Tumgik
#わかぎゑふ
na1129 · 1 year
Text
きんようび通信No.662📚
2023年8月25日
▲20日、昨年に続けて松元ヒロライブを聴きに行きました。3本のネタとアンコールという構成で、休憩を入れて2時間余り大いに笑い感じることの多いライブでした。世の中のことを伝える工夫を自分なり(できればユーモアを入れて)にやっていきたいと思いました
▲母親は得意の新聞広告を使ったちぎり絵をプレゼントとしたいと、絵本「憲法くん」を題材に数枚の作品を作りました。「下手くそやから笑われるかも」と言いながら、手紙付きで直接渡すことができて嬉しかったようです。「来年は違うの作るわ」と、早速構想を練っていました
▲前日の19日には、友だちに誘われて「清水宏」(スタンダップコメディ)のライブに行きました。ヒロさんと違う芸風ですが、ハイテンションで声を張り上げながらもやもやとした空気感を吹き飛ばす組み立ては面白かったです。プロフィールみたら同じ年、がんばって欲しいです
▲「笑い」って大事ですね。共感が広がり交流や結びつきの深まりにつながります。「聴感も含めた言葉の力や意味・会話(ちゃんと喋ること)の大切さ」を「わかぎゑふ」さんから聞いたことを思い出しました。わかぎさん出演の玉造小劇店・年内最後の公演は11月28日~12月3日です
▲さて笑えない結論ありきの舞台を見て、気分が悪くなりました。舞台は首相官邸、進み出た岸田首相は「対策を取り続けることを全責任を持って約束する」と言いながら汚染水放水に反対をする漁業者の願いに背を向けました。即刻、降板するしかありません。当然、自公とその補完勢力も
【今日は何の日✨】
【今週の一句📝】
酒飲み🍻🍶川柳
どうするか
それはみなさんが
決めること
*「憲法くん」からのメッセージ
【今週の歌🎸】
・Caroline Polachek…Welcome To My Island
フジロックで聴いた「キャロライン・ポラチェク」。今年2月に2作目のアルバムがデジタルリリースされていますが、11月にフィジカルで発売。楽しみです😆。
youtube
【今週のグルメ情報😋】
・蕎麦六本…東京メトロ日比谷線・六本木駅より徒歩1分
久しぶりに食べた蕎麦(もちろんお酒も)美味しかったです😊
Tumblr media
【追伸📌】
少し日が落ちるのが早くなりましたね。もっとも暑さは変わりませんが🥹
#きんようび通信 #松元ヒロ #清水宏 #スタンダップコメディ #笑い #わかぎゑふ #玉造小劇店 #汚染水放水反対 
0 notes
conlangcrab · 9 months
Text
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F G H I J K L M N O P Q R S T U V W X Y Z А Б В Г Д Е Ж З И Й К Л М Н О П Р С Т У Ф Х Ц Ч Ш Щ Ъ Ы Ь Э Ю Я Ѐ Ё Ђ Ѓ Є Ѕ Ї Ј Љ Њ Ћ Ќ Ѝ Ў Џ Ѡ Ѣ Ѥ Ա Բ Գ Դ Ե Զ Է Ը Թ Ժ Ի Լ Խ Ծ Կ Հ Ձ Ղ Ճ Մ Յ Ն Շ Ո Չ Պ Ջ Ռ Ս Վ Տ Ր Ց Ւ Փ Ք Օ Ֆ ֏ ᚠ ᚡ ᚢ ᚣ ᚤ ᚥ ᚦ ᚧ ᚨ ᚩ ᚪ ᚫ ᚬ ᚭ ᚮ ᚯ ᚰ ᚱ ᚲ ᚳ ᚴ ᚵ ᚶ ᚷ ᚸ ᚹ ᚺ ᚻ ᚼ ᚽ ᚾ ᚿ ᛀ ᛁ ᛂ ᛃ ᛄ ᛅ ᛆ ᛇ ᛈ ᛉ ᛊ ᛋ ᛌ ᛍ ᛎ ᛏ ᛐ ᛑ ᛒ ᛓ ᛔ ᛕ ᛖ ᛗ ᛘ ᛙ ᛚ ᛛ ᛜ ᛝ ᛞ ᛟ ᛠ ᛡ ᛢ ᛣ ᛤ ᛥ ᛦ ᛧ ᛨ ᛩ ᛪ ᛫ ᛬ ᛭ ᛮ ᛯ ᛰ Ⰰ Ⰱ Ⰲ Ⰳ Ⰴ Ⰵ Ⰶ Ⰷ Ⰸ Ⰹ Ⰺ Ⰻ Ⰼ Ⰽ Ⰾ Ⰿ Ⱀ Ⱁ Ⱂ Ⱃ Ⱄ Ⱅ Ⱆ Ⱇ Ⱈ Ⱉ Ⱊ Ⱋ Ⱌ Ⱍ Ⱎ Ⱏ Ⱐ Ⱑ Ⱒ Ⱓ Ⱔ Ⱕ Ⱖ Ⱗ Ⱘ Ⱙ Ⱚ Ⱛ Ⱜ Ⱝ Ⱞ Ⴀ Ⴁ Ⴂ Ⴃ Ⴄ Ⴅ Ⴆ Ⴇ Ⴈ Ⴉ Ⴊ Ⴋ Ⴌ Ⴍ Ⴎ Ⴏ Ⴐ Ⴑ Ⴒ Ⴓ Ⴔ Ⴕ Ⴖ Ⴗ Ⴘ Ⴙ Ⴚ Ⴛ Ⴜ Ⴝ Ⴞ Ⴟ Ⴡ Ⴢ Ⴣ Ⴤ Ⴥ Ⴧ Ⴭ あ い う え お か が き ぎ く ぐ け げ こ ご さ ざ し じ す ず せ ぜ そ ぞ た だ ち ぢ つ づ て で と ど な に ぬ ね の は ば ぱ ひ び ぴ ふ ぶ ぷ へ べ ぺ ほ ぼ ぽ ま み む め も や ゆ よ ら り る れ ろ わ ゐ ゑ を ん ゔ ゞ ゟ ア イ ウ エ オ カ ガ キ ギ ク グ ケ ゲ コ ゴ サ ザ シ ジ ス ズ セ ゼ ソ ゾ タ ダ チ ヂ ツ ヅ テ デ ト ド ナ ニ ヌ ネ ノ ハ バ パ ヒ ビ ピ フ ブ プ ヘ ベ ペ ホ ボ ポ マ ミ ム メ モ ャ ヤ ユ ヨ ラ リ ル レ ロ ワ ヰ ヱ ヲ ン ヴ ヵ ヷ ヸ ヹ ヺ ㄅ ㄆ ㄇ ㄈ ㄉ ㄊ ㄋ ㄌ ㄍ ㄎ ㄏ ㄐ ㄑ ㄒ ㄓ ㄔ ㄕ ㄖ ㄗ ㄘ ㄙ ㄚ ㄛ ㄜ ㄝ ㄞ ㄟ ㄠ ㄡ ㄢ ㄣ ㄤ ㄥ ㄦ ㄧ ㄨ ㄩ ㄪ ㄫ ㄬ ㄭ ㆠ ㆡ ㆢ ㆣ ㆤ ㆥ ㆦ ㆧ ㆨ ㆩ ㆪ ㆫ ㆬ ㆭ ㆮ ㆯ ㆰ ㆱ ㆲ ㆳ 𐌰 𐌱 𐌲 𐌳 𐌴 𐌵 𐌶 𐌷 𐌸 𐌹 𐌺 𐌻 𐌼 𐌽 𐌾 𐌿 𐍀 𐍁 𐍂 𐍃 𐍄 𐍅 𐍆 𐍇 𐍈 𐍉 𐍊 𐐀 𐐁 𐐂 𐐃 𐐄 𐐅 𐐆 𐐇 𐐈 𐐉 𐐊 𐐋 𐐌 𐐍 𐐎 𐐏 𐐐 𐐑 𐐒 𐐓 𐐔 𐐕 𐐖 𐐗 𐐘 𐐙 𐐚 𐐛 𐐜 𐐝 𐐞 𐐟 𐐠 𐐡 𐐢 𐐣 𐐤 𐐥 𐐦 𐐧 𛀁
idk just thought of the twitter bot that used code to assign every unicode symbol a meaning and thus created a hyper-compact writing system that could get a incredibly high amounts of info compressed into a short message. that counts as a megascript to me so all i'm doing is pondering the magic.
