日本で初めてバウムクーヘンを焼いたドイツ人菓子職人、カール・ユーハイムが関東大震災で被災し、神戸に移って開業した洋菓子メーカー、ユーハイム(神戸市)が100周年を迎えた。
ドイツのバウムクーヘンには200年の歴史があるのですが、二度の戦争などによって、職人がいなくなり、バウムクーヘンの製造を継続できなくなりました。
発祥の地の一つ、コトブス(ブランデンブルク州)でバウムクーヘンを復活させようという話になったとき、どうしても再現できず、うちに「教えてほしい」と依頼が来ました。それで職人を連れて2回、現地に行きました。
バウムクーヘンの基本材料は砂糖、小麦粉、卵、バターのみ。いたってシンプルで当時と何も変わっていません。ただ、レシピは同じでもお菓子の味は技術なんです。
甘い洋菓子から、平和と幸せを ユーハイム100年 創業者の願い、未来にも[Sponsored] - 産経ニュース
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(倒産寸前だった京都の老舗和菓子店を救った「スライスようかん」:日経クロストレンドから)
倒産の危機にひんしていた老舗和菓子店を救ったのは、全く新しい食べ方を提案するようかんだった。1803年創業の亀屋良長(京都市)は、スライスチーズに着想を得た「スライスようかん」を開発。これが大ヒットし、起死回生を果たした。その開発秘話や、宣伝戦略の進化に迫った。
薄くスライスしたようかんにバター風味のようかんをのせ、けしの実を散らして1枚ずつフィルムで包んだ、京都の和菓子店・亀屋良長の「スライスようかん」。2018年9月の発売以来、累計販売数は約63万袋を記録した。
単身者も多い近年の生活スタイルにそぐわないサイズ感や、カットの手間が敬遠され、「年間50本程度しか売れていなかった」というようかんを、「朝食として食べられる和菓子」として、新たな切り口でリニューアル。和菓子に親しみがなかった層も取り込み、同店の看板商品に成長した。
スライスようかん開発のヒントは、猫の手も借りたい朝、2人の子供にあんこトーストとチー���トーストを別々にリクエストされたこと。「チーズトーストはスライスチーズのフィルムをはがし、パンに載せるだけだが、あんこは固く食パンに伸ばすのが面倒。あんこもシート状なら楽だと思い、ようかんをスライスする案が浮かんだ」(由依子氏)
ただせっかく新しい取り組みを行っても、「広め方が分からなかった」という。スライスようかんの発売時も、特別なPRは行わずじまい。
「当時はプレスリリースの存在すら知らなかった」(良和氏)
「課題は発信力。SNSを活用すべきだ」とコンサルタントに助言され、20年4月、良和氏、由依子氏、30代社員がそれぞれのアカウントでSNS投稿を開始。同年6月、渦巻き状の焼き型で寒天に波紋をつける製造動画を、良和さんがX(旧Twitter)に投稿すると、「波紋の形がミッキーマウスのよう」「焼き型が寒天に押し付けられたときに立てる音がかわいい」と拡散。フォロワーが1日で8000人増え、21万以上の「いいね」を獲得した。
この成功体験をもとに、「雪だるま形の干菓子など、見た目がかわいい定番商品をクリスマスなどの季節イベントに先駆けて投稿。それが若者の間で拡散され、ECサイトでの売り上げが急増、というサイクルを作れるようになってきた」(良和氏)。
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・他にスライス形状にすると良い製品は。
・どう売るかも大事。ビジュアルが明快。
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「スパイス」や「バター」を使った料理は、当時の日本人の口に合わなかったのです。しかし、ある日本の調味料がきっかけで、一転して「肉が大好き」になりました。その魔法の調味料は「味噌」と「醤油」です。普段から馴染みのある調味料を使って、獣肉の臭みを消すことに成功。かくして牛肉にネギ・コンニャク・豆腐などを入れて、味噌・醤油・砂糖で煮込んだ「牛鍋」が誕生、大流行しました。明治8年(1875)、牛鍋屋は東京で100軒を越え、2年後にはなんと558軒と激増。大正時代になると、焼いた牛肉を醤油・みりん・砂糖で煮込み、溶いた生卵につけて食する、関西発祥の「すき焼」が主流になり、現在に至っています。岡田哲氏は「なぜ日本人に肉食が浸透したのか」について、以下のように考察しました。
