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#乱切りチャーシュー
sugurukumasaka · 1 year
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おはようございます。さて札幌に帰ります。今回僕は3.4の土曜の夜に札幌→東京に戻り先日の鳥の巣ラーメンを食した訳ですが、翌日セガレとスノボに行くために、新潟へ。正しくは新潟ですが越後湯沢。米どころ。セガレはここを楽しみにゲレ食を抜いて、頑張ってました。さすが親子だ分かるよ。よく頑張った。さあ食え。 かぐらスキー場、舞子高原、石打丸山スキー場、上越国際。ま、どこでもいいんですが、どちらにしても食事はここ。ちなみに、当時みんなで通ってた、石内ドライブインも、釜飯屋も無くなっちゃいました。。 @rinrin___2021 さんの地元であろう新潟の生姜醤油。お店にも堂々と #しょっぱさとこく 。スープは澄み渡る切れ味抜群の生姜醤油。そして別注に #ナッパ は無い。チャーシュー麺を頼んでもこのルックスになりません。静かに店員さんに、 #肉増し できますか?と静かに聞いてください。昔とはシステムが違います。どこにも書いてあれません(300円)高いと思うか安いと思うかはそれぞれですが僕はヒグマは #肉増し が真骨頂と思っています。その肉を使って、魚沼産コシヒカリに味玉と肉を乗せ自分で味を調整できるチャーシュー丼を作り、麺の入ったスープを飲む。と言う感じがベターです。いや、ベリーベストです。 ほうれん草はないですがこの緑絹さやもいい仕事してますし、別注のめんまもいいおかずになります。なんにせよヒグマ。機会があれば行ってください。ちなみに味噌生姜もクソうまいです。 @calorie_newsflash cc @kimjungram #カロリー速報 #しょっぱさとこく #乱切りチャーシュー #ラーメン #めんすたぐらむ #麺スタグラム #なに麺スタグラムって #ダサい #余談 #ヒグマの横のオレンジハート #店員さんは #今も同じで #あったかそう #中が https://www.instagram.com/p/Cpghd_kv6bI/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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prostrayer · 6 months
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11/5 友達が教えてくれた美味しいラーメンを食べに行った。普段行かない駅なのになんとなくこっちだろうで乗った電車がぜんぜん間違ってて徒歩10分の改札外乗り換えを2回もする羽目になったし45分かかった。あとで正解調べたら乗り換え1回だし家から15分だった。調べようね。ラーメンはどろっと濃厚な豚骨醤油スープがコシのある太麺によく絡み、海苔と玉ねぎというトッピングもよく合っててうまい。チャーシューが炭火焼きなところがめちゃくちゃ良い。また行こう。
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夜はライブがあるから都内に出た。会場は代官山だけど早く行ってもやることないから渋谷で降りて服を見た。服買いたい気持ちあったけど実際手に取ったらこれやというモノはなくてなんか……別にいらんかもな……と萎えの気持ちが勝ってきたので散歩メインに切り替えて代官山まで歩くことにした。通ったことない道を狙って歩いてたら偶然母校にぶち当たり、N年ぶりに学生に混じって下校の道を通ったら今が何年で自分は何歳なのかわからなくなって楽しかった。そして代官山に着いたがまだ時間があるので駅前のカフェに入った。休日の夕方に駅徒歩1分の路面にあるカフェが空いてるということが街の衰退を物語っている。チョコミントティーとクッキーを頼んだ。エアペイの端末が不調でスマホ決済ができず、現金で支払いを済ませる。店でのこういう大したことないトラブルは笑って許すことで自分はいい客だと示せる気がして結構好きだ。浅ましいね……。開場まで時間を潰していたら客は自分のほかに一組しかいなくなっていた。衰退衰退!そしてbohemianvoodooとVenueVincentのツーマンライブが開演した。行こうかな〜くらいの気持ちでツイートしていたらボヘのドラムの人からDMに直営業が来たため行かない選択肢を奪われたのだった。ドラムの人とはなぜか相互フォローで音楽関係ないツイートもふぁぼってくるしたまにリプも飛ばしてくる。直営業でオフィシャルの情報解禁前に予約できたため整理番号は12番。センター寄り2列目を確保できた。最初の出番はVenueVincent。ギター+ガットギター+パーカッション+タップダンスという変則編成のバンド。タップ、音を出す楽器でありながら音に乗るダンスでもあるので舞台映えするし観てて楽しい。めっちゃ楽しかったし行ける日行ける場所ならまたライブ行ってもいいかも。2番目がbohemianvoodoo。もう10年くらいファンをやってるジャズバンド。4年ぶり出たアルバムのリリースツアーなので新曲がめっちゃ聴ける。即興のソロパートも激アツでやっぱジャズって……最高!になった。なったが……出番が短い!あと5曲は聴きたい!みんなそう思っていたのか拍手は鳴り止まず、予定外のアンコールとなった。出番を終えて後ろで観ていたvenue略のタップダンサーSARO氏が俺も入っていい?と乱入し、リハなし完全即興のセッションが始まった。これがまーーーーーぁ良くてね、短いとか文句言う気持ちなくなっちゃったね。良い夜でした。
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a2cg · 10 months
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休日と私
転職する前は水曜日だとか金曜日に会社が定める休日があったりしたので、ゆっくり出来たものです。今の会社はカレンダー通りなので休日が待ち遠しいです。
休日と言えば、連休になるようになったなとか新しい休日が増えたなとか色々ありますが、10月にある体育の日がいつの間にかスポーツの日に変わっていますね。
体育(たいいく)は振り仮名通りに読まずに「たいく」って発音しますし、実際に文字を「たいく」と打ってもキチンと漢字に変換されますね。
同じ文字が沢山続くと何か変な感じがしますよね。上大岡(かみおおおか)とか、黄耳蜜吸 (キミミミツスイ)、おのののか、なんかも文字だけだと混乱しますよね。
こちらの店名は、パフィーがやっていたテレビ番組と一緒で4つ目で切れるのでしょうかね。というわけで本日のランチは #パパパパパイン です。
折角町田まで来たのでこの辺りでしか食べられ無いものを探していたら、この店が出てきたので初訪問です。頼んだのは #塩ラーメン にトッピング全部の #いっぱいん です。
待つこと5分ほどで提供されました。中細の麺で食べた印象はバジルの風味が効いたスープパスタのような印象です。そして食べ進めると出てくる #パイナップル の酸味です。
#チャーシュー は #角煮 のような味わいで分厚くて柔らかい感じです。パイナップルの酵素のおかげで柔らかくなっているのでしょうか?
#パイナップル味付玉子 は見た目の黄色がインパクト大。食べた瞬間にトロピカルな味が染み込んでいて一瞬混乱します。
後半 #にんにく をトッピングで入れて頂いたら味に広がりが出て来ました。酢豚にパイナップルを入れるのに抵抗ある人が一定数いるので賛否分かれそうな #ラーメン ですね。
#町田ランチ #町田グルメ #町田ラーメン #町田らーめん #麺スタグラム #とa2cg
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hachi-8log · 1 year
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20230308
夢を語れ福岡にて
豚ラーメン1300円、生玉子50円
久しぶりに汁なしではなくラーメンにしました
旨し
くた野菜もたっぷりでよかった
これくらいクタだとキャベツの芯も美味しくて👍
豚が巻きチャーシューに変わってた
肉塊の乱切りの方が好みかな~
間もなく閉店
あと何回行けることか?
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shintani22 · 1 year
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2022年11月18日
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きょうから「胡子大祭」 神社に長蛇の列 商売繁盛願う “えびす講” 通常開催 広島(RCCニュース)
いつもの光景が戻ってきました。商売繁盛を願う「胡子大祭」が、18日から広島市で始まりました。冬の訪れを告げる祭りですが、神社には長蛇の列もできました。
藤森憲也 記者「さい銭を投げ入れる大だるも戻ってきました」
去年、感染対策として設置が見送られた大だるも復活。2年連続で規模を縮小して実施された祭りも、ことしは例年どおりの開催となりました。
広島市中区にある胡子神社では、午前中から商売繁盛を願って多くの人が訪れていました。縁起物の熊手は、4500円から3万円を超えるものまでが露店に並びました。
えびす講スタッフ ― ことしの売れ筋は? 「この1万7000円のサイズが一番売れています」
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買い求めた熊手に「こまざらえ」の祈とうをしてもらおうと、午前中から長蛇の列ができ、関係者も驚いた様子でした。
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胡子大祭 奥田弘昭 副委員長「3年前の初日の午前中は、こんな様子ではなかった。祭りに対する関心度、みなさんの期待感を非常に感じています」
会社のために2時間半、並んだというこちらの男性…。「商売繁盛ですね。病気をしない、いい年になればと思います」
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藤森憲也 記者「3年ぶりに交通規制が実施される中央通りでは、屋台がずらりと並んでいます」
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中央通りでは、あす19日、八丁堀交差点から新天地交差点までの間は午後7時から10時まで歩行者天国となります。「えびす講」は、18日から3日間、実施されます。
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【胡子大祭】3年ぶり歩行者天国に多くの人出(広島テレビ 11月20日)
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衆院選小選挙区 広島県は7から6に 改正公職選挙法が成立(NHKニュース)
いわゆる1票の格差を是正するため、衆議院の小選挙区の数を「10増10減」する改正公職選挙法が、参議院本会議で成立し広島県では、選挙区が7から6に1つ減ることになりました。改正法は早ければ12月下旬に施行されて、それ以降公示される衆議院選挙から適用されることになります。
改正公職選挙法では、衆議院の小選挙区を東京や神奈川など5つの都と県であわせて10増やす一方、広島や岡山、山口など10の県で1つずつ、あわせて10減らすとしています。
「10増10減」する都県を含め過去最多となる140選挙区の区割りが変更されます。
この区割りをおととしの国勢調査をもとに試算すると、いわゆる1票の格差は最大1.999倍となり、現在の2.096倍から改善されます。
また比例代表は、5つのブロックで「3増3減」となり中国ブロックは1減ります。
改正法は早ければ12月下旬に施行されて、それ以降公示される衆議院選挙から適用されることになります。
広島県では、小選挙区が7から6に1つ減り区割りが変更されます。
具体的には、新しい1区は、広島市中区、東区、南区、府中町、海田町、坂町、新しい2区は、広島市西区、佐伯区、大竹市、廿日市市、新しい3区は、広島市安佐南区、安佐北区、安芸区、安芸高田市、北広島町、安芸太田町、新しい4区は、呉市、竹原市、東広島市、江田島市、熊野町、大崎上島町、新しい5区は三原市、尾道市、府中市、三次市、庄原市、世羅町、神石高原町新しい6区は、福山市となっています。
この変更に伴って、現在、2つの選挙区に分割されている尾道市・東広島市・江田島市と3つの選挙区に分割されている三原市はそれぞれ分割されている状態が解消されます。
自民党広島県連の中本隆志会長代理は「一票の格差の是正のためには広島の1減も受け入れなければならない。次の衆議院選挙については現職の選挙区の割り振りなどすべての可能性を排除せず1から見直すかたちで検討を急ぎたい」と述べました。
立憲民主党広島県連の瀧本実幹事長は「1票の格差の解消のためしっかりと受け止めなければならないが、われわれ地方の声が届きにくくなるのではないかという心配がある。国には今の選挙制度が時代にあっているのかよく検討してほしいし、多様な民意をすくいあげるような制度になっていくべきだと思う」と話していました。
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衆院「10増10減」成立 改正公選法、参院本会議で可決(時事通信)
比例代表の定数「3増3減」も併せて行われ、東京が2増、南関東が1増、東北、北陸信越、中国が各1減となる。
自民党は選挙区が減る10県で多くの現職議員を抱え、その処遇が焦点。公明党は都市部で増えた選挙区で新たに候補者を擁立したい考えで、与党内の調整も課題となる。
地方を中心に、議席の都市部��重が加速するとの懸念は根強い。衆院の委員会採決の際には、2025年の国勢調査の結果が判明する時点をめどに「地域の実情を反映した選挙区割りの在り方に関し、国会で抜本的検討を行う」との付帯決議が採択された。 
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広島うどんの名店「讃岐屋」人気メニューベスト10!(ひろしまリード)
広島県民なら誰もが知る広島の有名店。そこには、数々のテッパンメニューがあります。これから寒くなるこの季節に食べたい「うどん」。中でも特に人気を集めているメニューは何なのか?今回は、1977年に創業して今年45周年を迎えた「讃岐屋人気メニューベスト10」をご紹介します。果たして「讃岐屋」の鉄板メニューとは?
