精神病者、ヒッピーだ。そして、あと、忘れてはならないのは、『無垢な少年』だ。『綺麗な首飾り』という曲には、『子供の見る夢は、純粋で残酷』というフレーズもある。そして、『狼たちが、綺麗な足音を響かせ、森を駆け抜ける』という歌詞も好きだ。『don't kiss my tail』という歌詞には、『ヒッピーに憧れて、旅立ったくせに、多分、彼らの最終系は自殺だなんて言うし』という、とんでもなく、切なく、カッコいい歌詞を書いている。『ひまわり』という、曲では、歌詞の始まりが、『目の前に舞い降りた、小鳥の仕草を、見つめていたのは、倒れたヒマワリ』という、専業作家、顔負けの『擬人法』を盛り込んでいる。そして、『パイナップルサンド』という、曲には、『バナナを一つもぎ取った、お前のその動作、神様が、気にすると思うのかい?』、『明るく生きることが、すべてだから』という、非常に、楽観的な気持ちになれる歌詞も書いている。そして、『寝る前に、ブルーのジェット機に乗る夢を見たいって願う、神様お願い僕に見させて、ブルーのジェット機に乗る夢を』という、無垢な少年の、切実な思いを歌詞にしていると同時に、人間には、日々の、『祈り🛐』が必要なことを、それとなく、歌詞の中で、サラッと匂わせている。浅井健一が、イエス・キリストに選ばれた理由は、以上の功績により、【仏様】、【イエス・キリスト】より、適任と認められ、選ばれるべくして選ばれたのであるから、他の者は、浅井健一を妬んではいけない。きちんと、今までの、功績があって、選ばれているのであるから。少なくとも、浅井健一がテレビや動画、LIVE会場で歌ったことにより、救われた人類は大勢いるのだから。逆に、歯向かう考えを持っている者は、神の道と反れて進んでしまっていると考えていい。最近の浅井健一の活動状況は、ラジオ番組に出演したり、画家としても、活動をはじめ、個展を開いたり、画集を出版したりしている。勿論、音楽活動も続けながら。そして、忘れてはならないのが、『Sexy Stornes』というブランド名の、ブランド服を立ち上げ、代表取締役社長をつとめている。自身のインスタ��ラムを通じて、販売活動にも積極的にいそしんでいる。そして、少し前の、浅井健一のYou Tubeラジオによると、趣味でサーフィンをやっているとのことも公言している。そして、今年、もうじき、LIVE活動で、地方をまわるという、ネットニュースの記事を読んだ。つまり、浅井健一は、今日も、妹の林檎🍎と違って、頑張っているのである。以上が、浅井健一の音楽性、ないしは、活動状況の報告とする。
あ、そういやさ、健一、俺が、小学校のころ、飼ってた、雑種犬の、つまりさ、カール🐕、なんだけどさ、そう、この🐕、婆ちゃんち【家🏠】の、近所の、同級生の、男の子、【 金川 健一 】くんから、貰い犬🐶なんだよ。カールは🐕。
で、婆ちゃんちの、住む、地域はさ、相浦市、川下町って言う、みんな、そのこと、失礼やから、触れられては、いなかったんだけどさ、そう、実はさ、川下町は、部落地域、なんだよ。
つまりさ、外国かぶれの、カッコ良い、言い方で、言えばさ、ゲットー地区、な、わけよ  = アメリカ🇺🇸シカゴあたりに、黑人が、ウロウロしてる、地域、つまりは、ブルーカラーの、低所得者の、労働者が、村みたいに、近所の、付き合いを、とても、重んじてる、つまりは、集落、部落な、わけよ😂 川下町はな。
あ、もっと、要約して、わかりやすく、言えばさ、スラム街なんだよ。川下町は。ボクシングの、【マークタイソン】や、日本作家🇯🇵の、【中上健次】が、実際に、産まれた、部落地帯では、ないんだけどさ、ギリ、川下町は、俺のなかでは、完全に、【げんかいしゅうりゃく】な、わけよ。
でさ、その、川下町、実はさ、占い師やら、霊的能力、与えられた、人間たちが、たくさん、集められた、つまり、天の、主に、選ばれし者たち、つまりは、ウォーリアの、集まり、な、わけよ。川下町は。でさ、健一、いずれ、福岡、住むことに、なると、思うよ。それも、早良区の、建築関係かなんかの、したっぱの、職につき、したっぱ職人やりながら、俺と、ヒッピー生活、はじめるから。いや、これ実はさ、俺の、少しまえまで、よく、食べに、行った、小麦屋、ラーメンやら、広島お好み焼きを、店で、出してる、個人経営してる、LGBTの、元ヤン、走り屋、戦闘能力、激高い、大将さんが、経営してる、店、なんだよ。
でさ、ここから、本題に、入るとさ、その、大将さんの、幼なじみの、友人から、直接、聞いた、話し、なんだよ。早良区の、工場かなんかで、 
浅井健一は、働かれてます、ました?
どっちか、完全に、記憶から、消えてるけど、
そう、その人はさ、その、小麦屋の、元ヤン大将、暴走族、走り屋の、幼なじみの、友達であり、部下でもあるんだよ。2人の、関係性を、横耳で、ずっと、聞いてると、わかったんだよ。でさ、その、大将の、幼なじみ友達兼、部下でもある、その、それなりに、金を、持ってる、大将の、客友達からさ、たまたま、俺、聞いたんだよ。でさ、その人、個人経営で、ガーデニング、植木職人の、会社を、営まれてる、わけだよ。見た、感じ、その人の会社、それなりに、儲かってる、みたいだよ。つまり、次郎丸の、小麦屋の、大将の、幼なじみの、常連友人から、聞いた、はなし、何だよ。で、一回目に、その話しを、聞いたときはさ、純粋に、そのこと、信じたわけだよ。俺👀👌
でもさ、そのことに、対して、とても、興味が、湧いてたからさ、俺は、もっと、細かく、聞かなかったことを、後悔してた、矢先にさ、そう、また、別の日に、その、小麦屋に、俺が、酒飲みに、入ったらさ、偶然にも、また、その、大将の、友達が、カウンターで、焼酎水割りで、飲んでたんだよ。
それでさ、これは、チャンスと、思ったんだよ。
その、健一が、早良区に、いずれ来ることを、期待して、そう、俺から、また、その話しに、持っていった、わけだよ。そしたらさ、その人の、リアクションはさ、「あれ?私、前回、そんなことまで、口に、してたんですね、」と、少し、照れた様子で、また、話してくれたんだよ。で、彼、音楽通でさ、そう、珍しく、ブランキージェットシティのことを、知ってた、わけよ。そんで、そのボーカルが、浅井健一であることも、彼、知ってた、わけだよ。だからさ、つまり、これは、人違い、その人の、勘違い、では、ない、話し、な、わけよ
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a2cg · 5 months
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季節を知らせるものと私
なるべく季節のものを味わいたいと願うものですが、タイミングが合わずに逃してしまうこともあったりします。
ここ最近であると暑くなって来たので羽衣の冷やし中華が食べたいなと思ったりしていても中々銀座に行く機会が減ってしまったので、今年は難しいのかなとも思っております。
今でこそネットで季節のものを感じ取ることが出来ますが、古くは杉の葉を使って玉のようにした杉玉を軒先に吊るして日本酒の新酒が出来たことを知らせたそうですね。
その杉玉は別名では、こういうそうですね。というわけで本日のディナーは #さかばやし です。まっすぐ家に帰らずに乗り換え駅の馬喰横山で途中下車でやって来ました。
カウンターに並べられた中から選んだのは #まぐろぶつ そして #マカロニサラダ 飲み物は #生ビール です。立ち飲みのお店でかなり活気がある感じです。
奥の方の席が空いているということで、白髪の老紳士と同じ会社の人が二人で飲んでいる横に案内されました。最初は一人で飲んでいたのですが、話しかけられて立ち話。
色々と詮索されましたが社名を出さずにふわっとどういう会社かを伝えつつ #まぐろ を頂きます。赤身だけでなく中トロも入っていて、これは美味しい。
そして #サラダ は想像通りのクリーミーさ。きゅうりや人参といいった彩もさることながら、食感もまたいいですね。
調子が乗って来たので二杯目は #黒ホッピー にしました。かなり多めの焼酎なので1杯目は色付け程度の #ホッピー で殆ど #焼酎 の味わいです。
初対面なのに自分の外見の容姿のことをいじってきて失礼な人だなと思ったものですが、まぁこういう酒場の出会いも悪くないかなと思ったのでまた途中下車して寄りたいです。
#小伝馬町ディナー #小伝馬町グルメ #小伝馬町居酒屋 #小伝馬町和食 #小伝馬町立ち飲み #とa2cg
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ijuuinlove · 5 months
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自治会対抗親睦ソフトボール大会は6年ぶりの優勝でした🏆
決勝戦含め5試合。
昼食時間も15分ほどの過密な時間ながら、みなさんが怪我なく頑張ってくれました。
選手のみなさんありがとうございます。御苦労様でした。
お問い合わせください。
https://line.me/ti/p/3N3TsPEdWZ
#宮下酒店
〒899-2501
鹿児島県日置市伊集院町下谷口1985-6
電話(FAX兼) : 099-272-2442
携帯電話 09033240773
https://todonavi.com/item/miyashitashigeosaketen/?locale=ja&ts=1576805230293
さとふるサイト
https://www.satofull.jp/products/list.php?partner=092000026|宮下酒店
#ダイニングバー昴
#日置市
#伊集院町
#日置市ランチ
#日置グルメ
#伊集院町ランチ
#伊集院グルメ
#伊集院
#西酒造
#日本酒 
#西酒造 天賦
#日本酒 天賦
#天賦
#家族の甘酒
#八千代伝酒造
#軸屋酒造
#焼酎
#日本芋焼酎
#鹿児島本格焼酎
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bearbench-tokaido · 6 months
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五篇 上 その四
四日市の旅館で相部屋になった田舎者を弄んでいる北八。
ほろ酔いだからという北八に、 「さっきから見ていたが酒など、一滴も飲んでいないのにほろ酔いとは、何のことだ。人を馬鹿にするにもほどがある。」 北八は、怒り出した田舎者を気の毒そうに見ながら、 「ええ、私は酒を飲んでおりませんが、この足がほろ酔いだから。」 と答える。 田舎者は、何のことかわからない。 「なに、足が酒を飲むもんか。馬鹿言いなさんな。」 「お前さんもだいぶ熱くなってきて、赤くなってる。 足がほろ酔いとは、さっき焼酎を吹きかけたからで、この足が酔っぱらってそれ見てみなさい。 ひょろりひょろり。 あれまだ、お前さんの頭をからかおうとする。こりゃこりゃ。」 北八の足が変な動きをするのを田舎者は、真剣に見ている。 「なるほど。本当にこの足は、悪酔いする。」 と、田舎者が答えると、北八は、 「その通り。足は下戸にかぎりますな。私は、本当に困り果てています。」 と、言う。 田舎者は、納得したのか、あきれたのか、 「もう、結構!さっさと、寝ることにしよう。」 と、部屋の外に向かって、 「女中さん。お床を頼みます。」 と、言う。
女中がやってきて寝床を整えると、田舎者ふたりはそこへ横になるや否や、前後も知らず高いびきをかきだした。 弥次郎兵衛と北八はこの女中どもをからかってみたが、軽くあしらわれてしまう。
女中が出て行くと弥次郎兵衛は小声で、 「北八、北八。お前は、さっきの女中と約束したのか。」 と、尋ねる。 北八は、自慢げに、 「その通り。しかし、ここにはこない。 この隣の間の壁をつたって行き突き当たりのふすまをあけると、そこに寝ていると言っていた。後から、しずかに行かなければな。」 それを聞いた、弥次郎兵衛は、 「よし、俺が先に、行ってやろう。」 と、言うと北八は、笑いながら、 「妬まないで、一人で、早く寝な。」 と、後ろを向いて眠るふりをする。
弥次郎兵衛は、北八のじゃまをしてやろうと寝たふりをして思案していたが、二人とも旅の疲れで思わずすやすやと寝入ってしまった。 しかし、しばらくすると弥次郎兵衛がふっと眼をさまして、辺りをうかがいだした。
灯りは消えていて、真っ暗である。 しかも、ひっそりしているのでそろそろいいだろうと、こっそりおき出してきた。 北八を出し抜いてやろうと、音のしないようにふすまを開けて廊下に出ると、さっき聞いたとおりに手探りで壁伝いに歩き出した。 ところが、つい手を上へ方にのばして吊ってある棚に手が当たり、これがどうしたはづみやらがたりといてって、棚が外れてしまった。
弥次郎兵衛は、びっくりして、 「こいつは困ったことになった。 俺が、手をのばしすぎたから、棚板が外れたんだな。 なんだか雑多な道具がたくさんのっているようだし、これで手をはなしたら棚が落ちて大きな音がするだろう。 そしたら、みんなが眼をさます。これは、まずいことになった。」 と、両手を棚につっぱって立っている。
