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#ダイニングひねじ
honda-shigekazu · 9 months
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ダイニングひねじ お弁当
お盆中、お弁当の販売がないので、お昼ごはんに何を食べていいのか考え込んでしまう今日このごろです…。
 1.トンカツ
 2.豚の塩ダレ炒め
 3.ハンバーグ
 4.豚キムチ
 5.豚の生姜焼き
 6.とり天タルタルソース付
 7.チキンカツ
 8.豚のすき焼き
 9.唐揚げ
10.幕の内
11.トンカツおろしポン酢
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aramashi · 10 months
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7月27日。仙台にて
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通り雨で車両の窓が斜めに濡れた。バタバタとガラスが叩かれる音でうたた寝から目覚める。すんと湿ったにおいが鼻をかすめて、少し身震いをする。
冷房が効いていて肌寒い。乗り込む直前まではびたびただった汗もすっかり乾いた。ちょっぴり残っていたMATCHを飲み干して新幹線の外に目をやる。
相席のお客さんが郡山か福島かで降りていったから窓の向こうがよく見えた。陽炎みたく淡く浮かぶ山の縁を覆うように、雲がたなびいている。ぽとぽとと灯りを点し始めた町は、雲間からあふれた夕日によってその潤いを増している。
腰を据えるなら空が広い場所がいい。地元に帰っているときもよく思うことだ。上を向いているときにはネガティブな気持ちが減るって言うし。遠く高く変わっていく視界を前にしていたら、なんかどうでもいいなってちゃんと思えるから。
チェックインを済ませてひと休みをしたあとは、先んじて送っていた荷物を受け取りに友人Yの居候先まで向かった。青葉通りを突っ切って、真っ黒な広瀬川を足元に眺めながら大橋を渡る。
渡りながら、1年も2年も昔の自分って他人じゃん、と口を開く。うん?と咀嚼の必要を含んだ反応を返す同居人の横顔を特別確認することもなく、だからさ、と話を続ける。
今じゃ考えられないようなことを考えて、今じゃやらないようなことをやってるんだよね。馬鹿じゃないのとか、もっとうまいことやれるでしょって今なら思うようなことも、平気で。
そうだね、と相槌が打たれる。追いついた表情をしていることが声色からわかる。
でもさ、記憶は残っているから。他人でも、自分だから。それで、そんな思い出が、ここにはたくさんあり過ぎる。
平たいLEDの信号機が十字路を赤に染めている。目の前の坂をぐっとのぼればかつて通った大学の部室棟だ。このまま見つめ続けていたら胃の内側に薄い膜が張られていくような気がして、ぷいと視線を逸して右手に曲がる。
そんなことばかりだよ。彼がつぶやく。木だか虫だか葉だかわからないものをシャクシャクと蹴って美術館の手前で折れる。セブンイレブンが通りの向こうで煌々と照っている。油絵の具のにおいをまとわせて、いい子はもう寝ている時間に飲み物を買いに歩いた道。
そんなことばかりだよね。私もつぶやく。そんなことばかりだ。悔しくて、恥ずかしくて、見たくもないのに、愛おしい。
自作のTシャツに黒のハーフパンツというリラックスした装いで出迎えてくれたYは、林のように本棚があちこちそびえ立つ一軒家にすっかり馴染んで見えた。
せっかくだから、と招き入れてくれたダイニングの真ん中で、こっくりとした色味の木のテーブルに肘をつき、麦茶を片手に軽く話をする。
フリーになってさ、まあぼちぼちよ。ありがたいことに仕事を回してくれる人がいて。ムラはすごいけどお金は最悪、なんとかなるし。ただでもさ、絶望だよね。
不意に強い単語が吐かれたから聞き間違いかと疑った。何が?と問うと、なんていうか、社会?と手をこまねく所作をする。
たとえば『怪物』をさ、ああまだ観てないのか。もし観るなら予告も何も調べないのがいいよ。前情報なく、いきなり観てよ。
それ前にも友だちに言われたわ、と笑って伝えて、次の週末には観に行くと心の中で決めた。
東京のおすすめの喫茶店や本屋をいくつか教え、盆栽に水をどうやるかを見せてもらって玄関に降りた。じゃあね、と家をあとに車道を渡って振り返ると、Yは橙の明かりを背負ったまま、まだ私たちを見送ってくれていた。
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ashi-yuri · 1 year
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あなたや私と同じ普通の少女の話
FAITH: The Unholy Trinity fanfiction
エイミーのお話です。
※バチカン非公認
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1.    家(予兆)
 誰も口にしないパーティーのチキンをゴミ箱へ捨てる。招待状を捨て、お誕生日の飾りを捨てる。地下からだかだかとミシンペダルを踏み込む音が聞こえる。毎日、毎日。父さんから中東だかアフリカだかの人形が送られてきてから、お母さんは毎日地下室にこもってマネキン相手になにかを作り続けている。父さんはどうかしている。不安を抱えてるお母さんにあんな気持ちの悪い人形を送りつけるなんて。家にもろくにいないのに。この家にいるのは私とお母さんの二人きり。そして会うことのなかった弟たちの二人。
 階段を上がり、隣の部屋へと続く扉を見つめる。もうあの扉を開けたくない。真新しかったはずのおもちゃにうっすらと埃がかぶっているのを見るのがつらい。父さんもお母さんも誰もずっとなにもできないでいる。捨てることも、掃除することさえも。ほんとは片づけるべきなんだろう。家に来たお医者さんの先生もそう言っていた。だけど、あの部屋を片付けた瞬間に私の家は終わる。どうしてだろう。でも、あの部屋だけが私たちを何とかつなぎ留めている。気が狂いそうだ。
 リビングの片づけが終わっても、ミシンのだかだかという音がまだ聞こえる。きっと明日も、明後日も。今度は何を作るのだろう。ミシンのあの音は大嫌いだけど、何か作っているあいだのお母さんの具合はまだよかった。一度、あのミシンの音をやめてほしくてお願いしたら、急にすごい大声でいつもの双子の話をまくしたて、森へと飛び出してしまった。慌てて森に探しに行こうとしたら、両手を血まみれにして帰ってきた。「狼がいるの。あなたも、あの子たちも、私が守らなくちゃ」と呟きながら。このあたりに狼なんていないよと言ったけれど、お母さんは手を洗って、そのままふらふらと地下室へ行ってしまった。
 お母さんに私の声は届かない。ずっと双子に憑りつかれているから。
 お母さんの調子が悪くなって、父さんは仕事で家を空けることが多くなった。それとも、逆だったろうか。外に続く森は暗く、幹線道路を走る車の音も聞こえない。この家にずっと私とお母さんと二人きりでいる。地下室のミシンの音がようやくやんだ。その代わりにすすり泣く声が聞こえる。
 お母さんは可哀想な人なんだ。これ以上傷つけたくない。私がしっかりしなくちゃいけない。気が狂いそうだ。
2.    樹
 お気に入りの松の木に寄りかかって座る。どの木も同じに見えるけれど、この木はとりわけ枝張りがよく、近くにいると落ち着けた。この場所ならおかしな声も音も聞かなくて済む。家のことを考えるのが怖かった。中にいると、歪んで、まっすぐに進めなくて、家自体が軋んで悲鳴をあげている気がする。お母さんには、学校に行けずに家に閉じこもっているからストレスがたまっているのだろうと言われた。私とお母さん、おかしいのはどちらなんだろう。この家と森にふたりでいると、すべてがどんどんおかしくなっていく。出口が見えない。
 前にこの木のそばでひとりで泣いていたら、そのすすり泣く声がお母さんにそっくりで、それが怖くてもうずっと、泣けなくなっていた。
 誰もいない木々のあいま、鹿が通り抜けていくのだけを眺めている。ずっと眺めていると、赤いものを身に着けた大人の人たちが歩いていくのが見えた。ふとその一人と目が合ってしまうと、あちらか声をかけてきた。
「そんな顔をしてどうしたの、お嬢さん。なにか辛いことでもあった?」
 なんてことない言葉だったけれど、そこには随分とひさしぶりに感じた暖かさがあった。
3.    診療所
 ハートフォードのクリニックでお手伝いをするのはとても楽しかった。チームのみんなが近くまで車で迎えに来てくれるし、街には森にはない色々なものがあった。それにクリニックでボランティアをすることは、すごく人のためになることのように思えた。そこにはいろいろな悩みや不安を抱えた女の人たちがやってくる。私は医者でも看護師でもないから大したことはできないけれど、ちょっとした事務仕事や患者さんの話し相手になることはできた。
「赤ちゃんを失ってしまったことは、あなたのせいじゃないんです」
「今はつらいけど、きっと受けいれられる日が来ます」
 そうだ。本当にそうなんだ。
 少しだけ肩の荷が下りたようにクリニックを出る人を見ると、私の心も少し軽くなる。だから、このクリニックのことを悪く言う人がい ても気にならなかった。
一度だけ、このクリニックを経営する団体のトップだというミラーさんという人と会ったことがある。スタッフみんなに親しげに声をかけながら、最後に私のところへと来た。赤いへんなローブから覗く瞳が、真正面からこちらを見つめる。
「いつもクリニックのため頑張ってくれてありがとう。これからも期待しているよ」
 強面のわりに言葉は思いのほか優しく、握手した右手は骨ばっていた。そしてなにより見つめた瞳の奥の翳りは、どこかで見覚えがあるような気がした。ミラーさんと一緒にいた女の人が私を睨んでいたような気もしたけれど、私はあの翳りをどこで見たのか、そればかり思い出そうとしていた。
4.    家(変容)
 頭がぼんやりする。眠れないとき、不安で息が苦しくてたまらないとき、クリニックでもらった薬を飲むようになった。あれを飲むと、すこし不安が消えて落ち着ける。時々、ぼうっとしてしまったり、たまに何かよくわからないものが見えることもあったけれど、形の見えない不安に苛まれ続けるよりはよかった。
 父さんもお母さんも私がクリニックでボランティアすることを快く思っていなかった。変な噂があるとか、私の様子が最近おかしくなっているとか。確かにそうかもしれない。けれど、この家にいるよりずっと普通だし、ちゃんと誰かの役に���てている。チームのみんな、私の話を聞いてくれるし、親切にしてくれる。
 夕方の食事の席で、久しぶりに帰ってきた父さんが諭す。
「お前のことを心配しているだけなんだよ。」
「そうよ。あそこには変な人が出入りしてるっていうじゃない。」
「うちよりずっと普通だよ。」
「どうしたの、エイミー?」
「うちよりずっと普通だって言ってるの!」
 なぜか、これまでずっと言えなかった言葉が喉の奥で渦巻いている。目の奥が引き攣り、頭の中で聞いたことのないノイズが呻き鳴く。
「どうしたの、あなた……ねえ、本当におかしくなってしまったの?」
「おかしくないよ。私はずっとまとも。」
「エイミー、そういう話は食卓では……」
「エイミー、何がおかしいっていうの?」
「うちだよ。」
「えっ」
「うちがおかしいんだよ。」
 耳鳴りがひどくなる。家が軋む音が聞こえる。戸棚がガタガタと震え始め���。
「父さんもお母さんも、ずっとおかしいよ。」
「エイミー、」
「弟たちがいるふりなんかして。」
「エイミー、やめなさい……」
「とっくに双子なんていないってわかってるくせに。」
「エイミー!」
「あなた、おかしいわ……」
「おかしくない。」
 口の端からごぼりと血がこぼれ出す。
「エイミー、やめなさい!」
「いもしない双子の幻影なんかにすがり続けてるほうがおかしいんだよ!」
「エイミー、お前がおかしい。謝りなさい!」
「私はおかしくなんてない!」
「あなた、悪魔が憑いてるのね!」
 バン、とグラスがはじけた。
 救えない。この家は、もう救えない。
 ふらふらとダイニングを出る。手足がガクガクと震えてうまく歩けない。ふと振り返ると、鏡に映った自分が見えた。そして、気付いた。あのゲイリーという人の目にあった翳りをどこで見たのかを。
 それは、自分の眼の中にあった。
5.    家(事件)
 椅子に縛り付けられ、どこかからやってきた大人たちが私に向かって聖書を読み上げている。無性におかしくて笑い声をあげると、自分のものじゃないノイズが混じる。薬が切れたせいだろうか、やけに息苦しくて体が震える。なんで神父さまなんか呼んできたんだろう。ふたりとも、神様なんて信じていないくせに。いつもそうだ。ずっとそうだ。救ってもくれない幻影を、偽りの救いを信じ続けるなんてあまりにも哀れだ。そういえば、結局なんの役にも立たなかった、アフリカに派遣された神父さまの手紙は地下のどこに置いたっけ?口が勝手になにかを叫ぶ。体は震え、熱く苦しい。なのに心だけは、驚くほど静かだった。
 一人きりになった年長の神父さまがなにかを唱え、十字架を掲げる。途端に体が燃えるように熱くなり、胸の奥に蠢く何者かごと圧し潰そうとしてくる力を感じる。今までのものとは比べ物にならないほど苦しい。胸の奥の「それ」が苦しみ外に出ようと滅茶苦茶に暴れ出す。口から聞いたこともない悪態の言葉が飛び出す。苦しい。死んでしまいそうだ。でもまだ死にたくない。神父さまのほうを見上げると、その表情は力強くまったく揺るがない。だめだ。私では勝てない。このままでは圧し潰される。まわりを見渡すと、奥にマネキンたちが見えた。視線を強く向ける。自分とマネキンの間に繋がりを感じ、触ってはいないけど手ごたえがある。そのまま引っ張るように顔を引き上げると、がしゃんとマネキンが倒れた。警戒しながら神父さまが振り返る。めくれた布の間から、異様に精巧で生気のない、まったく同じ表情をした二つの少年の顔が覗く。神父さまの眼に一瞬、戸惑いと疑念が浮かんだ。それで十分だった。
 胸の奥の「それ」が無限の力を貸してくれる。私には何をすべきか分かっていた。
 手に力を入れるだけで、それはあっけなく終わった。 
 ブレーカーの方に視線を向ければ、バチン、と音を立てて家の中が暗くなる。明かりはなく真っ暗だけど、私には家のすべてが見えている。足を踏み出さなくても、どこへでも移動できる。この家は、いまや私の手中にある。なぜなら私が、私だけが、この家の真実を知っているからだ。
 暗闇の中、私の手がずぶずぶと人の体に沈んでいく。粘土細工をこねるようにかき混ぜる。内臓が引き千切れる音がしようとも、断末魔の叫びが響こうとも、私の心はずっと静かなままだった。
6.    家(対面)
 家中の電気がすべて落ちても、月明かりが差し込むこの屋根裏だけはほんのりと明るい。差し向かいに立つ若い方の神父さまの顔は、けれど屋根の影になっていて私には見えない。
「戻ろう、エイミー。君は良くならないと。」
 良くなるってなんだろう?これ以上、いったい何が良くなるというのだろう?若い神父さまの言葉は弱くて偽りだらけで頼りない。誰かを救うにはまったく足りない。視線は揺らぎ、握った十字架は小刻みに震えている。それでも一歩こちらに近づいた神父さまの顔を月明かりが照らす。その眼の中には、見覚えのある翳りがある。見つけた。
「あなたはメレディスを救えなかった。違う?あの人はいま、私と同じところにいるんだよ。」
「やめてくれ。」
 ��父さまの体がぶるぶると震えはじめる。やっぱりだ。これでいい。この人の言葉は、心はあまりに脆い。大きいのは図体だけ。掲げられた十字架も怖くはない。十字架を見た胸の奥の「それ」が騒ぎ出す。自分の体が勝手に動き、よじれ、眩暈がするなかで、神父さまの眼の奥すべてが恐怖に呑み込まれるのが見えた。これで終わりだ。
 手を伸ばすと、急にまばゆい光が目の前ではじけた。
 頭を強く打ったのだろうか、気が付いたら床に仰向けで横たわっていた。右手と左足がありえない方向にねじ曲がっている。傷はついていないのに、血が鼻と口からだらだらと流れ出す。あの神父さまは、入口の奥に積み重なったマネキンの向こうにいるのか、もう見えない。激痛の中をぼんやりと漂っていると、急にわかった。
『私はおかしい。』
 すべてから裏切られた気がした。すべてを失ったのだと知った。
 この家で、屋根裏の窓から見える月だけが好きだった。月はいま、目から流れる血で赤く染まっていた。
7.    病院
 ずっと頭がぼんやりとしている。麻酔、鎮痛剤、抑制剤、見舞いに来たクリニックのメンバーが差し入れる薬。あの日から、私の体はよくわからない薬漬けとなっている。時の流れももうよくわからない。混濁と覚醒を繰り返しながら、時折体の、心の激痛に叫ぶ。そしてほんの束の間、はっきりと物事がわかる時がある。
 親戚は一度だけ面会に来て、二度と姿を見せなかった。当たり前だけど見放されたのだろう。病院の先生たちも、重罪を犯し、よくなる見込みもなく、うわ言しか言えなくなった私を哀れな厄介者としか見ていなかった。頻繁に見舞いに来るクリニックのメンバーたち、彼らのことはもう信用できなかった。けれど、すべてから見放された私を気にかけているのは彼らだけだった。先生たちも、親切で情け深い友人たちとして、あの人たちを何の躊躇もなく病室に入れた。そして彼らはいつもなにかを唱え、大量の薬を渡して帰っていった。
 私の体はじょじょに腐っていくようだ。悪臭でも放つかのように。まともな人は誰も私に近づかない。私はまともじゃない。私はおかしい。ずっと。ずっと前から。そういえばあの人はどうなったろう?だれも救えないあの神父さまは。わからない。わからない?なぜあの人は助けられた?どうして私はこんなことになった?始まりはどこ?始まらない道はあった?私はとっくに終わってる。終わってるのに終わらない。私の終わりはどこにあるのだろう。
8. 儀式
 目覚めると、いつもは外から施錠されている病室の扉が開いていた。変な気がした。なんでもいいから、この場所から出たかった。ずっとまともに動かせなかった体はふらつき、足はおぼつかない。あせらずに歩く。一歩ずつ進んでいく。
 あの場所に戻らなければいけない。家に帰らなければいけない。あの場所だけが、私の終わりで、私の始まりだ。あの場所できっと、私に手を下してくれる人が待っている。手を差し出してくれる人はいなくても。
 わき目もふらず、まっすぐ歩いていく。と、急に手を引かれる。その手は赤く染まっていた。
 体が動かない。おぼえのある気怠さが体全体を覆っている。顔になにか被せられている。内側になにか塗られているのかドロドロして気持ち悪い。皮膚が溶けていくように熱い気もするけど、感覚がなくなってよくわからない。もう喋れない。もう動けない。私はどこまでも降りていく。ここが本当の終わりだろうか。ちがう。いやだ。ここじゃない。顔からなにか引き剥がされ、息をのむ音が聞こえる。赤い人影は見分けがつかない。ろうそくの灯のなか、まばゆく光るナイフが見える。目が痛くてほかに何も見えない。あの煌めきの先に私の終わりは、私の救いはあるのだろうか。
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あとがき
あるいは、失われた断片について。
エイミーに何回もMortisさせられ、この娘はなんでこんなに強いん?と思ったので書きました。書いてみて、これじゃ100回Mortisさせられても文句言えないなあと納得したので、満足です。
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つよつよ悪魔になったら楽しく悪魔ライフをエンジョイしていてほしい。
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elle-p · 1 year
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P3 Club Book pages 7-8 scan and transcription.
