Tumgik
#捨てられる事なんてもう怖くないよ。まぁ多分。君が大丈夫だという事知りたいだけだけど
oivgbqiqfz358 · 22 days
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--深海人形-- 全人類綜前科者
※天にあるが如く地にも(※知らしめよ。ヒトが生まれ生きる事は完全なる悪である事を)。
※閲覧&キャラ崩壊注意
※ネタも話題も雑多(※闇鍋)。
※本誌バレネタあり。大変御注意を!!!!!!
新田ァアアアアアアアアアアア!!!!!!!!ワイさ、御前の事信じてたぜ!!!!!!!!!!!!!!!(※推し馬の単勝券が万馬券になった時の顔)。
…。
面倒臭い人達「各種リョナ、クロスオーバー、異世界転生&転移パロ、生存パロ嫌いです(※…と言うか、自分の癪に触る他人と解釈違い自体が嫌いです)。」
ワイ「嫌なら見るな(※金輪際見ないで下さい。此方に来ないで下さい。二度と顔を見せないで下さい。御願いします)。」
〜完〜
※…と言うか、最初から、御前に向けて描いてるんじゃねぇ。何底辺の癖に御客様(※=神様)、特権階級気取ってんの(※貴方、鏡見た事ありますか?)?。
…。
メダル自体には性別無くて、其れでもメダルが其々男っぽく、女っぽくなるのはティンペット由来だってアニメで(※博士が言ってた)。
…。
ゴッドエンペラーの足って階段登れないよね?(※…だけど、他のパーツに換装するから…… ※震え声)。
…。
アニメダが後世に与えた影響はマジで絶大で、後の公式(…と他メカ系ホビーアニメもか?)を支えたと言っても過言では無い。其れ程の功績を残した。間違い無く、凄まじい迄によく出来た傑作アニメ。
…。
ワイの場合、メダは、御友達ロボットじゃなくて完全に奴隷ロボットじゃん(※知ってた)。
…。
女みたいな名前をしたあれ「隕石は良いモンですよねぇ、進路決まってて(※因みに、台風は進路決まって無い派)。
ノースリーブグラサン「末路も決まっているがな(笑)。」
…。
バトルガレッガの七面道中ボスブラハ様mk-2カリスマ性が凄過ぎて何時見ても霊(たましい)が震える(※此方の方が後だけど、エスガル2のセセリン味あるのが良い)。
…。
で、シロッコは、あの儘生存してても、一生、一度も、ウェイン兄弟みたいに自分が作った物、兵器について反省する事は無いと思う(※絶対に)。
…。
多分、Team R-TYPEは、 バイド殲滅の為、粗末、只の駒、道具に、使い捨てに、がむしゃらに、自分達ですら其う扱うのだろう(※其うで無ければ、愛する隙無く下衆過ぎる)。
…。
宇宙世紀とかの拙作では、宇宙空間勤務の女は子宮に避妊具入れて居るか無月経ピル飲んで居ると思って欲しい。男には其れを言わない。知られると、性的な関係を強要して来るから。因みに、知って居る男は平気で力づくの行為をして来る事もある。其う言う男は、知らなくてもするが。
其う考えるとリリー・マークレーンの船内やばそう(こなみかん)。
…。
拙作でのガトーとシロッコ等辺は、ゴキブリか害虫並の生命力とAK-47並の適応性と耐久性を誇ってるからサンドバッグ豚としてとても優秀である(※ドS発言)。
…。
※クロスオーバー?注意
※某えろバレー風パロ注意
※坊やとガトー達の話
※色々と過去捏造注意
ガルマは二度咲く
----「…聞こえていたら、君の生まれの不幸を呪うが良い」
----「何、不幸だと!?」
----謀ったな!僕は、あれだけ君の事を信頼して、掛け代えの無い友として居たのに!!
----「私とて、ザビ家の男だ!無駄死にはしない!……ジオン公国に栄光あれーー!!」
…。
「…何時か又会えると良いな……。…彼奴も……。…イセリナも……。」
…。
さて、ある島の海辺で何やら会話をして居る者達が居る。
「地球に住んでるだけで恵まれてるか成功者ぁ?」
「何度も言うが、私は生粋のスペースノイドだ。故に、此うして、地球に住んで居ると、自分が掛け替えの無い財産を得た成功者か富豪にでもなれた気がして居る。……だが、同胞に其の自慢をする気は無いがな。」
…此のガトーを含む、宇宙世紀のスペースノイド達は、地球に住むアースノイドを特権階級、恵まれた者達と見做して居るが……。
其んなスペースノイド特有のド偏見に呆れたヤザンは、揶揄う様に言う。
「はぁ〜〜、如何しようも無ぇ〜〜、…お前もだけど、…スペースノイドは、皆が皆、地球に家を持って居る、持ってたってだけの奴等を、上流階級、勝ち組、エリートの類扱いして来るよな。…で、其う言う訳で、何故、公国軍が、地球各地の街を執拗に侵略、空襲するかと言うと、其う言う偏見でアースノイドの特権階級振りと恵まれた地位に嫉妬してるからだろ??」
「其う言えば、お前はアースノイド。地球に家があった筈だが。」
「…莫迦か?!??!!地球のスラム街に生まれて住んでた奴の何処がエリートで特権階級なんだよ?!」
「其うだったな。済まない。お前なんぞが、元々からして、其う言う高貴な身分である筈が無い。…然し、今は……、」
「…知らねぇ島に遭難しちまったな。」
「此の島が無人島か如何かも分からん。果たして、我々は、オノゴロ島へ帰る事が出来るだろうか……。」
補足だが、オノゴロ島とは、ガトー達が住んで居る島の名前だ。リゾート施設も其処にある。
「不吉な事言うな!!!!」
此のような無人か如何かも不明な島に流れ付き、難破した船を後にした二名は、島を覆うジャングルの手前で死への恐怖を感じて居た。
「…さて、如何すれば良いものか……。」
以前生きて居た世界では、ほぼ向かう所敵無しのエースパイロットであった二名は、二人して途方に暮れる。
「先刻、難破する前に、遭難信号を出して置けば良かった……。」
其処で、ヤザンは想いに強く耽る。
…此んな時、シロッコ、お前なら如何する……??
其の時、途轍も無く懐かしい感じがヤザンの中に込み上げて来た。
----大尉、此方ですよ〜〜!!!!
「……如何した?急に呆気に取られるとは?」
「……不思議だ。サラ曹長が道筋を教えてくれる気がする。」
「…お前、…ニュータイプだったのか……?」
「確かに、素質には恵まれてるかもな……。」
「されど、僥倖だ!私を逸らせるなよ!」
「だったら、逆にオレが逸れてやる!!」
…小学生男児並の会話。…此れには、サラとシロッコも呆れ笑い。
だが、彼等の助言(※…と言うか、御告げ?)もあって、ヤザンは最速で遭難状態から脱する事が出来た。
…。
其うして、ヤザンが大きくガトーを引き離して辿り着いた先には、兎に角年代モノで古びては居るが、とても、地球の大地に建って居るとは、思えない程に、美しくて、大きな、南国ならではの西洋風屋敷があった。
そして、其処には。
「…何だ。此の島では、見ない顔だね。初めまして。君達は何処から流れ着いたんだい?」
…何処ぞの木星帰りか御兄ちゃん大好き強化人間の様な紫色の後ろ髪を--あのガトーの様に--ポニーテールで纏め、更には大きく黒いレンズのサングラスを掛け、赤いノースリーブアロハシャツを着て木陰でギターを弾いて居る美青年が居た。
「誰だよお前?此処は何処だ?」
…ヤザンが、其う、粗暴にも訊くと、其の青年は此う答えた。
「質問を質問で返して来るのは、育ちが悪いね。実に感心しないが、答えてあげよう。此の島は私の所有物で……、…私は……、」
然し、ヤザンは、其れでも怒り出した。
「……おい!誰の所有かは訊いて無ぇよ!!此の島は何々島で、現在地は何処だって聞いてんだよ。後、お前の事は興味無いから、別に如何でも良いし、誰でも良い。」其の青年は----昔からある癖なのか、自分の髪を、其の彼の神経質な気質を宥める様に----右手で弄りながら、酷く機嫌の悪いヤザンを、後目に、話を優雅に受け流す。
「…嗚呼、噂には聞いて居るよ。…宇宙(そら)から落ちて来た銀髪と金髪の美丈夫が居ると……。…もしかして君は、その片割れの方かい?。」
(やったぜオレ美男子扱いだ!!!!)
自分が、此うして美丈夫扱いされた事で、何時もは顔面偏差値10、ブス扱いされるヤザンが、酷く不機嫌だった先程とは180度変わって、機嫌を大変良くして感動し、其の感動の余りに激しくガッツポーズを取って居ると、
「其の声!其の出立!其の坐作進退!」
後から酷く遅れて来たガトーは、其の美青年を見た途端、急に荒振り出した。
「…如何した、ガトー?」
…ヤザンが、其のガトーの意気揚々さと異様さに反応するが、其んな奴の事は気にせずに、ガトーは、其の青年に恐る恐る畏敬の念を持って話し掛ける。
「あ、貴方が『ガルマ』様ですか……?」
「やぁ、其うだが。」
其の名を聞いたヤザンは思い出す。
……確か、かの国葬演説で自身の兄である公国の総帥に弔われて居た、
「…ガルマと言えば……、…ニューヤークでWB隊との交戦中に戦死したあの有名な大佐本人か……?」
其のヤザンの問い掛けに、『大佐』は気さくに答える。
「其うだが?如何かしたのかい?」
「ガルマ様!…かつて、私は貴方様の御兄弟、ドズル中将麾下だった者です。アナベル・ガトーと申します。最終階級は少佐です。」
其の言を聞いた『大佐』は驚いた様に言う。
「此んな所で、ジオンの軍人に会うとは……。…ところで、アナベル少佐よ。…訊くが、あれから私達は戦争に勝てたのか?」
「…そ、其れは……、」
其うガトーは、ガルマに言われるも、緊張と畏敬の念で思わず口籠る。
すると、代わりにヤザンが名乗りを上げる。
「無理すんな。オレが話す。」
「…おや、君は誰かな?名は?」
「名乗る程の名なんて無ぇよ。」
其処で、ガトーがガルマにボソボソと小声で教える。
「ガルマ様。彼奴はヤザン・ゲーブルと言う元連邦軍人の下卑た輩です。」
「…と言うか、其んなの如何でも良いだろ。…で、良いか。手短にシンプルに話すぞ。はっきり言って、ジオンは戦争に完敗したよ。ドズル将軍は戦死、アンタの父親と他のきょうだい達も 全滅した。…其の後、公国から共和国に……、」
其れから、ガルマは、大きく溜息を吐きながら、此う述懐した。
「…有難う。もう分かったよ。…矢張りか。わざわざ聞く迄も無かったようだ……。あんな戦争、コロニー落としも含めて全部間違って���たのだ。」
「…ガルマ様……。」
「…アナベル少佐よ。貴官もあの戦争の所為で、沢山色々な物を失っただろうし、心にも、決して、浅からぬ傷を負っただろう。…幸いにも、此処に戦争は無い。戦争でボロボロになった魂を癒す為にも、私も、癒しと平和を噛み締めて行きたい所だ。…是非貴官も、其うしてくれると嬉しい。」
「御意!!!!!!!!!!!!」
…『ガルマ様』との宇宙世紀で生きて居た頃では、決して有り得無かった奇跡的で密接な邂逅を経て、感動の域に迄、其のテンションを上げたガトーは、意気揚々と答える。然し、其の一方で、ヤザンは蚊帳の外であった。
「御前等!…オレの事を無視すんな!!!」
…。
※没供養コーナー
其処で、オーナーが何時も通りの口調で言う。
「…『ガルマ様』ね。…あの人は、此の海域界隈では有名だよ。…彼は、民間軍事会社兼海上自警団を作って、不法侵入船やら密漁者やら海賊やらを取り締まって居るんだよ。」
「…流石ガルマ様です……。」
「何だ。…滅茶苦茶偉いじゃねぇか。」
曹長「…可愛いです、パプティマス様人形〜〜!!(※パプティ人形をソロモンの悪夢人形の隣に密着させる様に置く。距離が凄く近い)。」
木星帰り(※凄い悪寒)
野獣「…意外と趣味悪いなサラ曹長(※震え声)。」
…。
交渉人「私は変態紳士だが、お前は只の変態だ(※確信)。」
木星帰り「お前もだろ(※真顔)。」
ドロシー嬢「…貴方達って最低ね(※豚を見る様な目)。」
…。
※引き続きクロスオーバーネタ注意
※メダロットネタ
※夢要素注意
獣王「グォオオオオオオ!!!!」
神帝「リミッターカイジョヲアマクミタナ」
「ワガ マエニ タチフサガルトハオロカナ…」
「グォォォォォオアアアアア!ユ・ル・サ・ン!!」
「ガアアアアア!!ニンゲンメ!イツカ…!」
…、
ガトメダ搭載獣王「鎧袖一触とは此の事だが、心配するな。」
「南無三!!」
シロメダル搭載神帝「落ちろ!カトンボ!」
「私の使命は重力に魂を魅了された人々を解放する事であると思って居る。」
ワイメダロッター「流暢に喋り過ぎだろ。」
…。
ガトメダ非純正獣王「矢張り、スパゲティ(獣王脚部パーツの名前)では上手く歩けん!二脚パーツに換装しろ!」
ワイメダロッター「はいはい〜〜。パーツ転送〜〜。」
※パーツ転送後換装
獣王「此れは二脚では無いだろう?!巫山戯るなぁ!!!!」
脚部戦車なので履帯キュラキュラ。滅茶苦茶遅い。
ワイメダロッター「ハハッ!!ガンタンクみてぇ〜〜!!」
…。
宇宙世紀メダロッターZ&ZZ「我等!宇宙世紀メダロッターZ(ゼータ)!「そしてZZ(ダブルゼータ)!!」
ガトメダ搭載獣王「もう帰って良いか?」
宇宙世紀メダロッターZ&ZZ「我等ロボトルで勝負だ!!」
何時ものおじさん「合意と見て宜しいですね?!」
ワイロッター「宜しく無いです。」
…。
坊やメダル搭載はグレインでも良かったけど、グレインは超攻撃型メダだし、性格的にはプリミティベイビー(※超補助・妨害型)の方が合ってるだろうな?…と(※此処は彼の長兄にすべきだったな……)。
…。
「一人で階段登れるの?」
シロメダ搭載神帝「無理だな。浮遊パーツとかは無いのか?」
ワイメダロッター「此れ付けな。」
ガトメダ搭載獣王「何故だ?!何故、私が付けて欲しいパーツは付け渋って全く関係無いパーツや機体に換装して意地悪するのに、何故!??!」
ワイメダロッター「弄ってて楽しいから。」
…。
PMX型メダロット
PMX-00 メッサーラ N 飛行
PMX-01 パラス・アテネ 女 二脚
PMX-02 ボリノーク・サマーン N 二脚
PMX-03 ジ・オ 男 二脚
PMX-04 MSタイ���ニア 女 二脚
かつての木星帰りハンドメイドMSを模したメダロットを製作し『(メダロット本来の用途である)御友達ロボット』扱いして悦に浸る姿はメダロット社員の共感を呼……いやドン引きさせた(※本人曰く、自分は、天才だから、凡人は自分に付いて行く事は出来ない。其の為、友人が居ないのは仕方無い事、…なので、此の機械達が私の友達みたいな物、らしい)。
…。
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503rd-graffiti · 10 months
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【迷】1
「あー、暇だなー。」 その一言にギクリと体をこわばらせる。今なら聞かなかったことにしてこの場から出ていくことができるだろうか。 そろりと周囲を窺ってみると、一人は居眠り(多分フリである)、もう一人はいつの間にか姿を消していた。 「そこのきみ。」 『は、はい。』 カミサマの視線は当然僕を捉えていた。こうなるともう観念して返事をするしか無いのだった。 「神たるものがこうして暇をしているというのは由々しき事態だと思わない?」 『そ、そうですかね……。何もないのは、良いことなのでは?』 いつものよく分からない質問、もとい絡みに僕はおずおずと意見を言ってみたりなどする。 カミサマはいつもこうして僕らに問いかけてみては、ギリギリ理解できそうでできない持論を展開していくのだ。 「ダメダメ、全然ダメに決まってる。 だってそうでしょう?現世には迷える子羊たちが腐るほどいるんだから。 それを救ってあげるのが神なのだから、何もないなんてそれこそ罪だよ。」 はあ、と取り敢えず頷いて見せる僕。カミサマの言っていることはよく分からないし、分かってもいけない気がしていた。 「ということで、きみ。ちょっと子羊を救ってきなさい。」 『どうして僕が?!』 「どうして?きみは私の天使だろ。文字通りおつかいくらいして当然でしょう。 大丈夫、ちゃんとここで見ててあげるから。」 そう言ってアニメに出てくるようなワープホールのようなものを何もないところから出現させるカミサマ。 これもやっぱりいつものことではあるけれど、僕も僕で律儀に抵抗してはみるのだった。 『天使じゃなくて召使いの間違いでは!あといい加減この姿変えてもらえませんかね?!』 「うるさいなぁ。君たちの願い通りの姿にしてあげてるって言ったでしょ。 それとも何。同じ時、同じ所。同じ姿で還してあげても良いんだけど、その方が良いのかな?」 『……いいえ。』 「我儘な子だなぁ。じゃ、いってらっしゃい。」 これもいつもの問答である。そして僕は嘆息してから、ワープホールへ放り出されるがままになる。 それが今の僕の日常だった。
僕はある時、死んだ。 なるべくしてなった結末だったのだと思う。大体、生き物というのは等しくいつかは死ぬものだ。 人間はそのことをついつい忘れてし���うけれど、例外は一人もいない。 僕も運命の通りに死んだ。ただ一つ想定外なことがあったとすれば、カミサマに捕まったことだ。 死後の世界というものがあることにも驚かされたが、よくある話ではあるし、それが現実であったことにはどこか納得すらしていた。 しかしそこにいた“神”は僕の想像とは少し、いやかなり違うものだった。 それは自らを神と自称して、やってきたばかりの僕の首根っこをつかんでは不躾に眺めてそのままずるずると引っ張っていったのである。 死者として新人だった僕は何が何だか分からないまま、そういうものかと思ってなされるがままになっていた。しかし気付けばカミサマの一声で何でもやらされる召使いのような存在に仕立てられていたのである。 そんなカミサマの趣味は、現世にちょっかいを出すこと。 子羊を救済せねば!と僕たちを現世に放り出しては、悪戦苦闘する姿を眺めて楽しむという悪趣味っぷりである。 その上僕たちはカミサマに、人間でないヘンテコな見た目をした動物らしきものの姿に変えられており、それは現世では“リヴリー”と呼ばれているようだが、人間の親指ほどの大きさであり、カミサマからのオーダーの理不尽性をさらに助長させていたのだった。
今回の「救済」も苦労させられることは目に見えていたが、他にどうすることもできない僕は言われるがままに現世へとやってきた。 『はあ……。誰でもいいから、早く助けさせてくれ……。』 内容は何でもいい。何かしら助けられれば常世に帰してもらえることになっている。 僕は薄汚れたコンクリートの道の端を歩きながら辺りを気怠けに見渡す。 今回放り出された場所は都会らしきどこかの街。これだけ人がいる街であればリヴリーの存在もそこそこ知られているので都合はいい。 そういった勘所はこれまでの理不尽なおつかいの中で培ったものだったので嬉しくはなかったが、早く帰るためには必要な経験則でもあった。 『……ほら、見つけた。』 覗き込んだ路地裏に、迷える子羊とやらはいた。 それは僕と同じ大きさのヘンテコな生き物。いかにも迷子ですといった様子できょろきょろとしているそれは、僕と同じワタメと呼ばれるリヴリーだった。 『どうも。迷子?飼い主は?それとも捨てられた?いつからひとり?』 初めて出会ったばかりだというのに矢継ぎ早に質問を重ねてくる突然の存在に、ワタメは目を白黒させて僕に怯える素振りを見せた。 『ああ、怖がんなくていいよ。僕も仕事だからさ。』 さっさと帰りたい僕の投げやりな雰囲気に、ワタメは警戒を解かないまでも僕の姿に目をやりながら小さく口を開く。 『きみも……ひとり、なの?』 質問に質問で返ってきたことに少し苛立ちながらも、逃げ出されなかったことにひっそり安堵する。 『今はね。で、君はどうなの?』 『ぼくは……さっきまで、ヨウタといっしょだったんだ。でも、いなくなっちゃって……。』 なるほど、と頷いてみせる。そして内心ガッツポーズをした。迷子、しかもはぐれてすぐなら楽な話だった。 『オッケー、じゃあヨウタって奴を探そう。こんなとこにいたら益々見つからないよ。』 『う、うん。でも、どうして……?』 『言ったろ、これが僕の仕事なんだ。』 路地を出て、表通りに出る僕たち。これ以上少しでも前に身を出せば人間たちに踏みつぶされそうな中、迷子のワタメは再び怯えて縮こまってしまう。 『おい、そんなんじゃ見つからないぞ。』 『で、でも……!それにだれがヨウタか、わかんないし……。』 沢山の人間が歩く街中、しかも顔は遥か頭上でよく見えないと言われれば確かにその通りである。 しかし僕たちも見た目ばかりがヘンテコという訳ではない。 『そういうときのための“/large”だろ?』 それはリヴリーが使える謎の能力だった。技とも魔法とも呼ばれるそれは、自分の周りに影響を及ぼすものや、自分自身の体を変化させるものまで様々だった。 ″/large”もその一つ。それは一時的に自分の体を何倍にも大きくすることができる技だった。 『ぼく、まだそれつかえない……。』 しかし技を使うにはある程度リヴリーの成長が必要だった。迷子のワタメは生まれたばかりなのか、その技はまだ習得していなかったらしい。 舌打ちもしたい気分だったが、背に腹は代えられない。それにこれくらいのことが無いとカミサマもきっと満足しないだろう。 『仕方ないな。丁度僕もワタメだし、ヨウタが探してるんなら見つけてくれるだろうしな。』 『え……?も、もしかしてきみが……?』 迷子のワタメが驚いて目を見開くのと同時に、僕は技を口の中で唱える。 『/large、/large、/large……!』 唱えるたびに一回りも二回りも大きくなっていく僕の体。すぐ近くを通りかかっていた人間の誰かが小さく悲鳴を上げるのが聞こえた気がした。 突如街の真ん中で大きなリヴリーが姿を現したことで、大抵のことには無関心な人間たちにも混乱が波及し、そいつが現れるころには小さな騒ぎにもなりかけていた。 「ふくまるーー!!」 しばらくすると、通りの向こうから一人の少年がこちらに向かって走り寄ってきた。 『ヨウタ!ヨウタのこえだ!』 僕の足元ではぱっと笑顔になったワタメがぴょんぴょんと嬉しそうに跳ねている。 このワタメ、ふくまるって名前なのか。などと考えつつ、僕はワタメに話しかける。 『あれが飼い主?』 「うん!ヨウタ!ありがと、ほんとにありがと!!」 『オッケー、じゃあ帰るわ。』 『ま、まって!ヨウタにしょうかい、したいんだけど……。』 『要らないよ。それより、もう迷子にならないようにね。』 『あっ……!』 /little、/little、/little……と呟く僕の体は徐々に元の大きさへ戻っていく。そしてそのままワタメのふくまるを置いてその場から足早に離れるのだった。最後にちらりと背後を振り返ると、周囲に謝りながらふくまるを大事そうに手に乗せる少年の姿が見えた。 小さく息をついて視線を前に戻すと、いつの間にか例のワープホールが現れていた。 僕はすぐにその中へと飛び込む。 ワープホールが閉じるのと同時に、背後の喧騒は瞬時に遮断されて暗闇だけがあった。 そしてすぐに視界が明るくなると、そこはいつもの場所だった。 「おかえり。早かったね。」 聞きたくもないカミサマの労いを与えられた僕は、また小さく息をつく。 「それに比例するかのようにつまんなかったな。」 訂正、労いではなく嫌味だった。僕は盛大にため息を吐く。 『救済につまらないもないでしょう。』 「そんなことはないけどね。ま、でもいいや。他の二人の方も見なきゃだし。」 どうやら僕が出て行ってから、結局残りの二人も現世へと放り出されたらしかった。 「及第点としよう。休んでいいよー。」 『そうさせてもらいます。』 そうして僕は、その辺に腰を下ろして目を閉じる。 白夜のようにいつも白んで明るいこの場所では、それでも目を閉じれば微睡むには丁度いい気候ではあった。 そうして意識が途切れる直前、僕はふと最後に見た少年とリヴリーの笑顔を思い出していた。 平和ぼけした顔とはまさにあんなのを言うんだろう。 そんな感想が浮かぶのと同時くらいに、僕は眠りに落ちていった。
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mylifeisdeadend · 1 year
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homestuckを機械翻訳で読んだ人の墓標(仮)1(1073~)
本編1073ページからACT3終了(1153ページ)まで
1073 [S]ジェイド:ジョンとチャットをする。
– gardenGnostic物知り庭師[GG]がectoBiologist心霊生物学者[EB]を悩ませ始めました。17:25 –
GG:ジョン!私のプレゼント受け取った?? EB:やぁ! EB:えっと、まだ。 GG:もう!何で?緑の箱に入れて送ったのに…… EB:あっ! EB:それはあったよ、でもお父さんの車の中にあってしかも今は出かけてるんだ。 EB:すぐ戻って来ると思うけど。 GG:よかったー!!!今日は何してたの? EB:スバーブに夢中になってたよ。 EB:TTは僕の家をめちゃくちゃにするつもりだ。 GG:笑! GG:スバーブってなに?? EB:あっ、ゲームのことだよ。 EB:大丈夫。まだ全部把握できてないから。 GG:わあああ なになになに????? EB:何があったの? GG:家の外ですっごい大きな音がした!! GG:爆発みたい!!!!! EB:えっ、ほんと? GG:外に出て見てくる… EB:わかった、気をつけてね? GG:了解! :)
– gardenGnostic物知り庭師[GG]はectoBiologist心霊生物学者[EB]を悩ませるのをやめました。 17:28 –
– gardenGnostic物知り庭師[GG]がectoBiologist心霊生物学者[EB]を悩ませ始めました。 –
GG:ただいま! EB:あっ、おかえり! GG:さっきの爆発音を調べてたの EB:それ、もしかして隕石だった? GG:うん!!!!! GG:どうして知ってるの?? EB:えっと、長ーい話になるよ! EB:とにかく大丈夫だった?君の庭が吹き飛ばされたか火事にでもならなかった? GG:ううん 私のとこは大丈夫! GG:遠くの方に落ちていったからそれで見に行ったの GG:隕石はかなり大きかったわ GG:でもベックが通せんぼしてきて GG:だからさっき帰ってきたの GG:あの子も危険だと気づいたのね! EB:彼は正しいことをしたと思うよ! GG:あれからジョンは何してたの? GG:あっ!!!!私が送ったもの届いた?:O EB:えーっと…。 EB:その、受け取ろうとしたけど、ローズが父さんの車を薄気味悪い底なしの谷底に落としちゃった。その小包は車の中にあったんだ、ホントに残念なんだけど。 GG:そんな! EB:わかった、最初から話した方がいいかも EB:隕石が降ってきて近所が吹き飛ばされたんだ。 GG:そんなことになっていたなんて!ホントごめん! EB:僕は大丈夫だよ!まだ僕の家は残ってるから。 EB:ローズと一緒にプレイしていたゲームのせいなのか、隕石が落ちてくるどたんばで異次元に送られたんだ。 EB:でも今は窮地に追いやられてる、なんだか怪しくて暗いしまだ父さんも見つからない、そして車とゲームディスクを失った、僕達はこの世の終りから世界を救わなければならないんだ!!! GG:O_O GG:えっと… GG:それってホント変だし怖いけど… GG:でも面白そう! GG:よくわからないけどジョン、これは運命の日なのかもしれない GG:誰かが世界を救うことができるとしたらそれは多分あなただと思う! EB:えっ、そう思う? GG:うん! EB:わかった、でも。 EB:そう簡単なことじゃないさ! EB: ローズを隕石と火事から助け出すために接続しようとしたんだけど。 EB:彼女のパソコンの充電が切れてゲームディスクを無くしちゃったんだ! EB:それで僕がTGに頼んで彼女を救うために彼が持ってるゲームのコピーを使えないかと思ったんだ! EB:でもあのバカ、ラップばっかで黙らないんだよ。 GG:アハハッ GG:すっごいバカだよね! EB:だね。とにかく彼に手伝ってもらうよう頼んでみなきゃ。すぐ戻るよ。
==>
1074
– gardenGnostic物知り庭師[GG]がectoBiologist心霊生物学者[EB]を悩ませ始めました。 – GG:ジョン!!!! EB:わっ、いたんだ! GG:冒険の方はどう? EB:今のとこ大丈夫、いろいろと問題あるけどローズが再接続して僕を助けてくれれば。 GG:良かった! EB:うん、でも… EB:僕は世界を救えているとは思えないんだ:( EB:ここで何をやり遂げればいいのかよくわからないけど、世界を救ってる訳じゃないと思う。 GG:んー でもあなたがやってることはすごく大事なことだよ! GG:希望を捨てないで ジョンが前向きに考えていればすべてがうまくいくはず… GG:ちゃんとナンナおばあちゃんのアドバイスを聞いていればね! EB:うん、君の言ってることは正しい。 EB:でも、ちょっと待って…。 EB: 君にナンナの事言ったっけ? GG:ああえええと…… GG:言ってなかった? EB:うーん、わかんないけどローズかデイブが言ったのかな。 GG:うん 多分そうだよ! EB:ホント彼らはいつも君について不思議な力があることを説得しようとするけど、僕は「いや、あの子はただの普通の女の子のように見えるよ!」って言うから! GG:へへへ:D EB:ところで改めて考えてみると、君ってなんでも知っているみたいに見えるときあるけど? EB:正直君が喋ってる時よりも、もっと多くを知っているように思うんだよなぁ。なんとなくだけどさ。 GG:やだっ ジョン GG: あなたにたくさん説明したくて… GG:いろいろと… GG:ちょっと…… GG:待ってて! EB:何を待つんだよ! GG:もう!ジョン!!! GG:私の家の近くに隕石が落ちたこと言うのを忘れてた! EB:あ、そうなの。 EB:いままでなにが起こってたの? GG:ええ…もう……… GG:混乱したんだから… GG:ホントに混乱してるのよ! o_o; GG:だから しばらくの間寝ちゃって… GG:どのぐらい寝てたかわかんないけど GG:起きたらこんなことになっちゃって!! EB:うん知ってる、もっと詳しく説明してよ! EB:目覚まし時計を常に持ってなきゃいけないかもね。 EB:それで、その隕石はどうなったの? GG:うーん…… GG:説明するのが難しい!!! GG:でも… GG:それが何なのか知ってる! GG: そして すべてのことがうまくいくってことも!!! EB:だから何だよそれって??? EB:これって君が僕に言った「待っている」の意味なの??? GG:はぁ ジョンに本当のことを全部話したい!!! GG:けどまだそれができないの GG:あなたが早く目が覚めるのが先だと思って! EB:はぁっ? GG:だから文字通りの意味じゃないけど GG:ある程度は文字通りの意味よ! EB:ぐああ!!!!!!!!!!!!! EB:混乱すること言わないでくれ!!!! GG:笑 :) GG:とにかく行ってみてジョン GG:あなたにお客さんが来るみたいよ!!! GG:<3
– gardenGnostic物知り庭師[GG]はectoBiologist心霊生物学者[EB]を悩ませるのをやめました。??:?? –
==>
1075 ジェイド:カラフルなリマインダーを更新する。
夢を見た後、君は自分の考えをまとめるのに苦労する。 眠っている間に何が本当に起こっていて何が起こっていないのか非常に混乱することがある。 特に食(1)の期間は様々な雲の蜃気楼を通して過去、現在、未来の多くのビジョンに触れることができる。 目覚めてから初めて、そのすべてを理解することができるようになり、君のリマインダーが君を助けてくれる!
しかしよく考えてみると夢にはあまり未来に関することは出てこない。 夢の中で君の犬を見て驚いたのは、これが君のずる賢い保護者が初めて夢の中に現れたことだったからだ。 君はベックの誕生日が君の親友と同じように今日だったことに気が付いた。 ずっと気になっていたが、なかなかパーティーを開いたり、ケーキを作ったりする機会がなかった。 でも今ならできる!
しかしそうすると、たくさんのろうそくが必要になりそうだ。
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1 原文ではエクリプス
1076
ベックは君の理解できない理由で、君が神秘の遺跡に入ることを決して許さなかった。 君はベックが君を守る理由でそうしてきたと思っていた。 しかし夢は君が今遺跡に入るべきだと暗示した!
君のドリームボットが格納庫に閉じ込められて世話をする必要がないので、ベックはいつものようにグランドロビーで昼寝をしている。 多分君はそれを利用して、グランドロビーを通り過ぎずに家を出ることができるのではないだろうか?
ジェイド:ハープーンガンを取る。
1077
ジェイド:ハープーンガンを取る。
オッケー、そうしなくちゃ!リマインダーが君にまだ配達する荷物があることを教えてくれる。 これで一石二鳥だ。
ジェイド:ハープーンを使って大自然に飛び出す。
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1080
ローズ:建築を仕上げる。
1081
ローズ:建築を仕上げる。
建築の完成度
デイヴ:カルの死を哀悼する。
1082
デイヴ:カルの死を哀悼する。
またな、坊や。 もし君がもっとリンゴジュースを持っていたなら、彼のために少し注いであげただろう。 クローゼットにジュースがないかもう一度探してこよう。
デイヴ:くそヤバイ新しい剣を手に入れよう。
1083
デイヴ:くそヤバイ新しい剣を手に入れよう。
よし、手に入れたぞ。 そう、それでも最高の剣を得るためにはこのように刀を真っ二つに折る必要があっただろう。
こんな完璧で素敵な戦闘スぺシバスはトイレに流そう。 ありがとう、兄貴。
デイヴ:ベータ版をキャプチャーローグする。
1084
デイヴ:ベータ版をキャプチャーローグする。
君はベータ版BETA(6)を手に入れようとしたが、シラデックスが完全にいっぱいなのを忘れていた。 なぜこんな無駄なものを詰め込んでいたのか疑問に思った。兄貴とのハッシュラップの戦いで習慣的にこれらを武器にして戦おうとしていたんじゃないか? しかし、振り返ってみればそれはただ面倒で戦闘を長引かせるだけだっただろう。
まるで君が時間で作られたかのように。
デイヴ:モードを外して、スクラブル関数モードに設定しよう。
1085
デイヴ:モードを外して、スクラブル関数モードに設定しよう。
がらくたを全部屋根の上にぶちまけた。
そして君はなぜかスクラブルハッシュファクションモードに設定した。 この関数は、アイテムのハッシュ値を計算するのが少し直感的でなく、複雑なラップをするのに有効だ。
ところで兄貴はどこへ飛んで行ってしまったのだろうか。 兄貴の神秘的な方法はまたしても皮肉を超越している。
デイヴ:ベータ版を手に入れる。
1086
デイヴ:ベータ版を手に入れる。
君はベータ版(BETA)(3+1+1+1)を手に入れて、スクラブル関数が、全く異なるハッシュ値を算出する。 まぁ、結果的に全く同じ数値にはなったが。
デイヴ:ローズとチャットをする。
1087
デイヴ:ローズとチャットをする。
turntechGodhead機械仕掛けの神性[TG]がtentacleTherapist触手セラピスト[TT]を悩ませ始めました。
TG:OK わかった TG:このゲームを手に入れるためにどれだけスポンジ状の鼻を切り落とすことになったか理解してくれるとありがたいな TG:もしもし TG:今何してるんだ TG:とにかく今から降りてゲームをインストールするよ TG:後でな
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1088
君は遂に建築プロジェクトを完成させた。 君がジョンにしてあげられることは全部した。 すべてのオーガを防ぐことはできないが、少なくとも今この瞬間ジョンを助けることができるだろう。
後はデイヴを待つだけだ。
ローズ:プレゼントをキャプチャーしてコードをジョンに送ろう。
1089
ローズ:プレゼントをキャプチャーしてコードをジョンに送ろう。
そうすれば確実にジョンに早く送ることができるが、プレゼントを完成させることができなかった!
君は完璧に感性的な魅力を持ったプレゼントを作るために何か月もかけて編み物の腕を上げ、プレゼントには記憶する限り持っていた大切な家宝を書いた。
君の驚異的な感性表現をジョンが見れば彼もわかるだろう。 そう、ゲームの滑稽的な感性表現に関しては誰もローズ・ラロンドには勝てないことを。
数か月前…
1090
数か月前… ローズへ
1091
ローズへ
ローズへ
誕生日おめでとう!!!
いつも良い友達でいてくれてありがとう。 君が冷静を装って、自分の人生にいる人たちのことをあまり気にしてないように見せかけても、本当は内心気にかけていることを知っているよ。 そう、なんというか、君の内面で濡れたTシャツコンテストをしているようで、何かを隠すのにびしょ濡れのTシャツはあまりいいい考えじゃないから、肌寒く振舞っているんだよ。 おっと、ちょっと待って、ほら吹き心理学の本たちに隙を見せちゃったみたい!やれやれ!!
これを君にプレゼントするよ、君がその気になれば、このプレゼントですごく素敵で創造的なものを作り出すこともできるよ。 そして、君が夢中になっている深刻な問題を少しでも忘れさせてくれるかもしれないし、あの奇妙で不気味なこと! 正直、それはちょっと憂鬱じゃん。
とにかく君は最高だよローズ! 素敵な13歳の誕生日を過ごしてね! (僕も君たちにすぐに追いつくよ。君たちみんな老けすぎだよ!)
