Tumgik
#うす紫振袖
2015mai24 · 6 months
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【ライヴレポート】MUCC、<鵬翼・極彩>再現ツアー日比谷野音公演に「時の流れ、長い年月を感じながら」
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MUCCが5月6日、日比谷野外大音楽堂にて<MUCC 25th Anniversary TOUR「Timeless」〜鵬翼・極彩〜>のファイナル公演を開催した。過去アルバム『鵬翼』『極彩』再現ツアーの最終公演にして、25周年イヤー締めくくりの公演を12月28日に東京国際フォーラムにて開催することも発表となった同ファイナルのオフィシャルレポートをお届けしたい。
◆MUCC 画像
2022年に結成25年周年を迎えたロックバンドMUCCが、過去のアルバムを再構築したセットリストで廻るツアーを開催中だ。第一弾は2022年10月~12月に行なった<MUCC 25th Anniversary TOUR 「Timeless」~是空・朽木の灯~>で、彼らが2003年に発表した『是空』、さらに2004年に発表した『朽木の灯』をコンセプトにしていた。そして第二弾として行なったのが、2023年3月から始まった<MUCC 25th Anniversary TOUR 「Timeless」~鵬翼・極彩~>である。そのファイナル公演となったのが、5月6日に開催された日比谷野外大音楽堂でのライヴだ。
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この日、関東地方には朝から強風が吹き荒れていたが、野音は公園の木々のおかげか、強風の影響はそれほどでもない。初夏を告げる暑い日差しが降り注ぎ、むしろ風が心地いいぐらいだ。そんな野音にSEとして『極彩』の1曲目「レイブサーカス」が鳴り響いたのは17時35分のこと。トライバルなリズムに合わせ、オーディエンスはハンドクラップしながら期待を高めるばかり。紫色や黄色など様々なスポットライトが点滅し、まさに極彩色となったステージ。そこに主役のMUCCが登場すると、でかい歓声と拍手が湧き上がる。鮮やかな振袖の着物をジャケット代わりに羽織った逹瑯(Vo)は、オーディエンスを煽るようにマイクスタンドを高く上げた。
アルバム『極彩』の流れを汲むように、「極彩」へ突入。興奮を煽りたてるヘヴィサウンドが炸裂し、客席を埋め尽くしたオーディエンスも激しいヘドバンを繰り返し、開演から数分も経たずして一体化。ミヤ(G)とYUKKE(B)は立ち位置を入れ替わりながらプレイし、逹瑯は宣戦布告するように歌をとどろかせていく。
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「いい天気だな、日比谷!」──ミヤの喜びの声から続いたのは「嘆きの鐘」。ヘヴィな面もありながら、レゲエのリズムやフレーズも飛び交うナンバーだ。曲の途中でブレイクして、「いこうか!」と笑顔も見せる逹瑯。また「ガーベラ」のイントロでは「日比谷、飛べんの? 全員で飛べー!」と焚きつける。とはいえ、ジャンプしながら楽しめるのはイントロ部分ぐらい。なにしろ切ないメロディやメロウな展開も顔を出す曲で、一筋縄ではいかないアレンジが「ガーベラ」の特徴でもある。それでも曲に見事に食らいついていくオーディエンス。バンドとひとつになり、さらに曲とも呼吸をしていく様は、さすが、MUCCの熱心なファンである夢烏(ムッカー/ファンの呼称)たちだ。それに曲そのものも、リリース当時とは違う顔つきを見せている。
アルバム『極彩』をリリースした2006年当時、逹瑯はミヤの書くメロディに応えながら、シンガーとしての殻を破り始めた時期だったと思う。絶望感やネガティビティを背負ってもがいているような唱法が初期だったとしたら、暗闇や密室にいた自身を自ら解放したのが『極彩』に取り組んでいた時期だった。その結果、重苦しさばかりではなく軽やかさなども唱法に備わり、同時に幅広いメロディも積極的に歌い始めていった。そこからさらに約16年経ち、シンガーとして大きく成長した今、逹瑯は当時に思い描いた理想の歌を野音で具現化していく。細部まで気持ちを入れながら、しかし感情過多になりすぎることもなく、言葉のひとつずつがしっかり聴き取れる。早い話、伝わる歌だ。それが曲の新たな顔つきにもなっている。
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「晴れたね。雨の野音も嫌いじゃないけど、やっぱ晴れって気持ちいいね。この自然の光も合わせてMUCCを楽しんでいってください。時の流れ、長い年月を感じながら、最後までよろしく」──逹瑯
逹瑯のそんな言葉をはさんで、曲はライヴ会場限定発売シングルの2曲へ。「想-so-」ではバイオリンとチェロ奏者も加わり、優しく切ない歌とバンドサウンドでオーディエンスを包み込む。しかしライヴはここから急展開。ミヤのエッジの尖ったリフに、逹瑯が気のふれたような狂った歌いっぷりが絡み合いながら「リスキードライヴ」で攻め立てる。その勢いのままコーラスやフェイクでコール&レスポンスも起こし始めた。逹瑯ばかりでなく、メンバー名を叫ばせるコール&レスポンスで楽しむのはYUKKE。さらにミヤもムチャなハイトーンすぎるフェイクでコール&レスポンスを楽しみながら、自分も笑ってしまうミヤ。一体感と熱気と楽しさのカオス状態だ。
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「たくさんの人がMUCCに真剣に向き合ってくれて、そんな人たちに囲まれてとても幸せだと思います」──逹瑯
バンドを代表して逹瑯が感謝しながら曲は「パノラマ」へと続く。青空が徐々に夕刻へと表情を変えていく中で披露されたこのバラードは、自然の美も野音ならではの演出効果となり、スケール感ある曲となってどこまでも響き渡っていく。
ところが美しさにずっと浸らせないのが、『鵬翼』や『極彩』をリリースした時期のMUCCと言うべきか。憎しみと怒りもこもったレゲエテイスト強めの「メディアの銃声」を叩きつけたと思えば、そこから続くのは「25時の憂鬱」。YUKKEのアップライトベースでドゥーミーな香り漂うベースリフに、ミヤがサイケデリックで荒々しいギターを絡ませる。逹瑯は、怪しくけだるい歌を恍惚とした表情も浮かべながら聴かせていく。照明の色使いもひたすらドラッギーだ。美しき夕刻だったはずが、おかしな世界へ精神を誘い込む世界へ変貌。
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こうしてライヴは何度もの急展開を見せながら突き進む。恐らくメンバー自身、このツアーのセットリストを考えるのに相当、頭を悩ませたはず。なぜなら曲それぞれが、あまりにも異なる色を持っているからだ。
特に『極彩』を作った2006年当時のMUCCは、“デビリッシュ・イヤー”と名づけ、国内ツアーはもちろん、フェスや海外ツアーなど、怒涛のライヴ活動を行なっている。その過程で刺激も触発もされただろう。新たな曲につながるヒントを掴むこともあったかもしれない。だがMUCCは、自分たちにしかできないことを常に探し求めた。その結果、自由にわがままに音楽を作り始めたのがその時期だったと思う。そのためアルバムは、ひとつの方向性を持ったものではなく、まるでオムニバスアルバムのように違った色合いの曲たちで構成された。だから付けたタイトルが『極彩』でもある。
リリースしたときは初期からのあまりの変化に驚き、ふるい落とされそうになったファンも少なくなかった。しかし、あれから約16年。MUCCの持つ多彩さや多面ぶりも楽しみながら、それぞれの曲に改めてハマり込むオーディエンスの姿が野音に広がっていた。
ライヴ後半、強烈なスラッシュメタル調の「G.M.C」で激しいヘドバンで狂った直後のことだ。逹瑯も、あまりの曲順に自分でも思わず笑いつつ、「優しい歌」へと続いた。MUCCからの温かさと優しさが広がっていく中、オーディエンスはそれを受け止めるように両手を広げ、左右に揺らし、自分たちもMUCCと共に歌う。客席からの歌声を心地よく浴びながら逹瑯が「オマエらのライヴを聴いてんだよ、俺は」と言うと、さらに歌声は大きくなり、大合唱になって夜空に響いていった。そしてステージにレーザーの流れ星が幾つも流れる中、「流星」で感動的にライヴ本編を締めくくった。
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アンコールでは、12月28日に東京・国際フォーラム ホールAで結成25周年イヤーのグランドファイナル開催も発表。その前には第三弾ツアーも、第四弾ツアーもある。逹瑯の「最後まで一緒に、盛大に駆け抜けようじゃないか!」という言葉に、野音からでっかい歓声も巻き起こる。
アンコールラスト「WORLD」は、イントロからMUCCとオーディエンスの大合唱から始まった。レコーディングでもファンのみんなからコーラスを送ってもらい、1000トラック以上のコーラスで構成したナンバーだ。声出しも解禁になった今、MUCCと共に新たな世界の始まりを誓うように、1000どころか約3000人のファンが歌う。喜びと幸せに満ちた第二弾ツアーのファイナルとなった。
取材・文◎長谷川幸信 撮影◎冨田味我
■<MUCC 25th Anniversary TOUR 「Timeless」~鵬翼・極彩~>2023年5年6日(土)@日比谷野外大音楽堂 SETLIST SE. レイブサーカス
極彩
嘆きの鐘
ガーベラ
月光
心色
耀-yo-
想-so- [w/ 後藤泰観(Vn) 吉田弦(Vc)]
リスキードライブ
パノラマ
メディアの銃声
25時の憂鬱
ホリゾント
最終列車
謡声
G.M.C
優しい歌
流星 encore en1. 雨のオーケストラ [w/ 後藤泰観(Vn) 吉田弦(Vc) キラーズオーケストラ] en2. 蘭鋳 en3. TONIGHT en4. WORLD
2023.05.10 quelle: barks.jp
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asagaquru · 2 years
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「この人、前好きだった人なんだよ。俺にしときなよって言ったのに振られちゃったんだよねー」とわたしと馴染みの店員に言い残し、トイレに行かれる。酔っていたはずなのに突然のことで指先から酔いが引いていく。店員が「言いたいことだけ言って、ルンルンでトイレ行っちゃいましたね」と笑っている。
元バイト先の数人で会うけど来ないかと誘われて向かう。なんとなく4人の最後に着きたくて、家で時間を潰してから向かう。お疲れー、とみんながこっちを向く。彼の声を聞いた瞬間に、この声が一番好きだったと全部思い出した。なんとなく目を見れない。ふたつ下の後輩を最後に、仲間内は全員社会人になってしまった。「前会った日から1年半も経っていないんだよ」といわれ、少し驚く。もっともっと昔の話かと思っていた。こうみんなが離れてしまっては、同じ札幌市内にいても凄まじいスピードで過去にされてしまう。だからこそ、こんな再会の場に呼んでくれるのがとても嬉しい。離れても好きな人たちのことは大切に、近くに思っていようと心に小さく誓った。
彼が「男なんてほおっておいたらどこかに行くよ」と言った。前後の話は覚えていないのに、かつて「待っているから」と言った過去の彼を思い出してしまう。「✳︎✳︎✳︎は変わらないね」って、君が好きだったわたしから今もわたし自身は変わらないよという言葉をモスコミュールで飲み流す。2件目のバーでもヘラヘラと話し続ける。後の2人も変わらないし、なんだかんだ幸せそうだった。その2人は明日朝から仕事だからと22時には帰って行く。明日のために今日を早上がりするくらい大人になったなと思い、見送る。
わたしのことを好きでいてくれた彼とふたりきりになる。彼は、この1年半で結婚してしまった。1歳下だし、当時23歳とかだったし、まさかわたしより先に結婚するとは思わなかった。左手の薬指にはシルバーのリングがちらついていたけれど、あまり見ないようにする。「この人、前好きだった人なんだよ。俺にしときなよって言ったのに振られちゃったんだよねー」とここで言われ、トイレから戻ってきた彼になんとか言おうとする。「きみがさ、結婚しちゃうってことはわたしとの結婚を諦めたってことだよ」と言うと、はははと笑っていた。リングの下の手首には、ふたりで小樽に行った時に買ったブレスレットをしていた。何も言わなかった。あの時わたしはオパールの指輪を見てたのを久しぶりに思い出した。買っておけばよかったと、ただそれだけ後悔する。
0時をすぎたあたりで解散。タクシーに乗り込む彼を見送る時に「またね」と袖を掴まれるけれどそれ以上は何もない。お互いにこの形でいいとわかっているからだ。結婚後の彼に会うのは今夜が始めてだった。正直、少し怖かったしどこか嫌だった。別れた後に「忘れた」と思い、彼に電話をかける。「もしもし?あのね、結婚おめでとう。ちゃんと言わなかったなって思って。わたしさー、ちゃんと✳︎✳︎✳︎くんのこと好きだったんだと思うよ」 どうしてまた涙ぐんでしまうのだろう。何に対しての涙なのだろう。きっとばれている。電話口で彼は笑っている。やっぱりその声が好きだ。ラインに「俺も好きだったんだよ」と来ていて、既読だけつける。これでいい。わたしがわがままして良いのはここまで。すすきのからタクシーを捕まえる気にもなれず、30分歩いて帰る。途中、雪の下の氷に足元を取られ、滑って転んで仰向けになる。背中がいたい。指先から赤く血が滲む。酔っていて痛みは感じない。大きくひとりで笑ってしまった。そのまま空を仰ぐ。降る雪が街灯の光を乱反射させ、空をサーモンピンクと薄紫を混ぜた色にさせる。雪国特有の闇色でない夜空だ。そこには月は光らず、ただただ綿雪がわたしの上に降ってくる。
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3.橘夕樹「夜を売る店」
