Tumgik
#笑顔で人を殺せる男
mayudog · 5 months
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エリア3に初詣しに行くか((((っ・ω・)っ
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ぎゃあ!!!顔が良い!!!美の顔面に殴られた!!!
新年初死におめでとうございました
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台詞なしver
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g-men-movie · 1 year
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キャラクター第3弾&連続キャラクターPV<レイナ編>解禁!
★キャラクター解禁第3弾‼吉岡里帆、高良健吾、尾上松也、田中圭が演じる役柄がついに明らかに!キャラクタービジュアルも一挙解禁!
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この度解禁となったのは、吉岡里帆、高良健吾、尾上松也、田中圭の4人が演じるキャラクター。3月に出演情報が解禁されたキャストがそれぞれどの役を演じるのか、ついにその全貌が明らかに!そして、そんな4人が演じるクセ強でインパクトたっぷりなキャラクターのビジュアルも同時に一挙解禁いたします!
雨宮瞳(あまみや・ひとみ/吉岡里帆)
勝太たち 1 年 G 組の担任。一見清楚でいつも笑顔、生徒にも優しい美人な先生だが、言う ことを聞かない生徒に対しては性格が一変。普段の大人しい姿からは想像できないようなおかしなテンションで大暴れする。
伊達薫(だて・かおる/高良健吾)
私立武華男子高校の2年生で、かつて【Gメン】と呼ばれた伝説の不良グループのメンバー。単車を愛し、義理人情に厚くて喧嘩もめっぽう強い。転校してきた勝太とすぐに打ち解け、一緒に過ごすうちに次第に恋心を抱くようになる。
加藤侠介(かとう・きょうすけ/尾上松也)
刑務所から出所し、勝太たちの前に現れた凶悪な組織=天王会のトップでクレイジーなサイコパス。金属バットを手に不気味な笑顔で暴れまくる圧倒的な凶暴性の持ち主。
八神紅一(やがみ・こういち/田中圭)
私立武華男子高校の3年生。伝説の不良グループ【G メン】最後のヘッドで驚異的な強さを誇る。金髪リーゼントがトレードマークで、強さと茶目っ気を併せ持ち何かと訳知り顔で勝太たちを見守る先輩。
★連続キャラPV配信第3弾!恒松祐里演じる【“ピュアなレディース”ツンデレ・上城レイナ版】が解禁!
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この度解禁となった連続キャラPV第3弾は、【ピュアなレディース・上城レイナ編】。勝太たちと一緒に青春を過ごすことになる“レディース”【多摩黒天使(ブラックエンジェル)】のヘッド・上城レイナ。G組メンバーに真正面から啖呵を切るような強気で大胆な性格。一方で、岸演じる勝太に密かに恋心を抱きながらもなかなか素直になれないという、恋愛には奥手でピュアな一面も持ち合わせています。 映像は、「てめえら、ぜってぇ許さねえからな!」と特攻服で啖呵を切るインパクトのあるオープニングからスタート。その後も「生きて帰れると思うなよ!」「ぶっ殺すからな!」と物騒な単語が並び、レディースのヘッドとしての素養を見せつけています。一方で、勝太を校門前で待ち伏せて、「12時に駅前に一人で来い!」と呼び出すシーンでは、緊張から声が一オクターブ上がってしまうなど、ピュアな一面も垣間見える。ラストの「別に好きだとか、そういうことじゃねぇからな。ぶっ殺すぞ!」は、レディースのヘッドとしての感情と年頃の女の子としての感情が爆発したシーンに。レイナの可愛らしさが詰まった15秒となっています。
公式サイト
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kinemekoudon · 1 year
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スマホを解析されて、薬物売買のログを見せられたときのレポ
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―逮捕から7日目。この日は2回目の検事調べが予定されており、今回はワゴン車による単独の護送ではなく、護送車での複数人共同の護送になるとのことで、僕は初めて護送車に乗れることを少し楽しみにしていた。
朝8時30分頃、点呼とともに居室から出され、留置場の出入り口扉の前に連れていかれると、扉の前には既に2人の収容者が縦一列に並ばされており、僕はその2人の後尾に立つよう指示をされる。そして例によって身体検査をされると、いつもよりキツく手錠をかけられる。
その後、留置官が先頭の収容者の手錠の間の輪に、通常より長い腰縄を通してから腰に巻き付け、同じ要領で、その長い腰縄を中間の収容者、そして後尾の僕に巻き付け、見事に3人を数珠繋ぎにすると、その長い腰縄を自分の腰につけているフックに括りつけ、後尾に立つ僕の後ろについた。
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それから、3人の前後に警官が3人ずつついた体制で、地下の駐車場まで連行され、しばし駐車場で待機をしていると、白色と灰青色のツートーンカラーで、黒色のスモークガラス窓のマイクロバスがやってきて、3人の手前に停車した。
僕はその時まで、護送車とは、青地に白のラインが入っている、窓に金網のついたバス型の車だと思っていたので、実際の護送車がひどく凡庸なことにがっかりした。
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上が護送車、下は人員輸送車(警察官を輸送する車)
そうして、3人は連結されたまま護送車に乗せられる。護送車の車内は、右側2座席に左側1座席の3列配置で並んでおり、窓には鉄格子が嵌められていて、運転席との間には壁があって全く見えないようになっていた。
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また、護送車は周辺地域の警察署を順繰りにまわり、地検に移送する被疑者らを拾っていくシステムのようで、すでに15人ほどの先客が座っていた。
彼ら15人は、非常に長いロープで数珠つなぎにさせられており、全員が上下グレーのスウェットに茶色の便所サンダルの恰好で、手錠をかけられ、姿勢よく無言で着座しているので、捕虜の集団のようだった。
車内にいた警官らによって、3人は各自指定された座席に座ると、3人を連結していた長い腰縄が外され、今度は15人を連結している非常に長いロープに括り付けられる。
18人の被疑者と1本のロープによる数珠が完成すると、1人の警官が、「車内では会話や目配せはもちろん、足を組むのも禁止する」などという護送車内の規則を、大声かつ歯切りのよい口調で説明していた。
車内に5人ほどいる警官らも、これだけの逮捕者を移送するというだけあってか、非常に緊張感を持った面持ちで、ちょっとでも無駄に声を発したら怒鳴られそうな緊迫感がある。
僕は幸い、右側2座席の窓側の席であったので、外の景色でも見て気を紛らわせていようと思った。なんだったら、前回の単独移送では、両隣に警官が座っていて、窓はほぼ塞がれている状態だったので、久しぶりに外の景色を見られることは楽しみだった。
そうして、護送車が出発する。捕虜同然の惨めな状態というのもあってか、留置場では見ることのない格好や表情をした道行く人々を見ると、外の世界は自分とはもう関係がないように思えてきて、非常にセンチメンタルな気持ちになる。梅雨時で曇天模様だったのがまだ救いであった。
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出発からおよそ1時間が経過し、護送車が地検に到着する。護送車のドアが開くと、地検で待機していた警官がドア横に立ち、日本陸軍の点呼のような厳格さを感じる大声で「第三系統! 総員十八名!」と号令をする。車内の被疑者らが数珠つなぎにされたまま、1人ずつ車内から降りていくと、その警官はやはり日本陸軍のように「一!二!三!…」と点呼をとっていた。
数珠つなぎのまま連行され、待合室のある広間に出ると、そこには前回よりもはるかに多い、100人弱の被疑者らがおり、見るからに力士のような者からヤクザのような者まで、前回より威圧感のある男が多く集結していて、全体的に迫力があった。
また今回は人数が多いためか、警官の人数が多く、警官らはみな厳格な号令と点呼を行い、鋭い眼光で被疑者らを監視しているので、今までに味わったことのない張り詰めた空気が漂っている。
それから例によって、待合室という名の牢屋で、座る者の事など考えていない直角の硬い椅子にすし詰め状態で座らされ、時間もわからないままひたすら待ち、昼食時にコッペパンを食べ、いつ自分が呼ばれるか分からないまま、またひたすら待つ。相変わらず地獄。
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おそらく3時くらいになってようやくお呼びがかかり、僕は一人の警官に連れられて、検事のいる部屋に入室した。あくまで検事が起訴か不起訴かを決めるので、入室の際、僕は少しでも検事の心証を良くしようと、礼節を重んじている風の挨拶を決め込む。
前回同様、義務的な質問などがされ、黙秘権について告知がされるので、僕はここぞとばかりに、昨日弁護士にアドバイスされた通りに、「担当の弁護士さんから抗議書が送られていると思いますが、昨日、留置担当官の方に「ブチ殺す」などの脅迫を受けて、警察や検察の方を信用できなくなったので、取り調べには協力できません」などと、あくまで被害者ぶった深刻な表情で言う。
すると検察官は、こちらの会心の一撃をまるで意に介さないような表情と口調で「わかりました。その件についてはこちらでも事実確認と調査を行ってまいります」などと流暢に返事をし、「ただ、本日は見ていただきたい資料があるので、応えられるものに関しては応えていただけませんか?」と尋ねてきた。
僕はその見せたい資料とやらが気になったので、「資料は見せていただきたいですが、黙秘はします」と応えると、検察官はそれを了承し、A4サイズの紙が200枚ほど綴じられている分厚いバインダーを取り出して、付箋の貼ってあるページを開き、僕に見せてきた。
そのページには、僕がプッシャーから薬物を買おうとやり取りしていた、Telegramのログ画面の写真が貼り付けてあった。
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僕はまず、そもそもスマホの解析承諾をしていなかったので、無断で解析をされていたことに度肝を抜かれたし、露骨な薬物売買の証拠を見せられて、少し動揺が出てしまった。
ただ幸い、今回一緒に逮捕されたプッシャーとのやり取りのログは完全に消去していたし、見せられたログは、僕が「在庫はいかがですか?」と尋ね、プッシャーが「こちらになります」と隠語で書かれた薬物のメニュー表を画像で添付して送り、僕がそれを既読無視しているという、購入の意思を見せていない内容ではあった。
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メニュー表のイメージ
ちなみにTelegramにはパスコードロックをかけていなかった。
検察官は僕が動揺している隙に、「これは、あなたが薬物を購入しようとして、売人にコンタクトをとったものじゃないですか?」と単刀直入に質問をしてくる。
僕は、このログについてはどうとでも取り繕って否定できそうだったので、つい否定をしたくなったが、下手に喋ってボロを出しては検察の思う壺なので、「黙秘します」と応える。
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それに対し、検察官は無言で頷き、プッシャーが提示していたメニュー表の画像を指さして、「この“罰”っていうのは、コカインのことですよね?」と尋ねてくる。
僕は反射的に、「いえ、罰はMDMAの隠語です」と本当に危うく口走りそうになったが、一呼吸置いて「黙秘します」と応えると、検察官はやはり無言で頷き、再び付箋の貼ってある別のページを開いて、僕に見せてくる。
そのページには、一緒に捕まった友人の吉岡とのLINEでのやり取りの写真が貼ってあり、どう見ても薬物を言い表した代名詞でのやり取りや、それに付随して、「悟ってる時の顔」などと言って、僕がLSDのピーク中に目を瞑って微笑んでいる顔写真を吉岡に送りつけている赤面不可避のログも載っていた。
当然、これらに関する質問にも黙秘を貫いたが、検察官は少し呆れた表情で、「…うん。でもね、小林さん(一緒に捕まったプッシャーの本名)のTwitterアカウントのリンクが、吉岡さんからあなたに送られているんですね」などと言って、今度はそのログの写真を見せてきた。
僕は吉岡とは完全にクロな証拠のやり取りをしていなかったつもりでいたので、これにはさすがに焦りを感じたが、そのメッセージの前後に脈絡はなく、リンクだけが送られているという内容のログではあったので、これだけでは証拠として不十分であろうとは思った。
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検察官は続けて、「この小林さんのアカウントにコンタクトを取って、小林さんから大麻を購入したんじゃないですか?」と名推理をしてきたが、僕はなんとか無表情をキープしたまま、「黙秘します」とだけ言っておいた。
検察官は表情を変えず、「わかりました。それでは本日はこれで以上です」などと言って、この日の取り調べは終わることになり、僕は当然、調書への署名・押印を拒否して、部屋を後にした。
つづく
この物語はフィクションです。また、あらゆる薬物犯罪の防止・軽減を目的としています( ΦωΦ )
#フィクション#エッセイ#大麻#大麻取り締まられレポ
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kaoriof · 13 days
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(昔の日記です、お気に入りの文章教えてくれたらモチベになります……)
日記
その日は朝からジョギングをした。いつも昼過ぎぐらいに起きていたから、朝8時の街のざわめきがあんなにも違和感なく受け入れられていることに驚いた。結局少し走っただけでくたくたになってしまった。川を眺めながら、ゆっくり、ゆっくり歩いて帰る。鈍色の川だった。1週間に1回くらい、いままで生きたすべての生きものの屍が、地を踏む私の足裏のずっと奥底にしずんでいることを思い出して、不思議な気持ちになる。恐竜もそう、目に見えない小さな微生物も灰ほどの大きさになって光景の一部にちゃんと溶けている。そのことに深く安心して、わたしは好きな人たちのことをちゃんと思い浮かべられる。調べたら、紀元前5万年前から今までに誕生した人間を合わせると、1082億人もいるらしい。1082億人もの人間たちが流した血を、蓄えた知恵を、つないでいった命のことを考える。丘丘を越える風や、夜と花との匂いに触れると、結局いつもそんな想いに辿り着く。昼からは医療脱毛の予約が入っていた。ほぼ素っ裸になって赤い水性ペンで体のあちこちに線を引かれて、ぱちぱちした熱くて痛い光に耐える。わたしの褐色の身体だっていつかあの、深いところにある脆い、目に見えない、灰になってしまうのになあ。電車に揺られながら、ゴミ溜めに差す光を見つめていた。小説の中の、「眼を傷つけるほど鮮明に」という表現を気に入ったので、メモに残す。細い雲が花嫁の白いヴェールのように空に広がっている。なんだか浮かれていた。アルバイト先で出勤打刻を入力して、都合よくふたりきりになった同期の男の子に思っていることをべらべらしゃべってしまった。なんかもう誰に何を思われるとか誰かと何かをくらべるとかそういう事柄に鈍くなっている。バイト前にスタッフルームに入るといっつもからだをじろじろみてくるあの人、ふと見たら私の足を見つめてて、それ以来マジで無理になっちゃった。なんかたまたま目に入る情報の引きのわるさに自分でもびっくりしちゃうの。街歩いてたらちょうどだれかが小便してたり、ちょうどネズミが裏路地からでてきたり、恋人と上手くいってない時にインスタを覗けばちょうどだれかの記念日だったり、そういうの。でもこのあいだ西加奈子の白いしるしっていう本を読んだんだけどね、富士山に関係している話なの。それでたまたまわたしも来月山梨に行くの。こうい��「ちょっとラッキー」みたいな軽くてふわふわした柔らかな偶然が、積み上げられたいやーな記憶を許してくれるの。こんなことを永遠に喋っていて、性格が悪いと思われるかもと不安だったけど、その人の方がわたしよりも5億倍くらい性格が悪かったので、あとはふたりでお偉い人が休憩から戻ってくるまでげらげら笑った。その夜はなんだかお酒でも飲みたかった。それで全て忘れ去るのは惜しいけれど。読まなきゃいけない本よりも読みたい本を読もう。学ばなきゃいけないことよりも、からっぽにみえる毎日のしずけさに意味を見出したい。恋人に別れを告げたのは自分なのに、会ったら触りたくなっちゃった。そういうこともあるよねー
無題
この人でいい、じゃなくて、「この人がいい」という感覚と大事にしていきたいと思う。4連勤目、ありがとうの一言も言えない禿げたひとたちにへらへら愛想を振りまく。やさしさに見返りを求めてはいけないなんてほんとうに馬鹿げている。わたしは自分に見合う対価をいつだって求めてるし、それを与えることこそが相手への敬意を表明する最適な手段だとずっと信じている。なんかもう無理、みんなキモイ。足裏も首も肩も痛い。インターネットばかり眺めていたら、夕陽の映る海も連なる山々も消費するものの1つに思えてきて、相当心が疲れているんだなあと自負する。色欲も皆無で、今ならどんなイケメンであろうと抱かれない自信があるくらい。言葉にできない日々こそ尊いのか、はたまた言葉に値しないものなんて、記憶されるに値しないものものなんてその程度なのか。通り過ぎた過去と進むべき未来の間で、ただ棒立ちしている。ただ、減っていくフォロワーの数値を眺める。わたしがその人の人生からいなくなる瞬間に、前よりもなんかすこしだけほっとする。
無題
ふと、あーこんな文章書くのやめて男子高校生のフリして架空の日記をつらつら綴っていきたいなーなんてことを思った。好きな女の子が教室に入ってくるあの瞬間に世界の色が変わって、空間がぐわんと無音で一新するかんじとか、廊下にひびきわたる古びたオルガンの重低音。蛇口から溢れる生きものみたいな水に顔をうずめて、あつい夏をのりきる。シャトラルランのアナウンスに合わせて、きゅっきゅと靴が床の光沢を擦る。太陽はギラギラ照って、それと同じ純度でみんなの肌が光る。時間にゴールテープがあったら、あと何回わたしはそれを切っていけるのだろう。いまはもっぱら実家暮らしを卒業したいと思っているけれど、いつか女であることを卒業したいと思う日がくるのかもしれないしそういう不確かなことばかりで全部うごている。ガガーリンの「地球は青かった」という台詞は有名だけれど、あれ、ほんとうは「地球は青いヴェールをまとった花嫁のようだった」と言ったとする説もあるらしい。わたしたちみんな青いヴェールをまとった花嫁のように生きていきたい。不確かで不透明な身体、心、ちいさな葛藤や、変化、醜さを直視する必要なんて全くないんだ。
無題 
黒いワンピースを大学に着て行ったら、先輩に黒が似合うと褒められた。わたしが可愛げなく「黒なんて誰でも似合う無難な色じゃないですか」と返すと、黒が似合う人ってほんとうは2割ほどしかいないらしいよと言う。でも先輩、黒いウェディングドレスなんてどこにもないじゃないですか。
とことんついていない日が続いている。空きコマにカラオケに立ち寄ったら、店員の不手際によってひどく待たされた。しかも音質がぼろぼろで、もうなにを歌っても音痴に聞こえてしまって、さいごのほうは泣きながら宇多田ヒカルを歌っていた。やることが多すぎて、依頼書添削の通知が深夜2時にきたりする。ぜんぶやめたい。
大学の文化祭実行委員をやっているのだけど、新規統括が決まった。これから新規が入ってくる中で、だれがどういう立ち回りをするか。新規統括の下にチームリーダーも2人いて、みんな多分わたしと同じくらい忙しいのに同じチームの人のタスク管理まで把握しているし、守らないといけない表記基準もちゃんとおぼえている。人の振り見て我が振り直せっていう諺、あったなあ。今は等身大にきこえる。
無題
ぽつぽつとした雨の音が家をまあるく包みこむ。包丁で水気の多い野菜を切る音やテレビの雑音を絡めながら一つの線になってゆく音の波に赤ん坊のように心を揺らされる。ときどき、だれかに肌で肌に触れてほしくなるときもあるけれどなんとか平気。朝起きて、しわしわになった白いベッドシーツになぜだか生きていたことの証を感じとって、朝からふわふわした気持ちだった。成り行きから友人と文通をすることになった。最近はめがねがこわれて、イヤホンをなくして、ほかにも不運だと思うことが何件かあった。それでもどんどんに綺麗になっていく自分のうつくしさや、河川敷でからだを動かした後の汗ばんだ首元を冷やす風、そういうものにそのつど救われていく。文章を書くのだって、すこし書かないだけでとびきり下手になったような感じだけどこうやって振り子のようにあちこちをいったりきたりして自分の居場所を掴んでいくと妥協できるようになった。わたしもほんとうは妥協を信仰とよびたいよ。書くの難しい、日記の練習。
反逆
朝から訳あって母と銀行に行かなくちゃいけなくなった。家族のことはそれなりにはすきだけど、一緒に暮らすことだけは大きらいなのでふつーにしにてーと思った。暑くて全部が嫌だった。道すがら、誤って小銭を何枚か落としてしまって困っていたのだけど、母はそれにすら気付かず歩く足を止めなかった。一度も振りかえらないまま。その瞬間、ああこのひとはこういう人なんだ、と思った。あなたが母親としてすべきことは娘の束縛でもスケジュールの管理でもな��て、隣に立ってあげることなんじゃないの?って、込み上げてくる怒りを必死に押し殺す。もうどうでもいい。わたしは宗教がきらいなわけではなくて、それに付随する人間の因縁がしぬほどきらいなのだと気がついた。
昨晩、大学の唯一の男友達とたらふくごはんをたべた。ありじはやさしいから全人類が惚れる、これまじ、と言われて心がほかほかした。この人とはしんでもキスとかセックスとかできないなと思う。「俺はさー親の束縛とかあんまなくて。朝帰りとかしても、母親、いつもと変わらずに何食べる?って聞いてくれるんよ。あーうどん、あったかいの、っていうと隣でつくってくれてさー」みたいな話を聞いて、母になる日がきてもこなくても何よりも大事にすべきなのってそういうあったかさ、優しさであってほしい。テーブルにあった占いボックスみたいなのに100円いれたら、吉と書かれたうすっぺらい紙がでてきた。ラッキーカラー青。次髪染めるならブルーブラックかな、そう思った。ちなみに男友達は「緑の人」って認識されたいらしくて、いつも緑の服着ててまじでおもしろい。
新宿駅は夜でも、バチバチに光っていた。帰宅して、そのあとは元恋人の友達と夜通し通話した。間にしょうもない下ネタをいいながら、ほぼ恋の話。エロい台詞を言わせたりして、ゲラゲラ笑った。毎日筋トレしてたら、足が細くなって、気持ちも前向きになった。でも、朝起きたら元恋人のインスタに載ってた私の写真が削除されていて、気持ち的には2度目の失恋だった。一度、私にもプライドがあるし元彼に連絡とかしたくない、と言ったとき、じゃあそのプライドを最後まで突き通しなよと言われたのでわたしはほんとうに最後まで突き通した。こんな美人でやさしい女を振るとかまじで勿体ねーっていう強さをおかずに生活を食ってるよ、ほんとうにすきだったんだ。
無題
高校時代、すごく仲のよかった友人にはじめての恋人ができた。このあいだ新歓合宿にいったの、といって見せてくれた写真、ほんとうにどれも眩しかった。わたしは大学に気の置けない友人が数人しかいないし、おまけについこのあいだ振られた身なので正直心の底から同じ目線でよろこぶことができなくてとてもつらい。ほんとうにいちばん救われて、いちばん好きな友達だったからこそなおさら。というか、さいきんずーっと無気力で、与えられる日々を過ごすというか半ば消化するような感覚でうけとめている。こうやってみんなそれぞれ離れていくのだとおもうとすごくさみしい。彼女にとって、わたしにとって一番だった関係性が、いつしかくずれてしまうのではないか、もう崩れてしまっているよでは無いか。そんなことをかんがえる。気休めにスタバでチャイティーラテを頼んだんだけどクソまずい、救われない。じぶん、はじめて付き合ったとき、どういう気持ちだったっけ。わたしの人生だからわたしがきちんとそこに価値や意味を与えないといけないのに、横たわって天井ばかり見て、挙げ句の果てに他人に妬みすら覚えてしまうのってすごく阿呆らしい。うらやましいな〜〜〜結婚するのかな〜握っていた手を手放されてしまったわたしにとっては、彼女が今一番求められているという状況は嬉しくもあり、うらやましくもある。海を背景に男の子と裸足で駆けだしたりするのって幻じゃなく存在するんだ。なんでこうもひとと比べてしまうのかわからない、何でそんなに上手くいくんだろう、なんでわたしだけこんなに不運で、こんなに寂しくて、こんなにつらいんだろう。だれしもが闇を抱えているのにそれを無視して、わたしだけ、わたしだけ、と卑屈に叫んでいるからバチが当たったのかな。去年、彼女とふたりで予備校へむかうとき、「はじめて」って片道切符だよね、なんてことを話した日もあったのに。もうほとんど大学に馴染むとか、ともだちつくるとか、学チカとかぜんぶぜんぶ諦めて、必要だけどこころの栄養にならないものは先送りにして隅に追いやって、ただひたすら本読んだり映画見たり、観葉植物に囲まれた生活をおくりたい。天気がいい日にはフラッと海に行って、そこにひとりでいるひとがいたら話しかけるとか、そういうところから心を元あった場所に置き直す努力をしないとこのままいちばんうつくしいとおもっている10代が終わってしまうなんてあまりに耐えられない。余裕がなさすぎるから5,000円の寿司料理を食べにいきたい。花が欲しい、誕生日に花なんて一輪も貰えなかったし。北海道の僻地とか一人旅したい、新潟の温泉とか和歌山の麦畑とか。ちっちゃなドラゴンをこころに飼いたい、人差し指くらいの蛇のタトゥーを掘りたい。意地悪な天使みたいな女の子になりたいし、やさしい悪魔みたいな男の子に好かれたい。バイトでお客様の身分証をみてそのひとの住所とか名前とか生年月日を手入力するんだけどなんか、その作業をするたびに不思議な気持ちになるの。当たり前のようにみんな違う名前で、違う日に生まれて、違う人生をおくっている。世の中わたしがしらないことで成り立っている。わたしは頑張っている、がんばることなどなにもないはずなのに頑張らないといけないことがとてもつらいけど、人生そういうもんですか?
