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#夏メニュー
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薩摩焼酎三昧
つまみは8月の夏メニュー
@かごっまふるさと屋台村 バスチカ
 火の玉ボーイ
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tropicsweet · 2 months
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夏の新メニュー☆星空クリームソーダ
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splatoonreblogger · 4 months
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SplatoonNA:
Good news for Tableturf fans, 14 additional cards are coming! Look for the following: The Ursine Anomaly - #03, Megalodontia, and Overlorder. These cards take up a lot of spaces, so you'll need to build your deck around them a bit. New main weapon cards are also being added!
SplatoonJP:
ナワバトラーのカードが14種追加される。
実験体熊三号、ジョー、オーダコという強敵3体がついにカードになったぞ。
どれもマス数が特大で、デッキ構築にひと工夫が必要になりそうだ。
新たなメインウェポンも一気にカード化されるので、要チェックだ。
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SplatoonNA:
New Locker decorations and stickers are arriving soon!
It seems toy-like decoration designs are in, and stickers inspired by Lemuria Hub will be in stock too. Salmon Run part-timers will also have some more stickers to earn via Grizzco!
SplatoonJP:
新しいオキモノやステッカーも追加されたぞ!
オモチャのようなオキモノや、リュウグウターミナルをモチーフにしたステッカーが揃っているようだ。
ちなみにクマサン商会で交換できるオキモノやステッカーも増えているぞ!
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SplatoonNA:
Here's a peek at the upcoming Sizzle Season 2024 catalog!
New items featuring the uniquely diverse flavors of the Splatlands will be freshening up wardrobes soon. And of course new emotes, decorations, and stickers are also on the way.
EN video
SplatoonJP:
「2024夏 Sizzle Season」のカタログの紹介だ。
原点回帰で、バンカラらしい個性豊かで自由なファッションが載っている。もちろん新しいエモートやオキモノ、ステッカーなどもラインナップされているぞ。
もらえるアイテムはメニューの「カタログ」から確認することができるぞ。
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makichibayu · 1 year
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Lunch plate !
生ハムメロンサンド🍈
初夏のサンドイッチには
フルーティ&ジューシーで爽やかなものが良いな〜と思いまして
前菜の定番、生ハムメロンをサンドイッチにしました!
合わせているのは、クリームチーズ、レタス、赤玉ねぎで、オリーブオイル、ミックスペッパーでシンプルな味付け。
ボリューム満点だけど
火も使わずに出来ちゃう夏にぴったりなメニューになりました!
パンは、 @takaki_bakery_official の石窯バタールを使いましたよ。
軽くトーストして外はカリッと中はふんわりが美味しいです。
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xx86 · 1 month
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夏のおしまい
この夏、というか8月は律子と会ってばかりだった。例の如く吹奏楽コンクールに行くためだ。実姉なのにも関わらず、相変わらず初デートの男性のような気の使い方で、私が買ってきた水を1口飲む度にありがとう、いただきますと言う。ちなみに私は律子のことをお姉ちゃんと呼んだことがない。お姉ちゃんという響きは何となくむず痒い。1番下の妹の陽ちゃんも私のことをお姉ちゃんと呼ばない。律子のことだけお姉ちゃんと呼ぶ。私がお姉ちゃんと呼ばれる事を全力で拒否したからである。
律子は感謝は知性だと言う。私は感謝は経験と想像力だと思う。彼女の感謝の仕方、気の使い方は我が姉ながら人生どれだけひどく辛い思いをしてきたのだろうかと心配になる。
まあまあおしゃれなのに和洋折衷のメニューがものすごくある上になぜか提供がめちゃくちゃ早いカフェで夜ごはんを食べながら、会いたいと願えば会えるよ、と言う。本当だろうか?しのぶやユウちゃんや田井や雅子さんにもう一度会えるのだろうか。
でも、それは双方が会いたいと思っていたら、の話じゃないかしら。会えないということはそういうことなのだと思う。もう終わったのだ、すべて。
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kennak · 27 days
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中国電力は29日、再生可能エネルギーの出力制御が増える時期に、昼間の電気料金の単価が夜間よりも割安となる新しい家庭向けの料金メニューを発表した。29日から受け付けを始め、10月1日に開始する。昼間余剰となっている再エネの電気を有効活用する狙い。  昼間にお湯を沸かすことができるヒートポンプ給湯器を使用している家庭向けのメニュー。7〜9月の夏季を除き、昼間の単価が夜間に比べ割安になる。夏季は冷房の使用で昼間の電力需要が減少せず、再エネの出力制御が起きにくいことなどから、昼夜で同一単価となる。  中国電力の供給エリアでは、春や秋の昼間を中心に電力供給が需要を上回る状況となっている。
中国電、昼割安料金メニュー導入 余剰の再生可能エネルギー活用|全国のニュース|Web東奥
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longgoodbye1992 · 3 months
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約束を破った週末に
婚活用のマッチングアプリを始めて2ヶ月経った。
田舎で使っても中々マッチせず、マッチしたところで会ってみれば特別好みも価値観も噛み合う事も無く、当たり障りのない会話をして終わる。
そんな事を何人か繰り返していたら、その中の一人からもう一度会いたいと言われて約束した今週末。
何となく気乗りしなかった。好みでもなかった。