 丸底フラスコがアルコールランプにかけられて、紫紺の液体をポコポコと煮立たせている。それにつながれたゴム管の先にはガラスのポットがあり、そこに溜まった液体は更に濾過されているようだった。窓からの月のスポットライトが照らす大きめのビーカーには氷水がたっぷりとたたえられ、試験官が何本か刺さっている。仄暗いカウンターには、実験器具のほかにも薬瓶や薬匙や大量の小皿なんかが、舞台袖の黒子のように静かに佇んでいた。
 そんな騒がしいカウンターの中では店主がひとりテキパキと器具の手入れをしている。カチャカチャとガラス同士が触れ合う音が店内にはじけて、カウンターの蝋燭に灯ったマジックアワーの炎を揺らした。
 ちりりんとドアベルが鳴って、今日最初の客の来訪を知らせる。
「こんばんは。本日はどのような夜をお求めでしょうか。」
Spicy night
 蠟燭の前が客の定位置である。案内された客の注文は「繁華街の夜」。店主は、客の前に冷凍したムーンレモンの入ったお冷を出して、「少々お待ちくださいね。準備しますから。」と言った。
 店主は背後の棚から紺に煌めくパールのような装丁の綴りとコーヒー色のペガススのタテ紙を取り出した。この紙には調合師達に広く使われている一般的な調合用の書式が印刷されている。それにフクロウの羽ペンでさらさらと「繁華街」と記した。
「理由をお聞きしても?」
「私、田舎生まれだから憧れなの。都会の夜が。日が沈んでもきらきらしていて、にぎやかで。若いうちに一度はそういうところで夜遊びしてみたかった……。」
聞いたことを用紙に書き留めていく。
「あら、これからでも十分間に合うのでは?事実、いわゆる『繁華街』にあるこの店にこんな時間にいらしているのですから。」
「ふふふ、それもそうね。」
 店主は穏やかな笑みを浮かべながら材料を用意していく。ベースとなる「夜の素」に「街」と「憧れ」、それからアクセントの「星屑」。カウンターの上に色とりどり大小さまざまな小瓶が並んだ。
(「きらきら」……か、どれがいいだろうか。)
一言に「きらきら」とか「灯り」とか「にぎやか」とかいっても何十種類もの素材がある。一番合うものを見極め、ちょうどよく配合できてこそ、客に合わせた良質な夜を提供できるのだ。
「ちなみにきらきら、とは視覚的にでしょうか。それとも雰囲気や感情でしょうか?」
「うーん、そうね……。」と客はしばし目をつぶった。その瞼の裏には何が見えているのだろうか。
「ああ、一番印象に残っているのはネオンサインね。夜空に浮かび上がる鮮やかな看板にはすごく惹かれたものでしたよ。」
「今ではあまり見かけなくなりましたね……。僕もあの鮮やかなのにぼんやりとした優しい光は大好きです。」
 ネオンサイン。果たして在庫はあっただろうか。このところ見かけないということは、つまりあまり入荷が多くないのだ。「灯り」とラベルの貼られた棚の引き出しを順に開けていく。下から二番目の段の左から四番目。「そうだ、『色モノ』はここにしまったんだった」とか言いながら、店主は発光するラムネ菓子のようなものが入った瓶を取り出した。そのもう残り少ない粒を細身の試験官に入れて、さらにフラスコの中の「夜の素」を少し足した。最後に湯を張ったビーカーにしばらく入れて湯煎させる。
「よし、これでもう少し待てば『ネオンサイン』ができます。何色がお好きですか?」
「ピンクかしら。いくつになっても春っぽい色が好きなのよ。」
「ふふふ……」と恥ずかしそうに客は笑う。ピンクの染料を試験管に入れながら、桜のように笑う人だ、と店主は思った。
 ネオンサインが溶けるのを待っている間、店内には調合の器具たちが立てるこぽこぽという音と、蠟燭が夕焼けを燃やすちりちりというかすかな音だけが優しく響いている。店主は今準備した材料について用紙に記入しているようだった。
「キャンドルか小瓶詰めの形でお渡しできますがどちらにされますか?」
夜を楽しむ方法は様々ある。その中でも、「夜」そのものを揮発させてゆっくりじっくり味わうか、蝋燭の音や炎との効果と、熱で急激に揮発させることで短く濃く楽しむか、どちらかの方法が取られることが多い。また、この店のもこの二つのやり方でのみ販売を許可されている。後者はあのマッチ売りの少女のマッチと似た手法だ。――ただ、彼女のマッチは質が悪かったようだが。
「そうねえ。せっかくだから思い切り楽しみたいわ。キャンドルでお願いしようかしら。」
「かしこまりました。」
湯煎した試験管をスタンドで冷ましている間に不純物を蒸留させるための器具を準備する。フラスコやガラス管、オーロラ型冷却水――それらを手際よく配置していく。最後に火力の調節が利く小さなガスのコンロの上に、配合用の大きなビーカーをセットした。
大きなビーカーの中に、カウンターに並べた素材を入れていく。
まずは「夜の素」。「夜」のベースとなる液体である。今回は深夜ではなく日が落ちてすぐくらいの時間帯のものだ。とぽとぽと注いだら、「星屑」をぱらぱらと振りかけ、コンロを着火。ビーカーの底を炎が舐めるくらいの火力に調節する。「星屑」の輝きが「夜の素」になじむまでぐるぐるとかき混ぜ、次に金の針のような「街」を大きな楠の匙二杯分。輝きとあたたかさを持った「憧れ」は同じ匙で一杯分。
最後に冷えて固まった棒状の「ネオンサイン」を試験官から取り出し、少し夜空にかざして仕上がりを確認した後、手でぱきぽきと折りながらビーカーに加えていく。液体に触れた瞬間に強く瞬いてビーカーの底に沈んでいった。
(「憧れ」と「ネオンサイン」か……少し刺激が強くなりそうだな。)
こういう時はあまり濃くさせないほうがいい。店主は少し火を弱めた。
熱でゆっくりと「ネオンサイン」が溶けていく。「夜」の色が天の川
ミルキーウェイ
のように少し柔らかくなったように見えた。
ビーカーの中では小さな気泡が上がってきている。
にゃーん、と黒猫が一匹、呆れた様子でカウンターに飛び乗ってきた。スンスンとビーカーから立ち上る蒸気を嗅ぐ。
「ふうん、随分スパイシーだな」
「あっ、コラ。危ないだろ。」
と、店主が慌てて黒猫を制した。
「あら。猫ちゃん。毛並みがきれい。」
「ありがとうございます。僕の助手です。」
「フン、君がやらかさないか見張ってる『監督』だ。」
この声は店主以外には「にゃおん」としか聞こえない。
「この感じは星空というより街の明かりか?都会の夜って人間にとってそんなにいいもんなの?」
いぶかしげにビーカーをのぞき込もうとする。そんな「監督」をどうにか押さえつけながら店主が代弁した。
「矢張、都会の夜は故郷の夜より素敵に映るものですか?」
「ええ、勿論よ。私は若い頃都会の学校には通っていたんだけれど、寮にいたから、門限が厳しかったの。だから帰り道、目の前に街の明かりが見えているのに、夜の街に繰り出すなんてことはできなかった……。仲間とあれがしたいこれがしたい、って夢を語り合ったことをよく覚えているわ。」
残念がっている口調でも、どこか楽しそうに客は語る。
(『夢』……ちょうど在庫がもうないな。最近消費が激しい。)
 くるくるとビーカーをかき混ぜながら思い出す。薬棚を見るまでもない。このところ夢見がちなお客様が多かったのだ。
 ぼんやりと『憧れの夜の街』は出来上がった。あとはお客様だけの隠し味が必要になる。できれば『夢』以外で。
「夢を語り合うのも素敵な青春の一ページですね。なにか街に気になる店や催しなどがあったのですか?」
 さっきのネオンサインのように客の頬が薄紅に染まる。
「店……というより、好きな銀幕スターがいて……だから映画の、レイトショーに行ってみたかったのよ。」
お冷の氷が溶けてカランと音を立てた。
「学校が終わったあと、日が沈むころにひとりバスに乗って、洋食屋さんでご飯を食べて、帰る人々を横目に映画館へ向かう――。そして映画が終わったら夜道の中を歩いて帰る……ねえ、映画館の中と夜の街って少し似てると思わない?」
「映画館と夜の街、ですか。」
いくつもの夜を見てきた店主にも予想外の問いかけだった。
「ええ、街の周りや空は真っ暗なのにそこだけ切り取ったように眩しくて、いろんな物語が昼と変わらず起こっていて、帰り道も余韻でいっぱいになる……。そしていつまでも終わってほしくない。」
「なるほど。言われてみればたしかに似ている気がします。……それなら最後の材料はあれがいいかな。」
 店主はなにやらカウンターの下の棚を漁り始めた。たしかここにあったはず、としばらく探していると店長の肩を踏み台にして黒猫が下りてきた。
「なにやってるんだ。僕が探してきてやる。あれだろ?フィルムケース。」
「うん。そう。しばらく使ってないから箱が奥の方に入ってしまっているかも。」
黒猫は雑多な棚の中の暗闇にあっという間に溶け入っていってしまった。
 ガタン
 がたがた
 うわっ
 ごそごそ
 ばたん
げほげほ
するすると入っていたのとは裏腹に箱はなかなか見つからないらしい。つんと澄ました態度からはあまり聞かれない音と声がした。
「あったぞ!いくついる?」
「ひとつでいい。隠し味だもの。」
「はーい。」
黒猫はフィルムケースを一つ口にくわえて出てきた。ラベルには「映画」と振ってある。
「それそれ。流石僕の助手だね。」
と、狭い額についた埃を取ってやる。
「すみません。お待たせしました。」
客はにっこりと「いえいえ。」と言ってくれた。完成までもう少しのビーカーが先ほどよりもたくさん気泡を立てている。これ以上粘度が上がると最後の隠し味がうまくなじまない。店主はコンロの火を止めた。
「ふん、普段使わない材料もきれいにしまっておくんだな。」
黒猫は背後のカウンターでその自慢の毛並みを整えている。
「それを取ってきてくれたの?随分と賢い助手さんね。」
「はい、いつも助かっています。」
そんな助手が取ってきてくれたフィルムケースには勿論フィルムが収まっている。艶々と黒く光るそれを映写機のような機械に入れて、レンズから月光を取り込み、夜空を透かしながら、製麺でもするかの如くハンドルを回した。壁には小さなプラネタリウムが出来上がっている。そしてリールから外したそれを二〇センチほどカットしてビーカーに加え、再び火をつけた。このフィルムが溶け切ってしまえば「夜」は完成だ。材料はすべてそろったのでビーカーに特注のコルクの蓋をして、空けてある穴からガラス管を繋げる。ガラス管の途中にはオーロラ型冷却水、終わりには小さなフラスコが繋がれている。「夜」を加熱濃縮させる際に出る蒸気――夜露を採るためである。
「それはなんの映画のフィルムなの?」
「これは映画のフィルムそのものではなく、昔、お客様から聞いた『映画と夜に関するお話』から精製したいわばエッセンシャルオイルのようなものです。うちではお代としてお金の他にお客様のお話をお聞きしてそこから『夜』を作るための材料をお裾分けしていただいているのです。」
客はわかったようなわかっていないような顔をしてフィルムが溶けるビーカーを見つめた。
「あまりピンときませんよね。」
そういうと店主は再び棚の下をごそごそと漁るとレコードを一枚取り出してきた。そして店の端を指さして、
「あの蓄音機にこちらの専用レコードをセットして、お客様のお話を録音します。そしてそのレコードを一旦ほどいて溶かします。そして溶けた液体から結晶を取り出したり、蒸留させたりといった作業を通して様々な「要素」を分離させ、それをビンに採取して、ものによっては先ほどのネオンサインのように加工することで、安定して保存ができるようにするのです。」
「なるほど、録音するのね……。長く生きてきたつもりだけどこのお店には初めて見る道具ばかりだわ。でも私、何かお話しできるようなことあるかしら。」
「是非、ご学友との語らいについて教えてくださいませんか。」
「夢」の在庫を増やすいい機会だなと店主は考えた。
「それならいくらでもお話しできるわ。」
ビーカーの中で大きな気泡がひとつ弾けた。その瞬間、街や映画の光がキラキラと輝いて落ちる。そろそろ頃合いのようだ。
 最後に、出来上がった「夜」をキャンドルにしていく。ミルクパンで、これまたミルク色の蝋を溶かし、分離しないように少しずつ夜と蝋を混ぜていく。夜の濃い藍とミルク色が混ざって朝焼けの前の優しい夜の色に近くなる。最後にガラスの容器に入れてスノーマンの吐息で冷やし固めたら完成だ。店主は冷やしている間に草木のモチーフがあしらわれた小さなカードに、今回使った材料とその用法・用量を記入していく。ラベルには『繁華街』と記して容器に貼り、
「お待たせいたしました。『繁華街の夜』でございます。」
とまだほんのりと温もりを持つ出来立てのキャンドルを差し出した。
「なんだか少し甘い香りがするわね。」
客は鼻先で軽く容器をくゆらした。
「蝋に少しだけ蜂蜜が混ぜてあります。」
店主は先ほど書いていた小さなカードとお揃いの柄の小箱を取り出した。小箱の中には小さなお香が入っている。
「ベースに浅い時間の夜を使っております。全体的にフレッシュで刺激的なひとときになるよう配合いたしました。こちらのカードに使い方などは詳しく記載していますが、夜をお使いになるときは必ずこちらの「朝」もお使いください。確実に夜から醒めることで『夜焼け』や『昼酔い』といった時間的症状を防ぐ効果があります。また、最近多いのですが、夜から醒めたくないというお客様がいらっしゃいます。しかしそのように夜を独り占めしてしまうと時間平等法違反となってしまいますので、僕たち調合師は『朝』も一緒に提供するよう義務づけられているのです。――夜は皆のものですから。」
「わかったわ。何事も適切な量がいいわよね。」
「そういうことだ」と黒猫がうんうんと頷く。
「夜もいいけど朝も朝でどんなテイストか楽しみね。」
「ええ、折角ですから存分にお楽しみください。お渡しするものはこれで以上です。不備がないようでしたら箱に詰めますね。」
「ええ、お願いします。」
キャンドルとお香、カードを木箱に詰め、仕上げにリボンをかけて結び目に封蝋で封をする。
「では最後にお代ですが、カウンター越しではなんだか味気ないのであちらのテーブルでお話ししましょう。」
店主は蓄音機のそばのテーブルを指さした。
「昔の話をできるなんていつぶりかしら。たまには沢山おしゃべりするのもいいわね。」
カウンターから立ち上がった客を黒猫がテーブルまで先導する。
客と黒猫がしばらく戯れていると、ようやく手にティーセットを持った店主がテーブルについた。あとをティーセットに任せたカウンターの器具たちは静かに楽屋に戻り、客の前には空になったグラスの代わりに湯気の昇るティーカップが置かれた。すっかり更けた夜に香ばしい茶葉と優しいミルクの香りが満ちる。
夜はこれから。
――それでは良い夜を。またのご来店をお待ちしております。
fin.