起きたままのふんどし一つの有様だから寒くなってくるし、こりゃ情けないめにあった。 何とかいい方法はないかな。 と、立ったままで考えていたがどうにもこうにもいい案が浮かんでこない。 と、そこへ、北八も眼を覚ましておき出してきた。 しこも、こちらのほうにだんだんと近づいてくる。 それをすかして見ていた弥次郎兵衛は、小声で話しかけた。 「北八か、北八か。」 北八は、急に声をかけられてびっくりしたが、 「誰だ。弥次さんのようだが。」 と、言うと、 「こりゃ、静かにしろ。早くここへ、来てくれ。」 と、弥次郎兵衛が、ささやく。 「なんだ、なんだ。」 と、北八は、近づいていった。 弥次郎兵衛は、暗闇で、北八の手を取ると、 「これを、ちょっと持ってくれ。ここだここだ。」 と、北八が棚を支えるようにしむけてしまう。 「どれどれ。」 と、北八は手を伸ばして何のことか分からないが、落ちかかった棚の下を押さえる。
弥次郎兵衛はそっと手を離し北八に持たせて、脇にそっと外れると北八は驚いて、 「なんじゃこりゃ。弥次さん。どうなってるんだ。」 と、手を離そうとして、上の棚が落ちかかってきたので慌てて元に戻す。 北八が、 「やあやあ。こりゃ、酷い目にあわせる。 これ、弥次さん。どこへ行く。ああ、手がだるくなってくる。 こりゃ、これは、どうするんだ。」 と、うろうろしている。 弥次郎兵衛は、そんな北八をほっておき暗闇の中をそろそろと先のふすまを開けてみる�� 台所に夜通しつけているありあけの火のおかげで、辺りの様子がうっすら見えている。
その灯りにすかしてみれば、すぐそばに一人寝ているようだ。 あれが北八が約束した女だなと思って近づくと、息もしていないのかと思うほど静かに寝ている。 しめたと、いきなり手を触ってみるとどうしたことか、石のように冷え凍った人が寝ている。 これはどうみても生きている者とは思えず、どうしたことかとあちこち撫で回してみた。 どうやら、菰にくるんであるようだ。 こもにくるんでいるという事は死人と、弥次郎兵衛はびっくりして気味が悪くなった。
足のほうからがたがたと震え出して、やっとのことで北八がいるところへ這い戻り、歯の根のあわない震え声で、 「北八。まだ、そこにいるのか。」 と、小声で言う。 北八が、 「おお、弥次さん。お前どこへ行ってた。さあ、ちょっとここへ。」 と、弥次郎兵衛の手を掴んで、棚を押さえさせようとする。 ところが、弥次郎兵衛の手が小刻みに震えているので、棚の上のものがカタカタと小さな音を立てる。 「いや、それどころではない。 お前の女が、死んでいる。」 北八は、 「ふん、ふざけたことを言な。」 と、カタカタ音を立てたので、弥次郎兵衛の手を離した。 「いいや、本当だ。菰でくるんであるから間違いない。 気味の悪い旅館だ。」 北八は、全然取り合わない。 弥次郎兵衛が、更に言う。 「いいから、よく聞け。本当にあれ、あそこにいるんだ。 ああ、なんてこった。とんでもない旅館を選んだもんだ。 恐ろしや。恐ろしや。」 と、そうそうに、這いながら逃げていく。
さて、残された北八、 「おいおい、俺をここに置いてきぼりにしてどうする。 それに変なことを言うから、俺の方まで気味が悪くなってきた。」 と、がたがた震え出した。 その拍子に手が緩んで、棚がぐらぐらし出した。 こりゃかなわないと北八は、棚から手を離してしまった。 当然、とんでもない大きな音がする。 北八は逃げ出そうとしたが、暗闇でどちらに行けばいいのかわからない。 まごまごしているうちに、この物音にびっくりした旅館の亭主が灯りを持ってこちらに近づいてきた。 又、奥の部屋から田舎者も出てくる。 この様子にまずいことになったと北八は、うろたえて這ったままで適当な方向へ進むと、手に菰が触れた。
これ幸いと、そのこもをひっかぶって息を殺ししゃがんでいると、亭主は灯りで周りを照らしながら驚いた様子で、 「やあやあ、こりゃ、どうして、棚が落ちたんだ。 膳ばこも何も、めちゃくちゃになっている。」 と、そこらを片付けてだした。
そこへ、何事だろうと、田舎者が二人ともおき出してきた。 「やれ、えらく大きな音がしたようだが、棚が落ちたのか。 私らの地蔵さまの側にまで、箱が飛んできている。」 と、こもの側に落ちている箱を取り上げようとして、 「ありゃ、お鼻が欠けている。」 と、素っ頓狂な声をあげた。 もう一人の田舎者が、 「どりゃどりゃ。」 と、地蔵に近づいてよく見ると、 「本当だ。地蔵さまの鼻がなくなっている。そこら辺に転がっていないか。」 と、辺りを探してみた。 「いや、ここに寝ているのは、誰だ。」 と、こもをまくると、北八がはっと顔を上げた。 そばには、こもに包まれた石地蔵がある。
さては、弥次郎兵衛が死んだ者と思ったのはこの石地蔵だなと、思っているところへ亭主が、灯りで北八を照らして、 「おや、お前さんは、こちらへお泊りのお客さんじゃないか。 こんな時分に、どうして、こんな所にいるんじゃ。 こりゃおかしい。それに、そのそぶり。 どうも、怪しいと思っていたがもしや泥棒じゃないか。 何か盗みに入ったのだろう。正直に言ってみろ。」 田舎者は、はたと気がついて、 「いや、そればかりじゃない。 たぶんこいつが、この棚を落としたんだ。それで地蔵さまのお鼻が欠けた。」 もう一人の田舎者が、 「これは、私らの村で今度、建立する地蔵さまじゃ。 昨日、石屋どのから受け取って明日、早々長沢寺さまへ収めにゃならないが、お鼻が欠けてしまっては持っていかれない。元の通りに弁償しなせえ。」 と、真っ赤な顔をして怒りだした。
つづく。
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ichinichi-okure · 8 months
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2024.1.20sat_kyoto
やはり耳は前方に折れ曲がり枕と頭の間で潰されている。私の耳は前方に立っていて、それがあまり気に入っていないので、これ耳を以上立てたくないなと中学生くらいから思って、耳をセロテープで貼ってから寝たいと思っているけど、一度もやったことはない。また今日も中学生からくらいの、その続きだ。ほぼ毎日眠っている間、耳は前方に折り曲げられて、枕と頭に押しつぶされている。このままでは、耳はますます前方に立ち上がり、前方に傾き、しまいには貝のように閉じてしまうのではないかな、そういえば、耳と貝という漢字は似ているなと思いながら、起床。15:30ごろ。いや、そんなに似てない。
ローリー寺西が歌っている。ファーストの曲、曲名はわからない。起きたらいつも頭の中で流れている音楽の選曲は誰がしてるのか、予想外な曲ばかりで嫌いじゃないし、当たり前だがだいたいが私が知ってる曲ばかりなのもいい。
二日酔い気味で朦朧としたまま換気扇の下に移動して、適当にYouTubeを見たり、ベックの新曲チェックしたりしながら、コーヒーとタバコと眠っている間に溜まってたメッセージのチェックと返信。寒い。1時間以上。やっと動き始める。
今日は早めに出勤したい日だった事を思い出して、準備せなと思っていたら、エバヤンから電話。要件だけで済まなくて、近況報告やらオシャレの話とかしてしまってつい長くなる。聞き上手やな。
1日はすごく短くて、儚くて、虚しい。服を脱ぐ。もうこんな時間か。昨日酔っ払って寝てしまってたので、その後にヒートテックを脱ぐ。人類の何%の人がヒートテックを着ているんだろう。もう、これは衣類ではなく肌なのではないかな。社長だって大臣だって貧乏人だってみんな着ているヒートテック。と考えながら頭にバリカンを走らせる。バッテリーが切れそうなので手短に。シャワーを浴びながら昨日人から聞いた入浴にまつわるルーティンを思い出す。そういえば、友人に誕生日プレゼントとして美顔鍼を奢ることを約束したんだったな、昨日。たぶんニヤつきながら、シャワーを終え、新しいヒートテックを着込み、身支度して出勤。
土砂降りやん、。
着込んだ上に合羽も着ていたので汗だくで職場へ到着。職場に荷物を置いて中華屋へ。酢豚定食。学生で混み合っている、相変わらずここのご夫婦は可愛い。
ここから仕事。、、、、焼酎を4杯ほど飲んだ気がする。
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仕事終わって友人と知人のバーへ。知ってる人も何人かいて、少しめんどくさく感じて隅っこの方に陣取って友人とハイボール。他のお客さんの賑わいに混じることもなく、できるだけ混じらないように目を合わせないようにしながら飲む。外はますますの土砂降り。そろそろ帰ろうかと友人に促すが「もう一杯だけ飲んで帰る」。延々と続く「もう一杯」。なんだか帰るタイミングを失い、さらに3杯。雨はまだまだ土砂降り。
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タバコを吸いに店の外に出ると少し冷えこんでいる。そこに居合わせた知り合い数人と喋っていると、悪ノリで2人にキッスをされた。悪ノリだけど悪い気はしないものです。1人は頬に1人は唇だった。マナーと思い一応、瞬間まぶたを閉じた。分かってくれただろうか。
友人と店を出て土砂降りの中(やはり雨の夜は道がきらめいてていいな)自分の店へと戻り、ついつい、もう一杯飲むか?と誘ってしまう、あんなに2人とも酔っ払ってたのに私は本当に酒でどうにかしていると思う。友人は泥酔して私よりもどうにかしていたので、カウンターの上、突っ伏せながら何かアニメか何かの呪文みたいなのを教えてくれた。「むりょうきゅうしょ」とか言って指をぐにゃりとしていた。
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まだまだしつこく続く土砂降りの中自宅へ。時間は5時過ぎ。さっきのスタンプみたいなキッスは不思議とずーっと唇の表面に感触として残っていた。口紅とかついてるわけじゃないと思うけど、なんでだろ。ぺったり張り付いたまま。高校時代にほっしゃんとしたファーストキッスもこんな感じでスタンプみたいだったような気がする。って考えながら帰宅した気がする。iPhone見たら宇多田ヒカル聴いてたんですね。どんだけー。
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で、ここから先は記憶がないです。こうやって日記を書こうといろんなこと思い出そうとしても、次々と抜け落ちていく記憶。けど、その分、人生にまろやかさが増すようにも感じてマジック。
-プロフィール- オヘンホン / サッカひろゆき 51歳 京都 サロンド毘沙門のオーナーの傍、カニコーセンさんと2人で根暗なオヤジのサイバーロックアイドルユニット「空空クラブ」でも活躍中。 インスタ)@ohenhon @salondebishamon @sorasoraclub
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kachoushi · 1 year
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各地句会報
花鳥誌 令和5年10月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和5年7月1日 零の会 坊城俊樹選 特選句
あぢさいや錆ゆくときもずぶ濡れて 光子 雨に白く汚されてゐる木下闇 緋路 サイレンも街騒もまだ梅雨の底 久 鉄骨が叩く鉄骨濃紫陽花 緋路 見覚えのビルはもう無くサルビアに いづみ 夏草のつぶやくやうな雨であり 和子 鉄条網梅雨の蝶さへ寄せつけず 同 支へ切れぬ天へ石柱梅雨深し 昌文 飛石をぬらと光らせ五月雨 久 その人は梅雨に沈みながら来る 順子 五月闇不穏な波の来るといふ はるか
岡田順子選 特選句
列車音遠ざかるとき浜万年青 はるか 庭石は梅雨のものとて黄泉のもの 俊樹 サイレンも街騒もまだ梅雨の底 久 鉄骨が叩く鉄骨濃紫陽花 緋路 雨の日の桔􄼷のうしろすがたかな 美紀 萱草のそびらに恩賜なりし闇 光子 潮入りのみづは昔や通し鴨 いづみ 支へ切れぬ天へ石柱梅雨深し 昌文 瞬ける雨粒蜘蛛の囲の銀河 緋路 雨に白く汚されてゐる木下闇 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月1日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
鹿の子啼く隠れの島に入日濃く 修二 たはむれの莨にむせし桜桃忌 久美子 寂しさを下から崩すかき氷 朝子 茉莉花の別れ際こそ濃く匂ふ 美穂 不如帰久女の夢と虚子の夢 修二 首の無きマネキン五体暑き日に 愛 蟬生る瓦礫の闇の深きより かおり ひまはりの花と育ちて銃を手に 朝子 バレエ団の窓へブーゲンビリア満つ 愛 蔓薔薇をアーチに育て隠居せる 光子 うつし世のものみな歪み金魚玉 かおり バス停のバスまで覆ふ夏木かな 勝利 梅雨空にジャングルジムがひつそりと 修二 襖絵の孔雀の吐息寺炎暑 勝利 君嫁して香を失へり花蜜柑 たかし