「肉鍋の調理形態は、獣肉から牛肉へ、そして、味噌から醤油と砂糖へ移行していく。換言すれば、米飯に合うおかずとして発展しはじめる。しかし、欧米の肉料理に共通する、香辛料(スパイス)の使用はまったく見られない。つまり牛鍋は、日本人の食卓を欧風化したのではない。洋風素材の牛肉を、和風鍋に取りこんだ」
『とんかつの誕生~明治洋食事始め/岡田哲著』から抜粋
日本人は、西洋料理をそのまま受け入れることはせず、自分たちの主食である「御飯」に合うように日本風にアレンジしていったわけです。小菅桂子氏も著作で「カレー」にまつわる面白いエピソードを紹介しています。
「かつてインド料理店のインド人のコックが『ボンカレー』を食べて、「これはなかなかおいしい日本料理だ。なんていう料理か教えてくれ」と真顔で訊いたという嘘のような本当の話も伝わっている」
『にっぽん洋食物語大全/小菅桂子著』から抜粋
ナガジン!|特集:発見!長崎の歩き方 「西洋は長崎から~「洋食」」
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花火大会があるから仕事終わりに行こう、と決めたのはその日の朝だった。一人暮らしをしていた時の最寄駅に久しぶりに降り立って、ふたりで河川敷に向かって歩く。串鳥で沢山焼き鳥を買ってきてくれていて、言ってないのに私の好きなきたあかりバターと南蛮つくねも買ってきてくれていた。河川敷に座り、焼き鳥と缶ビールで乾杯。19:40になって、花火が上がるけれど、ビルの陰で隠れてしまっていてすぐさま移動。結局、豊平橋の上から立ち見することにした。
通りすがる車の中に目をやると、信号待ちがてらみんな写真を撮っていた。車内からじゃ上手く撮れるわけでもないのに、きっと家で見せたい人がいるのだろうと思った。隣に松葉杖をついた中学生ほどの息子を連れた家族がいた。花火の終わりが近づいた頃に父親が「なんだかんだお前が保育園の頃から来ているな」と呟いていた。いつも近くで見ると首が痛くなるよなあとも話していて、きっと今年は息子が怪我をしているから少し離れた一条橋の上で見ているのだろうと思った。毎年こうやって花火大会がある凄さ、大切さを思い知る。当たり前を当たり前と思うなと言われつつも、い��も日常が当たり前のように来るからその尊さを忘れてしまいそうになる。四季は巡っていくものだから、1年は繰り返していくものだからこうやって毎年毎年訪れる物事や、同じ場所で今年も咲く花をひとりでも、誰かと見ることで日々を過ごして重ねていくことの素晴らしさを実感することができる。母がよく毎年花火を見たがって、一緒に出かけた理由がわかった気がする。恋人は写真を撮るでもなく黙って花火を見ている。思い出は何とだって思い出したいし、何回とだって一緒に積み重ねたい。
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新千歳空港やスーパーで手にいれる! 地元民もイチオシの「北海道みやげ」6選 - ライブドアニュース
以下引用
●北海道は観光シーズン真っ只中を迎えようとしています!
北海道を訪れるなら、どんなお土産を買うべきか悩むところ。今回は、「北海道土産(主に函館)」6選をご紹介!。お土産はもちろん、自分用にも買ってしまいたい絶品です!
新千歳空港でも買える絶品スイーツ「チーズオムレット」
まずは、函館の人気洋菓子店『ペイストリースナッフルス』の「チーズオムレット」。厳選されたミルクとチーズを使用し、職人が一つひとつ手作りするこの生菓子は、チーズのほどよい酸味とミルキーな甘さが絶妙な一品です。日持ちはしませんが、自分用や親しい人へのギフトにぴったりです。
トラピスト修道会が製造する「トラピストバター」
次に紹介するのは、北斗市のトラピスト修道会が製造する「トラピストバター」。フランスのシトー会修道院に伝わる伝統的な製法で作られる発酵バターで、一度食べたら一般的なバターには戻れないほどの美味しさです。ミルクのコク、香り、甘みを存分に堪能できます。
●過去の掲載記事はこちらからチェック!