橘夕樹「夜を売る店」 Produced / Written by 橘夕樹(https://bsky.app/profile/yuuki-tatibana.bsky.social)
2024.9.18 G.Slope & Hill's Planet
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bearbench-tokaido · 10 days
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七篇 上 その二
京見物をしている弥次郎兵衛と北八。 着の身着のままの北八。 やっとのことで見つけた古着屋でのできことです。
北八はちらっと、弥次郎兵衛の方をみてから、 「それだから質におく時の算用からして、その値段では買われねえ。 この布子ではどう考えても、銀二十より外は貸すめえから銀十五も、損することになる。」 今度は亭主が、顔の前で手を振りながら、 「何を、おっしゃる。 後家の質屋へ持っていっても、ものも言わずに銀五十はすぐに貸すわいな。」 「とんだことを言うもんだ。 この布子でどうして、五十も貸しましょう。」 と北八は意地悪そうに、亭主を見ると、 「なに、銀五十の価値は十分ありましょがな。」 「それじゃお前さん。この布子で、うけなさるか。」 「うけるわいな。」 これは仮に質に入れたら銀五十の金をかすかと聞かれているのだが、亭主は慌てているのか即答する。
「そうは言っても当てにはならねえ。ならねえ。」 と北八は、すましたものである。 「それよりか、この間の股引きのごたごたはどうするんだ。 ほかにも、袴の一時貸しもあるし。 それもお前、子供たちが腹痛でかみさんがはやり病で死んじまって、葬式を出す金も工面が出来ぬとたっての頼みだから貸してあげたものを、義理のわるい。 いっそのこと、この布子はその袴の、担保にとっておきましょう。」 と北八は、あることないこと並べ立てる。 「ああ、何をいいなさる。 何だか、さっぱりわからん。 やっかいなことをいわっしゃる。 わしのかかあが、いつ疫病で死んだぞいな。 まったくけったいなこといわんすわいな。」 と亭主は、腹を立てている。
弥次郎兵衛おかしくなって 「どうも、この男は口が悪くてなりやせん。 まあ、勘弁してください。 それにしても何かと面倒じゃ。その布子、銀十枚にまけなえ。」 亭主も面倒になったのか係わり合いにならないほうがいいと思ったのか、 「よござります。朝商いじゃ。まけてあぎよわいな。しゃんしゃん。」 と手をうってしまう。 「これで、とりあえず、布こにありついた。」 北八はほっとして布をきた。
弥次郎兵衛はそれを見ながら、金を払ってやる。 北八は今まで着ていた木綿の合羽を、弥次郎兵衛に返すとさっさとこの店をでた。
それより北八は、にわかに元気を取り戻して、 「なんと弥次さん、たいしたもんだろう。 古着屋めを口からのでまかせで、はぐらかして銀三十五を十に見下すのは簡単だ。」 と手に入れた布を弥次郎兵衛に見せびらかすように、歩いている。 「ほれ見なせえ。まだ衿にあかもついていねえものを、いとも簡単に手に入れた。」 弥次郎兵衛はその様子に、 「そうだな。紺の布子だからお武家様の家来ってところで、俺のお供にぴったりだな。ちょうどいい。」 と笑っている。北八は、それには答えず、 「ところで、ここら辺は、何ていうところだろう。」 とあたりを見回している。
「えらく、いろっぽい女がうろちょろしている。」 弥次郎兵衛もそれにつられて、あたりをみまわし、 「ははあ、歌舞伎の役者がかぶるような紫ぼうしの野郎どもが見えるから、おおかた、宮川町あたりだろう。」 と答える。北八は、 「くるぞ、くるぞ、美しい妓どもがくる。 いい時に俺は、着物を買ってよかった。」 と汚れても居ない、自分の布をパタパタ叩くと、 「さっきみたいに裸の上にその木綿合羽じゃあ、あいつらとすれちがったときに格好悪くていけねえ。」 ととっさに襟をかきあわせる。
北八は見栄を張りながら、むこうより来る女形や芸妓とすれ違い通ると、一人の女形がふりかえって北八をみた。 「はつねさん。あの人の着物におっきな紋がついてじゃわいな。おお、可笑し。おほほほ。」 と指差して笑っている。 はつねと、呼ばれた芸子も、 「ほんに、あほらしい人さんじゃ。すかんやの、おほほほ。」 とこれも笑いながら、行き過ぎていく。 その様子に弥次郎兵衛が気がついて、 「おやおや、北八。お前の着物を見てみろ。 背中のよこっちょに大きな紋所がくっついていらあ。」 と北八の背中を叩く。 「どこにどこに。」 と脱いで背中のところを見てみると、ちょっと見ただけではわからないのだが、日のあたる所へ出ると大きな紋所がありありとすいて見える。 「しまった。こりゃ、大変、大変。」 と日に透かして、見える大きな紋所に、北八は苦い顔おをしている。
弥次郎兵衛は構わず、 「ははは、裾の方には、鯉の滝のぼりが見へるから、こいつはきっとどこかの店ののぼりを染めなおしたもんだな。」 北八は慌てて、弥次郎兵衛の指差すところを見ると、確かに鯉の絵が見える。 「ええ、古着屋めが。とんだ目にあわしやあがった。 どうりで安いとおもった。ぶんのめして来よう。」 「なに、ほっとけほっとけ。 だいたい、皆お前のせいじゃねえか。 古着屋も商売なんだし、こうなっちゃしかたがねえ。」 「畜生、いまいましい。」 と北八はつぶやきながら、不承不承また、その着物を着ると歩き出した。
さて二人は、四条通りに出てきた。 ここは名に聞こえた、賀茂川の東、祇園町である。 北側と南側の芝居小屋からはやぐらだいこを打ちながら、てんからてんからの音が客の足を止めている。 狂言名代の看板も華やかで、それぞれの木戸番も派手な衣装にみをつつんで、嗄れ声をあげている。 「さあさあ、評判じゃ、評判じゃ、今が三五郎の腹切じゃ。 このあとがあら吉と友吉が所作ごと。評判、ひょうばん。」 江戸で言うところの呼び込みは、ここ京大阪ではみな女で、その女が北八と弥次郎兵衛の袖をひいて、 「もしな、おまいさん方。ひとまく見てお出んかいな。」 とさそう。
「おおそうか。弥次さんちょっくら、京の芝居を見ようじゃあねえか。」 と北八が、弥次郎兵衛にいうと、 「おもしろかろう。女中いくらで見せる。」 「よござりますわいな。わたしがどうなとするさかい。 まあ、お出なされ。」 と女は二人を両方の手でひっぱり、引つれて芝居小屋に入ると、そのまま二階のほうへあげてしまう。 そこに桟敷をしきるさじき番がやってきて、二人を向こうさじきの前の方に入れる。
ちょうど幕の内にて芝居小屋の中では、売り子の声があちらこちらに響いている。 「みづから、うぢやま。(いずれもお菓子の名前) みづから、うぢやま。饅頭よいかいな。」 「茶、あがらんかいな。茶やどうじゃいな。」 「番付絵本、ほん。(パンフレットのようなもの)」 などと言っている。
「それにしても、こりゃ大入りだ。 しかし小屋の大きさが、江戸の半分しかねえ。」 と弥次郎兵衛が、あたりを見回していうと、 「ああ、退屈だ。一杯飲みたくなった。」 と北八は芝居が始まっていないので、手持ち無沙汰でいう。 「俺は、腹がへりまの大根(練馬の大根)だ。菓子でも買ってくおう。」 と弥次郎兵衛も、北八につられていう。 「みづから、うぢやま。饅頭よいかいな。」 「これ、まんじゅうを三つ四つ、くんなせえ。」 と、北八が、売り子に声をかけた。 「はいはい、三文づつでござります。」 と隣のさじきの見物人が、売り子に言った。 「これ、まんじゅうやさん。どしたもんじゃぞい。 こちの弁当、踏み潰したじゃ。」 「はいはい、おゆるしなされ。」 と隣の見物人の方に頭を下げた。 「あいたたた。お前は、俺の足をふんでる。」 売り子ははずみで、弥次郎兵衛の足を踏んでしまう。
「はい、これは、もし、ちとおゆるしなされ。」 と売り子は、体をずらそうとする。 「こりゃ、どうしやがる。 人の頭の上を、金玉をひきずってとおりやあがる。ええ、きたねえ。」 込み合った桟敷から売り子が去っていくと、隣の桟敷の見物人の会話が聞こえてきた。 「おい、権兵衛さん。何買うてお出たぞいな。」 権兵衛と呼ばれた男が、 「太郎兵衛さんや。待てじゃある。わしゃ今、あこの桟敷でな恐ろしく美味い物くうてじゃさかい。」 と何やら食べている。 「それ見ていて遅なったわいな。さあさあ、こないなもんじゃ。」 と権兵衛が、太郎兵衛に竹の皮づつみを出す。 「なんや、鯖のすしかいな。こりゃ、ウマそうじゃ。」 「それより、その飯は弁当のかわりにして、魚ははがして酒の肴にさんせ。それがよいわいな。」 といわれて、権兵衛は、 「さよじゃ、竹の皮はもていんで、草履の鼻緒たてるわいな。 いや、さっそく一盃やろかいな。」 と小さなお猪口を取り出し、ふろしきにつつみしとっくりよりついで飲みだした。
北八これを見ていて、小声で、 「弥次さん見てみろ。美味そうに飲んでやがる。まったくうらやましい。」 弥次郎兵衛は、買ったばかりの饅頭をほおばりながら、 「ええ、せこいことを言うもんだ。」 北八は何やら、考えていたが、 「これぼうず。この饅頭をひとつあげやしょう。」 とさっき買った饅頭の食い残しをひとつ隣のさじきの子供にやる。 北八はこれで、関係をつけて、隣の見物人の酒にありつこうとしたのだ。
つづく。
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kachoushi · 3 months
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月例会報告
2024年4月28日
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坊城俊樹選 岡田順子選
於:千代田区立九段生涯学習舘
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野遊や人みな小さき影の上 緋路 熊蜂の猛り消えゆく櫓門��炳子 ◎九段坂ゆるきよ若葉風吹けば はるか 靖国の柏手遠く残花なる 緋路 春愁や砲口晒す加農砲 月惑 ◎花桐のいつも遠くて十字架も 順子 惜春の城の鬼門に人と会ふ 炳子
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美しくたんぽぽの絮吹く人よ 和子 神苑の新樹の蔭に画架ひとつ 月惑 惜春の旅の鞄を野に置きて はるか 紫を神池に溶き花菖蒲 佑天 ◎行く春へ波となりゆく鯉の水 順子 花守となれぬ男が座す根元 和子 ◎躑躅燃ゆさびしき電話ボックスに 緋路 碑を拭ふ水かげろふの春やさし 軽象 蘖の伸びゆく早さ田安門 炳子
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◎次の世へ溺れてみたし著莪の海 晶文 暮の春鯉のつとりと泳ぎをり 佑天 ゆるり来て恋のボートはうららかに はるか ◎参道を夏めくあつぱつぱと出会ふ 政江 蝶去れば水かげろふの消えてゆく 順子 ◎買ひたくて買へずに帰る竹婦人 幸月 春の雨施設の母は無口らし 裕章 風光る赤子がくしやみするたびに 緋路 天を戴す城垣の反り四月尽 晶文
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美女に袖振る貴公子も青き踏む 幸月 ◎片方の軍手躑躅の上にあり 和子 若葉風軍犬軍馬の背にゆるく 月惑 水準点石に刻みて宮日永 慶月
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九段坂ゆるきよ若葉風吹けば はるか ◎宮城も素なる青空花うつぎ 晶文 惜春の城の鬼門に人と会ふ 炳子 美しくたんぽぽの絮吹く人よ 和子 ◎十字架を仰ぐ高さに桐の花 はるか 神苑の新樹の蔭に画架ひとつ 月惑 鉄線花AI朝のニュース読む 政江
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惜春の旅の鞄を野に置きて はるか ◎紫を神池に溶き花菖蒲 佑天 近衛兵碑に一叢の姫女苑 炳子 母再婚に父の復員昭和の日 幸月 樟若葉両の千木へと迫り来る 慶月 ◎躑躅燃ゆさびしき電話ボックスに 緋路 ◎愛するを捨てし嫗へ囀れる 俊樹 行く春を薄くをのこは化粧して 政江 惜春の情零戦に溢れたり 俊樹
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次の世へ溺れてみたし著莪の海 晶文 春行くとささやく風の声と坂を 伸子 くすぐつたき蝶々ふたりのあひだかな 和子 ◎柏手打つ昭和の人の昭和の日 伸子 干されては魂の抜けたる古浴衣 俊樹 ◎買ひたくて買へずに帰る竹婦人 幸月 上皇の為の牡丹は深紅なり 俊樹 十字架は空を押し上げ桐の花 政江 篝火の尽きて花片累々と 裕章
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リヤカーに奉仕の人の春落葉 佑天 ◎北斎の湾と思へば卯波寄す 俊樹 三叉路に凜と譲らず桐の花 音呼 野遊や人みな小さき影の上 緋路 古九谷は江戸の夏とや紛ひ物 俊樹 濠まもるしづかな覚悟姫女苑 晶文
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minatonohato · 9 months