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月6日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
らつぱ隊香り奏でる百合の花 さとみ 風鈴が相づちを打つ独り言 都 香水に縁の無き身や琥珀色 同 身ほとりの置き所無き土用の入り 同 滴りの奥にまします石仏 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月7日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
黒塀や蔵してをりし八重葎 宇太郎 ふりかへる砂丘の海の線は夏 同 葛切や玻璃にスプンの当る音 同 夏草の中の林道下りけり 同 ソーダ水斜めに建ちし喫茶店 同 向ひ風麦藁帽を光背に 同 白服を吊りたる明日の再会に 悦子 浜昼顔一船置きし沖を恋ふ 同 白南風旅の鞄をコロコロと 美智子 足跡や巡礼のごと砂灼けて 栄子 紫陽花やうた詠むくらし悔もなく すみ子 玫瑰の咲くや砂丘の果の路 益恵 躊躇なく風紋踏んで白い靴 都
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月8日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
早苗饗や手足を伸ばす露天の湯 幸風 はらからや薄れゆく過去心太 百合子 一品を後からたのむ心太 秋尚 青楓雄々しく抱ける年尾句碑 三無 天草の歯ごたへ確と心太 文英 朝顔に護符つけ市の始まりぬ 幸子 朝顔のつぼみ数へて市を待つ 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月10日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
西日射す鏡に海女の手櫛かな 昭子 兜山古墳を包む大夕焼 ただし 良き事の有りや無しやの今朝の蜘蛛 信子 信州に梅雨のかけらの雨が降る 三四郎 石も又涼しきものの一つかな 昭子 香水や周囲の心独り占め みす枝 梅雨寒や口を預けて歯科の椅子 信子 うなだれて少年の行く片かげり 昭子 僧逝きて久しき寺の夏椿 英美子 猛暑日や万物すべて眩しめり みす枝 天近き牧牛の背や雲の峰 時江 コップ酒あふる屋台の日焼顔 英美子 サングラス外し母乳を呑ませをり みす枝 かぶと虫好きな力士の名をつけて 昭子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月10日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
芋焼酎醸す香りの満つる街 三無 団扇さし出かける孫の下駄の音 ことこ それぞれが里の焼酎持ち寄りて あき子 老媼の団扇頷きつつ動く 和魚 児に送る団扇の風のやはらかく ます江 店先で配る団扇の風かすか ことこ 泡盛の味覚えたりこの良き日 同 団扇手に風のざわめき聞く夕べ 廸子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月11日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
沖縄の鳳梨乾いた喉癒す 裕子 青空や収穫の日の夏野菜 光子 夕暮れは車窓全開青田風 紀子 貝釦一つ無くした夏の暮 登美子 まだ聴けるカセットテープ夏深し 同 雲の峰送電線は遥かなり 令子 夕焼に路面電車が揺れてゐる 裕子 鐘を撞く寺は山上雲の峰 令子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月11日 萩花鳥会
透き通る海は自慢よ海開き 祐子 救助士の臀筋たくまし海開き 健雄 夏草や一対すべて青の海 俊文 生ビール久方ぶりや子とディナー ゆかり 引く波に砂山崩る海開き 恒雄 天の川点滅飛機の渡りゆく 美惠子
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令和5年7月16日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
羅を纏ひしものの身の一つ 世詩明 天国も地獄も自在孟蘭盆会 同 風の盆男踊りの笠深く 幹子 盆の供華華やいでゐる村の墓地 同 ギヤマンの風鈴揺れる蔵の街 嘉和 古団扇思ひ出の新しき 雪 縁側に男冥利の裸かな みす枝 ナツメロを口ずさみつつ草を引く 富子 蓮開く様自力とも他力とも やす香 神主の大きな墓を洗ひけり ただし 在りし日のままに夏帽吊し置く 英美子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月16日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
田舎家の土間のだんまり朝曇 要 炎帝の遣はす鴉黒く群れ 千種 会釈する日傘に顔をなほ深く 同 夫恋ひの歌碑を見てより秋近し 炳子 飴色に枯れ空蟬の垂れ下がる 久子 古民家の故郷の匂ひ壁に黴 経彦 三猿の酔ふ草いきれ庚申塔 眞理子 古民家の茅屋根匂ふ炎天下 三無
栗林圭魚選 特選句
蓮花の水面の余白空の青 亜栄子 カラフルな浮輪乗り合ふ市民バス 久 じやぶじやぶと揃ひのティーシャツ水遊び 三無 咲き足せる泰山木の真白かな 秋尚 森少し膨らませをり蟬しぐれ 慶月 水音に誘はれつつ灼くる道 眞理子 惜しげなく涼しさ放つ水車小屋 要 ひとときの静謐滝に対峙して 久子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月19日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
マッカーサーパイプ咥へてアロハシャツ 千加江 遠雷や織部の茶碗非対称 泰俊 二業地に一の糸鳴る夜涼かな 同 悠久の光り湛へて滴れり 同 青田風満目にして夕仕度 清女 脱ぎ様のまことしやかに蛇の衣 雪 退屈をもて余しゐる古団扇 同 洗ひ髪訪ふ人も無く待つ人も 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月21日 さきたま花鳥句会
沢蟹の渡る瀬石に日の名残り 月惑 空蟬や辞書に挟まる紙兜 八草 家眠る厨にひとりバナナ剥く 裕章 山の水集め男滝の帯となる 紀花 どら猫にまさる濁声夏の風邪 孝江 炎天に心字の池面雲動く ふゆ子 打水や土の匂ひの風生まる 康子 行くほどに街路華やぐ百日紅 恵美子 睡蓮の葉を震はせて鯉の道 みのり 八の字を書きて茅の輪を潜りけり 彩香 誘蛾灯今は無人の故郷駅 静子 枇杷熟るる眷属訃報また一人 良江
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令和5年7月22日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
半夏生何処が嫌ひと云はれても 雪 蛇にまで嫌はれさうな蛇苺 同 何処をどう突いてみても蟇 同 お隣りは今はの際と虎が雨 一涓 師の友は文教場址合歓の花 同 守宮まづ招き入れくれ舎入門 同 忘れじの人今も尚蛍の夜 同 入道雲天下制する勢あり みす枝 藍浴衣片方だけにピアスして 昭子 サングラス外して妻は母となる 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月23日 月例会 坊城俊樹選 特選句
空蟬や地中の記憶あるらしく 要 靖国の坂みんみんの急くに急く 昌文 炎天に零戦仰角三十度 佑天 鳥居へとまぬがれがたき炎天を はるか その日近付き靖国の灼けてをり 慶月 みんみんの高鳴く魂の声として はるか
岡田順子選 特選句
熱き骨ぽきぽきたたみ日からかさ 眞理子 真白な祢宜の出て来し木下闇 政江 笛の音の遠くに生まれ夏の果 光子 零戦を���る少年の夏休み 慶月 下乗せし老女紅濃く夏詣 同 英霊に七日の魂の蟬時雨 政江
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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sake-oogiya · 1 year
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年に一度の限定販売 鹿児島県 / 若潮酒造 芋焼酎 「 GLOW EP06 - ON&ON - 25% 」 2022年に開催された『第1回酒屋が選ぶ焼酎大賞』の 芋焼酎部門で大賞を受賞した【 GLOW EP05 】! こちらは、GLOWシリーズの6年目となる “GLOW EP06”。今年のテーマである -ON and ON- には「明日に向かって、ずんずん進む、どんどん続ける」という意味が込められています。仕事の後の夕日のように、夢に向かう元気をくれる1本です。炭酸割りがオススメ! 1.8L ¥2,840(3,124)sold out!   ※数に限りがございます。お早めに~。
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igosso29 · 1 year
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お酒に合うおつまみの作り方や初デートの飲食店選び【焼き鳥酒場 異骨相はなれ】
1.お酒に合う美味しいおつまみの作り方をご紹介
お酒に合う美味しいおつまみの作り方とは、どんなものがあるのでしょうか? そこで、ここでは、お酒に合う美味しいおつまみの作り方を、ご紹介します。
Webで検索するとサラダやナムルや揚げ物や炒め物など、いろいろと凝った料理も出てきますが、ここでは、シンプルに塩キャベツをお勧めします!
冷蔵庫か野菜室にあるであろう、キャベツをざく切りにして、ボールに入れて、適量の塩とごま油を入れて混ぜるだけです!とても簡単!
このおつまみは、キャベツがない人もキャベツを買うだけでできるので、すごいお勧めです! サクサクと歯切れのいいキャベツと、適度な塩味が、お酒とすごく合います!
合わせるお酒は、ビールか日本酒がいいですね! 塩を塩昆布に変えたり、炒りごまをまぶしたりと、可能性もすごく広いです! この塩キャベツは、ビールをはじめハイボール、日本酒や焼酎にも、どんなお酒にもほぼ合うので、すごくお勧めのおつまみです!
飲み始めてしまったら、さらに酔っていたら、おつまみ作りはすごく億劫ですよね! そんな時にこのおつまみが活躍します! それすら億劫なときは、このさい家飲みを辞めて飲食店に飲みに行きましょう。
2.失敗しない初デートのた��の飲食店選びのコツ
失敗しない初デートのための飲食店選びのコツはあるのでしょうか? そこで、ここでは、失敗しない初デートのための飲食店選びのコツを教えます!
まず、初デートの飲食店選びで考えるべきなのは、いつにするのかということです。 ランチだと、後に予定を組みやすいメリットがあるのですが、初デートは色々な予定を組まずに、食事だけで切り上げるのが、ベストなので初デートにはディナーがおすすめです。
お店選びは、男性主体にするのが基本なのですが、あなたが女性でも、事前に好みだけ聞いて好みが合うようなら「こんないい店があるよ!」と提案するのもいいですね!
食事の金額は、高すぎても安すぎてもダメです。 お互いに気を使いすぎないで、貧乏人だと思われないラインに設定しましょう。 20代でだいたい1人3,000円以上、30代なら1人4,000円以上を目安にするのがいいです!
お互いにお酒が好きであれば、居酒屋もすごくお勧めです! 焼き肉や、焼き鳥などは少しカジュアルすぎるので、本来デートでは、避けるべきなのですが、相手の大好物だとわかっているなら、逆にこれとないチャンスになりますね!
下記で、立川で行けるお勧めの居酒屋を紹介します。
3.立川で焼き鳥に合う日本酒のお店の紹介 焼き鳥酒場 異骨相はなれ
では、いざ、立川市の立川駅周辺で初デートをしようとなった時に、立川にいい焼き鳥のお店はあるのでしょうか?どうせなら、それに合う日本酒も出るお店がいいです。
そこで、ここでは、JR立川駅周辺で、焼き鳥に合う日本酒を提供しているお店を紹介します! それは「焼き鳥酒場 異骨相はなれ」という店です! JR立川駅から徒歩4分の好立地にあります!
この「焼き鳥酒場 異骨相はなれ」は、かなりのグルメなお店で、値段も安く、料理はかなりのレベルです。
また、焼き鳥の種類も豊富で、定番のもも、かわ、つくねなどのほかに、希少部位のチレ、上タン、つなぎ、というメニューもあります。
また、それに合う日本酒も、甘口、辛口の好みに合わせて、豊富に取り揃えられています! また、焼き鳥以外のいわゆる居酒屋メニューも豊富に取り揃えてます。
なかでも、豆苗の炒め物がすごいお勧めです! 豆苗の食感がしゃきしゃきで、味もいいのはさることながら、非常におもしろい感触です! この料理は、一緒に行く人にも、かなり好評になると思います!
