Tumgik
#美瞳線
leannebeauty · 1 month
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繡眉、霧眉、織眉差別在哪裡?半永久化妝細節全公開
眉毛可以影響全臉的氣質,是化妝很重要的部分,但要畫出對稱、生動的眉型,對有些手拙的人來說,真的是難事,幸好有人發明了繡眉這件事情,但還有一大堆「織眉」、「飄眉」、「霧眉」名詞,到底是什麼?店家這麼多,又應該要怎麼樣挑選?
紋繡到底是什麼?
繡眉簡單的來說,就跟婆婆媽媽那個年代的「紋眉」意思是一樣,都是以染料,用刺青的方式做出眉型,但最大的差別是以前紋眉的色料跟刺青一樣,而且是永久性的,年代久了會變成黑青色,邊緣會擴散開來,而繡眉使用的色料進步很多,可以依造個人髮色調整出深、淺咖啡色等,且大約3~5年就會淡掉,不用擔心眉型一輩子不能修改,因此也被稱為「半永久化妝」。
紋繡過程是什麼?
紋繡師會先討論好想要的眉型與顏色,並且試畫在臉上,調整到滿意的形狀之後,做定位的標記,做好止痛步驟之後,以拋棄式排針沾取染料上色,其實過程不太痛,大概有點像被刮到的感覺一樣而已。
飄眉、絲霧眉、塑眉又是什麼?差別在哪裡?
其實關於這些不同的名稱,可以簡單分成三大類,最好在接受療程之前先問清楚。
有如眉粉刷上一樣,比較平面,薄薄一層霧感的模樣,通常會是叫做「繡眉」、「霧眉」。
像眉筆描繪出根根分明的毛流感,通常跟「織眉」、「塑眉」、「飄眉」比較相關。
像是眉粉打底,上面又有毛流感的,則是兩種的混合版本,有一層平面霧感,也有一根根毛流感,眉型濃且立體,有「絲霧眉」、「羽霧眉」等名稱
紋繡店家應該要怎麼挑選?
現在市面上各大大小小工作室非常多,價格也非常凌亂,但最重要的第一點,一定要挑選環境乾淨衛生,使用拋棄式器具,並且重視消毒的店家,第二就是觀察店家的粉絲團或是作品集,有持續在更新,且作品不會每個人的眉毛都長得一模一樣,可以看得出繡眉師能夠依據每個人的五官、臉型比例調整。
紋眉之前要注意什麼?
繡眉前一週,最好停止喝酒、服用維他命A、阿斯匹靈,因為這些都有可能增加血液循環、預防血液凝結,影響繡眉效果。
紋眉時,一定要再三確認型狀
通常繡眉開始之前,都會先畫出術後的眉毛形狀,絕對要先確認好是不是自己喜歡的模樣,最好別只看鏡子,拍照起來並且請朋友幫忙查看,才最準確。
紋眉之後怎麼照顧?
在完成之後,眉毛會顯得比較粗黑,接下來會結痂,在一週內盡量不要搓揉或摳痂,洗臉或流汗後,盡快把水分擦乾,如果覺得有一點搔癢,可以擦一點凡士林緩解,等到脫痂之後,就大功告成。
為什麼我的眉毛顏色淡的這麼快?
繡眉大約可以維持2-3年,依造每個人的代謝程度不同而定,但幾乎所有店家都有半年內補色一次的服務,這一次的補色非常重要,一定要抽出時間去補,有在半年內補一次,能夠延長術後眉毛的持久度許多。
紋繡 紋眉 飄眉 霧眉 美瞳線 水晶唇 男士飄眉鴻運眉 角蛋白翹睫術 日式美睫 專業化妝 眉型設計專家
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lilianbeauty · 1 year
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Lilianbeautyhome 🌸 氧 氣 眉 🙌🏻 靚女皮膚很白,氧氣眉很適🈴️🙌🏻 🏠大埔墟 ☎️whatsapp 61376593 包1次補色☝🏻包所有材料用品,用德國🇩🇪色料,眼部專用麻膏💯,1人1針保證衛生✅ @lilianbeautyhome https://www.facebook.com/lilianbeautyhome https://instagram.com/lilianbeautyhome #氧氣眉 #美瞳線 #大埔整眉#大埔墟霧眉氧氣眉 #大埔墟男仕飄眉 #植睫毛 #大埔墟植睫毛#上門#眼線#內眼線 #飄眉#半永久化妝 化妝 #髮際線 #大埔眼線 #紋眼線 #紋眉 #大埔墟美瞳線 #睫毛嫁接 #日式植睫毛 #單根植睫毛 #上門 #霧眉 #飄眉 #眼線 #半永久化妝 #韓國 #眉粉眉 #eyeliner #lilianbeautyhome #大埔墟植睫毛 #大埔墟氧氣眉 #日式植睫毛 #大埔墟霧眉 #氧氣眉 #大埔墟美瞳線 #眼線 #飄眉 #上門 #睫毛嫁接 #大埔墟霧眉 #大埔墟氧氣眉 #單根植睫毛 #山茶花睫毛 #不限根數 #大埔墟美甲 https://www.instagram.com/p/CrV-2SGyLBG/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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europiumoon · 15 hours
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ローカル線で私1人乗っている。私だけのために動いていると錯覚させられながらも1人な空間に戸惑う。これから恋人の家に向かう。それまで私は代掻きをしていて、祖父母家から帰り、30分で風呂と身支度を整え今に至る。代掻きは水が少なかったせいで苦戦して14時から始まって19時近くまで行っていた。小さい頃は川遊びしているだけだったのに、トンボを持って山になった部分を平すのは私達の世代に変わっていて。年々田畑の知識がつく。私は大学入るまでずっとGWは田の事しか知らなかった。田に入るとカエルがいて私は捕まえる。捕まったカエルの柔らかさと瞳、筋肉量に愛おしさを感じる。元の場所に帰して平すことに戻る。「なんでカエルを触れるんだか」と弟に言われるけど、カエルは小さい頃から素手でも触っていたからだと思うんだけどねえ、でも手袋をつけても変わらずミミズは触れない。未知な動きをするからだと思う。カエルや虫たちの鳴き声が心地よくて眠れないと思ったことはない。昔、付き合っていた人と帰省した時に電話していたら、「なんでこんなにカエルの声がするの?!」と驚かれたことがあった。会社のEさんは私が住む街を大好きな街、と呼んでいる。私の住む街はここ2-3年で大きく変わり区画整備がなされている。有名な店の出店が増えた他、どうやら企業関連で住む街に還元したいがために宮下パークのような公園ができるらしい。本当か?嫌いだった街が変化している。消滅可能性都市なのに。友人らはみんなこの街から出て行ってしまった。ウォーキングしていても閑散としたシャッター商店街。あれだけ同級生から褒められていた家具屋の子も風の噂によると両親離婚して家具屋も畳まれたが廃墟として○○家具という名が書かれたビルが街を見渡している。けれど、そんな商店街でも街おこしで蚤の市のようなことが行われているらしい。会社のマダムから聞いてInstagramのアカウントを覗くと素敵で嬉しさと寂しさが伴った。1年に1度のイベントが功を奏して今年は3回目の開催らしい。一層のこと廃れたままの街でよかったのに。活性化していくと置いていかれる気持ちになるな。まち探検、という名の小学校の頃の授業が懐かしい。黄色い帽子をかぶって、黄色いクリップボードを首からかけて商店街をグループになって練り歩いた。炎天下の中白い歩道がキラキラ光っていた。商店街名物の銘菓は今では平日の昼間でしか買えない。ツヤっとした海の生物のモチーフの菓子。チョコレートもカスタードも餡子も全て美味しかった。懐古しちゃった。
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elle-p · 27 days
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Persona 3 Club Book Strega pages scan and transcription.
