Tumgik
#小石川後楽園_緑葉
elle-p · 3 months
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All voice actor comments from the P3 Movies blu-ray
石田 彰 (結城理 役)
「ペルソナ3」が劇場版になって主人公に結城理という名前がついたことで、自分の中で主人公というキャラクターがより具体性を増してきました。
劇場公開当時、各地で舞台挨拶をさせていただいたときにも「今回、ようやく結城理という名前がつきました」という発言はしたのですが、会場に詰め掛けて下さったゲーム版からのファンの皆さんには、今一つピンと来ていないようでした。ここら辺はプレイヤーキャラクターであることの限界かと思っています。
他のキャラクターについては、皆さんおなじみのあのキャラクターが、スクリーン上を縦横無尽に駆け回り、見覚えのあるあのシーン、このシーンが繰り広げられることで「待ってました!」「これが見たかったんだよ~」というある種の達成感というか満足感があるのでしょう。
だから、主人公というキャラクターに対して、やっと結城理という肉付けができたという満足感が得られるのは、主人公を演じ続けてきた僕の特権といえるでしょう。今回、パッケージに結城理とクレジットされていることに日本で一番喜んでいるのが僕です。
豊口めぐみ (岳羽ゆかり 役)
完成した劇場版アニメを見て、まるで誰かがプレイしているゲームを見ているかのような気分になりました。それくらい原作ゲームを大事にされているなぁと思ったのです。
ゆかりの声を初めて収録した日、ゲーム冒頭のチュートリアルシーンもあったかと思いますが、なんだかとにかく凄い量のセリフを、プレイヤーさんにご理解いただけるようにするのに格闘した記憶があります。
あれから数年の時を経ての劇場化。
今回は時間との闘いでした。
年齢との (笑) ということもありますけど、単純に数年前に戻るだけではなく、関係性も0へ戻す。今は知ってしまっていることを、いかに知らないように演じるか。
しかし、ペルソナ3のメンバーは凄いです。
みんなの声を聞いて、あっという間に昔に戻った気がしました。またこの方たちと物語を紡げること、本当に嬉しく思います。
初めて見る方も、ゲームをプレイしてくださった方にも楽しんでいただける作品になっております! いろんなとこにニヤリなものが散りばめられているようです。
劇場で見つけられなかったもの、見つけてみてくださいね。
鳥海浩輔 (伊織順平 役)
祝・劇場版・アニメ化! このお話を最初に聞いた時は本当にうれしかったですね。ゲームの収録からは、もう片手じゃ足りない年月がたっていましたし、ドラマCDやゲームの続編なんかは収録してましたけど、アニメ化はもうP4がやっちゃってたし (笑)。流石にないだろと思っていた、いや、そんな事も思わなくなっていた時に、ですから。この作品は個人的に非常に思い入れのある作品です。もちろん伊織順平というキャラクターも。そんな作品がアニメ化、しかも劇場版ということですからね。「やっちゃうよー俺!」ってなカンジで収録前からワクワクしてました、珍しく。実際の収録も皆さんが一言セリフを言う度に、「ああ、そうそう」みたいな。
なんかとても楽しかったなあ。うれしい事に、劇場版も一本で終わりではないので、観てくださる方達にもたっぷり楽しんで頂けるのではと思います。我々も力一杯演じていきます! まずは、この第1章を堪能して下さいませ。
能登麻美子 (山岸風花 役)
元々ペルソナの世界観にとても魅力を感じていました。ストーリー、映像、作品全体に漂う雰囲気、作品を包む空気感。ありそうでない。ペルソナという作品だけが持つ独特の “何か”⋯。うまく言葉では表現出来ませんが、人を惹きつける力を強く持っている作品だと思いました。
そして、それらの全ては劇場版でも素晴らしい形で表現されていて、初めて映像を見た時、心がとても震えたのを今でも強く覚えています。キャラクターを再び演じることが出来たのも大きな喜びでした。ゲームと同じように、この劇場版も皆様に永く愛されることを願っています。
田中理恵 (桐条美鶴 役)
第3章の公開を目前に控え、第2章のパッケージが発売ですね。勿論、第1章も劇場で見て Blu-ray/DVDでも何度も見ましたが今回の第2章はなんと言っても美鶴のペルソナ召喚ですね。
劇場でも見て、ゲームでプレイして美鶴のペルソナ召喚の時以来の感動でした。第3章の劇場公開を見に行く前にぜひ! また第1章 第2章を何度も見て貰えたらなと思っています。
学園生活をまた主人公と共にもう一度 「ペルソナ3」の世界でやり直す気持ちで演じています。アルカナ・女帝に負けじと今後も第3章でも頑張って参ります。
劇場で見られずに今回から初めて見られるかたも、劇場で見てくださってもう1度、何度も見てくださるかたに感謝の気持ちと今後とも「ペルソナ3」をよろしく! という気持ちと、愛を込めて⋯!
緑川 光 (真田明彦 役)
Blu-ray/DVDお買い上げありがとうございます。
やはり、ゲームから引き続き応援して下さってる方が多いのでしょうか? 長い事この作品を愛して下さって本当にありがとうございます。
正直、「ペルソナ3」 のアニメ化は諦めていたのですが、まさかの劇場映画化と言うことで、めちゃめちゃ驚きましたよ (笑)。
テレビアニメ化だとクオリティが微妙な場合もありますが、劇場アニメなら高水準のクオリティは約束されたも同然ですからね (笑)。
しかも、毎回監督さんが変わるシステムという事で、その都度、見せ方が異なっているのは、とても面白く感じます♪
この辺は劇場で1回見ただけじゃわからないでしょうから、シリーズ通して、Blu-ray/DVDで繰り返し何度も見て頂けると幸いです (^-^)
緒方恵美 (天田乾 役)
「ペルソナ3」 劇場アニメ化を喜びつつ、第1章は映画館でお客さんとして観ていたので、やっと来たか! と嬉しかったです (笑)。
映画の天田はゲームより素直に描かれていて⋯だからこそテストでは逆にスルッと演れてしまったんですが、そんな自分自身にココロのどこかに潜んでいた「天田のカケラ」が違和感を唱え (笑)。
監督や音響監督と相談し、少しだけゲームの雰囲気に近づけることになりました。結果、素直だけどちょっぴり大人びた、思慮深さのある少年になれた気がします。魅力的な原作の中から、時間の関係でエピソードを絞られてしまったのは残念ですが (スタッフの皆様も苦渋の決断かと⋯!)、その中でも必要な静寂や、逆にたたみかけるような部分、更にコミカル・シリアスも絶妙なバランスで配置されていて、変な言い方ですが本当に「映画的」な、素晴らしい作品に。
田口監督以下、皆様のお力で⋯参加させて頂けたことを本当に嬉しく思います。
連作の途中ではありますが、渾身の1本。愉しんで頂けたら幸いです。
中井和哉 (荒垣真次郎 役)
荒垣君とはゲームの収録で出会いました。よもやこんな長い付き合いになるとは思わずに。もちろんそこでも彼は物語の半ばで散っていく訳ですが、別に寂しさはありませんでした。
なにぶんその日に出会って、別れたものですが1回限りのキャラクターとの関係って大体そんなものです。
ところがその後、私は数々のドラマCDで再び彼と出会い、彼の色々な面を知ることになります。今にして思うとそれはまさに劇場版「ペルソナ3」第2章、夏休みのワチャワチャとした雰囲気に似て、多少羽目を外しても許される空間。こういう企画に多くはゲーム本編のムードから外れたお遊びで、楽しくはあっても意味などないのが常なんですが、私と彼にとっては重要な時期になったようです。
やがて絶対に訪れる別れをどこかで意識しつつも、楽しい日々を過ごしていました。
そして時は流れ、ブランクがあって。彼を心の奥にしまっていたところへの劇場版。そのシビアな舞台で決定的な別れを経験した今、私は今度こそ、心底寂しいと思っています。
神奈延年 (タカヤ 役)
「タカヤ」というキャラクターに出会って、もう何年たったのか? 基本は悪役なのでしょうが、彼の生き方は大まかなところでなぜか共感できるところもあるのです。この物語で「終わり」に対しての向き合い方、全てを受け入れ、今を生きる。しかし⋯その生き方に、光ある明日を見出していないところが、この物語での彼の役割たる所以でしょうね。僕はやっぱりこの状況なら、理たちのように抗うとおもいます! タカヤを演じる上に於いて、気をつけたところは、彼の風貌を損なわないように、柔らかく話すようにし、その中に刹那的な思考、そこから生ずる恐ろしさも混ぜてみました。
沢城みゆき (エリザベス / チドリ 役)
この「ペルソナ3」という作品では、私はエリザベスとチドリという二役を演じさせていただいてきました。前者は「発言されているわけではありませんが)いわゆる “永遠の命”、後者は “刹那の時を生きた命”、という対照的な印象があります。この第3章は正にチドリの命の花がパッと咲いた大切な映画となりました。⋯彼女がむかえたエンディングを思うと、散った、と言うべきかもしれませんが側にいた私には不思議と、美しくきらきらとした温かい花を抱いたままの体感が残っています。皆様にも優しく見届けていただけたら幸いです。⋯さて、第4章ではエリザベスさんの⋯いつもとは少し違った? 面が見られるかも?? お楽しみに!
小野坂昌也 (ジン 役)
ジンはおわかり頂けるように大阪弁のキャラクターなのですが、他作品などで演じさせて頂く大阪弁のキャラクターは、だいたいツッコミ役だったりおちゃらけているパターンが多いので、そういった意味で言うと、ジンはなんとなく大人しいキャラクターで珍しいな、と思いました。ただ、大人しいとは言えキャラクター性を出さなければいけないので、性格を作りつつ、他のキャラクターとのバランスをとるのが難しかったです。特にジンは無口というか、あまり話さないキャラクターなので性格が掴みづらかったというのもありました。ゲーム収録時は基本的にキャラクター作りは任されていて自分主導でキャラを作っていけるのですが、アニメとなると全員のポジションとのつり合いをとらなければいけないので、音響監督と微修正を重ねていったのを覚えています。
石田 彰 (結城 理 役)
劇場版「ペルソナ3」にまつわる妄想
結城理にとって劇場版「ペルソナ3」の全4章はデスを���の身に封印され、心が虚ろになってしまった彼が、特別課外活動部の仲間達とのふれあいを経て、その中身を満たし直していくまで の過程をたどる物語でした。
理の記憶の甦りという物語構成の妙として、時間軸とそれが公開されるタイミングがズラされていたりしたので、ゲーム版に触れたことがない観客の皆さんは初登場時の理の立ち位置に一種の不気味さを感じたのではないかと思います。そのうえ各章で起こる事件は、例えばゆかりの父親に対する誤解や順平とチドリの一件、荒垣先輩と天田くんの関係など暗くて重いものが多い印象です。しかしそういった明るくてハッピーなものばかりではない、人が内側に抱え込んでいる傷の部分をきちんと描いたからこそ、彼らに出会ってそれを見つめることになる理も、章が進むにつれて、本来、人として持っているべき大切なものを、欠けることなく獲得していけたのだと思います。
劇場版 「ペルソナ3」の全4章が観客の皆さんに受け入れて頂けたのも、ゲームで体験したストーリーを映像で見てみたいという興味の他に、そんな理の見る景色に影響され同調することで、その先の展開が気になったからという部分もあったのではないでしょうか。このように人の心を構成する様々な経験の起伏を描いた劇場版「ペルソナ3」ですが、そもそもペルソナという単語は僕の理解では心理学周辺で出てくるものですよね。
一番初めのゲーム収録でこのタイトルと内容を知ったときに、バトルをするための自分の化身をペルソナと呼ぶなんて、何でシャ レてるんだと思ったものでした。人が対外的に自分を表すためにかぶる仮面。それが敵、自分に向かってくるモノと戦うための武器になる。これは日常のコミュニケーションそのものに見えます。だから、そういうペルソナを本来の意味を考えると、理だけが一つのペルソナの進化という形ではなく、初めから複数のベルソナを使い分けられるというところにも自分なりに納得のいく理屈をつけることができそうです。心の中が空っぽの理には端から対外的にどう見られたいという願望がありません。そんなことは彼にとってはそれこそ「どうでもいい」ことであって、どう見られても構わないからこそ、かぶる仮面を一つに限定する理由がないのです。どうでしょう。自分としてはこの理由付けの仕方、なかなか気に入っています。理が空の器であったと捉えることで、映画の登場人物として物語を展開させていく大きな必然性を持たせることにもなるのです。結城 理の物語はゲームの枠にとどまらず、映画化という展開にも充分耐えうるポテンシャルを持っていた、だから映画化されるのは必然だったというのはちょっと暴走し過ぎでしょうか。暴走ついでに、第4章『Winter of Rebirth』のクライマックスシーン。これまでの経験を経て、一度無くした人間性を取り戻し、中身を満たすことができた理は、かつて母親が自分にしてくれたように、仲間を生かすために自分の命を投げ出すという境地にまで達します。そこには第1章『Spring of Birth』の頃の己の死の恐怖に対するどうでもよさから来る蛮勇はありません。自分たちが存在した証を守り残すという全員の目標を果たすために、理は自分を満たしてくれた、自分を再構成するためのエレメンツをくれた仲間と彼らが生きていく世界を、今度は自分が数おうとしました。そしてそれが自己犠牲的発想に基づく行動だったのは皆さんも感じられた通りです。そのために数多くのペルソナという仮面をかぶることができる理が、ことごとくそのペルソナを打ち砕かれ、最後はその仮面をかぶらずに先へ進む。これはなかなか象徴的なシーンだとは思いませんか。
「生きろ」と自分に伝えてくれた母親と同じ言葉を仲間に託していく。母親が我が子を思う母性愛が、究極、無上のものであるならば、仲間たちとの間にその無償の愛情を注げるまでの絆を楽いた理の内面は、完全に人間としての形を取り戻したと言えるでしょう。それに加えて、ペルソナという仮面をかぶらない形でしか最後のステージに上がれないという仕掛けが用意されているわけです。これはニュクスという究極の敵、環境、世間に立ち向かえる力を宿す場所はその人の本質的な部分にしかない、虚飾の仮面を被った姿では無理なんだというメッセージにも見えるわけです。また、敵を倒すときにはペルソナという仮面をまとい、大切な人を守るときには自分の素の姿をさらけ出すことが必要だったという構図も暗示釣です。自分なんかはとてもじゃないけれど素の自分をさらけ出したところで強さに結びつくとは到意思えないと言いたいところですが、一度リセットされ、新たに経験を積み直した理は、人より先に一つ上のステージ、命の答えに到達しているのです。もはや凡人ではありません。フィクションとはいえ、影時間でシャドウと戦う使命を与えられたのが理達で良かったとつくづく思います。もしも僕だったとしたら、命の答えにたどり着くのはまだまだ先のことでしょうから、世界は予定通り1月31日に終わっていたでしょうし、そうなったらこの妄想が世に出ることもなかったでしょう。そう考えるとそれもアリだったかもしれませんけどね。
坂本真綾 (アイギス 役)
アイギスというキャラクターに出会ったのは、もう10年も前のこと。まさかこんなに長い年月を一緒に過ごすことになるとは、当初は思っていませんでした。多くのペルソナファンの皆さんに愛されて、このたび映画という形でもう一度みなさんに再会することができました。大きなスクリーンでアイギスや、大好きなキャラクターたちが活き活きと動きまわる姿を見ることができ、とても嬉しかったです。彼らが絆を築き上げていく過程、真正面からお互いにぶつかっていこうとする姿勢に何度も胸打たれました。
アフレコの度に感じたことですが、この作品に関わっているスタッフさんや、キャストの皆さん、本当に作品への愛情が深くて、とても喜びに満ちた表情で収録に臨んでいらっしゃいました。その雰囲気は、完成したフィルムにもきっと滲み出ているのではないかと思います。
ついに完結となり、寂しさもありますが、達成感のほうが大きいです。アイギスと出会えたことに改めて感謝の気持ちでいっぱいです。
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chisasarasa · 3 months
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240309
電車に乗って、水族館へいく。 いろんな電車が楽しい。 窓から見える景色が楽しい。 みどりがたくさんで、畑だらけだった。 寒かった。寒くて、少し疲れて、ダメになってしまった。 あざらしの水槽がみえるカフェで休んだ。ワイヤレスイヤホンを耳栓にして、周る。 カブトガニの血は青いらしい。 何年か前に友達といった喫茶店で何年か前にも食べたあんもち雑煮を食べた。 本屋にいく。 ひらけた本屋さんだった。雰囲気がひらけていて、いつもと異なる本を手に取る。 もし、この本屋さんにも本を置いてもらえたら、と思ってしまう。 夜、ロースかつ丼を食べたら、お腹がぱんぱんに膨れた。
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240310
栗林公園へいく。 昨日より少しあたたかい。天気予報をみると、毎日、明日があたたかくなるらしい。 小さな一室から池を眺めながら朝粥を食べる。 自分も景色になって、ゆっくりと味わった。 おかゆは碁石茶というお茶で炊いた茶粥らしい。ふくよかな風味がする。落ちつく。最後の一口まであたたかだった。お皿にのったひとつひとつもおいしくて、とにかく丁寧に、口へ運ぶ。香川県についてから、どこでも出てくる平らな豆はしょうゆ豆ということを知る。好みの味付け。 庭園を歩く。 松、桜、ソテツ。 植物のことなんてよく知らない��� 配置されて、石、池。歩いて、歩くということが楽しかった。 うどんのマグネットを買った。家の冷蔵庫にはるのが楽しみ。 きつねうどんを食べて、フェリーに乗って、直島へいく。 地中美術館。 モネの睡蓮の前にずっといたかった。 言葉になんかできない。わたしの内側に波紋が広がって、何も考えられず、感じることしかできなかった。 この美術館のこの絵の前で天使に連れ去られたいと思った。
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240311
布団の中で目をあけても、カーテンの向こうはまだ暗くて目を閉じた。 夢をみつつ再び目をあけても、まだ暗くて、いつになったら朝がくるのだろう、と思っていた。 アラームが鳴って、起きたらすっかり朝だった。もったいないことをした気持ちになる。 日記を書いて、絵を描こうとしたら緑色の色えんぴつがなくなっていた。残った4本中3本の芯が折れていた。 ホテルの部屋にあるベンチが少しの荷物を置くのにちょうどよくて、自宅にもほしくなる。 借りた自転車で坂道をのぼっていく。 海はきれいで、きれいだったけれど、心底つかれた。自転車は平地を漕ぐもの。 ガラスの茶室があった。 硝子って物体としては存在しているのに遠名で、見通せるんだ、とあたりまえのことに感動していた。 松があって、海がみえて、ガラスの茶室の景色は最高だった。
海がずっときらきらしていた。 ずっときらきらしているから、ずっときらきらしているねって何度も言った。 フェリーに乗って、高松について、レンタカーでドライブ。 街がきらきらしていて、大発見をしたような気持ちになった。 電気だって、ひかりだ。
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●お知らせ
吉祥寺にありますGALLERY IROさんにて、「部屋があかるい」というタイトルで、ドローイング作品や日記の展示をしています。 残りの会期は、7/5(金)-7(日)です。
オンラインストアでは作品の写真をみることもできますので、ぜひ。 Tumblrにのせている正方形のドローイングはオンライン販売はありませんが、展示はしています。ギャラリーでは購入もできます。2023年以前の日々のドローイング。
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Tumblrみていただいている方に来ていただけたら特に嬉しいです。わたしの在廊はないのですが… 東京は梅雨でしょうか…北海道はさらりと晴れています。 お散歩しづらい時期かもしれませんが、気分転換などに覗いてみていただければ嬉しいです。 (雨の日に合うという感想がよくきこえる展示になっています)
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parkhabiomaster · 1 year
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ザ・パークハビオ
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江戸川区の最大の特徴は、区民の平均年齢が41.4歳と23区の中で最も若いことです。 これは、特に子どもの数が数字に反映されるためで、平成24年1月1日時点の東京都の市区町村別年齢別人口統計によると、0歳~14歳の人口比率は約17%を占めています。 私はここにいます。 国勢調査のデータによると、28.3%が既婚子持ち世帯、19.0%が4人以上の世帯、3.35%が3人世帯で、いずれも23区の中で最も高い。 合計特殊出生率は 1.45 で、23 区平均の 1.16 を大きく上回っています。 江戸川区といえば、東京東部臨海部の繁華街を代表する区の一つですが、太平洋戦争では大型台風の直撃や家屋倒壊など大きな被害を受けました。 . 海抜が低い地域と揶揄され、津波や洪水の危険性が高いことが懸念されています。ザ・パークハビオ