https://www.syokuraku-web.com/bar-restaurant/84791/
『セイコーマート』限定「山わさび塩ラーメン 改」
『セイコーマート』の「山わさび塩ラーメン 改」は、各メディアでも話題の一品。北海道ならではの山わさび(ホースラディッシュ)の強烈な刺激と骨太な塩スープがクセになります。筆者自身も帰省のたびにまとめ買いするほどの愛用品です。
●過去の掲載記事はこちらからチェック!
https://www.syokuraku-web.com/column/74572/
北海道限定のご当地ラーメン「スープカレーラーメン」
東洋水産の工場がある北海道だからこそ手に入る「スープカレーラーメン」。スパイシーなコクとチキンや野菜の旨みが絶妙で、トッピングに素揚げした野菜や鶏肉を加えるとより本格的に楽しめます。残ったスープでおじやを作るのも通な楽しみ方です。
●過去の掲載記事はこちらからチェック!
https://www.syokuraku-web.com/column/73185/
お酒好きにおすすめ「大人の塩辛 みそ味ラー油」
函館七飯町の『有限会社たかせ』が発売する「大人の塩辛 みそ味ラー油」は、辛党のおつまみにぴったり。味噌とワインで仕込んだイカの塩辛は、味噌のコクとラー油のピリ辛が絶品で、ご飯やバゲットにもよく合います。
●過去の掲載記事はこちらからチェック!
https://www.syokuraku-web.com/column/72413/
『ハセガワストア』の冷凍やきとり
最後に紹介するのは、函館のB級グルメ「やきとり弁当」を販売する『ハセガワストア』の冷凍やきとり。真空パックされたやきとりは湯煎するだけで炭火焼の香ばしさが蘇ります。濃い味の「塩ダレ」や「うま辛」、「みそだれ」が特におすすめです。
●過去の掲載記事はこちら。
https://www.syokuraku-web.com/gift/79918/
まとめ
北海道旅行では、ぜひこれらのおすすめ土産を手に入れてみてください。友人や家族へのお土産、自分へのご褒美に最適です!旅行計画を立てる際の参考にしてください。
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サイドシートの君
ゆかは旅先で呼んだコールガール。
地元が近いのと趣味が合った事がきっかけで連絡先を交換した。
そしてお盆の帰省のタイミングで会う約束を決めた。
ゆかのいる町まで車で一時間ほど。
来るか来ないかは半信半疑だった。
約束を破るような子では無いと思ってはいたけれど、連絡の返信の遅さがちょっと気になっていて、来なければ来ないでいいやと思っていた。
約束の時間の十分前に待ち合わせ場所に着いて車を停めた。
ゆかに着いた事と車の特徴を書いたメッセージを送る。
来ても遅れるだろうと思い、二十分後に発走する競馬を予想して買った。
既読が着いたのは約束の時間を二分過ぎたあたり。
あと五分くらいで着くらしい。
少し安心した。
それから十分後にメッセージ。
車のナンバーはこれですか?と来て、車の後ろを振り向くと、こちらを見ているゆかと目が合った。
手招きをして助手席に呼ぶ。
ゆかが席に乗り込んでくる。
「すみません」
「久しぶり」
「お久しぶりです」
「元気だった?」
「はい」
「ありがとね、来てくれて」
「いえいえ」
「じゃあ行こうか」
プランを二つ提案した結果、神社に行って近くにある貝出汁のラーメンを食べることにした。
近くのコンビニでコーヒーを買う。
「そうだ、さっき競馬買ってたんだよね」
「そうなんですか」
「一緒に見る?」
「見ましょう!」
一緒に見たレースは見事に的中だった。
ゆかも喜んでいた。
車を走らせる。
車内ではゆかが同棲中の彼氏に薦められて見た頭文字Dの話を熱く語っていた。
今度聖地巡礼に行くらしい。いろは坂はあのまんまだよと言っておいた。
ゆかが今日着ている服はライトなロリータ風のワンピースで、童顔の彼女にはそれがとても似合っていたので伝えた。