~ghostyTrickster心霊奇術師(ジョン)
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1092
ローズ:返信する
1093
ローズ:返信する
grimAuxiliatrixグリム聖母 [GA]がtentacleTherapist触手セラピスト[TT]を荒らし始めました。
GA:時間力学的なテーマについて論じるとき、なぜあなた達ニンゲンの控えめな知性はすぐに想像できる限り最も恩着せがましい降伏の姿勢をとって、このテーマについて困窮しはじめるのかしら。 GA:時間は難しいものじゃない。 GA:様々な形でアプローチするために宇宙に依存するユーティリティであり、 GA:時には宇宙に依存しないこともある。 GA:それは普通のことよ。 GA:でも違う。 GA:タイムトラベラーがそよ風に乗ってそっと近づいてきて現在のあなたに警告を発した時は、 GA:普通じゃないかもしれないわね。 GA:もしあなたが、一般的な新生児が自分の排出したドロドロの水たまりの落書きで難なく理解できる基本概念を理解できないと主張し続けるなら、私たちはどうやってあなた達を適切に煽ることができるのかわからないわ。 TT:私たちは以前にもお話ししたかしら? GA:ええ。 GA:未来でね。 TT:あなたとあなたのお友達は主張の信頼性を確保するための証拠捏造を絶えずしているのね。 GA:あら、またニンゲンの皮肉ね。 GA:大丈夫よ。私も皮肉を聞くことを十分な余興の種になると思っているから。 GA:ほら、私も今やったわ。 GA:私への軽蔑を強調するために反対に言う。 GA:でも急に原始的な発想にちょっと軽蔑を感じて少し自分が嫌になったわ。 GA:この気まぐれはまるで私の心の中に起きた小さな奇跡ね。 TT:もしあなたとそのお友達である未来人達が「ニンゲン」って単語を質の悪いSF小説の形容詞としてしか機能しない事を知っていたなら、その精巧さに感嘆せざるを得ないわね。 TT:でも、失礼にならないように話題を変えるわね。 TT:まだあなたの誇張はかなり不便ね。 GA:やれやれ。 GA:私たちは未来から来たんじゃないわ。 GA:あなたは理解しないし今後も理解できないだろうけど。 TT:私たちは未来で話したって言ったわよね? GA:言ったわよ。 GA:あなたの未来であり、 GA:私にとってはほんの数分前の過去から。 TT:わかったわ。 TT:あなたはある時間に存在して、それを通じて私の時間の様々なポイントに通信できるのね。 TT:そんなに難しい事じゃないわ。 GA:ええ、そうよ。 GA:あなたの馬鹿な友達にもそう説明してくれる? GA:そうすれば私たちはもっと合理的な方法で面倒を見ることができるわ。 TT:説明してるわよ。結果はまちまちだけど。 TT:でもご存じのように、これだけじゃあなたを理解できないわ。 TT:あなたを信用できないの。 TT:ずっとナンセンスに意地張ってるじゃない。 TT:ありえないじゃない。 TT:どうして時間の概念から逸脱した荒らしが任意の時間に他のグループに嫌がらせをするの? GA:この挑発がうまくいかなかったことは認めるわ。 GA:私が認めたと誰かに言わないでね。 TT:いいわよ。 TT:あなた達は人間を荒らしに行くために人間から荒らし方のコツを教わったほうがいいかもね。 TT:私たちの控えめな知性のほうが向いてるかもしれないわね。 GA:そうかもね。 GA:どうして友達になったのかしら。 TT:私と友達になりたいってこと? GA:そう思う。 GA:そうすることになったと思う。 GA:あなたが私に提案したの。 TT:未来で私がそう言ったってこと? GA:そうよ。数分前に。 TT:多分、今している会話の中で、あなたがそれを口にしたのを思い出したからでしょう? GA:その可能性が高いわね。 TT:ふむ…。 TT:このロールプレイシナリオのこだわりは興味をそそられるわね。 TT:オファーを受け入れる以外に選択肢はある?
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デイヴへ
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デイヴへ
デイヴへ
誕生日おめでとう!!!
僕はただ、君がどれだけゲイのお尻臭いかを話すのをやめて、君がどんなに素晴らしい友達であるかを言いたかったんだ。 真面目に、他の日なら、君は自分で思うほどクールじゃないなんて軽蔑してたけど、ここだけの話君は本当にクールなんじゃないかって思うよ。
そんなわけでこれを君にプレゼントするよ。 これ、本当に本物だよ! ベン・スティラーの変でやつれた顔に触れたというのがポイントさ。 君にあげようと探したんだよ。 よし、認めるよ。 これは本当にくだらなくて皮肉なプレゼントだ! だって君がこれを使わないことを知ってるからね! 君と君の兄貴のバカみたいなアニメに出てくる尖ったサングラスの方がよっぽど皮肉だってね!
良い一日を過ごしてね!忙しくて素敵な日になりますように!
~ghostyTrickster心霊奇術師(ジョン)
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1098
デイヴ:返信する。
1099
デイヴ:返信する。
adiosToreador [AT]アディオス闘牛士がturntechGodhead機械仕掛けの神性[TG]を荒らし始めました。
AT:い、いよおおう。 AT:ま、まず、よし。お前は最悪だと思うぜ。 AT:そ、その事実を俺とお前がわかるようにこのテーブルに置いておこう。 AT:い、今、お前はこれから起こる消化器官の破滅と、ニンゲンを包む洗濯物の総合的な汚れのための下準備をしたんだ。 TG:おいマジかよ ツールでも使ったみたいなタイピングだな AT:い、いえええい AT:や、やっと自分の立場を知ったようだな。 AT:あ、荒らされる準備はできてるかあああ? AT:お、お前のバカみたいなニンゲンの頭を転がしてやるぜ。 TG:これはちょっと弱ったな お前らにいい素材を無駄にくれてやるのは嫌になるぜ TG:そうだな TG:お前に何ができるんだ TG:くだらん詩を朗読してどうやって俺を苦しめるって言うんだ TG:そういうのちょっときついだろ TG:お前は俺について何にも知らないだろ TG:お前の仲間のうち一人は俺のことを女だと思ってたしな AT:あ、あー、わかった。でも AT:お、俺はそんな事気にしない。 AT:お、お前の解剖学的側面とか、そういう事をね。 AT:で、でもお前が何をしたかは知っている。 AT:じ、実はこれから起きるんだ。 AT:そ、それはすげえ酷い事で、お前の経験の中で最悪なやつだ。 TG:悪いが俺はお前とネット上ではできない TG:どんな未来でもするつもりはない AT:は、は?待てよ AT:あー、 AT:ok、お前皮肉を言うのが好きなんだな。 TG:ニンゲン皮肉 AT:わ、わかった、ニンゲン皮肉。 AT:理解できなくてごめん。 TG:それじゃあ未来でいつお前が俺の熱い卵を興奮させてくれるんだ AT:え、えっと TG:正直に言ってくれ TG:忙しいんだ TG:それからいつ自分のカレンダーに空きができるか知りたい 魔法の電話ボックスからでてきたバカが熱いバラードを歌うときも正確に知りたいし AT:そ、そんな事言われても困っちゃうよ TG:だめだ 聞け TG:見ろ TG:俺が知りたいのは TG:星が一直線になってお前のフラックスキャパシティが股間のダックスフントのきらめく欲望を満たしてくれる時 TG:そんなパラドックスのような事を言うから俺はその日を指折り数えて待てない TG:パラドックスが起きてお前のせいで宇宙が爆発したら窓からやってくる思春期の男のスパムイルカ(1)をしゃぶる機会が吹っ飛ぶからな AT:う、うーん…… AT:OK、なんだかイライラしてきたぞ TG:お前マジかよ なんて馬鹿げた荒らしだ AT:だ、だからお前に構うのは止めだ AT:そ、そして違う時間のお前を荒らす AT:そ、それがいつ頃かというと AT:お、お前がもっと感情的で、頭の中がこんな考えでいっぱいじゃないとき AT:に、ニンゲンの性的な感情でいっぱいじゃないとき TG:嫌だ TG:やめろ TG:お前俺の事バカにしてんのか? TG:俺たち一緒に TG:クソ長い時間を TG:楽しんできただろ? AT:お、俺 AT:え、えっと TG:もうあの凝り固まったビッチどものところへ行かなきゃ TG:俺とお前で TG:ようこそナムへ(2) TG:今度は俺の手を握ってチャーリーが退屈だという前にお前のクネクネ動くケツを振りながら踊るんだ AT:え、だ、誰? AT:ちゃ、チャーリーって TG:誓いの言葉を読んでくれたやつ TG:突然の結婚で驚いてるな TG:お前の足元を見ろ 小さなピンが落ちてるな TG:火が付いたように飛び跳ねろ TG:うるさい種族が暴れている けが人が出るまで椅子を振り回してな TG:俺とお前は300ポンドの貨物列車だ TG:俺のかまどは石炭に飢えている 早く掘れ AT:や、やめろ… TG:兄弟 俺の目を見てくれ TG:輝いてるだろ TG:プロレスラーの煽情的な汗のようにお前に献身的に輝く TG:クソ純粋でクソ純潔 TG:本当に TG:万華鏡のような輝く超新星 お前の希望と夢が一緒に揺れてる TG:想像以上の数の少年のものも俺が思ったよりブツブツしてる TG:踊るウィンナーソーセージが固い TG:これが俺たちのやり方だ TG:このクソはクラフトマヨネーズよりリアルだ
adiosToreador [AT]アディオス闘牛士がturntechGodhead機械仕掛けの神性[TG]をブロックしました
君は今… 1 ペニスのこと 1100 君は今…
無目的な反逆者だ。(AR)
君は、現在の拠点の外で招かれざる客を数人目撃した。 彼らは君の管轄権を侵害している。 普段から射撃の腕前は確かだが、一発のキルショットも記録することなく弾薬をすべて消費してしまった。
どうする?
AR:武器が自動装填式ではなく弾倉式であることに気が付く。
1101
AR:武器が自動装填式ではなく弾倉式であることに気が付く。
そんなことどうでもいいだろ。
AR:後ろの壁を調べる。
1102
AR:後ろの壁を調べる。
壁には両生類と爬虫類の生命体が描かれた古代の象形文字がずらりと並んでいる。
これは違法な象形文字だ。腹が立った!
AR:弾薬をもっと探そう。
1103
AR:弾薬をもっと探そう。
近くの砂丘から長時間かけて発掘し、拠点まで運んだ様々なアモクレートには、たくさんの弾薬が保管されている。 非常に多様な武器と弾薬を使うことができる。
ただし、AK47の弾丸をすぐに見つけられるかどうかは別問題だ。
AR:急いで拳銃を回収する。
1104
AR:急いで拳銃を回収する。
君は一対の拳銃を見つけた。
しかし、このまま執行を続けるには、より射程の長い武器が必要だ。
AR:ロケットランチャーを探そう。
1105
AR:ロケットランチャーを探そう。
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1106 ==>
ここに一つあった。
AR:招かれざる者たちと仲良くする。
1107
AR:招かれざる者たちと仲良くする
君は犯罪者たちをどう処理すべきかどうか考えてみる。 もしかしたら目をつぶってやってもいいんじゃないか? 彼らは十分友好的だし、仕事はとっくになくなっている。 そしてあの背の高い魅力的な女性を撃ってしまうのは非常に残念なことだ。
しかし、また…
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1108 ==>
二人は犯罪現場の捜査中に立ち入り、区画に違法に侵入した悪名高い犯罪者だ。 君はこの違法モニュメントを調査し、違法両生類偶像崇拝の真相を調査する義務がある。 彼らが残した粗雑な足跡を考えると、君の固い甲殻に熱が出るほどだ。
この荒れた乾燥地帯にも法律は残っている。 君は正義が指の間をすり抜けることのないよう、黒い爪を緩める余裕がない。 法は美しい。 秩序は平和だ。 審判はすべてを基礎とする非常に純粋なものである。 そして···。
ちょっと待って、考えをやめよう。
君が何かつぶやく前に、面白い服を着る必要が…
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静粛に! 法廷では静かにしてください。 静粛でなければこの法廷から退出してください。
AR:動くプラットフォームを調べよう。
1111
AR:動くプラットフォームを調べよう。
大きなステージがエレベーターのように見える。 しかし、何かが詰まっているため、下へ降りられない。 引っ掛かっているのは奇妙な楽器のようだ。 おそらく何世紀も前のものだろう。
まあいい、陪審員たちは同意した。 不法侵入者を吹き飛ばすぞ。
ジェイド:モニュメントにプレゼントを置こう。
1112
ジェイド:モニュメントにプレゼントを置こう。
夢の中の興味深い一連の過程を見ると、右側にジョンへのプレゼントと手紙を置いてしばらく待たなければならない。
もうそろそろかな…
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1114 ==>
君は時間餌を置く。 もう君の手からは離れた。
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1115 ==>
泳がなければならないかもしれない。
でも、もっと良い渡り方を思いつくかもしれないね。
PM:手紙を読む。
1115
PM:手紙を読む。
ちょっとわかりにくい。
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1116 ==>
だが、少し不正確ではあるが、図面自体は簡単だ。
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しまった!
AR:無許可で解体した自分を恨む。
1118
AR:無許可で解体した自分を恨む。
このバカ バカ バカ
君は正確に照準を合わせていた。 君のような射撃の名手がどうして外したのか見当もつかない。 話にならない。
AR:法を執行しよう。
1119
AR:法を執行しよう。
リロードして狙いを定める。
その美しい甲殻は…砂漠の光に輝いている。
いや、そんなことに気を取られている余裕はない。 君は法を執行するのに忙しいんだ。
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1120 ==>
お前が法律だ!
WV:散漫に手を振る。
1121
WV:散漫に手を振る。
またこいつと小さなきらきら光るハチだ。 やばい。
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1122 ==>
缶を��げて気を散らしてやろうという…計略だった。
PM:新しくできた穴に急いで走っていこう。
1123
PM:新しくできた穴に急いで走っていこう。
カーゴがある。
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1124 ==>
PM:手紙の次のステップを読もう。
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PM:手紙の次のステップを読もう。
手紙の下には、さらなる指示とともに、一連の座標が書かれている。 何をしなければならないか、わかっているはずだ。
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1126 ==>
自由。理性。正義。礼節。啓蒙。完璧。
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1127 ==>
メール
数年前の過去では…
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数年前の過去では…
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1129 ==>
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今日は君の誕生日だ。 君のおじいちゃんは、君に「狩りのスリル」を教えて祝うことにした。
しかし、君とベックはただ歩き回っているだけだ。 このばかげた子犬は君をどこへ連れて行こうとしているんだ?
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1133 ==>
プレゼントを見つけた。
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1134 ==>
箱をを開けてみると、その中には君が着るには大きすぎる服と…カボチャの種?
そして手紙が入っていた。
ジェイドへ、
1135
ジェイドへ、
ジェイドへ
ジェイドへ、
お誕生日おめでとう!!!
君との長年の友情を祝うことはとても難しいよ。 もし君がいなかったら、僕はローズとデイヴにさえ出会わなかっただろうね。 だから、それはまるで3倍の友情だよ! 君の誕生日になにか素敵なものをプレゼントしたかった、君が僕にくれたプレゼントよりも素敵だったらいいな。 まぁ不可能なことだけどね。 とにかくこの二つをプレゼントするよ。
変なアジアンショップでこの素敵なTシャツを見つけたんだ。 そこでこれを買って、僕もそれを着てるよ! 僕は君が緑の方が似合うのは知ってるけど、でも青いのもあって、そっちの方がずっと素晴らしいから、君に持っていてほしかったんだ。 それに最近、君が育てているカボチャが消えていってがっかりしてることも知っている。 まぁ、どうしてそのカボチャが消えていくのかはわからないけど、植物をもっと育てられるように、僕がこれをプレゼントするよ! 諦めないで、ジェイド! その老いたカボチャがどこに消えても、カボチャを育てて世話することで楽しさを感じることができるよ!
ああ、もう郵便局に行かないと。 郵便が届くのが遅くなっちゃうからね!
~ghostyTrickster心霊奇術師(ジョン)
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1136 ==>
君の友達だと言っているジョンって誰の事だろう? それにジョンの言っているほかの友達って?
彼が誰であろうと、この子は何かを知っているようだ。 青色は本当にきれいな色だ! それに、カボチャを育てるっていうのは中々面白そう。 おじいちゃんにアトリウムの吹き抜けを使ってガーデニングができるか聞いてみてもいいかも! とても面白そう!
ボカッ
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ボカッ
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君はこの物語の移り変わりの悪質な矛先を直接顔に受けて立ち向かっている。
君は、この攻撃的な男とそのせわしない動きの拳に疲弊している。
ジャック:ジョンのお父さんを殺そう。
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ジャック:ジョンのお父さんを殺そう。
こいつをパイプに刺してゆっくり失血死させてやろう。
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囚人を開放しろ。 こいつはもう自由の身だ。
ジェイド:ギターを弾いて、大きなスイレンの葉を呼び寄せる。
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ジェイド:ギターを弾いて、大きなスイレンの葉を呼び寄せる。
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デイヴ:ベータ版をインストールする。
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デイヴ:ベータ版をインストールする。
TG:よし、ベータ版をインストールするぞ。 TT:あなた今までどこでなにやってたの? TG:まあな TG:お前が言いたいことは TG:これをどうやって手に入れたかってことだよな TT:そうね。 TT:どうやったの? TG:空から降ってきた TG:(サングラスをかけた絵文字) TT:素晴らしいわね。 TT:さぁ、いまからこの場所を滅茶苦茶にするわよ。
[S]エンター。
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[S]エンター。
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ACT3終了
1153 ACT3終了
幕間
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cvhafepenguin · 3 years
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顔のない
私には���がない。顔がない人は人を愛することができない。顔というのはいわばアイデンティティで、それを欠いていては人に対する自分の感情に絶対の確信を持てない。揺蕩っている。故に私には愛するべき人がわからなかった。
顔がない私をまともに雇ってくれる企業などそうなく、私はただ5体満足であれば使ってくれるような日雇いを斡旋所に紹介してもらい転々と現場を渡り歩いて暮らしていた。肉体労働ばかりできついこともあったが、私が大きなマスクをすっぽり被りっぱなしで働いてもこういう職場の上司や同僚は一切干渉してこなかった。そんなある日、イベント会場のセッティングの現場で斗瀬さんと私は知り合った。
斗瀬さんは顔がない私を面白がった。
「面白いな!顔のない人間なんて、あんたの親もそんななのか?」
「いえ、私の両親も妹も普通の顔を持っています」
私は無愛想に答えた。
「突然変異ってやつか」
私は首をかしげた。かしげて、斗瀬さんにはかしげた様子がわからないことに気づいたけどどうでもよかった。
「食事はできんのか?」
「できます。普通に物を口に入れて噛んで、飲み込めます」
私はない顔の口元を指差した。私の顔は物理的に「ない」のではなくて、どうやら私含め人間には視認できない性質のもののようだ。その証拠に、他人からも触れる上、目も鼻も耳も口もあってしっかり機能しているし、呼吸も摂食も発声も発汗も泣くことも人並みにできる。しかし「ない」顔は、汗や涙よりも透明だ。
「そうか、じゃあ今日現場終わったら斡旋所で待っててくれ。俺がメシ奢ったる」
なにが「そうか」なのかわからなかった私は焦ってとっさに頷いた。しかし私の顔が見えない斗瀬さんは私が頷いたのに気づかなくて私の胸のあたりをじっと見たまま硬直していた。そしてそれに気づいた私は手でオッケーサインを出した。たまに現場で会うから断るのも気まずいし、とりあえず今回は付き合おう。斗瀬さんは「じゃ」と言って手を振りながら向こうへスキップしていった。
「愉快な人だな」と私は思った。
斗瀬さんは私より30分遅く仕事から上がり、18時過ぎに待ち合わせ場所の斡旋所にやってきた。いつの間にか外は雨だった。私は傘を忘れてきたので、斗瀬さんの傘に2人で入って歩く。アスファルトを打つ雨の匂いと、少しがに股で歩く斗瀬さんの着古したジャケットのつんとした匂いが混じってなんだか頭がふわふわする。世界の輪郭が少し、私好みに崩れた気がした。
雨は好きだ、雑踏を行き交う人々は傘で顔が隠れ匿名性が普段より増して、顔がない私でも少しだけ気後れせず街を歩くことができる。それから雨の日は人々の感情も静かで心地がいい。
「あ、あそこだよ。定食屋でもいいか?そういえば酒は飲める?」
「大丈夫です」
斗瀬さんに連れてこられたそこは駅前の商店街の「お多福」という老舗の定食屋だった。
私がなんでも食べれますよ、と伝えると、斗瀬さんはビールの大瓶と枝豆とたこわさともつ煮と鯛のかぶと煮をすらすらと注文した。
「とりあえず飲もか、ほれ」
斗瀬さんは私にコップを渡してお酌してくれた。私もお返しに斗瀬さんのコップにビールを注ぎ、乾杯して飲み干す。
「口が見えないからビールが消えたように見えて不思議だな、ああ、こういうのはデリカシーなかったな、すまん」
「いえ、大丈夫です」
私は斗瀬さんに顔がないことについて関心を持たれるのはなぜか嫌じゃなかった。他の人に突っ込まれるとああまたか、めんどくさいなあっていつもうんざりするのだけど。
「そういえば名前はなんて言うの?」
尋ねられて、名前を言ってなかったことに私も今更気がついた。
「佃 岬」
「佃って佃煮の?漢字で書くと苗字と名前のバランスが綺麗だな」
私たちは大瓶2本を空けて、シメに差し掛かっていた。私はにゅうめんで斗瀬さんはきざみうどん。斗瀬さんはあまり酒に強くないらしくて、もう赤ら顔で虚な眼をしている。
「そういえば、顔のない人は岬ちゃん以外にはいないの?」
「さあ…見たことないですね、ネットで調べても出てこないし、ただ、母によるといざってときは行政の支援も受けられるそうです。私は、あまり顔がないことに甘んじたくないのでわざとそういうのは調べないようして、一人でこういう生活をすることにしたんです。つまらない意地かもしれないけど」
「いや、つまらなくなんかない、やれるとこまでやってみようってことだよな。気に入った」
私は斗瀬さんがあまり深掘りしてこないところが好きだな、と思った。
「俺も実は産まれっていうか…家庭に反目して飛び出してきたクチでさ、そういうところ身につまされるな、まあ、一緒にすんなって思うかもしれないけど」
「そんな、とんでもない、そうだったんですね」
「少しだけ長いしつまらない身の上話になるけど俺はさ、6っつの時に母が家から出て行ってそんで12の時に父が再婚した継母に育てられてさ、そんでその継母には俺より小さい連れ子が2人いてとにかく彼女に可愛がられなかったんだよ。俺だけめし抜きとかざらだった。しかも親父は見て見ぬ振りさ、でもあのときは俺自身も仕方ないなって思ってた。それどころか、悪いのは自分だと思い込むところまできてしまってた」
独立する前の私に似ている。あの頃の私は私だけが周りと違うという理不尽をいつからか受け入れ、卑しく従ってしまっていた。そしてそれは自然なことで、どれだけ歪でも置かれた環境に適応するように生き物やその心はデザインされているのだ。でもだんだんと成長した私は、そんな摂理に抗いたくて、顔がないお前に居場所なんかない、一人で暮らせるわけないとひき止めてくる親に反発して家を飛び出してきたのだ。別にそんなことで自由が得られると信じていたわけでも、特に決定的な出来事があったわけじゃない、ただ、漠然とした不安だとかモヤモヤした気持ち、そんな灰色のものが私の中にごちゃごちゃに蓄積してついに爆発した、そんな感じ。
「親父の実家は酒造をやっていた。そしてもちろん長男の俺に継がせる気でいたんだ。親父の願い通りに高校生になった俺は学校の合間に酒蔵で働き出したよ。俺も親父は好きだったし、このまま地元で骨を埋める気でいた。でもそれは俺が18の時のときだった。継母がずっと浮気をしていたことが継母の妊娠で解ったんだ。そしてあろうことか相手は俺と殆ど歳の違わないうちの酒蔵の若い従業員だった。俺や俺の義弟ともいつも仲良くしてたやつさ。でもそれを知っても親父は何も言わなかった。先妻に捨てられたあげく、再婚した妻にも不貞を働かれたのを村の人たちに知られるとなるとたちまち嘲笑の的だ、そして恥さらしになって、この先商売を続ける上でそれは不利になると判断したからだ。おそらく継母はそこまで計算に入れていた。女っていうのは心底恐ろしいものだね。結局親父は継母も密通の相手も責めずに、家の中だけの問題に収め、なかったことにした。そしてそういったことを目の当たりにして俺の中で何かが壊れたんだ。このままここにいてはおかしくなってしまうっぞって。そのことを実感してはじめてさ、いままで頭の隅にやってた怒りっていうか、言いようのない衝動が湧いて黙って村をおん出てきた。全く情けない話さ。それから30年間ほど日雇とかアルバイトで食い繋いでこのザマってわけ」
はじめてだ、
「私たち、はぐれものどうしですね」
斗瀬さんと私は、
「はは、そうだな」
同じように…
「岬ちゃんは、俺より多分若いだろうし自分さえ大事にできればこの先いろいろ楽しいことがあるよ」
「私今年で24です」
初めて自然に他人に私の年齢を知ってほしいと思った。顔がない女の年齢なんて男にとってはほとんど意味がないのに、あぁ、身体はどうだろう、私の身体の成長は18歳くらいでぴたと止まってしまっている。しかしそれは一般的にそういう人もいるのか、それとも顔がない人間特有のものなのかはどちらのもサンプルがないのでわからなかった。
外に出ると雨は止んでいた。私は斗瀬さんにきゅっと腕組みをした。斗瀬さんの身体は見かけよりがっしりしていて、火照っていて暖かい。
そしてそのままどちらから誘うでもなく、ホテルに入った。好きな人の前では顔がなくてよかったなと思う、これは初めて見つけた感情だ。私に顔があったら、照れて初めてデートする男に腕なんて組めなかっただろうから。
それと顔がないから、私に覆い被さって動く斗瀬さんの感じている顔を照れずにはっきりと見られる。
斗瀬さんのこめかみ、脂でつやがかって白髪が混じっている。
皺の多い唇。
豊かなまつ毛。
悩ましい表情。
まばらに生えた胸毛。
胸のしみ。
斗瀬さんの全てが、透明な私のなかへそそがれていく。
斗瀬さんには私の顔はどう映っているの。
やがて斗瀬さんは果て、私を優しく抱きしめる。私は斗瀬さんの汗ばんだ首筋に、キスをする。
「意外だな、失礼だけど、岬ちゃんは初めてだと思ってた」
「男は顔がなくても気にしない人が意外にいるんだなって独立してから気付きました」
「まぁ、そんなもんかもな」
今まで付き合った数人の男たちは、顔がない私とセックスするのに特別な興奮を覚えているだけの変態ばかりだった。私はそれにどうしても気づいてしまうのでいつもすぐ冷めてしまい、身の上話なんて彼らにはほとんどしなかった。けれど斗瀬さんは違う。私は斗瀬さんのことを知りたいし、斗瀬さんにも私のことを知ってほしい。斗瀬さんにこれからの私を見てほしい。
私は今初めて、恋をしている。
それから私たちはたびたびデートするようになった、告白は斗瀬さんからだった。
「岬ちゃん、こんなんでよければ付き合ってくれませんか」
いつもの斡旋所の帰り道、私はオッケーサインで快諾した。
それから5ヶ月が経った。
その日、斗瀬さんはおでん屋でいつものように杯を重ねて赤ら顔になっていた。
そして、やにはにこんな話を切り出した。
「昨日の夜、むこうの俺の義弟から連絡があってさ、おやじが倒れたらしいんだ」
「えっ」
「末期の膵臓がんでね、もう長くないみたいなんだ…」
斗瀬さんの表情はいつものように口角を微かに上げた笑顔だったけれど、その変わらなさが反対に動揺を隠しているように見えた。
「それでこんなこと岬に頼むのも不躾だと思うんだけど、一緒におやじに会いに行ってくれないか」
「はあ…」
唐突なお願いに私はおずおずと返したが、正直なところ嬉しかった。私には顔がないけど斗瀬さんがいる。もう何も、怖くない。
「なんていうかさ…」
斗瀬さんはそう呟きながら首を傾げて右のこめかみをぽりぽりと掻く。私は斗瀬さんが決まりが悪い時にするおやじくさいこのしぐさが可愛くて好きだった。
「ほんっと勝手な話なんだけど正直に言うと、俺にとって岬は欠けていた一部みたいなもので、それを見つけた俺を、岬を死ぬ前に親父に見せたいっていうか…」
「なるほど」
それから私たちは無言になった、そして無言のまま2人で大瓶を一本空けた。それから私はもう一本注文した。
「いいですよ、その代わり条件がある」
「うん?」
聞きながら斗瀬さんは私に酌をする。
「私を婚約者としてお父さんに紹介して」
その言葉を言った瞬間、私の世界の全ての音が遠くなった。せっせと歩き回る店員も、向こうで宴会をしているサラリーマンたちも、みんなスローモーションになり、そして、ぼやけた私の世界に、今向かい合っている斗瀬さんだけが鮮烈に存在していた。斗瀬さんだけが、私を見ていた。
太腿がじんわりと冷たかった。石のように固まった斗瀬さんの持つ瓶から注がれぱなしになっているビールがコップから溢れて、テーブルを伝い私の脚を濡らしている。斗瀬さんは瓶を置き、私の透明な頬を流星のように流れ落ちていく涙をぴんと伸ばした震える人差し指で不器用にそっと拭う。
「岬は泣くと、顔の形が少しわかるね」
斗瀬さんのお父さんは私たちが様子を見に行ってから53日で亡くなってしまった。
実は継母とは15年前から別居かつ絶縁状態で、たまに斗瀬さんの義弟が様子を見にくる以外はほとんどお父さんは一人で過ごしていたらしい。酒造は経営不振からとっくに廃業しており、商売を畳む時に抱えていた負債は、実家とは離れた酒蔵の土地を開業医に売却することによって賄っていた。そんなもろもろを、これまで一切実家に連絡を入れなかった斗瀬さんは30年ぶりにお父さんに会って初めて知ったのだった。
斗瀬さんとお父さんは毎日これまでの時間を取り戻すように睦まじく、たくさん話した。斗瀬さんはお父さんの実家の土地を継ぐこととなった。
そしてしばらくして、斗瀬さんの実家には籍を入れた私と斗瀬さんとで住むことになった。
私は村の郵便局の窓口でアルバイトをした。斗瀬さんは林業に従事した。
村の人たちは、印象とは違い都会の人より顔がない私に偏見を抱かず、むしろフラットに接してくれた。そしてなにより嬉しかったのは、みんな斗瀬さんが帰ってきたのを懐かしんでいるようだったことだ。その暖かさの理由には、家の事情をみんな知っていたので同情によるものもあったのかもしれない。
郵便局の横に住んでいる私の職場の先輩の日野さんの奥さんなんかは、頻繁に家に野菜をダンボールいっぱいに詰めて持ってきてくれた。私は日野さんの奥さんともすぐに打ち解け、仲良くやれた。
「岬ちゃんって寝る前ちゃんとフェイスケアしてる?顔がなくて関係がなくても、女でいるためにそういうのやっておいたほうがいいわよ?」
「女でいるために」
「そう、女でいるためにね」
私は日野さんの奥さんと軽口を叩くのが心地よかった。あっちにいた頃は、同性ともこんなに仲良くなったことはなかった。これは都会がどうとかではなく、斗瀬さんが私を見つけてくれて、2人で私たちの居場所を作ったから得られたものだ。私は村の人たちと関わるたびに、斗瀬さんと出会うことができてほんとによかったなあとしみじみ思う。
斗瀬さんの義弟たちとその家族とも私たちはうまくやれた。むしろ、ある種の蟠りがあったぶん、深い仲になれたふしもある。
斗瀬さんと私は、ゆっくりとした時間をこの村でたくさんの想いを与えたり与えられたりしながら生きた。
「親父は、最後嬉しそうだったよ」
不意に斗瀬さんは夕食の煮っ転がしをつつきながら呟いた。
縁側から秋の冷たくて寂しい風が吹き込んでくる。
身体が冷えるから、私は少しだけ開いていたガラス戸をゆっくりと閉めた。
「親父も俺と一緒で、自分の空っぽを埋めようって思いながら足掻いて生きていたのがな、俺と岬がこっちに来た時の親父と同じくらいの、この歳になってわかってなあ。そしてそれに気づかせてくれたのは岬、君なんだ。本当に感謝しているよ」
斗瀬さんの頭はもう真っ白で、頬もこけ、身体の殆どが亡くなる前のお父さんと瓜二つになっていた。
「そんな、私こそ斗瀬さんに見つけてもらえなかったら今ごろどうしてるか想像もできないよ。こちらこそ、ありがとう」
私は想いを噛み締めながら斗瀬さんに伝えた。透明な私の中にある、しっかりとした、色彩豊かな想いを。けれど、それはうまく言葉にできなかった。
私は斗瀬さんを背後からぎゅっと抱きしめた。斗瀬さんの身体は、あの日2人で傘の下で身体を寄せ合った時と違って、薄くて頼りなくてひんやりとしていた。しばらくそうしていると、じんわり目頭が熱くなってきた。
斗瀬さんは私の頭を撫でて、私の涙に応えるようにはかない声でうんうん、と微笑を浮かべて呟くと、寝室へとぼとぼと歩いて行った。この頃斗瀬さんは21時にはもう寝てしまう。斗瀬さんはごはんもお菜も殆ど残していた。私は食べ残しにラップをかけ、冷蔵庫に入れた。私の身体は斗瀬さんに会った時とまるで変わらない、顔がない私は老けないのだ。たぶん、脳も若いままなのだろう。冷蔵庫の前で立ち尽くしてそんなことを考えていると、たくさんの涙が、わたしからあふれてきた。
斗瀬さんが死んだのは3月の晴れた暖かい日だった。病室の窓の外では、山桜が風にふわふわと揺れていた。
葬儀には村のみんなが来てくれた。
これから大変だねえ、なんかあったら家にいつでも相談に来なよ、助けになるから。とみんな優しく私に声をかけてくれた。
とても心強かった。この村に来てよかったと私は心底思った。
私は今年で150歳になる。斗瀬さんも斗瀬さんの義弟もとっくに死んでしまい、今は斗瀬さんの義弟の兄のほうの曽孫のさらに孫夫婦とその娘さん(つまり斗瀬さんの…何になるんだろう……)や村のみんな(もうはじめ来た時とは何世代も変わってしまった)と相変わらず仲良くやっている。やはりどうやら私は顔のある人より寿命が長いらしい、もしかしたら不老不死なのかも知れない。
斗瀬さんがいなくなってから私自身について気付いたことがある。
