Tumgik
#トリアー
trueblood825 · 1 year
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THE KINGDOM EXODUS will be released in theaters in Japan on July 28, 2023!!🙌🎉
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キングダム エクソダス〈脱出〉(英題:The Kingdom Exodus) 日本公開:2023年7月28日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほかにて全国公開
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team-ginga · 11 months
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『キングダム エクソダス(脱出)』続き
 では続いてカレンの物語を紹介します。
 キングダム病院職員のブルワーの力添えで無事入院することができたカレンは、病院内の洗濯物運搬のレーンに乗って異世界へ行きます。
 えーっと、これは説明が必要ですね。前二作ではヘルマー医師のミスによってモナという少女が廃人になってしまいます。
 裁判の訴状を持ってきた執達吏から逃げるため、ヘルマーはモナを連れて洗濯室に逃げ込みます。ヘルマーはモナをどうすればいいかわからず、彼女を洗濯物運搬用のレーンに乗せます。
 普通ならそうやって洗濯室から送り出されたものは病院内を一周して戻ってきます。しかし、モナは戻って来ません。戻って来たのは空のケースだけです。
 霊能力によってそのことを知ったカレンは同じようにレーンに乗ります。すると沼地のようなところに出ます。
 えーっと、これも説明が必要ですね。キングダム病院が立っている場所はかつて沼地であり、村人たちがそこで布を漂白していました。カレンはそこへ着いたわけです。
 するとそこにはモナがいて、エレベーターに入ったドルッセ夫人の白骨化した遺体があります(これも説明が必要ですね。前作の最後でドルッセ夫人は地下へ落下していくエレベーターの中にいました。そのままここへ来て死んだということなのでしょう)。
 さらに進むと巨大な顔があります。前作で死んだリトル・ブラザー、ユディットが産んだ赤ん坊が顔だけになってそこにいるわけです。
 巨大化してビッグ・ブラザーとなった彼はあの世とこの世を繋ぐ門の番人で、もうじき霊の大移動が起きると言います。
 カレンは一旦病院に戻り、リトル・ブラザー改めビッグ・ブラザーの母親であるユディットと話をします。ビッグ・ブラザーは心臓が悪いということで、その心臓は病院のどこかの部屋にあります。ユディットはその部屋を探し当て、巨大な心臓に手術を試みます。心臓の中からはキングダム病院のミニチュアが入ったスノードームが出てきます。
 カレンはユディットを連れてビッグ・ブラザーのところへ行きます。ビッグ・ブラザーがカレンは帰っていい、でもユディットは残って一緒にいて欲しいというので、カレンは再び一旦病院に戻ります。
 その辺りのどこかでカレンと病院職員のブルワーの分身が病院に現れ、カレンとブルワーを襲おうとします。分身はウィレム・デフォー演じる悪魔の手先(登場するたびに蠅の羽音が聞こえます。わかりやすい!)に操られている……というか手先の手先のようです。
 カレンが再び異世界に行くと、ユディットとユディットの分身が死んでいます。ビッグ・ブラザーも死んでいます。
 気がつくとカレンの首に鍵がかかっています。現世と霊界を結ぶ門の鍵です。カレンはビッグ・ブラザーに代わって門番に選ばれたというわけです。
 病院に戻ったカレンはブルワーとクロウスホイに相談します。クロウスホイは病院の屋上に霊を売る医師(!?)がいるからそこへ行ってみようと言います(この期に及んで新しい人物が登場するとは!)。
 カレンはその医師からソロモンという霊を買います……ソロモンは瓶の中に入っていますが目に見えないので、単なる空の瓶にしか見えません。でもなぜかブルワーだけはソロモンの声が聞こえるようです。
 カレンはエレベーターに乗って下におります。ブルワーは階段で降ります。ソロモンが閉所恐怖症だからです(クロウスホイが「瓶の中にいるのになぜ閉所恐怖症なんだ」というツッコミを入れます)。
 そのとき1階では病院を辞めて出て行こうとしているヘルマーJrがエレベーターから出てきたところです。するとカレンの分身が現れ、ヘルマーJrにカレンを殺せと言います。そこへ本物のカレンがエレベーターから降りてきます。
 どうすればいいかわからなくなったヘルマーJrはテキトーに銃を撃ちます。本体が撃たれれば分身も怪我をする、分身が撃たれれば本体も怪我をするという設定なので、カレンとカレンの分身は同時にダメージを負います。
 カレンの分身は「私は反転なの。カレンは右利きだけど、私は左利き。あなたは私の左肩を撃ったわね。私にとっては利き腕だけれど、カレンは違う。だから戦えばカレンの方が強い」と言います。
 でも、これ……間違ってますよね。カレンと分身が「反転」関係、つまり���像関係にあるのだとすれば、分身が左肩を撃たれたなら、カレンは右肩を撃たれたことになります。
 どっちも利き腕じゃんーーと思いますが、そんなことを考えていては『キングダム』は見ていられません。
 とにかくカレンは訳のわからないうちに戦いに勝ち、ブルワー、クロウスホイと合流します。
 瓶の中に入った霊のソロモンは、かつて池があった場所に穴を二つ掘れ、一つの穴は良い霊のため、もう一つの穴は悪い霊のためで、その穴を通って霊が大移動、つまりエクソダスをするのだと言います。
 カレンは自分のスマホに入っている古い地図を参考に穴を掘るべき場所を探します。ところが先ほど分身と戦った際にスマホを落としてしまったためうまく行きません。
 それを監視カメラで見ていた悪魔の手先ウィレム・デフォーは手先の手先モッゲ(前二作に出ていた医学生です。結構いい年になっています)にある命令を出します。
 モッゲは困っているカレンに話しかけスマホをいじってちゃんと使えるようにします。カレンはなんとか穴を二つ掘り、ソロモンの言葉に従って霊の大移動のための儀式を行います。
 ところがうまく行きません。それもそのはず、悪魔の手先の手先であるモッゲがスマホの画面を反転させていたのです。そのため現世に行くはずだった良い霊は冥界へ、冥界へ行くはずだった悪い霊は現世に来てしまいました。
 カレンはブルワーをせき立てて逃げようとします。すると異世界にいたはずのモナが目の前に現れ、キングダム病院のミニチュアが入ったスノードームを頂戴と言います。
 カレンは断りますが、まさにそのときカレンの頭に入った電極に電気が走ります。
 えーっと、これも説明が必要ですね。目玉を自由自在にくり抜ける医師ネイヴァーはカレンの夢遊病の治療として前頭葉を切り取る手術をするつもりでした。ところが同じ日、別の男性の頭に電極を入れる手術も予定していました。
 カレンとその男性の名前はカルテではどちらも「K.スヴェンソン」と記されていたので、二人は取り違えられ、カレンは頭に電極を入れられてしまいました。
 その電極のスイッチはヘルマーJrが持っていたのですが、ヘルマーJrは病院を辞め、スイッチだけがヘルマーJrの執務室に残されていました。
 で、執務室でつけっぱなしになっていたテレビを消そうとした女医がちょうどその瞬間にテレビのリモコンだと思ってスイッチを押し、カレンの頭に電流が走ったというわけです(長い説明だ)。