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その前に、「讃岐屋」がどんなお店なのかご紹介します。だしと麺にこだわり、広島で長く愛される「うどん」の歴史は、実は意外な所から始まったんです。現在の社長・長田拓さんの父・雅文さんが脱サラをし、1975年に実家のある大分県でうどんの自動販売機を工場や大学の施設などに設置し、販売したのが始まりだそうです。
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しかし約1年で失敗。その失敗を糧に、母・俊江さんの地元・広島に移り、1997年3月に「讃岐屋牛田店」をオープンしました。その後、麺と出汁にこだわった讃岐屋の評判は広まり、たちまち「うどんの名店」となったんです。
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そんな讃岐屋の麺は、国産の小麦粉と塩・水のみを使用した自家製麺。毎朝製麺する鮮度の高い麺は、小麦粉の風味と甘みが口の中に広がります。こだわりの出汁には、北海道の天然利尻昆布と4種類の削り節に、大分の特注醤油を使用しています。
そんな讃岐屋のメニューは、全69品。その中から、特に人気のベスト10をランキング形式で発表します。
第10位は「肉うどん 650円」がランクイン。牛肉の旨味が出汁にしっかりと出た不動の人気商品です。
第9位は、予想外の「だし唐揚げ(5コ)600円」がランクイン!とりもも肉に数種類のスパイスと、出汁に使用している讃岐屋専用のだし醤油を加え、一晩熟成させて漬け込んだオリジナル唐揚げ。肉に出汁の旨味がしみ込んだ、美味しいから揚げです。
元々、広島市で毎年5月に開催されるフラワーフェスティバルで、うどん以外で何かできないかと言うことで作った商品で、それがいつしか定番商品に。うどんに何か一品というときにおすすめです。
第8位は「和風らーめん 700円」!うどん屋さんで「ラーメン」がランクインするという、予想外の結果に。うどん屋さんのラーメン、いったいどんな味なんでしょうか?
昆布と魚介の出汁がベースになっているほんのりと甘いスープで、うどんの出汁にらーめん専用のかえしを加えたあっさり系のラーメンです。さらに、チャーシューも自慢の逸品。かえしと数種類の野菜などで炊いた自家製チャーシューです。讃岐屋の「かえし」は、多くの手間と時間をかけてゆっくりと熟成させる創業当時から変わらない製法で作られています。
続いて第7位は「とんかつ玉子ぶっかけうどん 880円」がランクイン。かつ丼にも使用しているこだわりのロースとんかつに、こだわりの生玉子をのせたうどんです。つゆとロースとんかつ、そして生玉子の相性が抜群。ミニご飯がついています。
そして、第6位は「かき揚げごぼ天うどん 650円」。創業からの人気商品です。こだわりの国産ごぼうを太めの乱切りにして、注文が入ってからその都度揚げているので、食感がとても良く、ごぼうの旨味・甘みをしっかり感じることができます。出汁との相性も抜群で、女性に人気のうどんです。
第5位は、ちくわと半熟卵のてんぷらがのった「ちく玉天ぶっかけうどん 850円」。香川県のうどんメニューでは定番のちく玉ぶっかけ。それを讃岐屋風で提供しています。讃岐屋のつゆとの相性はとても良く、ミニご飯が付いています。
第4位は、なんと「かつ丼 800円」!こちらも創業からの人気商品です。揚げたてのロースとんかつを、讃岐屋のだしにかえしを加えた丼物専用のつゆで玉ねぎと一緒に煮込み、こだわりの玉子でとじたかつ丼です。
第3位は「ねぎ鶏うどん 750円」がランクイン。社長の両親が1999年に発案。新鮮な親鳥のもも肉とねぎをごま油で炒め、そこへ出汁とかえしを入れ、仕上げに黒胡椒を振っています。鶏肉の旨味と讃岐屋のだしが最大限にあった旨味たっぷりのうどんです。
第2位は、熱々・具だくさんの「鍋焼きうどん 900円」。讃岐屋のだしに特製のかえしを加え、牛肉・海老・自家製煮しいたけ・たまご・かき揚げ・えび天・ネギがたっぷり入ったボリューム満点の鍋焼きうどんです。季節に関係なく大人気なんですよ。創業から変わらない、具材の旨味がたっぷり染み出た至極の一品です。
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「讃岐屋」全69メニューの頂点にたったのは、あの大人気うどん!讃岐屋を代表する一品です。
第1位は、讃岐屋不動の人気商品「スタミナうどん」!讃岐屋の出汁に豚肉・海老・きくらげ・ニンジン・にんにくが入り、とろみをつけた栄養満点のうどん。麺の量も通常の約1.5倍あり、食べたらパワーがあふれ出す逸品です。
讃岐屋の代名詞とも言える「スタミナうどん」。その誕生のキッカケは、祖父・悟さん。長崎ちゃんぽんをイメージして作ったそうなんです。麺も1.5倍にしたのも、しっかりとスタミナを付けて貰いたいという悟さんの思いからなんだそうですよ。(広島ホームテレビ 5up!2022年11月16日放送)
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東京都、米1万円分を低所得世帯に配給へ…物価高対策、野菜や飲料の選択肢も検討
物価高で困窮する世帯を支援するため、東京都は、所得の低い都内の住民税非課税世帯約170万世帯を対象に、1世帯あたり1万円分の米を現物支給する方針を固めた。年明けにも各世帯に発送する。
都は支援策として当初、現金支給や、買い物で使える独自の商品券の発行を検討した。しかし、現金は地方自治体が住民に支給した場合、課税対象になって一定額を差し引かれる可能性があることから断念。商品券は店舗での利用時に低所得世帯と周囲に知られる恐れがあるため、生活必需品の米の現物支給を選んだ。
都は、1世帯につき約25キロの米を支給できると見込んでいる。希望者は、野菜や飲み物も選べるようにすることも検討している。関連事業費約300億円を盛り込んだ補正予算案を12月開会予定の都議会定例会に提出する。
低所得者層向けの物価高対応を巡っては、政府が今年9月、住民税非課税世帯1世帯あたり5万円の支給を決めた。都議会では公明党が都独自の支援策を要望していた。
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【速報】10月消費者物価+3.6% 40年8か月ぶりの歴史的上昇幅に “原油価格高騰”と“急激な円安”背景に電気代とガス代は2割以上上昇(TBS NEWS DIG)
家庭で消費するモノやサービスの値動きをみる10月の全国の消費者物価指数は生鮮食品を除いた指数が去年より3.6%上昇しました。およそ40年ぶりの歴史的な上昇幅です。
総務省が発表した10月の全国の消費者物価指数は変動の大きい生鮮食品を除いた指数が103.4となり、去年10月より3.6%上昇しました。
オイルショックの影響が残る1982年2月以来、40年8か月ぶりの歴史的な上昇幅です。
今年4月に2%を突破してからわずか半年で3.6%を超える急激な物価上昇となりました。
原油価格高騰の影響で▼都市ガス代金が26.8%▼電気代が20.9%上昇するなどエネルギー価格の上昇が続きました。また、原材料高や急速な円安などの影響で食用油や食パン、からあげなど生鮮食品を除く食料が5.9%上昇したほか、ルームエアコンなどの家庭用耐久財が11.8%、携帯電話機が16.5%上昇しました。
一方、宿泊料は10月に開始した政府の観光支援策「全国旅行支援」の影響で10%下落しました。
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【本日(11/18)の広島県内の感染状況】(広島県)
新型コロナ 県内で2454人感染確認 6人死亡 18日発表(NHKニュース)
広島県では18日、新たに2454人が新型コロナウイルスに感染したことが確認され、6人が亡くなったと発表されました。
感染が確認されたのは、▼広島市で1025人、▼福山市で454人、▼東広島市で206人、▼呉市で129人、▼廿日市市で111人、▼尾道市で94人、▼三次市で74人、▼三原市で62人、▼府中町で46人、▼庄原市で36人、▼海田町で33人、▼江田島市と安芸高田市でそれぞれ28人、▼大竹市で21人、▼府中市で20人、▼竹原市で18人、▼坂町で17人、▼熊野町と神石高原町でそれぞれ15人、▼北広島町で11人、▼世羅町で10人、▼大崎上島町で1人のあわせて2454人です。
1週間前の11日・金曜日より294人増えていて、14日連続で前の週の同じ曜日を上回りました。
これで県内での感染確認は、のべ50万3005人となりました。
また、県内では患者6人が亡くなったと発表されました。県内で新型コロナウイルスに感染し、その後、死亡した人は828人となりました。
新型コロナ 県内の病床使用率 49.9%(17日分)(NHKニュース)
17日時点で病床の使用率は49点9%です。(確保病床535床、入院患者267人)。
このうち重症患者用の病床使用率は14点3%です。
(確保重症病床42床、重症の入院患者6人)。
軽症の人や症状がない人が入る宿泊療養施設は1047室を確保し、292人が過ごしています。
(利用率27点9%)。
直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は610点42人です。
現在、広島県の感染状況はレベル0から4の5段階のレベルのうち、医療体制への負荷が生じはじめていることを示す「レベル2」です。
【新型コロナ 厚労省まとめ】99人死亡 8万4375人感染(18日)(NHKニュース)
厚生労働省によりますと、18日に発表した国内の新たな感染者は、空港の検疫などを含め8万4375人となっています。また、国内で亡くなった人は99人で、累計4万8058人となっています。
東京都 新型コロナ 9人死亡 8292人感染確認 14日連続前週比増(NHKニュース)
大阪府 新型コロナ 5人死亡 新たに3904人感染確認(NHKニュース)大阪府内の感染者の累計は223万1936人となりました。府内で感染して亡くなった人は合わせて6680人となっています。
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新型コロナ 新規感染者数の1週間平均 5週連続 全国で増加傾向(NHKニュース)
新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、全国では1.24倍と5週連続で増加傾向で、山口県を除く46都道府県で増加しています。
NHKは、厚生労働省が発表した感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。
全国
全国では、▽10月20日までの1週間では、前の週に比べて1.21倍▽10月27日は1.07倍▽11月3日は1.38倍▽11月10日は1.30倍▽11月17日まででは1.24倍と、5週連続で増加しています。
一日当たりの全国の平均の新規感染者数は、先週よりおよそ1万5000人多い、およそ8万人で、山口県を除く46都道府県で前の週より多くなっています。
北海道 人口当たりの感染者数が最も多いのは北海道で、▽11月3日までの1週間は、前の週の1.45倍▽11月10日は1.23倍▽11月17日までは1.23倍と、6週連続で増加が続いています。
一日当たりの新規感染者数は、過去最多のおよそ8317人で、人口10万当たりの感染者数は1114.26人となっています。
1都3県
【東京都】 ▽11月3日までの1週間は、前の週の1.39倍▽11月10日は1.41倍▽11月17日まででは1.25倍で、一日当たりの新規感染者数は8276人となっています。
【神奈川県】 ▽11月3日までの1週間は、前の週の1.40倍▽11月10日は1.42倍▽11月17日まででは1.27倍で、一日当たりの新規感染者数は、およそ5161人となっています。
【埼玉県】 ▽11月3日までの1週間は、前の週の1.45倍▽11月10日は1.35倍▽11月17日まででは1.29倍で、一日当たりの新規感染者数はお、よそ4183人となっています。
【千葉県】 ▽11月3日までの1週間は、前の週の1.32倍▽11月10日は1.27倍▽11月17日まででは1.35倍で、一日当たりの新規感染者数は、およそ3045人となっています。
関西
【大阪府】 ▽11月3日までの1週間は、前の週の1.21倍▽11月10日は1.13倍▽11月17日まででは1.16倍で、一日当たりの新規感染者数は、およそ3791人となっています。
【京都府】 ▽11月3日までの1週間は、前の週の1.42倍▽11月10日は1.28倍▽11月17日まででは1.14倍で、一日当たりの新規感染者数は、およそ1021人となっています。
【兵庫県】 ▽11月3日までの1週間は、前の週の1.16倍▽11月10日は1.16倍▽11月17日まででは1.16倍で、一日当たりの新規感染者数は、およそ2122人となっています。
東海
【愛知県】 ▽11月月3日までの1週間は、前の週の1.58倍▽11月10日は1.35倍▽11月17日まででは1.29倍で、一日当たりの新規感染者数は、およそ4810人となっています。
【岐阜県】 ▽11月3日までの1週間は、前の週の1.36倍▽11月10日は1.33倍▽11月17日まででは1.31倍で、一日当たりの新規感染者数は、およそ1623人となっています。
【三重県】 ▽11月3日までの1週間は、前の週の1.19倍▽11月10日は1.40倍▽11月17日まででは1.24倍で、一日当たりの新規感染者数は、およそ1018人となっています。
その他の地域
【宮城県】 ▽11月3日までの1週間は、前の週の1.65倍▽11月10日は1.46倍▽11月17日まででは1.27倍で、一日当たりの新規感染者数は、およそ2547人となっています。
【広島県】 ▽11月3日までの1週間は、前の週の1.33倍▽11月10日は1.43倍▽11月17日まででは1.19倍で、一日当たりの新規感染者数は、およそ2397人となっています。
【福岡県】 ▽11月3日までの1週間は、前の週の1.23倍▽11月10日は1.29倍▽11月17日まででは1.27倍で、一日当たりの新規感染者数は2046人となっています。
【沖縄県】 ▽11月3日までの1週間は、前の週の1.13倍▽11月10日は1.06倍▽11月17日まででは1.02倍で一日当たりの新規感染者数は、およそ292人となっています。
専門家「年末年始にかけて最も注意するべき時期」
新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について、「第7波のように前の週の2倍を超えるような爆発的な増加はまだ見られず、第8波の入り口のような形で、だらだらとした増加が続いているが、全国の一日の感染者数を見ると、すでにことし初めの第6波のピークの10万人に達していて、このままでは、気付かないうちに20万人以上に達した第7波を超えるようなリスクもある」と述べました。