臨海部の住宅開発により、子育てしやすい区として多くの若者の流入に成功しています。 ディズニーランドに行きやすいところも、子育てファミリーの魅力の一つかもしれません。 支援制度は子育て世帯だけでなく、中高年向けの「家賃補助制度」や高齢者向けの配食サービスなども充実。 区内のスポーツセンターも温水プールなど設備が充実しています。 やはり海抜の高い地域が多く、自然災害のリスクが高いからです。 しかし、家賃が安いので外国人も多く住んでおり、国際色豊かな街です。 492haの広大な敷地を持つ葛西臨海公園は緑豊かで砂浜もあり、日本の渚百選にも選ばれています。 動物園併設の公園もあり、区内の公園面積は756haと23区の中で最大です。 水族館では魚も見ることができます。 区内を流れる江戸川や那珂川でも自由に遊べます。 荒川沿いには2003年に小松川千本桜、2013年には新川千本桜が完成し、多くの市民に人気の花見スポットとなっています。 江戸川区は若者の流入が活発ですが、江戸時代から庶民の街として栄えた長い歴史を持つエリアです。 江戸川区には伝統工芸品や特産品もあります。
江戸切子は東京都の伝統工芸品の一つで、主に江東区、江戸川区、墨田区などで作られています。 ガラスの表面に金の板や砥石を使って様々な模様を刻む技法です。 18世紀初頭頃から鏡、眼鏡、風鈴などの製造が始まり、明治時代に入るとヨーロッパの技術が導入・近代化され、東京の地場産業となりました。 2002年には東京都の伝統的工芸品に、2014年には経済産業省より国の伝統的工芸品に指定されました。 もうひとつ、江戸川区を代表する商品が小松菜です。 江戸時代の将軍が江戸川区の小松川村に鷹狩りに訪れ、小松菜の入った澄んだ汁を好んだことから村名がついたと言われています。 江戸川区は今でも作付面積第1位。 カルシウムや鉄分を多く含み、今や全国どこでも一年中食べられる野菜になりました。 現在、江戸川区がこの小松菜のブランド化に取り組んでおり、生で食べられる新しいサラダ小松菜が誕生しています。 近年、急激な人口増加により若い世代に人気の江戸川区ですが、治安面で不安の声も多くあります。 子供が多く、ディスカウントスーパーもあり、都心へのアクセスも便利という利点から、空き巣や強盗などの犯罪が多発しています。 長い間、江戸川区は北側を鉄道しか通っていない交通アクセスの悪さから「孤島」と呼ばれていました。 1969 年の東西線開通、1983 年から 1986 年の都営新宿線開通以降、この問題は徐々に改善されてきた。
現在、都心と千葉エリアを結ぶ東西線は完成していますが、区の南北を結ぶ鉄道路線はなく、交通手段はバスのみ。 バスの路線数を増やすなどの対策がとられていますが、1世帯あたりのマイカー保有率は23区内で5位であることからもわかるように、クルマは生活の必需品です。 杉並区は23区の西部に位置しています。 区名は青梅街道沿いに杉の木が植えられたことに由来するが、現在はそのような木はない。 杉並区は、関東大震災後、多くの人が杉並区に移り住み、郊外住宅地として発展してきました。 緑被率は23区で3位、人口密度は11位というデータを見ると、広々とした住宅が立ち並ぶ街であることが想像できます。 震災後に杉並区に転居した者のうち、富裕層は防災のため都心部には戻らず、杉並区にとどまり、広々とした邸宅を建てて優雅な生活を送った。 戦前から文人や画家など多くの文化人が暮らしてきた。 杉並区は、専業主婦の就業率23位、専業主婦率1位、シングルマザー率1位、離婚率23位、高卒大学進学率が高い区です。 . 東京の山腹を代表する住宅地の多いエリアです。 そして杉並区の魅力はそれだけではありません。 沿線には若者が多く住むエリアがあり、安くて魅力的なお店が並んでいます。
意外にもレジャーマダムだけでなく、若い人も多いです。 杉並区は専業主婦が多く、広々とした家で優雅に暮らすだけではありません。 杉並区に住む年齢層別の住民比率を見ると、18~29歳の若者の割合は男性4位、女性2位、全体では3位です。 中央線沿線の吉祥寺、荻窪、西荻窪、阿佐ヶ谷、高円寺エリアに多くの若者が住んでいます。 個性豊かな雑貨店や古着屋、古本屋、ジャズ喫茶、ライブハウスなどが軒を連ねるエリアです。 生活しやすい大きな商店街もあり、乗り換えなしで移動できる新宿へのアクセスも非常に便利です。 昭和の高度経済成長期に生まれ育った人にとっては、広大な土地を持つ一戸建てが杉並の生活かもしれませんが、20代の若者にとっては、音楽や古き良き文化、 、 バラエティショップに囲まれ、毎日刺激を受けながら生活を楽しめるのが杉並の魅力です。 この2つの特徴が、杉並区が住みたい街として人気の理由です。この2つの文化がうまく受け継がれ、融合し、独自の杉並文化が生まれています。 現在、杉並区では音楽を通じたまちづくりに積極的に取り組んでいます。 設備の整った公会堂や毎年恒例の音楽祭など、音楽の街としての地位を築いてきた杉並区。
アニメも地場産業の一つと捉え、その発展支援にも取り組んでいます。 荻窪音楽祭は杉並区を代表する音楽活動の一つです。 21世紀荻窪考える会が主催し、クラシックコンサートを通じて荻窪のイメージアップに貢献してきました。 荻窪駅周辺の銀行、協会、音楽スタジオ、喫茶店など様々な場所で期間限定で音楽フェスが開催されます。 運営スタッフを募集し、ボランティアで開催しています。 無給のスタッフに加え、街のバリアフリー化や音楽祭開催のスポンサーを募り、音楽祭の資金を募っています。 区民が運営側と出演者に分かれて開催する荻窪音楽祭は、2016年で28回目を迎え、町おこしの一大イベントに成長しました。荻窪音楽祭の他にも、 もう一つの有名な音楽イベントは阿佐ヶ谷ジャズストリートです。 1995年のスタート時は、小学校の体育館や企業ロビー、ライブ会場など13会場で開催されていましたが、現在では60会場以上に規模を拡大。 音楽の力で街を元気にするために始まったこのイベントも、地元の有志によって運営されています。 全国に600のアニメスタジオがあると言われ、そのうち70以上がここ杉並区にあります。 杉並区にアニメ関連の企業が多く設立されたのは、自社の住居を確保したことと、交通の便がよかったからです。
杉並区は都心へのアクセスが便利なだけでなく、静かで広々とした緑豊かな環境で仕事に没頭しやすい環境です。 杉並区は、日本で初めてアニメを地場産業として位置づけ、その発展を後押ししています。 2014年3月には、線路下にアニメ関連のショップが集まった施設「阿佐ヶ谷アニメストリート」をオープン。 日本のアニメーションの歴史を紹介するアニメーションミュージアムも開館し、展示のほか、ワークショップやアニメーションの上映会など、さまざまなプログラムが用意されています。 アニメウォークという街歩きイベントも。 アニメーション制作者と視聴者が交流する場として、アニメーション産業の発展をサポートするイベントです。 練馬区は、1947年8月に22区制であった板橋区から分離して設置されました。 練馬区は、東京都の北西部に位置し、23 区の中で最も標高が高く、面積は 23 区で 5 番目、人口は 2 番目です。 まだまだ畑が多いことから「緑豊かな区」というイメージを持たれている方も多いと思いますが、区は農地だけでなく公園もたくさんあります。 緑の多い練馬では、農業が主要産業の一つです。 2013 年 1 月現在、農地面積は 240ha で、23 区の中で第 1 位です。 農家数も372戸と1位ですが、33%の農家が農地面積0.3ha以下、約4割が農家収入0~49万円、500万円未満です。 9割のデータを見ると、大規模な農業をしている人は少ないことがわかります。 1975 年に 746 ヘクタールの農地と 1,342 戸の農家があったことを考えると、農業が衰退していることは明らかです。 農業以外にも、練馬の知名度を上げたアニメがあります。
練馬区には、90 を超えるアニメ関連企業、大学の芸術学部、音楽大学もあります。 都心へのアクセスの良さ、緑豊かな環境、家賃の安さは漫画家志望者の求める条件であり、日本を代表する漫画家が次々と誕生しました。 農業では地元の特産品をブランド化することが多いですが、かつて練馬には練馬を代表する野菜である大根がありました。 練馬大根は江戸時代から盛んに生産され、明治時代になると日清戦争や日露戦争により需要が高まり、その名は国内外に知られるようになりました。 大正時代になると、首都東京に人口が集中し始めます。 この頃から、練馬地区は都心部の農産物の供給拠点となり、その役割は年々強くなっています。 最近では大根の生産も盛んです。 練馬の農業は、鉄道の開通により流通が活発化し、拡大期を迎えました。 練馬大根の最盛期は、明治末から昭和初期の約25年と言われています。 昭和の終戦とともに、それまで大根漬けの一大供給地であった軍部の解体により、大根の生産は衰退し始めます。
大根の収穫は大変だったので、農家は大根からキャベツに主力生産を移しました。 現在、大根は練馬ではほとんど生産されていません。 農地面積は、1975 年の 745.6ha から 239.8ha へと減少し、2012 年度には 3 分の 1 以下となった。 練馬区内の農家・農家数は、1975 年の 1,342 世帯・7,232 人から 2012 年には 498 世帯・1,075 人に減少している。 、ブルーベリーとブドウ、およびその他の植物の 3,549 ヘクタール。 平成23年度東京都土地利用面積データによると、練馬区の農地利用率は区総面積の5.1%で第1位。 23区で最も農業が盛んな地域ですが、全体として農業の規模は縮小傾向にあります。 農産物の出荷量や作付面積は減少していますが、練馬区ではこれまで培ってきた農業のノウハウや既存の人材を活かし、農業を観光資源として活用しています。 大都市東京に近いという利便性を活かし、練馬区には現在約30のブルーベリー農園があります。 農業を観光資源化し、他地域から多くの観光客を呼び込む練馬の生き残り策の一つとして注目されています。 また、小学校での総合学習の一環として、区内の田んぼや果樹園を積極的に小学校に開放し、次世代への農業振興を積極的に行っています。 小中学校での田植え、カキやキウイの選別、受粉・収穫、野菜くず・残飯などの体験を通じて、子どもたちの農業への関心を高める活動。 肥料にリサイクルされています。 日本のアニメーションは、その技術とソフトウェアの両面で海外から高く評価されるようになりました。
練馬区は、日本一のアニメタウンとしてアニメ発展の歴史に深く関わってきました。 区内のアニメーションスタジオが日本初のアニメーションを制作し、1963年にはテレビでアニメの放送が始まりました。 当時の漫画家や後に有名になった漫画家のほとんどが練馬区で働いていました。 現在でも90社以上の関連会社が練馬に集まっています。 練馬区では、区が主体となってアニメ産業を戦略的に強化するための政策を策定するとともに、多数のアニメ関連産業を誘致することで区内産業全体の活性化に向けた活動を行っています。 国勢調査によると、2000年から2005年までの中央区の人口変化率は135.7%、2005年から2010年までは124.8%でした。 どちらのデータも、日本で最も高い人口増加率を示しています。 これを見ただけでも、中央区がますます人で賑やかになっていることが想像できます。 また、2020年のオリンピックに向けて、晴海に選手村が建設され、敷地内に約6,000戸の住宅が建設されます。 江戸時代から現在に至るまで、日本の文化・商業・情報の中心地として発展してきた中央区は、今後も人口が増加し続ける日本最大級のメガシティとして君臨しそうです。 順調そうに見える中央区ですが、紆余曲折がありました。 現在増加傾向にある人口は、1960 年から 1980 年までの 20 年間で 16 万 1000 人から 8 万 3000 人に減少しました。失われた人口を補うために、区は住宅建設を促進するためのさまざまな政策を導入しました。 中央区は区内定住者数の増加に成功したものの、その生活を支えるスーパーマーケットなどの商業施設や、子育て世帯が望む大規模な公園が不足しています。 便利で住みよい街を目指した地域づくりが今後の課題と言えます。 中央区だけでなく、現在の千代田区や港区などトップクラスの23区でも入居者が減少。ザ・パークハビオ
この時期は「都市のドーナッツ化現象」と呼ばれた。 高度経済成長期と呼ばれる1954(昭和29)年から1973(昭和48)年は、急速な都市化の時代でした。 石炭から石油へとエネルギーが変化する中、東京湾沿岸には次々と工場が建設され、産業が発展していきました。 都市部の工業化が進み、所得が増加した結果、裕福な人々はより良い生活を求めて広々とした家に住みたいと思うようになり、郊外に一戸建てを購入するようになりました。 私はそうでした。 この時期、都心部の大企業のオフィスや工場が集中する地域から、快適な住環境を求めて人々が離れていった。中央区では1957年から人口が減少に転じた。 バブル期に入り、中央区の地価が上昇したことで人口はさらに減少し、2000年1月1日現在、69,695人にまで落ち込んでいた。 バブル期の終焉後、都心部の不動産が大量に解放され、比較的安価な住宅が大量に供給されるようになり、都心部に住む人が増え始めました。 これがアーバンリターン現象の始まりです。 中央区は1981年に定住人口10万人を宣言し、1988年には定住人口回復の年を宣言した。 続々と紹介されています。 これらの施策により、長年減少傾向にあった中央区の人口は1998年から増加に転じました。 隅田川流域の住宅開発により、30~44歳の子育て世代の割合は33.9%を超えています。 これは、23 区の平均である 26.0% を大幅に上回っています。 2005 年から 2010 年までの 6 歳未満の子供の人口増加率は 56.0% と、23 区の平均である 5.7% をはるかに上回っています。 2020年東京オリンピックを控え、全国から注目を集めるエリアとなる中央区。 人口が増加の一途をたどる一方で、生活関連施設の整備が遅れています。 前述のように、日常の買い物ができる店舗はまだまだ不足しています。 大型スーパーはなく、食品スーパーも少ない。 ミニスーパーも増え、買い物の悩みも少しずつ解消されつつあります。 また、緑被率が23区内で最も低いことからもわかるように、緑のある公園の数は非常に少ないです。
浜離宮公園を除く公園面積率は23区中20位。 小さいお子さんがいるご家庭にとっては、外で遊べる場所がないというのは深刻な問題です。 現在、中央区内にはオリンピック選手村跡地や築地市場跡地など、いくつかの再開発候補地があります。 これらの広大な敷地を今後も住居専用にするのか、それとも緑の広場を追加するのかについては、議論の余地があります。 東京都が作成した東京都の人口によると、千代田区の人口は昭和35年以降減少傾向にある。 都心復帰の影響。 2016 年 1 月 1 日現在、千代田区の人口は 55,131 人です。 東京23区の中でも大きな役割を担う千代田区は、一言で言えば昼と夜の人口差が最も大きい区です。 昼間は人口が多く、夜間と夜間の差は20��。 日本一にぎわうオフィス街��は家がほとんどなく、夜もほとんど人がいません。 千代田区は23区の中で最も人口が少ない区です。 居住者が非常に少ない地域です。 夜間の人口が少なく、昼間の人口が多いということは、この区は昼間に多くの人が働きに来る場所です。 千代田区は業種別に分類しやすいです。 丸の内や大手町は大企業が集積するビジネス街であり、日比谷や有楽町は銀座の繁華街に近いため商業施設や娯楽施設が充実しています。
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kachoushi · 2 months
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各地句会報
花鳥誌 令和6年8月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和6年5月2日 うづら三日の月句会 坊城俊樹選 特選句
ホロホロと鍬に砕ける春の土 喜代子 亡き猫の声かと覚む春の闇 同 四姉妹母に供へる柏餅 由季子 薫風にうだつの揚る港町 都 青嵐甍の波をひとつ飛び 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年5月4日 零の会 坊城俊樹選 特選句
誰待つや水子地蔵と風車 毬子 愛宕山水の匂ひのして立夏 光子 湧水の鯉は真珠になりたくて きみよ 虎ノ門ヒルズそれとも蜃楼 光子 そそくさと愛宕詣での蟻ひとつ 三郎 新しきビルの隙間にある新樹 久 常盤木の落葉は坂の底の底 小鳥 日傘手に男の上る女坂 昌文 虎ノ門ヒルズ這ひ来し蚯蚓かな 美紀
岡田順子選 特選句
新緑の堂宇律する木魚かな 毬子 猿寺のへその緒めきし花藻かな 小鳥 耳に髪かけたる指が蝶を呼ぶ 和子 生まれては緋目高といふ名を借りて 小鳥 風車回らぬほどの風を受く はるか そそくさと愛宕詣での蟻ひとつ 三郎 馬駆けし愛宕山とは蝶ひとつ 俊樹 緑蔭のどれも過去向く拡声器 きみよ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年5月4日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
壱岐対馬越えて釜山へ卯波立つ たかし 人を待つ昂りに似て卯浪立つ 孝子 春愁はもつれたあやとりの紐 修二 さまざまの風に出合つて若葉かな 孝子 逃水を追ひいくばくの疲労感 修二 しやぼんだま戦火の子らに向けて吹く 朝子 雲雀の巣踏み潰し行く重戦車 たかし チューリップ手足ふつくり乳母車 成子 八方に餓鬼うづくまる黄砂かな 朝子 糸柳お岩は細き指を垂れ 修二 十字架を仰げば風の薫りけり 孝子 廃校の土俵に花の散りしきぬ 朝子 卯波立つ沖を眺めて昼の酒 かおり
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年5月6日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
柿若葉母の天麩羅語り種 和魚 ふくよかに葉音さらさら風五月 聰 山匂ひ水音響く五月かな 三無 沖へ帆の連なりわくや風五月 聰 パステルを選びて描く若葉山 ことこ 浅間への雑木若葉の葉音きき ます江 岩に波飛び散る光五月来ぬ 秋尚 日に濡るる若葉見上げつ峠越ゆ 三無 鯖街道歩きしところ穂高見ゆ ます江 甥つ子の声変はりして五月来ぬ 美貴 風五月江の電海へ大曲り 三無 思ひやる言葉を選び五月の夜 貴薫
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年5月6日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
蛇穴を出でて振り向く顔もたず 雪 聞きに来よてふは椿の落ちる音 同 女踏む如く男の踏む椿 同 藤房の先に見えざる風生まる かづを 葉桜の神社まはりを鎮めをり 匠 アイリスを活けてサツチモ聞く深夜 清女 朧夜や母に逢ふ夢覚めやすき 笑子 荷を解けば青き匂ひの莢豌豆 希子 葉桜や旧制校のありし跡 泰俊 万象の輝く五月来りけり 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年5月11日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
やはらかき音の騒めき若楓 秋尚 結び目に母の思ひの粽解く 百合子 リハビリを終へて正午や街薄暑 恭子 中子師を偲ぶ五月の句座なりし 亜栄子 樟若葉風に煌めく音静か 秋尚 海の風山の風吹く捩花 亜栄子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年5月12日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
何某の宿祢の杜やかかり藤 都 花祭瑞雲を呼ぶ釈迦の指 宇太郎 余花の雨幹の裂傷深くして 都 新緑にろ過され朝の息甘し 佐代子 手に湿り春椎茸の肉厚く 和子 葉桜の土手ゆく白き犬曳いて 悦子 老眼のルーペで愛でし花楓 宇太郎
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年5月13日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
後遺症無いとは云へず蝶の昼 清女 福助の貯金箱あり五月晴 ただし 手鏡の髪なで乍ら土用干し 世詩明 戻り来て剥がす日めくり四月馬鹿 ただし 花卯木友と語りし通学路 英美子 金色の囲む在所や麦の秋 みす枝 夏来るシャンパングラス走る泡 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年5月13日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
紙灯篭復興祈る輪島初夏 みえこ 初夏の列車に恐竜描かれし あけみ 花水木街路にいつか咲いてをり 令子 折紙の金環太き鯉幟 実加 祭町子等のよろこぶ菓子選び 令子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年5月14日 萩花鳥会
鴨ゆきて燕戻りて川住居 祐子 花の雨抜けて仮眠の深夜便 健雄 残されしボール一つに浅き夏 俊文 更衣する間も無くて半袖に ゆかり 水田の浅瀬泳ぐや鯉のぼり 明子 急階段挑みて天守若葉風 美恵子
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令和6年5月15日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
扁額の一字が読めず梅雨の宿 世詩明 若葉風わらべ地蔵をつつみゆく 笑子 お精舎の風鐸ゆらす梅雨晴間 同 路地裏をしよぼしよぼ歩く梅雨鴉 希子 獣めく匂も混じる草いきれ 泰俊 古りたりな三国祭の誘ひ文 雪 牡丹を切りて一日の贅とせん 同 牡丹に待てば現れさうな人 同 退屈を欠伸してゐる葱坊主 同 椿落つ終の一花と云ふ色に 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年5月17日 さきたま花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