無題
大切な人たちはこれからわたし以外のひとたちにも大切にされてゆく、でも。私はどうだろうか?なんてことを考えながら天井を眺めている。2限が終わってから、駅で待ち合わせて委員会のメンバーとはじめて会って昼食を食べた。そのあと用事があったけれど時間が余っていたので学校へ戻ったら、さっきの授業で同じ教室にいた女の子ふたりが外のベンチでたのしそうに話していた。雨ニモマケズ課題ニモマケズ。積み重なる焦燥感。積み重なると言うより色味が強調されてる感じ、わたしだけモノトーンの世界に取り残されている。木々がわさわさ揺れる。ともだちも好きな男もいなくなったときのために、ずーっと居たくなるサイコーの部屋をつくるぞ!と思って、観葉植物とプロジェクターとイエローのベッドカバーセットをポチる。ありったけのエネルギーをつかって見栄を張っているだけで、けして強くはない。気を緩めば赤ん坊のようになみだがぼろぼろでてくる。努力しているのだ。うつくしい写真を撮ろう。恋人はいるけど上手くいってるのか上手くいってないのかよくわかんない、けれど以前のように自分のことを犠牲にすることは少なくなった。今はわたしの相手をするのを面倒くさいと思う人に割く時間なんて1ミリもないと思っているし、だったら一人でしらないひとと酒を飲む方がまだマシ。外に出ればいくらでも拓けた空が存在していて、孤高になりきっているかのように風が吹く。汗をかけば涙なんて用無しだし、歩いて歩いて歩きまくれば、一瞬くらいは生きててよかったと思えるものが転がっているはずで、じぶんはそれを受け止めるのに値すると思っている。もうすぐ19になる。自分に時間を割くこと、自分への愛を惜しみたくない。だれかに想って貰うこと、だれかを想うことにはいつだって悲しみが伴うから、それをちゃんと受け入れられるくらいに。
無題
大学に入ってからみんなかわいくなっていって、わたしだけ取り残されているような気分。東京のど真ん中にすんでるから?みんなほそくて、白くて、髪から爪先までケアが行き届いていて己の恥が浮き彫りにされる。その一瞬はたのしいとかんじても、その背後にはいくつもの積み重ねられた気苦労があって帰りの電車の中でぐったりする。恋人のこと、しばらくは気にしないでおこうと思っていたのにこういう、心がげんなりしているときにその輪郭はいっそうまぶしく点滅する。とりあえず5キロ痩せる。いつかはだれかの手のひらサイズに収まる砂となってしまうのに、変なの、と思いながら、それでも毎朝まつ毛をあげる。でも、悲しくなったり辛くなったりはしなくなった。ひとりでもだいじょうぶなのだと思えるようになった。
無題
なんでわたしはふつーに生きていけないんだろうってずっと思っていた。母も父も日本の恵まれた環境でわたしを育ててくれたは良いものの、父は英語主体の企業に勤めていて、母に関しては日本語は流暢に喋れるものの読み書きは未だに不自由。小さい頃から携帯電話の契約書も学校の書類もすべて弟の分までわたしがこなしていた。想像してみて欲しい、12歳の少女が契約書の堅苦しい日本語を解読している様子。みんなが両親に綺麗な字で書いたもらった保護者会やPTAとかの同意書の中で、ひとり浮かないように1文字書くのに1分かけて、わたしの字とバレないように普段は字の汚い女の子を演出していた。日本人の集団に馴染むのが早かったのは、それくらい妥協や諦めを得るのがひとよりもはやかったということ。まわりの大人はみんな神様について話したがっていた。かみさまってなんだろう?かみさまなのに、自分でなんでもできるのに、なんで人間なんかにこだわるんだろう?さみしいのかな?なんて思っていたけれど、「かみさまは全能なので寂しいなどとは思わないのよ、許しを乞いなさい」そう言われてしまった。わたしのやさしさも、ときにはだれかにとって、間違いとなってしまうことを知った。自分のことを、昔も今もとてもやさしいと思っている。けれどそれは人に優しく接することで自分は善良な人だと信じたいだけなのだと思う、自分は世界から優しくされるべきだ、人に愛されるべきだと、自分のことを肯定したかった。でもそれってそんなにいけないことかな?インターネットをはじめたばかりの頃、世界には寂しい人間がこんなにたくさんいるんだと知って、それが救いだった。たくさんの言葉を綴ったけど、こわくなって一度ぜんぶ捨てた。だれかたったひとりでいいから、わたしも心底愛されたい。川のせせらぎや木々の息吹、風のあおさ、若い緑の匂い、花々、流れゆく時間のうつくしさ。ぜんぶかみさまの化身だと思っていて、それらに愛されていると感じていた。けれど高校に入ると、みんなひたすら楽しそうだった。好きな男の子に抱きしめられたり、友達と夜遅くまでどんちゃん騒ぎしたり、じぶんの美しいからだを隠さず、美しいということを魅せることによってつたえる。美しいから隠すというのもとても素敵だけど、なんで美しいから見せるのはだめなんだろう。美しいと分かればわかるほど人は傷つけたくないという気持ちになるのに。ずーっと日に当てず、布で覆っていた髪の毛は、日焼けすることなく漆黒を纏って光っている。みてほしい、ふれてほしい、わたしを認めて欲しい、一人だけじゃなくて、みんなに、そういう思いだけがぐらぐらと心のなかで揺れていた。お父さんお母さんにわかってたまるかとおもう、自分らは宗教や厳しいしきたりが当たり前で誘惑の少ない世界で育ったからそれを受け入れられるのが自然だっただけで、わたしと同じ目線に立てないくせに、立とうとしないくせに、守るとか成長させるとか文化だからとかいう理由でほんとうの自分を確かめたりそれを探すためにいろいろな経験をする機会をくれなかった。そもそも自分が天国に入りたいからという理由で、ひとの地獄にも気がつけない、もしくは与えているってとてもわたしよりも罪深い、そうおもってしまう。あーなんか愚痴みたいになっちゃった。生まれた瞬間から取り憑かれている呪いに終止符は打てない。もう戻れないと思ってしまった。きのう、大学のゼミの友人と、みんなで花火をして、夜の11時半に帰った。お酒とか飲むとすごく気持ちが楽になってなんでも話せて皆んなでわらって過去の苦悩をともにして、すごく幸せだった。これのどこが罪深いんだろう?とおもってしまった。みんなほんとうは弱いんだとしってなんでも許せるような気分だった。風が髪の毛をおもしろおかしく靡かせて首元をくすぐる。愛してくれる男の子もいる。頼りないし馬鹿だし女心ひとつもわかってないところもあるけど、それでもわたしの置かれていた宗教のこと、いっぱい知ってくれようとして、受け入れてくれて、ふたりのわたしをどちらも同等に扱ってくれる。友達は何も言わなかった。わたしが変わってしまっても、それに負い目を感じていても、ただただそこにいるわたしをみてくれた。みんなに、日々にだきしめられることのあたたかさを前よりもちかくかんじる。すぐそこにあったかい塊がたくさんある、なにも怖がることはないと思うの。本当はたまにすごくこわくなるけど、一人ぼっちになることとかいつかしんでしまうことは避けられないことかもしれないけど、それでも美しい日々を美しいものだと受け入れて生きていくこと、かみさまを理由にくるしいと喚いていたときよりも、自分はもっとこの世界が好きになった。どうか許してほしい。わたしがほんとうにやさしいの、いちばんしっているでしょう。人のことをすぐに疑うくらいなら心底信じてあげたほうがいい。今の自分を成り立たせるために、自分の一部を犠牲にしているかもしれない人も、それゆえに必死に暴れている感情に戸惑っている人も、みんなほんとうはとても素直で優しくてすてきなのだと思う。わたしは気付く、気づいてあげられる。寂しいときもうれしいときも、誰よりも貴方の元へまっすぐに走っていく。
無題
容赦なくどばどば目の奥に垂れ流れてくるブルーライト、過呼吸気味に泣き続ける夜もあと数年したら体力的に出来無くなりそうだから早く早く歳をとりたい。夜の3時なのに目を閉じても眠れなくて全身の血液が逆流しそうなくらいからだが強張っている。もうここ2週間くらい学校行ってない、なにしてるかというと家のカーペットのど真ん中でプリン食べながらフランス語の授業受けてる。同じ大学の女の子が、大学にはBBQかスノボかフットサルがやりたいようなやつしかいない。わたしは坊主かショッキングピンクのやつとしかともだちになりたくない、みたいなことを言っていて、そういうのってなんか違うし、かなしいとおもった。でも、こうやってかなしくなったりさみしくなったりするのを全て五月病として片付けてサヨナラできるから5月はわりと気に入っている、どれくらい好きかというと6月と10月の次くらいに好きかもしれない。「五月病」の仮面を被った鬱憤とした鈍色の塊が街中を苛ましているの、なんだかどきどきするから毎日赤い口紅をつけている。いつ悲劇に見舞われても良いように。ピエロみたいな足取りでときどき水たまりをばしゃばしゃしながら走り続けた、足元の花も日付もその日の占い結果も、あなたとのLINEのトーク画面も、日に日にぜんぶ気にかけなくなってゆく。てをつないでいた、自分の中にいた幼い少女が夢の中で喪服を着てた。あなただけは離れないで、と思って、でも、目を覚ましてもあなたに連絡は取らなかった。
無題
今日こそ、と意気込んでキーボードの上で指を交差させながらものがたりを紡ごうとするたび、これまで触れてきたいくつもの眩いことばがぶわっと一気に蘇ってわたしを刺してくる。おまえにはなにも書けないなにも残されていないおまえはなにもかなしんでいない。奥へ奥へとひきずりこまれる。誰も彼もが各々の光を持ち寄って、目の前の道はもう見えないところのほうが少なくなってしまったくらいに隅から隅まであかるい。どんなふうでも在ることのできたそれがほんとうのほんとうに空洞であったと気づいて、でももう泣けない。詩はどのように湧き出てくるんだろうか。音も色も。炭酸がシュワシュワするとか松ぼっくりの形とかどんぐりを拾い集めたりしたときのこと、もうわすれてしまったみたいに、世界がまぶたを1ミリ閉じた、それだけのことかもしれないのにその僅かなエッセンスがこんなにもわたしを主人公たらしめていたのかと途方もない気持ちをおぼえる。サンタクロースがいないとわかった瞬間にクリスマスへのあこがれが半減するのとおんなじようなさみしさをずーっとここさいきん噛み締めている。シシュンキが芸の才能の全盛期だからだろうか、おとなになればいままでずっと見えなかったものがわかって、もっと色鮮やかに日々を過ごせるのかと想像していた。外でガラス瓶ががらがらからからこんこんうるさい。布団の端っこ、握りしめすぎてすごくやわらかくなって、あたらしいパソコンも使いこなせるようになった。かなしいなかなしいなとおもうけれど、そのこと自体になんの揺らぎも感じなくて、かなしさがより加速するだけ、日々をヒビと書いていた頃があったのをおもいだした。ヒビをいれてゆく、ヒビがふえてゆく、日々。
無題
晴れて大学生になることができて、数日後に入学式を控えている。でもほんとうはもう大学やめたいくらい友達ができるのか不安すぎて、毎晩寝る前に泣いてしまう。このあいだ新入生交流会があったとき、教室に入ったら女の子が皆んな似たような淡いお洋服を着ているし、髪の毛が丁寧に整えられていて、かわいくて、おんなじような雰囲気で、インターネットでつながって和気藹々とはなしているひとたちもいて、自分は見かけが日本人じゃないから声もかけられないし、声をかけようと思っても(わたしこんなに目立つし、びっくりさせちゃうかもしれないし、迷惑かな...)とか考えちゃってすごくこわくて。ツイッターに勇気出して何か投稿しても、だれからも反応が来ないとそれもまた不安になってすぐに削除してしまう。これからずーっとこんなかんじで、高校のときみたいに心から打ち解ける友達なんて一生出逢えないのかもしれないとか思っちゃってさみしくて涙がぼたぼたでてくる。おおきいキャンパスの中を新歓のために端から端までひたすら歩いて、すっごくつかれた。新鮮といえば聞こえはいいけど、わからないことだらけで自分からなにか行動を起こすのをいちいち億劫にかんじてしまう。大学の中でも明るい人が多い、キラキラした男女が多い、と言われているような学部で、自分もそこに馴染めるかな、と思うとつらくなっちゃう。全然おもってたのとちがう、こんなの。これからどうしよう
無題
冗談抜きで毎晩泣いてしまう、ただそれが今はいちばん正しいことのように思えるからそうしている。
通知表をなくしてしまったので家中を捜したけれど見つからなかった。それで明日先生に怒られる予定だから今更のほほんと眠ることもできないでいる。たかがそれだけ、という言葉で収まることではなくて、何度もこうやってモノを無くしておいて一切学ばない自分に腹が立っている。
忙しくて皆んなの文章を読む時間がなかった、そうしたら自分のブログも読んでもらえなくなっちゃった。
今日も頑張ったと自分を愛てあげることができない。
なにもこんなにかなしいことばかりを書きたいわけじゃなくて、むかしみたいに空が綺麗だったとか友達と一緒にひるやすみにフルーツジュースを飲んだこととか、長らく話してなかった同級生と体育の時間でペアになってキャッチボールができたとか、予備校での先生のプチ話が面白かったとか、そういうちい��な喜びはあるけれど、夜になると感情の波が音を立てて自分の中でせめぎあう。その狭間で、わたしがいちばん好きだったわたしがぎゅうぎゅうに押しつぶされて捻り絞られて塩辛い水で溺れてしまうの。
こんなことを書いておいて浪人でもしたらどうしよう。恋人とでんわしていると本当にくるしくなってしまって、すごく嬉しいはず���のに全然喜べなくなってしまった。逢えないのに、逢えないのにそんなことするの、逢えないんだからこうしてほしい、とかそういう自分の身勝手な思いが本当に申し訳なくてくるしい。好きだからお勉強のことを応援したいのに、すきだから逢いたいし、好きだからそれを同時に我慢しないといけないものとひどく重たく捉えてしまって、すきだから嫌いになりたくないという一心で自分のもやもやした気持ちに無理やり蓋をする。会える距離にいる人たちの並んでいる姿を見て落ち込んでしまうけど、わたしはわたしのすべきことがあるし、それは彼もそうだから割り切るしかないこともあるのだとおもう。
金平糖
わたしがいくら誰かを呪って恨んでも、紙がその言葉で埋まるほどクソクソクソと書き殴っても、結局のところ現実ではその人を愛する人たちが存在していて、そして当人もまた違う誰かを愛しながら日々に幸福を見出すのだから、本当に一番かわいそうなのはわたしだけかもしれないなんて思った。だれかのことを考えて途方もなく苛立つ自分がいちばん自分を不幸たらしめている。駅前にあるでっかい木がゆらゆら揺れる。ゆうがた、眠くなったので勉強道具を片付けて喫茶店をあとにした。暑さで足取りが重くなりつつもすこしずつ歩く、踏んでいるのが蝉の死骸か大きな枯れ葉かの区別もつかない。黒い蝶々をみてから不運続きだ。だれもわたしが泣いてるなんて気づかなくて、錆び付いた車輪を引きずりながらどこにいるかもわからない恋人のことをかんがえる。遠くなった。夕陽を後ろにわたしの影だけが前に長く長く、大きく伸びて、前方を歩く少年が気付かずに頭にあたる部分を何度も踏みつぶす。美しいものにはある種の残虐さがあることを信じて、祈りとかいう逃避を繰り返している。大丈夫?と聞かないで欲しい、大丈夫じゃないから。もう誰にも自分のことを見て欲しくない。ただ自分だけは自分のことを大丈夫だと信じてあげたくて文章を書くという行為をしている。
雨が降っている。雨が降り続けてくれればいいのに、そうしたらわたしもそれを偶然だという言葉でもって割り切ることができるのに。点滅の中に放り出されて、その明暗に目眩を覚えながら自分の行き先もまともにわからずにただただ進んでいるだけのまいにち
不在
かみさまが見つからない。登録していた音楽ストーリーミングサービスが解約されていた。昼から夜まで建物のなかに閉じ込められて、夕焼けをゆっくり眺めることもなくなった。映画館の薄暗い照明と大きな音にこわくなっても、恋人の手を握ることができない。かみさまがいない。なにもかもを投げ捨てた結果、罪悪感から今更おかあさんにありがとうと言うこともできない。ずっと、信仰という名の呪いの渦の中にいる。小さい頃からこの世の中のものはすべて神さまが創ったんだと信じていて、でもさいきんはそのせいで自分の行動が制限されるのがとても憎々しかった。どれもこれも、神さまのせい、親のせい、うまれたせい、というふうにずっと側にあって救われてきたものを突き放すことそれ自体にとても苦痛を覚えるのに、脳味噌が勝手にそういう思考をして勝手にくるしんでいる。挙げ句の果てには同級生に推薦入試のネタに利用される。こんな家でていきたい、と思っても行くアテはひとつもない。お金もない。お金を自力で稼ごうとする活力もない。どんなにわたしがぜんぶ無かったことにしたくて信仰を罪で上書きしようと、依然として実在していようがしてまいが神さまというものはわたしの中にあって、そうか。これはそういう呪いなんだ、と思う。もうだめなんだと。恋も音楽も言葉も、性別も家族も、見た目も才能も過去も、ぜんぶ同じ容量で「呪い」として全人類に等しく降り注いでくれたならいいのに。抜け出せない世界を抱えるもの同士、ふたりでいっそのこと呪いをかけあってしまいたい、それなら呪いだって愛に変わるのかもしれない、とそういう陳腐な妄想でしか漠然とした淋しさを消費できない。さみしい。唯一の居場所を自ら捨てて、こんどはどこにも居場所がないとさみしくて涙を流す。こういう呪いが不思議と人生という物語の大きな軸になっていって、結局さいごにはその「呪い」自体に自らを救われる、なんていちばん美しい結末を享受できる人は一体どれくらいいるのだろう。迷信。もう剥ぎ取ることのできない仮面。うつくしかったわたしの心は嘘を重ねる毎に醜くコーティングされ続けて、今ではもうすべてのものが何かに縛りつけられているみたいに、目の前の光景はわたしになにも応えてくれなくなった。何をどうしたら正解なのか、どうしようどうしようと悩み続けた末にその苦しさを世界のほうが背負ってしまったのかもしれない。うつくしいという言葉に収まりきれずに溢れでて、胸をぎゅうっと締め付けるもの。瞬きを忘れるくらいにずっと見ていたいと思えるもの。一切のものを捨ててでもいいからその気高さに近付いたいと願わずにはいられないもの。そういった、どうしても拭えない不安感をやさしく抱き締めてくれる愛がほんとうは色々なところにあるはずなのに、以前に美しいと思っていたものをもう同じように美しいと思えない。花というのは揺り籠から墓場まで人の生活を彩るものだ、というようなことを太宰治が書いていた。「孤独は花だから。美しいものを寂しくしないように、そのまま纏えるほどの強さを身につけていけますように」 と綺麗な言葉で文章を終わることができない。不完全でも愛してください。底無しの未来に水をあげて。
無題
ここ四日間くらい先週の頑張りが底をついたのかぐったりしてしまって勉強にあまり手がつかない。殺してほしい。まいにち死にたい。がんばっても報われないひとだっているし、大して頑張らなくてもおいしいとこを掻っ攫っていくことができる人もいるんだろうなとおもうと泣いちゃう。東京という概念が巨大化して人を貪っている。東京って、日本ってこんなに高校生いたんだ、と思う。餌にされてしまうことの恐怖を突きつけられている。だれかの優越感を満たすための餌としてその努力を利用されてしまう未来がみえる、こんなこと言ったらまた考えすぎだってみんなに怒られちゃうけど。風が吹かないとその音がわからない風鈴みたいにわたしのなかのいちばん美しいところも、もしかしたら誰かに傷つけられて大きくその心を揺さぶられるまでわからないのかもしれないなんて気休めにぼんやり考える。夏という言葉が都合よくあちらこちらで使われるようになって、ぜんぶみんな夏のせいにするようになったから、たぶんもうほんとうの夏はもうやってこない。夏は遠くて遠くて悲しいくらいに鮮やかで到底手の届かないモノだと信じていたかった、それが今やだれかの快楽の理由付けにされてしまっているのだからもっと惨め。わたしがこうして夏を文章のネタにしているのと同じくらい惨め。おかあさんが泣いている姿とか勉強を理由にインスタグラムを更新しない友人の笑顔とか彼氏がわたしを抱きしめるときのつよさとか、そういうだれも知らないであろうものの美しさを、わたしだけが一瞬ひらりとわかるとき、そういうのがほんもののしあわせなんだろうと思う。もうあと半年とちょっと経ってしまえばわたしのこれからの人生の枠組みはもうほとんど決まった、という体で毎日がすすんでいく。日本は学歴社会だから大学名は重要だよと声を揃えて言われ続けて、今でもまだその現実を黒く塗りつぶして無かったことにしている。はやくぜんぶ死んじゃえばいい。アーメン。
eighteen, mytears
