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#腐った林檎
ari0921 · 2 months
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和六年(2024年)8月7日(水曜日)
   通巻第8359号 
 バングラデシュは暴動から政権転覆。「黒幕はパキスタンと中国」とインド
  インド紙は「イスラム過激派のテロリストが政変を計画していた」と報道
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 8月5日、ハシナ首相はヘリコプターにとりあえずの財宝(スーツケース数個)を積んでパキスタン空軍基地からインドへ脱出した。嘗て「民主主義のイコン」といわれた彼女も15年間、権力の座にいるうちに“腐った”林檎になったのか。
 他方、自宅監禁になっていたジア前首相は自由の身になった。ジアは大統領未亡人で1991年に夫が暗殺されると首相となり五年間、バングラ国政を担った。BNP(バングラ・ナショナル党)党首でもあり、反ハシナ路線を唱え、2014年と2024年の総選挙をBNPはボイコットしてきた。
 学生による暴動で死者は430名以上、負傷者数千。幕切れは呆気なくハシナ逃亡とともに軍が暫定的に権力を掌握し、新政府顧問にムハメド・ユヌス(2006年度ノーベル平和賞、84歳)を迎える。ユヌスは”亡命先“のフランスからダッカへ戻る。
 当面は陸軍司令官のウエイカー・ウズ・ザマンが暫定政府を舵取りし「早い時期に総選挙を実施する」としている。
 
 学生たちの最初の要求は公務員枠の撤廃だった。これは建国の英雄(アブドラ・ラーマン)が主導した独立戦争で犠牲となった遺族の子供達が公務員の枠で優遇され、これが不公平というものだった。ハシナはラーマンのむすめである。なにしろバングラでは1800万人の若者に職がなく、数少ない輸出産業の繊維産業もコロナ禍以後、ZARAなどが工場を縮小したため不況に陥っていた。若い女性の500万人が繊維産業に従事しているが、中国資本の人使いの荒さにも不満が昂じていた。
 暴動は公務員枠の不公平が原因とされるが、これは口実でしかなく(すでに数年前にハシナ政権が撤廃を声明)、実際の狙いは政権転覆にあった。
 中核となったのは「ジャマート・エ・イスラミ」というテロリスト集団だ。現在の指導者は不明。だが、インド情報部によればアフガニスタンで軍事訓練を受けた形跡があるという
「ジャマート・エ・イスラミ」は1975年に結成され、一時期はBNPと連携していたが、ヒンズー撲滅などを唱えて過激化し、非合法とされて地下に潜った。
「ジャマート・エ・イスラミ」の過激学生セクトが「シャハトラ・シビル」と呼ばれ、イスラム同胞団、イスラムジハードならびにハマスと連携している。この「シャハトラ・シビル」が暴動を煽ったプロ活動家である。
▼習近平は「貸したカネを取り戻せるのか」と心配
 インドのメディアは政変の黒幕はパキスタンと中国とした。しかし中国は、むしろハシナ政権との癒着、巨額の汚職が問題であり、政権転覆でメリットはない。
 中国のBRI(一帯一路)は、合計1兆3400億ドルを世界165ヶ国に投じて、合計20000件のプロジェクトを展開している。
 
ハシナ首相が訪中はつい先日、24年7月10日のことである。
北京の人民大会堂でバングラデシュのハシナ首相と会談し、両国関係を「包括的戦略協力パートナーシップ」に格上げしたばかり。中国はバングラデシュに50億ドルを投じ、さらにハシナ政権は追加50億ドルを訪中時に要請した。習近平は、とりあえず10億ドルでどうかと打診していた。
 
またハシナは23年4月に訪日しており、独立以来バングラへの支援は巨額に登る。バングラ進出の日本企業はすでに340社、在留邦人は千名を超えており、安全確保が急務とされている。
 バングラデシュは世界銀行から195億ドルを借りており、年間の利払いだけでも2・5億ドル。日本のバングラデシュ援助は
 バングラデシュのテロ組織は、ほかにJMB(ジャマトゥル・ムジャヒデン・バングラ)がISILの影響下にあって、その分派が2016年に日本人7名を殺害したテロ事件を起こした。他にAAI(アンサール・アル・イスラム)がアルカイーデの流れを組むとされる。
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cinqcafe · 2 years
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月曜日からのお食事
2022/11/6 (日)
本日もご来店ありがとうございました。
明日からのお食事のご案内です。
先日の浦和LOOPで販売していた
幕の内弁当を定食バージョンで
お出しします。
  
がんも農場 白米と玄米混合米
  
梅海苔から揚げ
舞茸と蓮根の柚子胡椒ソテー
人参とえのきの胡麻味噌和え
里芋のお焼き
ほうれん草の千草焼き
  
白菜と林檎のサラダ
お豆腐と長ネギのお味噌汁
  
定食なので幕の内弁当と
全く同じではないですが、
浦和LOOPでお弁当を購入していただいた方も購入できなかった方も、
定食バージョンを食べに是非いらしてください
  
定食だとから揚げが
揚げたてなのが嬉しいですね
明日からもお待ちしております
かめや
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zattani · 2 months
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2024半記
月記が数か月ごとになり、ついには半記
たぶん一番向いているのはtwitter。手軽にパッとその時のことを記せるから。これがほぼ日記みたいなもので、だから10年以上も続けられている。
まとめて何かを書くと忘れてしまうし、ものぐさだから、本当に溜まれば溜まるほど億劫になってしまう。忘れっぽくもあるから、見たもの読んだものもどんどん忘れて、終いには空っぽになるかもね。
2024半分までの本:世界屠畜紀行、初夏ものがたり、走馬灯のセトリは考えておいて、ミステリー食事学、月面文字翻刻一例、とうに夜半をすぎて、死なれちゃったあとで、なぜ働いていると本が読めなくなるのか、地下室の手記、カラマーゾフの兄弟、十角館の殺人、すべてがFになる、孤島パズル、月光ゲーム、妻のオンパレード、犬だけの世界、想像のレッスン、ガラス山野アンダーソン陽子、フード理論とステレオタイプ、あとはだめだ、思い出せない…良かったのは、積読のカラマーゾフを読み切れたこと。神学の話は難しいけれど、ものすごく面白かったし、有名なミステリーも読めたし、(でも綾辻行人はもういいかなになった)アクロイド殺しを再読したのも今年か?去年のも混ざってるかも
2024半分までの映画:トーベ、素晴らしき、きのこの世界、パーム・スプリングス、ミーガン、不思議惑星キン・ザ・ザ、サタンタンゴ、もっと遠くへ行こう、クー!キン・ザ・ザ、シェラ・デ・コブレの幽霊、ヴァチカンのエクソシスト、アステロイド・シティ、十二人の怒れる男、暗殺の森、鬼太郎誕生、エクソシスト♰シャーク、エルミタージュ幻想、岸辺露伴ルーヴルへ行く、サファリ、ノベンバー、林檎とポラロ���ド、ディナーラッシュ、ヒア、ゴースト・トロピック、ZOO,英国式庭園殺人事件…思ったより今年はちゃんと映画も見ているかもしれない。映画館へ行くことは少ないけれど、自分比の話。やはりサタンタンゴ、サタンタンゴを見た後の世界と鐘の音はなんとも言えない体験だったこの収穫は大きかったかもしれない
2024半分までの展覧会ギャラリー:いのちをうつす、ゴッホと静物画、魔除け、倉俣史朗のデザイン、ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家、白井美穂 森の空き地、フランク・ロイド・ライト、マティス、記憶 リメンブランス、シュルレアリスムと日本、印象派モネからアメリカへ、北欧の神秘、ブランクーシ、石田淳一小川真輝在るということ、それぞれの視点、安井仲治、ヴィクトリア朝のドレス(触れた!)、ホー・ツーニェン エージェントのA、翻訳できないわたしの言葉、大吉原展、大哺乳類展3、ジョルジュ・デ・キリコ、私が死ななければならないのなら、あなたは必ず生きなくてはならない、アンゼルム・キーファー、TORIO パリ・東京・大阪モダンアートコレクション、内藤コレクション写本、内藤礼 生まれておいで生きておいで、菅野まり子、稲葉友宏
マティスは去年と続いて、切り絵はよかったけど、去年に続いて2年連続でやるほどでもなかったなと見てから思う。まとめてくれたらよかったのに~。ゴッホや印象派は展覧会を遣り過ぎていて、正直つまらないこともあるんだけど、切り口によっては面白いと思うことができるので要はキュレーション問題なんだなと思った。特にゴッホはよかった。大吉原、集めたものは良かったが、途中法被着たりグッズにしたり、エクスキューズがあればいいってもんじゃない。TORIOはテーマとしては取っ散らかっていて、個々の作品を愉しむのに途中からシフトチェンジ。ジョルジュ・デ・キリコは今年楽しみにしていたけど、展示自体は普通、普通、わりと普通。稲葉友宏、一度作品を見てみたいと思って見られたのはよかったけど、それまで気にしていなかったタイトルが目に入った途端、タイトルがダサくて、ウーーーーーーーーーーーーン。作品の果てしない余白に対して、ものすごく陳腐なタイトルだなと思った(シンプルな悪口)。振り返ると、上半期ベストみたいなのないかも。ブランクーシは良かったし、北欧の神秘もよかったけど、まとめ方が綺麗だったのと、あまりこれまで知ることのないものだったのが大きい気がする。ホーもよかったけど、美術館で長い映像作品ってすごく疲れる。山野アンダーソン陽子の展示は、コンセプトが抜群に面白いから、それは良くなるはずだよね、という。
美術館や博物館に行くことは好きだが、暇つぶしにうってつけだからな気がする。映画は上映時間に間に合うように行動しなくてはいけないので、自由がきかない。美術館や博物館は、広く取られている時間内で好きな時に行って好きなペースで見ればいい。学びを得ているかといえば微妙だ。ただ見ているとその他身近な煩わしいことから一旦逃避できるのがいいと思う。不真面目だし、こういうことを言う人を一定数の関係者や真面目な人は嫌がるだろうけれど、でもまぁそこそこ展覧会行ってお金落としてる方じゃない?ちゃんとお行儀良く見てはいるしとも思う。その場で得たこともすぐ忘れてしまう適当すぎさはあるけれど。
つらつら書いたけど、これ以上に読んでみている人っていっぱいいるわけだから、全然少ない方で、鼻で笑われてしまうかもしれない。どうなんだろう?でも数ではないし(忘れているのだから中身がという話もできなくない?)