葉桜や百葉箱はぽつねんと 月惑 黙祷の黙に扇子の音止まず 裕章 古民家も古木も包む若葉風 泉 せがまるる父の草笛音の出ず 康子 十薬の干されしままに家売られ 順子 蚕豆は反重力の世界とも 月惑 朝日受け夜来の雨に光る薔薇 彩香 道をしへ誘はれ来れば妓楼跡 裕章 薔薇一輪仏に供へ留守頼む 順子 祝酒ちよこに浮き立つ夏の月 同 結跏趺坐する禅堂に蚊は廻る 月惑 お互ひにためらひもなき更衣 八草 母の日や乳を持ちたる大銀杏 紀花 菖蒲田に挙るサーベルの直線 月惑 五月晴れ複々線の縄電車 良江 母の日の無口の兄の大あくび としゑ 掌に乗る子猫にも髭のあり みのり 夏館蒼穹の野へ開け放つ 裕章
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年5月19日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
万緑を深く映して奥の池 亜栄子 師の句碑に句友の墓碑に黒揚羽 三無 沙羅の花散りて積れる密寺かな 慶月 雨雲の近づく気配蝸牛 久 草むらに昼顔溺れさうに浮く 秋尚 十薬の花もかをりも無縁墓と 亜栄子 D51は永遠や夏野に据ゑられて 久子 新緑のメタセコイアは太古の香 久子 蛙田に昭和の声の残りたる 千種
栗林圭魚選 特選句
子等のこゑ池塘に生るる太藺かな 幸風 鮮やかな青翻へし瑠璃蜥蜴 久 一面の青草の丘登り急 軽象 師の句碑に句友の墓碑に黒揚羽 三無 沙羅の花散りて積れる密寺かな 慶月 暗闇坂薄暑の袖を捲りけり 斉 老鶯やメタセコイアの闇を抜け 亜栄子 新緑の森に山鳩奥の池 経彦 隠沼の静寂破りて蟇 芙佐子 新緑の木漏れ日揺るる年尾句碑 経彦 寺出でて定家かづらの香に触るる 秋尚 キャンパスに続く山道夏薊 久子 花卯木森の昏さに寄り添ひし 斉 草むらに昼顔溺れさうに浮く 秋尚 峠路に仰ぐ卯の花空重く 芙佐子 寄せ墓に甘茶の花の日和かな 亜栄子 ひと筋に姫沙羅の花すつと落つ 秋尚 隠沼にメタセコイアの新樹光 幸風 お絵描きの子らや泰山木の花 斉 野薊のぱつと明るき母の塔 文英 日ざしきて暗さ呼び込む新樹蔭 千種 石仏の眼にも優しきさつき雨 軽象 切株に園児忘れし夏帽子 経彦 菖蒲田の間に間に低き白菖蒲 久子 新緑のメタセコイアは太古の香 同 走り茶を呷り民話の始まれり 経彦 堂前に沙羅の花散る僧の留守 亜栄子 初夏の少し気怠き二人の歩 斉 庫裡裏に零れる実梅夥し 芙佐子 蜘蛛の囲の元禄仏の肩に揺る 慶月
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年5月22日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
覗くまじ編笠百合の笠の中 雪 伊勢神楽牡丹の庭に舞ひ納む 同 大蚯蚓這ひ出て暗き穴残る 同 花は���に店に残りし桜餅 ただし 大杉も岩も当時の夏の庭 洋子 かづら橋渡りきりたる夏の声 紀代美 万緑に全身染まる露天風呂 みす枝 胸奥は語らぬことに草を引く 一涓 春炬燵触れたる足のなかりけり 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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doubutsuenzoo · 11 months
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どうぶつえんin千秋公園 後記
どうぶつえんin千秋公園
日時:2023年9月18日(月) 場所:千秋公園
発表者: 日比野桃子(移動) 虻川彩花(意識) 村田葵(半透明) 銅ふたろ(息苦しさの隠れ蓑) 秋山卓登(撮影) Aokid(ダンス)
サポート:文化創造館 撮影:髙橋希、田島陽
2023年9月18日(月)に千秋公園で”どうぶつえん”を行った。vol.16にあたる今回は『あときとた』という文化創造館と一緒の事業の一貫として行なわれた。 今回のどうぶつえんは秋田で初めてやるということもあり公募で参加者を募った。 雨の可能性があったため、ぎりぎりまで会場は文化創造館になることも含めて検討をしていたが晴れて公園での開催となった。
初めての場所でやるということもあり12時半に発表者と集まって調整を兼ねた下見をし、戻って14時に観客の人達と文化創造館の1Fコミュニティスペースに集まり、そこから公園に向けて出発した。
千秋公園は文化創造館のすぐ裏手にあって、元々久保田城跡でもあって坂を上がったところが入り口になる。名前は漢学者の狩野良知によって命名。wikiによると1890年に陸軍省から久保田藩主の佐竹氏へ払い下げがあり、本丸と二の丸を秋田市が佐竹氏に借り受け公園となったとある。 創造館から出発して千秋公園への向かう坂道、振り返ると2本の杖を頼りにスタッフの島さんと歩いてくるおばあさんの姿があった。 千秋公園へ到着。 ここは元々、能などを屋外で見せる機会があったことが入り口を入ったところに立ててある白い柱の裏にも書いてある。
まず原っぱが広がっていて空も広い。ここで日比野さんの発表をやる予定で、その前に僕が何かオープニング的なパフォーマンスを飾ろうと場所を探そうとふらふら歩き出した。 何かすぐにはアクション出来る感じがしなくて、また原っぱでこれからやる日比野さんの発表の中で得られる時間とは違うことをしようと色々考えながら歩く、、がなかなかしっくりこない。とりあえず目星をつけたところで演奏を始める。 演奏は石を拾うことや葉っぱの擦れる僅かな音と身振りを頼りにそこからギターと歌の見知った演奏スタイルに静かに自然に移行していこうとしていた。 2曲ほど演奏し、やはり2曲目が終わりそうなところでもう少しストロークの連続を引き伸ばし、その演奏とともに移動しギターを鳴らしていく。 場所も変えながら最後の同じストロークを重ねることで、着地点を少しでも引き伸ばせないかというイメージがあった。まるで幅跳び選手が距離を稼ぐみたいに。
・半透明として参加した村田葵さんは人一倍リラックスした体勢で、速い雲の移動を見ながら演奏を聴いていたそうだ。
日比野桃子さんの発表のアイディアはとてもフラジャイルで移ろいやすいなぁとも感じられた。 以前、東京で行われたどうぶつえんに参加されていたダンサーの荒悠平さんと制作されたという”移動1”という作品の続きとして、”移動2”をみんなでやってみるという提案が出された。 まず”移動1”をデモンストレーション的にやってみせる。 紙ヒコーキを一つ、袋から取り出してそれを目の前の空に向かって投げ、飛び、そして地面に落ちる。 落ちてから前方へ向けてゆらめくように動き出す身体。しかしすべてがスムーズに揺らめき続けてはいなくて、細かいじりじりとした足取りが地面に対して差し出されながら時折上半身がふっとしたり、ぐわっとしたり、特に音さえ聞こえない程度になだらかな肩が空越しに揺らめいたりしている。 この時間はなんだろう、と見つめる中で少しだけ浮かび上がる身体の特徴的な動作がわずかながらリズムを空間の中に作っていくことをぎりぎりみながら見出していく感じ。 日比野さん踊って見せた後に、ヒコーキのとこまで60歩をかけて歩き、その中で膝ががくっとすること、手をパチンと一度叩くこと、それは自分の決めたタイミングで行ってそれを振り付けとして”移動2”をみんなでやることを提案され一人ずつに紙ヒコーキが手渡されていく。 僕はおばぁちゃんと一緒にやる。 おばぁちゃんとの足取りに注意しながら他の人の動きが横目に入ってくる。ダイナミックな挑戦をする身体、紙飛行機までは耐えて禁欲的な動きでそれを掴むと開放されたように喜ぶ身体。 おばあちゃんと投げた紙ヒコーキまで互いに60歩を数えていく、たどり着いておばあちゃんを見るといくつまで数えたか忘れてしまったという。 思ったよりもあんまり空を飛ばなかった様々な形のヒコーキが空よりも緑の原っぱに各々休んであるみたいで、それを掴みにいくのんきな虫取りのような時間で、記憶を辿るとそのような感触があった。 日比野さんの振る舞いには考えてみれば何か紙ヒコーキを優雅に飛ばした姿というよりもどこか”呑気”に興味を持って落ちた場所まで近づいていくようなそういう感じを印象として受けるように思う。
・半透明として参加する村田葵さんが時折地面に寝そべったりして、少しだけその寝そべりを開放、拡張した動きをさりげなく見せる。見るとか聞くとか、いるとかをもう少しだけ揺さぶるような仕草。
・石ころに紐を巻き付け、少しだけマスキングテープのサポートを受けてくるっとし、それを引きずり砂利道に線をひいていくようにする。振り返ると通った道が少しだけ沈んでそこが影になって線が引かれているような印象が浮かんである。(Ao)
そこから移動し、今度は階段を登って門をくぐり、内部へと入っていく。 門をくぐると噴水のあがる池が見渡せる石の椅子が並んでいくつかある場所に出る。 ここで僕は”目を瞑って想像するワークショップ”を提案してみる。 みんなに椅子に並んで座ってもらい手を目の前に出してもらい、その手のひらの中に公園に落ちていた木の枝や葉っぱ、石などを順番にあてていき、その次にその感触を記憶したまま今度はさっきまで見ていた噴水の池に過去に起きたことをフィクションとして即興的に語り、想起させていくというもの。 以前このようなワークショップをzoomで行ったが今回、その発展形として実際の場所を借りて出来ないかということで完成しきっていない状態で試させてもらった。 その話というのは最終的にはそこで池の水になった本人が過去の池で人間に会い、ある形を指で伝授される。 その時に伝授された形を参加者たちは目を開いて地面に書きつけるというもの。 いくつか違った形がその砂の上に現れていてそれはそれで面白かった。
そこからさらにダベったりしながら公園の奥の方へと進んでいく。 途中トイレに立ち寄ってその少し先に古びた元々料亭か何かとして使われていた家屋があり、今はもう家としか機能していないみたいだ。 その先の少し林めいていて影の落ちる、近くの小さな滝から聞こえる川のせせらぎなどがひしめく場所でもう一度、今度はワークショップの提案をする。 以前、ダンサーの宮脇有紀さんがやっていたやつを拝受して、2人1組になって前に立つ人は目を瞑って歩き出す、後方に立つ人は前に立つ人が何かにぶつからないように最低限の誘導を肩にタッチする形で行う。それプラスで木の枝の折れる音や葉っぱが擦れる音とか土とかを身に落としたりその被験者に様々なことを経験させるというワーク。 ここでもおばぁちゃんにも参加してもらう。 それぞれの場所でセーフティにきゃっきゃっと楽しそうにやってもらっている様子。 千秋公園は大事に保全されてきた公園だと思うので、そこにある自然が綺麗だ。苔とかに長い時間を感じる、一つ一つの場所の環境も違うことが触ったりすること、姿勢を変えて見ることでよりわかる。 公園環境にもう少し近づく(なる)ためのワーク。
少し険しく狭い石階段があってそこを登ると公園の中でも高い位置に来るようだ。登ったところからまっすぐに山道が切り開かれたようにまっすぐ続く道へと出る。その先には御隅櫓が建つ。 まず御隅櫓の方までみんなで行ってしまい、そこで観客席としての線をひき改めてその辿ってきたまっすぐな道を見返し、その空間を使って今度は踊りで登場することを提案する。 村田さんと日比野さんを誘って道の始まりから登場し、一本道を踊り来て、見てる人のもとまで。 石を投げるのが合図で、3匹の猿と犬と雉子とか、違う動物みたいにバラバラに動いていく。 砂利がざらざらと音をたて、端っこの木にぶつかる。木のインスピレーションや外側を取り入れたり、取り入れなかったりして進んでいく。 踊りながら割と日比野さんはすっと動いたりしていて、より僕はリーチを広くするイメージも持ちつつ、村田さんはより地面とかのイメージ。 村田さんも、日比野さんもそれぞれ見た人から動きのフィードバックをもらったと言っていた。
資料館には迷って入らず、公園の折り返し地点として今度は別の道から戻っていく形になって、ちょうど傾斜の前の木陰がいくつありつつ広がったスペースにも隣接しているところで虻川さんによる発表。 この日のために色んな試行錯誤があったことが彼女のtwitterからなどもわかってとても楽しみにしていた。 説明としてプリントしてきた数枚の紙をお客さんに配っていく。そしていくつか持ってきていた小道具みたいものを10mくらいの間隔のスペースに配置していく。本やオブジェや写真の印刷されたボードみたいなものなど。木陰や切り株の近く��選ばれたところへすっと一つずつ。 虻川さんが使用されるピンク色のストーンが鎖の下に垂れているアクセサリーは4年間ほど占いなどを一緒に執り行っている相棒だという。受けてみたい人と手を繋ぎ(そこに微妙に筋肉の作用などが互いに生じるのも含めてと言っていた)、何か場所を進みながらこのアクセサリーがダウジングマシーンみたいに振り子としていくべき先を示す役割を果たすという。 手を握って目をつむり片手にアクセサリーを持った虻川さんが案内するように優しい足取りで進み出す。その先で物や立ち位置に出会すと立ち止まって振り子の加減を伺う。再びまた歩き出す。一人目は白い丸いぼこっとしたボールの前に立ち止まり、何かを虻川さんが言っている。その後、とても喜んだ様子で感謝を述べていた。 ある人は本があった場所に案内されると互いに地面に座りじっと5分間、目を見つめ合う。何か異様で、自然な集中が起きていて彫刻を遠くから見るような静寂もたたえた二人の姿があった。虻川さんにはパフォーマンスのような強さもあって、その時に人の目っていうのは最も身体の器官の中で鏡に近いというようなことをそこでなぜか思った。 数人がそのようにそれぞれバラバラのアクションで案内され、ある人はほとんどそれだけを見に来て、帰っていった。 一人は目を瞑って、もう一人は地面やそのストーンによる行方などを頼りに木や凸凹とした地面を移動していく様とそれを周囲で見守る人たちの光景が静かでやさしく、しかし適度の緊張をもって感じられたのが印象的だった。 あんまりまだ”どうぶつえん”の中でも見たことのないタイプのパフォーマンスで興味深かった。 虻川さん曰く、もっと広いところなどでもやりたいというようなことを言っていた。
・村田葵さんは傾斜のところでそれぞれのインストラクションを受けた人と話をしていた。
それからまた歩き出し、帰りは外側の道を、と茶室に続く道を選択し歩いていく。
ここの斜面は何か侍とかが返り討ちとかに合いそうな道だ。
この時点で2時間ちょっとは経っていてみんなも少しずつ疲れてきている感じ。茶室辺りに着く。とても整備されていて綺麗な場所。 銅ふたろさんのいよいよ出番。彼は集合の時点でブルーシートで出来た衣装を着ており正体が不明。準備を始めようと少しだけ近くで耳打ちとかしながら着ているのとはまた別のブルーシートを取り出し地面に敷く、音源をスピーカーとつなげて音源を流す。何かちょっとどもったようなリズムの上にガサガサした声が報せのように、あるいは途方もない感じで響いていて、それを木のふもとに固定する。 ブルーシートの上で動き始めるそれは踊りというよりも動作的な趣向がまずは近いように感じられる。自身のブルーシートの身体から取り出すように薄い布みたいなシートを新たに取り出してはそれがこぼれ落ちる、またシートを上から羽織るような仕草。そのシートが一枚だったなら身体がその一枚を物として扱っているように見えるのだがこれが数枚になるとまるで身体から増殖するような感じがある。滑り落ちていく体に起きた作用みたいな別の感じが生じると見ているうちにわかった。
踊りというよりとにかくむしゃむしゃとやっている感じ。 10分ほど経ってから段々と体が地面へと落ちていき、ひれ伏すような状態になる。この形になると少し物の形状としてなぜか見やすくなる感じがあった。ひれ伏して抽象的な地面の塊みたいになって、その常態とそこからの動作の続きの想像が比較的容易くなるというか。 またその状態から今度はずっとスクエアのシートの上でやっていた塊が外側に迫り出そうとする、ここにも一つアクションとしての沸点があり、展開になっている。 それがいよいよ飛び出したかと思うとそうではなくて、その敷いていたブルーシートも体の中に取り入れ巻き込み、いよいよより大きな塊になっていく。 この辺で確か小雨が降ってきてまるで雨乞いのようだと思ってさらに土砂降りにでもなってほしいとさえ思ってしまう。結局、雨はひいた。 やがてそこから退散するように固執するように蠢いていた場所を離れ山道の中を入っていこうと進んでいく、、、したところで衣装を脱いでパフォーマンスの終了とした。
ちょうどそのタイミングで日差しがそのパフォーマンスの背景としていた茶室の池を抜けるように我々の方まで差し込んでいてとても綺麗だった。 その日差しをあとにし一行は帰り道を辿る。
(道すがら秋山さんに打診したり、他にアクションをし足りない人はいないか聞いてみる。)
最初に日比野さんの発表のあった原っぱへ。
荷物を放り出して、すっかり時間を一緒に過ごしたリラックスした身体たちが身を放り投げてきもち良さそうだ。 少しだけ休憩をしたら最後に一言ずつ感想を言って終わりへと向かいましょう、と言いトイレへ行く。藤浩志館長とトイレが重なって何かコメントをもらった気がする。 そして原っぱに戻ると楽器を取りに車へ向かう秋山さんの姿が。 ギターを持ち帰ってきて終わりにふさわしい感想を言うパートを設けたコール&レスポンス型の歌が即興的に歌われる。思い思いに適当にその辺を叩いて演奏に加わり一同笑いながらそれを聞く。 少しずつ外が暗まっていく。 一言ずつのコメント。 藤さんはたとえば3人が林道で踊る際に好き勝手な声を出したかったということ、千秋公園の使い方で考えていたような広がりを持った使い方のサンプルを見れたとかそういうことを言っていて、もちろんサンプルを越えるような何かを提案したかったけども、それぞれが素晴らしいアクションをしてくれて毎度のことだけどお客さんにも拍手みたいな感じで無事に終わることが出来た。
・半透明として参加した村田さんは”どうぶつえん”の全体を通して淡い参加の方法によって時に溶け込み、時により溶けていくようなあり方を身体や鑑賞態度において具体的に寝そべるとか、木にもたれかかるとかして試されていたように思う。
また思いがけず、それにグラデーションをもたらすような形でAokid、日比野と林道を踊って行進するような時間も生まれていった。
終わった後は文化創造館前で机を広げて打ち上げを行った。
それぞれの発表が見れたこと、また初めてこうして”どうぶつえん”を秋田で開催出来たのは文化創造館をはじめ、秋田の人たちのおかげでとてもありがたかった。感想でももらったようにこの場所のポテンシャルを改めて発見する機会になったのは発表や鑑賞のおかげだと思います。ありがとうございました。またやれたらとてもいいなぁと思います。
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spst-haru · 2 years
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[ 清涼なる音 ] . . . 青もみじに覆われた庭園に、 涼しげな白き水流の音が響き渡る。 . . . ==================== 📸 2022.06 Koishikawa Korakuen, Bunkyo-ku, Tokyo . Canon EOS Kiss M2 💠🍃💠🍃💠🍃💠🍃💠 ==================== . . . #japan #tokyo #bunkyoku #koishikawakorakuen #koishikawakorakuen_shiraitonotaki #koishikawakorakuen_greenleaves #koishikawakorakuen_ryokuyo #ryokuyo #koishikawakorakuen_aomomiji #aomomiji #koishikawakorakuen_momiji #東京 #文京区 #小石川後楽園 #小石川後楽園_白糸の滝 #小石川後楽園_緑葉 #小石川後楽園_青もみじ #青もみじ #小石川後楽園_もみじ #緑葉セカイ #ryokuyo_sekai #眩しき青もみじの世界 #beautiful_aomomiji #緑葉の薫る庭園 #garden_with_green_leaves #水流の旋律 #sounds_of_water_stream #滝の旋律 #sounds_of_waterfall #canoneoskissm2 (at 小石川後楽園) https://www.instagram.com/p/CfXBRWkPcII/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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chinanago · 3 years
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うつ真っ只中日記
Tumblrで日記を書くようになる前は、muuteというアプリを利用して3週間弱のあいだ日記を書いていました。手書きで日記を書くことはとうに諦め、それでも何か記録を簡単にでも残しておいたほうがよさそうだという直感はありました。この日々のことを忘れないために、一日の終わりにmuuteに書いていた日記をコピペしてまとめてみます。
―――
12/23(水)
クリニックに行って、うつ病と診断された。先生の前では泣かなかったが、帰宅して昼食を摂って一人になると涙が出てきた。夕食後に薬(レクサプロ)を服用。心臓がギュッとなる感じと、頭痛が少しある。
12/24(木)
バイト先に行ったはいいものの、12時前くらいにコピー機の前でめまいに襲われた。休憩室に案内してもらって、1時間半ほど寝た。頭がまだほんのり痛かったので、早退させてもらった。
12/25(金)
久しぶりに大学に行った。緑茶とあんぽ柿をお供に、先生と話した。干し柿、甘くて美味しかった。先生はすごく優しかった。わたしは、振り返ると、あまりたくさんのことは話せなかったように思うけど、会いに行けただけでよしとしよう。
12/26(土)
生理1日目で、お腹がひたすら痛かった。12時に起きて、パンだけ食べて、午後は『水は海に向かって流れる』が読めた。面白くてよい。昼寝して、テレビ観て、また漫画読んで寝る。
12/27(日)
朝、目が覚めて「空気階段の踊り場」を聴く。空気階段、本当に好きだなあ。それからまたうとうとして、12時まで布団にいた。昼は塩タンメン。生理のせいか、頭が痛かったので、午後も布団で過ごした。夜は妹がいないのをいいことに、餃子を久しぶりに食べた。が、父が酔っていてイラついたせいで、少し残念な気持ちに。