そのうえで、今後の感染状況について、「オミクロン株の『BQ.1』や『XBB』など、新たなタイプが少しずつ増えていて、年末に向けて忘年会やクリスマスなどで人の動きが増えたりして、今後、感染者数の爆発的な増加につながる可能性もある。また、感染していても、検査や診断を受けていない人もかなりいると考えられ、そうした人が感染を広げることで、次の大きな波を作ってしまうリスクもある」と指摘しました。
そして、「これから年末年始にかけてが、最も注意するべき時期だ。感染を広げないために、適切な場面でマスク使うことや、3密を避けることといった基本的な対策を改めて徹底してもらうとともに、オミクロン株対応のワクチンやインフルエンザワクチンも十分に用意されているので、できるだけ前倒しで年内には接種をしてもらうことが重要だ」と話しています。
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【直近1週間の人口10万人あたり新規感染者数】 11月19日21:00時点
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新型コロナ “第8波”感染のピークは 対策は わかってきたこと(NHKニュース)
“新型コロナの「第8波」に入ったのではないか”
今週、1日の感染者数はおよそ2か月ぶりに、東京都で1万人を超え、全国でも10万人を超えました。北海道では連日、過去最多を更新。新たな変異ウイルスも徐々に増えています。
専門家や医師からも「新しい波に入りつつある」「新たな波が始まった」という声が。
“第8波”の感染ピークはいつになると予測されるのか、そしてどんな対策が求められるのか、取材しました。(11月18日時点)
各地で感染拡大 “第8波”か
11月15日、新型コロナの1日の新規感染者数は東京都で1万1196人、全国では10万2829人と、9月14日以来の水準となりました。
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北海道では、11月16日には1万1112人となるなど、すでに第7波のピークを超えていて、過去最多の更新が続いています。
政府分科会の尾身茂会長は11月10日に「全国的にみてスピードの差はありつつも感染は拡大傾向にある。新しい波に入りつつあると言ってもいいんじゃないか」と述べ、第8波に入りつつあるという認識を示しました。
その後、16日には日本医師会の釜萢敏常務理事が「新たな波が始まったと捉えざるをえないのではないか。医療提供体制をできるだけ急いで整えなければならないという危機感を持っている」と述べ、第8波が始まったという認識を示しました。
そして、17日、厚生労働省の専門家会合は「今後も新規感染者数の増加が予想され、ことし夏の『第7波』のような感染拡大となる可能性もある」と指摘しました。
なぜいま“第8波”? 「BA.5」が北から再燃
いま、なぜ、感染拡大が起きているのか。
その手がかりの1つとして、専門家が注目しているのが、感染拡大が大都市部ではないところから始まっていることです。
これまで、感染拡大は人口の多い首都圏などから始まり、移動に伴って各地に広がることが多かったのが、今回は北海道や東北地方などから始まっています。
そしていまも、ことし夏の「第7波」以降主流になったオミクロン株の「BA.5」が最も多い状況が続いています。
17日の専門家会合では、「第7波」で「BA.5」に感染した人が多かった地域では免疫を持つ人の割合が高い一方、感染者が少なかった地域では免疫を持つ人の割合が低く、感染者数が増加しているという見方が示されました。
厚生労働省専門家会合の脇田隆字 座長は、専門家会合のあとの記者会見で「沖縄では夏に非常に大きな拡大があったが、いま感染者数は非常に低いレベルにある。多くの人が『BA.5』への免疫を獲得し、『BA.5』の流行への耐性がある。一方、夏にそれほど拡大がなかった地域で、感染拡大が大きくなっているという認識だ。北海道や東北、北陸では感染者数が多い」と述べました。
また、海外の状況を含めた感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は「今の流行は『第7波』の『BA.5』の残り火が再燃している状況だと見られる。大都市圏も増えているが、むしろ地方都市で顕著に増えている。『第7波』で比較的感染者数が少なく、感染による免疫の獲得が少なかった地域で、残り火が再燃していると考えるのが妥当だろう」と話しています。
「BA.5」による感染の再拡大は、ヨーロッパでも10月ごろに起きています。
イギリス・オックスフォード大学の研究者などが運営するサイト「アワ・ワールド・イン・データ」によりますと、100万人あたりの新規感染者数(1週間平均の1日あたり)はドイツでは10月中旬におよそ1300人と、ことし7月のピークを超え、フランスでも10月中旬におよそ840人と、7月以来の水準となりました。
17日の専門家会合のあと脇田座長は、「BA.5」による今後の感染のピークは年内にも訪れるのではないかという見方を示しました。
また、数理疫学が専門の京都大学の西浦博教授は会合のあと「北海道で見られるように、地域的に広がりながら感染拡大が進んでいるので、(『BA.5』の感染拡大がピークを迎えたとしても)減少は緩やかとなり、時間をかけてくすぶるものと思う」とコメントしました。
さらに…新たな変異ウイルスの増加も
今後さらに懸念されるのが、いずれもオミクロン株の1つ、「BQ.1」系統などの変異ウイルスが増えることです。
これらの変異ウイルスは、これまでに感染したことやワクチンを接種したことで得た免疫を逃れる可能性が高いとみられています。
アメリカでは「BA.5」に代わって増えてきています。
CDC=疾病対策センターによりますと、11月12日までの1週間で検出された変異ウイルスは▽「BA.5」が29.7%、▽「BQ.1.1」が24.1%、▽「BQ.1」が20.1%、▽「BF.7」が7.8%、▽「BA.4.6」が5.5%などとなっています。
日本国内でも、これらの新たな変異ウイルスが確認されています。
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11月17日に東京都のモニタリング会議に出された資料によりますと、10月に変異ウイルスの検出された割合は▽「BA.5」が90.5%と圧倒的ですが、▽「BA.2.75」が2.5%、▽「BQ.1.1」が2.4%、▽「BF.7」が2%、▽「BQ.1」が0.7%、▽「XBB」が0.7%などと徐々に増えてきています。
「BA.5」は9月には98.4%を占めていたので減少傾向となっています。
「BQ.1」系統のウイルスは「BA.5」がさらに変異が加わったウイルスです。
「BA.2.75.2」はアメリカやインド、ヨーロッパ各国などで検出されていて、「BA.2」が変異を重ねた「BA.2.75」にさらに3つの変異が加わっています。
「XBB」は「BA.2」から派生した変異ウイルスと「BA.2.75」から派生した変異ウイルスが組み合わさった「組み換え体」と呼ばれるタイプのウイルスです。
東京医科大学の濱田特任教授は、こうした新たな変異ウイルスが日本でも広がると、「第8波」が大きくなる可能性があると指摘しています。
東京医科大学 濱田篤郎 特任教授「いま注目されている変異ウイルスは『XBB』と『BQ.1』系統の2つだが、『XBB』は世界的にはあまり拡大していない。『BQ.1』は欧米で『BA.5』から置き換わりが進んでいる。欧米では感染者数そのものは急増している状況ではないが、今後、新たな変異ウイルスが日本にも多く入ってきた場合に、『第8波』が大きくなる可能性がある。12月に入ると、そのような状況になるのではないか。経過を見ていく必要がある」
AI予測 変異ウイルス次第で“第7波”超えも
今後、感染はどの程度拡大するのか。
名古屋工業大学の平田晃正教授のグループは、AI=人工知能を使って、11月10日までの感染者数の推移のほか、ワクチンの効果、それに人の移動といったデータをもとに、「BQ.1」などの新たな変異ウイルスが増える前提で、今後の感染状況を予測しました。
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それによりますと、東京都では11月中旬から下旬にかけて感染者数が本格的に増え始めると見られます。
そして、「BQ.1」などの感染力が「BA.5」の1.2倍で、これまでに感染したことによる免疫の効果がないという想定では、東京都での1週間平均での1日あたりの感染者数が、12月半ばにおよそ3万人、2023年1月中旬には「第7波」のピークを超えるおよそ3万6000人に上るという予測になりました。
この想定では、2023年1月中旬から2月下旬には、東京都内でコロナで亡くなる人は、1日に20人余りになるとしています。
また、「BQ.1」などの感染力がこれまでと変わらず、免疫の効果がある程度保たれるという想定では、感染者数のピークは2023年1月中旬におよそ2万5000人になるという予測になりました。
名古屋工業大学 平田晃正教授「『BQ.1』など変異ウイルスの影響を想定すると、近いうちに感染者数が急増し始める可能性がある。人々の活動も戻り、気温も下がり、感染者数が下がる要因はほぼない。変異ウイルスの特徴はまだよく分かっていないが、感染力が強く、免疫回避が強かった場合には、年末にかけてかなり感染者数が増えることが予測される」
今後、ワールドカップの影響も
これから年末年始にかけて、人と人との接触機会が増えることが予想されます。
これに加えて、東京医科大学の濱田特任教授は、水際対策が緩和されている今、海外の感染状況にも注視が必要だとしています。
ここ1週間では、日本だけでなく韓国、インドネシア、マレーシアといった東アジアや東南アジアでの感染拡大が目立っているということですが、11月下旬に感謝祭を控えるアメリカでの感染拡大、それにサッカーのワールドカップ、カタール大会の開催による影響にも目を向けるべきだとしています。
濱田特任教授は「これまでも、アメリカでは感謝祭の日を境に新型コロナの感染が拡大している。この時期に多くの家族が集まって食事をするので接触機会も増える。また、サッカーのワールドカップでは、世界中からおよそ120万人がカタールを訪れると言われている。これまで、東京オリンピック・パラリンピックや北京オリンピック・パラリンピックでは、いずれもかなり厳重な感染対策のもとで開催されたが、今回は対策がかなり緩和された中での開催になる。ワールドカップの期間中に感染が広がり、帰国後にそれぞれの母国で感染が広がるということも、想定する必要がある」と話しています。
インフルエンザとの同時流行は
冬に向けて、新型コロナとインフルエンザの同時流行にも備えるべきだという指摘も出されてきました。
いま、インフルエンザの患者数はコロナ前と比べると低い水準で、1医療機関あたりの患者数は11月13日までの1週間で「0.08人」と、流行入りの目安とされる「1」を大きく下回っています。
しかし、ほぼ患者がいなかった去年とおととしに比べると多く、17日の新型コロナウイルス対策の厚生労働省の専門家会合では「関西で定点あたりの患者数や、休校、学年閉鎖、学級閉鎖の施設数が増加傾向にあり、注視が必要だ」と指摘があったということです。
インフルエンザは、日本とは季節が逆の南半球のオーストラリアで、ことし5月から6月にかけて感染者数が急増し、コロナ前の大規模な流行を超える拡大となりました。
また、WHO=世界保健機関の報告によりますと、ここ数週間でアメリカやカナダで増加傾向になったほか、ヨーロッパでも、低い水準ながら増加傾向にあるとしています。
京都大学の西浦教授は「インフルエンザはいま、増えるスピードは非常にゆっくりで、早くても最大の感染者数になるのは、年始の学校再開後かと推察される。そのため、第8波とインフルエンザのピークは少なくともずれる見込みだ」とコメントしています。
東京医科大学の濱田特任教授は「日本でも一部の地域では子どもの感染が増えて、学級閉鎖も行われてきている。今後、冬の流行は起こると考えておいたほうがいい。新型コロナのワクチンと同時に接種することもできるので、インフルエンザのワクチンをぜひ今のうちに受けていただきたい」と話しています。
専門家はワクチン接種を呼びかけ
感染者数を抑え、入院患者を減らし、医療がひっ迫する事態を避けるにはどうすればいいのでしょうか。
専門家は、まずはワクチン接種を呼びかけています。
厚生労働省の専門家会合では、初回接種を完了した12歳以上の人には、年内にオミクロン株対応のワクチン接種を完了すること、そして、乳幼児や小学生の年代の子どもたちにも接種を進めることを呼びかけています。
専門家会合の脇田座長は「ワクチンは副反応への懸念もあるし、感染しても重症化するケースは少ないこともあるが、感染すると重症化することが全くないわけではないし、若い人でも、後遺症も少なからずあると言われている。しっかり接種して感染を避けることが重要だ。接種によって自分が感染しない、重症化を抑えるメリットがあるし、自分の家族を守り、流行を抑え医療への負荷を下げるメリットもある」と話しています。
また、東京医科大学の濱田特任教授は「新たな変異ウイルスは免疫を逃避すると言われているので、ワクチンを接種しても効果がないのではないかと思う人もいるかもしれないが、決してそうではない。いま接種が進んでいるオミクロン株に対応したワクチンは、今後広がる可能性のある『BQ.1』や『XBB』にも効果があると考えられる。年内、特に11月中にワクチンを接種しておいて、冬の『第8波』に備えてほしい」と話しています。
とるべき対策は変わらない
これから忘年会などのシーズンを迎えるにあたり、大切なのが基本的な対策の再確認です。
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▽発熱などの症状がある場合は学校や仕事には行かず、ほかの人との接触を極力避ける。休養が重要。▽手指の消毒、屋内で人と近い距離で会話する場面などではマスクを着用する。▽飲食店などでは換気を徹底する。
濱田特任教授は「マスクや手洗い、密を避けるといった対策は今後も続けてほしい。これから忘年会や新年会、里帰りのシーズンになってくる。今後の流行状況によってはキャンセルしなければならないこともあるかもしれない。感染状況をよく見ながら行動することが大切だ」と話しています。
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北海道の救急搬送困難が危機的状況 なぜ第8波でも逼迫を招くのか?