 そのためカレンは体が痙攣し、スノードームを壊してしまいます。スノードームの中の病院のミニチュアが壊れるのと同時に、病院が壊れ始めます。
 カレンはブルワーに「逃げましょう。絶対に振り返ってはダメよ」と言いますが、ブルワーは振り返ってしまいます。
 すると……ブルワーは土塊となって風に煽られ崩れていきます(旧約聖書のロトの妻ですかね。まあロトの妻は塩の柱になるので、ちょっと違いますが)。
 カレンは運転手のいないタクシー(?)に乗って自宅に帰りベッドに入りますが、ベッドは急に燃え出し、どんどん下に沈んでいきます。
 そうこうしている間に病院には幽霊ヘリが到着します。悪魔の手先のウィレム・デフォーがヘリに乗っている人物を丁重に迎えます。これが悪魔の王ということなのでしょう。
 悪魔の王を演じているのはなんと監督のラース・フォン・トリアー……なのだと思いますが、視聴者のうち何人がラース・フォン・トリアーの顔を知っているのでしょう。
 前二作では各回の終わりに若き日のラース・フォン・トリアーが登場していました。でもこの『エクソダス』ではラース・フォン・トリアーは厚いカーテンの後ろから靴の先を見せるだけで、声は聞こえますが姿は見せません。
 だから監督自身が映画に登場しても、「これ誰? どこのおっさん?」と思うだけです。
 監督こそが悪魔の王だったという意外な展開(?)は不発だったと言わざるを得ません。
 で、その後、ヘルマーJrが海に投げ込んだ牛乳パックが人魚姫の像の近くに流れ着く(ということはデンマーク側に流れ着いたということですね)シーンがあって、最後に「監督の注釈」として「すべては盗まれた」というメッセージが流れて全3シーズン、全部みると多分16時間くらいかかる『キングダム』三部作が完結します。
 なんじゃこりゃ……ですよね。
 「すべては盗まれた」って、誰が何を盗んだんですか。盗まれてスカスカのドラマになってしまったけど許してねということですか。
 でも決して不愉快ではありません。むしろ「おお、ここまでやったか。あっぱれあっぱれ」と爽快な気分です。
 もちろんラース・フォン・トリアーは暴走もし迷走もしています。でも、それでいいじゃないですか。『キングダム』はラース・フォン・トリアーの暴走・迷走を楽しむドラマです。
 それにたとえどんな形であれ、長い間未��だった物語を完結させたというのは大したものです。
 『ツイン・ピークス』のディヴィッド・リンチはラース・フォン・トリアーの爪の垢を煎じて飲めばいいのにと思います。
 
 
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m12gatsu · 1 month
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あきらか
過日、細君が海外旅行に出て退屈しているというAの家に転がり込んで痛飲した。奇しくもA宅は俺の職場から徒歩5分くらいのところに在って、退勤後にふらっと立ち寄れるのが俺もたいへんありがたい。この日はAが引き合わせてくれたシネフィルA氏(イニシャルが同じでややこしい)もいて、料理の上手い彼が手製の麻婆豆腐を振る舞ってくれるなどした。俺は福岡で買ったカールを手土産に持ってった。しぜん話題は最近観た映画に及び、大学で映画を専攻したというA氏は内情にも詳しく、ルックバック(58分)や黒沢清のChime(45分)といったコンパクトな上映時間が、今後しばらくは映画業界の流行りというか、ひとつのパッケージになっていくだろう、ということを予見的に述べていた。そもそも2時間がスタンダードである根拠すら俺は知らないけど、物語を語りきれないくらいだったら、なんぼでも長くすればええやん、というのが俺の気持ち。連ドラを全部繋げて映画として上映したラース・フォン・トリアーのキングダムみたいな例もあるわけで。ショート動画とかファスト映画とか、誰が何をそんなに急いでんのかね。スペクタクルの希求は観客の特権ではないのか。9月には濱口竜介の、10月にはタル・ベーラの特集上映がある。『親密さ』を、『サタンタンゴ』を観たことがないなら観た方がいいぜ。エンドロールの途中で席を立つな、スマホを見んな。
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kennak · 4 months
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本作がかなり厳しい年齢制限(18 歳以上対象)をかけられているのは 人体欠損などのビジュアル表現が理由だろうが、真の恐ろしさはそこではない。 主人公セヌアを悩ませる、のべくまくなしに耳元で話かける幻聴や、 眼前に広がる景色が悪夢か現実かが曖昧になっていく感覚が、 コントローラーを通してプレイヤー自身の体験となり、 精神状態においても徐々にセヌアと同化していく恐怖が本作の肝になっている。 開発者の推奨するヘッドホンを装着してのプレイは、バイノーラルサウンドに対応した幻聴を よりリアルに体験するためなのだろうが、 残虐な映画を見ていてふと「持っていかれる」感覚に襲われた経験のある人は素直に避けるが吉。
Xbox/Steam「Hellblade 2: Senua's Saga」侵食される恐怖と闘うトリアー風AVG - 忍之閻魔帳
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今年見て面白かった映画。最近はあまり新しい映画を観なくなっていたけど、今年は何度か映画館へ観に行って面白いものにも当たったので、来年も新しい映画観ていきたいな。
バービー
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変な感想を書いていたけど、とてもいい映画だったと思う。男女問わずおすすめ。Amazonでもレンタル始まってます。
イニシェリン島の精霊
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「面白いらしい」という話を複数の映画好きの人から聞いていたので気になっていた映画。残念ながら劇場公開には間に合わなかったけど、Amazonのレンタルで観た。
なんというか、すごく変な映画なんだけど、面白かった。色んな暗示みたいなのもあるのかもしれないけど、ストレートに絶対分かりあえない人もいる、ということでも面白いかなと思った。分かりあえない、というのはレムのテーマにも近いかも…? コリン・ファレルってとにかく眉毛の印象が強い…(笑)
ジョーカー
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2019年の映画なのでやや古いんだけど、すごくよかった。てっきりバットマンのスピンオフみたいな話なのかなと思っていたけど、むしろ現代版「タクシードライバー」という感じ。ロバート・デ・ニーロも出てたし。タクシードライバーはベトナム帰還兵についての話だったけど、ジョーカーは現代の格差社会とその底辺に住む人々についての映画という感じかな…。コメディアンとしてテレビに出るあたりの話はSNSでバズるとか有名になるとかの話とも取れそう。
一応ちょいちょいバットマン要素も入っているけど、バットマン全然観てない・知らないと言う人でも楽しめるのではないかなと思った。楽しむというか、結構きつい映画けど、とてもよかった。来年続編が出るらしいのでそちらも楽しみ。でも、方向性が変わるのかな…? いやしかしホアキン・フェニックスがほんとすごい…!
