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ring804 · 2 years
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genkidesuka2022 · 11 months
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アクセントだけじゃない 薬味の凄さ!
大根おろし、ゆず、かぼすなどの柑橘類・・・何を連想しますか?
実は、これらは薬味として使われることの多いものなんです。
薬味には、様々な種類があり辛味や独特な香りで食材のおいしさをより一層引き立てる香味野菜や香辛料のことです。
麺類や鍋ものなどの料理には欠かせない薬味には、どのような種類と役割があるか。
今回は薬味について取り上げてみました。目次
アクセントだけじゃない 薬味の凄さ
薬味とは
薬味から得られるさまざまな効能
薬味の歴史
薬味の種類と味や具体的な役割
野菜類
ネギ
ニラ
タマネギ
大根
セリ
三つ葉
シソ
タデ
木の芽
ショウガ
ミョウガ
ニンニク
行者にんにく
わさび
ホースラディッシュ
クレソン
パセリ
セロリ
コリアンダー(パクチー)
ミント
ドクダミ
ウイキョウ
ケッパー
バジル
ルッコラ
レモングラス
菊の花
かいわれ大根
海草類
海苔
青のり
あおさ
ヒトエグサ
とろろ昆布
香辛料
唐辛子
コショウ
カラシ
山椒の粉
花椒の粉
クミン
パプリカ
カルダモン
アニス
八角
ナツメグ
ターメリック
シナモン
ローリエ
陳皮
柑橘類
レモン
ライム
ゆず
カボス
スダチ
シークヮーサー
ダイダイ
種子類
ゴマ
ラッカセイ
クルミ
松の実
マカダミアナッツ
果実類
梅干し
干しブドウ
クコの実
魚・動物性のもの
削り節
サクラエビ
ちりめんじゃこ
その他
天かす
油揚げ
油条
最後に
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アクセントだけじゃない 薬味の凄さ
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薬味とは
薬味とは、料理の風味を良くしたり、食欲を増進させたりするために添えたり、料理に混ぜたり、つけたりする調味料のことです。
薬味には、わさび、ネギ、生姜、ミョウガ、大根のつま、すりごま、シソ、唐辛子、青のりなどがあります。
薬味は、料理の味を整えるだけでなく、食欲を増進させたり、消化を助けたり、殺菌効果を発揮したりするなどの効果があり焼き魚や鍋料理、冷奴や麺類などにひっそりと添えられていたりもします。
そして薬味を添える食品に合ったものを選ぶのが大切で、辛味や酸味、香りなどを引き立ててまた違ったおいしさに変えてくれます。
また薬味とともに食べる料理はおいしいだけではなく、体にとって様々な利点を得られるところも薬味の魅力です。
少量でもクセになるおいしさを引き出す薬味は、呼び名の通り薬のような効果を得られることも。
薬味は漢方薬の薬方を作る際の生薬であり、料理に添えられる薬味の中には漢方の材料として使われるものがたくさん存在します。
薬味から得られるさまざまな効能
世界中で脇役ながら欠かせない薬味は種類がたくさんあります。
日本で使われている代表的な薬味は、ネギや三つ葉、生姜やミョウガ、わさびや大葉など非常に豊富に食べられていますが、これら���薬味からは殺菌作用や疲労回復、血流促進、免疫力向上、精神的安定、食欲倍増効果、消化促進など、挙げだしたらきりがないほど得られる役割が多いのですよ。
薬味の種類の部分で後述しますが、料理の質を上げるために薬味はなくてはならない食材の一部となっています。
薬味の歴史
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普段様々な料理に合う薬味を添えて食べていますが、薬味の歴史は深いものです。
もともと薬味は世界中でスパイスやハーブとして多方面で活用してきました。
広大な国土の中で調達した食料を何日もかかって運ぶ必要があったヨーロッパでは保存を目的としてスパイスが活用され、耐え難い暑さの中で生活を送るインドや東南アジア諸国では、食欲を回復させるためにスパイスやハーブが使われてきました。
また、強い臭いを放つ肉類の臭み消しに使用したり、反対に香りを付けたりと、用途を選ばないスパイスやハーブは食生活を送る上で今も昔も手放せなかったものです。
しかし、日本ではこれだけ多くの薬味が定着したのはつい最近のことです。
1970年代半ばまでは浸透しておらず、商品が店頭に置かれることはあまりありませんでした。
もちろん家庭で常備してあるはずもなく、スパイスやハーブを積極的に使うという概念がなかったのです。
日本は島国ということもあり、海の幸や山の幸が豊富に取れ、国の中で運んでも新鮮な状態を維持したまま食べられます。
したがって、日本は他の国のように何かを得るために使用する目的ではなく、食材にアクセントをつけるために薬味を使ってきました。
さらに、スパイスやハーブを日本人が薬味として扱っている理由は、魚介類に慣れていることも挙げられます。
至る場所で魚類の入手が可能なこともあり、素材の味がダイレクトに出る刺身や寿司の新鮮さをそのまま生かせる薬味としての使い方が促進されてきました。
ただ、日本で薬味の歴史が全くなかったかというとそうでもありません。
日本で薬味の始まりはうどんの食べ方からだと記録が残っています。
江戸時代初期の1661~1672年には、江戸に住む町の住人たちにうどんが人気となります。
この頃にうどんを口にする際は、薬味も取り入れられるようになったとされています。
江戸時代の古典書籍では、「薬味として梅干し、垂れ味噌汁、鰹の汁、胡椒、大根、醤油汁がよい」という記録が残っています。
そのため、江戸時代で使われていた薬味は現代の薬味でいうコショウや大根などだったと言われています。
薬味の種類と味や具体的な役割
刺身には大葉やわさび、鍋ものには大根おろしなど、人によって薬味を使う料理は様々です。
好みもあるため、この料理には必ずこの薬味を使わなければいけないということはありませんが、薬味の種類と味を知って、詳しい役割なども覚えておくと良いと思いませんか。
野菜類
ネギ
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薬味では定番のネギは、シャキシャキとした食感と鼻を通り抜ける辛味が食材のアクセントになる薬味です。
辛味成分である硫化アリルと呼ばれる成分が含まれており、殺菌、抗菌の他にも血流促進や利尿作用などもあります。
ニラ
ネギとはまた違った独特の風味があるニラは、渋めの香りで食材の味に奥行きを持たせてくれる風味に仕上がります。
ニラもネギと同様に硫化アリルが含まれており、腸内環境を整えて高血圧や糖尿病を予防し、代謝を良くする役割などもあります。
タマネギ
料理の材料として登場する頻度の高いタマネギは、歯応えの良いショリショリとした食感と控えめな辛味で、食材の持ち味を引き立てる薬味です。
タマネギのツンとした香りもネギやニラと同様の成分が含まれているためです。タマネギは動脈硬化や血栓予防、抗炎症作用などにも良いとされています。
大根
焼き魚や鍋物などに添えられる大根おろしは、ピリッと辛い風味がクセになる薬味です。
大根おろしを薬味として使った料理は刺激を感じる風味はありますが、口の中で馴染みやすいためよりおいしさがアップします。
大根はすりおろすことでイソチオシアネートという成分が生まれ、殺菌や抗酸化作用、老化防止や肝機能などの向上に良いとされています。
セリ
歯応えがしっかりと感じられ、独特のクセが強めのセリ。主に香りを楽しむために使われることが多く、好き嫌いが分かれる薬味の一つです。
苦味があり、和風料理だけではなく洋風の料理とも相性ピッタリです。
抗酸化作用や認知症予防、解熱作用などの役割があります。
三つ葉
和風料理に鮮やかをプラスする三つ葉は、香りや味わいが濃く感じられる薬味です。
濃いめの味付けに仕上げた料理に負けない風味があるため、緑を足したいときにも役に立ちます。
三つ葉は美肌効果や高血圧予防、視力維持などの役割をします。
シソ
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魚や肉などのどんな食材とも合うシソは、万人受けする香り高い薬味です。
鼻をくすぐるような香りは、マンネリした料理をパッとおいしく変えます。
シソは動脈硬化の予防や皮膚や粘膜の細胞を健康的に維持するなどの役割があります。
タデ
刺身の横にひっそりと添えられている赤身みがかったタデは、強い辛味がある薬味です。
特に香りの強い魚と合い、川魚の塩焼きなどと一緒によく食べられています。
血流改善や加齢性眼病予防、高血圧改善などの役割があります。
木の芽
木の芽は山椒の若葉のことを指し、手で叩くことで香りが出ます。
お吸い物やちらし寿司などの香りや風味がダイレクトに出る料理に良く使われ、木の芽のほのかな香りが楽しまれています。
食欲増進や胃腸の働きを良くする役割があります。
ショウガ
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舌の上でピリピリと感じる辛味がどんな料理とも合うショウガは、料理に使うと隠し味のような存在になります。
口の中で広がる辛味と、じんわりと残る温かさがおいしい薬味です。
生のものと加熱させたものでは役割が異なりますが、抗菌作用や代謝促進、冷え症の改善などの役割をします。
ミョウガ
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ふっくらとした歯応えのあるミョウガは、薬味の中ではさっぱりとした味わいをしています。
苦味もあり、料理に使うと爽やかな香りを感じるミョウガは、血行促進やむくみ防止などの役割を持ちます。
ニンニク
ショウガに続いて使用頻度の高い薬味であるニンニクは、料理に使うとふわっと広がる香りで料理の味を包みます。
食欲をそそる香りがするため、風味を強くしたいときにもニンニクが役立ちます。
ニンニクは糖代謝を促進したり、疲労回復、かぜ予防などの役割をします。
行者にんにく
行者にんにくもニンニクに似た香りがする薬味です。好みが分かれる香りですが、シャキシャキとした食感は醤油漬けや酢味噌和えにして食べられています。
血流の流れを良くし、心筋梗塞や脳梗塞、生活習慣病の予防などに良いとされています。
わさび
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混じり気のない自然な辛さが爽やかに感じられるわさびも薬味としてお馴染みです。
突き抜ける辛さは食材のおいしさを引き立たせます。
わさびは抗菌作用に加え、消臭効果や発がんの予防などの役割をします。
ホースラディッシュ
ホースラディッシュの和名は西洋わさびです。
和わさびと比較すると色が白っぽく、1.5倍の辛さがあります。
肉類との相性が非常に良く、マヨネーズやサワークリームなどと組み合わせてソースを作ってもおいしく頂けます。
ホースラディッシュは抗菌作用で食中毒を予防し、血栓予防などの役割もあります。
クレソン
近年食べる方が多くなってきたクレソンは、独特な苦味や辛味がある薬味です。
ステーキやハンバーグにアクセントを加え、そのままサラダとして食べることもあります。
クレソンは筋肉痛やこむら返りの改善やアンチエイジング、口臭予防や食中毒の予防などの役割をします。
パセリ
唐揚げなどに添えられているだけで、あまり食べないという方も多いパセリは、強い苦味と青臭さがあります。
肉料理などを食べたあとにパセリを食べると、口の中がさっぱりとします。
パセリは、貧血予防や免疫力の向上などの役割をします。
セロリ
セロリも薬味の中で好き嫌いが分かれる食材です。
風が通ったようなスーッとした独特の香りは爽やかに感じられ、みずみずしい食感を味わえます。
セロリはストレスの緩和や止血の促進、高血圧の改善などの役割をします。
コリアンダー(パクチー)
スパイス系の薬味であるコリアンダーは、カレーのスパイスとしてよく使われています。
コリアンダーは名前が違うだけでパクチーと同じ植物です。
強く青々しい香りがありつつも、後を引かないすっきりとした味は、風味を引き立てる薬味です。
コリアンダーは美肌効果や消化促進などの役割があります。
ミント
強くすっきりとした感覚が明確なミントは、はじけるような清涼感の強い薬味です。
ミントを使うとスースーとする味わいで、口の中をさっぱりリフレッシュしてくれます。
ミントは、鎮静作用や乗り物酔いの予防、胃腸の働きを整える役割があります。
ドクダミ
お茶としても活用されているドクダミも薬味として使えます。コリアンダーに似た味わいがあり、爽やかな風味もあります。
ドクダミは、利尿作用や解熱、解毒などの役割をします。
ウイキョウ
ウイキョウは甘さと苦味を感じる奥深い味わいと、クセのある香りを出せる薬味です。
