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#まぐろづくし丼
suiiiika · 2 years
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simamamoru · 2 months
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汚辱の日々  さぶ
  1.無残
 日夕点呼を告げるラッパが、夜のしじまを破って営庭に鳴り響いた。
「点呼! 点呼! 点呼!」
 週番下士官の張りのある声が静まりかえった廊下に流れると、各内務班から次々に点呼番号を称える力に満ちた男達の声が騒然と漠き起こった。
「敬礼ッ」
 私の内務班にも週番士官が週番下士官を従えて廻って来て、いつもの点呼が型通りに無事に終った。辻村班長は、これも毎夜の通り
「点呼終り。古兵以上解散。初年兵はそのまま、班付上等兵の教育をうけよ。」
 きまりきった台詞を、そそくさと言い棄てて、さっさと出ていってしまった。
 班付上等兵の教育とは、言い換えれば「初年兵のビンタ教育」その日の初年兵の立居振舞いのすべてが先輩達によって棚卸しされ、採点・評価されて、その総決算がまとめて行われるのである。私的制裁をやると暴行罪が成立し、禁止はされていたものの、それはあくまで表面上でのこと、古兵達は全員残って、これから始まる凄惨で、滑稽で、見るも無残なショーの開幕を、今や遅しと待ち構えているのであった。
 初年兵にとつては、一日のうちで最も嫌な時間がこれから始まる。昼間の訓練・演習の方が、まだしもつかの間の息抜きが出来た。
 戦闘教練で散開し、隣の戦友ともかなりの距離をへだてて、叢に身を伏せた時、その草いきれは、かつて、学び舎の裏の林で、青春を謳歌して共に逍遙歌を歌い、或る時は「愛」について、或る時は「人生」について、共に語り共に論じあったあの友、この友の面影を一瞬想い出させたし、また、土の温もりは、これで母なる大地、戎衣を通じて肌身にほのぼのと人間的な情感をしみ渡らせるのであった。
 だが、夜の初年兵教育の場合は、寸刻の息を抜く間も許されなかった。皓々(こうこう)とした電灯の下、前後左右、何かに飢えた野獣の狂気を想わせる古兵達の鋭い視線が十重二十重にはりめぐらされている。それだけでも、恐怖と緊張感に身も心も硬直し、小刻みにぶるぶる震えがくるのだったが、やがて、裂帛(れっぱく)の気合
怒声、罵声がいり乱れるうちに、初年兵達は立ち竦み、動転し、真ッ赤に逆上し、正常な神経が次第々に侵され擦り切れていった。
 その過程を眺めている古兵達は誰しも、婆婆のどの映画館でも劇場でも観ることの出来ない、スリルとサスペンスに満ち溢れ、怪しい雰囲気につつまれた素晴しい幻想的なドラマでも見ているような錯覚に陥るのであった。幻想ではない。ここでは現実なのだ。現実に男達の熱気が火花となって飛び交い炸裂したのである。
 なんともやりきれなかった。でも耐え難い恥辱と死につながるかもしれない肉体的苦痛を覚悟しない限り抜け出せないのである。ここを、この軍隊と云う名の檻を。それがあの頃の心身共に育った若者達に課せられた共通の宿命であった。
 この日は軍人勅諭の奉唱から始まった。
「我ガ国ノ軍隊ハ代々天皇ノ統率シ賜ウトコロニゾアル……」
 私は勅諭の奉唱を仏教の読経、丁度そんなものだと思っていた。精神が忘れ去られ、形骸だけが空しく機械的に称えられている。又虐げられた人々の怨念がこもった暗く重く澱んだ呻き、それが地鳴りのように聞こえてくるそんな風にも感じていた。
 勅諭の奉唱が一区切りついたところで、一人の古兵が教育係の上等兵に何か耳うちした。頷いた上等兵は、
「岩崎、班長殿がお呼びだ。すぐ行けッ」
 全員の目が私に集中している。少くとも私は痛い程そう感じた。身上調査のあったあの日以来、私は度々辻村机長から呼び出しをうけた。あいつ、どうなってんだろ。あいつ班長殿にうまく、ゴマすってるんじゃないか。あいつ、俺達のことを、あることないこと、班長殿の気に入るように密告してるんじゃないか。同年兵も古兵達も、皆がそんな風に思っているに違いない。私は頑なにそう思い込んでいた。
 つらかった。肩身が狭かった。
 もともと私は、同年兵達とも古兵達とも、うまくいっていなかった。自分では余り意識しないのだが、私はいつも育ちや学歴を鼻にかけているように周囲から見られていたようである。運動神経が鈍く、腕力や持久力がからっきし駄目、することなすことがヘマばかり、ドジの連続の弱兵のくせに、その態度がデカく気障(きざ)っぽく嫌味で鼻持ちがならない。そう思われているようだった。
 夏目漱石の「坊ちゃん」は親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしていたと云うが、私は生まれつき人みしりのする損なたちだった。何かの拍子にいったん好きになると、その人が善人であれ悪人であれ、とことん惚れ込んでしまうのに、イケ好かない奴と思うともう鼻も引つかけない。気軽に他人に話しかけることが出来ないし、話しかけられても、つい木で鼻をくくったような返事しかしない。こんなことではいけないと、いつも自分で自分を戒めているのだが、こうなってしまうのが常である。こんなことでは、同年兵にも古兵にも、白い眼で見られるのは至極当然内務班でも孤独の影がいつも私について廻っていた。
 あいつ、これから始まる雨霰(あめあられ)のビンタを、うまく免れよって――同年兵達は羨望のまなざしを、あいつ、班長室から戻って来たら、ただではおかないぞ、あの高慢ちきで可愛いげのないツラが変形するまで、徹底的にぶちのめしてやるから――古兵達は憎々しげなまなざしを、私の背に向って浴せかけているような気がして、私は逃げるようにその場を去り辻村班長の個室に急いだ。
 2.玩弄
 部屋の前で私は軽くノックした。普通なら「岩崎二等兵、入りますッ」と怒鳴らねばならないところだが、この前、呼び出しをうけた時に、特にノックでいいと辻村班長から申し渡されていたのである。
「おう、入れ」
 低いドスのきいた返事があった。
 扉を閉めると私はいったん直立不動の姿勢をとり、脊筋をぴんとのばしたまま、上体を前に傾け、しゃちこばった敬礼をした。
 辻村班長は寝台の上に、右手で頭を支えて寝そべりながら、じっと私を、上から下まで射すくめるように見据えていたが、立ち上がって、毛布の上に、どっかとあぐらをかき襦袢を脱ぎすてると、
「肩がこる、肩を揉め」
 傲然と私に命じた。
 私も寝台に上がり、班長の後に廻って慣れぬ手つきで揉み始めた。
 程よく日焼けして艶やかで力が漲っている肩や腕の筋肉、それに黒々とした腋の下の毛のあたりから、男の匂いがむっと噴き出てくるようだ。同じ男でありながら、私の身体では、これ程官能的で強烈な匂いは生まれてこないだろう。私のは、まだまだ乳臭く、淡く、弱く、男の匂いと云うには程遠いものであろう。肩や腕を、ぎこちない手つきで揉みながら、私はふっと鼻を彼の短い頭髪やうなじや腋に近づけ、深々とこの男の乾いた体臭を吸い込むのだった。
「おい、もう大分、慣れて来たか、軍隊に」
「……」
「つらいか?」
「いエ……はァ」
「どっちだ、言ってみろ」
「……」
「つらいと言え、つらいと。はっきり、男らしく。」
「……」
「貴様みたいな、娑婆で、ぬくぬくと育った女のくさったようなやつ、俺は徹底的に鍛えてやるからな……何だ、その手つき……もっと、力を入れて……マジメにやれ、マジメに……」
 辻村班長は、岩崎家のぼんぼんであり、最高学府を出た青白きインテリである私に、マッサージをやらせながら、ありったけの悪態雑言を浴びせることを心から楽しんでいる様子であった。
 ごろりと横になり、私に軍袴を脱がさせ、今度は毛深い足や太股を揉みほぐし、足の裏を指圧するように命じた。
 乱れた越中褌のはしから、密生した剛毛と徐々に充血し始めた雄々しい男の肉茎が覗き生臭い股間の匂いが、一段と激しく私の性感をゆさぶり高ぶらせるのであった。
 コツコツ、扉を叩く音がした。
「おお、入れ」
 私の時と同じように辻村班長は横柄に応えた。今時分、誰が。私は思わず揉む手を止めて、その方に目を向けた。
 入って来たのは――上等兵に姿かたちは変ってはいるが――あっ、辰ちゃんではないか。まぎれもなく、それは一丁目の自転車屋の辰ちゃんなのだ。
 私の家は榎町二丁目の豪邸。二丁目の南、一丁目の小さな水落自転車店、そこの息子の辰三は、私が小学校の頃、同じ学年、同じクラスだった。一丁目と二丁目の境、その四つ角に「つじむら」と云ううどん・そば・丼ぶり物の店があり、そこの息子が今の辻村班長なのである。
 私は大学に進学した関係で、徴兵検査は卒業まで猶予されたのであるが、彼―― 水落辰三は法律通り満二十才で徴兵検査をうけ、その年か翌年に入隊したのだろう。既に襟章の星の数は私より多く、軍隊の垢も、すっかり身についてしまっている様子である。
 辰ちゃんは幼い時から、私に言わせれば、のっぺりした顔だちで、私の好みではなかったが、人によっては或いは好男子と言う者もあるかもしれない。どちらかと言えば小柄で小太り、小学校の頃から既にませていて小賢しく、「小利口」と云う言葉が、そのままぴったりの感じであった。当時のガキ大将・辻村に巧みにとり入って、そのお気に入りとして幅をきかしていた。私が中学に入って、漢文で「巧言令色スクナシ仁」と云う言葉を教わった時に「最っ先に頭に想い浮かべたのはこの辰ちゃんのことだった。ずる賢い奴と云う辰ちゃんに対する最初の印象で、私は殆んどこの辰ちゃんと遊んだ記憶も、口をきいた記憶もなかったが、顔だけは、まだ頭の一隅に鮮明に残っていた。
 辻村班長は私の方に向って、顎をしゃくり上げ、辰ちゃん、いや、水落上等兵に、「誰か分かるか。」
 意味あり気に、にやっと笑いながら尋ねた
「うん」
 水落上等兵は卑しい笑みを歪めた口もとに浮かべて頷いた。
「岩崎、裸になれ。裸になって、貴様のチンポ、水落に見てもらえ。」
 頭に血が昇った。顔の赤らむのが自分でも分った。でも抵抗してみたところで、それが何になろう。それに恥ずかしさに対して私は入隊以来もうかなり不感症になっていた。部屋の片隅で、私は手早く身につけていた一切合切の衣類を脱いで、生まれたままの姿にかえった。
 他人の眼の前に裸身を晒す、そう思うだけで、私の意志に反して、私の陰茎はもう「休メ」の姿勢から「気ヲ付ケ」の姿勢に変り始めていた。
 今日は辻村班長の他に、もう一人水落上等兵が居る。最初から突っ張ったものを披露するのは、やはり如何にもきまりが悪かった。しかも水落上等兵は、私が小学校で級長をしていた時の同級生なのである。
 私の心の中の切なる願いも空しく、私のその部分は既に独白の行動を開始していた。私はどうしても私の言うことを聞かないヤンチャ坊主にほとほと手を焼いた。
 堅い木製の長椅子に、辻村班長は越中褌だけの姿で、水落上等兵は襦袢・軍袴の姿で、並んで腰をおろし、旨そうに煙草をくゆらしていた。班長の手招きで二人の前に行くまでは、私は両手で股間の突起を隠していたが、二人の真正面に立った時は、早速、隠し続ける訳にもいかず、両手を足の両側につけ、各個教練で教わった通りの直立不動の姿勢をとった。
「股を開け。両手を上げろ」
 命ぜられるままに、無様な格好にならざるを得なかった。二人の視線を避けて、私は天井の一角を空ろに眺めていたが、私の胸の中はすっかり上気して、不安と、それとは全く正反対の甘い期待とで渦巻いていた。
 二人は代る代る私の陰茎を手にとって、きつく握りしめたり、感じ易い部分を、ざらざらした掌で撫で廻したりしはじめた。
「痛ッ」
 思わず腰を後にひくと、
「動くな、じっとしとれ」
 低い威圧的な声が飛ぶ。私はその部分を前につき出し気味にして、二人の玩弄に任せると同時に、高まる快感に次第に酔いしれていった。
「廻れ右して、四つん這いになれ。ケツを高くするんだ。」
 私の双丘は水落上等兵の手で押し拡げられた。二人のぎらぎらした眼が、あの谷間に注がれていることだろう。板張りの床についた私の両手両足は、時々けいれんをおこしたように、ぴくッぴくッと引き吊った。
「顔に似合わず、案外、毛深いなアこいつ」
 水落上等兵の声だった。突然、睾丸と肛門の間や、肛門の周囲に鈍い熱気を感じた。と同時に、じりッじりッと毛が焼けて縮れるかすかな音が。そして毛の焦げる匂いが。二人は煙草の火で、私の菊花を覆っている黒い茂みを焼き払い出したに違いないのである。
「熱ッ!」
「動くな、動くとやけどするぞ」
 辻村班長の威嚇するような声であった。ああ、目に見えないあのところ、今、どうなってるんだろう。どうなってしまうのだろう。冷汗が、脂汗が、いっぱいだらだら――私の神経はくたくたになってしまった。
  3.烈情
「おい岩崎、今日はな、貴様にほんとの男ってものを見せてやっからな。よーく見とれ」
 四つん這いから起きあがった私に、辻村班長は、ぶっきらぼうにそう言った。辻村班長が水落上等兵に目くばせすると、以心伝心、水落上等兵はさっさと着ているものを脱ぎ棄てた。裸で寝台の上に横になった水落上等兵は、恥ずかしげもなく足を上げてから、腹の上にあぐらを組むように折り曲げ、辻村班長のものを受入れ易い体位になって、じっと眼を閉じた。
 彼白身のものは、指や口舌で何の刺戟も与えていないのに、既に驚くまでに凝固し若さと精力と漲る力をまぶしく輝かせていた。
「いくぞ」
 今は褌もはずし、男一匹、裸一貫となった辻村班長は、猛りに猛り、水落上等兵を押し分けていった。
「ううッ」
 顔をしかめ、引き吊らせて、水落上等兵は呻き、
「痛ッ……痛ッ……」と二言三言、小さな悲鳴をあげたが、大きく口をあけて息を吐き、全身の力を抜いた。彼の表情が平静になるのを待って、辻村班長はおもむろに動いた。大洋の巨大な波のうねりのように、大きく盛り上がっては沈み、沈んでは又大きく盛り上がる。永落上等兵の額には粒の汗が浮かんでいた。