話はそれなりに合うんだけれど恋人、ましてや結婚相手にはあまり適さないなと思っていた。
週の半ばに母が用事で週末隣県の街に行くと言った。
一人で行かせるのも何だか不安だった。
結果的にその人との約束をキャンセルすることにした。
メッセージを送ったのは約束の二日前。
体調が悪いと書いて謝罪と一緒に送った。
既読がついて返信は来なかった。
それと同時に愛奈にメッセージを送った。
彼女はその街に詳しいから、母を待つ間に時間を潰せる喫茶店を教えてもらおうと思ったからだ。
彼女の店を選ぶ目は特に信頼できる。
丁寧にリンク付きで三つ候補を送ってくれた。
その中でも駅に近い場所に決めた。
当日はあっという間に訪れる。
駅の西口にあるビルの近くに車を停めて母はビルへ、俺は駅の反対側へ向かった。
レトロな外観の店だった。
時間は十四時前だったが、大勢の客で賑わっている。
カウンターに座ってメニューをもらう。
ランチメニューのホットサンドのセットがお得だったけれど、ラーメンを食べたばかりだったのでケーキセットにした。飲み物は店名と同じカプチーノ。
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甘いショコラと優しさと苦味があるカプチーノがよく合う。
次から次へと来る客を慌ただしく店主がさばいているが、その手際の良さとスタッフの連携が美しい。
一月前にネットで知り合い、ここのところずっとDMをやりとりしていた日菜乃からの返信が、店に入ったあたりで途切れた。
彼と合流して大阪で野球を見始めた時間だろう。
着ていく服に悩んでいて写真が俺にも送られてきたが彼女らしい服でよく似合っていた。
涼しい生地だから雨に濡れた時が少し心配だが彼と一緒ならいいだろう。
十個くらい離れていると兄なのか親なのかよくわからない気持ちになる。
カウンターの隣に二十代前半くらいの女性二人が座ってきた。
互いに可愛いと言い合って大学時代の写真を見せ合うのを横で聞いているけれど、この子達は本当にそう思って互いを褒め合っているのが何となくわかった。
カプチーノが冷えてきた。
スチームミルクを残さないよう一気に飲み干して店を出よう。
外は梅雨前、真夏の光。
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albatrossmuffin · 1 year
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Free! & Coco's 2023 Collaboration: The Best Summer -Memory- with You!
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Makoto: Eh? Haru, you’re at Coco’s right now?!
Where a surprised Makoto and his friends gathered was a certain Coco’s in Tokyo---
Haru: Coco’s has entrusted me with an important role. We’re going to liven up the summer Coco’s!
In fact, after working part-time, Haruka, who occasionally exchanged opinions on menus (mainly mackerel dishes), was finally appointed as this summer’s Coco’s official ambassador.
Haru: So that’s the story. I want everyone to lend me their strength. I still want to convey the appeal of mackerel...!
Rin: That wasn’t enough, Haru?  ...Even though the tournament still will continue, what will you do about practice?
Makoto: Jeez, Haru...I understand. I will adjust the practice menu. You want to help and practice with your full power, right?
Haru: Yes, of course, Makoto. It’s a “special summer” for us, too, after all.
Rin: Can’t be helped, then. It’s a big gathering of everyone once again...!
In this way, the Coco’s Dream Team, led by the Coco’s official ambassador and mackerel ambassador, Haruka, was formed!
Nagisa: If Haru-chan’s going to do his best, then I will, too~! Right, Kin-chan!
Kinjou: Hah!?
The "Best Summer" that they create, and the "Coco's That You've Never Seen Before" are--?!
In addition, the "Odin of the Swimming World," who came to Japan for the tournament, also agreed to help at Haruka's invitation---?!
Those who want to dive into Coco's, everyone gather!!
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yui-on · 1 year
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2023今年の夏季限定メニュー②
アイスホウジンジャー(仮)
結音オリジナル・アイス焙ジンジャー ローズマリー添え(ほうじ茶ジンジャーフロート的なものです。)
ほうじ茶とジンジャーエール ほっと一息暑い夏の水分補給にどうぞ、ノンアルコールオンリーでの提供になります。
#結音茶舗 #日本茶バー #ホウジンジャー
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rosysnow · 1 month
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やがて終わる空
この道を抜ければ私たちは自由になれるのに
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 母が留守にするとき、私の家には菜実さんという女の人がやってくることがあった。それは、物心つく前からのことで、特におかしなことだと私は思わなかった。
 ただ、菜実さんも、菜実さんの肩を抱く父も、母にはすべてを黙っておくよう私を戒めた。その理由を訊けない私は、父が母には見せない笑顔を菜実さんには向けているのをただ見つめた。
 何か、おかあさんが仲間外れみたいで可哀想。
 そう思ったけど、パートとか友人との食事から帰ってきた母に、私はおとなしく何も言わなかった。
 父と母は、互いに相手に向かって微笑むことがなかった。私のことはかわいがってくれるけど、リコン、という言葉を知ったときには、やがて私の家にはそれが来るだろうと思った。私はどちらかを選ぶのかと悩み、夜、寝つけないときもあった。
 父と母は、口論するわけではないし、どちらかが暴れるわけでも、怒鳴るわけでもない。でも、何というか、冷めている。何とも想っていない無関心が伝わってくる。
 なのに、なぜ結婚したのだろう。結婚って、好きな人とするものでしょう?