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石灰光
 女が、傘を斜に持って、膝に乗せた風呂敷包の上に肘をついて頬杖をついている。揺れる市電は時間の割に人気が少なく、席に座る人もまばらなれば、目の前に障害となるように立つ男もいない。私の座る斜向かいにその女は腰掛けていて、ただじっと、床の雨染みでも見ているのか動きもしなかった。女が持つのは、使い古された渋い色の和傘に、くすんだ紫の風呂敷。女には珍しい、重たい黒色の洋風のコオトを着て、その裾からは着物の色合いが、調和を乱すように鮮やかに覗いている。泥に汚れた白足袋と、紫の鼻緒の草履。娘盛りを少し過ぎた年頃だろうかと思うのは、その少しく乱れた髪と、生活に霞んだ手の甲のためである。
 持って出た本も読み終えた私がその女に目を留めたのは、女がその背を、知らずのうちに冬の白い陽に預けていたためであった。女の背後が西側になっているのだろう、その陽光を女は一身に受けている。その女の淡い白い頬の輪郭が、私の視線を誘導させたのだ。
 先ほどまで降っていた小雨の名残が空中に分散して、光線と互いに反射しあっているのか、女の輪郭はやけに淡く光っている。それはまるで銀幕の女優のようで、その白い肌は何よりも私の目を惹いた。女はそれに動じないけれども、市電が動きを止めるたび、そのように揺れる身体をそのまま任せて、そしてその度に、陽の光の方がゆらりと揺れている。
 女本人が動きもしないのに、陽の光のほうがゆらゆらと揺れる。それは市電が動いているからであるし、外では日光を遮蔽するものがたまにあるからだろう。思えば不思議はないはずであるが、女の代わりに表情を変えていく冬の光が、私には面白く目に映った。光が表情を変える度、女はその照明に、勝手に照らされる。何度も違う角度から映される写真のように、女は勝手にその陽の光のモデルとなった。
 女は一際に美しい容姿をしている、というわけではなさそうであったが、それでもこの情景を留めておけるものなら、そうしたいと、一学徒でしかない私にすら思える。しかしながらどれだけ高名な絵描きであろうと、この光の揺らぐ光景は、絶対に描き留めきれないのだから惜しいものだ。
 その時市電が止まり、女が気のついたように数度瞬きをして顔を上げた。風呂敷に沈んだ身体を起こして、頬杖を解放する。私が手持ち無沙汰に女をまじまじと眺めていたことにも気がついていないのか、私とは反対の方向を見て、どうやら現在地を確認しているようであった。すっと伸びた背筋、そこから続く首筋、横顔は鼻筋が通り、重たく見えていた瞼は思いの外強く印象的な瞳を表した。不機嫌そうに引き結んでいた紅が彩る口元の、その端、少し下には黒子が見える。髪の生え際までの額の形と、何よりも、少し寄せられた眉のしなりが美しい。陽の光が女を捉え、女も、遠くを見渡し動きを止めるその瞬間。
 その瞬間を私は見たのだ。
 それは先ほど上野で見た洋画のどれだかのように。完璧に整った一瞬だったのである。女のポオズ、その表情、持ち物衣類から、市電車内の光景と、冬の柔らかい光の色。私が絵描きであったなら、この光景を逃す手はない。そんなものになってみようと思ったことは、生まれてこのかた一瞬たりともなかったというのに、今この瞬間に初めて私は、自らが芸術の道を選び取らなかったことを悔やみすらした。それはあまりに美しく、私の脳裏に焼きついたのである。
 その一瞬間に私は見惚れて、つい女を凝視していたに違いない。次に市電が揺れると、女はついに私に気がついたようにこちらを見やり、黒く細い瞳で私を睨みつけるようにした。そこでようやく我に返る。他者を見澄ましていた己の不躾さに情けない思いを抱えて、居心地悪く女から視線を外す。しばらくそうして車内外に視線を彷徨わせていたものの、自らの落ち度の手前、じわじわと女の視線が刺さる気すらする。ついには居心地の悪さに耐え切れなくなって、まだ先まで乗っているつもりだったものを、次の停車場でそそくさと降りてしまった。
 見ず知らずの女に悪いことをしたとふと息をついたのも束の間、「もし」と人を呼び止める声がする。私ではなかろうと思っていると、目の前に影がぬっと現れた。身を引くとそれは、私が先まで失礼を働いていた女当人である。
「あなた」
女が言う。私はその突然の出来事に動転してしまって咄嗟には声も出ずに、ただ女の顔を凝視していた。
「どちらかでお会いしまして?」
しかし女はそれ自体を気に留めていないのか、ぬっと顔を近づけて私を見る。
「いえ、そういうことはありません」先程は……、
と言いかけたところで、女がはっと距離をとった。
「ごめんなさい、近目なものだから。どこかで顔見知りの人のような気もして……今日は眼鏡も忘れてしまったし……」
女は風呂敷を抱えて、斜に頭を下げる。「いえこちらこそまじまじと申し訳ない」と言えば、女が怪訝な顔をするので、結果、自らの罪を一から自白することとなってしまった。
 一通りの自白を終えて、女は思いの外朗らかにそれを聞いていた。しばらくそのまま立ち話を続けていれば、冬の長い夜はすぐさまやってくる。そろそろ、と話を切り上げ、別れかけると、女はこのまま、ここで市電を待つのだと言った。私が知り合いと思って降りたから、本当はまだ先まで乗っているはずであったのだと恥ずかしそうに笑う。私もまったく同じことをしたとは打ち明けられずに、ただ女に悪いことをしたと再び苦く思う。自らはここから歩いて家まで帰るつもりであったが、女一人を置いて帰るには停車場は薄暗い。
「失礼ですが、どちらまで」
聞けば女の行先も、自分の帰る方角と似たようなところである。徒歩をやめにして円タクを拾い、先の失礼のお詫びにと同乗を誘えば、女は躊躇いながらもそれに乗った。
 帰路にも陽はどんどん暮れる。女が車を停めて降り、別れを告げるちょうどその時、点灯夫が車の横をすり抜けて、ガス灯の火が灯された。ほっと灯る火の暗さが、点々と連なっていく。女はそれをちらと見上げて、冬は日が暮れるのが早くって嫌ですね、と呟く。
 女とは、たかが数刻話した程度。なんでもない話をしていたので、その素性は当然聞いてもいない。近くに住んでいるようではあるから、もしかするとこの先も市電で乗り合わせることもあるかも���れないが、この東京ではその可能性も限りなく低いだろう。
 昼間見た女のあの一瞬を思い返す。光を受けた女の美しいひととき。その類稀なさ名残惜しさに、動き出す車から背後を振り返ると、女はガス灯の下に佇んでいて、その姿はただ暗く映るのみであった。私が振り返るのに気づいたわけはないと思うのに、女の腕が挙げられて、落ちた袖からその細さが暗がりに浮き上がる。今度は浮世絵のようなその情景に、私はソフトを挙げて、ただ、別れを告げるのだ。
もっちりデミタスさんのアドベントカレンダー(2023)寄稿です https://adventar.org/calendars/8560
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tominohouzan · 11 months
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宮本佳林 3rdシングル『バンビーナ・バンビーノ/Lonely Bus』発売記念 ミニライブ&お見送り会 ::★★★★(4.0) 2023年11月4日(土) モリタウン MOVIX前ガーデンステージ 第1部11:30~ (集合時間 11:10) 第2部14:00~ (集合時間 13:45) 第3部16:00~ (集合時間 15:45)
モリタウンまではバイクで45分。前日夜にグーグルマップを見た時は確かにそう表示されていた。長めの二度寝から起きグーグルマップを開くと、モリタウンまでは1時間30分と表示されている。こりゃまずいと飛び起きて3倍速で洗顔と歯磨きだけしてバイクに跨った。
一部の客入りは優先50〜60、無銭は100弱で予想していたぐらいであった。センター下手辺りでみる。今日の衣装は青のショートジャケットとスカートのロンリーバス衣装。お腹が終始出ているのポイントで、お顔より真っ白で薄いお腹ばかり見ていた気がする。ソリストダンスが良いとの評判だったが、どのように良いのか期待していたのだが、コール盛り盛りのアイドルソングであった。今日はとにかく季節外れの暑さで長袖衣装の佳林ちゃんも暑いと言っている。衣装のチョイスは完全にMGさん任せらしい。 駅の反対側のカレー屋でカツカレーを食べる。味はまずまずだが普通盛り950円は私にはエクスペンシブ過ぎた。
2部は1部より若干だが客入りが良くなったようにみえる。上手から双眼鏡で見るつもりだったが、双眼鏡使用者がおじいちゃん一人だけしかいなく、ちょっと場違いかなと自粛した。声の調子が良くなく封印していたロンリーバスを試しにやってみるということに。ピッチも表現も良かったと私は思ったが本人的には「ピッチが甘い」とのこと。今回のシングルではこの曲が1番のお気に入り。可愛さと美しさが同居したMVも素晴らしい。1部より更に暑くなりジャケットをひらひらさせると会場から「Fuuu」の歓声。「フーじゃないでしょ。脱がないよっ!」といたずらっぽく佳林ちゃん。 イトーヨーカドーの入口にセブンのコーヒーマシンが設置されていたのでアイスコーヒーを購入していつものベンチで休憩。
3部はかなり入っている。優先100。無銭も100以上。最下手の電柱あたりで見るが、子連れ優先席がステージとの間にあるので足先から頭まで全身が見えるし、ここが一番近く感じる。そしてこのあたりは天井もないので音響の抜けも良い気がする。気付くと2部で見かけた双眼鏡おじいちゃんも直ぐ側にいるではないか。似た者同士なのだろう、もはや親近感しか感じない。「小生もご一緒しますよ、グヒュフフ」と1部2部では自粛していた双眼鏡の使用に踏み切った。おそらく場内で使っていたのは私を含めて3人程度だろう。ただ双眼鏡を使用したことでブーツの紫のラメがキラキラと綺麗なことに気がつけた。
トークも果林ちゃんのカラーが全面に出ている。まぁ本当によく喋るのだが、ほとんど記憶に残らないは逆にすごい。といってもつまらないわけではなく、耳触りはとても良いのだ。以前MSMWでりなぷーが、まるちゃんとおぜこが佳林ちゃんのトークをラジオを聞き流すかのように聞いているといっていたが、なるほどなぁと今更ながらに頷いた。捌ける際に優先エリアの客にはひとりひとりと目を合わせるかのようにたっぷり時間をかけて手を振っていた。
<セットリスト> 第1部 1.バンビーナ・バンビーノ MC 2.少女K 3.パラレルハート MC 4.Beautiful Song 5.ソリスト・ダンス
第2部 1.バンビーナ・バンビーノ MC 2.Lonely Bus 3.Beautiful Song MC 4.パラレルハート 5.ソリスト・ダンス
第3部 1 バンビーナ・バンビーノ MC 2 Happy Days 3 パラレルハート MC 4 Beautiful Song 5 ソリスト・ダンス
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solitude-klang · 1 year
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ザアザア × VIRGE 2MAN TOUR DARKNESS BLOOD RAIN @名古屋ell FITS ALL
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先攻ヴァージュ
SEと同時に一気にステージ出てくるけどまだ何も始まってないのにお立ち台に立つ遼さんの教祖っぷりが伝わる。あの人の言うことをきかねば大変な事になる。
3曲目 かの有名なループ曲 二枚舌 久々
あと50回とか言ってたことあるくらい無限ループされる拳横モッシュ(超疲れるw)
が 始まってすぐ遼さんが消えて
今日は春さん連れてきた(しかもフロアから上がってった気がする)
思いっきり私服で紫月さんのギターを奪い取りwデッデデデッデデ…っていうヴァージュ独特のあのリズムを人のギターで楽しそうに刻みます
自由になった紫月さんも嬉しそうにフロアを煽ってた
遼さんがお立ち台に脚を畳んで座り歌う姿が痛苦しい 深海 マイクをぶんと振り下げて生声で歌っても十分に響いて美しく哀しい
遼さん今日は憂璃さんにほっぺにチューされて笑いそうになってた(笑ってた)そして片手で吹き払ってた
ラスト 空に落ちる蛍を演奏した後 あともう一曲だけやらせてもらっていいですかとマイクスタンドを持ってきて レンズ(だと思う)
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https://x.com/virge_official/status/1705590752531898654?s=46&t=uhUsDFLEfL0OfgvCYi4Eog
ザアザア
幕が (開くっていうか上から落ちた気がした)降りると楽器隊が音を出している
新衣装
左身黒、右身白揃え サテン地っぽいけど一葵さんのアウターとパンツは生地違うっぽく見えた
零夜さんは黒の編み上げブーツイン
春さんは柄タイツに白黒のヘドレ
亞んちゃんの大きなオーバーオールが可愛くて可愛くてとても可愛かった
後から入ってきた一葵さんは左側の髪をピンで留め上げて安定の片目界隈
1曲目がドローだとばかり思っていたけどリード曲になるほどの長さとキャッチーさが無いと思えばカップリング?