 凄まじい光景であった。凝視する私の視線を避けるように、流石の永落上等兵も眼を閉じて、烈しい苦痛と屈辱感から逃れようとしていた。
「岩崎、ここへ来て、ここをよーく見ろ」
 言われるがままに、私はしゃがみこんで、局部に目を近づけた。
 一心同体の男達がかもし出す熱気と、激しい息づかいの迫力に圧倒されて、私はただ茫然と、その場に崩れるようにすわりこんでしまった。
 戦いは終った。戦いが烈しければ烈しい程それが終った後の空間と時間は、虚しく静かで空ろであった。
 三人の肉体も心も燃え尽き、今は荒涼として、生臭い空気だけが、生きとし生ける男達の存在を証明していた。
 男のいのちの噴火による恍惚感と、その陶酔から醒めると、私を除く二人は、急速にもとの辻村班長と水落上等兵に戻っていった。先程までのあの逞しい情欲と激動が、まるで嘘のようだった。汲(く)めども尽きぬ男のエネルギーの泉、そこでは早くも新しい精力が滾々(こんこん)と湧き出しているに達いなかった。
 「見たか、岩崎。貴様も出来るように鍛えてやる。寝台に寝ろ。」
 有無を言わせぬ強引さであった。
 あの身上調査のあった日以来、私はちょくちょく、今夜のように、辻村班長の呼び出しをうけていたが、その度に、今日、彼が水落上等兵に対して行ったような交合を私に迫ったのである。しかし、これだけは、私は何としても耐えきれなかった。頭脳に響く激痛もさることながら、襲いくる排便感に我慢出来ず私は場所柄も、初年兵と云う階級上の立場も忘れて、暴れ、喚き、絶叫してしまうので、辻村班長は、ついぞ目的を遂げ得ないままであった。
 その時のいまいましげな辻村班長の表情。何かのはずみでそれを想い出すと、それだけで、私は恐怖にわなないたのであるが、辻村班長は一向に諦めようとはせず、執念の劫火を燃やしては、その都度、無残な挫折を繰り返していたのである。
 その夜、水落上等兵の肛門を責める様を私に見せたのは、所詮、責められる者の一つの手本を私に示す為であったかもしれない。
「ぐずぐずするな。早くしろ、早く」
 ああ、今夜も。私は観念して寝台に上がり、あおむけに寝た。敷布や毛布には、先程のあの激突の余儘(よじん)が生温かく、水落上等兵の身体から滴り落ちた汗でじっとりと湿っていた。
 私の腰の下に、枕が差し込まれ、両足を高々とあげさせられた。
「水落。こいつが暴れんように、しっかり押さえつけろ。」
 合点と云わんばかりに、水落上等兵は私の顔の上に、肉づきのいい尻をおろし、足をV字形に私の胴体を挟むようにして伸ばした。股の割れ目は、まだ、水落上等兵の体内から分泌された粘液でぬめり、私の鼻の先や口許を、ねばつかせると同時に、異様に生臭い匂いが、強烈に私の嗅覚を刺戟した。
「むむッ」
 息苦しさに顔をそむけようとしたが、水落上等兵の体重で思うにまかせない。彼は更に私の両足首を手荒く掴んで、私の奥まった洞窟がはっきり姿を見せるよう、折り曲げ、組み合わせ、私の臍の上で堅く握りしめた。
 奥深く秘められている��の窪みが、突然、眩しい裸電球の下に露呈され、その差恥感と予期される虐待に対する恐怖感で、時々びくっびくっと、その部分だけが別の生き物であるかのように動いていた。
 堅い棒状の異物が、その部分に近づいた。
 思わず息をのんだ。
 徐々に、深く、そして静かに、漠然とした不安を感じさせながら、それは潜行してくる。ああッ〃‥ああッ〃‥‥痛みはなかった。次第に力が加えられた。どうしよう……痛いような、それかと云って痛くも何ともないような、排泄を促しているような、そうでもないような、不思議な感覚が、そのあたりにいっぱい。それが、私の性感を妖しくぐすぐり、燃えたたせ、私を夢幻の境地にさそうのであった。
 突然、激痛が火となって私の背筋を突っ走った。それは、ほんのちょっとした何かのはずみであった。
「ぎゃあッ!!」
 断末魔の叫びにも似た悲鳴も、水落、上等兵の尻に押さえつけられた口からでは、単なる呻きとしか聞きとれなかったかもしれない。
 心をとろけさせるような快感を与えていた、洞窟内の異物が、突如、憤怒の形相に変わり、強烈な排便感を伴って、私を苦しめ出したのである。
「お許し下さいッ――班長殿――お許しッ ――お許しッ――ハ、ハ、班長殿ッ」  言葉にはならなくても、私は喚き叫び続けた。必死に、満身の力を振り絞って。
「あッ、汚しますッ――止めて、止めて下さいッ――班長殿ッ――ああ――お願いッ――お許しッ――おおッ――おおッ―― 」
「何だ、これくらいで。それでも、貴様、男か。馬鹿野郎ッ」
「ああッ、……痛ッ……毛布……毛布……痛ッ――汚れ――汚れますッ――班長殿ッ」
 毛布を両手でしっかりと握りしめ、焼け爛れるような痛さと、排便感の猛威と、半狂乱の状態で戦う私をしげしげと眺めて、流石の辻村班長も、呆れ果てで諦めたのか、
「よしッ……大人しくしろ。いいか、動くなッ」
「うおおおー!!!」
 最後の一瞬が、とりわけ私の骨身に壊滅的な打撃を与えた。
「馬鹿野郎。ただで抜いてくれるなんて、甘い考えおこすな。糞ったれ」
 毒づく辻村班長の声が、どこか遠くでしているようだった。
 終った、と云う安堵感も手伝って、私は、へたへたとうつ伏せになり、股間の疼きの収まるのを待った。身体じゅうの関節はばらばら全身の力が抜けてしまったように、私はいつまでも、いつまでも、起き上がろうとはしなかった。 
 班長の最後の一撃で俺も漏らしてしまったのだ。腑抜けさながら。私はここまで堕ちに堕ちてしまったのである。  瞼から涙が溢れ、男のすえた体臭がこびりついた敷布を自分の汁と血で汚していた。
 どれだけの時間が、そこで停止していたことか。
 気怠(けだる)く重い身体を、もぞもぞ動かし始めた私。
 「なんだ、良かったんじゃねぇか、手間取らせやがって」
 おれの漏らした汁を舐めながら辻村班長が言った。
 そして汚れたモノを口に突っ込んできた。
 水落上等兵は、おいうちをかけるように、俺に覆い被さり、聞こえよがしに口ずさむのであった。
 新兵サンハ可哀ソウダネ――マタ寝テカクノカヨ――
        (了)
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kinemekoudon · 2 years
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【13話】 留置官に「ブチ殺すぞ」と言われたので弁護士にチクっておいたときのレポ 【大麻取り締まられレポ】
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――逮捕から6日目。いつものように、頼んでもいないのに朝食が出てくる。ベトナム人はいつものルーティーンのように、味噌風味のお湯が入った容器にソースと醤油を入れて啜っている。
僕は昨日、自弁のカツ丼を食べて舌が肥えてしまっていたので、味噌風味のお湯を啜る気にはならず、もはや視界に入っているのも煩わしく感じたため、味噌風味のお湯の入った容器をゴザの上から床の上に移動させて食事を続ける。
すると、ヤクザ風の留置官が「オイ5番! ゴザの上に置いて食えよ? こぼしたら床が汚れるだろォ?」などと恫喝めいた口調で僕を叱ってくる。僕は一瞬頭にきたが、(たしかにコイツの言い分は一理ある)と思い、素直に「はい」と答えて、その容器をゴザの上に戻した。
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朝食後、この日は留置場内にある風呂場に入れる日であったので、順番を待ち、留置官に自分の番号を呼ばれてから風呂場へ向かう。
風呂場の前に立っている留置官からリンスインシャンプーを借りると、その場で少し待つように指示される。留置官は風呂場に向かって「19番、あと3分~!」などと言って、早く風呂場から出るように催促している。
19番が出てくると、留置官から入場の許可がおりたので、脱衣所から風呂場に入ると、髪を洗っている男の背中に彫られた般若と目が合った。
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僕は和彫の刺青を生で見たのは初めてだったし、そもそも浴場で大きな刺青を見るのも初めてだったので、これにはなかなか面を食らった。和彫の男は隣の居室でよく騒いでいたギョロ目のじじいで、目が合うと、「おう5番!!」などと完全に音量を間違えている大きな声で挨拶をされた。
風呂場は6人分程の身体を洗うスペースと、3人程入れそうな大きさの浴槽があり、定員は3人に絞られていたので、割とゆとりのある空間だった。
僕は悪臭を放っていた頭皮と髪を洗い、石鹸を泡立てて手で体を洗ってから浴槽に入る。浴槽は垢が浮いていて気色悪さはあったが、そんなことはどうでもよくなる程、熱い湯に全身が浸かる気持ちよさに蕩けてしまう。
時間も忘れて蕩けていると、タイマーで入浴時間を計っていた留置官が「5番、あと3分!」などと急かしてきたので、しぶしぶ風呂場を後にする。
風呂場から出ると、留置官から綿棒を2本提供されたので、その場で耳掃除をし、耳糞のついた綿棒が多く捨てられているバケツに綿棒を捨てる。
入浴後、同じ居室のベトナム人と筋トレやヨガをして、漫画の続きを読み、昼食を終えてうたた寝をしていると、ヤクザ風の留置官とギョロ目のじじいによる、完全に音量を間違えている会話が聞こえてきて、目を覚ます。
「なあ6番、三浦春馬って知ってるか? 俳優の」「あ、よく知らねっすけど、知ってます」「あぁ…じゃあやっぱ有名なんだなあ」「おれはそういうの全然興味ねぇんですけど…それで、三浦春馬がどうしたんですか?」「自殺したんだって、首吊り」
寝ぼけ眼で寝転がっていた僕はそれを聞いて仰天し、膝立ちになり、ヤクザ留置官の方を見て「え!?」と声を発する。するとヤクザ留置官は「あ゛?」と何故か威嚇をしてきたので、僕は無視してまた寝転がった。
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それから仰向けの状態で漫画の続きを読んでいると、首が痛くなってきたので、長袖のスウェットを脱いで、それを枕にし、再び漫画を読んでいた。
すると、しばらくしてヤクザ留置官が「何やってんだこらァ!」と急に大声で怒鳴ってきた。僕は目を丸くしてヤクザ留置官の方を見ると、ヤクザ留置官は「てめぇ枕にしてんじゃねえぞ!」と怒鳴ってくる。
僕はムカついて反射的に舌打ちをし、「うっせーな…」と小声でぼやきながら、枕にしていたスウェットを手に取って着ようとすると、ヤクザ留置官は鬼のような剣幕で「てめぇ…! 次やったらブチ殺すぞッ!!」と場内に響き渡る大声で怒鳴ってきた。
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僕は大声で露骨な脅迫をされたことで、急激に心拍数が上がり、身がすくんだ。しかしこれは好機だと察知して、「…あ、今ブチ殺すぞって言いました?」などと震えた声で聞き直す。
すると、ヤクザは若干ひるんだ表情で、「……ブチこむって言ったんだよ!」などと言うので、僕が「ブチ殺すって言いましたよね?」と再度聞き直すと、ヤクザは「日本語分かんねえのかァ!? ブチこむって言ったんだよ…! 刑務所に…」などと咄嗟に出たらしい言い逃れをしてくる。
僕は負けじと「ブチこむでも脅迫ですよ? それにここにいる人たちは全員ブチ殺すぞって言ったのを聞いてると思うんで、言い訳しても無駄ですよ」などと平静を装って言い返す。
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すると、ヤクザ留置官は見事に何も言い返せなくなったようで、わなわなと顔を震わせて立ち尽くしていたので、僕は手元にあった便箋とペンを手にとり、「すみません、あなたのお名前を教えてもらえますか?」と尋ねる。
ヤクザ留置官は「…教えねーよ」と言うので、僕が「なんで教えられないんですか?」と尋ねると、「教えちゃいけない規則なんだよ」などと言い返してくるので、「その規則見せてくださいよ」と言うと、「見せちゃいけないことになってるんだよ」などと幼稚な返答をしてくる。
僕は埒があかないと思い、「ええと…16時25分。50代くらいの、暗いレンズのメガネをかけて、髪を七三分けにした男性警官に「ブチ殺すぞ」と大声で脅迫をされました…」などと、わざとらしく声に出しながら、声に出した内容を便箋に書く。
さらに補足として、ヤクザ留置官の特徴をメモに取り出すと、ヤクザ留置官はおもしろいくらいにシュンとして、事務机のある椅子に無言で座った。
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僕は既にヤクザ留置官の特徴を十分にメモしていたが、ヤクザ留置官を虐めるのが楽しくなっていたので、「ええと…肌はやや赤黒く、耳は若干潰れており、ええと…よく見えないな……あ、一重まぶたで…」などと言って、ヤクザ留置官の特徴を執拗に記録する。
ヤクザ留置官は、さすがに僕の挙動に不安になったのか、帽子を深く被ったり、マスクを鼻の付け根が隠れるほどに覆ったりし始めたので、僕は「私が男性警官の特徴をメモにとっていると、帽子を深く被ったり、マスクで顔を隠したりしていました」などと記録しながら実況をしてやる。
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すると、ヤクザ留置官は顔をうつ向かせて体を丸めだし、とうとう玉のようになってしまったので、「これだけ特徴書いておけば誰だか分かるか…よし!」などと台詞じみた独り言を言って、ようやくペンを置く。ふとベトナム人の方を見ると、ベトナム人は隅っこのほうで気まずそうな表情をしていた。
夕食後、弁護士がやってきたので、今日の一連の騒動を報告すると、弁護士は「それはいいネタを掴みましたね!」などといつになく興奮した様子で、「検察も人間ですから、勾留している被疑者が警察から脅迫されたとなれば、身内の弱みを握られているようなものなので、起訴に踏切りづらくなるものですよ」などと言う。