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ゲームでは確認しにくいべルべットルーム全体図。エリザベスの収集品も飾ってあるの?
かなりの勇気を必要とする、ペルソナ召喚動作。恐怖を感じることが、ペルソナ召喚の鍵だ。
Persona                     Keywords 03
ペルソナ解説
イゴール(以下「イ」)   ······さてさー、ここからは私、べルべットルームの主イゴールと。
エリザベス(以下「エ」)   上へ参ります、でお馴染みのエレベー夕ーガールこと、べルべットルーム影の主エリザベスがお送りします。
イ   やはり、ペルソナの解説といえば、この私の出番と言えましょうな。
エ   いい年してべルべットルームに引きこもりですから、多少は役に立っていただきたいものです。
イ   ······え、エリザベス?
エ   失礼しました。 先ほどまでの幾月様やアイギス様と同様、私もまた、本編とは違う存在なのです。 暴言、失言は何卒ご容赦のほどを。
イ   と、とりあえず宜しいでしょう。それでは、迷える者の声を訊かせていただきましょう。
Qペルソナ能力って、具体的にはどういうカなの?
イ   ふむ。基本中の基本とも言える質問ですな。既に説明されておりますうに、己の中の死を見つめ、カとなそうとおる方だけが、影時間に対する適応を手に入れることができます。そして、そんなご自身の内面に潜在的にあるカを、さらにご自身の思うがままに振るえる���が、ごくまれにいらっしゃいます。それが俗にぺルソナ使いと呼ばわる方々であり、その潜在的なカこそがぺルソナ能力というわけです。
エ   しかし、ペルソナが神や悪魔の姿を取るのは、いったいどうしたことなのでございましょう?
イ   それはですな、カを正しく制御して使うために、と言えますな。本来、混沌とした無意識の中にある漠然としたカに、名を与え形を与えることで、ぺルソナ能力者の意のままに働く力と変えるわけです。その際、既に伝説や伝承として存在する神や悪魔の姿を取らせるほうが、そのカがより安定するのですよ。それは同時に、ぺルソナ能力者の内面にも影響され、それぞれの能力者に相応しい姿を取ることとなります。ぺルソナが、「もうひとつの貴方自身」だというのは、そういった意味もあるのでございますよ。
Qペルソナ召喚の原理は、どうなっているのですか?
エ   本編でのペルソナ使いの皆様は、銃の形をした召喚器を使っていらっしゃいますね。
イ   ですなあ。私が知る、他のペルソナ使いの方々は、そのような機器にほ頼らず召喚される方がほとんどでしたが、これは別に特別課外活動部の万々が劣っているということではございません。
エ   と言いますと?
イ   おそらく、本編で活躍されているペルソナ使いの方々も、自力で召喚は可能なはずです。 現に、召。 現に、召喚器を持たぬ状態のコロマル様が、シャドウを撃退しておりますからな。
エ   ならば、召喚器は余計なシステムということでしょうか?
イ   いやいや。より確実に、安定してペルソナを召喚するための装置、という程度に考えていれば宜しいかと。で、その原理ですが······。
エ   頭を撃って、心の中のペルソナか?
イ   それは······ギャグで言っているのですか?全然違いますな。そもそも、あの召喚器から弾は出ないわかっていても、銃を頭に当てて引き金を引くという行為、これはなかなかできるものではありません。
エ   確かに、かなり恐怖を感じる行為だと思われます。
イ   そう、恐怖。それが肝心なのです。死の恐怖を感じることで、人は普段は抑圧している無意識下、心の暗部を強く意識するのですな。そうしてその瞬間、心の中の無意識との境月一一闘値境界に穴を開けます。続けて、抑圧された精神内部に見えない「鎖」を打ち込み、そこで息を潜めているペルソナを強制的にサルぺージすという仕組みなのです。よく耳を澄まさねば間こえないのですが、ペルソナ召喚シーンの効果昔で、ごく小さな「鎖を引く育」が入っているのは、これが理由ですな。
エ   穴とか鎖とか、かなり漠然とした例えなのですが、そのあたりの具体的原理というものは······?
イ   実はその肝心の部分は、召喚器を開発した桐条財閥にもわかってはいないところなのですよ。いカゆる「黄昏の羽」のブラックボックスに当たる部分といえましょう。これな試行錯誤の末に見出されたシステムでして、今後解明されるかどうか、それは神のみぞ知るといったところでしょうか······。
エ   つまり、試しに羽を入れたら上手くペルソナが出た。ラッキー。ということでしょうか?
イ   身もフタもありませんな。
Q前作、前々作では、ペルソナ能力はフィレモンによって与えられましたが、今回その設定は?
イ   今作「ペルソナ3」はシリーズ作品ではありますが、さまざまな部分で過去作品とは違った場所を目指し、見事に到達した作品と言えるでしょう。この基本設定の部分についても同様で、今作でのペルソナ能力はあくまで自ら覚醒よるものであり、他者から与えられるものではございません。死に抗い、必死で生きようとする意志、それが今作におけるペルソナ能力覚醒の原動力なのです。
エ   オープニングで登場する蝶が、フィレモン様ではないかという意見もあるようですが?
イ   ふむ。オープニングの蝶は、むしろアイギス様に内蔵された黄昏の羽、パピヨンハートの寓意と見るべきでしょうか。ですが、フィレモン様の化身たる黄金の蝶もまた、同時に象徴されてるのでしょうな。
エ   やはり、フィレモン様はあらゆる時空に存在する方ですから······。
イ   ですなぁ。今回の事件も、どこかで見守っておられたかもしれませんな。そういえば、モナドでのあまりの強さに、エリザベス=フィレモン説も流れましたが······?
エ   滅相もない。私は単に、ちょっと強いペルソナが召喚できるだけでございます。
イ   「ちょっと」でメギドラオンやディアラハンを連発されては、皆さんたまりませんな。
Qベルベットルームにはたくさんのドアがありますが、あれはどこに続いているのですか?
エ   トイレやバスルームや寝室や台所やダイニングなどに続いて······。
イ   おりません。 何を口から出まかせを並べておるのでしょうな、この奴集マニアの娘は。
エ   そういうご自分もユニバースのカード欲しさに、べルべットルームの主を名乗ってらしたはずですが? それに、さすがにトイレくらいは欲しいところです。
イ   トイレのある階に止まればよろしいでしょう。このべルべットルームは、ここに入る資格をお持5の方の方の、精神の中に存在するといってもよろしいでしょう。すなわち、あのドアはさまざまな方の心へと通じているわけでございます。モちろん、現在はほとんど使われておりませんが、かつては多くの方々の心をお招きしたものでございますよ。
エ   ときどき覗くと、なかなか面白いものが見られます。
イ   ちょ、お止めなさい。
シリーズ最強との噂もある隠しボス、エリザベス。 手に持っているのはペルソナ全書らしい。
オープニングの蝶は、アイギスの心臓部パピヨンハートを示し、同時に彼女の“心”を表わす。
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55kazuharu · 1 year
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渋谷の高架下にある寿司ダイニングのスシブヤ。 最近、寿司×◯◯のような業態がとても増えていますね。 寿司×ワイン、寿司×天ぷら、寿司×おでん、寿司×プロジェクションマッピングなどなど。 最後のやつは食べ物ではないですけどね。 寿司×オシャレという感じのお店です。 寿司は日本料理ですし居酒屋感があるお店が多いですが、こちらの店内はカフェやダイニングのような雰囲気。 身近に寿司を感じながら日本酒も楽しむというお店です。 寿司だけでなく居酒屋メニューもあり一捻りしてます。 マンゴーカットサーモン、マンゴーカットトロ、エビカニ合戦、マウント寿司など、見た目にも楽しく食べごたえもあります。 トロの下には黄身が隠れてたりと美味しさのためのひと手間も見られます。 店内には生日本酒サーバーもあって他店でなかなか楽しむことができない生日本酒も楽しめます。 王道の寿司ではないけど、みんなでワイワイと変わり寿司や少し変わったつまみを楽しみながら日本酒を飲むというスタイルはいいですね。 #スシブヤ #寿司バル #寿司居酒屋 #寿司と日本酒 #渋谷グルメ #渋谷居酒屋 #渋谷ディナー #渋谷寿司 #東京グルメ #東京グルメ部 #東京グルメ巡り #genic_food #グルメスタグラム #エンターテイメントレストラン #fluke公認アンバサダー #美味しいお店を紹介しますよ (スシブヤ) https://www.instagram.com/p/Cl379vKSxqN/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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niceage1993 · 1 year
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夢の話
夏だった。真夏のてっぺんというようなひどく暑い日で、それでもエアコンが苦手なわたしは、可能な限りの薄着と古くて頼りない扇風機で熱波をごまかしながら、ひとりきりの自宅で仕事をしていた。毎日の通り書斎の机にラップトップを開いて、その隣にミラーリング用のディスプレイを置いてある作業スタイル。表の気温と、自分を取り囲む機械たちの熱が相まって、うなじから背中から汗が止まらなかった。
何年物書きをやっているんだ、というくらいにつたないタイピングでせっせと文章を紡いでいると、インターホンの鳴る音が聞こえる。わたしはするりとデスクチェアを抜け出して、ドアモニターも確認せず玄関の戸を開けた。というのもモニターはダイニングにあり、書斎は玄関の真横にある、という間取りのため、書斎にいるとモニターを確認しに行くというのはまったくもって手間なのだ。
そういうわけでわたしは、アパートの薄い玄関扉を押し開けた。緑と黄色の見慣れたキャップが目に入り、訪ねてきたのが宅配便らしいことがわかる。靴箱の上に常備しているボールペンを手に取って、伝票のサインに備えた。ところがふと、なんだか様子がおかしいことに気が付いた。
その宅配屋、なんと荷物を持っていないのである。これはまずいヤツかな、と思うのと同時に無骨な指が扉にかかり、一気に開かれた。目深にかぶられたキャップの下の顔は大森南朋にそっくり(というか大森南朋)の中年男性だった。
目じりの下がった人懐こい面差しだが、黒目は墨を落としたように真っ黒で光がない。粘っこい視線がわたしの顔から首、右肩、右腕へと流れていった。本当だったら恐ろしくてどうにかなってしまうところ、わたしは「大森南朋って宅配屋のユニフォーム姿でも男前なのね」と、どうしようもなくおじさん好きだった。
宅配屋の腕がにょきっと扉の中に侵入してきて、出番のないボ��ルペンを握ったわたしの右腕を掴んだ。節くれてかさついた、外仕事をする男性の手指だなと思う。彼が掴んだわたしの腕は薄布1枚羽織らないむきだしの生肌で、ここでようやく自分がキャミソールを着たままのみっともない姿で玄関先に出てきてしまったことに気が付いた。
「細い腕ですねえ」と宅配屋が言った。大森さんの声だ。声色はやさしいのに真意の読めない、食わせ物の役をやっているときの大森南朋の声だ。わたしは「なんだと」と思う。わたしの二の腕が細いわけがない。逞しいを通り越えて、ふとましい二の腕だというのは、ほかでもない自分がよく知っている。ところがよく見ると彼の言うとおり、わたしの腕は宅配屋が握って指が回ってしまうほどの細さだった。なんだと。
いろんな意味で驚いて再び彼のほうを向き直ると、腕を掴んでいた手が肩に移動して、そのままグッと押し込まれてしまう。どうやらこのまま室内に侵入するつもりらしい。感情の見えないのっぺりとした表情でこちらを見ながら、肩を押す腕の力はどんどん強くなっていく。わたしは何も言わない。言えないのではなく、言わないのだという確信があった。恐ろしいという気もせず、かといって力に身を任せるわけでもない。自由な方の手で玄関の枠を必死に掴んで、押し倒そうとしてくる宅配屋に抵抗した。
無音の攻防をしばし続けていると、書斎のパソコンからチャットが届いたことを知らせるポップな着信音が聞こえてくる。ぽこん、ぽこん、と音は連続して、どうやら早急にわたしを呼び戻したいらしい。「行かなきゃ」とわたしが言うと、宅配屋は少しだけ悲しそうに笑う。
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kiriri1011 · 6 days
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The Other Day, I Met a Bear(R18)
 よく晴れた昼下がり、タヴは手斧を持ち出して薪割りをしていた。  昼食を食べた子どもたちは村の遊び場に行ってしばらく帰ってこないだろう。溜まっていた雑事を片付けるのにこれほど打ってつけの時間はない。  今日みたいに木材が乾いているうちにまとめてやっつけてしまおう。タヴは斧を振り、てきぱきと薪を割っていく。  かつては剣と盾を携えて、パラディンとして困窮した人々を救う善行にいそしんでいたタヴだが、頭にとりついた異星の幼生を親玉ごと退治して以来、恋人のドルイドとともに居場所を失った人々を導くため安全な森の奥で生活をするようになった。今では孤児たちの保護者を務めながら村の中での生活を満喫している。  今やっている薪割りもその暮らしの一部だ。  軽く汗ばんだ首筋を肩にかけた手ぬぐいで拭き、ふう、とため息をつく。  そのとき、近くの茂みががさがさと鳴った。  タヴはなんの警戒もなく振り返ると、その視線の先にいた茶褐色の塊ににこりと笑いかける。
「おかえりなさい、朝から見回りご苦労様――」
 茂みからぬうっと現れたのは、大きな一頭のケイヴ・ベアだった。  もともと大型の種だが、目の前の個体は目を瞠るほど大きい。  タヴはその姿を見て安心した。村の遠くまで見回りに出た恋人は早く見積もっても一日はかかると言っていたが、思っていたよりも早く帰ってきたらしい。  獣は濡れた鼻をひくりと動かして、タヴを見つめている。  なぜ彼が茂みから出たきり動かないのか、タヴは深く考えていなかった。斧を下ろして汗を拭うと、再び視線を合わせて近づこうとする。  違和感はそこで生じた。  森の木洩れ日が差した瞬間、きらりと獣の毛並みが針のように輝いた。
「ッ……!!?」
 タヴは本能的な恐怖を感じ、ぶわりと総身に鳥肌が立った。  その場に立ち止まって後ずさる。  彼女の動作に焚きつけられたかのように、雄熊は信じられないほど大きな口を開けて咆哮した。
 ――違う!