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ストレガ
Strega
主人公たち特別課外活動部の行く手に現れる謎の3人組。同じペルソナ使い ながらあくまで敵対する彼らもまた、彼ら自身の信念でその限られた力を振るっている。
復讐代行屋 Strega
港区全域
自らをストレガと名乗る3人組の表向きの顔は、「復讐依頼サイト」に書き込みされた内容を受けて、自ら手を下せない依頼人の代わりに復讐を果たすことだ。人知れず所持する武器を手に、彼らは裏社会を渡り歩いている。
3人は��ずれもかつて幾月が、ペルソナ能力者開発のためにグループ内部にすら秘密裏に進めてきた研究の被験者だ。非合法の人体実験で多くの子どもたちが命を落とすなか、幸運にも生き永らえて能力を開花させたものの、悲惨な実態を目の当たりにして研究所から逃亡し、身を寄せ合って生きてきた。
ペルソナ能力の発現と引き換えに心身に過剰の負担を負う彼らは、制御剤の力を以ってすら長くは生きられない。生命としてのルールを逸脱した運命に魅入られ、彼らは刹那的な衝動にのみ突き動かされて生きている。
たった3人だけで影時間に生きてきた彼ら。宵も享楽を求めて夜の街を笑う。
タカヤ Takaya
凶行の担い手
ストレガの実質的リーダー。3人の中では推定年齢が一番高く、研究所から逃亡した当初から指導的立場に立っている。刹那的・虚無的な思考が強く、自分にも他者にもあらゆる物事への執着の愚かさを説く。復讐代行屋として銃の引き金を引くときも、自分の享楽はもちろんだが、相手の生にしがみつく無様な姿を浄化してやろうという思いがあるようだ。
かつて同列の研究対象であったタルタロスは、忌まわしい邪悪なものではなく、甘美な悪夢をもたらす近しいものだと考えており、ペルソナ使いの存在はもまた、タルタロスあってのものだとしている。そのため真意を知らずタルタロス破壊を目指す主人公たちの存在は、愚かな人間がシャドウの恐怖に怯えることへの嘲笑も込めて、抹殺すべきものだと捉えている。
主人公たちの働きではからずも滅びそのものである二ュクスの復活が秒読み段階に入ると、自ら二ュクスの代弁者を名乗り、滅びと破壊の思想で扇動する。
タカヤの救世主思想
• あなたが自覚している悪意と、相手が感じている悪意とは無関係⋯ 人はみな、聞きたいように聞き、信じたい事だけ信じるものです。(6月22日影時間・裏通り)
• 聞けば、人々を守るための、“善なる戦い” だとか。ですが⋯ 今夜はそれをやめて頂きに来ました。(8月6日影時間・防空壕跡)
• 時の限られたこの体⋯力を失ってまで生き永らえるなど無意味⋯ ならば、 私の生きた証⋯ この地に立てるのみ!(11月3日影時間・ムーンライトブリッジ)
• 分かっていますね⋯? 君には “居場所” など無い⋯ 私たちと来る以外にはね。君もよく知っている筈だ⋯ 怖いのは死ぬ事なんかじゃない。(11月21日深夜・辰巳記念病院)
• フ⋯亡霊などではありませんよ⋯ 生に “執着” などしなかった我々を、運命はそれでも “生かした”⋯ 私は “選ばれた” のです。(11月22日影時間・タルタロス)
自分たちの思想こそが浄化された世界を作ると信じるストレガのリーダー。痩せこけた体に長い髪、色素の薄い瞳という憂世離れした姿。
欲深き自称メシア
ほぼ同年代のはずのストレガですがタカヤは見るからに老け顔。不精ヒゲを剃って髪を切ったらかっこいいのに。
ジン Jin
知性派の爆弾魔
タカヤの右腕を務める少年。自作の爆弾を持ち歩き、武器として使用している。
社会から隔絶された自分たちだけのコミュニティの中で生きているストレガは、物資の調達の大半を影時間を利用した略奪行為によってまかなっているが、その指揮を担うのがブレーンであるジン。特別課外活動部を脱退してからの荒垣に接触し、ペルソナ能力抑制のための制御剤を提供することになったのも、ジンの情報収集能力あってのことである。またネットでは同名のハンドルネームで知られており、その知名度と情報操作のノウハウが、ニュクス教を一気に広げることを可能にした。
つねにともに生きてきたタカヤを崇拝しているが、それゆえに狂気の思想に囚われる彼を、命を捨てていさめようとする。
物議を醸す髪の構造がよくわかる右からの一枚。身につけているものひとつひとつにもこだわりが感じられます。
ストレガ一家を支える苦労人な屋台骨
実際的な生活能力の欠如したストレガを支える一番の常識人。資金調達から食事の世話まですべてを担う関西弁のミリタリーマニア。
ジンの毎晩大変なんだから
• お前を恨んどるヤツがおんねや。でもって、“復讐” を頼まれとる。(6月22日影時間・裏通り)
• お前らには “個人” の目的しかあらへん。どいつも本音はその為に戦っとる。お前らの正義は、それを正当化する為のただの “言い訳” や。そんなんは “善” や ない⋯ ただの “偽善” や。そんなもんに邪魔されとうない。(8月6日影時間・防空壕跡)
• 破れかぶれは、あかん! ⋯すんません。でもこれは⋯ あなたが言うてくれた言葉です。(11月3日影時間・ムーンライトブリッジ)
• やめときや、タカヤ⋯ アンタには先がある! ここで無理したって⋯意味 あらへん! (11月22日影時間・タルタロス)
チドリ Chidori
手斧の魔女
白いドレスに身を包んだ、虚ろな表情の少女。ストレガのひとりとしてタカヤやジンと行動を共にし、ぺルソナ能力のひとつである索敵能力でふたりのサポートを行なうが、ふたりとともに戦いの場で力を振るうことは少ない。
感情表現に乏しく、とくに喜びや悲しみを表に現すことはほどんどない。それは幾月の下で受けた過酷な人体実験や、逃亡後の寄る辺のない生活によって後天的に身に付けた自衛の手段。また彼女は自身のペルソナを通して、あらゆる生き物に命を分け与えることができるが、これも自分の人生にはすぐ先に死が見えているという揺るぎない事実ゆえ、生きることに対してまったく執着を持たなくなった結果の悲しい力だ。しかしそれでも、ふたりが手を下す殺戮現場に決して目をやろうとしないのは、運命をゆがめて与えられる死への、本能的な嫌悪感を抱いているからかもしれない。
生を放棄した飛べない小鳥
可憐な容姿に似合わず手斧を振るって戦う少女。気の向かない相手とは一切会話せず、自分のペルソナだけを拠りどころに生きている。
冷めた目線はチドリのトレードマーク。豪奢なドレスは彼女の趣味なのか、ジンのお仕着せなのか。
あんたには関係ない私の言葉
• チドリよ。私の名前。順平が訊いたんでしょ? あの絵⋯もうすぐできるから。私の描いたものは、私にしか分からない。でもそんなに見たきゃ⋯来れば? (8月31日昼・ポートアイランド駅前)
• 命より、作戦が大事ってこと? 死ぬ事って、普通の人には一番の恐怖なんでしょ? ⋯ 違うの? (9月5日影時間・巌戸台分寮屋上)
• ⋯言っとくけど、心配してくれなんて、言ってないから。あんたの勝手な早合点でしょ。(9月8日昼・辰巳記念病院)
• なにそれ⋯ なんで、そんな顔してるの? 死ぬなんて怖くないのに⋯ 死なんて、あした目が覚めないってだけ⋯ ただそれだけじゃないの。(9月10日昼・辰巳記念病院)
• そう⋯アイツのせいよ⋯ アイツが近づいて来てから、私、毎日、苦しくて⋯ 死ぬのが⋯怖くなって⋯ (11月21日深夜・辰巳記念病院)
• 順平と一緒に居ると、怖くなかったものが、なんでも怖くなる⋯ 無くすのが怖い⋯ 死ぬのだって怖い⋯ 一緒の時間が終わっちゃうのが⋯怖い⋯ だから、私⋯ (11月22日影時間・タルタロス)
「チドリ補正」の入った超ナイスガイな順平とともに。幸せになって欲しいカップルNo.1。
順平との出会いと「生きること」
敵同士としての立場にありながらも献身的に尽くす順平と出会って、チドリは少しずつ生きることの意味を知る。けれどそれは自分自身の死の認識と同義。ずっと忘れていた死ぬことの恐怖におののきながら、それでも彼女は愛する彼に生きて欲しいと願った。
頬を染めたグラマラスなチドリの魅力に、すっかり鼻の下が伸ぎ切った順平がキュート。がんばれヒゲ男くん!
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rosysnow · 4 days
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火炎がはじけて
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 欲しくて、喉が渇いて、息が切れる。
 あなたに触れる。そんな夢を見る。何度も。あなたと恋に落ちる夢を見る。
 きっと叶わないんだ。それでも求めて、飢えて、潤いに包まれたいと願う。
 果肉みたいに咬みつきたい。シロップのように舐めたい。香り立つその肌の熱を、俺の熱でめちゃくちゃにしたい。
「にーちゃん、俺、今日もゆったんのとこだからなっ」
 牛乳をぶっかけたコーンフレークをがつがつ食らいながら、弟の光斗はそう言った。制服に着替えながら歯を磨き、さらに光斗が食べこぼしをやらないか見張る俺は、歯ブラシを含むまま「またかよ」と答える。
「いいだろー。にーちゃん待ってるだけなの、つまんないもん」
 俺は肩をすくめて、「勝手にしろ」と光斗に背を向ける。
 だって、やばい。顔が笑ってしまうのをこらえられない。
 単にそれだけだったのに、「にーちゃん、怒ったの?」と光斗は急に不安そうな声を出す。だから俺は、何だかんだ弟に甘い。「怒ってねえよ」と歯ブラシを吐き出してきちんと言うと、「よかった!」と光斗はすぐ笑顔になり、コーンフレークにラストスパートをかける。
 こないだ連休が過ぎて、高校生になった春は終わりかけている。早くも熱中症アラートが出る初夏だ。窓からの朝陽は、レーザーみたいに視覚を焼く。
 光斗は、俺が小六のときに生まれた弟だ。妊娠を聞かされたとき、性教育済みの俺は「え? とうさんとかあさん、今もやってんの?」と真っ先に思った。そんな複雑な吐き気も覚える中、光斗は誕生して、二歳になるまでは育休を取ったかあさんが面倒を見ていた。
 しかし、仕事というものは無情なものだ。これ以上育休するならいったん退職してくださいと、かあさんにお達しが来た。俺の親ものんきなタイプではないので、元から保活はしていたのだが、これがなかなか決まらない。
 光斗は人見知りなところがある。勇気を出して、同じ組の子に話しかける努力はするのだが、あとから「俺、もしかしてうざかったかもしれない」とか盛大に反省会を始める。「うざかったら一緒に遊ばないだろう」ととうさんが言っても、「みんな我慢してたかもしんないじゃん!」と泣き出すこじらせっぷりだ。
 だから、今の保育園に体験入園して、「ゆったん」こと早田勇多くんと光斗が見事に打ち解けられたときは、家族総出で喜んで入園希望を申し込んだ。空きがまわってきたのがこの春で、やっと光斗は楽しげに保育園に通うようになった。
 俺は俺で高校に進学したところだったが、それは二の次だった。両親は朝六時半には家を出て、電車で長距離通勤をしている。だから、光斗を起こし、食わせ、支度を手伝い、ちゃんと保育園の送迎バスに乗せるまでは、暗黙の了解で俺の仕事だった。
 高校に着くのは遅刻寸前だ。弟の面倒を見ていると言っても、生活指導の先公はいい顔をしない。どこから聞きつけるのか、俺のその弁解を知って、女子には「言い訳がブラコンだよねー」とか言われている。分かってくれるのは、男友達だけだ。
 でも、いいんだ。同クラの女子連中なんか、俺も興味はない。俺には好きな人がいる。
 保育園は十五時で終わるが、家庭の都合がある子供たちは、夜まで預かってもらえる。最初、光斗には保育園に残ってもらい、俺が放課後に連れ帰る予定だった。ところが、光斗愛しのゆったんは、十五時にゆったんママが迎えに来て帰���てしまうのだ。