弁護士は続けて、「私からは担当の検察官宛に抗議書を送付しますが、これから警察や検察の取調べの際には、留置担当官から脅迫をされて、警察や検察を信用できなくなったので、取調べに協力はできませんと言って、黙秘と署名拒否をしてください」と僕にアドバイスをする。
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僕は普段の悪態が幸いして、思いがけない武器を手にしたことに胸が高鳴っていたが、弁護士は水を差すように、「ただ、次の検察の取調べは注意してください。そろそろ共謀で捕まっている友人や売人がなにか自白しているかもしれませんから、検察が知り得ない情報を語っていたら、忘れずに覚えておいてください」と忠告する。
弁護士が帰り、自分の居室に戻ると、しばらくしてヤクザでない留置官が「5番、明日地検入ったから」と伝えてきたので、少し不安になりそわそわしていたが、就寝前にデパスを飲んだら、そんなことは忘れてぐっすりと眠ることができた。
つづく
この物語はフィクションです。また、あらゆる薬物犯罪の防止・軽減を目的としています( ΦωΦ )
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xx86 · 4 months
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ストロングフェザー
アグレッシブだけどとても疲れている。センセイと薬を減らしていけたらいいねと話していたけどたぶんそれどころじゃなさそう。今電池切れ起こしたらなんかもう私だめになる。ブラジャーのホックを外す時だけ心の中までわかった気がしたは全くわからんが、服薬してる時だけ心の奥底まで支配できる気がしてる。それどころじゃないっていつも言ってる気がするけどそどころっていつくるんだろうね?
そうと決めたらすぐやらなければ気が済まない女なので、京都へ行こうと決めた日に諸々の予約をすべてすませ、落として割ったエクセルのアイシャドウを閉店ギリギリのドラッグストアに駆け込んでその日のうちに買い直した。ちなみにLBのアイブロウは落としてもマジで割れないのでオススメ。エクセルやケイトのアイブロウは粉々になって買い替えだけど、LBは割れ無さすぎてずーっと同じものを使っている気がする。
京都は誰と行くのかと聞かれたので、当然のように1人と答えた。私は友人が少ないし、最近その数少ない友人のあづみとレイラと会ったばかりだし。私は友人のこと超大好きだけど毎週会いたくなるほど彼女たちのエネルギーは軽くない。向こうもきっとそう思っているだろう。楽しくて大好きで10時間ぐらいぶっ通しで話しているけど、それは何ヶ月に1回だからこそ楽しいのであって毎週は重たすぎる。3食カルビ丼みたいな感じ。チョコパフェとかイケメンとかマジに夢中になれる年頃ではなくなってしまった。最近少食なので軽く気ままに楽しみたい。
レイラとあづみに好きそうと言われた花器がほんとにタイプで買う予定がないお買い物をしてしまった。何が好きかよく分からないと言われるけれど、この人達はたぶんたくさん並んだ花器から私が好きな花器を選べるだろう。逆も然り。だから10年も友人やってられるのだろう。
最近の私はせっせと図書館に通っている。児童書が読みたいのだ。ぼくは王さまシリーズを読み終えたのでとりあえずムーミンを読んでる。次は何にしようか悩んでいる。パディントンかな。大どろぼうホッツェンプロッツかな。オススメあったら教えて欲しい。ちなみに児童書を読む前はアニメ版のルパンを300話ほど見た。ルパンはいい、おもしろいし重たくない。かといって内容のないペラペラの話でもない。1話完結でさくっと観られる。観てて疲れない。キャラクターも魅力的。ルパンを超える名作に出会える気がしない。ちなみにルパンは第1シリーズか峰不二子という女が好き。
たぶん私のプライベートは軽いということが大事なのだ。胸焼けしない。3食野菜スティックみたいな。ドラコスとか栄養とかまじで夢中になれる年頃だから。ちなみにデパコスの波は一旦通り過ぎたけど知ってる、30越えてきたらまたデパコスの波がくること。
軽く生きたい、どこへでも行きたい。
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longgoodbye1992 · 1 year
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推し活、ローン、パパ活
その子と知り合ったきっかけは、マッチングアプリの中にある募集文だった。
サイトでの名はゆまだった。
「水曜日、助けてくれる人」
マッチングアプリをやってる者の大半はこの文面でパパ活目的の書き込みだと察する。
自分も例外ではなかった。
住んでる場所も近く、写真も二十代半ばの年相応な姿だったからコンタクトをとってみることにした。
当時財布の中は万札でいっぱいだったからだ。
返信が来たのは水曜日の夕方だった。
その時は地元から離れたパチンコ店でたくさんのメダルを獲得している最中だった。
遅くなってすみません。なんて言葉もなく、一方的に二十時にここの駐車場に来れますか?なんて内容だった。
ちょうど連チャンも終わりに近づいた頃で気分もよかったから了承した。
くら寿司で軽く食べて高速道路を走らせる。
その日の午前に別な女性と会っていた事なんてとうに忘れていた。
指定された駐車場に着いて車種や色をメッセージで送る。
時刻は二十時まであと十分ほど。
こういう場合返信が来るのは二十時を過ぎてからだ。
今回も例外ではなく、二十時を五分過ぎた頃に連絡が来た。
間もなく着きます。
すると車の前を若くて細身の女性が通り過ぎた。
恐らくはこの子だろうと思ったが、しばらく様子を見ることにした。
ナンバー教えてください。
そうきたのでナンバーを伝える。
やっと気づいたのか助手席側へ来る。助手席の窓を開けた。
「大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫」
車に乗り込む。
写真よりも表情がやわらかいなという印象で思ったよりも色白だった。
「暑いですね」
「ほんとだね」
何てことのない会話をしてホテルへ向かうが、そこは混んでいるのか開けてないのか空いている部屋がなかった。
「ちょっと遠くでもいい?」
「いいですよ。そこ行ったこと無いし」
その返答からアプリでよく人と会っているのかという話になった。定期的に会う人はいたがガチ恋をされ、めんどくさくなったので新しい人を募集したらしい。
話すときの身振り手振りが大きいなと思った。
「恋愛とかいらないんで」
「彼氏ほしくないの?」
「うーん、推しがいるからそれどころじゃないかなぁ」
聞けば推しというのは女性地下アイドルらしく、月に最低でも一度は東京へ行っているらしい。他にもジャニーズのライブにも行く予定があったりと、所謂遠征というものにお金がかかっているようだ。
二軒目のホテルへ着く。空室が多く適当な部屋に決めて車を停める。
ウェルカムドリンクを選ぶと向こうが風呂を溜め始めた。
「お風呂入ってくれんの?」
「普段入らないから」
「まあ一人暮らしじゃ入らんよな」
「だからさ、お客さんが先に溜めててくれるとラッキーってなる」
「お客さん?」
「あっ、あたし、たまにデリやってて…」
「へぇ」
よくあるパターンだ。
「店での名前もゆま?」
「違う」
「なに?」 
「店バレちゃう」
「バレて何か不都合でもある?」
「確かにこんな関係だしね。こゆきだよ」
「いいね、色白だし」
「なんか古い名前だよね」
「全国のこゆきさんに謝れ」
「はははっ」
「ついでに聞くけどさ」
「うん」
「ほんとの名前は?」
「えー」 
「言いたくなきゃいいよ」
「反対にしたいいよ」
「なにを?こゆきを?」
「違うよ、アプリの方」
「まゆ?」
「それにみをつけるといいよ」
「まゆみちゃんか」
「そう」
「俺は」
「大丈夫、あたし名前で呼べないの」
「はっ?」
「彼氏のことも名前で呼んだことない」
「なんで?」
「恥ずかしいから」
「なんて呼ぶの」
「ねぇ、とか、おい、とか」
「おいはやめなよ」
そんな話をしていたらウェルカムドリンクが届く。
まゆみはりんごジュース、俺はオレンジジュース。
どちらも笑えるくらいに薄かった。
髪を撫でながら唇を重ねる。舌を絡めてきたのはまゆみからだった。うっすらとりんごジュースの甘酸っぱい風味がする。
風呂が溜まってきたようで、二人で服を脱いだ。
「あたし、胸とおしりは褒められるんだ」
「確かに綺麗だと思うよ」
湯船に浸かって後ろから抱きしめてみる。
柔らかい肌と香水の香りが官能的だ。
風呂から上がってベッドに入る。
「耳はやめて」
とだけ言った。
あとはもう自由にした。
互いに果てた後はダラダラと話した。
隣県出身で仕事の転勤で俺の地元に赴任した。今年の九月で三年目らしい。
「来週名古屋に行ってくる」
「アイドル?」
「そう」
「デリを始めたのもアイドルのため?」
「それもあるけど」
「他にもなんかあったの?」
「親に車のお金出してもらってて」
「車買ったんだ」 
「そう、三百万したのを立て替えてもらってて」
「その返済?」
「うん、親に返すために最初始めたの」
「今の仕事稼げないのか」
「全然稼げない。大手だけど」
どうもやるせない気持ちになった。
親に返すためのお金を親には言えない形で稼ぐ。
俺は親に頼りっきりだ。
まゆみの髪を撫でながら、ぼんやりと部屋の天井を見た。
スマホにメールが届く。午前会った女性から金を貸してという内容。短文を送ってスマホを置いた。
「お腹すいた」
まゆみが言う。
「今の時間やってる店ないよな」
日付が変わっていた。
「コンビニかすき家」
「すき家寄って帰るか」
「うん」
そう言って二人で浴室へ。温くなった湯船に浸かりシャワーを浴びた。
服を着た後に愛しくなって長いキスをした。
LINEを交換して部屋を出た。
すき家までの道中手を繋いだ。
「好きにならないでね」
「ならないよ」
すき家で牛丼とお新香を食べるまゆみが無邪気で可愛らしかった。
まゆみを部屋の前で降ろす。
次に会えるのは再来週頃らしい。
眠そうにあくびをしながら手を振って別れた。
祭りが終わった街中を飛ばした。
胸の中にざわつきがあったが、二三日でなくなった���
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chisasarasa · 22 days
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240516
朝、誰かが活動している音で目覚める。 肩が重くて、これはどこでねても変わらないんだと思う。
美容院で髪を切ってもらって、ZINEを取り扱うショップへいって、ジョナサン。 盛岡冷麺とあんみつを食べた。 みゆちゃんもあすかちゃんもきれいな心のまま大人になっていた。 あのころわたしは大学生で、彼女たちは高校生で、一緒に牛丼屋で働いていた。 写真を撮りましょうと言って、撮ってくれたものがキラキラの犬の加工で、笑ってしまった。 地元の友達なんていないと思っていたけれど、地元の友達、と思った。
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240517
髪の毛がふくらんでいる。 これは大変だ。短くしてもらいすぎた。 もう一生、髪の毛を短くしたいと思わないようにする。 自分のなりたい姿と自分のなれる姿がずっと違う。ほんとうはショートでいたい。
紙をみにいって、展示をみにいって、本屋にいった。 展示は参加している企画展。 作品をみるとき、その作品とわたしとの、適切な距離感がある、と思った。 わたしはすぐに作品に近づいていってしまう。 おいなりさんを描いた方とお話しできて、楽しかった。 また会いたいな、お話したいな。
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240518
昨日のことを思い出す。 このままのわたしでどこまでいけるだろう・ 絵をみてもらうこと、詩をみてもらうことより生身だ、と思う。 詩だって生身だけれど、なんだろう。 詩は生身の感情で、絵は生身の身体。
日記屋にいく。 いろいろ変わっていってしまうこともあるだろうと思っていたけれど、変わらず安心なところだった。親しく話してくれて、うれしかった。 店の周りを一周して、草という草を触る。 ヤマボウシの真ん中のつぶつぶは硬かった。 益田ミリさんの展示をみて、ロイヤルミルクティーを飲む。 飲み物の層が混ざり合う瞬間がすき。 本屋にいって、サイゼリヤにいった。 とても嬉しい時間だった。無理にいることなく、自然にたくさん話ができて。 本屋で、示し合わせたわけでもなく、全く同じ2冊を選んでいたことにびっくりした。
やっぱりわたし、ずっと、どこかさびしくて、さびしい。 人はひとりひとりだ。 さびしさは消えないから、抱きしめて、生活していけるような、そんな場所があるといい。
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dailyexo · 1 year
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[TRANSLATION] Chen - 230814 Official EXO-L Japan website update: "「CHEN JAPAN TOUR 2023 - Polaris -」リハーサル現場レポート#2!" ("'CHEN JAPAN TOUR 2023 - Polaris -' On-site Rehearsal Report #2!")