ただ、今年は大きな何かがあるわけれはないのに、なんと前厄、恥しかない一生、年齢的なホルモンバランスの変化か去年と調子が全然違ってあまり良くないので、この身体に慣れるまで、生き延びることだけを考えた方がいいのだろう。
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kiriri1011 · 5 months
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月夜のせいではなく(R18)
 人の子が林檎をかじるように。  ヴァンパイアが血を啜るように。
「愛してる」
 綺麗な夜にそうささやくのは、彼にとって自然なことだった。  後ろめたくはない。だってこれは、“その先”の世界へと進むための、合言葉のようなものだ。  この言葉は200年経っても腐るということがない。  指先を唇に持っていきながら、許しを請うように上目遣いを送るアスタリオンがこの言葉をかければ、哀れな標的はみんな彼をせがむ。  青白い肌は、いくら重なってもまるで火照るということを知らないのに。
「詐欺師の言葉はいらないわ」
 タヴはそう言って、アスタリオンの手をそっと離れた。  不意の展開にまばたきしていると、彼女の顔がさっと冷え切っていくのがわかった。  さっきまで親密な雰囲気だったのに、今は触れれば弾けるような緊張感を纏っている。
「詐欺師? ひどいじゃないか、一夜の感動をともにする相手に対して、これ以上ふさわしい言葉はないというのに」
 お決まりのルーティーンに持っていこうとして失敗した吸血鬼は、小さな焦りを知られないように狡猾な微笑をすうっと浮かべた。  驚くことに、アスタリオンはこうなっても勝利をもぎとる自信があった。  数多ある口説き文句のなかで、たまたまお気に召さない言葉があったというだけだ。  万人受けするはずの魔法の言葉も、あくまで“この女”には効かなかったというだけで――。
「自分の言葉に価値があると思ってるのね」
 黒い髪の垂れた顔は、まるでおめでたい、と言わんばかりに目を細める。  いったい、それの何が悪い? と言わんばかりにアスタリオンも視線を返す。
「お前にもほしいものぐらいあるんじゃないのか? 自由、快楽、希望……もしくは、優しく抱いてくれる恋人とか。そのどれかひとつぐらい俺が叶えてやるって言ってるのに。プライドが高いのは好みだがあんまり強情だと目の前の幸せを逃すぞ」
 相手は表情ひとつ変えずゴブリンの酒樽にワイヴァーンの毒を仕込む女だが、感情がないわけではないのを知っていた。  さきごろ、事実上は森を救ったものの、ともに英雄扱いは肌に合わないアスタリオンと彼女は気の良い仲間たちにすべてを押しつけ、ふたりで夜を明かした。  大量の敵を魔法の炎で焼き払った余韻か、あの晩の彼女は昂っていて、とても凶暴だった。その野性的な手触りをアスタリオンはよく覚えている。  一度では忘れられないと、そう感じて逢引きに納得してくれたと信じていたのに。
「――私がほしいのはね」
 突然、月が雲に翳るように、アスタリオンの唇は奪われた。  あまりの脈絡のなさに息ができない。  女魔術師は細い見た目にそぐわない強引な力で男を抱きすくめると、舌で唇をこじ開け、長い犬歯まであっという間に辿り着く。  なんの遊びもない、大胆不敵なキス。  見た目はエルフだが、その迫り方はまるでオークだ。  だが、アスタリオンが驚いたのは一瞬だけ。なまめかしい舌の感触に喉奥が仔猫のように鳴るのがわかる。  なんだ、結局ほしがるんじゃないのか。  つまり彼女ですら定石通りでしかないと察して、吸血鬼は口の端に銀の糸を垂らしてほくそ笑んだ。  だが、そのチープなところが一番いとおしいとさえ思う。  逆にいえばそれ以外にアスタリオンの望むものはない。  平らな草の上に自分から寝転がり、女の身体を抱え上げる。  夜の静寂にしばらく息を交わす音と、舌のまじりあう音だけが響く。
「………ッは」
 不意に離れた彼女を目で追う。  濡れた唇が光って、月に照らされた瞳がかがやいている。  それを美しいと感じると同時に、アスタリオンは止まったはずの心臓がナイフで傷をつけられたようにかすかな畏怖に震えるのがわかった。  闇を垂らしたような黒い髪を揺らし、タヴは微笑みを浮かべると、腰に回ったアスタリオンの片手をとって、指先に口づける。
「私がほしいのは、本物だけよ」
 月夜を背負うには、この女の微笑みは鋭すぎる。  我ながらなんて皮肉だろうと自嘲して、アスタリオンはうっすらと目を細めた。
「……もったいつけたわりに、随分と素朴なことを言うじゃないか」    その恐ろしいほどの美貌とは裏腹に、タヴの求めるところは単純でしかない。  本物の愛がほしいだなんて、アスタリオンの覚えている限り200年前の処女でももっと背伸びした言葉を使っていただろう。  うすら恐ろしい笑みが似合う女魔術師様が、意外とかわいいところもあるんじゃないか。
「俺に言わせれば、お前は高望みだな。いまどきはセンチメンタルといってもいい。身体は俺みたいな軽い男をほしがっているのに、純粋な気持ちまでよこせとはびっくりだ。早く田舎に帰って、初恋を捧げた幼馴染みの男と幸せな結婚式をあげたほうがいいぞ」
 同情まじりのジョークを告げても、女はくすりともせず、じっとアスタリオンを見つめている。  見つめられすぎて顔に穴が開きそうだと思った。それぐらいタヴの視線は弛みがなく、まっすぐにアスタリオンを見据えている。  腹をすかした狼に見つめられている気分だ。  このままでは場が持たないと感じ、アスタリオンは両腕をタヴの肩に巻きつけると、今度は自分からキスをねだる。  女の温かい舌に積極的に自分の舌を合わせ、彼女のほうから襲いたくなるように鼻にかかった吐息をこぼしながら導いていく。
「……私はお前の口から本物の声が聞きたいわ」
 またそれか。  さすがに呆れてため息をつきそうになるが、その瞬間に長い耳の先を噛まれて、アスタリオンは思わず「あ」と声をあげた。  敏感な場所を食まれて、甘い戦慄が感覚を焼く。
「今のは演技?」
「……ふむ、どっちか当ててみるといい。次は反対の耳で」
「わかったわ」
 女は言う通りにした。アスタリオンは先ほどよりもわざとらしく喘いでみせる。
「すごい! 上手じゃないか」
「……どうやらふざけているみたいね」
 無表情の女が苛立っているのを見て、アスタリオンは愉快な気分だった。  大体、こういう夜に、言葉の裏の読み合いなんてするもんじゃない。  その向こうが空虚にしか続いていないことは、この世の誰もが知っている。  吸血鬼が鏡を覗き込んでも、そこに誰も映らないように。  アスタリオンはキスや愛撫を受けるたび、わざと甘えた声を出してはくすくすと笑いだす。それをタヴは冷たい視線で見ていたが、互いにゆっくりと時間をかけながら服を脱がせ合っていた。
「……?」
 アスタリオンが女の細い腰からズボンを下ろそうと手を伸ばしたとき、違和感に気づいた。  女の股間にふくらみがある。しかも、温かい。  指先でするするとその輪郭を確かめるアスタリオンに、タヴは微笑み、自分から腰を上げてズボンを下ろしていく。
「……それはいったいどうした?」
 タヴの黒い炎のような[[rb:陰毛 > ヘア]]のなかに、男の象徴が半立ちになっている。  前に見たときはこんなものなどなかったはずだが……。アスタリオンが疑問を込めて訊ねると、タヴは少し得意げに目を細めた。
「面白い呪文書を見つけたから、自分で試したのよ」
 黒く長い髪に、豊かな胸と細い腰。魅力的な女らしいパーツが一通り揃った身体に男の性器を生やした彼女は、まるで両性具有の神の像のように堂々としていた。生まれたときからそれを持っていたような不思議な自然さがある。  魔法とはここまで万能だったのか、と呆れたような感心を抱きつつ、アスタリオンは彼女の股間にあるものをしげしげと眺める。
「……触ってみても?」
「かまわないわ」
 了解を得て、右のてのひらでそれを包み込む。  「ほう」と好奇心を隠さずアスタリオンはうなずいた。  すべらかで身の詰まった感触はたしかに本物で、中身を伴わない幻術の類ではないと納得できる。  刺激したらやはり勃起するんだろうか、などと想像を巡らせて触れていると、ふいに顎先を持ち上げられて上からキスされた。
「今夜はこれを使ってお前を抱くわ」
 タヴはそう言って、己の半身をアスタリオンの股間に近づけた。  まだ半分柔らかいものが自分のそれと重ねられる。大きさもほとんど変わらないから、双子のようだ。
「まるで新しい玩具を使いたくてたまらない子どもだな」
「遊び相手になってくれるんでしょう?」
「まあ、そうだな……」
 さすがに股間に一物を生やした女に抱かれるのは初めてだ。  だが、アスタリオンはそこで迷いよりも興味が勝った。  200年を危険な色事に費やしてきてなお、自分に初めての行為があるということが皮肉で愉快だったし、魔法のかかった彼女の身体は魅惑的だと思う。  危険の多い旅路に、彼女を自分の武器で繋ぎとめておけるなら言うこともなしだ。
「いいだろう。一度挿れる側になったら戻れないってことを俺が教えてやる」
「強気だけど大丈夫? 怖くないのかしら」
 タヴはわざと心配そうにため息をつくが、それはアスタリオンには失笑もののリアクションだった。  自分の得意な領域に持っていけることを確信したアスタリオンは青白い頬に完璧な微笑みを浮かべてタヴを見上げる。