嬉しそうに笑うゆか。ロジータというブランドらしい。
田舎道を走っているとひまわり畑を見つけた。
下りてみると一面ひまわりが咲き誇っていて、その後方にある風力発電のプロペラがまたいい味を出していた。
夢中で写真を撮るゆかは無邪気な少女のようで、転んてしまわないか心配になるくらいだった。
車を再び走らせて神社へ向かう。
険しい階段を上って本殿でお参りをする。
「五円あった」ゆかが財布から硬貨を取り出す。
「俺は欲張りだから五円が十倍あるように五十円にするよ」
「なるほど!」
神様に祈ったことは今日が楽しく終わりますように。きつねの神様は俺を助けてくれるだろうか。
反対側に下りて行くと無数の赤い鳥居が並んでいる。何度来ても圧倒されるが、ゆかも同じだったようだ。
ここで少し雨が落ちてくるが気にせずに歩いていく。鳥居の中を歩いていくと横に水場がある。そこに咲く蓮の花を見つけたのでゆかに教えると鳥居から蓮にスマホを向けて撮影した。
白い花びらが水から顔を出して咲く姿は可愛らしさだけではなく強さも感じた。何となくそれはゆかの姿にも重なった。
高台から鳥居が並ぶのを眺める。
雨が本降りになってきたので木の下で雨宿り。
ゆかの持っている赤いバッグには傘が入っていないらしい。
「折りたたみもってくればよかった」
「雨降るなんて考えてなかったよ」
「県の真ん中の方は降るって聞いてたんだけどなぁ」
「しゃあないよ、ここ真ん中じゃないし」
しばらく経ってもやまない雨。結局少し濡れながら歩くことにした。
雨降りにも関わらず別な色の蓮の花を見つけて二人で写真を撮った。
階段を上って下り、おみくじをひいた。
天然石が入ってるおみくじで、パワーストーンが好きなゆかにはぴったりだった。
昼食の時間になったので店へ向かうが、時期や時間もあって行列ができていたので、同じく貝出汁のラーメンを出している別な店で食べることにした。
運良くすぐに座れ、ゆかとあれこれ話した。
ゆかは小学校から高校まで卓球をしていたらしい。
大学ではクラゲの研究をしていて、クラゲの生態にも詳しかった。
「一応理系なんで」
確かに同人小説を書き方を聞いたら実に論理的に話を作っているなと感じていた。
そんな話をしているとラーメンが出来上がって食べた。貝の出汁とバターの風味がうまくマッチしていて絶品だった。ゆかも気に入ってくれたようだ。
店の外に出るとまたもや雨。
近くの公園にあった遊具も濡れていた。
「晴れてたらやりたかったのになぁ」
「これじゃ濡れちゃうね」
残念そうにするゆか。
ここの段階で時間は十三時をまわっていた。ゆかは十六時くらいまでならと言っていたので、次の場所を迷ったが、思い切って賭けに出ることにした。
市街地へ車を走らせる。
「あのさ」
「ん、なに?」
「夜の仕事、まだやってるの?」
「いや、しばらくやってない。昼の仕事で稼げるようになったから。このままやめようと思ってる」
「そっか、昼の仕事が順調ならいいね」
「うん、もう知らない人に会わなくてもいい」
「お疲れ様。よう頑張ったと思うよ」
「彼には絶対言えないけどね」
「体調もよさそうだね」
「うん、抗うつ剤は飲んでないし、元気になったよ」
「よかったよ」
ゆかの手に触れて握ると、握り返してくれた。
川沿いの堤防を走る。
カーステレオからは真夏の果実。
市街地にあるホテルへ入り車を停めた。
ゆかの表情は暗くて見えなかった。
「いい?」
「タダじゃ嫌」
「そっか」
その返答は予測していた。元々は金で繋がった関係だ。
「いくらくれる?」
価格交渉が始まるが、割とすぐにまとまった。
タッチパネルで安い部屋を選んで入る。横にあるシャンプーバーの香りが鼻についた。
部屋に入ってソファに座る。
唇を重ね、ゆかの胸に顔をうずめた。
その後の事は何となくしか覚えていない。何度もキスをして、何度も愛を囁いた。
そして二人並んで眠った。
ゆかの寝息を聞きながら時間を気にしていた。