焼き鳥がうまい居酒屋! 焼き鳥酒場 異骨相はなれ 東京都立川市錦町1-5-21 042-595-8552
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no1-shochu · 2 years
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【超大ニュース】 【第1回 酒屋が選ぶ焼酎大賞】 ( 芋焼酎部門で若潮酒造が見事全国No1になりました‼️ ) 酒屋が選ぶ焼酎大賞は、芋、麦、米、黒糖、泡盛の5つの部門あります。 (酒屋さんが「お客さんに飲んで欲しいと思う焼酎」「おすすめしたい焼酎」を選出するので、自分たちで焼酎を応募することは出来ません。) そんな厳しい中、芋焼酎部門で見事全国一位となりました。 全国No1となった焼酎は⁉️ GLOW EP05です♪ しかも、初代チャンピョン‼️ こんな幸せなことはありません。 みなさん有難うございました。 嬉しいwwwww 皆さん是非、大賞受賞した焼酎GLOW EP05飲んで見て下さいね~♪ 私のおすすめの飲み方は、炭酸割りです♪ 酒屋が選ぶ焼酎大賞情報 https://shochu-taisho.com/ ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~ ザ・ファブルを読みながら黒若潮(くろわかしお)で乾杯♪ ※ザ・ファブルは、週刊ヤングマガジン(講談社) に連載され累計発行部数750万部越えの超人気漫画です♪ その超人気漫画 ザ・ファブル に若潮酒造の焼酎が登場致しました\(^^)/ 登場した単行本は、第一部11巻、13巻、19巻、20巻、第二部第2巻、3巻です♪ ※週刊ヤングマガジン(講談社)にて、ザ・ファブル第二部連載開始中♪ ※単行本 第二部 第1巻、第2巻、第3巻、第4巻絶賛発売中♪ ※映画にもなって、今一番注目されている漫画です‼️ 凄く面白い漫画です‼️ 南勝久 先生様有難うございます♪ 心より御礼申し上げます♪ これからも若潮酒造を宜しくお願い致します。 皆さん是非本屋さんにて超人気漫画ザ・ファブルを買って究極の日常酒 白若潮 (シロワカシオ)を探して下さいね~♪ ( ザ・ファブルを読みながら白若潮で乾杯♪ ) 映画 ザ・ファブル 殺さない殺し屋 情報🎬‼️ 💿『ザ・ファブル殺さない殺し屋』DVD&BD 発売中‼️ 江口カン映画監督様作品。 主演も超豪華、 岡田准一 様、 木村文乃 様、 平手友梨奈 様、 安藤政信 様、 黒瀬純 様、 好井まさお 様、 橋本マナミ 様、 宮川大輔 様、 山本美月 様、 佐藤二朗 様、 井之脇海 様、 安田顕 様、 佐藤浩市 様、 堤真一 様 監督 = 江口カン 様 ( KOO-KI - 空気株式会社 様 ) 脚本 = 渡辺雄介 様 漫画 = 南勝久 先生様 V6岡田准一 様の超凄いアクションシーンにも注目‼️ ____________________________ ✨若潮酒造受賞歴✨ 鹿児島県本格焼酎鑑評会 ✨24連続受賞‼✨ ____________________________ ※若潮酒造の焼酎は、プリン体0・糖質0・甘味料0 、体に優しい芋焼酎です(^^♪ ※焼酎は、色々な飲み方が出来て楽しいです♪ 冷やしてストレート、グラスにいっぱいに氷を入れてロック、氷と炭酸水を入れてソーダ割り(焼酎ハイボール)、グラスにお湯を入れてお湯割り、柑橘系&炭酸水を入れて、カクテル、酎ハイ、色々な飲み方が出来ます♪ 皆さん是非、自分好みにアレンジして楽しんでくださいね~♪ ※若潮酒造の焼酎が日本全土 、 全都道府県 に広がるように頑張ります。 ( 北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 新潟県 茨城県 群馬県 栃木県 埼玉県 東京都 千葉県 神奈川県 山梨県 長野県 富山県 石川県 福井県 静岡県 愛知県 岐阜県 三重県 大阪府 京都府 滋賀県 兵庫県 奈良県 和歌山県 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県 ) ★若潮酒造は見学、ツアーも出来ますので皆さん是非若潮酒造に遊びに来て下さいね♪ ( 会社が休みの場合も有りますので、見学に来られる際は事前に御連絡して下さいね。) 若潮酒造株式会社への 商品、見学、ツアー お問い合わせ 若潮酒造電話番号 = 099-472-1185 若潮酒造住所 = 鹿児島県志布志市志布志町安楽215 お気軽にお電話下さい (^^♪ ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ #酒屋が選ぶ焼酎大賞 #焼酎大賞 #酒屋 #焼酎 #酒屋が選ぶ焼酎 #若潮酒造 #若潮酒造株式会社 #第1回酒屋が選ぶ焼酎大賞 #酒屋が選ぶ焼酎大賞2022 #酒販店       #芋焼酎 #麦焼酎 #米焼酎 #黒糖焼酎 #泡盛 #酒屋が選ぶ焼酎大賞実行委員会 #銘酒泉屋 様 #酒舗まさるや 様 #籠屋秋元商店 様 #秋元商店 様     #白菊屋 様 #とどろき酒店 様 #コセド酒店 様 #酒店きおか 様 #きおか酒店 様 #好井まさお 様 #きおか 様 #まさるや 様 #酒店 https://www.instagram.com/p/CjShMaEpMi1/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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kennak · 1 year
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【追記】帰ってきてはてブ開いたらマジで驚いた。コメント全部読みました。賛否どちらもコメント頂いた皆様、ありがとうございます。いくつか追記しました。----増田のスペック。アラフィフ男性、既婚、子供3人(大学生2人と中学生)、都下(23区外)在住、額面年収1500万円ほど。仕事はIT技術系管理職。理系院卒。転職歴なし。住宅について持ち家、ローン残あり、4LDKの一戸建て、最寄り駅徒歩10分。住宅街で治安はとても良く、夜はとても静か。駐車場有。電車通勤で勤務地まで1時間ぐらい。普段の食事について増田の家族の食事は基本妻が作っているが、食材はほぼ近所のスーパーで買っている。子供が大きくて家族のスケジュールがバラバラなので揃って食事を取ることは少ない。週末も子供たちはほぼ部活、バイト、遊びなどで家にいないので家族での外食も少ない。たまに行っても回転寿司とか。家族の夕飯を外で買って済ますこともあるけど、スーパーの惣菜とか牛丼とかオリジン弁当とか、そんな感じ。ピザはドミノの引き取り一択。増田の勤務先は社食がないので、昼は基本外食。会社の近所で弁当買うことが多いが、たまにココイチとか日高屋とかもある。一回の昼飯が¥1,000を超えることは滅多にない。 酒好き。基本何でも飲むが、醸造酒を飲み過ぎると悪酔いする(気がする)ので、焼酎やウイスキー、これらの炭酸割りなどを好んで飲む。焼酎はいいものでもそんなに高くないのも良い。ビールは多少飲むが、ワインや日本酒は自分で買って飲むことはほとんどない。飲み会などの食事について 友人や職場の同僚との飲み会は、ほぼ大衆店(チェーンも個人店も両方あり)。だいたい1人¥5,000ぐらい。1人¥10,000とかは滅多にない。会社の体質のせいか職場での飲み会が少ない(呼ばれて��いだけかも)。歓送迎会��か忘年会ぐらい。営業に呼ばれてお客さんと会食するときはそれなりのお店に連れて行かれることもあるが、年に2-3回程度。 高級寿司店とか、生まれてこの方行ったことがない。キャバクラとか人生で片手もないぐらい。カラオケスナックはそれなりにある。 部署の飲み会に参加するときは(立場上)多めに払うようにしている。食事以外の買い物技術書やビジネス書などの本(電子書籍含)に、月に¥10,000ぐらいは使っていると思う。 サブスクは、Netflix、アマプラ、Kindle Unlimited、日経新聞、radikoプレミアムとか。 小遣い制ではない。何か買う時にいちいち妻に断ったりはしていないが、それなりに高いものを買うときは一言伝えるようにしている。ファッション ほぼユニクロ。モンベルなどのアウトドアブランドも好きだが、新品は高いのでメルカリとかで中古を買っている。時計はG-SHOCK。女性関係 既婚なので妻について。増田の妻は年上で文系4大卒。学生時代に共通の友人を介して知り合い、増田の就職後に結婚した。妻は結婚前はフルタイムで働いていたが、結婚を機に退社して、以降専業主婦。今は子供もみんな手がかからなくなったので、パートに出ている。子供の教育費用大学生2人とも理系で何かと金がかかる。増田が出しているのは学費だけで、教科書代とか遊ぶ金は自分でバイトして稼げと伝えている。増田の親は学費も出してくれて下宿させてくれたので、親の苦労をこの年になって身にしみて感じている。あらためて親に感謝。 一番下の中学生は近所の公立中。放課後は部活の後に学習塾に通っている。塾に加えて外部の模試なども受けさせているので、ならすと月に4万円ぐらいはかかっていると思う。某通信教育をやっていたが、どうしてもサボりがちなので対面になった。車について10年以上前に中古で買ったセレナ。今日時点で10万km以上走ってる。妻はほとんど毎日買い物で使ってる。増田は週末に少し乗るぐらい。駐車場は自宅についているやつ。 妻も特に不満はないようだし、増田もこだわりはないので、乗れる間はこのまま乗ろうと思っている。子供が小さい頃は、寝付かないときの深夜ドライブとか、急に熱を出したとか具合が悪くなったときの夜間診療所行きでよく乗っていたなあ。懐かしい。最近は子供たちが乗ることも少なくなった。 その他 何にしても結婚は早い方がよい。特に子育てには体力必要。子供が小さいうちは、財力よりも体力。結婚した後しばらくは金がなくて(増田が大学でもらってた奨学金の返済とかもあって)カツカツだったが、まあどうにかなった。高校・大学あたりから急に金がかかるようになる。小・中はあまり金がかからないので、それまで貯蓄でも投資でもよいからまとまった資金を作っておきたい。小・中学受験するとこの時期から金がかかるようになるのかもしれないが、経験ないのでわかりません。 金はかかるが子供を持つことはよいと思っている。人の親になって初めて大人になった気がする(個人の感想です)。子供たちを見ていると、「おまえらには無限の可能性があるぞ」と感じて幸せな気持ちになる。不思議なもので、よその家の子供達を見ても同じような気持ちになる。もちろん思春期には生意気な口をきくようになって、ムムムと思うことも多くなるんだけど。 あと子供たちは増田の友人作りも助けてくれた。今趣味を一緒に楽しんでいる友人たちは、ほとんど全員子供の関係で知り合ったパパ友。仕事上の付き合いではないので、定年とか関係なくヨボヨボになるまで付き合ってると思う。(以下追記分) 金融資産と年間収支について 現時点の金融資産は、株と現預金合わせて約2,000万円。コメント見たが増田より若くて、もっと沢山蓄えている方がいてスゴいなと思う。もう少し貯められたかもだけど、残念ながらこの程度。ドンピシャでコメントしてくれた人いたけど、年間で貯蓄できている金額は100万円ぐらい。会社の財形で天引きして貯蓄している。本当は単に貯蓄じゃなくて積立投資に回した方がいいと思っているんだけど、色々あって財形はそのままになっている。勤務先の企業年金が企業型DCになっていてiDeCoはやってない。こちらも現時点の時価が2,000万円ぐらい。実家の距離と太さについて増田の実家は関東圏の田舎。今住んでいるところから車で高速使って2時間ぐらい。 親父・お袋は両方とも高卒。親父は公務員を定年まで勤めて、お袋は工場の事務をやっていて共働きだった。なので、実家は全然太くない。地主とかでもない。普通のサラリーマン家庭。増田は高校まで地元の公立校で、大学から東京圏に出てきた。大学と大学院では育英会の第二種奨学金をもらってた(金利3%時代、高い)。下宿先は、当時でも既にかなり珍しかった風呂なし・トイレ共同の2階建アパートの1階だった。家賃は確か¥27,000だったと思う。国立の後期の発表を待っていた(不合格)ため、下宿先にほとんど選択肢はなかったのと、私大の理系(当時既に学費は100万円以上だったはず)に進むことになったので、贅沢はとても言えなかった。学部3年のときに事情があって別のアパート(風呂つき)に引っ越すまで、2年間風呂なしアパート生活だった。仕送りと奨学金だけでは生活できなかったので、足りない分はバイトで稼いでいた。大学入学当初は肉体労働系だったが、2年からは塾講師、家庭教師などもやってた。 (これも予想してくれてた人いたけど)増田の妻の実家は都内。子育て中は、義理の母にはかなり助けてもらった。子供(大学生)にバイトさせることについてちょっと書きすぎたところもあったので反省。さすがに入学直後からバイトして教科書代稼げというのは酷なので(そもそも春の授業に間に合わないし)、学部1年のうちに必要な教科書、参考書、パソコンとかは増田家で買っている。ただ、教科書代と遊ぶ金は自分で稼げというのは伝えているのはそう。昔と違って最近は教科書もメルカリとかヤフオクとかで安く見つかるし。ただ、安いなら尚更払ってやれという話だよな。。。増田の学生時代は、遊ぶ金と生活費の一部はバイトして稼いでたから、そのあたりの感覚を押し付けているのかもしれない。ちょっと考えます。風俗経験女性関係のところに何となく(それがダメなんだって)書いてしまったが、不適切なので削除しました。 低収入だった頃の記憶 2番目の子が生まれた頃までは本当にカツカツで、月々は赤字でボーナスで補填するような感じの生活だった(その頃は会社の借り上げ社宅の賃貸マンションに住んでた)。給料日後に一通り引き落としが終わったら、ビックリするぐらいにお金がなくなって「なんでこんなにお金ないの」みたいな話を妻としてて空気が悪くなった記憶がある。 余裕が出てきたのは、ここ10年ぐらいな気がする。キャリア的にはちょうど課長に昇進したあたりからかなあ。