 ゆったんが去ったあとの光斗は、真っ白な灰らしい。「にーちゃん、学校辞めて迎えに来いよ!」と光斗は家で半泣きになって、わがままを言い出しはじめていた。
 そのことを保育士さんに聞いたゆったんママが、「光斗くんのご家族さえよければ」と俺の放課後まで光斗を預かることを申し出た。もちろん恐縮すぎる話で、両親は気持ちには感謝して断ろうとしたが、「勇多も光斗くんを置いて帰るのが心配そうなので」とゆったんママは言い添えてくれた。
 かくして、光斗はほぼ毎日ゆったん宅にお邪魔して、やっと機嫌を直した。ゆったんの家が都合悪いときは、遠慮なく光斗を置いていってくださいとは伝えてある。だから、たまに保育園に迎えにいくこともあるが、基本的には俺はゆったんの家に光斗を迎えにいっていた。
 ゆったんママと初めて顔を合わせたときは、地味だな、と思った。目を引く美人ではない。長い髪は黒く、眼鏡もかけている。高校生の俺にとっては、子持ちの時点で若さすら感じない。
 俺が迎えに来ても、光斗はおとなしく帰るわけではない。ゆったんと長々遊び、そのあいだ、俺は一軒家の玄関先でゆったんママと世間話をしている。いい加減遅いと、俺は家に上がらせてもらって、子供部屋から光斗を強制連行する。
 その日も、光斗はなかなか子供部屋から出てこなかった。夕陽が射してくるのを合図に、「遅いっすね」と俺が言うと、ゆったんママは苦笑して「連れてきてあげてください」と俺を家に通す。俺はスニーカーを脱いで、二階の子供部屋に向かった。
 ため息をついて、少し茶色を入れた髪をかきむしり、今日はどう言って引っ張るかな、とドアの前で思案した。そのとき、不意に「みっちゃん」とゆったんが光斗に話しかける声が聞こえてきた。
「みっちゃんは、自分でおまた触ったりする?」
 俺は動きを止め、板張りのドアを見た。
「んー、ちんちん触るってこと?」
「分かんないけど……」
「にーちゃんは触ってるときがあるな」
 何この弟、ちょい待て、それ以上言わんでくれ。
「ほんと?」
 何で食いつくんだよゆったん、もうやめてくれ。
「やっぱり、大人は自分のおまた触るのかなあ」
「ゆったん触るの?」
「僕は触んない……だって、おしっこするとこだもん」
「俺もそう思うからあんまり触らない。洗うだけ」
「そうだよね。でもね、ママは自分のおまた触ってるの。眠ってるパパの隣で──」
 俺は目を開き、とっさに、その先を聞く前に、「おい、光斗っ」と俺はドアに向かって声をあげた。
「帰るぞっ。その……もう、暗いしっ」
「えー……」とか言う光斗の声が聞こえたが、「早くしろっ」と俺は乱暴に言う。
 やばい。やばいやばいやばい。
 頭の中が暴れるみたいにそう思っていると、ちょっと不安そうな顔になった光斗が顔を出した。
「にーちゃん──」
「お、怒ってねえよっ。腹減ったしさ。遅いと、かあさんが先に帰ってくるかもしんねえし。あ、ゆったん、今日もありがとな」
 細身で背の高いゆったんはこくんとして、「見送るね」と立ち上がった。ゆったんが隣に来ると、「行こっ」と光斗ははしゃいだ顔になって、ふたりは一階に降りていく。
 ふーっと息をついて、ばくばくと腫れ上がる心臓を抑え、俺も一階に降りた。子供たちが靴を履いている玄関に、足を向ける。
「あ、克斗くん。ごめんなさい、今日も遅くしちゃって」
 ゆったんママが普通に話しかけてくる。俺は顔をあげられないけど、「え……っ」とぎこちない声は出す。
「あ、『暗いし』って言ってるの、ここまで聞こえて」
「……あ、いや。すみません」
「ううん、本当に暗くなっちゃったもんね。よかったら、私が車で送ろうか」
「そんな……ぜんぜん、大丈夫っす」
 今まで何とも思わず、聞き流していたゆったんママの声が、急に艶やかな大人の女性の声だと気づく。視線の先が定まらない。せわしなくまばたきをしてしまう。「克斗くん?」とゆったんママの声が近づいて、俺はびくんと顔をあげてしまう。
「どうしたの?」
 あ……けっこう、肌、綺麗じゃん。すっぴんでその肌なら、化粧を覚えてきた女子連中より、ずっといいかも。黒髪も腰がありそうだから、指ですくったらさらさらしてんのかな。唇だけさっと色が乗せられて、桃色がうるうるしている。そして、吸いこんでしまいそうな黒い瞳は、無垢なくらいに澄んでいる、のに──
 ……この人、自分でしてるんだ。
「あ……の、」
「うん?」
「名前……」
「え?」
「あ、いや、そういや俺、ゆったんママって呼んでて、名前知らないなって」
「ああ、そんな……ゆったんママでいいですよ」
「でも」
 すがりつくみたいに、彼女を見てしまう。俺のそんな瞳を受けて、彼女の瞳も揺れる。ややとまどったのち、「咲花です」と彼女ははにかんで答えてくれた。
「咲花……さん」
「呼びにくいでしょう? ゆったんママでいいですから」
 そう言って咲花さんが微笑んだとき、「靴履いたよっ」と光斗の声が割って入った。「僕も!」とゆったんも言い、「勇多は履かなくていいでしょー」と咲花さんはあきれたように咲う。
「にーちゃん、帰ろっ。俺も腹減った!」
「お……おう。そうだな」
 俺は動作がぎすぎすしないように、スニーカーを履く。「明日もおいでね」と咲花さんが光斗の頭を撫ででいる。
 白いすらりとした指。あー、どんな味がするんだろ。
 無意識にそう思って、俺は慌てて目をそらした。「じゃあ、��礼します」と頭を下げて、咲花さんの眼鏡の奥まで直視できないまま、俺はゆったん宅をあとにした。
 ──その夜、俺は咲花さんを想って、した。何度も。口元から咲花さんの名前がこぼれた。返事なんかない。それでも、誰かの──求める相手の名前を口にしながらすると、手の中に吐く瞬間、たまらなく気持ちよかった。
 ダメだ。バカみてえ。ガキの話を盗み聞きしたのが切っかけとかマジでアホか。
 でも、俺は一気にあの人が欲しくなった。自分でしなくても、俺がなぐさめるのにとか思ってしまう。あの人と恋に落ちれば叶うなら、すべてから奪って、俺の腕の中にさらいたくなる。
 そして、自分のシーツに熱い吐息をこすりつけて、俺はまた自分の右手でなぐさめる。
 咲花さんに報われぬ恋をするまま、梅雨は過ぎて夏が来た。夏休みは自由登園になる。「おにーちゃんとおうちで過ごせるね」とかあさんが言うと、光斗はびっくりした顔をして、「俺、ゆったんと遊ぶから保育園行くよ!」と当然のように答えた。「振られたな」ととうさんが笑って、「うっせ」と俺は吐き捨てつつ、じゃあ夏休みも咲花さんに会えるんだ、と内心浮かれた。
 が、よく考えたら、俺は夏休みにはもちろん学校を休むので、十五時に光斗を迎えにいけるのだった。咲花さんとは、保育園で立ち話ぐらいはするが、ロミジュリみたいに光斗とゆったんを引き離すのが主な仕事だった。
 二学期が始まり、ようやく元通りの毎日になった。俺はもう咲花さんの前でぎこちなくなったりはしなかったけど、つい照れて目を伏せたり、優しい言葉に頬が染まったり、こめかみに響くほど鼓動が脈打ったりしてしまう。どんどん咲花さんのことが好きになっていく。その手に手を伸ばして、指を絡めたくなる。
 ゆっくり、日が短くなっていく。夕暮れが早くなる。もっと咲花さんといたいのに。俺は焦がれて苦しい胸に息を吐きながら、光斗と家に帰る。
「──克斗、明日どうしても仕事で残らなきゃいけなくてね。おとうさんも遅いだろうし、好きな出前でも取ってくれる?」
 九月が終わりかけた夜、風呂上がりの俺をつかまえて、かあさんが申し訳なさそうにそう言った。俺は握らされた紙幣を見て、「んー、了解」と深く考えずにうなずいた。翌朝、光斗にそれを言うと、「ピザ食いたい!」とのリクエストも承った。ピザは確かに悪くない、とか俺も思っていたのたけど──
「それなら、うちで食べていきなよ」
 例によってゆったん宅に光斗を迎えにいき、世間話の中で今夜は出前だというと、咲花さんは当たり前のように言った。
「え、でも」
「今からでも、買い足し行けば間に合うから」
「いや、けど、かあさんに金もらっちゃったし──」
「気になるなら返せばいいし、何なら、克斗くんがもらっちゃってもいいんじゃないかな」
 悪戯っぽく咲花さんが咲って、「そ、そうなのかな」と俺も現金ながら揺らいでしまう。そんな俺に、「もらっちゃえ」と咲花さんが少し俺の耳元に近づいてささやいた。
「私、ちゃんと秘密にするから」
 俺は咲花さんを見た。咲花さんはすぐ身を離し、「じゃあ、急いで買い物行かないと」と言った。
「俺、せめて荷物持ちますよ」
「ありがとう。でも、子供たちがいるから。家にいてくれると安心かな」
「あ、そっか。そうっすね……」
 別に寂しそうに言ったつもりはないのだが、咲花さんにはそう見えたのだろうか。少し考えたのち、「じゃあ、みんなで買い物行こうか」と咲花さんは提案してくれた。俺はぱっと顔をあげて、つい笑んでしまいながらうなずく。すると咲花さんもおっとり微笑してくれて、また、俺の中がちりちりと焦がされる。
 そんなわけで、俺と咲花さん、光斗とゆったんで近所のスーパーに行った。光斗とゆったんは、一緒にお菓子を選べるのがそうとう嬉しかったようで、はしゃいでいた。そんな子供たちを、咲花さんは愛おしそうに見つめている。
 子供たちのリクエストで、夕食はチーズハンバーグに切り替わり、結局買い足しでなく一から食材を買った。帰り道、俺は宣言通り荷物を持たせてもらった。咲花さんは遠慮しようとしたけど、ちょっと強引に俺がエコバッグを奪うと、「ごめんね」と言いつつ任せてくれた。
 秋の夕暮れが景色を染めていた。一軒家が並ぶ住宅街に、茜色が透けて映っている。空は高く、沈みゆく太陽が滲ませるオレンジにしっとり彩られて、明日も晴天のようだった。
 道端で遊んでいた小学生は、夕飯の匂いや灯った明かりに気づいて、手を振りあって家に帰っていく。すうっと抜けていく風は、すっかり涼しい。
 俺は隣を歩く咲花さんをちらちら見た。眼鏡のレンズに触れそうな長い睫毛、柔らかそうな頬やしなやかな首。高校生の俺には若くないなんて前は思っていたけど、やっぱり子供ひとり生んだだけだから、まだ腰も綺麗にくびれている。
 俺の視線に気づいたのかどうか、咲花さんはこちらを見て微笑む。夕陽に蕩けそうな、優しい笑顔だ。俺は切ないくらいにぱちぱち灯る心に、つい照れたような笑みになってしまう。
 家に到着すると、咲花さんはすぐキッチンに立った。「手伝いましょうか」と料理ができるわけでもないのに言ったら、「大丈夫、子供たちを見てて」と咲花さんは俺にリビングにうながした。
 光斗とゆったんは、DVDでアニメの劇場版を観始めていた。俺も幼い頃は夢中になったアニメだ。そんなふうにきらきらした目でこのアニメを観ていたのに、いつから観なくなったっけ。
 じゅーっというハンバーグの焼ける音と、そのおいしそうな匂いがただよってくる。さすがに俺も盛りつけくらいは手伝えるので、キッチンに立った。チーズハンバーグ、ほかほかのライス、マカロニサラダとコーンスープ。子供たちはちょうどアニメを観終わり、歓声を上げてダイニングのテーブルで待機に入った。
 テーブルに並べた料理は、俺と光斗とゆったん、三人で食べはじめた。「咲花さんはいいんですか?」と気になって問うと、「旦那と食べるから」と返され、俺の心にはちくりと影が射した。
 いや、でも、好きな人の手料理を食えるのは幸せなことだよな。そう思って、とろりとハンバーグからあふれるチーズをフォークですくっていると、玄関のほうで物音がした。咲花さんはすぐそちらに行き、もしや、と俺が緊張すると、現れたのはビジネススーツの男──「パパ」とゆったんがその男を呼んだ。ということは、やっぱり咲花さんの旦那か。
 旦那は真っ先に俺を見た。俺は頭を下げ、「すみません、お邪魔してます」と月並みに言い、「ゆったんパパに挨拶しろ」と光斗にも「こんばんは!」と言わせた。「勇多のお友達と、そのおにいさんなの」と咲花さんが言うと、旦那はそちらには「そうか」とそっけなかったが、「ゆっくりしていってね」と俺と光斗には笑顔で言って、ゆったんの頭も撫でた。
「あなたも勇多たちと食べる?」
「いや、食ってきたから」
「えっ、……ごめんなさい、夕飯いらないって連絡もらってたかな」