「秋果にはそろそろ話しておくけどね。おとうさんには、昔から好きな女の人がいるの」
 父が残業で帰宅が遅くなった夜、母とふたりで夕食を取っていた。メニューは、母のお手製の豆腐ハンバーグで、私はもうじき小学校に上がる春先だった。
 私がつねづねの質問を投げかけるまでもなく、機会を待っていたように、母がそんな話を始めた。
「おかあさんは、何にも知らずにおとうさんと結婚しそうだったけど、その女の人、一度おかあさんに会いにきたの。そして、おとうさんと一緒に暮らしてる鍵をおかあさんに返して、『今、あの人の部屋には私とペアで買ったものがたくさんあるけど、どうせなら捨てずに使ってくださいね』って」
 おかあさんは、食器棚のお揃いの湯のみとかお皿とかを見た。そして、「負けるか、と思って使ってるけど、やっぱりつらいね」と泣きそうに笑った。
 私の頭によぎったのは、当然、この家を訪ねてきては、父に寄り添う菜実さんだった。そう、このとき私は、はっきりと心に決めたのだ。
 ああ、私、おかあさんについていこう。
「秋果ちゃん」
 小学校に上がって、校庭に咲いているのは、桜からつつじになった。よく晴れた五月の中旬、ちょっと暑いくらいで今年初めて半袖を着た日だった。白とピンクのつつじに目を移していきながら、私は車道沿いの通学路を下校していた。
 聞き憶えのある声に、足を止めて顔を上げると、母のあの話を聞いてから避けるようになった菜実さんがいた。家の外で菜実さんに会うのは、初めてだった。
「学校、終わったの?」
 無視しようと思ったけど、それを菜実さんが父に言って、父が私を怒ったら?
 私は菜実さんと目��合わせないようにしながら、とりあえずこくんとした。「そっか」と菜実さんは私がそっけなくなっても優しいままの声で言う。
「あのね、秋果ちゃん」
「……何」
「私、秋果ちゃんと行きたいところがあるんだけど」
 私は精一杯の拒絶で、つつじとそれに集まる蜂を見ていた。けれど、菜実さんの視線は折れないし、沈黙も気まずくて、やっと菜実さんを見た。
 茶色の髪を梳いて軽くする菜実さんは、水色のスーツを着ていた。化粧がいつもより濃いように見える。「たぶんね」と菜実さんは私の頭に手を置いた。
「私、秋果ちゃんと会えるのは、これが最後だと思うの」
 首をかたむけると、「その理由も話すから」と菜実さんは私の手を取った。
 振りはらうべきなのか迷ううちに、軽く引っ張られて、すぐそばに停まっていたグレーの車の後部座席に乗せられた。ドアをばたんと閉めた菜実さんは、すぐ運転席に乗りこんで「一時間くらいだからね」と、あっという間に車を発進させてしまった。
 私は窓から外を見て、さっき出てきた校門も通り過ぎるのを茫然と見て、やっと頭の中を蒼白にして菜実さんを見た。
 菜実さんが私にひどいことをしたことはない。目つきも手つきも、いつもちゃんと優しい。
 でも、やっぱりこの人は私のおかあさんじゃないし、なのにおとうさんとべたべたするし、昔おかあさんに嫌なことだってしたし。いい人だ、とはもう思えなくなっている。
 だいたい、おかあさんのいないときに、おとうさんと仲良くする女の人が好ましくないのは、小学校にも上がれば分かってくる。この人、私の家に入りこんできて、いったい何なの? この人さえいなければ、もしかしたら、おとうさんとおかあさんも仲が良かったかもしれないのに。
 結局、よくよく考えれば、私は菜実さんに最もひどいことをされているのだ。
「お腹空いてない?」
 赤信号のとき、菜実さんはそう言って、後部座席にあったふくろからお菓子を取り出した。私のポテトチップスが、いつも“のりしお”なのは、菜実さんも知っている。一応受け取ったけど、がさ、とそれを抱きしめてうつむいた。
「すぐ着かないし、ランドセルも足元に下ろしていいからね」
 菜実さんがそう言ったとき、信号が変わってまた車が動き出す。
 私はランドセルの肩ベルトを握った。どうすればいいのだろう。いつもの景色が遠ざかるほど、私はどうなるか分からないのに。
 叫ぶ? じたばた暴れる? 窓を殴る? 車の中なのに、目を留めてくれる人はいるの? それに何より、私が動いた途端、菜実さんが怒鳴ったり、たたいたりしてきたら。
 息が浅くなって、口の中も乾いて、心臓が苦しくなってくる。
 どうしよう! どうしよう。どうしよう……
 考えすぎて頭が酸欠でくらくらしてきた。軆が震えないように、今夜切るつもりだった少し伸びた爪を、手のひらに食いこませる。まばゆい初夏の太陽が射しているのに、背骨が無感覚なほど冷たかった。
 そんなふうにただ怯えているうちにも、車の窓から見える景色はどんどん変わっていった。
 私が住む住宅街や通う小学校の周辺には、かなり大きな駅があるから、見慣れた近所はビルばっかりの都会だ。私は、夜にはネオンがないと不安になる。そして、田舎の夜は真っ暗になるから、大嫌いだった。
 なのに、菜実さんが向かっていく景色は、徐々に緑を増やして、ひと気も薄くなっていく。そのうち、車は高速道路にも乗ってしまって、いよいよ私は蒼ざめてきた。
 どこに連れていかれるの?