リミットの時間はとうに過ぎている。
目を覚ましたゆかに聞いた。
「時間大丈夫なの?」
「ああ、うん。別に花火があるからそれまでに帰れれば。そんな花火見たいわけじゃないんだけど」
その日はゆかの住む町で祭りがあって二十時から花火が上がる日だった。
「そっかそっか。一緒に見る?」
「うーん、誰かに見られると嫌だから」
「だよな」
その後はゆかの書いた小説を読んだ。そしたら俺もゆかに自分の書いた物を見せたくなった。
「ゆかの事書いた作品があるんだけど見る?」
「えー!恥ずかしいからやだ」
「まあまあ、自分だと思って見なきゃいいからさ」
「うーん、ちょっと興味はあるんだけどね」
そしてTumblrに投稿してたコールガールを見せた。
時に笑いながら、時に考えながら読んでいた。
「この表現好き」
ゆかを花に例えた部分が気に入ったらしい。
「人の書いたもの見ると勉強になる。すごく読みやすかった」
「ありがとう」
「今日の事も書くの?」
「そうだなぁ、たぶん書く」
「めっちゃ恥ずかしい」
そんな事を話しながら、不思議な関係だなと思った。
現実で会った人にTumblrを見せたのは初めてだった。
彼女でもなければセフレでも無い。そもそも会って二回目の関係なんだから名前をつけようにもまだ難しいだろう。
それでもこの関係は何だろうと思いながら気づけば温くなった風呂に二人で入っていた。
洗面台で歯を磨くゆかに後ろから抱きついたり、服を着るのを邪魔してみたりした。
帰路につく。
夕焼けの時間だった。
この様子だとゆかの町に着くのは十九時くらいになりそうだ。
「今日さ」
「うん」
「何で来てくれたの?」
「えっ、うーん…誘われたし暇だったから」
「そっか。お金もらえるって思ってた?」
「いや、それはない。ただ会ったらするかもなとは思ってた」
「そうなんだ」
「うん」
途中の海辺で夕焼けの写真を撮った。
「すごくいいね!あとで送って」
「いいよ、今送るよ」
すぐゆかに送った。
「ありがとう」
そっとゆかの手に触れた。自然と繋ぐ。
車は海沿いの道を駆け抜けていく。
町に着くと大勢の人で賑わっていた。
「どこで下ろせばいい?」
「真ん中は嫌だから…朝会ったとこ」
そこへ向かって車を進めると、警備の人が立っていて入れなかった。
「ちょっと入れないな…」
「うーん、どうしよう」
ぐるぐると町中を周る。
「やっぱ入れないよ」
「離れたとこなら一緒に見てもいい」
「えっ、あっ、そっか。じゃあそうしよか」
「うん」
「食べ物買いに行こか」
「屋台はダメだよ。知ってる人いるかもしれないから」
「そうだな。コンビニでいいか」
その町にある唯一のコンビニで食事を買った。
その隣りにある駐車場から花火が見えそうだったので、そこに停めて見ることに決めた。
花火が始まる。
ここでもゆかは写真を撮るのに夢中。
俺も撮ってみたけれど、信号が邪魔して上手く撮れなかった。
合間に見せてくれるゆかの写真は上手に撮れていた。
プログラムの間、ひたすらゆかはスマホをいじっている。その動きが止まると俺のスマホに通知が来た。
「アルバム作った」
開いてみるとトーク画面に日付が入ったアルバムが出来ていた。花火や蓮、ひまわりの写真がたくさんおさまっていた。
「おー、いいね。ありがとう!」
「ふふっ」
ゆかはまた外にスマホを向けた。
「あの色はリンで…」
花火の色を見ながらそんな事を言っていた。
「覚えたことって言いたくなるよね」
ゆかが笑う。そうだなと俺も笑う。
あっという間に花火大会は終わった。
「帰ろっか」
「うん…」
帰りに降ろす場所を探しながら車を進めた。
「あっちに行くと公園がある」
「そこで降ろす?」
「いや、遠いからいい」
「行ってみようか?」
「うん」
公園に行くと暗くてよくわからなかったが、日中は眺めがいいだろうなと思った。
「あっちには小学校がある」
「行ってみよか」
何となくゆかの気持ちがわかった。
「あれだろ」
「なに」
「別れが惜しくなったんだろ?」
笑いながら言った。