ウイキョウは母乳の出を良くしたり、消化器系の鎮静をするため痙攣を防止する役割があります。
ケッパー
ケイパーとも呼ばれるこの薬味は、つぼみの酢漬けのため、ケッパー独特の風味と酸味が楽しめます。
しかし、ケッパーの存在が強調されるような味わいではなく、あくまで添える料理がメインとなる味や風味です。
ケッパーは、リウマチや便秘改善や食欲増進、抗がんなどの役割があります。
バジル
バジルは強い爽やかな香りと少しの苦味を持つ薬味です。
料理に添えると食欲が刺激される良い風味を楽しめます。
バジルは、がんや動脈硬化の予防、リラックス効果などの役割があります。
ルッコラ
ルッコラはゴマのような風味と舌の上で少しはじけるようなピリッとした辛さがあり、ものによっては強い苦味があります。
ルッコラは、高血圧予防や骨粗しょう症、粘膜を健康に保つなどの役割をします。
レモングラス
レモングラスは一般的なレモンと同じ香り成分が含まれているため、レモンとほぼ同じ香りと味がします。
透き通るような爽やかな香りと、クセのない酸味を引き出すことができます。
レモングラスは、腹痛や下痢の緩和、食あたりの予防、殺菌と抗菌作用の役割があります。
菊の花
鮮やかな黄色で薬味としてよく見かける菊の花は、爽やかな香りと少しの甘みが感じ取れます。
菊の花は、抗酸化作用や殺菌、解毒、皮膚と粘膜を丈夫にする役割をします。
かいわれ大根
かいわれ大根は比較的強めの辛さを感じる薬味です。そこまで強い香りはないため、様々な料理の薬味として使われています。
かいわれ大根は、ホルモン調整や抗酸化作用、がん予防などの役割があります。
海草類
海苔
淡白ながらも奥深い味わいをしている海苔は、クセがほとんどないため少し香りを感じたいときに役立つ薬味です。
海苔は血中コレステロール値の低下や貧血予防、二日酔いや慢性肝炎予防などの役割をします。
青のり
青のりは磯の香りが非常に良く味わえる風味をしています。
青のりは、便秘改善やむくみ予防、美肌効果などが期待できます。
あおさ
青のりとよく似たあおさは、独特の苦味がある薬味です。
もちろん磯の香りもしっかり楽しめます。
あおさは、骨や歯の健康維持や腸内の善玉菌を増やす役割があります。
ヒトエグサ
青のり、あおさと並んでよく似ているヒトエグサは、葉が厚めで香りが良く、柔らかい食感が楽しめます。
ヒトエグサは、免疫力の強化や疲労回復、整腸作用などに働きかけます。
とろろ昆布
見た目で好き嫌いが分かれ��とろろ昆布ですが、昆布の香りや味が十分に楽しめる薬味です。
とろろ昆布は、糖分や脂肪分の吸収を抑制したり、便秘解消などに良いとされています。
香辛料
唐辛子
辛さが明確な唐辛子には青と赤がありますが、より辛味を感じるのは赤唐辛子の方です。
唐辛子は引き立つ強烈な辛味があるため、辛い薬味が欲しいときにピッタリです。
唐辛子は、基礎代謝をアップさせたり、体を温める役割をします。
コショウ
調味料としてのイメージが強いコショウも薬味の一つです。
種類がいくつかあるコショウはそれぞれ風味や味が異なります。
ブラックペッパーはコショウを強く感じる独特の風味があります。
ホワイトペッパーはブラックペッパーより風味が控えめになっており、青コショウは辛味がある反面、爽やかな風味がある種類です。
赤コショウは色合いが綺麗でマイルドの風味を楽しめます。
コショウは、血行促進や消化機能の向上などの役割をします。
カラシ
カラシはマイルドな辛さがあり、後からくる旨みを引き出せる薬味です。
ただ辛いだけではなく、優しい辛さの中においしさがあります。
カラシは、殺菌作用や動脈硬化の予防などの役割があります。
山椒の粉
薬味として使う山椒の粉には柑橘系に似た香りを持ち、軽く舌が痺れる辛味があります。
山椒の粉は、骨や歯を構成したり、たんぱく質の合成などを行う役割があります。
花椒の粉
鮮やかな色合いが美しい花椒の粉は、爽やかな香りと口の中で広がる痺れが味わえる薬味です。
花椒は、消化液の分泌を促したり、消化不良を改善する働きがあります。
クミン
クミンは強い芳香がありますが、苦味と辛味は思いのほか控えめの薬味です。
口の中で広がる風味を味わえます。
クミンは、髪や爪などの細胞を再生、免疫機能を維持するなどの役割を担っています。
パプリカ
パプリカとピーマンは同じ野菜であり、パプリカはハンガリー語でピーマンを意味します。
味は控えめな甘みと微かな苦味があります。
パプリカは、細胞を保護する作用やむくみ予防、動脈硬化などの予防に働きかけます。
カルダモン
カルダモンは辛味があまり強くない代わりに香りが非常に強い薬味です。
上品で爽やかな引き立つ香りを楽しめます。カルダモンは、鼻詰まりや痰を抑制し、発汗作用などの役割があります。
アニス
アニスはリキュールの香り付けにも使用されるほど甘さと爽やかな香りを楽しむことができます。
胃もたれ防止や消化促進作用などの働きをします。
八角
八角はアニスと同じ主成分であるため香りがよく似ていますが、植物としては別物です。
八角はシナモンをギュッと集めて凝縮したような甘い魅惑の香りがしますが、苦味も感じられます。
八角は、新陳代謝を高め、風邪や咳止めなどにも使われています。
ナツメグ
スパイス系調味料としてお馴染みのナツメグは、甘く立つ香りと苦さを感じます。
しかし、マズイと感じる苦味ではなく、ほろ苦いような食材を引き立てる苦さです。
ナツメグは、鎮静作用や消化改善などの役割があります。
ターメリック
ターメリックは漢方に似た少し苦味が残る味わいです。
辛味は一切なく、土のような香りだと感じることもあります。
ターメリックは、抗アレルギー作用や月経調整などの役割を担います。
シナモン
シナモンはお馴染み、甘い香りが特徴です。
辛味は特になく、マイルドな風味が味わえます。シナモンは、血行改善やコレステロールの改善などに役立ちます。
ローリエ
ローリエは甘い香りがしますが、そんな甘さを感じさせない苦味があります。
また、ローリエは、防腐作用や消化促進、食欲倍増などの役割を持ちます。
陳皮
陳皮(ちんぴ)はみかんの皮のことです。陳皮はみかんの皮ですから、柑橘類特有の甘酸っぱい爽やかな香りを放ちます。
味は少し苦味があり、漢方として重宝されています。
陳皮は、咳止めや痰を切る作用があり、食欲不振に良いと言われています。
柑橘類
レモン
心身ともにリラックスする香りとさっぱりとした口辺り、そして強い酸味が持ち味のレモン。
はじけるような酸味と言えばレモンが最適です。
レモンは、毛細血管を丈夫に保つ働きや、動脈硬化、血栓予防などに役立つ役割があります。
ライム
柑橘類の薬味として定番のライムは、レモンと同じように酸味がある薬味です。
しかし、酸味の中に独特の苦味を感じられます。
レモンに近い香りを放ちますが、より角が立つ香りをしています。ライムは、疲労回復や免疫力アップ、成人病予防などの役割があります。
ゆず
ゆずは香酸柑橘と呼ばれる品種で、果肉を食べるのには向いていないとされています。
そのため、ゆずは主に果汁の酸味を風味付けする用途で使われる薬味らしい柑橘類です。
酸味と少しの苦味を感じるゆずは、悪玉コレステロールを抑制したり、炎症性の痛み、膀胱炎などにも効果があるとされています。
カボス
カボスもゆずと同様に香酸柑橘類に含まれる品種です。
しかし、カボスは香酸柑橘類の中では酸味が少ないのが特徴で、余計な酸味が不要な場合に適しています。
食材の持ち味を邪魔することはないため、薬味として香りのみを味わいたい際にピッタリです。
カボスは、筋肉に溜まった乳酸を原因とする肩こりや頭痛の緩和、胃液の分泌を正常にする役割などもあります。
スダチ
スダチは上品ながら引き立つ香りと酸味を味わえます。
カボスとよく似ていますが、カボスは控えめな香りをしているため、香りの感じ方が大きく異なります。
柑橘類で薬味として使うなら、スダチを選ぶ方も多いようです。
スダチは、新陳代謝を高めたり、疲労回復や体の中の不要な塩分を外に排出する力を持っています。
シークヮーサー
シークヮーサーは、レモンに近いくらいの強い酸味を感じます。
人によってはレモン+みかんを足して割ったような味と表現する方もいます。
爽やかで酸味感の強い味を感じられます。
シークヮーサーは、血糖値の上昇を抑制し、高血圧の改善などに役割があります。
ダイダイ
ダイダイも香酸柑橘類に含まれます。ダイダイも柑橘らしい強い酸味とさっぱりした味わい、苦味が特徴ですが、香りにクセがないため扱いやすい薬味となります。
ダイダイは、蓄積した乳酸の代謝分解を促して疲労回復や高血圧予防などに働きかけます。
種子類
ゴマ
小さい粒に旨みが詰まったゴマは、すったものも人気です。
粒が残っているゴマも、歯に当たるとプチッと弾けるような食感を楽しめます。
ゴマは、コレステロールの減少や脂質代謝の促進などに働きかけます。
ラッカセイ
おやつやおつまみのイメージでお馴染みのラッカセイ。
香ばしく食欲を刺激される風味と凝縮された旨みは格別です。
ラッカセイは、感染症の予防やアレルギー症状の緩和、皮膚や粘膜などの働きを手助けする役割があります。
クルミ
クルミは、強いコクと苦味や渋味を感じる奥深い味わいをしています。
クルミは心地良く鼻から抜けるまろやかな香りを楽しめます。クルミは、睡眠の質を向上させ、薄毛対策などにも役立つとされています。
松の実
松の実は、口の中でほんのりと広がる甘さと油分が風味をまろやかに感じさせます。
中には苦味や酸化したような香りを感じるものも多いですが、松の実の味は非常に贅沢な味わいです。
松の実は、炎症や発熱を抑制し、アトピーやアレルギーの緩和などに働きかけます。
マカダミアナッツ
ナッツの中で食べられていることが多いマカダミアナッツは、淡白ながらも油分が多く、ナッツらしい旨みやコクを感じます。
マカダミアナッツは、糖尿病予防や美肌効果、貧血予防などに役割を果たします。
果実類
梅干し
使う食材を選ばない梅干しは、強烈な酸味が鼻を突きぬける風味でお馴染みです。
物によってはしそ漬けや甘みを重視したフルーティーな味わいの梅干しもあります。
梅干しは、老廃物の蓄積を抑制し、血流促進やカルシウム、鉄などの吸収を促す役割を持っています。
干しブドウ
ブドウを乾燥させた干しブドウは、別名レーズンと呼ばれていますよね。
干しブドウは、乾燥させた実から溢れ出す微かな酸味と甘さが楽しめます。
干しブドウは、腸内環境を整えて血糖値の上昇を抑制する役割などがあります。
クコの実
クコの実は、非常に薄い味わいをしています。生臭い香りを放つものもあり、トマトに似たような味わいをしています。
クコの実を生で食べる機会はあまりないと言えますが、中国では漢方薬の成分に使われることもしばしばです。
クコの実は、眼精疲労の回復や抗酸化作用、滋養強壮などに良いと言われています。
魚・動物性のもの
削り節
動物性のものには削り節も薬味の一つです。削り節は周知の通り、風味も味も非常に高いものです。
上品な香りを手軽に食べられる薬味の一つと言えるでしょう。
削り節は、生活習慣病予防や血圧の正常化などの役割があります。
サクラエビ
サクラエビは、エビの強い旨みが凝縮された風味と味があります。
淡白な食材と合わせると、格段においしさがアップする薬味です。
サクラエビは、筋力の維持や血流促進、コレステロールを減少させる役割があります。
ちりめんじゃこ
ちりめんじゃこは天日干しされて乾燥しているため、イワシ類の旨みやふわっと広がる香りを楽しめる薬味の一つです。
ちりめんじゃこは、骨や歯を形成し、中性脂肪の低下やアルツハイマー病の予防にも役立ちます。
その他
天かす
天かすは淡白な味の食材にインパクトをプラスしてくれます。
天かす単体ではそこまではっきりとした味わいではありませんが、卵料理や豆腐料理などの薬味として使えば味のレベルがグッと上がります。
たんぱく質や脂質、炭水化物、ナトリウムなどが含まれていますが、高カロリーのため薬味として少量ずつ食べると良いですね。
油揚げ
油揚げは口いっぱいに広がる強い旨みと、コク、香ばしい風味を楽しめます。
油揚げは、認知症予防効果や骨密度の維持などの役割を担います。
油条
油条(ヨウティアオ)は、中華揚げパンのことです。小麦粉を練って油で揚げて作られます。
単体では味がそこまではっきりしているものではありませんが、小麦のふくよかな香りが楽しめます。
油条は小麦粉と油で出来ているため、薬味として少量程度楽しむ食べ方が良いでしょう。
最後に
様々な料理に何気なく添えられている薬味には、種類によってあらゆる役割があることが分かりました。
少しクセがありますが、どの薬味も料理にアクセントを与える重要な存在です。
どの料理に何の薬味が合うか分からないといった点や、どのような味に仕上がるのか分からないという方は是非今後の参考にしてみてくださいね。
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jitterbugs-mhyk · 2 years
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猟犬のゆりかご stray dogs.