"「CHEN JAPAN TOUR 2023 - Polaris -」の日本でのリハーサルも中盤を迎えました! 今回のスタッフブログでは、リハーサル現場のレポート続編をお届けします!"
Translation: "We're coming up to the halfway point for our rehearsals for 'CHEN JAPAN TOUR 2023 - Polaris -'! In our staff blog we'll share with you some more rehearsal news!"
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"ツアーのスタートも近づいてきましたが、みなさん楽しむ準備はできていますか?^^ チェンも公演に向けて実際にステージでの動線などの細かい部分も確認しながら、ライブを創り上げていっています♪ とある日のリハーサルでは演出のshojiさんからステージ演出について説明を受けながら、「お~!いいですね!」とワクワクした様子だったチェン♪ライブ演出についてもスタッフと意見を出し合いながら、ツアーの世界観を完成させていっていました🌌"
Translation: "The first day of the tour is drawing closer, are you guys ready? ^^ Chen has been hard at work preparing for the show. He's been making sure all of the fine details are ready to go, including things such as stage lines. He is determined to make this show a success!♪ One day during rehearsal while Shoji was explaining parts of the performance, Chen replied with a bright smile and said, 'Oh~! Nice!'♪ The staff also contributed their own thoughts during the rehearsal to make sure it is the best it could possibly be and really make an impact on everyone watching! 🌌"
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"CHEN Japan 1st Mini Album『ポラリス』のジャケットやミュージックビデオを日本の街で撮影して制作したことは、みなさんもうご存じですよね♪実は、ライブ中に流れる映像も日本で撮影したんです!そんな映像がどんな風にどのシーンで出てくるのか、そしてどんなステージがみられるのか、こだわりの詰まったステージとその世界観にも注目してくださいね^^
そしてリハーサルの合間には、お気に入りの日本食を食べたりと日本での滞在も楽しんでいるチェン^^とある日のリハーサル前には、牛丼を食べてリハーサルに向けて力をつけている姿を発見👀!そんなチェンに日本滞在に関する質問をしてみました!
Q:今回日本に来るときや、来てからのTMIを教えてください。
A:今回日本に来てショッピングをしたときのことなのですが、店員の方が「かっこいいですね!誰か俳優の方に似てます」と褒めてくださいました(笑)。 もちろん帽子を深くかぶっていたので僕だと気がつくことはできなかったと思いますが、かっこいいと褒められて嬉しかったです。 でもこれからはもう少しがんばらないと(笑)。
Q:日本ツアーのために長く日本に滞在する予定ですが、絶対に必要だと思って持ってきたアイテムはなんですか?
A:スケジュールがあるとき以外はほとんどの時間をホテルで過ごすので、早く終わった日にはパックをしたり半身浴を楽しんだりします。なのでいつもいろんなパックをたくさん持ってきています。
Q:日本にきて新しく覚えた日本語はありますか?
A:えぐい!
次回のレポートでもチェンに、質問をぶつけてみますよ~♪ EXO-L-JAPANのみなさん、次回はどんな回答が返ってくるのかぜひ楽しみにしていてくださいね^^"
Translation: "We're sure everyone already noticed by now that the CHEN Japan 1st Mini Album 'Polaris' cover photo was shot in a town in Japan.♪You will be pleased to know the concert VCRs have also been shot in Japan! What sort of scenes did we shoot? Well, you'll just have to come to the concert to find out! We're sure they'll leave a big impression so make sure not to miss out!^^
Between rehearsals, Chen enjoyed his stay in Japan and especially loved eating all his favourite Japanese foods! ^^ One day, we caught Chen eating a beef and rice bowl to fuel up before rehearsal👀! We also asked Chen a couple questions about his stay in Japan and now we are going to share them with everyone!
Q: Tell us about something that happened upon your arrival to Japan this time.
A: After I landed, I went shopping and the staff said to me, 'Wow, you're so handsome! You look like an actor!', I felt very flattered (hehe). I don't think they could really see my face because I was wearing a hat that covered most of it, but I was still happy to receive the compliment. This also means that I need to work harder! (hehe).
Q: Since you're going to be embarking on your Japanese tour, that means you'll be spending quite a long time here. Are there any must-haves in your suitcase?
A: Outside my schedules, I spend most of my time in the hotel. On days where I get back a little earlier I'll put on a face mask and take a bath. For that reason I always bring a bunch of face masks.
Q: Did you learn any new Japanese on your trip so far?
A: Egui! (Eww!)
For our next report we'll pester Chen with more questions! ♪ So then, EXO-L-JAPAN, tune in next time to get all the juicy questions and answeers, look forward to it!^^"
Photo links: 1, 2
Credit: translation, dailyexo.tumblr.com, Source: Official EXO-L Japan.
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14-sakiii · 4 months
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5月2日(木)
病院へ。左側の親知らずを一泊入院で一気に抜くことに。入院とは縁のない人生を送ってきたから、そわそわとする。その日のうちに必要な検査を受けた。血液検査が一番怖かったのだけど、全く痛くなくて良かった。検査が終わり、入院の手続きをする前に時間ができたから院内のカフェ・ド・クリエへ。ホットサンドとアメリカン。先生達の様子を見ながら食べた。お腹が空いているということを目の当たりにすると、みんな人間だなという気持ちになる。病院を出て、神社でお参りして、図書館で本を借りて、母の日用のお花と家族みんな用のお菓子を購入。夕方、迎えにきてもらい、そのままお寿司を食べた。7皿が丁度良い。おやつの杏仁豆腐がかっちりしてなくて、ラフな感じで美味しかった。
5月3日(金)
久しぶりの実家での起床。猫と一緒に寝ると、目覚めが良い。バナナサンドを作り、妹と庭で食べた。その後、40分歩いて足湯へ。足を湯に入れた瞬間の心地よさは半端なかった。また40分歩いて帰宅。お昼に炒飯を作ったり、余ったパンの耳できな粉ラスクを作ったり。夜は映画館へ。上映中の作品の中から見覚えのあるタイトルが目に入った。この映画が面白かったという日記を読んだから覚えていたのだった。ネタバレをしていない内容だったし、予告も観ずに鑑賞。わざわざ映画にしなくても良いけど、したら唯一無二で最高って感じ。余白が終始心地良く、場面転換の少なさが印象的だった。兎に角、会話に集中する。登場人物達の感情の機微を楽しめる。何より、夏が舞台で、具体的な記憶は浮かばないけど、こういう瞬間が確かに自分の学生生活の中にあったなという懐かしい感覚を思い出せたのが良かった。
5月4日(土)
父と母と霧ヶ峰へ。霧ヶ峰、凄すぎ。日本ですか?ってなる。夢に出てきそうな風景だった。エアコンを見る度にこの風景が頭の中で流れるようになった。営業力すごい。霧ヶ峰で食べたきのこパスタの味も忘れられない。引き算の大切さを教えてもらった気分。
5月5日(日)
祖母家へ。お墓参りとランチでハンバーグ。夜ご飯はおばあちゃん特製まぐろ漬け丼。朝から夜まで何から何まで話した。おばあちゃんの考え方、好きだからずっと話し続けられる自信がある。仲も良い。この日のおかげで将来が少しあかるくなった。
5月6日(月)
GW最終日。1日中、職調べ。頭がパンクしそうになる。生活を変えるって大変だ。夜中にワンピースを観て元気が出た。ワンピース、面白い。毎週欠かさず観るようになった。結局、アニメはワンピースしか観ていない。ワンピースって凄い。何年も何年もかけて作品を続ける体力が凄すぎて可笑しい。悪魔の実を食べているとしても不思議ではない。
5月7日(火)
連休明けだったから程々に頑張った。体調の悪さを自覚して早めに就寝した一日だった。これがかなりの英断だった。親知らずを無事に抜いてもらえるように体調管理にはしっかり気をつけなくちゃ。癖で頭痛薬を飲みがちだから更にこれは気をつけなくっちゃ。
5月8日(水)
日記を書くのが楽しい。仕事や将来の事で頭がごちゃごちゃとしてきたから、違うページにやるべきことなどを一気にずらりと書いた。スッキリ。わたしの今の職場に対するモチベの低さは異常。尊敬できる環境に身を置けるように動いていきたい。笑ってさようならできるように、我慢をしたりしないように。
5月9日(木)
一田さんの「大人の片付け」読了。最近の私は借りても読みきれずに返却をしていたから、なんだかすごく達成感に包まれた。求めていた感覚との再会って心地良い。朝一、母に将来についてLINEをしたら「色々悩んで決めたことだろうから応援します」とのことで、ようやく物事を動かす時がやって来た。よっし!となり、早速職場に辞める報告をした。帰り道、スーパーのポイントでラーメンと白バラのソフトクリームをゲットして最高になった。
5月10日(金)
華金はいつだって、嬉しい。今の仕事を辞めることが掃除好きの上司にいつの間にやら伝わっていた。すごく残念そうな顔をされ、「こんなこと言うのはあれなんだけど結構支えだった」と告げられた。どうやら、お互いにお互いをいい人間だなって思っていたみたい。それはそれで嬉しかったけれど、わたしの気持ちは変わらない。スーパーでおやつを買って、夕焼けを見た帰り道はいつもより大袈裟でドラマチックだった。
5月11日(土)
夕方からやる気が出てスーパーへ。珍しいサーターアンダギーを広島焼きを作ってるお店で購入。広島も沖縄も大好き。また行きたいな。高知にも行きたい。実はルーツ。お金を貯めなくちゃ。メルカリ活動を再開。真夜中にああ、そういえば…!となり、動画編集を開始、気づいたら朝4時。色味に対する自分のこだわりの高さにひぇ…と、なる。
5月12日(日)
目覚めの良い起床。洗濯物を干して家を出る。気になっていたユニクロ×マリメッコのコラボを実際に目で見てみる。やはり、たくさんの人と被ってしまうのはなあ…となり、諦める。併設されている雑貨屋さんで、ナリンのボディーミストを発見!これが、噂の…!北欧暮らしの道具店で度々紹介されているナリン。実際に香りを嗅いでみたら、初めて嗅ぐ香りでびっくり。好きな香りだった。いつかのご褒美はこれに決めた。帰宅後、与太郎さんの本を写経しながら読書。ゆったり、入浴。YouTubeとInstagramの更新。
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palakona · 5 months
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月間タテ入賞
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2024年5月、中セ池(八尾市)iPhone11
どうも、こんにちは。5月5日(日)「こどもの日」は、howellsさんと中セ池に行ってきました。僕が先着して東中桟橋西向きに座ろうとしたら、howellsさんがやってきて「空いてるから長竿枡に入ろう」とのことで長竿枡の東詰に着座。特等席だが釣れるんやろか?