 おうちに帰してもらえるの?
 殺されたり……しない?
 うつむいて、ポテトチップスのふくろを開けもせずに抱きしめていた。菜実さんがたまに何か声をかけてきても、もう耳に入ってこない。涙が滲みそうになって、唇をちぎりそうに噛んだ。
 怖い。怖いよ。おとうさん。おかあさん。私、このまま死んじゃったりしたくないよ。
 菜実さんの車が、ふと停まった。下を向いてスカートの赤のギンガムチェックを見ていた私は、そろそろと顔を上げた。
 まだ、空は青く明るい。窓に首を捻じると、道路には走る車もなく、でも、左右の田んぼの手前のガードレールにトラックがちらほら寄せられていた。
 菜実さんはエンジンを切って、「やっぱりここは、空が綺麗だなあ」と後部座席を振り返った。私もそうしてみて、目をしばたいた。後部座席の窓の向こうには、地平線があって、突き抜ける空の青と、ふっくらした雲の白が、互いの色を際立ててくっきり澄んでいた。
 菜実さんは車を降りて、一度背伸びをしてから、私のほうにまわってきて、ドアを開けた。
「降りてみて。秋果ちゃんにも、ここの空を見てほしいの」
 私はまだ訝る目で、菜実さんを見たものの、ランドセルを下ろして車を降りた。さわやかな風がふわっと抜けていって、スカートがひるがえって、涼しかった。
 菜実さんは私の手を取り、トランクのほうにまわって、車によりかかって天を仰いだ。そばにいる何かの工事をしている男の人が気になりながらも、私もそうした。
 雲が白波、空が海原になったように見えた。背中を預ける車は、エンジンの名残で熱い。
「あのね、秋果ちゃん」
 空を見つめて、こちらを見ないまま、菜実さんはぽつりぽつりと話しはじめた。
「私と直之くん──秋果ちゃんのおとうさんね、ほんとはそう呼んでるの。私たちね、昔から仲が良かったの。直之くんが五歳年上で、ほんとにいいおにいちゃんだったんだ。私は、子供の頃から直之くんと結婚するのが夢だった」
 私は菜実さんの横顔を見て、知ってる、と言おうと思ったものの、何となくそれは意地悪な気がして、言えなかった。
「直之くんと結婚して、子供を持って、家庭を作って。最後は一緒にお墓に入る。それさえ叶えば、よかったの。でも、あんなに私と仲良くしてくれてた直之くんのおじさんとおばさんは、私が子供を作れない軆って分かって、変わった。必死に、直之くんを私から引き離そうとした」
 子供を「作る」とか正直話がよく分からなかったものの、私は黙って聞いていた。
「直之くんは、それでも私と一緒になりたいって言ってくれてたんだけどね。だから、一緒に暮らすところまではいけたんだ。あの頃が、一番幸せだった。朝起きたら直之くんがいて、お揃いの食器でごはん食べて、直之くんは仕事、私は大学──夜になったら、また一緒に過ごして、同じふとんで眠るの。でも、それだけでいいのを、誰も理解してくれないんだよね。結婚できないんだから別れろ、子供も作れない女なんか捨てろ、直之くんは一時期、親にも上司にもそんなことを言われ過ぎて、ノイローゼみたいになってた。そんなとき、咲枝さん……秋果ちゃんのおかあさんとお見合いしてね。私は、突然直之くんに『別れよう』って言われた。わけが分からなくて、咲枝さんに対して嫌な女になったりした。きっと、咲枝さんにそれを聞いたから、秋果ちゃんは私によそよそしくなったんでしょ?」
 私は眉を寄せて考えてから、「よそよそしい」という言葉の意味がよく分かっていなかったものの、うなずいた。菜実さんは柔らかく微笑んで、私の頭を撫でた。
「ここから、あの町、見える?」
 菜実さんはそう言って、田んぼのずうっと先、地平線にある小さな町並みを指さした。
「あの町が、私と直之くんの育った町。だから、秋果ちゃんのおじいちゃんとおばあちゃんがいる。このあと、秋果ちゃんのことはそこに連れていくから安心して」
 それを言われて、急激にほっとした。おじいちゃんとおばあちゃんが近くにいる。ということは、おうちに帰れる。思わずため息をついていると、「昔、その田んぼの中を、直之くんと走りまわった」と菜実さんは緑色の風景を見やった。
「この道も、昔はこんなに整備されてなかったな。一応、隣の町につながる道として道ではあったけど。よく、直之くんとこの道まで来て、駆け落ちしちゃおうって話した」
 そう言ってから、ふと菜実さんは視線を落とすと、「ごめんね」と壊れそうな声でつぶやいた。
「それでも私、もう直之くんは結婚したんだから、あきらめなきゃいけなかったのに。やっぱり好きで、どうしても好きで。そしたら、結婚して子供もできたから、急に周りが静かになった直之くんも、やっぱり私が好きだなんて言ってくれて。それでも、もう私と直之くんは、ダメだったんだよね。何であんなことしちゃったんだろう。咲枝さんが留守にするたび家まで行って、秋果ちゃんにおとうさんがおかあさん以外の女といちゃつくところ見せて。ひどい女だよね。ほんと最低だよね。ごめんね」