「俺に怖いものなんてない」
「あら、カザドールも怖くないの?」
「その話は今するな!」
 問答も惜しくなったアスタリオンはタヴの唇を奪い、細い腕を強引に自分の肌に導いた。  今までのものより荒いキスにふけりながら、アスタリオンの促すまま女の指先はするすると胸の先端に絡みつき、細かい動きで刺激を加え始める。  すでに知っている快感がちりちりと背筋を這い上がった。  こうなるともはや予定調和でしかない。
「あぁ……は、あ……」
 深いキスに溺れたように瞳を潤ませ、アスタリオンは女にいたぶられる悦びを吐息にしてこぼした。  タヴは合図のように乳首を引っ張ると、舌を動かし、さらに奉仕することを要求してくる。  アスタリオンは従順に応えた。めまいがするほど濃厚な口づけに溺れながら、身体に刻まれる刺激のひとつひとつに翻弄され、切ない喘ぎ声を漏らす。  それらはすばらしい手本のひとつとして数えられるような反応だった。  こうやってアスタリオンは千の夜を生きてきたのだ。    夜の森に派手な水音と男の嬌声が響く。  
「あっ! あっ、ああっ、そこだ……もっと……っ」
 彼女の指は後ろの窄まりに潤滑液を塗り込めている真っ最中で、獣のように四つん這いになったアスタリオンは敏感な場所を穿られる感覚のままにあられもない声をあげていた。  夜闇でも淡くかがやくような白い背を揺らし、なまめかし��息を切らす様はどう見ても快楽に溺れているようにしか見えない。  だが、今まで多くの者たちを楽しませてきた彼の痴態を見ても、タヴの顔は冷静なままだった。
「私を抱いたときも、そうやって上の空だったわね」
「っき、……急に、なにを、言って………う"あッ!」
 現にアスタリオンは返事も覚束ないのに。  彼女の指は執拗に男の秘所を搔き乱し、容赦なく追い立ててくる。  アスタリオンは素直にその感覚に従っているに過ぎないのに、女はお気に召さないらしい。
「ア、ハッ……心外だな……俺はこんなに昂ってる、のに……、っ!」
 地面に爪を立て、押し寄せる快楽に奥歯を噛み締める。  タヴはいったい何が気に食わないのかわからない。こんなに感じているところを見せているのに、なぜ納得しないのだろう。  実際のタヴの技巧には演技をする余地がなかった。  アスタリオンに負けず劣らず器用な指先は男の泣きどころを的確に捉えてくるし、異性を抱くのは初めてとは思えないほど手慣れていて、今さらリードするまでもない。  いつの間にかアスタリオンは彼女に主導権を譲って、与えられる快感を享受する一方だった。
「たのむ、もう、イきたい……っ」
「そうしてあげてもいいけど」
 タヴはそっけなくつぶやくと、ずぽりと指先を引き抜いた。  玩具がなくなったことが惜しくて、思わずアスタリオンは喉の奥を鳴らす。
「ああ……タヴ、早く、お前がほしい……」
 本当だ。  絶頂を前にして放り出される狂おしさほど持て余すものはない。  はぁ、はぁ、と荒く息をつきながら視線で訴える。欲望に眩んだ赤い瞳は濡れたようにかがやき、タヴだけを見据える。  冷たい表情だが、彼女の股間にあるものは大きくそそり立っていた。  アスタリオンの飢えた身体を癒せるのは今はそれだけだ。
「なら顔を見せて」
 タヴは涼しくそう言ってのけると、地面に両手と両膝をついた男の身体を裏返しにした。  背中が土にまみれることにアスタリオンは抵抗を感じたが、タヴの腕は妙に強くて逆らえず、彼女の望むままに仰向けになる。  てっきり後ろから挿入されるものだと思っていたのに。  快楽を優先するのかと思いきや、急に顔と顔を突き合わせることになり、すっかり出来上がっていたはずのアスタリオンはかすかに臆した。  月の淡い光を浴びた髪が黒々とかがやいていて、そのうっすら細くなった瞳はよく研いだナイフのように光って見える。  彼女がこんな顔をして、ずっと自分だけを見ていたことを知って、心臓がもう一度止まりそうな気がした。  タヴの手に膝の裏を抱えられ、持ち上げられる。
「挿れるわよ」
 潤滑液で濡れた窄まりに彼女が性器を近づけ、徐々に挿入する。  思わず息を止めていたアスタリオンは、その腹に響く感触に大きく声をあげた。
「あッ……あぁ……!」
 はっきり言って、正常位で挿入されるのは好きじゃない。  やるとしたら処女と童貞同士とか、年季の入った夫婦がたまに愛を確かめ合うときにするもので、少なくとも快楽を優先して行う体位ではないと思っていた。  だが、タヴに挿れられた途端、甘美な刺激が電流となって全身を突き抜けた。彼女の勃起したそれが全部入りきる頃には、アスタリオンは泥に濡れるのも厭わず背をよじって悶えていた。
「今のは少し良い顔だったわね」
 含み笑いをのせた声が降ってくる。  笑われた意味が理解できず、わずかなあいだ呆然となっていた。そのまま二の句を継がせないうちにタヴは腰を動かす。
「はあ……ぅ、ああ……っ」
 ゆっくりとした動きは、十分に蕩けきった後孔を甘やかすように緩やかで、気性の激しいタヴの腰遣いとは思えなかった。  アスタリオンの知るタヴは、冷酷で容赦がなく、威圧的で、荒っぽいキスが好きな女魔術師だ。  だからこんな初めての恋人にするように丁寧に愛されるとは思ってもみない。  戸惑いと快楽に包まれながら、アスタリオンは熱に浮かされた声で喘いだ。
「タヴ……ッ、ま、て」
「お前の中を堪能してるの。……とっても狭くて、ひんやりしてるわね。ちゃんと血は流れてるみたいなのに、不思議だわ」
 ゆっくり腰を突き入れするタヴはそう言って男の股間に手を伸ばした。  前戯のときからすでに昂っていたそれの、敏感な穴を指先で刺激する。  白い首をそらしてアスタリオンは肩を震わせた。
「ぁ、あ!」
「やっぱり顔が見えるといいわね」
 タヴは身悶えするアスタリオンの表情をつぶさに観察して微笑した。  感じているところを見られているだけなのに、なぜだか胸が騒ぐ。今までこの痴態で多くの者を虜にしてきた。ベッドの上ではアスタリオンは常に踊り子で、与えられる快楽のままに振る舞ってきたのに、今はそうあることが難しい。  ただタヴは優しくしているに過ぎないのに。
「ああ……アスタリオン」
 彼女は恍惚となったようにつぶやく。  その甘やかな声が鼓膜を揺さぶり、今行われている行為の濃密さを脳のより深くまで訴えかける。  今まで無表情だった彼女の顔が和らいでいるのがわかる。そんな表情は初めて見た。タヴが満たされていると知ると、なぜかわからないがアスタリオンの胸は不思議と高鳴った。  タヴは大きな胸をゆっくりとはずませ、呼吸を深めて男の肉襞をよく味わっていた。
「お前を近くに感じるわ」
 その言葉に、アスタリオンはどこかむずがゆいような感覚を覚えた。  まるで胸が落ち着かない。挿入されているだけでじわじわと緩やかな絶頂感を味わっているようで、こんなタイプの快楽はあまり感じたことがなかった。
「……動くわよ」
 タヴはつぶやいて、腰を揺らし始めた。  今までよりも強い打ち込み方だが、すっかり彼女の形に馴染んだそこは苦もなく受け入れてしまう。  ぐちゅ、ぐちゅ、と潤滑液で潤った後孔が出し入れのたびに濃厚な水音を立てた。
「ああっ、あっ、ん、っ……あ"ぁッ!」
 激しくなる挿入に耐えかねたのか、ぷつん、と糸が切れたように股間のものが射精する。鍛えられた腹筋が自らの精液で濡れていくさまもたしかめられず、アスタリオンは顎をそらして奥歯を噛み、絶頂を耐え抜く。
「……まだいけるでしょう?」
 荒く息をつき、腰の中に停滞する重い快楽が通り過ぎるのを待っていると、タヴがそっとささやいた。  最初は意味がわからず、聞きそびれたが、彼女は返事を待たずにアスタリオンの膝裏をより高く抱え上げた。  まだ快楽から抜け切れていない身体に強く腰が押しつけられる。それも激しく、何度となく。
「あ"ッ、あ"ぁ"ッ、あ"あ"あっ!」
 意識が脳から押し出されそうになるほど強い衝撃に、アスタリオンは喉を嗄らし、もはや吼えるといってもいい叫び声をあげた。  その反応に、タヴはうっすらと汗を額に浮かべながら微笑む。
「……ああ、なんて良い声」
「ぅあ"ッ、あ"、あ”あ”っ!」
「すばらしいわ、アスタリオン」
 タヴの称賛の声もアスタリオンには届かない。  ただ彼女の腰の動きに身体は芯から翻弄され、途方もない感覚に泣き叫ぶ。
 怖い。
「だ、めだ……ッ、も、う、抜いて……ッ!」
 涙を散らし、首を振って懇願のために喉を振り絞る。  このまま二度目の絶頂を迎えることに、アスタリオンは自分の魂が失われるような恐怖すら覚えた。  始めこそ優しかったものの、今の彼女は捕食者だ。  アスタリオンだけを執拗に追いかけ、首元に両手をかけて、今にもその意思ひとつで絞め殺せる立場にある。  その存在には心当たりがあった。
「だめよ、アスタリオン」
 彼女に時折覚えたかすかな畏怖は、そこからきていたのだ。  とりわけ冷たく響いた声の後、より深く、より激しく追い立てる動きが続いて、アスタリオンは喉が焼けるほど叫び声をあげた。
「あ"あ"あ"ぁ……!!!」
 強く穿たれ、熱いものが注がれる感触に目の前が白濁する。  全身の血管が逆流し、内臓が裏返しにされるような衝撃が襲う。  タヴはアスタリオンの中になみなみと精液を注ぎ込むと、しばらく余韻を味わって��ら、そっと性器を外した。