お天気は、すでにε-(´o`;A アチィ
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2024年5月、中セ池(八尾市)iPhone11
さて、始めますか。あれっ…?竿掛けを忘れた(^▽^;)
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2024年5月、中セ池(八尾市)iPhone11
買っといて本当っに良かった。予備の新品の1本半の竿掛け・万力セット。お正月に当麻池で竿枕を折ったので、次の日も釣りに行けるように、帰途、フィッシング・エイトの本店で買っといたんですよ。一度も使ってなかったがついに開封。
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2024年5月、中セ池(八尾市)iPhone11
いつもの2本の竿掛けじゃなくて今日は1本半なので、16尺も持ってきてるけど15尺にしました。竹竿は「魚光」で浮子は舟水の「オールマイティーかや」の13番。
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2024年5月、中セ池(八尾市)iPhone11
僕は、いつも釣りの用意ができたらお金を払いに行くんだが、事務所に行くと「○○さん、タテに入ってるよ」と言われて配当をいただいた。おお、僕の名前が載ってる〜。1枚長寸で3月と4月の上位20傑に入ったんやね(感無量)
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2024年5月、中セ池(八尾市)iPhone11
うれぴ〜!まだ、開封していないが、なにが入ってるんだろう(ワクテカ)
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2024年5月、中セ池(八尾市)iPhone11
さて、本当にw釣り開始!howellsさんは、男前なことに18尺(!)竹竿の「東峰」を振って先に釣りはった。18尺竹竿…ゴクリ(汗)。僕は慎ましく15尺「魚光」を振っていたが、開始15分ほどで舟水のパイプトップが「ツッ」と節魚信。
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
早くもボウズ脱出〜!竹竿も15尺になると中式も軟式になって尺サイズでもなかなか上がってこないが、隣は竹竿仲間のhowellsさんなので「魚光」のしなりを充分楽しんで取り込んだ。
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2024年5月、中セ池(八尾市)iPhone11
2枚目はマブナで両目が開きました。節魚信が気持ちいいです。
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2024年5月、中セ池(八尾市)iPhone11
いい天気や〜、暑いけどw。15尺竹竿の振り切りでエサを打つのが気持ちいいです。
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2024年5月、中セ池(八尾市)iPhone11
howellsさんが小鮒を3枚釣ってたんだが、僕にもついにw。4枚目です。
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2024年5月、中セ池(八尾市)iPhone11
朝ごはんに隣のセブンイレブンでビッグポークフランクを食べたんだが、もう腹が減ったのでみたらし団子を買ってきた。セカセカ釣るとしんどいので、のんびりと楽しんでます。
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2024年5月、中セ池(八尾市)iPhone11
お昼ごはんもコンビニで丼を買って食べました。中セ池は、もう昼の食事の提供はやっていないが、隣がコンビニなのですぐに買いに行ける。僕としては、マクドナルドも誘致して欲しいw。さて、まだ春なのに夏日で暑いので、パラソルを差して頑張ってたんだが、中セ池は桟橋がコンクリートで、桟橋に設置してある木の板にパラソルを立てたが、木の板は固定されてなく風に煽られてめくれてパラソルが倒れたらしい。風があったのでパラソルは閉じてたのに〜。コンクリートにボルトが2本打ってあって「これにパラソルを差すんや」と気づいたが、モンベルのパラソルはサイズが合わない…。パラソルの支柱のネジ穴の口径の変換アダプターとかあるんかな?暑いし、北土手長竿枡は5枚釣ったところで釣れなくなったので、14時頃、屋根のある西土手に移動した。夏と違ってムワッとしていないので、日陰に入るとカラッとして涼しい。ふと新婚旅行で行ったハワイのワイキキビーチを思い出した。常夏のハワイっていうけど、僕たちが行ったのは11月で30℃あったのに空気が乾燥しているから泳いだら寒かった。
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2024年5月、中セ池(八尾市)iPhone11
屋根の下に入ったので、竹竿は8尺一択。「心道」の総高野竹です。中硬式かな?大阪屋の社長に「買っとき」って勧められたんだけど、高野竹でガシッと硬いって貴重なんかな?「心道」は全般に硬いイメージがあるけど。浮子は替えずに8尺ではいつもの旧「希粋」です。
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2024年5月、中セ池(八尾市)iPhone11
場所替え直後は浮子が動かなかったけど、やがてサワリだして釣れた〜。6枚目。
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2024年5月、中セ池(八尾市)iPhone11
何枚目やったっけ?トップから5節めの「赤」の勝負目盛が出て集中してたら「ツッ」と小さい節魚信。アワセると重々しい引きで、水面まで浮かせるとデカいやんけ。いそいそと検寸に持ち込んだら40.5cmの大助でした。
\(▽ ̄\( ̄▽ ̄)/ ̄▽)/ヤッタァー!!
しかし立派なヘラブナやね。去年まで「マブナがよく釣れる池」って思ってましたが、今年の2月に行ってみたら良いヘラブナがよく釣れるので驚きました。なので、最近は中セ池釣行がやたら多くなりました。
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2024年5月、中セ池(八尾市)iPhone11
40上の大助は赤札です。ゲット〜!
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2024年5月、中セ池(八尾市)iPhone11
北土手長竿枡で14時までかかって5枚しか釣れませんでしたが、西土手に移動してからボチボチ釣れて、せめて「つ抜け」たいと思いましたが、16時45分の納竿までに西土手で12枚釣れました。写真のマブナはほぼ「上がりベラ」ですが、傷のない綺麗なマブナやな…。
ということで、5月5日はフナ17枚でした。howellsさんは20枚釣ったそうです。「かろうじて逃げ切った」と仰ってましたが、今日は勝負しないんじゃないんですかw
とまあ、ノンビリ心穏やかに釣りができない僕たちでしたw。釣池は戦場や!
では、また。
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korokkeyasan · 10 months
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すみません!!いま全部ダメで!勘弁してください!って感じです!!
致死量のブラックサンダーと致死量のどら焼き食べたのに牛丼も食べたくて!でもそんなお腹空いてなくて!意味わかんなくなってわーーん泣とかしました泣泣
3週間くらい大学いってなくて!バイトも5回連続休んで!昨日とかお風呂入れなかったし歯も磨けなかった!今もどちらも出来ず布団にくるまってもうすぐバッテリーがなくなるスマホにギリギリでこれ書いてさ!ほんとにもーって感じ!
ずっと感じしか言えなくてさーーーあ
今の私は汚い部屋の荷物がたまたま人の形に見えるみたいな!偶然ここにいるみたいになってるみたいな!感じです!ごめんずっと感じって言ってて なんかそんなずっと他人事みたいですので!
必修授業と外国映画史を捨てたんです最近!そしたら今までその授業受けてた時間に絶望!罪悪感に押しつぶされて逃げるように寝て気づいたら夕方でやろうとしてた課題も調べ物もできなくて未来の自分に借金が増えていくばかりでもまだその未来は来てなくてずっと自分の影がどんどん大きくなる感覚です!!影が大きくなるんですどんどん!!!小さい頃から何かに追われて逃げ場がないときに影が大きくなる場面が脳裏に浮かぶんです!こういうトラウマがあったとかそんなのはないんですけどとにかくずっとこれが浮かぶんです!!!なんなのほんとに!
あと芸会辞めようとしてます!!!てか辞めます!!!!!こんなに追い詰められてるのに人のために無償で働くなんて普通に無理です!!!!同期のみんな仕事教えてくださった先輩全員に謝りたいけど顔向けもできねーーー腐った肉を全員に配るってことですか??←なんですかこれー泣
まじでさー自分ーーーーー頼むよほんと
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ichinichi-okure · 1 year
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2023.10.3tue_tokyo
午前9時5分前に起床⭐︎
仕事でサウンドロゴムービーを作るため、 参考動画をYouTubeで物色していると
「マイエネルギー マイステーション」 というガソリンスタンドのキャッチコピーがでてきた。 意味がわからず気になってしまう。
今日の昼ごはんは初挑戦の海老味噌ラーメン
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海老好きだからか、エビ味ってだけで美味しいと思う エビが普通の人には普通かもしれない
16時に動画編集を終えたあと
今日も「華原朋美 ファッション」でググル。90sコンサバ系女性に大流行したらしいが、コンサバ系という言葉は知ってるようで知らない。 90年代のモテを意識した女子のことをコンサバ系というみたい。じゃあもしかして「コンパサバイバル」の略? と思って調べたけど、全然違った。
一通りSNSをみる。 旧Twitterで下品なバズりツイートを見て心が黒くなりムカムカし始めたけど、友達の平和ツイートを見て我に帰る。Twitterは好奇心で見すぎると、自分が存在する必要のなかった暗い重いパラレルワールドへ迷い込みかけるときがある。なんかデビッドリンチの映画みたいだ。 ふと昨日みた、スイスで安楽死を選択した日本人女性の動画のことも思い出した。病人の女性が病院のベッドのうえで「じゃあ逝くね」と言った後、自分のタイミングで何かのスイッチを入れ(あるいは切って)家族らしきひとに見送られながら死んでいく様子を撮ったもの。安楽死、今の私には自殺との見分けがつかなかった。自殺を見てるようで怖かった。私の絶対神は自殺だけは絶対に無しと言っている。私は安楽死を選びたくなった時にあのスイッチを押せるのか。まず押すことを許されてるのだろうか。なぞだ!