今回の新型コロナ第8波、「東高西低」の分布で始まっていますが、現在もっとも厳しいのが北海道です。気温が低く換気不良になりやすいという気候に加え、第7波を小さめの波で切り抜けた地域で逆に感染が多くなっています。さて、北海道の救急医療がなかなか危機的な状況に陥っています。
北海道の新規陽性者と病床使用率が過去最多水準
北海道の新規陽性者数は過去最多の約1万人を超えています(図1)。病床使用率も過去最高水準の50%近くに到達しました。
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図1. 北海道の新型コロナ新規陽性者数と病床使用率(参考資料1をもとに筆者作成)
また、北海道の救急搬送困難(3回以上断られ30分以上留まった)事案数は、先週1週間で238件となっており、これも過去最多を記録しています(2)(図2)。
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図2. 北海道の救急困難事案数(参考資料2より引用)
さらに基幹病院が大規模なクラスターを起こしており、待機手術なども含めた通常医療の機能が麻痺しつつあります。
北海道の病院で働いている知り合いの医師がいるのですが、「過去最大の波で、外来や救急などの初療レベルが医療崩壊に近い」と言っていました。
北海道は1病院あたりのウェイトが大
大都市圏だと、物理的な距離の近い他病院がサポートすることが可能ですが、「大病院はここしかない」という地域だと、大規模な院内クラスター発生は市民にとって壊滅的な打撃になります。
「あの病院がなくなったら大変だ」というところが、北海道は他都府県と比べて多い状況です。そのため、病院で院内クラスターが発生してしまい、機能不全に陥りつつある地域もあります(図3)。
予定手術が延期されたり、病棟を新型コロナ用に転用しないといけなかったりして、自宅に戻ることを余儀なくされた入院患者さんもいました。
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図3. 医療逼迫(筆者作成)
なぜ救急搬送困難に陥るのか
「ただの風邪なんだから安静にして寝ていれば治る」と言う人は、おっしゃる通り安静にしていただければ治ります。
しかし、世の中には風邪で済まない人もいます。感染者数が多いほど、風邪で済まない人の絶対数が増え、これが救急医療や入院医療を逼迫します(図4)。
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図4. 新型コロナの一部は受診が入院が必要となる(筆者作成)
これにより、救急車を呼ぶ患者さんも増えます。新型コロナのこわいところは、この角度が急峻ということです。「先週と今週で目の前の光景がまったく違う」というくらい、上記の三角形が大きくなることはよく経験されます。
札幌では今波、救急搬送を57回断られた事例が報道されていますが、今後もし感染者数がさらに増えてくる場合、直面したことのない医療逼迫を経験するかもしれません。
まとめ
医療逼迫について、いくつか解決策が提示されています。
ワクチン接種は、感染者の規模を減らすことができるので非常に有効です。
外出自粛は集団での感染低減には有効ですが、経済的な反作用が大きいです。この舵取りは自治体に委ねられることになりました。
新型コロナの分類を変えるべきという意見もありますが、診療キャパシティはそう増えないかもしれません。これは先日記事でも書いた通りです(3)。
インフルエンザの動向が見えないので、現場としては同時流行がいつ来るのか、戦々恐々といったところです。
一人ひとりが、自分たちの住んでいる地域の医療を守る意識を持っていただくことが大事かと思います。引き続き、ワクチン接種を検討いただければ幸いです。
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「Twitter終了」日米で突如トレンド入り、なぜ?(ITmedia NEWS)
Twitter上で11月18日、突如「Twitter終了」が日本のトレンドに入った。同日午後3時半時点ではトレンド1位に入った他、米国のトレンドでも近い意味を持つ「#RIPTwitter」(RIP:ご冥福をお祈りしますという意味)がトレンド1位を獲得している。しかし、Twitterがサービス終了するという発表などは確認できていない。ではなぜ突如トレンド入りする事態となったのか?
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【画像】米国のトレンドでも「#RIPTwitter」が入った(18日午後3時半時点)
発端はTwitter社の状況を伝える一連の報道や関係者のツイートとみられる。例えば米国のテック系メディア「The Verge」は18日の午前8時53分頃(現地時間)、「Hundreds of employees say no to being part of Elon Musk’s ‘extremely hardcore’ Twitter」(数百人の従業員がイーロン・マスクの“極めてハードコア”なTwitterに参加することにノーと回答)というタイトルの記事を掲載した。
The Vergeによると、米Twitterのイーロン・マスクCEOの就任時に行った従業員の大量解雇により、Twitter社の社員数は7500人から2900人に減少していたという。さらに、マスクCEOは11月16日、全従業員に「会社に残ってハードコアに働くか、辞めるか」と選択を委ねたところ、数百人の従業員が辞職を選んだと報じている。Twitterに残っていた従業員は「今週の退職者の規模を考えると、プラットフォームが間もなく壊れ始める」と話したという。
米国のビジネス誌「FORTUNE」のテクノロジー業界担当記者であるカイリー・ロビソン(@kyliebytes)さんも同じ頃、「Twitterの社員から聞いた話ですが、残り3700人ほどのTwitter社員のうち、およそ75%が『ハードコア』メールの後に残ることを選択しなかったようだ」とツイートしている。
米国のメディアやメディア関係者が一斉にこのように報じた影響で「Twitterのサービス維持が困難になる」と考えた人が多かったため、「#RIPTwitter」や「Twitter終了」などが日本を含む世界中に広がったと推測される。またこれに便乗したジョークツイートなども増えている。
マスクCEOは日本時間18日午後1時23分頃、「Twitterの墓の前でピースをするTwitter」のジョーク画像を投稿。さらに午後3時40分には「HELP US LIGMA JOHNSON YOU'RE OUR ONLY HOPE」(助けてくれリグマ、ジョンソン。君は僕らの希望なんだ)と、映画「スター・ウォーズ」のせりふをもじった画像を投稿している。
これは、Twitterを解雇された社員のふりをし、各メディアのインタビューに答えるといういたずらの実行者が名乗った「Rahul Ligma」と「Daniel Johnson」の2人を指すものと思われる。ジョーク画像の投稿ばかりを繰り返すマスクCEOのツイートには、ユーザーからも「Twitter終了」になぞらえたさまざまなジョークの投稿が続いている。
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「ツイッターは日本中心」 理想の高利用率―マスク氏(時事通信 11月22日)
【シリコンバレー時事】米IT専門メディアのザ・バージは21日、実業家イーロン・マスク氏が、オーナーとなった米ツイッターの全体会議で、「ツイッターは米国中心に見えるかもしれないが、どちらかと言えば日本だ」と述べたと報じた。日本は利用率が高く、同社が全ての国で目指すべき「理想」と表現したという。
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【図解】イーロン・マスク氏による米ツイッター社買収後の主な動き(THE PAGE 11月22日)
同メディアによると、マスク氏は「日本の人口は米国の3分の1だが、1日当たりの(ツイッター)利用者数はほぼ同じだ」と指摘。技術者チームを日本、インド、インドネシア、ブラジルに置く考えを示した。
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ayasumi-spark · 5 years
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ラーメン二郎を一日で三食くらった時の話
 ジロウと呼ばれる少女から電話がかかってきたのは、水曜日の早朝のことだった。外は小雨が降っていて、絶好のひきこもり日和だった。ぼくはその日、ひさしぶりの休日で、ゆっくり体を休めようと前々から考えていた。昼過ぎに起きて、コーヒーを淹れ、スパゲッティをつくり、メシアンを聞きながらねむりにおちる、退役軍人のように贅沢な休日を過ごすつもりだったのだ。  ぼくは夢の中で昔すきだった女の子と放課後の教室でたわむれていた。ぼくは夢の中で16歳になっていた。当時クラスでも地位の低い層に位置し、ナメクジのように矮小な存在であったぼくには、このような甘美な思い出はない。これは記憶の再現ではなく妄想なのだ。  夕日の中、ふたりの手が重なったとき、突然アイフォーンが屠殺前の鶏のようにけたたましく鳴り響いた。そしてぼくは2019年の東京にひきもどされてしまう。目を開けると見慣れた中央線沿いの安アパートの天井がそこにはあった。休日のあまい眠りを阻害されたことに腹をたてながら、ぼくはアイフォーンの画面を見た。非通知発信からの電話だった。いつもなら無視するところだが、なにか予感めいたものを感じたぼくは、応答を意味する緑色のマークをフリックして、その大人しくなった機械を耳に押し当てた。 「わたしよ。ジロウよ」とジロウと呼ばれる少女は言った。 「きみか」とぼくは簡単に言った。  なぜ彼女がぼくの番号を知っているのか、なぜ平日の早朝に電話をかけてきたのか、疑問は多くあったが、なぜかぼくはこの状況をすぐに受け入れるようとしていた。それは彼女の持つ独特の性質によるものだ。彼女は突拍子もないことを納得させるなにかを持っている。 「やれやれ。こんな朝早くからいったいなんの用だい」ぼくはまどろみの中に片足をつけたまま言った。「ずいぶんひさしぶりじゃないか。それにしてもこんな朝早くに急に電話なんていただけないな」 「ラーメン二郎に行くわよ」とジロウと呼ばれる少女は言った。 「なんだって?」 「ラーメン二郎に行くわよ」  ジロウと呼ばれる少女は壊れた���具のようにくりかえした。ラーメン二郎だって? 「オーケー。きみがラーメン二郎に行きたいということはわかった。でもなんでまた、こんな朝早くにとつぜん連絡してくるんだ」 「三田本店は8時半からあいているのよ」  会話が通じないのはいつものことだが、さすがに起き抜けにこの会話は堪えるものがあった。 「ラーメン二郎に行きたいことはわかった。ならばきみはひとりで行けばいい」 「7時40分に田町」とジロウと呼ばれる少女は有無を言わせぬ口調で言った。「わかった?」 「7時40分に田町」ぼくはおどろいてくりかえした。部屋にあるディジタル時計の針は6:21をしめしていた。「かんべんしてくれ。そもそも、そっちはぼくの電話番号を知っているのに、自分は非通知でかけてくるなんて非常識じゃないか? きみはいつも――」 「あなたはきっと来るわ。私にはそれがわかる」  ジロウと呼ばれる少女はそう言って唐突に電話を切った。  やれやれ。いつもこうだった。彼女はいつもとつぜんなのだ。とつぜんぼくの目の前にあらわれてぼくの心を乱して去っていく。まるで夏の積乱雲のように。そしてぼくはその雷雨にあらがうことはできず、いつもただ受け止めるばかりなのだ。  ぼくは布団から這い出て、洗濯物や読みかけの本が溜まっていることを思い出しながら、シャワーを浴びて、それからおろしたてのジャケットを着た。いつもこうだ。ジロウと呼ばれる少女のことばに従わざるをえない。ぼくの一連の行動は、まるで高度な洗脳にかかった愚かな信徒のようだった。靴のかかとに穴が空いていることに気づき、すこし憂鬱になりながら家を出た。やれやれ、ぼくはいったいなにをしているのだろう? とにかくこうして、ぼくのラーメン二郎をめぐる冒険がはじまった。