最近歩くのがはやくなった。暑さで腐っていく弁当箱の中の唐揚げ、毛を剃り続けて痛んだ腕。砂時計みたいにどんどん浪費されていくばかりの時間、人生を、客観的になって眺めてみると、なんて滑稽なものだと思うけれど、与えられたものをそれなりに消費していくことでしか自分のことを殺せない。まいにち山手線に乗ってる、ぎらぎらした太陽の光の下で蛇みたいに動いている列車。窓枠に空の青だけが切り取られるとまるで宙を浮いているみたいに感じられて死にたくなってしまう。こんな文章を書いていいほど、自分のことをうつくしいとだきしめて愛でてあげることができない。ブログを更新しなくなったらファンがたくさん減った。文章を書く行為ってとても勝手でずるくて逃げてるかんじがする。だからすきなのに、それをすきと言う自分のことを認めてもっとすきになるのに勇気がいる。ぜんぶそう。わたしは勉強のことを口にしていいほど頭も良くないし、外見にしろ性格にしろ友達との関係や恋愛においても尚更そう。参考書の羅列された文字をいくら追っても脳味噌が大きくなっていく感じがしないし、わたしの未来があかるくなっていくかんじもしない。あなたよりもつらい人は沢山いるから、ね。あなたの不幸なんてちいさなものだから、という言葉がどれだけ傷な言葉かわかってほしい。どこをみても善を装った暴力ばかりが転がっていて、本当はたぶんみんな何かに託けてマスクの下で舌打ちしているんだと思う、絶対そうだと思う。小さな四角い箱の中でみんな泣いている。夏にいちばんちかい記憶の底でみんな寂しがっている。勉強の意味の裏付けにあの子は一体なにを置いているんだろ。変なの。もう文章も書けなくなった。夏になると賑わう燕の巣を確認することもなくなった。野良猫をていねいに撫でなくなった。恋人ともうまくいかない。どれもこれもおまえ(わたし)のせい、がむしゃらに鳴いている蝉だって求愛のためにあんなに人の生活を邪魔することをゆるされるのに、わたしがそれをすると暴力だのめんどうくさいだの、そんな価値のないものに成り下がってしまうのはどうして。ただの自傷になってしまうのはどうして。だれも捕まえてくれない。あなたのことを好きで、それが結果的にあなたのことをくるしめてしまっても、それを俺もすきだからという理由だけでぜんぶゆるしてほしい。泣きすぎてお腹空いた。自分自身の未来に対しても過去に対しても、これを読んでくれているあなたに対しても、友人にも、恋人にも、両親にも、苦しくさせてごめんなさいという想いばかりあって、それを受け止めてくれた優しさに対してのありがとうばかりある。受験死ね、と最後に書こうかなとおもったけどちゃんとした日本語じゃないし縁起がわるいのでやめた。すぐにじゃなくても良いから最後にはみんな幸せになれますように、おやすみなさい。
魔法のトンネル
18歳になりました、という投稿をするつもりだったけれど、合間合間に想いの丈を綴っているうちに月を跨いでしまった。この期に及んで未だ梅雨を引きずっているかんじの毎日で、最後に晴れた日がいつだったかも忘れた。君のいない世界なんて夏休みのない8月のようだ、といつか野田洋次郎が歌っていたのを思い出して現実になりつつある言葉の並びに少しどきりとする。大学受験まであと半年くらい。アルコールでささくれが目立つ指。これから1年後、自分の居場所を全く想像できないことに対して残る不安感。この一年の間でとても大切な人ができて、その人が居るから今年はだれかと祝福メッセージやプレゼントの数を比べて露骨に落ち込むこともなかった。こんなままではいけないと思うけれど、これでもかというほど甘えてしまう。彼から電話がかかってこないまま気がついたら零時、開きっぱなしの参考書。ベッドから机の上の山を見あげる。もう流れるような文章も書けなくなった。ただ、机元を照らすためだけに付けた光が部屋中に行き届きすべてのものを露わにするように、自分のために費やした諦めとかいう努力がいつか私の人生全体を明るく縁取りますように。そう期待することしかできない。
朝、きまってこの時期の朝の。とりわけまぶたが重くて視界がぼやけているとき、雨音と扇風機の回転音の違いを聞き分けられないままなんだかもう一度眠ってしまいたくなる感覚になる。自分の憂鬱な気持ちをすべて代弁してくれているかのように完璧な美しさを崩すことなく泣いてくれる空、ずっと梅雨が好きだった。17歳。強いのか弱いのかわからない外圧をずっと肌身に感じながらも良くここまで頑張れてこれたと思う。強まったり弱まったりを繰り返しながら着実にわたしの内側を蝕んでいくもの。どんな記憶であれ時間が経てば薄れていってしまい、曖昧に濁した言葉でしか文章を綴れない。降って、降って、降りつもってゆくのはけして愛や幸せではなかった。幸せが一方で加速させる理想や願望、それによる劣等感、幸せでなくなる恐怖、あるいは幸福それ自体への疑いも、ぜんぶずっと祈っていればいつか大丈夫になるとおもっていた。そうした形での正しさしか知らなかった。
歳を重ねるにつれて特別なものが��えていくけれど、それらはなにもさいしょから特別だったわけじゃなくて、くるしくなったり嬉しくなったりするたびに複雑に絡まっていたものの辻褄があって少しずつ真っ直ぐな一本の線になっていく感覚に近い。最初はちいさな不幸から始まったことが最後にはたくさんの愛に囲まれて光になっていくと半年前ちょうど失恋したあとに書いた。たぶんきっとそういうことだとおもう。そういうことだとおもいたい。消化しきれない劣等感を抱えながら、それでもそれをだれかの優越感の餌にされてしまうのが気持ち悪くていつも満足げに振る舞っていた。小学6年生の頃、布団に包まって壁に手を当てながら(世界のどこにいても良いから今だけ運命の男の子が壁の向こう側で同じように手を合わせてくれていたらいいのにな、)とか祈っていた。アスファルトに浮かぶ白線が血脈のように都市に光を流し込んでいく、わたしはひとりで遠くまでこれるようになった。
誕生日当日、晴れた土曜日。
だれもわたしのことを知らないということがいちばん幸せだった。
となりには愛おしい恋人がいて、いっしょにタピオカを飲んだり服をみたり歌を歌ったりした。街中ですれ違う人はだれもわたしがブログをやってるなんて思わないし、人生で殆どはじめてに近いことをしているとも思わない。そういうのってとても気持ちが楽で良いなと思った。信頼している人たちに過度に期待をされること、責任を半分こするのに疲れてしまった。一緒に悪者になってほしかった。わたしがなにをしても、それがいちばん正しいことかのように大丈夫だよと諭してくれるだけで、それは救いになれるはずだった。おかあさんに喜んで欲しいから、友達に見限られたくないから、だれにも落胆されたくないから、とかいう言い分を勝手に作って勝手にくるしんでいる。ほんとうは静かでいられる関係性が好きだけれど学校の友人はみんなはしゃぐのが好きだから求められているものをそれらしく纏う。両親は善良な人だけれど時折意味不明な束縛をするので面倒くさい、わたしも普通の日本人の女の子みたいに生きてみたかったと思ってしまうことにすら罪悪感を感じる。信仰というのはとても美しい行為だと思うけれど、本来は人を救うはずであるものが「救われる」「罰せられる」という境界線においてときどき人をひどく苦しめてしまうのでとても扱いにくい。救いを見出すはずの宗教によって苦しめられるのはちがうよ、と友達に言われたことがある。大学生になったらぜったい一人暮らしをしたいとおもった。伸ばせと言われ続けてきた髪も思い切り切りたいし、慎ましいふりをするのもやめたい。わたしほんとうは男の子に抱きしめられたこともあるの。けれどそんなことを言えば両親をがっかりさせてしまうから、遠いところで一人で植物とか猫とかに囲まれてひっそりと生きていたい。
かみさまに対する信仰心が薄れても、小さな嘘に罪悪感を覚えなくなっても、男の子と関係性を持ったことがなかった自分自身を忘れても、文章が書けなくなっても、友達と疎遠になってしまっても、病気で人がたくさん死んでも、普通に生活が続いていくことにときおり悲しくなる。それくらいわたしは案外どうでも良いとおもってることが多いんだと感じてもっと悲しくなる。あっちへいったり、こっちへきたり、あるいは戻ったり、そういうのを繰り返していたら、もう戻れないところまできてしまったみたい。あるかどうかも分からない未来のことや、だれかとその過去を背比べしてそれに一喜一憂していたこと、ぜんぶだいじょうぶになればいいなとおもう。ぜんぶ抱きしめてぜんぶ愛してあげられたらどんなにいいだろうとおもう。わたしには愛しているものが沢山あるし、わたしもだれかにきっと愛されている。最近見かけなかったので死んだのかなと思っていた野良猫を今朝ひさしぶりに見かけて胸がきゅうっとなった。汚いものに沢山触れてきたわたしの手はもう美しい手じゃないけどそんな手のひらの中でも心地良さそうに包まれているちいさなその頭が愛おしくてなんども撫でる。純粋でなくなってしまうのがずっとこわかった。ううん。たぶん純粋だと思われなくなってしまうのがこわかった。
続きを書きたいけどあしたも学校があって、さすがにちょっとねむい。悪者になっても大丈夫だから、わたしはわたしのそばにいるし、君のそばにはわたしの愛してるきみがいるからだいじょうぶ。特定の誰かじゃないよ、みんなが幸せになれますように。
n(atsu)
線路が控えめな緑に縁取られていて夏を感じた。でんしゃがいつもより大きく揺れるな、とおもった。ひさしぶりに乗るから余計にそう感じるのか、ほんとうにいつもより大きく揺れているのかは良くわからなかった。塾へ着いたら体温検査をされた。世の中の非現実味は薄れていくけれど、それでもやっぱりまだどこかふわふわしているかんじがする。ふわふわ、という言葉は抽象度が高くて便利だと思う。白黒はっきりつけることで正義を実感している人間って意外と多いのかもしれないし、わたしも気付いていないだけで実際はそういうところがあるのかもしれない。燕が雛に餌をやっている様子と、健気に咲いている向日葵と、それに加えてマスクの内側の皮膚が熱気を帯びていく感覚。去年、男の子と花火を見に行って、わたしの中での鮮度の高い美しい夏はそこでずっと止まっている、あるいはもうほとんど完結されたようなかんじ。塾が終わってから本屋へ寄ると、同い年くらいの背の高い男の子が絵馬の形をした紙に合格祈願を書いてちいさな箱へ投じていた。わたしも流されてペンと紙を持ったけれど、多神教じゃないんだよなあと思ってやめた。わたしはわたしが信じている神様にもまだこわくて合格できますようになんて言えていない。いつだってこわいものから救ってくれるものが神様なのに、自分勝手に生きていながら窮地に追い込まれたときだけ救いを求めるのは割りが合わないと思う。好きな人と一緒に昼間から眠りたい。神聖な場所で祝福された心を持つ人に祈りを唱えてもらいたい。突然変異で雪が降ってほしい。騒音の全てを吸収して、それで全てなかったことかのように水になって溶けていってしまうの。指輪が欲しい。細いやつ、宝石はなくていいし装飾もなくて良いから。涙を拭う手に宿る愛があれば、だれかにゆるされたという証が指にあれば、虚無感を紛らわせるための画面スクロールも、劣等感を埋めるために耳触りの良い言葉を連ねる必要性も、不確かな焦りも薄まるかもしれない。というのも最近また得体の知れないストレスに悩まされていて、今日もすこしだけ泣いてしまった。すべてあなたの心の持ちようで変わるの、薬はなにも��決してくれないよ、と母にはそう言われて、それでもっとかなしくなった。そういうことじゃないの。模試を受けるにしても勉強した量に等しい成績が出なかったら、とか、到達点は同じでもそこまでの努力の過程に差があるだけで劣等感をかんじてしまう。まいにち頑張りたいのに思うように脳みそとからだが動かなくて悶えている。わたしは自分を高めることで自分は大切に扱われるべき美しい人間なのだという確信が欲しいだけで、それほどまでにきっとわたしの内側にある自分への愛や期待値というのは年齢とともに他人任せになっていって、諦めや、未来の自分の幸せに対する責任を負いきれないという言い訳や、ときおり世界から拒絶をされているかのように感じられた幼い頃の傷ついたこころがぜんぶガチガチに固まったしこりのようなものがずっとあるみたい。もっと自分で自分のことを愛してあげられますように。今、世界ではいろいろなことが起きていて、それに対して声をあげないという選択が道徳的ではないと非難されてしまうことがあるらしいけれど、関心を持たないということもひとつの意味のある心の持ちようだし、それをやさしさと捉える人もいるのに、とてもやりきれない。恋人が「みんなつらいけど、ありじはつらいの」と言ってくれたことがとても救いだった。だれかの不幸と自分の不幸を秤にかけるということにやっぱりわたしはある種の違和感を覚えるし、たとえそこに差があっても自分のことを放棄してまでだれかのために立ち上がることは少しちがうと思う。そうして切り捨てたものが何らかの拍子にいつか今度は自分自身を殺すかもしれないし、自分の身近で大切な人を傷つけるかもしれないし。わたしはわたしを取り巻く世界をたいせつにできたらいいなと思う。足取りが軽くなれば、もっと遠くへといけるでしょう。だいすきなひとが苦しんでいたらすぐに駆けつけられるし、わたしはそういう風に愛される女の子になりたいから沢山のことを頑張っている。月が変わったのでカレンダーをめくったら、「涙は人生のお師匠さん」という言葉の周りにたくさんの滴のイラストが描かれていた。扇風機をつけると、紙がパタパタ揺れる。がんばる。わたしの愛する人たちが沢山愛されますように。
どれほど遠いところに行こうと試みても
どこか気持ちがもやもやしてやりきれなかったので少しばかり走りに行こうと洗面所の前に立ってコンタクトレンズをつける。泣くまいとしていたけれど、使用期限切れだとも知らずにレンズを瞳に上にのせた瞬間、意志とは関係なく勝手になみだがぼろぼろでてきて焦る。ずっと我慢していた涙ももしかしたらそのなかに紛れていたのかもしれない、濡れた睫毛やすこし充血した白目を見るといつもどこかほっとした。
世界は絶えず美しくて、じぶんなんかがその大きな器の中で堂々と情けない顔をしているというのがなんだか滑稽に思えてきた、と昨日は日記に書いたけどやっぱりそう思えない。うまれる、しぬ、という表現がコピーペーストされてできた世界線。どうしてもくるしくなってしまう、くるしいものを見ないようにと目に覆いを被せて生きているからたまに世界を直視したときにあまりの眩しさになにもみえなくなってしまう。
結局のところ、きっとわたしはなににでもなれるし、なににでもなれた。わたしはわたしが望みさえすれば、家をでていくことも、うまれながらにして与えられた名前を捨てることも、今つながりを保っている関係性を断つことも、信仰を捨てることも、自分のからだを誰かに売ることも、求められてそれに応えることも、アカウントを削除することも、つらい勉強に身を投じることなく大学に行くことも、自分自身やそれに関係する人々をきずつけることもできてしまう。その可能性についてぼんやりかんがえていた。
考えてみればあまりにも不安定なわたしは、なににでもなってしまいかねない自分というものとずっと一緒にあるいてきたように思う。自分というものの一部をわざと切り離してあえて失うことを選んだり、あるいは舐められないよう努力をして立派なものに築きあげたりする過程でしか自分が自分であることをたしかめられなかった。欲を我慢しなさい、謙虚な姿勢で生きていきなさい、と幼い頃から教えられてきたことの反動がまさに今起きていてつらい。人間は生まれたままの姿こそもっとも美しい、醜い人間というのはひとりもいなくて、そしてだれもが平等に愛されるに値する、といった程度の言葉ではこの漠然とした不安感は解消されなくなってしまった。
あなたがいちばん大切にしていて、且つあなたをあなたらしくさせているものはなに?という質問をともだちがインスタグラムで公開して回答を募集していた。わたしは今までずっと恋愛をすることでしか自分を保てなかったの、という彼女の文句もまた同様に等しくまぶしいものだということに当人は気付いていないかもしれない。膨大な情報のなかで、なにをほんとうに掬いとるべきなのかわからずにいつまで彷徨い続けるのだろうかという不安を抱えている。たすけてほしい。毎晩、たすけて、たすけて、と寝る前に心の中で念じるようにしていて、そうして眠りにつくとなんだかほんとうにたすかったような感じがする。
というのも、なんとなく、という世界線を生きること自体あまりに物事を都合よく解釈していていらいらするので、とうとうまともに祈ることすらできなくなってしまったのだ。はずかしい。わたしは決して善良な人間ではないのに、善良な人間の中で同じ言葉を唱えていることに一種のはずかしさを覚える。
無題
一年前までは、死ね、クソ、うざ、という言葉にほんとうに値する人間や事物などなくて、物事のすべては捉え方なのだと、主観で世界の全てを決めつけてはいけない、美しくいなければいけない、という考えがあったからわたしはほんとうに一度もそういった言葉を使わなかったし使えなかった。それなのに今や抵抗が少なくなってしまって思いたくなくても大事な人たちにいらっとしたときや精神が弱っているときに反射的に汚い言葉が脳裏に浮かんでしまってやりきれない。過���をふり返るとき、その足跡がどれだけ美しくても、長く歩き続けてきたとしても、結局その先にあるのが地獄だったら意味がないでしょう。
外に出ても風は一切吹いていなかった。頬に染み付いたなみだの生温さは消えず、水面の揺れもしずかだったので川が川じゃなくてアスファルトみたいに冷たく感じられて、音もない夜にわたしは勝手にひとりぽつんと取り残されてる感覚だった。
それでも良いこともあった。このあいだ、雨が降った日にふとした好奇心で自分のうまれた日の天候を調べたら、わたしがうまれたその日も東京では雨が降っていたらしいとわかったこと。たくさんの雨粒のなかにも一粒くらい当時のものも紛れているのかなあ、と思った。たとえ同じ形をしたものが数多くあっても、情報量の多さのなかで下敷きになってしまうようなほんの些細なことでも、わたしはわたしのことを愛してくれているものをがんばって見つけ出したい。そしてそう思っているのと同じくらい、同時に心の奥のほうでは常にだれかに見つけて欲しいと思っている。わたしが失ってしまったわたしの美しさを見つけてほしい。もう誰にも傷付けられないように。もう自分のことを傷つけなくて済むように。愛せますように。
無題
あ〜もうわたしなんも勝てないな〜って思って泣きそう。勝てないものがおおすぎる。受験生なのに自分の欲に打ち勝って勉強に励むことすら怠ってしまって、他人と比べることでしか自分を測れないからだれかが頑張っているすがたをみても素直に応援できない自分がいてくやしい。みんな守りたいものをちゃんと守って、それをつよみにしているのに、わたしはなにかを失うことでしか自分が満たされていたことを実感できなかった。捨ててしまった欠片をひとつひとつ集めようと、かがんで地面を這っている惨めな姿を誰かに見られたらどうしよう。だれよりもきらきらした世界をしっているつもりで、かみさまからも愛されているつもりで、たくさんの人がずっとそばで応援してくれていることに対してそれ相応の結果や愛を返せているつもりだった。だけどぜんぜんそんなことなかった、そんなことなかったのにそれでも絶えず世界も人も優しくて美しくて眩しくて純度が高いので薄汚れた言葉をもってしまったわたしにはもう直視できないんじゃないかと挑戦することすらこわくてできない。わたしの写真や文章がだれかに良い影響を与えていたらそれはうれしいけど、それでわたしだけのものだったわたしの一部が他の誰かのものになってしまうのは少しだけ悔しい。ブルースクリーン越しに奪うこと、奪われることに慣れてしまった。わたしは結局わたしだけみてほしいと思っていて、それがわたしの幼さで弱さなのだと思う。弱さも強さも武器になるうるけど、ほんとうに強い人はちゃんと矛先を向ける対象を選ぶことができるから目の前の道をどんどん拓いていけるけど、弱いままのわたしはずっと自分の胸に矛先を向けているからだめで、自分を窮地に追い込んではじめて大切なものに気がつくことができる。「わたしが失ってしまったものをありじちゃんは大切にしていてすごいと思うし、これからもそれを守り抜いてほしい」とメッセージをいただいたことがあるけど、わたしが彼女の立場だったら同じようなことは決して言えないだろうと思う。きっと、ずるいなあ、と思ってしまう。ずるい。わたしもあなたみたいになりたかった、と。なりたい自分に到達できずに足掻いている途中であたらしい自分が形成されたとして、それはむしろなりたい自分とは真逆な人間なわけだから、その歪さを美しいと褒められても全くうれしいと思えない。やっぱりでも今日だけ美しいといってほしい。今日だけ慰めてほしい。そろそろぴえんって言葉つかっちゃいそう。
愛?