プリデスティネーション
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全然知らない映画だったけど、ロバート・ハインライン原作とのことで、軽い気持ちで観てみたら結構面白かった。途中でなんとなくネタというかラストの想像はつくけど、ここまで徹底してこのネタをやったのはなかなかない気がする。
イーサン・ホーク主演だけどハリウッド制作ではなくてオーストラリア映画のせいか、知名度はいまいちかもしれないけど、なかなかいい映画。原作のハインラインの「輪廻の蛇」も読んでみたいな。
タイムトラベルのエフェクトが信じられないくらいシンプル(笑)
コズモポリス
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すごく面白かった!というわけではないんだけど、なんだかすごく不思議な映画だった。クローネンバーグだけど怖いシーンやグロいシーンもほぼなく、ほぼリムジンの中の会話のみ。主役のロバート・パティンソンが若すぎて合わないのでは…と最初思ったけど、なんか人工的な違和感を出したくてこのキャスティングなのかな…。これも原作小説(ドン・デリーロの"コズモポリス")があるそうで、機会があれば読んでみたい。
<番外編>
以前観たことがあったけど今年見直してやっぱりいいなと思った映画。
エクソシスト
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ゲームのFAITHをやった流れで「ヴァチカンのエクソシスト」と合わせて見直してみた。いまやエクソシストものというとひたすら怖い悪魔とかグロい戦いとかの映像表現が多い気がするけど、元祖エクソシストはものすごくクールでかっこよかった。HDで観れたのも良かったのかもしれないけど、映像的にもあまり古さを感じさせない気がした。FAITHのネタっぽいのも分かってよかった。
今回見るまで知らなかったけど、オリジナル版とディレクターズカット版があるそう。自分が今回観たのはオリジナル版で、有名な「スパイダーウォーク」がないバージョンだった。ただ、ディレクターズカット版はラストが結構違うようで、そちらも観てみたいかも…。
ラース・フォン・トリアーのヨーロッパ三部作 (エレメント・オブ・クライム、エピデミック、ヨーロッパ)
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これはすでに書いてた。 そういえば「ヨーロッパ」は展開がソローキンぽいかもしれない…。
惑星ソラリス
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小説の新訳版ソラリスを読む前にブルーレイを買って観ていた。 ストーリーについては原作を読むとだいぶ違うな…と思う部分はあるものの、やはり映像のきれいさはすごいと思う。ブルーレイ買って正解だった。
新しい映画も観たいけど、古いので観てないのもあるし、見返したいのもあるし、ほんときりがない…。
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ophelia333k · 2 years
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2023.03.23 逃走線を引く、存在の耐えがたきサルサ
 Twitter、「おすすめ」欄にずっと、キメセクとMDMAとChatGPTと、ときどき大江健三郎のツイートが流れてくる、という感じだった。別に「おすすめ」欄があって、そこで勝手にツイートをおすすめされることそのものは許せるけれど、自分のツイートがあの欄に表示される可能性があると思うと嫌な気持ちになる。あと、最近のTwitterって、メタゲームじみた空気感で、人を属性やパターンへと還元していくような流れがあって窮屈かもしれない。こういうことをTwitterで言ったとしてもそれはTwitterに回収されてしまうから、ここみたいな一応の「外部」にしか何も書くことができない。
 
 ツイッターをやめる、とは言わないまでも、距離を取る、という意識がずっとある。元々、インターネットは2001年の『リリイ・シュシュのすべて』で描かれているような、鬱屈した現実からの出口だったわけだけど、もはやインターネットは現実そのものと癒着してしまって、インターネットそのものから「現実」へと逃走しなければならないという転倒が生じてしまっている。
 
 ***
 
 そういえば、6日前に「INTERNET YAMERO」が出た。
 行われているのはある種のカルチャーのサンプリングなわけだけど、どのカルチャーもそれなりに自分幼い頃から体験してきたものだから、ほとんどオートマチックに快感を覚えてしまう部分はある。強制的に脳を弄りまわされるような。内容というよりかはアプローチとして、「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」とか「物凄い狂っとるフランちゃんが物凄いうた」辺りを思い出した。
 
 作中に「甘い夢を見せてよマイスリー」という歌詞があるように、インターネットと精神薬が癒着しているわけだけど、元々そういうカルチャーはオタク、というよりかはサブカルの領域との接点が多かった気がしていて、日本においてそれを広めた元祖は中島らも辺りなのかな。日本では違法の薬がそれほど出回らなかったからこそ、市販薬のODもしくは向精神薬の濫用が流行った、と整理しちゃいそうだけど、海外ではどうだったのだろう。少なくとも睡眠薬はどこでも濫用されるに決まっている。
 というか、濫用あるいは乱用、という言葉自体に反感を感じてきている。もちろん、明確にダメなラインは確かに存在する(自分もそれを経験しているから)。でも、睡眠薬を濫用する、とは言うけれど、正常な使い方とは何なんだろう。どんな薬にしても、私たちの身体の力能を増大させうる(つまり、私たちの身体が行いうることを最大化する)限りではそれは間違っているはずがない。その意味で言えば、覚醒剤でさえ私たちの身体の力能を増大さえうる、けれど、やっぱり程度の問題で、使いすぎれば身体の力能は減少していく。その意味では、LSDにせよ覚醒剤にせよ睡眠薬にせよテトラヒドロカンナビロールにせよ、私たちの身体が壊れず、その力能を減少させない程度で、身体の力能が増大するそのギリギリのラインでそれらを使い続ける必要がある(たとえばLSDは摂取しすぎるとあまりにも身体が「やわらかく」なりすぎてしまう。そして、あまりにもやわらかくなり過ぎた身体は何を為すこともできない。マイクロドーズする身体のことを考える。
 かなり脱線してしまった。結局のところ、サブカルな人たちもオタクな人たちも、インターネットが一定以上普及してからはどちらもインターネットを通じて交わるようになるわけで、そうなるとサブカルもオタクもインターネットに合流することになる。そして、その区別も曖昧になったのかもしれない。
 自分にとってマイスリーが関係する曲といえば神聖かまってちゃんの「マイスリーぜんぶゆめ」と、ひがしやしきの「マイスリー全部飲め」だったのだけど、これからは「INTERNET YAMERO」のことも思い出してしまうのだろうね。
 
 ***
 
 村上龍の対談集である『存在の耐えがたきサルサ』を読んでいる。
 お目当ては、村上龍と、中上健次、柄谷行人、坂本龍一、浅田彰、蓮實重彦との対談。