16 notes · View notes
ari0921 · 9 months
Text
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和五年(2023)12月27日(水曜日)参
    通巻第8070号
 AIは喜怒哀楽を表現できない。人間の霊的な精神の営為を超えることはない
  文学の名作は豊かな情感と創造性の霊感がつくりだしたのだ
*************************
 わずか五七五の十七文字で、すべてを印象的に表現できる芸術が俳句である。三十一文字に表すのが和歌である。文学の極地といってよい。
どんな新聞や雑誌にも俳句と和歌の欄があり、多くの読者を引きつけている。その魅力の源泉に、私たちはAI時代の創作のあり方を見いだせるのではないか。
 「荒海や佐渡によこたう天の川」、「夏草や強者どもが夢の跡」、「無残やな甲の下の蟋蟀」、「旅に病で夢は枯野をかけ巡る」。。。。。
 このような芭蕉の俳句を、AIは真似事は出来るだろうが、人の心を打つ名句をひねり出すとは考えにくい。和歌もそうだろう。
 『春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣干すてふ 天香具山』(持統天皇)
 皇族から庶民に至るまで日本人は深い味わいが籠もる歌を詠んだ。歌の伝統はすでにスサノオの出雲八重垣にはじまり、ヤマトタケルの「まほろば」へとうたいつがれた。
 しかし人工知能(AI)の開発を米国と凌ぎを削る中国で、ついにAIが書いたSF小説が文学賞を受賞した。衝撃に近いニュースである。
 生成AIで対話を繰り返し、たったの3時間で作品が完成したと『武漢晩報』(12月26日)が報じた。この作品は『機憶(機械の記憶)の地』と題され、実験の失敗で家族の記憶を失った神経工学の専門家が、AIとともに仮想空間「メタバース」を旅して自らの記憶を取り戻そうとする短編。作者は清華大でAIを研究する沈陽教授である。生成AIと66回の対話を重ね、沈教授はこの作品を「江蘇省青年SF作品大賞」に応募した。AIが生成した作品であることを予め知らされていたのは選考委員6人のうち1人だけで、委員3人がこの作品を推薦し
「2等賞」受賞となったとか。
 きっと近年中に芥川賞、直木賞、谷崎賞、川端賞のほかに文学界新人賞、群像賞など新人が応募できる文学賞は中止することになるのでは? 考えようによっては、それは恐るべき時代ではないのか。
 文学の名作は最初の一行が作家の精神の凝縮として呻吟から産まれるのである。
 紫式部『源氏物語』の有名な書き出しはこうである。
「いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひける中に、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり」
 ライバルは清少納言だった。「春は曙、やうやう白く成り行く山際すこし明かりて、紫立ちたる雲の細くたなびきたる」(清少納言『『枕草子』』
 「かくありし時すぎて、世の中にいとものはかなく、とにもかくにもつかで、世に経るひとありけり」(道綱母『蜻蛉日記』)
 額田女王の和歌の代表作とされるのは、愛媛の港で白村江へ向かおうとする船団の情景を齊明天王の心情に託して詠んだ。
「熟田津に 船乗りせむと月待てば 潮もかなひぬ今は漕こぎ出いでな」(『万葉集』)。
 「昔、男初冠して、平城の京春日の郷に、しるよしして、狩りにいにけり。その里に、いとなまめいたる女はらから住みけり。」(『伊勢物語』)
 ▼中世の日本人はかくも情緒にみちていた
 「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶ泡沫(うたかた)はかつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」(『方丈記』)
 『平家物語』の書き出しは誰もが知っている。
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。 沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。 奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。 猛き者も遂にはほろびぬ、 偏(ひとへ)に風の前の塵におなじ」。
 『太平記』の書き出しは「蒙(もう)竊(ひそ)かに古今の変化を探つて、安危の所由を察(み)るに、覆つて外(ほか)なきは天の徳なり」(『太平記』兵藤祐己校注、岩波文庫版)
「つれづれなるままに、日くらし硯にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ」(『徒然草』)
 古代から平安時代まで日本の文学は無常観を基盤としている。
 江戸時代になると、文章が多彩に変わる。
 井原西鶴の『好色一代男』の書き出しは「「本朝遊女のはじまり、江州の朝妻、播州の室津より事起こりて、いま国々になりぬ」
 上田秋成の『雨月物語』の書き出しはこうだ。
「あふ坂の関守にゆるされてより、秋こし山の黄葉(もみぢ)見過しがたく、浜千鳥の跡ふみつくる鳴海がた、不尽(ふじ)の高嶺の煙、浮島がはら、清見が関、大磯小いその浦々」。
 近代文学は文体がかわって合理性を帯びてくる。
「木曽路はすべて山の中である」(島崎藤村『夜明け前』)
「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜ぬかした事がある」(夏目漱石『坊っちゃん』)
「石炭をば早はや積み果てつ。中等室の卓つくゑのほとりはいと静にて、熾熱燈の光の晴れがましきも徒らなり。今宵は夜毎にこゝに集ひ来る骨牌カルタ仲間もホテルに宿りて、舟に残れるは余一人ひとりのみなれば」(森鴎外『舞姫』)。
 描写は絵画的になり実生活の情緒が溢れる。
「国境の長いトンネルをぬけると雪国だった」(川端康成『雪国』)
 谷崎潤一郎『細雪』の書き出しは写実的になる。
「『こいさん、頼むわ』。鏡の中で、廊下からうしろへ這入はいって来た妙子を見ると、自分で襟えりを塗りかけていた刷毛はけを渡して、其方は見ずに、眼の前に映っている長襦袢姿の、抜き衣紋の顔を他人の顔のように見据みすえながら、『雪子ちゃん下で何してる』と、幸子はきいた」。
 「或春の日暮れです。唐の都洛陽の西の門の下に、ばんやり空を仰いでいる、一人の若者がありました」(芥川龍之介『杜子春』)
 ▼戦後文学はかなり変質を遂げたが。。。
戦後文学はそれぞれが独自の文体を発揮し始めた。
 「朝、食堂でスウプをひとさじ吸って、お母様が『あ』と幽(かす)かな声をお挙げになった」(太宰治『斜陽』)
 「その頃も旅をしていた。ある国を出て、別の国に入り、そこの首府の学生町の安い旅館で寝たり起きたりして私はその日その日をすごしていた」(開高健『夏の闇』)
 「雪後庵は起伏の多い小石川の高台にあって、幸いに戦災を免れた」(三島由紀夫『宴のあと』)
和歌もかなりの変質を遂げた。
正統派の辞世は
「益荒男が 手挟む太刀の鞘鳴りに 幾とせ耐えて今日の初霜」(三島由紀夫)
「散るをいとふ 世にも人にも さきがけて 散るこそ花と 吹く小夜嵐」(同)
 サラダ記念日などのような前衛は例外としても、たとえば寺山修司の和歌は
「マッチ擦る つかのま海に霧ふかし 身捨つるほどの 祖国はありや。」
 わずか三十一文字のなかで総てが凝縮されている。そこから想像が拡がっていく。
 こうした絶望、空虚、無常を表す人間の微細な感情は、喜怒哀楽のない機械が想像出来るとはとうてい考えられないのである。