 
 その黒い犬は、朝靄のなかにねむっているやさしい思い出をじっと、眺めている。おおきな身体はしなやかで、しるしの星を戴いて、凡庸に立つクリスマスの樅の木のように、朴訥としてどこか盲目な従順、ひとみ燃えるピジョン・ブラッド、星を融かし沈めたくだもの、喉を焼くサングリアの酒精、あらゆる焔に熱はなく、ただ煌々と、しらじらと、夜明けとともに世界の表層が、嘗められてゆくのを感じていた。さあ、朝だ。日が昇り、山肌を温め、空気をかき混ぜ、靄を払って、変わり映えのない日を今日も積み重ねる。羊たちは草を食み、石についたわずかの朝露と、塩分とをちびりちびりと舐めている。彼は眠るためではなく羊をかぞえ、起きだして仕事をはじめた。
 日々の多くは単調だ。どきどきしたり、わくわくしたり、ちょっとした異変や、予想できない天候の変化のたぐいはあっても、まったく思いもよらないことや、出逢ったことのないひと、見たことも聞いたこともない大事件が起きるなどというのは、魔法使いの長い人生においてだって稀なこと。未だ未開の土地も多く、ひとの手の入らない、魔法があったって生きていくのにけして楽とは言い難い南の国は、うつくしく積み上がった石の、白亜の尖塔を天へ向けて聳えさせている雄大なるグランヴェル城を有する中央の国や、華やかなりし芸術の都、花の、音楽の、絵画のそうして演劇の、文化の発展いちじるしい西の国、一年の多くを雪と嵐に鎖されて、自ら持ち得る魔法のみを恃みにし、傲慢で高潔、純粋すぎるがゆえにいっそ邪悪ですらある魔法使いたちに縋らなければ生きてゆくさえむつかしい、しかし凍てつく嵐のはざま、垣間見える土地の峻厳にして繊細なうつくしさは、他の追従をゆるすことはない北の国、それぞれの孤独で互いをぬるく慰め合う、晴れた日の雨のような、いつだって濡れて光っている石畳の東の国、それらのどこより未熟で、純朴、大陸にあってもっとも魔法使いと人間との紐帯たしかな土地である。力を重宝されるのみでなく、単純に、きびしい暮らし向きのなかにあって、それらを区別することに、意味など見出しかねるというのが実際のところだろう。区別して暮らすよりも、助け合うほうがよほど生きやすいのだ。少なくともここ、南の国では。
 開拓と、生活、日々のちいさな積み重ね、森を拓き、山を切り崩し、水を引いてようやく畑に実りをもたらす。まずは明日を、そうしてその次の日を。南の国で未来と云えば、遠いかなたの日々ではなしに、まずは来月、来年の話になる。星を詠み風を視て、やれ今年の収穫はどれだけで、食い扶持はこれだけ、来季に種にするぶんを省いた残りを備蓄と、売って僅かに贅沢にする。暮らし向きはけして裕福であるとは言えなかった。かくいうレノックスも、天候に恵まれず収穫のきびしい年には、そう易くはくたばらない魔法使いであることに胡坐をかいて、いったい何日絶食したものか定かではない。自分はかつて軍人でもあったから、満足に食うこともかなわない強行軍も経験があると請け負って、育ち盛りの子どものいる家に食糧を回してもらった。まったく苦でないというと語弊があるかもしれないが、満足にものを食えずひもじい思いをすることよりも苦しいこと悔しいこと、しんどいことがほかにもあると知っていて、較べてなんということも無い、自分には耐えられると判断したまで。のちに長じた子どもたちはあの厳しい冬、レノックスが食い扶持を分けてくれていなかったらきっと死んでいたと、彼に深く感謝をするのを、けして忘れはしなかった。感謝や、親愛、それらを求めてしたことではなかったけれども。
 羊飼いの職に就いてもう何年になるだろう。そもそもレノックスが南の国へやってきたのは、かつての知己、たったひとり誰より敬愛して、このひとのほかにあるじはないと定めた男、偉大なる中央の国の建国の英雄でありながら歴史の闇の中に消えてしまったファウスト・ラウィーニアの消息を訊ねてのことだった。革命の終局にあって、彼が率い、レノックスも所属していた魔法使いの隊は、手酷い裏切りにあってファウストが火に架けられると、文字通りに旗印をうしない、司令官をうしなって、てんでバラバラに離散してゆくほかになかった。レノックスを含めた数人が、無辜のままに焔のなかで、さいごまで親友を信じていた男の処刑を遠くから見つめていたが、彼らはどれほどファウストを慕っていようとも、彼を助けるために駆け寄ることかなわなかった。
 別段、レノックスは、まさに火に架けられようとするファウストを救うために躍り出て、そのころは影も形もなかったグランヴェル城の裏手、物見高く、興味と、熱狂の渦にのまれて、どれだけ自分が残酷になろうがお構いなしの、詰めかけた民衆を蹴散らしたって良かったし、処刑台のきざはしに足をかけた瞬間に無数の矢で射られたって良かったのだ。
 けれどもできなかった。ほかならぬファウストが望まなかったし、幼馴染の親友と、あたらしい国を夢見て故郷を出てここまで旅をしてきた男が、ずっと人のために尽くしてきた男が、たとえ自分の命を救うためとは雖も部下が人を傷つけるなど許すはずがなかったのだ。それに、今後、彼の部下であった魔法使いたちに類が及ぶのをファウストは懸念していた。すべての罪をひき被り、目立って処刑されることで、部下たちが人に紛れて逃れゆく時間を稼ごうと考えていたのは間違いないし、最後まで彼は、親友がほんとうに彼を火に架けることなどないと、信じていたかったのかもしれない。真に指揮官としてすばらしいひとだった、というのは、彼に心酔し、敬愛を寄せるレノックスのエゴからなる評価ではないだろう。
 しかし無情にも火は点けられ、英雄は自らその片腕を永遠に捥いだ。レノックスは無力だった。焔は、けして燃えやすいとはいえない男の肉のうえを嘗め尽くし、花のように、星のように、うつくしく燃え上がった。ぱちぱちと爆ぜる音の響きは懐かしくさえある。行軍中の、けして快適とは言い難かった野営の火を囲んで談笑し合う仲間たちに、人間と魔法使いの区別などなかったあの夜、あかるいすみれ色のひとみに、若い希望が輝いていたあの夜、ぱちぱちと爆ぜる篝の火に、誰もが横顔に陰を濃く落としていた、あの夜、たしかにこの人に追蹤ていこう、どこまでも、いつ��でも、決意した、あの夜! 同じ音を立てて、愛した男が死に瀕していた。
 レノックス・ラムはただ佇むだけの唐変木、しるしの銀の星を戴くこともできない、樅になれない何か、楡か、花楸樹か、ああ、あそこに架けられたのがおれだったなら! そう易々とは燃えなかったろうに。
 
「レノックス、おまえさん、しばらくこの国にとどまってみちゃどうかな? バカンスだとでも思ってさ。どう? なんにもないけど、仕事くらいは斡旋してあげられるよ」
 そういったフィガロの意図はいまだに読めない。穏やかに微笑んでいるようでいて、実際のところは誰のことも愛していない、のみならず、自分自身の行く末にさえ無関心なのではと思われてならないフィガロ・ガルシア、かつて北の国で、今もってなお魔王と恐れられる大魔法使いオズと同門であり、兄弟子として肩を並べたこともあったという男が、なぜ何者でもないもののように振る舞うのか、答えは遠からず死に瀕した、彼の寿命だったかも分からないし、理由などないのかもしれなかった。死を間近にして命を惜しんでいるだとか、ただこれまでには馬鹿々々しくてやる気にもならなかった普通の暮らし、地に足の着いた暮らしというやつの真似事をやってみたくなったのかも分からない。
 なんにせよあの人のことはあれこれと考えるだけ無駄だからよせと、呆れたように、しかしどこか信頼にも似た声音でファウストが語っていたことをありありと思いおこされる。あの革命のさなか、フィガロもファウストの師として、また革命軍のきまぐれな懐刀として従軍していたが、当時のフィガロはまさにきまぐれ、ファウストがあれほどまでに人間と親密で、らしくないのと対照的に、まさに言葉の通りの魔法使いらしい魔法使いだったうえに、彼は革命を見届けることも無くふらり途中で姿を消したのだ。つまりあの短期間でファウストは、師と親友、ふたりから裏切られたことになる。
 はたしてフィガロを頼るのが正しいことであったのか。レノックスにも疑念はあった。しかし数十年、数百年と生きるうち、ファウストの足蹠を追い続けるのも難しくなった。自分が彼になぜこれほどまでに執着しているのか、おそらく明確な言葉では語られるまい。悔恨や、懺悔、つぎの機会が与えられるのであれば今度こそ、死地の果ての果てまでもファウストに追蹤ていくのだと思ったけれど、それらが自分の、身勝手な願いに過ぎないこともまた、分かり切っていた。彼はやさしいひとだから、いつか再会して、過去を詫びて、次の機会を冀ったなら、この愚鈍な、星ひとつ掲げない従者を許してしまうだろう。だからこそ見つからないように身を潜めているのかもしれないが、処刑のあと焔が消えて、そこに輝く石が残されていなかったと聞いたとき、レノックスはどうしても、彼を見つけ出さなければならなくなった。
 しかしながら、彼は決して、みずからを迷子の仔羊(stray sheep)とは呼ばない。右も左も定かでなくて、善悪が一元的なものではないとすでに学んだからには、彼もまた戸惑い揺れる寄る辺ない生きものであったに違いないのに! レノックス・ラムは縋らない。これは彼に信仰がないためではなくて、彼の信ずる神が、彼に縋られ、寄りかかられ、頼みにされるのを良しとしない、ただそれだけの理由であった。まったく、驚くほどの敬虔だ、さもなくば盲信だ、自らを擲ち穿つ、おそろしい自己犠牲の。
 腕をふるい、足を払い、身体をして成す暴力は、実際のところ、彼にとってはさしたる労苦でもなかった。激しやすく、ゆえに寡黙で、ことばのさきに振る舞われる暴力は、先祖伝来、あるいは、顔も見たことのない始祖、名前もしらない女たち、かれらから脈々と、粛々と、継がれてきた血や、歌や、儀礼や、そのほかすべての非科学的で超自然的な、迷信じみたアミニズムのなかに、流れていたかもしれなかった。フィガロ・ガルシアはバカンスなどとうそぶいたが、未だ発展の途上にある南の国で、魔法がなくとも家畜たちを抱え上げて斜面を行くことができ、肉体、精神共に健全で屈強、レノックス・ラムでなければ満たせないいくつもの条件が、彼の人生を、南の国で羊飼いとして暮らすことに引き留めた。ファウストを見つけ出し、そのうえで彼が復讐を望むならその手足になって働いて、あらゆる敵をなぎ倒し、あらゆる悪意と脅威の盾になって死のうと考えたことを、一日たりとも忘れたつもりはなかったが、短い一日も繰り返すうちに1年になり、5年になり、羊は仔を産み殖えたが、拓かれた牧草地は子どもや女、ほかの若い羊飼いたちに譲ってしまって、レノックスはますます険しい山肌に羊を追った。
「レノ、おまえは案外羊飼いの王様の素質があったのかもね」
「冗談でしょう。俺は星ひとつ、満足にかざせない」
 ばかだな、しるしの星なんておまえには必要がないだろう、輝きなんぞなくったって、それだけでかい図体が、どれだけ目立つと思ってる? いたずらそうに笑うフィガロの眸は薄曇りの冬の海に落ちた星だ。きっと怒られるけれど、肩をすくめて鼻でわらうようなその言い草に、ファウストの面影をみつけてレノックスも頬をゆるめた。
 導きの星はもうないけれど、いつかふさわしいときが来るまで、俺はずっと立っている。険しい道を歩んできたひとが、ふとひと息ついて脚を休めるそのときに、広げた枝が安らぎになりますように。
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threetitle · 2 months
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【ベイファスリンクスの街にて】 作/いずるは
 『生きた鉱脈』、『無限の宝』、『不死の源泉』、呼び方は多々あれど、それらはいずれも一つの種族を指す。
 彼らは強靭な肉体を持ち、永遠ともあだ名される程の長命、そしてその鮮やかな瞳からこぼれる涙は、美しい宝石になったという。
 採取されるそれらの石は装飾品、魔導具、果ては薬にまで使用され、その希少性、有用性故に狙われ、奪われ、滅んだとされている。
 ――表向きには。
--*--*--*--
 大きな街は良い。人が多く、物も多く、周囲は適度に関心が薄く、情報は集まりやすい。
 その中、雑踏をかき分けながら二人組が大通りを進んでいた。長い外套を羽織る青年と、顔を隠すように頭巾を被った小柄な人影。
「今日はこの辺りで宿を取ろうか」
 傍らに立つ連れ合いに青年は声を掛け、やがて一軒の宿屋に入る。