 ジロウと呼ばれる少女がジロウと呼ばれる由縁は簡単で、ラーメン二郎が好きだからだ。  彼女はラーメンを愛した。昔ながらの醤油ラーメンを愛した。濃厚な魚介豚骨を愛した。芳醇な鶏白湯を愛した。 コクのある味噌を愛した。エグみの強い豚骨を愛した。脂っこい家系を愛した。そして、とりわけラーメン二郎にたいしては、なみなみならぬ愛情をもっていた。それゆえ、彼女は女性でありながらジロウという愛称で呼ばれるようになっていた。 「今や全国にラーメン二郎は数多くあれど、こんなに朝早く、八時半からやっているのはこの本店だけね」とジロウと呼ばれる少女は言った。  三田本店の列に並ぶ彼女は注目の的だった。同じく列に並ぶ男たちからの視線を強く感じる。彼女は平日の早朝にラーメン二郎に並ぶ――だれがどう見ても容姿端麗な――女性である。  読者諸兄にはあらためて解説する必要はないかもしれないが、一応ラーメン二郎について簡単な説明をしておく。 ラーメン二郎は1968年、東京都目黒区の都立大学駅近くに最初の店が開かれた。店主の名前は山田拓美。通称「総帥」と呼ばれている。1970年代前半に港区の三田通りに場所を移してからは慶応義塾大学に通う学生にとってのオアシスとなった(給油所と表現したほうが正しいのかもしれないけれど)。1996年に三度目の移転をし、桜田通り沿いに現在の店舗をひらいている。基本的には豚骨でダシをとった醤油ラーメンである。これだけ聞くと巷によくある普通のラーメンを想像するかもしれない。しかし、味もビジュアルも強烈で凶暴なのだ。まず量が多い。 ラーメン二郎における「ラーメン」あるいは「小ラーメン」は  普通のラーメン屋の特盛のサイズである。「大ラーメン」の量については説明しなくても想像がつくであろう(もっとも量は各店舗によって大きく異なるのだけれど)。太麺の上にはたくさんのヤサイ(野菜ではなく「ヤサイ」だ)と巨大な豚肉(その質量から、ラーメン二郎では「チャーシュー」ではなく「ブタ」と表現する)が乗っている。慣れない人にとっては見た目だけで食欲を消失してしまうだろう。希望をすればそのヤサイの上にアブラ(背油)をかけることができる。そしてスープはかなり味が濃い。化学調味料の溶けた醤油豚骨スープは味蕾を強烈に刺激し、脳味噌の味を感じる部分を直接殴打しているのではないかというほどのを衝撃あたえてくる。「ラーメンではなく二郎という食べ物」とまで言われるようなこの特異な麺類を提供するこの店には熱狂的なファンがついていり、東京ラーメン界で不動の地位を確立していた。  そんな凶暴なラーメンを饗する店(しかもお世辞にも店内は綺麗とは言い難い)に――すくなくとも見た目は――可憐な女性が並んでいるのである。「近くの慶應義塾大学に通っている、講義前に食べにきた学生」とするならば納得はできなくはないし、そういった熱心な女学生は一定数いるのだろうけれど、それにしてもジロウと呼ばれる少女が、この行列において異質な存在であることには変わりはなかった。砂漠に迷いこんでしまったホッキョクグマが目立ってしまうのと同じように。  しかしジロウと呼ばれる少女は慶応義塾大学の学生ではない。そもそもぼくは彼女が何歳なのかも知らなかった。身分、出身、現住所、といった基本の情報すら知らなかった。高名な陶芸家の孫だとか、 某国のエージェントだとか、  六か国語に精通しているだとか、仮想通貨を動かして巨万の富を得ただとか、覆面作家として活躍して何回も芥川賞候補になっているだとか、『トゥーランガリラ交響曲』のピアノを全楽章暗譜しているだとか、そういったうわさはいくつも聞いたことがあるけれど、どれも裏づけはない(渋谷で外国人と耳にしたことのない言語で話しているのを見かけたことはある)。ぼくが彼女についてただひとつ知っているのは、無類のラーメン好きでジロリアンということだけだ。 「ごらんなさい」ジロウと呼ばれる少女は店の中に目線をやりながら言った。「各店舗から次世代の店長候補が集まってきているわ」  ラーメン二郎はのれん分けという形で、弟子たちが全国に「ラーメン二郎」を出店している。店長になるための決まりとして、ここ三田本店での修行が必須となっているのだ。未来の店長を志す者が働きに来るのだ。 「そしてジロリアンのメッカでもある」  ジロリアンというのはラーメン二郎が好きな人間の呼称である。 「そう、わたしやあなたのような」  ぼくはあわてて訂正した。「冗談じゃない。ぼくはジロリアンなんかじゃない」 「そうかしら? こんなに朝早くから三田本店に並ぶなんて立派なジロリアンよ」 「きみが呼んだんじゃないか」 「でもあなたはあなたの意志でここに来た。そうでしょう?」  ぼくはこれ以上の話の展開を面倒に思い、そこで打ち切ってしまった。きみに高度な催眠をかけられているんだよ。そんなことを言ったらまた面倒なことになるし、行列にならぶ他の客にこれ以上奇異の目で見られるのは避けたかった。5chに書きこまれてしまうかもしれない。というか、すでに書きこまれていもおかしくはない。ジロウと呼ばれる少女は、この界隈の知る人にとっては有名人なのだから。
 やがて助手(ラーメン二郎では店主以外のスタッフのことを「助手」と呼ぶ)に招かれ、ぼくたちは店内に入店した。店内の雰囲気はきわめて和やかだった。総帥がスタッフや常連客と談笑しており、「イッヒッヒッヒッ」と特徴的な声で笑っている。  休日の朝からなにをしているのだろう、とぼくは思った。とにかくこれを食べたら家に帰って眠ろう。もっとも、朝からこんなに重たいものを食べて快眠を得られるとは思い難いけれど。先日つくったジェノベーゼ・ソースが冷蔵庫に入っていることを思い出していると、助手のひとりに「ニンニク入れますか」と訊ねられた。  ラーメン二郎では提供前にトッピングの有無を訊かれる。「はい」あるいは「ニンニク」と答えるとニンニクが盛られ、「ヤサイ」といえばモヤシの量が多くなり、「アブラ」と答えるとセアブラが乗り、「カラメ」というと醤油の量が増える。ニンニクとヤサイがほしければ「ニンニクヤサイ」と答えればよいし、アブラだけほしければ「アブラ」と答えればよい。この一連のやりとりを「コール」と言う。それにしても「ニンニク入れますか」と訊かれ「ヤサイ」とだけ答えるのは、会話が成立していない気もする。  ぼくは「ニンニクアブラ」と答えた。言ってから、なぜアブラを増してしまったのだろうと後悔した。ちなみに「ニンニクスクナメ」というとニンニクが少量盛られる。「アブラスクナメ」でも同様に少なめの背脂が追加される。だがしかし「ヤサイスクナメ」と言うと「ヤサイが少し追加される」のではなく「デフォルトから減量されて」提供される。非常にややこしい。  ジロウと呼ばれる少女は「全マシ」とコールした。正気の沙汰ではない。なぜなら彼女が頼んでいるのは大豚ラーメンなのである。「豚」のつくラーメンはただでさえ大きいブタがさらに何枚か追加されるメニューのことだ。さらに麺が大盛である。そこにトッピングをすべて追加。麺、ヤサイ、ブタ、スープの濃さからざっと換算すると幸楽苑の醤油ラーメンの十杯分くらいの威力があるラーメンのできあがりだ。彼女は朝からこの量をたいらげようというのだ。  ぼくの小ラーメンはトッピングが少ないこともあり、間もなく着丼した。
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 正直なところまったく食欲がない。 割り箸を握るぼくの手は、まるで難解なエチュードの楽譜を目にしたピアノ初心者のように硬直していた。  ジロウと呼ばれる少女の前に置かれたラーメンは、ラーメンと形容していいのか迷う一品であった。そのビジュアルは醜悪と形容しても差し支えないはない。未開の地の部族が祭事で供する料理のようにも見える。着丼するなり、彼女はものすごい勢いでラーメンのようななにかを食べはじめた。まるで数日ぶりの獲物にありついたライオンのように。その姿に、客はおろか助手たちも唖然としていた。  意を決して、ぼくも目の前のそれの解体作業にとりかかった。まず、麺を引っ張り上げヤサイの上に載せる作業、通称「天地返し」をする。これを行うことによって麺の伸びと味の染みこみを抑えつつ、さらには冷まし、ヤサイを汁に漬けることができる。ぼくは小食なほうではないけれど、起き抜け早朝に食べるものとしてはいささか難儀な代物であった。それでも化学調味料が食欲を無理矢理ブーストさせ、なんとか食べきることができた。その時―― 「ごっつぉさん」  それはまるで中年男性のような台詞だったけれど、その言葉を発したのはジロウと呼ばれる少女だった。目の前の爆弾を処理するのに夢中であったぼくは、彼女のペースには気を配っていなかった。もう食べきったというのか。彼女はどんぶりをカウンターの上に上げ、布巾でテーブルを拭きはじめた(この一連の流れをフィニッシュムーブ)という。それはまるで熟練の工芸職人のような美しい動きだった。  ぼくとジロウと呼ばれる少女が食べ終えたのはほぼ同時ということになる。小ラーメンと大豚ラーメン全マシは高尾山と富士山くらい差があるといっても過言ではない。それをほぼ同じ時間で踏破したのだ。おそらく7分くらいだったと思う。尋常ではない。連れ合いの客がこちらを見ながら耳打ちをしてなにかを話していた。大豚ラーメンを早食いする端正な顔立ちの少女の存在は、このようにしてひろまり、有名になっているのだ。ジロウと呼ばれる少女は、きまって白いワンピースを着ていることから「大豚の君」というあんまりなネーミングで5chやTwitterで話題の人物となっているのだった。  
 ぼくたちは店を出た。食べ終わったらすぐに退転するのがラーメン二郎の、いや行列のある飲食店のマナーだ。ぼくの足取りは非常に重くなっていた。それは胃を圧迫している二郎の存在によるものに他ならない。二郎と呼ばれる少女は、これくらいをたいらげるのは大したことではないという顔でペプシ・コーラ(ゼロカロリーではない)を飲んでいた。 「さあ、帰ろうか」とぼくは言った。「もう帰って眠りたい。おだやかなアリアでも聞きながら眠りたい」 「なに言ってるのよ。次行くわよ?」 「次?」 「ラーメン二郎野猿街道店よ」  ぼくは突然冷水でも浴びてしまったように言葉を失った。ジロウと呼ばれる少女は真顔だった。真剣なのだ。 「なにその顔?」とジロウと呼ばれる少女は言った。「まさか、わたしがホテルに誘うと思う?」  ホテルの部分は無視することにした。「きみは今三田本店で大豚ラーメンを食べたじゃないか。これ以上なにを望むんだ」 「さらなる快楽」 「さらなる快楽」 「そう」  こうなってしまってはだれもジロウと呼ばれる少女を止めることはできない。突き進むだけ突き進んで、我に返るまで止まらない。 春先のイノシシと同じように。 そしてぼくも抗うことはできない。朝方に電話をとってしまったあの瞬間で、ぼくの今日一日の運命は決まってしまったのだ。  かくしてぼくは重い腹をかかえながら、京王堀之内駅という、それこそラーメン二郎を食べに行く用事がなければ生涯訪れることはなかったであろう場所まで行くことになった。
 野猿街道店はラーメン二郎の中でも屈指の量を誇っている。しかしながらあまりの美味さにスルスル食べることが出来た。それは感動的な美味さだった。朝に三田本店を食べて食欲がないにも関わらず、夢中で麺を胃に流しこむことができた。お腹が空いていたらもっと美味かったに違いない。また来よう。
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「最後は歌舞伎町店に行くわよ」 「勘弁してくれ」 「一日で三食二郎食べるのって夢だったわ」 「ひとりでやってくれ」 「端折らずに描写するのよ」 「三田本店編だけですさまじい文量なんだ。勘弁してくれ」 「行くわよ」 「やれやれ」
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 完食。このような無益な殺生はもう二度とやるまいと心に誓った。  それからぼくたちは歌舞伎町のラブホテルに入り、性交をした。最初のキスはニンニクのflavorがした。
 ≪了≫
※この話は事実を基にしたフィクションです。
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565062604540 · 2 years
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202201041422
 月曜から火曜にかけて地獄みたいなシフトになるはずが、火曜日が急に休みになった。火曜の早朝まで仕事して、そのあと初詣に行ってくることにした。しかしどうせ出かけるのなら初詣だけではなくもうひとつ目的がほしい、ということで、チョコレートケーキのおいしい店に行くことにした。その結果、目的地は緑園都市となった。  朝6時に家を出たので、現地にとんでもない早朝に到着してしまった。しゃーないので、近所でてきとーな神社を探すことに。  んで、ここ。 https://www.kanagawa-jinja.or.jp/search_dtl.php4?jid=334&cd=1203018&scd=&npg=0  こっちのほうが詳しいな。 https://www.city.yokohama.lg.jp/izumi/shokai/rekishi/ayumi/imamukashi/2-shoshi/jutakuchi/1-goryou.html  けっこう大きな神社でした。入口のところにたこ焼きの屋台みたいなのがあって、まあ4日の午前7時くらいだったのでとうぜん営業してはいなかったんですが、3が日にはそこそこの人出があるってことなんでしょうね。  境内は祭りというかイベントというか、そういうものの余韻を感じさせて、結ばれそこねたおみくじの紙片が散乱してたり、地面も踏み荒らされたまま整地されていなくて、また順路なんかの指示や参拝のときの注意事項を書いた張り紙があちこちにありました。  それ以外にも、敷地内よ幼稚園があったり、ボーイスカウトの支部という看板が出てるぼろい建物とかあったりした。  しかし神社ってのも商売として考えると不思議なもんではあります。あれは、なんだろうな「もっともらしさ」の体系だと思うんですよ。由緒を強調するのもそうだし、境内にあるあらゆるものにしっかりとした来歴があるんだと主張するのもそう。「もっともらしい」場所には「なにかありがたいもの」があるわけです。現代においては、それを担保するものは歴史なんでしょうかね。