さいきん日常の何気ない瞬間において、いいなあ、とたくさん感じたけどその都度いちいちメモに起こしていないので内容はほとんどわすれた。なのでブログを更新できないし、あと二ヶ月も経たぬうちに十八になってしまうからせめて可愛げのあることなんかを少しくらい書きたかったのに状況が状況なので仕方ない。毎朝オンラインで出席確認があるんだけど昨日は二度寝して出られなかったし、このあいだ試しに大学の過去問を解いたら点数はだめだめだった。一日だけ夜に恋人に電話で弾き語りをしてあげた。ぜんぶ壊れちゃうならさいしょから手を伸ばさなきゃよかったってことを話したら、あのね、ちがうの、持っていたっていう事実がとてもたいせつなの、さいしょから持ってるのと持ってないのじゃちがうでしょ?わかる?と諭された。そうかもしれない。怠惰に怠惰を上書きするように生きている。こめかみに銃口を押し付けられて脅され怯えるようにして、つきまとってくる色々な事実から目を背けている。こんな具合に漠然とした不安感がうんぬんかんぬんとダラダラ書いているけどほんとうはそれなりに幸せで充実した生活をしているからいつかバチが当たってしまいそう。歳上の彼氏と別れた友達の女の子が、今頃煙草でわたしの肝臓ぼろぼろなんだろうなあ、もっと自分のことを大事にしてあげたかった、と裏垢で溢していたけど、きっと彼女にだって彼の影響で自分のモノが形を変えていく過程に幸福を覚えていた瞬間もそれ自体に救われたこともあったんだと思う。ただ薄暗くふちをなぞっていかないと未来への期待値があまりにも高すぎて落とし穴にハマってしまいそうでこわいからみんな可哀想ぶっている。たぶんどこにも事実なんていうものはほんとは存在などしていなくて、みんなが情報を選んだり捨てたりしているだけで、人間が数値にしたり名前をつけたりしながら記録をしているだけで、何もかもを取っ払ったら、あ、でも、そうなったらわたしはどうなっちゃうんだろう、なんてことをずっとぼんやり考えている。二か月くらい前にだいすきな友達といっしょに塾へと向かう道を歩きながら、わたしたち卒業までにいつか絶対この道で泣くと思うって笑いながら話していた。今ごろ存在していたかもしれない日と流していたかもしれない涙とあったかもしれない出逢い。そういうので世界が動いているのかもしれないと思うと心がふにゃあってなって泣きそうになる。この足を踏んでいるところのずっと奥に埋れてしまったいくつもの歴史に救われている。その後、小さなレストランで二人分のサンドイッチを頼んだ。ずっと憧れていた女の子にはやっぱりなれなかった。一度「憧れの女の子のフリをする」アカウントをつくろうとしたけど苦しくなってやめた。新作の化粧品と知恵袋での大学受験生の相談事と参考書のレビュー調べだけでほとんど埋まっている検索履歴欄の隅っこに追いやられてしまったいちばん綺麗なわたしを誰かに拾って欲しかった。少しくらい未来をあきらめても人生は終了しないけど単純にそこでわたしの自己肯定感は終了するし、わたしがいちばん大事にしたかったわたしも死んじゃうから、ねえ、わたしは大好きなみんなのことも自分のことも美しさを表現することもぜんぶあきらめないからみんなもわたしのことあきらめないでってインスタの裏垢に書いたあと、電気を消して寝た。許されない愛だけが輝いている。ずっと輝いている。いつか校庭を一面石灰の白に染めて北国の雪景色みたいにして、雨で偽物の冬が消えてしまう前にわたしたちは濡れながらキスをするの。安っぽい映画みたいに物語の順番をぐちゃぐちゃにして今よりももっときれいなところに走っていきたい。“なにも決定的なことが起きていないようなのに、いつしか死が準備されてしまっている、日常という戦場” において、好きな人にお願いだから死なないで、一人にしないで、と一方的に伝える行為がとても無責任だということだとはわかっているけど、ただ、それがわたしの知っている方法の中でいちばん確実にあなたの心を殺せるものだからゆるしてほしいと思った。しんだら身体の隅々まで洗って、痛かったところを撫でて、さいごにわたしの名前の由来になっている花の香りを墓石につけてあげる。あなたの歪みにはじめて触れた日、わたしはあなたのいちばん美しいところをみたようなかんじがして、それがとくべつで嬉しかった。まるかったり、とがっていたり、硬かったり、やわらかかったり、ざらざらしてたり、さらさらしてたりするの。生きているだけで美しいという言葉はみんな戯言だと笑って受け流すのに、しぬことになると急になんか真面目な顔をするからやになっちゃうよね。写真を撮ることを知らなかった頃のわたしはたぶんほんとうの写真家だったし、まだロックミュージックを知らなかった頃、わたしのロックスターはずっとわたしでしかなかったし、文学を知らなかった頃に感じていた世界とおなじ色合いの世界をわたしはもう見れない。そういうものだから、もしかしたら死ぬことなんて知らなかった頃、わたしたちもずっと死んでいたのかもしれない。それでたぶん今でもその頃の残像が残ってるのかもしれない。逃げて逃げて逃げた先で待っているから、そこでまた逢えますように。
無題
あこがれている女の子たちがみんな色白で華奢なことにむかついている。だれかを真似して美味しいところだけを盗むことは誰にでも出来るんだけど、でもそうじゃなくて、彼女たちがもっているものは彼女たちにしかもつことを許されていない域にある圧倒的なものだからくやしくて泣いてる。その子たちがフォローしているアカウントを全部フォローしたら同じ世界を見れるかもと思ったけどやめた。きっとわたしよりもいろんなものを見て感じて聞いて愛してたくさん傷ついてきたんだろうなあ、と思う。自分と向き合うのはとてもくるしくて、美しいものに触れることで浮き彫りになる絶望もまたするどくて、それでも躊躇いなく自分の内側にあるものを外にだして整えてまたぐちゃぐちゃにしていくの。そういう工程を何度もじっくりしずかにしてきたのかもしれない。お世辞にも美しいとは言えないものでも、美しい人がすればそれはたちまちに美しくなってしまう。ずるいなあ、十七年かけて見つけたものが諦めとかいう単なる逃げだとしたらやりきれない。頑張れるかなあ、がんばりたいなあ、って言うのたぶん二千回くらい繰り返しているけれど、こんなわたしもすこしずつちゃんと踏み出していて、前に比べたら痩せてメイクもするようになって結構垢抜けたし、何も書けないと言いながら泣き喚いてブログのアカウントを消すこともなくなった。ワンクリックで消えてしまった昔のわたしの言葉には相応の墓場もないけれど、だれかの支えや救いやたのしみになれたことが嬉しい。文章なんて手軽なもので誰でも書けるものだけど、誰でも、の中で、わたしのを読んでくれている人がいるのだという事実がうれしい。きっとでも綺麗事抜きでほんとうはだれでも特別で、特別じゃない人はいないんだろうけど、すべて目に見える数字として統計されてしまう今だからこそ他人からの評価やさまざまな人たちからの好意や自分は愛されているのだという確信の多さがそのひとの輪郭をなぞって、より濃くして、いわゆる個性と呼ばれる類のものを形成していくのかもしれない。くやしいし皮肉だけどそれを掻き分けていくのが、生きるということかもしれないし、あるいは自傷行為なのかもしれないし、わかんないけどわたしだけは自分の味方であれるように努力していけたらと思う。たとえ負け犬でも遠吠えできる余裕と気力があるうちはまだ勝ってる、たぶん
無題
きのう、河原まで自転車で走った。昼間の明るい時間帯に行くのはとても久しぶりだった。最近はストレスで奇行に走る人がいるらしいから夜に外に出るのはやめて、と母に言われた。テレビをつけてもスマートフォンのスクリーンをいくらスクロールしても、そこに有るのは饒舌に討論を繰り返す人間と、それに対する第三者からの警告、といったような感じだし、鬱々としていたのでちょうど良かったかもしれない。運動用にだぼっとしたパーカーを着て、弟のサドルがすこし硬い自転車を借りた。前方から吹いてくる強い風に服がぴたっと身体に張り付くので、はずかしくなってペダルを踏む力を強くする。桜の木はもうどこにも見当たらず、小さな花びらだけがコンクリート上にまばらに散らばっていた。空は青くて、高くて、鳥が群れてそこを飛んでいて、それをわたしが見ていて、だけどわたしのことは誰も知らないの。そしてわたしだって誰のことも知らない。その事実がいちばんやさしくて、それでいていちばん淋しいから美しいと思う。川の水面が光を受けてきらきらと煌めいているのを眺めるのが好き。光りの粒がたくさんあって、見る場所によってそれが大きくなったり小さくなったり近くなったり遠くなったりしてかわいいの。昼間は白く光るのに、夕方になると今度はピンク色になったり朱色になったりするからもっ��かわいい。塔屋看板にペンキを塗装する業者の人。頭上を走るモノレール。走る犬。投げられたフリスビー、野球ボール。ふうっと口をすぼめてたんぽぽの綿毛を飛ばす子どもたち。うっすら川のにおいがして、うれしくなって少しのあいだ草原の上に横になった。草ってこんな柔らかいんだって思った。オレンジ色ってこんなにオレンジ色だったんだ、とか、鳥が一斉に空へ飛び立つときにパタパタと羽根の動く音が聞こえて、しゃぼん玉が弾ける瞬間にせっけんの匂いがして、英単語帳をしばらく眺めていたんだけどすぐに閉じて空のずっと奥の方をみてた。いつもはうざったい太陽の残像でさえ愛おしく思えてしまうなあ、どうなるんだろうなあ、これから、って思った。わたしが掬い取っている現実はきっとほんとうの世界のほんの一部でしかないから、救われますようになんて偉そうなことは言えない。だけど、たかが数日間外に出ていなかっただけなのに一人でこんなにも大袈裟に感動している。すこしくらい見返りを求めてもいい気がしてくる。
頭ぐわんぐわんする
現実に翻弄されている人間を嘲笑うかのようにして桜が我関せずと言わんばかりに堂々と咲き誇っているので、なんだかすこしだけ愉快な気持ちになった。白い四角形を顔の表面に貼り付けながら、それでも歩く足を止めない人間の行く末をかんがえると何もかもがいやになってしまうけれど絶望の輪郭をみんなでかじって食べていけば、なんとも名付けようのない不器用な形をした���のような世界ができあがるのかもしれない。今日くそみたいなじじいがくそみたいな眼差しでこちらをみてきたので睨み返してやったんだけど、どれだけそうして自分の弱さを繕うように強がっていても彼には変わらずに愛するものがあって彼を救いにしている人もたくさんいて、そのことがなんだか、それだけがなんだかそのときのわたしの苛立ちの唯一の誤魔化しだった。だからわたしは彼を刺殺さないし、彼もわたしを殴り倒さない。そういうのって、大事なんだろうなあと思いながら電車の広告の文字を追っている。ちなみになにも頭には入ってこない。あたたかい毛布にくるまっていると誰かに抱きしめられているかんじがするから心地がよくて、すこしだけ唇を尖らせる真似をする。まぶたをあと何回閉じれば。何回綴じれば。いいんですか。コンクリートジャングルと自転車のサドルとスカイツリーの心臓。あ、と思う頃にはもうすでに全てが遅くなっていて後悔をするけど、あ、と再び思うと今度は以前のそれよりもより大きな幸せに満たされていることに気がつく。竹刀を持った少年たちが夜になると川辺に集まっていつもその刀を縦に振っている。わたしはたいして歌を歌うことも上手ではないし、勉強も大してできないし、顔だって凸凹している。けれどそれでも真っ直ぐに生きていけるかな。生きていきたいね。終末感の漂う世界をみることで、わたしは独りですこしだけ安心できた。終りがあることに赦される。本当は衝動のまま洗面所にあるハサミで髪の毛を思い切り切ってみたいし、派手な髪色にして東京の真ん中を歩きたい。それでも晴れることのない憂鬱を自分の中の非道徳的な理想に想いを馳せることで誤魔化してみたり、寂しいと思わなくても好きな人を自分の家に泊めて隣でぴったりからだを重ねながら長い夜を過ごしたい。そういうのをだらだらとしたいだけなのに、そういうのをするのにも勇気や妥協や諦めが必要らしい。がんばるよ。すこしずつ。
無題
まいにち予備校の自習室にいっていたら、自習室でしか勉強したくないからだになった。いままで宗教上の理由で髪の毛を隠してきたけど、大学生になったらボブにして染めて街を堂々と歩いてみたい、し、そうしてみる。たくさんあそびたい、だれになにをどう言われようと自分のしたかったことを一つずつしていきたい。親といっしょに暮らしていたら、わたしの「非」はぜんぶ彼らの責任になってしまうけど(これもちょっとおかしい話だけどそう考えている人は多いみたい)一人で暮らしだとわたしのしたことは全部わたしの責任になるらしいので、最近は常に逃げ出したい。思春期や若さを理由にしてどこか遠くへ逃げてしまうことは何もわるくない。ぜんぜんわるくない。寧ろそうするべきだとも思っている。一度離れ離れになることで改めて気付かされることや見えてくるものなんてたくさんあるし、それに加えて黒猫を相棒に迎えいれることがきまって、その子といっしょにふたりで(猫だから「人」ではないけど)暮らすことが決まったのでどきどきしている。もう失うものはない気がして、でもそれは自分がなにも持っていないからではなくて、幸せなことにたくさんのものを持っているからだということに最近気がつきました。毎日走ろうと思ってる、思ってるというか走っている。たくさんがんばって可愛くなるので、そのときがきたら誰かデートしてね
無題
つまらない文章しか書けなくなった。いや、そんなことはないんだけど、もしかしたら面白い文章を書かなくちゃと思うことがなくなっただけなのかもしれないけど、それでも書かずにはいられないほど心を動かされるものとかそれをさせてしまうくらいにわたしの大切なものをかき乱した嵐のような愛とか、水みたいにさらさらしてる美しい光景の数々とか、光とか風とか、なんかそういうの、そういうのに自分のからだとかこころを預けるのがこわくなってしまった。あっちへいったりこっちへいったり、そうしているうちに自分を見失いそうでこわい。だけど反面、もう自分のことで苦しまなくていいようにいっそのこと自分の存在とは程遠いなにかに染まってしまいたい。自分らしい自分なんて本当は存在しないのだとわかっていながらもそういったくだらない不安感をおぼえてしまう。というのも、たくさんの言葉とか音楽に触れているうちに、どんどん自分が感化に感化を重ねて変わっていっているのが自分でもわかっていて、だからもう昔書いていた文章は書けないし、昔捉えていた景色の感触も思い出せない。わたしが考えていることはすでに誰かが思いついていることで、でもだからといってその価値が下がるとかそういうことではないんだけど、時折それがすごくさみしくなる。なにかを表現することで、表現したくないなにかを誤魔化してきた自分が浮き彫りにされているようでとてもくるしくなる。ほんとうのわたしを認めてほしい、などと思うけど、同時にわたしのなにが貴様にわかるんだ、とも思う。自分のほんとうはどうしたいのかという気持ちをうまく掬いとってあげられないのがくやしい。思春期ってそういうものなのかなあ、こうやってぐるぐる変な渦に巻き込まれて、いつも自分だけど自分ではないなにかとすれすれになりながらもがいている。いちばん近いはずなのに、いちばん掴めない。なのに影みたいにしてどこまでもひっついてくるので厄介で。むかしの自分かもしれないし、認めたくない自分かもしれない。いずれにせよ、世界に翻弄されがちな自分の絶望や幸福を言葉や写真などに起こして大袈裟にしてみせる一連の行為に疲れてしまった。わたしはわたしに自分のことを認めてさせてあげたかったのだと思う。あなたの感じていることは言葉にされるに値することだと、慰めてあげたかったのだと。でも今はこうして文章を書くことで、言葉に残さなかったなにかが消えてしまいそうでこわいと思ってる。写真を撮ることで、写真に残さなかったなにかを裏切るような感じがしてこわい。それともそれはただ口実で、ほんとうはほんとうに一切のことに無関心になってしまったのかなあ。全てのことをどうでもいいと投げやりにしてしまうことで、失うものを少なくしたかったのかもしれない。そうすることがずっと強さだと思ってたけど、今もそう思っているところはあるけど、誰かにわたしのぜんぶを決めて欲しいなと思うけど、でも自分でちゃんとえらんでいきたいね。突き抜けたわたしの弱さを、考えすぎたよという言葉で突き放すひとたちはいたけど、それをわたしのいちばんの強さだと肯定してくれたひとは少なかった。考えすぎてしまうこと一般的にみていいことではないかもしれない。たしかにわたしは考えることで現実から目を背けているし、考えることであたかも自分が真っ当に生きていることを正当化しているし、考えることであなたに連絡したい気持ちやあなたに抱いてほしい気持ちを誤魔化しているけどそれがなんかいいなあっておもう。それがなんか、ちょっと可愛いというか、なんか人間味に溢れて嫌いになれない。ぐだぐだ空白を消費しているうちに、どうにもやりきれなくなって深夜にワンピース一枚でそとへ飛びだしたことがあって、そのとき足のくるぶしから太ももの内側へとひっつく夜の風のつめたさに今も慰められている。変わりたくない、と思うけど変わっていく自分を受け止めてあげられるだけの気持ちの余裕やそのかわりになにかを手放す強さとかそういうのを育てていかなくちゃいけないのだと思う。ちょっとだけかなしいけど、もしかしたらそれができた頃には、また遠い昔に出会えていた感動にまたはじめて「あたらしく」出会えるかもしれないと思うとちょっと頑張ってみようという気持ちになる。長々書いたけど自分でも一貫性がないことにくすりとしてしまう。ただの自分語り、あとでたぶん消しちゃうのでこれを読めた人はラッキー。あしたいいことがあるかもしれないね。
無題
ふわふわと遠いどこかを彷徨っているかんじで、それがちょっとだけ気持ち良かったり、気持ち悪かったり、こわかったり、かなしかったりした。一日中そんな調子だったのでひどくつかれた。わけわからないウイルスのせいで色々な部活の大会や練習が取りやめになった。期末試験もなくなって、これから空白の一か月間。放課後あちこちからだれかのすすり泣きとそれを優しく諭す声がきこえてきて、わたしは失うものなどなにもないのに、なにかを失ったような気分で、これを書いている今でさえ少し泣きそうで指が震えている。頑張って頑張ってさいごまで努力を続けてきたのに、こんなにも呆気なく終わってしまったことが悲しい。このままドミノ倒しみたいにたくさんの報道が、たくさんのだれかの涙が、自分の知らないところで募り続けていくことをかんがえただけでなんだか胸が空っぽになる。大した努力をしていないわたしが悲しむようなことでもないのかもしれないけど、それでもわたしは努力をしている友達の姿がだいすきだし、みんなの泣いている姿をみるのがつらかった。反面、涙を流せるほどの熱量をなにかに注いだ覚えもないことが余計にこころを空っぽにさせた。すこしだけ、この、世界がゆるやかにくずれていく様子に好奇心を覚えて胸が高鳴った瞬間もあったけど、やっぱりもっと美しいのがいいね。やさしいほうがいい。さいきん文章書いてなさすぎていかにも日記みたいな日記になりました。ぜんぶ大丈夫になりますように。
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m12gatsu · 1 year
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無題
義兄の命日で、事故現場に同行させてもらった。彼女はあらかじめ1週間の休みを取って、丈母と2人で西日本を漫遊していた。坐禅体験とかしたらしい。俺は当日日帰りで、早朝の新幹線で日本列島を下って合流した。350mlの缶ビールを2つだけ空けた。やはり日帰りの岳父もそこへ合流して、4人揃って在来線に乗り換えてさらに小一時間、徐々に口数が減っていく中、緑豊かな山間にある郊外の駅に降りたった。
駅中のファミマでお供物の水や菓子や缶ビールを買い込んで、乗ってきた線路にまっすぐ沿っている坂道を上っていった。ガードレールのない歩道はひび割れて、わずかに陰になっているところに苔類がむしていた。陰湿な6月の陽射しがじりじり蒸し暑かった。あそこだよ、と彼女がいうので目を上げると、すぐ向こうが見通せる短いトンネルがあった。その手前が現場だった。片側二車線の国道で、中央分離帯の縁石にわずかな白い跡が残っている。事故の痕跡だという。
そばの街灯に岳父の設置した花立があって、そこに買ってきた供花を生けるのだが、近づいてみると、配電盤の筐体が大きくひしゃげて、黄色い規制線みたいなテープが何周も巻きつけられていた。新しい事故の跡らしかった。歩道にも削り取られたようなタイヤ痕が残っていた。単車だろうか。義両親は特段そのことには触れず、慣れた手つきで花立を洗浄し、水を入れ替え、供物を並べていく。短い蝋燭と線香を一本焚く。甘い匂いがする。そうしている間にも、すぐそばを猛スピードで車が駆け抜けていく。
道路はトンネル手前の緩やかなカーブを抜けたらほぼまっすぐに伸びて駅の方まで続く急な下り坂で、現場のすぐそばに傾斜8%という標識があった。あとで航空写真を見ると、トンネルの入り口手前からのっぺりした白い文字で速度落せという標示が繰り返されていた。街灯にはスリップ注意という標識があった。去年はなかったよね、と彼女が岳父にいっていた。
義兄の車は何らかのきっかけで短いトンネルの入口でバランスを崩し、最終的に数十メートル先で電柱の支線に後方から乗り上げる形で停止した。致命的だったのは、運転席に横から直撃した街灯だった。午前3時だった。街灯は捥ぎ取られていた。今あるものは事故後に新しく建て直されたもので、その費用は義両親が補償したらしい。
茫然としていると、岳父が淡々と顛末を語ってくれた。直前に義兄の追い抜いたバイクが事故を目撃して、通報してくれたのだと。
駅でタクシーを拾って、昼食をとるためにもう少し大きな駅まで移動した。ロータリーの横断歩道で若い男が飛び出してきて、運転手が急ブレーキ踏んで悪態をついた。岳父が、自殺行為ですね、といって笑った。土地の名物を食べた。生ビール2杯飲んだ。
現地で義両親とは別れた。来てくれてありがとう、と丈母がいうので、来られて良かったです、と俺は素直にいった。新横浜に帰り着いて、ビアホールで彼女と献杯して、色々話した。
あの場所に行っていつも考えるのはね、と彼女がいった。あの場所に行っていつも考えるのはね、兄が最期に見た景色はこれだったのかっていうこと。
今もああやって生々しい事故の跡が新しく増えていたわけで、車もビュンビュン飛ばしてた、事故現場そのものというか、標識ばかり増やして何も対策しない行政とかに対する義憤みたいなものはないの? と俺は思ったことを訊いてみた。
道路のせいとは思わない、あくまで兄がばかをやらかした、と私たちは考えている。と彼女は答えた。私たち、と彼女はいった。
兄の声が思い出せないのが嫌なんだよね、といって彼女は目を潤ませた。この日初めて見る彼女の涙だった。忘れていることが年々増えている。バイクの人が通報してくれたことも、岳父の話を聞くまで忘れていた、と。
忘れることは、悲しみやトラウマから人間が立ち直っていくために必要な機能だから、と俺はありきたりなことをいった。しかしまた、思い出すことが供養になる、ということも話した。祖父の十三回忌の時に、坊さんの説法で聞いた話だった。俺はこの考え方を信仰している。リメンバーミーみたいな話だけど。あの場に行って、俺がここにいる意味は何だろう、とずっと考えていた。丈母が立ち尽くして泣いている横顔を見て、俺にできることはマジで何にもないな、とさえ思った。この考えが既に傲慢なんだけど、けど。
義兄に会ったことはない。思い浮かべることしかできない。岳父と、丈母と、彼女と、そこへ俺がもう一人加わった。マイナスではないはずだと思いたい。悼む、偲ぶ、思う、祈る、なんでもいいけれど、そうする人間が一人増えた。それだけで良いことだと思いたかった。
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elle-p · 2 months
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Persona 3 Club Book Strega pages scan and transcription.
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ストレガ
Strega
主人公たち特別課外活動部の行く手に現れる謎の3人組。同じペルソナ使い ながらあくまで敵対する彼らもまた、彼ら自身の信念でその限られた力を振るっている。
復讐代行屋 Strega
港区全域
自らをストレガと名乗る3人組の表向きの顔は、「復讐依頼サイト」に書き込みされた内容を受けて、自ら手を下せない依頼人の代わりに復讐を果たすことだ。人知れず所持する武器を手に、彼らは裏社会を渡り歩いている。
3人はいずれもかつて幾月が、ペルソナ能力者開発のためにグループ内部にすら秘密裏に進めてきた研究の被験者だ。非合法の人体実験で多くの子どもたちが命を落とすなか、幸運にも生き永らえて能力を開花させたものの、悲惨な実態を目の当たりにして研究所から逃亡し、身を寄せ合って生きてきた。
ペルソナ能力の発現と引き換えに心身に過剰の負担を負う彼らは、制御剤の力を以ってすら長くは生きられない。生命としてのルールを逸脱した運命に魅入られ、彼らは刹那的な衝動にのみ突き動かされて生きている。
たった3人だけで影時間に生きてきた彼ら。宵も享楽を求めて夜の街を笑う。
タカヤ Takaya
凶行の担い手
ストレガの実質的リーダー。3人の中では推定年齢が一番高く、研究所から逃亡した当初から指導的立場に立っている。刹那的・虚無的な思考が強く、自分にも他者にもあらゆる物事への執着の愚かさを説く。復讐代行屋として銃の引き金を引くときも、自分の享楽はもちろんだが、相手の生にしがみつく無様な姿を浄化してやろうという思いがあるようだ。
かつて同列の研究対象であったタルタロスは、忌まわしい邪悪なものではなく、甘美な悪夢をもたらす近しいものだと考えており、ペルソナ使いの存在はもまた、タルタロスあってのものだとしている。そのため真意を知らずタルタロス破壊を目指す主人公たちの存在は、愚かな人間がシャドウの恐怖に怯えることへの嘲笑も込めて、抹殺すべきものだと捉えている。
主人公たちの働きではからずも滅びそのものである二ュクスの復活が秒読み段階に入ると、自ら二ュクスの代弁者を名乗り、滅びと破壊の思想で扇動する。
タカヤの救世主思想
• あなたが自覚している悪意と、相手が感じている悪意とは無関係⋯ 人はみな、聞きたいように聞き、信じたい事だけ信じるものです。(6月22日影時間・裏通り)
• 聞けば、人々を守るための、“善なる戦い” だとか。ですが⋯ 今夜はそれをやめて頂きに来ました。(8月6日影時間・防空壕跡)
• 時の限られたこの体⋯力を失ってまで生き永らえるなど無意味⋯ ならば、 私の生きた証⋯ この地に立てるのみ!(11月3日影時間・ムーンライトブリッジ)
• 分かっていますね⋯? 君には “居場所” など無い⋯ 私たちと来る以外にはね。君もよく知っている筈だ⋯ 怖いのは死ぬ事なんかじゃない。(11月21日深夜・辰巳記念病院)
• フ⋯亡霊などではありませんよ⋯ 生に “執着” などしなかった我々を、運命はそれでも “生かした”⋯ 私は “選ばれた” のです。(11月22日影時間・タルタロス)
自分たちの思想こそが浄化された世界を作ると信じるストレガのリーダー。痩せこけた体に長い髪、色素の薄い瞳という憂世離れした姿。
欲深き自称メシア
ほぼ同年代のはずのストレガですがタカヤは見るからに老け顔。不精ヒゲを剃って髪を切ったらかっこいいのに。
ジン Jin
知性派の爆弾魔
タカヤの右腕を務める少年。自作の爆弾を持ち歩き、武器として使用している。
社会から隔絶された自分たちだけのコミュニティの中で生きているストレガは、物資の調達の大半を影時間を利用した略奪行為によってまかなっているが、その指揮を担うのがブレーンであるジン。特別課外活動部を脱退してからの荒垣に接触し、ペルソナ能力抑制のための制御剤を提供することになったのも、ジンの情報収集能力あってのことである。またネットでは同名のハンドルネームで知られており、その知名度と情報操作のノウハウが、ニュクス教を一気に広げることを可能にした。
つねにともに生きてきたタカヤを崇拝しているが、それゆえに狂気の思想に囚われる彼を、命を捨てていさめようとする。
物議を醸す髪の構造がよくわかる右からの一枚。身につけているものひとつひとつにもこだわりが感じられます。
ストレガ一家を支える苦労人な屋台骨
実際的な生活能力の欠如したストレガを支える一番の常識人。資金調達から食事の世話まですべてを担う関西弁のミリタリーマニア。
ジンの毎晩大変なんだから
• お前を恨んどるヤツがおんねや。でもって、“復讐” を頼まれとる。(6月22日影時間・裏通り)
• お前らには “個人” の目的しかあらへん。どいつも本音はその為に戦っとる。お前らの正義は、それを正当化する為のただの “言い訳” や。そんなんは “善” や ない⋯ ただの “偽善” や。そんなもんに邪魔されとうない。(8月6日影時間・防空壕跡)
• 破れかぶれは、あかん! ⋯すんません。でもこれは⋯ あなたが言うてくれた言葉です。(11月3日影時間・ムーンライトブリッジ)
• やめときや、タカヤ⋯ アンタには先がある! ここで無理したって⋯意味 あらへん! (11月22日影時間・タルタロス)
チドリ Chidori
手斧の魔女
白いドレスに身を包んだ、虚ろな表情の少女。ストレガのひとりとしてタカヤやジンと行動を共にし、ぺルソナ能力のひとつである索敵能力でふたりのサポートを行なうが、ふたりとともに戦いの場で力を振るうことは少ない。
感情表現に乏しく、とくに喜びや悲しみを表に現すことはほどんどない。それは幾月の下で受けた過酷な人体実験や、逃亡後の寄る辺のない生活によって後天的に身に付けた自衛の手段。また彼女は自身のペルソナを通して、あらゆる生き物に命を分け与えることができるが、これも自分の人生にはすぐ先に死が見えているという揺るぎない事実ゆえ、生きることに対してまったく執着を持たなくなった結果の悲しい力だ。しかしそれでも、ふたりが手を下す殺戮現場に決して目をやろうとしないのは、運命をゆがめて与えられる死への、本能的な嫌悪感を抱いているからかもしれない。
生を放棄した飛べない小鳥
可憐な容姿に似合わず手斧を振るって戦う少女。気の向かない相手とは一切会話せず、自分のペルソナだけを拠りどころに生きている。
冷めた目線はチドリのトレードマーク。豪奢なドレスは彼女の趣味なのか、ジンのお仕着せなのか。
あんたには関係ない私の言葉
• チドリよ。私の名前。順平が訊いたんでしょ? あの絵⋯もうすぐできるから。私の描いたものは、私にしか分からない。でもそんなに見たきゃ⋯来れば? (8月31日昼・ポートアイランド駅前)
• 命より、作戦が大事ってこと? 死ぬ事って、普通の人には一番の恐怖なんでしょ? ⋯ 違うの? (9月5日影時間・巌戸台分寮屋上)
• ⋯言っとくけど、心配してくれなんて、言ってないから。あんたの勝手な早合点でしょ。(9月8日昼・辰巳記念病院)
• なにそれ⋯ なんで、そんな顔してるの? 死ぬなんて怖くないのに⋯ 死なんて、あした目が覚めないってだけ⋯ ただそれだけじゃないの。(9月10日昼・辰巳記念病院)
• そう⋯アイツのせいよ⋯ ア���ツが近づいて来てから、私、毎日、苦しくて⋯ 死ぬのが⋯怖くなって⋯ (11月21日深夜・辰巳記念病院)
• 順平と一緒に居ると、怖くなかったものが、なんでも怖くなる⋯ 無くすのが怖い⋯ 死ぬのだって怖い⋯ 一緒の時間が終わっちゃうのが⋯怖い⋯ だから、私⋯ (11月22日影時間・タルタロス)
「チドリ補正」の入った超ナイスガイな順平とともに。幸せになって欲しいカップルNo.1。
順平との出会いと「生きること」
敵同士としての立場にありながらも献身的に尽くす順平と出会って、チドリは少しずつ生きることの意味を知る。けれどそれは自分自身の死の認識と同義。ずっと忘れていた死ぬことの恐怖におののきながら、それでも彼女は愛する彼に生きて欲しいと願った。
頬を染めたグラマラスなチドリの魅力に、すっかり鼻の下が伸ぎ切った順平がキュート。がんばれヒゲ男くん!