 まずは浅田彰との対談を読んでいるけれど、浅田彰がニーチェの言う強者は「マイノリティで、マジョリティに迫害されながらも、それをルサンチマンに変えずに逃走し続ける人」だと述べるのに対して、それを「強者というのは特権的に危機感を持っている人間」だとパラフレーズするところに村上龍を感じた。
 
 さらにこれを自分なりにパラフレーズするのなら、ニーチェの言う「強者」というのは、ある不可能性の壁のようなものによって阻まれながらも、その絶望的な状況に対して絶えず逃走線を引く者のことだと思う(もちろん、これは間にドゥルーズを介している)。さらに言えば、それは現実的(actual)な次元において絶望的な、不可能性の壁に阻まれながら、潜在的(virtuel)な次元において逃走線を引き、最大限に創造的である者のこと。
 浅田彰は「エイズになって、免疫系全開で外部に晒されながらも、創造的に生き続けている人」の例を挙げるけれど、まさにそのような状態。黒人たちのロックンロールあるいはHiphopもそうだし、ラース・フォン・トリアーの『ダンサー・イン・ザ・ダーク』で、死刑を待つ中の獄中で、換気扇から聴こえてくる讃美歌で歌い踊る妄想をするエルマもそう。あるいはゴッホだってそう。
 対談の中で村上龍は「特権的に危機感を持っている人」という話から、魚から両生類の進化の例を挙げるけれど、ドゥルーズが明確にベルクソンのエラン・ヴィタール(生命の飛躍)の線の流れにいることを思うと、進化の話を持ち出してきたのは鋭くて、進化というのも、その環境の有限性の中で、つまりはアクチュアルな絶望、不可能性の壁の中で、逃走線を引くということ。あるいは、その潜在性を最大限に発揮するということ。
 
〈本当の意味でニーチェ的な強者ってのは、一番マイナーで、外に曝されてて、けれども、曝されている中で何とかいろいろなものをピック・アップして組み合わせて新しいものをつくり出していく、そういう存在なんだということは重要だ〉(『存在の耐えがたきサルサ』、p172)
 ***
 
 自分はずっとそうだけど、朝起きてからお昼、そして夕方に至るまで、18時くらいになるまでほんとうに何もすることができない。起立性低血圧とかも関係しているかもしれないけど、異常なくらいに何もすることができない。本調子が出るのは、23時~午前2時までの3時間くらいだけで、それすらも数日に一回くらいしかない。
 ***
 インターネット・ガールとインターネット・ボーイ。虹色の女はマンションの屋上から落下しては、再び逆再生されて、マンションの屋上へと戻ってくる。落下と再生を一万回繰り返す。虹色の女は肉塊に��っては、また人間に戻って、また肉塊へと戻る。すべては同じことの繰り返しだけれど、たましいだけが1gずつ減っていく。
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ryotarox · 5 months
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ポゴレリッチの演奏は、物理的なスピードがどうあれ、とにかく流れないのだ。 「生きられる時間」(ミンコフスキー)としての「持続」(ベルクソン)は寸断され空間化される。そこに広がる「時間の廃墟」に、時には思いのほか混濁した、しかし時には驚異的に美しい音響のオブジェ(聴き/弾き慣れた音型もゲシュタルトとして知覚できず、耳慣れないオブジェと化す)が散乱しているといった風なのだ。 ピアニストに導かれてそこを横断してゆくことは、文字通り息詰る、しかしそれだけにスリリングな体験だった。 (逆に、やはりテンポが遅いことで知られるヴァレリー・アファナシエフの演奏はどんなに遅くとも流れることをやめない。アファナシエフがブラームスの晩年の小品群[作品116・117・118・119]を続けて弾くリサイタルは現在ライヴで聴くことのできる最も素晴らしいコンサートのひとつだが、かつてそれが京都コンサートホールで開催されたとき木村敏を招いたところ、アファナシエフの演奏をメランコリックと呼ぶ私の用語法は精神医学的には問題があると指摘された[一般的な意味でメランコリックと呼ぶことは許されるだろうが]。 その意味では、現在のポゴレリッチの演奏こそメランコリックと呼ぶべきかもしれない。 ラルス・フォン・トリアーの『メランコリア』は、粘着性を増して停止しそうになる鬱病の時間を描こうとした作品だが、音楽にヴァーグナーの『トリスタンとイゾルデ』を選んだため良かれ悪しかれ華麗な映像詩となった。そこでポゴレリッチのピアノが選ばれていたとしたらどうだったろう。)
REALKYOTO – CULTURAL SEARCH ENGINE » ポゴレリッチと「時間の廃墟」
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Ivo Pogorelichの "6 Piano Pieces, Op. 118: II. Intermezzo in A" をApple Musicで聴こう。
Valery Afanassievの "6 Klavierstücke, Op. 118: No. 2, Intermezzo in A Major" をApple Musicで聴こう。
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movieslover-fan · 1 year
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ラース・フォン・トリアー作、社会現象を巻き起こした伝説の北欧ホラー映画『キングダム』1&2おさらい動画
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tentama · 2 years
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20230129
東京都美術館で『エゴン・シーレ展』を観てきたのだけど、同時代作家のコーナーがぽんぽん差し込まれてて展示がぶつ切りになってるの残念だった。シーレのゲスい絵を連続で観たくて行ったのにリズムが狂う。シーレの絵の生々しいタッチは見れてよかったし(特に印刷だと単色に見える箇所の艶めかしいマテリアル)、会場に所々掲示されてるシーレの気色悪い言葉もよかった。それにしても、自画像の多い作家だとは知ってたけど、多すぎなのでは。確信犯的な女癖の悪さも含めて私小説的で、極めて一方的な視点による出力だ。その出力が強すぎる。眩く暗い。
Amazon Prime で前から観ようと思っていた『ライトハウス』を観た。観たら気落ちしそうな作品なので、なんか観るタイミングを逸していたが、監督のロバート・エガースの新作が映画館で上映中なのでいい機会だと思い覚悟を決めて視聴。予想以上にサイコスリラー。マジカルな映画で、海外のインディーゲームっぽいというか、狭くて濃密で神話的な多層性のある世界があった。エガース監督作は初めて観るけど、暗喩の連続や舞台設計の理屈っぽさ、性の描写も含めてラース・フォン・トリアーっぽく、崇高な馬鹿馬鹿しさを感じた。話者である主人公の主観で会話と映像が進むけど、それが信用ならないという意味では、以前日記に書いた『ニンフォマニアック』に似た構図だなとも思った。というか、ちんことまんこっぽい何かの映画なので、似てるのも当たり前か。