それは、もしかしたら私のような(ほかにいるのかまだ見たことないけれど私は私と同じような人が何処かにいると信じている。特に根拠はないけれど)顔のない人は顔のある人の想いを保存する役目を負っているのかもしれないということ。私は、斗瀬さんの、斗瀬さんのお父さんの、継母さんの、義弟さんたちの、そしてこれから出会ういろいろな人の想いを、透明のなかにこぼさないように注いで行く。私は斗瀬さんや、斗瀬さんとこの村に来た時に知り合った人たちがくれた想いを今でも鮮明に思い出すことができる。そこにはたしかに戸惑いや、悲しみもあったけれど、どれも宝石のように美しく輝いている。そしてそんな人の想いが在る限り、顔のない私は歩き続けるだろう。
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skf14 · 4 years
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11180143
愛読者が、死んだ。
いや、本当に死んだのかどうかは分からない。が、死んだ、と思うしか、ないのだろう。
そもそも私が小説で脚光を浴びたきっかけは、ある男のルポルタージュを書いたからだった。数多の取材を全て断っていた彼は、なぜか私にだけは心を開いて、全てを話してくれた。だからこそ書けた、そして注目された。
彼は、モラルの欠落した人間だった。善と悪を、その概念から全て捨て去ってしまっていた。人が良いと思うことも、不快に思うことも、彼は理解が出来ず、ただ彼の中のルールを元に生きている、パーソナリティ障害の一種だろうと私は初めて彼に会った時に直感した。
彼は、胸に大きな穴を抱えて、生きていた。無論、それは本当に穴が空いていたわけではないが、彼にとっては本当に穴が空いていて、穴の向こうから人が行き交う景色が見え、空虚、虚無を抱いて生きていた。不思議だ。幻覚、にしては突拍子が無さすぎる。幼い頃にスコンと空いたその穴は成長するごとに広がっていき、穴を埋める為、彼は試行し、画策した。
私が初めて彼に会ったのは、まだ裁判が始まる前のことだった。弁護士すらも遠ざけている、という彼に、私はただ、簡単な挨拶と自己紹介と、そして、「理解しない人間に理解させるため、言葉を紡ぎませんか。」と書き添えて、名刺と共に送付した。
その頃の私は書き殴った小説未満をコンテストに送り付けては、音沙汰のない携帯を握り締め、虚無感溢れる日々をなんとか食い繋いでいた。いわゆる底辺、だ。夢もなく、希望もなく、ただ、人並みの能がこれしかない、と、藁よりも脆い小説に、私は縋っていた。
そんな追い込まれた状況で手を伸ばした先が、極刑は免れないだろう男だったのは、今考えてもなぜなのか、よくわからない。ただ、他の囚人に興味があったわけでもなく、ルポルタージュが書きたかったわけでもなく、ただ、話したい。そう思った。
夏の暑い日のことだった。私の家に届いた茶封筒の中には白無地の紙が一枚入っており、筆圧の無い薄い鉛筆の字で「8月24日に、お待ちしています。」と、ただ一文だけが書き記されていた。
こちらから申し込むのに囚人側から日付を指定してくるなんて、風変わりな男だ。と、私は概要程度しか知らない彼の事件について、一通り知っておこうとパソコンを開いた。
『事件の被疑者、高山一途の家は貧しく、母親は風俗で日銭を稼ぎ、父親は勤めていた会社でトラブルを起こしクビになってからずっと、家で酒を飲んでは暴れる日々だった。怒鳴り声、金切声、過去に高山一家の近所に住んでいた住人は、幾度となく喧嘩の声を聞いていたという。高山は友人のない青春時代を送り、高校を卒業し就職した会社でも活躍することは出来ず、社会から孤立しその精神を捻じ曲げていった。高山は己の不出来を己以外の全てのせいだと責任転嫁し、世間を憎み、全てを恨み、そして凶行に至った。
被害者Aは20xx年8月24日午後11時過ぎ、高山の自宅において後頭部をバールで殴打され殺害。その後、高山により身体をバラバラに解体された後ミンチ状に叩き潰された。発見された段階では、人間だったものとは到底思えず修復不可能なほどだったという。
きっかけは近隣住民からの異��がするという通報だった。高山は殺害から2週間後、Aさんだった腐肉と室内で戯れている所を発見、逮捕に至る。現場はひどい有り様で、近隣住民の中には体調を崩し救急搬送される者もいた。身体に、腐肉とそこから滲み出る汁を塗りたくっていた高山は抵抗することもなく素直に同行し、Aさん殺害及び死体損壊等の罪を認めた。初公判は※月※日予定。』
いくつも情報を拾っていく中で、私は唐突に、彼の名前の意味について気が付き、二の腕にぞわりと鳥肌が立った。
一途。イット。それ。
あぁ、彼は、ずっと忌み嫌われ、居場所もなくただ産み落とされたという理由で必死に生きてきたんだと、何も知らない私ですら胸が締め付けられる思いがした。私は頭に入れた情報から憶測を全て消し、残った彼の人生のカケラを持って、刑務所へと赴いた。
「こんにちは。」
「こんにちは。」
「失礼します。」
「どうぞ。」
手錠と腰縄を付けて出てきた青年は、私と大して歳の変わらない、人畜無害、悪く言えば何の印象にも残らない、黒髪と、黒曜石のような真っ黒な瞳の持ち主だった。奥深い、どこまでも底のない瞳をつい値踏みするように見てしまって、慌てて促されるままパイプ椅子へと腰掛けた。彼は開口一番、私の書いている小説のことを聞いた。
「何か一つ、話してくれませんか。」
「え、あ、はい、どんな話がお好きですか。」
「貴方が一番好きな話を。」
「分かりました。では、...世界から言葉が消えたなら。」
私の一番気に入っている話、それは、10万字話すと死んでしまう奇病にかかった、愛し合う二人の話。彼は朗読などしたこともない、世に出てすらいない私の拙い小説を、目を細めて静かに聞いていた。最後まで一度も口を挟むことなく聞いているから、読み上げる私も自然と力が入ってしまう。読み終え、余韻と共に顔を上げると、彼はほろほろ、と、目から雫を溢していた。人が泣く姿を、こんなにまじまじと見たのは初めてだった。
「だ、大丈夫ですか、」
「えぇ。ありがとうございます。」
「あの、すみません、どうして私と、会っていただけることになったんでしょうか。」
ふるふる、と犬のように首を振った彼はにこり、と機械的にはにかんで、机に手を置き私を見つめた。かしゃり、と決して軽くない鉄の音が、無機質な部屋に響く。
「僕に大してアクションを起こしてくる人達は皆、同情や好奇心、粗探しと金儲けの匂いがしました。送られてくる手紙は全て下手に出ているようで、僕を品定めするように舐め回してくる文章ばかり。」
「...それは、お察しします。」
「でも、貴方の手紙には、「理解しない人間に理解させるため、言葉を紡ぎませんか。」と書かれていた。面白いな、って思いませんか。」
「何故?」
「だって、貴方、「理解させる」って、僕と同じ目線に立って、物を言ってるでしょう。」
「.........意識、していませんでした。私はただ、憶測が嫌いで、貴方のことを理解したいと、そう思っただけです。」
「また、来てくれますか。」
「勿論。貴方のことを、少しずつでいいので、教えてくれますか。」
「一つ、条件があります。」
「何でしょう。」
「もし本にするなら、僕の言葉じゃなく、貴方の言葉で書いて欲しい。」
そして私は、彼の元へ通うことになった。話を聞けば聞くほど、彼の気持ちが痛いほど分かって、いや、分かっていたのかどうかは分からない。共鳴していただけかもしれない、同情心もあったかもしれない、でも私はただただあくる日も、そのあくる日も、私の言葉で彼を表し続けた。私の記した言葉を聞いて、楽しそうに微笑む彼は、私の言葉を最後まで一度も訂正しなかった。
「貴方はどう思う?僕の、したことについて。」
「...私なら、諦めてしまって、きっと得物を手に取って終わってしまうと思います。最後の最後まで、私が満たされることよりも、世間を気にしてしまう。不幸だと己を憐れんで、見えている答えからは目を背けて、後悔し続けて死ぬことは、きっと貴方の目から見れば不思議に映る、と思います。」
「理性的だけど、道徳的な答えではないね。普通はきっと、「己を満たす為に人を殺すのは躊躇う」って、そう答えるんじゃないかな。」
「でも、乾き続ける己のままで生きることは耐え難い苦痛だった時、己を満たす選択をしたことを、誰が責められるんでしょうか。」
「...貴方に、もう少し早く、出逢いたかった。」
ぽつり、零された言葉と、アクリル板越しに翳された掌。温度が重なることはない。触れ合って、痛みを分かち合うこともない。来園者の真似をする猿のように、彼の手に私の手を合わせて、ただ、じっとその目を見つめた。相変わらず何の感情もない目は、いつもより少しだけ暖かいような、そんな気がした。
彼も、私も、孤独だったのだと、その時初めて気が付いた。世間から隔離され、もしくは自ら距離を置き、人間が信じられず、理解不能な数億もの生き物に囲まれて秩序を保ちながら日々歩かされることに抗えず、翻弄され。きっと彼の胸に空いていた穴は、彼が被害者を殺害し、埋めようと必死に肉塊を塗りたくっていた穴は、彼以外の人間が、もしくは彼が、無意識のうちに彼から抉り取っていった、彼そのものだったのだろう。理解した瞬間止まらなくなった涙を、彼は拭えない。そうだった、最初に私の話で涙した彼の頬を撫でることだって、私には出来なかった。私と彼は、分かり合えたはずなのに、分かり合えない。私の言葉で作り上げた彼は、世間が言う狂人でも可哀想な子でもない、ただ一人の、人間だった。
その数日後、彼が獄中で首を吊ったという報道が流れた時、何となく、そうなるような気がしていて、それでも私は、彼が味わったような、胸に穴が開くような喪失感を抱いた。彼はただ、理解されたかっただけだ。理解のない人間の言葉が、行動が、彼の歩く道を少しずつ曲げていった。
私は書き溜めていた彼の全てを、一冊の本にした。本のタイトルは、「今日も、皮肉なほど空は青い。」。逮捕された彼が手錠をかけられた時、部屋のカーテンの隙間から空が見えた、と言っていた。ぴっちり閉じていたはずなのに、その時だけひらりと翻った暗赤色のカーテンの間から顔を覗かせた青は、目に刺さって痛いほど、青かった、と。
出版社は皆、猟奇的殺人犯のノンフィクションを出版したい、と食い付いた。帯に著名人の寒気がする言葉も書かれた。私の名前も大々的に張り出され、重版が決定し、至る所で賛否両論が巻き起こった。被害者の遺族は怒りを露わにし、会見で私と、彼に対しての呪詛をぶちまけた。
インタビュー、取材、関わってくる人間の全てを私は拒否して、来る日も来る日も、読者から届く手紙、メール、SNS上に散乱する、本の感想を読み漁り続けた。
そこに、私の望むものは何もなかった。
『あなたは犯罪者に対して同情を誘いたいんですか?』
私がいつ、どこに、彼を可哀想だと記したのだろう。
『犯罪者を擁護したいのですか?理解出来ません。彼は人を殺したんですよ。』
彼は許されるべきだとも、悪くない、とも私は書いていない。彼は素直に逮捕され、正式な処罰ではないが、命をもって罪へ対応した。これ以上、何をしろ、と言うのだろう。彼が跪き頭を地面に擦り付け、涙ながらに謝罪する所を見たかったのだろうか。
『とても面白かったです。狂人の世界が何となく理解出来ました。』
何をどう理解したら、この感想が浮かぶのだろう。そもそもこの人は、私の本を読んだのだろうか。
『作者はもしかしたら接していくうちに、高山を愛してしまったのではないか?贔屓目の文章は公平ではなく気持ちが悪い。』
『全てを人のせいにして自分が悪くないと喚く子供に殺された方が哀れでならない。』
『結局人殺しの自己正当化本。それに手を貸した筆者も同罪。裁かれろ。』
『ただただ不快。皆寂しかったり、一人になる瞬間はある。自分だけが苦しい、と言わんばかりの態度に腹が立つ。』
『いくら貰えるんだろうなぁ筆者。羨ましいぜ、人殺しのキチガイの本書いて金貰えるなんて。』
私は、とても愚かだったのだと気付かされた。
皆に理解させよう、などと宣って、彼を、私の言葉で形作ったこと。裏を返せば、その行為は、言葉を尽くせば理解される、と、人間に期待をしていたに他ならない。
私は、彼によって得たわずかな幸福よりも、その後に押し寄せてくる大きな悲しみ、不幸がどうしようもなく耐え難く、心底、己が哀れだった。
胸に穴が空いている、と言う幻覚を見続けた彼は、穴が塞がりそうになるたび、そしてまた無機質な空虚に戻るたび、こんな痛みを感じていたのだろうか。
私は毎日、感想を読み続けた。貰った手紙は、読んだものから燃やしていった。他者に理解される、ということが、どれほど難しいのかを、思い知った。言葉を紡ぐことが怖くなり、彼を理解した私ですら、疑わしく、かといって己と論争するほどの気力はなく、ただ、この世に私以外の、彼の理解者は現れず、唯一の彼の理解者はここにいても、もう彼の話に相槌を打つことは叶わず、陰鬱とする思考の暗闇の中を、堂々巡りしていた。
思考を持つ植物になりたい、と、ずっと思っていた。人間は考える葦である、という言葉が皮肉に聞こえるほど、私はただ、一人で、誰の脳にも引っ掛からず、狭間を生きていた。
孤独、などという言葉で表すのは烏滸がましいほど、私、彼が抱えるソレは哀しく、決して治らない不治の病のようなものだった。私は彼であり、彼は私だった。同じ境遇、というわけではない。赤の他人。彼には守るべき己の秩序があり、私にはそんな誇り高いものすらなく、能動的、怠惰に流されて生きていた。
彼は、目の前にいた人間の頭にバールを振り下ろす瞬間も、身体をミンチにする工程も、全て正気だった。ただ心の中に一つだけ、それをしなければ、生きているのが恐ろしい、今しなければずっと後悔し続ける、胸を掻きむしり大声を上げて暴れたくなるような焦燥感、漠然とした不安感、それらをごちゃ混ぜにした感情、抗えない欲求のようなものが湧き上がってきた、と話していた。上手く呼吸が出来なくなる感覚、と言われて、思わず己の胸を抑えた記憶が懐かしい。
出版から3ヶ月、私は感想を読むのをやめた。人間がもっと憎らしく、恐ろしく、嫌いになった。彼が褒めてくれた、利己的な幸せの話を追い求めよう。そう決めた。私の秩序は、小説を書き続けること。嗚呼と叫ぶ声を、流れた血を、光のない部屋を、全てを飲み込む黒を文字に乗せて、上手く呼吸すること。
出版社は、どこも私の名前を見た瞬間、原稿を送り返し、もしくは廃棄した。『君も人殺したんでしょ?なんだか噂で聞いたよ。』『よくうちで本出せると思ったね、君、自分がし���こと忘れたの?』『無理ですね。会社潰したくないので。』『女ならまだ赤裸々なセックスエッセイでも書かせてやれるけど、男じゃ使えないよ、いらない。』数多の断り文句は見事に各社で違うもので、私は感嘆すると共に、人間がまた嫌いになった。彼が乗せてくれたから、私の言葉が輝いていたのだと痛感した。きっとあの本は、ノンフィクション、ルポルタージュじゃなくても、きっと人の心に突き刺さったはずだと、そう思わずにはいられなかった。
以前に働いていた会社は、ルポの出版の直前に辞表を出した。私がいなくても、普段通り世界は回る。著者の実物を狂ったように探し回っていた人間も、見つからないと分かるや否や他の叩く対象を見つけ、そちらで楽しんでいるようだった。私の書いた彼の本は、悪趣味な三流ルポ、と呼ばれた。貯金は底を尽きた。手当たり次第応募して見つけた仕事で、小銭を稼いだ。家賃と、食事に使えばもう残りは硬貨しか残らない、そんな生活になった。元より、彼の本によって得た利益は、全て燃やしてしまっていた。それが、正しい末路だと思ったからだったが、何故と言われれば説明は出来ない。ただ燃えて、真っ赤になった札が灰白色に色褪せ、風に脆く崩れていく姿を見て、幸せそうだと、そう思った。
名前を伏せ、webサイトで小説を投稿し始めた。アクセス数も、いいね!も、どうでも良かった。私はただ秩序を保つために書き、顎を上げて、夜店の金魚のように、浅い水槽の中で居場所なく肩を縮めながら、ただ、遥か遠くにある空を眺めては、届くはずもない鰭を伸ばした。
ある日、web上のダイレクトメールに一件のメッセージが入った。非難か、批評か、スパムか。開いた画面には文字がつらつらと記されていた。
『貴方の本を、販売当時に読みました。明記はされていませんが、某殺人事件のルポを書かれていた方ですか?文体が、似ていたのでもし勘違いであれば、すみません。』
断言するように言い当てられたのは初めてだったが、画面をスクロールする指はもう今更震えない。
『最新作、読みました。とても...哀しい話でした。ゾンビ、なんてコミカルなテーマなのに、貴方はコメをトラにしてしまう才能があるんでしょうね。悲劇。ただ、二人が次の世界で、二人の望む幸せを得られることを祈りたくなる、そんな話でした。過去作も、全て読みました。目を覆いたくなるリアルな描写も、抽象的なのに五感のどこかに優しく触れるような比喩も、とても素敵です。これからも、書いてください。』
コメとトラ。私が太宰の「人間失格」を好きな事は当然知らないだろうに、不思議と親近感が湧いた。単純だ。と少し笑ってから、私はその奇特な人間に一言、返信した。
『私のルポルタージュを読んで、どう思われましたか。��
無名の人間、それも、ファンタジーやラブコメがランキング上位を占めるwebにおいて、埋もれに埋もれていた私を見つけた人。だからこそ聞きたかった。例えどんな答えが返ってきても構わなかった。もう、罵詈雑言には慣れていた。
数日後、通知音に誘われて開いたDMには、前回よりも短い感想が送られてきていた。
『人を殺めた事実を別にすれば、私は少しだけ、彼の気持ちを理解出来る気がしました。。彼の抱いていた底なしの虚無感が見せた胸の穴も、それを埋めようと無意識のうちに焦がれていたものがやっと現れた時の衝動。共感は微塵も出来ないが、全く理解が出来ない化け物でも狂人でもない、赤色を見て赤色だと思う一人の人間だと思いました。』
何度も読み返していると、もう1通、メッセージが来た。惜しみながらも画面をスクロールする。
『もう一度読み直して、感想を考えました。外野からどうこう言えるほど、彼を軽んじることが出来ませんでした。良い悪いは、彼の起こした行動に対してであれば悪で、それを彼は自死という形で償った。彼の思考について善悪を語れるのは、本人だけ。』
私は、画面の向こうに現れた人間に、頭を下げた。見えるはずもない。自己満足だ。そう知りながらも、下げずにはいられなかった。彼を、私を、理解してくれてありがとう。それが、私が愛読者と出会った瞬間だった。
愛読者は、どうやら私の作風をいたく気に入ったらしかった。あれやこれや、私の言葉で色んな世界を見てみたい、と強請った。その様子はどこか彼にも似ている気がして、私は愛読者の望むまま、数多の世界を創造した。いっそう創作は捗った。愛読者以外の人間は、ろくに寄り付かずたまに冷やかす輩が現れる程度で、私の言葉は、世間には刺さらない。
まるで神にでもなった気分だった。初めて小説を書いた時、私の指先一つで、人が自由に動き、話し、歩き、生きて、死ぬ。理想の愛を作り上げることも、到底現実世界では幸せになれない人を幸せにすることも、なんでも出来た。幸福のシロップが私の脳のタンパク質にじゅわじゅわと染みていって、甘ったるいスポンジになって、溢れ出すのは快楽物質。
そう、私は神になった。上から下界を見下ろし、手に持った無数の糸を引いて切って繋いでダンス。鼻歌まじりに踊るはワルツ。喜悲劇とも呼べるその一人芝居を、私はただ、演じた。
世の偉いベストセラー作家も、私の敬愛する文豪も、ポエムを垂れ流す病んだSNSの住人も、暗闇の中で自慰じみた創作をして死んでいく私も、きっと書く理由なんて、ただ楽しくて気持ちいいから。それに尽きるような気がする。
愛読者は私の思考をよく理解し、ただモラルのない行為にはノーを突きつけ、感想を欠かさずくれた。楽しかった。アクリルの向こうで私の話を聞いていた彼は、感想を口にすることはなかった。核心を突き、時に厳しい指摘をし、それでも全ての登場人物に対して寄り添い、「理解」してくれた。行動の理由を、言動の意味を、目線の行く先を、彼らの見る世界を。
一人で歩いていた暗い世界に、ぽつり、ぽつりと街灯が灯っていく、そんな感覚。じわりじわり暖かくなる肌触りのいい空気が私を包んで、私は初めて、人と共有することの幸せを味わった。不変を自分以外に見出し、脳内を共鳴させることの価値を知った。
幸せは麻薬だ、とかの人が説く。0の状態から1の幸せを得た人間は、気付いた頃にはその1を見失う。10の幸せがないと、幸せを感じなくなる。人間は1の幸せを持っていても、0の時よりも、不幸に感じる。幸福感という魔物に侵され支配されてしまった哀れな脳が見せる、もっと大きな、訪れるはずと信じて疑わない幻影の幸せ。
私はさしずめ、来るはずのプレゼントを玄関先でそわそわと待つ少女のように無垢で、そして、馬鹿だった。無知ゆえの、無垢の信頼ゆえの、馬鹿。救えない。
愛読者は姿を消した。ある日話を更新した私のDMは、いつまで経っても鳴らなかった。震える手で押した愛読者のアカウントは消えていた。私はその時初めて、愛読者の名前も顔も性別も、何もかもを知らないことに気が付いた。遅すぎた、否、知っていたところで何が出来たのだろう。私はただ、愛読者から感想という自己顕示欲を満たせる砂糖を注がれ続けて、その甘さに耽溺していた白痴の蟻だったのに。並ぶ言葉がざらざらと、砂時計の砂の如く崩れて床に散らばっていく幻覚が見えて、私は端末を放り投げ、野良猫を落ち着かせるように布団を被り、何がいけなかったのかをひとしきり考え、そして、やめた。
人間は、皆、勝手だ。何故か。皆、自分が大事だからだ。誰も守ってくれない己を守るため、生きるため、人は必死に崖を這い上がって、その途中で崖にしがみつく他者の手を足場にしていたとしても、気付く術はない。
愛読者は何も悪くない。これは、人間に期待し、信用という目に見えない清らかな物を崇拝し、焦がれ、浅はかにも己の手の中に得られると勘違いし小躍りした、道化師の喜劇だ。
愛読者は今日も、どこかで息をして、空を見上げているのだろうか。彼が亡くなった時と同じ感覚を抱いていた。彼が最後に見た澄んだ空。私が、諦観し絶望しながらも、明日も見るであろう狭い空。人生には不幸も幸せもなく、ただいっさいがすぎていく、そう言った27歳の太宰の言葉が、彼の年に近付いてからやっと分かるようになった。そう、人が生きる、ということに、最初から大して意味はない。今、人間がヒエラルキーの頂点に君臨し、80億弱もひしめき合って睨み合って生きていることにも、意味はない。ただ、そうあったから。
愛読者が消えた意味も、彼が自ら命を絶った理由も、考えるのをやめよう。と思った。呼吸代わりに、ある種の強迫観念に基づいて狂ったように綴っていた世界も、閉じたところで私は死なないし、私は死ぬ。最早私が今こうして生きているのも、植物状態で眠る私の見ている長い長い夢かもしれない。
私は思考を捨て、人でいることをやめた。
途端に、世界が輝きだした。全てが美しく見える。私が今ここにあることが、何よりも楽しく、笑いが止まらない。鉄線入りの窓ガラスが、かの大聖堂のステンドグラスよりも耽美に見える。
太宰先生、貴方はきっと思考を続けたから、あんな話を書いたのよ。私、今、そこかしこに檸檬を置いて回りたいほど愉快。
これがきっと、幸せ。って呼ぶのね。
愛読者は死んだ。もう戻らない。私の世界と共に死んだ、と思っていたが、元から生きても死んでもいなかった。否、生きていて、死んでいた。シュレディンガーの猫だ。
「嗚呼、私、やっぱり、
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buriedbornes · 5 years
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第32話 『赤子の視る夢 (4) - “夢”』 Fetus dream chapter 4 - “Dream”
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 瞬間的に感じたのは、彼の怒りだった。ヴァルター博士は立ち尽くしたまま、無表情でいようと務めているが、その目の奥にくすぶる激情は消せないようだ。
 ぐるぐると私を渦巻いていた多くの音が遠ざかり、私は呆然とヴァルター博士を見つめていた。
 ――私はこの男を殴って逃げた。マティアス博士は私とヴァルター博士に後を任すと言った。ふたりの博士が私のところにやってくる……
 異界への門。
 その門に執着したという���ティアス博士。ヴァルター博士はマティアス博士の何を知っているのだろうか。いいや、死んだと言っていたではないか。だからこそ、私に記憶を取り戻せと。
 読まされた論文は確かに異界と私たち人間のかかわりに関するものだったが、それすら、私にはそれが真実であると確かめるすべもない��だ。
 異界は確かに存在するのだろう、目の前にある門の向こうが我々の世界ではないことは疑う余地もない。
 だからこそ、私はどうしていいか途方に暮れた。どちらが正しい? あるいは、ふたりとも、ただそれぞれに異なる見解を持っているだけなのか? 私は哀れな道化のようにじりじりと追い詰められていくだけだ。
 ヴァルター博士は息を整えてから、私にきちんと向き直った。
「突然いなくなるものだから、驚きました」
「……」
「さぁ、病室に戻りましょう」
「どうしてですか?」
 私の声は強張り、隠すべき警戒をごまかすことは出来なかった。
 それにヴァルター博士は驚いたように目を見開いた。大きな目玉がごろんと飛び出て来てそうで、私はじりっと後ずさった。
「どうしてって……あなたは昏睡から目覚めてすぐですし、それに記憶だって」
「あなたは何を隠しているんですか?」
 私の投げかけた問いに、ヴァルター博士が息を飲んだのが分かった。
「あなたはどうして私を監視していたんですか?」
「監視……?」
 ヴァルター博士はいよいよ怪訝そうに首を傾げている。
「監視なんて、どうして私がする必要があるんですか」
「私が聞いているんです、博士。この監視所に生き残っているのは他にどれだけいるというのです? あの看護婦は? テオは? モニカは? マティアス博士も!」
 問い詰める私の声の緊迫に対して、ヴァルター博士は身を乗り出した。
「思い出したのですか?」
「いいえ、ちっとも。全く」
「てっきり思い出したのかと思いました」
 ヴァルター博士のついたため息は大仰に響いた。彼はどこまでが本心なのだろうか……ただ、記憶を取り戻していないと聞いた今の表情には嘘がなかったように思えた。
 私が思い出すことを本当に望んでいるのだろうか。分からない。
「さぁ、病室に帰りましょう。記憶がないというのに、色々お話をしてしましました。混乱されているでしょう。申し訳ない、私も焦りすぎていたようだ」
「近づくな……」
「落ち着いてください、お部屋に戻るだけですから」
「来るな……っ」
 私の拒絶の声はかすれて、ヴァルター博士には伝わらなかった。ただ、私に手を伸ばしながら、じりじりと退路を断つように近づいてくる。穏やかな口ぶりだが、どこか高圧的に行動を誘導しようとしているのが分かる。
 白いその手のひらに、私は闇を見ていた。
 私が信用すべきものは何だろうか。客観的な事実は目の前にある、異界へと繋がるその赤黒い腹を晒したその門だけで、異界の向こうであったという事件も、そのほかの人間も私は知らない。
 私は本当に、クラウスなのだろうか? 私はどこにいる? 確かに窓の外、円形の中庭を抱えた監視所の向こうは深い森である、鬱蒼とした、いっそ森しかないほどの山の中ほどのようだ。少しばかり変化のあるのは、遠く峰が冠雪するばかりで、人里からは離れているのが分かる。……こんな大がかりな準備をして、ただ記憶のない私に拵えた嘘を信じさせようとするのであれば、それは尋常ではない。何か、想像を越えるほどの大きな目的のために、記憶を失った私を利用して何かを仕向けようとしているのではないだろうか。門の存在だけは真実だが、どこまでが真実だろうか。
 ヴァルター博士の目は乾き切り、何の感情も出さないように努めているのが分かる。口だけが笑っているが、酷く醜く、気味が悪い。
「さぁ、体も冷えたでしょう。温かい懐炉も用意させますから」
 赤子は宿主の記憶を読み取ると記されていた。ヴァルター博士の首筋に垣間見えた赤黒い影が脳裏を過る。
 目の前のこの男が、既に赤子に成り代わられているとして、なんの不思議があろう。
「私に全てを思い出させて、一体どうするつもりなんですか?」
 私の疑問は余程意外だったのか、ヴァルター博士の目に一瞬だけ逡巡の色がちらついた。
「真実のためです」
「……真実? 門の向こうに入った人間はほとんど死に絶えた。それだけでは足りませんか?」
「門の向こうで起きたことを、私は知りません。なにも記録することは出来ない。本物の乳母を目の当たりにして帰ったのは、あなた達ふたりだけだ。あなたは真実に辿り着き、マティアス博士の遺志を継ぐ必要があるのです」
 丁寧に感情の取り除かれた声で、ヴァルター博士は呟く。
「ヴァルター博士。私は何が真実か分からないのです……」
「そうでしょう、仲間を失い、異界の脅威に晒された。当然のことです」
「私はあなたが信用できない」
 魔物に見えるとは、口には出来なかった。
 遠慮したためでもない、ひゅっと目の前に杖が突き付けられたためだ。
「――……手荒な真似はさせないでくれ」
 声は冷たく澄んでいた。
 私は自分に突き付けられた杖の先が、迸る雷光をまとっていることに気が付いて、また一歩後ずさった。しかし、部屋の中だ、逃げ場などない。ヴァルター博士が意志を込めれば、その杖は瞬く間に私に一撃を見舞うだろう。
「――……やはり」
「博士、あなた……」
「私はずっと疑問だった、切開して肉片が見つからなかったから、あなたは安全だとマティアス博士は判断したが……やはり――やはりあなたは赤子の成り代わりなのか……」
 丁寧な口調に徹していた分、命令じみたその話し方は、あまりに無機質に私を追い詰めてくる。
「ならば、処置するまで」
「処置……?」
 ヴァルター博士は杖の先を揺らす。
「いずれにしても、安全のため一旦病室に戻ってもらう」
「閉じ込めるのか」
「それはあなた次第です」
「モニカは逃げ出したのか?」
「――……信じたくない気持ちは分かる。だが彼女は、誓って、こちら側には戻ってきていない」
「杖を下ろしてくれ、私だって真相は知りたいのですから」
「私だって知りたい。だが、君はもう異界に冒されているのだ。私には他の隊員を守る責務がある」
「私は大丈夫だとマティアス博士は言っていたじゃないですか!」
 中々従わない私に苛立ってヴァルター博士の眉がひくりと跳ねあがった。
「村には成り代わりが出た。精神に異常をきたし、周囲に怪異をまき散らしながら死んだ……そいつらは死んで、人の姿を失った。…我々が目にしたのは、崩れ去った肉片だけだ。人の姿である内の完成体の解剖は、まだ行われていなかった。」
「違う!」
 私は声の限り叫んだ。
 ――……ねえ、クラウス。
 モニカの声は確かにした。私を呼ぶ声が。
「モニカ……?」
 ――……本当に信じてもいいのかしら。なんだか、少し怖い気がするわ。
「私は信じてなんていない。騙されたりはしない……!」
「クラウス君?」
 ――……あなたはどう思う? どちらの言い分にも、筋は通っているけれど……。
「うまく行くはずない……こんなこと」
「クラウス君、気を確かに持つんだ」
 ヴァルターが私を捕まえようと手を伸ばす。
 捕まるわけにはいかない。このままあの独房へと帰れば、そのまま何もわからないまま、永遠に外には出られまい。
 逃げなければ。真実を知るためにも、そして、モニカを救うためにも。
 ――……クラウス……!
 彼女はこんなに、私に救いを求めていたというのに!
「私が確かにクラウスだというのならば、私はあなたを信じることは出来ない」
「私は君を信じたい、だが……っ」
「そうやって私を閉じ込めても、永遠にこの事件は解決はしない」
 ヴァルター博士は赤子に取り込まれ、新たな犠牲者を招こうとしているのか?
 あるいは、マティアス博士とは異なる形で異界の研究を推し進めようとしているのだろうか? いずれにしても、"私"を己の目的のために利用しようとしているのには違いあるまい。
 この門ごと私たちを葬り、門の封印を自身の手柄とするつもりなのか。
 いや、門の向こうに仲間を閉じ込め、赤子へ代わる様を観察するためなのか。
 ――……助けて……!
「まさか……!」
 ヴァルター博士がハッと息を飲み、杖を捨てて私に手を伸ばす。捕まるわけにはいかない。
「待ちなさい!」
 悲鳴に近い制止を振り切り、私は開け放たれたままの窓から門のある中庭へと飛び出した。夕闇が忍び寄り、禍々しいまでの赤黒い内部は近づくほどに不思議な光を帯びていく。
 私は門の前で、監視室を振り向いた。
 ヴァルター博士は監視室の窓の向こう、立ち尽くしてこちらを見つめ、叫んだ。
「あなたは、間違っている……!」
 絞り出すように放たれた声には、強い、裏切りへの怨嗟に似たものが感じられた。
 一瞬足が竦む。
 そんな私の視界の端を、よく実った稲穂のように束ねた黄金色の髪がよぎった。
 この香りを、覚えている―――気がする。
「モニカ……?」
 私はヴァルター博士から目を離し、再び門を振り向いた。
 赤黒い内壁は、脈打ちうねり、うごめいている。寸での先で曲がっているのか、奥が見えなかった。
 その曲がり角をモニカが歩いていく。その先に数人の人影も見える。
「モニカ!」
 きっと彼女だ。
 私の声が聞こえないのか、モニカの姿は肉の壁の向こうに消えた。
 本能的に竦む足を叱咤して、門に飛び込んだ。
 足がぐにゃりと沈み込む感触、踏みしめることのできない地面に足を取られ倒れ込みそうになる。生ぬるい風がかすかに吹いていた。
 手をつく壁もぐにゃりとゆがみ、そして、蠢く。
 垂れ下がった肉という肉が、壁や扉、カーテンのように行く手を阻み、私の視界を遮った。あれほどはっきり見えていたモニカ達が見えない。
「モニカ!」
「しかし、暑い……博士、一枚だけ脱いでもよろしいですか? 他の隊員たちの消耗してしまいます」
「……仕方ない。袖のあるものは残しなさい」
 ぐわんぐわんと肉の空間を反響して、声が間延びして聞こえた。
 ……後ろ?
 声は、私が先ほど足を踏み入れたばかりの門の方から聞こえてきた。
 私は恐る恐る背後の空間へと振り向く。
「クラウス、付着物から何かに感染するかも」
「構わない。どうせこの空間を進む限り汚染は避けられないから、出てからまとめて洗浄する。体力を温存しておきたい」
 大仰なバッグを担ぎ、肉壁の中を慎重に進んでいる一団がうっそりと歩いていた。あたりを探る視線の動きや、慎重そのものの歩き方。あれは、写真で見た、仲間たちだ……。
 どうして。いつの間に、後ろへ?
 彼らの中に、先ほど私が見た同じ髪の女性がいる。忘れるわけがない、ついさっき、彼女の背中を見て飛び込んだのだから。
 モニカに駆け寄ろうと足を踏み出した瞬間、先ほどよりも深く、ぐにゃりと地面が沈み込み、私は無様に肉の中へと倒れ込んだ。
「嘘だ……」
 静かに、そしてまるで霧になるようにして、はっきりと見ていたはずの彼らが消えた。ぐっと胃の奥から吐き気が込み上げてきた。
 何かがおかしい。
 甲高く思わず耳を塞ぎたくなるような��き声が聞こえた。まるで獣のようなその声に私はぼそりと呟く。
「赤ん坊……?」
 赤子の異界。
 マティアス博士の論文がよみがえった。
 赤子の異界と名付けたのはマティアス博士だったが、まさか、比喩ではなく、本当に異界には赤子がいるのか?
 私は気付けばブンブンと頭を強く、大きく振っていた。
 赤子の泣き声は止まる気配を見せない。
 泣き声が次第に高まる中で、加えて妙な音が聞こえはじめた。水分を含んだ肉と肉がこすれあって、歪な音を出している。
 肉だらけの異界の中で、ズル、ズル、と音が近づいてくる。異音のオーケストラに包み込まれ、私は朦朧としていたが、唐突に胸部に激しい痛みを覚え、身を跳ねさせた。
 咄嗟に抑えた手に、硬い感触がある。表面は柔らかく、熱く、けれども確かな芯のあるそれは……、
「――……肉……?」
 愕然とする。
 私の胸に深々と刺さっているそれは、肉片に他ならない。皮膚を突き破り、まるで角のように伸びている。
 こんなものが刺さったのであれば、すぐに気付いていたはずだ。
 痛みも微塵も感じなかったのに、今は赤黒くてらてらと光るその存在を主張し、激痛でこの身を強く支配して離さない。
 呼吸すらままならず、私はその場に蹲り、うめき声を上げる。
 世界を構成する肉の壁が、共鳴するように微かに揺れる。肉と肉の向こうに何かが見えた。あれほど重かった壁を容易く押しのけて、巨大な何かが近づいてくる。
 それはとても大きくて、また、小さかった。恐ろしいようで暖かく、また拒絶するようで受容している。
 ああ、
 ああ、お前が。
 視界が陰りゆく。
 恐怖は、跡形もなく消えていた。
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 ――……ブウ――――ウン、ンン―――ウウン…………。
 私の脳が揺さぶられるように、震えているのが分かる。
 歓喜に打ち震えているようにも、怯えて縮こまっているようにも思える。
 ――……ブウウン、ンン―――ウウン…………。
 この音に合わせて震えているのだ、私の頭は。
 ピチャリ、ピチャリと濡れた音が聞こえる、この音も私は知っている。
 音以外の全ての感覚が間遠く鈍い、かわりにかえって来る浮遊感。
 ドクリドクリと脈打つ音。その音と水音が私をゆったりと包み込んでいる。
 これは、羊水のようなものか。
 私の脳は更に震えた。
 ブウウン、ピチャリ、ドクリドクリ、まるで競うように奏で合う。音ばかりが響き合う。心地よい温度に包まれて、私は恍惚としている。
 私?