 すぐ誤解に気づいたタヴはとっさに手斧を拾おうとざっと土を蹴る。危険な旅をしていた頃の瞬発力はまだ死んでいなかった。  伸ばした利き手が斧の柄を捉えた瞬間、恐ろしい咆哮がもうひとつ増えた。  どすどすと重量のある音を立て、疾駆する巨大な影が目の前に立ちふさがる。  これ以上何が起きたとタヴはまばたきしながらその姿を目で捉えた。  現れたのは、向こうに負けず巨大なケイヴ・ベアだ。タヴに背中を向けると、先に現れた雄熊に向かって荒々しく威嚇する。  その力強い背に守られるような感覚に、タヴは天の啓示を受けた乙女さながら直感した。
「ハルシン!」
 恋人が変身したケイヴ・ベアは雄熊を一歩も踏み出させまいと牽制している。  斧を構えたタヴは彼に庇われている手前、自分からはうかつに動けずその場から状況を見守るしかなかった。  おそらく、相手は眠りから覚めたばかりで途方もなく荒ぶっている熊だ。長い冬眠に栄養をとられ、山の狩場だけでは空腹を満たせなかったのだろう。  豊かな自然に囲まれた土地に住む以上こういった事態は大いに考えられ、それ故ハルシンは定期的な見回りを欠かさなかったが、今日は間が悪かったらしい。  ケイヴ・ベアたちは牙を剥き合い、腹の底から響くような咆哮を立て合っていたが、しばらく睨み合った末、痺れを切らしたように相手の雄が立ち上がった。  即座にハルシンも同じ姿勢をとる。
 ――グオオオオッ!!
 ――――ングオオオオッッッ!!
 鋭い鉤爪のついた前足同士が交差し、互いの身体にしがみつくように組み合って、首に牙を立てようとする。  目の前で繰り広げられる取っ組み合いの迫力に気圧されて、タヴは息を呑んだ。  初めて見る成人した熊同士の戦いは熾烈を極めた。しかもどちらも体格が似ているせいで一瞬どちらが恋人なのか目で追うのもやっとという状況だったが、タヴは次第にあることに気が付く。  一方の雄は相手に咬みつこうと躍起になって追いかけているが、もう一方は激しく頭を振って急所に食らいつかれるのを避けながら、前足で敵をいなしている。  たまに牽制するように肩に咬みつくが、深追いはしない。  相手を殺すのではなく、自身の優位を示して敵意を奪う。その年季の入った喧嘩の仕方を見て、彼がハルシンであると気づくのはさほど難しいことではなかった。  だが根気強い説得に似た対応に、血が昇った雄は聞く気を持たない。  タヴは意を決した。手斧を放り投げて家の中に駆けていくと、伝統のある調度品のようにダイニングに飾られていた大盾を携えて戻ってくる。  タヴは盾を正眼に構えて、太陽の光を弾いた。  村での生活が始まって使うことがなくなっても、よく磨き上げられた鋼は日光を鋭く跳ね返す。  雄熊は反射的に光に気をとられ、タヴに視線を向けた。  その隙を逃さずハルシンは突進する。  ハルシンの巨躯に突き飛ばされ、雄熊の身体が地に伏せる。  突き出した前足で相手の頭部を押さえつけ、ハルシンは大きく牙を剥き出しにすると、その顔に向かって長く咆哮した。  地響きのような低い鳴き声がこだまし、森を震撼とさせる。  これ以上ないほど見事にマウントをとられた雄はようやく自分の立場を知ったらしく、一度は抵抗するように低く唸ったものの、やがてハルシンの足元におとなしく転がった。  すっかり威勢をなくした姿を見て、ハルシンはゆっくり身体をどける。  熊はハルシンの様子を伺いつつ立ち上がり、その姿を視界に入れたまま徐々に後退していった。  彼が黙って見つめ返していると、熊は少し虚勢を張るようにグルル……と鳴きながら山に身体を向けて去っていく。  深い緑の中に褐色の背中が消えていくのを見て、タヴの緊張の糸が一気にほぐれる。
「びっくりしたぁ……一時はどうなることかと……」
 タヴは盾を下ろし、大きくため息をつく。  ハルシンが熊になって戦うところを見るのは初めてではないが、熊同士の戦いとなると話は違ってくる。  まさに大自然の洗礼を受けた気分だ。   「タヴ、お前に助けられた。力だけでは押し負けていたかもしれない」
 ハルシンは変身を解くと、熊の去っていった方を注意深く見つめた。   「かなり若い雄だった。生まれつき身体が大きいから気も大きい。一度だけではわかってもらえなかったかもしれないな……今後も何度か説教する機会があるかもしれん」
 彼が守るのは村の安全だけではなく、自然の均衡そのものだ。  あたら若く血気盛んな若熊が人を襲い、モンスターとして退治される運命を辿るのをハルシンは危惧したのだろう。  自然を尊ぶ恋人の判断にタヴも賛成だった。
「お互い損しないやり方があるといいよね……」
 人間にも獣にも住む土地が必要だ。争いが起きる前にハルシンはできることをすべてやろうとしている。見回りもそのために行っていることだ。  だがタヴはあらゆる責任がハルシンに集中しすぎていないかときどき心配だった。  タヴ自身もまた子どもたちの養育を引き受けながら村の安全に気を遣っているが、ハルシンのように野生動物まで導くことはできない。  もし子どもが危険に晒されれば、間違いなくタヴは獣を排斥してしまうだろう。  そうならないようハルシンがいるのだが、こんなことがあるともしものことが頭の隅をよぎる。
「……模索するしかないな」
 ハルシンは噛み締めるように言い、タヴも静かにうなずいた。  そこでようやくタヴはエルフに戻った彼の姿を落ち着いて見ることになった。  肩や腕には熊との格闘でできた生傷がいくつかあり、裂けた服から血が滲んでいる。
「――血! 治療しないと!」
「ん? いや、そんなに深い傷じゃないぞ、心配するな」
「でも……そんな傷見せたら子どもたち心配しちゃう」
「ん。まあ、そうか………」
「それに私も心配よ」
 そう言ってタヴはその場で恋人の上半身から服を脱がせると、癒しの手の呪文を唱え、傷を癒しにかかる。
「……それにしても、一目見てよく俺だとわかったな」
 ハルシンは少々ばつが悪そうに治療を受けていたが、やがて口をひらくと、タヴにそう言った。  正面から手を伸ばして肩の傷に光を当てていたタヴは、「ああそれ?」と苦笑しながら答える。
「堂々と現れるもんだから、向こうがハルシンだって一瞬は思っちゃったんだけどね。でもよく見たら全然違うって気づいて……」
 何が特徴的だとかそういう具体性のある話ではない。  ただ見つめ返してくる視線の穏やかさだとか、佇まいとか、そういう心に訴えかけるものが違っていた。  熊になったハルシンと接していくうちに彼の雰囲気そのものが自分の中に自然な感覚として根付いたのだろう。
「それに、私を守ってくれる熊なんてほかに心当たりないし」
 出血が収まり、傷がふさがると、タヴの腕が引っ張られた。  裸の胸に抱き寄せられ、力強くキスされる。  不意の展開に驚いたが、そのキスには彼の真剣な感情がこもっている気がして、タヴは自然に身を任す。
「ん……」
 しばらく味わうようにハルシンは唇を重ねる。  タヴを抱く腕は彼女の腰に回り、強く密着するように抱き締める。  暖かい木洩れ日に包まれるようなキスの感触と、彼の逞しい胸に受け止められる心地よさにタヴはゆっくり目を閉じた。  だが、次第に違和感に気づく。
「え……?」
 自分の足の付け根になにか固いものが当たっていることを察し、タヴは素っ頓狂な声をあげた。  ハルシンはすまなそうにタヴの首筋に顔を埋める。
「久々の喧嘩で血が昇ったのかもしれないな……すまない、そのうち落ち着くと思う」
 恋する獣のようにタヴの首に頬をすり寄せ、深くため息をするハルシン。  彼の興奮を肌に感じて、タヴの心臓はどくりと跳ねた。  とても落ち着くためにそうしているとは思えないが、ほかに方法がないのだろう。
「……もし、落ち着かなかったら……?」
 タヴは恐る恐るつぶやいた。  今は大人だけの生活ではない。  子どもたちがいる。  まだ彼ら彼女らは大人の男にこういう生理現象があることを学ぶには早すぎる。
 絶対に避けたい。
「……い、家の中、行こうか……」
 恥ずかしさに身を裂かれそうになりながらタヴは小さな声で言う。  この問題は明るいうちに処理しなくてはならない。できるだけ早く、確実に。  タヴが優しく腰を撫でて促すと、ハルシンは一度身震いし、彼女の身体を大きく抱え上げた。
「うわっ」
「本当にすまん、タヴ」
 そのまま横抱きにされ、家の中へと急ぐ道すがら、「一回で済むといいが……」と心配そうにこぼしたハルシンのひと言にタヴは軽くめまいがする。  今日は熊同士の喧嘩以上のものを見ることはないと思っていたが、どうやらもっとすごいことになりそうな気がする。  今日は薪割りが捗ってよかったとタヴは現実逃避のように考え、苦笑した。
 身体の大きなハルシンとタヴがふたり寝できるようにと、この生活を始めてから村民によって贈られたベッドは丈夫にできていた。 子どもたちが寝た後に自分たちがすることを想定している造りに、都会育ちのタヴは田舎の新妻ってこんな目に遭わされるんだろうなと完全にオープンな村の空気を少し恨めしく思ったりもした。  だがみんな気は優しくて良い人ばかりだ。  この村で彼らとともに生活を始められて本当によかったと思う。  そんな彼らもまさかふたりが昼間から子どもたちの目を逃れてベッドを酷使することは予想していなかったと思うが。
「ああっ……!」
 高く突き出すようにした腰を抱き寄せられ、熱った逸物をゆっくりと挿入されていく。  胎内から溢れる熱い快楽にタヴは両手でシーツを掴んだ。  いつもなら挿入してしばらくは甘く緩やかに彼女を愛するハルシンだが、今ばかりは「すまない、もう動くぞ」と性急な口調でつぶやき、腰を動かし始めた。
「あっ、あっ、ああっ、ああ……!」
 奥まで一気に突き込み、引き抜いてはまた突き入れる。  その間隔の激しさにタヴは何度も喘いだ。  最初は手と舌を使って慰めていたが、野性に目覚めた彼のそれは生やさしい愛撫では満たされなかった。  結果、お互い裸でベッドに上がって獣の交尾のように番っている。
(まだ昼なのに……こんなことになるなんて……)
 興奮に染まった頬をシーツに押しつけ、はあはあと息を切らしながらタヴはなけなしの理性で自省した。  ハルシンは自分だけが欲を発散するのは不公平だと思ったらしく、すでにタヴも十分すぎるほど���戯を施されている。  発情した恋人の匂いや空気にあてられて、タヴもすっかり時間を忘れて彼との行為に没頭してしまった。  今、子どもたちは村で元気に遊んでいるだろう。今から夕飯のことを考えている子もいるかもしれないし、ほかの子のように木登りが上手くいかなくて夜になったらタヴとハルシンに慰めてもらおうと考えている子もいるかもしれない。  彼ら彼女らが求める保護者の顔とはあまりにかけ離れた弛緩した表情で、タヴは後ろから突かれるたびびくびくと魚のように跳ねた。
「はあッ、は、あッ……タヴ……ッ!」
 ハルシンが熱い息をこぼしながら名を呼ぶ。  重量のある彼がタヴに腰を打ちつけるたびベッドもぎしぎしと土台から揺れた。  今までの経験上よほどのことがないと壊れることはないと知っているからか、それとも危険な本能に理性を完全に上書きされたか、今のハルシンは獣のように振る舞っている。
「あっ、あっ! ハルシン……っ! も……イっちゃ、う……!」
「あッ、ああ……すまん、俺はまだかかる……ッ!」
「ああっ! あんっ、あぁっ、ああああっっっ!」
 今日何度目かの謝罪を口にしながらタヴの腰を抱きかかえ、ハルシンはさらに突き入れる。  息をつく間もない激しい腰遣いにタヴの目の前は快楽だけで明滅した。 泣き叫ぶような喘ぎ声を喉から振り絞って、絶頂する。
「ッふ、ん……!」
 達したタヴは手足の力をなくして弛緩したが、ハルシンはそこになおも腰を叩きつけ、さらに快楽を追いかける。
「あ"……あ"、あ"あ"あぁ……っ」
 すでにタヴの感覚は限界だった。  頭の中が強制的に朦朧となり、彼と自分との境界があやふやになる。  猛った本能を抑えきれず、無我夢中で自分を追いかける彼の欲望がまるで自分のもののように感じられる。  かつてマインド・フレイヤーに寄生されたとき、同じく幼生を抱えた仲間たちと感覚を共有させられたときの何十倍も濃密な感覚がタヴを襲う。
 熊が吼える声がした。
「おおッ……!」
 ハルシンは一度ぶるりと身を震わせると、タヴの中に己を解き放った。  どくどくと精液が注ぎ込まれる。タヴは惚けた表情でそれを受け止めていた。
(おなか、熱い……)
「……すまない、中で出してしまった」
 ハルシンは激しく息をつきながら詫びると、ゆっくりと自身を取り出した。  村の生活が始まったときから内心タヴはいつ彼の子を授かってもいいと思っていたが、現状はまだしばらく村の子どもたちに愛情を注ぐべきだろうとふたりで結論を出していた。親だと思っているふたりに実子が生まれたら、ほかの子たちは愛情に不均衡が生じるのではと不安になるだろう。  綺麗事かもしれないが、ふたりは村にいる全員を抱き締めて育てたいのだ。  ハルシンは濡れそぼった秘部に指を差し入れ、奥から精を掻き出すように動かした。  少しもったいない気がしたが、タヴは納得してそれを受け入れた。  窓の方を見ると、まだ太陽は出ている。
「よかった……間に合いそう」
 今から汚したシーツを洗って干してもまだ猶予はありそうだ。  しかし今すぐは動けそうにない。身体の芯が疲れきっている。
「疲れただろう。少し休憩していてくれ、家のことは後は俺がやる」
「うん……任せてもいいかな」
「当たり前だ」
 ハルシンは頭を屈めてタヴの唇にキスをした。
「……今日はすまなかったな」
「もう、謝らないで……、私も気持ちよかったから、いいよ」
 タヴが笑いかけると、さっきから顔色が少し暗かったハルシンも安心したように微笑む。
「愛してる、タヴ」
 そうささやいてもう一度キスをする。  後を引かない優しいキス。  くすくすと笑い声を立てて、タヴは、私も、とささやき返す。  抱き締めた恋人の肌は、汗と太陽の匂いがした。
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furoku · 18 days
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shimoda-text · 2 months
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シロクマハウスについての6つの文章
-------------------------------------------------- [テキスト] シロクマハウス:たとえば6つの解釈  ■1.住宅としての解釈  ■2.構造からの解釈  ■3.生態的な解釈  ■4.形式への解釈  ■5.コーリン・ロウ風の解釈  ■6.音楽としての解釈
■1.住宅としての解釈
 シロクマハウスの住人は、むかしから慣れ親しんだ実家の土地に新しく家を建て住まうことを決めました。建てた家は、折しもウッドショックや戦争の影響による資材高騰があり、また雪国特有の条例(建物外壁は隣地から1m以上の離れが必要なこと)などから、敷地に対してとてもコンパクトな立方体形状の家となりました。  全体の構成は、一辺が2.3mの立方体を8つ、それぞれ95cmずつ、外側は30cmずつ離して配置した、全体6.15mの立方体を基本としています。この立方体は敷地に収まる最大の容積を根拠に大きさを決めたため、人間のスケールや生活を根拠にしたものではありません。  この立方体を「建築」と仮託して、そこに土地の状況や生活の観点から、〈明るい場所〉〈暗い場所〉〈大きな場所〉〈小さな場所〉を住まい手とともに見極め、想像しながら「暮らし」として意味付けをしていきました。「建築」に「暮らし」を見出していくなかで注意したのが〈リビング〉や〈ダイニング〉などの言葉で使い方と場所を結びつけない、ということでした。明るくて爽やかな場所、大きくてふわっと明るい場所、小さくてしんと暗い場所、などを見つけながら、でも、意味を付けすぎないように、という作業を根気強くつづけました。吹抜けのある大きな場所は朝食を食べてもいいし、一段上がったキッチン横の場所は夕食が合うかもしれない。浴槽のある場所はいちばん明るくて爽やかな場所なので、そこで読書しても気持ちよさそうです。立方体の組み合わせによる単純な「建築」に対して「暮らし」が応答して出来上がったかたちは、とても複雑で多様な場所を生みました。  建物として家は完成しましたが、ここから住まい手自身が愛着をもって意味付けをしていければ、そこは唯一無二の大切な〈わが家〉になっていくでしょう。その意味付けのきっかけは〈他と少し違う外観〉かもしれないし、〈壁の手触り〉かもしれないし、〈台所の音〉や、あるいは〈匂い〉かもしれません。柱梁がむきだしの部分、段々に角がある部分、ざらざらした部分、つるつるした部分など、いまはまだよくわからないかたちにも、暮らしていくなかでその都度、意味を見出しながら使いこなして〈わが家〉にしていく、そういった主体的な暮らしの準備ができたと思います。
■2.構造からの解釈