今日の一曲
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22centuryworks · 2 years
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「惑う星」 [著]リチャード・パワーズ
 「僕たちすごいところにいるよ。信じられる?」
 人類は誤った道から引き返せるだろうか。地球の見方を変える傑作である。(江南亜美子)
さすらいのボンボンキャンディ@チネ・ラヴィータ
今日、「さすらいのボンボンキャンディ」(サトウトシキ監督)に主演の影山祐子さんという女優がチネ・ラヴィータに来た。私は影山さんのことは���然存じ上げていなかったが、本当に素敵だった。えっ?客層がピンク映画の雰囲気だけど大丈夫? 主人公の奇行に「こんな女性いる?」とさいしょは「?」のオンパレードだった。だが進行するにつれ、妙に〝しっくりくる〟感じはあり、奇行が過ぎる点も多々あったが(後でロビーで沢山質問してしまった)、複数回みたいと思わせる上品な味わいだった。東陽一監督の「ザ・レイプ」の田中裕子さんを想像してほしい。素敵な声と演技力、綺麗すぎる身体。「ザ・レイプ」が好きなヒトなら、この映画は絶対好きだと思う。
昨年話題になり、レナーテ・レインスヴェがカンヌで主演女優賞を受賞した「わたしは最悪。」(ヨアキム・トリアー監督)より、こちらの方が面白いことは確かだ。2019年に撮影され、2022年秋に封切られている「さすらいのボンボンキャンディ」はマスクもコンドームも付けずに、34歳の女性が路上で白昼堂々、一升瓶で紙コップに酒を注ぎ呑んで、一切悪びれない。そういう映画だ。影山祐子さんは「フリーで活動する女優」という不思議なポジションの方で、元は監督志望だったという。影山さんの出演する作品がこの世界に1本でも増えることを期待する。
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notebookonji · 2 years
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2022年 DVDなどで観た映画
2022年にDVDやウェブなどで観た映画のリスト。全104本。 今年は連続ドラマもよく観たので、それらシリーズも一緒に記す。
作品タイトル(制作年/制作国/監督名) ★は私の超おすすめ (私は、簡単な鑑賞メモを手帳につけていて、その際、個人的な好みを5点満点で採点してます。★は5点を付けた作品です)
ドッグヴィル(2003/デンマーク+ノルウェー+フィンランド+スウェーデン/ラース・フォン・トリアー) マンダレイ(2005/デンマーク+スウェーデン+オランダ+フランス+ドイツ+イギリス+イタリア/ラース・フォン・トリアー) ビューティフル・マインド(2001/アメリカ/ロン・ハワード) 東京裁判(1983/日本/小林正樹) 台風クラブ(1985/日本/相米慎二) 音楽(2020/日本/岩井澤健治) 楢山節考(1983/日本/今村昌平) 楢山節考(1958/日本/木下惠介)★ エール!(2014/フランス/エリック・ラルティゴ) 男はつらいよ(1969/日本/山田洋次) 続・男はつらいよ(1969/日本/山田洋次) 男はつらいよ フーテンの寅(1970/日本/森崎東) 新・男はつらいよ(1970/日本/小林俊一) 男はつらいよ 望郷篇(1970/日本/山田洋次) 男はつらいよ 純情篇(1971/日本/山田洋次) 男はつらいよ 奮闘篇(1971/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎恋歌(1971/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎柴又慕情(1972/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎夢枕(1972/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎忘れな草(1973/日本/山田洋次) 男はつらいよ 私の寅さん(1973/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎恋やつれ(1974/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎子守唄(1974/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎相合い傘(1975/日本/山田洋次) 男はつらいよ 葛飾立志篇(1975/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け(1976/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎純情詩集(1976/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎と殿様(1977/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎頑張れ!(1977/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく(1978/日本/山田洋次) 男はつらいよ 噂の寅次郎(1978/日本/山田洋次) 男はつらいよ 翔んでる寅次郎(1979/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎春の夢(1979/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花(1980/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎かもめ歌(1980/日本/山田洋次) 男はつらいよ なにわの恋の寅次郎(1981/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎紙風船(1981/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋(1982/日本/山田洋次) 男はつらいよ 花も嵐も寅次郎(1982/日本/山田洋次) 男はつらいよ 旅と女と寅次郎(1983/日本/山田洋次) 男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎(1983/日本/山田洋次) 男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎(1984/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎真実一路(1984/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎恋愛塾(1985/日本/山田洋次) 男はつらいよ 柴又より愛をこめて(1985/日本/山田洋次) 男はつらいよ 幸福の青い鳥(1986/日本/山田洋次) 男はつらいよ 