12/28(月)
今日も11時に起きて、ちゃんとした朝ごはんは食べられなかった。昼に昨晩父が残した餃子を食べ、母とトイレ掃除をした。ごしごしやって結構疲れたし、なぜか眠気がすごくある。薬の副作用なのかしら。
12/29(火)
10:30起床。午前中になんとなくやりたくなって本棚の整理を始めるも、すぐに疲れて寝てしまった。昼食後、母とお風呂掃除をした。といっても、私はあまり動かず、部品や椅子をごしごししただけだけど。夜は、映画「私をくいとめて」を観に行った。今、私が観るべき映画だった。愉快な場面も多くて、元気をもらった気がする。岡野さんと吉住さんと監督のトークもとても面白かった。今日行けてよかったな。
12/30(水)
12時起床。昼ごはんを食べて、洗濯物干して、椅子をごしごしした。その後は何かしたいけど何もできなくて、ぼーっとした。夜は父が酔っ払っててイライラしたけど、有吉の壁で笑えたのでよかった。大したことしてないのに眠い。
12/31(木)
昼過ぎまで寝た。昼食にそばを食べて、のんびりし、母に頼まれて成城石井に買い物に行った。入場制限がかかるほど混んでいて疲れた。今はまだずっと何かの渦中にいる感じがするから一年を振り返る気にはなれないし、例年なら感じる年末の特別感もない。何もしてないのに眠いし、疲れている。
1/1(金)
8時に起きて、おせちを食べた。そのあと布団に戻り、お腹が空かなかったので、夕方までずっと横になってた。何かしたいのに実際に体を動かす気にはなれず、スマホをだらだら見てた。新年のめでたい感じもあまりない。2020年は心ここに在らずな感じだったから、今年はちょっとはいい年にできたらいいな。
1/2(土)
9:30起床。パンを食べて、布団でうたた寝しながら読書した。昼に塩タンメンを食べてから、初詣に行った。帰宅してからもまた読書して夜ごはん。妹がたこ焼きを持って帰ってきたので満腹になった。妹が最近元気そうで嬉しい。録画してる逃げ恥、観るの楽しみ。
1/3(日)
9:30に起きて、パンを食べ、洗濯物を干してから、布団に戻った。本を読んでいたら寝てしまっていて、起きたら12:30だった。昼食後も同じ調子で読書したりだらだらしたりした。多和田葉子『献灯使』読了。 深く落ち込むことはないが、気力がむくむく湧くという感じでもなく、何がしたいのか自分でもわからない。でも本が読めるようになったのは進歩。
1/4(月)
これは当日のうちに書くのを忘れて1/5に書いてるんですが、昨日のことなのに何も思い出せない。あ、15:30にクリニックに行って、薬が半分に減ったのだった。できる範囲で体を動かすようにするといいと言われた。
1/5(火)
昼近くまで寝て、でも朝ごはんは食べて、1:30に昼食にした。午後は小石川植物園か、御茶ノ水の穂高まで散歩に行こうかと思っていたが、なんだか外は曇っていて体が動かなくて昼寝してた。池澤夏樹『スティル・ライフ』は読み終わった。ざくざく読んでしまっている。
1/6(水)
9時に起こしてもらうも、うだうだして10時前に起床。午前中は、ずっと後回しにしていた、入学手続きの書類を揃えるのと年賀状を書くのをやっつけた。午後は、御茶ノ水にある穂高という喫茶店まで散歩に行けた。途中でかわいいポストカードを見つけたので、みかんえーど飲みながら、友里香にお手紙書いた。帰宅後は『1984年』を読み始めたけど、疲れたせいか、頭の動きが鈍い感じ。夜も読書は難しかったので、空気階段が出てる劇場の配信動画を見て笑った。久しぶりにお笑いの動画みたけど、やっぱり特に空気階段を見ると元気が出る。
1/7(木)
12時まで寝て、昼ごはんに七草粥。毎年楽しみにしていて、今年も美味しかった。この日以外の日も食べたいくらいだ。午後は散歩に行こうと思っていたのに、低気圧のせいか、寝てしまった。そしたらもう4時。かてきょバイトから帰ってきた妹がたいそう寒そうにしていたので、散歩をやめる。風呂掃除をやってのけた。夜は逃げ恥を観て、きれいなお風呂に浸かってご機嫌。
1/8(金)
昼に起きて、醤油ラーメンを食べた。昼食後は休憩せずに散歩に出かけた。植物園に沿って奥までグーっと歩き、遠回りして茗荷谷へ。学下コーヒーでブレンド飲みながら本読んで、TSUTAYAで友里香おすすめの映画を借りて帰宅。いい感じ。 夜は妹と父とのあいだで一悶着があったけど、仲裁するくらいの元気はあった。
1/9(土)
誰にも起こされずに9:30に起き出せた。パン食べて、羽毛布団を替えて、洗濯物を干して、棚を片付けた。11時から13時は休憩して、昼はハヤシライス。午後もゆっくり片付けをやったり、妹にマニキュア塗ってもらったり、本を読んだり、YouTubeを観たり。夜は3人で穏やかにごはん。
1/10(日)
昼まで寝た。昼ごはんは妹と塩焼きそばを作って食べた。午後、『夜とコンクリート』を読みきった。静かで、今の私にはいい漫画だった。しかし、いいなとは思うものの、なんか前みたいな心の動きが無くて、常に無って感じなのがなんだかなぁ。夜は笑神様を観て、空気階段にうきうきしてた。
1/11(月)
11:30に起きてパンを食べながら、ヘウレーカを観た。昼は天ぷらうどんを食べて、午後は「ロスト・イン・トランスレーション」を鑑賞。観終わったらすぐTSUTAYAに返しに行かねばだったのに、休憩してたらがっつり昼寝してもうてた。無念。 夜、父が急に大金をくれた。そろそろ人生終わりだから…などと言っていて、ちょっと心配。
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oniwastagram · 4 years
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\おにわさん更新情報📸/ ‪[ 岩手県盛岡市 ] 南昌荘庭園 Nanshoso Garden, Morioka, Iwate の写真・記事を更新しました。 ーー盛岡観光の穴場!鉱山王・瀬川安五郎や“金田一財閥”金田一勝定、原敬の愛した紅葉の美しい近代日本庭園。 #国登録名勝 。 ・・・・・・・・ 南昌荘は盛岡の市街地にある明治時代の近代和風建築と #池泉回遊式庭園 。 庭園は国の登録記念物(名勝地関係)に、建物は盛岡市の保存建造物に選ばれています。 #盛岡市保護庭園 の代表格。2019年4月に訪れた際の写真を追加。 . 盛岡観光の穴場スポット!『盛岡で観光しよう』と思った時に“日本庭園”という選択肢はなかなか入ってこないのでは、と思います。《盛岡 観光》で引っ掛かる大手観光案内サイトの紹介では30位以内ぐらいまでには一つも庭園が入ってきていない…。 だけど、盛岡って観光的には知られていないかもしれないけど“庭園都市”だ。有力大名だった南部氏の城下町🏯だったわけだから、そうしたカルチャーがあっても勿論おかしくないのだけれど。 . 自分も「盛岡に公開されている庭園がある」と認識したのは4回目の訪問になった2015年。その時に“盛岡の保護庭園”という制度があることを知り『賜松園』を見たのだけど、この制度の代表的存在が国登録名勝となっている『南昌荘』。 この庭園は各地の #近代日本庭園 ――主に七代目小川治兵衛(植治)が手掛けているような『旧古河庭園』、『無鄰菴庭園』、『慶沢園』とかが好きな人は絶対好きだと思うので是非盛岡に行く機会があったら訪れてほしい。11月に訪れた時の紅葉🍁もめちゃくちゃきれいだったの! . 元は1885年(明治18年)、盛岡出身の実業家・瀬川安五郎の邸宅の庭園として作庭。この瀬川安五郎は盛岡藩の両替商💰の家に生まれた後、明治維新の頃に生糸商🧵として、その後明治9年からは秋田の荒川鉱山⛏の経営に乗り出すまでに成長し“みちのくの鉱山王”の異名も。この事業も全国5位の産出量をほこった最盛期に三菱合資会社に売却。 . 南昌荘はその後明治末期に盛岡市長・大矢馬太郎の所有となり、その当時は“平民宰相” #原敬 夫妻が1カ月滞在したり #伊藤博文 が韓国皇太子・李垠殿下とともに訪れ園遊会を開いたりと中央の政治家も来訪するように。 そして大正時代に岩手銀行の前身・盛岡銀行🏦の頭取をつとめるなどで“金田一財閥”を築いた金田一勝定が購入、増築されたのが現在も残る邸宅。 . そんな歴史的な邸宅・庭園も昭和後期には大手マンション業者🏢が買い取り失われる予定だったそう。事実この庭園と隣接する清水町には『大清水多賀庭園』という保護庭園があったのですが、2013年に高層マンションが建てられ🏗指定も解除されました。 南昌荘に関してはこの文化遺産を守るべく盛岡市の生活協同組合が購入。現在はいわて生活協同組合。生協が所有してる文化財、今のところここしか知らないけど他にもあるのかな。公開は2000年よりスタート。 . 庭園を作庭したのは #阿部仁太郎 と #川目末松 という地元の庭師。 お二方とも全く情報がないけど、阿部仁太郎の息子・阿部長太郎が先に名前を挙げた『大清水多賀庭園』を作庭していたそうなので盛岡の有力作庭家一家だったのかも。 その後、新渡戸稲造とも親交があり、盛岡市に残る国天然記念物『石割桜』を守った庭師とも言われる藤村治太郎・藤村益治郎親子とそれを受け継ぐ造園会社・豊香園により管理され現代に至っているそう。 . 主屋から池泉に向かってゆるやかに下っていく感じとかが、小川治兵衛の『慶沢園』とか『楽々荘庭園』っぽいな~って思うんですよね。 あと変わった石造物が多いのも近代っぽい。2度目の訪問は桜🌸がちょうど終わりを迎えた大雨の日だったけど…紅葉の時期は勿論、モミジの葉が出きった新緑の時期にもきれいだろうなあ。 . で、東京や近畿の近代庭園と一番違うのは「建物が高床式になっていること」。主屋の“南昌の間”から座視で眺めてもちょっと高い目線で見てる感覚、これも意図して設計されているそう。ここではカフェ・喫茶利用☕️もできるのでぜひお茶で一服。 〜〜〜〜〜〜〜〜 ‪🔗おにわさん記事URL:‬ https://oniwa.garden/nanshoso-garden-%e5%8d%97%e6%98%8c%e8%8d%98%e5%ba%ad%e5%9c%92/ ーーーーーーーー ‪#庭園 #日本庭園 #garden #japanesegarden #japanesegardens #jardinjaponais #jardinjapones #japanischergarten #jardimjapones #японскийсад #landscapedesign #japanesearchitecture #japanarchitecture #庭園カフェ #盛岡 #盛岡市 #morioka #岩手 #岩手県 #iwate #おにわさん #oniwasan (南昌荘) https://www.instagram.com/p/CBFVyR_p5Cu/?igshid=nukc3nyk3bbo
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moment-japan · 5 years
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京都を愛したデヴィッド・ボウイが涙した正伝寺の日本庭園
NEWS WEEK
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
<訪日外国人にも人気の日本庭園。なぜ歴史に名を残した人たちが日本庭園にたどり着くかを考えると、その見方も変わってくる。デヴィッド・ボウイは日本のテレビCMに起用された際、自ら正伝寺を撮影場所に希望したという>
金沢の兼六園や岡山の後楽園、水戸の偕楽園など、人々を魅了する日本庭園は各地にあるが、訪れるのは日本人だけではない。
実際、Japanese gardens(日本庭園)に関する英語の情報はインターネットにあふれており、アメリカには日本庭園の専門誌まである。今や日本庭園は、日本を訪れる外国人にとって外せない「見るべきもの」となっているのだ。
京都を中心に庭園ガイドをしている生島あゆみ氏はこのたび、「なぜ、一流とされる人たち、歴史に名を残した人たちは、日本庭園にたどり着くのか」をテーマに執筆。『一流と日本庭園』(CCCメディアハウス)を刊行した。
庭園そのものだけでなく、それらを造った人物、深い関わりのある人物の人生を見つめた上で、庭園との結びつきを読み解いた。これ1冊で��本庭園の見方・楽しみ方が変わるというユニークな一冊だ。
足利義満は金閣寺を、稲盛和夫は和輪庵を造った。スティーブ・ジョブズは西芳寺に、デヴィッド・ボウイは正伝寺に通った。ここでは本書から一部を抜粋し、3回に分けて掲載する(今回は第2回)。
※第1回:利他の心に立つ稲盛和夫が活用する京都の日本庭園「和輪庵」
◇ ◇ ◇
デヴィッド・ボウイ(1947年〜2016年)と正伝寺(しょうでんじ)(京都)
たびたび京都を訪れていたデヴィッド・ボウイが、その美しさに涙したという正伝寺の庭。白砂に七・五・三の刈り込み、遠方に望む比叡山の借景......。世界的なアーティストは何を感じとったのか。
親日家のデヴィッド・ボウイ
ボウイは、親日家で有名でした。また仏教や禅に造詣が深かったようです。BBCテレビ『デヴィッド・ボウイの日本流への熱情』によると、ボウイが20歳頃、舞踊家リンゼイ・ケンプ氏のもとで、ダンスとマイムを習いました。このケンプ氏が、伝統的な歌舞伎の様式に大きな影響を受けていたそうです。歌舞伎や能という伝統芸能が、ボウイが日本文化を知る入り口になりました。
また、チベット仏教の高僧はボウイと親交があり、彼が仏教の僧侶になるつもりだったと証言しています。もともと、仏教に深い関心があったようです。
アルバム『ジギー・スターダスト』全盛期の頃に、スタイリスト・高橋靖子、写真家・鋤田正義、ファッションデザイナー・山本寛斎などがボウイと親交があったそうです。
鋤田正義はボウイを京都で撮っていますが、ボウイの希望は京都の人々が日常の生活を送るような場所で、というものでした。
ボウイが梅田行きの阪急電車の前でさっそうと立っている姿は、ファンだけでなく京都に住んでいる人達をも魅了します。切符を買っていたり電話ボックスで受話器を持っていたりする写真などもあります。古川町商店街では、当時、創業70年のうなぎ店の名物八幡巻きを買っている姿もありました。
スターダムにのし上がった1970年代後半、プレッシャーなどからドラッグの誘惑に苛まれ、ベルリンに移り音楽活動をしていた時期がありました。名盤「ロウ」「ヒーローズ」「ロジャー」のベルリン三部作を制作しました。この頃、ボウイはツアーの合間を縫うように京都を訪れていました。ボウイにとっては大きなターニングポイントで、自分自身をリセットするために京都に来ていたそうです。
大徳寺の僧侶は、ボウイと親交がありました。日本、そしてその精神の奥にある禅に、ボウイは向き合っていったのだそうです。WOWOWドキュメンタリー『デヴィッド・ボウイの愛した京都』で「禅の中では、自由を得るというのが究極にあり、特に死ぬことからの自由のことだと。変わるというのは自分が死ぬことで、ボウイは、自分が変わることから真の自由を求めていたのではないでしょうか。」と僧侶は話していました。
「新しい自分、本当の自分の姿を京都で見つけたのです。京都の時間の流れを、ボウイは大切にしていたようです。常に今が大事だということです。」と彼は続けます。
ボウイは芸術や文化、歴史を学ぶ才能に溢れていたと言います。美術品のコレクターではなく、その物の精神を自分のものにしていく才能があったそうです。「ヒーローズ」のB面に収録されたインストゥルメンタル曲「モス・ガーデン」では、美しい琴の音色が聞こえてきます。これはファンが、直接本人に手渡したおもちゃの琴の音色です。これを弾きこなして、自分の音楽表現をしている才能に凄さを感じます。
1990年代には、イマンと新婚旅行に京都に来ていますが、滞在したのは老舗旅館「俵屋」でした。また、江戸時代創業の蕎麦屋「晦庵(みそかあん)河道屋(かわみちや)」本店もお気に入りだったそうです。俵屋と河道屋は、スティーブ・ジョブズも好きでした。二人が遭遇した可能性は少ないと思いますが、好みが似ているのが不思議です。
正伝寺の歴史とその庭園
ボウイが愛した正伝寺は、どのようなお寺なのでしょう。正伝寺は、京都市北区西賀茂にあります。五山送り火で有名な船山の南側に位置しています。臨済宗南禅寺派の諸山の格式を持つお寺です。山号は吉祥山(きっしょうざん)。寺号は正伝護国禅寺で、本尊は釈迦如来です。
正伝寺は、1260年、宋より来朝した兀庵普寧(ごったんふねい)禅師の高弟が、京都一条今出川に創建しました。1265年に兀庵普寧禅師は宋に帰りますが、その後、東巌恵安(とうがんえあん)が跡を継ぎ、1282年にこの西賀茂の地に移りました。
応仁の乱で荒廃しましたが、徳川家康が再興します。本堂は、1653年に金地院の小方丈が移築されたものです。伏見桃山城の御成殿(おなりでん)の遺構を移したものとも言われています。方丈の広縁の天井には、伏見城落城時、徳川家臣・鳥居元忠と家臣らが割腹し果てた廊下の板を、供養のため天井に貼った「血天井」があります。
方丈の各室の襖絵は、1605年頃、徳川家康の命により狩野山楽が描いた中国・杭州西湖の風景です。山楽の残した貴重な作品です。
庭園は白砂とサツキ等の刈り込みが並ぶ枯山水です。方丈の東側に造られており、敷地は363平方メートルです。
方丈から見て白砂の奥に、右から、七つ、五つ、三つと、植栽の大刈り込みがあるだけです。これを七・五・三形式と言いますが、通常は石が七・五・三に置かれ、植栽で表されているのは正伝寺だけです。
植栽構成は、三つがサツキのみ。五つがサツキとサザンカ、七つがヒメクチナシ、アオキ、サザンカ、サツキ、ナンテン、ヤブコウジ、チャと組み合わされています。
この庭園は江戸初期に造られました。小方丈が金地院から移築されているので、小堀遠州作とも言われていますが、時期的に見て、別の作庭家との説もあります。
江戸初期には、滋賀県の大池寺庭園や奈良県大和郡山の慈光院庭園など大刈り込みの庭園が他にも存在しています。龍安寺の石組が「虎の子渡し」と言われるのに対し、正伝寺の七・五・三とする刈り込みは「獅子の児渡し」と言われています。ゴツゴツした石が虎で、ふわっとした植栽の刈り込みを獅子と見立てたのでしょうか。
明治維新以降、寺領・社殿の召し上げなど苦しい時代になります。正伝寺の明治期の写真が残っていますが、高木が増え、刈り込みも乱れた様子です。
戦前の1934年、重森三玲を中心とした京都林泉協会の会員有志が、後から加えられたであろう石を取り除くなど荒れた状態を整えました。こうした努力により、かつての姿を取り戻した現在の庭園は、京都市の名勝に指定されています。
庭に敷き詰められた白川砂と緑の刈り込みの植栽、下界を遮断する漆喰塗りの塀の構成の向こうに、遠山として望めるのが比叡山です。遠くにポツンと比叡山だけを見渡せる巧みな借景の取り方が、正伝寺の庭をより特別な存在にしています。
正伝寺とデヴィッド・ボウイ
京都の北に位置する正伝寺は、最寄りのバス停から歩いて20分ほどかかりアクセスが良くありません。山門を抜けると登り坂の山道が続きます。本堂まではおよそ250メートル。静かな山道はやがて、下界と離れた特別な禅の庭へと誘ってくれます。
実はこの人里離れた禅寺の正伝寺の庭は、知る人ぞ知る名勝なのです。どうしてボウイがこの庭のことを知っていたのでしょうか。おそらく、彼の友人だった米国出身の東洋美術家・デヴィッド・キッドの存在が大きかったのだと思います。
デヴィッド・キッドは、九条山に邸宅を持っており、「桃源洞」と名付けていました。ボウイはここをよく訪れたそうです。ボウイは、桃源洞の居間にあった平安時代の地蔵菩薩を眺めて時を過ごしていたそうです。菩薩の控えめな様子から深い哀れみを感じていたのではないでしょうか。
1979年の年末、広告代理店が宝焼酎「純」のコマーシャルにボウイを起用する提案をしました。アーティストとして非常に高い純粋性を持った人として、彼以外にいないということでした。
ボウイはお気に入りの俵屋に泊まり、撮影は嵐山にある松尾大社近くの公園や正伝寺で行われました。正伝寺を希望したのは、ボウイ本人だったそうです。宝ホールディングスの元会長・細見吉郎は、学生時代からずっと京都に住んでいましたが、当時、この寺の存在を知らなかったそうです。整然とした枯山水庭園と比叡山の眺めに感動し、訪れる人も少なく、静寂に包まれていたので「ボウイさんが正伝寺を指定した理由が分かった」と語っています。
――「撮影中にボウイさんは庭園を見つめ、涙を浮かべていた」と細見さんは振り返る。「景観に感動したのか、何か悲しい思いをしたのかは聞けなかった。繊細で純粋な人だった」と記憶をたどる。――(日本経済新聞「D・ボウイが涙した静寂」/2016年2月19日)
宝焼酎「純」の販売数量は、1980年からの5年間で11倍に増えたそうです。
コマーシャルには、ボウイ自身が作った「クリスタル・ジャパン」という、雅楽を意識したインストゥルメンタルの曲が使われました。正伝寺の庭の白砂の上に、グラス片手に座っているシーンはとても印象的です。
私がこの庭を訪ねたのは、紅葉が始まる頃でした。デヴィッド・ボウイが愛した庭を鑑賞しようと、海外からの観光客の姿もありました。
刈り込みが美しい庭の方丈前には数人がいましたが、みな庭を観ており、沈黙だけが心地よい空間を作っていました。しばらく静観していると、心が洗われたような気持ちになりました。
ボウイもまた、心を清めるように真の美を前にしていたのかもしれません。庭には、自分をリセットするとともに、自由にしてくれる作用があるのかもしれません。
※第3回は5月23日に掲載予定です。
※第1回:利他の心に立つ稲盛和夫が活用する京都の日本庭園「和輪庵」
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『一流と日本庭園』  生島あゆみ 著  CCCメディアハウス  
正伝寺  京都府京都市北区西賀茂北鎮守菴町72
http://shodenji-kyoto.jp/
正伝寺は、京都市北区西賀茂にある臨済宗南禅寺派の諸山の格式を持つ寺である。山号は吉祥山。寺号は詳しくは正伝護国禅寺という。本尊は釈迦如来。
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kachoushi · 2 years
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各地句会報