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maristelina · 11 months
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Milgram Novel #2 Preview Translation
So the MILGRAM Novel Preview released. Here's a very rough TL. It seems that Dark Triad / Justice Alliance is mentioned in it. I haven't finished translating it yet because I'm not used to reading this kind of orientation.
プロローグ Prologue
青空がどこまでも、どこまでも広がっていた。 The endless blue sky stretched as far as the eye could see.
背の高いビル群が立ち並ぶ街並みの中から見上げても、その空だけは全く窮屈さを感じさせず、深い青色で穏やかに世界を包み込む。 Even when gazing up from amidst the cityscape lined with tall buildings, the sky imparted no sense of confinement and peacefully enveloped the world with its deep blue hue.
天気予報では、明日も同じ空が見られるという。 The weather forecast predicted the same sky to be seen tomorrow as well.
けんそう ボクはゆっくりと視線を落とす。繁華街は日々の喧騒であふれていた。 Amidst the hustle and bustle of the city, I slowly lower my gaze.
往来する人々はそれぞれの目的のためにどこかへと向かっていく。 People were heading somewhere, each with their own purpose.
複数人で笑い合っている学生たち。疲れた表情をしたスーツ姿の中年男性。髪色の明るい若い女性がスマホで通話をしながら、ボクの目の前を通りすぎていく。 Students laughed together in groups, a middle-aged man in a tired suit and a young woman with bright hair walked past me while talking on her smartphone.
この街には多くの人がいる。多すぎるほどの人がいる。きっと、ボクたちが置かれている境遇なんて生ぬるいと感じるような、想像もできない過酷な現実を生きている人もいるだろう。 There were so many people in this city. Too many people. Surely, there were those who were living in unimaginably harsh realities, making our own circumstances seem lukewarm in comparison.
それでも。 Nevertheless.
他の人に比べたらまだマシだなんて、ボクは思うことができない。 I can't bring myself to think that I have it better than others.
つら この世界のどこかで、知らない誰かがもっと辛い思いをしていたとしても、彼女が今感じている痛みは確かに本物だから。 Even if somewhere in this world, someone unknown is going through even more difficult experiences, the pain she is feeling right now is undeniably real.
学校では見せない笑顔を浮かべて、ボクの少し前を歩いていく彼女の背中を視界に入れると胸がかすかに痛む。他人の痛みに共感するなんて、少し前までなら考えられなかったのに。 As she walks ahead of me, donning a smile she wouldn't show at school, I catch a glimpse of her back, and my chest twinges faintly. Empathizing with someone else's pain is something I couldn't have imagined just a little while ago.
また明日。平日が始まれば、彼女は吐き気がするような、悪意の連鎖の中に戻っていボクにはそれを止められない。学校の屋上を彼女の心の支えにすることしかできない。 Tomorrow will come again. Once the weekdays begin, she will return to the chain of malice that makes her nauseous. I can't stop that. All I can do is be her pillar of support on the rooftop of our school. ふっと自嘲気味な笑みが自然と漏れた。 A wry smile involuntarily escapes my lips.
ボクは人間の命の尊さを理解できない人間だ。その辺に転がった無機物も、繁華街を埋め尽くす人間たちも、その価値は本質的に同じだと思っている。 I am a person who can't comprehend the value of human life. Be it the inanimate objects scattered around or the humans flooding the bustling streets, I believe their worth is inherently the same.
冷たい人間だ。……そのはず、だった。 I am a cold person. …Or so I thought.
自覚している。彼女と出会い、多くの時間を共にしたことで、ボクの価値観は少しずつ変わっていった。戸惑いがないわけじゃない。でも、それでいい。 I'm aware that meeting her and spending time together has gradually changed my perspective. It's not without confusion, but that's okay.
おも 今のボクは彼女のことを大事に思っている。その想いに気づかないフリをしても仕方がない。ボクはすでに深入りしすぎた。 Right now, I care deeply about her. There's no point in pretending not to notice those feelings. I've already gone too deep.
なら最後まで突き通すしかない。 If that's the case, I have no choice but to see it through until the end.
―彼女がどんな結末を迎えようとも、ボクは最後まで彼女のことを守ろう。 No matter what fate awaits her, I will protect her until the very end.
大きな商業ビルが目に入った。そのビルの壁面には巨大なディスプレイが埋め込まれており、ニュースの映像が流れていた。 I caught sight of a large commercial building. Its walls embedded with massive displays were broadcasting news footage.
画面に映ったキャスターが原稿を読み上げる。 The caster on the screen reads the script.
「現在、インターネット上にアップロードされた動画群が物議を醸しています。その発信元アカウントは『正義同盟』と呼称されており――」 "Currently, a group of uploaded videos on the internet is causing controversy. The originating account is referred to as the 'Justice Alliance'—"
ひもり 「氷森くん」 Himori 「Himori-kun」
不意に名字を呼ばれて視線を戻すと、彼女が立ち止まってこちらを振り返っていた。ボクがニュースに気を取られていたことが不満だったようで、彼女は頬を膨らませている。 Suddenly called by my last name, I turn my gaze back and she stops, looking back at me. She seems displeased that I was preoccupied with the news, and she puffs up her cheeks.
「何見てたの?」 "What were you looking at?"
「あそこの、街頭ニュース」 "The street-side news over there."
いちべつ She glances at it briefly, and her expression darkens ever so slightly.
7月が始める。 July begins.
そうだ。この世界のどこでどんな事件が起きたとしても、悲惨な出来事が誰かを苦しめても、ボクは目の前の彼女のことだけ考えていればいい。日までは。 That's right. No matter where or what kind of incidents occur in this world, no matter how tragic they may be, as long as I keep thinking about her in front of me, it will be enough. Until the day…
少なくとも、一緒に高校を卒業して、彼女が悪意の呪縛から解放されるその… At least until we graduate from high school together, and she is freed from the curse of malice…
「『正義同盟』、か」 "'Justice Alliance,' huh?"
正義のヒーローみたいな名前。 A name like that of a hero of justice.
だけど、この世界に救いの手を差し伸べてくれるヒーローなんていない。純粋な正義な ゆが んてものも存在せず、どんな行動の裏にも歪んだ欲望と打算が隠されている。 But in this world, there are no heroes extending a helping hand. There is no pure notion of justice. Behind every action, there are hidden desires and calculations.
もし本当に正義の味方がいるのなら、彼女はとっくに助けられている。その後、ボクがそのニュースを思い出すことはなかった。 If there were truly allies of justice, she would have been saved long ago. After that, I never recalled that news.
翌日に起こった悪夢が全てを吹き飛ばしたからだ。血塗れの彼女の姿が脳を満たしたからだ。「正義同盟」が本格的に世間の話題の中心になっていっても、放心状態のボクは全く興味を持たなかった。 The nightmare that occurred the next day wiped away everything. It filled my mind with the image of her covered in blood. Even as "Justice Alliance" became the talk of the town, I, in a dazed state, had no interest at all.
だけど、それで良かったのだ。 But that was for the best.
もしあの時、「正義同盟」の思想に触れていたら、のめり込んでいた可能性がある。女を死に追いやったクラスメイトたちにその歪んだ思想を突きつけていた可能性がある。結局、ボクは「正義同盟」の思想に取り込まれることはなかった。 If I had been exposed to the ideology of "Justice Alliance" at that time, there's a possibility I would have been drawn into it. There's a possibility that I would have confronted the classmates who drove the girl to her death with their twisted beliefs. In the end, I never became consumed by the ideology of the "Justice Alliance."
そして今、ここにいる。 And now, I'm here.
囚人を裁き、粛清を与える監獄。 A prison to judge prisoners and administer purges.
その中にあるメインルーム「パノプティコン」。 Within it lies the main room, the "Panopticon."
何度も見てきた。 I've seen it many times.
粛清が執行され、囚人たちが鮮血に浸る姿を。 The purges being carried out, the sight of prisoners drenched in fresh blood.
命と存在が消える瞬間を。 The moment life and existence disappear.
だが、目の前で繰り広げられている光景はその性質が根本から違った。塔のように縦に長いパノプティコン、その上層から高速で落下してくる人影が一つ。 But the scene unfolding before me is fundamentally different in nature. The Panopticon, tall and elongated like a tower, with a figure descending rapidly from its upper level.
周囲は無音だった。その信じられない光景を目にしている囚人たちも、落下する人影も、そしてボクも声を出さなかった。 The surroundings were silent. The prisoners witnessing this unbelievable scene, the descending figure, and even I, none of us uttered a word.
いや、出せなかった。 No, we couldn't.
だって。こんなことが起こるなんて、いったい誰が予想できる? Because who could have predicted that something like this would happen?
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tutai-k · 7 months
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未来に絶望しかなくても、信じてもいいかという気持ちにはなれる
ろくな人生を送っていない。はっきり言って馬鹿にされるばかりの人生で、他人がずけずけと入ってくるか、必死になってつくったものは、「この場所なら少なくとも壊されなくて済むかな」と思っているような場所に置いても踏み潰される。 いつだって人生最悪の日を更新して、わたしはわたしがこの世に生まれた日こそ呪われてあれ、とくりかえしている。
ろくでもない人生を送っている。
昨日もまあそういうろくでもない人生の最悪の日を更新するような日だった。詳細ははぶくが、さっさと人生のリタイアを考える程度には日常に喜びがない。ここ半年、「よかったな」と思うことは数える程度で、あとはなんていうか「どうしてこうなったんだ」というようなことばかりである。持病はまた悪化してきた。
そんな昨日、三ヶ月に一度行っているアフタヌーンティーの予約を入れていた。秋のアフタヌーンティーは9~11月。忙しすぎてもう無理かと思っていたが、なんとか日程を調整してぎりぎりで行けた。が、この半年ろくなことがない、しかも昨日は最高潮(でもきっとここからもっと最悪になるんだろうなとは思っている)で、「こんな気分のまま大好きなアフタヌーンティーに行くのか…」と思っていた。 いつものシェアオフィスにいくとアフタヌーンティーがむずかしいので、もうすこし近くのコワーキングスペースに行った。こども編み物教室をやってて、ちいさいこたちがたくさんいた。原稿をやろうと思っていたけど、編み物でつくったきのこや目玉焼き、クッキーでおままごとをしているこどもたちが仲間に入れてくれたので、一緒になって遊んで、絶望から少し立ち直れたので、アフタヌーンティーは楽しめた。
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今日は朝から、フォロワーさんが楽しそうに見ているゲゲゲの鬼太郎の映画を見に行った。鬼太郎誕生秘話?みたいなやつ。鬼太郎はこどものときにアニメを見てて、ちゃんちゃんこが飛んだり下駄が飛んだりするのを眺めていたくらいである。似たような時間にやってたベムベラベロと違いが分かっていなかった。
だからほとんどはじめてみたいなもので、楽しめるかな…と思っていたが、これがめちゃくちゃおもしろくてとてもよかった。わたしはあんまり因習村ということばが好きじゃない。(面白おかしく語られる山村に実際に住んでいるのは限界集落の高齢者だ)、「ムラ社会」を嫌い、笑い、そこでなんとか生きている人たちの生活を勝手にデフォルメして凄惨さでエンターテイメントする、そういう姿勢を好まない。だからすこし警戒していたけれど��見られてよかったな、と思った。
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主人公の水木は第二次世界大戦で(おそらく)南洋の前線に送られていたのだろう。玉砕を命じられた経験などがなんどもフラッシュバックする。かれと一緒に冒険(?)するのは、妻を探しているという男。ゲゲロウと水木に呼ばれていて、顔が鬼太郎そっくりなので、どうやら彼は鬼太郎の親父らしい。つまり目玉のおやじと呼ばれる存在の前身である。このふたりが、いわゆる「因習村」の「因習」の謎を解き、立ち向かっていく……。
お話しのつくりとしてはこんな感じ。公開されて間もない映画だから、あんまりネタバレ的なことを書いては、と思うので、よかったなあと思うところを少しだけしゃべると、
前線に送られた水木も、妻を探すゲゲロウも、どちらも「国」(はっきり「日本」と言ってしまっていい)に搾取され、押しつぶされてきた存在だ。そして二人とも、じつは根本のところでこの「国」とか「人間」という存在を信じられていない。その二人が、なりゆきで一緒に行動して怪異に立ち向かってゆくなかで、「未来」を信じ、きっと自分たちの後ろを歩くだろう存在のために、未踏の山に道を作るような行動をするところだ。 水木もゲゲロウも、とくに「強い男」ではない。水木は、自分より強い存在に(命やその他の「安全」)をちらつかされると、強く出られず引き下がってしまう。復員した水木が、戦争経験者だからと言って、肉体的に強く/戦闘・殺人の技巧に長けているわけではない。マスケット銃や斧を振るう場面はあるが、基本的に彼は、第二次世界大戦から復員したひとびとに(現代のある層が幻想している)むけられる「強さ/能力」を持たない(強さや能力を持たないのが普通だ。わたしの母方の祖父も戦時中に兵隊に取られていったが、死ぬまで戦地の悪夢を見てうなされていたそうだ)。この物語では戦争の経験とはつねに生きる強さや気力をそいでいく「傷」であり、物語を前に進ませる原動力とはなり得ていない。 ゲゲロウも、戦闘力という意味で、あまり強くなくて、バトルシーンよりも「捕まっちゃってる」場面のほうが印象的だ。ゲゲロウはよく捕まる。しかたなくバトルはするけど、本来の性格が、好戦的ではなく、強い方でもないのだろうと思う。人間からは隠れて、静かに生きていたい存在だったのだろうというのがなんとなくわかる。 ふたりはまったく強くなくて、「今」のためにもがいている。ゲゲロウが妻を探しているのは「今」のためだし、水木がこの村にやってきたのも「今」の自分のためだ。 だが、互いに関わりあうなかで、「未来」の話ができるようになる。 ふたりが立ち向かうのは特定のだれかのかたちをしているが、物語を俯瞰すればそれは戦時中に私腹を肥やしたものたち(国の暗喩)であり、ヒエラルキーの下層にいる存在を搾取する構造だ。水木はこの国を憎んでいる。「こんな国なんか滅びちまえ」と言う水木に、未来の話をするのはゲゲロウだった。水木がそう叫ぶ場面で、ゲゲロウはもっと、「国」を「構造」を滅ぼしてしまいたいと叫ぶような目にあっている。だが、この「国」「構造」の向こうにいる未来に、「今」を託したいと思う。 ふたりは最後まで強くなかった。戦うことで未来を勝ち取るのではなく、過去を引き受けることで「今」の向こうの「未来」のために、強くないままで、先へ進もうとする。
その未来へのまなざしの強さを、愛おしいと思った。
ここから下は、よかったな~と思った点のいくつか ・水木が、作中のこどもにされている虐待に対して嫌悪感をもよおす存在であること、そのこどもの結末に対して心から泣ける男であることと、そうでありながら一方では社会的地位や保身のため、時に哀れみで不誠実な行動を取ってしまうこともある人物として描かれているところがよかった。「水木は完全に正しい存在ではなく、善悪のメートル原器ではないが、それでもその絶対的な正しさだけを持たない人物が未来のために道を作る」という部分は、人間の営みそのものだと思った。
・「愛」というのが、性愛/恋愛で結ばれる男女のものだけでなく、血縁を通り越した、そして「記憶(愛着)」のない場所でも抱かれるものだと描かれたことがとてもよかった。これから、「未来」をつくってゆくわたしたちに、大きな希望になるように思えた。
クソみたいな人生だし、きっと明日からだってろくでもない日々だ。だけどまあ、いまはすこしだけ、未来を信じてもいい。
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oka-akina · 6 months
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1130-1205
1130 うちはトイレと物置が隣にあって同じドアが並んでいて、物置に何か取りに行ったつもりが隣のトイレのドアを開けていて、あれおしっこしたかったっけ…とか思いながら用を足している。物置に何か用事があったのを忘れてしまう。こういうことはスマートフォンの上でもよくあって、メールをチェックするつもりがツイッターを開いている。 なんか電車が空いていた。べつに理由はないんだろうけどなんでだろうと思ってしまう。理由を探してしまう。窓の外の荒川が濃い色をしていて冬だなーと思う。そしてその窓に、明らかにデマというかインチキ医療の本の広告が貼ってあり、こういう本が堂々と出版されているのにどうしてわたしの小説は同人誌なんだろうなーとか思う。やつあたりみたいに思う。