AIは人間の霊感、霊的な精神の営みをこえることはない。
9 notes · View notes
hachikenyakaiwai · 1 year
Text
Tumblr media
【かいわいの時】元禄六年(1693)八月十日:井原西鶴没 (大阪市史編纂所「今日は何の日」)
西鶴は元禄6年(1693)に亡くなったが、その墓は長い間不明であった。明治20年を前後するころ誓願寺境内で発見され再興されたという。発見者についてはいくつか説があり、幸田露伴であるとも、朝日新聞記者の木崎好尚であるともいう。
(1693年)下山鶴平・北條団水、西鶴の墓を建立 墓石は位牌型の砂岩製のもので、「仙皓西鶴 元禄六癸酉年 八月十日 下山鶴平 北條団水 建」と刻まれている。この墓碑を建立した下山鶴平については、西鶴の版元ではないかといわれている。北條団水は京都生まれの文人で、橘堂、滑稽堂と号した。西鶴を慕って来阪し、西鶴の死後7年の間、鑓屋町の庵を守ったことで知られている(大阪市指定文化財)。
(1801年)太田南畝(蜀山人)、書肆山口屋の案内で西鶴の墓に参る 寺町をすぎ 誓願寺に入る、甃庵中井先生の墓あり《略》 此寺に西鶴か墓ありと書肆山口屋かいへるによりて墓はらふ下部にとふに志らず、つらつら墟墓の間を見るに一ツの石あり、仙皓西鶴とゑれり。右のかたに元禄六癸酉年八月十日としるし左の方に下山鶴平北条団水建と有り。也有翁の鶉衣にも、作文に名を得し難波の西鶴は、五十��にして世を去給ひ「秋風を見過ごしにけり末二年」といふ句を残せりとかけり。げに八月に終りぬるには折からの句成へし(太田南畝)。『葦の若葉』四月廿一日条より。句読点後付け。ママ。
(1802年)滝沢馬琴、太田南畝に紹介された田宮盧橘の案内で西鶴の墓に参る 西鶴が墓は、大坂八町目寺町誓願寺本堂西のうら手南向にあり。〈三側目中程〉七月晦日蘆橘と同道にて古墓をたづぬ。はからず西鶴が墓に謁す。寺僧もこれをしらざりし様子なり。花筒に花あり。寺の男に何ものが手向たると問ふに、無縁の墓へは寺より折/\花をたつるといふ。
棹石高サ二尺余ヨコ一尺 台石高七八寸 大字 総高サ二尺八九寸
元禄六 癸酉年八月十日 仙皓西鶴 右ノワキ 下山鶴平 北条団水 建
團水は西鶴が信友なり。西鶴没して後、團水京より來り、七年その舊廬を守れり。そのこと西鶴名殘の友といふ草紙の序に見へたり。追考 難波鶴に云。西鶴は井原氏、庵は鑓屋町にあり(滝沢馬琴)。『羇旅漫録』より。句読点後付け。(写真参照)
(1889年1月)幸田露伴、誓願寺無縁墓にある西鶴の墓を探し当て、卒塔婆を立てる 露伴は住職に供物を出して、 お墓をちゃんとしてほしいと言い、香を焚き、水を手向け、卒塔婆を立てて去るわけです。それが、明治22(1889)年の1月のこと。その卒塔婆には、「元禄の奇才子を弔ふて 九天の霞を洩れてつるの聲」と書いた(肥田晧三)。「上町台地から本をめぐる時空の旅へ」『上町台地フォーラムvol.9』2018より。
(1889年8月)尾崎紅葉、西鶴の墓を訪れ、卒塔婆を残す 紅葉も、同じ明治22年の8月に西鶴の墓を訪れ、「為松寿軒井原西鶴先生追善」と書いた卒塔婆を残した(肥田晧三)。
それではなぜ、この二人は西鶴を知ることになったのか。露伴は帝国図書館、今の国会図書館にあった西鶴の本を随分と勉強したんです。また当時、東京に淡島寒月という人がいましたが、彼は時代に先駆けて西鶴を評価し、自身でも作品を手元に持っておりました。その寒月と仲が良かったのが露伴で、彼の西鶴作品を借りて徹底して読んだわけです。紅葉も、露伴に遅れてですが、やはり淡島寒月から西鶴の作品を教えられたんです(肥田晧三)。
(1889年11月)木﨑好尚、読売新聞に「西鶴の墓」を寄稿 大阪朝日新聞の青年記者だった木﨑好尚は、後に頼山陽や田能村竹田の研究で知られるようになる人です。この人が、明治 22 年にやはり誓願寺に行くわけです。すると新しい卒塔婆が二つ西鶴の墓に立てかけてある。一つは幸田露伴、一つは尾崎紅葉。それで、大阪の青年がびっくりするんです。東京の輝かしい新進の作家二人がここに来ている!大阪の自分たちはちっともお参りせんのに、あの二人が西鶴の墓にお参りしていると。そして 明治22年11月に、東京の読売新聞に「西鶴の墓」という題で書く んです(肥田晧三)。ママ。木崎が朝日新聞に入社したのは明治26年(1893)。
(1889年11月)幸田露伴、「井原西鶴を弔ふ文」を雑誌『小文学』に発表 露伴もまた、「井原西鶴を弔ふ文」という題で、明治22年11月に雑誌『小文学』に発表します。「今や露伴幸に因あり縁ありて、茲に斯に來つて翁を吊へば、墓前の水乾き樒枯れて、鳥雀いたづらに噪ぎ塚後に苔黑み、霜凍りて屐履の跡なく、北風恨を吹て日光寒く、胸噫悲に閉ぢて言語迷ふ。噫世に功ありて世既に顧みず、翁も亦世に求むるなかるべし。翁は安きや、 翁は笑ふや、唯我一炷の香を焚き一盞の水を手向け、我志をいたし、併せて句を誦す、翁若し知るあらば魂尚饗。九天の霞を洩れてつるの聲 露伴」(肥田晧三)。
(1890年5月)尾崎紅葉、「元禄狂」を「国民新聞」に寄稿 西鶴に心酔しているということを書き、その中で、「明治二十二年八月、大阪八丁目寺町誓願寺に、 西鶴翁の墓に詣でゝ」と記し、「ででむしの石に縋りて涙かな」という句も詠んだ(肥田晧三)。
木﨑好尚を除き、全員、江戸っ子です。
(写真)「仙皓西鶴」『壬戌羇旅漫録 2巻 [3]』1802-1812(東京大学学術資産等アーカイブズポータル)より。 注記:写本 注記:目首の書名: 著作堂羇旅漫録 注記:題簽の書名: 羇旅漫録 注記:本文末に「享和二壬戌年八月廾四日筆同十一月朔日挍合畢 曲亭瀧澤觧戯記」とあり 注記:[跋]末に「享和二壬戌年冬十一月二日 著作堂馬琴再識」, 「壬申春日 曲亭主人書」とあり
16 notes · View notes
neigesucre · 2 years
Text
2月の外食記
2月4日 ABCラーメン@銀座/tabacco@恵比寿
歌舞伎観たあと、受験で弟が遠路はるばる来てくれたので銀座でランチ。東京で、ラーメン食べたいとのご所望があればここ一択。育ち盛りをいいことにサイドメニューもたらふく食わせる。大学の下見に付き合ってから好きな人①に会いに恵比寿に。彼の行きつけのラーメン屋向かってから、かよ先輩が行っていて気になってたイタリアンにお邪魔。串カツ屋さんみたいなノンストップタパス、楽しいなあ。大はずれだったビブグルマンフレンチの話して、ここは好みと伝えたら俺たち情報食ってるからねと返されて、たしかになと思った。情報を噛み締めて気持ち良くなりたいよね。4度目も手を繋いで健全解散。デートはこれが最後かな。
2月11日 うゆう@渋谷
大学時代のバイト同期と飲む。私以上に食にうるさいから、お店サジェストするときどきどきしちゃう。芸術品のようによそわれたお通し6品に毎度見惚れる。褒めてもらえて嬉しい。酔ったノリでハプバ行く。摘発されていたからどんなもんかと思っていたけど、プレイルームはホテルとして別会社が運営、行きたいときはスタッフにこっそり声かけるっていうパチ屋仕様になっていてウケた。たしかに懇ろになった男女がホテルに行くのは誰にも憚られませんからね。声かけてくれた男性2人と、半分おしりが見えるセーラー服着てダーツした。失礼だけど、私たちがアプリで会ったら初手で切ってしまう、なんならそもそもマッチしない属性の人。でも2人とも私たちに楽しんでもらいたい気持ちがまざまざと伝わってきて、人間っていとしいなと思えた。ここに来るといつだってあたたかい気持ちで帰路に着く。ありがとう。
2月12日 小野田商店@学芸大学