「あ……あ、あぁ……」
 肛門からとろとろと精液が流れ出る制御できない感覚に、アスタリオンは漠然となった。  強すぎる絶頂のショックがまだ身体から抜けきらず、全身が痺れたように動かない。  そんな男を見て、タヴは満足したようにため息をつくと、涙の散った頬に手を伸ばした。
「すごく可愛かったわよ、思い出しただけで興奮してくるくらい……」
 法悦を漏らすタヴは男が自分と同じように余韻に浸っていると思ったのか、優しく頬をなでて女神のように微笑んだ。  しかし、アスタリオンの嗚咽は止まらない。  痛むほど叫んだ喉は震えを吐き出し、肩を震わせながら悲しみに耐える。  あまりにも深刻な表情で涙を流すアスタリオンに、タヴもおかしいと思ったらしい。柳眉をかすかにしかめて、うかがうように見つめてくる。
「ちょっと、大丈夫?」
「…………」
「……もしかして、本当に嫌だったの?」
 アスタリオンは力なく、しかし何度もうなずいた。  そのさまを見て、タヴは唖然と口を開ける。
「そんな、まさか……またふざけてるんだと思ったのに」
 彼女も自分の行いを顧みてショックを受けているらしい。  アスタリオンは震える身体を引きずるように動かし、土の上にへたり込む。  生々しい恐怖が胸の中からなかなか出ていかない。  発作のように呼吸が乱れ、涙が止まらなかった。  あれは普通のセックスではなかった。少なくとも、アスタリオンにとっては。
「……悪かったわ」
 悄然とした声でタヴが言う。  彼女が動く気配がして、反射的に逃げようとしたが、決してその手が伸びてくることはなかった。
「ごめんなさい。お前がふざけているときと本気のときの見分けがつかなかった私が愚かだった」
 タヴの声は明らかに落ち込んでいた。  傍若無人な彼女が他人に謝罪しているところなど想像もしたことがなかったが、その態度は信じがたいほど殊勝だった。  アスタリオンは涙で何度かむせ込んだが、だんだん戻ってきた呼吸に落ち着きを取り戻していった。
「……いや、いい。最初ふざけてたのは俺の方だった」
 子どものようにみっともなく泣いた後なのでやりきれない。  しかもタヴは本気で心配している。  気遣う視線を背中に感じながら、アスタリオンは小さな声で言った。
「俺も自分がふざけてるときとそうでないときの区別がついてない。よくわからないんだ。自分でも俺が言っていることは本気なのか、実はそうでもないのか、……今まで、深く考えたことがない」
 長いあいだ、アスタリオンの止まった心臓は自分自身のものではなかった。  己が使役される道化であることすら忘れようとして生きて、それで今のアスタリオンがある。  権力に従い、自分を演じて、相手の欲望に応えることだけで今まで生きてきたのだ。  だが、先ほどのタヴとのセックスは、今までやってきたそれとは勝手が違った。  今まで闇の中に紛れさせてきた自分自身が、急に明るいところに引きずり出されたようで、ひどく無防備で、子どものように心細い気分になった。
「自分が自由なことを信じていないのね」
 まず、何かを信じるということがどういうことだったか思い出せない。  今でもどこか茫漠とした気分で、アスタリオンは自分の肩を両腕で守るように抱いた。  ゆっくりとタヴが動く気配を察して、びくりと顔を上げたが、彼女は肩の隣に座り込んだだけだ。
「ゆっくり実感すればいい。……ただ、嫌なときは嫌とはっきり言って。それがお前のためよ。ただ、私もお前が本気かそうでないかをもう少し見極める目を養うわ。これからも一緒にいるんだから」
 タヴは穏やかな表情を浮かべると、そっと指を伸ばし、まだ乾いてない涙の粒をとった。  欲望のままに抱き合っているときよりも、今の距離の方がアスタリオンの心には馴染んだ。  それはまったく不思議な感情で、温もりを知らない胸の中に存在する、棘で張り巡らされた冷たい心臓からひとつひとつそれが抜き取られていくようだった。
「ただ、俺は、強引にされるより……その、優しくされるほうが、よかった」
 名前のつけがたい感慨に襲われたアスタリオンは、わずかに臆したように目を伏せると、自分でも知らないうちにわけのわからないことを口走っていた。  自分でも言った後に後悔した。  優しくしてくれと自分から要求するほどみじめなことはないと思っていたからだ。
「次はそうするわ」
 タヴはそう言って、アスタリオンの肩に自分の頭を軽く乗せた。  意外な言葉に、アスタリオンは顔を上げる。
「次があるのか?」
「お前が望めばね」
 タヴの黒い髪が柔らかく肩にかかって、かすかに花のような甘い匂いが鼻先を掠める。  花の香りに夢中になったことはないが、彼女から漂ってくるそれは不快ではなかった。
「……またしたくなるかどうかはわからない」
「別にしたくなければいいわよ」
「しなかったらどうなる? 何もなかったように振る舞うのか?」
 タヴは静かにつぶやいた。
「ただ一緒にいるだけよ」
 アスタリオンは茫然となって、タヴの黒い旋毛を眺めていた。  彼女の言葉を脳裏で何度も反芻させて、一生懸命意図を考える。  だが、言葉以上のものは何も思いつかなかった。  肩を寄せ合い、何もしないまま時間だけが過ぎる。  それはこういうことなのか、とアスタリオンの頭の中が少し片付く気がした。  彼女が肩にもたれたまま動かないので、寝てしまったのかと顔をうかがう。  月のように静かなタヴのまなざしがそこにあった。  鏡を覗き込んだときと同じように、そこは誰の姿を映すこともしない。  だが、タヴはたしかにアスタリオンを見つめている。その月夜のような美しいまなざしは自分だけに注がれていて、自分だけを見ているとアスタリオンは今なら実感できる。  アスタリオンは指先で彼女の唇に触れた。  ふっくらとした下唇の感触を親指でなぞると、そのかすかな温もりがどこか懐かしいとすら思った。
「……キスしたいかもしれない」
 タヴはうかがうように男を見上げた。
「かもしれないじゃだめよ」
「じゃあ……、キスしたい」
「それならいいわ」
 タヴはアスタリオンの頬にそっと手を添えると、自分から唇を重ねてきた。  短く触れるだけの口づけ。  離れるたびに彼女と視線が合って、またくっつけることを何度か繰り返す。  ふたりのキスはそれ以上の意味を持たず、またほかの感情を必要としなかった。
「タヴ……」
 知らずにアスタリオンは彼女を呼んでいた。  その声が求めているのは、もっとしたい、なのか、もっとそばにいてほしい、なのか、自分でもよくわからなかった。  曖昧な感情に揺れる赤い瞳を見て、タヴは何も言わずに微笑んだかと思うと、また唇を重ねて、アスタリオンの肩を大きく抱き締める。
「あ……」
 彼女は、その全部を満たしてくれた。  アスタリオンはタヴの行動のひとつひとつに言葉を詰まらせ、彼女がなぜそこまでしてくれるのか不思議でならなかった。  いくら考えても答えは出ない。  だが、今は無性に彼女の温もりが恋しくて、その背中を強く抱き寄せながら、自分からタヴの唇を乞う。  後ろに回ったタヴの手が、月に淡くかがやく銀髪を優しく、何度もなでていく。  言葉にし尽くせない思いを告げるように彼女と唇を重ねながら、この胸を満たす感情が、欲望が、美しい夜のかけた魔法ではないことをアスタリオンは強く願った。  
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higashiazuma · 5 months
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じゃれ本 1卓目の作品
「じゃれ本 オンライン試用版」を使ったセッションで紡がれた物語たちです。前の文の前後関係がわからずに何かを書こうとするとこうなります。参加した本人たちはめちゃくちゃ楽しかったです。
お題:ホラー ページ数:8P
『忘れられた木』
幻視を見た。夕日を背中に浴び、吊るされた死体。枝という枝に麻紐で吊るされていた……これは幻。 私は小さい頃から良くこういったモノを見た。
そして、私がそういう幻視をすると決まって何か似たことが起こる。建設現場の作業員が、足を踏み外して死んでいた。首には命綱が絡まっていたそうだ。幻視が正しかったことを確かめるためにSNSを漁った。
スクロールしながらふと、特定の話題に連なるコメントをまとめて「木」と呼んだなと思う。ああいう掲示板やwikiには、時折得体のしれない信憑性があったものだ。 ふと検索欄に指が向く。ある単語が「浮かんだ」
「菩提樹」 小さな検索窓に、たった三文字の言葉を打ち込んだ。 すると、ひとつのスレッドか過去ログ倉庫から発掘された。 無数の話題「木」の中に埋もれた、1本の「忘れられた木」。
昔々の事であった。その村は絹を生業としていた。土地には良質な桑の木々があり、蚕を育てるにはうってつけだったのだ。そんな桑の原の真ん中にポツンとある「菩提樹」それがその木である。
その「菩提樹」のために、囲いを作ったのが悪かった。人間の余計な世話で水が溜まって流れていかなくなった。根が腐り、どうしようもなくなってしまった。だから先祖は、「菩提樹」を失ってしまった。
菩提を失う。――悟れない。涅槃に至ることはない。そうして行き場を失った亡者どもが、今も私が見続けているものたちなのだろうか? だとしたら私の務めは、囲いを崩すこと。 それで蘇るのは、本当に木だろうか?