そのあと、前にYOUTUBEで仕入れた 「くるみ・黒胡麻・松の実をすりつぶしたものを毎日大さじ1杯食べれば、肌が乾燥しなくなる」という情報を試すべく、材料を買いに本日二度めの買い物へ出かける。
松の実は売ってるだろうかと心配しながら、一番近いスーパーへ行く。 ナッツコーナーをみるとそもそもくるみがなかった。呆れてものも言えねーよ! 足早に少し離れたところにある大型スーパーへ向かう。 途中に小さなイオンがあるのでついでに寄ってみる。 まさかのここにもくるみはなかった。くるみを甘くみていた… 焦った私は誰も見ていないのに平静を装つ。
イオンを出る直前に、アイス売り場で5本入りのマスクメロン味のアイスキャンディが目に入る。 みたことないパッケージ。まあいいやとスルーした。
入ってすぐ、丸いマスクメロンたちが盛大に私を出迎えた。 ナッツコーナーへ急ぐ。 道中、黒胡麻を発見! 少量売りだが、松の実も発見して、これはいけるぞ!といよいよナッツのところへ行く。 大量のくるみがありました!達成感を味わう。
買う量を見定めるため、携帯でレシピを開いた
材料:
(生)くるみ
生…?! 慌てて周りを見渡すが 素焼き、素焼き、素焼き 何度見渡しても素焼きしかない。
終わった、と思った。 落胆して、カゴの中の商品を元あった場所へもどした。 さきほど出迎えてくれたマスクメロン達に見送られながらスーパーを出る。
帰り道で携帯でAmazonをひらき、 生くるみ、黒胡麻、松の実をものの5分で購入。親指動かしただけ。 明後日には届くらしい。 目の前にないものも、小さくて四角くいイメージに向かって欲しいという意志を伝え、自分の財産を少しおくると魔法のように数日で受け取れるわけか。 なんだか、いろんな夢や願望、未来、全てのことがそういう仕組みなのかもしれないと思ってきた。 目に見えることだけが全てなんて思うと受け取れるものは少くて、見えないところに全てがあって、ちゃんと欲しいですと注文すればどんなものでも受け取れるようになってるんじゃないか。
思考は宇宙に飛んでいくが、平静を装いながら、イオンでマスクメロンのアイスキャンディーを買った。 なんか誰かに見られている気がした。
帰宅して購入したアイスキャンディを食べる。
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めちゃくちゃ美味しい。 まぁしかし、やっぱり人生には、このような偶然の産物があるから楽しめるって��んですよね。 宇宙に飛んでってた思考が地球に帰ってくる。
マイフィアンセの岩出くんが帰宅 マクロス7を見ながら ビール、つまみ、チーズ牛丼 風呂に入って就寝。
彼は今日はアイスキャンディに気づかなかったけど、どんな反応するか気になるので気づくまで教えないことにした。
ープロフィール- 井上理緒奈 東京 映像作家/河内宙夢&A few friends (キーボード) https://instagram.com/rionainoue?igshid=NzZlODBkYWE4Ng==
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kaneninarananesaki · 1 year
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9月締め括り
大きな大きな夏の尾を見上げ続けていたら、小さい秋に気づかないわけ。
「あの頃は」と言って秋を見逃さないように、9月を締めくくっていこう。
ソリティアは自分のバイオリズムを確認する手段として有効である。「紙の本を読もうよ」みたいな。
人はいつの間にか自分がどうやって生きていたかを見失ってしまうことがあります。そんなときは活動的だった時の轍をどこかにとっておいて、その動きをトレースすれば感覚は擦り合わさっていく、もしかしたらだけど。
数独や詰将棋はやや味気ない、上手くいかなくてもそれはそれでいやはや参ったよな思い出ができる。なによりカードをシャッフルして引くだけというお手軽さが調子の悪い時にも負担にならなくていいじゃない、最高点を取っても繰り返し遊べる素晴らしいゲームです。
213日という数字にややビビるよね。だって213日っておめー1年の58%くらいだよ?パーセンテージにすると案外妥当だな、そんなもんです。「今年も早いね」とかも全部錯覚です。ちゃんと今日を生ききってください。
実際35℃前後で追肥等の面倒をしっかり見ていた(とは決していいがたいけども)頃に比べてもそれ以上にポンポコ実ができている。外気35℃~40℃に対応できる生命は結構限られているのかもしれないと思うと地球という星の生命は綱渡りというか、刃の上を歩いているね。なんかの拍子に平均50℃とかになったらドーーーーーーンwwwwwwwwwって感じで何もかも終わっていくよね。はかないね、でも正しいよねそれも。正しいならしゃーなしっていうかさ、まぁちゃんと今日くらいは生ききってくださいよ。ハラペーニョの話をしなさいよ。虫がすげーんで明日からちゃんとやりますよハイハイ。
和歌山県に行ってきました。最初の動機は「天神崎でウユニ塩湖的な写真を撮る」だったはずが色々想像を絶するものであった。すげーや和歌山。
現地更新型の旅行記はなんだかんだで手元が忙しい、ライブ感のままに書き留めようとすると意識がスマホに吸われてライブ感が薄まるというジレンマ、いや、熊野古道の電波が悪いのがいけないのではないか?すげー投稿しなおしたよ確か。
思いのほとんどは記事に書ききってるわけだけど、そんなん言ったらあんた何のための締め括り振り返りなんじゃいって話。差し置いて言うならば本当にクジラが見れて良かった。ずーーーーっと言ってたもんね、クジラが見たいって、なんでクジラがいいんだろうね?多分「必ずしも孤独を嘆かなくていい」というアイコンとして「大洋を泳ぐクジラ」というものを置いているような気がする。その同族意識が「必ずしも孤独を嘆かなくていい」という命題に二律背反になっていませんか?じゃあ正しくないか、よくわかんねーや。
しかし皆さんにお伝えしたいのは和歌山ラーメン、いやさ和歌山の中華の美味さよ。食べたことあるかい?和歌山の中華、もう最高さ。
豚骨醤油というか、醤油豚骨というか、存在感を主張しながらも決して重くない凛としたスープに「これでいいのか」と思わせる中太ストレート麺、豚骨ハリガネ細麺に慣れ切った私にはラーメンのカテゴリーにいながら「和食」のアトモスフィアを感じずにはいられない、やや少なめな丼を開けた後は鯖すしを食べてさっぱり終了、完成されているんだこの一連の流れは、食べたことない?そりゃあもったいない。
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熊野本宮大社に行きながら御朱印はあえて頂いてません、御朱印ほど世俗煩悩に塗れたものはないと考えているためです。帰りの空港で日本航空限定御朱印帳が買えなくて駄々こねてるおじさん見てうわ……ってなっちゃったもん。仮にそれ手に入ったとしてそこに書かれる御朱印そんなに偉いもんか?そんなもん500円払わずとも心に刻めよ。その点スタンプラリーのスタンプを景品目当てでなく手帳に押して帰るのは敬虔な行いです。ていうかインク薄いな。
スーツケースの中でビールが漏れ出たり、バーベキューに馳せ参じたりほら僕達なんて十分適度にドラマチックさ。あるいはバイオリズムはビールで取り戻せということか。
「必ずしも孤独を嘆かなくていい」というのは「如何なる選択も孤独を選べ」ということではありません。十分適度にやっていけばいいんじゃないでしょうか。会合に参加できているうちが花とかなんとか、でも来年の夏は平均50℃とかになるかもよ?そうしたらなにもかも終わりだね。よかったね、正しいね。なんつって。それでも生きてる奴は生きてるよきっと。馬鹿なこと考えてないでさっさと寝な、という意味の歌を52ヘルツの鯨が歌ったのは私だけにしか理解できなかったんです。鯨が好きな理由は、多分そんな感じだ。
イマイチ調子が上がらなくて、「これからの僕ら、一体どうなっちゃうんだろう」と考えてしまうのは年々上昇する夏の気温のせい、だから明日から秋を始めよう、もう今日から10月なんだからさ。
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marukofufoods · 2 years
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. まぐろ丼 Tuna rice bowl . めばちのたたきとクロマグロ中トロの丼ものです。 めばちは解凍でなく生の方なら確かにうまいです。ねっとり感を楽しめます。 . #homecooking #cookingathome #fooddiary #japanesefood #料理好きな人と繋がりたい #料理記録 #幸せの食卓部 #デリスタグラム #クッキングラム #グルメ #おうちごはん通信 #晩御飯の記録 #朝ごはん #ランチ #夜ごはん #おもてなし料理 #在宅ごはん #これ絶対うまいやつ #刺身 #捌く #料理上手になりたい #てづくりごはん365 #sashimilover #kaisendon (Tokyo Japan) https://www.instagram.com/p/Cn1lsyqST3F/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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chisasarasa · 27 days
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240513
朝、相変わらず肩が凝り固まっている。 2年前の日記をまとめる。 まだ2年しか経っていないことに驚く。 今日の晩ごはんは、オムレツとアスパラとポタージュと、といろいろ考えていたけれど、すべてが面倒になってしまって、牛丼。 初めてチーズ牛丼を食べた。 チーズと牛丼は別々の方がおいしい気がする。
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240514
朝、あかるい。 昨日は雨だった。今日は晴れ。 昨日作れなかったポタージュをつくる。 朝に料理をするというのはスムーズでいい気がする。
カフェに行く。 中煎りのフルーティーなコーヒーとチーズケーキ。 フラットな人たち、常連の人。 こういうところで働きたい、と思う。わたしがわたしのまま。 2年前の日記の試作。 奥付のことを忘れていて、ページがずれこむ。 彼がつくってくれたひき肉のみそ炒めがおいしかった。アスパラも。 アスパラとアスパラガス。アスパラガスのガスってなんだろう。 日記が本のかたちになって、これはいいなと気に入っている。
明日、神奈川へいく。 楽しみに思えないのは、たぶん、やることを詰め込みすぎているから。
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240515
今日は飛行機に乗る。 準備をする。 詩の投稿が期限を2分すぎてしまって、どうしてわたしはこうなのだろう、と落ち込む。
飛行機。 東京が近づいてきて、街が認識できるようになってきて、わたしの居場所はもうここにはないのだろうなと思った。帯広にもない。けれど、これから見つけなければならなくて、でも、わたしの居場所なんて、わたしの身体一つ分にしかないのだろうな、と思っていた。 空港でぼんやりしていた。 空港から、実家にまっすぐ行く気になれなかった。 かといって、寄り道する気力もなく、空港に点在する椅子に腰かけて、日記を書いている。 机がとおくて、膝の上で書いている。 空港はぜんぶが白く、ぜんぶが白いから水色があるんだ、と思った。
引っ越した実家のマンションはまだ新築のにおいがする。 キッチンの奥の、小さな部屋でねた。
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elle-p · 1 year
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P3 Club Book Akihiko Sanada short story scan and transcription.
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真田明彦の難攻不落伝説
某日深夜---ここ、月光館学園巌戸台分寮のと ある一室で、その恐ろしくもおぞましい謀略は、徐々に形を現わそうとしていた。
「許せねえ······絶対に許せねえぜ、真田サン。いや、真田明彦ぉ!」
「じゅ、順平くん。そこまで怒らなくても······」
「甘いわよ、風花!私も順平に同感。食い物の根みが恐ろしいってこと······真田先輩の骨の髄まで思い知らせてやらなきゃ!」
「別に僕は、甘いものがそれほど好きって訳じゃないですが······美味しそうでしたよね。お土産のー日限定100個の特製プリン」
「わん!」
「コロマルさんも、ひとりで10個は食べすぎだと申しているであります」
「���レーニングで疲れて��か何だか知らねえけどよ、フツー全部食うか?俺たち仲間だろ?みんなの分残しとくとか考えるだろ!?」
「あ、あうう。り、リーダー、皆さんを止めなくていいんですか?え?······別にどうでもいい? ううううう······」
あまり恐ろしくもおぞましくもないようだが、ここからが恐ろしい。
「よっし!んじゃ、満場一致で “真田先輩をギッタンギッタンにしてギャフンといわせてグウの根も出なくさせる計画”、略してトリプルGプロジェ クトの発動を宣言します!」
「おーっ!」
この今どきどうよ、というネーミングセンスのなさが恐ろしい。
ともあれ、真田の天然ぶり---というより鈍感さに端を発する、特別課外活動部メンバーの怒りの鉄槌が、真田の頭上に振るわれようとしていた。だが彼らはやがて思い知る。真田明彦の天然もまた、ボクシングの腕前と同じように、超高校級であるということを······。
~フェイズ1 伊織順平&山岸風花~
「オレの武器は······これだ」
そう言って順平が取り出したのは、普通ならスポーツドリンクなどを容れるのに使う、ストローつきの白い円筒形のボトルだった。
「トレーニングで疲れたセンパイに飲ませるための、特製栄養ドリンクって訳だ」
「あんた······敵に塩送ってどうすんのよ?」
ゆかりの言葉に、順平はちっちっちと指を振って、恐るべき事実を公表した。
「これはな 風花の······手作りだ」
「そうなの。頑張って、作ったんだよ」
どよつ。
場の温度が下がり、驚愕のどよめきが走る。
「そ、そんな······順平さん。そこまで酷いことをしなくてもっ······!」
「こ、これは、ワシントン軍縮条約に抵触する可能性すら考えられるであります!」
「きゅ~ん······」
「順平······本気ね······?恐ろしい男······」
この液体がもたらす惨劇の予感に、その場にいた全員の顔が着白と化す。ちなみに、兵器開発もとい調理担当の風花は、皆の評価によって心に深い傷を負い、壁際でしくしく泣いていた。
「お!来たぜ!」
順平の言葉どおり、朝のトレーニング帰りの真田が寮の玄関から姿を現わした。すかさず順平がタオルとボトルを持って歩み寄る。
「センパイ!お疲れさんッス!どうスか?運動あとに特製ドリンクなんて?」
「おお、順平。ありがたいな、ちょうど喉が渇いていたところだ」
「しめしめ······じゃなくて、どーぞ!いい感じに冷えて、飲み頃ッスよ!」
何の疑いもなく、真田は順平からボトルを受け取ると、ストローに口をつけて中の液体を勢いよく吸い込んだ。
ずずずずずずずず!