「あー……どうだったかな。ばたばたして、してなかったかもしれない」
「……そう。じゃあ、私、この子たちと食べようかな」
「ああ、そうしろ。俺は風呂に入ってくる」
 ビジネスバッグを置いた旦那は、ネクタイを緩めながらリビングを立ち去っていった。元気に振る舞っていた咲花さんが、一瞬、哀しそうに視線を伏せる。
 ああ、あいつが好きなんだ。そうだよな。気持ちが冷めてたら、そんな顔はしない。ましてや、寝てる隣でみずからなぐさめるなんて──
 よく分かっていても、それ以来、俺は光斗を迎えにいったとき、世間話の中で積極的に咲花さんを褒めたり励ましたりした。咲花さんが、そういう言葉を言ってほしい相手は俺じゃない。知っていたけど、俺は咲花さんをせめて言葉で癒やしたいと思った。
 玄関に橙色が映り、夕陽が射す。相変わらず、それがお別れの合図だ。咲花さんとゆったんに手を振り、俺と光斗は家路につく。
 俺に手を引かれながら、「何か、帰る時間早いよ」と光斗はむくれる。「これから日が短くなるからなー」と俺は雑に説明する。俺だって咲花さんと話す時間が減るの寂しいんだよ、とは言わない。
「ねー、にーちゃん」
「んー?」
「ゆったんのパパとママ、昨日喧嘩してたんだって」
「えっ」
「おっきい声が怖くて、ゆったん部屋で泣いてたんだって。そしたらパパが来て、『今度、違うママに会わないか』って言われたって」
「は……?」
「ゆったん、意味が分からなくて泣いてて、そしたらママが来てまた喧嘩してたって」
「……そう、か」
「ゆったんのママは、ゆったんのママしかいないよね? 『違うママ』って何? 俺、分かんなくて。にーちゃんには訊いてもいいよって、ゆったん言ってたから」
 俺は口をつぐむしかなかった。月が浮かぶ夜道に、ふたりぶんの足音だけ残る。「にーちゃん」と答えをせがまれたが、「俺も分かんねえよ」と言うと、光斗はただ不安そうな表情になった。
 ……あの男、ほかに女いるのか。ぼんやりそう思って、とっさに瞳に怒りが揺らめいた。が、それはすぐに鎮まった。
 だったら、俺が咲花さんを奪えばいい。咲花さんの孤独の隙間に入って、そこにひそみ、あの熟した唇を奪うのだ。
 そうしたら、あの唇はどんな味がするのだろう。そう思っただけで、妄想がはちきれそうになる。欲しい。どうしても欲しい。ぱちぱちと弱く灯っていった欲望が、ばちばちと強い火炎になっていく。
 咲花さんが欲しくて気がふれそうになる。抱きしめたい。キスしたい。つらぬいて俺のものにしたい。
 だが、どんな事実があっても、俺と咲花さんの距離は一向に縮まらなかった。俺は見ているだけだった。不意に苦しそうにうつむく咲花さんを、見ているだけ。
 やっと残暑が身をひそめた十月半ば、その日も俺は、玄関先で咲花さんととりとめなく世間話をしていた。今日も今日とて、光斗が二階から降りてくるのは遅い。
 ふと会話が沈黙になり、俺は咲花さんを見た。
「なあに?」
 何事もないみたいに、咲花さんは笑みを作る。俺には、そんな無理はしなくていいのに。
「何でも……ないっす」
 少し声がかすれた俺を、咲花さんは見つめる。
 抱きしめたい。咬みつきたい。奥まで突き上げたい。俺があなたを満たしたい。そして、その心をあんな旦那からさらってやるんだ。
 バターみたいに柔らかそうな肌と、蕩けるほどに肌を重ねたい。水蜜のように瑞々しい肌に歯を立て、俺の痕跡を残したい。
 食べたいんだ、俺はあなたを食べてしまいたい。
 想いがどんどん強い火炎になって、意識も心情も視界も焦がされてしまう。
「……光斗、遅いっすね」
 かすかなため息と刹那のまばたきで、気だるくなりそうなめまいをはらうと、俺はそう言った。
「そう、だね」
「ちょっと、呼んできます」
「うん」
「失礼します」と断って家に上がった。咲花さんと、顔を合わせられない。こんな、泣きそうに恋に愁えた目。そのまま階段を向かうと、不意に、咲花さんが俺の名前を呼んだ。
 俺は足を止め、咲花さんを振り返る。
「まだ、待って」
「えっ?」
「まだなの」
 俺はきょとんとした。けれど、咲花さんの瞳に宿るものに気づいて、はっと息を飲む。
 ──俺と同じ、恋に愁えた潤み。
 思わず、玄関に駆け戻っていた。腕を伸ばす。咲花さんの腰をつかまえる。強く引き寄せ、ひと息にキス。
 果実を貪るようなキス。壁に抑えつけ、立ったまま行為に至ってしまいそうなキス。
 でも、咲花さんはそうなる前に俺と軆を離した。
「まだよ」
 頭の中が、甘い発熱にくらくらする。まだ��� まだってことは、いつか俺は許されるのか? その皮膚をちぎるみたいに咬んで、彼女に深く深く届けることができるのか?
 引き攣った息がこぼれる。「我慢できない」と口走っていた。自分でも驚く、低い男の声だった。でも咲花さんは、「まだ見ていて」と意地悪を言う。
「今は、ダメ」
 ああもう。そんな優しい声で言わないでくれよ。俺は言うことを聞くしかないじゃないか。
 そのときだった。階段を駆け下りてくる足音に、「にーちゃん、帰ろーっ」と光斗の声が重なった。我に返った俺は、はたとそちらを見て「お、おう」と何とか自然を取りつくろう。
「え、と……じゃあ、失礼しました」
 スニーカーを履き直した俺が言うと、何もなかったみたいに咲花さんは笑顔を作る。「また明日ね」と言ったゆったんに、「うんっ」と光斗は笑顔で答えている。
 緩やかに暗くなる夕暮れの中で、咲花さんは微笑んでいた。ちゃんと言うこと聞けるかな、と思った。我慢なんて、本当にできるのか? だって、火炎がはじけて止まらないんだよ。
 あなたと恋に落ちたい。獣みたいに皮膚に歯を立てて、果汁を飲み干して潤いたい。俺はからからだ。飢えて、渇いて、おかしくなりそうだ。
 あなたもそうなんだって分かった。だったら、俺たちのやることはひとつじゃないか。
 夕陽が射しこむ部屋で、熟れたあなたはオレンジ色で。俺はきつく抱きしめて、俺はその果肉を食べる。誰よりも味わって食べるよ。この火炎をぶつけて、焦がれるような想いを思い知らせ、あなたの濃い蜜をこくんと飲みこむ。
 まだ待って──そう言うなら、ぎりぎりまでこらえるけど、待つほど俺が獣になるのは分かるよな? だから、あんまり待たせないでくれ。焦らさないでくれよ。俺はあなたの心を、軆を、優しく奪いたい。
 あるいは、あなたは獣になった俺にめちゃくちゃにされたいのだろうか。だとしたら、俺は──
「にーちゃん」
 光斗が、歩きながら何も言わない俺を手を引っ張る。心配性な弟に、「怒ってねえから」と俺は苦笑していつも通り言う。
 マンションの群衆に入り、もうすぐ家に着く。吐息が疼く。呼吸ができないほど。
 熟れきった心と軆を交わし、恋に落ちていく。ずっと夢に見ていた。あなたと恋に落ちる夢を見ていた。いつのまにか馨しい夢は目の前にあり、俺の理性は、爆発して壊れてしまいそうだ。
 欲望の火炎がはじける。あなたを求めるその熱に、俺の頭はもう狂ってしまう。
 立ち並ぶマンションの合間に月の光を見つけた。その輪郭は、燃えているみたいに、あるいは潮騒みたいに、ざわめいて見えた。
 FIN
【SPECIAL THANKS】 メロウ/杉野淳子 『成長痛』収録
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seishun18x2movie · 1 month
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日本キャストが初揃い踏み! 3月18日(月) ジャパンプレミア オフィシャルレポート
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日本での劇場公開を約1か月後に控え、藤井道人監督と主演の清原果耶さんをはじめ、道枝駿佑さん、黒木華さん、黒木瞳さんの豪華日本キャストが集結したジャパンプレミアが開催されました! 公開を心待ちにしている会場の皆さんの大歓声を受けながら、日台で行われた撮影の裏話や自分たちの青春時代にまつわるエピソードを披露し、大盛り上がりのイベントとなりました。
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本作でW主演の一角を務めたアミ役の清原果耶さんは完成し���映画を観ての感想を尋ねられると「とっても優しい、柔らかい、観た人に寄り添ってくれる映画ができたなと思いました。本当に観終わった時に、撮影時の(自身が演じた)アミの記憶が残っていたのか、涙が止まらなくて…。それくらい自分の中でも印象深い撮影であり、作品であったなと思いました」としみじみ。
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長野県飯山線で、ジミーと出会うバックパッカーの青年・幸次を演じた道枝さんは、撮影について「本当に走っている電車に乗りながら、限られた時間の中で撮影をするというのは新鮮でした」と話しました。特に幸次とジミーがお別れするシーンについて「ホームでの撮影だったんですけど、実際にお別れだったので、すごく印象に残っています」と語り、その後ジミー役のシュー・グァンハンに会うことなくクランクアップしたという“リアルな”撮影だったことを明かしました。
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ジミーが立ち寄る新潟県長岡のネットカフェのバイト店員・由紀子を演じた黒木華さんも、由紀子がジミーを案内するランタン祭りの風景を思い出しながら「その景色がすごく美しくて、台湾ともつながっているようなシーンで、本当に美しい画を撮られるなぁと思いながら見ていました」と本作の見どころの一つである藤井監督のこだわりが詰まった美しい景色での撮影を振り返りました。
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福島に暮らすアミの母・優子を演じた黒木瞳さんは「アミが台湾でどんな生活をしていたのかお母さんは知らなかったので、台湾でアミがキラキラ輝いて、一生懸命過ごしているのを母親の気持ちで『こんなに楽しく、輝いていたんだ!』という気持ちで嬉しかったのと、台湾と日本の映像美、藤井監督の繊細な演出に、美しいくらい切ない映画でした」と感慨を込めてお話されました。
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日本と台湾の2ヵ所でオールロケを敢行した本作の撮影について藤井監督は「みんながチームワークをもって、よりディスカッションしながら撮影をしていました。改めて映画ってひとりじゃ絶対に作れないものだと、台湾チームとやったからこそ感じました。例えばシュー・グァンハンが日本のスタッフと仕事をする中で、普段のお芝居を作っていくよりも互いへのリスペクトが見える――お互いの感情を知ろうとし、リスペクトが生まれる現場で幸せでした」と自身初の〈国際プロジェクト〉への挑戦で得た経験を明かしました。さらに本作を儚くも美しく彩るMr. Childrenによる主題歌「記憶の旅人」について藤井監督は「事務所にプロデューサーが呼ばれた時は、断られるんだろうと思って行ったんですが、まさかの桜井さんが既に曲を書いてくださって、その場で聴かせていただきました。クランクイン前にはほぼ今の形と同じ状態の楽曲が出来上がっていて、僕たちはこの曲をお守りのように持ちながら日本・台湾と旅をしました」と驚きのエピソードを明かした。