ふと、私は背後を見やった。 暗い部屋の中、ディスプレイのみの明かりで照らされた私の影。それに無数の「別の影」が纏わりつき、まるで菩提樹のような影を落としていた。 ああ―― 私も、忘れられた木になるのだ
『仄暗い水死体』
じいさん曰く、死体の色には明るいのと暗いのがある。明るいのは悪くて、暗いのはいいんだと。明るいのはまだ魂が引っ付いてるんだ。明るいのを見っけたらわざとしばらく見ないふりをして”干し”とくんだと。
すると目の前にあるずぶ濡れのこれは"干す"必要がある。人ん家の屋上でなんという仕打ちだ、と舌打ちした。頭にあるのはこれで値打ちがどれほど下がるかということばかり。一番怖いのは人間の欲だと我ながら思う。
だが"干す"となると、ここ以上に適任の場所はあるまい。止むを得ず、僕はそれを屋上に放置することにした。 もちろん、そのまま置いておいては騒ぎになるだろう。 そこで一計を案じた。
「工事中・立ち入り禁止」 安直だが準備無く出来るのはこれが最善だろう。もちろんここの管理者が見れば不信がるのは避けられない。エレベーターの無い屋上の管理を真面目にこなさないことを祈った。
あれは明るい死体だった。現代日本で死体が見つからないわけがない。時間を稼げたらいい……。 僕の頭はあの死体でいっぱいだった。白熱電球のような明るい死体だった。時間だけがほしい。
どうすれば? ――翳を作ればいいんだろう。暗くすればいい。夜を、もっと早く夜を。夜を呼ぼう。太陽も星も沈めてしまえ。ストロボライトもカメラのフラッシュも、みんな空に向いちまえ。死体が干上がるまで。
そうだ。――視界に、あるものが止まった。 浄水槽。百均の網を使えば、あの暗闇の中でこれを干せる。
網を取る。広げる。置く――死体を。ツンとした腐敗臭に目をしかめ、手早く、手早く行う。 そして暗い円筒へ。
水死体は仄暗い闇の中。
『包帯はまだありません』
残念ながら私の右腕には呪いが掛かっている、と言われた。中学生の妄想ではない。浮き出た痣のような模様はどことなく死んだ祖父に似ている。 一応は隠すかと包帯を探していたら、声が聞こえた。「まだだ」と。
ぎょっとして右腕に目をやった。浮き出た痣が心なしか濃くなり、祖父が死んだ時の――棺の小窓から覗いた時のあの顔を思い出させるような模様になっていたが、他に異変は無い。
僕はその腕を用心深く長袖に隠した。消えるわけではないができる限り目には入れたくない。もちろん見られるのも困る。挙動不審にならないよう辺りを見回し皆のところに戻った。
「あのね」 ほとんど話したことのないクラスメイトに話しかけられた。僕が腕を隠しているのは、リストカットの類ではない。僕はそういう苦労を背負っているわけではない……。 「わかるよ」と言われ申し訳な思う。
解られたところで仕方がないのだ。適当に会話から離脱するため、教科書など開いたところで耳に届く。 「お祖父ちゃんだった? それともお祖母ちゃん?」 手から滑り落ちた本は、机上で「雨月物語」の項を開く。
雨と月の物語。 それがこの痣と関係あるとしたら。 脳裏にあるビジョンが浮かぶ。祖父が亡くなる前、裏山のお社に連れて行かれた事があるのだ。天気雨の降る真夜中。辺りをぼんやり照らすおぼろ月。
周りは不思議に明るかった。 僕は空気に飲み込まれそうになって祖父の手を握り込んだ。 ――次の瞬間だ。影が動いた。明るい、恐ろしい月明かりの中影が動いたのだ。
祖父の影は僕の影を林檎の皮をむくようにくるくると剝ぎ取る。そして毛糸玉を丸めるように身にまとっていった。僕はまだ影だ。身体の内側にも影があることを悟った。影と陰が。
『邪神の霊安室』
僕がその存在を知ったのは、古本屋で買ったオカルト誌の記事がきっかけだった。 神というだけでもいかにも胡散臭いのに、それが霊安室に眠っているというのだから。それも、神田駅から徒歩15分圏内に。
時はもうすぐGW。ブラックだった弊社もとうとう有給を使って長期休暇を取らせてくれるようになった――有給を強制という点は目をつぶった――つまり丁度僕には時間があるわけだ。
「病院?」恋人がさりげなく言った。カウンセリング?いやだ。せっかくもぎとったGWを埋めるものは娯楽ではなくてブラック労働でぶっ壊れた心身のマイナスをゼロに戻すことだなんて。それよりディズニーとかさ……
「ほら、一種のアトラクションには違いないでしょ。体験型アクティビティ、ってやつ」 癒やし系ってやつか。私は頭を振り、心を温めたいわけじゃないんだと示す。どうせなら底の底まで行きたいんだ。
息を止めると、思い切って温水プールに飛び込んだ。 底へ。底へ。底へ。 違和感があった。 このプール、こんなに深かっただろうか…?
喉に手を当てる。不思議に肺も苦しくなかった。……死んだ? 背筋に汗が、いや、今はプールの水の中なのだから水圧か? とにかく深く進んだ。
肺に水が溜まりきってからというもの、不思議と苦しくはなくなった。大理石に埋もれた魚の化石が欠けた目玉でこちらを見つめている。
帰れない。 僕は悟った。 生きてはいられる。 でも僕は水の生き物だ。
水を得た魚とはいうけれど、この水はきっと良い交わりなど運んではこない。鱗のような空から降る雨のように、やがて僕の血を烏賊のそれと同じ色に変えるだろう。
お題:特になし ページ数:4P
『大げさな本』
この本を読んでいるあなたはとっても幸運だ。この本を読めば人生が変わること間違いなし。成功まったなしだ。何々をするとかそういう面倒なことは一切なし。『読むだけ』だ! つまりこの文が読めていさえすれば、
あなたはすぐさまハッピー!人生の勝ち組というわけなのです!ああ、本はまだ閉じないで。始まったばかりですからね。ここまで見ている賢明なあなたならこの本を読破するのにそう時間がかからないであろうことが、
全知全能の神が地を見そなわすごとく一目瞭然です。 改めて書きましょう。今後読み進めるにあたって、たった一つの手順を守るだけで、あなたはまさに時代の寵児、人類の救世主。守らなければ? あなたは死ぬ。
私は恐ろしくなって本を落とした。だが何ともない。 このような書き方はビジネス書や自己啓発書にはよくあることじゃないか。ただの大げさな本だ。 それを廃品回収に出しに行こうとした私に、トラックが迫っていた
『口紅と串刺し』
それを買ったのはデパートのとある化粧品売り場だった。 買うつもりなんて微塵もなかったはずなのに、鋭利なそれにひと目で心を奪われてしまったのだ。 「これはどうやって使うんですか?」 アドバイザーに尋ねる
「つまり」アドバイザーは答えを溜めた。「なすがままにです」 気が付けば包装紙に包まれた口紅を持っていた。 形状からいって、これを唇に塗りつけるとは思えない。鋭利にとがりすぎている……。
「……これはペンですか?」 拙い中学生の英文のような質問をしてしまう。 鋭利に尖った口紅。身を飾るものではなく筆記用具なのではないか?そうであってくれ。
「いいえ、口紅です。…教科書どおりじゃなくてごめんなさいね」 薔薇色の先端に鋼のハイライト。次の瞬間、僕の口から同じ色の液体が溢れ出す。いま唇は真っ赤に濡れている。
『最高のドーナツについて論じよ』
最高のドーナッツを語るにはまず「ドーナッツ」の定義を定める必要がある。もちろん料理の歴史の本を確認すればある程度先行研究の結果が分かるのだが、ここはあえて改めて定義し直したい。
さもないとX(旧twitter)でどこからともなく、「ドーナッツではなくドーナツです」、なんてbotに絡まれ…ることはなくなったが、同様の事態を引き起こしかねない。 一つ譲れないのは、そう、穴だ。
なんとしても、ダース買いしてしまったこのカスタード&エンゼルクリームの山に穴を開けなくては。全てはそれからだ。 私は手始めに、オールドファッションを最高にインスタ映えしそうな角度で撮った。
ここのドーナツはやたらと写真写りが良い。普通のドーナツの写真なのに、またたくまに恐ろしいほどのリアクションが付いた。 やれやれ。『絵に描いた餅』……こと映えるドーナツである。さて、あと11。
『髪の間から覗くピアス』
それまで誰かの耳を特別だと思ったことはなかった。パーマを当てすぎた髪の間に、赤くぷっくりとした粒が見えたときまで。 思わず「耳んとこ、血が」なんて言いかけて、それが彼女の意志表示だと気付く。
それは、赤い石だった。 如何せん、宝石には詳しくないもので、何という石かはわからない。彼女の耳元で艶やかに存在感を放つ、ささやかな意思表示。 思わず声をかけずにはいられなかった。
「どなたの石ですか?」 え? ――え? どうしてそういう言葉が出たのだろう? 女性の様子も変だ。さっと顔を青くして、ピアスをもぎ取ると逃げるように去っていった。残されたそれをなぜか手に取っている。