何だか、嫌な感じに粘度を感じさせる音が響き······そうして、真田が口を開いて叫んだ。
「美味い!これはいけるな!」
「······へ?」
予想を裏切る真田のセリフに、唖然とする順平。そこに、真田の歓声を聞きつけ、何ごとかといった表情で桐条美鶴が現われた。
「どうした、明彦?」
「いやな、順平が作ってくれた特製ドリンクが、なかなか美味だったからな。美鶴も飲むか?」
ごく自然に、真田が美鶴にボトルを手渡し、そしてごく自然に、美鶴もストローを口にくわえる。付き合いが長い上、精神年齢的に成熟しているふたりは、間接キスなど気にはしない。······してくれれば、順平の制止は間に合ったろうし、その後の悲劇も防げたのだが
ずずずずず······。
やや飲みにくそうに、美鶴は頬に力を込めて体を吸い上げ、次の瞬間。
ぶびっ。
表情を変えないまま、美鶴の鼻の穴から腐った沼のような色の液体が噴出した。
「き、 桐条センパイっ!!」
美鶴の顔色が、黄土色から紫色、さらにはオレンジ色から緑色へと目まぐるしく変化する。そして最後は、ぐりんと白目を剥き、棒が倒れるような勢いでばたんと倒れ伏した。
「せ、せんぱぁあああいっ!!」
順平の悲痛な叫びがこだまする。それは、この後に来るはずの、美鶴の報復を予感し
ての、早すぎる断末魔のように聞こえた······。
~フェイズ2 岳羽ゆかり~
「えー、牛丼をプロテイン茶漬けで食べる、真田先輩の味覚を甘く見すぎてました。そこで、食欲以外のアプローチで行きたいと思います」
「順平さんはどうしたでありますか?」
「解凍に、あと半日はかかります。ついでに、風花も部屋にこもってしまい戦力外です」
計画の第1フェイズで、すでに彼らの戦力は激減している。あまつさえ、善意の第三者であるところの美鶴まで巻き込み、もはや失敗は許されない状況へと追いやられていた。
「で、あの······ゆかりさん、今度の作戦は?」
そう言う天田は、ゆかりから目線をチラチラと外しては戻すという、不審な動きを続けていた。し かし、それも無理からぬことだった。
「ズバリ!色気で落とすっ!」
きっぱりと宣言したゆかりの服装は、いわゆるボンデージ風のタイトな超ミニワンピース。服というより、数枚のラバー生地を紐で大雑増に繋ぎました、という感じの露出過多のデザインである。胸元や背中そして左右のサイドから、これかというくらいに眩しく、白い素肌を見せつけている。日ごろ弓道部で鍛えた均整の取れたプロポーションを誇るゆかりが着ると、これが意外と悪くなかった。第二次性徴期が来たかどうか微妙な年頃の天田ですら、頬を赤らめてぼうっとなるほでの色香を放っている。
「これで真田先輩をメロメロにして、さんざんしてあそんだ挙句に捨てるという、自分の非情が恐ろしくなるほどに完璧な作戦よっ!メイクバッチリ、ヘアスタイルもオッケー!」
「胸部の追加装甲も問題なしであります」
「アイギス、ひと言余計! 」
ちなみに、いま彼女らがいる場所は、白昼のポロニアンモールのど真ん中。真田は辰巳東交番の中で、黒沢巡査と話している。出てくるところを狙って、作戦開始という段取りである。
「あ、出てきた出てきた。んじゃ、みんな。行ってくるよーっ!」
何も知らずにやってくる真田を確認し、ゆかりがゆっくりと接近していく。2メートルほど近づいたとき、ついに真田がこちらに気づき、ゆかりと目が合う。すかさず身体をくねらせ、ほどよい弾力を感じさせる太ももを見せつけるように、グラビアアイドル風のポーズを取った。
「······」
つゆつゆつゆ。
······見事に、真田はそれをスルーした。
「んなっ!?」
たとえ色気が多少足りなかったとしても、後輩このゆかりをシカトするとは······。プライドを傷つけられ、ゆかりの中の女の意地が覚醒した。
立ち去ろうとしつつある真田をダッシュで追い抜き、くるりと振り向いて真田の進路を塞ぐように対峙する。さすがに歩みを止める真田。そしてその真田の目の前で、ゆかりは前かがみになり左右の腕でバストをぎゅっと中央に圧迫した。寄せて底上げした胸が、さらに押し付けられて豊かな双丘を形作る。そして---。
「セ•ン•パ•イ (はぁと)」
微動だにしないまま沈黙する真田。手ごたえあり!と、ゆかりが心の中でガッツポーズをしかけたとき、真田がゆかりに話しかけた。
「あー······月光館の生徒か?すまんな、覚えがない。しかし平日は制服着用が定められているはずだぞ?生活指導に見つからないうちに着替えに戻ったほうがいい。それじゃ、な」
つかつかつかつか。
再び見事にスルーし立ち去る真田。取り残されるゆかり。ひゅるりら~と風が吹いた気がした。完敗、というか惨敗、というか勝負にすらなっていなかった。あろうことか、ちょっと髪型を変えて化粧をし、いつもと違う服を着ただけで、真田はゆかりを知人だと認識できなかったのだ。よく年配のオジサンたちが、若い女の子はみんな一緒に見える、などと言うが、それのさらに酷いやつである。予想の斜め上を突っ走る真田の朴念仁ぶりと言えよう。
「せ、せんぱい······会ってからもう半年たつっていうのに······もてあそばれたー!酷いぃぃ!!」
真田の無心ゆえの見事なカウンターアタックで、ゆかりは精神を破壊されかねないほどの敗北感を感じていた。その再起には、まだしばらく時間がかかりそうだった······。
~フェイズ3 アイギス&コロマル~
「ホントに、大丈夫ですか?」
残る戦力となる、天田、アイギス、コロマルの3者が、夕方のランニングをしている真田を遠くから追跡しつつ作戦会議を行なっていた。
「大丈夫であります。私とコロマルさんがいれば、十全と言えるでしょう」
今度の作戦はシンプル。真田にコロマルをけしかけ、ズボンの尻でも破いてトホホな目にあわせてやろうというものだ。
「では、アイギス行きます!」
コロマルの首に結びつけたリードをしっかりと握り、アイギスが走り始める。さすがに運動性能が高いアイギスは、天田が見守る中、どんどんと真田に接近していく。
あと20メートル。10メートル。5メートル。4、3、2、1······あっさり追い抜いた。
「あ······」
見ている天田の額から、汗が一筋垂れる。その間も、アイギスとコロマルは走る走る。どうやら、久々の広い場所が嬉しくてしかたないコロマルが、目的を見失って猛ダッシュしているようだ。念入りにリードを手に絡めていたアイギスは、前に倒れそうになりながら振り解くことも止めることもできずに引っ張られ。
コケた。
そしてそのまま。
ずるずるずるずるずるずるずる。
1機と1匹が巻き上げる砂煙が、遠く地平線の向こうに夕陽とともに消えていくのを、ただ天田は見つめるだけしかできなかった。
~最終フェイズ 総攻撃~
「正攻法で行きましょう」
各々の理由で叩きのめされ疲れ果てた面々に、天田は溜め息交じりに提案した。だが。
「ダメだ······勝てる気がしねえ······」
「見た目はともかく声ぐらい覚えててよ······」
「ぜっはっぜっはっ (散歩して満足)」
「もはや、ベコベコであります······」
部隊の士気は、嫌が応にも低かった。
ちなみに、前髪が長い現場リーダーは、フェイズ2の頭あたりで、ばったり会ったクラスメイトの友近と、はがくれのラーメンを食べに行ってまだ帰ってきてはいない。ぐだぐだである。
全員が集まった寮のラウンジに、どよんと重く苦しい空気が沈殿する。と、そこに。
「おう、みんな。何だか元気がないようだが、どうした?風邪か?食中毒か?」
攻撃目標 • 真田明彦が現われた。トラウマがかった「ひぃ」という悲鳴を、誰かが上げる。
いったい、どうやって戦えば······どうすれば、勝てるんだ······。この、痛みを感じない (それ以外のものもあまり感じない) バケモノのような人に、どうやって太刀打ちすれば······?いっそ復讐代行サイトにでも依頼を······。
そこにいる全員が、絶望に覆われ心を闇に侵食されかけた、そのときである。
「おう、こら、アキ!」
「ん?どうしたシンジ?」
今日は朝からどこかに出かけていた荒垣真次郎だった。いつの間にか寮に帰ってきていたらしく、二階からドスドスと音を立てて降りてくる。そして、鋭い声がラウンジに響いた。
「てめぇ······昨日美鶴が買ってきた限定プリン、全部食いやがったんだってぇ!?」
「ああ、悪かったな。まぁでも普通のプリンと味は変わらなかったぞ。牛乳と卵と砂糖の味だ。今度コンビニで代わりを買ってきて---」
順平たちが問い詰めたときと同じ。謝っているようで、まったく謝罪の意味をなさない、それどころか被害者の神経を逆なでする、無神経な言葉の羅列。昨日は、この真田の態度にさんざん文句をつけたのだが、“たかがプリン” に目くじらを立てるということが、どうしても真田には理解できず、最後までこちらの怒りが伝わらなかったのだ。荒垣も真田の無反省な態度には怒り心頭に······発してはいなかった。むしろ、またかよ、と呆れたような 顔。そして。
「おい、アキ。ちゃんと謝らねえと······」
何を怒られているのか、わからない風の真田に、荒垣が投げかけた言葉は。
「絶交だぞ」
「ごめんなさい!」
真田のリアクションは、これがまた早かった。
「もう、人の分まで食うんじゃねえぞ」
「あ、ああ、わかった」
「食った分、おめえが買ってこいよ?」
「もちろんだ!」
その様子を見て、呆然となるラウンジの面々。
「あんなんで······良かったんですか?」
「今度から······荒垣先輩に頼もうね」
「その作戦を推奨するで、あります······」
そして、力尽きた後輩たちは、バッタリとソファに倒れこみ、そこからしくしくとやるせない泣き声が漏れ始める。その泣き声は、翌日の朝から行列に並んだ真田が、限定プリンを人数分買ってくるまで続いたのだった。
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#05 中沢レイ
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一日の流れ
朝は6時半くらいに起きて朝ご飯とお弁当をつくります。家は私と息子と私の母の3人暮らしです。息子に持病があって、12時間おきに飲まなきゃいけない薬があるので、彼が寝てようが何してようが飲ませてから出かけます。職場は三重県内の市役所で、移住関係の仕事をしています。非常勤で働いてもうすぐ3年になります。
家から市役所までは車で山道を走って40分ぐらいで、道が混んでいたら小一時間ぐらいかかるときもありますね。仕事は17時15分までで、時間になったらすぐ家に帰ります。以前、息子と二人で暮らしていたときは夕飯のお弁当を買って帰っていましたが、今は母親が夕飯の支度をしてくれているので、それをありがたくいただいています。夕食後はだいたいぼーっとスマホを見たりして、気づくと2時間ぐらい経ってたりします。息子はゲームが好きで、夜はゲームのコアタイムだから私とは全然話をしてくれないんですよ。みんなが思い思いに過ごしているのを確認してからお風呂に入って、寝るのは23時ぐらいです。
市役所の仕事のほかにヨガを教える仕事もしていて、レッスンがあるときは、仕事のあと家に一旦帰って晩ごはんを食べて、借りているレッスン場に出かけます。土曜日はバレエ教室で子どもたちにコンテンポラリーダンスを教えています。ダンスというか、キャッキャ言いながら自由に動いたり、何でも試してみようというクラスですね。日曜は基本的に休みですが、移住の仕事は土日にイベントがあることが多いので、結構出張したりもしています。空いている日は子どもと一緒に過ごそうと、何をするわけじゃないけど、家にいるようにしています。
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生い立ち
生まれは岐阜県岐阜市です。母方の祖父母が縫製業を営んでいて、一家総出で服をつくっていました。両親は朝から晩まで、すごくうるさい工業用ミシンを踏んでいて、家には有名なブランドの布が置いてありました。だけど、私が小学校1、2年生の頃に景気が悪くなったのか、父が仕事を辞めて養鶏場に働きに出るようになりました。それまでは家にずっと親がいたけど、突然鍵っ子になって、弟は泣いていましたね。姉である自分はしっかりしなくちゃと思っていた記憶があります。
中学3年のときに親が頑張って家を建てて、引っ越しをしたんですよ。私は転校もしたんだけど、ある日修学旅行から帰ってきたら両親に「離婚するわ」って言われて。私から見たら仲は悪くなかったんだけど、実際はそうじゃなかったみたいです。せっかく建てた新居も出ることになって、その家は私の叔母さんが住むことになりました。弟は父に、私は母についていくことになったんですが、母の家に引っ越すと中学校を変わらなきゃいけないと言われたので、卒業までは叔母さんのもとで居候をしていました。叔母さんは私のことをかわいがってくれて、叔母さんというよりお姉さんという感じでした。
母は家を留守にしがちだったので、高校からは一人暮らしのような感じでした。家の下がうどん屋さんだったので、母が置いていったお金で天丼の出前を頼んだりしていました。高校3年のときに母が再婚して新しい家族ができましたが、私はもう高校生だし「あなたたちとは関わらないので」と言って、学校もあまり行かずに好きなように過ごしていました。高校卒業後は好きな英語を勉強するために、英語の専門学校に入りました。