 慣れたようにやり取りをし、二階にある一室に通されたところで、少女はようやく頭巾を外した。
 透き通るような白い肌。鮮やかな色の瞳が、窓からの陽光を反射して美しく輝く。
「今日は混んでるから、一部屋しか空いてないってさ」
 室内は簡素なものだ。寝台が一つと長椅子、机、古びた角灯に衝立。
「寝るときは君がそっち使ってね」
 寝台を指差しながら青年が窓を開けると、ふわりと風が入り込み、淀んだ空気をかき回していく。
「いいの?」
「数日だけだし俺はこっちで大丈夫。毛布もあるから」
 元よりそういう使い方をすることもあるのだろう、手慣れた様子の店主からは毛布を渡されている。
 必要最低限の荷解きをし、さて、と腰を伸ばした。
「外見てこようと思うけど、一緒に来る?」
「行く」
 再び彼女が頭巾を被るのを確認してから扉を開けた。
 馴染みの行商人から仕入れた認識阻害つきの外套は、少女の外見や存在自体を薄くさせ、なかなかに重宝している。
 特殊な出自であることは、往々にして隠しておいた方が都合が良い。窮屈? という青年の問いには首を振る。
「今日も素材探しから?」
「そうだね。良いの見つかるかな」
「この間もそう言って高いの買ってたけど」
「あはは」
 
--*--*--*--
 階下は酒場になっており、片隅では早々に管を巻く客が見えた。昼食には遅く、夕食には早い時間帯。
 客足はまばらだが厨房からはこれからの仕込みか、賑やかな音、香ばしい匂いが鼻をくすぐる。
 ふと、少女は立ち止まり青年を見上げた。この先のことを思うと、今言っておかねば後悔する。
「お昼、食べてからにしない?」
「確かにね。そろそろおなかすいたかも」
 道中、携帯食を口にしてはいるが必要最低限だけだ。落ち着いて食べられるならば、それに越したことはない。
 名物だという料理は、衣をつけて揚げた肉に甘辛いたれをかけ、小麦粉を練って焼いた生地に挟んだ料理だった。些か大きく、少女の手には余るほどの大きさ。
 綺麗に三等分されたうちの一つにかぶりつく。揚げたての熱さと、肉の脂の甘み、共に挟まれた野菜は瑞々しい。
 手軽で美味しいと評判だという店員の言に偽りはなかった。
「おいしいねぇ」
 自身の分をぺろりと平らげた青年が楽しそうに少女を見ている。
 小さい口を一生懸命動かし咀嚼し飲み込むが、二切れを食べたところで、最後の一つが残ってしまった。食べたい気持ちはあるが、どうにも入りそうにない。
「食べようか?」
 と笑う青年に皿を渡す。どうやらこの店は大きさも売りらしい。
「おいしかったけど、せっかくなら少ない量もあればいいのに」
「量が多いのは、色々な人に食べてもらいたいかららしいよ」
 少し食休みしたら行こうか、という青年に頷き、手持ちの水で喉を潤した。
 生ぬるいが、あらかじめ含ませておいた薬草のすっきりとした香りが口内の脂を流してくれる。
 この腹の満ち具合だと、消化するのに大分かかりそうだ。
--*--*--*--
 外は抜けるような青空、日差しは穏やかだが、季節外れなほどに少し汗ばむような気温。
 大通りには所せましと露店が並ぶ。競うように軒先を連ね、客を呼び込もうと声を張る。
 見慣れぬ果物や野菜、調味料に漬け込まれた肉、手入れされた武具や防具に、美しい織物。
 そのうちの細工物が並んだ店で、青年は足を止めた。舶来の品だという首飾りには大きな石が留められている。
「きれいだね。どれかいる?」
 即座に少女は首を振った。
「持ってるから、大丈夫」
 そっと胸元に手を添える。外套の下には、大事な首飾りが収まっている。
 見る角度によって水色や紫に色を変える石、透き通り、青みを帯びた花びら。蕾のような飾りに繊細な銀細工。見ずとも思い返せる程には眺め、大切に身に着けてきた。
「遠慮しなくていいのに」
「遠慮じゃない。それより、素材屋さん行かなくていいの?」
「そうでした」
 彼の本職は細工師だ。店は持たず、旅をしながら様々な街で素材を仕入れ装飾品に仕立てる。
 些か路銀調達の冒険者稼業の方が時間は長いような気もするが、その生活を変えるつもりはないらしい。探し物があったから、と聞いたこともある。
 細工物の店主に別れを告げ、大通りを振り返ると時間帯のせいか先ほどより人が増えているようだった。
「はぐれないようにね」
 と、差し出された手を握り、再び雑踏に戻る。
--*--*--*--
 いくつかの店を回り、いくつかの資材を仕入れ、軽く夕食を済ませて宿に戻ってくる頃には、月が昇っていた。
「さすがに夜は涼しいねぇ」
 少女は一階の酒場で貰ってきた温かいお茶をゆっくりと口にする。じわりと胃の腑まで温かさが落ちていく。
「今日は良いの買えた?」
「まぁまぁかな。ほら、このあたりの素材とか綺麗じゃない? 特殊な貝から作られるんだって」
 戦利品を並べていく彼は楽しそうに見える。そして決まって言うのだ。
「何か作る?」
「いい」
 飽きずにほぼ毎回、同じようなやり取りを繰り返している。
 細工師として気になるからというのも理解はできるが、少女は新しい装飾品を必要としていない。今あるもので十分だ。
「ずっと同じのだと飽きない?」
「飽きない」
「効果付けたりとかもできるよ」
「今もついてるから大丈夫」
「そういわず」
 なおも食い下がる青年の目を、少女はじっと見る。
「リートスが最初にくれた、これがいいの」
「ユウェル……」
 リートスと呼ばれた青年は少し困ったような笑みを浮かべた。
 確かに少女、ユウェルが身に着けている首飾りは、出会った当初に渡したものだ。それがこんなに気に入られるとは。
 嬉しい反面、気恥ずかしくもある。だからこうして何かにつけて、新しいものを勧めるのだが彼女は取り付く島もない。
「明日もあるんでしょ。私、そろそろ寝るね」
 冷めてしまったお茶を飲み干し、ユウェルは立ち上がる。
「わかった。俺はちょっと作業してからにするから、もう少し明かりはつけておくね」
 衝立の向こうから少しだけ少女が顔を出した。
 角灯の揺らめく炎が、彼女の瞳に反射する。
「おやすみなさい、リートス」
「おやすみ、ユウェル」
--*--*--*--*--*--*--*--
「たとえば、そうだな。枯れない花を探しに行く��なんてどう? 融けない氷や、手に収まる星空を見るのも良いね」
 そう言って、細工師の青年は、うずくまる少女に手を差し伸べた。
 窓から薄く差し込む光が埃に反射し、周囲に金粉を散らしたようにも見える。青年の浮かべる表情は柔らかく、少女が見てきたどの顔とも違う。
 伸ばされたその手を取れば、きっとここから抜け出すこともできるだろう。
 けれど身体は錆びつき、空気は泥濘のようにまとわりつく。重い。動けない。それでも。
 恐る恐る手を伸ばし、そっと彼の手を握る。暖かく、優しく握り返される。緊張が、硬直が、解けていく。
「本当に、連れて行ってくれる?」
 干からびた喉からは、かすれた小さな声しか出ない。
「君が望むなら」
 跪いた彼が頬を撫でた。眩しさに、目が染みる。涙など、とうに枯れたと思っていたのに。
「これから、よろしくね」
 少女は小さく頷く。陽の光が、穏やかに二人を照らしていた。
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upto24 · 3 months
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ココナッツオイルの健康効果について
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ココナッツオイルは中鎖脂肪酸を豊富に含む油脂です。中鎖脂肪酸は消化吸収が早く、エネルギーとして使われやすいという特徴がある。そのため、ココナッツオイルを摂取することで、ダイエットや認知症予防、美容などに効果が期待できる。ただしココナッツオイルはカロリーが高いため、摂り過ぎには注意が必要となる。
効果効能
ココナッツオイルはココナッツの種の内側の胚乳から抽出された油脂だ。ラウリン酸を中心としてカプリル酸やカプリン酸などの中鎖脂肪酸を豊富に含んでおり、様々な健康効果が期待されている。
ダイエット効果
ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸に比べて消化吸収が早く、エネルギーとして使われやすいという特徴がある。そのため、ココナッツオイルを摂取することで、食欲を抑え、脂肪の燃焼を促進する効果が期待できる。
具体的にはココナッツオイルを摂取した人は摂取していない人に比べて食欲が抑えられ、脂肪の燃焼量が増えたという研究結果がある。また、ココナッツオイルを摂取することで、体脂肪率や内臓脂肪率が減少したという研究結果もある。
抗菌・抗炎症作用
ココナッツオイルのラウリン酸やカプリル酸やカプリン酸などの中鎖脂肪酸は体内で分解されるとモノラウリンやモノカプリルやモノカプリンになるが、これらには殺菌・抗炎症作用がある。そのため、口腔内や腸内環境の改善、肌荒れの予防・改善、風邪やインフルエンザの予防などに効果が期待できる。
口腔内では歯周病や虫歯の原因となる細菌を殺菌する効果が期待できる。また、腸内では善玉菌を増やし、悪玉菌を抑える効果が期待できる。さらに肌荒れの原因となる細菌や炎症を抑える効果も期待できる。
風邪やインフルエンザの予防についてはラウリン酸やカプリル酸やカプリン酸に由来する成分のモノラウリンやモノカプリルやモノカプリンが異物への抵抗力を発揮すると共に免疫向上・抗炎症作用もあることから役立つものと考えられている。
認知症予防
ココナッツオイルの中鎖脂肪酸は脳のエネルギー源となるケトン体を作り出して利用される。そのため、ココナッツオイルを摂取することで、認知機能の向上やアルツハイマー病などの認知症の予防に効果が期待できる。
認知機能の向上についてはココナッツオイルを摂取した人は摂取していない人に比べて記憶力や注意力や判断力が向上したという研究結果がある。また、アルツハイマー病の予防について通常のエネルギー源のブドウ糖が上手く使えない欠点をケトン体で補うことができる。その他、脳の神経細胞を保護したり、成長を促したり、炎症を鎮めたりする効果を持つという研究結果がある。
美容効果
ココナッツオイルは肌の保湿や紫外線対策や髪の毛のツヤ出しなど、美容にも効果が期待できる。
ビタミンEが多く含まれており、強い抗酸化力によって健康を維持して老化を遅らせるので、美容では肌の張りや艶を保つように働く。
肌の保湿についてはココナッツオイルは低分子構造のため、肌に浸透しやすく、うるおいを保つ効果がある。そのため、乾燥肌や敏感肌の保湿に役立つ。また、紫外線対策についてはココナッツオイルは酸化安定性が非常に高いため、紫外線から肌を守る効果がある。ただし日焼けを完全に防ぐかどうかは定かではないため、その他の対策も追加する方が良いだろう。
髪の毛のツヤ出しについてはココナッツオイルは髪の毛の保湿やダメージを補修する効果がある。そのため、髪の毛のツヤ出しやダメージケアに効果的なんだ。多く塗るとベタ付くので、ほんの少しだけ手に取り、髪に伸ばして馴染ませると良い。また、保湿効果や紫外線対策や抗酸化力などから頭皮に塗ることも地肌の環境改善に役立ち、髪の健やかな発育を支える。
摂取方法
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ココナッツオイルは生でも加熱しても健康効果は大きく変わらない。サラダや炒め物などの料理に使うほか、お菓子作りやスムージーに入れるなどの方法で摂取できる。
ただしココナッツオイルはカロリーが高いため、摂り過ぎには注意が必要となる。1日に大さじ1~2杯(12〜24g/120〜240kcal)程度を目安に摂取するようにしたい。
ココナッツオイルの摂取のタイミングとして空腹時に取ると糖分不足からケトン体を作り易くなるので、起きた後の最初の食事が良いかも知れない。
注意点
ココナッツオイルを取りすぎると飽和脂肪酸が多く含まれるため、悪玉コレステロールを増やして循環器疾患の発症のリスクを高める。カロリーも多めで、大さじ一杯でも100kcalほどあり、ダイエットにも逆効果になってしまう。
その他、胃もたれや下痢などの症状が出る場合がある。また、少ないが、アレルギーを起こす可能性もあるので、体調に変化がないか注意して適量を摂取するようにしたい。
些細な日常
飽和脂肪酸の多いココナッツオイルの過剰摂取の危険性とその他の健康上の利点
気になる情報局
ココナッツオイルの健康上の利点と過剰摂取の危険性