――ま、そういうこともあるか。 なんとか自分をなだめ、残ったそれをポケットの奥に突っ込んでおく……あのピアスが女性の耳を輝かす姿でも想像しながら。
お題:特になし ページ数:8P
『背びれアラビックヤマト』
子供の頃から魚になりたいと思っていた。最初は「人魚になりたい」だったのが、自分はそんなメルヘンに相応しい存在ではないという自覚だけはあったせいだ。私には鰭がないから、厚紙で作って背中に貼る。
だから、なるべきは「魚」だ。人魚はずうずうしいかもしれないが、鮮魚売り場に並んでいる魚には別に文句もあるまい。あら珍しい魚だわ、なんて思われるくらいだろう。どうやって煮つけにするか調べられるだけで。
来てくれないだろうか。麗しきマダム。あるいは朗らかな料理番。もしくは小さなお使いさん。「魚」扱いしてくれる魅力的な来客よ。
だけどそれは叶わない。なぜならこの身には背びれがあると同時に――「液状のり」の刻印が刻まれているからだ。 案の定、その来客は私など眼中に無いようだ。 私は心の底で叫んだ。
くそったれ。お前のそのふざけた帽子の下にはでんぷん糊でも詰まってるのか。今日び人の肌色を論うのは道義的問題が生じるから、その目に痛い黄色のことは勘弁してやるが、帽子のセンスは許しがたいぞ。
編集長の後ろ向きな承認の言葉で締めくくられた手紙を、私は勝利宣言とらえた。やった! これで、私の人魚を修正しなくてすむ。私の理想を資本主義に売り渡さずにすんだ! 人間性だ。これぞヒューマニティだ。
今晩は最高のパーティを開こう! 使用人も全員参加だ! 隣のケチババアもこの際呼びつけよう。なにせ資本主義に勝ったのだから! 私の持つ資産をなげうって盛大な祝いをするのだ!
私は自らの手で招待状を送ることにした。何せこんなに目出度いことは無いのだから! そしてその招待状の糊付けに使うのはもちろん、消えいろPITなのだった。
『サラサラシンギュラリティ』
私は自慢じゃないがこのキューティクルが自慢だ。 陽光の元燦然と輝く天使の輪。 歩けば誰もが振り返る、そんな美しいキューティクル。 だけどある日私は、出会ってしまった。いつもの薬王堂で、それに…
「シンギュラリティ」。 普通AIとかで用いられるやつだろう? 知ってる知ってる。でも、目の前にある玩具みたいな瓶には、さも当然とばかりそのバズワードが踊っているのだ。ここはシャンプー売り場だぞ?
たかだかシャンプーで人間を超えようというのだから大きく出たものである(消費者庁案件か?)。 つくりもののラベルにAmazonの詐欺レビュー画面みたいな大げさな演出。なるではなくなりますと書いてある。
(特許庁案件かもしれない)良く見たら自分の会社が持っているハズの技術名が書かれている。いやなんでだ。こんなシャンプーに? もしかしてGoogle検索でなんとなく技術名をググったのか。
恐る恐る、私はその場でスマホを取り出し我が社のその技術名をぐぐってみた。すると、なんということだ!検索結果はゆうに5万件を超えたのだ。技術漏洩?まさか、そんなはすはない。
我が社のシステムは最新鋭の技術で保守されている。「excelがある程度使える方」とか「タッチタイピングができる方」とか、そんな感じの募集要項で採った平成初期の人材ではない。だが、今や令和。 …よもや。
今やアシスタントAIはなんでも、「できない層」を優しくあやし、母親のようになんでもかんでもやってやるようになった。だから時代が一周してそういう層が出てくるのもおかしくはない。若社長でなければな。
問題は私がその若社長だって事なんだ。甘���かされたい。母親のように……いや、姉のようならどうだろう。マザコンの時代は終わりシスコンの時代がやってくるのだ。 私は姉AIの開発へと歩を進めた……
『紅い茶の密室』
しくじった。 停電により電子錠が動かなくなってしまったせいで、ここから出られない。出ることができない。 ……。 誰かが来てくれれば……。
「パンパカパーーーン★ 王子様登場だゾ★ ゾ★」  そんな声の後ドカンと一発破壊音が響く。何らかの力でとじられていた木の扉が粉々になった。  ……ウソだろ?  鼻先スレスレを破片が飛んだ。
(VFX:Car on Fire) なんてことだ!粉々になって吹き飛んだ木の扉が、表に止めてあったプリウスのエンジンを貫いた! 王子様と名乗るその男は、炎を背に歯を光らせている。
遍くこの世の乗り物はナマの力で動くべきだと信じているんだろう。勝手に犯行動機を想像でもしないとやっていられない。確かにそれは高貴でもクールでもない乗り物かもしれない。だが、私にとっては「愛馬」なんだ。
私は呼んだ。口笛で彼女を呼んだ。密室から外に向かって馬を呼んだ。駆けてきてくれるように祈りながら。絶対に成功しないように見える? 『ばかげていて、全く実用性がない』。それがトリックだ。
ピーー! ヒヒーーン! ピーーーーーー! ヒヒヒヒヒーーーーーン! リズミカルに繰り返される呼びかけ合い。私と彼女の華麗なるハーモニー。 トリックなんてクソ喰らえ。
ここはリオだ!リオのカーニバルだ!! ピーピーピピー!ドンシャカドンシャカ!! 私の彼女のハーモニーがクライマックスを迎えたその時、不思議な事が起こった! 木の扉が元通り塞がってしまったのだ!
どうしたってこれは密室だ。せっかく今の今まで、開放そのものの空気に満ち溢れていたのに。風通しが良いなんてもんじゃなかったのに。私は諦め、床に散らばった紙吹雪を片付ける。冷めた紅茶のような気分だった。
『正方形は溶けてなくなる』
「はい、どうぞ」  男は私に未完成のそれを渡した。  白と青の幾何学図形が……って高尚なこと言おうとしたけれど要は折りかけのオリガミ。 「キミなら分かってくれるよね」
「ううん、わからない。」 私は折りかけのそれの続きを折り始めた。 山折りで膨らみを作り、そっと隙間に差し込む。 「でも、貴方が求めてる答えは、きっとこれじゃないわよね」 私はそれを、手裏剣に折り直した
ただの紙切れごときが人の手にかかれば真心の証にもニンジャの武器にもなる。それは折り紙に限ったことじゃあない。人の手にかかれば… 「《彼》の手に掛かった者の行方を。谷折りの線みたいに辿れれば」
「アイヤアアーーー!」 その時。書架の隙間から、雄たけびを上げてニンジャが飛び出してきた。これが《彼》の追っ手か。私はページをちぎり取ると指示に従ってスリケンをつくった。キーは谷折りだ。つまり……。
私はすごい速度で谷折りを行った!爪の先を使い背中に隠し持っていた30cmの定規を使い折り曲げる。1mmのズレもない。完璧な仕事だ!これはオリガミ界のシンギュラリティだ!
すると、私の肩を叩く人がいた。 何気なく振り向くと、そこには驚愕の人物が立っていた。 「あなたは……SEIKOの社長さん!!」 「君、素晴らしい技術を持っているね」
どうしよう。気まずい。私は悟られないように、何気ない素振りで袖に手首を引っ込める。つい先日スマートウォッチに変えたばかりだ。まさに正方形の液晶画面を持つ… いや、待てよ。正方形じゃない。盲点だった。
このスマートウォッチには緊急通報をする機能がある。外部と通信しているのだ。私は通気口になんとかねじ込ませると、棒の先につけたスマートウォッチをさらに奥に突っ込んだ。思い切り投げる。鍵が開く音がした。
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self-confirming · 10 months
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腐敗した林檎の匂い。思いださずにはいられない。林檎の花を髪にかざした少女。あの少女が棲む森には、生を未遂で終わらせることのできる秘密が隠されていて、その古い秘密をかつては知っていたのに、どうしても思いだせずに、いまはただゆっくりと夢を貪る少女の眠る姿が、人形のように横たわっているのです。
The faded smell of rotting apples. I can’t help considering of it instantly. A girl with apple blossom in her hair. There was a secret hidden in the woods where she lived with the ancient moths. Though she had once known the secret she can’t remember it anymore, and now she is just slowly dreaming away, and the figure is lying there like a mossy doll.