2ヶ月ぶりの加藤。大好きなホルモン屋さんとワインバー行く。ここに訪れるたびにお客さまは神様じゃないのを思い出す。この街がぜんぜんしっくりこない男だなと思う。ずっと日比谷線にいたほうがいいよ。そのあとなぜか六本木行こうや、と向かったもののバーはろくに空いておらず、さらになぜか遠隔プレイしようや、とドンキ行く。ぜんぜん思っていたのと違ってAVはフィクションだねと笑い転げた。
2月13日 友@目黒
3年前からときおり会っているティンダーの男友達とサシ。はじめて会ったときは私は22で彼は27だったと思うとこわい。手書きのメニューが適当に壁に引っ付けてあるお店ってだいたいはずれがない。M1出場を打診されノーシンクで快諾。だってM1経験のある人生のがおもろいじゃん。いったん彼の芸風見てからコンビ組もっと。
2月15日 ilungo@自由が丘
お気に入りのおでんやさんで飲むつもりが、煩いおじさん客がいるからっておでんやの女将さんと2人して抜けてビストロで飲んだ。日本酒フリーフローは嬉しい。彼女は代理店の大先輩でもある。さんざん仕事の愚痴を連ねる。最近仕事干されてイヤイヤ���だけど、たしかに私はキャッチアップ遅いんだった。背中押される。私も彼女みたいに着物を自由に纏えるようになれるなら、アラフォーもそう悪くない。ハナエモリのお着物ずっと狙ってる。
2月18日 のんき屋@浅草/Trattoria Azurri@神楽坂
日本舞踊のお稽古に浅草へ。せっかくだし、と帰りにホッピー通り寄るもおひとりさまだからと4軒連続で断られる。もしかしてお呼びじゃない?半ば憤って入った立ち飲み屋が大正解で息をつく。もつ煮150円なんてマネタイズが心配です。ほろ酔いで神楽坂。電話でのリファレンスチェックも功を奏し案の定楽しかった。国家公務員からコンサルに転職した理由を問うたら、「それでいうと理由は3つあって〜」とお手本のような仕草を垣間見てにやにやしちゃった。まだ遊んでいたいと恋愛したいの狭間で揺れてると聞いて、正直な人だなあと思う。でも恋人がいないと甘えたくても甘えられないと溢されて、そんなの傷口の舐め合いじゃんと返したけど、まあ、そうだよね。だって私たち、頑張ってるもんね。男の子、みんな葛藤してて可愛い。菜の花とホタルイカ、旬のうちにリベンジしたいな。好きな人②に昇格。
2月21日 ゑぶり亭“@横浜
ダンサー3人で飲んだ回。まあダンサーじゃないんだけど。炙りしめ鯖にレモンを搾るさまさえもべた褒めしてくれるから自己肯定感あがる。元気の良い居酒屋って大好き、絶対にバイトしたくないけど。業界人でもないのにフースタ見てる人は変態と聞くけど、フースタは間違いない。
2月22日 カクニマル@神泉
某ギャラ飲みの日。ここも接客がいい意味でやたらやかましい。刺し盛を出血大サービスしてくれた。こういう人も、まだこういうお店で飲むんだなと思った。でもしっとりしない雰囲気で逆に良かったのかもしれない。女友達と来たかったなあ。
2月23日 da GIORGIO@湯島
好きな人②と飲む。彼から教えてもらったこのお店、かよ先輩が「東京で1番美味しいピザ」とツイッターに残していたのを思い出して俄然楽しみになった。MECEな恋愛の話する。MECEな恋愛なんてないだろ。私はやっぱり一緒にボトルを空けてくれる人が好き。いつだって飲みきる責任を背負った共犯関係でいたい。
2月25日 串カツ田中@横浜
サークルの同期3人と鎌倉で座禅を組んだ日。幸せってなんたるか、良い家に住むでも素敵な配偶者と巡り合うでもなく、皆さんの足元にあるそうですよ。頭ではよ〜くわかってるんだけどな〜!シャバい経営者は全員座禅したほうがいい。私もまだまだ先は長そう。そのまま横浜向かって、田中とカラオケとハブをはしごする煩悩に塗れた夜。田中で串カツ選ぶのってなんであんなに楽しいんだろう。好きなチェーンは田中と松屋とふたごです。
2月27日 どん底@新宿
「お会計30%オフになる年賀状が今月いっぱいだから!」と誘われてティンダーの男友達と飲む。彼ともかれこれ2年になる。ここ、クラシックでとっても美味しいけど絶対にスタッフが堅気じゃないんだよな。そこも含めて良店です。ティンダーを辞めた理由のひとつは彼で、彼に出会えてもう辞めても悔いないなと思った。好き同士ならただ一緒にいれば良いじゃない、なんて互いに婚姻アンチだけど、でも結婚したらバイブス上がりそうじゃね?!と盛り上がる。それもわかる。私が結婚式をするなら彼を「インターネット」のテーブルに着席させる。26歳、春からようやく社会人になるらしい。おめでとう。帰りに店員さんに「しこたま飲んだなあ!」と言われて笑う。2人でシーバスのボトルキープした。勝手に飲ませてね。
今月がはやく過ぎたのは決して日数だけの話じゃない。総じて非常に楽しかったんですよね。よく食べ、よく飲んだ。数えたら2日にいっぺんは飲み歩いていた模様。あと、思い返せば浮き足立つデートが毎週末あって幸せだったな〜!私、やっぱりときめいてたい。来月も素敵なお店で大好きな人たちと過ごせますように。
19 notes · View notes
myonbl · 2 years
Text
2022年12月23日(金)
Tumblr media
毎朝の日めくり、今年は<にっぽんのいろ日めくり>を利用している。今朝は<銀灰色=銀世界という言葉を 連想させる明るく美しい灰色>とのことだが、車の上にうっすらと白いモノ、初雪だ。日本海側を中心に大雪で大変な被害が出ているが、とても<美しい>などと言っている場合ではなかろう。とは言え、私は今日から冬休み、少しずつ小掃除を頑張るのだ。
5時30分起床。
ツレアイが早めに起きてきたので日誌は後回し、朝食準備に入る。
Tumblr media
朝のそばとそば湯、美味しくて体が温まる。
可燃ゴミ、30L*1。
Tumblr media
ツレアイの珈琲と弁当を用意し、職場まで送る。
戻ってから洗濯。
今日の小掃除は段ボールの整理、何しろ毎日のように何かが届くので嵩張って仕方ない。まずは大物をつぶし、古新聞とともにガレージに出す。とくにちり紙交換の音楽には気づかなかったが、しばらくするとなくなっていた。
Tumblr media
先日サポート会費を振り込んだ<新熊野神社>から、会員証とお札が届いた。早速リビングの壁に貼り、古いものは元日にお参りした際に返却するのだ。
Tumblr media
ランチ、3男には奥川ファームのそば、私はサッポロ一番味噌ラーメンに昨晩の残りの唐揚げをトッピング。
軽く午睡。
教学センターから連絡、来年度の教員原票をメールボックスに配付したとのこと。私は休みに入ったので、ポータルサイトにログインして次年度時間割を確認する。結局、前期は毎日出勤することになる。
私の担当は初年次科目で必修が2科目、そのうち「情報機器の操作Ⅰ&Ⅱ」についてはsampe兄が責任者、近々シラバス案を送付してくれる。私の責任科目は「スタディスキルズ」、こちらのシラバスについては前年度と同内容で問題なかろうが、少し検討を加えてからO姉に連絡しよう。
時間割に従って、職場の GoogleCalendar にスケジュールを入力する。これで、2024年3月までの学務はいつでも参照可能となる。
少し身体を動かそうと町内ウォーキングへ、ところが風の強さと寒さがたまらず、10分で戻ってきた。
奥川ファームから連絡、発送時間に間に合わなくて日曜日着になるとのこと。
Tumblr media
早めに夕飯準備、息子たちにはさんだかん燻製工房と奥川ファームのコラボ、そこへツレアイからの連絡、職場まで迎えに行く。
足の怪我は徐々に回復してはいるが、やはり寒い中を自転車で訪問しての作業、なかなか痛みはひかないようだ。燗酒を付けて慰労する。
録画番組視聴。
サラメシ2022年末スペシャル 新入社員だって腹はへる!!