「でも明日は友達と遊ぶから泊まれない」
「もうちょっとドライブするか」
「うん」
小学校へ入った。ゆかが通っていた小学校はかなりきつい坂の上だった。
「こんなのだからめっちゃ足腰鍛えられた」
「これは中々スパルタだな」
「でしょ」
小学校を後にして車を俺の地元方向へ走らせた。
「あれだよね」
「なに?」
「泊まっても寝ればいいじゃん」
「うーん」
「俺いびきかかないし」
「そうなんだ」
ゆかの右手に左手を重ねた。
「朝、めっちゃ早起きだよ?」
「いいよ。またここまで送るからさ」
「わかった」
「じゃあ、泊まろっか」
「親に連絡しとく」
コンビニでコンタクトの保存液とビールとほろ酔いを買った。
ホテルへ入る。今日二度目だ。
カラオケがついていたので酒を飲みながら二人で歌った。
夜は深くなっていく。
シャワーを浴びる。マシェリでゆかの髪を洗った。
洗面台でそれを乾かしてベッドへ入る。
互いに欲望のまま相手を求めあう。
眠っては起きて、キスをして、何度も何度も。
「俺に好きって言ってみてよ」
「言わない」
「いいじゃん、嘘でも言ってみなよ」
「嫌だ言わない」
「そっか」
力一杯抱きしめて、それをゆかも返した。
俺は六月にあったことを話した。
自殺未遂のことも。
「ガチで死のうとしたんだね」
「うん、そうだよ」
「生きててよかったね」
「ほんとそう思う」
「今も彼女のこと好き?」
「いーや、全然」
「そっか」
「新しい好きな人いるらしいし」
「いなきゃ好きなの?」
「いや、そういうわけでもない。俺にはあわなかった」
「切り替え早いね」
ゆかの首筋にキスをして眠りについた。
結局は予定の時間にゆかは起きれなかった。
俺も軽くは起こしたけれど、別れを早くしたくないなんてエゴが出た。
「私ほんと時間にルーズなんだよね」
と言いながら、そんなに慌てないゆかが滑稽だった。
「私と付き合わない方いいよ」
「どうして?」
「時間守れないし、好きなこと話すと止まらないし」
「時間を守れないのはよくないな。でもそれはパートナーがちゃんとしてれば支え合っていけるんちゃうか?」
「うん…」
ワンピースを着ながらゆかは俺を見た。
「うしろのチャック閉める?」
「閉めよっか」
「自分でも出来るけど」
「いいよ、閉めるよ」
背中を向けたゆかの背中のファスナーを閉めた。
「上のボタンもかけて」
「はいはい」
ボタンを掛けて後ろから抱き締める。
「かわいいよ」
「ふふっ」
ゆかにかわいいと言うといつも笑う。
そんなとこはあざといのかもしれない。
「友達との待ち合わせ場所まで送ってくれるんでしょ?」
「うん、送るよ」
「やったー」
「そのかわり」
「なに?」
「お金は無しな」
「えー、少しも?」
「当たり前だろ。泊まったし送るんだし」
「ふふっ、そうだよね。わかった」
「交渉成立な」
「電車代浮いたからいいや」
「なんだよそれ」
ゆかが笑った。
ホテルを出てコンビニでコーヒーと朝食を買った。
予定時刻までに着かないのはわかっていた。
友達やら予約しているカラオケに電話をしながら、車の中でアイラインを引き、ルージュを塗った。
「ちょっとはおしゃれしないと」
「昨日と同じ服だけどね」
「それはしょうがない」
「そうだな」
「そうだ、スッピンどうだった?」
「あー、うん。可愛かったよ」
「ふふっ」
相変わらず笑う。
海辺を見ながらゆかは言った。
「普段海見ないけど、やっぱりこっちの海のが好き。向こうはなんか深くて怖いから」
戻ってこいよ。なんて言おうと思ったけど、別に俺がそれを言える立場じゃ無い。
「やっぱさ、十八年見た海は特別なんだね」
「確かにそうかもな」
「今回帰ったら、次見るのは冬か」
「その時も一緒に見たい」
「うん、いいよ。あっ、あとは会いに来てくれれば会えるよ」
「行きたいなとは思ってるよ」
海辺を過ぎて内陸へ入る。
あと五分で目的地。
信号で止まった時にゆかの唇を奪った。
信号の色が変わるのを感じで離れる。
ゆかの表情はどこか寂しげだった。いや、そう思いたいからそう見えたのかもしれない。