 私とは――。
 ……ああ、これはきっと、「赤子の視る夢」なのだ。
 これから赤子として目覚めるのだ……。
 門の中に入り、私はあの時もきっとこの光景を見たのだ。死に絶え、消え行く命を、呆然と見守ったのだ。迫りくる脅威に怯え、哭き、叫びながら、潰えるものの中から産まれたものを、見守ったのだ。
 私たちを待つものは……、私たちが得たものは……。
 赤子は泣いている。いつまでも、いつまでも。ああ、何がそんなに悲しいというのだ。この暖かな空間から飛び出すことが恐ろしいのか。
 私たちは何を求めていたのだろう。求めた先にどんな未来があったというのだろう。 
 次第に、何かが遠ざかっていきながら近づいてくる、矛盾した奇妙な感覚を覚えた。
 それは波のように押し寄せては、元の形から解けていくものの流れでもあり、また確かな形を得るように集まっていくようでもある。
 人の形をしていることだけが、人であるということの証左になるのだろうか。 
 私と世界との輪郭が次第に明確になっていく感覚に、胸が高鳴る。
 ゆっくりと、影が私の視界を覆い始める。見開かれながらも、何も映さない瞳。
 額から滴が流れ、それを覚束ない手付きで拭う。まるで血のように赤かった。
 やがて音は絶えて、その影が輪郭を持ち始める。おぼろげな光を背負ったその影はパックリと顔を真横に引き裂くようにして笑った。
「あっ……クラウス博士……」
 私は叫ぶ間もなく、意識を遂に手放した。
 ――……ブウウン、ンン―――ウウン…………。
 ブウン、ウンンン……――
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~おわり~
原作: ohNussy
著作: 森きいこ
※今回のショートストーリーはohNussyが作成したプロットを元に代筆していただく形を取っております。ご了承ください。
「ショートストーリー」は、Buriedbornesの本編で語られる事のない物語を補完するためのゲーム外コンテンツです。「ショートストーリー」で、よりBuriedbornesの世界を楽しんでいただけましたら幸いです。
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pinoconoco · 5 years
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しあわせの在処 2
風向きが変わったのは、ルキアが高校受験を迎える年になり、俺が白哉から執事に任命された、ルキア14歳、 俺が30歳になった春だった。
あの当時2歳だったルキアは、すんなり俺を受け入れ、担当なのだから当たり前だが誰よりもルキアの傍に俺はいた。大きな病気や怪我をすることなく、ルキアはすくすくと育った。
1つだけ、朽木の家と約束させられたのは、ルキアの呼び方と俺の話し方だった。
けじめの為にもルキアの事を呼び捨てにするのは絶対駄目だと同じ使用人達に怒られた。自分達の立場からして、名前を呼ぶなら様をつける、もしくはお嬢様と呼ばなければいけないと散々怒られいきついたのは「お嬢」という呼び方だった。それから俺の口の悪さからルキアまでぶっきらぼうになってしまったことで、最低限の標準語を話せとこれは雇い主の白哉から言われた。
しかし時は既に遅く、ルキアは「男みたいな話し方をするお嬢様」に成長してしまった。
とはいえよく笑いよく食べ、わがままも言うしいたずらもよくするルキアは俺にとって世界一可愛いお嬢様に違いなかった。
何でも話すようになっていた8歳の頃、二人でバケツを持って裏の公園にドングリを拾いに行った帰り道
「いちごはけっこんしないのか?」
とルキアが俺の手を握りながら聞いてきた事があった。
「そのうちするかなぁ」
「そのうちっていつ?来年?10年後?」
「さぁ‥お嬢が大人になったらとか」
「今けっこんして、私がいちごの子供になってもいいぞ?」
「は?なんだよそれ」
「そしたらいちごは私のお父さんになるから」
楽しそうに言うルキアに少しだけ戸惑った。ルキアは父親が欲しいのだろうか。白哉という義兄が物足りないわけではないと思うが(白哉はルキアを溺愛しているし)考えてみればルキアには両親がいない。けれどそれは最初からだ。白哉の婚約者でルキアの姉だった緋真さんという方は、両親が他界していなかったと聞いている。その為白哉との結婚は朽木家から散々反対されていたらしい。
「みんながね、いちごのこと、お父さんだと思ってて。ルキアちゃんのお父さんかっこいいって言うんだ」
「へぇ?お兄さんじゃなくてお父さんか」
「お兄さんがいいのか?」
「そりゃそうだろー」
まだ20代半ばだったし、素直にそう答えればルキアはふぅうん、と曖昧に頷いて
「でもルキアにはにいさまいるから、いちごはお父さんがいいな」
と言った。
真剣に考えて答えたのかと、白哉が兄で俺が父親というどうなってんだよそれな答えでも、まぁいっかと笑ってしまった。
「それで、お父さんになったら、いちごはルキアのことルキアって呼ぶんだよ」
「へ?」
「だって、いちご、名前呼んでくれないから」
ルキア様と呼ぶには親しくなりすぎていた事もあり、お嬢と呼ぶようになったが、ルキアは実はその呼び方が好きではなかったのかと小さく落胆した。
「この家のひとだけだぞ、お嬢様とかルキア様なんて呼ぶのは。学校ではみんな、ルキアって呼ぶのに」
「そりゃそうだ。だって屋敷にいるのは会長と白哉様とお嬢以外みーんなお手伝いさんなんだから。おまえはお嬢様なんだから気安く名前でなんて呼べないんだよ」
そう言うとルキアは顔をフィッと背けて「だから、いちごがお父さんになればいいのに」と小さく呟いた。
小学校の高学年になると今度は「いちごがこのまま結婚できなかったら、私がしてやるから安心しろ」と余計な心配ができる程に成長した。俺が誰よりもルキアを可愛いと溺愛していることに、ルキアが応えてくれることが嬉しかった。そんな風に時は穏やかに過ぎていった。
「本日より朽木家でお世話になります、井上織姫です!宜しくお願い致します」
そう自己紹介をしてから俺に満面の笑みを向けてきた井上に心底驚いた。
井上織姫は俺と同じ孤児院で育った3つ下の女だった。俺が孤児院を出てから彼是もう10年以上会っていなかったが、その独特の名前と幼い頃の面影を残した笑い方で直ぐに思い出すことができた。
「久しぶりっつーか半世紀ぶりだよな、驚いた、大人になったなぁおまえ」
「もう27だもん、大人だよぉ。一護君もなんか雰囲気変わったね、柔らかくなった感じ」
「そぉかぁ?それにしてもすげー偶然だな!ていうかおまえは大学行かなかったのか?あそこで一番頭よかったろ?奨学金でなら行かせてやれるとか院長言ってた気がすんだけど」
「そうだよ、大学出て薬剤師の資格もとって、ここに来たの」
「へ?」
「なかなか教えてもらえなかったんだよね、一護君の場所。やっと教えてもらえて、だから此処に来たの」
「織姫?」
井上の言葉がよくわからなくて首を傾げれば、古参の松本さんが俺の背中をばしんと叩いた。
「にっぶいわねぇ~?この子はアンタを追いかけて此処に来たって言ってんでしょーが!」
そうでしょ?と井上にウインクして松本さんは笑った。井上は昔と同じようにたはっと笑う。
「そうです、追いかけてきたんです。昔からお兄ちゃんみたいで大好きで、出ていっちゃってからも諦められなくて、やっと見つけたんです!これから、またあの頃のように一緒に過ごせると思うとほんとに、あたし、あたし」
ぼろっと大粒の涙を流した井上に皆が驚いたが、本人が一番驚いているらしく
「あれ!? 嬉しいのに、なんでアタシ泣いてんだろ、やだ、ごめんなさいぃ」
と泣きながらまた、たははと笑った。天然なのこの子?と松本さんが呆れて笑えば皆も笑った。
「ったく、大袈裟だな相変わらず」
「大袈裟じゃないよー、本当に会いたかったんだからぁ」
上目使いの涙目でそう言われると、胸がどきんと変な音をたてた気がした。
井上は誰とでも仲良くなれるし実際その明るさから皆の人気者でもあった。けれど確かに俺の傍にいつもいたように思う。突然消えた俺をずっと心配してくれてたのかもしれなかった。
「じゃぁまずお嬢に挨拶に行くか」
「ルキア様だね!あたしまだお会いしてないんだぁ。すごく可愛らしいんでしょ?」
「いやぁ‥気が強いわりに意気地無しで無愛想だぞ?でも気さくで根はいい子だから大丈夫だ」
「あ、じゃぁあたし今日皆さんのご挨拶にクッキー焼いてきたんだけど、お嬢様にも食べてもらおうかな?」
「お、おぅ、お嬢甘いもんすきだからな‥」
と言いつつ、多少不安になった。というのも井上は想像を絶する味覚音痴だからだ。ただ孤児院の時から「くそまじぃ!」「食えねぇ」と言わ慣れているからある程度は自覚していると思うし、昔の話だから今は料理もできるようになったかもしれない‥と一抹の不安を抱えたままルキアの部屋をノックした。
「入れ」
という声に井上は、ぅわぁ、ときどきするよーと足をジタジタ暴れさせた。平気だよ、と肩を押しながら扉を開ければ振り向いたルキアは不思議そうな顔で俺と井上を見た。
「お嬢、今日から新しく入った井上だ」
「井上織姫です、ルキア様宜しくお願い致します」
「あぁ、此方こそ、よろしく」
いつもなら無駄に突っ掛かってくるルキアが何故か無駄に大人しい。変な沈黙ができてしまった。
「あの、ルキア様、甘いものはお好きですか?」
同じように沈黙に耐えられなかったらしく、井上が持ってきたクッキーをルキアに差し出した。
「これよかったら召し上がってください、あたしが作ったものなのでお口にあうかわかりませんが」
「‥手作りなのか?」
「はい!お料理大好きなんです!」
「へぇ‥」
相変わらず言葉少ないルキアだが、ありがとうとクッキーを受け取ってペコリと頭を下げた。
「やだ、お嬢様が頭なんかさげないでくださいよぅ!それに美味しいかわからないですし」
「うん、織姫の料理は俺も庇えないとこあるから、無理しなくていいぞ?お嬢」
「ちょ、ひどいよ一護君!」
顔面真っ赤にして井上が声を裏返した。その様はまだ幼かった頃の井上と変わらなくてプッと思わず笑ってしまう。
「用はそれだけか?」
俺と井上が笑っていると、静かなルキアの声がした。
「挨拶だけなら出ていってくれ、私は宿題があるから。井上、これから宜しく頼む」
「は、はい!!」
「‥‥お嬢、宿題わかんなかったら呼べよ?俺がいなかったら、織姫も頭いいっつーか、俺より頭いいから織姫に頼んで大丈夫だぞ?」
「‥わかった」
そう言うとフィッと机に顔を向けてしまった。なんだ?機嫌が悪いのか体調でも悪いのか?と思ったが、井上も一緒だったしそのまま失礼します、と部屋を出た。
「うわー、緊張したぁ。白哉様と雰囲気そっくりだね!」
「いや、普段はもっと元気っつーか‥なんかごめんな織姫、お嬢態度悪くて」
「やだぁ、なんで一護君が謝るの~?自分の彼女でもないのに」
お金持ちのお嬢様なんてあんな感じでしょ?と笑う井上に、巧く言葉が続かなかった。
いや、ルキアはあんな感じじゃない
それから、確かに俺の「女」なわけでもない
さっきの態度が気に入らないし気にかかるし、井上にお嬢様なんてあんなもんなんて言われるのも何もかも嫌だった。嫌だったけれどそれがどうしてかと言われたら答えられない気がして、なにも言えなくなった。
そしてその日からルキアはあからさまに俺を避けた。
いつものように、夜の紅茶を部屋に運んでも一切喋らない。ありがとう、と礼は言うも俺の方に顔すら向けない。いつもなら宿題してようが本を読んでようが俺に仕事が残っていようが喋り続けて部屋から出さないようにするくせに。
「どこか具合が悪いのか?」
「悪くない」
「でもお嬢、最近変だぞ」
「‥‥用がないなら出てってくれ、私はやることがあるから」
そうかよ、と心で悪態をついて部屋を出た。なんなんだあの態度。全くかわいくないったら。反抗期なんだろうか。反抗期だとしたらどう接したらいいのかわからない。多分白哉に聞いたってわからない気がした。
俺を此処に連れてきた朽木白哉とは、十数年の時を経ていつのまにか親しい間柄、信頼しあえる間柄になっていた。
正直なところ何度も大喧嘩したし(90%ルキア絡みで)出てけ、出てくよのやり取りも数えきれない。けれどいつでもルキアが泣けばお互いに身を引いた。そんな感じで気がつけば、俺は「ルキア担当」から「執事」にまで昇格していたのだ。とはいえ、此所で働く人達は皆年上だし職歴も長く、執事になったとはいえ相変わらず使用人達から敬われる事なくイジられる方が多いままだった。
お疲れっすーと使用人達の休憩所に顔を出せば、わりと気のおける使用人達が一服するなりお茶を飲んだりと寛いでいた。
冷蔵庫からヨーグルトを取り出してソファにどかっと腰をおろした。上を向いてはーっと大きく息を吐き出す。最近これが癖になっていた。モヤモヤをどう消化していいのかわからなかった。こうすれば、身体の中の悪いものを少しは吐き出せる気がした。
「最近元気ないけど、執事の仕事辛いんか?」
やはり古参で朽木ロジスティクスのドライバー兼白哉の剣道の相手もしている射場さんが聞いてきた。
「いや、そんなことないっすよ」
「でもおまえ、最近やたらため息ばかりじゃけぇ、あんま笑わんし」
「‥‥そう、かな」
確かに笑ってない気がした。だってそれはルキアが笑わないからだと責任転嫁してしまう。
「お嬢様も元気ないですよね‥最近はよくお庭で阿散井君の邪魔してうっぷんはらしてるとこあるし」
「‥‥は? 雛森、今なんつった?」
「え?だから最近黒崎さんが忙しくて遊べないからか、よく庭師の阿散井君のとこにいて、脚立蹴って阿散井君倒したり、変なところ鋏で切ったり、散井君の邪魔して困らせて遊んでるから」
なんだそれ?
何故か突然腸が煮えくり返るような熱く苦いものが込み上げてきた。ルキアが庭師をからかって遊んでるだと?俺とは口もきかない目もあわせないクセに?何だそれ、じゃぁ単純に俺を嫌って避けてるだけってことか?
嫌われている、と思った時点で今度は急速に胸が苦しくなった。なんで?ルキアに何かしちまったのか俺
「ちょっと大丈夫?黒崎君百面相しちゃってるけど」
「ルキア様を庭師に取られて悔しいんか?」
「あの庭師よりは黒崎のがいい男だけどなぁ」
皆が好き勝手言って笑うなか、全然笑えなかった。庭師の阿散井は最近新しく入った刺青男だ。最初ルキアは怖がっていたから、そんな悪い奴じゃねぇよ、見た目で人を判断するなと教えたのは俺だった。
なのに今俺は、阿散井が何だかとてつもなく憎たらしい奴な気にすらなってくる。
「‥俺より阿散井といるのが楽しいのかもな、年も近いしさ。最近俺とはまともに口もきいてくんねーよ?反抗期かもしんねーと思ってたんだけどさ」
はは、と笑ったつもりだがなんだか渇いた笑いになった。今の言い訳はだせぇしカッコ悪い。余計なこと言っちまったと頭をガリガリ掻いて誤魔化すように無理矢理笑った。
「お嬢様は拗ねてるんじゃないですかね」
コック長の虎徹さんの声に、何が、と怒りのまま反応してしまえば虎徹さんは困ったように、でも笑った。
「今まで自分のものだと思ってた黒崎さんに、可愛い女の子が現れたんですから。お嬢様にしてみれば井上さんは全然悪くなくても、ライバルが現れたようなもんじゃないんですか?」
「ライバル?井上が?」
罪な男やのぅ~と射場さんが豪快に笑いだして、雛森がお嬢様可愛い~とやはり笑うなか、頭がうまくついていかない。
でもー
確かに機嫌が悪くなったのは、俺が井上を紹介したあの時からだった、気がする。
え?
まさか
ルキアは、やきもちをやいて拗ねているのか?
「まだまだ子供な部分と女性の部分、両方持ってる今、お嬢様双方の想いからくる嫉妬心にうまく対処できないんじゃないですか?」
虎徹さんの言葉にじわりじわりと胸が頬が熱くなる。何よりなんだかとんでもなく恥ずかしく、けれど油断したらにやけちまいそうで口許を手で覆って天井を仰いだ。
そうか、やきもちか
ルキアも一丁前にやいたりするのか
バカな奴だ。俺の全て、俺の生きる源がルキアでしかないのに。
「だから、黒崎さんも反抗期だからって放っておくより、いつも通りに構って構って構い倒したほうがお嬢様も元気になるんじゃないですか?あ、その時は井上さんは連れて行っちゃだめですよ」
「わーかってますって。あーめんどくせぇなぁ、まったく本当にお嬢の奴ぁガキだなぁ」
「そげな事言って、黒崎もよーやっと笑ってんじゃねぇか」
確かに今、久しぶりに楽しい気がした。
ここ数日のモヤモヤしたものが全て吐き出された気がした。よし、明日は朝からルキアに鬱陶しがられるぐらいまとわりついてやる。そう決めてしまえば早く明日にならねぇかなと、久しぶりに早く布団にも入った。
ところがそう易々と、巧く事はすすまなかった。
相変わらずルキアの機嫌は治ることなく、話しかけてもちょっかいかけてもつん、と澄まして会話に乗ってこない。あれ?焼きもちじゃなかったのかと段々とまた、俺のテンションも下がり始める。
何より腹立たしいのは庭師の阿散井の存在だった。どうやら頭は良くないのか宿題を頼む(ルキアは隙あらば人に宿題をやらせようとする)事はないようだったが、雛森の言うとおり、ルキアはよく阿散井にいたずらをして慌てる阿散井を見ては楽しそうに笑っていた。その光景をみかける度、とんでもなく俺の機嫌は悪くなった。モヤモヤとしてムカムカする。胃腸薬でも飲めば治まるかと思ったが全く効かない。
ついこの間まで
ルキアのあの笑顔は俺に向けられていたのに
そう感じてしまえば、胸にまたモヤモヤと黒い塊が巣食う気がした。なんだかんだと既にルキアとギクシャクしだして一月ほど経とうかという頃、井上が嬉しそうに俺の元に走ってきた。
「一護くん、みてみて!」
「ん?なんだ」
「お嬢様がケーキ焼いてくれたの、この間の礼だって。一護君と一緒に食べてくれって」
愛想悪いけど、可愛いよねぇお嬢様と嬉しそうに喜ぶ井上にはホッとするも、それでも今度は井上まで憎たらしく思えてくる。だって、何故?何故井上にそれを渡す?
二人で食べろというのも気に入らないが、本来なら俺に渡してくれてもいいじゃないか。今朝だって帰宅時だってルキアの部屋に顔を出しているのに。俺にも食べろと言うならケーキを焼く話を一言も言ってこなかったのは何故だ?
まだ何か話している井上に「後でもらうから」と声を掛けてルキアを探した。彼処にいて欲しくないな、と思いながら中庭に行けば予感は的中、中庭の松ノ木の手入れをしている阿散井の足元に、ルキアはいた。
何か話しかけているが、阿散井は仕事中の為生返事だ。ルキアは少々ふて腐れているようで唇を尖らしている。けれど唇に反して大きな瞳はいつもみたくきらきらと輝く事なくどんよりとしている。
ルキアが阿散井に無防備なことも、阿散井に話をまともに聞いてもらえないから拗ねている(ように見える)ことも、どちらも気に入らなかった。ルキアの担当とはいえ自分にそんな権利はないのだと冷静に判断できるのに、それでも怒りが爆発しそうな自分がいる。その時ルキアが脚立の下に置いてあった枝切り鋏を手にとって、阿散井からは死角の場所の木の枝をざっくり切り落とそうとした。
その瞬間、身体は動いた。
それはその木が、会長が大事にしているというのは、ある。だがそれは建前でしかなかった。
「ひゃ!? い、一護?」
「何してるんだお嬢!」
いたずらが見つかった子供のような顔と声のルキアに対して、俺の声は暗く低く、顔は般若なのようでしかなかっただろう。
「なんで阿散井が困る事ばかりするんだ!いい加減にしろ」
「え、あ、」
俺の本気の剣幕にあてられたらしく、ルキアは顔を強張らせた。
「自分がお嬢様なことを鼻にかけるな何しても許されると思うなと百万回言ってもお嬢にはその意味も気持ちも伝わらねえんだな」
「鼻にかけてなんかない!」
「この木は会長の生まれた年に植えられた会長の大事な木なんだ。お嬢がそれを切って歪にしても、その責任は阿散井がとらされるだろうな。クビになろうと阿散井はお嬢の名前は出せない、出したところでお嬢は叱られることもない。でも阿散井は仕事を失う。それわかっててこんなことしてんのか?なぁ!」
「‥‥ち、違‥‥」
少し言い過ぎてるし言葉もかなり乱暴なのはわかっている。わかっていてもどうしても止められない。お嬢様であるルキアにこんな態度をとっていいわけがないのに、細いルキアの手首を掴んだ指には力が増してしまう。
「違う、そんなこと思ってなかった‥‥だから、ごめんなさいごめんなさい」
「俺じゃねぇだろ謝るのは阿散井にだろーが」
「黒崎さん、俺は大丈夫です、お嬢様離してやってください」
あたふたと脚立から降りてきて阿散井は俺に懇願した。おまえが決めることじゃねぇしえらそーに助言してくんじゃねぇと睨み付けても阿散井は「黒崎さん、」と 引くことなく俺を呼んだ。
「お嬢様、寂しいんすよ。貴方が執事になられて忙しそうで。他の使用人に聞いたらお嬢様が赤ん坊の頃から貴方は傍にいたそうじゃないですか」
「今だって俺は執事兼お嬢の担当だ」
「だから、お嬢様は、貴方を思って前みたく甘えてはいけないと、負担になるからとー」
「やめろ!恋次!」
阿散井の話は素直に俺の心届きかけていた。けれどルキアが阿散井を名前で呼んだ時、またしても怒りに似た感情的が込み上げた。
「お嬢、話がある、話しましょう」
「い、いやだ!一護と話すことなんかない!」
ズキッと身体のどこかが傷んだ気がした。でも痛みなんかに負けるわけにはいかない。
「来なさい!」
「ぃゃぁあ!れ、恋次!」
担ぎ上げて肩に乗せれば、ルキアは悲鳴をあげて阿散井に助けを求めた。ぱしんとその小さな尻を叩けばイヤだぁぁと大きな声をだした。そのせいで母屋で薬の調合をしていたらしい山田さんや井上が飛び出してきた。
「ど、どうしたんです?お嬢様‥って黒崎さん何してるんです!」
「い、一護君、だめだよ、お嬢様をそんな風に扱ったらだめだよぉ~」
オロオロとする2人にいいんだよこの馬鹿姫様には説教が必要なんだと言おうとした時、
ルキアの小さな手が俺の背中のあたりのシャツをギュッと握りしめた。さっきのように山田さんや井上には助けてとも言わない。なんだ?と思ったが大丈夫だから、と2人に言ってずんずんと庭の奥にある蔵に入る。ルキアはこの場所が嫌いだ。なぜなら此所は窓がなく、剥き出しの古びた橙色の電球しかなく不気味だし、小さい頃から悪いことをして俺に怒られるのもいつも此所だからだ。
「まず、言いたいことあるなら言えよ」
ルキアを腐葉土の袋の重ねてある場所に座らせて、仁王立ちで見下ろしながら威圧的に言えばルキアはふるふると首を振った。
「何も、ない」
「そうか、じゃあ聞く。なんで俺を避ける?」
「‥‥‥‥」
都合が悪くなるとだんまりになるのは小さい頃からのルキアの癖だ。そしてこのだんまりになる時のルキアが腹に一物ある時なのも知っている。
話すまでここから出してやるつもりはなかったし、けれどルキアもなかなか素直に話をしそうにない。長期戦になるのであればと仁王立をやめてルキアの目の前にどすんと座って胡座をかいた。
「‥‥さっきの阿散井の話じゃねぇけど」
あまりに頑固に口を閉ざして三角座りのまま動かないルキアに根をあげて、口を開いたのは結局自分だった。
「俺が執事になったのが、気に入らねぇの?」
「そんなことはない」
「俺の担当はお嬢だから、おまえの相手を疎かにしてるつもりはない。でもなにかしら不満なんだろ?そうでなけりゃ理由を言ってくれ。ワケわからなけりゃ悪いところあっても治せねえんだけど?」
「‥‥だから、別に、貴様は悪くない」
「あ、そう。じゃあなんで俺を無視する?」
「無視してない。今も話してる」
「最低限な?それもいきなり最低限な会話以外話さなくなった。なんなわけ?俺が疎ましいのか?それならそう言えばいいだろ?会長でも兄貴にでも。おまえが一言言やぁ俺は簡単におまえの担当から外されるんだから。気に入らねぇならこの屋敷から追放すりゃいいし、喋りかけられるが嫌なら2度とお嬢と話さないで視界から消えてやるよ」
「い、イヤだ!そんなの許さぬ!」
突然泣きそうな顔になってルキアが顔をあげて俺と目をあわせた。大きな菫色の瞳に久しぶりに俺を写した。���の瞳にもルキアの顔が久々に飛び込んだ。ただそれだけなのに、何故か胸が熱くなった。
「じゃぁ何で俺を避ける?」
「‥‥」
「言え、言わなきゃここから出さねぇぞ」
「‥‥‥‥」
それでも理由を聞けばルキアはまた俯いてしまう。なんなんだよどうしたんだよコイツはと、はぁ、と大袈裟に溜め息を落とす。
「‥‥阿散井と随分仲良くなったんだな」
だんまりのままはきついし、さっき阿散井を名前で呼んでいたのがひっかかっていたせいか、ついそう言ってしまった。
「‥‥貴様が、悪い奴じゃない、仲良くしろと言ってたから」
なんでそこはそんな素直なんだと、悪いことじゃないはずなのに何故かイラッとしてしまう。そのため言葉が続かない。仲良くしろと言ったか?俺、いやそんな事はどうでもいいんだけど。
「おまえが使用人を名前で呼ぶなんて珍しいからさ。相当気に入ったのかと思って」
棘のある言い方な気がしたが仕方ない。素直にそう思ったし、今じゃ俺より阿散井になついてるように見えて面白くなかったのだ。
ルキアはちらりというよりはぎろりと睨むように俺に目線を寄越して
「そうだな、恋次好きだ、いい奴だし」
とにっこり笑ってでもちっとも可愛くない事を言う。
「あ、そ。じゃあ阿散井におまえの担当変えてもらうか?俺より阿散井のがおまえもいーんだろ?」
「‥‥貴様がそうしたいならそれでも構わぬ」
「はぁ?俺のせいにすんなよ、てめぇがそうしたいんだろ?阿散井のがいいっててめぇが白哉に言えよ」
「違う!私じゃない!私の担当辞めたいのは貴様だろ!」
「そんなこと言ってねぇよばーか!」
「ばかだと?ばかは貴様だ!い、井上に一護君とか呼ばれて鼻の下伸ばして、井上の事をな、名前で呼んで‥‥」
「はぁ?なんだよそれ」
「井上と一護はつきあってるんだろう?ずーっと昔から!彼女いるなんて1度も私に教えてもくれなかったくせに!」
「彼女?何それ?そんな話知らねぇけど」
「松本が教えてくれたぞ、井上は貴様といたくて追いかけてきたって。よ、よかったな、今まで私の世話ばかりして彼女にも会えないで、さぞかし辛かっただろうな、怨んでるだろ私のこと‥‥」
尻すぼみに小さくなるルキアの声に、漸くこいつなりに気を使っていたのかと気がついた。思わず笑いそうになるのを堪える。笑うのは馬鹿にしてるからではない、単純にルキアが愛しかったし、俺も嬉しくなったのだ。でもここで笑えば素直でないルキアはもっと盛大に拗ねるだろうと、天の邪鬼にも溜め息を落とした。
「すっごい勘違いだし、余計なお世話だ」
「な!」
「俺と井上は幼なじみってそれだけだ。確かに十年ぶりに会えて嬉しかったけど、正直忘れてたぐらいだ。そんな関係でしかないのに勝手に彼女にしておまえが拗ねるとかやめてくんね?」
「‥‥名前で呼んでたくせに」
「俺の育った場所では皆下の名前で呼ぶんだ」
「‥‥そう、なのか?」
泣きそうというよりは、心配そうに甘えを分段に含んでルキアが俺を見上げてくる。
バカだなぁと我慢できずに結局笑ってしまったが、ルキアは怒らなかった。「一護に内緒にされてたのかと悔しかったし、二人が名前で呼びあってたから‥松本の言うことを信じてしまったんだ」 モジモジとしながら一生懸命言い訳するルキアをそっと抱き上げた。今度はルキアは降ろせともやめろとも言わない。子犬のように俺に身を任せているがそれでもまだ少し不貞腐れているようだ。
「俺は、お嬢が嫁に行くまでどこにもいかねーし誰のもんにもならねぇよ。俺はお嬢のモンだから余計な気つかうんじゃねーよ」
そう言ってぎゅっと抱き締めてやればふわりと腕をまわしてしがみついてきた。
「そうだ、いちごは、わたしのものだから、誰にもやらないぞ」
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ザ・レジェンド・オブ・ヘルズ・クイーン
前置いてた「AIEN」の焼き直しです。
登場人物  レギュラー   閻魔女王 女   ピランチ 男 陽動力がある   クロ 女 ネコの姿をした獣人   ルーア 男 竜人   レダイン 女 魔導士・治癒士  ゲスト   ダーノン 男 おっさん   ピランチママ 女 おばさん   警吏 多数   従者
刑吏「これより、大悪党ピランチの処刑を行う!!」 刑吏2「何か言うことはあるか」 ピランチ「お前らが死ねよ」
 ○ギロチンで首を切られるピランチ。
 ○ピランチ、地獄の入り口の手前で目を覚ます。
ピランチ「う・・・・こ、ここは・・・・・」
 ○ピランチ、地獄の風景を見渡す。
ピランチ「・・・・・ここは・・・・地獄、か・・・・・? そうか俺、死刑になって・・・・・」
 ○回想開始。ピランチ、両腕を縛られて処刑台に立っている。
警吏「大悪党ピランチ!! 悪業を重ねた報いを受けよ!!」
 ○歓声。  ○回想終了。  ○ピランチ、地獄の入り口まで歩こうとして、滑る。
ピランチ「ここが地獄の入り口か・・・蛇でもじゃでも何でも来いってんだ。お袋のカミナリに比べれば何だろうと」(鬼だろ)
 ○ルーアとクロ(地獄の門番)が出てくる。
ピランチ「お・・・?」 ルーア「お前がピランチだな…」 クロ「アナタの悪行はこの地獄にまで轟いているわ。強盗、窃盗、強姦、食い逃げ・・・ありとあらゆる悪に手を染める『魔王の息子』だとね」 ピランチ「ヘッヘヘヘ、それ程でもあらぁーな。そうこの俺こそが天下の大悪党、ピランチ様だ・・・地獄の罰とやら、やってみろってンだ」 ルーア「ヘッ。こりゃあ、閻魔様の『罰』が楽しみだな、クロ」 クロ「ふふっ、ええ、そうね、ルーア。さあ、こっちへいらっしゃい。地獄の番人・閻魔女王様にお連れするわ」 ピランチ「閻魔・・・『女王』・・・?」
 ○閻魔城、謁見の間
クロ「閻魔様、天保を連れて参りました」 閻魔「ありがと」 ピランチ「・・・・って、え!? え、閻魔女王ってお、お前か!? エマ!!」 閻魔「あら、あたしじゃ不満ー? あたしは地獄の閻魔大王の娘、今は閻魔女王なの」 ピランチ「お、お前随分キャラ変わったな……て言うかだってお前……人間界に居たじゃないか!? オレと同じ魔術学校だったろ!?」 閻魔「閻魔だって学校くらい行くわ……そうだ私、あなたに謝ろうとずっと思ってたことが………」 ピランチ「あーうるせぇ、うるせぇ! なんだよ、こんな茶番に付き合ってられるか。あれだろ? 夢なんだろ? これは。きっとそうだ。よーく見たら、(クロとルーアを見て)お前らも昔殺した盗賊二人組に似ているしな。」 クロ「ちょっと、どこ行く気!?」 ピランチ「決まってるだろ、夢ならもっとタノしいことをしに行くのさ。現実でやった悪事よりももっと面白くて楽しいコトをしてやるぜ♪」
 ○ピランチ、飛んで行く。この世界では人はみんな飛べるよ。
 ○どこかの高台で地獄の風景を眺めている。
ピランチ「ったく、何してやがんだ俺は。死んだならさっさとくたばって何もかも終わらしちまえばいいのに、しぶとく断末の夢なんか楽しんでいやがる。死んでまでカッコ悪ィぜ…おっ?」
 ○高架線の線路を何やら立派な汽車が走っている。
ピランチ「よーし、あの汽車を乗っ取って、オレさまのもんにしてやるか。ゴテゴテしてて、いかにもオレ様に似合いそうじゃないか。へへっ」
 ○不敵に笑って、飛ぶ。
クロ「閻魔様、いかが致しましょうか」 閻魔「仕方ない、後を追いましょう。ぼやぼやしていると、『ダーノン』が来てしまう。今の状態の二人を合わせるのは危険だと思う。レダイン、あなたも来て頂戴。怪我人が出るかも知れないから」 レダイン「かしこまりました、女王様」
 ○汽車、社内。何やら荘厳な雰囲気で、オリエンタルと言うか、オカルトっぽいと言うか、ちょっと気色悪い感じで、紫とか青とか、そういう神秘的な感じ。突如壁が爆発し、ピランチが入ってくる。
ピランチ「ちょっとこの汽車ちょうだい♪」 警吏「コラッ! 誰だ! こんな悪いコトをするヤツは!」 ピランチ「誰だと聞かれたら……オレはピランチ様だァーッ!! オラァ!! この汽車を寄越せぇ!!」
 ○ピランチ、警吏たちを次々となぎ倒していく。
 ○場面転換
 ○従者がエマに報告しに来る。
従者「女王様!! 大変です、『ダーノン』の封印されている汽車が…ピランチに襲撃されました!」 閻魔「な、何だって!? 大変だ、今ダーノンの封印が解かれたら……この地獄は破滅する!」
 ○封印の解けたダーノンの魂がピランチの前に立ちふさがる。
ピランチ「ん……なんか見覚えのある顔だな……」 ダーノン「久しぶりだな……ピランチよ………」 ピランチ「…! そ、その声はま、まさか親父…!?」
 CM。
 ○過去回想、ピランチママがめっちゃ怖い形相で幼いピランチを叱っている。壁に死んだダーノンの肖像画が飾ってある。
ピランチママ「ピランチよ…お主は我、最悪の魔女ドランナと魔王ダーノンの息子…お主には史上最悪の血が流れておる。よいな、お前の力で世界中を恐怖のどん底に陥れてやるのだ……そして我らの力を知らしめるのだ、分かったな、ピランチ!!!」
 ○回想終了
ピランチ「どこかで見たことがあると思ったら…あんたが俺の親父か…!?」 ダーノン「そう…我こそが魔王、ダーノン………地獄で閻魔大王に封印されておったのだが……お主が封印を解いてくれたようじゃな……どれ、礼をしてやろう」 ピランチ「え、い、いいよそんな礼なん……」
 ○ダーノンの魂がピランチの中に入る。
ダーノン「おおおおおおおおお・・・」 ピランチ「ぐわっなな、何だァ!?」 ダーノン「貴様の肉体・・・・ワシが使ってやる・・・・これ���ワシは最強じゃ・・・・」 ピランチ「ぐ・・・・やめろぉ・・・・フ・・・・ウワハハハハハ!!! 魔王ダーノンの復活じゃあ!!!!」
 ○最強になったピランチが地獄の町を滅ぼし回っている。そこに閻魔、レダインがやって来る(ほか、モブ騎士やクロルーアいてもよし)
ピランチ「ウワハハハ!!!! ゆかいゆかい!!!! こりゃ最高に愉快じゃわ!!!!!!」 閻魔「ピランチ!! ダーノン!!」 ピランチ「来たか、閻魔女王………ワシを改心させようと、折角親父が地下深くに埋めたワシを掘り出したのが運の尽きじゃったのう………」 閻魔「今は私がこの地獄の番人だ、私は父とは違う……あなたも、そしてピランチも改心させて見せます!!」 ピランチ「ほ、ほ、ほ、・・・・・やれるものなら・・・・やって見やがれェ!!!!!!」
 ○戦う2人。閻魔が不利だが、それは閻魔がとどめを刺さないからである。
ピランチ「貴様…何故必殺技を出さない?」 閻魔「私は殺生はしない……あなたを生かして、改心させる!!」
 ○剣でせり合う二人。
ピランチ「ククク……そこまでして命を守りたいとは……さてはお前、この俺に惚れているな? なぁ、そうなんだろう? だから………」
 ○色香でスキを作ろうとするピランチ。
閻魔「私はどんな人も見捨てない、ダーノンも……あなたもよ、ピランチ」
 ○優しく笑う閻魔。
ピランチ「!? や……やめろ、その目で俺を見るな……やめろぉ!!!」 レダイン「今です、女王様!!」 閻魔「はぁぁーーーーっ!!!!」
 ○みねうちする閻魔。
閻魔「安心して、みねうちよ」 ダーノン(ピランチ)「そ……そんな馬鹿な!! この俺が負けるなんて……ぐわぁぁぁっ・・・・・!!!!」
 ○ダーノン、亀に変化する。
閻魔「この姿なら悪さはしないわ。レダイン、愛情をかけて、大切に飼ってね。そうすればいつかきっと、改心してくれるはずよ」 レダイン「はい、閻魔様この私、レダインが責任を持ってダーノンを保護します」 ピランチ「おい、俺はどうなるんだ…!?」 閻魔「ピランチ…」
 ○剣をしまってピランチに近づく閻魔。
閻魔「私、あなたに謝らなければならないことがあるの。昔、学校で……」
 ○回想開始
子供「お前のとーちゃん、魔王なんでしょ」 子供「おいやめなよ、まおう菌がうつるよ」 ピランチ「うるさい! オレのオヤジがどうだろうと、オレにはカンケイないだろ!!! なぁ、エマ!!」 エマ「…私よく分かんない」
 ○ふいっと去っていく閻魔。
子供「ほら、やっぱりまおうのむすこは、まおうなんだ。行こう、あんなやつにかかわると、ろくなことになんないぜ」 子供「ああ、気持ち悪いよな」
 ○取り残されるピランチ。
ピランチ「・・・・・・ああそうだよ・・・・俺は魔王ダーノンの息子だ・・・・・そんなに怖いなら・・・・お望み通りお前らみんな・・・・絶望のどん底に突き落としてやる・・・・・!!!」
 ○回想終了
閻魔「あの頃の私は剣術の修行のことしか考えてなくて……まだ未熟だったの……どうか……許してほしい………。」 ピランチ「………フン、そんなこともあったっけか? よく覚えてないぜ。そんな事より、オレはこれからどうなんだよ? 地獄の窯で煮られんのか? 逆さ吊りか?」 閻魔「そんなのは、父の代で終わったわ。今は、もうしてない。拘束も、幽閉もしてないわ」 ピランチ「え、じ、じゃあ、何もされなくていいってこと!?」 閻魔「……そう、あなたの自由よ。但し、悪いことは……」 ピランチ「うっひょーっ! だったらまず銀行強盗してー」
 ○閻魔が悲しそうな顔をする。
ピランチ「…じょ、冗談だよ。もうしねぇって。さて、どうすっかな…」 閻魔「なら、城で働けばいいよ。ねぇみんな?」 レダイン「え、でも閻魔様、相手はあの天才詐欺師ピランチですよ。城で働くだなんて…」 ピランチ「そういうお前だって、地獄に来てるってことは、悪人だったんだろうが。人のこととやかく言える身分かよ」 レダイン「う、そ、それは…!」 クロ「それならばその頭脳を、城で生かして頂ければよいのではありませんか?」 閻魔「そうだ、それが良いよ、やった、また一緒にいられるね!」 ピランチ「え…あ、ああ…」(赤面) ピランチ「(小声)オレの母さんも、そのくらい優しければな…」 閻魔「え?」 ピランチ「な、何でもない! ほら、行くならとっとと行こうぜ!」
 ○歩き出すピランチ。
閻魔「……ええ!」
 ○夕日に向かって帰路へつく一行。
<続く>[newpage] 登場人物 閻魔 レダイン 町民 子供 看護師 ピランチ クロ マリス…野生児 ベンデッタ…狼のような妖魔
 ○夜(夜とかあんのかよ)、路地裏。町人が町を歩いている音。
町人「ん? 誰かいるのか?」
 ○不安になった町民がのぞき込むと、狼のうなり声のような音。目が光り・・・・町人の悲鳴。
 ○城。子供の怪我を手当てしているレダイン。
レダイン「はい、もう大丈夫ですよ」 子供「おばちゃんありがとう!」 レダイン「お、おばちゃん・・・・ハハハッ・・・・」 看護師「レダイン先生! 急患です!」
 ○さきほどの町人、八つ裂きにされて運ばれて来る。ピランチはそれをボンヤリ見ている。
レダイン「これは…! 一体誰にやられたんです!?」 町人「う…、わ、わからない…オオカミ…」 看護師「妖魔でしょうか」
 ○ヒールを開始するレダイン。えーとここは両手を翳すとかで良いですよ。
レダイン「恐らく」 ピランチ「妖魔?」 レダイン「地獄に徘徊する魔物のことだ。彼らは凶暴で、話が通じない…」 ピランチ「フーン、女王の手にも負えない奴がいんのか」
 ○ヒールが完了する。
レダイン「安心して下さい、もう大丈夫ですよ」
 ○傷が治っている。
ピランチ「フーン、やるじゃん」 レダイン「フフフッ。何たって私は女王様直属の医師ですからね。医療の事なら何でもお任せあれですよ」 クロ「コラ~ッ! レダイン!!」
 ○クロがずかずかと歩み寄ってくる。
レダイン「ゲッ、クロさん…」 クロ「また私を実験台にして…今度という今度は許しませんからね!!」 レダイン「い、いやぁ、でも、無事だったワケですし」 クロ「そんなコトが、言い訳になるか~ッ!!」 ピランチ「あの~、何があったんです?」 クロ「この人ったら、新薬の実験とかいって私に良く分かんない豆を食べさせたのよ」 レダイン「珍しい豆、"カルリビーンズ"です」 クロ「そしたら体が蛙に変身してしまって、一日中ゲロゲロと泣きながらぴょんぴょん跳ねるしかできなかったわ」
 ○笑い出すピランチ。
クロ「レダイン~? どう責任取ってくれるつもり~?」 レダイン「す、済みませんクロ様。しかしクロ様の実験結果が多くの人を救うのです」 クロ「そればっか言っちゃってさ」 レダイン「それはそうとクロ様。最近町で妖魔が暴れているというのは本当ですか」 クロ「ええ、正体不明の"狼"のような妖魔が潜んでいるそうよ。私達も警戒を怠らないようにしてるわ。何かあれば教える」 レダイン「ありがとうございます。開発、頑張ってね(嫌味っぽく)」
 ○まだ笑ってるピランチをひとにらみして去るクロ。
ピランチ「は~、じゃ俺も行くかな。新薬の開発頑張れよ、ポンコツ君」 レダイン「む~っ」 看護師「先生、行き倒れと思われる子供が運ばれてきました」
 ○ガリガリに痩せた野生児(マリス)が運ばれて来る。
レダイン「この子の身元は?」 看護師「分かりません…」 レダイン「点滴をしましょう」
 ○すると、陰からうなり声がしたと思い、レダインがふり向くと、狼がとび掛かってくる。
レダイン「きゃあっ!?」 看護師「先生!?」 ピランチ「ちっ、"月華風林"!」
 ○ピランチが札を投げると、狼がキャンと言って飛びのく。
ピランチ「大丈夫か!?」 レダイン「この妖魔…今みんなが言っている妖魔ね」
 ○狼の妖魔、マリスを守るように立ちはだかる。
ピランチ「コイツら、グルなのか。どうする、先生? 敵を助けるのか?」 レダイン「もちろん助けます」
 ○レダイン、妖魔に近づく。
レダイン「怖がらないで。私はあなたも、その少年も傷つけない。ただ助けたいだけなの。助けたら、あなた達がいっしょに住める場所を用意する。決して引き離し
たりしないから。だから安心して」
 ○妖魔はそれを聞き、釘を刺すような目でマリスのそばに座る。レダインは治療を開始する。
マリス「…う。」 レダイン「気が付いたのね。ここは病院よ。あなた、名前は?」 マリス「ベンデッタ…ベンデッタ!」
 ○飛び起きるマリス。ベンデッタと呼ばれた妖魔がグルルと返事をし、抱きつくマリス。
マリス「…ニンゲン…タスケタ? うれしい…おれ、ころすか?」 レダイン「殺さないわ、あなたも、ベンデッタも」 マリス「オレ、マリス…」 レダイン「マリス。どこから来たの? 町の外から来たのね?」 マリス「・・・・しろい・・・・はね・・・・まもの・・・ミンナ、シンダ。ニゲテキタ……」 レダイン「! …逃げてきたのね? なら、しばらく休んで。でもお願い、食べ物はあげるから、もう『狩り』はさせないで。ベンデッタも、それでいいかしら」
 ○ベンデッタ、うなづく。
マリス「ベンデッタ…ズットイッショにイテモいいのか? コイツ、ニンゲン、チガウ」 レダイン「ええ、いいわよ。あなたの大切な友達なんでしょう」 マリス「ウレシイ…ウレシイ。ズットイッショ…」
 ○ベンデッタを抱きしめるマリス。それを「ふ~ん」といった表情で眺めているピランチ。
 ○場面転換、執政室。
閻魔「…その少年は確かに白い羽根の魔物と言ったんだな」 レダイン「はい、女王」 閻魔「白い羽根…まさか…」 レダイン&閻魔&クロ「『天使』…!」 ピランチ「…?」
<つづく>[newpage]
登場人物 閻魔 ピランチ クロ ルーア レダイン 神 家臣 天使 天使2 天国の市民 天国の市民2 天国の市民3 天国の市民4 天国の市民5 ほか、天国の市民多数
 ○城。ピランチが歩いていると、ざわざわしている。
ピランチ「ん?」
 ○人ごみに近づくピラ
ピランチ「どうした?」 クロ「陛下が天国に視察に行くと言うのですよ」 ルーア「危険だぜ、やめた方が…」 閻魔「平気だ。ばれないようにするから。どんな場所になっているのか見てくるだけだ」 ピランチ「ハハッ。地獄の番人が天国なんて、無理に決まって…」
 ○変装している閻魔。
ピランチ「お、おい、なんだその恰好は」 閻魔「変装だ。マナーにうるさい国だからな。周りと同じ格好をせねばならん。これが天国のドレスコードのようだ。私、そんなに変か?」 ピランチ「い、いや…ちょ、ちょっと動揺しただけだ」 閻魔「では、行ってくる」 クロ「お気をつけて…」
 ○天国に降り立つ閻魔。歩く
天使「おい、何だこの変な服は!! 没収だ!!」 市民「おいおい、そりゃないぜ」 閻魔(…ひどい世界だ。みんな自分のことしか見てない) 天使2「おら立て、引っ立ててやる」 市民2「信じてくれ、オレじゃない」 天使2「なら証拠はあるのか? この世界では全て証拠がなければ意味がないぞ」 市民2「クソッ、クソッ…」 閻魔「待て」 天使2「あん? 何だお前は」 閻魔「否定してるじゃないか。話くらい聞いてやったらどうだ」 天使2「…まだ『未調教』のヤツが居たようだな。天使に逆らうとどんな目に遭うか、思い知らせてやるッ!」
 ○天使の剣を軽く受け流す閻魔。倒れる天使。それを遠巻きに眺めておろおろする市民たち。
閻魔「みんな、こんな世界でずっと生きていていいのか!? 生きていた頃を思い出せ、あんたらはもっと高潔だったはずだ! だから天国に居るのだろう!? みんなで反旗を翻そう!」 市民「し、しかしそうもできない…なぜなら、神に敵うのは閻魔くらいしかいないからだ…」 ���「ねーぇ、五月蝿いんだけどォ、なんの騒ぎィ?」
 ○神が登場する。
閻魔「…あんたが神様か」 神「そーだけどぉ、何コイツ? 英雄気取り? クククッ…アタシに勝てると思ってんの?」 クロ「陛下!」 閻魔「お前達、来たのか!?」 ルーア「ここは神のホームグラウンド…戦うには不利だぜ」 神「あらお前…閻魔女王か。あんな腐った土地から来て、この神聖な聖域を犯すなんて…ユルさない」
 ○神、閻魔、変身する。バトル
閻魔「なぜ人をここまでがんじがらめにする!?」 神「なぜって、それが平和でしょ? それが幸せでしょ!? アウトローの集まりのアンタらには分かんないでしょうね!」 閻魔「アウトローなのはお前らの方だッ!!」
 ○神に負ける閻魔。
神「お前、よくそんな口が利けるな? お前の父親は散々悪事をして、その力でお前を守り、育てただろ。お前と言う存在そのものが既に、悪に変わりないのさ!」 閻魔「…確かに先代の閻魔大王は悪人だった。だが、これからの私がどうするかは、私の自由だ!!」
 ○力をさらに開放する閻魔。
ルーア「待て、こんな所でそんなに力を使ったら、お前は死ぬぞ」 閻魔「…人は、ただ生きることが目的じゃない。幸せになる事が目的なんだ。あたしにとっての幸せは、みんなを助けること。だから、いいんだよ。」 神「フン、白々しい…負けたら悔しいだけじゃない? 自分だけ見つめてれば、それで良いのよ!」 閻魔「悔しくていいじゃないか・・・・それでも人は与えられたカードを使いきるまで、生きて生きて行き抜くんだッ!!」
 ○また負ける閻魔。
神「とどめよ…正義の味方ヅラしてるとこ悪いけど、世界は勝った方が『正義』なのよ」
 ○とどめをさそうとした神の攻撃から閻魔を守るピランチ。
閻魔「…ピランチ!?」 ピランチ「じゃあ俺も言わせてもらう、俺にとっての幸せは、アンタと生きていくことだ!!」 クロ「あたしも」 ルーア「俺もだ!!」
 ○天国の市民も応じる。
閻魔「正義は必ず勝つ。何故なら…正義には、仲間がいるからだ!!」 神「何だこの力は!? 何百にもなって…ウオオォォア」
 ○神、変身解ける
神「イツツツ…」
 ○閻魔、神の前に立つ
神「や、やめてェ…殺さないで…あたしは、ただ幸せに生きたいだけなのォ…」 閻魔「立ちな。あたしがこれから、色んなことを教えてやるよ。アンタの父親の代わりにな」 神「…! 殺さ、ないの…?」 閻魔「あんたはただ、知らなかっただけさ。正しい生き方を」 市民「神様が倒された…」 市民2「え…って事は、今後は誰が神様になるんだ?」 市民3「閻様では?」 市民4「閻魔様が新しい神様だ!!」 市民5「オー、マイグッドネス!!」
 ○歓声が上がる。
ピランチ「イテテ…」 閻魔「ピランチ!! 死ぬな、しっかりしろ!! アンタはあたしと生きていくんだろ?」 ピランチ「…思い出したよ。昔、アンタ、実験の授業で一人ぼっちの俺に、話し掛けてくれたろ? 一緒にやろうって」 閻魔「・・・・ピランチ、もういい、喋るな」 ピランチ「ヘヘッ、俺に惚れたか?」 閻魔「…ああ。ありがとう…」
 ○息を引き取るピランチ…。容態を確認しようと近づくレダイン。
レダイン「ん? …彼、死んでませんよ。どうやら懐の"カルリビーンズ"が彼を攻撃から守ってくれたようです」 閻魔「え!?」 ピランチ「アレ、ハハハッ、早とちりした」 閻魔「…良かった!」
 ○抱きしめる閻魔。
ピランチ「え、ちょ、マジでやめて、みんな見てるから。ねぇちょっと、聞いてる!? おーい…」
<おわり>
主人公が女性である意味がわからない。王なんだから普通に男でいいのでは、、、ピランチと恋愛させたかっただけか? 閻魔をニールにして全面的に『AIEN』に統合します。 ただ、閻魔の娘であるという設定はこれはこれで好き・・・、、、 あと意識高すぎて餓死した人の番外編を書く予定
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karasuya-hompo · 6 years
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RDR2:72:ついに6章!