初回放送日: 2022年12月22日
「新入社員SP!」が今年はさらにパワーアップ。航空機整備士にタクシー運転手、さらには庭師や果樹園農家に落語家など、日本全国津々浦々の働く現場をウォッチ。ふだんは立ち入ることのできないいろんな職場のお仕事をのぞいてみれば「発見」と「共感」にあふれている!今年もいろいろあったけど、それでもやっぱり腹は減る!と「サラメシ」らしく、社会人1年生たちの挑戦や奮闘、悪戦苦闘ぶりを通して2022年を振り返ります
腹ごなし兼ねて歩数稼ぎに町内ウォーキング、エクササイズのゴール達成ですぐに戻る、やはり寒い。
片付け、入浴、体重は200g減。
今夜も柳家小ゑんを聴きながら就寝、<鉄の男>。
Tumblr media
歩数は届かないが仕方なし、水分は1,600ml。
6 notes · View notes
ochoislas · 2 years
Text
Tumblr media
Luminaria azul que pasa... del instante prez y regalo.
碧揚羽通るを時の驕りとす
Sale un lagarto a echarle el ojo al nuevo dueño de casa.
蜥蜴出て新しき家の主を眄たり
Se escurre por la piedra se escurre por la tierra el lagarto.
するすると岩をするすると地を蜥蜴
Río estival, la cadena de yerro anega un cabo.
夏の河赤き鉄鎖のはし浸る
Un chaparrón... cantando las cigarras agua en los ojos.
驟雨来ぬ蝉は両眼濡らし啼く
Sólo una vía partiendo el griterío de grillos miles.
一本の鉄路蟋蟀なきわかる
Chicharra bonzo, cuando la tengo a un palmo su canto acaba.
ほふし蝉こゑをさむるもわが咫尺
Ahincándose en el añil del cielo... flor del infierno.
つきぬけて天上の紺曼珠沙華
Grita de gansos... ya ha pasado el último bajo la luna.
雁のこゑすべて月下を過ぎ終る
Yamaguchi Seishi
5 notes · View notes
すべて世のありにくきこと、わが身とすみかとの、はかなくあだなるさまかくのごとし。いはむや所により、身のほどにしたがひて、心をなやますこと、あげてかぞふべからず。もしおのづから身かずならずして、權門のかたはらに居るものは深く悦ぶことあれども、大にたのしぶにあたはず。なげきある時も聲をあげて泣くことなし。進退やすからず、たちゐにつけて恐れをのゝくさま、たとへば、雀の鷹の巣に近づけるがごとし。もし貧しくして富める家の隣にをるものは、朝夕すぼき姿を耻ぢてへつらひつゝ出で入る妻子、僮僕のうらやめるさまを見るにも、富める家のひとのないがしろなるけしきを聞くにも、心念々にうごきて時としてやすからず。もしせばき地に居れば、近く炎上する時、その害をのがるゝことなし。もし邊地にあれば、往反わづらひ多く、盜賊の難はなれがたし。いきほひあるものは貪欲ふかく、ひとり身なるものは人にかろしめらる。寶あればおそれ多く、貧しければなげき切なり。人を頼めば身他のやつことなり、人をはごくめば心恩愛につかはる。世にしたがへば身くるし。またしたがはねば狂へるに似たり。いづれの所をしめ、いかなるわざをしてか、しばしもこの身をやどし玉ゆらも心をなぐさむべき。』我が身、父の方の祖母の家をつたへて、久しく彼所に住む。そののち縁かけ、身おとろへて、しのぶかたがたしげかりしかば、つひにあととむることを得ずして、三十餘にして、更に我が心と一の庵をむすぶ。これをありしすまひになずらふるに、十分が一なり。たゞ居屋ばかりをかまへて、はかばかしくは屋を造るにおよばず。わづかについひぢをつけりといへども、門たつるたづきなし。竹を柱として、車やどりとせり。雪ふり風吹くごとに、危ふからずしもあらず。所は河原近ければ、水の難も深く、白波のおそれもさわがし。すべてあらぬ世を念じ過ぐしつゝ、心をなやませることは、三十餘年なり。その間をりをりのたがひめに、おのづから短き運をさとりぬ。すなはち五十の春をむかへて、家をいで世をそむけり。もとより妻子なければ、捨てがたきよすがもなし。身に官祿あらず、何につけてか執をとゞめむ。むなしく大原山の雲にふして、またいくそばくの春秋をかへぬる。』こゝに六十の露消えがたに及びて、さらに末葉のやどりを結べることあり。いはゞ狩人のひとよの宿をつくり、老いたるかひこのまゆをいとなむがごとし。これを中ごろのすみかになずらふれば、また百分が一にだもおよばず。とかくいふ程に、よはひは年々にかたぶき、すみかはをりをりにせばし。その家のありさまよのつねにも似ず、廣さはわづかに方丈、高さは七尺が内なり。所をおもひ定めざるがゆゑに、地をしめて造らず。土居をくみ、うちおほひをふきて、つぎめごとにかけがねをかけたり。もし心にかなはぬことあらば、やすく外へうつさむがためなり。そのあらため造るとき、いくばくのわづらひかある。積むところわづかに二輌なり。車の力をむくゆるほかは、更に他の用途いらず。いま日野山の奧にあとをかくして後、南にかりの日がくしをさし出して、竹のすのこを敷き、その西に閼伽棚を作り、うちには西の垣に添へて、阿彌陀の畫像を安置したてまつりて、落日をうけて、眉間のひかりとす。かの帳のとびらに、普賢ならびに不動の像をかけたり。北の障子の上に、ちひさき棚をかまへて、黒き皮籠三四合を置く。すなはち和歌、管絃、往生要集ごときの抄物を入れたり。傍にこと、琵琶、おのおの一張をたつ。いはゆるをりごと、つき琵琶これなり。東にそへて、わらびのほどろを敷き、つかなみを敷きて夜の床とす。東の垣に窓をあけて、こゝにふづくゑを出せり。枕の方にすびつあり。これを柴折りくぶるよすがとす。庵の北に少地をしめ、あばらなるひめ垣をかこひて園とす。すなはちもろもろの藥草をうゑたり。かりの庵のありさまかくのごとし。その所のさまをいはゞ、南にかけひあり、岩をたゝみて水をためたり。林軒近ければ、つま木を拾ふにともしからず。名を外山といふ。まさきのかづらあとをうづめり。谷しげゝれど、にしは晴れたり。觀念のたよりなきにしもあらず。春は藤なみを見る、紫雲のごとくして西のかたに匂ふ。夏は郭公をきく、かたらふごとに死出の山路をちぎる。秋は日ぐらしの聲耳に充てり。うつせみの世をかなしむかと聞ゆ。冬は雪をあはれむ。つもりきゆるさま、罪障にたとへつべし。もしねんぶつものうく、どきやうまめならざる時は、みづから休み、みづからをこたるにさまたぐる人もなく、また耻づべき友もなし。殊更に無言をせざれども、ひとり居ればくごふををさめつべし。必ず禁戒をまもるとしもなけれども、境界なければ何につけてか破らむ。もしあとの白波に身をよするあしたには、岡のやに行きかふ船をながめて、滿沙彌が風情をぬすみ、もし桂の風、葉をならすゆふべには、潯陽の江をおもひやりて、源都督(經信)のながれをならふ。もしあまりの興あれば、しばしば松のひゞきに秋風の樂をたぐへ、水の音に流泉の曲をあやつる。藝はこれつたなけれども、人の耳を悦ばしめむとにもあらず。
0 notes
practiceposts2 · 16 days
Text
おい木村さん信さん寄つてお出よ、お寄りといつたら寄つても宜いではないか、又素通りで二葉やへ行く氣だらう、押かけて行つて引ずつて來るからさう思ひな、ほんとにお湯なら歸りに吃度よつてお呉れよ、嘘つ吐きだから何を言ふか知れやしないと店先に立つて馴染らしき突かけ下駄の男をとらへて小言をいふやうな物の言ひぶり、腹も立たずか言譯しながら後刻に後刻にと行過るあとを、一寸舌打しながら見送つて後にも無いもんだ來る氣もない癖に、本當に女房もちに成つては仕方がないねと店に向つて閾をまたぎながら一人言をいへば、高ちやん大分御述懷だね、何もそんなに案じるにも及ぶまい燒棒杌と何とやら、又よりの戻る事もあるよ、心配しないで呪でもして待つが宜いさと慰さめるやうな朋輩の口振、力ちやんと違つて私しには技倆が無いからね、一人でも逃しては殘念さ、私しのやうな運の惡るい者には呪も何も聞きはしない、今夜も又木戸番か、何たら事だ面白くもないと肝癪まぎれに店前へ腰をかけて駒下駄のうしろでとんとんと土間を蹴るは二十の上を七つか十か引眉毛に作り生際、白粉べつたりとつけて唇は人喰ふ犬の如く、かくては紅も厭やらしき物なり、お力と呼ばれたるは中肉の背恰好すらりつとして洗ひ髮の大嶋田に新わらのさわやかさ、頸もと計の白粉も榮えなく見ゆる天然の色白をこれみよがしに乳のあたりまで胸くつろげて、烟草すぱすぱ長烟管に立膝の無作法さも咎める人のなきこそよけれ、思ひ切つたる大形の裕衣に引かけ帶は黒繻子と何やらのまがひ物、緋の平ぐけが背の處に見えて言はずと知れし此あたりの姉さま風なり、お高といへるは洋銀の簪で天神がへしの髷の下を掻きながら思ひ出したやうに力ちやん先刻の手紙お出しかといふ、はあと氣のない返事をして、どうで來るのでは無いけれど、あれもお愛想さと笑つて居るに、大底におしよ卷紙二尋も書いて二枚切手の大封じがお愛想で出來る物かな、そして彼の人は赤坂以來の馴染ではないか、少しやそつとの紛雜があろうとも縁切れになつて溜る物か、……