【追記あり】既婚年収1500万円のリアル
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【浅井健一の音楽性🎸と、活動状況報告】 - zshingoの日記
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浅井健一は、1980sのストレイ・キャッツに多大な影響を受けており、ブランキージェットシティ初期の、浅井健一の、ヘアスタイルのトレードマークでもあった、ブロンドリーゼントヘアはストレイ・キャッツのボーカルの髪型を真似したものと思われる。しかし、本人がどう考えているのか、知らないが、顔の彫りの深さから、ストレイ・キャッツより、ボブ・ディランの方に、似ているのである。勿論、個人的な考察に過ぎないのだが。1990年代後期より、リーゼントヘアから、西海岸の海辺にいる、若者サーファーのような、長髪にゆるいまき髪ヘアスタイルに変更されており、それは、今の時代 ( 2023年12月 )まで、継続されていることから、本人に、定着したヘアスタイルと考えても、無論、間違いではない。他には、多機の洋楽を中心に音楽を聴き、影響を受けており、主なバンドは、カーペンターズ、パートリッジファミリー、ショッキングブルー、ジョン・レノン、井上陽水などから影響を受けたと、公言している。本は、JDサリンジャー著『ライ麦畑でつかまえて』、村上春樹著『羊をめぐる冒険』、ジャック・ケルアック著『路上』である。曲のタイトルが、歌詞にも出てくる、「メリールウ」という主人公の名前を使った曲も楽曲している。映画に関しては、浅井健一の曲自身のタイトルでもある、『小さな恋のメロディー』、『イージーライダー』などが上げられる。他にも、観ていたり、読んだりしてはいるが、公に公言しているのは上記のものだ。音楽性は、ブランキージェットシティ以外、静かめな曲を収録した『SHERBETS』や『JUDE』などがある。ほかは、忘れてしまった。あ、あと、歌手のUAと組んだバンド『AJICO』。浅井健一の書く、詩の歌詞は、社会の片隅で暮らすアウトサイダーたちや、野生動物、『神様』が頻繁に登場する。そこが、私の惚れ込んだ理由の一つでもある。そして、『幸せの鐘が鳴り響くとき、ただ悲しいふりをする』という、曲には、『動物愛護団体』まで、詩に盛り込まれている。アウトサイダーたちで、言えば、売春婦、麻薬常用者、浮浪者、インディアン、精神病者、ヒッピーだ。そして、あと、忘れてはならないのは、『無垢な少年』だ。『綺麗な首飾り』という曲には、『子供の見る夢は、純粋で残酷』というフレーズもある。そして、『狼たちが、綺麗な足音を響かせ、森を駆け抜ける』という歌詞も好きだ。『don't kiss my tail』という歌詞には、『ヒッピーに憧れて、旅立ったくせに、多分、彼らの最終系は自殺だなんて言うし』という、とんでもなく、切なく、カッコいい歌詞を書いている。『ひまわり』という、曲では、歌詞の始まりが、『目の前に舞い降りた、小鳥の仕草を、見つめていたのは、倒れたヒマワリ』という、専業作家、顔負けの『擬人法』を盛り込んでいる。そして、『パイナップルサンド』という、曲には、『バナナを一つもぎ取った、お前のその動作、神様が、気にすると思うのかい?』、『明るく生きることが、すべてだから』という、非常に、楽観的な気持ちになれる歌詞も書いている。そして、『寝る前に、ブルーのジェット機に乗る夢を見たいって願う、神様お願い僕に見させて、ブルーのジェット機に乗る夢を』という、無垢な少年の、切実な思いを歌詞にしていると同時に、人間には、日々の、『祈り🛐』が必要なことを、それとなく、歌詞の中で、サラッと匂わせている。浅井健一が、イエス・キリストに選ばれた理由は、以上の功績により、【仏様】、【イエス・キリスト】より、適任と認められ、選ばれるべくして選ばれたのであるから、他の者は、浅井健一を妬んではいけない。きちんと、今までの、功績があって、選ばれているのであるから。少なくとも、浅井健一がテレビや動画、LIVE会場で歌ったことにより、救われた人類は大勢いるのだから。逆に、歯向かう考えを持っている者は、神の道と反れて進んでしまっていると考えていい。最近の浅井健一の活動状況は、ラジオ番組に出演したり、画家としても、活動をはじめ、個展を開いたり、画集を出版したりしている。勿論、音楽活動も続けながら。そして、忘れてはならないのが、『Sexy Stornes』というブランド名の、ブランド服を立ち上げ、代表取締役社長をつとめている。自身のインスタグラムを通じて、販売活動にも積極的にいそしんでいる。そして、少し前の、浅井健一のYou Tubeラジオによると、趣味でサーフィンをやっているとのことも公言している。そして、今年、もうじき、LIVE活動で、地方をまわるという、ネットニュースの記事を読んだ。つまり、浅井健一は、今日も、妹の林檎🍎と違って、頑張っているのである。以上が、浅井健一の音楽性、ないしは、活動状況の報告とする。
あ、そういやさ、健一、俺が、小学校のころ、飼ってた、雑種犬の、つまりさ、カール🐕、なんだけどさ、そう、この🐕、婆ちゃんち【家🏠】の、近所の、同級生の、男の子、【 金川 健一 】くんから、貰い犬🐶なんだよ。カールは🐕。
で、婆ちゃんちの、住む、地域はさ、相浦市、川下町って言う、みんな、そのこと、失礼やから、触れられては、いなかったんだけどさ、そう、実はさ、川下町は、部落地域、なんだよ。
つまりさ、外国かぶれの、カッコ良い、言い方で、言えばさ、ゲットー地区、な、わけよ  = アメリカ🇺🇸シカゴあたりに、黑人が、ウロウロしてる、地域、つまりは、ブルーカラーの、低所得者の、労働者が、村みたいに、近所の、付き合いを、とても、重んじてる、つまりは、集落、部落な、わけよ😂 川下町はな。
あ、もっと、要約して、わかりやすく、言えばさ、スラム街なんだよ。川下町は。ボクシングの、【マークタイソン】や、日本作家🇯🇵の、【中上健次】が、実際に、産まれた、部落地帯では、ないんだけどさ、ギリ、川下町は、俺のなかでは、完全に、【げんかいしゅうりゃく】な、わけよ。
でさ、その、川下町、実はさ、占い師やら、霊的能力、与えられた、人間たちが、たくさん、集められた、つまり、天の、主に、選ばれし者たち、つまりは、ウォーリアの、集まり、な、わけよ。川下町は。でさ、健一、いずれ、福岡、住むことに、なると、思うよ。それも、早良区の、建築関係かなんかの、したっぱの、職につき、したっぱ職人やりながら、俺と、ヒッピー生活、はじめるから。いや、これ実はさ、俺の、少しまえまで、よく、食べに、行った、小麦屋、ラーメンやら、広島お好み焼きを、店で、出してる、個人経営してる、LGBTの、元ヤン、走り屋、戦闘能力、激高い、大将さんが、経営してる、店、なんだよ。
でさ、ここから、本題に、入るとさ、その、大将さんの、幼なじみの、友人から、直接、聞いた、話し、なんだよ。早良区の、工場かなんかで、 
浅井健一は、働かれてます、ました?
どっちか、完全に、記憶から、消えてるけど、
そう、その人はさ、その、小麦屋の、元ヤン大将、暴走族、走り屋の、幼なじみの、友達であり、部下でもあるんだよ。2人の、関係性を、横耳で、ずっと、聞いてると、わかったんだよ。でさ、その、大将の、幼なじみ友達兼、部下でもある、その、それなりに、金を、持ってる、大将の、客友達からさ、たまたま、俺、聞いたんだよ。でさ、その人、個人経営で、ガーデニング、植木職人の、会社を、営まれてる、わけだよ。見た、感じ、その人の会社、それなりに、儲かってる、みたいだよ。つまり、次郎丸の、小麦屋の、大将の、幼なじみの、常連友人から、聞いた、はなし、何だよ。で、一回目に、その話しを、聞いたときはさ、純粋に、そのこと、信じたわけだよ。俺👀👌
でもさ、そのことに、対して、とても、興味が、湧いてたからさ、俺は、もっと、細かく、聞かなかったことを、後悔してた、矢先にさ、そう、また、別の日に、その、小麦屋に、俺が、酒飲みに、入ったらさ、偶然にも、また、その、大将の、友達が、カウンターで、焼酎水割りで、飲んでたんだよ。
それでさ、これは、チャンスと、思ったんだよ。
その、健一が、早良区に、いずれ来ることを、期待して、そう、俺から、また、その話しに、持っていった、わけだよ。そしたらさ、その人の、リアクションはさ、「あれ?私、前回、そんなことまで、口に、してたんですね、」と、少し、照れた様子で、また、話してくれたんだよ。で、彼、音楽通でさ、そう、珍しく、ブランキージェットシティのことを、知ってた、わけよ。そんで、そのボーカルが、浅井健一であることも、彼、知ってた、わけだよ。だからさ、つまり、これは、人違い、その人の、勘違い、では、ない、話し、な、わけよ
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f1atblr · 4 years
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Amazonで「鬼滅の刃」のコミックを買ってしまったのに、どうしても読み始める気になれない。 人生 pato2020/12/21 3.9万 メルマガ登録facebookページ 「鬼滅の刃」が絶好調だ。 あえて説明する必要もないが、劇場版の興行収入がえらいことになっていたり、単行本の売り上げがドえらいことになっていたり、最終巻を求めて長蛇の列ができたり、めちゃくちゃ転売されたり、わけわからんコラボグッズが出たり、とんでもない状況だ。 見ると、町ゆく子どもたちのマスクまでどこかで見たような柄のものになっている。 これはもう社会現象と言っても過言ではないのだろう。 この「鬼滅の刃」はすごい。 たぶんどえらい作品だ。 そんなもの詳しくなくても分かる。 ただ、「たぶん」と表現しているのは、実はまだ観たことがないからだ。 そう、僕はこの作品に全く触れていないのだ。 原作も見てなければアニメも見ていない。もちろん劇場版も見るつもりはない。 やはり、たとえ末端といえども文章を書いたりして表現活動をしている者として、こういった作品は必ず抑えておく必要がある。 社会現象は多くの人に暗黙のうちに共有される事象であり、それをもとに表現をしていくことは基本中の基本だからだ。 そういった意味で必ず読まねばならない作品なので、単行本を全巻、近所のヴィレッジヴァンガードで購入した。 最終巻もつい先日、Amazonから届いた。 それらは威風堂々と本棚に並んでいる。 だからいつでも読める状態ではあるのだ。ただ、それでも僕は読まない。 様々なメディアから嫌でも流れてくる「鬼滅の刃」の情報は、この漫画が確実に面白いことを物語っている。 おそらく、読めばはまる。めちゃくちゃはまる。泣く。グッズ買う、コラボグッズも買う、劇場にも何度も足を運ぶ、「ストロングゼロの呼吸」とか言い出す。 それくらいドはまり間違いなしだ。それはわかりきっている。けれども、どうしても読み始める気がしないのだ。 「新しいものはしんどくてなあ、おっちゃんはもうこれだけだよ」 鬼滅の刃と対峙すると、あの時、そう言ったおっさんの言葉が思い出されるのだ。 あれは小学生の頃だった。 ちょうど、鬼滅の刃に夢中になっている現代の小学生と同じように、僕たちはビックリマンチョコに夢中だった。 シールだけ入手してチョコを捨てる子どもが続出し、社会問題になった時期だったと思う。 当時、うちの母親はアル中だった。 学校を終えて家に帰ると、彼女はだいたい飲んだくれて眠っていた。 彼女はちゃんとしているときとアル中状態な時の落差が激しく、普段は元気でちゃきちゃきしているのに、いったん闇の領域に足を踏み入れるとそれが長く、そして重かった。 いま思うとなかなかにひでー家庭環境だなと感じるけれども、当時の僕はそれが普通だと思っていた。 ただただ、今日の夕飯はどうなるんだろう、弟にも食べさせないと、また父親が帰ってきて夫婦喧嘩になったら嫌だな、ということだけを考えていた。 ある日のことだった。 いつものように学校から帰ると、やはり母親は飲んだくれて眠っていた。 昼間だというのに居間は暗く、酒の匂いに満たされていた。 いつもなら、やはり同じように夕飯の心配をして、僕と弟が夜に食べるものあるかなと冷蔵庫を開けるのだけど、その日は少し様子が違った。 台所をゴソゴソしていると、母親がやってきたのだ。 酒の匂いをプンプンさせて亡霊のような佇まいでやってきた。 足元はおぼつかず、あまり呂律もまわっていないようだ。 当時はそういうものだと思っていたが、大人になってやっとわかる。 相当の量を飲んでいないかぎりこうはならない。 「ごめんね、ごめんね」 母は泣きながらそう言った。 そして、ボロボロになった財布からこれまたしわくちゃの千円札を数枚取り出して言った。 「これでお酒を買ってきてほしい」 一線を越えたな、子ども心にそう思った。 これまではどんなに追い込まれても自分で準備した酒を飲んでいたようだった。 バレバレだったが、隠れて飲んでいるという体裁だけは保っていたのだ。 それが、ついに子どもに酒を買いに行かせるまでになったのだ。 彼女もまた相当に追い込まれていると感じたし、確実に何かを踏み越えて未知の領域へと入り込んだと感じた。 