知床慕情(1987/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎物語(1987/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日(1988/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎心の旅路(1989/日本/山田洋次) 男はつらいよ ぼくの伯父さん(1989/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎の休日(1990/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎の告白(1991/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎の青春(1992/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎の縁談(1993/日本/山田洋次) 男はつらいよ 拝啓車寅次郎様(1994/日本/山田洋次) 男はつらいよ 寅次郎紅の花(1995/日本/山田洋次) 男はつらいよ[特別篇]寅次郎ハイビスカスの花(1997/日本/山田洋次) 男はつらいよ お帰り寅さん(2019/日本/山田洋次) 家族ゲーム(1983/日本/森田芳光) 少女ポリーナと7つの迷宮(2019/ウクライナ+ベルギー/オリアス・バルコ) 悪名(1961/日本/田中徳三) 続・悪名(1961/日本/田中徳三) 新・悪名(1962/日本/森一生) 続・新悪名(1962/日本/田中徳三) 第三の悪名(1963/日本/田中徳三) 悪名市場(1963/日本/森一生) 悪名波止場(1963/日本/森一生) 悪名一番(1963/日本/田中徳三) 悪名太鼓(1964/日本/森一生) 悪名幟(1965/日本/田中徳三) 悪名無敵(1965/日本/田中徳三) 悪名桜(1966/日本/田中徳三) 悪名一代(1967/日本/安田公義) 悪名十八番(1968/日本/森一生) 悪名一番勝負(1969/日本/マキノ雅弘) 破門 ふたりのヤクビョーガミ(2017/日本/小林聖太郎) 私は殺される(1948/アメリカ/アナトール・リトヴァク) 蛇の穴(1948/アメリカ/アナトール・リトヴァク) 狐狼の血(2018/日本/白石和彌) 狐狼の血 LEVEL 2(2021/日本/白石和彌) コロンバス(2020/アメリカ/コゴナダ) トップガン(1986/アメリカ/トニー・スコット) ちょっと思い出しただけ(2022/日本/松居大悟) シェルブールの雨傘(1964/フランス+西ドイツ/ジャック・ドゥミ) 原爆の子(1952/日本/新藤兼人) 縮図(1953/日本/新藤兼人) どぶ(1954/日本/新藤兼人) 第五福竜丸(1959/日本/新藤兼人) 人間(1962/日本/新藤兼人) 母(1963/日本/新藤兼人) 鬼婆(1964/日本/新藤兼人) 悪党(1965/日本/新藤兼人) 藪の中の黒猫(1968/日本/新藤兼人) ファーストマン(2018/アメリカ/デミアン・チャゼル) mid 90′s(2018/アメリカ/ジョナ・ヒル) ゲット・アウト(2017/アメリカ/ジョーダン・ピール) アス(2019/アメリカ/ジョーダン・ピール) ザ・マジック・アワー(2008/日本/三谷幸喜) バッド・ジーニアス(2017/タイ/ナタウット・バズ・プーンピリヤ) そしてバトンは渡された(2021/日本/前田哲) シン・ウルトラマン(2022/日本/樋口真嗣) 彼女とTGV(2016/スイス/ティモ・ボン・グンテン) ダゲール街の人々(1976/フランス/アニエス・ヴァルダ)
【連続ドラマ】 破門 -疫病神シリーズ-(全8回/2015/日本)★ 螻蛄 -疫病神シリーズ-(全5回/2016/日本)★ パチンコ (全8回/2022/アメリカ/コゴナダ+ジャスティン・チョン) 平家物語(アニメ全11回/2022/日本/山田尚子) テヘラン(全8回/2020/イスラエル/ダニエル・シルキン) 大豆田とわ子と三人の元夫(全10回/2021/日本) MIU404(全11回/2020/日本) 空白を満たしなさい(全5回/2022/日本) タイガー&ドラゴン(全11回/2005/日本) 俺の家の話(全10回/2022/日本) エルピス(全10回/2022/日本)
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team-ginga · 11 months
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映画『キングダム エクソダス(脱出)』
 Wowowでラース・フォン・トリアー監督のテレビドラマ『キングダム エクソダス(脱出)』(2022)を見ました。
 『キングダム』シリーズの三作目にして完結編です。
 ファーストシーズンが1994年、セカンドシーズンが1997年ですから、ファーストシーズンから数えて28年、セカンドシーズンから数えても25年が経っているわけです。
 ヘルマー医師を演じたエルンスト・フーゴ・イエアゴーはすでに死去、ドルッセ夫人を演じたキルステン・ロルフェスの生死はわかりませんが、年齢を考えれば亡くなっていても不思議はありません。
 前作の登場人物で続けて登場しているのは……リトル・ブラザーを産んだユディット、巨大化してビッグ・ブラザーと名前を変えた(?)リトル・ブラザー、ユディットの恋人でありことあるごとにヘルマーと対立していたクロウスホイかな。
 ヘルマーの愛人であった女医や解剖用の遺体の首を切り取って持っていた医学生のモッゲも出ていますが、私の顔認識能力が低いこともあってすぐにはわかりませんでした。
 物語は深夜、カレンという老婆がテレビで『キングダム』を見ているところから始まります。
 カレンは「これじゃダメよ。こんなの中途半端よ」と言ってキングダム病院へ向かいます。我々視聴者の気持ちを代弁してくれたわけで、「よう言うた! 褒めてつかわす」ですね。
 カレンは病院の警備員(なのかな)と話して中へ入れてもらおうとしますが、当然ながら入れてもらえません。警備員は「そういう人が来るのは久しぶりだ。ドラマのせいで病院の評判が落ちた。全てはフィクションでラース・フォン・トリアーの妄想��のに」と言います。
 なるほど、そうきたか。そういう設定なんですね。
 でもフクロウが飛んで(なぜ病院の中にフクロウがいるのかわかりませんが、いるのだから仕方ありません)不思議な力が働いたのか、回転扉が勝手に動き出し、カレンは病院内に入ることができます。
 カレンは病院内をさまよううちに地下で何かの彫像を見つけます。ラストでも出てきますが、この彫像、一体何の彫像なんでしょう。よくわかりませんが、「エクソダスは両刃の刀なり」という文字が刻んであります。
 気を失っているカレンを病院の職員ブルワー(だっけ)が見つけます。ブルワーはカレンを気に入ったのか病院のコンピュータをハッキングしている女性カレに頼んでカレンを夢遊病患者として入院させます。
 カレンは実際、夢遊病患者であり、霊能力者でもあります。つまり前二作のドルッセ夫人の役回りで、ブルワーは夫人の息子の役回りというわけです。