(樋口一葉/にごりゑ)
0 notes
hrk385knt92 · 28 days
Text
『短篇集 挿文綴 第三集』
Tumblr media
【表題画像はイメージです。実際の書籍表紙とは異なります】
『短篇集 挿文綴 第三集』のご紹介です。
Tumblr media
『短篇集 挿文綴 第三集』
内容  :創作資料風小話 頁数  :A6判横長(15*10.3cm)、本文26頁 印刷  :黒単色刷り 年齢制限:なし 発行日 :2024年10月20日 価格  :¥500
こちらは長編連作「星めぐり常世草子」各巻の補助的役割を担うために編纂した「断片的資料集」です。
「星めぐり常世草子」本編の世界観をより深く探っていただくための四篇の小話と小さな絵を収録。1編あたり2〜3ページの本当に短い話のみの収録ですので、当サークルの文章の雰囲気を掴むための試し読みとしてもおすすめです。
本誌は本編と世界観を共有しておりますが、本編読了後にお読みいただいても、読了前に読んでいただいても、差し支えございません。あるいはお読みいただかずとも本編はお楽しみいただけます。
そんな、誰の記憶の端にもかからぬような瑣末なお話。
Tumblr media
以下収録編のご紹介です。   ・夢渡りの貴人 現世を離れた魂の宿る地、ここ冥界にはヒトの身を離れたもの、ヒトが呼ぶところの鬼たちが集う。あるとき、奇妙な夢の話を聞いた。それは銀の月の光をふくみ、星のまたたきで梳かしたような長い闇色の髪を結い上げた、輝かしい金の装身具を身につけた貴人が、人形のように��云わぬ童を連れ店を訪ねて来る夢だったという。
・顔のない娘 また失敗だ。私は四一五体目に作り上げたその人形の首を刎ねて土に還した。どうしても顔が作れなかった。どれほど上等の土を使っても、いくら心血を注いでも、工房には泥の山が積み上がっていくばかりだ。
・ちゑのみ 私の工房に珍しく来訪者があった。それは冥土の者ではなかった。皮だけで作られたぼろきれのような人間だった。ぼろきれは私に頼みがあるようだった。彼の郷里には不老不死とも云える一族が棲み、彼らの体内には「治癒の血」が流れているのだと云う。だが今や治癒の血をもつ末裔は一人のみとなってしまった。ぼろきれはこの血を絶やさぬ為、私の人形を器に使いたいと云うのだ。
・天の炎を盗んだ女 今は昔、炎は天にのみあり。炎の守り手は天の二王に仕へしひとりの天女なり。火守の天女日毎に蓮の香含みた吐息を吹きかけ炎絶やすことなし。この頃天には炎の他にこれほど烈しく光の放ち、熱を抱くものあらずして、天人天女らこれを畏れ近づくことなし。ただ火守のみがこの炎に寄り、時に触れ、畏るることなし。火守この炎に深く心傾ぎ、炎もまた火守に心を寄せり。
Tumblr media
試し読みもご利用いただけます。ぜひご覧ください。
“The Pieces of References”  Vol.3
【spec】
・content  original short story
・language  Japanese
・pages  26pgs
・size  5.8*4inches
・print  black and white printing
・age limit  none
・issue date  October 20, 2024
These are"References" are the creative materials that augment my novel. This zine contains 4 short stories and small illustrations. I recommend you read it along with my novel.
The sample is HERE. Please check it.
0 notes
yymm77 · 2 months
Text
十四 行き過ぎの哲学
十四 行き過ぎの哲学 第一項にも言ったように、いったん行動原理としてエネルギーの正当性を認めれば、エネルギーの原理に従うほかはない。獅子は荒野のかなたにまで突っ走っていくほかはない。それのみが獅子が獅子であることを証明するのである。常朝は行き過ぎということを精神の大事なスプリングポードと考えた。それ が次のような記述になってあらわれる。 「中道は物の至極なれども、武辺は、平生にも人に乗り越えたる心にてなくては成るまじく候。弓指南に、左右ろくのかねを用ふれども、右高(みぎたか)になりた がるゆゑ、右低(みぎひく)に…
0 notes
ninelanguages · 4 months
Text
Kanji for "Circle", "round", "yen"
円 = en/ maru•i
ほぼ一間年- hoboichimanen - about (roughly) 10,000 yen - ほぼいちまねん
千円札- senensatsu - a 1,000 yen bill - せんえんさつ
五百円- gohyakuen - five hundred yen - ごひゃくえん
円顔- marugao - a round face - まるがお
円い- marui - round/ circular/ spherical - まるい
円- en - yen - えん
(Note: This is the kanji for "yen" you might be used to pronouncing it with a Y but this is not the Japanese pronounciation. In Japanese it is said "en"
Wikipage note: The spelling and pronunciation "yen" is standard in English. This is because when Japan was first encountered by Europeans around the 16th (The Dutch had some influence here by the way) century, Japanese /e/(え) and /we/ (ゑ) both had been pronounced [je] and Portuguese missionaries had spelled them "ye". Some time thereafter, by the middle of the 18th century, /e/ and /we/ came to be pronounced [e] as in modern Japanese, although some regions retain the [je] pronunciation. Walter Henry Medhurst, who had neither been to Japan nor met any Japanese, having consulted mainly a Japanese-Dutch dictionary, spelled some "e"s as "ye" in his An English and Japanese, and Japanese and English Vocabulary (1830). In the early Meiji era, James Curtis Hepburn, following Medhurst, spelled all "e"s as "ye" in his A Japanese and English dictionary (1867). That was the first full-scale Japanese-English/English-Japanese dictionary, which had a strong influence on Westerners in Japan and probably prompted the spelling "yen". Hepburn revised most of "ye"s to "e" in the 3rd edition (1886) in order to mirror the contemporary pronunciation, except "yen". This was probably already fixed and has remained so ever since.)