この日は、ジミーを演じる主演のシュー・グァンハンさんの登壇は叶いませんでしたが、会場では���デオメッセージが流れ、「日本のみなさん、こんばんは。シュー・グァンハンです。本日は伺えなくてとても残念ですが、日本で初めてこの映画がお披露目されるということで、うれしく思っています。監督とキャストのみなさんとこの作品を完成させることができて本当に光栄です。これから作品を楽しんでもらえると嬉しいです」と呼びかけました。さらに来週予定されている来日に向けて「みなさんとお会いできるのを楽しみにしています」と笑顔のコメントも。 スクリーン越しのグァンハンさんとの再会に登壇陣一同、思わずほっこり。撮影現場でグァンハンさんと互いに言葉を教え合っていたという清原さんは、「初めて会った時、私はものすごく緊張していてたのですが、すごくフレンドリーに話してくださって、『変に緊張し過ぎても、もったいないんだな』と気づかせてもらいました。撮影現場でも、悪ふざけしてみたり、ごはんの話をしたり、何気ない日常を過ごせたのがジミーとアミの青春に重なっていったんじゃないかと思います」と共演しての印象や思い出を語りました。藤井監督は「グァンハンと出会えたのは、僕の財産のひとつです。(ジミーの)18歳と36歳を演じてほしいって、すごく無茶なことをオーダーしたんですけど、日本で映画を観た人からも、彼の芝居が素晴らしいということを言ってもらえて、僕としては兄弟が褒められているような嬉しい気持ちになりました」と嬉しそうに笑顔を見せていました。
そして映画にちなんで、“青春”という言葉で思い出されることを尋ねられると、藤井監督は「僕にとっては映画の撮影現場が常に青春であり、自分がそこで求められなくなったら青春がようやく終わるなと思って日々取り組んでいます」といまなお“青春継続中”であると話しました。さらに、藤井監督は劇中でも描かれる“忘れられない出会い”として、本作のエグゼクティブ・プロデューサーを務めた台湾の名優チャン・チェンの名を挙げ「僕にとっては映画スターですし、そのチャン・チェンと映画を撮る人生が来るとは思ってなかったので、感謝していますし、一生忘れられない出来事です」と映画少年の顔で語りました。 舞台挨拶の最後に清原さんは、これから映画を観る観客の皆さんに向けて「本当に、人生でかけがえのない出会いをこの作品でもらいました。映画を作ること、人と出会うことが、なんて尊いことで、当たり前のことじゃないということを深く、深く考えることできた作品です。この映画がみなさまの中でどう変化するかわからないですが、どうか優しい、柔らかな世界の中で、みなさまが生きられることを願っています」と語りかけました。 『余命10年』や『新聞記者』など数々の大ヒット作品を手掛けてきた藤井監督が、日台の実力派俳優たちと共に送り出す〈渾身の国際プロジェクト〉。日本と台湾の壮大で美しい風景と、時間と場所を超えて二人の想いが交錯する切なく心揺さぶる物語をぜひ劇場で見届けてください!
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koizumicchi · 3 months
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夏灯篭 (HACHI) English Translation
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夏灯篭 Natsu Tourou Summer Lantern
HACHI Lyrics, Composition:Mizutama Umino Arrangement:Seiji Iwasaki
MV here.
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T/N: Keep in mind that Japanese and English aren’t my first language. I never claim my translation (attempts) to be error-free. As always, if you’re going to use or reference my translations, please do not claim it as your own and credit me.
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砂浜はさらり 夜の海は昏々と 波間をすべる 夏燈り 灯篭よ 水平の向こうに 私は逝くか? 貴方はいるか? チラチラと 燃ゆる送り火
Sunahama wa sarari Yoru no umi wa konkon to Namima wo suberu Natsu akari tourou yo Suihei no mukou ni Watashi wa yuku ka? Anata wa iru ka? Chirachira to Moyuru okuribi
The sandy beach feels smooth and The sea at night is deep in slumber Gliding through the waves are The summer lanterns and their lights Shall I go Beyond the horizon? Will you be there? Along with the glimmering Burning bonfire (of O-bon)
もしもこの命 明日を迎えられず  吹き消えるように 瞳を瞑るとき 貴方のそばに いけないのなら  私はやはり 生きていたいのだと 足掻くだろう  
Moshimo kono inochi Asu wo mukaerarezu Fukikieru youni Hitomi wo tsuburu toki Anata no soba ni Ikenai no nara Watashi wa yahari Ikiteitai no da to Agaku darou
Suppose, this life Could not welcome tomorrow. As if ceasing to exist When I close my eyes. If I cannot go and Stay by your side, Sure enough, for me - To still want to live - It will probably be a struggle
誰もが暗い海の上で 灯火を抱いて生きていく ゆらめく旅路は美しい
Daremo ga kurai kurai kurai umi no ue de Tomoshibi wo idaite ikite yuku Yurameku tabiji wa utsukushii
Anyone on surface of the dark dark dark sea Continue to live embracing the light The flickering journey is beautiful
時は流れ行き 巡る日々は淡々と 夏が来るたびに 心はもどかしい 線香花火の音 火花が散って 燻りながら 淑やかに ポツリ落ちゆく
Toki wa nagareyuki Meguru hibi wa tantan to Natsu ga kuru tabi ni Kokoro wa modokashii Senkou hanabi no ne Hibana ga chitte Kusuburi nagara Shitoyaka ni Potsuri ochiyuku
Time goes by and The days pass by indifferently Every time summer comes My heart is frustrated The sound of sparklers The sparks scatter While it smolders Gracefully Falling down one by one
砂浜はさらり 夜の海は昏々と
Sunahama wa sarari Yoru no umi wa konkon to
The sandy beach feels smooth and The sea at night is deep in slumber
時は流れ行き 巡る日々は淡々と
Toki wa nagareyuki Meguru hibi wa tantan to
Time goes by and The days pass by indifferently
波間をすべる 夏燈り 灯篭よ どうか果てまで届け
Namima wo suberu Natsu akari tourou yo Douka hate made todoke
Gliding through the waves are The summer lanterns and their lights Please, may they reach the very end
もしもこの命 七日の限りなら 声が枯れるまで 歌を歌いながら 何も残せずに 逝きたくないと 嘆くだろうか 蝉時雨 止まぬ夏空
Moshimo kono inochi Nanaka no kagiri nara Koe ga kareru made Uta wo utai nagara Nani mo nokosezu ni Yukitakunai to Nageku darou ka Semishigure Yamanu natsuzora
Suppose, this life is Only limited to seven days Until my voice goes hoarse While I sing a song I do not want to depart this life Without leaving anything behind Will it mourn, I wonder? The chorus of cicadas The endless summer sky
貴方は暗い海の涯で 灯火を今年も待つのでしょう 道標となれ夏灯篭
Anata wa kurai kurai kurai umi no hate de Tomoshibi wo kotoshi mo matsu no deshou Michishirube to nare natsu tourou
You are at the edge of the dark dark dark sea You will be waiting for the lights this year as well, won't you? May they become your guide, the summer lanterns
ゆらめく旅路は美しい Yurameku tabiji wa utsukushii This flickering journey is beautiful
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kennak · 7 months