 なぜ菜実さんが涙を落としはじめるのか分からなくて、私はつながっている手をぎゅっと握った。菜実さんは嗚咽をもらし、「ごめんね」と何度も言った。
 工事の人が、たまに怪訝そうにこちらを見ていた。それに気づいた菜実さんは、顔をくしゃくしゃにぬぐって、「この空、何年か経ったら、なくなってしまうの」と私の瞳を見つめて言った。
「高速道路がね、上にできちゃうの。ここから上を見ても、あるのは空じゃなくてコンクリートになっちゃうんだ」
 私もう一度、空を仰いだ。雲が緩やかに流れて、青がしなやかに広がっている。
「何度も、この道を抜ければ私たちは自由になれるのにって、直之くんと話した。その道をいつもきらきらさせてた空が、もう閉じられるんだ」
 菜実さんは、ゆっくり体重を脚に戻した。私は菜実さんとつないだ手を見て、ふとその左手の薬指に指輪があることに気づいた。その光をじっと見ていると、「子供がいなくてもいいよって人なの」と菜実さんは涙を残しながらも、にっこりした。
「だから、今日でほんとに最後。もう直之くんにも会わないし、秋果ちゃんにもほんとのこと話せた。っていっても、小学一年生じゃよく分からなかったよね。きっと、いつか分かるから」
「……ほんとに、おとうさんに会わなくていいの?」
「うん。やっぱりね、奥さんや彼女がいる男の人を好きでいるのはつらい」
「おかあさん……は、おとうさんの好きな人は、別にいるって言ってたよ」
「私も、直之くんがずっと好き。でも、一緒にいることはできないの。もう、この空がここからは見えなくなるみたいに、終わるんだよ」
 私は目を伏せて、菜実さんの手を握った。
 この人が、もしおかあさんだったら。そうだったら、すべてはうまくいっていたのだろうか。
 おとうさんは幸せ。菜実さんは幸せ。そんなふたりの笑顔で、私も幸せ。
 でも、やっぱり私は、結局誰にも愛されていないおかあさんを、一番見捨てられないと感じてしまう。
 そのあと、菜実さんは私を祖父母のいる町並みに送った。
 私は菜実さんにお金をもらって、駅にあった公衆電話で、祖父母の家に電話をかけた。菜実さんのことはもちろん言わなかったけど、電話に出た祖母はじゅうぶんびっくりして、すぐ迎えに行くと言った。
 菜実さんは、私にランドセルとポテトチップスを渡して、車に乗りこむと、祖父母が駆けつける前に去ってしまった。
 空を見た。さっきまで青かった空が、桃色と橙々色を溶け合わせて、穏やかに赤くなっていた。その光が雲に映え、夕焼けが広々と空を染めていた。
 何でこんなところにひとりで来たのか。電車で来たとしても、お金はどうしたのか。父の実家にとりあえず保護されても、祖父母に細かく訊かれて困ってしまった。
 けれど、電話をかけてきた父の何らかの説明で祖父母は落ち着き、両親が迎えに来るまで、もう普通にお盆やお正月のように私を甘やかしてくれた。
 もしかしたら、父は菜実さんに最後の連絡を受けて、辻褄を合わせたのかもしれない。分からない。それ以降、菜実さんは本当に私の家に来なくなったし、父はちょっとずつ母に優しくなっていった。母もぎこちなくそれに咲い返した。
 私はそんな両親を眺めて、薄れていく“離婚”と���う言葉を感じながら健やかに成長し、いつのまにか大学生になっていた。
 二十歳になった大学二年生の夏休み、私は高校時代からの彼氏である宏昭と、ドライブに出かけた。「どこ行く?」と運転する宏昭に訊かれて、私は父の田舎とは言わずに、あの町に行ってみたいと言った。
「あそこ、何かあったか?」
 首をかたむける宏昭と高速道路に乗って、私は高校生に上がってから──特に宏昭とつきあいはじめてから、来なくなった父の田舎に来た。
 予想以上に景色が変わり、緑の田んぼは灰色の道路になっていた。右とか左とか指示しながら、私は帰省しても何となく近づかなかった、隣町に続く道にやってきた。
 約十三年ぶりだ。宏昭と手をつないで、私は上を見た。
 そこは、完全に高架下になっていた。灰色のコンクリートがしっかりできあがり、空をさえぎって、道路は日陰になっている。汗は滲んでくるけど、ぎらつく太陽はないから、ちょっと涼しい。
 蝉の声が狂ったように鳴いている。コンクリートをじっと見上げる私に、宏昭は不思議そうにしていたけど、私があんまり強く手を握るから何も言わずに握り返してくれた。
「……終わったのかな」
 不意に私はそうつぶやいた。
「えっ」
「ここみたいに、ここからもう空が見えないみたいに、ちゃんと……終わったのかな」
 宏昭は、私を見つめた。無論、意味不明で少し混乱したようだけど、私の手を引き寄せて肩を抱いて、頭を撫でてくれた。
 そんな宏昭の体温が、薄手の夏服から伝わってくる。その熱は優しく私に溶けて、ほっとするから、少しだけ泣きそうになる。
 愛しあって、認められなくて、この道から逃げようとしたふたりがいた。結局、はっきりと確かめられていない。今は携帯電話だって普及した。本当に、おとうさんと菜実さんは終わった? 会っていない?