彼女は彼女で苦しかったんだと思う。 「いいよ、買ってきてやる。なんてやつ買えばいい?」 僕は彼女のことをかわいそうに思った。 だから、千円札を受け取り承諾した。 そして彼女は申し訳なさそうに付け加えた。 「鬼ごろしってやつを買ってきてほしい。1.8リットルのパックのやつ」 日本酒だったか焼酎だったか忘れてしまったが、当時は「鬼ごろし」という比較的安価な酒が売られており、彼女はその鬼ごろしのヘビーユーザーだった。 生まれ育った町は漁師町で、飲んだくれの多い風土だったけど、その飲んだくれたち御用達しの酒、それが「鬼ごろし」だった。 たしか緑と白のパッケージに何体かの鬼が水墨画みたいに描かれていたように思う。 そして相撲取りみたいなフォントでドーンと「鬼ごろし」とかかれていた。 それを買ってきてくれとのことだった。 千円札を握りしめて小走りに酒屋へと向かう。 なんだかすごく胸が痛かった。 正体不明に胸が痛かったのを今でも思い出す。 家から少し離れた場所に、駄菓子とちょっとした日用品を売っている商店と酒屋を合体させた店があり、この辺で酒を買うとなるとそこしかなかった。 正直なところ、あまり行きたくない場所だ。 店の前では、駄菓子屋パートの入口のところで同級生たちがビックリマンチョコに興じており、やれ、お守りシールがどうとか、箱の左側列の後ろから4番目にヘッドシールが入っている確率が高い、などと大騒ぎしていた。 「ビックリマン、入荷したらしいぞ! ひとり3個まで!」 僕の姿を認めた同級生が声をあげる。 当時はあまりにビックリマン人気が高すぎて、入荷すると大騒ぎになったし、個数制限が設けられていることがほとんどだった。 僕らにとって、あの40個だかのビックリマンチョコが敷き詰められた箱は煌びやかな宝石箱に近かった。 いつかは箱買い、そんな夢を抱いていたように思う。 「いや、買わないんだ」 それどころではないので、同級生の誘いを断る。 ビックリマンではなく鬼殺しを買わなければならないのだ。 彼らのことを無邪気だと思った。 親のことも夕飯のことも弟のことも、なにも心配せずビックリマンに興じることができる彼らを羨ましいとさえ思った。 お前らは親に頼まれて鬼ごろしを買いにきたりしないんだろうな、そう思うと無性に羨ましかった。 駄菓子屋パートの入口を通り抜け、酒屋パートの入口に向かう。 ガラガラと立て付けの悪い引き戸を開けると、思った以上に大きな音がした。 その音を合図に、中にいた大人が一斉にこちらを見た。 この酒屋は、角打ちという形態をとっていた。 今で言うところの酒のイートインみたいなシステムだ。 酒屋なので酒を売っているのだけど、ちょっとしたカウンターが備えられていて、買った酒をその場で飲めるようになっていたのだ。 はやい話、酒屋と立ち飲み屋が合体したスタイルだ。 前述したように、生まれ育った街は漁師町で、朝の仕事を終えた漁業関係の人が昼間っからこの角打ちで飲んだくれていた。 おまけに、酒屋の店主がなかなかセクシーなマダムだったので、多くのおっさんがそのマダム目当てに通っていた。 僕らが店の周辺で遊んでいると、この酔っ払いたちが絡んできて冷やかしたり、怒鳴ったり、立ちションしたり、あまりいいものではなかったのでこの酒屋パートにはあまり近づきたくはなかった。 ただ、今日は違う。 鬼ごろしを買うために入らねばならないのだ。 「おやおや、お酒ですかな? まだ早いぞー」 南海ホークスの帽子をかぶったおっさんが冷やかすように声をかけてきた。 これだからこの場所は嫌いなのだ。 同時に周囲の大人たちがドッと涌き、からかうように笑った。 「おれは中学から飲んでたぜ」 「本町の沢田は小6かららしい」 「あいつは嘘つきだ」 そんな、田舎町のくだらない大人にありがちな謎のマウント合戦が繰り広げられた。 「鬼ごろしをください!」 そんなおっさんどもは無視をして、カウンターの奥でクソ細長い魔女みたいなタバコをふかしているマダム店主に注文した。 「お、鬼ごろしか!」 「あれはいい酒だぞ」 「俺の血液は鬼ごろしでできている!」 また、やいのやいのと冷やかし、囃し立てるおっさんたち。 特に南海ホークスのおっさんはひどくて、歌舞伎っぽい独自の鬼ごろしポーズを「鬼ごろし!」と叫びながらコミカルに決めて見せた。 また、ドッと店内が湧いた。 「1.8リットルのパックにやつください。いくらですか?」 おっさんどもを無視してマダム店主に詰め寄る。 マダムは酒の棚からそっと位牌でも取り扱うような手つきで1.8リットルパックの鬼殺しを手にした。 「おつかいかなー? お父ちゃんが夜に飲むお酒かなー?」 南海ホークスが囃し立てる。 僕はキッと睨みつけて言い放った。 「違います。お母さんのやつです。もうお酒を飲まないと何もできないみたいなので」 僕の言葉に、店内の時が停まった。 あれだけ囃し立てる笑い声が、凪のように止まったのだ。 「お母ちゃんが……?」 南海ホークスが急に真剣な顔つきになった。 かなり深刻な空気が流れた。 それから、ご飯はどうしてるだとか、それ以外の家事はどうしてるだとか、そんなありきたりな質問が続いた。 「絶対にダメだ、そんなのダメだ。おい、売らないでくれ」 南海ホークスがマダムにそう告げる。 面倒なことになった。いいから売ってくれよと思った。 現代では、たとえお使いであっても子どもに酒を売ってくれることはない。 けれども当時は当たり前のことで、子どもがお使いで酒を買うなんてそう珍しいことではなかった。 だから急に深刻なトーンになってしまったことに戸惑いを隠せなかった。 「いいから売ってくださいよ、鬼ごろし」 そう懇願するが、南海ホークスは引き下がらない。 ゆっくりと首を横に振った。 「ダメだ」 確固たる信念みたいなものを感じる勢いだった。 そもそも売る売らないは店主であるマダムの権限で、南海ホークスはただの客だ。 なんの権限もないのだが、それでも絶対に売らないという鬼気迫るものを感じ���。 雰囲気からなんとなく他の客や南海ホークスが言いたいことが分か���た。 おそらく、母ちゃんがアル中気味であることが良くない、と言いたいのだ。 家庭をほっぽり出し、子どもをほっぽりだし、潰れている、そんなやつに売ってはいけない、みたいなことを言いたいのだと思う。 けれども、家庭をほっぽり出して酒に飲まれているのは、昼間から飲んでいるここの面々だって同じだし、彼女だけが酒に飲まれてはいけないなんて理由はない。 みんな等しく苦しいし、酒に逃げたく思うのかもしれない。 この世で母親だけがそうなってはいけないなんて理由はないはずだ。 母親だって苦しいのだ。 「鬼ごろし売ってください。母さんだって苦しいんです」 母親がそうなるのは良くない、みたいなありきたりのセリフを言��れる前に先回りしてそう告げた。 何が良いのか、何が悪いのか、わからない。 ただ、彼女のために鬼ごろしを買わねばならなかった。 南海ホークスは首を横に振った。そしてゆっくりと口を開いた。 「いいか、酒に飲まれて潰れる、それが良くないことなんてここにいるみんな分かってる。だから俺たちがお前のお母さんにとやかく言うつもりも資格もねえよ。みんな酒に飲まれたい。苦しいからな。ただな、お前が買っちゃならねえ」 南海ホークスは真っすぐと射抜くような視線をこちらに向けていた。 「お前が買うとな、大きくなった時、自分も加担したって後悔するんだ。これからお前の母ちゃんがもっと酷くなるかもしれない、病気になるかもしれない、取り返しのつかないことになるかもしれない。その時に、あの時、酒を買って加担したのは自分だって後悔する」 その言葉は、なんだかずっと感じていた違和感みたいなものの答えだったようだった。 僕は、ただただ泣いた。 ダムが決壊したかのように、声を押し殺してずっとずっと泣いていた。 何を思っていたのだろか母が可哀想だったのだろうか、自分が可哀想だったのだろうか。いまとなってはよく分からない。 結局、鬼ごろしは売ってもらえなかった。 ただ、南海ホークスをはじめとする面々が、依存になりにくく、それでも満足する酒を選ぼうとということになった。 ビールがいいだとか、酎ハイみたいなものがいいだとか、そんなことを真剣に話し合っていたと思う。 とにかく、鬼ごろしは良くない、あれは鬼を殺すのではなく鬼を作る酒だ、そう言っていた気がする。 もちろん、選ぶのもおっさんたち、金を出すのもおっさんたち、お前が加担したことにはならない、そういってビニール袋を渡された。 「これを飲ませれば大丈夫だ」 おっさんたちは本当に真剣に相談していた。 負担なく、依存なく、それでいて満足いくもの、たぶん、弱めの酒を選んでくれたんだと思う。 母は鬼だったのかもしれない。 でも、これを飲めばいつかきっと良くなるはず。 この酒は鬼を倒すためのものだ。 そう信じ、ビニール袋を抱えて来た時よりも足早に家へと向かった。 居間にはまだ酒の匂いが充満しており、闇のように真っ暗だった。 3枚くらいの布団がぐちゃぐちゃに折り重なったその奥に、鬼がいた。 「これ、いいらしいから飲みな」 そう言って渡す。 おっさんたちが選んでくれたのはビンだった。すこしボテッとしたビン、暗すぎてラベルは見えない。 「ごめんね、ごめんね」 母はそう言って蓋を開け、一気にかっこむ。 よほど飲みたかったらしい。 「いいから、いいから」 そう言った瞬間だった。 ブホーーーーー! 母は、ちょっとノリの良いマーライオンみたいに口に入れたものを吐き出した。 グレートムタの毒霧のように吐き出した。 なんだなんだ、あいつら毒でも盛りやがったか。 そう思い、急いでビンのラベルを見る。 そこには衝撃的な文字列が並んでいた。 「めんつゆ」 酒ですらねえ。めんのつゆじゃねえか。 あいつらなに考えてるんだ。「めんつゆ」じゃねえか。 僕の記憶が確かならヤマキの「めんつゆ」だったと思う。 どうやらビールはダメだ、思ったよりアルコールが強いだとか、ああでもないこうでもないと議論するうちに迷走してしまい、最終的に「めんつゆ」になったようだった。 悪いことに、酒屋は日用品を売る商店と繋がっていたため、「めんつゆ」の在庫もあった。しっかりあった。 不思議なことに、あのあと、母は闇の領域に足を踏み入れることが減った。 そして、いつのまにか酒なんかとんでもないみたいな状態になっていた。 もしかしたら「めんつゆ」が効いたのかもしれない。 鬼ごろしではなく「めんつゆ」こそが鬼を殺す刃だったのかもしれない。 ストロングゼロが入ったグラスを傾けながら思い出す。 こうしておっさんになり、眠る前にストロングゼロを飲むようになってよく分かる。 苦しかった母も、南海ホークスも、あの時の僕も、みんなのことがよく理解できる。 それでも「めんつゆ」を選んだ経緯だけはちょっと理解できない。 あのあと、公園で遊んでいると、南海ホークスが箱を持ってきてくれたんだった。 「ほらよ、子どもはこういうのを買いに来るもんだ」 そういって、ビックリマンチョコを箱ごとくれた。 夢にまで見た宝石箱だ。 入荷してきたやつをマダムに頼み込んで一箱ゆずってもらったらしい。 満を持して、左の列の後ろから4番目のチョコを開封する。 キラキラのヘッドシールだった。 狂喜乱舞する僕に南海ホークスは言った。 「好きという気持ちはいいことだ大切にするといい」 その時の僕にはその意味が分からなかった。 本当に一箱まるまるビックリマンチョコが貰えることが信じられなかった僕は、妙に遠慮してしまい、半分はおっちゃんが持って帰って開けてくれと言った。 おっちゃんもビックリマン集めようよと提案したのだ。 僕の提案に対し、南海ホークスはチョップのように右手を前にだし小刻みに左右に振った。 「もう新しいものはしんどくてなあ、おっちゃんはもうこれだけだよ」 そう言って酒を飲む仕草を見せた。 その時から今に至るまであの時の南海ホークスの言葉の意味が分からなかった。 ただ、同じくらいの年齢になり、空前のブームである「鬼滅の刃」に対峙してやっとわかった。 そう、新しいものはしんどいのだ。 人でもモノでも、何かを好きになり、のめりこんで夢中になっていくことは幸福なことだ。 けれども、同時にそれらは色々なものを消費する。 気力だったり、体力だったり、経済力だったり、様々だ。 何度かそれらを繰り返してきた人のいくらかは、それ以上の摩耗に耐えられない瞬間がやってくる。 新しいものが受け入れられなくなってしまう。 それを老化と言ってしまえばそれまでだが、おそらくは防衛本能なのだろう。 みんな、何かを好きになり、何かに夢中になり、なにかに摩耗し、何かに失望し、何かに傷つけられてきた。 のめりこむことに対して待ち受ける結末は幸福でないことがままある。 それらを知った時、自分を守ろうとするのではないだろうか。 これ以上はきつい。そう思うのだ。 あの時、母は鬼だったのだろうか。 母も何かから自分を守ろうとしたのかもしれない。 摩耗の果てがそうだったのかもしれない。 ただ、そこで逃げる先がお酒だったのは少し可哀想なことだ。 「鬼滅の刃」に対峙した僕は、その気持ちがなんだかよくわかる。 きっと摩耗するのだ。 だから読むのを躊躇してしまう。 好きになるのが分かりきっていて、もうあまり何かを好きになりたくないから。 「でもまあ、まだ酒に逃げるのは早いよな」 でも、僕はまだまだ大丈夫だ。 まだまだ何かを好きになる余地がある。 母のこと、南海ホークスのこと、あの日の自分、めんつゆ、それらを思い出しながらストロングゼロを飲み「鬼滅の刃 1巻」を手に取る。 ストロングゼロの呼吸! そう叫びながらページをめくる。 なにかを好きになることの大切さを噛み締めながら。
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rsaeki0 · 4 years