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 11日発売の「週刊文春」(文藝春秋)記事は、宝塚歌劇団の宙組トップスター・真風涼帆(まかぜすずほ)が、宙組トップ娘役だった星風まどか(現花組トップ娘役)に侮蔑的な言葉を浴びせるなど陰湿なイジメを行っていたと報じた。宝塚歌劇団をめぐっては昨年12月発売の「文春」記事で、演出家・原田諒氏がトップスターや演出助手だった女性スタッフらにハラスメント行為を行っていたと報じられ、原田氏が退団するという出来事が起きたばかりだったが、たて続けに不祥事が発覚する宝塚歌劇団の内部で今、何が起こっているのだろうか――。  一昨年の2021年に創立100周年を迎えた宝塚歌劇団は、「タカラジェンヌ」と呼ばれる劇団員が全員女性で、彼女たちが男役・女役を務め、花組・月組・雪組・星組・宙組の計5組と専科で構成されることが大きな特徴。歴代のトップスター、トップ娘役からは大地真央、黒木瞳、天海祐希、真矢ミキをはじめ今も第一線で活躍する女優が数多く生まれるなど、芸能界の貴重な��材育成機関としての顔も持つ。 「組それぞれカラーや特徴があり、公演も組ごとで行われる。たとえば宙組は真風涼帆のスタイルに象徴されるとおり、ステージでは長身のトップスターをはじめ男役たちがスリムなスーツを着こなす姿が印象的。また、月組は『芝居の月組』といわれ、女優の大地真央、黒木瞳、涼風真世、天海祐希、真琴つばさ、紫吹淳らを輩出してきた。ちなみに黒木はトップスターではなくトップ娘役だったが、トップスターとトップ娘役のコンビ内には厳しい上下関係があり、年次も基本的にはトップスターのほうが上。それが影響しているのかどうかは定かではないが、退団後に人気女優として息長く活躍するOGにはトップスター経験者が多い印象。  また、団員は5年目までは宝塚歌劇団の正社員という扱いで、給料やボーナス、退職金も支払われるというのは日本の劇団では珍しく、これも大きな特徴といえる」(宝塚歌劇団に詳しい週刊誌記者) トップスターとトップ娘役の関係性  その宝塚歌劇団には今、試練が訪れている。今月に入り、関係者から新型コロナウイルス感染者が出た影響ですでに花組、星組、宙組の公演が中止に追い込まれるという不運に見舞われるなか、前述のとおり内部の不祥事がたて続けに発覚し、宝塚ブランドが失墜しかねない事態に陥っているのだ。 「劇場の最寄り駅である宝塚駅では、先輩が乗ろうとする電車に後輩は乗らずに『お見送り』をしたり、宝塚線の線路沿いでは先輩が乗っていると思われる電車が通るだけで後輩が立ち止まって礼をしたり、宝塚音楽学校では上級生と下級生が班をつくって校舎の隅々まで完璧に掃除をするといった『鉄の掟』が有名だが、今ではそうしたルールはかなり緩和されている模様。それでも上下関係が厳しいのは確かだが、トップスターとトップ娘役の関係性というのは、コンビによってまちまち。  トップスターは相手役のトップ娘役の指導係の役割も担うので、基本的には明確な上下関係が存在するが、大地真央と黒木瞳のように熱い師弟愛で結ばれているケースや、特に最近では友だち関係に近かいケース、逆に真風と星風のように険悪なケースもあると聞く。トップスターの性格や考え方による部分が大きいが、歌劇団に所属するタカラジェンヌは総勢で約400人おり、各組のトップスターはおおむね3~5年で交代していくので、一概に『こう』というのはいえない。もっとも、真風の例はかなりレアといえるだろう。稽古中などに大勢の劇団員やスタッフがいる前でトップスターがトップ娘役を叱るというのは珍しくはないが、真風のように容姿を批判したり演技ができないと言い出すような凄惨なイジメは聞いたことがない」(同) 渦巻く嫉妬  そんな団員・スタッフたちが鉄壁の絆で結ばれているかにみえる宝塚歌劇団で、なぜイジメやハラスメントが起きているのだろうか。『自己正当化という病』の著者で精神科医の片田珠美氏はいう。 「宝塚もそうですが、一般に閉鎖的な空間ほど不祥事が起きやすいのです。しかも、私自身も中学生の頃に『ベルばら』ブームを経験した影響で、宝塚に憧れていましたが、このように憧憬や羨望の対象になっている組織では、理不尽な仕打ちを受けても告発をためらう傾向が強くなります。なぜかといえば、その組織に入ることができ、所属していること自体にブランド価値がありますので、自分が排除されることへの恐怖ゆえに、声を上げにくいからです。  ですから、最近宝塚の不祥事が『文春』によって立て続けに報じられていますが、必ずしもここ数年でとくに増えたというわけではないと思います。以前から同様の不祥事はあったものの、誰も声を上げることができなかっただけではないでしょうか。  しかも、宝塚は『女の園』で同性の集まりですから、どうしても嫉妬が渦巻きやすくなります。おまけに、男役トップスター、あるいはトップ娘役の座を目指してしのぎを削る世界なので、嫉妬の炎が燃え上がるのは当然でしょう。上級生が、自分の立場を脅かしかねない下級生に嫉妬を抱き、陰湿ないじめを繰り返すことがあったとしても不思議ではありません。  今回の報道で引っかかるのは、男役トップスターの真風涼帆さんが自分の相手役だったトップ娘役の星風まどかさんをいじめていたという点です。真風さんは男役で、星風さんは娘役ですから、普通に考えると星風さんが真風さんの立場を脅かす存在とはいえません。第一、真風さんは175センチと高身長のうえ端正な顔立ちであり、圧倒的な人気を誇っていますから、嫉妬する必要などないように思います。もっとも、それでも生まれてしまうのが嫉妬の怖いところで、星風さんの若さや歌唱力に嫉妬したのかもしれません。  もう1つ考えられるのは、真風さんが同じようないじめを過去に受けていた可能性です。真風さんは、星風さんを幹部部屋に呼び出し、反省するよう1時間の正座を命じたと『文春』で報じられましたが、真風さん自身も同様の仕打ちを上級生から受けたことがあったのかもしれません。宝塚には『軍隊並み』と称されるほど厳しい上下関係があり、上級生の言葉は絶対ということですから、真風さんが同じように正座させられたことがあった可能性は十分考えられます。  こういう場合、『自分も上級生からされたのだから、同じことを下級生にしてもいい』と自己正当化しやすくなります。また、『攻撃者との同一視』というメカニズムが働くことも少なくありません。  これは、自分の胸中に不安や恐怖、怒りや無力感などをかき立てた人物の攻撃を模倣し、自身が攻撃者の立場に立つことによって、屈辱的な体験を乗り越えようとする防衛メカニズムです。フロイトの娘、アンナ・フロイトが見出しました。  このメカニズムは、さまざまな場面で働きます。たとえば、学校の運動部で『鍛えるため』という名目で先輩からいじめに近い過酷なしごきを受けた人が、自分が先輩の立場になったとたん、今度は後輩に同じことを繰り返します。同様のことは職場でも起こります。お局様から陰湿な嫌がらせを受けた女性社員が、今度は女性の新入社員に同様の嫌がらせをするようになるわけです。   この『攻撃者との同一視』が宝塚では起きやすいように見えます。しかも、『舞台を素晴らしいものにするため』という口実があれば、正当化されやすいでしょう。ですから、同様の不祥事は実はいくらでもあり、今後も声を上げる人がいれば、表に出てくるのではないでしょうか」  ちなみに当サイトは今回、複数の宝塚歌劇団元関係者や日頃からメディアを通じて宝塚に関する情報を発信している人々に取材を申し込んだが、軒並み拒否されてしまった。 「全国紙をはじめ主要メディア各社には宝塚の担当記者がいるほど、メディアとのつながりは深い。日本中に数多くの熱心な宝塚ファンがおり、宝塚はメディアにとっても強力なコンテンツの一つと化していることから友好な関係を築いている。さらに、宝塚関連の書籍や雑誌の特集なども多く、宝塚の元関係者であったり強いパイプを持っていたりすれば、それだけでいろいろな仕事につながるという人もおり、意外にも宝塚批判というのはタブー視されている面がある」(前出・週刊誌記者) (文=編集部、協力=片田珠美/精神科医)
宝塚歌劇団ブランド失墜、トップスターが凄惨イジメ、文春報道…不祥事生む組織体質 | ビジネスジャーナル
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lilianbeauty · 1 year
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Lilianbeautyhome 🌸單根植睫毛 😉 單根款自然,纖長感🥰 十分適合喜歡素顏女生🙌🏻 🏠大埔墟 ☎️whatsapp 61376593 包1次補色☝🏻包所有材料用品,用德國🇩🇪色料,眼部專用麻膏💯,1人1針保證衛生✅ @lilianbeautyhome https://www.facebook.com/lilianbeautyhome https://instagram.com/lilianbeautyhome #氧氣眉 #美瞳線 #大埔整眉#大埔墟霧眉氧氣眉 #大埔墟男仕飄眉 #植睫毛 #大埔墟植睫毛#上門#眼線#內眼線 #飄眉#半永久化妝 化妝 #髮際線 #大埔眼線 #紋眼線 #紋眉 #大埔墟美瞳線 #睫毛嫁接 #日式植睫毛 #單根植睫毛 #上門 #霧眉 #飄眉 #眼線 #半永久化妝 #韓國 #眉粉眉 #eyeliner #lilianbeautyhome #大埔墟植睫毛 #大埔墟氧氣眉 #日式植睫毛 #大埔墟霧眉 #氧氣眉 #大埔墟美瞳線 #眼線 #飄眉 #上門 #睫毛嫁接 #大埔墟霧眉 #大埔墟氧氣眉 #單根植睫毛 #山茶花睫毛 #不限根數 #大埔墟美甲 https://www.instagram.com/p/Cq5ivczSuhy/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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mlyzvt-no2157 · 8 months
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カミュ先生にセト叔父様の格好をしてもらいました💖 先日のブーメランパンツ姿のカミュ先生の線画を塗り直して、ENNEADのセト叔父様の衣装と装飾品を付けてみました🎶 セト叔父様とカミュ先生の共通点は、身長184cm、超美形、スタイル抜群、サラサラ赤髪のロングヘア、赤い瞳、強い(セトは軍神、カミュは黄金聖闘士)、根は優しい事です💖
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dvdhappycom · 9 months
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笑顔たっぷり恥ずかしがり屋の10代●生と再会。人生初の電マに衝撃の快感、未処理剛毛のDisc-2 - 無料動画付き(サンプル動画)
笑顔たっぷり恥ずかしがり屋の10代●生と再会。人生初の電マに衝撃の快感、未処理剛毛のDisc-2 - 無料動画付き(サンプル動画) スタジオ: FC2 更新日: 2023/05/05 時間: 110分 女優: 10代の奇跡のエンジェルが降臨です。彼女の素直な心を象徴する片時も離さない真っ直ぐな視線。前回初めて彼女に会った時、私は恋に落ちていました。優しい声色と愛情に溢れた笑顔は、10代の汚れていない純粋無垢な女の子でした。かりんちゃんは未成熟な本物の10代の「若い子」です。まだ経験も少ないとのことで、仲良くなってから言葉巧みにかりんちゃんを誘導して、生挿入に持ち込めました。昭和ののような清純で可憐な見た目が愛くるしかった。お目の高い当アカウントの会員様方のご期待に添う素晴らしい魅力を持ったお嬢様ですので、存分にお楽しみいただけると思います。10代の女の子の瞳、なんてこんなに美しいのでしょうか ***********************************
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【DVDハッピー】 https://dvd-happy.com/ ストリーミング・ダウンロード・DVD $1.49~ 正規品最安値保障 ***********************************
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elle-p · 4 months
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P3 Club Book Koromaru information scan and partial transcription.