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仕事のこと
私が専門学校に入った頃は超バブルの時代で、成績が良い子は先生の薦めで在学中から証券会社とか銀行に就職するんですよ。私も1年の終わりには学校に籍を置きながら商社で働きはじめました。同じころ、音楽をやっている友だちから「岐阜放送っていうラジオ局で話す人を探してるんだけど」と言われて。当時はバイリンガルのDJが流行っていて、私が英語を話せると思って声をかけてくれたんですね。実際はそんなに話せないんだけど、洋楽を聴いていたからそれっぽくは話せるんです(笑)。それでラジオ番組のDJをやることになりました。商社は1年勤めて辞めました。
田舎の放送局だけど案外仕事はありました。レコード会社の人がプロモーションで名古屋に来たときに、そんなに回るところがないから岐阜放送まで来てくれるんですよ。「若くてちょっと変わった子がいる」みたいな感じでいろんな人に良くしてもらって、外タレのアーティストに直接インタビューさせてもらったりもしましたね。でも、DJとかタレントになりたいという気持ちはまったくなかったです。どちらかと言うと裏方や制作をやりたくて、19歳ぐらいから台本や企画書を書いたりしていました。自分の番組では選曲も全部自分でやっていたし、そうした仕事が周囲に伝わって愛知や東京でもDJをやるようになりました。
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踊りのこと ラジオと平行してやっていたのが、幼少期から続けていたダンスです。うちの親は全然そういう素養はなかったんですが、私が幼稚園のころに「バレエをやりたい」と言ったみたいで、母が習わせてくれました。ただ、習っていた先生が怪我をしてバレエをやめることになってしまい、次に入ったのがモダンダンスの教室でした。少しして「これはバレエじゃない」って気づいたんですが、それがかえって良かったんです。というのも、その先生は生徒にお手本を見せないんです。「シュッとなってパッよ」というふうに擬音で振り付けをするので、みんなそれぞれの「シュッとなってパッ」をやるんですね。中学高校と、その先生のもとでダンスを続けました。
あるとき、名古屋で開かれたダンスの大きなコンクールに通訳として参加したんですが、そこで出会ったのが(舞踏家の故・)和栗由紀夫さんです。和栗さんに「お前、踊りやってるのか。うちに遊びにこいよ」と言われて、東京に行ったら板橋にあった和栗さんの家に遊びにいくようになりました。ある日、和栗さんの家に行ったら、ベニヤ板を2枚出してきて、「ここに座って」と言われて。言われたとおり座ったら今度は「右手をこう出してみな。左手は上から出して。これが閉じてさ、開くんだよ」とか言われて。「こうですか?」みたいな。それで「今度舞台やるんだけど出ない?」とくるわけです(笑)。
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それで出演したのが、新宿のパークタワーホールでやった和栗さんの『エローラ〜石の夢』という作品です。その後、和栗さんが主宰していた「好善社」に入るとともに、東京に引っ越してきました。好善社の男の人たちは、それまでダンスをやったことがなくて突然踊りを始めているから、発想がとても面白かったんですよ。そこから結局6、7年は東京に住んでいたと思います。
その後、もう踊りはやめようと思うことがあって、カポエィラに打ち込んでブラジルに行ったりもしました。ダンスの世界は、なんだかんだ言って身体を動かすことが得意な人しか入ってこないけど、カポエィラは、趣味でやってますみたいなお姉さんとか、イケイケの男の子とか、格闘技好きのオタクっぽい子とか、いろんな人がいるんです。一般社会では絶対に仲良くならないような人たちが嬉しそうに一緒にやっているのがすごくいいんですよね。でも、ブラジルにいたとき、テレビから流れてきた音楽に合わせて、やめたつもりの踊りをふと踊っていたときがあって、やっぱり踊りはやめられずにいます。
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妊娠・出産
出産したのは38歳のときです。妊娠がわかったときは、当時結婚していた夫とフランスに住んでいました。日本では私がダンスをやっていると言うと、初対面の人にさえ「いつまでそんなことやってるの」と言われたりしましたが、フランスではまったく逆で、みんな興味を持ってくれました。現地の人たちと仲良くなって一緒に作品をつくったり、小劇場で即興の企画をやったりもしましたが、一方で自分の底が知れた感じもあって、妊娠を機に日本に帰ることに決めました。
出産はだいぶ時間がかかって大変でした。それでも元気に生まれて良かったと思っていたんですが、生まれてからがさらに大変だったんです。とにかく夜まったく寝なくて、ベッドに置いたらどれだけ寝ていても起きて泣いて……。子どもってそんなもんなのかなと思ってたけど、自分も寝れないから信じられないくらい痩せてしまって、布団で寝ていても背骨が痛くなってしまうほどでした。夫は仕事に行ったきりほとんど帰ってこなくて、赤ちゃんと二人暮らしみたいな感じです。しかも、夫の希望で都内からもう少し田舎に引っ越すことになって、それまでは遊びに来てくれた人たちも来れなくなって、本当に孤独になってしまいました。
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それでも息子を地元の幼稚園に入れてなんとか生活していたんですが、2011年の1月末に、幼稚園に息子を迎えにいったら、先生から息子の様子がおかしかったと言われました。確かに、家に帰っても何もしゃべらないし、ご飯も食べないんです。病院に連れていって、インフルエンザの検査をしたりしたけどなんともなくて。食塩水を点滴してもらって、ちょっと良くなったように見えたんですが、次の日にはもっと具合が悪くなってしまって。抱っこしたらびっくりするぐらい重たくて、これはおかしいと思いました。
再度病院に行って尿検査をしたら、測れないぐらいたんぱくが出ていて、大きな病院に行くように言われました。行った先で「これはネフローゼという病気で、治療に長い時間がかかります」と言われて、そのまま入院です。ステロイドを大量投与する治療をはじめたんですが、息子はステロイドを半量に減らしたところで再発してしまい、それから一切ステロイドが効かなくなってしまいました。
これはもう救急車で運ばなければという状態になってしまって、埼玉から東京の世田谷にある成育医療研究センターに救急車で運ばれて入院しました。それが2011年の3月11日です。病院について、しばらくしたら���アーッと揺れて点滴は倒れるわ、壁に亀裂が走るわで大パニックです。しかも原発事故で放射能がどうこう言われていたから、ガラケーで一生懸命情報を調べました。食事も大変で、子どもには病院食が出るけど、自分の食事は出ないからコンビニに行くんだけど食料がないんです。なんとかゲットしたパンひとつで一日過ごすなんてこともありました。
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生きていてほしい
入院して息子の具合は良くなるどころか、同室の子から風邪をもらったのがきっかけで敗血症になってしまいました。ICUに入って人工呼吸器をつけられて、カテーテルを入れられて……まだ小さくて暴れてしまうので、鎮静をかけられて眠らされていました。そんな息子の姿を見たときに、親としてこんなことを言っていいかわからないけど、この子は何ヶ月も苦しんできて、これ以上苦しむなら、楽になって逝ってしまった方がいいのかなとも思いました。
でもあるとき、私が「今日はもう帰るね」と言ったら、小さくイヤイヤしたんです。鎮静をかけられていて目は開かないけど、耳は聞こえていたみたいで。ICUで隣だった女の子も、私からすると寝てるだけに見えるんだけど、その子のお母さんが「この子は嵐が好きなのよ」と言って、嵐の曲をかけると「喜んでる」って嬉しそうにするんですよね。それまで私は、寝たきりの人や重い障がいのある人が生き続けるのってどうなんだろうと正直思っていたんです。
だけど、1ヶ月ぐらい経つと、嬉しそうな感じがするとか、これは嫌なんだなって分かるようになるんです。それで、やっぱり息子には生きててほしいって思うようになりました。なんて言っていいかわからないけど、何もできなくても生きているという事実が目の前にあるだけで、周りの人が安心するというか。息子がイヤイヤする姿を見て「ああ、とにかく頑張るしかないな」って思ったんです。息子の病気をきっかけに、私の考えはすごく変わりました。
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やってみたいこと
治療は長くかかりましたが、幸い息子に合う免疫抑制剤が見つかって、1年くらいかけて普通の暮らしができるぐらいまで回復しました。何かあったときのために、そのまま入院しておくこともできたけど、外に連れていこうと思って思い切って退院させました。その後、息子が4歳になる前に埼玉から三重に移住して、間もなく夫とも離婚しました。 息子は小学校4年生ごろに自閉スペクトラム症の診断を受けて、学校生活も苦労しましたね。小学校1年生からずっと行き渋りで、6年生まで毎日送迎していました。下駄箱でしばらく入れずにいるのですが、なんとか中に入っていくのを確かめてから自宅に戻り、学校からの電話があるといけないので待機していました。中学3年間は完全不登校でしたが、この春から通信制の高校生になりました。
息子が東京で入院していたときは、家と病院が離れていたので、病院の近くにある(ドナルド・)マクドナルド・ハウスという入院患者の家族のための施設で寝泊まりしていました。そこには、地方から出てきて泊まり込みで付き添いをしているお母さんたちがいて、中には子どもが生まれてから10年間そういう暮らしをしている人もいました。みんな自分のことは置き去りで子どもに付き添っているんです。
そういうお母さんたちのために何かできないかと思ったけど、「ダンスしましょう」とは言えないじゃないですか。「ダンスなんてハードルが高いし、そんな気分じゃないわよ」って言われると思うんですよね。でも、みなさんマッサージとかにはお金を払って通っていたので、ヨガだったらやってもらえるかなと思って。これまでも障がい者施設や高齢者施設ではヨガやダンスをやってきましたが、病気の子どもたちに付き添っているお母さんのためのヨガも、いつか実現したいことのひとつです。
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みんなに場をつくりたい
私は踊るのは好きだけど、舞台の真ん中で踊りたいとは案外思っていないんですよ。私が踊りをやるのは「みんなに場をつくりたい」からです。1998年に「オービタルリンク」という即興のイベントをはじめたのも、あらゆるジャンルのパフォーマーが自分の表現を模索しながら、やる側��観る側もジャンルの垣根を超えて出会ってほしいという思いがあったからです。ラジオDJをしていたときも、自分が面白いと思ったら無名の人でもゲストに呼んだりしていましたからね。当時から今にいたるまで、やっていることは変わらないと思います。
今日撮影をしたアトリエ第Q藝術も、大きすぎない規模だからこそ「個人」が見えて好きなんです。劇場が大きくなればなるほど、後ろの方まで届くように表現しようと思って動きが大きくなり、身体の動きだけを見せることになることが多いと思うんです。そうすると結局、どれも同じような作品になってしまうというか。私は、踊りの完成度はどうでもよくて、その人が踊りを通して「本当のこと」を言ってるかどうかを知りたいんです。そういうことが見えるのは、このぐらいの規模の劇場かなと思います。チーフディレクターの早川誠司さんには以前からお世話になっているし、舞踏や演劇関係の友だちもよくここで公演をしているので、私のルーツのような場所でもありますね。
人生って、「あのときあそこに行ってなかったらあの人に出会ってない」とか、そんなことばかりじゃないですか。でも本当に好きなことを続けていたら、絶対にまた元のところに戻ってくるし、ずっと会っていなかった人ともまた会えるんですよね。もっと別の仕事をする機会も、別の人と付き合う機会もあったろうけど、そのときの自分がそれをやりたくて選んだんだしなって。自分は、いつも「こういうことを考えている人がいるなら、こういう場所をつくったらいいんじゃないかな」と思って、場所をつくって人と人をつなげてきたんですよね。さらに、自分の場合はそこに「踊り」がありました。そうしてここまでやってきて、今の自分があると思います。
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(2023年3月26日収録) 取材協力=アトリエ第Q藝術
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