 分からない。分からないけど。
 あんなに自由に広がっていたはずの空さえ、今ではこんなふうに閉ざされている。そんなふうに、いくら愛しあっていても、結ばれないこともある。
 だから私は、今、手をつないでくれているこの人を、精一杯大切にしよう。そう、できればこの命が終わるまで。
 すべてが終わってしまう、その日まで。
 FIN
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tmdiary · 1 month
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2024/08/09
8月9日(金)晴
あまり食欲がわかず朝は食べれず昼もパンを食べたくらい。完全に夏バテ気味。
体を動かすと少しはマシになるかもと思って夕方からは日課の散歩へ。
夜飯は、鶏肉の炒め物もサラダと冷奴。居酒屋メニューでビールを飲み早めに眠りについた。
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harawata44 · 1 month
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「マックフライポテト」M・Lサイズが250円に、8月19日からキャンペーン実施、Lサイズ注文は130円値引き/マクドナルド | 食品産業新聞社ニュースWEB
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以下引用
日本マクドナルドは8月19日から「マックフライポテト」キャンペーンを開催し、M・Lサイズを特別価格“税込250円”で販売する。
実施期間は8月30日までの12日間。一部を除く全国の「マクドナルド」店舗で行う。「マックフライポテト」の販売時間帯は午前10時30分から閉店まで(24時間営業店舗では翌午前4時59分まで)。デリバリーは対象外。空港・サービスエリア・遊園地などの店舗では実施しない。 マクドナルドの「マックフライポテト」は、『外はカリッとゴールデンブラウン、中はホクホクとしたベイクドポテトのような食感』が特徴の人気サイドメニュー。マクドナルド公式サイト内の商品解説ページ「ポテトの道のり」によると、選ばれた品種のみのじゃがいもを丸ごとカットし、決められたフライオイルの温度や時間で揚げて、最後にポテトのおいしさをより引き立てる粒が大きめの塩をふりかけて仕上げることで、「マックフライポテト」の味わいが完成するという。 今回特別価格“250円”で提供する対象メニューは、「マックフライポテト Mサイズ」(通常価格税込330円)と、「マックフライポテト Lサイズ」(通常価格税込380円)の単品注文。Mサイズでは80円の値引き、Lサイズの場合は130円の値引きだ。 マクドナルド公式X(旧Twitter)アカウントでは、「マックカード1000円分」が当たるキャンペーンを実施する。マクドナルド公式アカウント(@McDonaldsJapan)をフォローし、対象のポストに指定のハッシュタグを付けてリプライして応募できる。応募期間は8月18日7時~23時59分と、8月19日7時~23時59分。抽選で2日間合計100人にマックカードをプレゼントする。
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また、8月16日からは、新TV-CM「i LOVE ポテト」篇を放映する。ダンスボーカルグループ「Number_i」(ナンバーアイ)メンバーの平野紫耀さん、神宮寺勇太さん、岸優太さんがマックフライポテトM・Lサイズが今だけうれしい250円で食べられる魅力を、ノリノリで盛り上がり「おかわり!」と繰り返してしまうような楽しさ・喜びの姿とともに伝える内容。
なお、マクドナルドでは7月24日から、「シャカシャカポテト ハワイアンバーベキュー味」を販売している。 マックフライポテトに付属の粉を入れ、シャカシャカ振って混ぜ合わせることで“味変”を楽しめる“シャカシャカポテト”の期間限定フレーバー。 常夏の島ハワイでのバーベキューをイメージした、香ばしいグリル風味とスパイスがやみつきになるという。ポテト注文の際にプラス税込40円で購入できる。販売期間は9月上旬まで。
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【関連記事】マクドナルド「炙り醤油風トリプル肉厚ビーフ」8月21日復活発売、2024年3度目の登場、夜マック時間帯に提供/サムライマック
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koiai15 · 1 month
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僕の夏休み。
きいちゃん
お互い仕事が詰まりすぎてて全然会えなかったんですけどやっっっっと時間が取れたのでロンドン土産持って会いに行ってきました!朝から電車を間違えそうになるトラブルも抱えながら、でもきいちゃんも朝から動いてくれてたおかげで遅刻はせずに済みました!※ここ大事です!