花鳥誌 令和4年10月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
………………………………………………………………
令和4年7月2日 零の会 坊城俊樹選 特選句
観音の御手炎天にやはらかく 佑天 跡地へと想ひありしか夏の蝶 三郎 白あぢさゐ少し離れて年尾句碑 和子 病院も看護記録も夏草に いづみ 小さく深き緑蔭が抱く年尾句碑 和子 息荒く仏へ寄りし暑さかな 光子 日盛の祠に生れし真の闇 和子 みづからを菩薩に添うて空蟬に いづみ
岡田順子選 特選句
面影は西日晒しの看板に はるか 夏草や記憶の中のナース服 三郎 朝涼の鎌倉よりの風頰に 慶月 息荒く仏へ寄りし暑さかな 光子 五輪塔とは緑蔭のただの石 俊樹 元禄も享保の墓も灼けをれり 佑天 暑き日を年尾の句碑のふところに はるか 観音は水の色して大酷暑 いづみ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月7日 うづら三日の月句会 坊城俊樹選 特選句
浮き沈み女三代夏のれん 都 空つぽの香水びんの残り香よ 同 長茄子の悩ましきかな曲線美 同 パナマ帽明治の父の伊達姿 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月7日 花鳥さゞれ会 坊城俊樹選 特選句
白と云ふ色たゞならぬ半夏生 雪 前山の雪崩るる如く青嵐 同 やゝに老いやゝに夏痩せして在す 同 炎帝のどかりと座りたる越路 かづを 滝音に鳥語人語も呑まれたり 同 九頭竜と対峙し流る天の川 同 静もりて明智が墓碑に沙羅の花 笑 能登半島掻き消してゐる青嵐 千代子 悠久の光を抱へ滴れる 泰俊
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月8日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
子等見つつ弁当番や海の家 宇太郎 屠場へと曳かれるやうに炎天へ 都 死者送り窓に吹き込む青田風 すみ子 川に還す一夜を共にせし蛍 美智子 次の子に少し短かき古浴衣 宇太郎 病窓に影の騒ぎて青嵐 悦子 風紋は海へ傾れて雲の峰 宇太郎 先輩の墓碑に献杯原爆忌 益恵
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月9日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
戦なき広き空欲し雲の峰 三無 風ひたと止んで初蟬響きくる 百合子 夏蝶のげに句碑守のごと飛びぬ 同 雲の峰草の匂ひに樹の匂ひ ゆう子 アルプスを小さく見せて雲の峰 白陶 菜園の胡瓜ピカソの絵に似たり 多美女 句碑に影落し戻り来黒揚羽 三無 供へればくらりと揺るる甜瓜 ゆう子 炎天に浄き閼伽水陽子墓所 三無
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月11日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
七夕や竹切る音のとよもせり 時江 夏潮にロシア軍艦越境す 世詩明 うしろから八つ裂きに来る稲光り 信子 鷺草や鎮守の杜を結界に 時江 七変化寡黙な夫のいつもゐて 信子 生きる意義考へてゐる山椒魚 上嶋昭子 花擬宝珠通夜の灯うるみ傾きぬ 中山昭子 青田もう何も映さず靡きをり みす枝 浴衣の娘女工哀史のこと知らず 世詩明 風鈴を気楽な人と聴いてをり 上嶋昭子 黒南風や酒場は白きピアノ置き 同 見馴れたる山を見飽きず端居かな 中山昭子 昼寝人濁世を忘れ仏顔 みす枝 水打つて日本の地震を鎮めをり 信子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月11日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
武蔵野の風に目覚めし合歓の花 三無 羅や近より難き気を纏ひ 同 艶やかに羅笑みて同窓会 同 金魚鉢洗ふ役目の誇らしげ 貴薫 金魚掬ひ父の背中の逞しき 有有 旅先で出合ひて嬉し合歓の花 貴薫 慎ましく生きる姿の合歓の花 史空 羅の似合ふ真砂女に恋多き あき子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月13日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
七夕の雨に濡らしてハイヒール 登美子 片恋のラジオ相談星の秋 同 玉葱を貰へば娘吊るしをり 令子 夏座布団友の数だけ広げけり みえこ 天道虫後ろ姿の子らを撮る 裕子 たばこ屋の小窓に覗く扇風機 実加 忠霊場若きの墓は盆静か 令子 老いらくの母の見入れる天の川 登美子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月15日 さきたま花鳥句会
炎天の小江戸の街や車夫の愚痴 月惑 老いてなほ一鞭入れて草を引く 八草 空蟬や何も語れず逝きし友 裕章 夏空へ磴駆け上る柔道部 とし江 厳かにお祓ひ後の心太 ふじ穂 紅芙蓉誉め合ふ笑みの立ち話 恵美子
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令和4年7月16日 伊藤柏翠俳句記念館 坊城俊樹選 特選句
此の先は教へぬつもり道をしへ 雪 野地蔵も息をひそめる炎天下 英美子 日盛りに息をひそめてゐる地蔵 同 母の影盆灯の後見え隠れ 山田和子 羅やさらりとまとひ香の立つ 真喜栄 バス降りて一人一人の夏終る 世詩明 短夜や夢幻の如くなる 同 めまとひを払ひて無人切符買ふ 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月17日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
大蟻の車輪のごとく駆け抜けし 久子 炎天の武蔵野の底滑る蝶 三無 変ること厭ふ白紫陽花の白 久 水光り羽黒蜻蛉は神の使者 慶月 古座敷や行くあて知れぬ茄子の馬 軽象 水音を真中に抱きて森涼し 慶月 大蟻も小蟻も参ず地蔵塔 眞理子 夏空を映す水たまりを蹴上げ 久 天牛の角ふりかざす古戦場 眞理子 紫陽花の絞り出したる終の藍 圭魚 甘味屋の蓮を描きし夏暖簾 同 民家古りただ現し身の黒揚羽 千種 森深く闇に添ひゆく黒揚羽 斉
栗林圭魚選 特選句
水音を真中に抱きて森涼し 慶月 ハケの家夏炉の湿る匂ひかな 要 大蟻も小蟻も参ず地蔵塔 眞理子 紅蓮の今日崩れゆく命かな 久子 夏空を忽ち縮め潦 斉 みがかれし床に朝採り茗荷の子 久子 式台に雨跡ありて風涼し 同 茅葺きの土間の暗がり死蛾美しき 炳子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月19日 萩花鳥会
みちのくの吾娘が来たるや月見草 祐子 炎帝や必殺狙撃動天す 健雄 一面の葉に見え隠れはすの花 恒雄 夏山はこれで十分梅むすび 俊文 夏料理語り尽くして持て成さる ゆ��り 駄々つ子の泣きやんだらし夏の雨 陽子 痛風の足を投げ出し夏の月 吉之 頭垂れ雨乞ひしたるや庭の花 明子 法螺貝の響く城下や雲の峰 美恵子
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令和4年7月20日 福井花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
もくもくと九頭竜のぼる雲の峰 千代子 七夕や笹は願ひに撓るほど 千加江 幼きを呼び戻したる天瓜粉 同 かの人の垣根に高く酔芙蓉 昭子 三人の遺影の部屋も梅雨湿り 清女 七夕に女心の糸結ぶ 啓子 小石踏む音の近づく夏館 泰俊 夕立や濡れて礎石の薄明り 同 面も手も己れ矜恃の日焼かな 数幸 穴を出し蚯蚓一糸も纏はざる 雪 裸火に想ひの丈を飛べる火蛾 同 水の如く又火の如く人涼し 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月21日 鯖江花鳥俳句會 坊城俊樹選 特選句
風鈴の欲しいと思ふ風が今 洋子 右衛門に隣る左衛門夏構 同 鉈の音山の地肌に万緑に 同 賽銭を打つ音までも黴臭き 同 万緑や山相いよよ文殊山 雪 祭帯器用に結びくれし母 同 その人とカンカン帽に気付く迄 同 盆の月家系図のこと何もしらず 昭中山子 炎天に近道すれば転びけり 同 子が囃す夜空の証や地蔵祭 ただし 鳳仙花姉妹の話途切れ無し みす枝
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月24日 月例会 坊城俊樹選 特選句
零戦に少年口を閉ざす夏 和子 靖国へ四方より迫る雲の峰 要 夏蝶は翅で息して歩みたる 和子 空蟬の祈る形に落ちにけり 同 蓮花へと極楽の風触れて過ぐ 政江 静脈の巻きつく手首白日傘 和子 羅を纏ひかの世の話など はるか
岡田順子選 特選句
目の前を突然蟬の木となれり 千種 絵日傘のシスターの行く九段坂 眞理子 大きさの合はざる蟬の殻と穴 千種 礼拝の黙を蓮の解かれゆく 炳子 羅を纏ひかの世の話など はるか 炎帝の子の鉄棒や大鳥居 小鳥 見巧者の折紙付きや泥鰌鍋 幸風
栗林圭魚選 特選句
零戦に少年口を閉ざす夏 和子 熱砂踏む雀らの影ゆらゆらと 順子 横顔の考へてゐる団扇かな 同 病葉となるや社の奥に降り 眞理子 空蟬は拾ひ奉仕の竹箒 順子 最短の空行く鴉街灼くる 千種 大鳥居溽暑の穢土を寄せつけず 月惑 能舞台しづかに進む蝸牛 幸風
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年7月 九州花鳥会 坊城俊樹選 特選句
大鍋のたぷんたぷんと一夜酒 愛 悪童の頃瓜番に追はれしと 同 瓜番の灯りを返す獣の眼 同 この辺り魔法使ひの夜店らし ひとみ 甘酒のとろみも憂さも呑み込みぬ 久恵 蟬時雨遠くに聞けば海凪ぎて 桂 逆転か球は外野へ峰雲へ 由紀子 夕雲はマグマ色して浜万年青 久恵 咲き疲れてゐるかも知れぬ水中花 ひとみ 丁寧にハンカチ畳み恋語り さえこ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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toshiki-bojo · 2 years
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俊樹五百句
虚子の「五百句」と対峙したい。虚子はそれを五十年ほども掛けたが、この作句期間は一週間に過ぎない。出来不出来以前にこの名著なる存在と対峙したかった。俳句の存在意義だけがこの試行錯誤の源である。短い人生である、我が愚行を是非批評して頂きたい。
坊城俊樹 令和4年8月
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弔ひの夜に横たはる暑き襤褸 浮浪者の襤褸に星降る夜となりぬ 弔ひの夜の白服なる異形 弔ひの杖に樹海の町暑し 浮浪者の眠る窓とて朧なる 夏の灯のまたたき琴座鳴るといふ 幽霊や露台に支那の戦没者 幽霊の招く小路の風死せり 夏の路地女幽霊絢爛に 星の降る夜へ英雄の霊かぎろふ
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国士無双あがる男へ星流れ 夏の夕遺族は骨を探索す 夏夕べ黒き連鎖の遺族たち 遺族らは夜より黒し星流れ 哀しさは真夏の盆へ地震きたる 地震の町に吠える家守の夜でありし 恋人も濡れる家守の夜となりし 母死して星も死すてふ家守の夜 家守らの目の爛々と星見上ぐ 家守らに昭和の記憶ありにけり
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金色の家守は母の野望とも 父がつけし渾名の犬へ星流れ 大蛇の我が天井を護りたる 姫蛇の碑へと真夏の夜の夢 蛍火に意思といふものありにけり 山泣くも山笑へるも蛍へと 犬死して総理も死して蛍へと 一億の蛍の一つ死してをり ほうたるの火に照らされて万華鏡 ほうたるの乱舞を待てる半旗かな
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火蛾ひとつ火焔の中を舞うてをり 蛍来る夜は両親へ星降る夜 死ぬ匂ひして晩年の蛍籠 怪しげな教会へ入る蜥蜴かな 万華鏡の色の蜥蜴や月を追ひ 猊下そは百歳に死し蜥蜴また 猊下死す百一の星流る夜を 猊下逝く蜥蜴は天の星仰ぐ 猊下逝く十の契りを夏の夜に 総理逝きしばらく夜の火蛾として
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猊下逝く祇園の夏の夜の契り 星流る方へ杖つき神楽坂 夏の夜の三味の灯しは籠もらざる 懇ろに幽霊を待つ簾上げ いつも見てゐて見てゐない裸かな 貪りて夜の怨霊の裸とも 風通す裸の窓をすべて開け 恩讐もある傷跡の裸体とも カンバスに幾何模様なる裸体 日当たるとやはらかくなる裸体かな
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陰翳の裸の体囁ける 因果なる裸体を褒めてゐて死せり 裸体なる女カオスの縮図とも 茅舎忌の我を白痴と思ふかな ヌードデッサンせんと孤高の茅舎の忌 茅舎忌といふ忌まはしき忌なりけり 俳壇に生けるも死ぬも茅舎の忌 茅舎忌の猿股を日に干してあり 金剛の露現今の茅舎ゐて 口唇に薬挿し入れる茅舎の忌
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河童忌の屋根に墜ちたる龍之介 河童忌といふ祝祭のやうなもの 蚕豆に天使の翼ありにけり 蚕豆の妻の故郷はカタルーナ 蚕豆といふ処女作のやうなもの 蚕豆を剥き深緑やや遺憾 蚕豆の筋のあたりを背骨とも 蚕豆のやうな赤子を授かりし 蚕豆とは一卵性双生児 バンクシーの絵は白黒に夜の秋
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我が瞳孔まもなく朽ちて夜の秋 丑三つのマンゴーゆつくり熟すなり 丑三つの蜘蛛透明な糸を吐く 斬られる待つ丑三つの熟柿かな 愚かなる夢の中なる熱帯夜 しづかなる女の舐める熱帯夜 黒蛇が白蛇を呑む熱帯夜 括れざる腰振る真夜の熱帯を 母さんが父さんを呑む熱帯夜 口唇を襞と思へる熱帯夜
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熱帯夜朱き口唇とて腐臭 熱帯夜とはずぶ濡れの吾子の夢 峠路に幽霊を待つ月見草 裏切りの美人薄命月見草 月光やちやん付けで呼ぶ影法師 月見草火星より木星が好き 月見草路地の子やがてゐなくなる 星の降る夜はひとつきり月見草 月見草恐らく祖母は浮気した 新婚の路地の匂へる月見草
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日覆を立てる穴とて深淵に 日覆のおほひて赤子腐敗せり ビルよりも高き日除けを立てにけり 男一人日除けを出でず老いにけり 裸族らし我が家の下の夫婦かな 裸にて人に逢ひたく皮を脱ぐ しづかなる蛇しづかなる自死をせり 蟻と蟻獄を出でたる如出逢ふ 灯の蟻といふ見当たらず羽蟻とす あの蛇を保育園へと見失ふ
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青条揚羽より高き蝶のなき 金輪際黒筋揚羽見失ふ 黒揚羽より正装の男かな 瑠璃揚羽祖父の遺墨を飛び立てり 暑き電線暑き電線と出逢ふ とぐろ巻く蛇地境を管理せり 大いなる物の崩れががんぼの死 青き星流れて白き星流れず 蟷螂と格闘をして日記とす 暁に麦飯を食ふ祖父の髭
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亡霊が炊いた麦飯吾れのため 麦飯の茶碗に描くただの柄 麦飯に卵二つの豪華さよ 麦飯を母は嫌がり父も嫌がり おばQを見て麦飯を食ふ至福 箸は茶で洗ふ麦飯たひらげて 麦飯を父は食はずにバタを食ふ 麦飯といふ軍縮のやうなもの 麦飯にのりたまかけて邪気かけて 仏教にあらず神道麦飯を食ふ
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麦飯を御霊に捧ぐことならず 麦飯で鉄腕アトム見てをりぬ 昭和三十六年の麦飯豪華なり 麦飯といふ神道のやうなもの 瑠璃鳴くや御霊のやうな声溢れ 神域を歌へる瑠璃のすきとほる 殉職の御霊へ瑠璃の鳴きにけり 銃弾に斃るるときに瑠璃鳴けり 天照大神きて瑠璃鳴かせ 天辺の虹の上より瑠璃鳴けり
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虚子とのみ彫られし墓へ瑠璃鳴けり 坊城家六代目へと瑠璃鳴けり 勾玉の青のひとつは瑠璃の声 瑠璃何か喩へてみれば金剛に 夏燕折り返し来る消防署 三次元を四次元に斬る夏燕 生れ替るなら岳麓の夏燕 青空を巻き込んでゆく夏燕 夏燕鏡を斬りてさかしまに 天辺に仏来給ふ朴の花
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朴の花白く翳りて懇ろに 朴の花の中に釈迦尊をらざりき 虎尾草に毛並のありて逆立ちて 虎尾草の揺れて待ちたる未通女かな 金輪際虎尾草と縁切ると言ふ 虎尾草の先くねくねと蠅を追ふ 梧桐に影といふもの濃かりけり 樹海めく梧桐たちに迷ひたる 梧桐を仰ぐ超高層仰ぐ 梧桐の葉とは天狗の団扇かな
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梧桐やブランコは立ち漕ぎ続け 梧桐の翳に不良の煙草吸ふ 梧桐に青春である疵を彫り 梧桐の伐られ虚空の天となる 山笠の波動花鳥子より届く 山笠の句の勇壮な波動来る 山笠に恋といふものありにけり 博多つ子純情の夏なりしかな 山笠の日と生誕の日と隣る 純情の山笠に夢馳せてをり
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山笠に天神颪とは来たり 金亀虫裏返りたる真夜の褥 黄金虫夜を引き摺りて灯へ入りぬ 灯に入手夜の帝国の黄金虫 羽蟻の夜玻璃にべたりと都市の闇 羽蟻翔ちお日様に溶けなくなりぬ 子を捨てし母は戻らぬ羽蟻の夜 羽蟻の夜金輪際の父は帰らぬ 羽蟻の夜弔問はなほつづきをり 茅舎忌の卍となりて日章旗
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露の世へ消ゆる人あり茅舎の忌 茅舎忌の夜が流れてしまひたる 隻眼が見えなくなりぬ茅舎の忌 龍子の絵どこか稚拙な茅舎の忌 茅舎忌の流れ流れて星ゐない 吾妹子の胸やはらかき虎が雨 吾妹子の海へ尿する虎が雨 煙草屋もとうに死に絶え虎が雨 土用波恋愛はもう星屑に 岬越え来る土用波白々と
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土用波いよよ怒濤となり崩れ 子が一人攫はれてゆく土用濤 土用濤灯台を越え来たりけり 元総理死にて土用の波濤へと 波怒濤土用の夜の人攫ひ 伝説の出水川とはこの小川 子を攫ひ妹を攫ひて出水川 出水川と記憶流れて悪夢とも 出水川恋の破綻も流しゆく 虚子塔に人来ぬ日なる最澄忌
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最澄忌千日回峰終るころ 叡山は星の降る夜の最澄忌 叡山をさ迷ふ夜の最澄忌 最澄の忌の極楽の湯舟かな 最澄忌灯す頃の先斗町 祇園にて猊下と酌みし最澄忌 萍の隠沼として河童棲む 萍を髪に見立てて河童立つ 萍の茂り月光留めたる 妖精が腰掛けてゐる蛭蓆
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丑三つの月光にある蛭蓆 優曇華へ星やさしくて月やさし 優曇華のいのち揺らぎて月を待つ 儚きは優曇華の茎なりしかな 優曇華にいのちあかりの灯せり 優曇華に神降臨すひとつづつ 母死して優曇華の情なしとせず 優曇華へ言葉少なき真夜の人 ケルン積む星降る夜となりしかな ケルン積む大岩壁と対峙して
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ケルン積むひとつひとつに女の名 行李から恐らく祖父の登山帽 恋をして山登りして死に逝けり ロッククライミングの刹那あの夏を しづかなる人しづかな死夜の秋 夜の秋幽霊ももう寝静まり 恋をして失恋をして夜の秋 瞳の奥の闇へと星の流れゆく 星の降る中に月降る夜の秋 蟻ひとつ彷徨うてゐる夜の秋
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死顔の威厳なるかな夜の秋 曾祖父も祖父も今宵は夜の秋 星ひとつ艶然とある夜の秋 夜の秋網膜剥離みたいな灯 羅を着て恋などに惑はされず 浴衣着て金魚の柄を泳がせて 羅を着て老いらくの恋をせむ 羅に序破急といふ恋のあり 妙齢は達磨柄なる浴衣着て 浴衣着て恋に窶れてしまひけり
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祖父と祖母らし残像の藍浴衣 羅の包んでをりぬ裸体かな 羅の包み適はぬ恋をして 浴衣着て恋の乳房となりしかな 浴衣着て恋人と逢ふ浜の路地 羅を着て蝮酒召し上がる 浴衣の子星とおしやべりしてをりぬ 後ろ手に団扇はさんで恋浴衣 白兎波間に跳ねて卯波くる 人死して星の卯波となりしかな
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卯波寄す森田愛子の臥所へと 九頭竜の卯波漣ほどのもの 夏の波真砂女の卯波とぞなりぬ 月光が卯波流してをりにけり 滴りの金銀の粒金剛に 滴りに輪廻転生ありにけり 滴りて岩壁となる日本海 東京スカイツリーの天辺滴りて 滴りて浅草線の三ノ輪駅 ゆつくりとしづかに歩む蛇ひとつ
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蛇の夢見てその蛇を見てをらず 蛇酒といふ極楽の中に死す 滴りの岩壁を行く数学教師 滴りの後ろ姿の女体山 蛇女邪心となりて星流れ 蛇ふたつ絡んでをりぬ月光に 蛇絡みつつ愛欲の中にあり 権現の無数の蛇の降る社 炎帝の統べるままなる総理の死 炎帝へ斬首の鴉羽ばたけり