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7974darling · 8 months
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出会い
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 太陽が姿を見せるより前の、薄暗い夜明けの時間帯が好きだ。  今の時期は特にそう。こんな寒い明け方に誰かと毛布にくるまって、温もりを分かち合えたなら、それが愛する人だったなら、最高に幸福ってものだろう。 「レオン、そろそろ閉めるぞ」 「……はーい」  声を掛けられ、返事をしながら店内へ視線を戻す。  外の青く光るような夜明けの暗がりとは対照的に、店内はオレンジの暖かい光が満ちている。土地柄、今の季節は夜明けが長い。朝の十時頃まではどこの屋内も陽が入らない。手元がとくに暗いから、こんな酒場は客が帰ってから片付けが終わるまで煌々と灯を点している。  今が一番ぼんやりした時間帯。 「隅の席で寝こけてる奴、あいつを起こしてやってくれ。うちは宿屋じゃねえからな」 「オッケー」  声を掛けてきた彼はここの主人だ。どうやら仕事上がりに酔い潰れた客を回収していけ、ということらしい。  主人に示された隅の席へテーブルをぬって歩み寄る。「寝こけてる」その客は、この地域には珍しい黒い髪と、異国に多い細身の骨格をしてた。  "黒い髪は…影をつくる、顔を隠す、妖しげな魅力があっていい。目元まで伸びた前髪が首を振る度に揺れて、影の形を変えて。黒髪じゃないとこの雰囲気って出せないぜ"……って、こないだ来た客が俺にそう言ってた。  俺と一緒の黒い髪。  一方的な親しみを覚えて、眠っているらしい客の肩を叩く。両腕の上に突っ伏したその顔が、少し揺れた。 「ハーイ、お客さん!もう夜の時間はおしまい。街が目覚めるまでちゃんと家の寝床で休みな?霧の中は歩いたことある?あれってストリートの目蓋みたいだと思わない?」  声を掛けて反応を待ちながら、ここに来るのは初めての客だな、と思う。  黒髪はこの辺りでは珍しい、俺以外は初めて。だから、一度見かけたら忘れない。この人のこと。もう忘れないだろう。  そうでなくても酒場の常連は覚えてるけど、この人はその中の誰とも違った。異質、だった。  色だけじゃなく長さも珍しい肩を流れおちる長髪。前はいつハサミを入れたんだかわからない。ボサボサで、仕事に邪魔になりそう。肌は青白く、日に焼けてない。目元には隈。上下の顎には無精髭が生えている。  この街は夜の方がみんな元気で、仕事の後、その日一日のシメに酒場を訪れる時にこそ身なりを整える。でも、この人は普段から酒場に出入りしてる感じがしない。  それに、彼が着てるだぼだぼの白いパーカーの袖、そこから覗く手首は平らで細かった。これも珍しい、オッサン方はみんな大抵恰幅よくって、俺より身長無い人だって俺の倍近い体重してんのに。痩せてるってのはこの街じゃ、今にも死にそうってふうに見られる。このオッサン大丈夫なのかな。浮浪者かな?  良くない酔い方してなきゃいいけど。 「……体調悪いなら家まで送ろうか?」  口を耳元まで近づけ囁いた時、ようやく彼が身じろいで目を開いた。  ゆっくりとした動作で腕を解き、身を起こす。ぼさぼさになった前髪が掛かった額に片手を当てながら 「……本当に?」  寝起きの掠れた声で呟いてきた。 「送ってくれる?助かるよ」 「……」  思わず、一瞬彼の声と動作に意識を奪われた。  特別なことなんて何もない、少し身を起こして視線を逸らしたまま返事をされただけ。なのに  仕草や雰囲気が妙に静かな人だった。  あまり酔っているようには思えないのにどうにも危うい気がして、俺はそれが当然であるかのように「ああ勿論」、と請け合ってしまった。 「ありがとう」  そう言って立ち上がった彼は座っている時の印象より長身で、俺とほぼ同じくらいの位置に顔がきた。即座に肩を組むようにして俺は彼の身体を支えた。彼が少し顔色を悪くしてふらついたから。  ……抱き寄せた腰に腕がめり込むみたいだ。立ったことで見えた両脚も細くて、黒いジーンズの幅が余っていた。全身痩せていて、埃っぽい。 「家あんの?」  およそ衣食住満ち足りた生活をしているとは思えなくてそう訊いてみたら、意外なことに相手は 「あるよ」  と答えた。  俺の肩に悪びれる風もなくもたれ掛かりながら、吐息混じりの掠れた声で「スラムか公園にでも連れてく羽目になるかと思った?」なんて軽口まで返してくる。彼がふ、っと笑ったような呼気が俺の頬を撫でた。  その返事と一連の遣り取りで、ふと、彼の細い腰を抱きかかえながら、違和感に気付いた。  ……匂いがしない。  これだけ身体の密着した状態で彼が息を吐き出しても身動きしても、酒の匂いが一切しない。酒場からの帰りなど、みな吐く息は酒臭くてかなわないのに、酒の口臭はおろか汗の匂いも体臭らしいものすらも感じなかった。  不潔そうなのに意外、と思ってから、このオッサンはこの場で一体何をしていたんだ?という疑問が湧く。酒場に居たのに食い物の匂い一つしないなんて。  そうしたら店を出たところで、まるでその疑問に答えるみたいに、彼は唐突に肩に掛けた手で俺の背中を叩いて上機嫌に言った。 「君の演奏は素晴らしかった。聴きに行ってよかったよ、レオン」 「……え?」  演奏。  ……演奏だって?  この街で演奏って言ったら、俺が酒場で弾く古いピアノしかない。  娯楽の少ない街だ。みんな働いて、食べて寝て、また働いて。遊ばなきゃ気持ちが持たないから酒を飲みにくるけど、それ以上の余裕はない。  俺は体力だけは人よりあるから、踊ったり歌ったり、ピアノを弾くこともある。  ピアノは街の中であの酒場にただ一台だけ。だから確かに「聴きに行く」ならあの酒場に行けばいい。 「オッサン俺のピアノ聴きに来てたの?」 「うん」  あっさりと肯定した彼は顔に笑みこそ浮かべていないものの、願いが叶ったかのような浮ついた、夢みるような声音で続けた。 「君のピアノは夜の街じゃ名物だ。冬の酒場は君に似合うな。にぎやかで、閉ざされた熱が混じり、酔いそうな赤い灯が路地裏に満ちる」  身なりからは想像できない詩的な表現。彼が話す言葉は最初からこの地域の言語だったけれど、今はっきりと耳にしたそれはよどみのない美しい発音をしていた。彼がこの土地に馴染んで長い証拠のように聞こえた。
 送り届けることになった住居は、街をずっと上がっていったところにあった。  防音に特化したミュージション。周りは見慣れない、広々とした閑静な街並み。まだ暗い明け方、道にいる人影は俺達二人だけで、他に誰も居ない。 「5階だよ。エレベータがある……もう立てるよ。世話かけたね。ああ、シャワーでも浴びていきなさい、ぼくに触って汚れたろ」  エレベータ前で帰ろうとするとそう言って引き留められた。特に断る理由もなく、興味が勝ってついていくことにする。5階に着くと彼は三部屋並んだ一番右奥の部屋へ歩き、首から提げていた鍵を取り出して差し込むと、ガチャリと回してドアを開けた。 「どうぞ」  と声だけ掛けて彼が先にすたすたと室内へ入っていく。その後ろをついて入った。  室内は広くて雑然としていた。床に直接紙類が積まれ、やけに大きなローテーブルの上にごちゃごちゃと物が大量に出しっぱなしにされている。  右と左に別の部屋へ続くらしいドアがあり、右の壁際に寄せてピアノが置かれていた。  白い、ヴァーチカル。 「楽にしてて」  彼は自分から誘ったわりに構うこと無く、部屋の電気も点けないまま、左のドアの奥へ姿を消してしまった。 「……不用心だなぁ」  これだけごちゃごちゃと物が散らかっていて、何か盗られたら気付けるんだろうか。俺は何も悪さする気は無いけれど。ああ、いや、向こうには俺の顔も職場も知れているから、何をされてもやり返せるのかな。  ならば。  気を楽にして部屋の中を歩き回る。奥の棚に入っているのは大量の本と、CDやレコード盤。隣の棚は開け放されていて、ヴァイオリンのケースとクロスや樹脂などの手入れする道具類が仕舞ってあり、ヴァイオリン本体はどこかと見回すとローテーブルの上で紙の下敷きになっていた。  興味を惹かれるものばかりだ。俺は店の主人が楽器好きで、雑誌類の写真を見て楽器を知ってるけど、本物が手の届くところに置いてあったことはない。それも、こんなにたくさん。 部屋中を散策して、最後に白いピアノの前に立つ。 「……綺麗だ」  白いピアノは、初めて見た。  ピアノは黒くて大きくて、ずっしりと重厚感のある、頼もしい王様だと思ってた。鏡のように赤や金色の照明を吸い込み、夜の酒場をその体に鮮やかに映し出すキング。  けれどこの白いピアノはまるでお姫様のようで、まったく別の音を奏でそう。 「弾きたいかい?」  唐突に耳元で声がした。  びくっと肩が跳ねる  驚いて振り返ると、いつの間に戻ってきたのか、彼が背後に立っていた。黒髪からぽたぽたと雫を垂らしてる。タオルを掴んでいた細い指が一本、すっと前へ差し伸べられて、ピアノを示した。 「触れてもいいよ。君のシャワーの後でね」  細く白い指が俺にタオルを渡して離れていく。  ……なんだか、動けなかった。両眼を瞬かせて、彼を見詰めてしまう。ピアノに向いてた関心が一気に彼の方へ持って行かれたのを感じた。  シャワーを浴びてきたらしい彼は清潔な白いシャツを着ていて、髭も綺麗に剃っていた。思ってたよりも若い。平らな顔立ちから突き出た下向きの鼻、薄い唇、寄せられた眉、針のようなまつ毛に縁取られた目。どれも神経質そうな、アンニュイな雰囲気を漂わせている。 「オッサ……君って本当は何歳くらいなの?」 「今年で二十三」  聞かれたから答えた、それ以上何もない返事をして彼はテーブルの上の瓶を取り、中身を煽った。それからテーブルに腰掛け、ヴァイオリンの上に重なった紙を読み始める。俺への注意は完全に失くしてるみたい。  俺は今年二十一、いま二十歳。それと大差ない。オッサンどころか、友達だ。 「君、ぜったい髭剃ってた方がいいよ。そっちの方が似合う」 「…………」  返事してくれない。あー。彼ってかなりマイペースなんじゃないかな。会ったばかりで勘だけど。  話し掛けても反応がなくなってしまった彼を置いて、大人しくシャワーを浴びにいった。
 遠慮なく石鹸やシャンプーを使って身体を洗い、存分に温まってから、シャワールームを出る。ガラス戸を開くと、四角いボックスの内側で溜まっていた蒸気��ふわっと解き放たれる。  明かりがどこにあるのかわからず点けないままだったけれど、次第に日の光が差し込んできていた。朝の青みがかった、白い、けぶるような光が、浴室のタイルや水滴に反射する。脱いだ服をもう一度着て、靴と靴下は指に引っ掛けて持った。  ひんやりしたタイルに裸足のまま降りる。  ドアを開けると、音色が聞こえた。 「…………」  震えるように繊細な、高い音色。美しい――――ヴァイオリンの調べ。  そっと指先でドアを押す。音を立てないよう。無意識にそうしていた。  押された分、ゆっくりと静かにドアが開いていく。隙間から覗き込むようにして視線を さしいれて 室内を見る。  正面の壁にピアノ、視界の淵にカーテンのレース。開け放された窓から朝陽がすうっと差し込んで、照らし出された部屋の中央は清らかな薄い光のベールが掛かって、そこだけ別の空間だった。  その中に一人の青年が立ち ヴァイオリンを弾いている。  逆光に透けたシャツが、奏者の動作と、波打つカーテンと共に揺れる。彼は室内の何よりも白く見えた。
彼の音がなかったら、 冬の朝をこんなにも静かだとは思わなかっただろう。
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natsui1999 · 8 months
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名簿に関して
梶川夏居(かじかわ なつい)
川良をルーツにするということで、川や水がまつわる苗字にしようと梶川になりました。
名前は、夏に居た(死亡)、夏に居る(生存)のどちらになるのだろうな、という考えから来ています。
年齢:18歳 / 誕生日:8月8日
PLの脳内で「最高年齢はきっと多いし『たった数か月の差でデカい顔しやがって』とたてつこう」と思っていました。
蓋を開けると19歳が1名かつ、自分が班長で大変驚きました。
身長/体重:180cm / 69kg
高校では、水泳部兼陸上部です。
身長はまだ伸びています。
出身地:川良
川良ー!愛してるー!