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 いよいよダッチのところへ。これが拠点移動ミッションで、6章へのチェックポイントかな。  どういうやり取りだったか忘れましたけど(←)、「問題はそいつらなんだろうか」と言うアーサー。案に、「あんたの問題じゃないのか」と言いたいんだろうなこれ。  2章どころか1章から同じこと言ってるダッチですけど、「我々はここからだ」とか、さすがにもういい加減通じないと察せないのかこのおっさんは。  と思うけど、だからってどう方向転換するんだよ? て言われるとさ(´・ω・`)  正直、アーサーさんの生活能力なら、ギャング抜けてのほほんと猟師生活やれそうですけど、他のメンバーはどうかっていうと、人種的なものが既にハンディとしてある人たちもいれば、天涯孤独的な人もいるだろうし。  はたから見てると、「とっとと解散すればいいのに」なんだけど、それができれば苦労はしないんだろうなぁ。  というわけで、チャールズを誘って次の拠点候補地へ。クレメンスポイントのときもチャールズとだったから、こういうのに向いてるって思われてるんだろうな。そのわりにシェイディベルはジョンとだったけど。
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 青空……じゃないんですよ。これ、曇り空。なんかすげー不思議な空でした。雲が真っ青なの。
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 グアーマってどんなとこだった? て話で、南の国、タヒチみたいな楽園っぽいかと思ったら全然そうじゃなかったっていう。  そういやチャールズがここで、髪をすべてなでつけて後ろで三つ編みにしてましてね。えっ、ボンズにしたの!? て一瞬驚きましたw
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 馬で行くか、カヌーで行くかと言われたので、新しい体験がしたくてカヌーを選択。
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 しまった、そのせいで小さな滝みたいになってる段差登れなくて、持ち上げて運ぶことにw 当たり前のことしてるだけなんだろうけど、ちょっとおかしいw ……チャールズに比べるとアーサーさん細いなぁとか思ってみたり(´・ω・`)  それにしても……チャールズはゲーム的に「いい人キャラ」だと思うから、一緒にいてカリカリしなくて済む……癒やし系マジで。  で、次の拠点候補ってのは、チャールズがワピチ居留地にいたときにネイティブの人から聞いたとか? マーフルーブリードがアジトにしてるとこだそうです。そこを襲撃して二人で一掃してこいって、どんだけの戦闘力なんだこいつら。  しかも……うきゃー……なんか人体の胴だけ飾ってあるわぁ:( •ᾥ•): プレイヤーとしては、このゴアをOKするならなんで猟奇殺人のry
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 またスニーキング。てかデフォルトで弓背負わされてたので、「ああ、そういうことね」と。  こういう誰かとの行動って、その人についていくだけで失敗しないので、純ステルスゲーより気楽に暗殺楽しめていいですな。  で、新聞にも出てたマーフリーども。駅馬車がまるっと行方知れずになったとか、それもここに持ってこられてたみたい。
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 メレディスちゃんという娘さんだけ無事に救出しました。怯えてる嬢ちゃんを落ち着かせて、チャールズに後を任せると、アーサーはアンスバーグへ送り届けます。  なんか妙に手の込んだ事後処理だなと思ったら……メレディスを母親に預け、さあ行こうとしたところで……ダウンズ夫人……まだ娼婦やってんのか。  そうそう生活切り替えられないのは分かるけど、農家から娼婦には簡単に転身したんだから、自分のためじゃなく息子のために、出て行くってことはできんのか。それで出て行ってやり直してくれれば、アーサーの荷も軽くなるっていう利己もあるけど。  そして拠点に戻ったら、「モリー見かけたか?」、「最近見てない」とちょっとやり取りしたことのあるそのモリーがわめきつつ乱入。  で―――サンドニの強盗、密告したのはモリーでした:( •ᾥ•): ダッチが構ってくれないから? それで仕返しのつもりか、それにしたって大勢の仲間の命がかかってるってことも分からないほど盲目なのか。それって愛は盲目とか言って許されるレベルじゃないぞ。  激怒するダッチだけど(自分が彼女を粗雑に扱ったことが原因=自分のせいだってのかよ、てのもダッチみたいなタイプを刺激するんじゃないかと)、アーサーが、彼女はもうイカれてるんだからほっとけ、と止め―――スーザンが撃ちころころしました。
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 掟でしょ、なにぼさっとしてるのあんたたちは、と。  生かしておいてこれ以上のトラブルになる&うるさいわめき声聞かされるよりは、プレイヤーとしてはこれであっさり静かになっていーんじゃない? くらいのものですけどね。ティリーとかメアリーベースみたいに優しい言葉かけてくれたりしたわけでもなくて、いつも取り澄ましてた脇役中の脇役の���、中盤ではキャンプでダッチの痴話喧嘩しててうるさいって印象しかないので(ㅍ_ㅍ) 人って、マジそんなもん。自分にとって快適な相手には寛容だけど、不快な相手には無関心だったり冷たいんですよ。  それにしても、2章のケツだったか3章だったか、モリーがなにか相談しようとしてたとき、おじさんが割って入ってこず、最後まで話を聞けていたらなにか違ったんだろうか? とか思いますけど……まあ変わらなかっただろうな。アーサーって女心分かってるタイプじゃないし。  ただ、この後カレンがかげースーザンに食って掛かってましてね。カレンもモリーのこと好きじゃなかったはずなのに。このへん、仲良く一緒に歌ったり喧嘩したり、人は一色でできてないにしたって、あまりにもふわふわと、しかも極端に態度が変わりすぎな気がしますな。  ちなみにわたくし、たびたび「ダッチは」とか人格分析みたいなことしてますけど、これ、まったく意味もないし妥当性もないとは思ってます。何故なら、彼は本物の人間ではなく、所詮キャラクターだからです。  ダッチとは、とかしきりに分析してみたって、ライターの落ち度があったらおしまい。「そういう設定なら、ここでこんな言動は取らないだろう」みたいなさ。  考察も分析も、そういう落ち度が一切ないものとしてやることになりますけど、そんなわきゃねーのです。本物の人間がそこにいて、矛盾して見える言動、理解し難い判断してるのとは違う、しょせんは人工物。でもまあ、それを承知でね、あれこれ考えるのが楽しいからいいかなと。
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 そして夢うつつになるたびに、さしはさまれる鹿。  しかしこれ、日本人には馴染みのないイメージ、心象、シンボルだよなぁ。
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 さーてセイディのとこ行くかーと思ったら……くろたまちゃんでぽくぽく走ってたら、後ろから「俺じゃなくて兄貴のほうだ」と言いつつ連行し、されていくいつもの奴らが来て。あーはいはいと通してやったのに、追いぬかれてからしばらく、距離が広がらなかったせいで「てめぇなにつけてきてんだよ」と発砲されましてね?(ㅍ_ㅍ)  天使プレイに拍車がかかったとしても、「無実の人かもしれないけど、違うかもしれないし」で見送ってたところにこれだと、とりあえずころころしとくかって気分になるあたり、しょせんは暴力にトークさせる無法者。  こういう裏稼業、明らかにヤバい監禁系のローズだけは関わったけど、他はスルーしてるんだよなぁ。別にそこまてして金とか武器ほしいわけじゃないしと。
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 そしてこのイベントのおかげでとうとうMAX天使!!٩(ˊᗜˋ*)و たしかこのひとつ前の段階で、お店の品物は半額になったはず。  ……てすげぇなおい。「いつもみんなのためにご苦労様です。貴方みたいなかたからフルプライスもらうなんてできませんよ。どうか半額で持って行ってください」てすべての店の人が言ってくれるとか、どんなんや(ㅍ_ㅍ) と、ゲームシステムについてメタなツッコミを入れずにはいられないこの性分。
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 そしてやってきた桟橋。お、アビゲイルがおる。そりゃそうか。ジョンのこと心配だもんな。ろくでなしとかなんとか言ってたって。
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 私も行く、というアビゲイルをセイディと二人して「ここにいろ」と説得。……アビゲイルの戦闘能力わからんけど、そんな格好でついてこられてもぶっちゃけ邪魔なんだけどな?  アビゲイルとしては、自分の夫のことなのに、自分は待ってるだけで二人にだけ危険なことさせて申し訳ない、というのもあるみたいですね。
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 乗り込んでー……遠くから双眼鏡とかライフルで見てみても、はっきりジョンかどうかわからないのに狙撃。雑だなおい( ತಎತ)  で、生き残ってる看守を脅して、刑務所前まで戦闘回避。
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 ジョンを出せー!! って……あのさぁ、ダッチギャングのジョン=マーストンを助けに来たら、そりゃもうダッチギャングのメンバーでしかないわけで、そんな「俺たちここにいるぜー」をやつてどうすんだあんたら……。  もう少しこう裏口からこっそりとか、他の囚人諸共壁爆破して脱獄させてとか、わからんようにするって頭はないんかい!!
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 ジョンを確保したら、あとは銃撃しつつボートまで。
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 相変わらず助けられてるジョン。狼、バレンタインの一件に引き続き、アーサーにとっては三度目のジョン救出かw 「また助けてもらったな」とか皮肉もチックリチックリ。  そう言いつつね、喧嘩ばっかりだったけどあいつもマシになったし嫌いじゃないとか後で日記にも書きますけど、列車強盗の作戦聞いたときの「おっ?」ってちょっとうれしそうな顔とかね、わしゃあ忘れてないですよ。  つーかだいたい、ジョンレベルの「気に入らないところがある。ぶつかる相手」を嫌いになって無視できるなら、アーサーさんとっくにギャング抜けて自由になってるでしょ。それができないお人好しだから今でも命削って残ってるんでしょ。  素直になれよ!!
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 ジョンが捕まるところをダッチは見てた、助けられたのに助けなかった、とか言い出しますが……。それについてはちょっと思うところがあるのだな我が輩( ・ὢ・ )  「あれが本当のダッチ」てのも同様。何度か書いてるとおり、黒いものを持ってたら、白いものを持ってなかったことになるのか。白く見えてたのは「本当じゃない」=偽りだったのか。そんなわけはないのです。  ……まあ、ゆーてもジョンは26くらい? アーサーも35くらい? しかも考えることはダッチに任せての無法者暮らしでは、人間について考察する機会なんかあるまい。仕方ないか(´・ω・`)  とか言う我が輩も、他人事として観察してるからあれこれ言いますけど、自分が渦中にいたらこんな冷静じゃないし、客観もできません。それができるようになりたいとは思うけどね。
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 キレたダッチになじられます。ジョンを助けに行く算段はしてた、そいつが絞首刑にならなかった代わりに俺たち全員が首に縄突っ込んだも同然だ、と。  助ける気そもそもなかったんじゃね? てのもありますけど、事実この後、ルモワン全域で解除不可能の指名手配されましたからね。  ゲームとしては、それで実際に割り食うのアーサーだけにしか見えないんですけど、全員がこの危険を共にするとしたら、それこそ、勝手をするなと言われても無理ない結果です。  あまりにも頭悪すぎる正面突破の奪還方法に既にツッコミ入れてますけど、マジでこれはな。いくらジョンのことが心配だったからって、それで全員を危険にさらしたことになるし、正当化できん、ダッチが薄情だと一方的には言えんでしょ。  助けることのリスクが許容範囲ならともかく、やったら全員が危険になると判断したら、一殺多生はやむをえないんじゃなかろうか?  ジョンが捕まるのを見てても助けなかったのも、助けに行かせたせいでその誰かあるいは自分が死ぬかもしれない。だったら、バレンタインに続き二度もまんまと敵の手に落ちる戦闘要員、諦めるのがそんなに異常なことだろうか。  沈没時、ダッチが船を出せと判断したとしてですが、アーサーを待ってたらこっちまで巻き込まれて沈むかもしれない。ビル、マイカ、ハビアと自分の命すべてを賭けて、沈むまで待てと? そんなわけない。ある程度待ったら行くしかない。  ジョンが絞首刑になるとしても、刑務所からの強引な脱獄は、明らかにダッチギャングがまだこのへんで活動してると知られることになる。せっかくバラバラでこそこそと戻ってきたのが台無し。それを考えたら、一人見殺しにしたほうが全員のためなるのかもしれない。  だとしたら、ダッチか完全に無軌道になったとは思えません。  「誰も見捨てない」とか言ってただろうとか、ガキじゃあるまいし、いつまでそれを言質にとるのよ。むしろ今まで、調子のいいときだけでも、それを実行してきたこと自体で既に、ダッチは大した男なんじゃないのか。  けど、もういい加減そんな理想が通じる状況じゃなくなってる。そのことを、ダッチ自身も、アーサーたちも認め、受け入れて、現実に直面せねばならんのと違うかね?
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 そしてまた鹿。欧米人にはピンとくる表現かもしれないけど、日本人のプレイヤーとしてはこの鹿、どう受け止めてるんだろう。「神の象徴」とか、なんらかの予備知識ある人は別として。
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 ちょっと居眠りしてました。体力がなくなっているのですな(´・ω・`)  ちなみに、こっから先は指名手配気にしてもしゃーないので、このカウボーイスタイルか、ブラックガンマンで押し通すつもりです。  どっちかといえば……アーサーお気に入りの自分の帽子と、最初から持ってたリージャンベストとかジーンズ使った、この服のほうが「らしい」かな。
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 レオポルドのとこに来ました。また借金取り立て。  いいことしたいと思ってるなら行かなきゃいいんだけどね。それにこれ、メインじゃないよね? 白マークだし。  しかし気になるのでやつてしまうプレイヤーのメタ視点。
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 スーザンに話しかけるのはちょっと怖かったけど、まあ、彼女は自分のしたこと、現実として他人の非難もなにもかも受け止めてる気がします。正しいかどうかとか、誰かがやるべきだったとかどうとか、今更言い訳なしに。  彼女がどんな「キャラ」なのか分かりませんけど、もし、ヒステリーと同時に非常に思慮深い面もあったとしたら「ダッチがやったら賛否別れて崩壊するかもしれない」と、あえて自分がやった、とか解釈できなくもないかもですな。  逆に、あの尻でもの考える馬鹿女、別にいなくても何一つ困らないし(実際モリーはキャンプでなんの仕事もしてない)掟なんだからとっととやればいいのに、くらいでころころしててもいいと思います。
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 ささやかな台詞だけど、根本に触れてるなと思ったおじさんの言葉。「悪人から奪った酒」。昔はそうだった。けど今はもう金のため、自分たちが生き延びるため、見境のない犯罪者集団よ。  義賊気取っていられるのは、自分たちに余裕があったから。それがなくても義賊であれるような聖人君子、ダッチだけじゃなく、みーんなそうじゃないっしょ。
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 借金取り立てに道中。オレンジと白の花がいっぱいサイてるのは、ニューハノーバーの北のほうね。  えーっと……相手は馬車の修理中。軍服っぽいの着てるなぁ。で、やっぱり金はない、と。そしてやっぱり、レオポルドは期日までに返せる見込みなんてないの分かってて貸したぽい。  そこに追手。どうやら彼、白人なのに、ネイティブのおねーちゃんを奥さんにしたし、それでなんか揉めたぽいです。殺せと言われたのに助けたとか、そんなのかな。命令違反したらしいし。
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 銃撃戦で馬車と物資は燃えちゃった。借金の代わりにこれをとアクセサリダサれたけど……「断る」選択肢ある以上は、もう断るしかないだろアーサーさん。それに俺、今でも1万9000$くらいあって、チートなしでも1000$くらい増えてるし、もうすぐ死ぬし、だから借金肩代わりしたって全然構わないし。  感謝する相手に、なんかすげーかっこいい台詞言ったなw 天使が、王子様が、なに行ってんだほんとに。アーサーさん、少しは自覚しようよ?
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 ダッチの命令になんでも従うつもりはない、と決めたらしいアーサーさんです。  自分のこともほとんどの仲間のことも信じられない、とも書いてます。マイカは絶対信用できんってのは、グアーマでの発言聞けば分かる( ・ὢ・ )  けど「ほとんどの」の中に入らないのは誰なんだろう。男連中は基本的な不信の目で見られてそうだけど、チャールズはな。一度日記にも「彼はナチュラルに良いことができるいい奴だ」とか書いてるしな。信じられるんじゃないかな(´・ω・`)  あと、ジョンはブランてのとこもそうだけど、アーサーと同じ感覚持って物事見てるところがあるので、それに気付いてたら、「あの馬鹿は馬鹿だし大丈夫」とか思ってそうw  アビゲイルのことはやけに高く評価してます。「俺の知る中で、自分らしさを持った最高の女」とか。どのへんからそうなるのかは謎ですけど。プレイヤーの目に入るのは、ジョンをクソミソに罵って喧嘩してるとことか、ギャングの中で生きてて「吊るされる側じゃなく吊るす側」とか言う無神経さとかばっかりなんだけど? まあジョンの幼なじみならやっぱ20半ばくらいだろうし、そんな出来た人間でなくても当然だけどね。  セイディは直情的だから厄介者ではあるけど、愛する者を失うつらさを強く思い知って、だからアビゲイルには親身なんだろうしね。トラブルメーカーではあるとしても、欲得とか自分の見栄に流されるタイプでないのは確かそう。
 ―――と名前を並べてみると、「自分に味方してくれそうな人が仲間」みたいなところはあるなぁと思ったり。  ダッチからすると、アーサーは最近やたら自分に文句ばかり言うわけで。これまでずっと可愛がってきたのが、ダッチのすることに疑問持ったり、乗り気じゃなかったり、反対したり、挙げ句に言いつけ破って勝手に行動したり。自分の苦境や負担を理解するどころか、間違いがあると責めてくる。もちろん間違いは間違いだけど、だとしても「理解してほしい」という思いがあるのは自然じゃなかろうか。ダッチにとってのアーサーという立場から考えたら、「特におまえには」。  それはイコール、イエスマンがほしいってことなのは間違いありません。なんでもかんでもイエスイエスと自分に従って、楽しくやっていける相手。で、かつてはアーサーがそうだった。そして今はマイカがそう。マイカを重用してしまうのは、人として自然かもしれません。  じゃあそれって、器の小さいだっせぇことなのかって行ったら……じゃあ自分はどうなんだろうか、と。自分のすることにいちいち文句つけてダメ出ししてくる気に入らない相手がいたら、その人の意見を、私情抜きで、有用かどうかだけ見て判断し、有用であったりすっぱり気持ちよく採用できるんでしょうか。  たぶん大半の人間は、「気に入らない相手だから、その意見も気に入らず、却下してる」という自覚すらなく却下するし、自覚してたって、なかなか受け入れられないんでないかな?  マイカに対するアーサーおよびプレイヤーの判断も、それにまったく流されてないと言えるかどうか。  ちなみに私は、こいつ胡散臭いにも程がある、っていうインプレッションで「こいつ絶対内通者とかなんかそーゆーのだろ」と決めつけた、メタ視点で見てますw
 さて……お手紙届いたらしいので読んでみることに。またメアリーかと思ったら、ブレイスウェイト家のペネロペ嬢でした。……ってなんでここが分かったの!? てかこんな素人の娘さんにまで居場所特定されて、どこの誰かは知らないけど手紙届けた配達人もいるわけで、それってもう完全に居場所バレバレってことじゃねぇの!? と激しくツッコミたくてたまらないんですけど。  こんなザルが通るような展開やってるわけですから、「ダッチとは」とか分析したって意味ないのも、明白ですよね? それでも↑のとおり、やるんですけどねw もしここに整合性つけるなら、手紙は直接アーサーのところじゃなく、居場所が分からないから、どこか、誰か彼を見かけてくれそうな場所、と、ローズの郵便局に預けられて、そこでミッション発生すべきなのでは??
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 ペネロペ嬢。こいつらの色恋沙汰が絡んでなにか起こるのかと思ったら、それとは無関係にドタバタし、あれからどうしてたのかと思えば……アーサーがダッチギャングの一人、自分たちの家が崩壊した原因とは知らない、んだろうな。知ってたらさすがに頼らないんじゃなかろうか。いくら自分たちの家のこと、我欲ばかりの家族のことを嫌ってたとしても。
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 この二人、若いだけに軽いというか足りないところはあるし、この先苦労したらどうなるかも見ものだけど、今のところ、理想と希望に燃える若い恋人たち。このまま苦労も互いに乗り越えて、より賢く強く、そして仲良くなるといいのだが。  ちなみにボーは毎日ローズの駅でペネロペが来るかもと待ってたそう。こいつ……なかなか根気もあるし、少なくとも今は熱心に愛してることに間違いないんだな。  てか、だったらそれこそボーからミッションスタートしたんじゃならんかったんか。ローズに来ると、毎日ここで待ってるボーがいて、アーサーを見かけて、二人で逃げたいんだけどペネロペがなかなか監視を抜けられないみたいで……とかさ。  で、絡んできた従兄弟たちぶっ飛ばして、一緒に列車へ。  しかもその列車まで、雇われたならず者に馬で追われ……ペネロペちゃん、実家の宝石持ちだしてきたそうな。つーかじゃああそこんち、財産けっこうあったってことじゃ……?w  そいつらを追い払ったはいいけど、機関士がビビッて逃げてしまったため……
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 列車を運転することにw  つーかこれさぁ、この一度きりなんじゃないかと思うんですが、そんなことのためにこのシステム組み込んだのかっていう。何度も繰り返して発生することにアニメーション作ったり、システム作るのは当然だけど、列車運転する機会って、オンライン含めて今後もあるんですかね?  ちなみにベル鳴らしたり汽笛鳴らしたりってなにかあるのかなぁ。バッファローの群れがいたので、「もしかして音で追い払って、線路に入ってこないようにしろってことかな?」とは思いましたけど。
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 しかも到着したのはリッグズ駅。サンドニへの切符買ってたんだけど……えーっと……ここの路線って一方こうだけで、ローズからサンドニ行こうとしたら、南下できないから一回りしないといけないのか……?
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 けどまあ、ここから北へ、ボストン目指して駅馬車です。  「おまえ拳銃持ってるか?」と御者に尋ね、「当たり前だ。持ってなきゃやってられない」と答えると、奪ってペネロペちゃんへ。悪さできないようにってことと、なんかあったら自分で身を守れってことか。ボーはそのへん、あんま役に立たないタイプだしな。  宝石のブレスレットくれようとしましたけど、だから俺、金目のものはもういらないんだってばさ。ギャングに寄付する気なんてもうゼロだし。どうせ遠からず死ぬし。だったら若い二人の未来のため……金持ち二人だけど、この後なにがあるか分からんしな。家宝なら尚更、人にやるもんじゃないだろ。  それに、そういうものの価値が心底分かってる相手から、「お礼としては、大切なものだからこそ、ぜひ貴方にこれをもらつてほしい」と渡されるなら、受け取らない=相手のその深い気持ちを受け取らないのと同義って気もするけど、「金目のもの」って認識しかないもの渡されてもな。  ともあれ、しっかりやれよロミジュリ!