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炎帝いま月の裏側焼きにけり 炎帝といふ今生の大宇宙 勲一等正一位なる墓灼けて 勲一等の軍馬の墓は緑蔭に 暗夜行路書きし墓とて茂り中 暑き固き墓石の如き絵画館 イザベラの墓に彫られし薔薇香る 銀杏並木の緑蔭もとんがりて 茂りてはいつも探せぬ乃木の墓 坊城は俊ばかり付く墓涼し
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殉教の墓へマリアの南風吹く 寝棺そのものを横たへ夏の墓 緑なる線対称の銀杏かな 八月の面対称の絵画館 サンドレスとは青山のあつぱつぱ 青山の墓みな灼けて無言なる 夏日燦超高層といふ墓標 無機質の超高層を旱とも ソファーめく茂吉の墓へ夏蝶来 茂吉いま夏蝶となり利通へ
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墓に挿す供華も明日より秋薔薇 秋の蝶��ルスの墓を懇ろに 夏果てて石より重き絵画館 緑蔭のハチ公の墓何処なり ハチ公の供華はおそらく水羊羹 異国なる地下に眠りて薔薇の墓 夏の蝶マリアの指に触れてより 喪主だけが半袖で乗る霊柩車 蟬の音は聞かず真昼の野辺送り 蟬死して蝙蝠ばかり飛んでをり
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蝙蝠は帰る逆さになるために 蝙蝠の裏切る音を聴いてゐる 蝙蝠も消え失せグリム童話の夜 めまとひはめまとひとして囁けり めまとひは無責任なる大家族 婆の眼の脂にめまとひ親しめり めまとひを払ふ多情の口を閉ぢ めまとひの中を葬列続くなり 朱烏夏の夜の夢覚めし頃 茅舎忌の月光ことに夢を食ふ
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茅舎忌の虫の音といふ哀しけれ 茅舎忌のシュミーズは幽霊の自慰 そこはかとなく隠微なる茅舎の忌 キリストと生きる男へ茅舎の忌 茅舎忌に金子みすずを読んでをり 白鼻心白夜の夢を見てをりぬ おぼこ今白夜の夢を見てをりぬ 白夜とは神の数だけありにけり 熊に似る男涙の炉辺話 雪女帰らず解けてしまひたき
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金輪際なき眼光の鯖を食ふ 鯖を食ふ恋愛をした夢を見て 銀色に無限のありし鯖を食ふ 恩讐の臭みの鯖を食ふ女 鹿島灘あたり怒濤や鯖を食ふ 鯖を食ふ女臀部を揺らしつつ 鯖を食ふ潮の香りを煮てをりぬ 黒潮を炊いて鯖煮となりしかな 鯖食ひ男鯖食ひ女淫靡なる 鯖食うて惜別の情無しとせず
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我が生の金輪際の虹に逢ふ 虹死して首都凡庸の空となる 奈落より虚子の墓へと虹の橋 蚊柱となりて青山墓地を舞ふ 吾妹子の子宮男の子を生みにけり 我が家より大いなる虹架かりけり 苔の花とは妖精の小さき眼 苔の花喋るぺちやくちやぺちやくちやと 苔の花海に流れてしまひさう 我が生も淋しからずや苔の花
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大漁の夜の纜に苔の花 苔の花阿呆の黄色楽しくて 苔の花金輪際の生にあり 苔の花哀しくなれば咲いてをり 苔の花苔を大地として咲けり 苔の花の夜は近づく大宇宙 未熟児に産まれる人へ苔の花 そよぐことなき苔の花小さすぎ 流星と同じ色して苔の花 苔の花咲きて天動説となる
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苔の花影といふものありにけり 囁きの夜に閉ぢたる苔の花 河童忌を星の吹雪と思ふなり 河童忌の蛇口ひねれば湧いてをり 河童忌に砂糖を舐める女あり 河童忌のしんがりの児は引き込まれ 河童忌にベートーベンを聴いてをり 河童忌を皇后陛下畏くも 河童忌の童は杓子定規かな 怒濤とし童押し寄せ河童の忌
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滴りて山又山を濡らしをり 絵画館の壁の隙より滴れり 夏の水汲み元勲の墓域へと 滴りに栄枯盛衰ありにけり 滴りて富嶽をすこし潤せり 滴りに奈落といふは先のこと 滴りてゆつくり濡れてをりにけり 滴りて巌の命を疑はず 幻か滴る先に河童の子 滴りて四国三郎ありしかな
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蟻ひとり穴ひとつあり佇みぬ 増上寺国葬にあり蟻ひとつ 群衆の蟻群衆の蟻に逢ふ 山蟻の威厳の黒に死してをり 黒蟻と赤蟻言葉交さざる 蟻ひとつ地下迷宮を出で来たる 蟻塚に蟻の声のみ充満す 蟻塚の掘りたての土匂ふなり 蟻地獄静謐といふ美しき あとづさりして身を隠す臆病に
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岳麓へ行者道めく蟻の道 蛾の破片ゆらゆら運ぶ蟻の道 ビール飲む眉間に皺を寄せながら 麦酒飲むますます法螺を吹きながら 白魚のやうな指もて麦酒注ぐ 我が世とぞ思ふ望月の麦酒かな 麦酒のむいつか焼かれし喉仏 女ひとり化粧濃くして黒麦酒 蛇苺姉の我が儘永遠に 蛇苺庭に埋めし金魚へも
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侯爵の墓の片隅蛇苺 蛇苺男鰥の庭の恋 山笠の西の便りを句に乗せて 博多つ子純情いまも山笠に 山笠の男だらけの怒濤なる 傀儡の関節錆びて夏の雨 白雨きて蛍光灯の切れかかり 関節はぎしぎし老ゆる夏の雨 飴玉が降る音のして夏の雨 連続の数珠の音して夏の雨
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夏の雨身の内の獅子唸るなり 旋律はボブマーリーに似て夏の雨 戦後すぐ膣より産まれ夏の雨 白雨きてボサノバの雨合体す 白雨きてコーラの壜の女体めく おそらくは黄泉の国とて夏出水 夏出水遺品の遺書の何処へと 高貴なる神に押し寄せ夏出水 最果ての鵺の夜へも夏出水 土用波七里ヶ浜で祖父に抱かれ
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土用波みたいな嬶の乳房かな 柏翠の療養所へと土用波 土用波森田愛子の身の内へ 土用波虚子と愛子の物語 髪洗ふ乳房の先を湿らせて 髪洗ふ妬み嫉妬を流すとか 女百態懇ろに髪洗ふ 髪洗ふ幼き頃の金盥 あんな女に嫉妬して髪洗ふ 犬洗ふ即ち犬の髪洗ふ
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昼寝して夢の合戦破れたり 元首相撃たれし頃の大昼寝 夜よりも昼寝彼の世に近かりし 貪るは蛸か女体か昼寝覚 昼寝して夜には死んでをられたる 昼寝覚女百態消失す 昼寝覚地獄の釜を押し上げて 昼寝覚一年損をした気分 昼寝して虚子と話をして戻る 昼寝覚范文雀と別れ来て
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蝙蝠の彼の世此の世と飛翔せり 蚊食鳥煙のやうなる蚊を追へり 蚊食鳥夕焼け小焼けの唄に乗り かはほりの逆さに夢を見る昼間 かはほりに迷子探してもらふ夕 蚊食鳥夜の女は出勤す かはほりは街の電波と交錯す 蚊食鳥幼稚園児はもう家へ 友人の納骨を終へ蚊食鳥 学習院初等科の上蚊食鳥
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あぢさゐの萎れし夕べ蚊食鳥 かはほりと月と金星置きどころ 青林檎みたいな乳房持つ少女 青林檎囓る気もなく接吻す 青林檎真夏の夜の夢の中 昭和とはヌード写真と青林檎 麗人の口怖ろしく青林檎 漆黒の夜は青ざめて青林檎 青林檎堅しと思ふ瑪瑙より パテイーデュークショーを観ながら青林檎
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青林檎がさつな漢の手に堕ちる 夏の夜の夢とはならず老いゆけり 夏の夜の罪ある墓標御影石 唇は濡れて真夏の夜の夢 夏の夜のネオンサインはジジと切れ 漆黒の真夏の夜の夢となり 入れ墨の夏の女を持て余し 金魚玉夜に入る頃の小宇宙 絢爛の金魚は恋をしてをりぬ 絶縁の夜に浮きたる金魚玉
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和服着て振り袖を振る金魚かな 勲一等正二位の飼ふ金魚かな 飛魚の飛んで越え行く隠岐の島 隠れキリシタン飛魚となり戻りけり 飛魚の流刑の島を飛び越えて 炎帝に見つからぬやう昼に寝る 日輪が炎帝をまた拐かす 炎帝に翳といふものありにけり 白日夢とは炎帝が司る 炎帝が紛れ込んだり夢の中
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盆栽といふ炎帝の置き土産 炎帝も銀河の裾の一部分 我が霊も炎帝となり銀河へと 観音の笑みて溽暑を遠ざけて 観音の炎暑の唇を赤しとも 陽炎へる陽子の墓や禁色に 墓の苔とて万緑の一部分 観音の胸乳あたりへ夏の蝶 五輪塔とは緑蔭のただの石 乾きたる稲毛氏の墓とて旱
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一山の万緑なだれ年尾句碑 薔薇咲かせ流行り遅れの服を売る 昔から麦酒が好きな人の墓 蛍光灯切れかかりゆく夏の果 夏行くや皆んな貧しき灯して 人を待つ心にも似て夜の秋 涼しさの雨の粒とは淋しくて 街の灯の蒼く点りて夏の夜 灯して何読むでなき夜の秋 夜の秋義兄は生れ替りしや
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涼しさの夜の灯の鈍色に 堕胎の子いつも走りて汗哀し 夏逝くや雨の音符の翳色に 夜の秋眼の衰への文字歪む 夜の秋炎集めて住む川原 夜の秋己れ空しく酒を飲む 涼しさの夜雨の音の蓄積す 涼しさは恨みに似たり灯を消せば 幽霊坂うすむらさきの夜の秋 幼稚園死んだ子が居る夜の秋
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夜の秋やがて孤独の誕生日 蛍光灯切れかかりゆく死者の秋 老いてなほ秋めく恋の行方かな 新涼の飴の色とは濃紫 秋めきて失恋をする七回目 新涼の鏡に映す吾の死顔 頭痛して秋めく我の髑髏 新涼の驚き顔となりし天 新涼の犬に哀しき堕胎過去 八月の女ものものしく太り
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spst-haru · 3 years
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[ 緑葉世界に架かる ] . . . 緑葉の美しい庭園に 朱色が架かる。 . . . ==================== 📸 2021.09 Koishikawa Korakuen, Bunkyo-ku, Tokyo . Nikon D5300 🍃💧🍃💧🍃💧🍃💧🍃 ==================== . . . #japan #tokyo #koishikawakorakuengardens #koishikawakorakuengardens_tsutenkyo #koishikawakorakuengardens_tsutenbridge #koishikawakorakuengardens_aomomiji #aomomiji #koishikawakorakuengardens_momiji #koishikawakorakuengardens_greenleaves #koishikawakorakuengardens_komorebi #komorebi #東京 #小石川後楽園 #小石川後楽園_通天橋 #小石川後楽園_青もみじ #青もみじ #小石川後楽園_もみじ #小石川後楽園_緑葉 #小石川後楽園_木漏れ日  #木漏れ日の園 #komorebi_no_sono #眩しき青もみじの世界 #beautiful_aomomiji #緑葉セカイ #scent_of_green_leaves #adobephotoshoplightroom #nikond5300 #instagram #photo #photography (小石川後楽園) https://www.instagram.com/p/CWYeT1fJ-Vx/?utm_medium=tumblr
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eyes8honpo · 3 years
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四章 重力崩壊
「こっ、のぉ~! 落ちぶれ、貴族のっ、クセに! 生意気だぞ~!」 「そういう、ことは! 我々に! 勝ってから! 言ってもらいましょうか成金貴族!」 「むき~! テニスだったら絶対負けないのに~!」 「姫ちゃん落ち着くんだぜ~! 連携が崩れちゃうんだぜ!」 「今です春川くん! 攻めていきますよ!」 「HaHa~! みんなでバドミントン楽しいな~? 宙はとっても気に入りました!」  なんで、あんなに元気に動き回れるんだろう。  体育館の壁にもたれかかって、両膝を抱え込んだ翠は、目の前で走り回る同級生たちの姿にげっそりと肩を落とした。隙間から吹いてくる風は生ぬるく、湿気を帯びて翠の体力を奪い続ける。今年の梅雨明けは、例年より早い見込みです。連日流れるテレビのニュースに、うそつけ、と悪態をついた。朝から酷い濁り方を見せていた空は、雨こそ降らないものの、翠を心の底から憂鬱にさせた。 「ちょっと~暗い暗い! 暗いよ翠くん! そんなんじゃ幸せ逃げちゃうよ~?」  頭上から降ってきた底抜けに明るい声に、翠はあからさまに眉をひそめた。別に、逃げてもいいし。投げやりに答えると、ひなたは「ふーん」とどうでもよさそうに言って、翠の隣に腰をおろした。一人にしておいてほしかったのに。内心、そうは思ったものの、さすがにこのあと同じコートに立つ相方を邪険にするわけにもいかず、翠は座り込んだひなたのことを恨みがましくじっと見ていた。 「ずいぶん機嫌が悪そうだけど、どうしちゃったのさ。ライブは大成功だったって聞いたけど?」 「……誰にきいたの」 「忍くん。ま、聞いたのは俺じゃなくてゆうたくんだけどね!」 「あ、そう……」  そっけない翠の対応に、ひなたは動じなかった。  すごいお客さんだったらしいね。さっすが流星隊。一年生の子も堂々としてたって、話題になってるみたいだよ――会話するでもなく一方的に話し続けるひなたに、翠は辟易しきっていた。視線の先では、光のスマッシュが決まったのか、桃李と宙が嬉しそうに跳びはね、司だけが悔しそうに唇を曲げていた。  ライブが成功したというのは事実だった。  去年と同じ舞台。  遊園地でのヒーローショウ。  スーパーノヴァの再演。 「やりたいことがあったら、どんどん言ってほしいッス」  鉄虎の言葉に、後輩二人は目を輝かせて即答した。  勢いに圧倒されて、やや仰け反った鉄虎の背中を昨日のことのように思い出せる。実現させるためには、小さなことからコツコツと、ッス。まずはどうしても公園での定期的なヒーローショウとか、ゴミ拾いとか、そういうボランティア活動がメインになっちゃうッスけど。申し訳なさそうに告げた鉄虎に、二人は「やります」と嬉しそうに笑った。去年度の実績があるとはいえ、抜けた先代の穴は大きい。それを分かってか、望美も環も恐ろしく熱心にレッスンをこなし、どんな小さなライブにも手を抜かなかった。 「自分たちが入ったことで、流星隊の人気が落ちるなんてこと、あっちゃいけませんから」  普段あれほど気弱な環が、毅然とした表情でそう告げたのが、とどめだったように思う。  その日を境に鉄虎はあまり笑わなくなった。  昼休みも放課後も、隙を見ては企画書に赤ペンを引いて唸るような日々が続いた。外部の仕事を拾ってくるのは、翠たち三人が思っていたより遥かに困難だった。プロデュース科に頼ろうにも、あちらはあちらで新入生の育成に手一杯で、去年のように各ユニットのことを気にかけられる状態ではなくなっていた。かろうじて忍が生徒会経由で取ってきた仕事が成功したからよかったものの、鉄虎の表情は沈んだままだった。 ――あのひとは、やっぱりヒーローだったんスね。  ぽつりとこぼれた言葉の意味が、最初、翠には分からなかった。疲れきった鉄虎の右手がスーパーノヴァと書かれた企画書の束を高々と掲げ、一年生が割れんばかりの歓声をあげたその時になって、ようやく理解した。あの真っ赤な背中はいつも、たった一人であちこちを飛び回り、そんな努力の形跡など微塵も見せずに、誰かの願いを叶えていったのだということ。そして、あれと同じ色を背負った重圧から、鉄虎は必死で駆けずり回っていたのだということ―― 「鉄くんはさ」  心臓を掴まれたような悪寒が身体中に走る。 「大丈夫なのかな」  心を読まれたのかと思った。  血の気の引いた指先を握る。  隣を伺えば、ひなたの深いエメラルドの瞳が悩ましげに細められていた。 「……本人は大丈夫って、言ってるけど……」 「うーん。翠くんが相手でもそうか。困ったなあ。俺も友くんも、結構あの手この手で話しかけてるけど、大丈夫の一点張りだし。……なんとかしてあげたいんだけど。鉄くん、ちょっと頑張りすぎ。あんなんじゃそのうち倒れちゃうよね」 「……流石に、倒れるまで無茶しないとは思いたい……あんな分かりやすい反面教師がいたんだし……」 「反面教師がいるのとそれを自分に活かせるかどうかは別物だよ」  冷ややかな視線が、どこか遠くを見つめるように投げ出された。  ゾワ、と背中を嫌なものが駆けていく。 「ていうか、本気でそう思ってるんなら、ちょ~っとおめでたいんじゃないかな〜」  独り言のように呟くと、ひなたは今さっきまでの騒がしさが嘘のように黙ってしまった。  不穏な沈黙が、湿気と混ざり合って、ドロドロと質量を増していく。
「ひなちゃん! 交代な~!」  呼び声がして、翠もひなたも顔をあげた。  黄色い髪をふわふわと揺らしながら、宙が駆け寄ってくる。 「宙くん」  名前を呼び返しながら、ひなたが立ち上がった。ちょっと前までは苦手だと思っていたのに、今この場に限っては声をかけてくれて助かったとさえ思う。隣の不快な重圧が小さくなって消えたのを感じて、翠は身勝手にもほっとしていた。  コートの隅では、勝敗が決まったにも関わらず、桃李と司が睨み合いを続けていた。光の姿はそこにはなかった。代わりに遠くの方で、走るな天満、と教師の怒声が響いていた。 「おつかれ! アンドおめでと~! すっごい接戦だったね!」 「なかなか終わらなくて楽しかったな~? 次のゲームも今みたいにずーっと続いてほしいです! 宙はバドミントンが大好きになりました!」 「あはは、それはよかった。よーしじゃあ俺も頑張ってこよっかな! ぐんぐん勝ち上がって宙くんたちと当たりたいよね! 翠くん!」 「いや、俺に振らないで……ていうか勝手にやる気出されても困る――」  重い腰を上げてようやく立ち上がると、目線の高さに待ち受けていた形相に翠は息を飲んだ。 「ねえねえ、まっさかと思うけどさ~あ?」  この、時折見せる、辛辣な態度。 「鉄くんにも同じこと、言ってないよね」  薄々勘付いていた。だから近寄ってほしくなかった。  去年の今頃苛立ちと共にぶつけられた言葉が脳裏によぎる。俺、そんな子たちと一緒にやるの、嫌だな。オレンジ色の髪だけじゃなくて、き���と中身も似てるんだろう。翠は眉をひそめた。わざわざ嫌がることを分かった上で踏み込んでくる姿があの暑苦しい太陽の背中と重なって見えるところも、翠を不機嫌にさせた。 「……言わないよ」  爛々と見開かれた相貌を、睨み返すように見据えた。どうにも、今日の自分は酷く虫の居所が悪い。いつもだったらこんなことは絶対にしないはずだ。だって、余計に面倒なことになるに決まっている。そう思いながらも、翠は嫌悪感を隠せなかった。 「二人とも、どんより曇り空の灰色な~? 何か嫌なこと、あったんですか?」  肩の辺りで、小動物の耳のような黄色が、フワ、と揺れた。  驚いて見下ろせば、青とも緑ともつかない不思議な色の瞳が、空気の重さを打ち消すように輝いていた。翠が返事に窮した数秒の間に、ひなたは二度まばたきをして、いつもの明るさを取り戻していた。 「ううん! なーんにも!」  そう言って笑い、コートのほうへと駆けるひなたの背中を、翠は険のある表情で見送った。  なんにもないわけないじゃないか。下唇を噛んで、俯きがちに歩き出す。 「みどちゃん」  呼び止められて振り向いた。この子が自分の名前をこうして呼ぶのは、珍しい。なりゆきで何度か一緒に遊んだことはあっても、翠にとって宙は友達の友達で、特別親しい間柄というわけでもなかった。それでも宙の声に含まれる気遣いの色は本物だった。宙のように実際色が見えるわけではないが、それくらいのことは翠にも分かった。 「みどちゃん、大丈夫ですか? もう、ず~っと長い間、みどちゃんのまわりで色が濁って、みどちゃんの色が……よく見えないな?」  ううん、と片目をこすって、宙は不安そうに眉をよせた。 「……俺の色って、どんな、」  すがるようなか細い声だった。あまりの不甲斐なさに、消えてなくなってしまいたい、と思った。誰でもいいから助けてほしいと、心のどこかで考えている自分のことが、嫌で嫌でたまらなかった。同時に、不機嫌の理由を突きつけられたような気がして、翠の心はいっそう濁った。  単なる自己嫌悪じゃないか。  かっこわるい。 「普段のみどちゃんはもっと、お日さまの光をいっぱいに受けたみたいな、淡くて明るい葉っぱの色な~。でも……宙が灰色のぐるぐるじゃない時のみどちゃんを最後に見たの、もう随分前のことです」 「……元々、灰色なんじゃないかな……」 「そんなことはありません! それにみどちゃん、ステージに上がると時々、弾ける花火みたいにとってもカラフルになる瞬間があるな~! きっとモヤモヤに隠れて今は見えないだけです! だから、モヤモヤを吹き飛ばして、宙はまたみどちゃんの色と出会いたいな~? 何かお手伝いできますか?」  真剣に考え込んで小さく唸った宙の、鮮やかな黄色のつむじを見つめて、翠はもう一度唇を噛む。どうして、誰もがみんな、こんなに他人のために一生懸命なんだろう。自分のためにすらろくに動けない自分が、余計に惨めだ。黙ったままの翠の、うつろな視線の先で、ポンと軽快な音が鳴る。驚いて少し仰け反ると、宙はその小さな手のひらに、まっしろい鳩を一羽、乗せていた。  くる、くる。  あっけにとられる翠の顔を見上げて、鳩は小さく鳴いた。  かわいい。  けど、どこから?  呟いた翠に、宙はにっこりと笑った。そしてまたポンと煙を起こして、手の中のものを消してしまった。翠は目を丸くして、からっぽになった宙の、小さな手のひらを見つめていた。 「宙はまだ、ししょ~みたいに魔法が上手く使えません。大ししょ~みたいなマジックも難しいな~? でも願います! みどちゃんの色がキラキラの、本当の色になるように!」  ぱちん、と鳴らした宙の指先に輝くネオンのような光に、翠は目を瞬かせた。  なにかの見間違いかな。  数回のまばたきのあと、その光は跡形もなく消えてしまった。 「みどちゃん」  いってらっしゃい。  見送りの挨拶に、はっと我に返って顔を上げると、コートの向こうでひなたが大きく手招きをしていた。 「うん……ありがとう、春川くん」  駆け出した両足は、不思議と少し軽くなっていた。それが魔法だというのなら、翠は宙のことを立派な魔法使いだと思う。  でも、もし本当に魔法が、あるのなら。 「どーしったのっ? 翠くん。宙くん、手品でも見せてくれた?」  いつも通りの朗らかな笑みを携えて、ひなたがラケットを投げてよこした。  慌てて受け止めながら、うん、とぎこちなく返事をする。 「そっか。……よかった」  穏やかにそう言って、ひなたはコートの中央線をまたいでいった。さっきまでの淀んだ空気は、綺麗さっぱりなくなっていた。不思議だ。ラケットのグリップを握り直しながら、翠も自分の位置についた。  本当に魔法があるのなら。  それをかけてあげたいのは、もっと。  俺なんかじゃなくて。  脳裏にちらつく黒いえりあし。その項垂れた首が、疲弊した背中が、同じように少しでも軽くなればいいのにと、願わずにはいられなかった。ピィ、と吹き鳴らされたスタートの合図に、翠は深々と息を吐き出した。