“The faded smell of rotting apples”
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patanosuke · 2 years
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今使っているMBPに色々限界を感じ少し奮発して新調したので、開封の儀。 Appleの最新鋭M2proチップ搭載の2023モデルはIntel 2018よりスペックこそ優れまくっているものの…エクステリアデザインや質感はなーんか、こう…。。 ジョブズ亡き後の林檎製品、性能面は兎も角陳腐なブランド意識が強過ぎて…。 まあコンピュータはデザインじゃなく性能だからという割り切りは必要だけど、しかしそれを認め過ぎると態々Macを選ぶ理由がとても乏しくなる。 因みに私、Windowsは未だ馴染めず。故にmacOSを求める訳で。 #apple #mbp #macbookpro2023 #macbookpro14 #m2pro #開封の儀 https://www.instagram.com/p/Cod2URjvRZj/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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nihonsyuya · 2 years
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【1日木曜日】 先日の津軽あかつきの会 @akatsuki.tsugaru での食事。土のかおりのする料理と題されていて,それだけで身震いします。 大鰐温泉もやし,鰊の飯寿司,棒鱈と高野豆腐煮物,赤蕪漬け,白菜漬け,煮りんご,さもだしのなんば漬け,子和え,林檎きんとん,紅生姜を入れた甘い稲荷寿司,焼き葱なんば味噌,でんぶ,味噌むすび,鮫なます,けの汁など。 僕は元レシピからの飛距離を意識して,鮫なますからは飛距離多めの生牡蠣なます。あるいは酢を包めると書いて,すくめ。という料理を。鯨の脂身を食べるところから飛距離を出し,自家製ラルドと茄子の味噌炒め。 かっこいいじいちゃん,ばあちゃんを目指す。というのはもしかしたら100歳平均が見えてきた社会での新しい物差しなのかもしれません。 熟成酒や野菜の種取りに感じる美しい枯れを意識するっていうのは大切な気がしますね。先を考え守りに入るっていうのとは真逆で。 最後にみんなで津軽弁で唄ってくれたのも最高ー! https://www.instagram.com/p/Clm0oIVvshC/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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cyunley · 2 years
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なう(2022/10/20 22:24:55) 仕事から帰ると旦那がご飯作ってくれてた😊 低糖質&減塩メニューでメインは豆腐バーグ! 豆腐、ヒジキ、人参、蓮根etc...で味付けは減塩ポン酢と 黒胡椒😌 昆布出汁の炊き込みご飯も優しいお味で美味😋 来週の病院迄に食生活見直しで何とか基準値迄 数値を下げたいところやけど毎日頑張ってるのに 体重は落ちても血圧が全然下がらんのは何故😭? まぁすぐには数値には現れんとゆうし気長に 諦めず頑張ります🥺因みに私の血圧はいつ死んでも おかしくないレベルに高い🤣🤣🤣 いや笑い事とちゃうでしかし🤭 降圧剤は飲みたくないしせめて何とか普通の 高血圧レベルにまで落としてから病院行こ😢 #豆腐ハンバーグ #サツマイモと林檎の辛子マヨサラダ #昆布出汁の炊き込みごはん #具だくさん豆腐となめこの味噌汁 #減塩メニュー #禁酒中 #血圧コントロール #おうちごはん #おうちごはん部 #おうちごはんlover #今日の晩ごはん #TodaysDinner #晩ごはん記録 #献立記録 #てづくりごはん #てづくりごはん365 #cooking #cook365 #タベリー #フーディーテーブル #クッキングラム #キッチングラム #夫婦ごはん #ふたりごはん #豊かな食卓 #旦那作ディナー #しん作 #cyuley まだ死にとうないから今回は真面目に頑張り中☹️ https://www.instagram.com/p/Cj8AEn0S5_Fy68oBRRPvqM3fEfVx3uLIAy8Fzs0/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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iroillustration · 2 years
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天使の日。一日遅れ。
腐った林檎を選別するとても簡単なお仕事。 投げ捨てた林檎から宇宙が出来る。
天使で思い出すのは筋肉少女帯のノゾミ・カナエ・タマエ
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tanayoung0212 · 2 years
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(2022/9/23金祝) 蓼科トリップ2日目、「親湯(しんゆ)温泉」の朝食“蓼科 山ごはん”。 《前菜》 ・一の膳、全五品 《焼き物》 ・岩魚の一夜干し ・揚げ茄子、牛肉味噌炒め 《鍋物》 ・蓼科山湧水を使用した加茂七豆腐、豆乳鍋 それに、ごはんに味噌汁に、 デザートに(前菜盆の真ん中に)林檎のコンポートまで。 写ってないもので、ちょっとしたサラダバーもあって(そこに寒天…このあたりの名物ってことで…があって、コレがツボだった)、お漬物を。 見た目に食べ疲れそうなボリュームなんだけど、食べ進めるとあっさりいける、計算された朝食だなぁと感心。 さて、宿のラウンジには、小津安二郎監督関連の書籍のコーナーもありました。 メシと温泉(大浴場が畳敷き)は最高なお宿でしたね!お世話になりました。 https://www.instagram.com/p/Ci9eLIuPGLM/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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usagi444 · 4 years
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―MAR miniature works―
title【 刻 (14 march, 2020) 】
1/13 scale
約 63mm×63mm×34mm(外寸)
腐ったところを避けたとしても、やはりそれは腐った林檎に他ならないのかもしれません。
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makichibayu · 3 years
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Today’s lunch ! 今日のランチは🍙! 定番の梅とたらこ味。 焼きエリンギを大根おろしとお醤油で。 だし巻き卵に納豆 大根ネギ豆腐厚揚げでお味噌汁 ブロッコリーとハムのサラダ 漬物とデザートに林檎 肉魚のメインは無いけど満足。 夏休みは、ひたすら断捨離をしてまして。 洋服とかかなり前のも着ないのにとっていたりしたので整理を。 リサイクルショップに大量に出してみたものの 230円にしかならず🤣 売り物にならない物を持ち込んで余計な手間をかけさせてしまった感(笑) 残りは、近くのショッピングモールで 洋服のリサイクル回収を今月から始めていたので そちらに持っていきました。 こういう取り組みいいですね! 調べると色んな取り組みも見つかって。 ゴミを出さない買い方も気をつけないといけないけど 違う循環の仕方も大切ですね。 意識を高めなくてはと改めて思いました。 #igersjp #食卓 #おうちごはん #instagramjapan #今週もいただきます #wp_deli_japan #foodstagram #iegohanphoto #うつわ #盛り付け #おうちごはんlover #rox_captures #タベリー #ellegourmet #好吃 #카페스타그램 #ごはん記録 #フーディーテーブル #東京カメラ部 #今日のごはん  #小鉢 #器好き #team_jp_ #お盆  #野菜たっぷり #夏野菜 #和ンプレート #和食ごはん #おにぎり #おむすび https://www.instagram.com/p/CSeT160HsId/?utm_medium=tumblr
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overjazztrio · 3 years
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黒猫少考5
大晦日の夜にベランダでシャンメリー開けたんだけど、耳を疑うくらいでかい「バァン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」って開封音が山すその田舎街に響き渡り、���いで部屋の電気消して隠れたし、栓はどこ飛んでいったのかわからん。ちなみに1人でした
お前は裏方じゃねえんだよ、主人公なんだよ、主人公
散髪行ったら、隣の男の子が「ねー、イーブイってなにタイプー?いわタイプー?」と言ってたので「目が腐っちまったかい?boy.」と思った
家の近所に胡蝶しのぶの蝶の髪飾りが落ちていた。どうやらこの辺りで鬼との激しい戦闘が繰り広げられたらしい
「○○は便座の○倍汚い!」みたいなのを見ると「便座を無闇にけなしてんじゃねえぞテメェ」と感じる
どこかの外国がどこかの外国に侵攻したというニュースを見て、「俺ならどう攻めるだろう」などと考えるようになるとは思ってもいなかった
コンビニの喫煙所で、通りすがりの男の子が「アメリカいきたい!最強!!アメリカ!!アメリカ行きたーーい!」と叫んでたので「アメリカが世界の警察として最強を誇っていた時代はもう終わっちまったのさ…boy.」と思った
椎名林檎はもう他歌手への楽曲提供をやめるべきだと思う。結局林檎ちゃん本人が唄うのが一番なんかしっくりくるんだもん。提供された人がかわいそうだもん。同じ理屈で小田和正もそう。
あと林檎ちゃんって別にそんなに美人とか綺麗ではないと思うのよな。なのに美しく見えるのはなぜか。それは全身全霊をかけて美しくあろうとしているからだと思う。だから下手な女優より輝いてるしエロく見える。
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touhou-memories · 4 years
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Highly Responsive to Prayers player titles
I want to thank to xJeePx from the shrinemaiden forum for sending them.