いまちょっと眠いのでこれ以上考える気はないですが、人生の節目といわれるような儀式に神社が出張ってくるには根拠が必要で、その根拠の現実的な表現形式が神社なのかなって思うんですよね。よその国の宗教のことはよく知りませんけど、そういう点から信仰というものの形式を考えてもおもしろいのかもしれません。  神社そのものもおもしろかったんですが、同じくらい、この地域そのものがおもしろかったです。  なんかね、まだらなんですよ。  まあ、いってしまえば、横浜近郊によくある、農地が無秩序に開発されてったタイプの住宅街なんですが、にしては、人文の蓄積がありそうな雰囲気があるんですよね。でかい神社とでかい寺がありますし、もとは古い農家だったんだろうなと思えるお屋敷っぽい家の構えなんかでもそうです。もともとある程度、人口は多い地域だったんでしょうね。まあ立場が近いってのもあります。  で、そういう地域にわりと古いタイプの長屋っぽいものが建ってきて、その後に宅地化が進んだ。その進みかたもなんか妙で、あれはたぶん地下鉄の開通が契機になってんですかね、むやみやたらに賃貸アパートが多い。10戸とか15戸の単位でまとめてつくられた建売も多くて、そういう場所は妙に小洒落た雰囲気になってる。  これらが同じ地域にまだらに存在してるんですよね。道も、やたらに整備されてるのと、農道のころから変わってない道がぐちゃぐちゃに存在してて、歩くにはおもしろい場所だと思いました。  んで、そのあとコメダ行って、眠かったのでちょっと仮眠とってケーキ屋さんへ。  ケーキ屋さんはここです。 https://verdure.co.jp/  店に着いたのは11時くらいだったんですが、まだ年始の挨拶まわりの余波が残る時期であるせいか、店内には相当のお客さんがいました。  うちの奥さまがアルコールの入ったケーキはいっさいだめなので、店員さんに相談したらかなり親切に話を聞いてくれて助かりました。なので、ちょいと奮発して買いました。まだ食べてないので味は不明です。  それにしても驚いたのは厨房にいた人数です。ざっと見たところ12人くらいいたと思うんですが、商売やってる人間としては「その人件費をまかなえるだけの利益がある」ということに驚きます。すさまじい繁盛店ですよこれは。ケーキ屋の粗利がどれくらいあるかはわかんないですが、仮に飲食でよく言われるように原価が3割くらい、家賃なんかの固定費とかを考えればだいたいの売上は導き出せそうな気がします。そしてその金額はかなりとんでもねえことになってるはずです。まあ正月ってこともあるんでしょうけどね。  立地としてはそんなにいい場所ではないんですが、それであれだけ人気があるっていうのはやっぱり実力のあるお店なんでしょうねえ。ちょっとケーキ屋を舞台にしたお話とか書きたくなりましたが、それで最初に連想したのがパルフェというエロゲだったので加齢には勝てないなあという感じです。  そのあとはてきとーにナビで探してラーメン屋に行ってきました。俺はラーメンは家系以外に食わない人間なので、この日も家系だったんですが、到着してみたら「横浜家系」とでっかい筆文字が踊る例のタイプのお店で、入る前から「ああ……」ってなったんですが、まあ超絶ハズレはないということでもあるので、ふつうに入って食ってきましたけど、やっぱり例の感じの「濃厚」でした。そしてチャーシューがおいしくなかった。  しかし横浜市内で「横浜家系」って筆文字出してもお客さんって入るもんなんすかね。  つってもあれか、六角家や吉村家、杉田家なんかが出て���た初期の家系ブームのころは、相対的に家系食ってる人も少なかったわけで、ふつうの横浜市民が家系食うようになったのはその後ですよね。であるなら、別にあれでもいいのかなって思いました。  お話のネタは別に拾えませんでした。  だいぶ以前に書きかけて放置してたお話の舞台が緑園都市だったんですけど。  俺はニュータウン大好き人間なんですが、緑園都市の町並みはちょっと独特のものがありますね。  ひとつには、家に統一性がないんですよ。いくつかのパターンがあってそこから選ぶ、みたいな感じではなくて、ほんとにどの家も建築士が設計したんかいな、みたいなばらばらっぷりで。相鉄不動産がまとめて開発してる以上そんなことはないと思うんですが、分譲当時はよほど高所得層を狙ってやってたんすかね。  ニュータウンにもいろいろあって、高齢化が進んでて半分死んでるとことか、現在でも管理が行き届いてるとことかあるんですが、緑園都市はよく整備されてます。またあのアップダウンの激しさが独特の雰囲気をつくってますね。  前に訪れたのは数年前の冬で、確かクリスマス前でした。自分ちでイルミネーションやってる家とかもけっこうあって、こういう「家があって、ちょっと華やか」みたいな場所に、だれからも見つけてもらえない天使ちゃんとかいたらすごくいいんじゃ��いかな、と思ったんですよ。  その後に多摩ニュータウン駅近辺をうろついたときもやっぱり似たようなこと考えてて、きっちりした服装の人たちが行き交う華やかな町の片隅に、薄汚れた天使ちゃんとかいて、さびしげに座ってたらかなり興奮するなーって。そしたらだれかが拾うしかないじゃないですか。  まあ、いま書いてるやつまずは終わらせろってことで。  今日のよかった曲です。 https://music.youtube.com/watch?v=zxxlp0UiLA8&feature=share  ささくれP、昔から大好きなんですよねー。  最初に知ったのは、ランペイジですね。  初音ミクがニコ動でうわーって盛り上がった当時、新着の曲を全部聞くっていう荒行をやってて、そこで好きになった音楽はとても多いです。  俺、基本的にムーブメントってものに乗りそこねる体質なんですが、ボカロは、勃興期からずっと眺めてきた数少ないムーブメントです。 https://music.youtube.com/watch?v=lyMrKFS_qls&feature=share  これとか最初に出てきたときほんとに震えましたよね。  音楽的にはまあ「あのへんかな」みたいなのわかっちゃうタイプの音楽ではあるんですが、そういうことじゃなかったんですよ。歌という、もっとも人間の肉体に依存するものが、人間ではないものによって歌われることに、とほうもないわくわくする感じがあった。  んじゃ仮眠とったらまたなんか書きますわー。
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arara1212 · 2 years
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長野市「ラーメン 岬家」キャベツと家系ラーメンと 店名 ラーメン岬家 場所 長野県長野市青木島町大塚149 青木島おいしい広場 電話 不明 ジャンル ラーメン屋 バリアフリー ◯ 食べたもの 「吉祥寺盛りラーメン 並」940円、「チャーシュー」200円、「キャベチャーライスセット」260円 ⁡ ⁡ そそっかしくてのめり込みやすい という典型的B型人間な私だから、この歳ここに至るまでにいろいろな目にあってきている。気に入れば何も考えずに飛び込んでしまうし、気になれば隅から隅まで調べあげすぎて、脳内の期待度が上がりすぎてしまっているから、実際の事物に相対するとなんだかつまらねーなぁ。なんて事に成り果ててしまう。 ⁡ ⁡ 近年は 年齢が嵩んできたおかげか、あまりのめり込むことなく、テキトーにおつきあいする事が出来るようになった。映画を観るときなど特に激しくて、あれが観たい、この作品に浸りたい。とは思うことがあってもタイミングが合わなければ行かない。この日の何時から何時まで空いているから、そこに合わせるとこの作品を観ることが出来るぞ。なんて事をやっているから、ずいぶん鑑賞の幅が広がったぞ。 ⁡ ⁡ 食事をとる店も なにも考えず、検討も調べもせずに飛び込むことが多い。初めてのところなど、店構えだけで決めるから、入ってテーブルに着いたところで、ああここはラーメン屋だったのか。あれれ?焼肉屋じゃないかここは。なんてことはザラなのだ。まぁその方が楽しいではないか。 ⁡ ⁡ 「美味しい広場」 と名付けられたスペースは青木島と篠ノ井の2箇所にある。どのような組織が運営されているかはわからないが、ここはこれで便利な場所で、ここまで来れば大概のものは食べられる。なんとなく駐車場に入ってから、ああそういえば餃子専門店があったな。と、隅にある店に入ったらまったく違う店に様変わりしていた。 ⁡ ⁡ ⁡ 「ラーメン岬家」 券売機をみて初めてラーメン屋と気づいたのだからわれながら乱暴なことだ。店名に『家』がつくから家系すなわち豚骨醤油ラーメンが主力なのであろう。あとで写真を観たら『吉祥寺 武蔵家直系』と冠されていたが、吉祥寺武蔵家ってなんだ?苦手な券売機を駆使してようやく注文したのが以下である。 ⁡ ⁡ 「吉祥寺盛りラーメン 並」940円 「チャーシュー」200円 家系ラーメンといえば長野駅前の『よし家』みたいなものだろう。んでは生キャベツの乗ったこれだろう。男はチャーシュー増しにしなきゃ、などと極めて乱暴な選択法であったが、これはこれでなかなか素晴らしい。 ⁡ ⁡ やや赤みを帯びた 濃褐色のスープの中に沈み込む中太麺。表面には10枚の板海苔にほうれん草、味玉、スープに浸っているので分かりづらいが5〜6枚のチャーシュー、そして大量の生キャベツ。どれもが美味いが、もっともよいのがこの生キャベツ。そのままカリカリと齧るのもよし。スープに浸しておいて甘く柔らかくしてからいただくもよし。酢をダバダバ投入して、すっぱくしてから食べるのを好みます。 ⁡ ⁡ 「キャベチャーライスセット」260円 当初は餃子を求めに入ったのだから、それを求めるのが筋であろう。とはいうものの、家系ラーメンとくればキャベツ、キャベツとくればキャベチャーであろう。という事であっという間に翻心してしまういい加減な私。 ⁡ ⁡ キャベチャーとは 生キャベツとチャーシューの端切れを和えたもの。ラーメンに乗せてもよし、ライスに乗せてキャベチャー丼にするもよし。もちろん私は後者となる。キャベツと熱いご飯のコラボレーションがよろしい。わしわしバリバリ野蛮にかきこむのがなんといえずに美味いのだ。 ⁡ ⁡ ご飯を少し残しておいて スープに浸した板海苔で巻いて、あるいはチャーシューを乗せて、スープをかけてと行儀の悪いシリーズをやりつくしてランチタイムを終える。ああ美味かった、余は満足である。 ⁡ ⁡ ⁡ という事で 初訪問ランチシリーズは成功裡に終わった。新しい体験とはよいものだ。ブログのネタにもなるし。次の新店はどこか、とくに探しもしないし調べもしないが楽しみで仕方がない。 ⁡ ⁡ ⁡ #長野 #長野県 #長野市 #長野グルメ #長野市ランチ #長野市カフェ #長野ランチ #ラーメン #ラーメン好きな人と繋がりたい #ラーメン大好き #ラーメンインスタグラマー #ラーメン部 #ラーメン巡り #ラーメン倶楽部 #ラーメンパトロール #ラーメン好き #ラーメン好きと繋がりたい #ラーメンインスタグラム #ラーメン食べ歩き #ラーメン屋 #ラーメン食べたい #ラーメンショップ #ラーメン中毒 #ラーメンデータベース #ラーメンスタジアム #ラーメンバカ #ラーメンズ #コロナに負けるな #좋아요_한국 #좋아요_일본 (岬家) https://www.instagram.com/p/CWQZgG6PGaR/?utm_medium=tumblr
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saku-skywalker · 3 years
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博多一幸舎「麺祭り2021」 行ってきました総本店。 製麺屋慶史からの指定麺、乱切り麺との事、確かに不揃いな感じ…でも乱切りって程でも無いですかね〜 こちらの限定麺はにぼとん、煮干し感を全面に出してますね、もう見た目から煮干しで期待感マックスですよ〜 スープの方なのですが、他の方投稿を見ると煮干しの中に豚を感じるってのを見かけたんですが、そんなに豚は感じなかったですかね、そもそもの煮干しが強いから?? まあそれは置いといて、豚骨ラーメン店が出す煮干し系とは思えない程の味、この辺りは流石の一幸舎ですね、マジでウマイ! 麺の方は切り方がランダム、これだけで食感変わるんですね。 個人的な好みを言えば、このスープならやわ目の方がスープとの馴染みも良いかも?でもウマイ。 大人の高菜炒めに大将特製の辛味を合わせれば、完璧なるご飯のお供ですよ〜 レアチャーシューもスープの熱で暖まらないうちにご飯に避難、これは最強のチャーシュー丼でしょう! 期間限定との事、もう食べる機会も無いでしょうが、煮干し系は大好物なので 期間内にもう一度は食べてみたい一杯ですかね。 #ラーメン #らーめん #豚骨ラーメン #豚骨らーめん #博多一幸舎 #博多一幸舎総本店 #博多一幸舎麺祭り2021 #製麺屋慶史 #乱切り麺 #煮干し #煮干しラーメン #煮干し系ラーメン #にぼとん #レアチャーシュー #博多ラーメン #ラーメンインスタグラマー #ラーメンインスタグラム (博多一幸舎 博多総本店) https://www.instagram.com/p/CSa991yraMs/?utm_medium=tumblr
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tanaboo0502 · 3 years