   ★
「あれっ? 嵐ちゃん先輩なんだぜ?」  教室のドアの前に佇む人影を見て、光が駆け出した。あいつ、元気すぎ。汗だくの桃李がげんなりと眉間にしわを刻む。一ヶ月ほど前までは甲斐甲斐しく注意を飛ばしていた桃李だったが、全く聞く耳を持たないのでとうとう諦めたらしい。 「あらしちゃーんせーんぱーい」  大声で叫びながら手を振る光に、嵐は顔を上げて、あら、と口元を押さえた。 「やァだ、体育だったのねェ。道理で誰もいないはずだわ」 「うん! さっきまでバドミントンしてたんだぜっ! グランドがぐちゃぐちゃだからって、最近ずっと体育館にぎゅうぎゅう詰めで、オレすっごく窮屈だったんだぜ~」 「そうよね、最近雨ばっかりでなかなか外を走れないもの。アタシも思った以上にストレスだわ」 「きっとアドちゃん先輩に聞いてもおんなじこと言うんだぜ! アドちゃん先輩も絶対、広いとこのほうが好きだもん! やっぱり世界は広いほうがいいんだぜっ!」 「ウフフ。また随分と話が大きくなったわねェ。アタシは別に体育館でも言うほど困らないけど……あっ! あらヤダ司ちゃん!」  ぞろぞろと教室へ入っていく集団を、嵐が慌てた様子で呼び止める。ちょうど廊下から教室へと踏み込んだばかりの司が、つんのめって半回転した。邪魔ぁ、と桃李が低く吐き捨てたが、幸い司の耳には届いていないようだった。 「はい、鳴上先輩! 司でしたらこちらに!」 「危ないところだったわァ、司ちゃんに用があったのよアタシ。今日の練習なんだけどね、訳あって押さえてた場所を他に譲ることになったの。申し訳ないんだけど、放課後はスタジオの方に来てくれるかしら?」 「承知致しました、ではそちらへお伺いします。……しかし、わざわざお立ち寄りくださるとは。この程度のこと、Mailして頂ければ結構ですのに……」  不思議そうに小首を傾げる司を、ぼんやりと眺めたあと、嵐は教室のドアからわずかに中を伺って、小さく息をついた。 「……どうかなさいました?」 「鉄虎クン、は……そうね。このクラスじゃないものね」 「ええ。彼はA組です。何かご用でも?」 「用って程でもないんだけど……ちょっとだけ、ね。急に心配になっちゃったの。……思い詰めてるカンジだったらフォローしてあげたかったんだけど」 「そう――でしたか」  ほんの少し、察したように表情を曇らせて、司が相槌を打つ。 「鉄ちゃん、どうかしたの?」  きょとんと目を丸くさせて、光が嵐と司を交互に見た。  言い淀んだ司の横で、嵐は「なんでもないわ」と微笑んだ。 「アタシの杞憂で済むんなら、それに越したことはないのよ」  付け足された祈りのような言葉に、司も静かに頷いた。 「それじゃ司ちゃん、放課後にね」 「……はい。また後ほど!」 「光ちゃんもあんまり変なとこ走っちゃダメよォ? 椚センセに叱られちゃうから」 「ええ~? うーん、分かったんだぜ~……」  光がしぶしぶ返事をすると、嵐は「ホントに分かったのかしら」と困ったように眉尻を下げて笑った。駆け足で教室に戻っていく光と、軽く会釈をした司に、嵐もひらりと右手を振って歩き出す。
「あっ、あの」  それは予想外のことだったのだと思う。  呼び止められた嵐は、訝しげな表情でゆっくりと振り向いた。  そして声の主を捉えると、納得したように「あぁ」と頷いた。さほど面識があるわけではなかったが、顔くらいは覚えられていたのだろう。どうも、と首をすくめて、翠は胃のあたりで両手を組んだ。 「その、鉄虎くん……何か言ってました、か――」 ――やっぱりやめておけばよかった。  みるみるうちに後悔したのは、嵐の長いまつげがぴんと伸びて、次第に怒りを滲ませ始めたからだった。 「あのねェ」  凄みの利いた低音が、翠の鼓膜をふるわせる。  飲み込んだ息が、ヒ、と悲鳴のように鳴った。 「聞きたいのはアタシの方だわ。あの子、一体どうしちゃったっていうの? ちょっと見ない間にこわァい顔になっちゃって……似合わないったらないわ。眉間にシワの寄ったアイドルなんて泉ちゃんだけで充分よ、全く」  一歩、また一歩と嵐が詰め寄ってきて、翠は大きく後ずさった。捲し立てられた言葉が、ぐるぐると頭の中を駆けめぐる。ぎゅっと握った体操服の裾。廊下の隅に落ちた視線。嵐はくの字に折れた翠の体を一瞥して、ため息まじりに��髪をかきあげた。 「アナタ、同じ���ニットでしょうに。アタシに声をかけるだけの勇気があるんならね、ちゃんと本人を気にかけてあげなさいな」  冷ややかな声だった。  勇気を出したつもりで、一番肝心なところから逃げた卑怯者。そうなじられたようで、ぐわん、と頭の後ろが痛んだ。やっぱりやめておけばよかった。再び後悔がわいてきて、目頭に滲む。  いつもこうじゃないか。  中途半端になにかして、なにかした気になって、安心したいだけ。  本当にやるべきことは、別にあるのに。  分かっているのに。 「……ごめんなさい。流石にちょっと、言い過ぎだわ」  顔を上げてくれる?  ほんの少しやわらいだ口調に、翠は恐る恐る、目だけを向けた。絡んだ視線の先、淡い紫の瞳。何度かの瞬きのあと、悔やむように眉をさげて、嵐は息を吐き出した。 「あぁ、やだ、これじゃただの弱い者いじめじゃない。カッコ悪い。そうよね、自分の不甲斐なさを棚に上げて、偉そうなこと言えた義理じゃないわよね。でもどうしても見過ごせなかったのよ、アタシ。アナタには分からないかもしれないけど……人がボロボロに崩れ落ちる瞬間なんて、本当にあっという間なんだから」  渋い表情のまま一息にそう言うと、嵐は目を細め、ぼんやりと虚空を見つめた。 「崩れ落ちたあと、元に戻る保障もないのにね。……残酷な世界よねェ」  ゾ、と背筋が凍る。  粟立った両腕を、反射的にさすった。  嵐は、頬に片手を添えて大きくため息を落とした。 「そろそろ、着替えないといけないわよね。授業が始まっちゃう。……鉄虎クンには、アタシからも声をかけてみるわ。お互い勇気を出しましょ、“翠クン”」  え、と弾かれたように顔を上げる。名前。翠がそう呟くと、嵐はやわらかく微笑んだ。 「あの子がそう呼ぶから、ついね。イヤだったかしら?」  いえ、別に。ゆっくりと首を横に振ると、嵐は満足そうにもう一度笑って、じゃあね、と身を翻した。翠はしばらくそこに立ち尽くしていた。翠クン。翠くん。頭の中で、呼ぶ声を思い出そうとして、急に恐ろしくなった。一緒になって浮かんでくる表情の中に、笑顔が見つからない。翠くん。みどりくん。最近、呼んでくれることさえ少なくなった。行きと帰りの重たい沈黙。また明日。呟くとき、頬に落ちる、暗い陰。 「高峯くん」 「ひっ」  大きく肩を震わせて振り向くと、そこにはぎょっと目を見開いた司が立っていた。  胸元にはきちんと結ばれた、青のネクタイ。 「す、すみません。驚かせてしまったようで」 「いや、俺も、すごい声出しちゃって……びっくりしたよね……?」 「ふふ。少々驚きましたが、お気になさらず。それより高峯くん、ご無事でしたか?」 「ぶ、無事って、何が……」 「いえ……鳴上先輩は、普段はお優しい方なのですが、ひとたびお怒りになるとそれはそれは恐ろしい形相でこちらへ詰め寄っていらっしゃいますので……」  我が身のことのようにぞっとする司の表情に、翠は少し驚いた。 「……朱桜くんが怒られることなんかあるの」  この品行方正で、完璧にも思える小さな王様が。  不思議に思って尋ねると、司は普段の凛々しさから一転して、恥ずかしそうに頬をかいた。 「私もPerfectではありませんから。人としても、Leaderとしても、まだまだ未熟者です。ご指導頂くことの方が多いですよ。……意外でしたか?」  うん、と素直に頷いた翠に、司はもう一度照れたように笑った。先日も、後輩と激しい口論になって、先輩方に叱られたばかりでして。続く言葉に、ぽかんと口が開く。 「誰しも、Perfectな人間にはなれないものですね。……私も認められるようになったのは、つい最近のことですが。叱られて、Supportして頂いて、それが悪いことではないのだと思えてからは随分楽になりました。なにせ先代がああですから私の失態など可愛いものです。あそこまでFreedomに生きるのは命じられても困難というもの……ああいえ、すみません、これは余計な話でした」  照れ隠しなのか、ただの愚痴なのか、司は一息にそう言うと、口元に手をやって咳払いした。  なんだか、ただの同級生みたいだ。  間抜けな感想を抱きながら、翠はまばたきを繰り返した。  戦場で戦う背中しか知らなかった。遠い世界の人間だと勝手に思い込んでいた。完璧な人間なんかいない。いつかの赤い炎が、目の奥によみがえる。  それでいいんだと、あんたも言っていたっけ―― 「……彼も、あまり思い詰めないといいのですが」  は、と我に返る。見下ろした司は浮かない表情で眉をひそめていた。胸のあたりがぞわぞわしてきて、翠はきつく両手を組み直す。戻りましょう。司が促したちょうどその時、チャイムが響いた。少しして入ってきた教師は、体操着のままの翠を見て意外そうな顔をしていた。あと一時間。掛け時計の短針を静かに見つめながら、翠は小さく身を縮ませていた。
   ★
「それじゃあ俺、鍵取りに行ってくるッス――」  教室から勢いよく飛び出してきた鉄虎は、廊下へ降り立ってぴたりと動きを止めた。  むぎゅ。忍がぶつかったのか、後方で潰れたような悲鳴があがる。 「お、お疲れ……」  かすれた声で言って、翠は鞄のひもを握り締めた。お疲れッス。返事をしながらも、鉄虎の目は不思議なものを見つめるようにきょとんとしていた。 「あれっ? どうしたんでござるか? 今日部活でござろう」 「うん、今から行く……けど……」  鉄虎の肩の向こうから、背伸びした忍のまるい頭がのぞく。煮え切らない語尾に、鉄虎はゆっくりと眉をひそめた。部活、遅れるッスよ。生真面目な、硬い声が飛んでくる。うん、とまたひとつ頷き返して、翠は縮こまった。忍は不安そうに、翠と鉄虎の表情を伺っていた。 「な、鳴上先輩が」  呻くような、苦しい声だった。鉄虎は少し目を見開いた。 「心配、してた。……鉄虎くんのこと……」  また。逃げる。  頭のうしろが、ズキ、と痛んだ。  数秒の沈黙があった。拙者、鍵、取ってくるね。囁くように忍が言って、そうっと鉄虎の背中に触れる。鉄虎が返事をする前に、忍は音もなく廊下を駆けていった。ぼう、とその背中を見送りながら、鉄虎も静かに呟いた。鳴上先輩。 「……いつの話ッスか?」 「さっき……五限のあと、たまたま会って」 「先輩、なんて」 「……最近。顔がこわい、って」  かお。  繰り返して、ぺたり、と頬に手をやる。  自覚すらなかったのかと、再び悪寒が走った。アタシに話しかける勇気があるのなら。よみがえった叱咤の言葉に、強く、強く両手を握りしめる。 「てっ……鉄虎くんは、その……大丈夫なの?」  絞り出したそれが、翠にとっての精一杯だった。ばくばくと鳴る心臓を必死で押さえつけながら、沈黙に耐える。なにか、誰か、何か言って。祈るように一度目をつぶり、思い切って顔を上げた瞬間、翠はまた静かに後悔するのだった。 「大丈夫ってなんスか」  低い声。  寄せられた眉。  不服そうに曲げられた唇。 「な、んで怒るの……」 「別に怒ってないッス」 「だから、顔、怖いんだって……」 「元々こういう顔ッスよ。で、何が大丈夫じゃないんスか」 「そうは言ってないじゃん……ただ、その……ちょっと頑張りすぎなんじゃないかって、思っただけで……」  一時間前、体育館で聞いた台詞をなぞり返す。  言いたいことはもっとある。このところ減った口数のこと。目の下のなくならない隈。 「大丈夫ッスよ」  それを誤魔化そうとする、不自然なほどの明るい声。 「俺、頑丈ッスからね! ちょっと頑張りすぎるくらいがちょうどいいッス!」 「頑丈なのは、まあ、そうかもしれないけどさ……あんまり根詰めすぎてもよくないっていうか……照明案、帰ったあともやってるんでしょ?」 「だって、やんなきゃ終わんないッスから。さっさとやっつけて、一日も早くレッスンに入らないと。間に合わないッス。去年なんか散々だったじゃないッスか。あんなのは御免ッスよ、もう」  鋭い声で言い放った鉄虎の瞳は、去年の今頃のようにわずかに血走っていた。ステージ上での成功よりも、練習の出鼻をくじかれた苦い記憶のほうが強いのだろう。 「今年こそ、ちゃんと成功させるッス。休んでる暇なんかないんスよ」  あの時感じた焦燥と危うさだ。  とめなきゃ。 「でも……でもさぁ。それでもし、鉄虎くんが倒れちゃったりでもしたら俺たち」 「倒れないッスよ!」  翠の言葉を遮って力の限りに吼えると、鉄虎ははっと顔をあげて息を飲んだ。 「……ごめん。ごめんね。大声なんか出して。びっくりさせちゃって……翠くん、もうそろそろ、行かないとじゃないッスか? 部活、ちゃんと出ないと、ダメッスよ」  ぎこちない笑顔で笑いかけてくる鉄虎に、翠はもう何も言えなかった。  振り絞った勇気は粉々に散ってしまった。これ以上は、踏み込めない。 「俺、忍くんと、待ってるから。……また、あとでね」  無言で頷き返すと、鉄虎は申し訳なさそうに眉尻をさげたまま、廊下を駆けていった。翠も萎縮した体をなんとか動かして歩き出す。鉛のように重たい足だった。本当はもう何もする気にならなかったし、このまま家に帰って寝てしまいたかった。けれど、頭の中でガンガンと鳴り響く鉄虎の声が、翠を立ち止まらせてはくれなかった。待ってるから。その言葉を置き去りにして帰るなんて、できない。滑り落ちてくる涙を手の甲でぬぐいながら、翠は歩き続けた。  遅れて体育館に入ってきた翠を見て、真緒は驚いたように目を見開いた。  そしてすぐに真剣な表情になって、声を潜めた。 「今日は帰るか? 高峯」  問いかけに、帰れません、と首を振る。  渋い顔をした真緒は、分かった、とだけ言って翠の肩をぽんと叩いた。翠の動きはいつも以上に酷い有り様だった。それでも翠は懸命にボールを追った。途中、とげのある声で叱咤を飛ばしていたスバルも、次第にその必死さに口をつぐんだようだった。気付けば時間は過ぎて、真緒が終了の号令をかけていた。 「タカミン、しゃがんで」  その言葉に翠が反応する前に、スバルは器用に背伸びして、翠の頭をぐしゃぐしゃと撫でていった。驚いて固まっていると、「みんな帰るぞ~」と真緒の声がした。荒い呼吸を整えながら時計を見やる。行かなきゃ。大きく深呼吸をして、翠は歩き出した。
 ごめん 先帰る
 着替え終わって携帯を開くと、予想もしなかった一文が液晶の上部に浮かんでいた。受信したのは一時間ほど前のこと。一体、何が。戸惑いながら画面をなぞると、その数分後にもう一通、メッセージが送られていた。
 部活が終わり次第、至急AV室に来られたし。
 いつもはかわいいと感じるカエルのユーザーアイコンが、今日ばかりは不吉なものに見えて仕方なかった。いま行く。返信を打ちながら、慌てて部室を飛び出した。 「おっ、おいっ! どうした高峯!」  尋ねた真緒の声は、翠の耳には届かなかった。
   ★
「し、忍くんっ……」   飛び込んだ視聴覚室で、ぽつんと座る忍は、翠の顔を見るなり椅子から飛び上がった。 「翠くんっ! おつかれでござる!」 「うんお疲れ、鉄虎くんは――」  ぜえぜえと短く息を吐きながら、翠は部屋を見渡した。  いない。  携帯の画面を見た時から分かっていたはずなのに、自分の目で確かめてようやく実感が湧いてきた。いない。鉄虎くんがいない。先帰る。頭の中でぐるぐると文字が躍る。不気味なほどに真っ赤な西日が強く目の奥に差し込んで、酔いそうで、気持ち悪い。 「それが……鉄虎くん、一時間くらい前に、なんかぼーっとするって言い出して……熱でもあるんじゃないかって、保健室に行かせたんでござるけど……」  そのあとすぐ佐賀美先生が来て、先に帰らせるぞって、鞄とか、持っていっちゃったんでござるよ。詳しいことは、拙者にもよく。風邪とかござろうか。心配でござる。やっぱり疲れが溜まってたんでござるな――  説明しながら忍は鞄に荷物を詰め込んで、翠のもとへと駆け寄ってきた。翠は、忍の声を聞きながら呆然としていた。 「……帰る、でござろう? 翠くん」  忍が、不安げに眉を寄せ、翠の腕をつつく。 「――うん」  返事をしながらも、翠はがらんとした視聴覚室を、しばらくじっと見つめていた。  そこから先のことは、あまり覚えがない。気付いたらもう家で、夕飯を食べ終えて、布団の上に横たわっていた。酷く疲れていて、目を閉じればすぐにでも眠ってしまいそうだった。今の翠にとっては都合がよかった。このまま起きていたら、嫌な予感が身体中を埋め尽くして、はち切れてしまいそうだ。ゆっくりと呼吸をして、布団を頭までかぶり直す。どうか、俺のろくでもない予感が、的はずれでありますように――眠る間際の切実な願いは、叶わなかった。  翌朝鉄虎は翠を迎えにこなかった。  次の日も、そのまた次の日も、こなかった。  梅雨はすっかり明けてしまった。晴れ渡る空の下、ひとりきりで歩く商店街はあまりにいつも通りで、翠は途方に暮れてしまった。
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hi-highmt · 2 years
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柏木山で猛暑の朝活
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連日暑すぎて、とろけそう…。でも、体力維持のために山には登っておきたい…。散々悩んだ挙げ句、早朝からサクッと行って帰って来られそうな未踏の低山、柏木山(かしわぎやま)から燧山(ひうちやま)、龍崖山(りゅうがいさん)を歩いてきました。
とは言え、結局あまり早起き出来ず、6:18に飯能駅をスタート。 YAMAPで決めておいたルートを敢えて無視して、気の向くままに川沿いを歩いたり近道したりしながら適当に登山口に向かいました。
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40分ほどで柏木山の登山口に到着。 登山口というか、茜台自然公園の入口なんですが。
そしてこの写真の右手奥から歩いて来たのですが、一番奥に見える電柱の辺りの歩道側に、何とカモシカと鹿のまだ新しそうな亡骸が…。
5m以上は離れていたので、この二頭の死に関連があるのかは分かりません。 お互いがぶつかった衝撃で倒れたのか、それぞれ車に撥ねられたのか、はなまた猛暑に耐えかねて亡くなったのか…。とにかく痛々しかったです。
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さて、気持ちを切り替えて山に入ります。 自然公園はワイルドに草が生え放題。
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道は真っ直ぐ続いていますが、私は右手の階段を上がって行きます。
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少し登ると、天覧山、多峯主山、物見山が見えるビュースポットに出ました。
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そこから左手に更に進んで行くと、正面に天覚山が見えました。 あんな形だったのね。
そうそう、今目指している柏木山は、2月に登った飯能アルプス(西側)で多峯主山から久須美ケルンに向かう途中で出会ったオジサマ①から教えてもらって以来、ずっと気になっていたお山なのです。 本来は、冬場に登るつもりで残してあったのですが、サクッと登るにはちょうど良い距離だったので、冬まで待てずに来てしまいました。
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右手に緑のフェンスを見つつアップダウンが続きます。
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標識もしっかりとあるので安心。私はこのままフェンスコースを進みます。 途中、「富士見の丘」もありましたが、今日は曇っていて見えませんでした。
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おや、あの明るい光は…
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柏木山の山頂に到着!標高303m。 低いけど、朝から沢山のハイカーで賑わっていました。
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あら、こんな所に「あたごくん」!