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月の夜に魂を口4ぶ獣
ケルベロス
ほかの兄弟たちのなかで、ひとりだけ真っ白の体で生まれてきたコロマル。
先天的にメラニン色素を持たないアルビノの個体は、紫外線への免疫がないことなどから、とくに幼犬の頃は抵抗力が弱い。そんな生い立ちを自覚していたのかどうか、たくましく育つようにと「虎狼丸」と名付けてくれた飼い主に、コロマルは非常になついていた。飼い主である神主の死後も、生前の彼との暮らしをなぞるように、コロマルはその長い散歩道を歩き続ける。ムーンライトブリッジを越えて、ポートアイランドー帯を通り、また巌戸台方面へ。壮年の男性と若いオス犬にしても、かなり歩き応えのあるこのルートは、彼の体に刻まれた記憶そのものだ。
そしてコロマルが育った長鳴神社は、自分にとっての幸せな思い出すべてを残す。遊具を求めて集まる子供と遊ぶ一隅、質素だけれどおいしいごはんをもらえる本殿の庫裏、ときどき頭をなでてもらいながら、見上げた鳥居とまぶしい月。そのかけがえない地をともにシャドウの手から守ってくれた美鶴たちは、彼にとって恩 人以外のなにものでもない。
その魂が呼ぶもうひとつの獣が必要ならば。コロマルは月に輝く赤い瞳で、冥府の番人を身に宿す。
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dog-doll · 1 year
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僕が”お勉強”する為に必要な物っての��� そこそこのTVとDVDだ それで映画を見るんだ、いくつもいくつも 「プレーヤーがいるんじゃ…?」とかって野暮なこと言う奴は税理士とデートでもしてな 兎に角、僕はこれから勉強しなくちゃいけない
白人、黒人、黄色人種、クズ野郎、優しい老人、無邪気な子供、シリアルキラー、革命家、美食家、占い師、芸術家、弁護士、刑事、テロリスト、チンピラ、女子生徒、パン屋さん、バンドマン、薬物中毒者
僕がスイッチを押すと、四角い箱の中に現れる焦がれてやまない彼ら 映画を見る時、彼らの人生は僕のものだった 少しレンズと時代と国境を挟んだだけ、一緒さ 青、黒、緑、紫、様々な色の瞳で世界を体験した 行った事もない場所、吸った事もない空気 だが、確かに僕はその国の風の味を知っている 肺に蝶が舞うのを感じる “映画ってのは、TVの前に座るだけでいろんな場所に連れてってくれる” 5年前自分で言った言葉に感動した ああその通りだよな 僕って奴はほんとに良い事を言う
僕の脳はせいぜい…21年しか機能していない でも沢山の人と会ってきたような気がする 沢山の哲学と、表情を学んだ ひとつの場所に居ながら様々な旅をした 2、3時間程度息をする彼らと交流し、2、3時間程度目覚める世界で笑ったり泣いたりしたんだ それは箱庭的な行為なのかもしれない でも、僕は意外と社交的な奴なんだぜ 思考の海を泳ぐ行為はネットサーフィンと近いが、映画の中に入るってのはそれよりも近い 確かに、好きな人と好きなキャラクターとでは違う意味を持つ、だが、”現実”と”空想”の境界線を行き来するのは案外簡単な事だ レンズと時代と国境を飛び越えるように、世界を抽象的に捉えてしまえばいい そもそも今気づいたけど”空想”って酷い言葉だな���カラって “現実にはあり得ない”は”現実”に寄りかかった台詞だけど、”現実”ってのはどこにあるんだい 僕は見た事がない 頭の中に思想や世界がある人がいたなら、それは十分な事じゃないか 僕はそんな人が好きだよ
「〇〇監督の〜〜って映画がぁ」 「このシーン!このシーンの彼の演技がさぁ〜」 彼女の惚気話の様にそんな事を宣って生きてきた気がする 兎に角ひとパーツごとに愛おしいもんだから…特に好きな映画のキーワードは、どこか象徴的に僕の中で存在し続ける なんならお守りだとかの領域に近い話なんだがな、ややこしくなるからこの辺はまた今度 映画ってのは、殆どの場合物語だ 言うまでもないが、音楽だって写真だってそうだ なんで僕は、物語に惹かれるんだろうか? 抜本、確か僕は美しいものが好きだった 物語によっては悪臭放つ汚い物を拝む事になる、悪くはないがワオとはなるだろ 何故だ?何故いいんだ? ああ、人間のイマジネーションがとても美しいからだ 芸術だって、論文だって、図鑑だって同じ “彼はこう���考しこの言葉を発した” “彼女はこう感じたから、この歌を作った” ある意味でのcall & response、そして大事なのはカケラ程度のユニーク 右に倣えじゃつまらないだろう?
僕は様々な映画(とその他無数の優れた芸術)で今お勉強中だ 監督のイマジネーションを、俳優の演技を、彼らが作り出す人生観や世界情勢を 要は色んな人間の頭の中を旅してるんだ だからそれの究極、「自分で物語を作って、自分もそこに登場する」を実行したい 薄々気づいていたが僕は人が好きなんだろう 或いは、興味がある
2023.5.12
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tama-b09-zzz · 1 year
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歯痒くて、つい
最近、なんだか奥歯がむずむずする。
もしかしなくても私は欲求不満なんだと思う。
ここ最近お互いが忙しくてご無沙汰なのも余計に拍車をかけている気がする。
「…」
なんとなく自分の手の甲に口を付けて、がぶりと歯を立てる。
こうしていると噛んでいる部分がじくじくと痛むけど、痛みとともに歯痒さが緩和されていく気がする。
「すぅ…すぅ…」
微かに聞こえる寝息が聞こえてきて、不意に視線を自分の隣に向けると、
同じベッドの隣で規則正しい寝息を立てて眠るケイさんの姿が目に入った。
ここ最近忙しそうにしていたし、とても疲れていたのだろう。
今日だって、私がそろそろ寝ようかとベッドでゴロゴロしていた時間帯に帰ってきて、軽くシャワーを浴びたらすぐにベッドに入り込んできてはすぐに眠りについてしまった。
「…」
この人はいつも寝る時は上半身に何も身につけずに眠る。
更に今は少し毛布がはだけてしまっているせいで、鍛え上げられて程よく肉付いた身体が惜しげもなく露わになってしまっている。
普段の私であれば毛布を掛け直して終わりなのだけど、今の私にとってはとても目の毒で。
見ないようにしようとは思っているのにどうしても視線がケイさんの肌に吸い寄せられてしまう。
触りたい。
触って、口付けて、噛み付いて、貪り尽くしたいなんてとても言えない。
それに、その肌に噛みつきたいなんて言ってしまったら変に思われるし、もしかしたら距離を置かれてしまうかもしれない。
そんなこと考えているうちに、ふつふつと湧き上がる欲求を紛らわすように無意識に更に強く自分の手の甲を噛んでしまう。
その時
「そんなに強く噛んでは駄目だ。⚫︎⚫︎」
先程まで眠っていたケイさんの腕が伸びてきて、私が噛んでいた方の手を掴んで、グイッと強引に私の口から手を離してきた。
「…ごめんなさい。起こしちゃいました?」
「いや、たまたま目が覚めただけだ…君は、眠れないのか?」
「…まだあんまり眠くなくて」
「そうか。
…何か、悩みごとがあるのだろうか?」
目が覚めたばかりのまだトロンとした目で、
けど、心配そうな目でくっきりと歯の跡がついてしまったの私の手の甲を見つめて、優しく撫でてくる。
「あ、これはっ…」
ケイさんの問いかけに、どう答えればいいか戸惑ってしまい、つい顔が下を向いてしまう。
欲求不満を我慢する為に自分の手を噛んでましたって?
そんなこと言いたくない。恥ずかしくて言えない。
なんとか誤魔化して、この場を納めたい。
けど、どう答えれば…
「⚫︎⚫︎」
不意に名前を呼ばれて、顔を上げると優しく私を見つめるケイさんの綺麗な蒼い瞳が視界に入ってきて、心臓がどきりと脈を打つ。
そんな私をよそにケイさんは私の手を優しく握り、口を開く。
「俺に出来ることがあるならどうか言ってくれないだろうか?
君を悩ませる全てを、俺は自分の出来る限り払拭したいんだ」
とても優しくて、何もかもを受け入れてくれるように包み込む愛に満ちた言葉。
けど、その優しさが、今の私にとっては中毒性の高くて抜け出せない麻薬の様に脳に響く。
「あ、の…」
「…ん?」
「…あの、少しだけ、貴方に触れても良いですか…?」
つい、口が滑ってしまった。
「…え?」
「すぐに終わらせますっ…すぐに終わらせますから、少しだけ触らせてくれませんか…?」
みっともなく、縋り付くようにケイさんを見つめる私。
ケイさんは先程まで眠っていたし、疲れていてもう寝ていたいはずで。
こんなお願いされたって困るはず。
それなのに。
「…おいで、●●」
いつもスターレスで、日常で私にだけ向けてくれる優しい顔で腕を伸ばして受け入れようとしてくれるケイさん。
「ケイさんっ…」
誘われるがまま、私は浅ましくもケイさんに抱きついてしまう。
ケイさんの首筋に顔を埋めると、ふわりと香水と汗が混じったような香りが鼻をくすぐる。
(…いいにおい、クラクラする…)
そのまま耳に吸い付いて、かぷりと耳たぶを甘噛みする。
「あ、んっ…」
ケイさんの口から甘い声を漏れた。
「あっ…ごめんなさっ」
「大丈夫…大丈夫だから、●●…もっとっ…」
辞めて離れようとした私の後頭部をくしゃりと掴んで、より密着させてくる。
「ケイさん…」
誘われるがまま、今度はケイさんの首筋を一舐めしてみた。
「ん、んっ…」
また、ケイさんの甘い声が私の耳をくすぐる。
(ケイさんの声、可愛い、感じてるのかな…?)