そして早々に赤い拡声器を持ち出し感電 早速フロアへ降りてきた
(みんな大好き一葵さんなのにみんなちょっと広めに避けるのがいつも面白いw)
他バンギャさん達を白目剥いて煽りながら(笑)ステージに戻るとコワイクライ
変わったセトリの入れ込み方
ヨルガオは笑う 春さんあわわわわ(インディアンが仲間呼ぶみたいなやつ笑)またやってたあわわわわわww
朗読は依存 → 気付いて 珍しい ワンマンみたい
かけっこしようぜぇ ララララ は春さんに新兵器ホイッスルで煽られ普通の運動会
一葵さん フードアウターの袖から左腕を抜き 、、右腕も抜くと
二の腕🎊🎊
いい笑顔だね^
みんなのその笑顔ぶっ潰します
笑顔嫌い笑顔嫌い笑顔嫌いキラキラ嫌い…
笑顔こわい笑顔こわい笑顔こわいこわいこわいこわいこわい→ラスト 反骨ドッグへ
↓アー写入になった!
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https://x.com/xaaxaa_official/status/1705546379588993340?s=46&t=uhUsDFLEfL0OfgvCYi4Eog
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kasayoichi · 1 year
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珠玉の友①
老いを是とせず
死を退け
希求するは涯なき生
古より万人は仙薬を追い求めて蓬莱を探し、ときに現世の果てへ消えていった―――
一、
 西に傾く陽の光が弱まり、人がまばらになった市中には濃く長い影が落ちはじめている。伸びた影の先には、天蓋を差し、白衣装に身を窶した一行と、そのうしろから運ばれる真っ赤な龕があった。鳴り続ける鉦鼓と弔いの哭泣を引き連れて干潮の浜へとむかっていく葬列を、静かに見送った。
 大清康熙暦二十一年、冬。
 冬至も過ぎたこの頃、雪こそ降らないこの国だが、陸を吹き抜ける乾いた海風はさすがに身に染みる冷たさにかわっていた。昨年までいた福州に比べればなんとも生易しい気候ではあるが、それでも四肢の末端はすっかり冷え切り、足袋が欠かせない。いつもより厚手の羽織を重ね着て悴んだ指を𠮟咤して筆を動かし、子弟たちを指導しながら漢文の組み立てなどをしていると、あっという間に昼八つ時を大きく過ぎていた。
「今度は丁越市(テイエツシ)だそうです……絶対おかしいですよ」
「まあ、多少気味は悪いが」
 夜詰めをほかの講師に引き受けてもらった己煥は、久米の大門付近で聡伴と落ち合い、ふたりで城下へむけて浮道を歩いていた。このあと城下の近くで朝明と合流し、今夜は漢籍の会読をする予定だ。 数町ほど歩けば座り仕事で冷え切った身体も暖まるだろうと思っていたが、逆に冷え切った夜風が容赦なく吹きつけ歯を鳴らしそうになる。己煥は重ね着をした袖のなかで組んだ己の腕で、辛うじて暖を取っていた。 寒空のもと、ふたりが歩く路肩の松並木のあいだ、その遠く向こうに死者を乗せた朱塗りのそれが目に入ったのはその途中のことである。
 夏以来、 城下とその先へ下った四町や港では、先の旅役にかかわった者たちには災厄が降りかかるという噂が巡っていた。来る年に清からの冊封使節を迎え入れる準備に追われる王府は完全に無視を決め込んでいたが、尾ひれがつき這うように官吏たちのあいだで話が広がる様はなんとなく不気味なものである。
「はじめはちょっとした偶然だと思ったんですけど」
 偶然、先の旅役に同行した某氏が原因不明の病に臥せった。
 偶然、先の旅役で才府を務めた者の室がお産で命を落とした。
 偶然、先の旅役で加子(水夫)務めた者が薩州へ向かう途中、大風で流された。
 そして昨晩、偶然、先の旅役で五主を務めた丁越市が知人と争った末に死亡した―――
「偶然じゃないか?」
「四人が偶然なわけないじゃないですか!四人なんて片手で数えていられるのもあと少しですよ?己煥様は他人事のようにおっしゃいますけど、私たち一緒に船に乗りましたからね!」
「葬式なんて最低でも月一はどこかの村で出ることだろう」
 聡伴は一生懸命恐怖を訴えて喚いてみたが、己煥の反応は今ひとつである。生まれた時分からたびたび生死をさまよっていたと聞くこの御仁にとっては、すべからく平等に訪れるものに対して、何をいまさら、という感じなのだろうか。
「私は帰国以来大きく体を壊したこともないし、朝明は……相変わらずだ。よほど痴情のもつれにでも巻き込まれない限り死にはしないだろう」
「そういう前振りが余計に怖いんですって!」
「―――左様、これから年の瀬にむけて冷え込みますゆえ……調子が良��など大層なことをおっしゃっておられるとあとが怖いですよ、短命二才様?」
 九町ほど歩いた、寺の門前に続く橋の前、唐突に背後から投げかけられた言葉に、聡伴は顔をしかめて勢いよく首をうしろに回した。
 ―――短命二才、この渾名で己煥を呼ぶ者で碌な奴はいない。
「どこの者だ?」
 うっとおしく思った己煥は、ゆっくりと声のほうへ体を向きなおす。すると、己煥らよりも五、六は歳が上のようにみえる、赤帕を巻いて煙管を吹かしている男と、その脇に付き人らしき振袖の若衆がおり、こちらへ近づいてくる。少し体を横に傾けると、隣の聡伴が、赤冠の青年は某氏某家の子息・茂部之子だと耳打ちしてくれた。その家名は三十六姓のうちのひとつで、己煥にも聞き覚えがある―――同籍の士だ。
 王府に仕える士は、その出自と住まいから籍を四つに分けられている。
 朝明のような王族に縁ある家柄の者が住まうが城下、そこを下った先一帯に広がる四町には聡伴のような中級の士、さらに北側の港町には下級の士、そして四町と北の港のあいだが、己煥らが籍を置いている唐栄の村である。
「貴方より名声は劣りますが、この私も唐栄の出であり進貢使節の一員だったというのに寂しいことをおっしゃいますなぁ」
 吐き出された煙草の煙が、この男の周りを取り囲むように漂っている。
 己煥は深く息を吸い込ぬよう着物の袖で口元を抑えていたが、次第にあたりの空気も燻されたように乾き、咳き込みそうになる。
「なぁにが”使節の一員”ですか。あなたが心汚く縁を頼って船に乗り込んだことくらい周知の事実ですよ?用があろうがなかろうが失礼させていただきます」
 こんなやつと話す必要はありません、と聡伴は己煥をうながして右へ回ろうとした。
「なにか良い薬でもお召しになりましたか?」
「どういうことだ?」
 唐突な問いに、立ち去ろうとしていた己煥と聡伴はうっかり足を止めた。
 道行く人々がこちらの様子を窺いながら通り過ぎていく。士族の子弟らしき若者が路上で剣呑な雰囲気で言い合いをしているのだ。目立たないはずがない。茂部之子の傍で控えている若衆も困り顔で黙り込んでいる。
「いやぁ、不思議なこともあるものですなぁ。あれほど御身体が弱く上天妃の宮で教鞭を執られるのも稀といわれていた貴方が、今年は講解師に任じられたうえ冠船の諸事まで手伝っているというではないですか」
 来年は清から冊封使節が訪れるため王府のありとあらゆる役所がすでに大忙しであるが、海の向こうとの窓口になっている己煥ら三十六氏の官吏はいっとう多忙を極めていた。
「そこの推参な小童は私の縁故を心汚いと宣ったが、短命二才様が口にされたのはとてつもない良薬であらせられるようだ」
 なるほど、と己煥は静かにため息をつく。結局はいつものくだらない突っかかりである。一人のときは適当に口を閉ざしてその場をやり過ごすのが常だった。煙たさが治まってきた己煥は、口元から袖を離す。 この先で待たせているであろう朝明のことを思案して腕を組み直した。
「あなたにもそのうち素晴らしい効能を持った薬が見つかりますよ、多歳赤冠殿?」
「このッ……」
 ふたりを睨みながらも、無理に口の端を釣り上げ表情を取り繕う様は、なんとも品がなくみえる。あれほど分厚くとぐろを巻いていた紫煙は、今や線香ほどのか細い煙のすじとなって漂いながら、大人しく煙管に納まろうとしていた。
 年長の者をためらいなく挑発する聡伴に感心していると、なかなかあらわれない己煥たちに待ちくたびれたのか、朝明が橋を渡りこちらへ下ってくるのがみえる。己煥と聡伴が己のうしろを見やっていることに気がついた茂部之子も、つられてうしろを向いた。
「そうだそうだ。薬なら四町の市のほうが取り揃えが良い。さっさと下って行っちまえ」
 軽快な笑みを浮かべた朝明は、手首で軽く追い払うしぐさを見せる。若年にもかかわらず己より官位が高い聡伴や朝明に逆捩じを食らわされる恰好となった茂部之子は、あからさまに唇を噛みしめ吐き捨てる言葉を探していた。側に控えていた若衆は、これ以上この主人の口を開かせまいと、彼に去り際であることを小声で訴えている。
 茂部之子が動くよりも先に、朝明は己煥の上腕を軽く掴んで橋のほうへ上がるように導く。思ったより力を入れて組んでいた袖下の両腕を解くのに手間取りながら、己煥は朝明に従った。
「……災いは平等だ」
 茂部之子は取り繕ったしたり顔で言い放つ。
「家柄の良い才府も、優秀な五主も、不幸には抗えない。五本目の指を数えるのが貴方がたのうち誰か一人でなければ幸いですな」
「あなたはご自分の心配をなさったほうがよろしいですよ!そろそろ寒さが堪える御老体であらせられますしね!では失礼!」
 聡伴は今度こそ足を止めまいと、慌てて朝明と己煥を追いかける。
 橋を下った先では、大股で容赦なくひたすら前を歩く朝明に引っ張られて、足をもつれさせた己煥が待ったをかけていた。寺の門前を過ぎたあたりには馬を待たせてくれているのだろう。ここから城下へ少し上がったところに、朝明の別邸がある。
「朝明様!」
 ふたりに追いついた聡伴は、時間を取らせてしまったことを朝明に詫びるが、馬に乗りながら垂れ流すのは先程の愚痴であった。
「なんですかあいつ!己煥様が口利きで職位をもらったかのような言い方」
「それなりの位に就けば、私でなくとも下の者からの妬みや嫉妬は誰だってかっている」
 身体が弱く、これまでたいして仕事を抱えてこなかった己の名が聞こえるのが面白くない下級官吏が多いのは致し方ないことだろうと己煥は思っている。
「それでも言わせすぎだ。少しは周りを黙らせる努力をしろ」
「なんだお前まで」
「せっかく才能と実績は折り紙付きなんですから、御身体崩されてたときのことなんて気にしなくていいんですよ」
「この調子じゃあ小賢しい出世の競り合いで潰されちまうぞ。とくにお前んところは」
 同籍同士の出世争いが著しい唐栄に生まれながらも、己煥はどうも控えめで気が柔い。己と立場が逆であったほうが過ごしやすかったのではないかとすら朝明は思ってしまう。
「己の沈黙は是の証で」
「他の妄言こそが真とされるんだぞ」
 お前の将来に係ることなんだから、と朝明は念を押す。
  官吏という職は、謹厳実直に仕事をこなすだけでは立身の道は拓けないし、従順で馬鹿正直では勤めをまっとうすることはかなわない。頭だけではなく、気と口もよく回さなければ生き残れないのだ。己煥とてそれがわからないわけではないのだが。
 強く言い聞かせてくるふたりに気圧された己煥は、結局のところ、朝明しかわからない程度に頬を膨らませてふたりから目を逸らし、相変わらず黙っておくことしかできなかった。
 
「ところで朝明様、あの噂は……」
「いいか聡伴、進貢船の員数は二百余名だ。それが全員死んだら龕は出ずっぱりだぜ?」
 荼毘のさいに遺体を納めて運ぶ龕は、各村にひとつずつしかない大切な共有物だ。月に何度も葬式を出されてはたまったものではない。
「そりゃあ、まぁそうですけど……あ、お刺身美味しかったです」
 すっかり陽が落ちたころに到着した朝明の別邸でふたりに散々窘められ、供される料理に鼓を打っていても、聡伴はどうにも噂が気にかかって仕方がない。腹に流し込んだ汁物の温かさが、少しだけ気を軽くさせた。
「船旅は死に近い。船をおりてもそれの気配はなかなか離れぬだろう」
 そして、その心懸かりは吐き出されるにつれて尾ひれを纏い、村を流れ、町へ飛び、やがて大きな噂となる。
 屋敷の使用人に獲らせてきたのだという玄翁に、 己煥もありがたく一切れ、箸をつけた。 血色の良い白身は厚めに切りおろされ、ほんの少し加えた酢が身そのものの淡い味を引き立てている。
  見目のためにうっすらと残された皮がおびる青い濃淡は、薄明りのなかで鈍く光り、とても美しかった。
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itocaci · 1 year
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人気の"rihei"デニムシリーズ - rihei "Denim Jacket" / "Denim Pants"
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こんばんは。
関西は10年ぶりに5月に梅雨入りの発表があり、ここ数日はスカッとした青空もあまりみることが出来ない。
明日はかなり強めの雨になりそうだ。
一方週末は晴れ間が少し覗きそうだったり。
お天気にコロコロと振り回されて、なかなかと思い切って洗濯物を外に干せないのが辛い。
でも街を歩くと、あちらこちらでいつの間にか紫陽花が綺麗に咲き始めて、夜中にスカイビルの横を歩くと、カエルの鳴き声が聞こえる。
地元に住んでいた頃、当時は田畑に囲まれていたので、夜中になるとカエルの鳴き声に苛々としたこともあるけど、今、カエルの鳴き声を聞くと、ちょっと懐かしく感じられて、心地よくすら感じる。
正直、梅雨は鬱陶しい。
でも、嘆いていても必ずやってきてしまう。
それだったら、この時期にしか楽しめない、梅雨の風景というものを楽しんでやろうじゃないか。
そんなことを思った。
明日はかなり強い雨になるそうだ。
おそらく、お店にはのんびりとした時間が流れるはず。
静かな音を流しながら、雨の音にでも耳を傾けてみようかと思う。
ちょっと美味しいコーヒでも飲みながら。
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さて、今日は、昨年人気で即完売してしまった"rihei"のデニムアイテムをピックしてみようかと思う。
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rihei : Denim Jacket (blue) ¥35,200 (tax in)
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rihei : Denim Jacket (black) ¥35,200 (tax in) sold out
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rihei : Denim Pants (blue) ¥30,800 (tax in)
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rihei : Denim Pants (black) ¥30,800 (tax in) sold out
ちょっと”black”カラーは既に完売してしまったのだが、ブルーはまだ上下で1組残っているのでご紹介させてもらえればと思う。
それにしても、本当に”rihei”のデニムは人気である。
昨年登場した"rihei"のデニム。
パンツは少し仕様や色も変わって今季も登場。
そして、昨年はなかったデニムジャケットが新たに登場した。
春夏でも快適に着用いただけるように、シルエットは上下ともゆとりのあるデザインとなっている。
また、素材は通常のデニムと比べると、少し薄手のデニム素材となり、これからの季節でも十分活躍してくれるアイテムとなりそうだ。