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皆さん、思い思いに山頂での時間を楽しんでいます。
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では、失礼して私もここで朝ご飯。7:40だから普段の朝食より早めです。
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眺望も良好。トリミングしちゃいましたが、左手には都心方面も。 あれ?画面右下に何かある???
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楽器を持った「あたごくん」でした。
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復路は「かもしか新道」を下って行きます。
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長い木段が続いています。
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途中にコースガイドがありました。 YAMAPの地図には載っていないルートもあるようなので、参考にしました。
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更に続く緩いくだりの木段。ここは小走りで駆け下りました。
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少し広い道にぶつかるT字路の角に、紫陽花が咲き残っていました。
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オニアザミ(鬼薊)も咲いています。
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足元にはシロツメクサ(白詰草)がいっぱい。
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ドクダミも群生していました。
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ここからは草の生えた陽当たりの良い道。
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チダケサシ(乳茸刺)という花だそうです。
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今日みたいな日は、やっぱり木陰の道が歩きやすい。
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赤根が峠に到着。さっきの公園は「茜」でこちらは「赤根」なんですね。 もともとの地名は赤根なのかな?
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みはらし台までやってきました。 工場や企業の屋根が見える、ベンチが2基ある広場です。 ここからは、資材置き場のような所に沿って平坦な遊歩道を歩きます。
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遊歩道沿いには花が沢山咲いていました。
こちらは、コマツナギ(駒繫)だそうです。 一瞬、ハギ(萩)?とも思いましたが、ハギは秋の花ですもんね。
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地元の公園にも咲いていますが、ネムノキ(合歓木)。葉も花も特徴的。
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オカトラノオ(丘虎の尾)も沢山咲いていました。
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遊歩道が終わった所に小さなトイレがあり、配水場から真っ直ぐ進んで行くと龍崖山公園に到着。ここにも綺麗そうなトイレがありました。 写ってませんが、画面右奥の住宅街の前には自販機もありました。
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公園に入り、長い階段を下って行きます。8:40、既に日差しが眩しい!
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登山口では、龍の門がお出迎え。左右でデザインが違いますね。
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少し登ると、熊よけの鐘が。え、こんな住宅街の小山に熊、出るの??? でも、さっきカモシカと鹿も居たしな〜。熊が居ても不思議じゃないか…。
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��ップダウンを繰り返して、あの明るい光は…
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ハイ、本日の二座目、燧山に到着!標高234m。低い!
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ここからは、さっきまでいた柏木山の山頂が見えました。
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ベンチでナルゲンボトルに水を補給します。 昨夜凍らせておいたプラティパス、まだ半分以上凍ってる〜♬
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「富士山見晴らし台」に着きました。
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うん、今日は見えないよね。知ってる。
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更に登って、龍崖山の山頂に到着!標高246m。 ベンチは沢山あるけど、日陰がない…。
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景色は良好。姉さん被りで旅人姿の木彫りの人形にドキッとしました。
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29℃か〜。これからどんどん気温が上がるんだろうなぁ。 ということで、サッサと下山することに。
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陥没箇所を木の棒で塞いでくれていますが、一見落とし穴にも見える…。
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そしてこの階段が長かった。石割山の最後の階段を彷彿とさせる…。
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三四郎平に到着。 実はこの山の標識は「龍崖山を愛する80人衆」の皆さんのお手製なのですが、ここを通過しようとした時、前方から「龍崖山」というネーム入りのキャップを被った90歳前後のご老人がやって来ました。 「あれはきっと、80人衆のお一人に違いない!」と一人密かに興奮してしまいました。
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最後は、奥の院もある神社の鳥居を幾つか潜り抜け、
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八耳堂(はちぢどう)でゴール。綺麗な水洗トイレもありました。
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帰りもYAMAPのルートを無視して、駅に向かって歩きたい道を進みます。
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橋の上からは飯能川原で水遊びを楽しむ人々が。気持ちよさそう♬ 昔はここでBBQとかしたな〜、私も脚を冷やしたいな〜などと思いつつ、気温が上がる前に帰路につきました
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geniusbeach · 6 years
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冷たい市街
 意図的に自分を見失うため、何も考えずに神戸に行った。住む街と違う場所であれば、目的地はどこでも良かった。ただ最近読んだ本のなかに出てきたその街が、私が今までに持った印象とは真逆のかなり魅力的なものだったためそこに決めた次第だ。だが結局、旅を終えてみてもその印象が覆ることはなく、街は外来者に冷たいままだった。後で友人からの慰めとして受け取った言葉を借りれば、誠に運が悪かった、それとしか言いようがない。以下はそのネガティヴな記録である。なお、神戸が好きな人や暗い気持ちになりたくない人には読まないことをお勧めする。
 電車で1時間あまりの旅。十三を経由し、昼過ぎに三宮に到着した。かつてその中にある服屋の店員になぜか試着を拒否された、個人的に嫌な思い出しかない高架下の商店街を歩き、元町方面へ。朝とは打って変わって爽やかな天気だ。こざっぱりとした表通りの先、極彩色の門を構えた南京町は観光客でごった返していた。朝から何も食べておらず腹が減っていたが、何か口に入れる前に少し散策をすることにした。
 裏道で見かけた中古カメラ屋に入る。店番のおばさんが眠りこけていた。ひどく雑然とした店内。扉を閉める音に気づき、むくりと起き上がった彼女が口を開く。私は留守番なんです、何かお探しですか? ――いえ、特に。主人を呼びましょうか? ――大丈夫です。古いカメラの数々がおよそ1万円以上の値で売られている。しばらく棚を見ていると、口ひげを蓄えてでっぷりと太った店主が現れた。呼びましたので、私はここで交代...。フィルムカメラを探していると言うと、私がそれを一台も持っていない前提で話が進み、デジタルを否定しアナログを賛美する旧弊な饒舌に予期せず30分以上も耐えることとなった。俺がイロハを教えてやると言わんばかりの口調。終わる気配がないのでほとほと参った。もう行きます、と言うか言わないかのところで次の話が始まる。店主が黙ったかと思えば、彼の目の先30cmのところでこちらに背を向けて鎮座するテレビから、吉本新喜劇の大げさなリアクションが大音量で放たれる。仕方なく質問をすると、ライカを買えと言う。ライカは私の求める写りを実現してくれないことを知っているので、興味があるふりをしてお茶を濁した。10万超えのガラクタを買うつもりはない。そうして散らかった店内の真ん中でちょこんと座る店主を見ていると、汚い部屋で原稿を前にしてカメラを睨みつける坂口安吾の写真を思い出した。やられっぱなしで悔しかったので、店内の写真を撮っていいかと聞くと、断固として拒否された。面白いのに、何もわかっていやしない。そして聞いてもいない理由をべらべらと喋り出したので、途中で出ようと思ったが、なんとか堪えて最後まで相手をした。私は良い子だ。話の通じない店主含め、店全体がアナログのジャンク品のようだった。しかし、どうして「若者は苦労してナンボ」論者は、関わりの薄い他人にさえも不要な苦労を強いることができるのだろう。何よりも貴重な若さを費やすだけ費やして結果が実る保証などはどこにもないというのに。自称苦労人の彼に至って言えば、初見の若者に対してそのように重大な責任を持つことができるというのか。確かに人は、自分の経験を以てのみ説得力を持って話すことができる。だが、売れないカメラ屋を道楽経営しているという事実が説得力とは真逆の方向に働き、「フィルムは金払って失敗して上手くなるんや、それがデジタルならタダやろ? 一枚一枚を大事にせえへんねん」という主張の内容をさらに空虚なものにしていた。デジタルの恩恵を拒絶して懐古主義に浸るのも人によってはアリだが、それを他人にまで強要すべきではない。若者は、を枕詞に据えて話し始める、ストレート・アウタ・ショーワ(昭和)の親父たちは、その話さえも若者にとっては無駄な時間であるという観念など大抵持ち合わせていないため、遭遇した時には素早く距離を取ろう。
 さて、出鼻を挫かれて向かったのは「ぎょうざ大学」、その名の通り餃子の専門店だ。5人ほどの待ちができていた。行列の伸びる方向とは別の方向に誤って並んでいた男が、こっちが最後ですか? と言いながら舌打ちをして私の後ろに付いた。ここでもいきなりやられてしまい、笑うしかなかった。店員に注文を聞かれ、餃子は2人前以上が注文必須だったので2人前、飲み物は水で、と言うも返事がない。誰に対してもそのような感じだったが、忙しいようなので仕方がない。南京町の餃子は、なぜか酢醤油に甘味噌を混ぜたタレで食べる。ほどなくして提供された焼きたての餃子は、皮はパリパリ、中はジューシーでかなり美味かった。店を後にし、続けざまに台湾タンパオにて小籠包をテイクアウト。皮からアツアツのスープがほとばしり、口内を優しく暴れ回る。これは美味い。分かち合える相手がいないのが残念だ。最後に近くの精肉店で巨大な唐揚げ串を買って食べた。ジューシーで、定食一人前ほどの食べ応えがある。おかげで腹がパンパンになった。ようやく食欲が落ち着いたのでコーヒーを飲みつつ文章を書く。このあたりは観光客が多すぎて店員は皆疲弊しているようだ。金持ちが相手だとしても愛想は悪い。しかし私は何よりも、ここが関西とは思えないほど関西弁が冷たく聞こえることに驚いた。むしろ優しいのは日本人より中国系だとも思えてくる。ゆく人の会話からも物質的な内容ばかり聞こえてくる。例えばこうして喫茶店で座っている横でも、おそらくだが上司と部下が仕事の話をしていて、しきりに集金集金と繰り返している。すっきりとした街並み同様、あまりにも血が通っていない人々。彼らは容姿の美醜に拘らず着ているものは一流であり、入念に施された外見、つまりは見栄の下、三宮からこのコールド・ヴェインを通り抜け、再び神戸という街の心臓に絶え間なく注ぎ込んでいるのだ。それでは、この心臓を動かす酸素の供給源はどこにあるのか? その答えを、私は旅の終わりに知ることとなる。
 歩いて異人館方面へ向かう途中、「縁結びの生田さん」こと生田神社に立ち寄った。元陣内夫妻が結婚式を挙げた場所である。朱塗りの大きな鳥居と神殿に、多数の参拝客。境内の端で史蹟「生田の森」という看板を見かけたので、裏手にある鎮守の森を覗いた。数本の神木の下を人工的に固められた遊歩道と申し訳程度の小川が這っており、辺りには石碑が散在している。ここに限らず、全国どこでも史蹟というものは似たような様相を呈している。かつてあったという事実がそこに残ってさえいれば、形はどうでもいいのである。ここは雰囲気こそ薄暗く神聖な感じで、昔は広大な広葉樹林が社を囲んでいたものと思われるが、京都下鴨の糺の森がもはや森とは呼べないほど縮小しているのと同じで、空の光があちこち透けて見える程度の木立と化している。本当の意味での自然などどこにもないこの現代、かつてあったものの威光は一体この先をどこまで照らすのか。もの寂しさだけを覚えて私はそこを去った。
 山手へ向かう長い坂を登り、神戸北部の一角にある北野異人館街に到着した。ここは旧外国人居留地で、瀟洒な洋館が立ち並んでいる。その中のいくつかは一般公開されており、入館料を払えば中に入ることができる。「公開異人館」や「一般公開異人の家」などという看板が目につくが、決してタダという訳ではなく、入口では安くない入館料が請求されるため注意しなければならない。通りにある有名なスタバを含め、なんとなく全てがハリボテであるかのような印象を受けた。北野という地名については、京都の北野天満宮を勧請したことに由来するそうだ。上り坂を終えた後に現れる長い石段の先には北野天満神社があり、その境内からは神戸市内が一望できる。私はそれらに用がなかったので、広場の猿回しの芸者と数名の観客を横目に足早に通り過ぎた。うろこの家裏手の細い横道から山へと入ると展望台があった。街を眺めやると、近くに聳えるひときわ高いビルが目についた。ジークレフ新神戸タワーというマンションだ。葉陰からにょきっと飛び出た大建造物という構図が面白く、数枚のモノクロ写真を撮った。道中、先日の台風の影響か崖崩れが起こっていたが、崩れた土砂の上に道が作ってあった。そのまま山道を突き進んでいると、ヨーロッパから来たと思しきカップルとすれ違った。このような観光地から外れた自然の中を歩いていると、地元の人の他になぜか欧米人と出くわすことが多い。その一方で、アジア系の旅行者を見ることは少ない。これら二者は旅に求めるものの傾向が異なるようだ。私はどこにいても緑を欲するタイプなので、山や森へと続く道を見かけるとするする入ってしまう。そのせいでフランスに行った時などは、ブーローニュの森であわや迷子になるところであったが、それもまた良い思い出だ。布引ハーブ園へと延びるロープウェイの下を通り、北野から1.5kmほど歩いて辿り着いたのは落差43mを誇る布引の滝である。この雄滝と少し下流にある雌滝を合わせて夫婦滝と称する。神瀑の名に相応しい威容で、水の流れ落ちる様子はまさに白布が垂れているかようだった。モノクロ写真を数枚撮った。良い画が撮れたと思う。カメラ屋のおっさんに見せてやりたいと思った。日が暮れかかっていたため、そこにいたのはハイカーが10〜20名ほどと少なかった。が、階段を下りてくる年配の彼らは皆酒臭く、それは山中に茶屋があるためであった。古びた茶屋を少し冷やかした後、再び滝を見上げた。滝壺はたっぷりとした水量があり、翡翠色の水が綺麗だった。傍に立っていた説明看板を見ると、観光客への配慮で、滝の水が一定になるよう上流のダムからの放流量を調節しているという。一時の来訪者としてはありがたいが、やはりここも人の手が加わった「自然」であるのかと思うとまた少し虚しくなった。
 麓まで引き返してきたあたりで、ふと三宮駅からポートライナーに乗ろうと思った。それはこの旅の中で最良の選択だった。吉田篤弘が『神様がいる街』で、神戸港につくられた人工島を一周して戻ってくるこの無人運転の電車のことを、「横に回る観覧車」だと言っていたのである。私はそれがどのようなものなのか興味をそそられていた。以来、神戸に行ったら乗ってみようと思っていたのである。三宮で切符を買ってホームへ。空港行きと埠頭行きがある。電車は時間通りに客を吐き出し、かつ吸い込み、淡々と運行している。埠頭行きの一番前の席を陣取って足を投げ出すと、自分が歩き疲れていることに気づいた。車両は音もなく発車した。そうして至極のろまなジェットコースターにのったような気分で、目の前で次々に繰り広げられる光景をぼーっと眺めた。もう夜になっていた。埠頭、海、ポートターミナル、公園、団地、学校。レールの下に浮かんでは消えた。いくつかの駅を経て、電車はもと来た方向へと戻る。船舶、イケア、流通基地、駐車場、ビル。最後に、海にかかる橋から言いようもなく綺麗な市街の夜景が見えた。それは今日、唯一の感動であった。神戸よ、煌びやかな街を黙々と動かし続けているのは、これらの埠頭や空港から送り出される人や物なのではないか。街路が血液の体循環を象徴しているとすれば、きっとポートライナーが結ぶラインは肺循環であり、海をぐるりと一周し、街と一時的な自然状態とを往還することで神戸のダイナモを支えているのだ。車両に乗り込んだ人々は、ぼんやりと景色を眺めたり、おしゃべりしたり、仕事や学校に向かったり、または家路に着いたりと、目的はバラバラであろうが、普通の夜の電車にありがちな雰囲気とは違った、何か独特な、人をわくわくさせる期待に満ちた空間が夜を滑って行くかのように思えた。海で仕入れた清新な大気とともに貿易センター駅で降り、三宮駅まで歩いて戻る時にこの仕組みが分かって納得した次第だ。あまりに疲れていたのでそれ以降は何も考えられなくなり、駅前でうどんを啜って帰った。京都に着いた時、友人から連絡があり、元田中の中華料理屋「上海バンド」で落ち合った。そういえば、海から見えた神戸市街も、以前にネットで見た上海外灘(バンド)の夜景に似ていたな、などとぼんやり思いながら麻婆白子やら羊のクミン炒めやらをつつくうち、ついつい飲み過ぎ、結果として予想とは違った方向で自分を見失う夜となった。
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