 前作では幽霊救急車、つまり病院に来ているはずなのに迎えに出るとどこにも姿がない救急車が出ていましたが、今作ではそれが幽霊ヘリコプターにバージョンアップ(?)されています。で、そのヘリコプターに乗って現れるのがヘルマー医師の息子ヘルマーJrです。
 前二作同様に群像劇で、パソコンでトランプの一人遊びばかりしている院長や、冷凍のエンドウ豆を枕に昼寝をする習慣があるポントビタン医師長や、ポントピタンがエレベーターに乗るたびに現れ、ポントピタンに話しかけてくる車椅子の女性(これが前二作でヘルマーの愛人だった女医のようです)や、「警察に訴えてやろうか。それとも病院中のチョコレートを買い占めて食べさせてやろうか」というような変わった言葉使いをする医師ネイヴァー(彼は自分の目玉をスプーンでくり抜いて、また元通りに戻すという荒技ができます)などの人物も登場しますが、物語の軸になるのは、カレンの物語とヘルマーJrの物語です。
 比較的シンプルでわかりやすいヘルマーJrの物語からいきましょう(あ、当然ながら以下ではネタバレしています。ご注意を)。
 ヘルマーJrはことあるごとに「デンマーク人はクソだ」と言っていた父親に輪をかけてデンマーク嫌いのスウェーデン人ですが、父親の死の真相を知るためにキングダム病院に赴任して来ました。
 そんな彼のあとをアンナという女医がずっとついてまわります。気があるのか……って誰でも思いますよね。ヘルマーJrもそう思って、執務室で二人きりのときに「お尻をぶってもいいかな?」というメールをアンナに送ります(お尻フェチなんでしょうか。本人が目の前にいるのになぜメールを送るのかわかりませんが、送るんだから仕方ありません)。
 アンナはスカートを捲り上げて「右のお尻がいい? 左がいい?」と色っぽく言った後、態度を豹変させ「弁護士に訴えます」と言います。
 困ったヘルマーJrは、病院内のトイレで開業している(!?)スウェーデン人の弁護士に相談しますが、弁護士はアンナの代理人でもある(?)ため「言われた通り示談に応じなさい」と言われてしまいます。
 そんなことがあってもアンナはヘルマーJrにつきまとうのをやめません。あるときアンナはずっとズボンの前を手に持っています。病院用のズボンが大きすぎるので、持っていないと落ちてしまうのだそうです。
 アンナとヘルマーJrは二人でエレベーターに乗り込みます。すると突然停電し、アンナは床にヘビがいると思って(なぜそう思ったのかわかりませんが、思ってしまったのだから仕方ありません)、一緒にいたヘルマーJrに抱きつきます。当然ズボンが落ちて、下半身は剥き出しになります。
 その瞬間、電気がつきエレベータの扉が開きます。外にいるのはドラマ『キングダム』のファンで病院見学に来た観光客たちーー多くは日本人でみんなスマホで写真を撮ります(この辺り完全にコメディーです)。
 恥をかいたアンナはヘルマーJrにレイプされたと弁護士に訴え、ヘルマーJrは再度賠償金を払う羽目になります。
 キングダム病院にはスウェーデン人のコミュニティーがあります。ヘルマーJrはアンナの仲介で(アンナもスウェーデン人のようです)コミュニティーに参加します。
 ヘルマーJrは、目玉を自由自在にくり抜くことができるネイヴァー医師と喧嘩になり一方的に殴られます。警察に訴えると息巻くヘルマーJrをポントピタンが宥め、伝統に従って内々で裁判を開くことになります。
 「ひきがえる」、「阿片窟」から裁判長と陪審員がやってきます。この「ひきがえる」、「阿片窟」が何を意味するかは後で明らかになります。前二作にいた医師クロウスホイが歳をとって引退した医師たちをドアに「ひきがえる」と書かれた部屋に集めて、そこでアヘンを吸わせていたのです。
 老いさらばえた裁判長は、「昔ある村で鍛冶屋が殺人を犯した。しかしその村には鍛冶屋は一人しかいない。鍛冶屋がいなくなると村は困ってしまう。村にはパン屋が二人いた。そこで裁判長は鍛冶屋の代わりにパン屋を死刑にした」という故事を持ち出し、ネイヴァーの有罪は明らかだが、ネイヴァーはナントカの専門家で一人しかいないから、代わりにヘルマーJrに罰を与えるという判決を出して、そのまま息を引き取ります(無茶苦茶な話ですが、この辺りはナンセンス・コメディーだと思ってください)。
 そのためヘルマーJrは、木の枠で頭と両手を固定され、周囲をみんなが踊りながら尻を蹴り上げるというこれまた無茶苦茶な罰を受けることになります。
 怒ったヘルマーJrは、スウェーデン人のコミュニティーに反乱を呼びかけます。名付けてバルバロッサ作戦ーーできるだけ仕事をサボって病院の業務に支障が出るようにするという作戦ですが、あまり効果はありません。
 反乱にはやはり武器が必要だと言うヘルマーJrにアンナがピストルを差し出します。翌日、ヘルマーJrは神経外科の会議でポントピタンに銃を向けます。
 そのタイミングでヘルマーJrのスマホにメールが来ます。「父ヘルマー・シニアはデンマーク人だった」というメールで、デンマーク嫌いのヘルマーJrからすれば非常にショッキングな情報ですが、ヘルマーJrはそのままポントピタンを撃ちます。
 でも銃口からは水しか出て来ません。アンナが渡したピストルは本物そっくりの水鉄砲だったのです。
 ヘルマーJrとアンナに前回と同じ刑罰ーー頭と両手を拘束されてみんなからお尻を蹴られる刑罰ーーが与えられた後、再度スウェーデン人コミュニティーの会合が開かれます。目玉を自由自在にくり抜けるネイヴァーが目玉を手に持って覗いています。
 ヘルマーJrは病院のコンピュータをハッキングしている職員カレが腰に差している拳銃を抜き取り、ネイヴァーを撃ちます。今度は本物の拳銃だったらしく、弾はネイヴァーの眉間にあたり、ネイヴァーは死んでしまいますが、病院の伝統に従ってこれもまた内々に処理されることになります(おい、それでいいのか!?)。
 ヘルマーJrはまた車椅子の女性から父親の墓の場所を聞き出し、墓を掘り返します。すると牛乳パックに入った父の遺骨が出てきます(なぜ遺灰が牛乳パックに入っているのかについての説明はありません。また、墓を掘り返したのが見つかったら「事件」になるはずですが、そうはなりません)。
 牛乳パックは掃除夫が捨ててしまいゴミとして処理されてしまいますが、その前にアンナが別のパックとすり替えていました(なんというご都合主義!)。アンナは何もかも嫌になり病院を辞めてスウェーデンに帰ろうとしているヘルマーJrに牛乳パックを渡し、彼の車の助手席に強引に乗り込みます。
 なんだやっぱり好きだったのかーーと言いたくなりますが、『キングダム』はもちろん恋愛ドラマではありません。ヘルマーJrの車はデンマークとスウェーデンを結ぶ橋を渡る途中、巨大な彫像(大きさは違いますが、最初に出てきた訳のわからない彫像です)に行く手を阻まれUターンを繰り返します。
 ヘルマーJrはデンマークとスウェーデンのちょうど中間で車を停め、父親の遺灰の入った牛乳パックを海に投げて「デンマークかスウェーデンかは海が決めればいい」と言います。
 おお、なかなか感動的なシーンだーーと言いたくなりますが、『キングダム』はもちろん感動ドラマではありません。車に乗り込み発車させると、突如目の前に巨大な彫像が現れ、ヘルマーJrとアンナの乗った車は彫像に激突、大破します。
 ふーっ疲れた。
 ヘルマーJrの物語をまとめるだけでこんなに長くなるとは。
 カレンの物語はもっと長くて複雑なんですが……
 とりあえずここで一旦切ります。