(…もっと、もっと聞きたい)
ドロドロにとろけた理性で、思わすケイさんの首筋にガブリと強く噛み付く。
「っ…!」
ケイさんの唇から、痛みに耐える声が漏れる。
悲痛の声が届いているのに、私は自分の欲望に従うまま、柔肌を味わうように自分の顎に力を入れる。
これ以上は駄目だって頭のなかで警告が鳴り響いてるのに身体が止まってくれない。
「●●っ…!!!」
「っ!?」
名前を呼ばれて、ようやく意識が戻って来て、ケイさんの首筋から口を離すことが出来た。
「はっ…はっ…!」
痛みに開放されたケイさんの息遣いが私の耳をくすぐる。
(どうしよう、頭がクラクラする)
まだ興奮で呆けている目でケイさんの身体をじっとりと眺めると、先程まで私が噛みついていた跡が見えた。
(痛そう…)
じくじくと、痛々しく染まった跡に再び唇を近づけて優しく舐めると「ひっ…んっ!」と甘く息を漏らしてふるっ…と身体を震わせるケイさんの艶姿が、余計に私の理性を狂わせてくる。
これ以上は駄目。本当に止まらなくなる。
「ごめんなさっ…!もう辞めますから…」
私の中で微かに残っているギリギリの理性でなんとか身体を動かしてケイさんを押しのけて、ケイさんから離れようとする。
けど
「…●●っ…」
急にケイさんの腕が私の腕を掴み、そのままベッドに倒れ込んで来て、
私はケイさんをベッドに押し倒すように倒れ込んでしまう。
「離してください…これ以上は酷くしそうで怖いっ…!」
退こうとしてもケイさんの手が、私の腕を掴んで離さない。
「…君は、俺をどうしたい?」
ケイさんの綺麗な青色の瞳が優しく、どうしよもなく興奮している私を見上げてくる。
「私は…」
本当は。
愛しているから、貴方の全てが欲しい。
どうしよもなく貴方の全てが欲しくて堪らない。
けど、劣情の熱で呆けた頭ではこれぐらいの事しか考えられなくて。
自分の思っていることが上手く伝えられなくて、余計に奥歯のあたりがむずむずして、どうしよもなくてつい黙り込んでいると、
「⚫︎⚫︎」
するり、とケイさんの腕が私の首に巻き付いてくる。
「君に求められるのならこの上ない喜びだ。だから…」
そう言いながら、はっ…と甘い息遣いがまた私の耳をくすぐる。
「どうか君の気の済むまでこの身体を貪ってほしい…
君が俺を求めてくれるなら、俺はいくらでもこの身体を許そう」
どこまでも優しくて、ひたすらに私を甘やかす言葉と、甘く私を求めるような声が耳から入って来て脳髄まで包み込んで酔わせてきてクラクラする。
「ケイさん…ケイさんっ…!」
熱に浮かされたままケイさんの肌にかぶりつく。
「っ…!…●●っ…!」
痛みに悶えながらも、とても優しい声で私の名前を呼ばれてからはもう完全に理性が飛んでしまっていて、もう止まることなんて出来なかった。
————
「…んっ…」
なんとなく瞼の先が眩しいと感じて、目を開く。
いつの間にか寝室のカーテンが開かれていて、さんさんと朝日が差し込んでくる。
「…ねむ…」
まだぼやぼやとしながらも身体を無理矢理起こす。
「あれ、ケイさん…?」
寝ぼけた間抜けな声で、昨夜まで隣に居たはずの相手の名前を呼ぶと、「●●…?」と掠れた声で私の名前を呼ばれた。
声がした方に目を向けると、ボクサーパンツ姿に適当なシャツをボタンを止めずに羽織り、片手にマグカップを持ったケイさんが立っていた。
「おはよう●●。よく眠れただろうか」
そう問いかけるケイさんのシャツの間から、昨晩私が付けた無数の痛々しく残っている赤く充血した跡と、私の噛み跡が嫌でも目に入った。
「っ…!!!」
昨晩自分がこの人に何をしたのかをを思い出し、全身が一気に熱くなった。
「ご、ご、ごめんなさいっ…!わたしっ…!」
「どうして謝る?」
「いや、だって、昨日…」
「まだ眠気も覚めていないだろう?これを飲んで落ち着くと良い」
オロオロしている私をよそに、宥めるように優しい声でそう言って、温かいコーヒーが入っているマグカップを差し出してくれた。
「あ、ありがとうございます…」
ケイさんからコーヒーを受け取り、ふっー…と冷ますように息を吹きかけるとコーヒー特有の香ばしい香りが漂ってくる。
そのままコップに口を付けて、こくりと一口コーヒーを飲み込むと、ふわりと身体が暖かくなってきて、少し気持ちが落ち着いて来た。
けど冷静になってきて、今度は罪悪感で心がいっぱいになった。
(わたし、きのう、なんてことを…)
散々この人の優しさに甘えて好き勝手したのに、こうして今もこの人に甘えっきりの自分が情けなくて。
そんなことを考えていたせいか、無意識に顔が暗くなっていた私を見ていたケイさんが口を開く。
「…君は、昨晩のことを後悔しているのか?」
「えっ…」
顔を上げると、少し悲しそうに目尻を下げるケイさんの顔が映った。
「ち、違いますっ!後悔なんて…!」
後悔をしていないどころか、むしろとても満たされた気持ちでいっぱいだった。
…そこまではなんだか浅ましくて、とても恥ずかしくて言えないけども。
「そうか。それならば良かった。
俺にとっても、とても甘美なひと時だったから」
「…え?」
ケイさんの言葉に戸惑う私を見て、ケイさんは安心したような、けど昨夜のことを思い出してなのか、少し顔惚けて目尻を赤くした顔でふわりと笑う。
「俺にとって、昨夜はとても夢みたいなひと時だった…
君が俺を求めて、この身体を愛でてくれて、その証明までこの身に残してくれたのだから」
そう言って愛おしそうに、昨晩私が付けた鎖骨あたりの痛々しく赤く染まっている傷跡を指でなぞるケイさんが、なんだか色っぽくて、私の心臓がどきりと大きく脈打つ。
きっとその言葉は本心から言っている。
そういうところが、本当に、ずるい。かなわない。
「…ケイさんのそういうところ、本当にずるいです…」
「そうだろうか?…俺としては、君の方がずるいと思うのだが」
「…え?」
急に、ケイさんの身体が私に覆い被さるように、こちらに傾いてくる。
ケイさんの手が私の座っている横のシーツに沈んで、ぎしりとベッドが軋む音と同時に、また私の心臓が跳ね上がる。
いつの間にか私が持っていたマグカップはケイさんに奪われて、ベッドサイドテーブルに置かれていた。
「ケイさっ…」
「俺も、本当はずっと、君の身体に触れたかった…
けど君も忙しくしていたし、疲れている君に無理をさせまいと己の醜い欲望を押さえつけていた…
…なのに君から、あんなに熱い気持ちをぶつけられては…
…もう、この気持ちを抑えられそうにない…」
ケイさんの顔を見上げて戸惑う私をよそに、ケイさんはとても優しい手つきで私の頬に手を添えてくる。
「今度はどうか、君の身体に触れることを許してはくれないだろうか…?
この跡が消える前に」
あくまでも、私にすがるような声色に、私に慈悲を乞うような寂しげで優しい顔で見下ろしてくる。
「っ…」
何も言えないでいると、ケイさんの蒼く綺麗な瞳が緩やかに閉じてきて、待ちきれないと言わんばかりに強引にキスをされた。
そのまま優しく身体をベッドに沈められる。
「●●…」
昨夜のように、甘く、
けど、強く私を求めて堪らないような声で名前を呼ばれて、堪らず私もケイさんの背中に腕を伸ばしてしまう。
そのあとのことは、頭が多幸感でいっぱいになりすぎてあまり覚えていない。
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reijimix · 1 year
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『瞳の窓のなかに』
彼女は静かに公園のベンチに座っていた
春の優しい陽射しを受け 古い木造建築のように 柔らかな陰影をベンチに落としていた
たまたま彼が通りかかった
彼女の瞳に目が留まり その瞳を 豊かな蔵書の眠る図書館の小さな窓のようだと思った
彼は それとなく窓を覗くように 彼女の瞳の奥に目をやった
彼女の目に彼の姿は映らなかった
映らない彼は 彼女の瞳の奥に 美しい蔵書の棚を見つけてしまった
彼は一度は通り過ぎたものの 彼女の瞳が忘れられず「どこに落としたかな」などと独りごとを言いながら戻ってきた
そして 彼女が気づかないよう 周囲を見回すようなしぐさで 彼女の瞳に映る物語の断片を盗み見た
次に彼はさりげなく(どうしよう 誰でもよいのだけれど)といった風を装って近づき ちょっとした質問をするかのように彼女の瞳を覗き込んだ
瞳の中では叙事詩をまとめた書物が開かれているのがわかった
それから彼は鳩にエサをやるふりをして 彼女の視線から逸れるよう注意しながら その瞳に見える物語の続きを追い求めた
今度は彼の知らない書簡集が開かれていて 1869という数字が見てとれた
落としたコインを拾い上げるふりをして 彼が再び彼女の瞳を覗いたときは 鮮やかな蝶が分類されている図版が開かれていた
彼が水飲み場で手を洗うふりをしながら瞳を盗み見たときには 文字だけでもうおいしそうなパンのレシピが記されていた
彼は彼女の瞳を覗く行為に罪悪感を感じつつも 自分の心を抑えることができなかった
そのとき 空で花火のような大きな音が鳴り響き 人々が一斉にその方向を向いた
彼も振り返ってそれを見ようとしたが つまづいて 彼女のいるベンチに倒れ込んでしまった
「大丈夫ですか?」と 彼女が驚いた顔で彼を見つめていた
彼も慌てて「いや、ええ」などと返事をしながら体を起こし そのとき初めて彼女の顔を正面から見た
彼女の瞳は もう図書館の小窓ではなくなっていた
彼は戸惑った顔で 彼女の瞳をじっと見つめた
彼女の瞳に 心配と困惑の色が映っているのが見てとれた
彼は慌てて立ち上がり 彼女に軽く礼を言ってから 何ともないといった身振りをしながら公園を去ろうとした
彼女の瞳にあった蔵書とその物語が つまづいた瞬間に消えてしまったことについて考えながら
彼は公園を出る前に もう一度彼女のことを見ようと振り返った
彼女は 駆け寄ってきた彼女の娘を抱きあげて 楽しそうに話しながら その場を後にするところだった
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