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歌舞伎町でもの凄くボラれた
人生初めてぼったくり、というものに遭遇した。被害額は相当に大きい。
火曜日深夜1時、電車を逃してしまい半ベロで宿でも取ろうと歩いていたらマッサージの客引き(しつこいアジア系女)に捕まる→別の店のオカマのママのアドバイスを貰い、その場を切り抜ける→ラーメンを食った後ママと再会、「さっきはありがとうございました」となり「3000円で飲み放題だから、ウチで飲んで来なさいよ」となり、(寝る前に2,3杯飲むか)となった。
そしてそこでクソ程にボラれた。
朝10時、丸ノ内線にて会社からの電話で目が覚めた。一旦家に帰り、体調不良ということで休ませてもらった。
お店の中での詳細は、全てが初めての経験ではあったものの自分がバカすぎて恥ずかしくて言えない。今回得た気付き、学びをここに羅列させて頂きたい。
・女の子にチヤホヤされると喜んでしまう、断れなくなってしまう情けなさが自分にはめちゃめちゃあるということ
・40分3000円など、そういった料金体系の店は信用してはならないということ
・「遊びに不慣れなお人好し」こそ絶好のカモであるということ
・いくら社会人1年目で金が無いと言っても容赦など全くしてくれないということ
・ここまで悪意のある店がその辺りにザラに存在するということ
・悪意のある人間(店のママ)はお金の受取りが粗雑(こちらが財布から出した札をバッ!と奪う感じ)であるということ
・金を払っているのはこちらなのに、なんで俺が場の空気を読んで行動する必要があったのかということ
・疑問点を感じてもその疑問を封じ込めてしまい、「こんなものなのか」「そういう感じ、世界なのね」とわからないまま納得してしまう癖があるということ
・「○○円で〜す」「高っ!でもそんな相場なのかな…」ではなくその場をしっかり疑うクセが必要であったということ
・たまにはゴネてもいいのではないかということ
・でもヒドい酔いは俺から元々無い思考能力を更に奪うということ
・「男らしいとこ見せて〜」と頼んでもないのに焼酎水割りをゴボゴボ物理的に飲ませてくる、飲めなくてゴホゴホ言うと「全然飲んでないじゃ〜ん」と言ってくる奴をその場で敵と瞬時に判断しなければならなかったこと
・「明日会社に行けなくなる!」って言ってもっと飲ませてくる店は店じゃないということ
・「店」というより「敵」といったほうがしっくりくる店もあるんだということ
・本当にそんな悪意が世界には存在しているということ
・一人飲みが趣味ではあったが、今までこんな店に出会ったことがなかったというのが如何に幸運だったかということ
・詐欺は渦中にいると本当にわからないということ
・学生時代の余裕のなさから「セコすぎ」「金に汚い」と人に言われ続け、今そのコンプレックスから「払わない」という選択が出来なくなってしまっているということ
・汗水かいて働いた結晶である「○○万円」の価値がわからなくなってしまうこともあるということ
・社会人になって半年、ATMに行ってまでお金を払ってしまったということは以前より多大に金銭的余裕を感じ、○万円の価値が自分の中でだいぶ軽くなってしまっているということ
・そこを付け込まれているということ
・しかしこんなカモを相手に商売してしまったら、店的にそれ以後ぼったくらない理由が無くなってしまったんだろうなということ
・自分がアホ過ぎたので出来ることが泣き寝入りしかないということ
・自分が認識の数億倍情けない人間であるということ
・飲み過ぎで会社を欠勤なんて、大人として許されないこと
・平日に夜中まで飲むもんじゃないということ
・まさに「学生気分」であったということ
・ライフワークバランスを酒で補おうとしている部分が大きくあったということ
・社会人になってからの生活(部屋、勤務中のストレス、健康状態)の乱れがここに来てピークに差し掛かっているということ
・こうして信用、金、健康状態、全てを失ってしまうことも有るということ
・こうしてアウトプットしとかないとこのしんどさを忘れてしまうかもしれないということ
・40分3000円など、そういった料金体系の店は絶対に信用してはならないということ
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yiyishi · 4 years
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漫ろに、積み重なっていくもの
 「『漫(すずろ)』って名前はね、伊勢物語の『むかし、男、陸奥の国に漫ろに(すずろに)ゆきいたりにけり』から取ってるのよ。『なんとなく、気の向くままに』って意味よね。そういう風にふら~っとうちのお店にも入ってきてほしいと思って、付けたのよ。」
  
 東京は新宿区、大正時代は芸者街、明治時代は文人街として知られた街の裏手のまた裏手に、「漫」(すずろ)はある。82歳になる肝っ玉江戸っ子おかあさんが一人でやっている、カウンター7席ばかりの小さな飲み屋だ。
  
 漫はわたしの家から最も近いお店の一つで、うちからも歩いて3分くらい。しかしこの街に住みはじめて8年、わたしはつい3ヶ月前まで、漫に足を踏み入れたことがなかった。通る度に「いい名前だな~入ってみたいな~」と思っていたのだが、隙間から覗き見てもカウンター席しかないのはわかっていたので、一見さんとしてはちょっと入りづらい。「まぁそのうち・・・」と思っている内に、月日は流れた。
  
 だが昨年のとある秋の日、ふと漫に行ってみようと思い立った。この時期はコロナが少し落ち着いていたとはいえ、以前のように頻繁には遠方に出向かなくなった2020年。家と拠点、近所のカフェという半径1.5km圏内で大抵のことが事足りる生活に変わり、だから一層、近所のお店に対する思い入れも以前と少し変わったのかもしれない。そんな背景もあって、8年の帳を破って(?)、ついにわたしは漫に赴いたわけである。
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 お店ののれんの前でちょっと一呼吸置いてからガラッと引き戸を開けると、カウンターの奥の席に、おばあちゃんが一人で座ってテレビを観ている。 「こんばんは~」とそぞろに言うわたしの声でおばあちゃんは振り返って、「いらっしゃい」と張りある声で招き入れてくれると、こちらに向かって歩いてきた。わたしと入れ違いに一度外に出て、わたしが入ってきた扉の隣の扉から再び入ると、カウンターの向こう側に立った。お店は細長い形で、出入り口は一つしかないのである。
  
 「お嬢、初めてよね?」とおばあちゃんに言われた瞬間、わたしは「お嬢」と呼ぶそのカラッとした威勢の良さに、一発で心を打ち落とされてしまった。 お嬢と呼ばれれば気分は美空ひばり、その響きに時代の奥行きを感じたりもして、ホクホクする。 「そうなんです、近所に住んでて、すごい素敵な名前で前から気になってたので、今日ついに来てみようと思って」と言うと、おかあさん ―そのカラッとした威勢の良さは、82歳と言えどまだまだ「おばあちゃん」ではない。わたしは親しみを込めて「おかあさん」と呼んでいる― は、冒頭のお店の名前の由来を話してくれたのである。  
 まさしくわたしはおかあさんの願い通り、「漫ろに」、漫に足を踏み入れた一人になったわけだ。それから、特に忙しくなければ週に1回くらい、忙しい時は、仕事が落ち着いたその日か次の日には、おかあさんへの挨拶も兼ねて漫に足を運んでいる。
  
 漫はわたしにとってお店というより、「おばあちゃん家(ち)」という感じだ。お店に決まったメニューはなく、おかあさんが買い出しに行った先で見初めた食材や気分で、その日のメニューが決まる。それも、こちらが選んで注文するのではなく、おかあさんが作ってはどんどん出してくれる方式。 だからわたしは、「今日は何が出るんだろう?」とワクワクしながら待つことになる。お腹を空かせながら、今日の夕飯は何だろう?と待ちわびるこの感覚―まるで実家、あるいはまさに、おばあちゃん家ではないか。
 
 おかあさんは「あたし、和食しか作れないからさ」と言って、煮込みやおでん、胡麻和えなどの家庭料理を出してくれる。野菜が多いので、不摂生なわたしにとっては、おばあちゃん家に栄養あるご飯を食べに行くような気分になる(というか、実際そうなりつつあるのだが)。 食材は、買い出し先のスーパーなどでなるべく質のいい野菜などを仕入れる。刺し身や焼売、餃子などは、出来合いのものを買ってくる。こういう良い意味での拘泥のなさも、まさにおばあちゃんが日々の料理を作っている感じだ。
 お酒は、カウンターの後ろの棚に、ウィスキーや焼酎などの瓶がたくさん置かれている。そこから好きなものを勝手に取っていって飲む方式だ。おかあさんが漬けたゆず酒やあんず酒などもある。
 素朴な手作りと既製品の絶妙なバランス―これもまた、まるで実家、あるいはまさに、おばあちゃん家ではないか。
  
 おかあさんは、ご飯を残すのは許さない。なので帰り際、お腹いっぱいになって食べきれなかった料理は、持ち帰らせてもらう。タッパーに余裕があるのを見ると、「もっと持っていきなよ」と言って、ポテサラなどを詰めてくれる。わたしはそれを次の日のお昼ご飯に食べる。
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(↑とある日のメニューの一部。「今日は大きい良いマッシュルームがあったから」と言って作ってく��たのが、右下の料理。右上は、「山椒効いてるわよ~」という麻婆豆腐。和食以外も全然イケるやん、おかあさん!)
  
 食べつつ呑みつつ、おかあさんと世間話などもする。「コロナ困っちゃうよね~」とか、「オリンピックどうするんだろうね~」とか。 お店に行くのが久しぶりになると、「あら久しぶり。仕事忙しかったんでしょ?良いことじゃない、有り難いことだよ」と言ってくれる。 流れっぱなしになっているテレビを観ながら、「このお店美味しそうだね」とか、クイズ番組の問題に一緒に答えたりなどもする。
 とある金曜の夜には、21時からの金曜ロードショーを一緒に観た。ちょうどハリーポッターだったか、ファンタスティック・ビーストだったかが放映されていて、その時一人で来ていた常連さんのおじいちゃんと3人で一緒に観たのだ。その図は傍から見れば、まさにおじいちゃん、おばあちゃん、孫、だったかもしれない。ちょびちょび呑んだりつまみながら、なんとなくテレビを観ていると、おばあちゃん家の居間にいるような感覚に陥る。
  
 もっと若い時分、わたしは「人といかに深い話をできるか」がすごく大事なことだと思っていた。そういうまとまった対話の時間を経てこそ、人と親密になれると思っていた。もちろん今も、そういう関係性や時間を素晴らしいと思っている。しかし少し歳を重ねてきて、断片的だったり、 一見 何気ない大したことのない話題からでも、垣間見えるその人の深みや、共有できる親密さがあるのだ、とも感じるようになってきた。
  
 漫のおかあさんにも、勝手ながらそういう感覚を抱いている。おかあさんの子どもの頃の疎開の話や、以前やっていたカラオケスナックの話なども時々聞くけれど、それらはちゃんと話そうと思えば膨大になり、いつだって断片的にならざるを得ない。
 しかし、それでいいよな、と最近思う。おかあさんの口からふと出る重厚な言葉、他のお客さんと一緒になった時の絶妙な気遣い、お客さんからもらうお土産やアルバムなどから、おかあさんという存在の愛と深みの一片に、触れられる。その一片だけでも、すでにとても尊いものなのだ。
  
 思えばわたしは祖父母や両親とも、こういう接し方をしてきたように思う。彼ら彼女らとまとまって深い話をしたことは、一度もない。しかし大小様々な出来事があり、その中で交わしてきた会話から、彼ら彼女らのそのような断片に接してきた。まだまだ彼ら彼女らの全体像を掴めているわけではなく ―そして彼ら彼女らのうち、わたしがその全体像を掴めずにこの世を去った人もいるし、そういう存在はこれから増えていくのだが― 、いずれにせよどんなに近しい間柄だとしても、人間一人という深遠な全体像を他人が掴むことなんて、所詮かなわないのだろう。
 それでも日々絶え間なく生じる出来事の中で、一からわかりやすく順序を重ねていくわけでもなく、あっちに行ったりこっちに行ったりして会話や時間を重ね、関係を築きながら、 「漫ろに」 できあがっていく形があり、見えてくる物語がある。それが多少ないびつな形だとしても、いいではないか。それが、他でもない自分と、他でもない相手との間だからできる唯一無二の形であり、自分にとって、あるいは相手にとって、“ふるさと”に近い場所になっていくかもしれないのだから。
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(↑料理をするおかあさん。調味料や道具などでごちゃごちゃしたキッチンも、もはやおばあちゃん家感が半端ない)
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malaycurry · 4 years
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京都のおいし~お店紹介
そろそろ京都のおいし~ご飯屋さんの情報を残しておかないと勿体ないと思ったのでここに残していきます。写真は用意するのが面倒臭かったので代わりにGoogle MapのURL載せておきます。各自飛んで情報をご確認下さい。紹介するお店は京都に住む学生の日常として過ごすならなではなお店ばかりですので、京都らしい湯葉とか懐石のお店とかはないです。京都来たのに一回も食べれてない。たべて~!