 モノの流通が滞り、普通にあったものが手に入らなくなったり、高くなったりしている昨今、建物の材料や作り方を再考する必要性が生じています。このプロジェクトは北海道という土地柄、早くから構造材の四寸(120 mm幅)シリーズが品薄となっていたこともあり、一番手に入りやすくて安価な「三寸五分の正角材(105 mm×105 mm)のみの構造」、そして施工業者を選ばない「最低限の技術レベルでの組み立て」、その結果として「構造にかかるコストを最小にすること」は、今を反映した一つのプロトタイプになりえるのではないかと考えました。  プランは 2.3mを最大スパンとしているため、軸力も小さく柱は105 mm角で問題ありません。ただ、曲げがかかる梁ではそれでは役不足なので、柱を結ぶ大梁の位置では逆V字の斜材を上下の梁材の間に入れることによりトラス効果で床荷重を支持することとしました。  大梁で囲まれた2.3m角の床面は、通常のように一方向に小梁を流すと四周の大梁に均等に力が流れず、その負担分に差が出ます。そこで、力の方向性をなくすこと、スパンを減らすこと、トラスの斜材に直に力を流すこと、の3つの理由から火打ち梁のようにダイヤ型に梁を配置しています。  基本的には木造在来軸組み工法なので、簡易な構造といえます。トラス梁部分は少しイレギュラーですが、斜材端部は梁にその一部を差し込むことで、離れ止めのボルトのみで緊結するというシンプルなものです。このように特別な金物を使わないことは製作および現場施工を容易にし、コストも下げられます。 (文:正木構造研究所:正木健太さん)
■3.生態的な解釈
[ベルクマン・アレンの法則]  「ベルクマンの法則」とは、ドイツの生物学者ベルクマンが発表した法則で、恒温動物について、同じ種でも寒冷な地域に生息するものほど体が大きいという法則です。例えば熊は、マレー熊など南方の熊は体が小さく、ホッキョクグマなど北方の熊は体が大きい傾向にあります。また反対に「アレンの法則」とは、恒温動物について、寒冷な地域に生息するものほど耳や尾などの突出部が短くなるというものです。ホッキョクグマの小さな耳はこの法則にのっとっているそうです。  さて、札幌の住宅を眺めると大抵どれも大きく箱型で、かつ、陸屋根というかたちをしています。これは東京などの都心部とは異なる土地事情によって一軒あたりの土地面積が比較的大きいこと、積雪に対しては落雪させずにスノーダクトを用いて雪を処理すること、などの要因が大きく関係していることはすぐに想像できるのですが、ここに「ベルクマン・アレンの法則」が見いだせるのではないかとも思っています。  あらためていまの札幌の住宅を眺めてみると、庇も少なく勾配屋根もあまり見られません。また外壁の凹凸も比較的少ない傾向に見えます。一方、建物全体のボリュームは都内の狭小住宅などに比べると、ひとまわり、ふたまわり、大きいような印象があります。つまり、突出部が小さく、かつ、その表面積に比べて体積が大きい、ホッキョクグマの体のような傾向がなんとなく見えてきます。  「ベルクマン・アレンの法則」は放熱の問題で説明されます。つまり、表面積に比べて体積を大きくすることは、体内の熱生産量に比べて放熱量を小さくする工夫だというのです。シロクマハウスの胴体にあたる立方体は球に次いで表面積の小さなかたちです。シロクマハウスは中心の大きな立方体をメインに、その少し外側に付加断熱を加えた外壁が「毛皮」のように取り巻き、また、生活に必要な玄関や納戸などの非居室が「鼻」や「尻尾」のようにくっついたかたちをしています。  この建物を設計していくなかで、なんとなく通称として仮に呼びはじめ、なんとなくしっくりきている〈シロクマハウス〉という名前は、このような北国の生き物、建物、の立ちあらわれ方を象徴しているようにも思えます。
■4.形式への解釈
[一辺が6.15mの立方体が与えられたとする]  「立方体」というのは公理に非常に近く、証明しようのない、根拠の無い、論理式に近いかたちです。いってしまえば、とても意味の無い、無意味なかたちともいえます。  四角い箱にはおおむね作られる意味があります。中にリンゴを入れるため、あるいは人が上に乗るため、など、いろんな意味のために四角というかたちをつかって箱は作られます。でも、四角というかたち自体に意味をつけることは、実は難しかったりします。四角がなぜ四角なのか、いろいろと意味を付けてみても、それら全部が上滑りしてしまうのが純粋な幾何学のかたちの不思議なところだと思います。むかしから四角いかたちの造形物(モノリス)が、異様な、未来からのものに見えたり、過去世界の遺物に見えたり、別世界のものにみえたりするのは、その純粋幾何学のかたちの無根拠さゆえかもしれません。  一方で、世界のありとあらゆるものをどのように意味付けて解釈するかは私たち人間に任されています。あらゆるものに意味をつけて世界を存在させること、それが私たちの主体性であって自律性でもあります。しばしば建築家によって〈自律的な建築〉とか〈他律的な建築〉とかいった言葉がつかわれますが、それは結局、ある人からはそう見える、というくらいのことなのかもしれません。建築自体の自律性や他律性を考えるのも面白いのですが、人間として主体的によく生きたいという、より根本的なものを目標にすれば、建築を含めたこの世界を意味付ける、人間の自律性の方がはるかに重要なものに思えます。  たとえば住まいをつくろうと考えたとします。たとえば住みたい場所が寒い地域だったとします。そういったなんとなく与条件として意味付けられるものたちと、立方体のような、あからさまに根拠が無くて、意味のよく分からないものを、同列に並べてみましょう。それらをあらためて自ら意味付け、解釈しようとするところに、私たち、設計者や住まい手の主体性や自律性は自覚されて、自分が置かれた環境を積極的に肯定していく人間的な暮らしにつながっていくのではないでしょうか。
■5.コーリン・ロウ風の解釈
[理想的ヴィラの数学]  「この住宅は立体の表象であるという観念が実現されるとき、ヴェルギリウスの夢という意図も果たされるのである。ここには絶対的なるものと偶然的なるもの、抽象と自然の衝突があり、理想世界とあまりに人間的な現実の急務とのギャップが悲哀に満ちて示されている。」 コーリン・ロウ『マニエリスムと近代建築』(伊東豊雄、松永安光訳、彰国社、1981年)より。
 この住宅は、前後に付加された勾配屋根のヴォリュームを除けば、基本的��ヴォリュームは 1 対 1 対 1 の立方体である。平面の構成は、中央の柱間を 1 とすると、前から後へおよそ 1/3 対 1+√2 対 1 対 1+√2 対 1/3 の比で進む。この比の構成は左右方向についても、また垂直方向についても徹底して保たれている。中央部のスパンに対して中間部のスパンが白銀比に近似している点は日本的比例の美学というよりは偶然的なものであろうが、その膨張した中間部のスパンに対して外周部のスパンが極端に圧縮されることによって、関心は中央から中間部へと移されることになる。3軸に同じ比が徹底されることによって中間部には 1+√2 の立方体が8つ現れており、それぞれの中心に重心が等しく置かれていることが暗示される。この住宅では3軸のシンメトリー 構成の中で、中央部への集中でもなく、周縁への離散でもなく、中間部において複数の中心の遍在というものが強調される。  この3軸が等しくシンメトリーな構成の中で、なおも上下左右を等しく相対化しようという試みに、床や壁、柱や梁といった構造も参加する。中央右手では吹抜けに面して2層をまたぐ壁面が垂直性を強調する一方、2層目左では同じ大きさの床面が水平性を強調している。柱や梁は同じ太さで縦横に現れ、重力の存在を示唆するのは二段梁の間を繋ぐ山形の方杖のみである。こうして通常、重力に基づいて積み上げられる壁・柱の垂直性や床の水平性は、ここでは解体され、立方体の6面すべてに均等な重要性が割り当てられることになるのである。均等に重力を与えられた6面は、離散することなく幾何学的配置にその中心を留め全体を構成する。  このように集中的なヒエラルキーを排しつつも離散を避けようとするどっちつかずの態度は、恐らく、多様な中心の遍在を認めるリゾーム的世界観によるものであろう。多様化した社会において、ある建物を住宅たらしめるのは行為として表現される暮らしそのものであり、慣習に拠る美を持ち込み、継承し、再生産し続ける「文字以前の文字(プロ・グラム)」である。一方、この住宅の理論は一種のポストモダンであり、過去の客観的美学=数学的規範を持ち込みつつ、それによって過去の構築を相対化し、集中と離散の二項対立を脱構築しようとする分裂的な試みである。そしてプロ・グラムと衝突するこの理論こそ、普遍的な生き生きとした力を喚起する幾何学なのである。
■6.音楽としての解釈
[マイルス・デイビス]  「非常にわかりやすい、見え見えなぐらいな部分と、全く意味不明の謎の部分というのが、丁度半分半分混じっていく、というのが、マイルス・デイビスの音楽であり、人となりであり、パッションであり、あらゆる彼の行動規範に張り付いているアンビバレンスです。」ジャズ・ミュージシャンの菊地成孔さんはマイルス・デイビスをこのように解説しました。  マイルスによって完成された「モード・ジャズ」は、それまでのコード進行によるモダン・ジャズとは異なり、「モード」と呼ばれる音階内でのアドリブを特徴とするものなのだそうです。それまでのジャズの歴史でどんどん複雑化していたコード進行を極端に単純化したうえで、モードによってより自由な演奏を可能にしました。モードとは、西洋音楽の音階とは異なる音階、日本のヨナ抜き音階や、琉球音階、インドネシアのガムラン音階など、土着的で民族的なものを指し、マイルスはカリンバのアフリカ的な音階に出会ってモード・ジャズを完成させたともいわれます。おおむね7つの音で構成されるモードと、それを用いたモード・ジャズについて、菊池成孔さんは「少ない音、7つだけの音で自由に演奏しろと言われた場合はですね、自由度が高すぎてサウンドの審美眼とかセンスが露骨に出るので、非常に難しい、」と解説します。  シロクマハウスも、もしかするとそのモード・ジャズ、あるいはマイルス・デイビスのように解釈することができるかもしれません。シロクマハウスは、8つの立方体の間に95cm幅のスリットをたてよこ水平に入れるという「非常にわかりやすい見え見え」な構成ですが、その構成の根拠は恣意的かつ薄弱で「意味不明」でもあります。一方で、暮らしによって立ちあらわれている壁や窓や棚などの部分は、意味としては「見え見え」ですが、複雑で過剰なその全体のかたちは「意味不明」でもあります。  つまりシロクマハウスは、あからさまに単純な構成を〈コード〉とし、北海道という土地や社会などの〈モード〉のなかで、設計者の恣意性や手癖・住まい手の趣味や暮らしによる〈アドリブ〉が行われる、そんなモード・ジャズ、という見方ができるかもしれません。そしてそれは、意味とあらわれのアンビバレンスが振動するようなグルーヴを生んでいくのかもしれません。
-------------------------------------------------- [Text] Six Interpretations of the house “Polar bear”, for example      1. Interpretation as a HOUSE      2. Interpretation from STRUCTURAL engineering      3. Interpretation from ECOLOGICAL point of view      4. Interpretation in terms of FORM      5. Interpretation in the style of Colin Rowe      6. Interpretation as MUSIC
1. Interpretation as a HOUSE
     The owner of this house decided to build a new house on a site in Hokkaido, which he had grown accustomed to living in since long ago. The house was built in a very compact cube form concerning the site, due to the rising cost of materials caused by the wood shock and the war, as well as a regulation unique to snow country (the building envelope must be at least 1 m away from the neighboring site). The overall composition is based on eight cubes of 2.3 meters on each side, 95 cm apart on each side, and 30 cm apart on the outside, for an overall cube of 6.15 meters. The size of this cube was defined based on the maximum volume that could fit on the site and is not based on human scale or traditional modules.      We considered this cube as "Architecture," and together with the owner and his family, we discovered and imagined "bright places," "dark places," "big places," "small places", etc. in terms of local conditions and lifestyles, and gave meaning to them as "living". In trying to give "Architecture" a meaning of "living," we were careful to avoid using generic terms such as "living room" or "dining room" to link behavior with place. We patiently continued our exploration, finding bright and breezy places, large and softly bright places, small and dark places, etc., without adding too much meaning to them. The large area with the atrium could be used for breakfast, and the area next to the kitchen, one step up, might suit dinner. The bathtub area is the brightest and most refreshing place, so it would be pleasant to read a book there. The resulting house, in which "living" responds to the plain "Architecture" of overlapping cubes, has generated a complex and diverse place.      The house as a building has been completed. However, the attachment of the owner and his family and the meaning they give to the house will make it a unique "home." The trigger for this attachment may be "the somewhat strange facade," "the hand feeling of the walls," "the sound of the kitchen," or even "the smells." The owner and his family are now ready to live with a sense of agency, finding meaning in forms that are not yet understandable, such as exposed pillars and beams, several intricate corners, rough and smooth surfaces, and so on, and using them to make the house his "home" while living in the house. 