カラオケの前で降りる間際にもキスをした。
去り際にゆかは俺を見てこう言った。
「死なないでね」
短いけど重い言葉だった。
「そっちもな」
車を大通りへと向かわせる。
何度もゆかの耳元で囁いた言葉を思い出す。
車線を変えながら車を一台二台と抜いた。
「俺って本当に」
アクセルを踏んで帰路につく。
サイドシートにマシェリの香り。
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昼飯はコンビニののり弁。
いやこれが意外なほど旨い。
もとよりのり弁好きなためあるが、もうのり弁があったらほかの食い物はなくてもいいんじゃないかと思う(もうなにを言ってるのか分からない)
しかし、である。
コンビニの弁当というのは実はカロリーである。
カロリーの塊なのである。
若い人ならまだしもおじさんが食うと実にいかんことになる。
なので一刻も早く「なかったこと」にしなくてはならない。
「鮭ときのこのホイル焼き」と「キャロットラペ」である。
キャロットラペは昨日神戸屋で食った時にセットのサラダに入っていたのが実に旨くて、家人がぜひにというので。
鮭ときのこのホイル焼きは文字通り。
秋の味覚である。
味付けはしょうゆ。
ポン酢でもいいが、しょうゆの方がバターが少なくていい気がする。
よしこれで大丈夫だ。
なにが大丈夫なのか全然分からないが大丈夫な気がするから大丈夫だ。
ヒトの脳というのは意外とアホなので「気がする」らというのは大事なのだ。
ごちそうさん。
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240318
朝、なかなか布団から出られない。
眼鏡もかけないまま、朝ごはんに目玉焼きをつくる。
生活、まず何を始めよう、と思う。
上手くリズムに乗れなかった。何から始めたらよいか、書き出してみたけれど、いまいち進まなかった。
彼がゲームをする横で、気がついたらねていた。
ずっと眠かったのかもしれない。
彼は、ゲームの世界で馬に乗るようになっていた。
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240319
朝、乾燥している。
部屋の湿度は41%だった。
ダンボールの中に入っているものを出していく。中学生の頃のメモ帳と、大学生の頃のメモ帳がでてきた。
中学生の頃のメモ帳には詩みたいな言葉が、大学生の頃のメモ帳には日記とイラストがかいてあった。
今も昔もやっていることは変わらないんだなと、嬉しかった。
夜、彼がゲームするのをみる。
やっぱりねてしまったけれど、昨日よりは一緒に楽しめた。
馬の名前はいしだった。
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240320
朝、元気がない、と思う。
北海道の生活にまだ慣れていないのか、ベースの体調が悪い。
すぐにへたる。
ずっとマックが食べたい気持ちがしていたから、お昼はマック。
てりたまチーズバーガーを食べた。普通のチーズバーガーにすればよかった。てりたまもおいしかったけれど、そうじゃなかった。今のわたしの気分は。
彼がゲームをしているのをみながら、メモ帳を作っていた。
紙の白と白の、その組み合わせを考えたり、メモ帳になったときの厚みを考えたり、楽しい。紙を重ねて、綴じて、それが厚みをもってかたちになっていくのはもっと楽しい。
本文の試作ができた。
明日、表紙をつけよう。
夜、彼が豚ロースをバターしょうゆ味に焼いてくれた。
育てているローズマリーの香りつき。嬉しい。
一緒にケーキも食べた。
今日は結婚記念日。
旅行でお金をつかったから、とお茶漬けにしないでよかった。
ねむっているのが幸せで、たくさんねむった。
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さーっっってと最近の美味いもの贅沢編!