きいちゃんこの間お仕事で岡山に行ってたみたいで岡山土産もらったんですけど吉備団子を見たぼくの一言
「すごい!これが噂のまさかり担いだ金太郎の地!!」
さすがのきいちゃんも呆れてました。だれが悪い?ぼくですね!久しぶりに会ってもボケにボケを重ねてしまうぼくにちょっと疲れながら途中えいとくんに電話して3人であーでもないこーでもないって話をしてたんですけど、早く会いたいねーってなったので9月?10月?24さいっ。ちーむ友だちの会楽しみにしてまぁーす!ちなみにえいとくんは朝起きれないみたいなので彼を誘う場合は午後からにしましょう。ここ、テストに出ます!貸切かと思ったら人がいたのも面白かったし、鶴は1000年、亀は万年のくだりも信じられないくらい笑いました。あとドトールできいちゃんがアイス頼んでてマッジで意味がわかりませんでした!そんなぼくはりんごジュース頼んでたのでゼンカイチームは本当に訳わからんです!ね!あ。ちなみに海鮮丼、有言実行すべく、ぼく、奢りました。ドヤ。きいちゃん美味しそうに食べてて可愛かったでぇーす!ちなみに朝10時にお酒キメたのだれーー?
ぼくだーーーーーーーー!!!
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しゅーとくん
念願のしゅーとくん!二人でゲーセン行ってUFOキャッチャーしたりマリオカートで対戦したり、ハシゴ酒もしてきました!お互いのグループのことたくさん話して、めちゃくちゃ有意義な時間だったなあ。途中ぼくがへろった時スマートに助けてくれたしゅーとくん見て
「惚れちゃうかも!!!」
って言ったら「あ、大丈夫です!」ってしっかり断られました!照れ隠しだったらいいんだけど!!二人で大きなジョッキに入ってるお酒飲んで語り明かしたなあ。楽しかったなあ。そう言えばしゅーとくん日本酒も好きみたいなので今度飲んでこようと思います!ぼくも本格的に日本語!あ、日本酒です。日本酒デビューするぞー!
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綱くん
絶対誰かにオススメしたかったケーキ屋さんに綱くんを連れていけてよかった!スリッパ持参してきたのも面白かったし、二人でホラー映画観ました。後半、ぼくは全然観てなかったです!懺悔!綱くんの「気持ち悪い発言ランキング1位」を聞いて面白すぎて倒れそうでした。本当にノリとテンションがぼくみたいで、最近よく間違われます。もしかしたらぼくも綱くんなのかもしれないですね!31のアイス買ってきてくれた綱くん優男でした。残していったけど!また来るねー!って元気に帰っていったけれどもう大丈夫なので!ここで!返信しておきます!
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りんちゃん
ジブリご飯の再現メニューを頼んで感動!りんちゃんに
お食べ!!!!!
しました。りんちゃん大爆笑。お腹いっぱい食べたせいで帰りの電車で二人とも爆睡。そんなこと…あるもんですね!実は今週りんちゃんに3回会ってます。今月だけで言うともう5回?それでも僕がりんちゃんに「会いたい!!!」って言うんですけど、何を心配したのかりんちゃんが「あっちゃん何かあった…?」と返信をしてくれて、ぼくそれだけで笑いが止まらなかったです。会いたい=何かあったもんだと解釈してるりんちゃんかわいいですね。とても!本当にりんちゃんといると笑いがたえなくて幸せだなって思うんです。そんな人に出会えたことがまた幸せですね!
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ロンドンから帰ってきてバタバタしてる中でみんながぼくのために時間を作ってくれて会ってくれること、当たり前じゃないなあって思ったし、空がずっと続くみたいに、今この瞬間がずっと続くと良いのにな。そして、
何度季節が巡ってもみんなのそばにいたい。
新しい季節の訪れをまたみんなと過ごしたい。暖かな日差しの降り注ぐ日も、雨風の強い乾いた日にも、朱色の絨毯のかかる日も、白の空気に染まる寒い日でも、どんな時でも何度も同じ季節を巡り続けて、それでも最後はいつもみんなの側にいたいです。
みんないつもありがとねん。ラブッッッッッ!