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ジャケットは身幅にゆとりを持たせただけではなく、アームホールにもゆとりを持たせている。
以前、"rihei"のリネンジャケットやパンツを紹介したときにも話したのだけど、ゆるーい、やる気のないような、脱力感あるシルエットになるのに、着用すると可愛い。
特に、このジャケットはバックからのシルエットがオススメだ。
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背面が少し、ふっくらと膨らむようなシルエットがとても印象的で、美しい。
緩いのに、美しい。
ストレスや肩を張らずとも、美しく見えるなんて、めちゃくちゃ重宝できるアイテムではないだろうか。
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首周りの生地を裁ちっぱなしにしたデザインも"rihei"の特徴的なデザインの一つである。
生地の切れ端から糸が少し出ているんだけど、ちょっとしたフリンジみたいでデザインのアクセントになっている。
また、襟のない、ノーカラー仕様のデニムジャケットになるので、首周りもすっきりと見せることができて、これからの季節にもオススメだ。
梅雨の肌寒い日に、ちょっとこんな素敵なジャケットを羽織ってお出かけを楽しむ。
雨で気持ちが上がらない日こそ、こんな美しいジャケットを纏ってお出かけしてみて欲しいなぁ。
(デニムジャケットなので、雨に濡れても家で洗えてしまうので、そういった実用面でもオススメだったりする。)
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デニムパンツも同様にウエスト部分や裾の部分は裁ちっぱなしにしたデザインを採用。
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昨年は、裾を大胆に折り返したデザインになっていたのだけど、今年はシンプルな仕様に変更されている。
実は、こちらの方が使いやすくて、ロールアップの幅も自分の好きな具合に調整が効く。
クルクルとラフに巻いて履いても良いし、何回か折って履いても良いし、逆に1回だけ大きく折って履くのも良い。
つまり、着用する人間が、その日の気分やコーディネートに合わせて好きに調整していただける。
着る私たちに任せるような余白が、今年のデニムにはあったりする。
だから、ついつい僕は今年も"rihei"のデニムを個人用でもオーダーしてしまった。
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しかも"rihei"のデニムはベルト付きでもあるので、ちょっとお得だったりする。
ウエストがめちゃくちゃワイドになるので、元々このベルトでキュッと絞って着用することを前提としており、女性から男性までユニセックスで着用が可能なアイテムとなる。
実際にブランドの公式では女性が着用している。
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これからの季節であれば、サンダルとか履いて、ロールアップして、夏のラフな装いに取り入れていただくのが一番良いのかなぁなんて思っている。
梅雨や夏のジメジメとした暑い日にも、少し薄手で、かつ家でのお手入れも簡単な"rihei"のデニムパンツはかなりこれからの季節にオススメしたいアイテムだ。
ここ数年、かなり"rihei"の人気が出てきている。
それはここ数年のアイテムが素敵なことはもちろんなんだけど、"rihei"を購入している方のほとんどが、一度"rihei"のアイテムを購入して、実際に着用したことがある方なのだ。
つまり、一度着用すると、すっかりその魅力に取り憑かれてしまっているということなのだろう。
見た目ではなかなかと目に飛び込んでこないのかもしれない。(こんな言い方をしたら失礼だけど。)
でも、着用した者にしかわからない世界があるのだ。
そして"rihei"の魅力を感じていただくのに、このデニムは最も入りやすいアイテムになると僕は思っている。
もちろん"rihei"のことを既に知っている人にもオススメしているので、ぜひ、この機会に一度袖を通してみてはいかがだろうか。
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きっと、"rihei"のデニムアイテムを纏ったら、虜になる。
その自信がある。
後悔などさせないし、手にして良かったと絶対に思ってもらえると信じている。
そんな訳でもし良かったら一度お試しあれ。
なおこちらは現在オンラインショップでもご覧いただけるので、合わせて見ていただけると嬉しく思う。
それでは次回もお楽しみに。
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junikki · 2 years
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久しぶりにポケモンsvやってる。さいきょうゲッコウガのために。ちな8万もする高級バックパック買っちゃった。グリーンなんだけど、ブルーに見える。ブルーグリーンの髪色にも合うしモンボっぽい取手がついてるのがかわいい。
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全身はこんなかんじ。足元はブラウン系で揃えました。半袖��パンなのにストッキング履かせてるねんwようつべでプレイ動画よく見るけども、ヴァイオレット勢が多い中でほんとスカーレットの制服可愛く思える。ヴァイオレットは紫といっても紺に近い色味だから、日本の制服っぽい感じで、スカーレットはオレンジといってもキャメル感もあるから、ヨーロッパの伝統的な制服っぽい感じ。あとセーラームーンの無限学園っぽさもある。だからセーラーネプチューンっぽい髪色にしたのもあるかも!ヴァイオレットだったら多分ピンク系ヘアにしてたかなあ。
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ちなみにゲッコウガレイドはシャワーズを使用。意外と簡単に勝てる。ヤドランでも良いらしいけども、エスパーだからつじぎり撃ってくるのがきついかなって。みずだけのシャワーズの方が余裕を持って倒せるかも。実際驚くほど余裕で倒せたw
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攻略サイトを参考にとくこうと防御に努力値全振り。おんみつマント🥷のおかげで毒状態にならないし。攻略サイトではくろいきり採用してたけども、私は回復しながら積み技ができるアクアリングを採用。これのおかげで全然HP無くならず、一度も倒れることなく安定して倒せる。
とける
アクアリング
応援で回復させる
とけるを3回積む
めいそうを6回積む
あとはアシストパワーを3回打つだけ。
とけるを3回も積んでるとめちゃくちゃ硬くなるwつじぎりなんてかすり傷程度って感じ。そのかすり傷がアクアリングで勝手に回復されるので安心してめいそうを積める。さいこう。シャワーズ強すぎて好きになったわ。今までシャワーズなんてバケモンみたいやし別に…って感じだったんだけども、やたらと可愛く思える。ブイズではブースターが一番好きだけども弱いからなあ。
ᙏ̤̫͚
ちなみに旅行行く予定でしたが2月に変更になりました。元々2月にトロント行く用事もあったしね。でも2月も寒いんだよなあ。というかむしろ2月の方が寒いかもしれんwでも寒すぎる方がかえって雪は降らなかったりするみたい。今回の旅行はとにかく防寒重視で全身黒でゴスっぽい服装にしようと思ってる。ブラックレディ的な。髪色もピンクだしね。
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quem2 · 2 years
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小旅俳句集
■2022年6月
百日紅蟻達急ぐ大通り
炭酸水急坂上る泡の粒
城跡に白き花の香にせあかしや
若葉風隣の町につながって
青芝の種よく食べる庭の鳩
絵葉書の潮騒低く鳴りにけり
長調に短調混じりて夏の雲
■ 2022年7月
鬼子母神抜けてさ迷う目白かな
宿題や父がすすめた山椒魚
建て替えの夏に佇む給水塔
ほうき草群れて転がる畑かな
夏鴨やあくびをひとつ雨野川
夏合羽俳句届ける赤バイク
暑すぎて蝉も戸惑う鳴き始め
■2022年8月
蜘蛛の糸心ごころにしがみつく
百日紅花が転がる風の道
草いきれ錆びた自転車眠りけり
白壁の色を重ねる蝉時雨
青桐の葉が風に揺れおやつどき
鉄道草袖振り合うや通う道
かなかなや鎮守の森に響く夕
■2022年9月
眠れぬ夜窓開けて聞く虫の声
秋思う空気のようなこのうつつ
残りの蚊大きなかゆみ残しけり
レモン買う遠くの町の今日の日に
稲妻のごときおいしさエクレアや
白粉花赤白黄色親しげに
行き先をバスに委ねる葉月かな
■2022年10月
九月尽名前を記すオムライス
秋風に選句投句の拍子あり
山粧う秘密知らないままにして
電池切れ昭和に戻る雨月かな
やや寒し削れた肌のいけず石
秋深し何をまつるかがらんどう
宵闇にくねる暗渠の帰り道
■2022年11月
こだまするあちらこちらの秋の暮
渡り鳥わかれて次はいつ出会う
ぼうとする芒の続く山々や
つつましく暮らす毎日色なき風
食べてみる意外と甘い青蜜柑
日を浴びて輝いている柿の色
落葉降る夜の校舎の曲がり角
■2023年1月
新年会カーテン巻いて待つこども
冬枯れの内に流れる命かな
長老木のまた一年を巻く姿
凧あげて空を眺めるふたりかな
歌がるたお手つきばかりのこどもたち
初夢や夢の中にて夢を見る
帰り道振り向く二匹狸かな
■2023年2月
しら梅や池の向こうの知らぬ街
春炬燵ふと思い出す前世の名
鳥曇なかなか消えぬすねの傷
春節や強き店員五目麺
東風吹くやオラン���ータン空歩く
春浅し髪にしみ入るお焼香
三人の日々に新たな春が来る
■2023年3月
沈丁花皆に香りを配りけり
春霞静かに響くジムノペディ
花粉症隣の部屋に気配あり
道しるべ倒れて春に迷いけり
ぶらんこやふわりと昔思い出す
頬杖や冷めた珈琲春を待つ
春愁い並ぶ列車の別れ行く
■2023年4月
風車肩こらぬ術知りにけり
春霞メガネのくもり拭きにけり
花の雨鳥喜んで蜜を吸う
見上げるとビニール傘に花ひとつ
春の夜や一駅歩く長い道
ひなげしやアタッシュケースのなくしもの
新緑や並木を静かに曲がるバス
■2023年5月
柔らかきシャツ選ぶ朝夏浅し
宵宮や二面踊りの音の響き
多摩川にアカシアの花さらさらと
青林檎いつも通りを渡りけり
部屋の角怖がっている素足かな
タラちゃんや年少さんの春の夢
瀧の線トコひんまげテ落ちにけり
■2023年6月
レシートや財布の中の走馬灯
紫陽花や土の様子を見て咲けり
イヤフォンのコードをほどき風薫る
どこまでも続く街灯半夏生
束の間の静かな森や箒草
白靴や日々に追われて思い出す
頼もしき青面金剛南風来たる
■2023年7月
砂浜に落としたままのサングラス
神鳴りやいつもの行い試される
あざやかなおしろい花の流れかな
紅はちす子等の幸せ願いけり
白はちす蕾のままのあなたかな
百日紅季節の風が広がりぬ
見上げれば白さるすべり空にあり
■2023年9月
水澄めり寝転んでいる朝のソファ
水澄めり去り行く人のうた残る
葉月なる白き公団影送る
新しく古き光や今日の月
枕もと本重なりて獺祭忌
秋風鈴何を残すか思案橋
秋雨や優しい顔の石仏(いしぼとけ)
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dtgmjgd · 2 years
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成人式でした👘
2023年1月8日
人生に一度の成人式がついに昨日、、もう20年経ったのか、、人生早いなあ、と言うコトで❕楽しかった思い出沢山記録します🫶こだわりが詰まった振袖は、赤ベースに紫の小物とヴィンテージバッグとイヤリングで唯一無二に。友達みんな綺麗で可愛くなってて感動です😭同窓会は大好きカイトにて❕初めて話した人もいたし、面白くてアホがやっぱり最高に楽しいね🎶2次会、3次会、4次会と完走しました。ありがとう✋
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kachoushi · 2 years
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各地句会報
花鳥誌 令和5年1月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和4年10月1日 零の会 坊城俊樹選 特選句
草花のひかりの中へ列車ゆく きみよ 玉電の秋日に錆びし蛙色 要 雁渡るご墓所の天の筒抜けて 順子 神在す胙として木の実独楽 三郎 大老の供華には黒き曼珠沙華 いづみ 木の実降る正室と側室の墓 同 おしろいや世田谷線の音に住む 千種 どんぐりに一打を食らふ力石 みち代 踏切を渡りカンナの遠くなる 順子 茎だけになりて寄り添ふ曼殊沙華 小鳥 直弼へ短きこゑの昼の虫 光子 金色の弥勒に薄き昼の虫 順子
岡田順子選 特選句
草花のひかりの中へ列車ゆく きみよ 黄のカンナ町会掲示板に訃報 光子 井伊の墓所秋の大黒蝶舞へり 慶月 大老の供華には黒き曼珠沙華 いづみ おしろいや世田谷線の音に住む 千種 十月の路面電車の小さき旅 美紀 秋の声世田谷線のちんちんと はるか 現し世のどんぐり星霜の墓碑へ 瑠璃 直弼の供華の白菊とて無言 俊樹 直弼へ短きこゑの昼の虫 光子 秋声や多情を匿すまねき猫 瑠璃 累々の江戸よりの墓所穴まどひ 眞理子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年10月1日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
点と点結ぶ旅して尉鶲 愛 振り向かぬままの別れや秋日傘 久美子 月光や洞の育む白茸 成子 木の実落つ長き抱擁解きをれば 美穂 折々に浮かぶ人あり虫の声 孝子 ひぐらしの果てたる幹へ掌 かおり 国境も先の異国も花野なる 睦子 虫の音が消え君の音靴の音 勝利 流れ星消えたるあたり曾良の墓 かおり
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年10月3日 花鳥さゞれ会 坊城俊樹選 特選句
天高き天守の磴や男坂 千加 秋高し景色静に広がりて 同 汽水湖に影を新たに小鳥来る 泰俊 朗々と舟歌流れ天高し 同 落城の業火の名残り曼珠沙華 雪 秋立つとほのかに見せて来し楓 かづお 天の川磯部の句碑になだれをり 匠 天高し白馬峰雲ありてなほ 希
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年10月6日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
夫のこし逝く女静か秋彼岸 由季子 赤い羽根遺品の襟にさびついて さとみ 学童の帽子が踊る刈田路 吉田都 雨音を独り静かに温め酒 同 紫に沈む山里秋の暮 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年10月7日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