ふらっと行って5品ぐらい食べて8杯ワイン飲んだ(^^)
牛ほほ肉の煮込んだやつとなんか忘れたけど中に包んであるパスタ異次元に美味かったしめっちゃバターだった最高😊🩵🩵
アロスのピルピルやっぱおかしいけどえぐうまなのとハンバーガーは鬼潰しのかぶりつくに限るけど食べるのむずいよなでもうまいからええんやええんや!🥹🫶🏻
何もかもうまかったなり!お肉もお魚もうんんんまいけど焼き野菜革命おきとるよ。小さい頃、野菜とか食うもんちゃうって思ってたけど野菜ってバカうまいね野菜の美味しさ気づけてよかった好きでよかった〜!
とりあえず最近のうまいもん記録したし、またおいおい最近の心境とかやりたいこととかまあ記録したいな。
いつも心の中で思ってて伝えたいことは、私と遊んでくれてありがとうと会ったらお話ししてくれて笑顔たくさん見せてくれてありがとうね。って事はずーーっと変わらないなー!
誰かサイゼか��ま寿司食いに行こうや😊
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獣肉を「けがれたもの」と考える国民に対して、いきなり「やっぱり食べなさい」といってもうまくいくはずがありません。そこで政府は作戦を考えました。飛鳥時代に「肉食禁止」を宣言したのは天皇です。ならば、「肉食解禁」も天皇にお願いしようというのです。かくして明治5年1月24日、宮中にて西洋料理の晩餐会が開かれました。参加したのは後藤象二郎・副島種臣・江藤新平・寺島宗則・井上馨(かおる)ら、肉食を推進する政府関係者たち。この模様が新聞で「日本では昔から肉食が禁止されてきたが、これに正当な根拠は無いとして、天皇自ら肉を食べられた」と報道されたことで、正式に肉食が解禁されたのです。とはいうものの、実は明治天皇は洋食嫌いでした。「肉食は養生のためよりも、外国人との交際に必要だから食べたのである」と大久保利通にグチをこぼしたそうです。「肉食推進作戦」には当然反発も起こりました。解禁から一ヶ月後、御岳行者10名が皇居に乱入し「万民の上に立ち、穀物の稲を祭司し、古代以来肉食を禁止した歴代の天皇をさておいて、外国の勢力に押しながされて獣肉を解禁するなど、とんでもないことである」と訴え出たほか、明治10年(1877)4月の朝野新聞では「大久保利通が無理矢理天皇に洋食を食べさせている」「洋食洋医を宮中から斥けよ」と糾弾する記事が掲載されました。
どうしても食う気になれない
明治天皇も食した肉ですが、それでも庶民には受け入れられませんでした。実際に食べて美味しさを実感すれば、口コミで広がっていきそうなものですが、そうはならない大きな理由がありました。それは「調味料」。西洋の肉料理は「スパイス」や「バター」を使って調理されますが、これがいけませんでした。ちょっと時代を遡りますが、フロイスが、天正13年(1585)にまとめた『日欧文化比較』の中にはこう書いています。
「われわれ(西洋人)は乳製品、チーズ、バター、骨の髄などをよろこぶ。日本人はこれらのものをすべて忌み嫌う。かれらにとってそれは悪臭がひどいのである」
遣外使節団の1人としてフランスに派遣された奉行池田筑後守長発(ながおき)が、船の中で出された洋食に苦悩している様子を、同行した理髪師の青木梅蔵が記録しています。
「パン・牛肉の焼もの様々、ことごと歎息なしたり、パンは別段臭気なけれども何とやら気味悪く、牛はなおさらなり、さればとて二日三日このかた食事とては一切いたさず、空腹もまた堪え難し。(中略)折からこの処へ御奉行様お一人にて、色青ざめ、ひょろひょろと致しお出ありし有り様、さながらこの世の人とも思われず」
NHKの大河ドラマ『八重の桜』にも登場した明治期の物理学者山川健次郎。学生時代、アメリカに留学するために乗った船中で食べた洋食について『山川老先生六十年前外遊の思出』で以下のように回想しました。
「何しろ西洋の食物なんて云うものは食べた事がない。あの変な臭いがするのがまず第一に困って、船に乗っても食わないで居ると、船の医者が飯を食べにゃいかんと勧めて呉れたが、しかしどうしても食う気になれない」
ナガジン!|特集:発見!長崎の歩き方 「西洋は長崎から~「洋食」」
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