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2. Interpretation from STRUCTURAL engineering
     Recently, the distribution of goods tends to be stagnant, and what used to be commonplace has become unavailable or expensive, making it necessary to reconsider building materials and construction methods. Because of the location of this project in Hokkaido, where the 120 mm width series of structural timbers were in short supply from early on, we thought that "structure using only 105 mm x 105 mm structural timbers," which is the most accessible and inexpensive, and "construction at the minimum technical level" that does not require special contractors, and thus "minimizing the cost of the structure" could be a prototype that reflects the social situation of the present day.      The maximum span of the columns is 2.3 m, so the axial force is small, and 105 mm square columns are sufficient. However, this is not enough for beams that are subject to bending, so an inverted V-shaped diagonal timber was placed between the upper and lower beam members at the position of the girder connecting the columns to support the floor load with a truss effect. The 2.3m square floor is surrounded by girders, if the beams are placed in one direction as usual, the force will not flow evenly to the girders on all four sides, resulting in a difference in the amount of load. Therefore, the beams are placed in a diamond shape like a corner brace for three reasons: to nullify the direction of force, to shorten the span, and to flow the force directly to the truss members.     It can be said this is a simple structure because it is essentially a Japanese conventional post and beam structural system. The truss section is a bit irregular, but they are simply tied together by inserting a portion of the truss member into the beams and bolting them together. Thus, the absence of special hardware facilitates fabrication and construction, as well as lowers costs. (Translation by the author with some changes from the original text by the structural engineer)
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3. Interpretation from ECOLOGICAL point of view
[Bergmann's and Allen's rules] “Bergmann's rule” is an ecogeographical rule that states that within a broadly distributed taxonomic clade, populations and species of larger size are found in colder environments, while populations and species of smaller size are found in warmer regions. For example, bears living in the southern areas, such as Sun bears, tend to be smaller, while bears living in the northern areas, such as Polar bears, tend to be larger. Conversely, "Allen's rule " refers to the fact that animals that live in colder regions tend to have shorter ears, tails, and other protruding parts than those that live in warmer regions. Polar bears' small ears are said to be following this rule.      When we look at houses in Hokkaido today, we can see that they are generally large, box-shaped, and have flat roofs. The reasons for this can be easily imagined to be that the area of land per house is relatively larger than in urban areas such as Tokyo, and snow ducts are used to deal with snow accumulation instead of letting it fall. And in these points, I suspect we can find " Bergmann's and Allen's rule " as well. Looking again at the houses in Hokkaido today, there are not many eaves, and pitched roofs are not seen very often. The exterior walls also tend to be relatively less uneven. On the other hand, the overall volume of the building seems to be larger than those of narrow houses in Tokyo. These facts suggest that the tendency of the polar bear's body to have a small protrusion and a large volume compared to its surface area seems to be somewhat common to the features of these houses.      The "Bergmann's and Allen's rules" are explained by the issue of heat dissipation. In other words, increasing volume compared to surface area is a device to reduces the amount of heat dissipated compared to the amount of heat produced in the body. The shape of the body of this house is a cube, which is the second smallest geometric form in surface area after a sphere. This house consists of a large cube in the center, with exterior walls with additional insulation surrounding it like "fur," and non-habitable rooms necessary for daily life, such as an entrance and a storage room, attached to it like a "nose" and a "tail”.      The name of this house, "Polar bear," which became somewhat comfortably familiar to us as we began to call it tentatively in the process of designing this house, seems to symbolize the appearance of this kind of northern creature and building.
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4. Interpretation in terms of FORM
[Suppose you are given a cube with a side of 6.15m.] The "cube" is very close to an axiom, a form that can never be proven, that has no ground, and that is very close to a logical formula. In other words, it is a very nonsense and meaningless form.      A square box usually has a meaning. Boxes are made in the shape of a square for various purposes, such as to put an apple inside, or for a person to ride on top. However, it is difficult to assign meaning to the square shape itself. The mysterious thing about the form of pure geometry is that even if you try to attach various meanings to why a square is a square, all of these meanings will slip over and over. A square-shaped object (monolith) often looks strange, like something from the future, a leftover from the past, or another world, perhaps because of the groundlessness of its pure geometrical form.      Meanwhile, it is up to us as human beings to make meanings and interpretations of everything and anything in the world. To create meanings for everything and bring the world into existence, that is our agency and our autonomy. Sometimes, architects use terms such as "autonomous architecture" or " heteronomous architecture," but it may just be that this is how it seems from their point of view. It is interesting to consider such autonomy and heteronomy of architecture, but if we focus on the more fundamental subject that we as human beings want to live well, the autonomy of human beings that makes sense of this world, including architecture, seems to be much more important.      For example, suppose you are thinking of building a house. Suppose, for example, that you want to live in a cold climate. Let's put such things that we can somehow make sense of as given conditions and things like cubes, which have no obvious basis and whose meanings we are not sure of, in the same line. In trying to redefine and interpret the meaning of these things, we, the designers and homeowners, become aware of our agency and autonomy, and this may lead to a humane lifestyle in which we actively affirm the environment in which we are placed.
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5. Interpretation in the style of Colin Rowe
[The Mathematics of the Ideal Villa] ... and the realization of an idea which is represented by the house as a cube could also be presumed to lend itself very readily to the purposes of Virgilian dreaming. For here is set up the conflict between the absolute and the contingent, the abstract and the natural; and the gap between ideal world and the too human exigencies of realization here receives its most pathetic presentation. …  (Colin Rowe. 1947. The Mathematics of the Ideal Villa. AR)
     The basic volume of this house is a 1:1:1 cube, except for the pitched roof volumes added to the front and rear. The configuration of the plane proceeds from front to back in a ratio of approximately 1⁄3 to 1 + √2 to 1 + √2 to 1⁄3, with 1 between the central columns. This ratio configuration is thoroughly maintained for horizontal as well as vertical directions. The fact that the middle span approximates the silver ratio to the center span may be more by chance than Japanese proportional aesthetics, but the extreme compression of the outer span relative to the expanded middle span transfers interest from the center to the middle. Also, the same ratio is thoroughly applied to the three axes, so that eight cubes of 1+√2 appear in the middle part, implying that gravity is equally placed in the center of each cube. In this house, the three-axis symmetrical configuration emphasizes the omnipresence of multiple centers in the middle, rather than their concentration in the center or their dispersion to the periphery.      In this symmetrical configuration with equal symmetry of the three axes, the structural elements such as floors, walls, columns, and beams also participate in the attempt to relativize the top, bottom, left, and right equally. On the right side of the center, the verticality is emphasized by the wall surface that spans the first and second floors of the atrium, while on the left side of the second floor, the horizontality is emphasized by a floor surface the same size as that wall surface. Columns and beams appear horizontally and vertically with the same thickness, and the only suggestion of the existence of vertical forces is the triangular truss members connecting the upper and lower beams. Thus, the verticality of the walls and columns and the horizontality of the floor, which are usually constructed by gravity-based stacking, are here deconstructed, and equal importance is assigned to all six sides of the cube. The six equally gravitated sides, which are not discrete, keep their centers in a geometric placement and make up wholeness.      This ambivalent attitude of avoiding discretization while eliminating centralized hierarchies is probably due to a rhizomatic worldview that recognizes the omnipresence of diverse centers. In a diversified society, what makes a building a house is the life itself, which is expressed as an action, and the "pro-gram" that continuously reproduces, inherits, and brings in customary beauty. Meanwhile, the theory of this house is a kind of postmodernism, a schismatic attempt to bring in the objective aesthetics of the past = mathematical norms, but thereby relativize the construction of the past and deconstruct the dichotomy between concentration and dispersion. And this theory that conflicts with the pro-gram and evokes our universal life force is geometry.
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6. Interpretation as MUSIC
[Miles Davis] “The ambivalence that characterizes Miles Davis' music, persona, and passions, and that accompanies all of his codes of conduct, is a half-and-half mixture of the very straightforward and obvious, and the completely mysterious and unintelligible.” (Translation by the author) Commentary on Miles Davis by jazz musician Naruyoshi Kikuchi.
     “Modal jazz," perfected by Miles, is said to be characterized by improvisation within a scale called a "mode," unlike modern jazz, which was based on chord progressions. And it allowed for more flexible playing through modes, taking chord progressions that had become increasingly complex in the history of jazz up until then, and simplifying them radically. Mode refers to scales that are different from those of Western music, indigenous and folkloric, such as the Japanese "yona nuki" scale, Okinawan scale, and Indonesian gamelan scale, and Miles is said to have perfected modal jazz when he discovered the African scale of the kalimba. Naruyoshi Kikuchi explains that modes, which are generally composed of seven notes, and modal jazz, which uses these modes, are "very difficult to play if you are asked to play freely with only seven notes because the degree of freedom is too high and the aesthetics and sense of the sound come out obviously.” (Translation by the author)       This house could also possibly be interpreted as modal jazz or even Miles Davis. This house has a "very straightforward and obvious" configuration of 95cm-wide slits horizontally and vertically between eight cubes, but the rationale for this configuration is arbitrary, weak, and "unintelligible" as well. On the other hand, the walls, windows, shelves, and other parts that respond to the daily life are "straightforward" in terms of meaning, but their complex and excessive overall form is "unintelligible.      Therefore, this house could be seen as a "modal jazz" in which a straightforwardly simple configuration is the "code," and the architect's arbitrariness, his/her habits, and the residents' tastes and lifestyles are "improvised" within the "mode" of the region and society of Hokkaido. And this may give rise to a "groove” in which the ambivalence between signification and manifestation vibrates.
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honda-shigekazu · 11 months
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ダイニングひねじ
ひねじさんには胃袋を掴まれていると思う今日このごろです…。
1.今日も?2杯だけの予定で
2.もちもちチーズでビールがすすむ
3.生ハムはビールに合う
4.ぶたもやしポンズは主人公的なメニュー
5.グラタンコロッケはコロッケ好きの宝だ
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disolucion · 11 months
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25 帰郷
支度をして待っているとチャイムが鳴っ��。 ハヤセさんが迎えに来てくれた。 挨拶をして荷物を持って部屋を出る。鍵をかけてハヤセさんに渡す。 コインパーキングに停めてある黒いワンボックスへ。 後部座席にはサクラちゃんとノダさんがすでに乗っていた。 酔った勢いで、だと思っていたのだけど。まあ問題ないか。
スーツケースをトランクに乗せて助手席に乗り込んだ。 四人を乗せた車が出発した。
首都高環状線に入り半蔵門から四号線新宿方面へ。 高井戸を過ぎて八王子から中央道へ。 なにか大事な忘れ物をしている気がする。 そのまま順調に進み、談合坂を通過したあたりで思い出した。
あっ!と大きな声が出た。
ハヤセさんが「どうしたんですか?」と焦った声で尋ねてくる。
「車を、浜松のファミレスに置き去りで… レッカー移動されてると思う…」 「浜松に向かったほうがいいですか?大月から東名へ」 「いや、行っても鍵がないし。とにかく電話します」
携帯で浜松の警察署を検索。電話をかける。 車はレッカー移動されて保管されていることがわかった。 保管から一ケ月経過しても持ち主が出てこない場合は 競売に掛けられるそうだ。
スペアキーは家にある。来週の早いうちに取りに行くとお願いすると、 そのまま保管してもらえるようになった。 危なかった。穴に落ちて今日でちょうど一ケ月。 きっと明日か明後日がタイムリミットだった。
―――――
渋滞もなく順調に走って、到着予想時刻の通りに地元に戻って来た。 最寄りのインターチェンジを降りたところで、 家に「もうすぐ着くから」と連絡をした。
家の前に、息子二人と奥さんが立って出迎えてくれていた。 車から降りると、次男が飛びついてきた。 前はこんなに人気なかったのに、今はすごく慕ってくれる。 長男は、不安から解放されたような、照れくさそうな顔でいる。 一ケ月留守にしただけで、ずいぶん成長したように見える。
「ただいま」 「おかえり」
ひとまず奥さんにただいまを言えた。
後部座席と運転席のドアが開いて、ぞろぞろと人が出てくる。 口々に「こんにちはー」「初めまして」「こんにちは」と挨拶が飛ぶ。 奥さんと子供が、ぽかんとしている。だよね。
「きょうまでの話を、いまから話そうと思うけど、いいかな」 「そう、だね」
事態が飲み込めないまま、奥さんは了承した。 ひとまず全員で家の中に入った。
―――――
ダイニングに五人で座って、浜松からの経緯を話した。 座る場所がない息子たちはリビングで聞き耳を立てている。
「ワームホール?」「ウルグアイ?」「海軍?」「アメリカ国家安全?」
奥さんは目を白黒させている。 そりゃそうだ、映画やドラマのような話なのだから。
「で、こちらの方々は、どういう…」 「初めまして、私、ウルグアイ日本大使館のサクラです」 「私は、防衛省のハヤセです。旦那さんの補佐をしています」 「初めまして、警備会社のノダです。私は家事をしていました」 「大使館?防衛省?警備会社の方が家事を?」
謎は深まるばかり、といった感じの奥さんに ゆっくり、一つ一つの出来事について話をした。 奥さんはどうにか理解しようと都度、質問を挟んだ。 出来る限り丁寧に答えながら、推察を混ぜながら話をした。 たまにサクラちゃんが、 すごく勘が鋭いんですよ旦那さん、とフォローしてくれた。 ハヤセさんとノダさんは概ね黙って聞いていた。
中国人に監視されていた件は、ノダさんの上司が解決してくれたと説明した。 ハヤセさんはその件が初耳だったらしく、驚いていた。 なぜ知らせてくれなかったんだと、ガッカリした目を向けられた。
あれこれ話しているうちに奥さんも、サクラちゃん、と呼ぶようになった。 彼女の懐に飛び込む姪っ子スキルは特殊能力だ。 いっそ外交官になったほうがいいとおもう。
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hiroms · 6 months
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『ひろムのポロロン珍道中🎸🚙💨』
その⑧ 〜 蕎麦うまし長野 の巻 〜
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(Date10/31) 静岡から長野へ!※ 途中、甲府で24時間身体休め。
長野で立ち寄る場所は二ヶ所あって、まず初日は「諏訪市」へ。
以前大阪で仲良くしてた 飲み友達・ミクを訪ねて。※ ミクは元々長野出身で今は地元に戻ってる。
そう言や僕、諏訪に滞在するのは人生初かも 🙄
で、この旅ではもはや当たり前になってる 突然居酒屋ライブ!