外見:初期
髪は深い黒色でラフにハーフアップかひとつに結わう。 全体的にすっきりとした顔立ちに纏まるが、下睫毛の濃い目元が 少々眼光を強く見せることがある。頬に黒子がひとつ。 細身でやや筋肉質。紫外線で少し赤らむ肌は一向に焼けない。 右耳に3つのピアスホール。
特に拘りはなく、PLの好きなものをちょっとずつ入れました。
外見:変更部分
右耳に3つと舌裏にピアスホール。
所謂タンウェブにも開けていることをキスする相手が出来た場合だけ書こうと思っていました。
右側頭部が一房金髪になった。
本人が言う言わない以前に外見からピヨちゃんだとわかるやつが一人くらいいても面白いかもとGM様にご許可頂きました。
性格
世話焼きの心配性。
はい、名簿詐欺。世話焼きではなかった。
落ち着いてこそいるが、物怖じせず軽口も多い、気さくな男。
落ち着いてもいなかった気がする。
物怖じしない、軽口が多い、気さくは合格点。
仕事柄、聞き役に徹することが苦ではない。むしろ好ましい。 相談事に乗るのは得意で自分が相談するのは不得手。 上手く心中を表現出来ない。とは本人の弁。
家族関係(特に両親の死や妹について)が微妙に複雑なのと、裏設定(後述)もあり、積極的に自分のことを語ろうとはしませんでした。多分。
班長でなければもう少し尖っていた予定でした。
背景
家族構成は、祖父母と双子の妹1人。 両親も群落で生まれ育って婚姻を結んだ者たちだが事故で早逝。
突然の両親の死に対し、祖父母と妹は深い悲しみに包まれるも、夏居は感情が追い付かないまま平坦でおり、その点を妹に激しく糾弾される。
妹は祖父母の家に移り住み、遺された隣家に一人で暮らしていた。
保険金でローンは完済され、手元にも残っている。
祖父母は揃って美容師で『美容室きつつき』を営業している。 美容室であるのに何故か軽食が付けられるので老人から人気。
PLが過去に飛び込みで入った美容室で、突然軽食を出されたという経験からです。
卵焼きとウィン��ーと俵型のおにぎりでした……。
双子の妹である鈴乃(すずの)は体格を小さくすればそっくりで大変な陽キャラ。 祭事の手伝いにも参加中。洗濯の追加など融通してくれる。
両親の死を乗り越えて明るくなったというよりは「壊れてしまった。俺がケアすらしなかったから」と夏居は受け止め、後ろめたく思っています。
高校卒業後は後期(10月)からの通信教育制で美容師免許を取得する予定。 現在は自宅で見習いとして従事。
上記の負い目から、進路については妹に全てを委ね、添う形に決めました。
「お前が美容師になって店を継ぐか、俺が継ぐか、それとも廃業するかどうする」と尋ね、妹は「服飾関係の職に就きたい」「店はなくなって欲しくない」と返答。
これにより美容師であることを選択することに。
とはいえ店に客が溢れる日もないので、川べりで寝転んで肌を焼こうとする姿が散見される。 基本水べりを好む。
肌を焼いてる時代っぽい?と設定したものの真っ白です。
双子の都合で「ナツイ、ナツ」と下の名で呼ばれることを望む。 小学生から呼び捨てにされても普通に返事をするし、さん付けは些か落ち着かない。
近所の幼女にナメられている。
裏設定
「ここではないどこかへ行きたい」という思いが少なからずある。 それが一時的な気の迷いなのか本心なのかわからないまま、進路を美容師に定めてしまい、気持ちの据わりが悪い。
本来ならば都会へ行きたかったし、水泳のインストラクターになりたかった。
その思いが捨てきれずに燻っている。
金鳥信仰や村を愛するものが多い中で相談出来る内容ではなく、泳ぐことでストレスを解消して黙している。
幼馴染たちのことは好きではあるし、川良地区のことも嫌いじゃない。
けれど、どうにもやるせない思いが渦巻いていて、それでもここで生きていくしかないという思いを泳ぐことで解消していた。
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ourlifeisourart · 1 year
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わたしは、宇宙のエネルギー循環のただの一点で
衝動に駆られるがままに、書き始めている。 内省的なこの気質が嫌になったわけではないけれど、放出することでしか辿り着けない場所があるんじゃないかなんて、いつからか蓄積してきた考えが今、ここで溢れ出しているみたい。 「わたしたちが生きて、死ぬっていうのはエネルギーの循環だから。生きることでエネルギーを宇宙に放出しきったとき、それが死ぬっていうことなんだと思うの」 大事な友人たちと死生観について話していたのは、昨年の春頃のことだったと記憶している。当時のわたしに、友人の先の言葉はしっくりとこなかった。熱心に信仰している宗教はないけれど、いつの間にやら当たり前みたいに、死後はみんな地獄か天国に行くものなんだって考えていた。そして今も“なぜ生きるのか?”、“何のために生きるのか?”みたいな普遍的な問いから逃れられない。死後の行く末を考えること、生きる理由を考えること、さらには生死とエネルギー循環についてを一緒くたにするものではないのかもしれない。それでも、死生観というあまりにも壮大で永遠に答えの出なそうなテーマに出会ったとき、それらはすべて同じことを指すようでもあるし、切り離せないもののようにも思える。生きること、死ぬことはエネルギーの循環であるという友人の話は、雷に打たれるほどの衝撃ではなかったにしろ、ジリジリと電流を走らせ続けた。その日以来、この頭の片隅を小さく痺れさせている。 それと同じくらいの時期だったと思う。ある詩人の方が“命は燃やすもの”だとSNSに投稿されているのを目にした。(該当ポストを探したのだけれど、どうしても見つからなかったので、お名前を挙げることは控えさせていただく。)心身の不調で休職しはじめてから、それほど時が経っていなかったこともあると思う。それでも、人生は時間の波に飲まれ流されるがままなんだろう、なんてぼんやりと考えていた当時のわたしには、同様に肌に馴染まない言葉だった。命を燃やすなんて、あまりにも眩しすぎると思った。その言葉だけが青く燃えているように見えた。みなぎる生命力がうつくしく、そして恐かった。 Netflixで配信中のドキュメンタリーシリーズ『宇宙: その始まりはどこからなのか』で繰り返されるのは、138億年前に宇宙がうまれてから、あらゆるものが時間を超え、空間を越え、今も循環し続けているということ。太陽が放出するエネルギーは巡り巡って地球上の生物の中でうごめき、宇宙が若かりし頃に星々の中で生まれた元素によって、我々は命をつないでいる。 ある日、用事の合間で立ち寄った書店で、さくらももこさんの詩画集『まるむし帳』をぱらぱらとめくっていたら、巻末に掲載された谷川俊太郎さんとの対談が目にとまった。話題は“世界のはじまり”について。そこには、ビッグバンの頃のエネルギーによってわたしたちは生かされているといった内容が記されていた。(こちらも手元に参考書籍がなく、不確かな情報でごめんなさい。後日確認し、適宜訂正する) 一見関わりのなさそうな場所場所から集められた思考のカケラたちが、一年近くの時をかけてわたしの中にじんわりとにじんできた。死後、地獄に落ちることが心底恐ろしかった幼少期。自分のお葬式になど誰も来ないのではないかという、いらぬ危惧。後世に一ミリでもいいから爪痕を残したいと望んだ、かつて。それらすべての考えが彼方へと流れ去った現在、「何をも恐れる必要はない」とわたしを慰めるのは、“わたし”というのは巨大な宇宙規模の循環の中にただの一瞬、エネルギーのほんの一点としてあるだけの存在なんだということ。 事実かどうかは調べようもないことばかりだけれど、死生“観”というくらいだから、これは単なる世界の見方でしかない。そして、世界の見方は今日も明日も、わたしが広く視野をもって生きる限り、にちにち変わりゆくだろう。 星がそのエネルギーを燃焼し切って消えゆくように、わたしもこの命、燃やしてみたい。この体にどれほどのエネルギーが残っているのかは分からない。けれど、内に渦巻くエネルギーは今、“衝動”という名を借りながら放出され、この瞬間にも淡々と静かに宇宙へと還っている。     それでは、きょうはここまでーー ✳︎★✴︎☆✳︎★✴︎☆✳︎★✴︎☆✳︎★✴︎☆✳︎★✴︎☆✳︎★✴︎☆ 実は書き溜めている日記のようなものがいくつかあるのだけれど、うまくやらなきゃという見栄ばかりが先行して、下書き欄にぐっすりと眠ったまま。いつか息絶え、日の目を見ずに終えてしまいそうなので、いずれ、少しずつでも窓辺に連れてきてあげようかなと考えている。 明日からの毎日も書き続けてみるつもりだけれど、三日坊主になったとしても、自分を責めないことをここに約束する。(何てヘンテコな約束事だろう。)ひとにやさしく、じぶんにはもっとやさしく。 まずは今日という日に、カーテンを開け、自分の思考と感情に光をあてられたことを褒めてみようかな。ゆっくり眠ろう。明日は明日の風が吹く。明日は明日の朝が来る。
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zauri8836long · 1 year
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コーヒー、紅茶に甘いもの
さっきから何度も隣を見て、何度も声を出して笑ってしまっているものだから隣を歩くジャックさんの視線がそろそろ痛い。 前を見ないと危ないぞ、マスター。なんて声が耳を震わせる。 だって顔をニヤつかせるだけじゃ気持ちが収まらないんです。
困惑を隠さない瞳はコーヒーのように深いブラウン。 ミルクティー色の肌は時計塔ではあまり見かけない色。 俺と同じくらいの長さで後ろに撫で付けられた髪は艶やかな黒、今日は人の姿をしてほしいと頼んだ時、ジャックさんが二番目に選んだ姿で見るのは今日が初めてだ。 しっかりと厚みのある唇が今すぐ触れたくなるくらいセクシーに見えるのは、相手がジャックさんだからだろうか。 19世紀イギリス、切り裂きジャックが人々を脅かした時代にロンドンで暮らした誰かがモデルなのならインド系の青年か。 でもモデルの来歴なんて今の自分にはどうでもいい。毎日通う教室への廊下を、ジャックさんと共に歩けるというのが嬉しくてしょうがないのだった。
アメリカから帰ってきたジャックさんと俺は、教授に一通り叱られて、その後のジャックさんは彼自身のために存在を隠すことを余儀なくされた。 当然だ、聖杯戦争の外側で存在し続けるサーヴァントという点を差し引いても彼の存在は特殊過ぎる。この魔術師の巣窟で誰の毒牙にかかるかわかったものではない。 もちろん俺は全力でジャックさんを守るが、それでも教授に迷惑をかけたくないという点で俺とジャックさんは同じ意見だった。 結果としてジャックさんはいつもは時計の姿で特殊な金庫に保管されることとなった。霊体化して姿の見えない存在に気づかれるより、魔術礼装の一つと見られた方が怪しまれるにしても都合が良かったからだ。時計塔を出て街に行くときは一緒に出かけることができたが、何せここはロンドン。スノーフィールドの頃ほど無防備に会話することもできなかった。
でも今日からは、その状況も少しは変わる。 帰国からずっと研究していた魔術の行使を、教授が認めてくれたのだ。
他人の魔術に干渉するのは得意だ。教授もそれは知っている。 今回の俺の研究は、ジャックさんに向けられる観測行為について自動的にカウンターを仕掛けるもので、ざっくり言えば幻覚だ。 騙すのは魔術師の目でなく魔術そのものだがマルウェアのような悪意はない。 俺の話を聞いた教授は当初ものすごく渋い顔をしたいたし、自分にはそもそも高度な観測を行うことができないのだからその魔術の出来を評価することができないと言って否定的だったが、結果としては今日のように認めてくれている。 ちなみに魔術への効果や影響を確かめるために手当たり次第に知り合いに声をかけていたらとても怒られた。 結局教授の口利きもあって教室の幾人かに手伝ってもらいお墨付きをもらうことができた。スヴィンくん曰く、ジャックさんは昔の俺よりよっぽど人間らしい匂いをしているらしい。この魔術はジャックさんを人として見せようと言うものではないのだが確かに褒め言葉だった。 とりあえず今はジャックさんが俺の側にいるときだけしか使えないこの魔術だがジャックさんは今、トリムちゃんのような魔術礼装の一種に見えているはずだ。見る人によっては身近な家の魔術を盗んだ不届き者と捉えられかねないが、この件をライネスちゃんが快諾してくれたのは本当に助かった。騙すにしても何と誤解させるのかは本当に悩ましかったのだ。
ジャックさんの件に関して、教授はいつも以上に俺に甘い気がする。スヴィンくんが先生に迷惑をかけるなよと頻繁に釘を刺してくるので気のせいではない。でもそれは教授がジャックさんを使い魔の一種ではなく人として扱ってくれているだけなのかもしれない。
そこの角を曲がると教室ですよ。そう伝えるとジャックさんは周囲の様子を伺うようにその首を左右に動かした。 秒針を揺らしたり時には伸ばしたりして行われるジャックさんの感情表現も十分に豊かではあったが、人の姿でのそれを見るのは数ヶ月ぶりで、懐しささえある。 自分��コミュニケーション相手が何者であろうと外見に興味はなく、ジャックさんがジャックさんであるのならどんな形をしていても好きだと思っていたのだが、今日の自分の興奮を見るとその認識を改めた方がいいのかもしれない。 それとも、俺以外にもジャックさんの存在がわかることが嬉しいのだろうか。 教室のみんなにジャックさんを正式に紹介できることが嬉しいのかもしれない。
「ねぇジャックさん、授業が終わったら食事に行きませんか?ジャックさんを見ていたら鴛鴦茶を飲みたくなって…。」 デートの誘いは多分断られない。気に入りのチャイニーズレストランは香港系で、寮から地下鉄で数駅離れているのでジャックさんと行ったことはまだなかった。
「疲れちゃいました?」 注文した料理がテーブルにずらりと並ぶまでの時間、ジャックさんは静かだった。もともと口数はそう多くはないジャックさんだが、俺への相槌もどこかぼんやりしている。 色とりどりで様々な具の入った焼売にミネストローネ、ワンタン、エッグタルトにフレンチトースト。 好きなものだけ頼んだのでバランスは悪いがどれも美味しいのはよく知っている。夕飯には早い時間なので二人分にしても頼みすぎたかもしれないがジャックさんとならまぁなんとかなるだろう。 俺が頼んだ飲み物は予定通り鴛鴦茶、ジャックさんはサービスのお茶だ。 無料で飲める香りのいいお茶はポットサービスでいくらでも出てくる。