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akishimarugbyschool · 2 months
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通常練習@くじら運動公園(8月3日)🐳
朝7時頃は気持ちのいい気温でしたがあっという間に上がっていきました。一つの練習メニューの中でも何度も水入れ、休憩を入れながら練習を実施していますが汗が噴き出切ります💦
隣のグランドの少年サッカーチームも頑張っていました⚽️
屋外球技の中でもボールが大きめなスポーツは悪天候でも実施されることが多いのでいろんな状況に慣れていけたらと思います。
夏休みシーズン、昭島ラグビースクールは一旦お盆休みで2週間練習がありませんが、涼しい時間帯?に外に出て体を動かしていきましょう!🏃‍♀️
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naganumapiano · 2 months
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8月の営業カレンダーと早朝営業のご案内
8月4日、日曜日は夏の朝市協賛で朝7時から営業開始いたします。
メニューはモーニングセットと飲み物だけに成ります。
セット内容は自家製ミルクブレッドのトーストに自家製ブルーベリージャム、ミニサラダ、冷製コーンスープにドリップコーヒーで800円です。
セットが無くなるまで対応致します。
その後は15時まで通常営業致します。
また翌日の5日月曜日から9日金曜日までは夏休みとさせていただきます。
ご迷惑お掛けしますがよろしくお願い致します。
#長沼 #カフェ
#早朝営業
#夏の朝市
#カフェピアーノピアーノ
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longgoodbye1992 · 5 months
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畔の蕎麦屋
家から約四十分くらい車を走らせた所に、山の中に小さな池がいくつも点在する観光スポットがある。有名なのはその中の一つ、鮮やかな青緑のインクで出来ているような青い池。先日たまたま見たクイズ番組でも出題されていた。
そこから少し離れた所にある、著名な訳でもない池の畔に蕎麦屋が出来たと知ったのは、去年の晩秋だっただろうか。その場所は冬になると立ち入れない所だから、行ってみようと思った頃にはもう時期を外れていた。
なんてことの無い初夏の晴れた土曜日の午後にそこへ行ってみる事にした。
蕎麦屋と言ってもメニューには珈琲やら甘味があるとの事で、敢えて昼を避けて十五時を目安にそこへ向かった。
海沿いの道を走り水面の乱反射する日差しに目を細めながら車を走らせる。海から少し離れて山中のくねくねとしたカーブを七つ越えた所にその店がある。
建物の前にメニューや案内が書かれてある。古い旅館か店をリノベーションしたのだろう。新しい店という雰囲気ではなく、元々の店を少し改装したのかというくらいの、懐かしさを感じる外観だった。
中へ入ると右手側に池が見える。その窓辺に机と椅子が置かれて客席になっている。
奥へ進むと下駄箱がある。そこまで進むと小上がりの向こうから店主と見られる女性が現れた。
「お食事ですか、お飲み物ですか」
「飲み物です」
「そちらの席か大広間にどうぞ」
窓際の椅子席も日向でよかったが、せっかくなので大広間を選ぶことにした。
靴を脱いでスリッパに履き替える。旅館の名前が印字されていた。やはりここは元々旅館だったらしい。何度も来ている所だったが、ここが旅館だったということを初めて知った。
女性の後を付いて大広間へ行く。
スリッパを脱ぎ大広間へ入ると、目の前には広い広い畳の部屋と大きな窓があり、その向こうには池と緑豊かな森が広がっていた。
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ピークを過ぎた頃なのだろう。他に客はいなく、好きな場所を選ぶことが出来た。
入って正面と右側に池が見えたので、一番奥の角に座った。
珈琲と蕎麦茶のプリンをオーダーする。テーブルの上にガラスの器があって、ここにお金を置いて会計をするそうだ。
蕎麦茶を啜りながら窓の外をぼんやり眺める。
揺れる湖面に青々とした木々。それをフレームのように切り取る、大きな窓のサッシが実に芸術的だ。
網戸越しの風が涼しい。ぽちゃりぽちゃりと魚が跳ねる音が聞こえる。スマートフォンを開くと電波は微かに入る程度で、じっくりのこの時を堪能出来る環境だった。
本棚を見つけたので覗いて見た。川上未映子やよしもとばなな、江國香織など女性作家の本が多く、きっと店主の好みなのだろう。その中にあった寺山修司が集めた名言集を借りた。
席に戻ってパラパラとめくっていると一つ気になる言葉があった。
「死んだ女より、もっとかわいそうなのは、忘れられた女」マリー・ローランサン 鎮静剤
別にこれは女性に限った事ではない。
さて自分は出会った人たちの何人の記憶に残っているだろう。
そんな事を考えていると珈琲と蕎麦茶プリンが運ばれてきた。
夏でも個人経営の喫茶店では温かい珈琲を飲むことにしている。冷たい珈琲は業務用の注ぐだけのものがあるが、温かい珈琲は確実に店の人が淹れてくれるからだ。
プリンのカラメルソースが別の入れ物で来たのが嬉しかった。
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まずは一口珈琲を飲む。苦みは少なく仄かな酸味がある。万人受けする味でプリンにも合いそうだ。
プリンをカラメルソースをかけずに一口食べる。そば茶の素材の味が生かされていて甘みはそれほど強くない。優しい味だった。
少しずつカラメルソースをかけて食べ進める。美味しくてすぐに食べ終わってしまった。
閉店時間まで四十分余り。ぼんやり外を眺めたり、この文をまとめたりしていると、あっという間に時が流れてしまった。
次は蕎麦を食べよう。そう決めて帰宅の途に着く。
そして秋の紅葉が今から楽しみになった。
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