ずいぶん前に買ったエッセイの本を読んでいる。とても自由であたたかい家庭の話だと思うのに読んでいるとどんどん心がささくれだっていく。夫婦でやっているお店の話で、お店の仕事は女の人がメイン。本の語り手の男の人はサポートと広報をやっていて、その流れで本を出したようす。 なんかこうなんかこう、あなたの話はいいからこの女の人の話がききたいよとか思ってしまう。この女の人がどのように考えて店をやっているのか、あなたの口からじゃなくてこの女の人の言葉でききたい。声をききたい。いやそんなのは役割分担だとは思うのに、まったく何も取り繕わない自分の気持ちとしては、こいつなんかいけすかねえな〜!と思ってしまう。仕事の役割が夫婦で逆だったら、サポートしている女の人に本を書きませんかって話はきたかな〜とか訝ってしまう。そうしてあるいは、これが女の人同士のカップルだったら、わたしはこんなふうに思うんだろうか。 じゃあつまり自分にはひどいミサンドリーがあるんだよな…。この本に限らず日常の中のほんとにいろんな瞬間で自分のミサンドリーにぶちあたり、しょんぼりする。ハッとしたときはもう遅くて、本当になにかこう、ごく自然に、嫌悪の感情がある。 自分にべったりしみついた差別心や偏見はもうどうにもならないんじゃないかと怖くなる。わたしは自分の性格をなんて意地悪なんだろうと思っているけど、意地悪どころでは済まないひどいものが自分のすみずみまでがっつりしみついていて、このような土をいくら耕したってここから生えるものはみんなだめなんじゃないか。わたしのやっていることは本当にぜんぜんだめなんじゃないか。ときどき絶望的な気持ちになる。
夕方、通販と書店��んへの荷物を送った。思った���り手間取ったし部屋もとっ散らかった。そんなにたくさん送ったわけではないんだけどたぶん要領が悪い。本の梱包とか荷造りとかがとても苦手で、何年やってんだって感じだけど本当に慣れない。引き続き腹も痛いし尻も痛い。夕飯は豚肉とチンゲンサイとえのきと春雨を炒め煮したやつとかつおのたたきと厚揚げ。
1201 今日も通販の荷物を送る。このところほとんど毎日やってるのにぜんぜん梱包うまくならないのどうなってんだ。ガムテープをまっすぐ貼るのがへたくそすぎるし本を袋詰めするのもなんかきれいにならない。手のしびれ、震えのこともあるとは思うけど、送る荷物が格好悪くてまいどほんとに恥ずかしい。お手に取ってくださった方は薄目で見てほしい…。
書店さん宛に送った荷物が届きはじめているようで、犬と街灯さん(表紙を描いてくださった谷脇栗太さんのお店)がさっそくネットショップに追加してくださっていた。ツイートを見て、ほんとにある!と驚いた。驚くって言い方はなんか変なんだけど、遠くのお店にほんとにあるんだな…と感慨深くなる。本屋lighthouseさんからも本が届いたよと連絡がきていて、ほんとに置いてもらえるんだな〜とドキドキした。書店委託はまったくの初めてではないんだけどなんかこうどうしたんだろう。 「顔たち、犬たち」関連はずっと気持ちが張り詰めている。新しい小説の本を出すときはいつもtumblrにステイトメントみたいな記事を書くんだけどそれも書けていない。言いたいことや話したいことがいっぱいあって、どっからどうしたらいいのか、やりたいことが目詰まりしている…。そうしてそんなに激重感情でやってるのに小説自体はほんとにしょ〜もない話で、よわよわおちんぽの〆切直前もそうだったけど、悲壮感を出すような作品ではないのでなんかチグハグしている。
でもこの「しょうもない話」はちょっといい傾向かなとも思っている。執筆の佳境とか書き終わる直前ってなんかこう気持ちが盛り上がってしまって、作品を「大層な話」にしたくなってしまいがちというか…。なんていうの、谷川俊太郎の「魂のいちばんおいしいところ」みたいに書きたいみたいな、高望みした欲がある。
私たちの上に広がる青空にひそむ あのあてどないものに逆らって そうしてあなたは自分でも気づかずに あなたの魂のいちばんおいしいところを 私にくれた
長めの話に時間をかけて取り組むと自分の中のそういう…純っぽいもの…?を差し出したくなってしまうというか、自分の芯を取り出したものでありたいみたいな、そういう欲がわいてしまう。やけに体重をのせてしまう。 で、最近それを回避したくて、けっこう意識的に「しょうもない話」をやっているふしがある。単純に作品がくどくなるのを避けたいのもあるし、なんかこう自分の差別心や意地悪ってそういうとこからきてるんじゃないかみたいなことも思って。これはまとまってないのでもうちょっと考える。
夕飯はおでん。夜中、ふと思い立って虐殺反対のステッカーを作った。ネットプリントにした。
12/2 ゴルフの練習に行って洗濯をして掃除機をかけた。お昼はきのうのおでんの残りとチャーカラ(チャーハン唐揚げ弁当のこと)。きのうのステッカーをプリントアウトしてみたらいい感じだった。ロボット掃除機が壊れたかもしれない件はやっと言えた。まるでいま壊れたかも?みたいな感じで言った。えもからもらった柿をジャムにした。柿プリンも作ってみたけどあんまり固まらなかった。やけに疲れてしまって2時間くらい昼寝した。寒いので夕飯は鍋。アド街を見ながら食べた。
夜中、通販などの荷造り。本を袋に入れて送るだけのことがどうしてわたしはこんなにへたくそなんだ…と散らかった部屋で途方に暮れた。毎日同じことを思っている。
12/3 プリパラプリチャンプリマジのライブ。毎年恒例の幕張メッセでのライブで、前回の幕張がついこのあいだのように感じる。一年が早すぎる。きのうの残りの鍋を食べて車で出かけた。幕張メッセの駐車場は一日千円なので、二人分の電車代やコーヒー代を考えたらこっちの方が安い。昼公演と夜公演の間の待ち時間を過ごせる場所があるのも気楽だし。スタンレーの水筒にお茶を入れて持って行った。夜になっても湯気が立った。
今年は演出がとてもよかった。とくにプリマジの各キャラクターのソロ曲、ほかのキャラクターがうしろで盛り上げてるの最高最高最高だった。庄司宇芽香さんの演じるあまね様が本当に素晴らしくてたくさん手を振った。声出しOKライブでよかった。今日の公演のためだけに髪の毛真っ赤にしてくれたのかと思うと胸がいっぱいになる。夜公演はアリーナの花道そばだったので、一回だけ目があって本当に泣いちゃうかと思った。 プリマジは9月のリーディングイベントのときも思ったけど、女性が女性にキャーキャーいうのがどまんなかにきているので本当に居心地がいい。なんていうのかな、「本来は女児向けのアニメにいわゆる大きなお友だちのオタク男性が大挙して…」みたいな感じでもないんだよな。男オタが女の子(女の子のキャラクターだったりそれを演じる若い女性の演者だったり)を愛でてやるぜ的な感じがあんまなくて、みんながキャーキャーいいながら女の人たちの格好よさ、かわいさ、楽曲のよさを喜んでいる。本当にすごい。長いシリーズを通して作品が変化しているのもあるし、観客を育ててきた感があるなーと思う。演者も客も年齢を重ねたのもあるかも。 そしてプリティーシリーズ通してだけど、ファンにセクマイが多いのをなんとなく認知してくれているように思う。もちろん演者によって濃淡はあるのでたまーに発言にハラハラすることはあるんだけど、あなたのための席がありますと言い続けてくれているシリーズだと思う。リングマリィの「コトバブーケ」は「おとぎ話の通りじゃなくても私はヒロイン」「おとぎ話の通りじゃない方が自分らしい」と始まる曲で、まっすぐ女性同士のウエディングを描いていてすごくうれしい…。それを冷やかすような反応や百合!みたいな茶化した感じの反応が今回はあんまなかった気がして(あることはあるんだけど前より減った感じで)よかった。
そして大好きな大好きな厚木那奈美さんが本当に本当に…いつも変わらずお姫さまみたいで…本当に素敵だった…。内側から光ってるんだよな…存在が光、祝福なんだと思う。厚木那奈美さんを前にするとわたしはいつも幼稚園の子どもになってしまう。厚木那奈美さんがお姫さまの国でリスとかネズミとかコロボックルとかになって暮らしたいよ…。「ブランニューガール」はミディアムテンポのちょっとセンチメンタルな曲なんだけどけっこうしっかりめの振り付けで、でも厚木那奈美さんはニコニコ笑顔で歌って踊っていて、本当に本当に宇宙に神さまに星々に絶対絶対絶対愛されているほんもののお姫さまなんだな〜!って泣いた。厚木那奈美さんの長い手足がすらーっとすーっとどこまでも伸びていって、ほんとにもう東京湾くらいなら全然余裕でまたげるんじゃないかと思う。厚木那奈美さんが微笑めば木からどんぐりが落ちてきて、リスとかネズミとかコロボックルはそれをぎゅっと抱きしめます。 厚木那奈美さん、友だちや知り合いにわたしはこの人が好きなんだよ〜って教えると「うわ好きそー」って納得されるのすごい面白い。わかりやすくどタイプ。厚木那奈美さんとかムンビョルさんとか美少女さんとか、おかわだくんはこういうスラッとした人が本当に大好きだよね…。
あと泣いたといえば、コスモさんの「君100%人生」やってくれて! 久しぶりにライブで聴けて爆泣した。君100の何がいいって、「次は負けないよ」「取り戻せ」「自信出して 元気になって」「体 心 鍛え直すよ人生」のとこ。わかりやすく励ます歌詞ではあるんだけど、それ以上に「今回は負けたよね、いろんなもの奪われたし失くしちゃったよね、自信も元気もないよね、体も心もおしまいだよね」っていうのをまんま受け止めてくれるのがすごい好き。おまえは今回負けたよねって目をそらさず認めてくれるのとても安心する。 日記やけに長くなってるからここらへんにしとくけど、小林竜之さんのアサヒの仕上がりがやばすぎてすっげーよかった。ほんとに「マジヤッベーチョースッゲー」だった。34歳男性のあの感じ最高ですわ。小林竜之さん40歳のアサヒ役ぜってえぜってえ観たいのでプリティーシリーズを今後とも応援していこうと思った。
ライブがあまりにもよかったので、やっぱプリティーシリーズミリしらアンソロやりたいな〜と思った。わたしは二次創作的なのは書けないので、「プリティーシリーズのことを考えて書いた小説」とかになっちゃうんだけど、それを本にしたい…そしてなんかいろんな人にゲスト原稿を依頼したい…すごく同人誌って感じするやつ…。いったい誰が読むんだって感じなんだけどそういう変なアンソロをやりたいよね…。 そしてウキウキの気持ちで帰ってきたらKADOKAWAがろくでもねえトランスヘイト本を刊行しようとしているのでテンションだだ下がりになった。ふざけるなよとインスタのストーリーズでキレ散らかした。
12/4 えもとなむあひさんと遊んだ。朝パン屋で待ちあわせて多摩川に行った。いい天気で冬って感じの空だった。広々していて気持ちいい。二子玉川の駅を降りてすぐこの景色なのほんといいよな。橋を渡る電車がずっとごとんごとんいっていて、遠くの橋や向こう岸で車が流れている。水や物がずっと動いている。サギがたくさんいた。白くて大きな鳥が冬の濃い青い空にたくさん舞っているのが、なんだかうそみたいにすがすがしい眺めだった。 えもから個展のDMをもらった。先々週会ったときに元の絵を見せてもらっていたけど、すごくきれいに色が出ていてほんと展示楽しみだなーと思った。あと「あいじょうぶ」ブローチももらった。「俺の愛があるから大丈夫!あいじょうぶや!」のブローチ(ナポリのすぎるのやつ)。草の上に置いて写真を撮った。 なむあひさんが「顔たち、犬たち」の感想を伝えてくださってうれしかった。なんかこうがんばって書いていきたいよな…という話をした。本を持ってきてくださったので表紙の優人さんに川を見せてあげた(?) そのあと昼から磯丸水産に行って飲んだ。トマトハイめっちゃ薄かったけど美味しかった。えもとわたしで何杯飲んだんだ…。このあいだなむあひさんと焼き鳥食べたとき、注文したはずのタコウインナーが結局来なくて、わたしはすっかり忘れていたんだけど次の日なむあひさんがそういえばタコウインナー来なかったですねって思い出していて、じゃあ今度リベンジしましょうって言ってたんだけど2週間で早くもそれが叶うの面白いな。川行って、(磯丸だけど)イカとかウインナーとか網で焼いて、実質バーベキューみたいだった。あとプリティーシリーズミリしらアンソロやりたいんですよ〜という話をした。いきなりどうしたって思ったろうな…。 夕方もっかい川に行って、あまりにも楽しくて手つないでワーイとかした。えもの手が小さくて冷たくてびっくりした。
KADOKAWAに問い合わせメール送った。刊行中止してくださいとははっきり書かず(できないだろうと思った)、なんでこういうのを出そうと思ったのか経緯を知りたかった。それで質問を送った感じ。
12/5 これぜったい乾かないよなと思いながら朝洗濯物を干して出かけた。曇っていたし寒かった。昼にチバユウスケの訃報を知って驚いた。これがきのうえもと一緒にいるときに知ったらどうだったろう。明るい川べりで知ったら、真昼間の磯丸水産で知ったらどんなふうだったろう。コンビニでコーヒーを買って小袋成彬の「Night Out」を聴いた。今日はとても寒くて、外もずっと暗かった。むかしの友だち、ミッシェルを好きだった人たちの顔がつぎつぎ浮かんだ。なんかツイートではなにも言えなくてリツイートのカウンターがまわるのをじっと見ていた。ものすごい熱心なファンとかではないけどなんかこういっぱい思い出深い…みたいな距離感だからだと思う。いま小説のあれこれでやりとりしている人や現在進行形で作品を生み出している人、みんなひとり残らずいつかいなくなるのだ…とすごく当たり前のことを思った。夜になって、長いこと連絡をとっていなかった人からチバのこと悲しいねってメールがきていた。携帯電話のキャリアメール宛で、迷惑メールかと思った。そういやこの人のLINE知らないや。そうだねみたいなことをちょっと書いて送って、それ以上はべつにやりとりしたくない気がした。これを機に旧交をあたためようなんていうのはなんかこう格好悪いだろと思った。いやこれがめっちゃ好きな人からきた連絡だったらしっぽ振って返事送るんだろうけどさ…。洗濯物は厚手の靴下がやっぱり乾いていなかった。Mリーグを見ながらキムチ鍋を食べた。
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rosysnow · 1 month
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水滴がつたって
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『正行さんの奥さんですよね』
 スマホに知らない番号で着信があった。宅配便が来るとか、知らない番号から電話がかかってくる心当たりはない。だから無視したら、同じ番号からSMSが届いた。
『早く彼と別れてください』
 来たのは、その二行だけ。それだけで、私はじゅうぶん理解した。
 もしかして、とは思っていた。息子の勇多が生まれて、今年で四年。夜の生活はとっくになくなっている。男の人が、何もしていないなんてありうる?
 勇多を部屋で寝かしつけて一階に戻ると、正行さんはお風呂を上がって、夕食の鰆の塩焼きをほぐしていた。私は正行さんと食べるために、勇多にひとりで食べさせたのに、この人はひとりでさっさと食べはじめるんだな。そんなことを思いながら、正行さんの正面の席に着く。
「あなた、勇多はもう寝ちゃったから」
「そうか。俺たちも早く寝れるな」
「……あの」
「ん?」
「勇多の兄弟とか……考える?」
 見逃さない。一瞬、眉間に刻まれた不快そうな皺。
「あの子、保育園でもなかなか友達ができないみたいだし、兄弟となら──」
「友達は、そのうちたくさんできるだろう」
「でも」
「心配しなくていい。俺たちのかわいい息子じゃないか」
 私は顔を伏せ、じゃあどうやったら私を見てくれるの、と息苦しくなった。このあいだ、排卵日じゃないからってそれとなく声をかけたら、「恵まれないとき、わさわざしなくていいじゃないか」と言われた。だから、排卵日である今日に言ってみたのに。
 夕食のあと、正行さんはさっさと寝室に行ってしまった。私は家事を済まして、シャワーも浴びて、同じ寝室に踏みこむ。わざとらしく、正行さんはふとんを頭にかぶる。
「起きてるの?」
 返事はないけど、寝息がないから起きている。私はベッドサイドに腰かけ、「今日、しない?」と言ってみた。正行さんは黙っていたけど、不意に唸ると「疲れてるんだ」とぼそっと答えた。
 本当に、よくある台詞。でも、それで納得して、強く求められない私も私。
 正行さんがしっかり寝てから、私はワンピースのルームウェアの裾をめくって、内腿に指を這わせる。焦れったくて、中が切なく動く。ショーツに手をもぐらせ、そこに触れると、もうふっくら充血していて、私は吐息を殺して自分をなぐさめる。
 ねえ、私だってこんなことをしている。あなたが何もしていないなんて悠長なことは、微塵も考えなかった。分かっていた。
 正行さんには、妻の私をさしおいた「彼女」がいる──
「ママ、あのね、僕、保育園で友達ができたの」
 桜がほろほろと風に舞う四月、手をつないで帰宅する息子の勇多が、嬉しそうに言った。
「お友達?」
「うん、みっちゃん!」
「女の子?」
「男だよっ。お話してたらすごく楽しくて、モノレール好きなのも同じなの」
「へえ、そうなのね。それは嬉しいね」
「うんっ。去年みっちゃんが、たいけん……に来たときにも楽しくて。今月から、同じ組にいるんだよー」
「ママも会ってみたいなあ」
「会えるよ。さっきもいたよ」
「そうなの? ご挨拶すればよかった」
「みっちゃん、僕が先に帰っちゃうの嫌みたいだから、見送りはしてくれないの……」
 長時間保育を利用している子なのだろうか。少し気になったので、翌日、保育士さんに「みっちゃん」について訊いてみた。「光斗くんですね」と保育士さんは、教室の隅で壊れた人形みたいに座りこんでいる子をしめした。
「ええと……」
「あ、基本的に元気な子なんですよっ。ただ、勇多くんが先に帰っちゃうと、あんなふうに」
「そうなんですか。親御さん、このあとすぐいらっしゃるんですか?」
「いえ、高校生のおにいさんが、放課後になってから迎えにくる感じですね」
「寂しいでしょうね……」
「光斗くん、勇多くんが一番のお友達みたいですから」
 私は抜け殻みたいになっている光斗くんを見つめ、「よかったら」と光斗くんを私の家で預かり、勇多と過ごさせたらどうかと申し出をしてみた。おにいさんも、来れる距離なら私の家に迎えに来てくれたらいい。「よければというお話で、伝えてみます」と保育士さんは請け合ってくれた。
 光斗くん側からは、最初はもちろん遠慮された。けれど、光斗くんは家では置き去りにされる寂しさをわめき散らしているらしい。それで最悪、保育園に来なくなったら、哀しむのは勇多だ。
 その気持ちを言い添えると、その後、「恐縮ですが、お願いできたらと思います」という光斗くんの親御さんの伝言が届いた。私は十五時に保育園に行くと、勇多と光斗くんを連れて帰宅するようになった。光斗くんはもちろん、勇多も嬉しそうでほっとした。
 そして、夕方になる頃に光斗くんのおにいさんが訪ねてくるようになった。克斗くんと名乗ったその子は、「もし光斗がご迷惑かけたら、遠慮なく保育園に置いていってください」と初対面で断りを入れる礼儀正しい子だった。
「大丈夫ですよ。ふたりでモノレールで遊んでるみたいです」
 私はそう言いながら、すでに半袖になった制服のシャツから出る、克斗くんの腕を見た。顔立ちはまだ幼さもあるけれど、その腕はしっかり筋肉がついている。
「光斗、交友で不安定なところがあって。通わせる保育園も、なかなか決まらなかったんですよ」
「不安定? 勇多と遊んでる感じでは──」
「そう、ゆったんとは仲良くなれたって光斗が初めて宣言したから、うちの家族、即入園希望提出です」
「そうなんですね。ちなみに、家はここから歩いて帰れそう? ごめんなさいね、そこだけは克斗くんの都合を聞けなくて。もし遠いなら、私が車で送るので」
「大丈夫です。駅前近くのマンションに戻るだけなんで」
「そうですか。よかった」
「ありがとうございます、気遣ってもらって」
 そう言ってくれる克斗くんの声は優しい。彼女とか、いるのだろうか。その女の子は大切にしてもらえてるんだろうな、と思う。私とは違って、その子はその腕に力強く抱きしめられている。
「──ねえ、今夜……ダメかな」
 その後も、夜、私が何とか誘ってみても、正行さんはそっけなかった。
 私はスマホに目をすべらせ、あれ以来、追撃は来ていないと自制した。でも、その子は私は触ることも許されない正行さんのスマホに触れて。私の番号をひかえて。そうできるくらいには、正行さんはその子の前では隙だらけということで。
「正行さん」
「何だよ、もう話は明日に──」
「好きな人、いるんでしょう」
 正行さんは、ごそっと顔をあげた。
「何を言ってるんだ」
「若くてかわいい、それだけの子よ」
 正行さんの表情がゆがんだ。ばさっとふとんをかぶり直し、背を向ける。「正行さん」と言いかけると、いらついた声が返ってきた。
「老けていくだけのお前より、ずっといい」
 心臓に氷が刺さる。私は目を開いたものの、言葉は出なかった。やがて、正行さんは眠りについて、寝息を立てはじめた。
 なぜ、私はいまだにこの人を想って自分をなぐさめるのだろう。快感すら機械的になっている感じがする。もっと、溺れるように気持ち良くなりたい。満ちてあふれるような快感が欲しい。
 もし──あの、若い筋肉が私を抱いてくれたら、何か変わるのかしら。
 そんなことを思ってしまい、いけない、とセーブしようとした。でも、止まらない。あの腕に強く奪われて、あの声に耳打ちされて。ダメ、考えちゃダメ。そう思うほど、あの黒い無垢な瞳にたまらなくなる。
 咲うときにこぼれた白い歯が、もし私の肌に咬みついたら、それだけで──
 軆がこらえきれなほどわなないて、私は押し寄せた快感をこらえた。このまま絶頂したら、すごく気持ちいいけど、でも、まだ、長く感じていたい。指先の力を抜いて、でも消え入らないようにかすめて、自分を焦らしてイジメる。
 どうせ正行さんが起きるなんてない。万一起きて気づいても、うんざりと無視するだろう。ため息と声を綯い混ぜて、私は中にも指をさしこんで音を立てた。すごく熱くて、濡れている。
 だらしなく焦らし、その瞬間にはかすれた声で彼の名前を呼んでしまった。じゅわっと軆の端々まで感覚が研がれ、澄み、満たされる。噛んでいた唇がほどかれ、急に息があふれる。
 いけないことをしてしまった。罪悪感はあったけど、でも、もう止まらない気がした。これから私、自分でするときは、こんな夫よりあの男の子を想ってしまいそう。
 彼には、私なんか子持ちのおばさんなのに。本当に、それこそ老けていくだけの女。分かっていても、あの腕に抱かれる夢を見てしまう。
 克斗くんに気持ちをほのめかすなんて、もちろんしなかった。気づかれたら、絶対に気持ち悪いと思われる。それは怖い。だから、絶対に知られてはいけない。
 夕暮れが来るまで、子供たちはまだ遊ばせて、私と克斗くんは玄関先で世間話をする。中でお茶でもしながら、と言うぐらい良かったのかもしれないけど、距離が縮んだら我慢できないかもしれない。オレンジ色の光が窓から射しこみ、それがお別れの合図だ。
 やがて夏が来て、夏休みになった。自由登園になるけれど、勇多は光斗くんと遊ぶ���言って行きたがった。光斗くんも同じだったようだ。十五時に迎えにいくと、ふたりは楽しそうにモノレールを組み立てたり走らせたりして遊んでいる。
 迎えにきた保護者の中には、克斗くんがいた。「学校は?」と私はバカみたいに訊いてしまったけど、「俺は夏休みには休む派です」と克斗くんは苦笑した。そうか。だったら、克斗くんはうちにも来なくて、お話もできない。
 夏のあいだ、ぽっかり胸が空いてしまったせいかもしれない。九月になって、また克斗くんが訪れるようになっても、どこか寂しかった。
 こんなのは、ひとときなのだ。勇多も光斗くんも、いつか保育園を卒園する。その前に、克斗くんは受験生になる。私とこうしてお話をしてくれるのは、もしかしたら、彼が高校一年生のあいだ続けば、いいほうなんじゃない?