_______________
Kanji for "turn toward", "face", "look toward", "head (go) toward"
向 = kou/ mu•ku/ mu•keru/ mu•ka/ mu•kou
方向- houkou - a direction/ a way/ a course - ほうこう
傾向- keikou - a tendency (to/toward) / a trend/ an inclination - けいこう
子供向け- kodomomuke - (a book) for children/ children's (museum) - こどもむけ
向く- muku - to turn one's head (toward)/ to look (to) - むく
振り向く- furimuku - to turn one's face (to) - ふりむく
向かい- mukai - (on) the opposite/ (on) the other side - むかい
________
Kanji for "turn around", "revolve", "rotate", "time"
回 - kai/ e/ mara•ru/ mawa•su
回す- mawasu - to turn/ to rotate/ to spin/ to pass/ to circulate - まわす
回る- mawaru - to turn/ to go round/ to spin/ to patrol/ to tour - まわる
時計回��に- tokeimawarini - clockwise - とけいまわりに
次回- jikai - next time/ next occasion - じかい
今回- konkai - lately/ this time - こんかい
目が回る- megamawaru - to be (feel) dizzy - めがまわる
_______________
Kanji for "next", "following", "subsequent", "secondary", "sub-", "vice-"
次 = ji/ shi / tsugi/ tsu•gu
次第- shidai - order/ the state of things/ circumstances - しだい
次第に- shidaini - gradually/ by degrees/ little by little - しだいに
次ぐ- tsugu - to rank (come, be) next to/ to come after - つぐ
次の- tsugino - next/ following/ coming/ second - つぎの
目次- mokuji - a table of contents - もくじ
次々に- tsugitsugini - one after another - つぎつぎに
_______________
Kanji for "fearful", "fear", "be afraid of"
怖 = fu / kowa•i
恐怖心- kyoufushin - fearfulness - きょうふしん
高所恐怖症- koushokyoufushou - acrophobia/ fear of heights - こうしょきょうふしょう
怖がる- kowagaru - to be afraid (scared) of/ to dread/ to be in fear - こわがる
恐怖- kyoufu - (a) fear/ terror/ (a) fright/ (a) dread/ (a) panic - きょうふ
怖い顔をする- kowaikao (w)o suru - to make a scary face/ to look fierce - こわいかお を する
怖い- kowai - frightening/ terrifying/ horrifying/ fearful/ scary -こわい
_______________
Kanji for "forgot"
忘 = bou/ wasu•reru
忘れる- wasureru - to forget/ to slip one's mind/ to be forgetful - わすれる
忘年会- bounenkai - (hold) a year-end party / forget-the-year party - ぼうねんかい
忘れ去る- wasuresaru - to forget completely - わすれさる
忘れっぽい- wasureppoi - to be forgetful/ have a poor memory - わすれっぽい
忘却- boukyaku - forgetfulness/ oblivion - ぼうきゃく
忘れ物- wasuremono - a thing left behind/ a lost article -わすれもの
_______________
Kanji for "north"
北 = kita/ hoku
北- kita - north - きた
駅の北側- eki no kitagawa - the north side of the station - えき の きたがわ
北口- kitaguchi - north entrance - きたぐち
南北- nanboku - north and south (literally south and north) - なんぼく
北アメリカ- kita amerika - North America - きたあめりか
北海道- hokkaidou - Hokkaido (Japan's northernmost Island) - ほっかいどう (Literally "North sea/ocean way")
_______________
Kanji for "south"
南 = nan/ na/ minami
南- minami - south - みなみ
南米- nanbei - South America - なんべい
東南アジア- tounanajia - Southeast Asia - とうなんあじあ
南極- nankyoku - the South Pole - なんきょく
南側- minamigawa - south side - みなみがわ
南口- minamiguchi - south entrance - みなみぐち
_______________
Kanji for "east", "eastern"
東 = tou/ higashi
東- higashi - east - ひがし
関東- kantou - Kanto region (Tokyo and surrounding area) - かんとう
中東- cyuutou - the Middle East - ちゅうとう
東海岸- higashikaigan - the east coast - ひがしかいがん
東口- higashiguchi - east entrance - ひがしゅぐち
東日本- higashinihon - Eastern Japan - ひがしにほん
_______________
Kanji for "west", "western"
西 = nishi/ sei/ sai
西- nishi - west/ the west - にし
西海岸- nishikaigan - the west coast - にしかいがん
西口- nishiguchi - west entrance - にしぐち
関西- kansai - Kansai (south-western region of Japan) - かんさい
東西- touzai - east and west/ the East and the West - とうざい
西日本- nishinihon - Western Japan - にしにほん
0 notes
kachoushi · 5 months
Text
各地句会報
花鳥誌 令和6年5月号
Tumblr media
坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
………………………………………………………………
令和5年2月1日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
立春を待たずに友は旅立ちし 喜代子 習はしの鰈供へる初天神 由季子 在さらば百寿の母と春を待つ 同 春遅々と言へども今日の日差しかな 都 橋桁に渦を巻きつつ雪解水 同 盆梅の一輪ごとにときめきぬ 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月3日 零の会 坊城俊樹選 特選句
飴切りの音高らかに春を待つ 和子 風船消ゆ宝珠の上の青空へ 慶月 天を突く手が手が福豆を欲す 光子 葬頭河の婆万年を寒く座す 光子 飴切りのビートを刻み追儺の日 いづみ 虚無なるは節分の達磨の眼 緋路 老いてなほ鬼をやらふといふことを 千種 恵方向く沓の爪先光らせて 光子 とんがらし売る正面に福豆も 和子 錫杖をつき仏性は春を待つ 小鳥
岡田順子選 特選句
厄落し葬頭河婆をねんごろに はるか 柊挿す住吉屋にも勝手口 眞理子 豆を打つ墨染のぞく腕つぷし 千種 奪衣婆の春とて闇の中笑ふ 俊樹 亀鳴けば八角五重の塔軋む 俊樹 節分や赤い屋台に赤い香具師 緋路 錫􄼺の音待春の鼓膜にも 緋路 飴切りのトントコトンに地虫出づ 風頭
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月3日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
ものゝふの声は怒涛に実朝忌 かおり 実朝忌由比のとどろきのみ残る 睦子 久女忌の空は火色にゆふぐれて かおり やはらかな風をスケッチ春を待つ 成子 実朝の忌あり五山の揺るぎなし 美穂 歌詠みは嘘がお上手実朝忌 たかし 死せし魚白くかたどり寒月光 かおり 実朝忌早き目覚めの谷戸十戸 久美子 寒月や薄墨となるパールピアス かおり 寒月に壁の落書のそゝり立つ 同 ふはとキスこの梅が香をわたくしす 美穂 昃れば古色をつくす蓮の骨 睦子 寒禽の過り裸婦像歪みたる かおり 人呑みし海ごつごつと寒の雨 朝子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月9日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
両の手をあふるるあくび山笑ふ 美智子 春浅し絵馬結ふ紐のからくれなゐ 都 鰐口に心願ありて涅槃西風 宇太郎 柊挿す一人暮しに負けまじと 悦子 寒晴や日頃の憂さをみな空へ 佐代子 師の苦言心にとめて初硯 すみ子 この町を砕かんばかり月冴ゆる 都
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月10日 枡形句会