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夕飯はブロッコリー塩ゆで、ブロッコリー茎の炒り卵塩昆布ごま和え、かぼちゃ甘煮、サラダチキンキャベツサラダ、白菜シークワーサー漬け、白菜豚汁、スーパー大麦ごはん。息子は生卵で。 #自炊ダイエット #野菜たっぷり ブロッコリーは2分塩ゆで。茎は乱切りにします。 ブロッコリー茎の炒り卵塩昆布ごま和えはごま油で炒めた炒り卵、すりごま、塩昆布、エリスリトール、醤油と和えます。 サラダチキンキャベツサラダは塩麹サラダチキンを手で割いてキャベツの上にのせてMCTオイルドレッシング、あらびきコショウするだけ。 残り物チーズもトッピング。 白菜チャーシュー豚汁は白菜をごま油で炒めて大根、チャーシュー、和風だしで煮込んで秋田味噌で味付け。 仕上げにネギと七味で。 かぼちゃ甘煮はかぼちゃ、酒、醤油、エリスリトール、継ぎ足し汁を加えて大同電鍋2カップで調理するだけ。 しっとり仕上がって煮崩れしないから楽で美味しい。 #エリスリトール #和食 #MCTオイル #ブロッコリーの茎 #節約料理 #大同電鍋 https://www.instagram.com/p/CMZTbA2LhUD/?igshid=sm2fwh62plxw
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bokurarri · 6 years
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_________________ 🍜:豚骨醤油らーめん 🏠:ひょっとこらーめん  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ■2018/01/31(水) 【とんこつスープで喉を潤す2018年冬】 ラスト赤坂になるかもしれないと思ったら、昼飯はやっぱりラーメンを食べたくなった。(結果ラスト赤坂じゃなかった) 交通会館を思い出しそうな店名のお店へin。大分の佐伯ラーメンをうたう豚骨のお店。 看板メニューの豚骨醤油らーめんを注文からの… . ちゃっくどぉ〜ん!! . なかなか強く豚骨エキスが感じられ、ちょいまったりな濃度で美味しい。スープがやや熱だったのは昼の混雑ブレかな。 麺は角のある細麺で、弾力があるタイプ。プチンした歯切れが良い感じ。結構好きな麺。 チャーシューが温かくなかったから、それでスープを冷やした模様。 白胡椒を振り振りし、紅生姜を入れて美味しくいただきました!ごちそうさまでした _________________ 24杯目#ラーメン #らーめん #ラーメン倶楽部 #ラーメンインスタグラマー #中華そば #ramen#noodles #japanesefood #拉麺 #つけMen野郎のラーメン日記 #アングルの乱れは心の乱れ #ひょっとこらーめん #見習いトンコジスタ #豚骨醤油 #佐伯ラーメン #赤坂ラーメン散策 6 #以前は宮崎ラーメンだったらしい (宮崎直送ひょっとこらーめん)
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nagatag · 4 years
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【ひるらー】【横浜市・白楽〜六角橋】【家系NO.1】 家系総本山・吉村家直系店。いつかは来なければならぬ課題点であった。全国の家系ラーメン店で現在トップの人気店である。平日14:30で空席あり。カウンターのみ12席ほど。店員さんは男女半々くらいで皆元気が良い。麺上げは女の人がしていた。今日は店主もいたようだ。大盛り頼んだ人に「今日は大盛り頼んだ人にチャーシュー1枚サービスです!」とそのたびに威勢良く言っているw 毎日Twitterでお持ち帰りチャーシューの案内をしているほどチャーシューにはこだわっているようで、チャーシューメンを頼む人が多いようだが、ヴィジュアル的に量がヤバそうなのでやめておくw ラーメン700円+ライス150円+味玉100円+のり100円。コールは全て普通。 麺は家系ラーメン御用達の酒井製麺。スープはトロミのないサラサラしたスープでカエシが前面に出たタイプ、バランスは申し分ない。ウマス。衝撃度で言えば数年前の杉田家にわずかに及ばないが、家系ラーメンとしての完成度はまさに最強クラスではないだろーか。 超特大LLLサイズと推されていた味玉、半熟ではなく固茹でタイプでしょっぱいw 豚はさすがに素晴らしい出来で、しっとり柔らか、良い燻製香。ただ脂多めの柔らか煮豚ではなく噛み締めて旨味を味わうタイプなので、好みは分かれるか。 ここもスープが神ってるので、ライスに豆板醤で海苔巻いて810喰いとか無粋なことはやめた方が良いかもしれない。味が乱れるし、大喰らいでない限りライスのヴォリュームで喰い切れるかどうか気が散る。ニンニクすら余計かもしれないって感じだった。 腹パンすぎたのでライスは残すつもりだったが、汁に投入しておじやにしたら結局喰らってしまった。まぁライス頼まなくてもどっちにしろ汁完しただろうが。 総じて、文句なくうまし!さすが家系NO.1!ピークタイムにどれだけ並ぶのか分からんが、このクオリティで時間ずらせば並ばないで喰えるのは素晴らしい。(コロナのせいかもしらんが…) 次回は余計な要素は省いて、ライスもトッピングも無しで純粋に向き合���てみたい。 \(^ω^)/ #ラーメン #家系 #家系ラーメン #吉村家直系 #酒井製麺 #スモークチャーシュー #汁完 #神スープ #腹パン #ひるらー #W炭水化物 #飯テロ #麺スタグラム #麺stagram #2020ラー (末廣家) https://www.instagram.com/p/CEqxVehAH6H/?igshid=u25mcfnbcmp2
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a2cg · 2 years
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戦争と私 ・ 下町に生まれ育つと1945年3月10日にあった東京大空襲の悲惨さを学び、戦争は全てのものを奪って良くないものだと子供心に思ったものです。 ・ 東京の下町で先の大戦と言えば大概、第二次世界大戦を指しますが、京都であるとその戦は応仁の乱を指すみたいですね。 ・ 日本が第二次世界大戦で降伏するきっかけと言えば1945年8月にアメリカ軍によって投下された原子爆弾ですね。 ・ それ以来アメリカって今に至るまで世界のどこかでずっと戦争しているイメージですが、そのアメリカに世界で唯一勝ったアジアの国と言えばこちらですよね。 ・ と言うわけで本日のランチは #ベトナム の料理が楽しめる #ドティカフェベトナム です。小さい店と思いましたが店内12席、テラスで6席あります。 ・ 頼んだのは #フォー春巻セット 家族は #バインミーボー #春巻セット です。店主が1人で全てをこなしている中、一度に外のテラス席も含めて6名分のオーダーです。 ・ まずは出されたお茶を飲んだら #ジャスミン茶 で華やかな香りでスッキリした味わいで美味しいです。 ・ 15分程で全てのメニューがほぼ同じタイミングで出されます。 #フォー は牛肉、鶏肉、チャーシュー、ブンボーの4種類から選べて #牛肉フォー にしました。 ・ 玉ねぎと小葱がたっぷりと入っているようで、シャキッとした歯触りがいい。 #麺 は平べったい #米粉 でそんなに長くないので食べやすくて食感もいい感じです。 ・ #スープ がシンプルながらもスパイシーなのは #胡椒 がたっぷり入っているからなのでしょう。不思議と後を引く味わいで何度も味わいたくなります。 ・ #牛肉 は薄切りですがスープの美味しさを吸ってジューシーな感じです。 #春巻き は2種類あって、一つは #揚げ春巻き もう一つは #生春巻き です。 ・ #生春巻 は今までに食べたものとは、ちょっと違って半透明でプルプルとしたゼリーのような食感。そこにひき肉や野菜が色々と入っているようです。 ・ 一緒につけて食べるのは #ニョクマム #魚醤 でしょうか?アクセントがあってクセになる感じです。 #揚げ春巻 はサクッとした食感で、これも美味しい。 ・ #バインミー も少しもらいましたが、かみ応えのある #フランスパン の食感とスパイシーな牛肉や #パクチー の味わいもあって美味しいです。 ・ カレーや卵とコンデンスミルクが入ったエッグコーヒーなど気になるメニューもあるようなので、他のメニューも色々と楽しんでみたいと思います。 ・ #西早稲田ランチ #西早稲田カフェ #西早稲田喫茶店 #西早稲田ベトナム料理 #高田馬場ランチ #高田馬場カフェ #とa2cg (Cafe Dothi) https://www.instagram.com/p/CWWjCKgBuhH/?utm_medium=tumblr
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梅・温泉・ラーメン 湯河原旅レポート!
こんにちは!
Travel Hub MIXのリホです!
3月も半ばですっかり春ですね!早い!ということで、春らしい記事をお届けしたいと思います。3月といえば…
そう。梅!う・め!梅の花です!
(桜!って言いそうになったみなさん。まだですよ、まだ桜は咲いてませんよ。)
ということで。梅の花で有名な湯河原へ行ってまいりました!
じゃじゃーん!
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湯河原梅林は幕山公園にあり、なんと4000本もの梅が『梅のじゅうたん』のごとく咲き誇っています。赤・ピンク・白と色とりどりの梅が山の傾斜とともに咲き誇る様子は、
まさに梅のじゅうたん!!!
さらに、広場では梅の開花時期に合わせて『梅の宴』が開催されています。公園に様々な屋台が立ち並んでいます。私のイチオシは梅ソフトです!梅が香るソフトクリーム!!(梅干しの味ではありませんよ笑)
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視覚だけでなく味覚まで梅で満たされました^^
春の風物詩、桜もいいですが、一足早く春の訪れを感じられる梅もオススメです^^
湯河原の魅力はこれだけではありません。
熱海から一駅、箱根からも車で30分という立地の湯河原、もちろん温泉は欠かせません!
湯河原駅を降りると、手だけ浸かれる温泉が出迎えてくれます!
手温泉!新しい!!!
手だけ浸かるなんて、なかなかない体験ですよねぇ。
でもこれがなかなかいいんです。どんな服装でも気にせずに温まれますし、足湯よりも気軽にトライできるのが魅力!
湯河原に着いたら、まずは手を温めてスタートしましょう。
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さて、湯河原の温泉宿は落ち着いていてとてもくつろげる雰囲気なのも魅力。
温泉の水質も優しいので、(弱酸性・弱アルカリ性でお肌に優しい♪)何度でも浸かることができちゃいます。本当に心地のいい温泉で、
1泊2日の旅で5回も温泉に入ったのですが、お肌がすべすべでとても気持ちいいです^^
(初日に4回、次の日に朝風呂1回の計5回です笑)
そして、湯河原に来たら忘れてはいけないことがあります。
「らぁ麺屋 飯田商店」のラーメンです!!
ラーメンなんてどこでも食べられるんじゃない?と思った方。ここのラーメンをナメてはいけません。ステマでもなんでもないんですが、言わせてください。
人生で一番おいしいラーメンでした。
21年間生きてきて、ラーメンの汁なんて完飲したことのないこの私が、全て食べきって、更に、汁まで飲み干してしまいました。アンビリーバボー。
醤油と鶏ガラだけでできている、混じりけのない醤油ベースのスープ。味ごとに変えられた、そのスープのためだけの麺。私が頼んだ醤油ワンタン麺は、そうめんのような爽やかさが、スープとよく合う白っぽい麺でした。チャーシューは2種類入っていて、薄いあっさりとしたチャーシューと、分厚いかみごたえのあるチャーシューの組み合わせが最高でした。ワンタンも豚と鶏の2種類だったのですが、どちらもほっぺたが落ちるほど美味しくて、本当に幸せでした…
他の種類のラーメンも食べたかった…!
写真はこちらです
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澄んでる!輝いてる!!食べたい!!!わあああ!!!!!
すみません。取り乱しました。
ちなみにこの素敵すぎる「らぁ麺屋 飯田商店」は、整理券を配布するほどの人気なので、ご注意ください。私は日曜日の10時ごろに整理券をもらいに行きましたが、240番でした。(わお!!)つまり、ラーメンにありつけたのは17時ごろです。
お昼ご飯としてこちらのラーメンを食べたい方は、朝の7時ごろから整理券をもらいに行く必要があるかも!?なので、お気を付け下さい。
ちなみに、梅のことは知らずに温泉のために湯河原へ向かった私でしたが、宿の方が梅林を勧めてくださったおかげで、1泊2日とは思えないほど、旅を楽しむことができました。
梅ソフトを勧めてくださったのも、宿の方。やはり旅は現地での出会いが大切ですよね^^
以上、湯河原旅レポートでした!