「疲れたわけではないと思うんだが…」 なんと言うか、教授殿はすごいなとジャックさんが呟く。 ジャックさんを教室のみんなに紹介すると行っても講義の時はよそに所属している生徒もいるし当然、教壇に立って紹介するわけではない。 今日はあくまで講義を一緒に受けただけだ。俺の隣に座る新顔を教授が咎めないことで正規の客であることは教室中に伝わる。 魔術の調整を手伝ってくれたみんなは幾らかの目配せをくれたがそれだけ。及第点は取れたのだろう。教授の許可が出たのだから当然のことだ。
「今日の講義は、別に私向けというわけではなかったのだろう?」 「うーん、まぁ先週の予告通りの授業でしたけど」 でも教授は授業に関してはエンターテナーなところがあると思う。 生徒や聴講生のリアクションを見て知識のレベルに合わせて語りや切り口を帰る。もちろん歴史ある時計塔の授業だ。一定以下のレベルの生徒は切り捨てるが現代魔術科の実践的でわかりやすいという評判は伊達ではない。 そういう意味では、シェイプシフターにまで話が及んだ今日の授業はジャックさん向けでもあったのではないだろうか。
「ジャックさんは楽しかったですか?」 そうたずねるとジャックさんは、少し驚いたような顔をした。 「楽しかった、だろうか」 首を傾げながら何かを考え込むジャックさんは、理解しきれたわけでは…とか興味深かったのは事実だが…とつぶやきながら言葉を探しているようだった。 別にジャックさんの気持ちの全部を俺に伝えてくれなくてもいいし言葉にしなくてもなんとなくわかることもあるんだけどなと思いながらその様子を見守る。 冷める前に、といくつかの料理を勧めれば口にしてくれる。 色によって味の違う焼売の一つ一つにコメントをくれるのが可愛い。
料理と、数杯のお茶を口にしたあとジャックさんが口を開く 「魔術の心得は多少はあるが教授の手にかかると一瞬で道が開けるようで不思議だな」 多分、楽しかったかという問いへの答えだろう。 「君と出会ってからは新しい体験ばかりで、いわゆる実技ばかり楽しんでいたが知識を得るのもやはり楽しいことだな」 そう答えるジャックさんはどこか満足そうだった。 俺としてはもっとジャックさんと二人でいろいろなことをしたいのだが、それができるようになるのがまだ先のことなのは事実だ。
「それはどう言う飲み物なんだ?」 今日のことはジャックさんの中で整理がついたのかなんてことない質問が投げかけられた。 鴛鴦茶、俺も近所ではこの店が出しているのしか知らない香港の飲み物だ。 「コーヒーと紅茶と練乳を混ぜたお茶ですかね。」 気に入ってはいるが、メニューに書いてある簡単な説明以上の知識はなかった。初めて存在を知った時にコーヒーと紅茶を混ぜるという馴染みのない発想に興味を惹かれ、飲んだ時から気に入っている飲み物だ。
「笑わないでくださいね。誘う時も言いましたけど今日のジャックさん見てたら飲みたくなって。瞳はコーヒー色だし肌の色はミルクティーみたいで素敵だなって」 キョトンとした顔のジャックさんはその後自分の腕を腕をまじまじと眺める。 「…君はもっとミルクを多めに入れるだろう?」 指摘するとこはそこでいいのだろうか。確かに、ジャックさんの肌は濃いめに入れた紅茶にほんの少しミルクを垂らした色で、俺が飲むミルクティーはもっと白に近い色をしている。 今度二人でお茶を飲む機会があったらミルク少なめのものを飲んでみるのもいいかもしれない。
「鴛鴦とはどう言う意味なんだ?」 「調べてみますね」 携帯電話にメニューに記されたスペルを入力すれば目的の情報はすぐに出てきた。 鴛鴦茶のページと鴛鴦のページで迷ってひとまずお茶の説明を選ぶ。 香港で一般的な飲み物でコーヒーと紅茶を混ぜ合わせたもの、多くは練乳がたっぷりと入っているという説明は自分も知っているものだ。 ページをスクロールすると鴛鴦の意味という項目があった。 「……これは、ちょっと恥ずかしいかもしれません…」 「何が書いてあるんだ?」 携帯電話をジャックさんに向けて差し出せば視線は画面に向いた。 「夫婦愛のシンボル?」 「それで、鴛鴦茶には男女二人で飲むお茶みたいな意味もあるらしくってですね」 「デートの時の飲み物か」 照れているのは自分だけのようでジャックさんはなるほどなとつぶやきながら鴛鴦か、見たことはあるなと納得していた。 いつもよりも二人で出かけていることを意識していた自分と、時計の姿で出かける時とさして変わらなそうなジャックさんになんとも言えない気持ちになる。 ジャックさんはどんな姿でもジャックさんなのだから、やっぱり意識してしまう自分の方が変なのかもしれない。
「ジャックさんも飲んで見ますか?」 そう尋ねたのはちょっとしたいたずら心だ。 「その話をした後で聞くのか?」 片頬をあげて笑うジャックさんも俺の意図は伝わったようだった。
「まぁ、味が気になるからいただこう」 テーブルの向こうから差し出されるカップにお茶を注ぐ。
「俺は好きな味なので気に入ってもらえたら嬉しいです。」 「その時はまた連れてきてくれ」 ジャックさんが次を口にしてくれるのが嬉しい。 明日は教授に時間をもらって、今日の成果の確認と合わせて次の外出許可をもぎ取らなくてはいけない。
初出:2020年10月12日 ID:13892380
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travelfish0112 · 2 years
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Quit
夏が嫌いだった。
シャツが身体に張り付くのも、目に汗が入って滲むのも、肌がじりじりと焼けるのも、何もかもが嫌だった。
でも、野球部に入った以上はそんな泣き言も言ってられなかった。時間が分からなくなるくらい練習をして、暑いのか寒いのかも分からないくらいになっていた。
そんな練習の甲斐あってか、俺は気付けばチームの2番手投手になっていた。エースは左でサイドスローの青木、そして右の俺。
そして季節は、最後の夏になった。嫌でも気合が入る。投げ込む球にも。
だけど、そんな夏に俺はフラれた。幼馴染だった彼女は、高校最後の夏に会えない俺に見切りをつけたらしい。と言うか、会えないからって言われてフラれた。
流石にちょっと堪えた。けど、もう仕方ない、と無理矢理自分を納得させていた矢先、自転車で学校から帰る道すがら、反対側の歩道に彼女を見かけた。
その横には、東高の野球部のカバンを持った、知らない奴がいた。
そして今日、地方予選で俺たちの高校は、東高と戦っている。
3回戦まで勝ち上がった俺たちは、東高と当たった。練習を見てみると、どうやらあの時見た奴はファーストを守っていて、今日は6番でスタメンだった。
「あのスタンドの奥の方にいるの、先輩の元カノじゃないっすか?」
試合前に後輩のキャッチャーとキャッチボールをしていた時、そんな事を言われた。え? と指差す方を見ると、確かにそこには俺の元カノであり、幼馴染がいた。
何か、単純にムカついた。
試合が始まる。
両軍共にヒットはパラパラと出るものの、決定打に欠けていた。
試合が動いたのは6回、先発の青木が自分でヒットを打って出塁すると、そこから打線が繋がって3点入った。
しかしその裏から、完全に青木のペースが落ち、7回には2死まで行ったものの、ヒットと連続四球で押し出してしまった。
「松川、いくぞ」
雲行きが怪しくなってから肩を作っていた俺は、その一言を待っていた。
マウンドに上がり、青木からボールを受け取る。
「ごめん」
「いいって。任せろ」
「あいつ、なんか妙に打ち気だし、当たってるから慎重にな」
次のバッターは、6番ファーストのあいつだった。
「とりあえず外中心で。追い込んだら外スラで決めよう」
キャッチャーの原田がそう言った。
ウッス、と適当に返事をして、マウンドを作って何球か投げこむ。持ち球はストレートとスライダー、あとはシュート。とりあえず3、2、2球と順に投げ込む。今日のコントロールは意外と悪くない。
投球練習が終わると、ゆっくりあいつはバッターボックスに入った。気のせいかもしれないが、あいつは俺を見て笑っているように見えた。きっとスタンドにいる彼女に、ヒーローになる瞬間を見せるつもりなのだろうし、その瞬間の妄想で頭が一杯なんだろう。
原田が外に構えた。サインはストレート。
セットポジションに付く。あいつがバットを構える。
そして俺は、モーションに入り、ボールを投げた。
原田が驚いた動きをして、中腰の姿勢になった。マスクのせいでよく見えないが、きっと表情はめちゃくちゃ面白い。
バッターのあいつは、虚を突かれた顔をして、そのまま目線がフワリと浮いているボールを目で追いながら、そのまま腕だけでバットを振った。
俺は、一回も実戦で投げた事が無いスローカーブを、サインも全て無視して投げた。
グチャッとしたフォームから投げられた山なりのボールは、そのまま重量に引っ張られるようにフワリと落ちてきて、あいつが振ったバットに当たった。
ガッと鈍い音がして、またボールはフワッと宙に浮く。そのボールは高く舞い上がり、俺の元へ落ちてくる。
グラブをそっと構えた時、くそっ!と叫ぶあいつの声が聞こえた。
舐めんな、ヒーローになんか、させるわけねえだろ。
今年の夏は、少しだけに好きになれるかもしれない。ボールがグラブに収まった瞬間、俺はそんな事を思った。
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herbiemikeadamski · 2 years
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. (^o^)/おはよー(^▽^)ゴザイマース(^_-)-☆. . . 10月8日(土) #先負(甲午) 旧暦 9/13 #寒露 月齢 12.2 #十三夜 年始から281日目(閏年では282日目)にあたり、年末まであと84日です。 . . 朝は希望に起き⤴️昼は努力に生き💪 夜を感謝に眠ろう😪💤夜が来ない 朝はありませんし、朝が来ない夜 はない💦睡眠は明日を迎える為の ☀️未来へのスタートです🏃‍♂💦 でお馴染みのRascalでございます😅. . 昨夜に、帰京しましたが余りの寒さ と、おまけに雨も降って余計に寒さ を増して感じました😅💦 熊本は、ずっと天候も良かったので すが、東京は雨が続いてたと☔☔ . 今日は二十四節季(ニジュウシセッキ)で 「寒露」にあたり、より秋が深まり 肌寒く感じられる時季らしいとか? さて、本日より今年最後の三連休 ですが、インドア派ジム三昧ですから✋ . アッ!それと今夜は十三夜ですから 月がほぼ満月に近い感じなので 月が好きな方なら「お月見」で しょうかね💦昨日、熊本空港で 見えた月が綺麗でしたよ🌕✋ . 今日一日どなた様も💁‍お体ご自愛 なさって❤️お過ごし下さいませ🙋‍ モウ!頑張るしか✋はない! ガンバリマショウ\(^O^)/ ワーイ! ✨本日もご安全に参りましょう✌️ . . ■今日は何の日■. #はちみつ100%のキャンデーの日.  大阪府大阪市に本社を置き、飴を中心としたお菓子類の製造、販売を行う株式会社扇雀飴本舗が制定。  同社の「はちみつ100%のキャンデー」は、独自の製法で、はちみつだけの固形化を成功させた定番のロングセラー商品。  時と場所を選ばずに手軽にはちみつを食べることができるキャンデーをより多くの人に知ってもらうことが目的。  また同社の企業テーマである一粒のおいしさで笑顔と安らぎ届けたいという思いも込められている。  日付は10と08で「ヒャク(100)%=パー(8)」と読む語呂合わせから10月8日としたもの。 . #先負(センマケ=又は、センプ・センブ・サキマケ、とも言う).  「先負日」の略。  陰陽(おんよう)道で、急用や公事(クジ)に悪いとされる日。  「先ずれば即ち負ける」の意味で、「何事も先に急いではいけない」とされる日です。  午前中はとくに悪く、午後はしだいによくなるという俗信がある。 . #神吉日(カミヨシニチ). この日は神社への参拝や、お墓まいりに行くといい日です。 . #母倉日(ボソウニチ).  暦で、母が子を育てるように、天が人間をいつくしむという日。 . #一粒万倍日(イチリュウマンバイビ).  一粒万倍日は何事を始めるにも良い日とされ、特に仕事始め、開店、種まき、お金を出すことに吉であるとされる。  但し、借金をしたり人から物を借りたりすることは苦労の種が万倍になるので凶とされる。 . #三隣亡.  建築関係において大凶日。 この日に建築をすれば火事を起こし、近所隣を滅ぼすと云われる日。 棟上げや土起こしなど建築に関することは一切忌むべき日。 . #寒露. 冷たい露が野草につく頃とされるので「寒露」。  秋が深まり紅葉が鮮やかになり、農家では収穫の時期を迎える。 . #十三夜(ジュウサンヤ).  旧暦(太陰暦)で毎月13日の夜のこと。  特に9月13日の夜を指します。  十三夜の月は、十五夜の約1ヶ月後であることから「後の月」ともよばれます。 . #シュガーバターの木の日.#東ハトの日. #VSOP運動の日(毎月第二土曜日). #桐葉菓の日.#陶板名画の日.#運動器の健康・骨と関節の日. ●足袋の日.●糖をはかる日.●永遠の日.●そばの日.●焼おにぎりの日. ●名玄のセルフうどんの日.●問屋の日.●頭髪記念日.●ドローンパイロットの日. ●地熱発電の日.●はらこめしの日.●トレハロースの日.●ようかんの日. ●角ハイボールの日.●FXの日.●プリザーブドフラワーの日.●コンビニATMの日. ●陶板名画の日.●入れ歯感謝デー(歯科技士の日).●奥歯の日. ●入れ歯の日.●木の日.●国立公園制定記念日.●レーザーディスクの日. ●ハンドバッグの日(10月の8日と9日).●生パスタの日(毎月7日と8日). ●ホールケーキの日(毎月8日).●信州地酒で乾杯の日(毎月8日). ●歯ブラシ交換デー(毎月8日). ●愛を囁く日(アメリカ合衆国).●クロアチア独立記念日.●ペルー海軍記念日]. . . ■本日の語句■. #名馬に癖あり(メイバニクセアリ). 【解説】 名馬と言われる馬は、どこかしら扱いにくい癖を持っている。 人間も優れた才能の持ち主には、強い個性があると云う事。 . . 1978(昭和53)年10月8日(日)先負. #中山エミリ (#なかやまえみり) 【タレント、女優】 〔神奈川県川崎市〕. . . (牧野記念庭園) https://www.instagram.com/p/CjbhLa5B9ZfMaiFDZ_b2h-xoriKg0e7LRbn7qY0/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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0ku20 · 2 years
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前回日記を書いたところから1日ずつ日々を振り返るには、いろんなことがあったし、何にもないまま1日を溶かしたりして、その間頭の中の記憶はぐちゃぐちゃの絵の具のようになってしまったので書き起こすことはなんだか難しい。