蛇穴に若きは鋼の身を細め 鍜治屋都 芋の露朝日に散らし列車ゆく 美智子 神木の二本の銀杏落ちる朝 益恵 破蓮の静寂に焦れて亀の浮く 宇太郎 新種ぶだう女神のやうな名をもらひ 悦子 鱗雲成らねばただの雲一つ 佐代子 色褪せず残る菊とは夢幻能 悦子 ばつた跳ぶ天金の書を捲るごと 都
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年10月8日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
ますかたは吟行日和年尾の忌 百合子 奔放にコスモス咲かせ埋れ住む 同 椋鳥の藪騒続く夕間暮 美枝子 子等摑む新米の贅塩むすび ゆう子 名園を忘れ難くて鴨来る 幸子 ぱつくりと割れて無花果木に残り 和代 初鴨の水の飛沫の薄暮かな ゆう子 猪垣や鉄柵曲がり獣の香 三無
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年10月10日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
木の実落つ藩邸跡を結界に 時江 コスモスの花街道は過疎の村 久子 産声の高し満月耿耿と みす枝 ひとしきり子に諭されて敬老日 上嶋昭子 曼珠沙華供花としもゆる六地蔵 一枝 鰯雲その一匹のへしこ持て 時江 雨の日の菊人形の香りなし ただし あせりたる話の接穂ソーダ水 上嶋昭子 倒立の子に秋天の果てしなき 同 秋風にたちて句作に目をとぢて 久子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年10月10日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
川は日に芒は風に耀うて 三無 風向きに芒の穂波獣めく 怜 雨止みて爽やかに風流れ出し せつこ ゆつたりと多摩川眺め秋高し 同 秋雨の手鏡ほどの潦 三無 患ひて安寝焦がるる長夜かな エイ子 藩校あと今剣道場新松子 あき子 秋蝶や喜び交はす雨上り せつこ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年10月11日 萩花鳥会
大阿蘇の銀波見渡す花芒 祐子 観る客と朝まで風の秋祭り 健雄 秋祭り露店の饅頭蒸気船 恒雄 秋吉台芒波打ち野は光る 俊文 花芒古希の体は軋みおり ゆかり まず友へ文したゝめて秋投句 陽子 青き目に器映すや秋日和 吉之 夕日影黄金カルスト芒原 美惠子
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令和4年10月16日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
金継ぎの碗によそふや今年米 登美子 そぞろ行く袖に花触れ萩の寺 紀子 子の写真電車と橋と秋夕焼 裕子 秋の灯に深くうなづく真砂女の句 登美子 花野行く少女に戻りたい母と 同 被写体は白さ際立つ蕎麦の花 紀子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年10月16日 伊藤柏翠俳句記念館 坊城俊樹選 特選句
御神燈淋しく点り秋祭り 雪 天馬空駈けるが如き秋の雲 同 自ら猫じゃらしてふ名に揺るる 同 秋潮に柏翠偲ぶ日本海 かづを 真青なる海と対峙の鰯雲 同 鶏頭のいよいよ赤く親鸞忌 ただし 桃太郎香り豊に菊人形 同 鬼灯の中へ秘めごと仕舞ひたし 和子 雲の峰だんだん母に似てゐたり 富子 振り返へるたびに暮れゆく芒道 真喜栄 坊跡に皇女が詠みし烏瓜 やす香
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年10月16日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
おほかたは裏をさらして朴落葉 要 秋深し紙垂の失せたる縄一本 千種 合掌のかたちに稲を掛け連ね 久子 豊穣に早稲と晩稲の隣り合ふ 炳子 耕運機突っ込まれたる赤のまま 圭魚 鏤める谷戸の深山の烏瓜 亜栄子 稔り田を守るかに巖尖りけり 炳子 晩秋の黃蝶小さく濃く舞へり 慶月 雨しづくとどめ末枯はじまりぬ 千種 穭田に残され赤き耕運機 圭魚
栗林圭魚選 特選句
溝蕎麦や角のとれたる水の音 三無 ひと掴みづつ稲を刈る音乾き 秋尚 稲雀追うて男の猫車 炳子 叢雲や遠くの風に花芒 斉 泥のまま置かるる農具草の花 眞理子 稲刈や鎌先光り露飛ばす 三無 耕運機傾き錆びて赤のまま 要 けふあたり色づきさうなからすうり 千種 晩秋の黃蝶小さく濃く舞へり 慶月 雨しづくとどめ末枯はじまりぬ 千種 隠沼にぷくんと気泡秋深し 炳子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年10月19日 福井花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
渡り鳥日本海を北に置く 世詩明 コスモスや川辺はなべて清酒倉 同 朝倉の興亡跡や曼珠沙華 千代子 案山子見てゐるか案山子に見らるるか 雪 赤とんぼ空に合戦ある如し 同 ゆれ止まぬコスモスと人想ふ吾と 昭子 色鳥の水面をよぎる水煙 希子 点在の村をコスモス繋ぐ野辺 同 小次郎の里に群れ飛ぶ赤蜻蛉 笑子 鳥渡る列の歪みはそのままに 泰俊 鳥渡る夕日の中へ紛れつつ 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年10月21日 鯖江花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
俳人の揃ふ本棚秋灯 一涓 大法螺を吹き松茸を山ほどと 同 那智黒をひととき握りゐて秋思 同 漂へる雲の厚さよ神の旅 たけし 稲孫田のところどころに出水跡 同 美術展出て鈴掛けの枯葉踏む 雪 院食の栗飯小さく刻みをり 中山昭子 秋晴や僧の買物竹箒 洋子 末枯れて野径の幅の広さかな みす枝 短日のレントゲン技師素つ気なし 上嶋昭子 栗拾ふ巫女の襟足見てしまふ 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年10月21日 さきたま花鳥句会 岡田順子選 特選句
竜神の抉りし谷を秋茜 裕章 コスモスの続く車窓を開きけり かおり 段々の刈田に迫る日の名残り 月惑 残菊の縋る墓石に日の欠片 同 草野ゆく飛蝗光と四方に跳ぶ 裕章 夕空を背負ひ稲刈る父母の見ゆ 良江 二つ三つむかご転がり米を研ぐ 紀花 黄葉散るギターケースに銀貨投ぐ とし江 秋びより鴟尾に流離の雲一つ 月惑 弾く手なき床の琴へも菊飾り 康子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年10月23日 月例会 坊城俊樹選 特選句
ケサランパサラン白い山茶花咲いたから 順子 草の実の数ほど武運祈られて いづみ 盛大に残りの菊を並べけり 佑天 誇らしげなる白の立つ菊花展 秋尚 白帝の置きし十字架翳りなく かおり 魂のせるほどの小さき秋の蝶 順子 晴着色の鯉の寄り来る七五三 慶月
岡田順子選 特選句
初鴨の静けさ恋ひて北の丸 圭魚 色鳥の色を禁裏の松越しに はるか 草の実の数ほど武運祈られて いづみ 菊月の母は女の匂ひかな 和子 白大輪赤子のごとく菊師撫で 慶月 ふるさとの名の献酒ある紅葉かな ゆう子 大鳥居秋の家族を切り取れる 要 菊花展菊の御門を踏み入れば 俊樹 亡き者のかえる処の水澄めり いづみ 秋興や一男二女の横座り 昌文
栗林圭魚選 特選句
菊花展菊の御門を踏み入れば 俊樹 鉢すゑる江戸の菊師の指遣ひ 順子 玉砂利を踏む行秋を惜しむ音 政江 秋の影深く宿して能舞台 て津子 神池の蓬莱めきし石の秋 炳子 破蓮の揺れ鬩ぎ合ふ濠深き 秋尚 能舞台いつしか生るる新松子 幸風
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年10月 九州花鳥会 坊城俊樹選 特選句
戻りくる波より低き鰯舟 喜和 人波によごれし踵カンナの緋 かおり 考へる葦に生れにし秋思かな 吉田睦子 北斎の波へ秋思のひとかけら 美穂 一燈に組みたる指の秋思かな 同 石蹴りの石の滑りて秋落暉 ひとみ 砂糖壺秋思の翳は映らずに かおり ゆふぐれの顔して鹿の近づきぬ 美穂 城垣の石のあはひにある秋思 成子 おむすびの丸に三角天高し 千代 梟に縄文の火と夜の密度 古賀睦子 黒電話秋思の声のきれぎれに 同 恋人よ首より老いて冬眠す 美穂 顔伏せてゆく秋思らの曲り角 かおり
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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this-is-the-uchu · 2 years
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旅行記
 写真めっちゃ多いのと一言シリーズです。言っておきますけどクソ長いですからね。今年のGW後半は法事で母と地元に帰還しました。実親は私の生まれ故郷を離れているためにもはや帰る家は無く、ほぼ旅行みたいなものなんですけど。
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 往路での初飯は空港のおにぎり屋さんみたいなとこでした。カフェインがダメな体質なので売店のお茶で唯一ノンカフェインのとうきび茶をセレクト。赤飯は結構好きです。
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 名も知らぬ飛行機を乗り合わせた方々。飛行機降りてからの長い通路、好きです。
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 モノレールか新幹線か、どっちかです。カーテンあるので多分後者。
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 10年とは行かないまでも7〜8年振りくらい。改装後は初なので懐かしいけど思い出よりも綺麗になってて笑いました。
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 初日の宿は、
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 ドーミーイン!人生初でしたが快適すぎて最高でした。一生住める。ゾンビ溢れる世紀末になったらドーミーインか映画館に避難したいです。
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 この向かいの建物なっっつ!ってなりました。入口地下のライブハウスとか1Fスタバとか、高校時代にお年玉持ってここでカバン買ったりとかしました。Tommy Hilfigerのボストンとか()エモくて死にました。
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 昔はここの通りにセブンなんてなかったと思うんですけどね。あと右側に大きい黒人の人が通行人に声かけてブランド品をぼったくり価格で売ってる店みたいなのがあったんですがここではなかったかもです。
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 単焦点での駅前。
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 広角での駅前。クソ田舎のくせに一丁前に流行りの格好した若者が沢山いてネットの普及と時代の流れを感じましたが歩き方やら声のボリュームやらのイキリ方があまりにも青臭くて「これぞ長野県民のクオリティだ」と実感すると同時に長野の嫌なところを再認識させられました。こんなとこに住んでたまるかって感じです。
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 この世で美味いビールのTOP3に入る志賀高原ビール。
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 美味い酒とでかいステーキにご機嫌になります。480gとかだった気がしますがこれ以上でかいサイズがなかったので致し方なく。1kgくらいは余裕です。
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 肉肉しくってよ〜。
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 食後は観光がてらライトアップしてる善光寺へ。
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 さっきの棒みたいなのが貴重?だとかなんだとか。触れるようなので触っておきました。行列できててウケました。
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 お戒壇めぐりってのを小学生の時にやりましたね。何も見えない真っ暗な中で前歩く人の肩に手を置いて進み奥にある鐘みたいなの鳴らすんですよね。
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 ここぞとばかりにいろんな写真を撮ります。
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 Youtubeライブ配信は善光寺にまで。ケーブルテレビという呼称がエモ。
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 牛に引かれて何とやらの牛くんじゃないか!かぁいいねぇ。
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 仲見世通の赤ライト。
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 善光寺仕様のスタバ。他店よりほうじ茶系が美味そうという偏見。
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 目が逝ってる鳥。
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 風神だったべか。
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 じゃあこっちが雷神だべな。
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 この地域では有名な式場です。従兄弟の結婚式で来たことがあります。
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 チン......ライポくんね。
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 この水溜まってるやつ、よく分からないけど長野って感じ。
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 懐かしさ。
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 なんかカフェと併設した絵画の展示場だったかの入口。怖い。