 というあたりまで、4章ラストから一気プレイでした。  途中でオークリー湖? の脇の「?」も見つけてますけど、あれはクリア後のほうがいいと、理由含めて聞いておりましてね。ぼかぁくろたまちゃんと一緒にいるから、尚更、今やる気にはなれないんだ。  さて……ここまで来たら、サブクエ出るのを待つためにちょっとだけふらっとしつつ、ひたすらメインミッションですかね。  章が切り替わってるので、それぞれの町も一通り見てきたい……これまでの足跡をゆっくり辿っておきたいというのがあります。それやって、早めに寝てれば(体力ないだろうという雰囲気RPの一環)、そこそこ時間も経過するから、時限式の続編もきっちり発生していくんじゃないかな。  しかし……さすがにこれだけまとめて進めると、個々の印象は薄くなってますし、疲れたのでね。明日明後日あたりは一休みですよ。
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eyes8honpo · 6 years
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二章 冬の日々、憧れた春
 一度目のノック。返事はなかった。  二度目のノック。前回より、数を多く、強めに。やはり反応はない。  三度目のノック。部屋の主はようやく気付いたのか、入りたまえ、と俺を招き入れた。 「何か用かね? 生憎手を離している隙がなくてね、手短に済ませてくれると助かるんだが?」  来客に向かって目もくれず、手元に集中している斎宮は、思っていたほど機嫌を損ねてはいなかった。自己のペースを乱されることや、己の領域を侵されることに酷く神経質な彼のことだから、無視されるか、反応があるとしてもあからさまに嫌な顔をされると思っていた。 「作業中すまんな、だがこちらも生憎、用があるのはお前ではない。影片はいるか? 書類の不備があるので書き足してほしい」  ぴくり、と針を持つ手が一瞬鈍る。深い深いため息のあと、斎宮は縫い物を続けながらブツブツと小言を並べた。 「全く……あれは本当に出来損ないのガラクタだね。今回ばかりは大丈夫だろうと任せておいた結果がこれとは、嘆かわしいにも程があるというものだ。もうあと少しだけ集中力があれば、そこそこのモノになるだろうに……寄越したまえ、いつまでに書かせればいい?」 「期日はまだ先だ。しかし明後日には生徒会に再提出してくれると助かる。処理は衣更が仕切っているからな。ギリギリに書類を増やして負担をかけたくない」 「フン、甘いね、君も。在学中に慣れない仕事を山ほどさせておけば来年楽だとは思わないのかね?」 「節分祭の取り仕切りだけでも充分てんやわんやしただろう。今頃はプロデュース科の始動についても案件を抱えているはずだ。……あいつらには意地の悪いことしかしてやれんかったからな。これくらいはいいだろう」 「……まあ、君がそう言うのならば、僕がこれ以上口を出すこともない。いいだろう、すぐにでも呼びつけて書き直しを……と言いたいところだが、実はこちらも色々あってね。今あれは使い物にならない。仕方がないから、今回だけ特別に僕が書いてやろう。さ、何処を直せばいいのだね?」 「ああ、助かる。曲目の横に、分数を書くところがあるだろう、ある程度の目安で構わんが……」 「この僕が、自分の作り上げた作品の一分一秒を覚えていないとでも?」 「――言うと思ったぞ、いや、助かるな、本当に」  俺ではなく、衣更が、と続けると、斎宮はほんの少し呆れたように笑った。  さらさらと紙面にインクが乗る音を聞きながら、手芸部の部室、もとい斎宮宗の城砦を見回した。ゴシック調の衣装が所狭しと並ぶなか、間に挟まる中華風の祭り衣装。ハンガーにゆったりとかけられた羽衣のような薄布は、七夕祭の衣装だろうか。幅が広いな、と感心していると、部屋の隅に立て掛けられた二本の旗が目に留まった。 「そういえば――お前たちにも、旗を振る曲があったな」 「あぁ、あるね。それが何か?」  書いた数字を再度確認するように目を上下に動かす斎宮は、見向きもせず頷いた。 「月永がな。このところ毎日のように弓道場に旗を持ち込んで、むやみやたらに振り回している。気が散ってかなわん。よければなんだが、扱い方を教えてやってくれ」 「月永?」  ぼう、とした斎宮の視線が、ようやく俺と交わったのはその時だった。  新曲の振り付けで、旗を使いたいそうだ。説明すると、ふむ、と肯定とも否定とも取れない曖昧さで、斎宮は頬杖をついた。手に持った書類は、おそらく完璧に書き終わっている。 「……月永も、変わってしまったね」  過去を思うように遠い目をすると、斎宮は小さく溜め息をついた。 「それは、悪い意味でか?」  手元の書類に手を伸ばすと、ほとんど同時に差し出された。ありがとう、と受け取りながら、俺は伏せられた斎宮のまつげに視線をやった。 「いいや。他意などないよ、事実を述べただけだ。……まあ、あの芸術的な旋律の数々が、凡人相手に漠然と大量消費されることに対しては、大いに憤慨しているところだけれどもね!」  フン、と鼻息を荒くして、斎宮は腕を組むと、それも束の間、また針に手をやって、衣装を作り始めた。 「優しいんだな、斎宮は」  そして以前より、それが表に出るようになった。  余計なお世話なのだよと返ってくるのを待ちながら、俺は書類を確認していた。あるいは、用が済んだのなら出ていけ、だろうか、などと予想しながら。 「君ほどではない」  その一瞬、酷く間の抜けた顔をしていたと思う。 「りゅ……鬼龍がよく言っていたよ。あいつはお優しすぎるんだ、とね」  あやうく落としかけた紙切れを慌てて持ち直して、斎宮を見ると、斎宮はもう自分の手の中のものに集中していた。 「正義の鬼を名乗るには、あまりに他人を想いすぎたのだろうよ、君という人間は」  よし、と縫い目を撫で付けて頷くと、鮮やかな手つきで玉結びを施して、斎宮は糸を断ち切った。返礼祭はユニット衣装の予定、と聞いているので、出来上がったそれは別のライブで使うのだろう。表地と裏地の両方を一通り確認し、斎宮はそれを木製のハンガーに通して、クローゼットの一番奥にかけた。 「これを持っていきたまえ」  書類を握っていない左の手のひらに、斎宮が何か握らせてきた。プラスチックの、硬質で冷たい質感。手を開いて確認すると、それは小さな裁縫セットだった。意図が分からず角度を変えながら見つめると、詰め込まれた中身が、ジャラ、と音を立てる。 「じきに、必要になる時が来ると思ってね。準備のいい君のことだが、こういったものは持っていないはずだ。衣装のほつれなどは鬼龍が直していたと聞いている」 「確かにこの手の類いは所持していないが……何故俺に渡す? ホワイトデーだから、とでも言うつもりか? 生憎お前に何かやった覚えは――」  怪訝に思い斎宮の表情を伺ってはっとする。  慈愛に満ちた、愛すべきものを想う眼差し。  こいつが、こんな目をする時は。 「……仁兎のことを。黙認してくれたのは、君なのだろう。その礼だとでも、思ってくれたならいいよ」  お茶のひとつも出せなくてすまないね。  そう言うと、斎宮はまた布地を取り出して、数枚の製図と��比べ始めた。俺は、何と返せばいいのか分からず、邪魔をした、と軽く頭を下げ、斎宮の城をあとにした。
   ◆
「……噂をすれば、というやつか」  生徒会室へ向かう途中、見かけた真っ赤な髪の色と、それに対峙する暑苦しい話し声に片眉を上げた。  あいつはお優しすぎる。  斎宮の台詞を、奴の声に置き換えて再生すれば、なんともしっくりきてしまい、俺は苦々しく唇を噛んだ。 「おう、なんだよ旦那。俺の悪い噂話か?」  俺に気付いた鬼龍は、からかうように笑いながら軽く右手を挙げた。隣で話し込んでいた守沢も、蓮巳! と俺の名をでかでかと呼んだ。廊下は静かに。あの阿呆は張り紙が見えないのだろうか。もうそんな注意をするのも三年目となると疲れてしまって、俺はため息まじりに眼鏡を直した。 「勝手に悪いと決めつけるな」 「そうだぞ! お前は見た目こそ怖いが、根はとっても良い奴だからな!」 「はは。んなこと言うのはてめぇくらいだよ、守沢」 「いいや、そんなことはない。鬼龍の優しさは、きちんと周りに伝わっているさ。だからせがまれたんだろう?」  せがまれた?  俺が小首を傾げていると、鬼龍は照れ臭そうに鼻の頭をこすりながら、それを隠すように、ったく、と呆れたように言い放ち、己の腹部のあたりを見下ろした。俺も、その視線につられ、ある一点の不自然さに気付く。  ない。  ブレザーを留める、ボタンのうちの、片方が。 「こんなのよ、女どもの欲しがるもんだっつーのに、鉄のヤツ、譲らねえんだよ。絶対絶対、俺にください、ってよ。他にやるアテもねえから、くれてやったんだけどさ」 「好かれている証拠じゃないか。なぁ?」 「にしたってよぉ……なんで第二ボタンなんだろうな」 「あぁ、それについては……」 「心臓に一番近いから、だったな?」  驚いて顔を上げると、守沢は普段通りの快活な微笑みで、唖然とする俺と鬼龍に笑いかけてきた。 「意外か? こういうの、俺が知っているのは」  自分でもそう思ってのことなのだろう。  特に気分を害するでもなく、守沢は続けた。  俺は、そういえばこいつ、運動能力に目が行きがちだが、実は文系だったな、などとぼんやり思い返していた。 「この話をな、南雲たち相手にもしてやったんだが、たいそう驚かれてしまってなぁ。隊長、もしかしてロマンチストなんスか? とか、気味の悪そうな顔をされてしまったので、流石の俺も若干へこんだぞ。奏汰なんかは、なんで『しんぞう』をもっていかないんでしょうね? なんて末恐ろしいことを言い出すし……」 「はは、深海、あいつマジで怖ぇな」 「全く……お前たちのスチャラカさは相変わらずだな……聞くに耐えん」  そのスチャラカ軍団の健闘が、俺たちの計算を狂わせ、革命への一歩を生みだしたのだから、それもまた捨てたものではないのだが。  ふう、と己のペースを取り戻すように、一呼吸つく。自分の制服に一列整然と並ぶ金のボタンを見下ろして、そのひとつをそうっとつまんだ。 「……叶わぬと知っているから欲しがるんだ。ああいうものは。せめて代わりに、思い出くらいは、とな」  別れの時は、刻一刻と迫っている。  いくら決別できたと頭で分かっていても、気持ちはそう簡単に前ばかりを向けない。  お守りにでもしたかったのだろうな、と、赤いメッシュの少年を思い浮かべる。大将、大将、と随分となついていたのを、俺もよく知っている。南雲がなついてくれない、と愚痴をこぼした守沢のことも、覚えている。太陽のような少年だった。鬼龍や守沢は、自ら強く光を放つ、という意味合いで比喩を用いたが、俺はそれよりも、どこまで沈んでも、必ず明日にのぼってくる、そんな印象の方が強かった。本人は嫌がりそうなものだが、そういう所は守沢によく似ている。  諦めず、何度も何度も、不格好に立ち上がる泥臭さ。そんな人間にこそ、俺は報いがあってほしい。そしてそのための制度が、仕組みが、今の夢ノ咲にはある。下級生の中にもそれを実感しているものが、少なからずいるはずだ。  ここから歩みを止めないための拠り所にしたかったのだろう。  憧れた人間の、最も心に近い部分を貰い受けることで。 「……鉄のやつ、本当にあんなもんでよかったのかな。もっと、なんか、いいもん欲しがりゃいいのによ。こんなちっこいボタン一つで、嬉しそうにしてよ……」 「いいんじゃないのか? あいつが欲しいって言うんなら、それが一番だろう」 「そりゃそうなんだが……あぁ、ヘタクソな自分が嫌になっちまうな。もっと、何か残してやれたらよかったなぁ」 「今さら言っても後の祭りだろう。あまり気に病むな。それに、そのあたりの不器用さは、俺も人のことを言えんからな。……己の自己満足から切り離されたところで、何かを惜しみ無く与えるという行為は、言葉にすると簡単だが、実際行うのは酷く困難だ」  梅の花咲き誇る、少し前の乱痴気騒ぎを思い出す。  あの人は、あの人の言うところの“愛し子”に、何か残せたのだろうか。最後の最後まで重い腰を上げなかったあの人が、惜しみなく与えようと思えたのは、一体何がきっかけだったのだろうか。 「……少し話が過ぎた。忘れろ、今のは」 「いいや」  やんわりとした否定に守沢の方を見やる。赤茶色の目は露ほども笑ってはおらず、真剣に俺の言葉を飲み込もうと瞬きをしていた。 「そうだな。……俺もなにか、与えられていたのなら、いいんだけどなぁ」  本当のところ、こいつは酷く真面目な奴なのだと、知らないのは関わりの薄い後輩どもだけだ。想うという行為において、守沢の横に並び立てる人物を、俺は知らない。  明星スバルという器に才能を見出した人間は数あれど、その孤独に、悲しみに、寄り添った上級生はこいつだけだった。  流星隊の一年生にしてもそうだ。何処へもいけないはみ出し者の寄せ集め。一人では歩き方も知らない、ましてや立ち方すら分からない者をわざわざ選んでユニットに加えていったのだ。初夏の頃、英智がその在り方に頭を抱えていたことも、よくよく記憶している。  自己の輝かしい最後の一年間を棒に振ってまで、こいつは後輩に何かを残すことを選んだ。一体どれほどの人間が、同じ事をできるだろう。その点において、俺は素直にこいつを尊敬している。俺は、与えるという行為が、酷く苦手らしい。 「お前さんは充分よくやったろうがよ。後輩相手に、分け隔てなく愛情振り撒いてさ。俺ぁ、そういうの苦手だからよ、すごいことだと思うぜ」 「ん? あぁ、あれはどうだろうなぁ。お節介の押し売りみたいなものだから、またちょっと別の話になるけどな」  はは、と濁すように半端に笑って、守沢は引きつった口もとをまっすぐにした。その視線は、普段と比べ驚くほど不安げで、何かを祈る子供のような気弱さがあった。 「貰うことも、あげることも出来なかった奴のことを、な。……考えていた」  鬼龍が一瞬、息を止めるのと、俺が脳裏にとある人物を思い描いたのと、どちらが先だっただろう。あれに関しては、もはや三毛縞の力をもってしてもどうにもならないところに、ぽつりとひとり佇んでいるのだ。気に病むことなどないだろうに、守沢もさぞかしあれに思い入れがあるのだと見える。それもそのはずだろう。  自らの力で奪い取ったわけでもなく、その尾びれをむしり取ったわけでもない。  あれはあれの意志で、二本の足で立ち上がり、地上で歩くことを決めたのだ。守沢千秋という男の隣で。 「……お前は、そう言うかも知れねえけどよ」  口を開いたのは、鬼龍だった。 「自分が、誰に、何を与えてやったかなんて……気付かないことの方が多いもんだぜ。なあ、旦那」  鬼龍の切れ長の目が、やんわりと弧を描く。  仁兎。  囁くような斎宮の声がよみがってきて、あぁ、と俺も頷いた。おのが為の身勝手な行為に対し、時を経て、礼を言う人間がいるかもしれない。それは、その時になってみるまで分からないものだ。 「そう、だろうか。……うん。そうだといいんだがなぁ……」  弱々しく笑うヒーローの背を、鬼龍が勢いよく叩く。守沢の悲鳴と、気合注入だ、という鬼龍の笑い声が、廊下に響いた。
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tieriart · 6 years
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April Fools 2018 / 医療星歌劇
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41 / 42 /43 / 44 / 45 / 46 / 47 / 48 / 49 End
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特別編【前】
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第1場:綾薙大学附属病院・休憩スペースにて天「ほ~し~た~に~!」
星「ヒッ、天花寺先生」
天「お前また治療費の計算間違ってるぞ! 昨日、担ぎ込まれた酔っぱらいの急患! あれは入院扱いだ! 何回ミスりゃあ分かるんだ、この野暮助!!」
星「ご、ごめんなさ~いっ」
那「天花寺先生、そのくらいでっ。僕が訂正と謝罪の連絡しておくよ、星谷先生っ」
星「那雪先生~(涙)。大丈夫、オレ自分でやるよ!」
天「まったく、この病院のERはオレ様という絶対的エースがいないとどうしようもないねえ」
星「面目ございません、天花寺翔様!」
那「あ! 星谷先生、そろそろ休憩時間終わるよ? 戻って、月皇先生と空閑先生と交代しなきゃ」
星「ほんとだ! 天花寺先生もこのまま休憩入る? 今日ずっと働き通しだよね。患者さん少ない時間に休んどいた方がいいよ」
那「夜になったら、きっと忙しくなるもんね。週末だし」
星「4月だしな!」
天「4月関係あるか??」
星「なんか浮かれちゃうじゃーん。お花見とかしたりして」
那「それはあるかも(笑)」
天「そしたら、今のうちに備品の補充もしといた方がいいな。先に月皇と空閑を休憩にやって、その間に必要なものリストアップだけしとくか。とっとと戻るぜ、野暮助ども」
星・那「はーい!」
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第2場:綾薙大学附属病院・ERにて空「……痛ぇ」
月「何っ? 入っていないのか……位置はあっているだろう?」
空「入ってねぇ。刺入角度が悪いんだよ」
月「……すまない」
星「ただいま~。あ。月皇先生、また注射の練習してんの?」
那「ふふ、今日は血採れた?」
月「いや……」
天「ハッ、不器用すぎて注射も出来ない医者なんざ聞いたこともないぜ。ま、空閑ばっかりに痛い目見させるのも気の毒だし? たまにはオレが練習台になってやっても――」
月「遠慮しておく。お前は血の気が多そうだからな、針を入れた途端に噴き出したら困る」
天「ああんっ?」
星「注射はオレたちがやるから別にいいのに~」
月「お前、俺が何のために実家の病院を継がず社会勉強をしているか、知っているよな」
那「月皇先生は開業したいんだよね?」
月「ああ。注射くらい自分で打てないといつまでも独り立ちが出来ない」
星「じゃあオレのこと雇って~?」
天「か~、情けないねえ。同期に雇ってもらってどうするってんだ。お前も医者の端くれなら自分で開業するか、この大学病院で頂点に上り詰めるくらいの気概を持ちやがれ」
星「そんなあ……この綾薙大学附属病院には超花形の脳神経外科があるんだよ? あそこにいる先生たちを差し置いて最果てのERが病院の頂点っていうのはさすがに」
那「ちょっと難しい、かも」
空「でも星谷先生、ER好きだろ?」
星「うん! だって他じゃどうしようもない患者さんたちがオレたちの力を頼って来てくれるんだよ? 役者で例えるとさ、ここはオレたちが最高のパフォーマンスを披露するステージみたいなもんじゃん!」
月「なぜ役者で例える?」
那「星谷先生って、すごく前向きだよね」
天「ノーテンキポジティブなだけだぜ」
星「だって、前を向かなきゃ助けられる命も助けられないじゃん!」
空「星谷先生らしいな」
月「やれやれ(苦笑)」
5人「(笑)」
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第3場:おおとり動物病院にて鳳「へえ、開業するんだ。おめでとう」
漣「うむ」
楪「メルシーデース」
鳳「わざわざ報告に来てくれて、ありがとね。大学が同期ってだけで、学部も違ったのにさ」
漣「報告というより、挨拶のつもりで来たんだ。我々の病院はこのすぐ近所に出来る予定なので」
鳳「えっ……でもこの辺りは綾薙大学附属病院の縄張りじゃない。お前たちの古巣でしょ? 縄張り問題大丈夫?」
楪「心配いりマセーン。そのへんのことはボクらの医学部時代からのカマラード、柊に話を通してありマース」
漣「彼は今や脳神経外科教授。綾薙大学附属病院のトップグループに名を連ねたに等しい。そうでなくても頼れる男だが」
鳳「そ、円満なら良かったよ。あの病院に勤めてる愉快なボーイズとは最近仲良くしてるし、1人はうちのクランケさんの飼い主でもあるからさ、あんまり揉めて欲しくないなって思ったんだよね」
楪「愉快なボーイズ? オー、それはもしやERのメジェールたちのことデーハ?」
鳳「知り合いだっけ」
楪「彼らが研修医の時に何度か会ったことがありマース。専門の診療科が違ったのでそんなに話したことないデースが」
漣「私もだ。だが、若い彼らが配属されてからERは活気づいたように思う。それだけに、“例の噂”が真実であれば残念だな……」
楪「ウィ……」
鳳「え……“例の噂”って?」
漣「実は……かつて我々が指導にあたった後輩たちから聞いたのだが、綾薙大学附属病院のERは、近く――」
続きはTwitterで……?
特別編【後】
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第1場:綾薙大学附属病院・廊下にて卯「も~、どうしてすぐどっか行っちゃうの~!」
戌「エヘヘ☆」
卯「褒めてない! 午後から執刀でしょ!? 集中力高めるとかそーゆーことしなくていいの!? ミスしたらどうするの!? ボク助手で入ってるんだよ!」
戌「うーん、僕ミスしたことないから」
卯「う……どうしてこの人がこんなに優秀なの~? 意味分かんないっ」
北「おー、脳神経外科のデコボココンビじゃねーか。相変わらずデコボコしてんな、有罪」
卯「ぐ……北原先生」
戌「こんな所でどーしたの? 内科ってこっちじゃないよね!」
北「ちょっとERにな」
卯「ER? 怪我でもしたの? 君らメスも握らないのにさ」
北「は? 俺が仕事中に怪我なんかするかよ。例え外科医だったとしてもそんなヘマするわけがねえ。有罪だ」
卯「だったらなんでER行くの……」
戌「ん? あり?? 何か話し声がする!」
北「あ? 別に話し声なんか珍しくもなんとも――」
戌「こっちこっち! この部屋!」
卯「ここって……柊教授の執務室じゃん」
暁「柊くん――じゃなくて柊教授。改めて、就任おめでとう」
柊「有難うございます。ですが呼び方はこれまで通りで構いませんよ。僕も正直、まだ呼ばれ慣れないんです」
暁「けど慣れないとね。これからは皆がそう呼ぶんだよ? やっと辿り着いたんだ、本当の意味での、この病院の頂点に……!」
柊「暁」
暁「君はこの病院の院長一族の跡取りで、研修医の頃から七光りだの何だのとくだらない中傷を受けてきた……だけどそれに打ち勝った。これからは、君の実力を疑う奴らなんていない。君の天下だ」
柊「君の支えがあったからこそです」
暁「僕はただの事務長だ、何もしていないよ。ただ、君を信じて支持してきただけさ。勿論、今後も君の方針に従うよ。出来ることがあれば何でも協力するから、遠慮なく言ってくれ」
柊「有難う。頼りにしています」
暁「柊くん……!」
柊「では早速なのですが、手始めに、重大な計画に着手したいと思います。この病院の最果てに位置する――ERの件で」
暁「?」
柊「我が病院のERは非常に歴史が古い……いえ、古くなり過ぎた。しかし、医療は常に新鮮であるべきです。分かりますか?」
暁「つまり君は、ERを……!」
柊「僕が教授となった今こそ、この綾薙大学附属病院を新しく生まれ変わらせる時です。古きものは、打ち捨てていかなくては……」
北・戌・卯「!!!」
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第2場:綾薙大学附属病院・脳神経外科にて辰「今日のオペもパーフェクトだったね、栄吾」
申「そうですね、辰己」
辰「君が助手に入ってくれると、何も言わなくても察して動いてくれるから、本当に助かるな」
申「何年君とオペをしていると思っているのですか」
辰・申「ふふふ」
虎「オレも助手に入ってたんだけど~?」
辰「勿論、虎石のサポートもなかなかだったよ」
申「しかし、器械出しの看護師にウィンクで指示を出すのはいかがなものかと」
虎「別によくね? 何時間もオペ室に閉じこもってんだからよ、そんくらいの潤いがねぇと♥ あ、オレこの後もうひとつオペ入ってんだよな。シャワー室、先行くぜ~」
申「おや、今のオペで今日は終わりのはずですが?」
虎「うちの科はな? 婦人科の応援頼まれてんの」
辰「虎石は婦人科も経験があるんだっけ」
虎「まあな。他には消化器外科、小児外科、整形外科――」
申「気が多いのか、要領がよいのか」
辰「うちの病院でこんなに何でも出来る医師は、虎石以外にいないよね。同僚としては自慢になるな」
虎「だろ――イィッ」
辰「虎石?」
申「どうかしたのですか?」
虎���何か急に……顔面が痛ぇ」
辰「え?」
申「顔面? 頭痛ですか?」
虎「いや……コレ、奥歯か??」
辰「あぁ……」
申「脅かさないで下さい。脳神経外科医の前でむやみに顔面が痛いなどと……」
辰「時間が空いたら、歯医者に行って来たら? 確か近所にかかりつけのクリニックがあるんじゃなかった?」
虎「いや、あるにはあるんだけどよ……あそこの先生、怖ぇんだよな~」
申「何を子供のようなことを言って――」
戌「おーい、みんなー」
辰・申・虎「ん?」
辰「戌峰、卯川、そんなに慌ててどうしたんだ?」
卯「ぼ、ボクたち、大変なこと聞いちゃったかもっ。あのね、ERがっ――」
辰・申・虎「???」
//
第3場:綾薙大学附属病院:内科にて南「あれ?」
揚「………」
蜂「南條先生、どうもです~」
南「や。麻酔科コンビがはるばる内科までどうしたの。頭でも痛い?」
揚「(無視)」
蜂「あのっ、うちで扱う患者さんのカルテを、内科の患者さんのカルテと取り違えてたみたいで、返却とお詫びにっ」
南「そんなこと起こる(笑)? 相変わらず常軌を逸したドジっ子だね~。ちなみに俺的には、もし俺が病気して手術受けることになっても、お前に麻酔担当されるのだけは御免だって思うけど」
揚「だったらくたばれ」
蜂「あ、揚羽~っ。ごめんなさいです、南條先生っ」
南「いーって。普段通りなのは異常がない証拠だろ。揚羽先生が俺にニコニコ挨拶してくるようなことがあったらそれこそ病気か天変地異の前触れだって俺は思うしね~」
揚「ありえない、そんなこと。絶対」
南「そりゃ安心」
蜂「はわわわ」
北「オイ、聖!!」
南「廊下走らない」
北「それどころじゃねえ! とんでもねー話聞いちまった……」
南「とんでもない話?」
蜂「一体どうしたんです?」
北「今、愁にちょっかい出してやろうと思ってERに向かってたんだけどな――」
南「勤務時間に空閑先生にちょっかい出しに行くのやめな」
北「それは今どうでもいいんだよ!」
揚「……バカ……」
北「ER行く途中、柊教授の部屋の前通るだろーが。そしたら、中から教授と事務長の話し声が聞こえてきて――」
蜂「暁事務長、です?」
南「あー、2人は旧知の仲なんだっけ。なら別に不思議じゃないじゃない、話してたって」
北「その内容がヤベーっつってんだよ」
揚「ヤバイって、何が?」
北「……ERがだよ」
揚・蜂・南「え?」
続きはTwitterで……?
第1幕
綾薙大学附属病院の救急救命室『ER』で働く星谷悠太。 同じくERに所属する個性豊かな仲間たち、那雪透、月皇海斗、天花寺翔、空閑愁と共に、日々、真摯に患者と向き合っている。 そんなある日、急患としてやって来た、近所で動物病院を営む獣医師・鳳樹の口から、 ERの存続を揺るがす不穏な噂を聞かされて――。 一方、此のほど脳神経外科教授に就任した柊は、病院事務長の暁と密談を重ねていた。 「綾薙大学附属病院の未来のために……」。2人の間には、ある企みがあるらしく……。 柊教授の一番弟子である脳神経外科のエース・辰己琉唯とその同僚たち、曲者揃いの麻酔科と内科も巻き込んで、今、大きな波乱が起きようとしている。 果たして、星谷たちとERのゆくえは?
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groyanderson · 3 years
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☆プロトタイプ版☆ ひとみに映る影シーズン2 第八話「シャークの休日」
☆プロトタイプ版☆ こちらは電子書籍「ひとみに映る影 シーズン2」の 無料プロトタイプ版となります。 誤字脱字等修正前のデータになりますので��あしからずご了承下さい。
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(シーズン2あらすじ) 私はファッションモデルの紅一美。 旅番組ロケで訪れた島は怪物だらけ!? 霊能者達の除霊コンペとバッティングしちゃった! 実は私も霊感あるけど、知られたくないなあ…… なんて言っている場合じゃない。 諸悪の根源は恩師の仇、金剛有明団だったんだ! 憤怒の化身ワヤン不動が、今度はリゾートで炸裂する!!
pixiv版 (※内容は一緒です。)
དང་པོ་
 高々とそびえる須弥山の麓。宙にはトンビやカラスが舞い、地上では鮎や鯉が戯れに滝を登る。その平穏な滝壺のほとりで、徳川徳松少年は私達に今生の別れを告げる。 『あんたらは何も気にしないでいい。地獄行きはぼくだけだ』 「そんな」  光君はしゃがんで徳松の両肩に触れた。 「利用されてただけで。地獄など!」 『ダメだ。御戌神は沢山殺しすぎた。誰かがその業を背負って行かにゃ、地獄の閻魔さんが困っちまう』  ……野暮な事実だけど、現代に地獄や極楽へ行く人は稀だ。大昔は全ての神仏と霊が宗教という秩序のもと、亡くなった人の魂を裁いたり報うための聖域が幾つも設けられていた。けど地球全土が開拓され人口過多の現代では、そういった聖地を置ける場所も管理する神仏も足りていない。誰もが知っている程の重罪人や、誰が見ても割に合わない一生を遂げた善人だけが、狭小な聖地へ招き入れられるんだ。それが当たり前となった平成の時代に徳松が『地獄』へ赴いたとしても、事務的な獄卒にちょっと話を聞かれて追い返されるだけだろう。ただ、江戸時代からずっと本物の地獄を生き続けた彼に、私もドマルもそんな残酷な事言えるわけがなかった。 「どうしてそこまで……島の人達が、あんたに見返りを?」 『見返りなど! これは誰かがやらにゃならねえ事だから。……そりゃ本当はぼくだって辛かった。大散減が飢えたらぼくも腹ペコになって、嫌だ嫌だって思いながら人殺しを。しかも殺るのはぼくと本来無縁だった来世達が! ぼくは……何も出来なかった。ゴメンナサイって思うしか出来なかった』 「僕が地獄へ行く」 『バカこくな……』 「こいてねえ!」  光君は徳松を抱きしめた。 「何が救済だ! この世界は誰かがババ引かにゃ成り立たねぇなら、僕が地獄へ行く! そして何一つ反省しないで永遠に場所取り続けてやる! あんたみたいな人が落ちてこれねぇように!!」 『……!』  すると光君の背中に後光が差していく。ドマルは無言で跪き合掌。私は徳松の隣に寄り添い、彼の顔から影を拭った。 「徳松さん、もう誰もこの件で地獄に落ちる事はありません。あなたは許されたんです」 「『え?』」  光君は振り返り、自分の後ろに光輪ができている事に気がついた。 「こいつは……!」 ༼ 正しい心のもとに、仏様は宿られる。今のこの青年の言葉は、あなたが犯した罪を浄化するに足る力があった。そもそも、殺生の罪とは誰か一人に擦り付けられる物ではない ༽  ドマルも徳松の傍に寄る。 『そんな……けどぼくは実際、何度も人殺しを』 「徳松さん」  これは、あなただけの問題じゃないんだ。 「人が生きるためには、誰かが絶対に殺生をしなきゃいけないんです。お肉を食べるためには、農家の人に動物を屠殺して貰わなきゃいけない。家を守るためには、ときどき業者さんに虫や鼠を駆除して貰わなきゃいけない。殺した本人が悪い、自分で殺してないならセーフ、じゃないんです」 ༼ 言っておくが、僧侶やヴィーガンなら無罪とかそういう事もないからな。草木を殺した死体を着て胡座をかいている坊主だって、もちろん業を背負っている。大事なのは、自分や大切な人々が生きるために糧となった命達への謝意。『謝罪』と『感謝』の心だ ༽ 『謝意……』  光君は徳松の頭を撫で、徳松と指切りをする。 「徳松様。僕達の救済は殺生って形だったけど、誰もせにゃもっと沢山人が死んでたかもだ。僕はあんたの苦しみをずっと忘れない。あんたと一緒にしでかした事、あんたと繋がる縁、全てを忘れない。だから、どうか、安らかに」 『光』  光君の後光は強まり、草葉の陰にまで行き渡る。するとそこから一匹のザトウムシが現れた。針金のように細い体を手繰る、か弱い盲目の虫だ。徳松は子犬のような笑顔を浮かべた後、もはや誰も傷つける事なきその小さな魂を率いて何処へと去っていった。 ༼ はあ、最高かよ。エモいなあ ༽  ドマルが呟いた。口癖なのかな、それ。 「ドマルはどうするの?」 ༼ 拙僧はあなたの本尊だ。ムナルの遺志をあなたが成し遂げた時、この自我は自然とあなたに帰するだろう ༽ 「そう。じゃあ、金剛を滅ぼすまで成仏はお預けだね」 ༼ 成仏……あいつみたいな事を言うな。そもそも拙僧は邪尊だ ༽  ドマルは須弥山の風景を畳み、また私の影に沈んでいった。あの世界で逝去した徳松は、私と光君の中で永遠に生き続けるんだ。
གཉིས་པ་
「じゃじゃじゃじゃあ、埋蔵金って徳川徳松を襲った大妖怪の事だったんですか!?」  空港エントランスにタナカDの馬鹿でかい声が響く。熾烈を極めた大散減浄霊から一夜、五月五日午前九時。私達はしたたびの締めコメントを収録している。けど佳奈さんと二人きりじゃない。この場には玲蘭ちゃん、後女津親子、そして光君がいる。モノホンのみんなで予め打ち合わせした筋書きを、玲蘭ちゃんがカメラに向かって話す。 「したたびさんが歌の謎を解いて下さって、助かりました。マジムンは私達霊能者が協力して、一匹残らず退治しました。ね、斉一さん」 「え! え……ええ!」  斉一さんは『狸おじさん』のキャラを再現しようと、痛ましい笑顔を作った。 「いやぁ、大変だったんすよ。でもね、私の狸風水で! 千里が島の平和は……ぽ、ぽんぽこ、ぽーん、と……」 「た、狸おじさん? ひょっとして泣いてるんですか?」  タナカDが訝しむ。その涙は失った家族を思い出してのものか、はたまた安堵の涙か。カメラに映らない万狸ちゃんと斉三さんも、唇をぎゅっと噛んだ。 「い……いえね……俺今回、割とマジで命がけで頑張ったから……撮ってなかったなんてあんまりじゃないっすか、タナカDっ!」 「なはははは、そりゃすいませんねぇ! こっちも色々とおみまいされてまして……ぶえぇっくしょん!!」  そういえば光君が島民達に拉致されてから色々ありすぎて、私も佳奈さんもタナカDの事をすっかり忘れていた。スマホに入っていた何十件もの不在着信に気がついたのは、昨晩ホテルに戻っていた道中。二人で慌ててタナカDを迎えに行くと、彼は何故か虫肖寺の井戸の中で震えていたんだ。 「タナカさん、そっちは一体何があったんですか?」 「聞いてくれますか? 僕はねぇ、人生で一番恐ろしい思いをしたんですよぉ……」  未だ風邪気味な声でタナカDは顛末を語った。あの時島民達に襲われたタナカDは、虫肖寺のお御堂へ拉致された。そこの住職はタナカDに、「肋骨を一本差し出せばしたたびチーム全員をこの島から無事に帰してやる」というような脅迫をする。祟りなんて半信半疑だったタナカDは千里が島を『島丸ごと治外法権のヤバいカルト宗教村』だと判断、演者の命を優先するため取引に応じる事に。ところが「肋骨は痛そうだしちょっと……」「小指の骨とかで妥協して頂けませんかねぇ?」「足の小指です」などと交渉に交渉を重ねた結果、島民達を怒らせて殺されかけてしまう。慌ててお御堂から逃げ出したがすぐに追っ手が来たため、タナカDは咄嗟に井戸を降りて身を隠した。しかし数分やり過ごして地上へ戻ろうとしたその時、地震や爆発音などあからさまに異常事態が起きておちおち井戸から出られなくなってしまったのだという。色々とツッコミどころが満載な顛末だ。 「あなた、カルト相手に演者の命を値切りしたんですか」 「悪かったですって。けどあの時は本当に怖かったんですよぉ、紅さんだって同じ立場だったら値切るでしょぉ?」 「それは暗にまた私を小心者だと言ってるんですか? この三角眉毛は??」 「一美ちゃん、ここでキレたら小心者だよ!」 「なっはっはっはっはっは!!」  なんだか腑に落ちないけど、まあタナカDが無事だったのは本当に良かった。思い返せば虫肖寺という名前は『虫の肖像という名を冠したお寺』で、さらに漢字を繋げて読むと『蛸寺』になる。つまりそこも八本足のザトウムシ怪虫、大散減を祀る場所だったんだろう。 「皆さん、もうすぐ搭乗開始が」  光君が腕時計を見て告げる。二泊三日、色々あった千里が島ともついにお別れだ。それでも、この地で出会った人達や出来事、それら全ての『ご縁』は、決して捨てるべきじゃない大事なものだと思う。 「光君」  私は化粧ポーチから青いヘアチョークを取り出し、光君に手渡した。 「引越しが落ち着いたら、連絡してね」 「モチのロンで。一美ちゃんいないと、東京で着る服など何買えばいいかわからないんだから」  光君は徳松の成仏を機に、役場の仕事を辞めて島を出る事にしたそうだ。運転免許を取ったらすぐに引っ越すらしい。今は一時のお別れだけど、またすぐに会える。 「それじゃあみんな、帰るよ」  佳奈さんがここにいる全員の手を取った。 「……東京へ帰るよ!」 「「「おー!」」」
གསུམ་པ་
 それから数週間経ち、したたびで千里が島編がオンエアされる頃。  宗教法人河童の家は、『リムジン爆発事故で教祖含め大勢の信者が亡くなった』事故で、アトムツアー社に業務上過失致死の集団訴訟を起こした。リムジンを居眠り運転をしていたアトム社員が新千里が島トンネル前のコンビニに突っ込み、そこに設置されていたプロパンガスに引火、大炎上を起こした……という筋書きだ。この捏造によって私がコンビニを焼却した件も不問になり、私は本当に河童の家さんに落とし前をつけて貰った事になる。なんだかだぶか申し訳ない気もしたけど、先日あんこう鍋さんにお会いしたら『アトムから賠償金めっちゃふんだくれたんでオッケーす、我々はただの笑いと金が大好きなぼったくりカルトですから』と一笑に付してくれた。  加賀繍さんは、玲蘭ちゃんと斉一さんが辞退した除霊賞金三億円を一切合切かっさらっていった。その資金を元手に、電話やスマホアプリで人生相談ができるサービス『みんなのぬか床』の運営を開始。それが大ヒットして、今度は星占い専用人工衛星とやらを打ち上げる計画をしているそうだ。私も興味本位で一度ビデオチャットを課金してみたら、魔耶さんと禍耶さんが相談に乗ってくれた。そういえばこのサイトには、プロフィールも名前もない謎の占い師と繋がる事がある……なんて都市伝説があったような。  後女津親子は失った斉二さんの分の戦力を補充するため、木更津のどこかにあるという聖地『狸の里』で一から修行し直すと言っていた。斉一さんは生きながら強力な妖怪の魂を持つ半妖(はんよう)という状態を目指し、万狸ちゃんと斉三さんもそれぞれ一人前の妖怪になれるよう鍛錬を欠かさないとのことだ。ちなみに万狸ちゃんは九尾の狐みたいに糸車尻尾をたくさん生やして、佳奈さんの童貞を殺す服を着た女を殺す京友禅メイド服に対抗する服を作るのが目標らしい。  玲蘭ちゃんはなんと、あの後再び千里が島に行ったそうだ。今度は沖縄から神様を大勢率いて、長年大散減によって歪んでいた島の理を正したんだという。そこまでしたのにアトムツアーから何の見返りも受け取らなかったのは、『あんな賠償やら何やらで倒産寸前の会社と今更縁を持ちたくないから』。代わりに島の魂達から感謝の印にと、ちゃんと浄化済みの大散減のエクトプラズムをたくさん授かったそうだ。これまで多くの人々が追い求めていた徳川埋蔵金は、玲蘭ちゃんが手に入れたんだ。  さて。一方私はというと、顔のかなり目立つ位置にニキビができてしまいちょっぴりヘコんでいる。しかもこんな時に限って、メッセージアプリで久しぶりに光君から連絡が来た。だぶか、これが想われニキビというやつなんだろうか。 『From:あおきち 映画の前売チケットがたまたま二枚で! ご興味など?』  ……うーん、なんてベタな誘い文句! 返信をしたら詳しく経緯を説明してくれた。  実は来週公開の『シャークの休日』というイタリア映画が、光君が以前務めていた千里が島観光課とのタイアップで『全編南地語字幕上映』という企画をやるらしい。それで光君にも、地元の元同僚さんからチケットが送られてきたそうだ。イタリア人がチャキチャキの南地語を喋ってるような字幕ってまるで想像がつかないけど、確かに面白そうだと思った。 「えーと、『来週の月曜か木曜なら木曜がいいです』……と」  実はどっちも予定は空いているけど、ニキビを治したいから遅めにして貰った。返信を終えた私は早速洗面所へ。さっきお風呂で洗顔したとはいえ、ニキビの箇所はもう一度念入りに洗ってからちゃんとスキンケアしよ……
‥‥… ‥‥‥ …‥…‥‥ ‥‥ ……‥ …‥‥…‥ ‥‥…… ‥‥…… ‥‥…‥… ………… …‥…‥ ………… ‥…‥…‥ ………… ‥‥ ‥‥… ‥‥…… ……‥…… ……‥ ……‥…… …‥…… ‥……… ……‥…‥ ‥‥ ‥…… ……‥…… ‥‥‥… ‥…‥ …‥……‥ ……‥…‥ …‥‥…… ………… ‥‥ ………‥ ‥…‥…‥ …‥‥‥ …‥‥‥ ‥… ……‥…‥ ‥‥…‥… ………… …‥…‥ ………… ‥…‥…‥ ………… ‥‥ ‥‥… ‥‥…… …‥ …‥ ‥‥ ……‥…‥ …‥…‥‥ …‥ …‥‥… ……‥…‥ ‥… ‥……… ……‥…… …‥ …‥……… ‥…‥…‥ ………… ‥…‥…‥ ………… ‥‥ ‥‥… ‥‥…… ‥‥‥ ‥‥‥… …‥……… ‥…‥…‥ ……‥…… ‥…‥‥ ‥‥ …‥……‥ …‥ ‥‥ …‥…‥ …‥……… ‥… ………… ‥‥… ……‥…… ………
Fjórði