ボンヤリとした変化で言えば、最近聴く音楽が狭まってしまって何を聴けばいいのか分からず、昔聴いてた曲をとりあえず何と無く流しては「気分じゃないな」と次の曲へ飛ばしてしまうようなそんな日々になっていることである。
9/11(日)にベーオンの企画ライブに出て、たくさん酒を飲んで記憶をなくした。記憶をなくしたまま素直にそこら辺で寝ておけばいいのに帰ろうとして裕太に迎えを頼んだ挙句、終電までの時間何故か池袋を彷徨っておりタクシーに乗ることになった。すごく二日酔いになったし、しっかりと怒られたし凹んだのでしばらく多量の飲酒は避けるということになった。酒を飲むたびに理性を失っては暴れるのって、他人からしたら本当に迷惑なんだろうけど記憶を失ってしまうと自分のした失態というのも全て靄のかかった記憶にしかならず、ろくに反省せず酒をまた飲んでしまうのである。
9/17(土)は仕事帰りに裕太と焼肉を食べに行くことにした。わたしとしては美味しいものをゆっくり一緒に食べることでお詫びも兼ねたいと思っていたのだが、結局そこでも酒を飲んでしまい次第に「もっと酒を飲む」という目標のためだけに這いずり回るゾンビとなった。中野からスタートし、高円寺方面へ歩き、最終的には荻窪まで歩いた。
中央線沿いを歩くのは素面の時でもよくやるので道はよくわかった。ただ、阿佐ヶ谷を越えたあたりからほぼ目は見えていなかった。それでもわたしにとっては、ベロンベロンになっていく中で夜の街が連続していくのを感じるのは嬉しい記憶なんだけど。
全然酔っ払わない裕太が一緒に歩いていると心強く結局吉祥寺で一夜を過ごすという奇妙な選択肢を取った。酔っている時にカラオケをすると普段はやらない喉の使い方をしてすぐに喉を痛めるのにどうしてあんなに楽しいんだろう。
朝になって最寄りで食べたラーメンは美味しかった。昼間から寝始めて、夕方まで寝たのに夜少し活動してまた夜になって寝た。たくさん寝たから心なしか肌の調子が良くなった。
9月はずっと仕事が忙しかったので仕事へ行くたび張り詰めていたのだが、最近はうまいこと仕事に向き合えている感じがする。相変わらずケアレスミスは多いしマルチタスクは苦手だが、自分からイレギュラーな業務を巻き取っていくことで、業務範囲の幅を狭めていつもやりがちなミスをカバーしている。だいたいイレギュラーな対応をする時は上長やら他部署の人と絡むことになるので単独で仕事をした後しばらくしてミスが露呈するリスクも低くなるのである。
これがずっと続くわけでもないんだろうが、自分の特性も結局ずっと続くので、平凡な日々に馴染んでいくことは常に大事にしていきたい。
辛いことがあるから酒を飲んでいるわけではないが少なからず仕事をしてギィギィ言った後に仕事を全く考えずにちゃらんぽらんになるのは楽しいのかもしれない。
最近は外食や中食も取り入れつつ、自炊もそれなりに継続できている。野菜をたくさん食べ、夜は白米抜きにすることも、ゆるやかに継続しているので、やけにならずまだまだ継続していくぞ。
前向き前向き。
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theyuko · 2 years
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syupii · 2 years
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Her lip to で買ったもの(2022年5月)②
↓の続き
https://syupii.tumblr.com/post/685474482208571392/her-lip-to-%E3%81%A7%E8%B2%B7%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%82%82%E3%81%AE2022%E5%B9%B45%E6%9C%88%E2%91%A0-sensual-rich-body
SENSUAL RICH BODY CREAM
「GLOW SUNSCREEN SERUM」と比較。
1~6枚目がボディクリーム、7~10枚目が日焼け止め。
ボディクリームはスマホのカメラで撮ったら実物とだいぶ色が違う。
どちらも量が一度に出過ぎない使う人に優しい親切設計。
ボディクリームも日焼け止めも塗って伸ばすと色が薄くなって肌に馴染む。
この日焼け止めは白浮きしなくていいね。
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isakosakaguchi · 2 years
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4月の日焼け止め
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最近、新作の日焼け止めが沢山出ていてうきうきしちゃいますね。私は毎年この時期になると日焼け止めを物色し、お気に入りを買い込んでそれを1年間使っています。春夏はどこの店に行っても日焼け止めのオンパレードですが、秋冬は隅に追いやられて種類も少なくなってしまう…🥺365日日焼け止めを塗りたくるとなると、やはりこの時期に買い込むのがベスト、というワケです!
昨年は「メイクアップ効果」と「みずみずしい使用感」を重視して、「スキンアクア トーンアップUVエッセンス ハピネスオーラ ローズ」というものを使用しておりました。淡いピンク色でサラッとした乳液の様なカンジ。トーンアップもバッチリでした👌
さて、今年は趣向を変えて以下の2点を重視して選びたいと思います。
美白などの美容液効果
化粧下地と相性がいいもの
今まで使っていたスキンアクア、とても良かったのですが、化粧下地を変えたら相性が���すぎて、ダマになるわモロモロが出るわで困っていました。そこで今年は化粧下地との相性も加味していこうと思います。
使��している化粧下地はこちら。ディオールスノーのブルーです。
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そして買った日焼け止めがこの2つ。今年は気になる日焼け止めが8つあったのですが、イッキに買うには数が多いので月に2つ3つ買うスタイルでいきます!
a、ORBIS リンクルホワイトUVプロテクター
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謳い文句は「最高峰の紫外線カット力ながら、シワ改善&美白まで叶える。ハイスペックな薬用日焼け止め」。マスク擦れも軽減してくれるそう。2021年のベスコスでも1位みたいですね。
使用感で1番感動したのは、テクスチャー!すごくいいです!ふわふわのクリーム!チューブから出してすぐはちょっと固めかな?と思いましたが、顔に広げるとムースみたいな感じでふわっととろけます。程よくしっとり感があります。ベタつく程ではありません。
化粧下地ともしっかり馴染んで、もろもろも出ず、ムラにもならず、ちょっと艶っぽくなるのがいいです✌️毛穴落ちもありませんでした。ひとつマイナス点を挙げるなら、塗ってすぐの匂いが気になります。化粧品っぽい匂いというか、ミネラルを感じる…白ワインのミネラルの香りを無機物にしたような感じ。馴染むと匂わなくなるので大した問題ではないですね!まだ1つめですが、今年はもうこれでいいかな〜って気分です👯‍♀️
b、POLA ホワイトショットスキンプロテクターDX
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日焼け止めに含まれる「イオン応答粉体」と汗に含まれるイオンが反応して、強いシールド膜を作っているらしいです。さらに「形状記憶ポリマー」配合で、表情の動きによるシールド膜の亀裂を防ぎ、隙間やけを許さない。紫外線の他に、近赤外線、大気汚染物質、ブルーライトまでカット。極め付けには、肌の糖化、透明感、肌荒れ等に有効な美容成分を配合しています。私が数えた限りでは、少なくとも9種類の美容成分が書き連ねてありました。
とりあえず、ガチ感がすごい。ベスコス147冠も伊達じゃないですね。使用感はORBISと似ています。きもちPOLAの方が柔らかくて水分が多いかな〜といった印象です。伸びもいいですが、ORBISの伸びが良すぎて、POLAはもうちょい量足して塗っとくか、って感じです。カンタンに言っちまうならば、ORBISは雲、POLAは湖。
気になる化粧下地との相性も良し!もろもろは出ず、ムラになることもありません。ORBISの方が艶感が出ますが、ORBISよりも密着感を感じました。匂いがないのもかなり高ポイント!ほぼ無臭。ひとつ残念なのは、ベースメイクがちょっと崩れやすくなってしまうところ。皮脂防止系のサラッとした下地の方が、より良さそうです✌️
というワケで、4月はORBISとPOLAでした!5月は何を買い足そうか、もう今からワクワク🎶今年は大豊作の予感!という気持ちと、初回のこの2つが最強すぎてもう本当に今年はこれがベスト!な気持ちが葛藤中です💘
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mariohosaka · 4 years
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美容の話をしよう
こんにちは🌞
先日は香水のお話し、見てくださった方ありがとうございます!
さてさて、
本日はタイトル通り、「美容について」。
美容にかなり疎い女が美容の話をしようとしています。
…。
ではでは、早速
私がヘビロテしている物をご紹介していきます。
まずは、スキンケアについて。
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高校生の頃から変わらず愛用している
・Curel美白化粧水
・Curel美白乳液
・jhon master organics
VAGセラム美容液
・Curel美白クリーム
それ以外のスキンケアといいますと
・毎朝コップ一杯の常温の水を飲む
(腸を起こしてゆっくり活動させる)
・基本、家では常温の水を飲む
・糖分の過剰摂取は避ける
・極力化粧はしない(化粧が面倒という理由8割)
・日焼け防止・保湿は抜かりなく
・入浴後、2分以内には基礎化粧品を塗る
・日焼け止めは常に超絶必須アイテム
・化粧はその日の内に必ずしっかり落とす
(メイク落としのシートなどはNG)
・ストレスをためない
・よく笑うこと
・しっかり食べるてしっかり寝ること
(たまに出来ていない時もある😅)
が私の心掛けるスキンケアの一つです。
特に、腸内環境が悪いと肌荒れの原因になったり浮腫、冷え性の原因になるのでお腹のマッサージや水分をしっかり取って腸内環境を整えることもスキンケアとしては大事な仕事かなと思っています。
ちなみに化粧水、乳液は顔から首を通って鎖骨辺りまで力は入れず、マッサージ込みで塗ることをオススメします。(これやるだけで本当にデコルテの肌質が良くなりました)
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朝はbulyの拭き取り化粧水でコットンを使ってサラッと顔を拭き取り、先ほどの基礎化粧品を塗ります。(朝は洗顔フォームは使わず、水で洗うか拭き取り化粧水を使うか)
次に、
シャンプー・コンディショナー・ボディソープ、クレンジング、洗顔など
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洗顔・クレンジング共にDove
シャンプー
コンディショナー
ボディソープは全てAesopと
クヴォン・デ・ミニムのクレンジングボディオイル
入浴時の気をつけていることとしては特にありませんが、必ずその日のメイクはその日の内にしっかり落として、
手で顔に触れる時(クレンジング、洗顔、基礎化粧品を塗る時)は必ずハンドソープで手についたコンディショナーやオイルなどの汚れを落として綺麗な状態で触れます。
あと、洗顔は必ず泡だててから泡で洗うようにして優しく洗います。
また、出来るだけ湯船にゆっくり浸かって代謝を上げて身体を温めることも心がけるようにしています。
次にボディケア
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Aesop ゲラニウムリーフ ボディバーム
クヴォン・デ・ミニム アモレム ボディスクラブ
Aesop プロテクティブ ボディローション
一枚前の写真に載っているAesopのボディソープで身体を洗ったあと、ミニムのボディスクラブで身体をスッキリの滑らかにします。
お風呂から出たらすぐに基礎化粧品を塗り、Aesopのボディバームでしっかり保湿します。
Aesopのプロテクティブボディローションは、日焼け止め乳液として使っている為、朝起きた時に乾燥が気になるところを重点的に露出の高い首元や手首、腕などに塗っております。
次に
スタイリング剤
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BYREDO LA TULIPE
bavines authentic nourishing oil
毛先や顔周りの生え際、内側にオイルを馴染ませてから(根元にはあまり付けない)
byredoのヘアパフュームでサラッと香りをプラスします。この時、あまり至近距離からスプレーしないように要注意!
次は
ブレス・トゥースケア
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左から
propolinse refresh
Aesop トゥースペースト
MARVIS ホワイト・ミント
Aesop mouthwash
propolinseの口内洗浄液はかなり愛用していて、職場でも使っています。喫煙者なので歯磨きや口内洗浄はしっかり心掛けています。
あと、定期的に歯医者さんに行って診てもらったりしています。
歯磨き粉はいつもMARVISのを使用していて、現在は気になっていたaesopの歯磨き粉をご好意で頂き、朝はaesop、夜はMARVISと謎に意味もなく使い分けています。
朝は歯磨き粉後、aesopのマウスウォッシュで軽く濯いでおります。
と、このような感じです!
ただ、今は基礎化粧品を見直し中で
敏感・乾燥肌で荒れがちなので自分に合った基礎化粧品を時間をかけて見つけていこうと思っているので、また変化があれば随時更新できたらなと思います。
以上、美容に疎い女の美容の話でした!
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