モンキー → Monkey 類人猿 → Anthropoid ホモサピエンス → Homo Sapiens 超人 → Superhuman 靈神 → God, Divine Spirit 神を超越 → Deity お子様ゲーマー → Child Gamer 似非スコアラー → Low Scorer ミドルスコアラー → Mid Scorer ハイスコアラー → High Scorer スーパーゲーマー → Super Gamer ゲーマーを超越 → Peerless Gamer 腐ったみかん → Moldy Orange ザックームの実 → Zaqqum Fruit 禁断の林檎 → Apple of Discord / Forbidden Fruit 世界樹の葉 → Yggdrasil Leaf 黄帝九鼎神丹経 → Huang Di’s Book of Nine Elixirs アムリタ → Amrita
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tausendglueck · 3 years
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supernova (summer of 21)
7月の終わりにはアスファルトにこぼれ落ちるくらい咲いていたノウゼンカズラが、今では数えられるほどの花だけを残して静かに夏の終わりを見つめている。9月を過ぎて残った花は私の手には届かない高いところで、太陽を向いて、じっと静かに。 ノウゼンカズラは凌霄花と書く。あの橙色と桃色が混じったやわかい色の花と、咲いたそばからアスファルトにこぼれ落ち、そしてなお蔓いっぱいに咲き続ける生命力と、太陽を見つめる眼差しを、「霄を凌ぐ花」だと大昔の誰かが名付けた。私の生家から二軒離れた家の塀をはみ出して、毎年をこぼれ咲く凌霄花。リョウセンカ。
生家の町で、蝉の声をもう聞かない。大阪の街で毎日毎日、脳を破壊せんとするばかりに鳴いていたクマゼミの大群はここにはいない。8月の終わりに一匹だけのミンミンゼミの声を聞いた。最後の振り絞った声を。誰も応えてはくれないであろう孤独な声を。生まれるのが、生まれるのがあと少し、一週間でも早かったなら、きみを誰かが見つけただろうか。 私は蝉の声をもう聞かない。あのミンミンゼミの声ももう聞こえない。 昼間は長い雨が降り続いて、水と風の音以外には、全てがアスファルトと用水路に流されていくばかり。
雨の止まない真夜中に、死を思って一人横たわる私に虫の声がやってくる。秋の虫の声が、雨をやり過ごし窓の隙間からそっと入り込んでくる。私はタオルケットをかぶり、天井を見つめている。どうしたら死ねるだろうと考え、その気さえあればきっと私はいつでも死ねるのだという安堵とともに眠りにつく。悲しくて午前3時にひとり睡眠薬をぱちぱちと、一粒ずつ出していき、右手いっぱいになった錠剤を一気に飲み下した夜。抽斗のカッターナイフが全然切れなかった夜。悲しみを足に縛り付けて引きずって、戻ってきた部屋に鳴り響いている虫の声。全てが夢みたいに、私は何もしなかったのだと錯覚するほどに、昨日も今日も明日も、静かに部屋を満たす虫の声。 液体のような夜。冷たい空気に肌を浸ける。もうエアコンはいらない。
夏は燃え上がり、私は部屋を閉め切ってエアコンを入れた。蝉の声も、工事現場の音も、まとめて遠ざける。私は私をこの夏から切り離す。燃え上がる夏を前にして、こうする以外に私の生きる術はないから。 エアコンの効いた部屋からベランダに出て洗濯物を干し、布団を頭からかぶって昏々と眠る。照りつける太陽も夕立も何もいらない。彼らに早くいなくなって欲しいから、私は明るい間をずっと眠る。夏はいつも、どうやって生きるのがいいのか途方に暮れる、やり過ごすより他にない季節。 今年の私は歯車が急に噛み合わなくなったように、がたついて、倒れ込んで、いきなり立ち上がって走り込んで、また動けなくなって、倒れるしかない、足元のおぼつかないからくり人形のようで、ちょうど今年二度目の不調に突き落とされたとき、世界は夏になっていた。燃えるような快晴の日々から一転し、長い雨の降りしきる曇天の夏になっていた。 長雨のせいで、梨が不作らしいんだよねと母が言った。
ついぞ、オリンピックもパラリンピックも観なかったと書こうとして、パラリンピックの車椅子バスケットボールの決勝だけは試合開始から試合終了まできちんと観たことを思い出した。この地元から選手が出場していると聞き、車椅子バスケットボールのルールなんて何も知らないのに40分間をじっと観た。結局この地元から出場している選手がどの人なのか画面に見つけることはできなかったし、試合は負けてしまったけれど、これが私の唯一のTOKYO2020の記憶。嵐の歌う「カイト」が耳に残る。風が吹けば歌が流れる。歌っているのは嵐の5人なのに、紛れもない米津玄師が体に持つメロディで、消し切れない、あるいは消そうともしない彼の存在感を、ほんの少し、可笑しく思う。らる、らり、ら。
オリンピックもパラリンピックもどっちも中止になればいいと、なるはずだと、ずっと願っていたけれど、9月も半ばに来て、どちらもスケジュール通りに開催されて、終わってしまった。オリンピック開会式に抱いた悲しみと、車椅子バスケットボール決勝のほのかな高揚感と、パラリンピック閉会式に抱いたあらゆることへの諦念。何をやっても覆らないことがあるのだと、鉄壁の権力をまざまざと見せつけられれば刃も折れた。残された「カイト」のメロディ。糸が切れて、あとは自由に飛んでいくカイト。らる、らり、ら。
働き、歩き続けることが困難になった体を抱えて生家に戻ってきた。
18歳までを育てられたこの生家で、私は18歳までの記憶を絶えず語りつづける。この家にいて無限に溢れ出てくる10代の記憶。あらゆるところに残る、10代だった私の存在感。
命ばかりを燃やして、日常に使い切れなかった分の全てを部活動に注いだ夏。矯正器具にマウスピースを押し付ける痛みに耐えながら、思い通りに吹けない悔しさに泣きながら鳴らし続けたトロンボーン。心はとっくに絶交しながらも同じ音楽を完成させるために隣に座り続けたファースト・トランペットの彼女の横顔。彼女の口が吹くトランペットの高らかな、風のような主旋律と、その下を川のように流れる私の副旋律。離れた心を誰にも悟られないように、互いに不可侵を貫いた3年間。
昼も夜もなく脚本を書き続け、何度も迎えた夜明けの薄明かり。平気で遅刻して向かった部室。いつも靄がかかったような頭で、次はどこを直すべきかを考えている左手。全ては私の脚本にかかっているのだと、私が完成させられなければ全てが終わってしまうのだと、崖の端に置き去りにされたような日々。
自分が作った役を演じるために、自ら長い髪を切り落として「男」になった夏の終わり。白いオーバーブラウスに紺のプリーツスカートを履いて、そのちぐはぐな姿がとても、怖かったこと。
随分、髪が伸びた。 7月の終わりに切り落とした私の髪は、もう物珍しくもない長さへ落ち着きつつある。 髪型を変えるとき、ここでも夏が私の背中を押す。暑さを乗り切るためと周りに上手に半分ほどの嘘をつき、私は「女性」からの脱出を図る。ささやかに、私は私を女性から切り離す。 髪を切り落とすことに、怖いことなどもう何もない。16歳で私は男になった。17歳でも18歳でも、私は男の子だったのだ。その度に髪を切り、その度に、髪はまた伸びるのだ。スカートの裾は揺れるのだ。
冬を迎える頃には誰も、私が男だったことなんて、覚えていないのだ。誰も。
31歳の命は静かに燃えている。ただその日を生きながらえるだけの分の火が、毎日静かに揺れている。頭を駆け巡る記憶の映像を映画館に一人座って眺めるように、終わらない上映に席を立てないままでいる。
夏は燃え上がり、爆発し、収縮して死を迎える。 小学校へ向かって自転車を走らせていた私の車輪めがけて、一匹の蝉が突っ込んできたことがあった。 慌ててブレーキをかけてももう遅く、一瞬で蝉は砕け散って、残骸のひとかけらさえも見つけることができなかった。自転車に跨ったまま呆然とする私に、蝉時雨が降り注ぐ。真夏の太陽が肌を灼く。 少女だった私は、一体何匹の蝉をあの自転車で轢き殺してきたのだろう。一体何匹の蝉がそうやって、人間の自転車に突っ込んでいったのだろう。
夏の死は鮮烈だ。砕け散って跡形も残らない。破片は真っ黒なアスファルトに焼かれて腐ってゆく。耳をつんざく蝉時雨に燃え上がる太陽の日差し、陽炎とともに揺れる死の光景と腐臭。
一瞬を輝いて燃え尽きてしまう花火と火薬の匂い。慣れない浴衣に汗を滲ませて、足を痛めながら歩いた河川敷。人の群れに押し流されるようにして帰った熱帯夜。友達の恋を手伝うことにばかり一生懸命で、自分の恋をついに叶えられなかった。これもまた鮮烈に死んでいく夏の断片、今も忘れない。
「弱った夏に秋は背後から忍び寄り、気付いた時には首元にナイフを突き立てられている」
16歳の夏、終わりゆく夏を見つめて日記に書いた。けれど秋は、夏の首元にナイフなど立てたりしない。夏は燃え上がり、爆発し、収縮して死を迎えるのだ。その収縮した死を、秋はただ包み込むだけだ。収縮が永遠のものとなる前にその手に捕まえて、胸に抱きしめて、空を押し上げて太陽を遠ざける。
夏は秋の胸の中で眠る、燃え上がった火をそっと吹き消して。 秋は夏を抱いて目を閉じる、夏の残した生命が実りを成すことを祈って、いずれ自分を迎えに来る冬を思って。
今年も夏は逝ってしまった。 田園の稲穂は皆深くこうべを垂れて、国道沿いに広がる林檎園は赤く色づいて、しめやかに収穫のときを待っている。 私は夜の声に満たされた部屋でひとり眠る。明日を目覚めるために、もう少し、生きるために、今夜もそっと目を閉じる。
ノウゼンカズラが咲いている。9月を過ぎて残った花は私の手には届かない高いところで、離れゆく太陽を見送るように、ただ静かに。
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