@ 焼き鳥やわり (近隣が民家なのでこの日は短めに静かめに…w)
大阪離れる前のミクは (大阪での生活に) 色々思い悩んでたけど、長野に帰って今は元気で素敵な笑顔になっててよかった。
こえて行け、24歳!
ひろム叔父さんは一安心です。笑
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翌日、長野の盟友・宮下卓央に会いに「伊那市」へ。
※ 写真はトップ画像ね。
↑ 卓央ちゃんはベーシスト🎸で、ダイニングBAR「D style」🍺 ってお店を経営してる。
弾き語り/小編成スタイルのライブするには丁度良いサイズの箱。 結構著名なアーティストさんもライブツアーでここに立ち寄るみたいです。
卓央ちゃんとはかれこれ7〜8年くらいの付き合いかな。
カメリアスのベーシストとしてレコーディング参加してもらったり、長野や東京でも何回か一緒にライブも演ったっけな。
心身ともに頼れるベーシスト!
何より僕と同じくいい歳こいて「チャラい」のが一番の推奨ポイントです。。w そう、僕はチャラい奴しか親友として認めない!!笑
今回わざわざライブ機材セッティングしてくれて、また彼が今演ってるバ���ドのキーボーディスト・ワコちゃんも来てくれて。お客さんも呼んでくれて至れり尽くせり。 ノープランだったけど三人でいい感じのセッションが出来ました 😉
せっかくなんで このノリで曲書くぞー!!
って流れになって、お店閉めてから曲作り。
最速一時間で作詞作曲なんとなくアレンジして一曲ラフあがり!笑 ↑ 次回の投稿で動画アップしますね 🎥
で、なんと今回 長野滞在中、蕎麦屋4軒行きました!
もう毎食蕎麦って感じ 😙
そう僕は無類の蕎麦フェチです。昔「蕎麦ログ」なるブログも書いてた程です。w 今回タイミングよく新蕎麦のシーズンだったのでラッキー ✌️
ってな訳で、そんな中でもお勧めの蕎麦屋2軒…
・本格信州そば「紅さくら」2号店
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本店は昼営業のみ… に対してこちら2号店はナイト営業。いわゆる深夜蕎麦! 地元高遠産のそば粉を使い、本店で毎朝打つ香り豊かな信州そばが味わえます。
本店の娘さん・モエちゃんが一人で切り盛りしてます。
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元々キャバ嬢だった!? モエちゃん、、深夜蕎麦屋にピッタリのパーソナリティだと思います。近所の飲食店さんからも愛されてる伊那の繁盛店。酒もアテも全てが安い!!
ちなみ、モエちゃんとは卓央ちゃんのお店で知り合った。
・信州伊那そば処「名人亭」
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信州の鄙びた小高い丘にあり、南アルプスが一望できるロケーション。地元上伊那産100%の玄そば。
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こちらでは「おろし蕎麦」をいただきました。きのこ類など旬の山菜がたっぷり入って美味でした。
さてさて、 ポロロン珍道中、次の投稿で最終回です… 🚙💨
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shukiiflog · 7 months
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ある画家の手記if.80 雪村絢/名廊直人視点 告白
俺は 俺の意思だけで生きてこれたわけじゃなかった たくさんの人の支えがあった その中に この人への憎悪と関心 見つかったことの恐怖や 見つけてもらえたことへの戸惑いや あの人へ演じ続けた本物と 演じた偽物の自分 ほとんど会ってもないのに加害であって被害でもある傷つけあった関係  そういう、すべてが あった
電車でしばらく行ったらすぐに最寄駅に着けた。 探さないでもすぐ分かった。ここからぱっと見て徒歩五分圏内に、30階もある高さのマンションは一つしかなかったから。 それなりの高級住宅街ではあるのかな。階数はなくても周りも綺麗なマンションとかアパートが多い。手入れされてない荒れた公園とか、無秩序にゴミや廃棄物の積まれたエリアとかは、行き着くまでに見かけなかった。 近づくほどに思う。このマンション…本当に直にぃが選んだのか? あの人のことよく知らないけど、小学生の俺が会った時の直にぃの格好は、よれたシャツに履き古して色の落ちたデニム、��はぼさぼさでいい加減に���ろでひとつに縛ってた、それもなんか輪ゴムとかだったような。ちょっと本家に寄るだけにしてもあまりに浮きすぎてて印象に残ってる。 実際すごい顰蹙かってたけど、直にぃはまるで気にしてなかった。俺と話してる短い時間の途中で皮肉をかけていった親戚もいたけど、気にしてないどころか直にぃには言ってることの意味がわからないみたいだった。 俺の中の直にぃの心象は、そのときの本人の様子とそこから俺が類推できることで形作られてる。その心象からこのマンションにはたどり着かないけどーーー実際がどうかは、これから会えばわかる。
絢が無事だった。 誠人くんの話しぶりでは絢がもう死んだみたいだった。つい最近まで香澄と会って、元気に仲良くしてるみたいだったのに… そう思ってた頃に、沈んでたのが態度に出ちゃってたのか、香澄が知ってることを話してくれた。僕に話すとこうやって態度に出ちゃうから黙ってたんだって。香澄が絢の安全を優先してくれてて嬉しかったから香澄を褒めてお礼を言った。 僕は血縁者ーーーいとこか、ではあるし、理人さんを介しての関係なら…あったけど、絢本人と個人的な繋がりはーーーない。 …でも、ずっと忘れてたことだけど、香澄から初めて絢の名前が出てきた日に、思い出したこともあった。 そういういろんなことを、絢とちゃんと話したい、例えば僕が嫌われてて、たった一度でもう二度と会えないことになったとしても。そう思って、電話をした。 午前の日が眩しい。香澄は今は起きてて、リビングのソファにいる。 ここ最近、香澄は僕の部屋の本棚から『星の王子さま』の古い本を出してきて読んでた。今はその本を開いたページで胸に乗せてソファでうとうとしてる。絢が引用したって言ってたっけ。 …香澄もきっと、絢に会いたい。 まだ自傷がおさまらなくて僕の腕には引っかき傷が残ったままだけど、僕は怪我が治るのも早いからひどく傷んだりはしてない。 それで僕は今はお昼ご飯を作ってる。
1705室のインターホンを押した。 香澄の声で応答がきたから「絢です」って言ったらろくに本人確認の質疑応答もないまま解錠された。見つかりそうになって誰かから逃げてきたとか思われちゃったかな。特にマスクとか帽子とかは何もつけてないから、香澄ならモニターで顔見れば俺だってわかるか。 エレベーターに乗って17階まで上がる。聞いたところによると直にぃは画家だった頃に相当な数の自殺未遂を繰り返してるんだとか。経歴うまく伏せるかごまかしてマンション買ったな。じゃないと17階なんて、不動産屋やオーナーやかかってるなら病院の審査に通るわけない。ここ高そうな物件だしいくら財産持ってても厳しいはずだ。…遠くからマンションの外観を見たときと同じブレがある。直にぃがうまく自分の経歴をごまかす? 誰か別の人の名義で買ってでもいるのか…部屋を譲られたとか…なにか、直にぃに変化があった、画家をやめたのとここを買ったのは同時期かもしれない。…でも昨日話した直にぃは昔の心象からそれほどズレてない。まぁ…ひとが綺麗にまっすぐな一本道で今日につながってるわけないから、怪しむほどでも、ないのか…どうか
扉を開けたところで香澄が待ってて、エレベーターから降りてきた俺を部屋の前で一度ぎゅっと抱きしめた。 体を離して、香澄が先に口を開いた。 「勝手に直人に話して…ごめんなさい…」 しょんぼりした香澄の頭を撫でて「いいよ」って笑う。 「…なんて呼んだらいい?」 「今の名前は雪村絢だよ。香澄の好きに呼んで」 絢の一文字が残ったら嬉しいって言ったら絢の一文字だけでとくに何もくっつけられずに他全部ぶっとばされた。真澄さんらしいな…。 「絢…」 香澄が感慨深そうに俺の名前を口にした。 「なに?」 優しく笑って返事したら香澄は眉を下げてにこにこした。つられて俺もにこにこする。 香澄の体に腕を回してぎゅっと抱きついたら香澄もまた抱き返してきた。香澄の肩に頭を乗せて、頭を傾けて頰を肩にくっつける。…あったかい
香澄が部屋の前でドアを開けて待つって言うから、僕は突然のことに急いで畳んだまま置いてた洗濯物とかを寝室に運び込んだりしてた。 絢がきた、って、昨日「近いうちに」なんて言ってただけだったのに、何も準備してない、せっかく会えるなら、受け取ってくれるかはわからないけど絢にもなにかプレゼント準備したかったな… 廊下で話してたのか、少ししてから香澄と一緒に部屋に一人の青年が入ってきた くすんだ金髪の、香澄と同じくらいの背で、 「ーーーーーーー………」 靴も脱がずに玄関から廊下にいる僕をじっと見つめる、大きな両目はどこか少し心細そうで、繊細な印象をしてた 「…………絢…」 「直にぃ。久しぶり。…ほとんど初めましてに近いけど」 そう言って柔らかく笑って、靴を脱いで香澄と一緒に部屋に上がってきた 「…………絢。…こっちにきて」 僕は絢に歩み寄って、その背に腕を回してダイニングの方のテーブルの前に誘導した。 適当にそこらのいらない紙をとってテーブルに置いて、近くにあったペンを一本、絢に差し出す。 「絢。ここにこう書いてくれる?ーー………、」 絢はしばらく無言でじっと白紙を見つめてたけど、おもむろにペンをとった 淀みなくすらすらとした筆致に筆跡を偽るような気配は感じられなかった 一目見て確信することができた 「やっぱり、あれは絢だったんだね」
“名廊雅人”
ほとんど癖のない綺麗な楷書だけど毎回同じだれかの筆跡だってことだけは分かった 視たものをまだちゃんと覚えてる 僕に兄さんの名前を名乗っていくことの意味を深く考えたことなんてなかったし、今も僕にはわからない 昔は なにもかもそのままで終わっていって過ぎ去っていってた  意味なんてものは問わなかった  なにに対しても 僕にはそのことに痛みも悲しみも なにもなかった でも僕はいま聞いてみようと思う、僕にはわからないことを、相手を大切にするために、心から知りたいと思うから 「どうして僕に…この名前を名乗ったの?」
久しぶりに会った直にぃは、少し身なりがこざっぱりしたくらいで、ほとんどなにも変わってないみたいだった これまでの話より何より真っ先にさせられることが これだなんて思ってなかった ほんとうのことなんて 言えるわけない でも隣で背に優しく手をあてて微笑んだまま俺をまっすぐ見つめて捉えて離さない瞳が、いま、この場で、このことについてだけは、俺にいっさいの嘘を許さなかった 言ったことをなんでもそのままにすべて信じる、滑稽なほど正直で素直な、非武装の姿をそのまま惜しげなく晒す  昔となにも変わってない  危うい生き方だ  危険な視線だ  その無防備さが対峙した相手にも武装を解くように訴えてくる なぜか、ただ愚直だと笑い飛ばせる類のものじゃなかった この人はこれで40年以上生きてきた いつも真剣で  自分の愚直さに気づけないほどにいつも一生懸命だ 他のことならいくらでも嘘もつくし事実も捻じ曲げよう、この人にできないのなら俺がやろう、そう思って その当人から、こんなことを問われてる 俺のことを深く知らないにしたってそんなことと関係なくあんまりにも心ってものに無神経すぎるよ それでも俺は このことについては 嘘をつけない さっきまでの快活な口調でいられなくなって 俯いて 喉が詰まる  小さな声しか出なかった 「…雅人さんの遺体の第一発見者が、直にぃだって本家で聞いたんだ。それで …苦しめばいいと思った。作品のむこうにいる俺にまで…まっすぐな目を向けてくるから 悪意もなく  無自覚に  暴きたててくる視線が怖かった それが  ずっと  つらかった…」
絢の言ってることは、僕にはわかるようでわからない 作品ーーーあの、感想文か、『星の王子さま』の 僕は作品から作者を見ることはほとんどない  特にあの頃はそうだったと思う でも絢の表現は絵ではなかった 文章は一目瞭然じゃないから、僕は絢の書いたものを視たんじゃなくて「読んだ」 その頃の僕は今よりもっと文章や特に物語を読むのが苦手で、文章は知識を頭に入れていくだけのもので、感想も解釈も僕の中には生まれなかった 絢の書いた意訳と感想文を眩しく思ったのを覚えてる でもそれだけではなかった 文章の向こうに 痛切に姿を隠そうとする誰かが視えた 僕は視えたものが偶然ひとだったから、あのとき声をかけた 絢に 思ったことを言った でもーーーあの頃の僕は  どうやってひととモノを分けて  視ていたっけ すべては描けるかどうかで、描けるならそれは  それそのもの以外の何でもなかった  それだけのものだったはずだ ーーー昔の感覚が 覚えていられなかったはずの過去の記憶に引き寄せられる 絢は僕に 苦しめられていた そんなことは知ってた  でも、理人兄さんのことを抜きにしても、…そうか、関係して  続いてたんだ  絢の中では 僕に見つかって怖かった…  僕は言ってはいけないことを言っていた? 「………」 少し俯いて首を傾けた絢の大きな目に睫毛に支えられるみたいにして涙がいっぱい溜まってる  …ああ なんて美しい かけがえのないものだろう 簡単に謝ろうとした言葉をのみこんで 絢の背にあてた手を肩に回して引き寄せて、絢の頭にこつんと僕も頭をあてて 目を閉じる 肩に回した手をそっと頭にあてて金髪を撫でる 絵も文章もない触覚だけの くらい世界 それでもたしかに 絢はここにいる 
あのとき直にぃに見つかった俺は、ただ怯えて戸惑って感情のやり場を失った でもあのことがなかったら、俺は理人さんを亡くした くらい部屋の中から歩みだして、何かを最後にしておこうなんて 思っただろうか なんとなくのその延長線上でフランス文学やフランス語、翻訳や意訳を続けたことが、今の俺が生活していく支えになろうとしてる 意訳は俺にできるギリギリの自己表現だったんだろう 直にぃみたいに絵なんて直接的なものはあらわせなかったし、隠れ蓑がないと怖かった だから訳をしてた 原著を書いたのは俺じゃないから でもどうしても意訳をしたくなる癖が抜けなかったのはーーー寂しかったんだ 誰かに見つけてほしかった 見つかりたくないのと 同じくらいに 目に溜まっていた涙がとうとうボロっと溢れてテーブルに落ちた 背中から回ってた直にぃの大きな手が俺の頭を体ごと引き寄せて、俺の顔を自分の肩口にそっと押し付けさせた 直にぃのシャツに涙が吸われて沁みていく 俺は確かにこの人にも生かされてた 幸せを願ってたよ 憎んでたのと同じくらいに その憎しみを、ようやく手放す時がきたのかもしれない そんなものに縋らなくても、俺にはもうしたいことや守りたいものがあって、生きていけるようになったから
今日まで生きてこれたことを心から喜べると思う  それだけではないけど それでも ここに至るまでにどんな思惑があったんだとしても、言葉にして伝えたいことは…
「「生きててくれて  ありがとう」」
二人、ほとんど同じタイミングで発した同じ言葉が重なった しばらく顔を見合わせてお互いにぽかんとしたけど 二人して思わず吹き出して笑ってしまった
直にぃから離れてぼんやり部屋の中を見渡す俺の後ろに静かに香澄がきて、俺の手を握った 握られた手を握りかえす テーブルの上に一冊の本が置きっぱなしになってた 俺が香澄に暗誦したのを覚えててくれたのかな
香澄の体に軽く背中を預けて、香澄の首筋や両腕や爪の傷口を刺激しないようにしながら、香澄の両腕をひいて後ろから俺の体を包むみたいに前で絡ませた 香澄の額に俺の額をそっと合わせて静かに目を閉じる 明るい室内にむけて 優しく囁くように物語の終幕を暗誦した
「Si alors un enfant vient à vous, s’il rit, s’il a des cheveux d’or, s’il ne répond pas quand on l’interroge, vous devinerez bien qui il est. Alors soyez gentils. Ne me laissez pas tellement triste : écrivez-moivita qu’il est revenu……..」