春菊をどさつと鍋に入れ仕上ぐ 白陶 落ちる時知りたるやうに紅椿 三無 装ひは少し明るめ寒明ける 和代 一品は底の春菊夕餉とす 多美女 中子師の縁の作詞冬の能登 百合子
………………………………………………………………
令和5年2月11日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
料峭の石橋渡る音響く 三無 苔厚き老杉の根に残る雪 あき子 羽広げ鴨の背にぶく薄光り のりこ 春まだき耀へる日の風を連れ 三無 吟行や二月の空は青淡き 和魚 春めきて日向の土の柔らかく 三無 春の陽を川面に溜めてゆく流れ 貴薫
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月12日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
古暦焚くパリの下町も焚く 昭子 豆撒や内なる鬼を宥めつつ みす枝 落日にして寒菊の色深し 世詩明 被災地の家もひれ伏し虎落笛 ただし 裸婦像の息づく如く雪の果 世詩明 雪吊の縄にも疲れ見えにけり 英美子 ありし日の娘を偲び雛飾る みす枝 それぞれの何か秘めたる卒業子 世詩明 今生の山河に満つる初明り 時江 九頭竜の河口に余寒残しをり 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月13日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
春立つや電車もステップ踏み走る 紀子 薄氷を横目に見つつ急く朝 裕子 商店街バレンタインの日の匂ひ 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月13日 萩花鳥会
白梅と紅梅狭庭にうらうらと 祐子 熱燗で泣けたあの唄亜紀絶唱 健雄 如月の青空のこころ乗り移る 俊文 春の霜とぎ汁そつと庭に撒き ゆかり うすらひを踏むが如くの孫受験 恒雄 透きとほる窓辺の瓶や冬の朝 吉之 身に纏う衣減らざり春浅し 明子 躙り口扇子置く手に零れ梅 美恵子
………………………………………………………………
令和5年2月16日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
越前の雪の生みたる雪女 雪 又次の嚔こらへてをりし顔 同 一としきり一羽の鴉寒復習 同 横顔の考へてゐる寒鴉 同 老いて尚たぎる血のあり恵方道 真喜栄 節分会華を添へたる芸者衆 同 白山の空より寒の明け来たり かづを 紅梅や盗まれさうな嬰児抱く みす枝 老犬の鼾すこやか春を待つ 清女 佐保姫やまづ能登の地に舞ひ来たれ 嘉和 収骨の如月の手は震へつつ 玲子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月16日 さきたま花鳥句会
煮凝を箸で揺らしつ酒を酌む 月惑 春一番ドミノ倒しの駐輪場 八草 雪残る路肩を選りて歩く子ら 裕章 春立つや蠢く気配絵馬の文字 紀花 朽木根に残してあがる春の雪 孝江 見舞ふ友見送る窓の老の春 ふゆ子 鼓一打合図に開始鬼やらひ ふじ穂 スクワット立春の影のびちぢみ 康子 匂ひ来し空に溶けたる梅真白 彩香 生みたてと書きて商ふ寒卵 みのり 寿司桶の箍光りたる弥生かな 良江 春泥や卒寿の叔母の赤き靴 珪子
………………………………………………………………
令和5年2月18日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
総門を白く散らして梅の寺 斉 俯ける金縷梅の香や山門に 芙佐子 恋の猫山内忍び振り返る 斉 日溜りに小さき影なし猫の恋 白陶 腰かけて白きオブジェの暖かし 久子 鳥もまた盛んなるかな猫の恋 白陶
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月21日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
撫で牛に梅の香纏ふ天満宮 笑子〃 白梅の五感震はす香の微か 千加江 真夜の雪寝る間の怖さ知るまいの 令子 銀色の光ほころび猫柳 啓子 復興や春一丁目一番地 数幸 紅梅の謂を僧の懇ろに 雪
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月22日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
一羽には一羽の矜持寒鴉 雪 憶却の先立つてゐるちやんちやんこ 同 煮凝りや良き酒飲めて子煩悩 同 来し方を語り語らず大冬木 同 此の人の思ひも寄りぬ大嚏 同 初春の遥か見据ゑ左内像 一涓 熱燗や聞きしに勝る泣き上戸 同 己がじし火と糧守りて雪に棲む 同 灯もせば懐古の御ん目古雛 同 もう少し聞きたいことも女正月 昭子 冬���向ふと一病を忘れけり 同 瀬の音にむつくりむくり蕗の薹 みす枝 夜中まで���めき続く春一番 やすえ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
寒紅や良きも悪しきも父に似し 雪 退屈をひつかけてゐるちやんちやんこ 同 春立つや千手千眼観世音 同 路地路地に国府の名残り春の雪 同 節分会葵の御紋許されて 同 越前の夜こそ哀し雪女 同 瓔珞に鐘の一打にある余寒 清女 能登地震声を大にし鬼は外 数幸 春塵や古刹の裏の道具小屋 泰俊 蕗の薹顔出し山を動かしぬ 啓子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
0 notes
22centuryworks · 6 months
Text
Tumblr media Tumblr media Tumblr media
理路 BEING KAZUE
『かづゑ的』熊谷博子監督 舞台挨拶付上映@フォーラム仙台_20240324
とても暖かな日曜日、オレンジ色のフリースを着て登壇された熊谷博子監督に、パンフレットにサインをしてもらう儀式に参加する体力(売店で並び、サインで並び)がなく、隠し撮りが当方にできる精一杯だったコトをまずお詫びしたい。この映画は〝著名人の応援〟を集めることに成功しているが、口コミが一番の応援なのだと監督が仰ったので、何事かを書き残したい。
「i ai(アイアイ)」同様、「かづゑ的」も理路にまつわる映画だった。ハンセン病患者として手足の切断、顔面の溶解を身体に起してもなお、ハートは健康だとかづゑさんは言った。かづゑさんは幼くして隔離学校に入所し、そこで自尊心を根こそぎ持って行かれる苛烈ないじめに遭う。眼前に広がる海に入って自殺するコトが生の希望であり、それを遂行できなかったコトは絶望だったという。魂が身体に留まっていても急速に朽ちていくので、ならばそれを倍速にし、その速度感に魂の希望を見出すしかなかった。それ以外は非情なまでの苦しみ、屈辱だったのだ。だがかづゑさんは人生の結論として、「ハートは健康だ」と明快に答えている。信仰とはべつに、「理路」という言い方でしか説明できないモノがそこに存在していた。それは熊谷監督が仰るようにこの時代に大きく投げ掛けられた直截的な問いである。夫や家族との人類「愛」がそこに存在していたのだ。それを監督がティーチインで教えてくれた。また、ハートという言い方はかづゑさんがされていた。
ある時、「ふるさと」という唱歌を慰問で歌おうとした人びとに、かづゑさんは決然と「無礼だ」と思った。「ふるさと」なんか私には無かったから、と。この場面と、全裸で介護士に身体を洗われる場面は一度みただけでみたコトにしたくないほど「神々しい」(これは熊谷監督のコトバ)。たしかに神はココに理路を隠したのだと思った。映画の天使=被造物を監督が愛を持って守りつづけたフィルムである。ハート(愛)は健康だから。
Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media
ハート的
0 notes
uro-9000 · 1 year
Text
Tumblr media
つぎに智慧光と申すは、これは
無痴の善根をもって得たまへるひかりなり。
無痴の善根といふは、一切有情、智慧をならひ学びて無上菩提にいたらんとおもふこころをおこさしめんがために得たまへるなり。
念仏を信ずるこころを得しむるなり。
念仏を信ずるは、すなわちすでに智慧を得て仏に成るべき身となるは、これを愚痴をはなるることとしるべきなり。このゆゑに智慧光仏と申すなり。
0 notes
habuku-kokoro · 1 year
Text
新しい伝説 稲畑廣太郎
<劇評>
新しい伝説
稲畑廣太郎(俳人・俳誌「ホトトギス」主宰・省心会メンバー)
 子供の頃からよく聞かさ��ていた「浦島太郎」の物語は、浦島太郎が海辺で子供達にいじめられていた亀を助け、その亀はお礼に海中にある龍宮城へ招待し、そこ居た乙姫と三年間楽しく過し……、という話であるが、その時から子供なりに抱えていた疑問がある。
「海の中で、どないして息すんの」
というものであったが、その後大人になるにつれこの物語も脳裏からは全く失せてしまった。子供の頃は、この物語は、乙姫から貰い、決して開けてはならないと言われながら、さっさと玉手箱を開けた浦島太郎がその玉手箱から立ち上る煙によってお爺さんになってしまう、というところから
「人とした約束を破ったらアカン」
という教訓を教え込むための押しつけのように思い込んでいたのも原因かも知れない。
 今回ひとり文芸ミュージカル「乙姫(おとひめさま)」上演に際してあらためてこの物語に数十年振りに触れてみると、様々な伝説として伝わっていたこの物語が型として定まったとされる「御伽草子」は
「昔丹後の國に浦島といふもの侍りしに」
と始まり、その息子が浦島太郎。太郎は漁師で「ゑじまが磯」というところで亀を釣り上げ、その亀を逃してやり、その亀が女人(乙姫)に変身して龍宮城(陸地にある)へ連れて行って二人は結婚してそこで暮らすが、三年で里心がついてしまい、件の禁断の玉手箱を貰って帰るが、龍宮での三年は、里では七百年の年月が経っており、勿論知っている親戚縁者は皆故人である。悲観した太郎は玉手箱を開け、老人になったが、考えてみると、七百年という年月は老人どころの騒ぎではないだろう。御伽草子では、この後太郎は鶴となって蓬莱山へ向かう。乙姫は亀の化身であるので、そのまま亀となり蓬莱山へ向った。
 令和五年八月一日に観世能楽堂で上演された「乙姫」は、先ず何といっても特筆すべき点はこれが能舞台という空間で演じられたことである。最近はこの能舞台で行われることが増えたひとり文芸ミュージカルであるが、源川瑠々子さんは、どんどんこの能舞台という幽玄の空間に溶け込んで、この空間でしか表現し得ない、そして観客側からもこの空間でしか味わえない独特の世界を醸し出している。本来浦島太郎が主役の物語を乙姫を主役にしたことによって、全く新しい視点からこの物語を見直すことにも成功している。何度も申し上げているかも知れないが、能舞台は極限まで省略され、その省略された空間をどう表現するか、そしてどう鑑賞するかということが眼目になってくる。手前味噌ではあるがこれこそ俳句の世界で表現する「花鳥諷詠」の真骨頂とも言えるだろう。今後も楽しみな上演であった。
0 notes