追記:  デンマークとスウェーデンってそんなに仲が悪いんでしょうか。  まあ隣国同士は仲が悪いというのはよくあることですが、ここまで露骨に描いて大丈夫なのでしょうか。  日本と韓国、日本と中国も仲がいいとは言えませんが、こんなこと日本のテレビドラマでやったら大騒ぎになるだろうと思います。
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straycatboogie · 2 years
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2022/11/13
「40代になっていろいろエネルギーが減ってきた」というアルファブロガーの述懐を読んだ。私のことを考えた。私はカフカのように40で死のうと思って生きていたので、ずいぶん酒に溺れて傍迷惑な生き方をしてきた。その40の歳に酒を止めて、シラフで人生を全うする生き方に切り替えた。それと同時に映画を観始め、発達障害を考えるミーティングにも参加するようになった。ある意味、私の今の人生は40になってから始まったようなものである。いやもちろん、生き方なんて「人それぞれ」でナンバーガールのフロントマン・向井秀徳が歌うように「正解はない」わけだけれど、私の人生においてはエネルギーは質を変えこそすれ平常に保たれているようだ。
今日は休みだった。朝、木曜日のオンラインミーティングで発表するためにブルース・スプリングスティーンの「ボーン・イン・ザ・USA」について調べる。そして私なりに歌詞を訳すことも試みた。タイトルを虚心に訳すなら「おれはアメリカに生まれた」となるが、むしろ「アメリカがおれを生んだ」と解釈してもバチは当たらないのではないかと思いそう訳してみた。あまりこの歌について書くとネタを割ってしまうことになるが、村上春樹だったかが言った「ロック史上最も誤解された曲」という形容はまったくその通りだなと思う。なのでその形容をタイトルに頂戴してしまった。
その後昼食を摂り昼寝をした後、ネットフリックスでアンドリュー・ドミニク『ブロンド』を観る。実はこの映画、ロッテントマトやFilmarksで相当に評判が悪いようだ。それもむべなるかなと思った。端的に長過ぎる。そしてその長い上映時間で延々と主人公が体感した悪夢的な世界を鑑賞させられる。カタルシスを感じる瞬間は皆無と言ってもいい。手ブレも生々しいカメラワークやこうした悪夢的な主観の描写にラース・フォン・トリアーに似たものを感じた。だが、トリアーの映画はむしろ評判がいいので私の当てずっぽうは間違っているのかもしれない。いや、間違っていて何らおかしくはないのだが。
夜、ブルース・スプリングスティーン&トム・ジニー『ウエスタン・スターズ』を観る。「ボス」もすでに70代。なのに旺盛に活動を続けるそのストイシズムには脱帽する他ない。この映画ではまろやかで芳醇な彼の音楽を楽しむことができ、そして彼の人生哲学に肉薄することもできる。結局「芯」がしっかりしている人が強いのだな、と思った(まあ「わかりきった」ことではあるのだけれど)。私も読んだり観たりといったことをこの日記の中軸に据えて、もっと「外側」に目を向けたことを書いていく必要があるのかなあと反省する。これから「少しだけやり方を変えてみるのさ」(佐野元春)という心意気で変わっていければと思う。
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takenabe26 · 5 years
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BR442 / Trier Hbf / 30. 9 2013
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ラース・フォン・トリアーの「ヨーロッパ3部作」のBlu-rayを観た。
元々好きで3枚ともDVDは持っていたけど、画質がかなり悪くてBlu-rayほしいけどでないだろうなあ…と思っていたのでびっくりしたけど嬉しかった。さすがクライテリオン…! あくまでアメリカ版なので残念ながら日本語字幕はないけど、英語字幕はついてるし、何度か観ている映画なのでなんとなくは分かった。 でもエピデミックとヨーロッパは英語以外の言語が使われることが多いので、音声はドイツ語、字幕は英語、自分が分かるのは日本語…とかって感じでやや混乱した。英語がよく聞き取れるわけではないんだけど…。
「エレメント・オブ・クライム」
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元々この映画を最初に観て残りの2本存在を知った。そして3作の中で一番好きな映画。なんだかじめじめしてずっと暗いしあまり気持ちのいい映画ではないんだけど、やっぱりよかった。とにかくBlu-rayになって映像がきれい…! 全編ナトリウムランプの金色っぽい感じがカラーとも白黒とも違って何とも言えない。時々入るシアンもいい。ストーリーは難しそうな雰囲気があるけど、実は結構シンプル。
「エピデミック」
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映画の脚本を書いている二人組(実際の監督であるラース・フォン・トリアーと脚本家のニルス・ヴァセルがそのまま出演)の現実シーンと、その脚本が映像化された映画シーン(こっちの主役もラース・フォン・トリアー)が交互に出てくる映画。現実パートの方は16mmフィルムが使われていて映像がかなり荒い。Blu-rayで余計に粒子感が増したけど、これはもともとこういう意図なんだろうな。映像化パートのシーンが結構きれいなので、もうちょっとこっちの分量が多くてもよかったかなと思った。ややグロいシーンあり。
「ヨーロッパ」
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一番はエレメント・オブ・クライムと書いたけど、これも同じくらい好きかも。これはおそらく3本中一番予算があって、大掛かりな撮影がたくさんある。特に印象的なのはやっぱりプロジェクションかな。この使い方がすごくうまくて、プロジェクション側の人が次の瞬間手前に来たり、その逆があったりがとてもおもしろい。さらに奥が白黒で手前がカラー、のように色も変わったりするので不思議な感じ。これもBlu-rayで観られてよかったなあ。最後の展開は何度観てもえっ…ってなる…(笑)。最後以外はかなりオーソドックスなので、この3部作の中では一番見やすいと思う。
とにかくBlu-rayできれいな映像で観られてよかった。クライテリオンはデヴィッド・リンチのBlu-rayも出しているようなので、そっちもほしいな。
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3rdkztum · 2 years
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”メランコリア” 鬱病者のみる心地よい夢
”メランコリア” 鬱病者のみる心地よい夢
ラース・フォントリアーの新作だ。毎回毎回生々しい手振れカメラで陰鬱な物語をつむぐ監督だが、このシトはリアルのうつ病。今回の作品はうつ病復帰後2作目ということになるが、テーマは世界の終わり、人類の絶滅。終末の時・・ ※2012年ごろ書いた記事です (more…)
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