”もしその時、一人の子どもがあなたたちのところへ来て、笑ったり、金髪をしていたり、質問に答えなかったりしたら、彼がだれであるかあなたには分かるはず。 その時が来たら、親切にしてほしい。僕をこんなに悲しんでいるままにしておかないで。 すぐに、僕に教えて、便りをください、「王子さまが帰ってきたよ」と………”
ーーーーーーーーーアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ著 『星の王子さま』より
香澄視点 続き
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syndow-14 · 9 months
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Don't stop the music
2023年の夏であります。地球温暖化ならぬ、地球沸騰化という言葉が誕生した。
こんな日には山奥の平屋で、長毛種の猫と追いかけっこをしていたい。
昼になったら、鶏小屋から卵をひとつふたつ失敬して、オムレツをいただくことにしましょう。バターは多めの20g。真っ黄色のラグビーボールにお似合いなのは、自家製の酸味を抑えたトマトケチャップ。瓶詰めを傾けながらオムレツのキャンバスにアウトラインを描く。と、ここでケチャップが無くなってしまった。そうだ、午後には裏のお庭からトマトを収穫して、ケチャップ作りをするとしましょう。
オムレツをダイニングテーブルに運んで、カモミールのアイスティーをゆっくりと注ぐ。グラスの形をした風鈴が、カランカランと涼しげな音を奏でる。その音に釣られてか、長毛種の猫が足元をくすぐる。そのままテーブルまでの高さを測る仕草を始めたので、だめよ、の意味でまあるい頭をトントンと叩く。長毛種の猫は目を瞑りながら、大きなあくびをして、大きく横になった。子猫��時から体の大きかったこの猫に、当時の私は「グランデ」と名付けた。
オムレツが跡形もなくなった頃、グランデはとっくに夢の中の世界に行ってしまっていた。その邪魔をしないように、私はグランデのようにゆっくりと音を立てないよう席を立った。皿を洗ってからトマトを収穫しようと考えていたが、水の嫌いな眠り姫に嫌われないためには、今ここで流しを使うのは余り良い策とは言えないだろう。私は麦わらの帽子をかぶって、裏の庭へ向かった。
バケツを手に、真っ赤な真珠を目にする。太陽が一番高い位置にある。日差しは強いが、山を通り抜ける風が心地いい。「よし!」と声をあげて、バケツの底をバンと叩く。今の太陽の位置がなるべく変わらない内に家へと帰ろう。
バケツいっぱいのミニトマトは、宝石のようにも、マグマのようにも見える。シンクにバケツをどかッと置き、蛇口を捻る。ジャーっとトマトに水が当たり、そこでハッと気がついた。グランデはまだ夢の中だった。気の遣いすぎだったかと安心して、ザブザブとトマトを洗う。洗う。洗う。私はこの無心になれる作業が好きだ。
水気を浴びて、さっきと違う光り方をしたトマトをミキサーにかけていく。そこには玉ねぎやニンニク、ハーブなんかも入れていく。ペースト状になったら、タネや皮を丁寧に取り除く。丁寧に、丁寧に裏ごししたケチャップの赤ちゃんを、今度は鍋にあげる。驚くほどの砂糖と、わずかなビネガーを加えて煮ていく。
「良い香りだね、グランデ」
と夢の住人に声をかける。彼女はピクっと身体を動かしては、また穏やかな寝息をたてる。その姿が午後4時の日差しと本当にマッチしていて、つい私も目の奥に眠気を感じてしまう。
ケチャップが出来上がると、空き瓶に詰める作業が始まる。この作業もまた、余計なことを考えずに済むため私は好きだ。ケチャップをいくつかの瓶に分けたら、鍋に残った分を少し舐めてみる。今回も上出来であります!少し小腹も空いたので、この鍋に水とブイヨン、少しの野菜を入れて、トマトスープを作ることにした。特別美味しすぎない、この味がとても落ち着ける。時計の針はもうそろそろ5と6の間を指す頃だが、まだまだ日は落ちそうにない。
スープを持ってダイニングへ向かうと、ちょうど目を覚ましたグランデが何かを話しかけてきた。ふむふむ、なるほど、君もお腹が空いてきたかい。今日の私は機嫌がいいので、いつもより高級なおやつをグランデに渡した。もっとゆっくり食べなよ、という間におやつを平らげたグランデは、まだ物足りなそうな顔をして、そういうような事を喋ってどこかへ行ってしまった。私は半分何をしにダイニングテーブルについているのか忘れていて、テーブルの上のスープはじっと息を潜めているようだった。まだ少し湯気が立っていたので良かった。
ここまで書いて思うのは、とにかく「西の魔女が死んだ」の世界観に憧れがあるということです。主人公と同じくらいの期間、ああいう生活をしてみたい。
2023/08/06 15:37
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team-ginga · 11 months
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映画『Fake』
 というわけで、Amazon PrimeにはなかったのでU-Nextで森達也監督のドキュメンタリー映画『Fake』(2016)を見ました。ゴーストライター問題で世間を騒がせた「全聾の作曲家」佐村河内守に取材した映画です。
 ここでも森監督は見事なまでに取材対象である佐村河内守の懐の中に入り込みます。いや、「懐の中に入り込む」という言い方は適切ではないかもしれません。取材をする人間とされる人間との間に信頼関係がきち��と築けているというべきでしょうか。
 佐村河内守は新垣隆をゴーストライターとしたことを否定はしません。ただ、「あれは共作だった」、「新垣は優秀な技術屋だった」、「自分がコンセプトを伝え、時にはメロディーも伝えた」と言います。
 彼がなにより許せないのは、新垣やマスコミが「佐村河内は本当は耳が聞こえる」、「自分を売るために聞こえないふりをしていただけだ」と主張していることだと、彼は言います。
 その証拠として佐村河内は医師の診断書を出します。脳波を測定して、彼が「感音性難聴」であることを証明する診断書です。
 「診断書のことは置いておくとして」と佐村河内は森監督に切り出します。「そういうものがないとしても、あなたは僕のことを信じますか」と彼は尋ねます。
 森監督は答えますーー「信じてないならこんな映画撮りません。」
 なるほどね。
 佐村河内を信じたからこの映画を撮ることにしたのか、長期にわたって取材をするうちに佐村河内の言葉に嘘はないと信じるようになったのかはわかりませんが、それが監督のスタンスであるわけです。
 つまり、この映画は完全に佐村河内守を信じ擁護するものです。
 映画を見ている我々も、佐村河内のことを嫌いにはなりません。だって……例えば佐村河内夫妻の夕食風景が映ります。奥さんは大きなハンバーグを焼き皿にもります。奥さんは食べ始めますが、佐村河内は食べません。ただ豆乳を飲んでいます。
 「なぜ佐村河内さんは食べないんですか」と森監督が質問します。すると……佐村河内は豆乳が好きで、食事の前に500ccの紙パックを全部飲むとのこと。「これ飲んじゃうとお腹がいっぱいになるんだけど、でも好きなので」と佐村河内は言います。
 取材対象にロングインタビューをするドキュメンタリー映画はたくさんある……というかドキュメンタリー映画というのはそういうものです。でも、なんの変哲もない食事風景を撮りますか。撮らせますか。
 この場面は映画上は全く意味のない場面です。でも、この場面のおかげで観客は佐村河内を身近に感じる……一人の生きた人間と感じます。そんな人間を嫌いになるはずがないでしょう。
 でも、だからと言って佐村河内の言い分が全て真実だとは限りません。同じ手法で新垣隆を取材することもできるでしょうし、そうなれば今度は観客は新垣を身近に感じ、一人の生きた人間と感じて、憎からず思うでしょう。
 この映画はそういう留保をつけて見るべき映画なのだろうと多います。
 圧巻なのはラスト近くで森監督が佐村河内に「あなたは僕のことを信じていますか」と尋ねることです。映画の序盤での会話が質問する者とされる者を入れ替えて繰り返されるわけです。
 森監督はそれを狙ったのかな。狙ったにせよ、偶然にせよ、なかなかすごい場面です。
 森監督はさらに佐村河内に「もう一度作曲をしてはどうですか」と言います。佐村河内は「やってみる」と言います。
 ラストでは佐村河内が新たにーーひとりでーー作った曲(佐村河内がパソコンに打ち込んだ曲)を森監督と佐村河内の妻が聞いています。森監督は「いい絵が撮れました」と言い、「曲も良かったけれど、奥さんが一緒だったのがよかった」、「僕はお二人を撮りたかったんです」と言います。
 そのまま画面が暗くなり佐村河内作曲の音楽にのせてスタッフの名前が出ておしまい……ではありません。ダイニングへ行って3人はケーキを食べます。
 なんの変哲もないように見えるチョコレートケーキを見て、「細かいね」、「綺麗だね」、「何かを見てこんなふうに思うのは本当に久しぶりだ」という佐村河内に森監督は「今日で撮影は最後になると思います。最後に聞きますが、佐村河内さん、これまで僕に言ったことに嘘はありませんね」と言います。
 え? この段階でその質問ですか。非常にシビアな質問ですね。
 佐村河内はすぐには答えず考えます。実際には数秒なのでしょうが、非常に長く感じられる時間が過ぎます。
 こういうところがドキュメンタリーの強みですね。もしこれがフィクションなら、絶対にこんなに間はあけません。そんなことをしたら監督からNGが出ます。
 でも、現実はこうですよね。現実の会話では相手が言葉を失って不自然に間があいてしまうことだってあるわけです。そうだとすれば、フィクションでもそういう演技をしなければならないわけですが、現実にはなかなかそうはいかないのです。
 で、長い沈黙の後、佐村河内がどう答えたかというと……
 わかりません。画面は黙こくった佐村河内を映したままフェイドアウトしていきます。おそらく実際には何か答えたのでしょうが、それは重要ではないと監督は判断したのでしょうね。
 記者会見で佐村河内に「本当は耳が聞こえるんじゃないですか」と言ったジャーナリストの神山典士に森監督がジャーナリスト大賞か何かの表彰状を送ることになる(やらせでも冗談でもなく、本当に森監督はそういう賞のプレゼンターに選ばれたようです。もっとも神山典士は授賞式に現れず、文藝春秋の編集が代わりに受け取っていました)場面や、新垣隆の暴露本のサイン即売会に行き、「僕の名前も書いてください」と言う(これまたやらせではなく、新垣の表情が一瞬凍ります。もちろん森監督が佐村河内に長期取材して映画を撮っていることを知っていたのでしょう)場面の驚きも含めて、見応えのあるドキュメンタリー映画だと思いました。
追記:  「衝撃のラスト12分は誰にも話さないでください」と言うのがこの映画のキャッチフレーズです。ラスト12分というと佐村河内が作曲した曲を奥さんと森監督が聞くあたりからですが、一体何が「衝撃のラスト」なんでしょう。  佐村河内が曲を完成させたことですか。それとも「本当に嘘はありませんね」と言う監督の質問に佐村河内が答えないことですか。  「衝撃のラスト12分」といのは確かに魅力的なコピーですが、この映画の場合はふさわしくないような気がします。
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thyele · 11 months
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2023年6月7日
inuroさん「定期的に同じこと書いてるような気がするので、一連の日本の住所正規化・名寄せのトリビアについてエントリにまとめました。まだ全然序の口なのでそのうち追記します。」 https://twitter.com/inuro/status/1666203885126709250
Sadieさん「Sadie復活公演決定!! THE REVIVAL OF SADNESS 2024 年3月17日(日) 豊洲 PIT 2024 年4月7日(日) なんば Hatch 新たにオフィシャルサイト&オフィシャルファンクラブを 7 月 1 日にリニューアルオープン!! Sadie OFFICIAL TEASER MOVIE」 https://twitter.com/Sadie__jp/status/1666394720262832128
HYDE、「TAKING THEM DOWN」リリース+ツアー追加公演と<HYDEPARK 2023>開催決定 | BARKS https://www.barks.jp/news/?id=1000235092
アジアンパーム 渋谷本町店 - 初台/アジア・エスニック/ネット予約可 | 食べログ https://s.tabelog.com/tokyo/A1318/A131807/13001048/
西麻布 TORI+SALON (【旧店名】西麻布 TORI+SALON 韻) - 広尾/鳥料理 | 食べログ https://s.tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13025066/
「マキオカリー」(三軒茶屋カリガリマキオカリー)(@caligarimakio)さん https://twitter.com/caligarimakio
【恵比寿】東京ボンベイ 恵比寿本店「限定30食のみの裏メニューである赤キーマ!カシミールとキーマが融合した超刺激的な極旨キーマだった」 | 品川イッコー公式ブログ https://www.google.com/amp/s/ikkos-films.com/%25E3%2580%2590%25E6%2581%25B5%25E6%25AF%2594%25E5%25AF%25BF%25E3%2580%2591%25E6%259D%25B1%25E4%25BA%25AC%25E3%2583%259C%25E3%2583%25B3%25E3%2583%2599%25E3%2582%25A4-%25E6%2581%25B5%25E6%25AF%2594%25E5%25AF%25BF%25E6%259C%25AC%25E5%25BA%2597%25E3%2580%258C%25E9%2599%2590%25E5%25AE%259A30%25E9%25A3%259F%25E3%2581%25AE/%3famp=1
ヴェヌス サウス インディアン ダイニング 錦糸町店 (Venu's South Indian Dining) - 錦糸町/インド料理 | 食べログ https://s.tabelog.com/tokyo/A1312/A131201/13183010/
英国で大ブレイクの安村、各国から新たなオファー殺到も断った理由 /2023年6月8日 - エンタメ - ニュース |クランクイン! https://m.crank-in.net/news/128688/1
深夜早朝問わずゲーム内で集合 食事時間になっても抜けられない 「朝ゲー」「ゲー育」時代を生きる子どもたち(1/2)〈AERA〉 | AERA dot. (アエラドット) https://dot.asahi.com/aera/2023060600019.html?page=1
「時空が歪んでる!?」飼い主も5度見した「四角すぎる猫」ジワる姿に面白コメント殺到 「��像の肩幅」「うちの子の四角などひよっこ…」|���いどなニュース https://maidonanews.jp/article/14919524
多度大社の上げ馬神事 たたく行為は「不適切」 三重県が改善指導へ:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/sp/articles/ASR676R6KR66ONFB008.html
UNCLOCK LOVER 頼田陵介さん「UNCLOCK LOVER 2ndアルバム『STILL』 歌詞 M-3 Lastly https://t.co/VTvwMGKSLZ」https://twitter.com/yorita_ryosuke/status/1666633015358013441
UNCLOCK LOVER 頼田陵介さん「おはようございます❗️ 台風が接近。 一瞬もしかして当日CD届かないのではと思いましたが、国内プレスですし都内なので大丈夫だろう😅 無駄にヒヤヒヤさせられるw 本日も皆様良き一日を✌️✨ UNCLOCK LOVER2nd ALBUM 6/16吉祥寺SHUFFLEにて発売‼️ https://t.co/uVwRIkeqR6」https://twitter.com/yorita_ryosuke/status/1666632115948236801