 そして一週間後、『トラップブラザーズシアター東雲(しののめ)』にて。 「あ、一美ちゃん! ごめん、お待たせを!」  平日昼間にも関わらず混雑する複合ショッピングセンターで、私は道に迷った青木光、恋人の光君をメッセージアプリ頼りに探し出した。 「あれ、キョンジャクとカンリンは?」 「それが、なくなっちゃったんだ。探してるから見つけたら教えて。そんなことより、行こう?」  この期に及んで『デートできる服を持ってない』などと言い出す恋人を助けてやるため、私は映画鑑賞の時間が近付く前にメンズファッションフロアへ向かった。まるでコーディネートの基本もなっていない男に、流行に合わせた服装を宛がう。それだけで「さすがプロは違う」と煽てられるのだ。 「一美ちゃん? ひょっとして、退屈で?」 「ううん、光君と一緒にいられて楽しいよ」  上映十五分前になり、私達は映画館に戻った。ロビーのスクリーンでは、丁度今日見る作品『シャークの休日』のトレイラーが流れていた。 『餌食である人類の世界を見てみたい……海底は人喰いザメの王国から、自由を求めるサメ姫シャークリー・シャックバーンがローマにやって来たぞ! 姫は魔法で人間に化けて新聞記者と恋仲になるけど、デート中『真実の口』に手を入れたらサメだと見破られちゃった! 魔法が解けて、ローマの人々をヤケ食いし始めるお姫様……全伊震撼の大パニックムービー誕生!』  お世辞にも興味をそそられる内容とは思えないが、私は今までしてきたように楽しそうに振る舞う。 「映画、楽しみだね」 「うん。あ、一美ちゃん、あそこに真実の口が!」  光君が嬉々として示した方向には、記念写真が撮れる真実の口のパネルがあった。彼はタイマー撮影用スタンドに自分のスマートフォンをセットした。 「ねえ、光君。作中の真実の口って、トレイラーで喋ってたよね。『サメ……ウソ……』って。これも手を入れたら喋るかな?」 「一緒に確かめてみるので。いっせー……」 「のー……」 「「せ!」」 『シタタビ……ウソ……』  その時、私はこの真実の口が何か妙な事を言ったように聞こえた。シャッター音と被って耳が錯覚を起こしただけ、だろうか。 「ごめん、もう一回手を入れてみていい?」 「モチのロンで」  ���人でセンサー部分に再び手をかざす。 『シタタビ……ドッキリ!』  ヌーンヌーン、デデデデデン♪ ヌーンヌーン、デデデデデン! 突然、テレビ湘南制作『ドッキリ旅バラエティしたたび』主題歌、『童貞を殺す服を着た女を殺す服』のイントロが映画館ロビーに響き渡った。忽ちこの身体は自らの意志に逆らい跳躍し、入場口とは反対方向のエスカレーターへ飛び降りていた。先月末、ドラマ『非常勤刑事』の撮影で主演の男に「一度も見破れないのはだぶか君の才能だ」と言われた記憶が脳で想起される。 「って、サメえええぇぇえええ!?」  エスカレーター階下にはサメ帽子を被ったエキストラの大軍が群がっていた。私はコミカルに叫び、スカートスタイルにも関わらず粗暴に下りエスカレーターを駆け上がった。すると階上には、『ドッキリ』と書かれたプラカードを掲げる光君と志多田佳奈が待ち受けていた。 「ドッキリ大成功ー! 志多田佳奈のドッキリ旅バラエティ、」 「「したたびでーす!」」  悔しがってどうこうなるわけでもないはずだが、この身体はヒステリックに地団駄を踏んでいた。 「やいやいやい小心者! ハニートラップに引っかかるなんてまだまだ小心者だぞ小心者!」 「うるさい万年極悪ロリータ! そこの真実の口で実年齢をバラしてやろうか!?」 「うわぁ~、みみっちー」  しかし、これを放送するのは芸能事務所に許可されるのだろうか。私はまだ世間に正式に発表できるほど、彼と進展した関係ではないはずだ。 「あのね、佳奈さん。私と光君は今日が初デートだし、まだ事務所に何も言っていないんです。こんなのオンエアされたらこちとらたまったもんじゃないんですよ!」 「あ、社長さんには私が色つけて説明しといたから大丈夫だよ」 「勝手に何してくれちゃってるんですか!?」 「だってだって、光君の一美ちゃんへの愛は本当だよねー?」  光君は気恥しそうに真実の口へ手を入れた。 『……ホント』  よく見ると真実の口は、画角外のタナカDが裏声で喋っていたようだ。 「初デートを返せこの三角眉毛ェェ!!」 「ぬわははははは!! ごめんなさいって! ナハハハ!」 「一美ちゃんごめん、本っ当ごめん! これで堪忍を!」  光君が私に何やら縦長なフリップを差し出した。それは特大サイズに拡大印刷されたシャークの休日の前売券だ。 「『映画の世界へご招待! リアルシャークの休日』……『inローマ』ああぁ!!?」 「そ! 今回のしたたびは海外企画、イタリア編! 実は私、この映画の日本版主題歌を担当させてもらったの。そのPVを、ラブラブなお二人に撮ってきて貰いまーす!」 「え、じゃあ佳奈さんは今回行かないんですか?」 「うん。だって主題歌が入るニューアルバム、まだ収録全曲終わってないし。代わりにPVでは一美ちゃんの彼氏役が必要でしょ? だから光君を呼んだの」  そういう事だったのか。今回は光君が撮影に同行するのだ。 「ドッキリは正直ちょっと気が引けたかもけど、テレ湘さんが僕達を海外旅行に連れてってくれるんだから。ローマで本物の真実の口やったり、トレビの泉でコイン投げるなど!」  光君はさぞ嬉しそうに小躍りした。だが、それでは浅はかというものだ。 「光君、ちなみにローマで何をするか知ってるの?」 「うん。だから、映画みたいに真実の口とか……」 「そのフリップ、『inローマ』の下にやたら余白があるよね。よく見て、端がめくれるようになってる」 「え? あっ本当だ! タナカさん……」 「いいですよ、めくって」  フリップから粘着紙を剥がした光君は、前髪で表情が隠れていても解る程、顔面が蒼白した。フリップ上に現れた文章は、上の文字と繋げて読むと『映画の世界へご招待! リアルシャークの休日inローマ県オスティア・ビーチ~スキューバダイビングで人喰いザメの王国へ~』と書かれている。 「そっちへ!?」  彼もまた、私と同様に番組に騙されていたという事だ。するとタナカDが高笑いしながら、タブレットPCで企画書を開いた。 「お二人には最初の三日間でライセンスを取得して、四日目にサメと潜って頂きます。天候とかあるので五日目は予備日にしていますが、運が良ければ真実の口にも行けるかもしれませんよぉ」 「行けるかもしれませんよぉ、じゃないですよ。何が悲しくてイタリアまで行ってサメのいる海に潜らなきゃいけないんですか!」 「あやや……あやややや……」 「しかもこんなショッピングセンターでネタバラシしたって事は、どうせここで荷物買って今から行くんでしょ? 予算一万とかで」 「さすが紅さん、よくわかってらっしゃる」 「今から!? しかも一万円で旅支度を!?」 「安心して下さい、一人一万です。うははははははは!」  私達したたびチームにとっては定石である無秩序な行動に、光君はただ困惑している。 「じゃあ光君、衣装買いに行くよ。デートに行く服がなかったなら、PVに出る服だって持ってないでしょ」 「えっでも、流石にダイビングスーツは現地じゃ?」 「サメと泳ぐだけで終わらせるわけないでしょ? だぶか海中ロケなんてさっさと終わらせて、二人で街ブラする撮れ高で佳奈さんのPV埋め尽くしてやるんだ!」 「そ、そうだ……せにゃ! 見てろよ佳奈さん!」 「ふっふっふー。そう簡単にいくかな? 衣装に予算使いすぎてだぶか後で後悔するなよっ!」 「国際モデルのこの私のプチプラコーデ力を侮らないで下さい。だぶか佳奈さん本人が出てるPVより再生数稼いでやる!」  斯くして、また私達は旅に出る事になった。『行った事のない場所にみんなで殴り込んで、無茶して、笑い合って、喧嘩して、それでも懲りずにまた旅に出る』とは佳奈さんの言葉だ。それが私にとっての日常であり、私はこのような日々がいつまでも続くと漠然と思い込んでいる。
 し か し 、 そ れ で は こ の 『 私 』 に 金 剛 の 有 明 は 訪 れ な い 。 間 も な く 時 が 来 る 、 金 剛 の 楽 園 ア ガ ル ダ が こ の 星 を 覆 い 尽 く す の だ 。
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moshimobokuga · 3 years
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君よ動けるならば #15
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「柴、いつから気づいてた?」  高砂君の姿が見えなくなると遠くを見つめて花ちゃんは呟いた。 「何に?」 「私がここの人間じゃないって気づいてたんでしょ?いつから?私ってそんなに馴染めてなかった?」 「…だって」  あの時すごい音がした。ドラム缶のような土管が地面に埋め込んでいた。花ちゃんは裸でボロボロだった。言葉も拙い。知らないことが多くて今まで別の世界で生きてた人なんだろうと思った。 「裸…そうだったね…」  花ちゃんは真っ赤になって自分の髪を撫でる。僕も申し訳なくなる。そこら辺の記憶はもうしっかりぼやけているから安心してほしいなんてのはおかしな話だろうか。 「でも、それで私をおかしいって思ってたんでしょ?なんで何も訊かなかったの?柴のお母さんや学校の先生は色んなこと訊いてきて…困ったのに…」 「言いたくない悲しいことがあったんだろうなって思ったから。訊けなかったよ」 「気遣いがすごいな…でも、そっか。私のこと変だって思ってたんだね、ずっと。はぁ…」  知ってはいけないことを知った人間はどうなるか。向き合わなくてはいけない。受け入れなくてはいけない。 「…僕の記憶も消す?」 「うーん…そうだなぁ。どうしてほしい?」  花ちゃんが婉然として微笑んだ。女子の声はもう大人なんだと感じた。花ちゃんに接する際、たまに弟と妹を思い出すこともあったけどそんな余裕はもうない。  僕が何も答えられないでいると花ちゃんは後頭部を触って申し訳なさそうに口を動かす。 「いや、冗談。消すと言うより捏造するって言った方が正しいんだよね。流石に年単位の記憶はいじったことないからどうなるかわからないし。大丈夫、柴の記憶は柴のものだよ」  怖がらせてごめんね、と小さい声で言う。僕が怖がっているように見えたらしい。 「それに、柴に知られてちょっと安心だよ」 「そうなの?」 「自分がここの人間じゃないってことも忘れかけてたけど、ずっと気持ちのどっかが不安だった。いつかバレちゃうかもって。反対に、柴に言っちゃいたい気持ちもあった。知られたら知られたでこうして新しい不安が出てきちゃうんだけど、知っててほしかった」 「………」 「柴に嘘をつきたくないって思ったの」  彼女の誠実さが嬉しかった。花ちゃんのことを一つ知ると僕は一つ安心する。 「柴は柴だから、柴のしたいようにすればいいはずだけど…私は行かないでほしい。行っちゃうんだろうな。そしたら戻ってこないね」 「そんなことないよ」 「あるよ。小学生の頃、博物館で迷子になってた。覚えてる」  小学五年の校外授業で博物館へ行った。僕が展示物の説明文をじっくり読んでいる間に班どころか全クラスに置いてけぼりを食らったことがある。懐かしい。 「あれはちょっとした事件だったんだよ。先生なんてさ、慌てちゃって他のクラスの先生に落ち着くよう叱られてた」 「初めての博物館だったからね。ちょっと羽目を外しちゃったんだよなぁ。僕が班長だったのに…花ちゃんは元居た場所に帰りたいって思わないの?」 「捨てられたから思わないよ」 「捨てられた…!?」 「うちではよくあることだよ。いらない子は捨てるの。子供はたくさんいるから」 「そんな…ひどい…」 「私はやっと居場所を作れたと思うからまた一から知らないところでやり直すのは嫌。一人は怖い」  一人は怖い。僕も博物館でそう思った。展示物から目を離すと見知った顔は皆無だった。周りにはたくさん人がいるのに一瞬だけ一人になった。でも不安な気持ちになりかけたところですぐに見つけてもらえたんだ。 「僕がいるよ」  花ちゃんがもう二度と怖い思いをしないようにそばにいたい。さびしい思いもさせたくない。 「どこにいてもずっと一緒にいよう。もちろん花ちゃんが良ければだけど」 「…だから一緒に宇宙へ行こうって?」  眉間に皺を寄せて僕を睨んだ。泣かれても参るけどそんな怖い顔もしないでほしい。 「きっと私を置いてどっか先に行っちゃうよ」 「なんで?博物館の話なら、むしろ僕は置き去りにされた側だけど」 「柴は興味のあることにしか興味がないでしょ」  そんなのみんなそうじゃないか、と言いかけた。でも止めた。 「じゃあさ、花ちゃんが僕を呼び戻してよ。あの時みたいに」  あの時、博物館の出口で点呼を取ったら僕だけいないことが発覚した時。先生たちが手分けして探してくれたけど、入り口から一番近い第一展示室にまだいた僕を連れ戻したのは花ちゃんだった。 「なんせ宇宙に行ったことないしさ。勝手を知ってる人は多い方が絶対にいいって。そっちじゃないよ、こっちだよって誘導してよ」 「私の呼びかけが柴の冒険心に勝てる気がしないよ」 「花ちゃんなら大丈夫」  僕は遠くの空へ行きたい。でも君の声にも耳を傾ける。どちらにも関心があるから。 「さっきみたいな大きい声で僕を呼んでよ」 「柴はわがままだ」 「初めて言われた」 「思いやりの人だと思ったのに」 「幻滅した?」 「わかんない…」  わがまま。家族や学校の先生や友達、誰にも言われたことがなかった。欲しいものがあっても欲しいと大きな声で主張はしない。だって誰もくれない。僕は手に入れるためなら辛抱強くいられる人間なのかもしれない。 「柴、なんで嬉しそうなんだ」 「なんでかな」  気持ちが軽くなって僕は望遠鏡を撫でた。色々知れた。知ることは気持ちがいい。高砂君も似たようなことを言っていた。知ったと同時に別の疑問が生まれることもある。現に問題だらけで何も解決できていない。今はいい。置いておこう。 「花ちゃん、英語の宿題まだ残ってたよね。明日終わらそう」 「え!?英語!?う、うん…」 「僕たちは夏休みの前にまず宿題とテストをやっつけないといけないよ」 「そうだけど…そうなんだけど、柴、リアリストだなぁ…」 「それも初めて言われた」  今はこうだったらいいのにって考えている。  僕が天才だったら。部活の日がいつも晴れだったら。テストが簡単だったら。高砂君ともっと仲のいい友達になれたら。花ちゃんが僕を好きになってくれたら。  楽しい夏休みになりますように。もちろん努力はします。また今度神社でお願いをしようと僕は決めた。
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higashiazuma · 4 years
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ヤンヨグ鮭卓ログ #終 珊瑚は確かに物語る~青い空は良く晴れて
!ご注意! このログには、裁定ミス、吟遊プレイ、内輪ノリなどが大量に含まれます。 どんとこいガハハ!な方のみ、お酒でも飲みながらのんべんだらりとお楽しみください。
ちなみに文中で使用しているナイスな各種シートは公式サイト(http://www.bouken.jp/pd/yy/)からDLできるぞ! るるぶを購入したら、今日から君もヤンキーだ!!
GM : では「決闘フェイズ」に移ります! 稲原 アギト(PL) : はーい! 劔 理一(PL) : いよいよ!
※ちなみに、前回ラストの「襲撃シーン」はPCが「戦う理由」を決める大事なシーンでもありましたが、見事にすっぽ抜けてました。大変申し訳ございません。おさけのせいです。
GM : お祭り舞台に着くと、そこには倒し損ねたヤンキードワーフと、腕を組んだバッドヤンキー、画定深刻の姿があります GM : めっちゃ不機嫌そうですね。それとは別に、全身から町全体を覆っていたあのモヤのようなまがまがしい瘴気が噴き出ています GM : 「あなた達ですか…私の楽しみを滅茶苦茶にしてくれたのは…」 稲原 アギト : 「よく来たな。おれはおまえたちをこれから倒す作業をわずかな時間でこなしていくことになるだろう」 GM : ここで画面に筆文字で「バッドヤンキー ”イカれた”画定深刻」って文字がバーンと
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劔 理一(PL) : ああーヤンキーものゲームにありそうな演出ー! 稲原 アギト(PL) : 達筆~ 稲原 アギト(PL) : 私も出したい!筆文字! GM : はーい、ではなんかかっこいいこと言ってください! 劔 理一 : 「ああ…? 頼んでもねえ仕事を人に押し付けて、『自由』を奪うのが楽しみかよ。ヘドが出るぜ」 劔 理一(PL) : 筆文字は出さなくてもいいかな…出てくるにしても多分「中学時代はすごかった」だし… GM : 筆文字「”中学時代はすごかった”劔理一」バーン GM : あっ いらなかった 劔 理一(PL) : ソウダトオモッタ 劔 理一(PL) : でもまあ 演出は統一感があったほうがいいですからね! ええ! 稲原 アギト(PL) : 「真の男”サボり魔”稲原 亜義人」ノリノリで当て字しておいた 稲原 アギト(PL) : じゃあちょっとフォントサイズ小さくしよう GM : ではそのように筆文字バーンします バーン 稲原 アギト(PL) : いや、むしろ推していこうか!?こう英語の当て字とかつけて 稲原 アギト(PL) : 在りし日の栄光(中学時代はすごかった)みたいな GM : サボり魔!なんだろう! 稲原 アギト(PL) : 英語じゃねえんだよなあ GM : 英語の当て字! GM : グロリアスデイズ(中学時代はすごかった)
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稲原 アギト(PL) : レイジーとか 劔 理一(PL) : 大変そ���っぽい いいですねそれ 劔 理一(PL) : じゃあサボり魔の当て字は「レイジー・クレイジー」あたりにしましょう
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GM(PL) : かっこいい! 稲原 アギト(PL) : うれしい! 劔 理一(PL) : その筋の人たちにとってクレイジーは褒め言葉なので… 稲原 アギト(PL) : 3年留年したこととかかっているきがしていい GM : 「やー、マジ運悪いっすねぇ。俺はともかく、お二人ヤる気満々なんスよ…ま、俺も…(バンダナを目深に直して)ヤる気満々だけどなー?」 「”いつかビックになる”ハル」バーン
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稲原 アギト(PL) : かっこいい 劔 理一 : いつもはチャラけた人が真剣になるのは確定でかっこいいのでずるい 稲原 アギト(PL) : ほぼNPCなのはわかってるんだけどキャラがPTに加入してるときとかにちゃんとステータス画面を開いてプロフィールをぶっこぬいておきたい 稲原 アギト(PL) : 時期がきわどいので気をつけて回収する 劔 理一(PL) : 一時加入NPCにもしっかりフレーバーテキスト等がついているゲームはいいゲーム GM : 「あなた達…私を敵に回すということがどういうことになるのか」 GM : 全身から邪悪な瘴気がよりいっそう濃く立ち上ります GM : 「教えてさしあげましょう…!!」 GM : ファッション特徴:メガネなので GM : メガネがキラッと光ります GM : ということで、バッドヤンキー戦です!!
劔 理一 : これは同じメガネとして負けられない 稲原 アギト(PL) : わーい! GM : 「あなた、私とメガネキャラがカブってるんですよ!!!」 GM : 倒していなかった格闘家ヤンキーのステータスがバッドヤンキーに反映されます 劔 理一 : 「あァ!? テメェ人の視力にケチ付けてんじゃねえ! 裸眼いくつだオラァ!」 GM : 場所は「お祭り舞台」、PCからの手番です! 稲原 アギト(PL) : アッこれ必要があってメガネかけてる人だ 稲原 アギト : おれはしんの男であり、良識があるので、メガネをとってからかったりはしない。 GM : 「やれやれ、下品な物言いですね…両目とも2.0です」 稲原 アギト(PL) : おのれえええええええええええ 劔 理一(PL) : 伊達だ! こいつ伊達だぞ! 劔 理一(PL) : 理一のメガネはファッションであると共に素で視力矯正用だよ! 稲原 アギト(PL) : GM!テンアゲアイテムを使いたいです!!!
※あっ!アギトの中の人が【怒りMAX】だ!!!
GM : テンションめいっぱいです!! 稲原 アギト(PL) : あ、もうあがらないのか! GM : あとアイテムは基本的に自分にしか効果ないのですが! GM : 使ったていでベイブがいっしょうけんめい応援してくれます GM : 「プイ!プイ!」 稲原 アギト : これにはおれもにっこり 稲原 アギト : ありがとうございますGM! GM : では、ハルから動きます GM : 「邪魔なんだよテメェ!!!」『兵隊NPCを片付ける』を宣言します 稲原 アギト : お片付け!?えらい!!! 劔 理一 : そうかそれが使えるんだ! つよい! 稲原 アギト : さすがハルさんだ ヤンキーができているな GM : これで手番を消費することで、任意の兵隊NPC一体を確定で始末できます。バッドヤンキー戦限定の処理ですね GM : バッドヤンキーに反映されていたステータスは無くなりました!お二人どうぞ!
※ちなみに残っていたのは「力強い格闘家ヤンキー」。そのままにしておくと、バッドヤンキー本来のステータスにHP+7、攻撃力+1、さらに特性の「【攻撃力】が+2」が加算されていました。
稲原 アギト(PL) : GM!バンカラの意地の「②邪神戦開始時に使用できる。邪神戦の間、自分はすべての判定をサイコロを振らず成功したことにできる。」 稲原 アギト(PL) : この邪神というのは今関係ない奴ですか? GM : はい。まだ関係ないです 稲原 アギト : まだ……そうか 意地をたいせつにしまっておこう
※バンカラの意地には、他にも「ダチリストのリスペクトにチェックを入れることにより、熱��判定(食いしばり)を自動成功させることができる」効果があります。窮地に陥り、たとえ倒れたとしても、仲間との絆で立ち上がる!そんな感じ。
劔 理一(PL) : じゃあとりあえず、私はせっかくテンションも上がっていることだし【武器攻撃】しとくか… 劔 理一(PL) : 椅子あたりを使って GM : はーい! GM : 椅子なら目標値+1で、剣道で殴るなら6ですね! 劔 理一 : で、せっかくドワーフさんたちに洞窟でリーフレットもらったし、武器攻撃にしましょう 劔 理一 : 椅子で! やる! GM : リーフレットには「角で殴ると痛い」とか書いてあります 稲原 アギト(PL) : リーフレットもらったなあって思ってたけどアレ武器だったの!? 稲原 アギト(PL) : キャット&チョコレートやってる気分になってきた GM : 武器で攻撃する時の効果的な指南が書いてるんですよ。「武器で殴るときは角で殴ると痛いぞ!」みたいな 劔 理一 : !roll 2d6 ダイスボット : @リヒト rolled 10. (4+6=10) GM : 成功です! 劔 理一 : よしダメージだ GM : 基本ダメージが2D6+4です どうぞー 劔 理一 : !roll 2D6+4 ダイスボット : @リヒト rolled 12. (2+6=8,   4) 稲原 アギト : なかなかつよい 劔 理一 : !? ダイスボット : @リヒト, Unknown command. Use `!help` or `@ダイスボット?help` to view the list of all commands. 劔 理一 : あっ ごめんbotさん! このビックリマークはそういうコマンドではないの! GM : それはコマンドじゃないのよBOTちゃん GM : かわいい 稲原 アギト : これにはRPBOTくんも動揺
※ダイスを振るコマンドが「!roll」なせいか、半角!に動揺するダイスボットちゃん。
劔 理一 : ともあれ基本ダメージが12で、さらに補正が2つくから14ですか? GM : 12点に施設補正2、二つ名は~…確か打たれ強さ+1でしたっけ、これは関係なくて 劔 理一 : あ、いや補正込みで14か GM : それにテンションの攻撃力+2が合わさります GM : 合計16点 劔 理一 : 腰を入れて思いっきり振り抜き角を的確にゴリッと GM : 手ごたえ十分!! 稲原 アギト : メガネどのくらい割れました? ※メガネに執着するアギトPL。怖い。 GM : …でしたが、画定は不敵にニヤリと笑います GM : メガネは無事です 稲原 アギト : なんだと……!? 劔 理一 : クソッ! メガネキャラのくせにメガネが頑丈だぞ!(?) GM : 「わかりませんか?私には邪神がついてるんですよ。かつてガイヤンキーを絶望の底に落とした、邪神がね…」クイッ GM : システム的にはダメージは通ってますので大丈夫です! 稲原 アギト : ケツモチが邪神 GM : ではアギトさんの攻撃どうぞ! 稲原 アギト : はーい!手元に何か……コショウ……だがメガネが!普通に殴りたいです!コークスクリューしたい! GM : あ、すみませんアギトさんは人魚の村で伸ばしたステータスどれでしたっけ 稲原 アギト : 攻撃です! GM : はい!ありがとうございます! 稲原 アギト : 【こぶし】で攻撃です! GM : では判定どうぞ! 稲原 アギト : !roll 2D6 ダイスボット : @アギト rolled 5. (3+2=5) GM : いちたりた!
※実はたりてない。後述します。
稲原 アギト : おお~~~どうでしたっけ? よかった……足りていた…… 稲原 アギト : 【コークスクリュー】を使用します! GM : はい! GM : ダメージは2D6+怒りMAXでさらに2D6 GM : 4D6振ってください 稲原 アギト : やった! 稲原 アギト : !roll 4D6 ダイスボット : @アギト rolled 15. (6+3+1+5=15) GM : では15に補正もろもろはいって~~~~~ 稲原 アギト(PL) : お値段なんと! GM : あえてここは補正もろもろは飛ばします。ナンデカナー。良いのが当たりますね
※実数値で言うと、【コークスクリュー】6+3、【怒りMAX】1+5、【戦闘スタイル】1、【人魚の村】1で合計17点、ですかね?
劔 理一(PL) : ンンンン??? 稲原 アギト : (この手応えは……おれの政治経済の中間テストと同じくらいの点数はおみまいできたようだな……) 劔 理一(PL) : 政治経済はちょっと得意なんだ… GM : 当たった瞬間、画定をまとっていた闇の瘴気がぶわっと膨れ上がったかと思うと GM : 少し薄くなった気がします GM : 画定はピンピンしていますが、小さく舌打ちするのが聞こえました 稲原 アギト(PL) : メガネは!? GM : キラーン ※メガネに執着するアギトPL。ヤベエ。 稲原 アギト(PL) : くっ……まだか…… 劔 理一(PL) : あのメガネ邪神召喚の触媒かなんかじゃないの??? GM : システム的な話をすると、バッドヤンキーを守っていた「邪神の加護」が1点減少しました GM : これが0点になるとようやく本体にダメージが入ります 何点かは今回キャラシが公開されてないので伏せます GM : あっ 稲原 アギト(PL) : メガネに異変が!? GM : 処理忘れ一個あったので次回から適用しますね 劔 理一(PL) : ハイ 稲原 アギト : おれはきにしない
※GMやらかしポイント2点。1、「邪神の加護」は公開情報です。2、「邪神の加護」による「PCの達成値1点減少」を適用しそこねました。さっきの攻撃、じつは当たってなかったんですね!  ちなみに、処理的には「バッドヤンキーはHPは0になっても邪神の加護を1点消費することによりHPを全快できる」のですが、前の卓でF●Oのボスゲージシステムがわかりやすかったみたいなので、それを踏襲した描写です。パリーン。
GM : ではバッドヤンキーの攻撃です! GM : !roll 1d3 ダイスボット : @GM rolled 2. 稲原 アギト : プイプイ GM : 「椅子は振り回すものじゃないんですよ、このメガネ猿が!!」リヒトくんが嫌いらしいです 稲原 アギト(PL) : メガネへの嫉妬 劔 理一(PL) : メガネの人に対する罵倒として極めてティピカルな台詞! GM : 【トルリョ・チャギ】で攻撃します。指定特技はテコンドー。 劔 理一 : 「そのメガネに度を入れてから言うんだな!」 ケッと吐き捨てつつ 劔 理一(PL) : わおテコンドー! GM : !roll 2d6 ダイスボット : @GM rolled 8. (2+6=8) GM : 鋭い蹴りがリヒトを捉えます。えーとだめーじ だめーじ GM : 11点!打たれ強さで減らしてからHPにどーんしてください
※【トルリョ・チャギ】は、ダメージ自体は【こぶし】と同じですが、判定に失敗しても確実にダメージを与えられる強力なスキルです。余談ですが…実は画定、この時点でPCを見くびって手加減してます。本気で攻撃した場合、追加ダメージが入る【テイミョ】を併せて使ってくるため、さらに4点ダメージが上乗せされます。リヒト以外なら一撃で吹き飛んでいましたが……その油断が命取りになろうとは。
劔 理一(PL) : ウワッけっこう入る! 劔 理一(PL) : 打たれ強さ2で現在HPが18だから残り9かあ GM : クラスの打たれ強さが2と、二つ名修正で1ありませんでしたっけ 劔 理一 : あっそうだ二つ名忘れてた じゃあ残り10! 稲原 アギト(PL) : 「リヒト!まだこのこうだいな大地にたてるか!」 GM : おすしたべててよかった GM : あとダメージ受けたのでテンションが上がります。怒りMAX!
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劔 理一 : 「当たり前よ…真の男は砂を噛んで苦難を乗り越えるもんだ、そうだろ?」 稲原 アギト : 「よし、バンデラスだ!」 劔 理一 : (※相手のテンションが未だ掴めていないがそれっぽいことを言おうとはしている) 稲原 アギト : ちょっとうれしかったので上がりきったテンションがプイプイしている GM : 「リヒトさんマジ頑丈っすねぇ…」 劔 理一 : 「これでも鍛えてンだよ」
※GMがビビっている。かっった。
GM : では再びPCの手番です!動きたい方ー GM : ハルから動きますかね 劔 理一(PL) : どうぞどうぞ 稲原 アギト(PL) : あとはきっとやること同じだな~ おまかせしますわ! GM : こしょうかラーメンを使いたい 劔 理一(PL) : どうぞ使ってください 理一はたぶんラーメンを武器にはできない… GM : 攻撃-2か、達成値-2どっちがいいですかね 稲原 アギト(PL) : 食べ物を武器にできないヤンキーだ 稲原 アギト(PL) : ラーメンのサンプルとかかもしれない GM : 熱いんだよなあ>ラーメン 稲原 アギト(PL) : できたてほやほやだった 劔 理一(PL) : やけどが入るんですよねえ… 劔 理一(PL) : で、うーん攻撃か達成値か…当たらないよりは攻撃力が低くても当たるほうがいいかな? GM : あ、相手にかかるデバフです 稲原 アギト(PL) : RP言いがかり的にはメガネかけてるからラーメンの方が効きそう 稲原 アギト(PL) : でもぶえっくしゅ!ってなってメガネに隙が生まれるかもしれないけど ※アギトPLさんのメガネへの執着がパネえ。 GM : じゃあラーメンそおいしよう リヒトさんとの間に隙間が生まれるかもしれないけども 稲原 アギト(PL) : 食べてからそおいする? 劔 理一(PL) : 食べてからそおいしたら冷めてまう GM : やけどできない! 劔 理一(PL) : 大丈夫 リヒトもこういう場面でなら「食べ物を粗末にした」とは思わないよ…たぶん… 稲原 アギト(PL) : や、屋台でひき殺そう だめだ えーとえーと 劔 理一(PL) : 自分でやるのはこう 躊躇われるけど 稲原 アギト(PL) : ひき殺すんじゃないんだよなあ つよいことばをつかってしまった 稲原 アギト(PL) : 屋台でやんわりする GM : 屋台でぐりぐりする 劔 理一(PL) : 屋台でぺったんする 稲原 アギト(PL) : CERO:Aきたなこれは 稲原 アギト(PL) : お子様でも安心してみられるヤンキーセッションです。
※食べ物の扱いと強い言葉に細心の注意を払う、ご家庭に優しいヤンキー卓です。
GM : 「痛いのが平気だってんなら、熱いのでも食らってみなぁー!!!」ラーメンで【武器攻撃】します GM : そのへんの屋台の火にかかりっぱなしの鍋から、器をお借りしてスープと麺をもりつけてそぉい GM : !roll 2d6 ダイスボット : @GM rolled 6. (4+2=6) 劔 理一(PL) : ちゃんと盛り付けるあたりに律儀さが見える 稲原 アギト(PL) : 繊細さがある GM : ダメージ出しますわよ GM : !roll 1d6+2 ダイスボット : @GM rolled 7. (5,   2) 稲原 アギト(PL) : おちゃらけている中でもきっとこう、なんかそういう面があるんだろうねハルさんは…… GM : あ、怒りMAX GM : !roll 2d6 ダイスボット : @GM rolled 6. (1+5=6) 稲原 アギト(PL) : 今2杯投げた気がする 稲原 アギト(PL) : 両手でこう GM : せっせせっせと盛り付けます 稲原 アギト : よくきたな。このラーメンはサービスだから 稲原 アギト : 逆噴射ではないなこのよくきたなは
※よくきたな。この二杯目は怒りMAX分だから、まずは浴びて落ち着いてほしい。うん、「また」なんだ。済まない。ヤンキーの面子もって言うしね、謝って許してもらおうなんざ…微塵も思っちゃいねっすよー?じゃあ、次の注文を聞いときましょっかー?
GM : ラーメンのダメージ7+テンション6+施設2+戦闘スタイル2+二つ名1+人魚の村1かーらーのー GM : 怒りMAXなので持ってる友情度計4点×2!ネオヤンキー友との誓いだ!
※友情度裁定ミスが効いてるシーン…ですが、裁定ミス無くても友情度2点×2なので実質ダメージ23点です。ネオヤンキーこっわ。
劔 理一(PL) : このどんどん盛っていく感はやっぱりいいなあ 稲原 アギト : あ、じゃあ腕を組んでなんか店主面をして加勢する 稲原 アギト : きもちだけ加勢 劔 理一(PL) : 店主面めっちゃ似合う GM : 27点のラーメンがこちらです 稲原 アギト : ベイブも肩に乗って横柄なかおをしていることだろう。 劔 理一(PL) : かわいい 稲原 アギト : おれの国語のいちばんいいときの点数のようなダメージが見えたな GM : 電卓二度見した GM : 赤点を抜けれてない 劔 理一(PL) : それでもそこまで出せるんだからやっぱり国語には適正があるんだ…言語てきセンスが… 稲原 アギト : 漢字だけたまに書ける時があるのかもしれない
※ヤンキーだからね。
GM : ではラーメンをぶちまけられた画定の瘴気がまたぶわっと大きく広がり GM : より一層薄くなったように見えます 劔 理一 : 何味のラーメンによって薄められたんだろうな… 劔 理一 : とんこつあたりかな GM : 火傷の変調も受けてもらいましょう アッツイ GM : とんこつがいいな 稲原 アギト : 「お前のこうげきのやりかたにはつくづく目を見張るものがあるな」 GM : 「おまけだよ」って言ってフレーバーで紅ショウガの缶も投げよう。スコンって当たる 劔 理一 : クールだ… 稲原 アギト : メガネは! GM : メガネげんき! 稲原 アギト : くっ……まだか…… ※怖い。
GM : では次の攻撃どうぞ! GM : あ、お知らせです。さっき私がかっとばした処理(邪神の加護による達成値デバフ)が、邪神の加護が減少したことにより消滅しました。 稲原 アギト(PL) : どっちでもいいな~!障壁やぶるほうがダメージ低くてももったいなくなさそうだから行きます? 稲原 アギト(PL) : 霧が晴れてた! 劔 理一(PL) : やったあ! 稲原 アギト(PL) : デバフがしょうりゃくされていたのか。 GM : メタな話すると、障壁のHPと本体のHPは同じです 劔 理一(PL) : ソウダッタノカ GM : 本来ならいちたりたかーらーのーいちたりましぇーんwwwwになってたんですよね GM : 気付かなかったのでいいです 稲原 アギト(PL) : あぶないところだった 劔 理一(PL) : ともあれ次もまたやることは攻撃だな…机かなあ 稲原 アギト(PL) : 無事に終わったらここにKP温情港をつくろう 劔 理一 : 机で【武器攻撃】します! 稲原 アギト : いけいけー GM : 扱いにくさが2なので目標値7ですね 劔 理一 : !roll 2d6 ダイスボット : @リヒト rolled 11. (5+6=11) 稲原 アギト : さすがだ GM : 当たりました!ダメージください 劔 理一 : ええと 3d6-1か GM : 3D6-1に怒りMAXで2D6、合計5D6-1 GM : あとは補正つみつみしていきましょう 劔 理一(PL) : ワアア 劔 理一 : !roll 5d6-1 ダイスボット : @リヒト rolled 21. (6+3+6+5+2=22,   -1) 劔 理一 : さついが すごい 劔 理一 : 絶対さっきメガネ猿呼ばわりされたの腹に据えかね��る 稲原 アギト : 真のメガネだ GM : 21に施設2点…あっ ※意訳「落ちたわ」 GM : せっかくだし全部計算しますか GM : 21+施設2+チーマーのブランド2 25点 GM : ですかね! 劔 理一 : 絶対こう 机を縦に持って構えて 劔 理一 : チェストオオォォ!!! って叫びながら突撃して振り下ろしてる GM : 熱血ぅー!!! GM : めっちゃおこってはる 稲原 アギト(PL) : チェストオオォォ!!! って叫ぶリヒトPLさんのPCが新鮮すぎてフフってなる GM : では瘴気がまた膨れたかと思うと… GM : 瘴気が霧散しました! 稲原 アギト(PL) : メガネは! GM : まだぶじ! 稲原 アギト(PL) : うっ…! 劔 理一(PL) : しぶといメガネだ…
※怖。 GM : 画定は明らかに狼狽えてます! 劔 理一 : そりゃあね… 稲原 アギト : そうだね… GM : ラーメン投げられたり机で殴られたりしてる GM : アギトさんどうぞー! 稲原 アギト : 普通に【こぶし】で殴っていようかな シュッシュと GM : はいどうぞ! ダイスボット : @アギト rolled 11. (6+5=11) 稲原 アギト : !roll 2d6 GM : 良いとこに当たりました! 稲原 アギト : プイプイ 稲原 アギト : 【コークスクリュー】でダメージいきます! GM : ベイブ「プイ!!」 GM : はーい! 稲原 アギト : !roll 4d6 ダイスボット : @アギト rolled 22. (5+6+6+5=22) 劔 理一(PL) : さつい GM : さつい 劔 理一(PL) : 机と同レベルの威力を叩き出す拳 稲原 アギト : これはメキシコ GM : 22+スタイル1+人魚1 GM : 24ですかね! 稲原 アギト : じゃあフレーバーでなんか拳を振るったときにじゃっかんサボテンと荒野のバックを背負います! 稲原 アギト : 草が転がっていきます 劔 理一 : 乾いた一陣の風が吹き抜ける! GM : じゃああれです、ヒットストップの瞬間に荒野の風が吹く感じにしましょう 稲原 アギト : やった!ありがとうございます! GM : 背景にサボテン、荒野、たんぶるうぃーどとかが GM : キメ台詞を…どうぞ! 稲原 アギト : 「よくきたな。ここはおれの間合いになっている」 稲原 アギト : ドーン GM : では派手に吹っ飛んで GM : お祭り舞台の中央にある、大きなシャコ貝のステージの GM : シャコ貝の上蓋部分、ステージの背景になるところですかね、そこに画定の身体がたたきつけられて GM : その拍子に、魔法映像クリスタルが作動して、ステージに荒野が映し出されます GM : 画定の体はずるりと落ちて、ピクピクと小刻みに痙攣しています。眼鏡は落ちて割れました。 GM : バッドヤンキー戦、勝利です!! 稲原 アギト(PL) : 荒野がきた! 劔 理一(PL) : ヤッター!!! いや眼鏡にはすまないことをしたがそれはともかくヤッター! GM : 後ろで見守っていたイワンや異世界の人々から大歓声があがりますね! GM : おりしも水平線には夕陽が沈もうとしているところです。空に輝くあの星は…なんでしょうね。宵の明星でしょうかね! 劔 理一(PL) : アッ 稲原 アギト : 「まじめにはたらきすぎてしまったな」空を見て「今なんじだ……?」 劔 理一(PL) : あかん星では
※CoCプレイヤーならピンとくるアレ。BGMに某キャロルをどうぞ。
GM : 画定「低能なサルどもが…あなたたちはもう…助かりません…」 劔 理一 : 「何だと…?」(破壊された机を捨てながら) GM : 舞台の上で画定がゆらりと立ち上がります GM : 画定「わかりませんか?あなたたちは…怒りに触れたんですよ…」 GM : 画定「大いなる邪神の怒りに…!私たちの理解の及ばぬ存在の怒りに…!!ククク…ハハ…クハハハハハッ!!!!」 GM : 画定はゴボゴボと黒い泡を吐き始めます。 GM : ハル「な、なんか雰囲気ヤバくねえっすかー…?」 劔 理一 : 「あれは…血じゃねェな。何だ、何がヤツに起きてやがる?」 稲原 アギト : 「そういえばイワンのやつがなんとかゆっていたきがするな……邪神とかなんとか……」 GM : イワン「まさか、あれは…伝説の…!!」 稲原 アギト : 「だが、どうせやることが変わらないならやるべきことも変わらない(拳を構える)」 GM : その皮膚にはメキメキと鱗が浮かび上がり、体のいたるところが膨らみ始め…
GM : 刹那、口から何かが、空に向かって吐き出されました。画定は無残な姿となって再び倒れます…息はまだあるようです。
GM : 肉体の中にあったとは思えない体積のその『何か』は、明確な意思を持って輪郭を持ち始めます…その形状は、正しく『名状し難きもの』と呼ぶより他無いものです。
GM : 気体のようであり、流体のようであり、固体のようでもあり、
GM : 絶えず蠢くその存在からは、時折触肢のようなものや、鉤爪のようなものが突き出ているようにも見えます。
GM : それは、目に映した者の正気を根本から叩き潰すような、恐るべき神話の存在…グレート・オールド・ワン。
GM : 名状し難きもの、ハスターが、アルデバランの星を背にあなた方の前に顕現します。
GM : この恐るべき存在を目の当たりにした探索者は、全員(1D10/1D100)の正気度ロールを行ってください。
GM : ですが、あなた方はヤンキーなのでしなくていいです。なんかヤバそうなでっかいのが出てきました。 稲原 アギト(PL) : どうしよう!>< 稲原 アギト(PL) : よかった!!! 劔 理一(PL) : あっ 周りのみんなのSAN値がやばい GM : 周りのひとたちもなんか あなたたちヤンキーのオーラでまもられてます
※精神的な実害はないので気にしなくていいよ、の意。NPCに気を遣うPCの鑑である。
GM : びっくりしてますが発狂はしません 劔 理一(PL) : 周りのみんなはとりあえず退場しといてもらえませんか こう、画定の応急手当とかしといてもらうつもりで GM : あなた方は直感します。これを放っておくと、パねくヤべえことになると…!! 劔 理一 : 「罪を償わせるためにも、まずは生きててもらう必要があるんでな」とかなんとか言ってお任せしとこう 劔 理一 : そして自分たちはヤベえやつを引き受けよう 稲原 アギト : あ、じゃあ、おれのベイブをイワンに託しておこう GM : イワン「構いませんが、何かあった時に友情修正が入れれなくなりますよ!?」 劔 理一(PL) : しんせつだ! 稲原 アギト : やっぱりベイブ返してもらおう
※「友情修正」を行うには同じシーンに登場している必要があります。少なくとも、PCは。NPCはどうなんですかね!