 庶民 立ち飲み にんにく丸揚げ・さつま揚げ・刺身3種盛
京都で一番安くて美味しいお店はどこかと聞かれたら、まずはこのお店を紹介するようにしています。とにかく安い!!生ビール(250YEN)。芋焼酎(200YEN)。この二つだけでも既に最強のお店って感じがしますが。庶民の本当に凄いところは、肴も安いところです。絶対に頼んだ方が良いのは、ニンニクの丸揚げ(100YEN)、さつま揚げ(150YEN)、刺身の三種盛(500YEN)この三種盛は必ずしめ鯖が入っているのですが、個人的には抜いて別のお魚を入れてもらった方がお勧めです。庶民は本当に混んでいるお店なので、ナイジェリアの市場ぐらい人でパンパンです。灰皿は頼まないと出てこないので気を付けてください。喜劇の上回生で後輩に奢りたいけど、お金が……という人はここで奢れば無問題です。3人でたらふく食って飲んで3000円行くことはまあないです。ただお店の狭さと立ち飲みであることを踏まえると3人ぐらいが限界の人数だと思います。先輩後輩だと3人ぐらいの飲み会が一番楽しくない?俺はそう思うぞ。この庶民の辺りは大宮という飲み屋街なので、ここを一軒目にして、そっから遊び狂うのが正解だと思っています。銭湯もあるので飲んでから銭湯行くも良し、風呂使ってから飲むも良しです。未だにどちらが正しいのかがよく分かんないままだけど。
 https://goo.gl/maps/ec3VGC5BYK3GLPkMA
 バール・カフェ・ジーニョ 喫茶店 コーヒー・サンドイッチ
個人的な思い出がいっぱいのお店です。今住んでいる家はこのお店があるから近くに住みたいという理由で決めました。それぐらいこのお店の居心地は良かったんです。サンドイッチ200円、コーヒー200円なのに、京都で一番美味しいコーヒーとボリュームのあるサンドイッチを出してくれます。ブラジルの国旗がお店の前に掲げてあるので、僕は「ブラジル」と呼んでいましたが本当の名前は全然違うし、かっこよかったです。申し訳ないです。昔はタバコが吸えて、授業の合間にこのお店で涼んでゆっくりしてからまた大学に戻るというのを繰り返していました。タバコが吸えなくなって久しいですが、それでもここを訪れる価値はあると思います。
 https://goo.gl/maps/fkqrKJPBKhwdLNYL9
 村屋 居酒屋 酒盗クリームチーズ 日本酒
昔は少し駅から遠くにあって、古い木の建物とネオンが異質の雰囲気を放っていた店でしたが、ある日突然の閉店がアナウンスされ、絶望していました。しばらくして後輩のユヅキと一緒に銭湯の脱衣所で「村屋無くなって寂しいなあ、あのお店の代わりは見つからないよ~」と喪失感を共有していたら、「あるよ。村屋復活するよ」と知らないおじさんから急に情報が与えられ、おじさんの言う通りに村屋は場所を変え復活しました。
京阪出町柳駅から徒歩一分、後輩のオダギの家からは徒歩30秒の場所に復活した村屋は、記憶と違わない怪しいネオンを光らせています。お勧めはその日のメニューの中から味の濃そうなおつまみと酒盗クリームチーズ(300YEN)を頼んで、焼酎(350YEN~)日本酒(400YEN~)泡盛(300YEN~)を注文し、酒盗クリームチーズを箸の先っちょに乗せ、箸までねぶってから酒を入れることです。これさえあればあとはどうでもいいと思わせてくれる、そんな味です。現在もタバコが吸える店且つ夜が明けるまでお店を開けていることが多いので、呑んでいい気分のまま朝焼けの鴨川デルタに突撃するのもハチャメチャに楽しいですよ。眠たくなったらオタギが優しく泊めてくれる立地ですのでぶっ倒れるまで飲んでいただいても大丈夫です。
 https://goo.gl/maps/pEDQSEY3wokFeiAy7
 イルカ喫茶バー カクテル
バイト先の京都造形大に通っていた人から紹介してもらったのがこのバー、閑静な住宅街の中にありながら、かなり本格的で多様なカクテルを飲むことができます。値段も財布に優しく、カクテルは基本的に300円から、スナックは200円くらいからだったと思います。チャージの概念はもちろんないので、京都で初めてバーに行きたいと思ったら、このお店は三条四条のお店より落ち着いていて、メニューにカクテルの詳細が載っていますし、結果的に満足できると思います。昔は吸えましたが、時代の流れということでダメになりました寂しいですね。
 https://goo.gl/maps/6VsvjtBEDAgJ8yPs9
 かふぇじーの 喫茶店 ポットコーヒー
大徳寺の近くにあるジャズ喫茶です。窓からの景色がいいのと500円のポットで頼むとコーヒーが二杯飲める量が来るので、長居に向いています。本が雑多に置いてあるので適当に読むも良し。マスターは気さくに対応してくれるので、空いてたらカウンター側に座るのも良しです。かなり中心部から離れているので、時間があるときに訪れてみると良いと思います。昔は吸えましたが今はもうダメです。残念!しゃあない!
 https://goo.gl/maps/MKBoNYyTeNbnbzcv9
 丸二食堂 定食屋 焼きめし
「炒飯」と「焼きめし」は確実な断絶があり、一度「炒飯」を作れるようになってしまうと、二度とお袋が作ってくれる「「焼きめし」」は作れなくなってしまう。
というのが僕の好きな漫画である「がらくたストリート」の中で語られていました。実際に中華屋で頼む炒飯と定食屋で頼む焼きめしは不思議と違いがあると皆さん感じますよね?僕は感じます。僕はその断絶はパラパラかベチャベチャかでその違いが決まると思ってます。
 長々と話をしましたが、炒飯のNo1のお店は未だによく分からないままです。でも焼きめしのNo1、キングオブ焼きめしを出す店はこの丸二食堂であると自信を持って言えます。揚げ物やボリュームのコスパで語られることが多い丸二ですが、本当に頼むべきはここの焼きめしです。確か大盛で500円だったと思いますが、コスパとかそういうものは関係なしにここの焼きめしはめちゃくちゃ美味いです。ほんのりと香るニンニクと湿った醤油の焦げた匂いのする焼きめしは、他のどこも敵うことのない美味しさです。注文は入り口に置いてある、紙とペンに書いて一応口頭でもお願いするといいです。ジャンプ、サンデー、チャンピオンが置いてあって、あまりマガジンを読まない僕はこのチョイスが最強です。因みにオダギの家には大量のマガジンが置いてあります。マガジン派の方はオタギの家にGO!!昔は畳の座敷でタバコが吸えたお店でしたが、よく子供連れの方も来られていたので、禁煙にして良かったと思えるお店です。
 https://goo.gl/maps/99r5a7r4kumUJ8x48
 國田屋酒店 角打ち ハートランドビール
色んなビールが世の中にはありますが、このお店では三大ビールではないハートランドの樽生が飲めます。飲み方としては、まず土曜日の午前の11時近く遅めの時間に起きてもらって、何の予定も、やりたいことも思い浮かばなかったら適当な昼飯を食べて、このお店の近くの銭湯で、浴槽でのんびりしてサウナ入ってからここに向かいましょう。そして700円の1リットルのジョッキを頼んでちゃっちゃっと飲み干しましょう!以上!
まあ普通に美味しいビール飲みたくなったら行ってもいいと思います。ここは酒屋さんなだけあって日本酒の種類も豊富で200円でちっちゃなコップ、400円で大きなコップで色んな日本酒を飲めます。ビールも日本酒もあまり好きじゃないという方は、季の実という美味しいジンをトニックで割ったジントニックが素晴らしく美味しいので是非飲んでみてください。酒のおつまみは缶詰やソーセージ、ベビースターなどがメインでTHE角打ちって感じです。因みに巻きたばこの無料試吸があって手先が器用な方なら無限にタバコ吸えます。良心が傷むギリギリまで吸っちゃってください。後輩のユヅキ君は5,6本吸ってました。僕はいつも1本にしてます。
 https://goo.gl/maps/egWE87zE8E3USEbe6
 キッチン瑞穂 洋食屋 クリームコロッケ
京都はハイカラな洋食屋さんが多くて、その中でも学生に優しくて美味しいお店はこのキッチン瑞穂です。ここは夜でもランチが頼めるのでそれを頼むとパンかご飯を選べて、サラダも付いてくるのでオススメです。特にコロッケランチ(640YEN)を食べてみて欲しいです。 急ですが実家にいたころ、ステーキメインのお店なのにそこのクリームコロッケカレーが美味しいからとよく家族で行ってたのですが、正直カレーよりも、そのお店の水槽がとっても大きくて綺麗だったことの方が印象的だし、一回もステーキ頼んでないのおかしいんじゃないかと思います。頼みたかったのに何故か頼ませてくれませんでした。食べたかったなステーキ。そういう訳であまりクリームコロッケに縁を感じることもなく生きてきたのですが、ここでぶち当たりましたねクリームコロッケの縁に。クリームコロッケに興味を持ったことない人にこそ食べて頂きたいです。小さなエビが入っていてパンにもご飯にも滅茶苦茶合います。カツカレーもとっても美味しくてボリューミーなので腹ペコだったらそちらも是非!昔は洋食屋さんなのにタバコが吸えるというかなり珍しいお店でしたが、今は不明です。どちらにせよ良い店です。
 https://goo.gl/maps/rCh3buQg6apqQiNR8
 京香園 麻婆豆腐
京都は中華料理屋さんが多い割にしっかりとバランス型の中華をしてるお店が見つかりづらかったりします。どうしても日本よりの味付けになっていたり、本場により過ぎて留学生しかいってないようなお店だったりで、言葉にするのが難しい丁度良さがあるんです。丁度良さを持ってるお店は基本的に値段が張るお店だったりするのですが、この京香園は丁度良さのどストレートを行くお店です。回鍋肉も、チンジャオロースもとても美味しくご飯が止まらなくなるのですが何といってもここは麻婆豆腐!ここの麻婆豆腐を激辛で食べてください!辛いのが苦手な人は他のメニューを食べてもいいです。普通のマーボーは美味しいけれども、圧倒的ではないです。ここの激辛麻婆豆腐は酢漬けの唐辛子が入っているのがポイントで、この唐辛子のおかげで米の進むスピードが∞kmになります。激辛と普通のマーボーで体積が二倍ぐらいになるので、激辛にしてくださいを必ず言った方が良いです。じんわり汗をかくタイプのマーボーで激辛と言いつつも辛いのが得意な人なら気軽に頼んでもらって大丈夫です。因みにここは府上の元下宿先が近くて二人でよく行ってバクバク食べてたら元々おかわり無制限だったのが、2杯までになりました。人生でおかわり制限食らったのはここで2度目だったのでかなりショックでした。大盛は自由なのでお腹が減ってたら一発目から大盛で行きましょう!禁煙!
 https://goo.gl/maps/e2kaXTaGVj7RRbNR6
 トレド 焼きそば
喜劇の皆はここで何度腹いっぱいにしてもらって、ビラ配り後の飯タイムで大量の後輩に奢る時ここに何度救ってもらったんでしょうか。数えられんぐらい行ったし、同じだけ笑ったお店だと思います。焼きそば、ナポリタン、カレー、サンドイッチ、基本400円でセットにするとコーラかコーヒーを付けて700円という安さ。
長居のしやすい空間、一人でホールを回すせわしないおばちゃん、面白い形の灰皿、トイレに行くまでにある京都特有の町屋の中庭、お金を入れるだけの機械になっているレジ、頼んだら出てくるでっかいマヨネーズ。小さなお店だっただけに細かいところが手に取るように思い出せます。
今は閉まっちゃっていていつ頃再オープンするのかが未定のお店ですが、皆の思い出の場所だと思います。この店は僕が最初に発見したことを今でも後輩に自慢散らかしています。因みに後輩のミヨシはこのお店があまりに長く閉まっていたのを心配して、お店の前に置手紙を残したという一歩間違えたら怖すぎる奇行をやらかしてます。その行為自体、俺は素晴らしいと思うけど、同志社OBという全くの別人格として手紙を出すのはズルだと思うぞ!
 https://goo.gl/maps/zhpV89bAMvM2pT8G6
 スペースネコ穴 ??
一番店じゃない店。ここはお店として紹介するのが変な感じになる居酒屋?さんです。検索してもらったら分かると思うのですが、店内が本当に無秩序。他のお客さんがつまんでいる料理を一緒につまんでも全く問題ないですし、勝手に冷蔵庫を開けて横の栓抜きで赤星を開けて飲むのがルールです。蓋は床に放置して大丈夫です。ユヅキと一緒に初めて行ったときの思い出は、ウィスキーとコーラが置いてあったのでコークハイをお願いしたら、「どっちも他のお客さんのキープしているもので出来ないの」と店主さんに断られ、しょげてると「あったあった」と言って代わりにテキーラとジンジャエールが出され、ジョッキに7割程テキーラが注がれて、ほんの少しのジンジャエールをちょぼちょぼと垂らして出されました。飲みながら死を覚悟し、横目に猫がこたつを横切るのを見ました。その後それを飲み干したユヅキはダウンし、僕はトイレに駆け込んで全部戻してから意識を無くし、店主さんに「もう家出るから、起きて」と優しい声で起こされた時にはもう朝になってました。そしてお会計の時に「う~ん、ビールとこれとおつまみと…」数秒程考えてから「うん!1500円!」という衝撃の値段が飛び出てきました。自信を持って言われましたが、チェックすらまばらで曖昧な会計をしてあんなに自信のある「うん!」を僕は聞いたことが無いです。普通に一晩寝させてくれていたという事実に衝撃を受け同時に底の知れない優しさは時に恐怖を生むのだなと考えさせられたお店です。
他にも僕、府上、ユヅキで午後10時頃お店を尋ねたところ、店主さんは他のお客さん数名を楽しくお話をしていたので僕らでしっぽりと飲んでいたところ急に「私、この人達と飲みに出かけるから、このお店好きにしていいよ!適当にコンビニとかで買ってここで飲んでもいいし、適当に飲んだら適当にお金置いてって!」と店主。と?今、冷静に書いていると明らかにおかしいです。狂気すら感じます。僕らがお店のお酒を勝手に飲んで、お金すら置かずに帰ったら?当時ですら色々な疑問が浮かびましたが、先に飲んだお金だけ先に支払いました。その後、雨の中皆でコンビニに行き初訪問時に飲めなかったコークハイを作って、勝手にFishmansやThee Michelle Gun ElephantのCDを勝手に流して飲めや歌えや踊れやで爆笑し続けました。世の中には当たり前が溢れすぎていて、生き続けると考え方が段々と固まってしまって、当たり前で社会は回っていて、その当たり前すら否定するのがスペース猫穴です。宇宙もこんな未知で溢れていて欲しいですね。エピソードは他にも腐るほどあるのですが、気になったら聞いてください。
 https://goo.gl/maps/k9KHXTkkYD1dMZXL6
 色んなお店を思い出と共に語ってきましたが、とりあえずここら辺にしとこうと思います。他にも紹介したい店や書きたいことはあるので、たまに書こうと思います。あと、もしあなたがどこかに住んでいて、お気に入りのお店があったら匿名でも何でもいいので教えてくれると嬉しいです。近く行ったら寄ります。では!
       おわり~(100%)
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