石井悠也さん「明日の柏からNUL.のツアースタートです。 今までのNUL.でのスネアのサウンドメイク(デジタルとの融合)とは違うアプローチで臨みます🔥 https://t.co/2ImoblWgld」https://twitter.com/ishiiyuya_drums/status/1666710928413556736
LM.C officialさん「【LM.C -Premier Live Talk-】 6月の生配信は… 【88%の質問】に挑戦💥 シングル「88」のリリースから今月で15周年を迎えたことを記念し、「YESが88%になる質問」に二人が挑戦‼️ アンケート機能を使い、視聴者の皆様に質問を投げかけるので是非ご参加ください💡 詳細👇 https://t.co/UGBPNxpIWf」https://twitter.com/LMC_staff/status/1666689875926724608
[email protected]’S PUNXさん「明日は、6月9日(ロック)の日! 今もこれからもずっとやり続ける! かかってこいよー! I. JOE https://t.co/hxUmUr2UYs」https://twitter.com/satui_joefromgi/status/1666718925508468736
クラブチッタ アティックさん「本日6/8は A’TTIC 20th Anniversary『おじさん一人練習』安藤弘司(ANCHANG/SEX MACHINEGUNS) OPEN 18:30 START 19:00 予約¥3,000 当日¥3,500(各1D別) ※アフターパーティー参加費¥1,000(1D別) アティック20周年記念月に『おじさん一人練習』開催! 皆様ぜひぜひ遊びにいらして下さい! https://t.co/Hrx5V4vcmU」https://twitter.com/ATTICMARU/status/1666700694185984000
トーマスDRUMMERさん「#セックスマシンガンズ 来月札幌お願いします🔥 北海道なんかマジ久しぶりで狂っちゃう!GYZE(もといRYUJIN)先輩とやった時以来ですね。北海道出身のアツい知り合い、沢山います。寒いとアツい人間が出来上がるのか??やべえ!燃える!負けてらんねえす!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!」https://twitter.com/bonjiiiiiiiiii/status/1666722654030815233
SEXX GEORGEさん「大阪梅田ポテトキッド45周年記念公演 7日目 CUTTクン❤️‍🔥 18:30 / 19:00 当日券 ¥4,000 超良質なポップミュージックを貴方に 是非遊びに来てね❤️ https://t.co/4WMkK84Jy0」https://twitter.com/abikoshinonkai/status/1666716340772818944
INA☆hide with Spread Beaver再起動中さん「だそうです」https://twitter.com/area014/status/1666695398579388417
NECROMANCE ネクロマンス️☢️さん「みなさーん らしいですよ〜🤭」https://twitter.com/Necromance_Of/status/1666693439185092609
宮脇 JOE 知史さん「本日(6月8日)に放送予定となっておりました 日本テレビ「news every.」 『hide Memorial Day 2023』 hide with Spread Beaver 25年ぶりワンマンライブ特集ですが、 番組の都合によりオンエア日が変更となりました。 オンエア日が決まり次第、改めてお知らせします。」https://twitter.com/JOE_44magnum/status/1666696619813904384
木村世治さん「うわ〜残念!」https://twitter.com/sayzee_hgpg/status/1666703956716965889
Daijiro Nozawa a.k.a.DIEさん「【放送日変更のお知らせ】 本日(6月8日)に放送予定となっておりました日本テレビ「news every.」 『hide Memorial Day 2023』 hide with Spread Beaver特集ですが、 番組の都合によりオンエア日が変更となりました。 オンエア日が決まり次第 改めてお知らせしますので 楽しみにお待ちください https://t.co/wHCkp9TIlz」https://twitter.com/Pukapyu/status/1666693139393036292
びじゅなびさん「📸写真到着😉 ⭐️#びじゅなび ラジオ⭐️ 「#V系って知ってる?第9回」 ご視聴ありがとうございました✨ ゲスト:PATA(Ra:IN/X JAPAN) @PATA_Official_ 😊「ニコニコびじゅなびちゃんねる」にてアーカイヴ視聴可能! https://t.co/DwEP9QO40C #RaIN #XJAPAN https://t.co/ytBjLZfH64」https://twitter.com/visunavi/status/1666491586337984514
山内秀一さん「「#V系って知ってる?」第9回放送のゲストはなんとRa:IN、X JAPANよりPATAさんでした‼️終始鳥肌💦 ありがとうございました! PATAさんの選曲は… DICE/hide Dream Police/チープ・トリック アーカイブ超必見⬇ https://t.co/JozX3Ziumw Ra:INのツアーは17日千葉Lookよりスタート⚡ #RaIN #XJAPAN https://t.co/Il57tPNJR3」https://twitter.com/s_yammauchi/status/1666493239267053569
Nikkyさん「募集してます!! 出来れば、ケバいオリジナルのハードロックのイベントとかを希望しますが、 70年代風なのでも、正統派でも、ゴリゴリメタルでも、ネオクラシカルな様式美でも、一緒に楽しめそうな企画なら乗りますよ! We Rock!!! https://t.co/nLlorv2fPq」https://twitter.com/Nikky88218725/status/1606235749061300224
Nikkyさん「エピフォン問題で思い出した事! hideさんのイベントで、フェルナンデスをカスタマイズして初期Xまで使ってたアーミーパンサーと、 前オーナーがモトリーのミック・マーズでレコーディングで使ってた59年のGibsonのレスポールが並んで飾ってあったけど 流石にフェルナンデスが魅力的に見えたよね。 https://t.co/a0UWy0rugp」https://twitter.com/Nikky88218725/status/1666704981565771776
Nikkyさん「今一緒にやっているギターと初めてスタジオに入ったとき、 Appetiteのアドラーが叩いたドラムだけ抜いたトラックに合わせて演奏したら偉い気持ち良くて、 あのアルバムはアドラーじゃなきゃ駄目なんだなと思いました。 ソロプロジェクトのこの曲には痺れた! https://t.co/YUU8xvoEBb」https://twitter.com/Nikky88218725/status/1666698255923822593
音楽ナタリーさん「日テレ「new every.」でhide with Spread Beaver特集オンエア https://t.co/Jf2cbrLnfk #hidewithSpreadBeaver #hideMemorialDay https://t.co/0oFbZHQRym」https://twitter.com/natalie_mu/status/1666379755174920192
真緒さん「ありがとうございます!Sophiaさんの復活はかなりの刺激を受け復活のご相談でお食事も連れて行っていただき感謝しかないです!」https://twitter.com/mao_Sadie/status/1666473996123271169
ジェノサイドおばあちゃんさん「Sadie、girugamesh、12012ってもうOVER THE EDGEできるじゃないですか。girugameshのステージにlynch.葉月飛び入り参加みたいなのもう一回やりましょうよ。」https://twitter.com/micro_fin/status/1666412595409215489
[email protected]’S PUNXさん「2023年6月17日(SAT) ※入場無料 早稲田ZONE–B https://t.co/Q4U6qWqjOG」https://twitter.com/satui_joefromgi/status/1666560468742438913
慰娑悪(イサヲ)さん「ROW-GUNでは現在ベーシストさん&ドラマーさんを募集しております。 オリジナル曲、デモ音源は現在作成中❗ 関西を拠点に活動の予定をしております。 ゆるゆるとのんびりペースですが一緒にロックしましょう。 連絡をお待ちしております🎵 https://t.co/IwiyLqAb8y」https://twitter.com/ISAO_FLYING_V/status/1587987348733628421
SEXX GEORGEさん「大阪梅田ポテトキッド45周年記念Tシャツ 梅田ポテトキッド店内のみにて本日より発売✨ 色 黒 / 白 サイズ S / M / L / XL ¥4,000(税込) 薄利多売です マジ卍買ってね🥰 https://t.co/hUAWwWUF1I」https://twitter.com/abikoshinonkai/status/1664535471941382144
舞夕-マユウ-さん「ソールドアウト公演以外、全公演 予約受付中です! https://t.co/8A6ClrhkpO」https://twitter.com/hrz45mayou/status/1666059852593111041
V系Rock Bar Decadenceさん「明後日です!! 好きな曲とお酒でゆっくり過ごしましょう†」https://twitter.com/BarDecadence/status/1666671365896957953
イズミユウ【oto-ne culture】さん「明日だー いつ名古屋に向かえばいい? トラブルあり実家で泊まれなくなり、宿泊場所無くなったかも… 最高な6/9ロックな日になるな笑 音oto音neの在り方… 唄もギターも下手だけど… それではないものを感じてもらいたい 優しく…暖かく… みんなの時間を…待ってます。 https://t.co/p6paeqPe0Q」https://twitter.com/izumi_u_otone/status/1666668888078323712
ロボガエル 秋輔さん「#拡散希望RT協力お願いします ロボガエル第二弾IKAmusic videoです✨僕がギター持たないで唄ってる姿が流れますので、ご視聴ください😊キャメラマンのTOMIKE君も写っちゃってます(笑) https://t.co/TuR4wCcJXc」https://twitter.com/gingirashuusuke/status/1657387961351294976
ロボガエル 秋輔さん「全部格好良かった‼ https://t.co/Hkgvp5kSVc」https://twitter.com/gingirashuusuke/status/1666081843983302656
ZIÄ FUNERÄLさん「[info] 💋ZIÄ FUNERÄL 1st gig 8.25(fri)開催 🎫今月6月末プレイガイドからチケット発売開始です!!! (詳細後日発表) 🗯08.25.2023 friday nite at shibuya Chelsea Hotel ZIÄ FUNERÄL organize gig "100%MTHR FCKR #1"」https://twitter.com/ZIAFUNERAL/status/1666488046068576256
GRIMさん「◆This time , I will patcipate as GRIM by Jun Konagaya alone. https://t.co/RJJmNn5Hm2」https://twitter.com/GautamaSpeed/status/1666041740003000320
KNAVE [oita city darkcore] officialさん「【NEWドラマー募集】 GxPx氏のサポート終了に伴いKNAVEでは新しくDrumerを募集致します。 条件は我々の楽曲を演奏可能な方。九州に限らず全国で募集させて頂きます。 宜しくお願い致します。 https://t.co/xkIQ5uZnlD」https://twitter.com/KNAVE_darkcore/status/1496097320794230791
ISAIFT LINEKRAFT ThreePlugsRecodsさん「NWN! / HOSPITAL FEST VOLUME I OSAKA JAPAN APR 6+7 2024 TICKETS NOW ON SALE https://t.co/DHJT4iA2ok https://t.co/G0sA2sHTzw」https://twitter.com/shitexcrement/status/1661478452296568832
KAOGANAI(顔がない)さん「https://t.co/LtbwFsARHM」https://twitter.com/kaoganai/status/1659707286686928902
Naohiro Yamadaさん「名古屋拠点のHyoubu君&Zono Pansy嬢のGOTHウェディングパーティー開催❗️ ご結婚おめでとう御座います㊗️🎉 引用の本人投稿写真見たらリアルGUCCI GOTHそして再現度120%なAll Gone Dead‼️ (AGD本人に見せたら笑いそう) 6/24(sat)は新宿でお祝いしましょう🌹🥂 ※私途中参加となります https://t.co/JhfKQgciIs」https://twitter.com/nAo12xu/status/1658083247153356800
VJAZVSACHAINSAWさん「友人のゴスDJ2人のウェディングパーティやります。お祝いに来てください!DJ陣も豪華! 6/24(sat) ”in the Temple of Love“ Hyoubu & DJ Zono Pansy GOTH Wedding at FROM DUSK TILL DAWN Shinjuku open/start 20:00-25:00 DJ nAo12xu (†13th MOON†) SiSeN KIHITO KAOGANAI VJ AZVSA chainsaw https://t.co/zzFeCjuuZn」https://twitter.com/azvsachainsaw/status/1658065510846861313
kihitoさん「ゾノ達の結婚パーティー!皆で祝いましょ! in the Temple of Love DJ Hyoubu & DJ Zono Pansy GOTH Wedding 2023.06.24(sat) at 新宿FROM DUSK TILL DAWN Start 20:00 / Close 25:00 ENTRANCE FREE One Drink Order DJ : nAo12xu (†13th MOON†) / SiSeN / kihito / KAOGANAI VJ : AZVSA chainsaw https://t.co/PGtqFxBb1V」https://twitter.com/digitalvampire/status/1658064712893104129
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