「今夜、飯が出前なんですよ」
 九月の終わり、克斗くんがそんな話をした。おかあさんがどうしても仕事で遅いのだそうだ。私は口を開きかけ、少し迷った。こんなこと言ったら、怪しいかな。そう思って一考したけど、たぶん大丈夫、と思って私は声を発した。
「それなら、うちで食べていきなよ」
「え、でも」
「今からでも、買い足し行けば間に合うから」
「いや、けど、かあさんに金もらっちゃったし──」
「気になるなら返せばいいし、何なら、克斗くんがもらっちゃってもいいんじゃないかな」
「そ、そうなのかな」
 満更でもなさそうに克斗くんの声が上擦ったので、「もらっちゃえ」と私は魔女のようにささやいた。
「私、ちゃんと秘密にするから」
 克斗くんが私を見る。黒くてかわいい瞳。本当は愛おしく見つめたいけど、こらえて、「じゃあ、急いで買い物行かないと」と私はかがめた体勢を正す。
「俺、せめて荷物持ちますよ」
「ありがとう。でも、子供たちがいるから。家にいてくれると安心かな」
「あ、そっか。そうっすね……」
 克斗くんの声ががっかりしたように聞こえた。私の都合のいい錯覚だろうか。
「じゃあ、みんなで買い物行こうか」
 私が提案を直すと、���斗くんは笑顔を上げてうなずいた。その笑みに笑みを返しながら、��待させないで、とわがままなことを思ってしまう。
 買い物に連れていくというと、勇多も光斗くんもすぐ部屋を出てきた。「お菓子買ってくれるの?」とさっそく期待されて、「好きなものを、ひとりひとつずつね」と私が答えると、勇多と光斗くんは「ふたりだから二個だ!」とはしゃいだ。夕食も一緒だと知ると、ふたりはますます喜んで、「じゃあハンバーグ!」「チーズ入った奴!」と騒ぎ立て、結局予定していた献立でなくチーズハンバーグを作ることになった。
「持ちますよ」
 帰り道、遠慮した私を制して、克斗くんは荷物を持ってくれた。自分で持って、けっこう重いのは分かっていたので、「ごめんね」と言うと、「平気です、このくらい」と克斗くんはわずかにはにかみながら咲う。
 その笑みが赤みがかっていて、空が暮れはじめていることに気づいた。橙々色に景色が染め上げられている。薄くたなびく雲が、暮れゆく色を受けて濃く彩られている。
「ばいばーい」
 そんな声に向けると、道端にいた小学生たちが別れて、それぞれ家に向かっていた。仕上がった夕食の匂いがする。カーテンを閉めて電気がつく。肌を撫でて冷ます風は心地よく、でも今日はまだ少し克斗くんといられる、と心がはずんだ。
 克斗くんをちらっと見ると、彼は慌てて視線を少しうつむけた。でも、私が正面や子供たちを向くと、克斗くんの視線は私の軆に触れている。だから、また彼を見て、私は優しく微笑んだ。
 ……いいの。
 もっと見て。まだ触れずに、私を見ていて。
 触れられない距離感で、甘くて深い蜜が満ちていく。私が熟していく。
 克斗くんは恥ずかしそうに微笑み返してきて、私にたやすく触れようとはしない。
 食事中に正行さんが帰ってきたけれど、勇多や光斗くん、克斗くんにはともかく、相変わらず私には冷たかった。何だか、それがどうでもよくて、そんな自分の気持ちは何だか哀しいことだと思った。
 克斗くんとは、相変わらず毎日、夕暮れまで立ち話をする。淡い夕陽の中、彼の声に心が蕩けていく。
 瑞々しく濃い蜜が、私の中に溜まっていく。夫である正行さんがどうでもよくなって、高校生である克斗くんで頭がいっぱいになる。深奥から指先まで、苦しいくらいに、熟れていく。
「咲花さん」
 私は克斗くんを見た。克斗くんは、いつのまにか私を名前で呼んでくれている。私はそのたび、どきどきしてしまう。
「ゆったんには、咲花さんは自慢のママだと思いますから」
 なぜか励ましてくれる克斗くんに、私は弱々しく微笑む。
 違う。そんなことはない。勇多のことはもちろん大切だけど、私はあなたを求めて蜜を肥やす、良くない母親だ。あの子の父親をもう愛していない。あなたに出逢ってしまった。あなたが私を抱いてくれるなんて、ありえないのに──
 優しくしてくれる克斗くんに恋い焦がれているのに、もう優しいことは言わないでとつらくなって、私はつい顔を伏せてしまう。
 次第に、日暮れが早くなってきた。そのぶん、克斗くんが光斗くんを連れて帰るのも早くなる。勇多は寂しそうに「お部屋片づける」と二階に行こうとして、私が「明日も光斗くんと帰ろうね」と声をかけると、黙ってこくりとして二階に行ってしまった。
 私だって寂しい。もっと克斗くんといたいのに。
 そんなことを思っていると、リビングに置いていたスマホが鳴ってはっとした。電話着信。誰だろうと手に取ると、念のため登録していた番号が出ていた。
『彼女さん』
 私は揺らいだ心を抑え、深呼吸した。コールが切れる前に、通話ボタンをタップする。
「もしもし」
 一瞬、息をのむのが聞こえた。しかし、相手はひるんで切ったりしなかった。
『何で別れないの?』
 私が無言でいると、その女の声は正行さんが愛しているのは自分だとか、離婚するって言ってくれてるとか、何とかかんとか、ヒステリー気味にまくしたてた。途中からは、泣き出していた。
 私はため息をつくと、ゆっくり声を発した。
「待っていたからよ」
『っ……えっ?』
「ありがとう」
 私は一方的に電話を切る。今の通話が、録音できていることを確認した。
 夜、私は正行さんに離婚を切り出した。正行さんはわけが分からないように見えた。バカバカしい演技にいらついて、「老けるだけじゃない女がいるんでしょう?」と言うと、「被害妄想もいい加減にしろっ」と正行さんは怒鳴りはじめた。
「いるんでしょう?」
 私は語気を強めた。「仕事で大変なのに、そんなの」と言いながらも、正行さんは目を合わせない。不倫を認めてお金を出すのが嫌なだけだろう。私たちの言い合いに、勇多が部屋で怯えて泣き出し、「話にならない」とうんざりした様子で正行さんはそれをあやしにいった。
 いっそ録音を聞かせてしまいたい。しかし、こらえた。この録音の存在を知られたら、どんな小細工をされるか分からない。冷静に、証拠として弁護士に渡さないと。
 私も勇多の部屋に行った。勇多はまだ泣いている。「弁護士に相談するね。親権は私だと思うから」と言うと、正行さんはまた何か怒鳴った。私はそれは聞かず、「勇多の前で、大きな声を出すのはやめて」と正行さんの肩を遠慮ない力で突き飛ばした。かがんでいた正行さんは尻餅をついて、解放された勇多は「ママ」と私に飛びついてくる。
「ママ、あのね、パパが今──」
「勇多、言うんじゃないっ!」
 勇多がびくんと私の腕の中で小さくなる。私は勇多をかばって、頭を撫でてやりながら正行さんを見つめた。
「あなた、そんな人だったかしら」
 正行さんも私を見た。久しぶりに瞳が重なった気がする。でも、そのあいだには何も残っていなかった。
 それから、日中に弁護士への離婚の相談に出かけて、十五時には勇多と光斗くんを迎えにいく毎日になった。喧嘩の翌日は、勇多は光斗くんに何か相談したのだろう。ふたりの視線が、何だか恐縮していた。「コンビニでおやつ買って帰ろうか」と私が微笑むと、ふたりはやっと少し緊張をほぐして、うなずいてくれた。
 十月のなかばにさしかかっていた。弁護士から、正行さんの会社宛てに、慰謝料と養育費の請求を送った。もちろん「彼女さん」にもだ。夜、初めて正行さんが蒼ざめて平謝りして、土下座までしようとした。私はそれを見届けもせず、「生活できるお金さえくれたらいいから。今までと同じでしょう」と言い捨てた。
 翌日、克斗くんが変わらずに光斗くんを迎えにきた。あの人と離婚するの。そう言っても、この男の子はびっくりするだけだろう。ましてや、だから私を好きなようにして、なんて言えない。
 けれど、ふと会話が途切れて沈黙になったとき、克斗くんは私を見た。その瞳には、はっとする潤みがあった。まさか、と思いながら私は笑みを作る。
「なあに?」
 克斗くんが、拳を握ったのが見えた。合わせて、腕の筋肉も動く。
「何でも……ないっす」
 少し、かすれた声だった。苦しそうな声音だ。私はなおも克斗くんを見つめる。
 ああ、私、この子の何を見ていたのだろう。
 無垢だった黒い瞳は、切なく傷ついている。腕も肩も、筋肉はもっと力強くなっている。渇いた心が、狂おしく求めているせいだ。
 私の、ことを。
 私のことをさらってしまいたいと。
 たっぷり食べて、貪るように味わって、蜜一滴残さず、飲み干してしまいたいと──
 その思った瞬間、軆の奥がじんと疼いて、熱く灯って、脚のあいだが、つたいおちそうなほど濡れたのが分かった。
「……光斗、遅いっすね」
 小さく息をついて、克斗くんはつぶやいた。
「そう、だね」
「ちょっと、呼んできます」
「うん」
「失礼します」
 克斗くんがスニーカーを脱ぐ。こちらを見ない。見間違い? 私のことなんて、見るわけない? そう思ったけど、私はこらえきれずに克斗くんの名前を呼んだ。
 克斗くんは階段の手前で足を止め、振り返ってくる。
 ああ、やっぱり、その飢えた眼。
「まだ、待って」
「えっ?」
「まだなの」
 克斗くんは、ぽかんと私を見た。私も克斗くんを見た。あふれそうな想いに、瞳が潤んで揺れる。
 克斗くんも、すぐ、私の瞳に気づいた。一瞬覗いた、泣き出しそうな顔。それから、克斗くんは私の元に駆け戻ってくる。
 私も一歩踏み出した。伸びてきた克斗くんの腕が、私の腰にまわる。ぐっと引き寄せると、躊躇いなく口づける。
 上手なキスじゃない。もしかしたら、キスは彼には初めてなのかもしれない。それでも、必死に私をあまさず食べる。
 くらくらした。このままここで、抱かれてもいい気さえした。
 でも、ダメだ。そしたら、あの人との離婚がうまくいかなくなるし、高校生である彼に私はまだ触れてはいけない。
 情熱的すぎるほどのキスから唇をちぎり、軆を離して、「まだよ」と私は言った。私の言葉に、克斗くんの息遣いが痙攣する。
「我慢できない」
 初めて訊く、克斗くんの「男」の声。低いけど、まろやかで、私の細胞すべてをそうっと撫でる。
「まだ見ていて」
 克斗くんの瞳を見つめた。どうして、と言われる前に言葉をかぶせた。
「今は、ダメ」
 克斗くんの泣きそうな目が、私の発熱をかきたてる。今すぐ抱かれたい。あなたのすべてが欲しい。ひと思いに、この男の子と結ばれたい。
 でも、まだ、だめ。
「にーちゃん、帰ろーっ」
 光斗くんの声がした。克斗くんははっとして、いつもの少年の顔に戻った。階段を駆け下りてきた光斗くんに、「お、おう」とぎこちなく答えている。
「え、と……じゃあ、失礼しました」
 私はただ微笑む。追いかけてきた勇多が、「また明日ね」と言うと「うんっ」と光斗くんは元気よくうなずく。
 風通しの窓の向こう、茜色の夕暮れが藍色に暮れていく中に、ふたりは帰っていった。
 お願い、分かって。まだ、そのときではないの。そのあいだに、どうかもっと強く、つらく、痛いぐらいに切なくなって。匂い立つほどに、心臓を私にちぎって。
 ドアを閉めたあと、そのドアをじいっと見つめてから、勇多がぽつりとつぶやいた。
「みっちゃんのおにーちゃんが、パパだったらいいのになあ……」
 私は勇多を向き、「そうね」と笑んだ。
「克斗くん、優しいもんね」
「ママに優しいもん。僕にも」
「……うん。ママもそう思うわ」
 風通しの窓から、ゆったりした秋風が流れ込んでくる。その揺蕩うような風は、彼のため息に似ていると思った。
「今日の夕ごはん、何?」
「さんま焼こうかな。塩焼きと蒲焼き、どっちがいい?」
「甘いの」
「蒲焼きね。じゃあ、お部屋片づけておいで」
 返事をした勇多は、二階に上がっていった。私はキッチンに立つ前にトイレに入った。膣の入り口を指先ですくうと、やっぱり粘液がとろりとこぼれている。
 高校生の男の子に片想いなんて、バカみたい。くだらない。はしたない。そう思ってきたけど、私、あなたへの想いをもっとふくよかになるまで育てていいのね。
 夕暮れのあいだは焦らす。夜が来ても一緒にいられるようになったら、あなたに私を預ける。温かな夕映えの中、たっぷり、しっとり、私たちは焦らしあって。暗くなった部屋のシーツのあいだで、ついにお互いを喉を鳴らして喰らう。
 熟した想いが、まるであふれるように水滴を伝わせる。彼に私の中に来てほしい。その疼きを穏やかに包んであげたい。
 トイレを出て、洗面台で手をしっかり洗ってから、キッチンに立った。冷蔵庫から食材を選んでいると、「ママ」と一階に戻ってきた勇多が言った。
「今日、お月様がきらきらだよ」
 キッチンの窓から月を見た。まろやかに光が満ちて、完熟した果実のような月。私は彼と迎える夜を想い、目の奥がめまいに溶けてしまいそうに感じた。
 FIN
【SPECIAL THANKS】 メロウ/杉野淳子 『成長痛』収録
4 notes · View notes
blue-aotan · 2 months
Text
ハロー(´ー∀ー`)2024.4.7
前期ドラマで完走できたのは「グレイトギフト」だけでした。このドラマ面白かったんだけど、途中「?💢😡」ってなった部分もあったし最終回がかなりしょぼかったですよね←
色々とあり得なかった笑
殺人未遂の医師に手術させたり←
あのアルカナムの人達何で逮捕されないの?とか←
私がね一番イラっとしたのは、藤巻先生の嫁と娘だよね←
ドラマ1話目から藤巻先生に対するあの態度は何かあるのだと思ったら、ただ旦那が自分の気持ちを察してくれないみたいな(嫁の話散々聞いてこなかった結果なんだろうけど)それですれ違ってめっちゃ冷たい態度とってたんだけど、その間に他に男作って(しかも藤巻先生の同僚)入院してる病院で旦那もいるのに不倫相手とイチャイチャしてるのめっっっっちゃムカついた←
しかも娘はそういう母親を庇って「お父さんがそんなだからお母さんが可哀想!」みたいな不倫したのは父親がわかってあげようとしなかったせいだからこんな結果になっても仕方ないでしょ!みたいな圧かけてきて不倫を正当化してるようでかなり腹立たしかったんですよね←
父親が母親を蔑ろにする=不倫していい
とは私は思わないし、それとこれは別問題だろって思う。そこずるくね?ってなる。
離婚してから男作れよ。
ほんで娘も娘よな!父親ばかりが悪いみたいな言い方するなよ。父親に女の影があるならまだしも、そうじゃないなら中立であれ。
そこが本当に許せなくてイラついたよね←
寂しいからって他の男に走る女本当嫌い←
1人で耐えてみろって思う←
寂しいとか殆ど気のせいな感情だぞ←
(※個人的な意見です
ということで新ドラマもちらっと調べてみましたが毎回恒例気になるものを1話だけ見てみます。
ようやく‼︎‼︎スーパーナチュラルシーズン5に突入しました😂
(まだ見とったんかい←
このウィンチェスター兄弟さ、ここに至るまで弟のサムが悪魔の血飲んでサイキックパワーで悪魔を地獄送りにしたり←
兄のディーンなんか2回くらい死んで生き返ってんのよね←
(サムも一回死んだ
身内が死ぬと悪魔を呼び出す儀式をして自分の命と引き換えに生き返らせようとするのよね😂すごいチートだよね←
サムがさルビーって悪魔にずーっとくっついて行動したりディーンはサムがわかってくれないことにイライラして衝突したりシーズン4くらいが本当イライラしかなかった…
2人が険悪になるのは見てても辛いよね。
そんで結局このルビーに騙されたサムがルシファーを封印から解き放ってしまったのよね。バカなの!?😡
ってなると思います←
大体から悪魔のメグにもヨロっとなってたしこの兄弟本当色香に弱いよね←
何が1番イライラするかって、お決まり事のように女性との情事があるのがイラッとする←
この兄弟がモテるのは分かる。
そしてディーンが女好きなのも分かる。
でも潔癖の私からすると2人ともただの節操なし男にしか見えなくて残念すぎる←
女遊び=ステータスみたいなそんな感じかお国柄かよくわからんけど、悪魔とやったり天使とやったりはいらんのよ←
そんなこんなで2人の父親代わりみたいなボビーが本当大活躍なんだけど、2人を守る為に車椅子生活になっちゃってそこの兄弟とのやりとりは涙涙でしたねぇ😢
引き続きゆっくりと視聴続けていきます🫡
ここまでで文句しか言ってないけど←
まだまだ続くよ文句(´ー∀ー`)ただの文句おばさん
金ローでついに来ましたね!「すずめの戸締まり」
新海誠さん好きだったけど、もうそれも過去形になりつつあります。
天気の子で(ん???)となった疑問を拭うことはできませんでした。
録画で観終わった後、もう観ることはないなとすぐに消しましたよね←
私が??となった点を箇条書きにすると
・主人公のすずめがとにかくうるさい
・ソウタさんソウタさんうるさい
・顔で好きになって大暴走し周りに迷惑をかけているのに感謝もない
・とにかく自己中
・終盤はすずめとソウタ2人だけが自分達の世界に悦に入っていて全く応援できない
・自己愛だらけの2人の恋愛はまさに現代っぽい
・後ろ戸ってなに?
・ダイジンは結局何がしたかったん?
・ダイジンの最後のセリフ「すずめの子になれなかった」の意味不明さ
・周りの人がとにかくいい人すぎて主人公の努力による結果ではない
・他力本願で目的を達成されても何の感動もない
けちょんけちょん←(この映画好きな人本当にごめんやで)
細田守さんに続き新海誠さんも卒業の時がやってまいりました。
君の名はが有名になりすぎたんですね。
マイナーなままの方が良かったのかもしれません。
(何様
楽曲もさーずっと同じ人やん。
私の姉が言っとりましたわ
癒着なんか?冷めるわ←
私も全く同じ気持ちでしたさすが姉妹だね👭
話変わりまして「NARUTO」をようやく読み終えました。
終盤は悪い人がいい人に変わったりを繰り返し、かなりお腹いっぱいな展開でしたが平和なストーリーで安心して読めました。
ナ���トの強い意志に何度も泣いたし、ナルトがいたからサスケは救われたし、私としてはガイ先生のところがめちゃくちゃ泣けました。
やっぱり努力の人だよね!応援したくなるしその人が報われたら読んでる私も報われるんだ!って思いながらその頑張りを見届けたいと思いましたよね。
あとサクラね。恋から愛に変わるまで本当に一途に頑張って貫いて、傷つきながらも自分の努力も怠らずに素晴らしい忍に成長して立派だなと思いました。
サクラならサスケよりももっと素敵な人がいただろうに←
(だから何様
ただ自来也とネジが死んだことがショックだったよね。
ちよばあのところも泣いたし、我愛羅の成長にも涙だよね。
見所がありすぎて←
イタチもかっこいいしチョウジ強いしシカマルは頼りになるし。
色んな想いが詰め込まれたストーリーで本当に面白かった。
次は何を読み返そうかなぁ
3 notes · View notes
hirowrite-o0 · 3 months
Text
東北のある地域に伝わる儀式
執筆者: 河合 曽良
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うちの地域に伝わる"ある伝統行事"を世に広めてほしい。
そう頼まれたのは、一昨日の明朝でした。
その日はたまたま大きな町に立ち寄ったということもあり、採った宿も比較的豪勢で、夕餉をいただいた合同の宴会場もとても賑やかなものでした。
一度も顔を合わせたことのない者同士でも肩を組み合い、大声で笑い合って、浴びるように酒を飲んでは給仕を口説いたり踊ったりして、また飲んで。
ジジイも久しぶりに熱燗を嗜み、気を良くして絡んで来やがるのがウザかったことをよく覚えています。
そんな騒がしい酒の席も夜が更ければやがて鎮まり、そろそろ太陽が顔を出すのではないか。そんな時でした。
「失礼。貴方のお隣の翁は、もしやかの高名な俳聖松尾芭蕉殿ではございませんか」
声をかけてきたのは、三十路前後の青年でした。
「高名とは滅相もないですよこんなジジイ」
「いやいや、そんな。…けどご本人様、なのですよね?」
「ええ、まあ。」
「そうでしたか! …それは光栄だ。私人の手を借りたい事柄を抱えているものですから、もし俳聖のお力をお借りできるのであれば、是非ともと思いまして」
「芭蕉さんの、ですか?」
聞き返すと、妙な光の宿る目で彼は頷きました。
それから話半分で詳細を聞いてみると、「うちの地域に伝わる"ある伝統行事"を世に広めてほしい」とのことでした
何でも彼の地元の地域には 一風変わった風習があるらしく、それは伝統行事や祭りごとというよりも、"儀式"に近いものなのだそうです。
つまるところその"儀式"の様子を、芭蕉さんが俳句にして詠み、世に発表することで存在を知らしめてほしいのだと、。
そういった説明をされました。
…なるほど、これは面白いかもしれません
だって年中スランプなジジイにとって良い刺激になるかもしれないじゃないですか。
どんな風習かは分かりませんが、当事者である彼自身が「変わってる」と表現するくらいですから、きっと珍しい行為が行われているのでしょうし
それについて芭蕉さんがどんな反応を見せるのかも、気になるじゃないですか?
この手の言い回しをするだなんて、きっと"因習"の可能性高いですよ。
…ということで、引き請けることにしたんです。
芭蕉さんには夜が明けてから事の経緯を説明しました。酒にめっぽう強い芭蕉さんはやはりケロッと目を覚まして、すぐに快諾してくれました。(最初 めんどくさがってたんで試しに一発パンチしてみたら言うことを聞きました)
出発は巳の刻直前。件の彼の案内で、該当地域まで移動しました。
町から然程遠くはなく、一刻程歩くと到着したくらいでしょうか。
その地域に入ると、彼は僕たちを自宅に招いてくださいまして。唐代の宮殿さながらの 荘厳で広大な邸宅に、芭蕉さんは大はしゃぎ…
恐らく地域一帯を治める地主か、領主の家系なんでしょうね。
彼はその家の次男らしく、僕たちはひとけのない小さな倉へと案内されました。
そこで、こんなものを見せられました。
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※写しについて承諾済
それは粘土を固めたような、土臭いお面でした。
最初に倉に入った時、これには白い布が被せられていて、布を剥ぐ前には 「決して面と目を合わせないでください」とも言われまして。それもかなり念入りにね(芭蕉さんとんでもなくビビってました)
これを承諾すると布が剥がされ、彼は"儀式"について説明してくださいました。
"儀式"の詳細は、以下にまとめさせていただきます。
◆この地域に伝わる"儀式"について
儀式の名称・・・ 降来 (コウレイ)[kou-lei]
概要・・・ 一般的な葬祭(葬儀や供養等)はせず、その
代わりに行う。死者が無事冥府へと辿り
着けるよう、その迎えの者を呼び出す儀
式だとか
時期・・・ 身内の死去後すぐ
用いる道具・・・ ◼️◼️◼️◼️◼️(面の名前)、懐刀
◆儀式の流れ
(一) 身内が亡くなったら、湯灌して奥座敷に三日安置する。下一枚目間取図参照。この間に諸々の準備をする。関係者への声がけや、会場の設営など。下二枚目簡易図参照。
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(二) 翌明朝、正面から見て鳥居の右側に遺体を置き、左側に喪主が立つ。喪主は左前にした束帯を着用し、◼️◼️◼️◼️◼️を被る。懐刀は左手に持っておく。
(三) 日の出を合図に舞を舞う。(懐刀で地を切り開くような所作が主になって���るとのこと)
(四) 舞が終わったら、目の前の鳥居をくぐり遺体と目を合わせながら「○○さん(亡くなった方の下の名前)、来ましたよ」と呼びかける。
(五) ここで遺体の顔が微笑んでいれば儀式は成功。しかし微笑む以外の表情をしていた場合は失敗と見做され、鳥居の左側に戻った瞬間 喪主は斬首される。(その首は七日間の間境内に捧げられる)
尚、儀式の最中は決して◼️◼️◼️◼️◼️と目を合わせてはいけない。遺族や参列者だけがという訳ではなく、たまたま通りかかっただけの人間もNG(肉眼で確認できる距離であればどれほど遠巻きでもダメだそうです)
もし目が合えば、その者は降来(コウレイ)している者に連れていかれるという。
儀式については、以上となります。
確かに、大分変わった印象を受けました。変わったというより、恐ろしいと表現した方が適切かもしれません。
芭蕉さんなんて途中から悲鳴をあげる余裕もなく、凝視するように開いた瞳孔と強張った表情で彼の話を聞いていました。
「成程。儀式については分かりました。………しかし今も◼️◼️◼️◼️◼️と目を合わせてはいけない理由は何ですか? 儀式の最中ではありませんよね。」
「はい。…ですが儀式でない時に目が合うと、その者は喪主になってしまうんです」
「喪主に…ですか?」
「えっ。それってどういうこと……?」
「そのままの意味です。ふつう喪主は亡くなられた方の一番近しい等身者、つまり親であれば子、子であれば親、親が居ない場合は長男か弟………などが該当しますよね。けれどうちの地域では、人が亡くなるとその方との"縁"が深い親族が集まり皆で◼️◼️◼️◼️◼️を見つめるんです。そしてその中で目が合ったたった一人を、喪主とするんですよ。けれど時たま、本当にごく稀にですが、複数人と目が合うことがあるんです。二人の時もあれば、十人の時もあったそうです。それは一斉に喪主を決める行為の前後でうっかり◼️◼️◼️◼️◼️を見てしまった場合も、例外ではありません。親族ではない者だったとしても、喪主にさせられてしまいます。まあその場合は、順番に◼️◼️◼️◼️◼️を被って舞うんですが………とにかく誰かが亡くなって、儀式が始まるまでの間が期限なんです」
「そんな………じゃあ私ももし目が合ったらさ、喪主になっちゃうってこと? で儀式失敗したら殺されちゃうってこと…?!」
「そうなりますねバカジジイ」
「ひっ………」
芭蕉さんの情けない声は相変わらず滑稽でした。
して聞くところによると、不遇なことに今度の喪主は彼自身なのだそうです。
だから儀式が成功しようと失敗しようと、この儀式の様子を詠み世間に向けて表沙汰にしてほしいのだと。
壊してください。
そう懇願しておりました。
………………え? 芭蕉さんの答え……?