GM : ではイワンと異世界の人々も参加します GM : 画定の手当はやってもらえるでしょう GM : せっかくなので場所を「城」に移しましょう。ヤバいのがお城でもくもくもぞもぞしてます。 GM : 一番高いところからこの町を一網打尽にするつもりなのかもしれませんね 劔 理一 : なるほど理に適っている 武器の使用可能数もリセットされる
※誇張表現ではなく、邪神戦で一定ダメージを与えられなかった場合、邪神の討伐は失敗し、町は壊滅的な被害を受けることになるでしょう。みんなもまほうのすてぃっくでヤンキーをおうえんして!
GM : では最終決戦、邪神戦です!! 稲原 アギト(PL) : これが邪神戦か~~~! GM : 1ラウンドの間に与えたダメージの総量で、勝敗が決します。頑張ってください! 劔 理一(PL) : ようし すとろんぐぜろを飲むぞ GM : ハルはどうしましょう。先に動きますか 最後に動きますか 稲原 アギト : おれはバンカラの意地でイワンをタイタス……タイタス……してむつかしいものを投げたいのだが
※リスペクト、と言いたいのかもしれない。GMにもわからない。
劔 理一(PL) : じゃあアギトさんにはむずかしいものを託すとして(盾とかかな?) GM : 難しいのだと大盾ですかね 壺も良いダメージは出そうですが 稲原 アギト(PL) : 4+2D6 2 大盾 防御 劔 理一(PL) : 私は長剣だなあ せっかく剣道だし 稲原 アギト(PL) : 3D6-3が壺か GM : 盾が最大値16 壺が最大値15 稲原 アギト(PL) : 盾の 2d6+4のほうがよさそうだな 稲原 アギト(PL) : ベイブが固定値はテキサスの荒野で生き延びていくためにはひっすだと言っていた 劔 理一 : うんうん
※固定値は正義。
GM : じゃあ残った壺はハルがマスターソードの勇者しましょう 稲原 アギト(PL) : 青ルピー入ってると良いな GM : いいな GM : だれからいきますー? 劔 理一(PL) : じゃあ私から振っていいですか! GM : どうぞ! 稲原 アギト : どうぞ! 劔 理一 : !roll 2d6 ダイスボット : @リヒト rolled 6. (4+2=6) GM : 成功してますね!武器攻撃で長剣ですね! 劔 理一 : はい! 劔 理一 : 4d6になるのか GM : では怒りMAX分含めてダメージどうぞ!4D6です! 劔 理一 : !roll 4d6 ダイスボット : @リヒト rolled 15. (4+4+3+4=15) GM : さついたかめ 稲原 アギト : いいかんじにおこ 劔 理一 : 安定していく! GM : 施設2+ブランド2で GM : 19点入ります!ぐにょん GM : かっこいいRPをどうぞ 劔 理一 : 「邪神だかなんだか知らねェが、突いて斬ればブチ破れンだよ!」と 劔 理一 : ひび割れたかフレーム歪んだかした眼鏡でメンチ切ります 稲原 アギト(PL) : かっこいい GM : 名状しがたい悲鳴がお城の周りに響きます 劔 理一(PL) : 普通の眼鏡だからね 視力補正用の普通の眼鏡だからね あそこまでタフではないのでね GM : じゃあ次ハル行こうかな! 稲原 アギト : はーい! GM : 「斬れるってことはよぉー…ブンなげりゃ当たるってことでもあるよなぁー!?」【武器攻撃】で【壺】を投げます 稲原 アギト : 城にあった高そうな壺ーーー! GM : !roll 2d6 ダイスボット : @GM rolled 8. (6+2=8) GM : ヘーイヘイヘーイダメージヘーイ GM : !roll 5d6-3 ダイスボット : @GM rolled 11. (1+2+2+6+3=14,   -3) GM : かすったが固定値の暴力があるぞ GM : 壺1+2+2-3+怒りMAX6+3+スタイル2+二つ名1+施設2+人魚の村1+ネオヤンスキル8 GM : 25点入りました 劔 理一(PL) : これが本当に怖い ハルくんはつよい GM : 名状しがたい悲鳴が空間中に響き渡ります GM : 軟弱な探索者風情は一瞬で発狂四散するでしょう 稲原 アギト(PL) : しまった>< 劔 理一(PL) : われわれはヤンキーなので
※正気度ロールしなくていいです。
GM : では最後どうぞ! 稲原 アギト(PL) : はい!やります! 稲原 アギト(PL) : イワン君をタイタス……タイタ……リスペクトしてバンカラの意地を使いたいです!ところで失敗しなくなってもダイス振りますか
※こたえあわせ:リスペクトでした。
GM : では神話級の絶対ヤベー奴を目の当たりにし、【バンカラの意地】が発動して絶対成功モードです!! 稲原 アギト(PL) : わーい! GM : ダメージの算出だけどうぞ! 稲原 アギト(PL) : 盾を投げます! 稲原 アギト : !roll 2d6+4 ダイスボット : @アギト rolled 7. (2+1=3,   4) 稲原 アギト(PL) : あら低め GM : 怒りMAX分の2D6もどうぞー 稲原 アギト(PL) : あっそうか!武器にもつくのであった 稲原 アギト : !roll 2d6 ダイスボット : @アギト rolled 3. (2+1=3) 稲原 アギト(PL) : やっぱりなんかテンションが上がらないみたいだな GM : おねだんすえおき
※「アギトは武器で殴ると出目が低くなりがちなので、拳で殴りたいのかもしれない」そんなことを後日PLさんが言ってたとかなんとか。
GM : 7+3+施設2+人魚1+クラス1 GM : 14点ですかね! 稲原 アギト : 「よくきたな。これがおまえとの最初でさいごのあいさつになるだろう」と言いながらでっかい盾を投げよう 稲原 アギト : 狙いは安心だが若干テキサスからはラグがあるようだ GM : ベイブ「プイ!」 劔 理一 : そうかラグがあったか… 稲原 アギト : ちょっと植生がテキサスじゃないな?と言う映像が混じっている GM : ではせっかくなのでトライアングルアタック発生したことにしましょうか 稲原 アギト : おれたちはペガサス3姉妹だった GM : リヒトが長剣で切りかかり、当たったのを見た瞬間ハルが壺を投げ、アギトが大盾を GM : あ、そうだ GM : アギトさん、あれです GM : 大盾持った瞬間に、今までにない力のうねりのようなものを感じます。これは…巨大サンゴから発せられる魔力の波!! 稲原 アギト : 何だと……!? GM : 波に、乗れそうな気がする!!! 稲原 アギト : 投げるからお二人とかこの上に乗って直接攻撃たたき込みにいきません? 劔 理一 : アッそうだ町の流行
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劔 理一 : いいですね それはすごくチームワークを感じる! GM : リヒトがアギトが放り投げた盾を足掛かりに… 稲原 アギト : 「危険なギャンブルではあるが、あんしんしてくれ。ここぞというときに狙いがそれたなどのクレームはついぞきたことがない」 劔 理一 : こう、剣を構えたままダッと飛び乗ってバランスを取りながら狙いを定めるかんじで 稲原 アギト : 「ただこの流れに身を任せれば良いはずだ」 GM : ライバル二人のコンビネーション 稲原 アギト(PL) : 魔力の波にサーフィンだ! 劔 理一 : 「俺はとうに安心してンだよ、テメェみたいな真の男が気を抜くなんざ有り得ねえからな!」 劔 理一(PL) : もう大船に乗った気持ちですよ GM : かっこいいー!!ではリヒトさんの剣がハスターを的確に捉え、乗ってきた大盾もそのままぶち当たりました! GM : 壺もおまけにぶつかります。がしゃん。 稲原 アギト : プイプイ
GM : 邪神は耳をつんざくような悲鳴をあげ… GM : 皆さんの意識が、巨大な怒りと憎しみのような感情を感じ取ります GM : そしてそのまま、邪神は空高くへと逃げるように消え去り… GM : 町を覆っていたモヤは消え去りました。 GM : 夜空の中、珊瑚の町が元の輝きを取り戻したのです!
劔 理一(PL) : バンザーイ 稲原 アギト(PL) : やったーーー! GM : 人々は口々に皆さんをたたえ、その晩は盛大に宴が執り行われました。イワンも久しぶりのお酒に顔を赤くしています… 劔 理一 : よかったね…よかったねえ… 稲原 アギト : おれはハルのラーメンが食べたい せんとう中に美味しそうだったからな GM : もちろん、食べれて良いですよ!本来の店主さんがちゃんと作ってくれることでしょう ※もしかしたら、ハルはどこかのラーメン屋さんでバイトしてたのかもしれませんね。アギトが希望するなら、照れながらも店主の隣でラーメンをよそってくれるでしょう。 劔 理一 : 食べよう食べよう とんこつだ 稲原 アギト : やったー GM : そして翌朝。 GM : 昼でもいいです、みなさんが起きてきた時間です。 劔 理一 : 大丈夫だ ちゃんと早起きができる 稲原 アギト : 必要とあらばベイブが起こしてくれるだろう でもイワンを昼まで寝かせてやりたいな 稲原 アギト : だからおれはあえて昼にのそのそとおきてくることだろう はたらいてるかもしれないが 劔 理一(PL) : うんうん みんなぐっすり眠ってほしいね… 劔 理一 : 真の男の気遣いがすごい GM : イワンは定時出勤して元気に働いてますね 稲原 アギト(PL) : イワンーーーーーーーーーーー 劔 理一(PL) : そして気遣いにも関わらずやっぱり働いているイワンくん… 劔 理一(PL) : いや でも今日からは定時でちゃんと帰れるからね! GM : ですね!とてもすがすがしい顔をしています! 劔 理一(PL) : 時間がきっちり定まっていて成果もわかる労働というのは気持ちのよいものだ 稲原 アギト(PL) : 8時間寝れるからね! GM : 城の広間。そこには町長、イワン、町の人たちがいます。そして皆さんの目の前には、亜利我闘と中央に書かれた魔法陣が。 稲原 アギト(PL) : 魔方陣の解像度がきゅうにすごいんだよなここだけ GM : PCはここで、現実世界に帰るか、異世界に残るか選ぶことができます。 稲原 アギト : おれは真の男を目指しているからな……ここが平和になったのならここはもはやメキシコではない 劔 理一(PL) : 理一的にはやっぱり、元の世界には兄貴がいるからなあって戻ろうとするでしょうね  いつか自分も兄貴を追いかけるように立派な男になるのだ GM : イワン「皆さん、本当にありがとうございました。邪神の危機にさらされているのはここだけではありません。本当はもっと長く居てほしいのですが…」 稲原 アギト(PL) : ハルはまた別の世界のヤンキーだったりするのだろうか 劔 理一(PL) : また何かあったらいつでも呼べってかんじでいこうかな 稲原 アギト(PL) : あ、まだシナリオフックがある系!? GM : ヤンキー召喚の儀式はわりと広く知れ渡ってるので、困ってる人がいたらまた呼ばれるかもしれませんね! 稲原 アギト(PL) : サブクエスト「定時退社」 とかあるのかな 劔 理一(PL) : 禁断の儀式とかではないんだな…知れ渡ってるんだな… GM : ヤンキーに救われた世界ですからね GM : この町でやることはたぶんもうないでしょうね 劔 理一(PL) : 神社でお賽銭投げ入れて鈴鳴らすぐらいの知れ渡り方 稲原 アギト(PL) : この町の(サブクエスト)を消化しきったなら帰ろうかな GM : ちなみに、城の前ではもうリヒト君像が建ってました 劔 理一(PL) : やっぱり建ってんだもう! GM : 同じくらいのサイズの像を設置するんだろうなーってスペースがもう2か所、ちょっと小さいサイズのを設置するんだろうなーって場所が1か所ありましたね 劔 理一 : なんかこう、えーっとチーマーだから、わりと小洒落た革ジャンにランニング的な服を着た高校生の像が… 稲原 アギト : ベイブをその場所に立たせて静かに頷こう GM : ジャストサイズ>その場所 劔 理一(PL) : 小動物への手厚い尊敬 稲原 アギト(PL) : 土産物に小さいキーホルダーないかな 稲原 アギト(PL) : リヒトくんキーホルダー GM : 望むならドワーフの細工師さんが「できたてですじゃ」って渡してくれます。珊瑚細工のリヒトキーホルダー 劔 理一(PL) : 技術力の無駄遣い 稲原 アギト : 「ほう、よくできているな」 GM : ハル「俺はとりあえず帰るっすわー。家族を心配させるわけにもいかねーんで。」 稲原 アギト : 「おれも次なる試練を求めて帰るとしよう。タフな課題だったが、真の男たちと出会えたことをうれしく思っている」 劔 理一 : 「俺も兄弟がいるんでな。まあ、もしまた何か起きたらいつでも呼べや。手は貸してやる」 稲原 アギト : 「おれにはベイブがいる(謎の張り合い)」 GM : ハル「へへ、リヒトさんホント良い人っすね。イワン、困ったらまた呼んでくれよー?」 劔 理一 : 「お前はなんというか、最初から最後までヤベエ奴だったなハル」 GM : では全員帰るということで、イワンが涙をほろっと零しながら、「ありがとうございました…!」と GM : 帰還の儀式を執り行います 稲原 アギト : 「お前たちもたまには「何もしない」を実践するといいだろう。おれもたまにそうしている」 稲原 アギト : 「二人でかちあったときには……帰ったらリヒトにもハルの武勇伝を聞かせてやろう」 劔 理一 : 「ああ、やっぱ武勇伝あンだな…俺の見てねえ間に…」 GM : リヒトキーホルダーは全員に差し上げますね。異世界の思い出に。 稲原 アギト(PL) : やった~! 劔 理一(PL) : キーホルダーどうしよう 本当にただの記念にしかできない…自分だし… 劔 理一(PL) : でも大事にするよ! ありがとう! GM : 「バリバリの武勇伝でしたよー?ね、アギト先輩?」 稲原 アギト : 「まず荒巻鮭のぜつみょうな配置から話が始まるが……っと、ながくなってしまうな」 GM : 「じゃ。二人とも、またどっかで会ったらよろしくっす!俺の本名は、青…」 GM : と、そこで辺りは再び光に包まれ…
GM : 皆さんは、元居た場所に帰ってきます。 劔 理一 : 「荒巻鮭????」 劔 理一(PL) : あっ鮭に気を取られてハルくんの名前を聞きそびれた! 稲原 アギト : 「ききそびれてしまったか。だがこの(キーホルダーきらり)証があればきっといずれ……」 劔 理一(PL) : 空のアルミカップに比べれば遥かに尊いかんじの煌めきだ! 稲原 アギト : 親の顔より見た荒野 GM : スマホを確認するなら、異世界に召喚された翌日ですね。時間は…14時くらいでしょうか。 稲原 アギト : おれはサボり魔なのでフツーにサボったと思われていることだろう 稲原 アギト(PL) : たぶんリヒトさんと相打ちになったとか噂が流れてるのかな…… 劔 理一(PL) : ああー… GM : 日曜日なので、校舎はがらんとしています。部活してた人たちが急に現れた二人にぎょっとしてますが、先の騒ぎもあるのでそそくさと逃げ去りますね 劔 理一(PL) : 実際はお弁当を一緒に食べてついでに異世界を救っていたよ… GM : 2人の手には、珊瑚細工のキーホルダーが握られています GM : それは精密に彫られたリヒトの…ドワーフ的感覚でだいぶ屈強さマシマシの…姿です 稲原 アギト : 「長い夢を見ていた気がするが、蜃気楼ではないようだな」 劔 理一 : 「バッドトリップでも寝不足でもねえよ。まあ、あっちでも似たようなことを考えてんだろ」 劔 理一 : だいぶ美化されてんなあ…とキーホルダーを眺めつ�� 稲原 アギト : 「にわかには信じがたいが、そうゆうこともある、と受け入れていかなければならないようだな」 稲原 アギト : 「名前を聞き取れなかったな……」 GM : 後光輪っかもばっちりですね>珊瑚細工 劔 理一 : 「次もあるかもしれねえンだろ? 本腰入れて鍛えていかねえとなあ」 劔 理一 : 「ああ、そういやハルの名前な、あれもまた別の時に聞くことがあるのかねえ」 稲原 アギト : 「それでこそ真の男だ」 稲原 アギト : 「真の男はゆきさきが同じなので黙っていても集まってしまう。いずれまた会う予感がするな」 GM : そう言って二人は青空を見上げます。 劔 理一(PL) : うんうん 劔 理一(PL) : 爽やかなエンディングだあ GM : あの異世界で見た空とは違いますが、確かにそこには、同じ青い空が広がっているのでした…
GM : では、エンドロールです。お二人とも2D6をどうぞ! 稲原 アギト : !roll 2d6 ダイスボット : @アギト rolled 4. (3+1=4) 劔 理一(PL) : はーい! 稲原 アギト(PL) : ひくめ 劔 理一 : !roll 2d6 ダイスボット : @リヒト rolled 6. (2+4=6) GM : ああ~~~~~
※その後表を見ていたGMの感嘆の声。
GM : ではアギトさんのその後です 稲原 アギト : 「2じだと授業に行くのもはばかられる……フケてどこか行くか……」 稲原 アギト(PL) : おっ死ぬかな???
※FIASCOではない。
GM : 「今回の仲間と食事をしに行った」 稲原 アギト(PL) : あ、そうだ、エビチリのお礼をしなくちゃだよ GM : リヒトさんのその後は GM : 「仲間との毎日をより大切にした」 劔 理一(PL) : ああーーーー 最高にいい… 稲原 アギト(PL) : なんでこんなほんわかする表なんだ 稲原 アギト(PL) : もっと日々抗争に明け暮れるとか想像してて構えていた 劔 理一(PL) : 完全にダチになりましたよこれは GM : ただ、そこにはハルの姿だけが無いんですね 稲原 アギト : さみしい 稲原 アギト : バイトしてないかな GM : この後で二人でご飯食べに行く流れですかね 劔 理一 : 食べに行こう ラーメンかな GM : そういえば帰還の儀式のどたばたでお昼をちゃんと食べてなかった ウカツ GM : とんこつですかね 稲原 アギト : おれは今日はしょうゆにしよう 劔 理一 : とんこつだなあ GM : そっか、前の晩に食べましたもんね GM : ではそうやって、巨大な珊瑚の回廊ではなく、見慣れた街並みを通って… GM : アギトの行きつけのラーメン屋さんの暖簾をくぐる二人でした「ラッシャイ!!」
GM : ということで、これにてエンディングとさせていただきます!長時間お疲れさまでしたー!!! 稲原 アギト(PL) : ありがとう御座いました~~~!!! 稲原 アギト(PL) : なんとなくすっかり仲良くなれたようで楽しいです!!! 劔 理一(PL) : ありがとうございましたー!!! 楽しかったです! 劔 理一(PL) : 普通に喧嘩の果てで共通の敵に立ち向かい友情が芽生えてしまった…
※すごい!王道少年マンガみたい!!
GM : では、今夜は突然のお誘いにも関わらずお集まりいただき、本当にありがとうございました!!また遊びましょうー! GM : お疲れさまでしたー!! 稲原 アギト(PL) : また是非ヨロシクお願いします! GM : 夜露死苦!!! 劔 理一(PL) : こちらこそ夜露四苦!!!
見渡せば、聳えるのはコンクリートの街並み。 行き交う人々は皆、二人と目を合わせようとはせず、足早に去っていく。 きっと誰も、あの世界の事を知らない。 きっと誰も、二人と一匹と…もう一人の功績を知らない。 ふと見上げれば、ビルの隙間から覗く青い空。 そういえば、ゆっくり空を見上げる時間は無かったけれども、あの世界にも同じ色の空が広がっていた。 きっと彼も、同じ色の空を見ている事だろう。 二人の手に握られた珊瑚細工のキーホルダーが、確かにそれを感じさせるのだった。
青い空は良く晴れて、 珊瑚は確かに、物語る。 ヤンキーたちと異世界の、奇妙奇天烈な物語を。
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行方不明だった高校生が保護され、病院に搬送されたらしい。 それは、空中分解したヤンキーチームのヘッドだったらしい。 穏やかな空の下、そんな噂が、ひっそりと町を駆け抜け、すぐに忘れ去られて行った。 そして…
「ねえ、明日の当番代わってくれない?」 「えー、881号室の学生クン?やだぁ。」 「私だって嫌よ。ずっとぼーっとしながら何かブツブツ言ってるんだもん、あの子。」
夜の病室にて。 「………  ……もちろん…です…よ…  憎い……私をこんな目に遭わせたあいつらが…憎い……  あいつらを呼び出して…私の邪魔をした……異世界の連中も……  私がいなくなるや否や…さっさとチームを抜けて行った連中も……  憎い……憎い……憎い憎い憎い……!!全てが…憎らしい………!!!  ……勿論です……ええ、ええ……  ありがとうございます…外なる神よ……次こそは………」
窓の外は、闇。 夜であることを差し引いても、あまりにも暗い夜空に、煌々と輝く星がひとつ。 生暖かい風が、病室を舐めるように吹き込むと… そこには、空っぽになったベッドだけが、ぽつんと取り残されていた。
TO BE CONTINUED...?
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buriedbornes · 5 years
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第31話 『赤子の視る夢 (3) - “錯誤”』 Fetus dream chapter 3 - “Mistake”
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「クラウス君、目を覚ましたのか」
 部屋に入ってきた男は、私を見て驚いたように何度か目を瞬かせたものの、何故だか哀し気に呟いた。
 私は違和感に戸惑い、手に持っていた日記と男を交互に見た。
「ああ、その手帳をどこに置いたのか忘れていたんだ。ここにあったのか」
「……あなたの持ち物、ですか……?」
「そうだ、儂の日記だ」
 ほんの少し前、あのヴァルター博士の問診の際に見た写真よりも随分老け込んでいる。異界の研究に邁進し、狂人とも称された男にとっても、ここでの調査はそれだけ堪えたのだろうか。
「マティアス、博士……」
「どうしたんだい、クラウス君。まるで幽霊にでも会ったような顔をして。まぁ、何日も寝ていたんだから、当然か」
「その……失礼ながら、マティアス博士は死んだもの……かと、思っていたので……」
 それに、手にしている手記は、まるで遺書のようだった。ヴァルター博士も私だけが生き残ったのだと話していたはずだ。
 しかし、やっぱり、でも……こうしてマティアス博士は私の目の前に立っている。
「そうだな……儂も助かった時は、信じられなかった。君は仲間を失いすぎた。なおさらそう思ってしまっても可笑しくはないな……」
 マティアス博士の面差しは好々爺としていたが、その眼差しは無遠慮だ。私の目をじぃっと見てきたかと思えば、全身をさっと確認する。人当たりの良さそうな笑顔と、その目に起因する不気味さが、『研究に邁進する狂人』と評される所以であるように思えた。
 しかし、私は記憶の一切を失っていて、今目の前にいる男が散々聞かされてきたマティアス博士かどうかは本当のところは分からないのだ。写真を見ていなければ、マティアス博士だとは思わなかっただろう。ただつい半刻ほど前に吹き込まれた、ただの知識として知っているだけに過ぎなかった。
「しかし、思ったよりも顔色がいいようだ」
「私はもう、何がなんだか……」
 マティアス博士の表情からは何も読み取れない。深く眉間に刻まれた皺と、全く血の気の引いたその顔はまるで幽鬼の類だ。
「どうだい。体の調子は」
「それよりも……あなたはどこから……本当に生きていたのですか?」
「死んだようなものだ……。我々の想像を超えていたことが起きた……いや、儂は過信していたのだろう、自分たちに、そして、この幸運に」
「幸運?」
 自分の声が震えるのが分かった。
 監視室から続く中庭は、小さな運動場ほどの広さだった。その中央に突如存在する門は、明らかに異質で――そして、どこかマティアス博士の持つ妖しさと共通する何かを感じさせる。
「あんなことに加担させておいて……」
「加担? モニカ君も君も、救助には賛成していたではないか。君たちは仲間を助けるため、探したいと言っていた」
「分かっていたんですよね、あの門の向こうに何があるか、そしてその門をくぐれば、どれほどの危険が待ち受けているかも」
「いいや、分かっていると信じていただけだった。儂の想像以上の脅威が……そこには広がっていた」
 マティアス博士の顔に浮かんだ苦渋の色は、嘘ではないように思えた。
 私を見ながら、小さく頭を下げる。マティアス博士の握りしめられた手は震えていた。
 顔を上げて下さい、とはどうしても言えなかった。
「異界に君たちを連れて行ったのは儂の責任だ。テオが消え、君たちは儂の先走った突入行動に賛同するだろう、と……仲間を守ろうとする気持ちに付け込んだのだ」
 より深く、マティアス博士の頭が下がる。
「すまない」
「本当に私たちの他は、助からなかったんですか!?」
 顔を上げ真正面から見据えたマティアス博士の顔は、写真と比べても随分と頬を痩けさせていた。
「恐らくは。ヴァルター君とともに監視所で待機していた医療補助スタッフ以外は。ともに異界へ向かった仲間は戻っていない」
「嘘だ……」
 モニカは監視所にいるはずだ。
「同行者にはモニカ君もいたんだ、君が信じたくないことは分かる……」
「そんな安っぽい同情が欲しいわけじゃない! 真実が知りたいんです」
「真実……。可哀相に、あれだけのことがあったのだから、錯乱もするだろう」
 私は弱々しく首を振る。憐れむようなまなざしが我慢ならない。
 何かがおかしい気がする。辻褄が合わないではないか。これも壮大な実験の一部なのではないか?
 ただ、少なくとも門は実際に存在している、その赤黒い――まるで何かの内臓のような赤黒い世界を覗かせ、緩やかに鳴動している。
「ここは今、閉鎖してもらっているが、まだ完全に問題が解決した訳ではない」
「助かったんですよね? 少なくとも、我々は…」
「――……君だけだ」
 私は無意識に首の後ろを撫でた。確かに、縫合のあとがある。
 マティアス博士は目を細めて、苦笑した。
「申し訳ない。ただ、大丈夫だ、きちんと調べた。まぁ、傷は残るかもしれないが、命より大事にすべきことではないだろう?」
「あなたは、一体何を目指したんだ……」
「門の向こうだ。君は異界をどう考えていた?」
 私はどう答えていいか分からず、黙り込んでいた。それを見て彼がどう感じたのか分からないが、マティアス博士は肩をいからせて口を開く。
「儂から見て君は異界を『得体のしれない災害』としてしか見ていなかった。儂に門を閉じるための知恵を貸して欲しいと! あの門がどれだけ貴重なものか理解していなかった。これほどの学術的に貴重な事例が目の前で展開しているのに、隊の誰一人、その可能性を直接調べたいと申し出る者はいなかった。儂は異界を調べたかった。そして、そこにある大いなる真理に触れることこそ、儂の積年の夢だったッ!」
 懺悔した口で、今度は少年のように無邪気に語る。彼は私を馬鹿にしているのだろうか。
「真理を目指す者、研究者ならば誰もが突き当り、悩む事だ。全てを投げ売ってでも一歩前に進むか、否か。多くの者は進まずに一生を終える。儂は進むことにしただけだ。その瞬間、儂は後先を考えることは出来なかった。今なら行けるのではないか、と。門はそこで儂を誘うようにずっとあるのだから。ああ、そうだ、前に進む理由が欲しかったのだ、儂はきっと……」
 そこまで饒舌に語っていたマティアス博士は急に黙ると、よろよろと動き始めた。そして、小さくうめき声をあげて、壁にもたれ込む。
「博士?」
 医者として身についていたはずであろう知識と技術がもしも頭か身体のどこかに残っていたのなら、私は何かしらできただろうが、何も思い浮かばないまま壁を背に座り込んで膝を抱え、呻くマティアス博士を見つめることしかできない。
「儂は戦力が……丸太が多い方が良いと願った、健康な男女がどうなるのか、……何度あの日に戻っても、儂はこの門をくぐっただろう、テオという青年の失踪は導きでしかなかった」
「博士、顔が真っ青だ、ソファで休んで……」
「触ってくれるな!」
 突然投げつけられた鋭い声に、私の上げかけた手はびくりと凍り付いた。
「乳母に襲われたのだ。その時に、儂は肉片を植えられた」
 儂は。
 つまり、私はやはり無事ということなのだろうか。分からない、手帳にも私は肉片を受け付けられていなかったと記されてはいたが…
「この肉片が君に感染しないとも限らない……ましてや、門の内部に足を踏み入れなかったその他の人間まで巻き込むわけにはいくまい。これは儂の問題だ」
「摘出すれば、可能性はあるのでは?」
「もう、遅いのだ」
 額に浮かんだ脂汗を拭いつつ、マティアス博士はぐっと唇を引き結んだ。
 私を見て笑おうとしたのか、不自然に歪んだ表情を浮かべた。それから、諦めたように告げた。
「儂はけじめをつける。異界をここまで招き入れたことへの責任を取るのに、これしか考えられない」
 博士の視線の向こうには、変わらず禍々しい気配を放つ門がある。
「後のことは君とヴァルター博士に任せる。必ずや、ふたりで、あの門を封じろ。よいな」
「ちょっと、待ってください」
 マティアス博士がふらりと、たたらを踏むように動いた。私は慌ててその手を取った。行かれてしまっては困る。まだ何も分かっていない。ヴァルター博士は信用できない。あなただけだ、今の私が頼れるのは。
「門に行く気ですか」
「異界の物を異界に帰す。それだけだ」
「生きては戻れません!」
「肉片の影響が、いつどのような形で出るか予想もできん。……時間がない」
「しかし!」
「君は赤子の異界に足を踏み入れ、唯一無事帰ってこられた人間だ。門の向こう側で見たおぞましき真実を伝えて、君がヴァルター博士達を導くのだ!」
 そんな! 私は何も記憶がないのに……!
「マティアス博士、あなたこそが必要です」
「君が、あの門を閉じる鍵となる」
「あなたの知識が必要なんです!」
 掴んでいた私の手は、縋るように形を変えた。
 私の必死の懇願に、マティアス博士は眉を下げて難しそうな表情を浮かべて黙りこんでいる。
 沈黙の時間は酷く長く感じた。
 マティアス博士は首を振り、丁寧に私の手を、手首から離させた。
「すまない」
「博士!」
 今度は指先が届かなかった。踵を返したマティアス博士の白いガウンが翻り、一瞬視界から門を覆い隠した。
 マティアス博士は中庭に続く扉を押し開け、外に飛び出した。
 人の背丈の2倍ほどはあるだろう門は、歓喜するように光を増し、駆け込んでくる博士を迎えるべく赤黒い肉たちはぐわりと空間を開ける。
「そんな……」
 すぐにマティアス博士の姿は赤黒い肉壁によって見えなくなった。
 私はよろよろと座り込む。
 監視室から門を見つめたまま、しばらく動くことが出来なかった。博士は行ってしまった。あの門の向こうに行ったのならば、もう帰ってくることは出来ないだろう。
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 追いかけることは、出来ない……。
 考えるだにぞっとする。込み上げてきた恐怖に身体を抱える。記憶などなくとも、あれが邪悪なものだと子供でも分かるだろう。資料で見てきた異質なものどもが、あの門の向こうに鎮座しているのだ。
 門の向こうで部隊が壊滅したのは確かなのだろう。私はひとりきり、この監視室に残されてしまった。
 まるで、悪い夢を見ているようだ……。
 頭がひどく重く、ソファに頭をもたれさせる。
 手帳を読み返す気力もなかった。ヴァルター博士と残されて、私が異界に対して何ができるというのか。
 ――ブ、ウ―――……ウウン……――。
 耳の奥で音がする。どこかで聞いたような音だ。
 苦しい……分からない……知るべきなのか?
 私をこの苦しみから救ってくれるというのなら、私は悪魔にでも魂を売るかもしれない。だが果たして、真実を知った先で、この苦しみから逃れることはできるのだろうか。あの門の向こうにいた乳母は一体何をしようとしているのか、何を望み、何が目的なのか……。
 マティアス博士は何を知りたかったのか。
 ヴァルター博士が恐れたものは? 異界なのか、自らの権威を脅かすマティアス博士か……。
 ピチャリ……粘着質な水音も聞こえる……ピチャリ……。
 どこからだ。
 門ではない、近いがどこか分からない。
 私は怯えて周囲を見回す。何もない、何かを知るすべもない。思い出せない、焦りばかりが繰り返される。
 ドクリドクリ、早鐘のように打つ音の度に、こめかみに鋭い痛みが走る。
「ぐ……ッ」
 痛い。
 痛い?
 この痛みの正体は、何だ……ドクリ……ドクリ……。
「痛い……苦しい……」
 混乱が、許容範囲を超えている。
 ただ、明確に浮かび上がってくる言葉もいくつかある。
 ――……乳母に襲われたにも関わらず肉片を受け付けられずに返された自分には何かしらの意味があったのだろうか。先程博士が消えたばかりのその門は、今は大人しく鎮座している。
 あの肉の空間の向こうに入り込んだマティアス博士はまた吐き出されるのか。
 私はまた、首の後ろに手を当てる。切開しても、ここに腫瘍はなかった? 本当に? 2人が生きて戻り、そのうちの1人は感染していないなんて都合がよすぎるのではないか。
 私に植え込むことが出来ない、もしくは、そうしない理由があったのだろうか。
 けれど、マティアス博士は自分だけが感染したと断言している。
 記憶がない、異界に行ったかも理解できない。けれど、この頸の縫合の痕は新しいものに違いない。
 どうして異界から戻って、マティアス博士だけ記憶が保持されているのだろうか?
 まさか、そのときの私は記憶と引き換えに乳母と何か取引でもしたのだろうか。仲間を見捨ててでも助かるために?
 乳母はどうしてこんな山奥に異界の門を開いたのか。それとも、そもそも門は乳母の意志や異界の意志とは関係なく開くのか。
 何も分からない。
 じっと門を見つめていても憶測ばかりが浮かんでは消えるが、答えが出てくる事はない。
「……どうして、マティアス博士はまた、異界へ……」
 責任を取ると言っていたが、マティアス博士だけが異界に去ってしまっても、何も解決はしないのではないか。
 後の事は、記憶を失った私と異界行きを反対したヴァルター博士に託された。死んだのではないかと思っていたマティアス博士が生きていたが、モニカは?
 彼女はどこにいる? あの声は、どこから……?
 自分はどうするべきだ、何が真実か確かめねば……マティアス博士も生きていたのだから、モニカが生きていることも十分あり得るだろう。
 他の部屋に隠されている? ほかの部屋を探そう。
 信じられるものはなんだ……?
 背後でまた、ドアが開く音がした。
「こんなところに……――」
 呆れたような声音で、妙に背の高い不気味な博士――ヴァルターが立っていた。
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~つづく~
原作: ohNussy
著作: 森きいこ
※今回のショートストーリーはohNussyが作成したプロットを元に代筆していただく形を取っております。ご了承ください。
赤子の視る夢 (4) - “夢”
「ショートストーリー」は、Buriedbornesの本編で語られる事のない物語を補完するためのゲーム外コンテンツです。「ショートストーリー」で、よりBuriedbornesの世界を楽しんでいただけましたら幸いです。
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