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 ぞうのぞう。
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 門前町なのでこんな不思議な駐車ができるのです。長野って感じ。
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 食べたことは無いです。美味しそう。
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 知らないキャラです。
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 アッ!八十二銀行!八十二銀行じゃないか!元気だったか?お前の名前を見たり聞いたりすると長野って感じがして、すごく懐かしいよ。
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 これ好きな写真です。通りに花を飾るイベントみたいなのの前日だかだったのでお花がいっぱいありました。綺麗でした。ロマンチック。
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 Hana.
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 flower.
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 furawa-.
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 これも好きな写真です。
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 PCR検査場あって何だか笑いました。何でだろう。
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 旅行2日目の朝食バイキング。野沢菜おやきが懐かしすぎて良かったです。前夜の夜鳴きそばは写真撮ってないです。
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 朝食もそこそこに法事のためながでんへ。出発数十分前に早々に乗り込んだのでだーれもいやしません。
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 別に乗り物は好きでは無いのですが折角カメラあるし他に人いなかったのでチャンスとばかりに撮影。多くの人が利用するはずの場所に全く人がいないというシチュエーションは大好きです。
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 無人。
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 で、コレですよ!電車の開閉ボタン、懐かしすぎ。今の職場に新潟出身の人が居たんですけど(過去形)このボタンの話できてちょっと盛り上がりました。
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 ホーム。
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 ホーム逆サイド。これだけだと夜の外ホームに見えますね。
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 電車。人居たらこんなの撮ってません。興味もないですし。
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 法事終わり。寺の写真を勝手に撮るのは勿論よくないんですけど、ここ父の実家なもんで。親族ですから。
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 これ書いてる時に気づいたんですけど善光寺の水溜まってるやつは、これを想起させるから懐かしかったんですね。お墓参りの水汲むとこです。
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 新緑、って感じですね。よく晴れている。
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 上の従兄弟。野球選手のマエケンをもっと強面にした感じの副住職。子供は下の従兄弟の息子なので叔父と甥ですね。
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 除夜の鐘でついたことがあります。
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 父と息子の履き物。いい写真。
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 本堂への通り道。関係者しか入れない場所です。
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 「三つ葉葵」があるんですよ。
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 玄関の喫煙スペース。従兄弟がここでタバコを吸います。俗物。一緒にアメスピを吸った思い出が甦ります。
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 法事終了。2日目の宿はかつて高3の卒業までの半年を過ごし、以降は帰省先となった村へ。移動手段が母の職場の後輩であり、自分の高校の2個上の先輩であると判明した方に送ってもらいました。懐かしい道のドライブでした。
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 夕景ってなんでこんなに美しんでしょうかね。
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 これ美味いんですよ。
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 夕飯。旅館・民宿って感じでいいです。白米は美味いわ山菜は美味いわで良かったです。それ以外は普通。
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 温泉。誰も居ませんから...。
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 ここの温泉まんじゅう、死ぬほど美味いんですよ。村内にいっぱいまんじゅう売ってるんですけど自分はここが一番好きですね。
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 エモすぎる!ヤマザキショップ!村内唯一のコンビニですけど普通に閉まるんですよね。2016年頃に一時帰省してた時はここでモンスターとかおやつとか買ったな〜。タバコも買ったっけか。
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 かつての冬季五輪のキャラらしいですよ。
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 お気に入りショット。
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 3日目朝。
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 これはガチ近所。
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 山々。
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 綺麗な景色です。田舎は嫌いですがこういうの見ながら育ったのは良かったですよ。四方を見回せば山に囲まれてるの、安心します。
 この朝の景色撮るために前日夜に確認したバス乗り場をあえてスルーして次の知ってる乗り場に行ったんですけどそのバス停が無くなってて「戻るほどの時間はないけど乗り遅れたら新幹線も乗れなくなる!」ってなってクソ焦りました。結局早足で先に進んでさらに次のバス停に到着できました。
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 駅前。学生時代の寂れた駅舎の面影はありません。時代は変わりますね。生きてる間にあと何回ここに来ることができるでしょうか。特段用事もないというのに。
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 ハイ!東京!渋谷からバスに乗りました。今回のお目当てのSleek Eliteさんに向かってます。ハードケースは往路の時に東京駅に預けてました。GWでクソ並んでる中で颯爽と荷物を預けてギターを回収した時の、行列からの視線と地震の中に湧き上がる爽快感といったら。エクボクロークいいですよ。
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 Sleek Eliteでの用事は10分も経たずすぐ終わってしまいました。中心部に戻るためにバスで、人生初の阿佐ヶ谷に着弾。スタバは写真撮るだけで寄ってはないです。今回の旅はスタバに縁があったな。
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 本日の宿は東京駅近くです。
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 僕はドーミーインのが好きでしたが、後で聞いたら同行した母はこっちが良かったとのことでした。
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 夕景。今回はずっと晴れててくれました。なんだったらこの日は25°とかまであったので暑かったです。スキューバ素材の黒の長袖なんか着ちゃってました。
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 本当は夜に長年会ってない友達と会う予定でしたがお仕事の都合で急遽キャンセルに。予定もアテもないままご飯を求めて外に出ました。
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 設定変えて同じ景色を撮影。大人になってから紫好きです。
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 何でこのタイミングで撮ったのかは分からない。
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 東京にはたっかいビルがいっぺあんな。
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 憧れ?の丸の内OLの波動を感じる......。
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 散歩中に見つけた路地。誰も居なくて最高でした。都会の路地って感じの路地っていいですよね。龍が如くとかでもそういう道好きでした。大阪だけど。
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 駅前の繁華街まで来てしまいました。ちょっとエッチなお店があって怖い人に声かけられないかとかドキドキしました。
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 高架下。
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 いっぱいご飯の店あったんですけどあまり惹かれず全スルーして散歩継続。路地があれば入っていくぅ!
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 移動しまくって室町テラスへ。ここ相棒16のロケ地かと思って写真撮ったんですけど東京スクエアガーデンてとこだったので勘違いでした。
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 彷徨った結果巡り合ったのはミニストップでした。人生初で興奮しました。いい散歩になったと思います。
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 マンゴーとバニラだったかな。東南アジア系の外国人さんがワンオペ店員で日本人の田舎者の自分にソフトクリームを作ってくれるという構図にTOKYOを感じました。
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 旅も終わります。13階の景色いいです。バカなので高いとこ好きです。
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 最終日の朝食は早めに空港へ行きブランチをば。
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 ホットケーキって言え!
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 そこそこおしゃれな店でしたが忙しそうな店員さんに「メープル追加でかけられませんか?」と尋ねてしまう愚かな私をどうかお許しください。ドバドバかけて最後は皿に残ったのを飲みたいくらいメープルシロップ好きなんですよ。ちなみにダメでしたね。
 
 
 そんな旅でした。
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kimonoyamanaka · 4 years
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~ ベースと振袖 ~ いちばん大切な物と一緒のとき、 いちばん私らしくなれる。 ---------------------- こちらのお嬢さまが着ておられる振袖も「きものやまなか」にてお見立てさせて頂きました。 当店ではお嬢さまの美しさと個性がいちばん輝く晴れ着をご提案しております。 詳しくはプロフィールのURLより当社ホームページをご覧下さい ⇒ @furisode_yamanaka --------------------- #振袖 #着物 #きものやまなか #kimono #振袖美人 #きものやまなか振袖美人 #ベース #bass #音楽 #music #インスタ映え #うすピンク振袖 #うす紫振袖 #古典振袖 #名古屋 #日本 #japan #japon #japanesestyle #japaneseculture #lovejapan #japanlife #instagramjapan #成人式前撮り #振袖前撮り#前撮り #名古屋振袖 #名古屋市振袖 #振袖名古屋 #振袖名古屋市 (振袖 名古屋市 きものやまなか) https://www.instagram.com/p/CJVtxx-s9EY/?igshid=ct9hcrjgqsjd
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