勿論ノーですよ。
「嫌だよ怖いよ!」の一点張りで一向に話が進まなかったので、また一発いかせてもらいました。(しぶとかったのでもう二、三発追加させていただいたことはざらですが。)
この日は怖くて眠れなかったらしいです。
いい気味だ
『東北のある地域に伝わる儀式_続』へ続く
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pureegrosburst04 · 3 months
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〜ある意味で闇堕ちの気配〜
ヴァストローデ女子「女の子に瞬殺されたんだってww」 ヴァストローデ女子B「結局可愛いは正義。レディには敵わないって事よwww」
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2人???「………チッ」
廃墟の壁を拳で🤛打ち付ける金持ち
富豪05「ちくしょうちくしょう!違う…違う❗️❗️純粋硬派柱はこんなもんじゃない‼️そうだよなあ、なあ⁉️❗️」メンチース09「もうアチシ達の時代は終わったんよ。こんなぜーたくな悩み拗らせるなら我等が秘伝と思う本家を継いでいきましょうや……」富豪05「俺達は”””あいつ”””の正体が誰なのかも知れねえんだぞ」メンチース09「アチシはもう何も信じられんわ。今でぃ、耳を澄ましてみなっせ」富豪05「??ああ…」 純粋硬派柱の正統後継者はB(バグ)の女の子だってさ〜初代の裏ストボスの霧島04が貴女には敵いません(>_<)と(黄金の真実)���土下座して手続き取ったってww」男子高校生「ツンツンしたクールビューティが好みとか、やっぱカッコ良くてもオタクだよなww」
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ガンケ「なあ…これみろよ、」マイルズモラレス「本物のサイコパスだ」ガンケ「産まれた時点で性病が35種類ある。まず涙に触れるだけでヤバい。ひょっとしたらこの世には存在しない空気感染もあるかも…」
気を落としながら歩く2人とマイルズは出会った 富豪05「ガッカリだ❗️」マイルズ「どうしたの?😉(まさか…ともちんに性病が発症……僕の血液を渡して済むのか?)」メンチース09「霧島04に生きてて欲しかったんよ 本当の事を聞きたいんよ」富豪05「トップの座だけは計算に入れてほしくなかった」涙をこぼす2人
マイルズ「君たちはさ、お馬鹿なんだね😌。日本人🇯🇵もちゃんと優しいんだね人種なんて関係ない(あんなに冷酷な悲劇の始まりで本物の純粋硬派柱を、しかもおぞましい化け物で檻の中で死ぬべきだった絶対悪の頂点に情けをかけるなんて、これならともちんに対する誤解が勝手に解ける やっぱり黙ってようw)」富豪05「ああ、馬鹿だよ(女王アリだの女王バチだの、何も変わってない。善良な人が強いんだ、所詮”””アイツ(ラスボス)”””も女の子が好きだったんだよ……)」マイルズ「は?なんか心の声が聞こえるんだけど(混乱&錯乱)」メンチース09「天才は理解されない、もうアチシが頂点に立ったんよ(黄金の真実)」マイルズ「え?(恐怖)」
〜数分後〜
マイルズ「(ぷーくすくすくすwww)、そ、、それで(笑いを必死に堪えている)、新たなる純粋硬派柱ランキング1位の””””B(バグ)ちゃん””””を崇拝するんだね?🤭」富豪05「時代は昆虫さ。蜘蛛がそうだろ?www」
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マイルズ「そそそ、そうだね。、(思い出し笑いで腹筋が死にかけている) 凄いよ君達。メタボマッチョ関係なく比率で殺すのは最高だ、。」メンチース09「そう、殺す肉の価値は絶対悪の前では平等なんよ」
マイルズモラレス「なら選択肢は決まってるねえ、なんたるシェイクアップ!(ダメだ……僕はもう爆笑してしまう。) じゃあね❗️うんちしたい❗️(大声)❗️」道行く人「何あの人キモ」
〜過去 ある別次元〜
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ペニーワイズ様から知恵の実を貰って食べたゴールドバズーは自殺する準備をしていた。悪夢から目を覚まして全てを悟った 一緒に独占して盗んで食べた総勢500万人は仲間達は”””純粋硬派柱PureEgrosburst04 霧島狩魔(15歳)”””の登場と共に、自分の睾丸を手で壊れた笑いをしながらちぎり取って焼けこげた鉄板の上に乗せて燃えろ汚物燃えろ汚物と唱えて自分の顔が潰れてギリギリ動けなくなるまで全力で殴ってから額から土下座しながら炙って死んだ だって、そっちの方がマシだったから(赤き真実)
富豪05「あなたは神だ、この過去をずっと待ってた」感動の涙をポロポロ溢す金持ちと メンチース09「パトロン、アンタだけは裏切らない。裏切ったバカはアチシの方ですた 神の歴史は永遠だったんよ」どんな酒に溺れて莫大な麻薬に手を出した快楽を超えた笑顔
???(15歳)「ははは。なあ相棒俺の名前が組織のタイトルなんだってさw」???(15歳)「何が純粋硬派柱だよ無価値なゴミ共 くだらねえ」
???(中ボス)「偽物の宝石💎なんて人糞製造機より生きる価値がねえんだからさぁ(真顔)」
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〜数日後〜
マイルズ「こんにちは😃、遊びにきたよ」彼🕷️はやってきてくれた希望
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御茶ヶ滝「シェイク🥤シェイク😊」超電波油「シェイク🍶シェイク😎」アイエフ「こら!良い子にしなさい油💢」御茶ヶ滝「ハーイ٩(^‿^)۶💙」アイエフ「アンタも茶化さない💢 水と油はこんな時こそ反発しなさいよね⁉️」防聖孤島「(そりゃあアイエフさんは俺の物だよ、💙相棒🧡にも譲らねえ🔥)」マイルズモラレス「あははははあははははWWWW」
〜現在〜
超電波油「ともちんの柿の葉寿司をあの大妖怪さん、気に入ってくれたみたいだ」
マイルズ「またお客さん?」御茶ヶ滝「ちょっとね、」ガチャッ 麒麟丸「俺の時代では味わえない美味だったぞ」
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麒麟丸「⇧実はこれ、相当焦っている証拠だ。””””アイエフ(真主人公)””””に殺された(しかも赤き究極の真実を敢えて使わない程の余裕が生む悩みがあった)事で次元に関わる序盤から勇者殺しの負けイベントのみをブチかますコスト含めて常に使える最強の切り札であり、敵を選び一方的に利益を出せるオチャオチャの能力者”””霧島04(裏ストボス)”””を失ったのは決定的な痛手でしかない もうこれからの二次創造世界で続く未来編第一部以降の未来はポップな雰囲気から変わる事はないだろう SS(サディストサイレン)の裏国家は今の所合計で約10人いれば多い方(みなレイドボスで一枚岩ではない)で、対するB(バグ)の家族達は約2509億人(パーティメンバーとしてならHokutoレベルで最強)。そこから総合して導き出された戦力差は約12億5450万倍(この数字の数だけ喉元に鋭い牙が届くと考えていい)、
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しかもTG(トゥルーグランド)の頂点達が絶対悪の味方になるとは俺には到底思えん。鬼門はもう終わっていると見て間違いない。民を導く将として唯一無二を誇る俺の強敵(友)は護ったんだよ “”””誰も勝てない ラオウには(赤き究極の真実””””)」防聖孤島「一つ聞いていいか?」麒麟丸「なんだ?」防聖孤島「選ばれし者として連れて来られた俺達は何だったんだろう?🫨」
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麒麟丸「お前達は守護女神を喜ばせるためのマスコットなんだろう。{{{{{色恋の話題にされない生け贄としての為だけ}}}}}に水と油を手に入れた当事者のアイエフは見事に騙されているが……
正体を知るほどあの下衆でクズで濃汚い表版仮想大鉱山ですら性欲があってくれ色恋に堕ちてくれツンデレに目覚めて下さいかりちゅまが真っ赤な大嘘なんて嫌だと暗黒殺人卿に絶望の涙を流しながら許しを乞い懺悔する”””🏴‍☠️霧島04(裏ストボス)☠️”””みたいにはいかん
あの女共専用の立派に育った甘くておいしい会話ネタの果実🍒がどれだけ力を付けようと、寧ろ必ず食い物にされて終わりだ😳(👇未来)」
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防聖孤島「泡わわわわ(・・;🫧)何するの⁉️俺は第二のレッドピラミッドシングなんだよ(●🍒 ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」周りの女神達「うわ〜なんか言ってる…くすくす…ニヤニヤ…」👈(未来😳by麒麟丸)」
防聖孤島「あの人………そんな…そんな理由で、俺達を異世界に連れてきたのか(そして相棒の正体。ベールさんは倒せない、詰んだ🥶)」ガチャ。 ダンスを踊っているマイルズ「おかえり。一緒に踊ろう😊」防聖孤島「旅に出ます」マイルズ「(全部聴こえてきてた、ご愁傷様)……そ、そうなんだ。」防聖孤島「女性から逃げます」マイルズ「(その思考がもう霧島04と違ってダメなんだよ…)」
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tanashin · 11 months
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その夜 
ミカと会うのは何年ぶりか。
初めて会ったのは新宿のキャバクラでまだ大学生だった。ある日ライブハウスで見かけて何度かメシに行き撮影した。よく食べとにかくいろんなことに悪態つきながらタバコをふかす姿がかわいかった。就職したあとは会うことはなく、何度か転職して最近は小さな広告代理店に就いていることはSNSで知っていた。近所に引っ越してきたとメッセージをもらい会うことになった。
サウナに4回入って向かった。予約してもらったのはサバ専門の居酒屋。初めて来たがとても良い雰囲気。老夫婦で切り盛りしていてカウンターは常連ばかりで座敷がありテレビがあってこれでタバコが吸えれば100点なんだけどなーと。。遅れるとのことで、何品か注文し先に瓶ビールをもらう。冷えてなかったが半分くらい飲んで緑茶ハイをすぐに注文した。刺し盛りの真っ赤なマグロが不味そうでよかった。刺身は醤油をなめる為の口実。残りのビールで流しこみテレビを見ていると、ミカが入ってきた。「常連さんみたいやん、ひさしぶり」濡れ髪とタイトなワンピースのミカは年頃の大人の女性になっていた。若い時の見定めするような無意識なイヤな視線はなく、フランクによく笑っていた。でも嘘っぽくはないけど、壁を感じた。社会性を身につけたということか。
仕事や音楽やオードリーの話しをした。今日の飲み会をそれはデートやんと心配した友達のミュージシャンが同席していい感じにプレゼンしようかと真顔で聞いてきたのを思い出し笑いした。楽しい夜です、大丈夫と心の中でつぶやく。
恋はどうなの?と聞くと上司と不倫していると。とても相性がいいだとか、将来2人で新しいプロダクションを起業する予定だとか、楽しく話す姿がかわいかった。恋してるときは綺麗になるよなーとぼんやり。とじじいになったなーと。サバのいろんな料理をたくさん食べ普段飲まない日本酒をあおり2人ともおおいに酔っ払った。2軒目は立ち飲み屋に行き、バツ3の中年カップルに絡まれて面白かった。ゲーセンのお菓子のクレーンゲームでチョコが結構な数取れてとても喜んでいた。チョコは小さくて固くて味がしなかった。コンビニでアイスを買い近所を散歩することに。甲州街道をふらふら。店はほとんど閉まっていたけど、明かりがついてる誰もいない小さい雑貨屋を外からのぞいたりした。なんかこういう映画観たなと、自分がジジイなの忘れてドキドキした。
信号待ちの間、今日はそいつに会わないのか?と聞く。一瞬間が空き「今日は会えない。休日だから。会うのは平日の終わったあとだけ。家族に残業と言い訳出来るから」迂闊だった。。バツが悪く、ひさしぶり撮ろうかと誘う。ガソリンスタンドとコンビニを挟んだ縁石に座ってもらう。なにやら口ずさんでるので尋ねると「ランタンパレードの甲州街道の歌。学生の頃好きだったなー」と笑う。オレンジの街灯、行き交う車のライトに照らされるタイミングでシャッターを押す。たびに表情が変わっていき泣き出した。「あれ、どんなメロディーだっけ。歌詞も思い出せない。毎日聞いてたのに。。」止まらない涙。過ぎていく大型トラックの風が髪を揺らす。飲み過ぎたな、あとずっと泣けてなかったんだろうなーと思った。タバコに火をつけて落ち着くのを待つ。居酒屋に入ってきたときの違和感は、どうにかやりくりするためのキャラだったんだろうなーとぼんやり。撮りたいがやめておく。コンビニで水とポカリを買いにいく。戻ると苦しそう。過呼吸か、と落ち着かせようと深呼吸を促したり水を飲ませるが悪化してきて手が震えて硬直してきた。救急車を呼び待ってるあいだ意識朦朧とごめんなさいごめんなさいと、つぶやくミカ。救急車に乗るとだいぶ落ち着き、病室に入るころには意識もしっかりしていた。さっきよりもはっきりした声でごめんなさいと言ったが泣き続けていた。
待合室で待つことに。肩はじぶんの汗か彼女の涙かで濡れていた。ランタンパレードをYouTubeで聞いた。雑に言うなら、男が夏の甲州街道で職質された、だけの歌だった。短い歌詞と良いメロディー、リスナーは語りやすいだろう。この余白は無責任で空っぽだと、だからミカにメロディーや歌詞も残せないんだ、と思った。我にかえる。八つ当たり。いい曲。
看護師さんから案内されると、点滴しながら横たわっていた。眠りながらまだ泣いているようだ。先生から説明を受ける。点滴が終わって落ち着いたら帰っていいとのこと。はだけたタオルケットを戻して待合室で時間をつぶす。ずっと昔の恋人が過呼吸になったことを思い出していた。離れたり引っ付いたりを何回も繰り返していて、友達がセッティングした仲直り飲み会に行き、2人で公園で話した。離れている間の風景のスナップ写真を見せながら話した。それでも仲直り出来ずもういいやって持ってきた写真を公園向こうの川に投げ捨てると彼女は過呼吸になった。初めてで手に負えず慌てて友達を呼んだ。いつだって自分自身に大いに問題があるが、自殺したり出ていかれたり何回も離れていった、写真では繋げない紡げないことを繰り返せばいいんだろうと、頭抱えた。空しい、でも写真しかないからしがみつく。
iPhoneを出すとランタンパレードの続きでくるりの奇跡のライブ動画をぼんやり見始めた。歌詞が刺さるとかどうのこうのじゃなく、とんでもないライブだった。フィッシュマンズの男達の別れや中村佳穂のそのいのち、の時のような、空間が歪んで光り続けるライブ。気付いたら泣いていた。
点滴が終わりミカがきた。「あー生理前で酔ったのかなーごめんね。」薬をもらい外に出ると明るくなっていた。病院の脇から差し込む逆光のシルエットが心底美しく思わずカメラを出す。「泣きすぎて顔が腫れてるから見ないで」って言う。のでカメラをしまう。代わりにカバンに入っていた無印の日焼け止めスプレーを渡す。受け取ると一振り二振りして投げ返してきた。「帰るね。またね。」と歩道橋をかけていった。もう会わないかもしれないなーと、なんとなく思った。
ランタンパレードの歌詞の中で
潤すために 乾かしたかのような僕の喉が
できれば夜明けから 夜更けまでを
見届けたいのだけれど 僕は
見届けたいのだけれど 僕は
と歌っていた。
オレは夜更けを見届けたから勝った。ってことじゃないな。。にしても暑い。このまま今日もサウナに行くことにした。
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aminagumo · 4 months
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february 23, 2024
歌舞伎町一番街のアーチの前で幼い子連れの家族(海外からの観光客らしい)が自撮りをしている。私はその真横にあるセブンATMで友人がお金を下ろすのを、もうひとりの友人と待っていた。子連れ家族は5、6人の大所帯だったので自撮りするのがかなり大変そうに見えた。思わず隣にいる友人に「撮ってあげようかな」と呟いた途端、撮影終了。出る幕なし。
街の中へ進んでいくと、ホストクラブの在籍ホストの大きな顔写真看板が何枚も発光しながらタイルのように並んでいる。前を通りながら、ひとりひとりに添えられた二行くらいの文章を読む。「二億一千万」とか、「億の子」とか。軽蔑や嘲笑などではなくただ、商品なんだな、と静かに思う。右耳の方で、「ありがとねー。」と親しげに客を送り出す若い男性の声が聞こえる。
人気の少ない路地に入って私は、色んな世界があるんだな、とぽつんと呟いていた。その姿を、誰かを見るときのように自分の外側から見ていた。
目的地だった路地裏の中華料理屋に入る。久しぶりの麦酒に酔っ払って店を出て、プリ機を探し歩いているとトー横に着く。地面にはゴミが散乱していて、しゃがみ込んでいる人やプラカードを持って立っている人がたくさんいる。アウトサイダー、という単語が自然と浮かぶ。私自身アウトサイダーだとずっと思っていたけれど。この人たちの居場所はここなのだと真っ直ぐ感じ入る私はどうしたってここでは薄情なんだね。
何軒も回ってようやくプリクラコーナーがあるゲームセンターを見つける。エレベーターでそのフロアに上がる。着いてみると、ハート型の女優鏡が何枚かあってその全ての前に女の子たちが座っていた。何故だか見ていられないような気分だった。何年ぶりかのプリクラは高校生の頃を思い出して楽しかった。
またエレベーターで一階まで下りる。出入口付近のクレーンゲームに目を惹かれるけれど通り過ぎて外に出る。寒くない。
お酒の気分じゃないし場所を移してお茶でもしようか、とまたアーチの方へ戻る。
道中。あるビルの三階は一面硝子張りになっていて、通りから見上げるとミニスカートを履いた女の子たちのお尻が目に入る。何も思わない。というより色々な思考が混ざって、感情が相殺されているような感覚。こういう光景に出会うたび、いつもそんな状態になる。大変な仕事。
それから、風俗案内所の暖簾を久しぶりに見て高崎を思い出した。風俗案内所の暖簾で思い出される高崎。中央銀座通り。白馬車にまた行きたいけど、今もやってるかな。ライブハウスの帰りとか、深夜急にお茶したくなったときに重宝していた。故郷がある、というのは幸せなのだなと最近よく思う。
姪っ子とお揃いで、父に煙犬のぬいぐるみを買ってもらったことを今ふと思い出した。
取り返しがつけられることを後ろめたく思うときもある。そんなことばかりかもしれない。
報われるなんて思わないけど、手を伸ばした事実が残るように?
今朝、駅前のベンチにいつもいるホームレスのおじさんが傘をさしながらごはんを食べていたのも急に思い出した。
歌舞伎町の中華料理屋に続く細い路地で、私の足音に驚いてネズミが逃げていったのも。
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manganjiiji · 4 months
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いつかはぜんぶ幻みたいに思えても
タイトルはSwitchの曲「オモイノカケラ」より。昨日友人と会った際に彼女がこの歌を口ずさんでいて、ああ、この曲も大好きだったなと思い出した。Switchの曲はどれも良すぎる。なんでSwitchはここまで曲に恵まれているのか?恐ろしいほどだ。たんに私の好みに合っているだけかもしれないが。キャラクターのパンチがそこまでではない(いわゆる正統派美形ではない、搦手の3人)ため、曲は厚遇されているのか?などと思ってしまった。そのあたりのバランスはありそうだが、まあわからないことを考えても意味がない。そしてオモイノカケラを叩いていて思ったのだが、宙の顔のモデリングがえぐいほど良いということだ。夏目もいいのだが、あんスタの3Dはやはり小さな子供の顔が基調だと思うので、ということを差し引いても宙の顔のパーツ配置や輪郭が黄金比すぎる。夏目も童顔なのでいい感じだが、追加ユニットゆえのモデリング改良を受けているのだろうか。つむぎは成人男性のため、他のキャラと同じくややアンバランスだが、とにかく宙の顔の美しさが群を抜いている。どの角度から映されてもあまり現実の比率と齟齬がない。Rabbitsには感じたことがない感覚なので、やはりモデリング技術のなんらかの向上があるのか、宙だけ異様にうまくできてしまったのか…とまた考えても答えのないことを考えている(もしかしたらどこかのインタビューに答えがあるのかもしれないが)。そうなるとmusicで追加されたALKALOID、CrazyBの面々のモデリングもかなり改良されていそうなものだが、こちらには童顔(小柄)キャラがいない。一彩、藍良、こはく辺りはやや童顔系だが、宙ほど幼くはないので、やはりいつものやや幼さのある謎のバランスの悪さが発揮されている。成人男性モデル組はそもそも変。私は変だと思っているが、これがあんスタのモデリングなので別にいいと思う。顔も体も、なぜか立ち絵よりも幼く作られているのは、どんなコンセプトがあるのかいつか知りたいところである。というか、アイマスからの「少女型」モデリングをそのまま継承しているイメージでもある。これはモデリングをする人の手癖とかもあるのかもしれない。
SPECTATORS vol.52のアメリカ保守リベラルの年代まとめを終えた。1929年のウォール街大暴落までは、自由奔放な野蛮な(素朴な)アメリカ、その後ルーズベルトのニューディール政策により「大きな政府」=リベラルの時代が約40年続く。1980年代になり、ベトナム戦争の敗北や全体的な生産力の低下、アメリカ内部の分裂が深刻になり、「古き良きアメリカ」への懐古と、いきすぎたリベラルへの反動で、レーガンの「小さな政府」へ。ここから現在にいたる約40年間が保守の時代。こうしてまとめると、いろいろと見えてくるものがある。つまり、私が生まれた時代というのは強烈なアメリカ保守への揺り戻しの時代で、まさに自由市場主義が推し進められた、それも過剰に推し進められた「小さな政府」の時代だった。そして、失われた30年間とかなんとか、日本では言われるようになる。が、アメリカでは依然保守が強いので、日本の政党もかなり右傾化したままここに至っている。日本では経済成長が終わり、デフレ真っ逆さまのなか、「小さな政府」路線からなかなか脱却できず、福祉や公助で人々を救うのが遅れに遅れ、その間も自由市場主義によって格差はどんどん拡大した。これが私が生きてきた35年ほどの日本の状況だったように思う。この最悪な状況のなかで、確かに精神を病む大人(親)は多かったし、その煽りを受けて家庭内虐待が大量発生し、私たちの世代(子)もかなりの割合で、若い(子供の)うちから精神疾患を発症している。おそろしい時代だと思う。これから、格差拡大により増加した貧困層にいかに税金を割いていくか、を考えなければならないのに、日本は高齢者への福祉にかなり足を取られている。この状況はあと20年ほどは続くだろう。若い人たちは限られた自分たちに使える税金をいかに分配するか、工夫しなければならない。こんな状況で被虐待児や元被虐待児に支援を、と言っても、とてもそんなところまで手が回らないと言われるのはすごくよくわかる。とくに虐待なんて、誰もが関わりたくないトピックだ。それは、「虐待者が悪い」と言ったときに、その虐待者が権力者であった場合、指摘した側、子供を助けようとする側の立場が悪くなるから。しかし、被虐待者である子供の側には、何の権力の後ろ盾もない。親と子が争った場合、ふつうに負けるのは子供の方である。そして虐待死に至るか、虐待を耐え続け逃げ延びても、その先で精神疾患になり自殺する。または自殺と常に隣り合わせで地獄を生きていくことになる。それでも、そんなことはどうでもいいとばかりに、児相は動いてくれない。これがなぜなのか私には全然わからない。児相がふつうに仕事をしてくれたら、虐待の被害はもう少し減るだろうし、こんなに民間で自助しなければならない構造は変わるだろう。児相が機能していない背景には、やはり、親権規定の強力さがあると思う。親権規定がある限り、児相がいくら子供を助けたいと思っても、親から子供を引き離すことはできない。親の虐待が検挙されるか、親がyesと言わなければ、子供を施設で保護することはできない。加えて施設も里親の数も足りない。日本にはとにかく血の繋がった子でなければ愛せないという神話が未だに渦巻いており、養子文化は全然ない。またはそれは悪いこと、恐ろしいことと思われている側面さえ感じる。私には理解できないが、血が繋がっていればその子供を愛せるらしいし、血が繋がっていなければ、その子供に対してどこか投げやりになるということなのだろうか。そんな人間ばかりではないと思う。みんな犬や猫を家族として受け入れているんだから、人間だって血が繋がっていなくても家族になれると思う。かかる金の桁が違うが、「自分の子」として受け入れるなら、愛情は注げるはずだし、誰の腹から生まれたかがそこまで重要なのか?と、養子反対の感情は私には本当に理解できない。私がさっさと結婚して養子を育てれば話は早いのだが、そもそも30代後半の精神障害者が結婚することがかなり難しいので、そこを強行突破できればいいのになあといつも思っている。あと30代後半の精神障害者と結婚してくれるような男というか、30代後半の女と番いたいと思う男に基本的にはまともな人は残っていないので、そういう男と結婚するのは憂鬱だなあと思っている。ここで虐待が再生産されたらなんの意味もない。養子縁組や里親は私以外の健全な人間たちにぜひお願いしたいと思っている。私は自分が養子を取るという面においてはあまり虐待問題に貢献できなさそうなので、仕事で被虐待者の支援を請け負う人間になりたいと思う。本当は自分の好きな仕事をして好きな人と結婚して子供を産んでまあふつうの家庭や家族をやってそれなりの人生を送りたかったのだが、それは無理だったので、せめて自分にできることを、と思っている。このような体力のない精神障害者でも、いないよりはいたほうがいい。0よりは、0.1でも、力はあったほうがいいのだと思っている。自分のためだけに生きられる人間だったらもっと楽だったと思う。でもたまたまそうは生まれつかなかった。自分の仕事をして、余暇で趣味をする。本来なら人間の生活とはそれでいいはずだ。でも、私はそうではなく、とにかく子供たちや、今も苦しむ大人たちを少しでも楽にしなくては、と思っている。それは自分にその経験があるから共感しているからなのかもしれないし、過去の自分を救済したいからなのかもしれない、それはどうでもいいのだが、とにかく、1秒でも早く、苦しんでいる誰かを実際的に救わなくては、と思う。この感情に駆られず生きられたらとても穏やかなんだろうなと思うが、たまたまそうは生まれなかったので仕方ないと思う。なんでみんな自分のことだけ考えていられるんだろう、自分が幸せならそれでいいんだろう、と不思議に思う。逆に、私も不思議に思われているはずだ、なぜ他人の救済を義務のように感じているのかと。もうこれはお互い生まれつきなので、お互い根本からの理解は不可能だと思う。
「自分にケアが必要な人ほど、他人を助けたがる」と苦言されたことがあった。でもそれは仕方がないと思う。他人を助けたいあまりに自分がダメージを受け、そのダメージが回復していないとしても、まだ他人を助けようとしてしまう、根源は同じだ。自分のケアをある程度まで進めてからでなくては共倒れになるのだから他人を助けることなど到底できない、と鼻で笑われたとしても、実際その通りなのだが、でも強烈に他人を助けなければという思いは消えない。その為にも私は自分を立ち直らせることを急いでいる。共感性の高い人がそうなりやすいと思う。自分が傷ついた経験から、他人の傷をこれでもかと想像できてしまい、その苦しさがわかるからこそ、助けたくなる。その人が少しでも楽になれば、共感によりこちらも少しは楽になる。その人が苦しんでいればこちらも苦しい。共感性も生まれつきのものだと思うので、これは仕方のないことだと思う。
共感性の高い人間には、おそらく、共感性の低い人間の感覚はわからない、逆もまた然り。利他的な人間には利己的な人間の感覚はわからない、逆もまた然り。これはどちらがいいとか悪いではなく、単に生まれつきが違うだけだからそうなってしまうのだ。そこで分断されずに、ただ、あなたはそうなんだね、とお互いの特質を理解して尊重するだけでいいと思う。私は共感性が高く、利他的な人間に生まれついたが、これがマイノリティであるということはさんざん今までの人生でわからされてきた。そして、自分も、自分と違う感性を持つ人も、別にどちらも悪くないし、どちらも正しい、みんな、自分の生きたいように生きればいいということをわかっている。
2023.1.29
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