湯河原に行ってみたいな。旅したいな。みなさんがちょこっとでもそんな気持ちになっていますように。
それではまた。
リホ
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find-u-ku323 · 4 years
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『貝ベースの醤油ラーメンを出す、あの店のこと』
 ラーメン屋を閉める決意をしてからというもの、今どき流行らない古めかしい中華そばの店に父と二人で行った少年時代を思い出す夢ばかり見る。  何の変哲もない一杯六百円とかの、メンマ・チャーシュー・ネギが乗ったいわゆる普通の醤油ラーメン。  西陽が傾き加減で入ってきて少しノスタルジックさもあるような古臭い空気感と、時たま子供でも分かるようにして漂う煙草の薄い臭いと、べたついた床。上を見るとメニューがずらっと書いてあって、「どれにしようかな」と悩みながらも結局あのシンプルな中華ラーメンに行き着くのだ。  なんにも特徴のないのが特徴のラーメンだったけれど、そのときの俺はそれで満足だったし、父と言葉を交わさなくても味に集中している時間だけは何か空気が変わったように打ち解けられたような気がした。 「うまいな」  そう、生きて来て父と話した言葉なんて、そんなものである。  そして俺はその店を切り盛りする角刈りのおっちゃんに「また大きくなっとるやん! そうか、賢ちゃんももう今度は中学生かぁ。時の経つのは早いもんやな!」なんて言われてがしがしとひとしきり頭を撫でられたあと、俺が「ごちそうさまでした」と言ったところで、その夢は終わる。  そんな夢想をするくらいなら、サラリーマンをやっていた忌々しき時代の上司に受けたパワハラの夢でも見ていた方が今の自分にとっては百倍もマシであっただろうに……。スマホのアラームを止める手が、今日は一段と重かった。  そうか、もうこんな時間か……。いくら憂鬱でも、身体は何年も続けてきた仕込みと下準備の時間を覚えているし、勝手に手は動く。疲れているのに、心はやるべきことを為そうとしてくる。なのに俺は気持ち悪いざわめきを抑えることは出来ない。一度、便所で食べたものを全て吐き出した。  夜明け前、まだ暗い部屋の外を眺めて、こう思うのだ。 「……こんな店、早く潰れてしまえばいいのに。誰か火つけてくんねぇかな」  いつまで思い出に縋っているんだ、と誰の声だか知らないが、夜明け前の静寂から聞こえてくるのだ。だから、もうあと一週間で店を閉めてやる。  ──この店は蝉のごとく、地面から地上に這い上がることができたのだろうか?  俺は心を無にして、そんな風に振り返ってしまう気持ちを蹴飛ばした。
◆閉店まで 七日
 盆地の夏は蒸し暑く、たとえ朝でも日が昇ればあっという間に三十度は軽く超えてしまう。だから、もっと酷暑になる昼頃になんて、まず出歩いているのは夏休み中の下宿生か、物好きばかりで、店は繁盛しない。  いつもの夏の光景は、仕事を辞めて店を始めた十年前から、何一つとして変わっていない。 「ご馳走様でしたー」 「あいよー」  誰だか知らないが、この辺りに住む学生だろうか。律儀に声をかけてくれるので、こちらとしても気持ちがいい。ここに店を構えてよかったと、改めて思う。  俺は、この店を閉めることを事前に告知しないことを決めていた。もちろん申し訳無さはあるが、客に気を遣われても困る。むしろ、風のように消えて「えっ、あの店辞めちゃったの」と思い出される存在であるかどうかを試すために、誰にも言わずに店を閉める。  俺が出しているのも、夢の中で出てきたような、何の変哲もないように見えるだろう醤油ラーメンだ。もう、メンマもチャーシューもネギもそのままで、子供の頃から慣れ親しんだものにしか見えない。しかし、これこそが俺の答えであり、結晶である。  確かに、「あの店は良かった」と皆の記憶の中にどこまでも棲み着いて苦しめるような、そういうラーメンを作って、今まで来なかった奴らに復讐するということが目的なのは間違いない。  だが、俺にとっては、この答えとなる最高傑作を作っても『アイツ』が来なければ意味なんてないと思っている。 「暑いっすね」 「きょう真夏日だぞ。こまめに水とれ、水」 「ありがとうございます。でも、店長に倒れられると困るんで、程々でいきましょう」  バイトの大学生もこの辺りに居を構えているらしいが、地元とは違う気候にかなりやられているらしい。加えて厨房はこの熱気である。俺は彼を気遣ったが、彼も彼なりに俺のことを気遣ってくれているらしい。 「そりゃどうも。それで、大学はどうよ、友達は出来たか」 「おかげさまで手で数えられるくらいの付き合いしか。でも、それなりにうまくやってますよ」  うまくやる、という言葉の響きで、今の若者はそういう方向に特に賢いなと思った。コミュニケーション能力の鋭さや丁寧さは、今の世代からすると常識に等しいのかもしれない。  ──ならばすれ違いながら生きてきた俺は間違っているのか?  答えはノー、だと思いたい。しかし、現実はそうではないのだろう。昔のことに囚われて今のことが見えなくなって、その結果、未来のことまで見えなくなってしまう性分には、「うまくやる」なんて洒落たことが出来ない。直情的なのに後ろ向き。それならいっそ、チョロQのようにゼンマイ式で後ろに引いて、それから猛スピードで直進できれば、なんて。  ドアの外から見えるのは、あるようでない日陰をうまく渡りながらはしゃいでいるアベックとか、カメラを首にかけて猫を追っている白いワンピースの少女とか、あるいは、あれは家族連れだろうか。帽子をかぶって真っ黒に日焼けした夏の象徴みたいな男の子がこちらを見ているような気がした。  ふと、その男の子に俺の子供の頃を重ね合わせる。  ──お前は麒麟児だ! ラーメンの味が分かるんだろ? 天才さ!  麒麟児、という言葉の意味も分からなかったあのころ、わしゃわしゃされていた俺の髪の毛と、その子の天然パーマがかった頭とか、雰囲気とか、そういう物が似すぎていて、 「店長! お客さんですよ!」  という声がバイトの子からかかるまで、俺は来客にまったく気づけないでいた。  クソ、今日は調子が狂うな……。俺は、眩しすぎる若き煌めきを無視できない。歳を食うのはまったくいいことがないんだよな、とオーダーを取る。
◆閉店まで 六日
 常連の青木さんは、すぐにご飯を済ませようとする。 「いつものヤツ」 「醤油ラーメンと半チャンのセットですね」  オーダーを聞いてから、俺が作ってサーブするまでの間、ずっと青木さんは貧乏揺すりで無言の圧力をかけてくる。別に声を荒げるようなことはしないが、その様子を見ている方はなかなかプレッシャーを感じるものだ。  しかも、バイトの子は青木さんに怒られたことがあるらしい。曰く、『サーブを早くしようとしているのは分かるが、そのせいで半チャンの出来が悪い、もっとパラパラにしろ』とのことだった。ただ、そのときだって味に文句をつけながらも、口にとにかく素早く運んで五分で食い終わっていた。  そう、青木さんに満足してもらえないまま店を閉めるのも確かに不本意ではあるのだ。ただ、遅くては文句をつけられてしまう。つまり俺は青木さんに味とスピードという、いい店の三拍子のうちの二つをいつの間にか鍛えてもらっていたといえる……かもしれない(三拍子の残り一つの『安さ』は、青木さんに言われなくとも、たぶんこの辺りでは一番だと思う)。  半チャンに使うのは、ご飯、卵、長ネギ、塩、油、水。手慣れた手付きで中華鍋へ遠慮のない量のごま油とご飯をどばっと投入し、その上にさらに溶き卵をかける。そして一気呵成の勢いでじゃかじゃかと鍋の中で暴れさせる。うまく炒められれば、そのあと塩・長ネギを加え、火を弱めてひとさじの水を軽くふりかける。最後の炒めを終わるまでに一分とかからない『タマゴ炒飯』とはこれのことである。  一方のラーメンは、朝から仕込んでおいたアサリ・昆布・シジミをベースにしたコクの深い秘伝の醤油スープに、勢いよく湯切りしたちぢれ麺を投入し、先に炒飯を作ったときに多めに切っておいた長ネギ、さらにメンマと、これまた夜が明ける前からトロトロに煮込んでおいたチャーシューを乗せる。要素はたしかにシンプルでサーブまでの手間は果てしなく短いが、それまでの準備がひたすらに長い。しかし、それをやっておくことにより、味にも速さにも自信が出るというもの。手は抜かない。  完成したラーメンと半チャンのセットは、まるでサイモン・アンド・ガーファンクルのようなコンビネーション、明日に架ける橋のような希望に満ち溢れた輝かしさである。  さあ、どうだ、青木さん。今日は俺の作る最後の一杯をお見舞いしてやる。  俺はそんな気持ちで、テーブルに「お待たせしました、ラーメンと半チャンセットになります」てな具合でそれを出した。  このとき、俺は思った。俺にとってはこの人に出すのは最後の一杯になることがもう分かっているけれど、青木さんや他の常連客にとってはいつもの一杯に過ぎない。それなのに、俺は空回りして変なことをやっているのはおかしい。いつものように、手は抜かずに気は程々に抜いて、ナチュラルな一杯を目指すべきなのではないかと……。  ラーメンを口にした青木さんが、麺をすすったときに少し表情が変わった。だが決して言葉にはしない。いつものように、腰の曲がり始めた汚れ混じりの作業着姿で、黙々と淡々と食べ続けている。その横顔を見つめていたバイトの子が、何かに気がついたような表情でポツリと漏らしている。 「青木さん、もしかして怒ってるんじゃないですか……?」  嘘だ。俺は気合を持って今日の一杯、ひと皿を出したはずだ。さっきは空回りしてちゃいけないんじゃないかと思ったが、それだって正しいという確証はないのだ。だから、俺は俺のベストを出しただけなのに……。段々と、分からなくなってくる。  俺の頭が堂々巡りしている最中、青木さんが席を立ち、店中に響き渡るようにデカい声でこんなことを言った。 「ご馳走さん。……一つだけ言わせろ! 半チャンを律儀に出してる時点で、お前はラーメン屋失格だ」  振り返らなかったので顔は見えなかったが、席にあったラーメンは半分程度で残されていた。時間を見ると、サーブしてから丁度五分が経っていた。
◆閉店まで 五日
 昨日の青木さんの言葉は、まるで憲兵に銃を向けられたときの敵国の兵士のような感情を抱かせた。今から俺は死ぬのではないだろうか? そういう凄みさえあったのだ。  やはり俺の店はどこかで何かを間違えていたのかもしれない、と途端に不安にもなるのだ。  なぜ半チャンセットを頼まれていて、それで半チャンを出したらラーメン屋としては失格になってしまうのか、それはなるほど哲学的な問いとしか考えられなかった。  しかし日々はそんな俺のことを放っておいても、セーブポイントから続きがやってくる。どうやら人間というのは、昨日のことをずっと引きずっては生きられないように出来ているらしい。あまりやりたくなかったが、行きがけに度数の低い酒を一缶だけ煽ったら、すっと記憶の中とか頭とか身体から要らない力が抜けていくのを感じた。  ともに歩んできた『アイツ』のことを心配している余裕が今はない。俺は蝉なんだ。きっと死ぬ時くらいは自らの生涯を全うするために地上に出てくるんだ。  開店直後、とある珍客が現れた。 「なんだ、先輩じゃないすか」 「どうせ暇なんだろ。食いに来てやったよ」  この体重115キロという巨漢の男は、真正の食欲における猛者たる風格を漂わせているが、ただの公務員であり、俺が大学時代に部活で大いにお世話になった先輩である。陰では部員から豚とか言われていたが、本当は渾名をゴリ松先輩という。なんということはない、顔がゴリラそのものだから、ゴリラのゴリに、苗字の一部から松でゴリ松……先輩だ。 「まーたあっさりとしたもん作りやがって、もっと豚骨ラーメンとか作れよ」 「うちは豚骨置いてないっすよ、俺なんか豚骨とかインスタントでしか作ったことないから分かんないし」 「おいおい、それで何がラーメン屋だ!」  豪胆に笑って見せる顔が無邪気な子供そのものなので思わず吹き出しそうになる。昔と変わらないその心というのが、俺をひどく安心させるのだ。 「しゃーねーなー、醤油ラーメン一丁! それと餃子!」 「はいはい」  餃子セットは半チャンセットと並ぶ人気商品の一つで、とくに餃子は羽根付きのパリッとした感じに拘りを入れている。臭いが気になる人向けににんにくやニラを使わず、生姜などでその代わりのアクセントをつける。  ゴリ松先輩は営業の最中だろうか、スーツ姿でこの店にすっかり馴染んでいる。それを見て、俺も真っ当にサラリーマンやってたら結局こういう感じになって、どっかのラーメン屋で飯食ってるんだろうなという、そんな違う世界での自分を想像していた。 「あの」 「何?」 「ゴリ松先輩って、何で前の会社から転職したんすか?」 「言ってなかったっけ? 給料はまともに払われてねーし、上司は自分が失敗したのに責任を取ろうともしないしそれを部下に押し付けてくるし、上に刃向かったら左遷だし。ブラック企業ど真ん中よ、俺は人間だからそこから這いずり出てきただけ」  ゴリ松先輩は大学卒業後、某有名一流商社に就職し、華々しいビジネスマン人生を踏み出すかに思われた。しかし現実は昭和の軍隊統制さながらのブラック企業で、悪法も法なりと言わんばかりの労働基準法潜り抜けで精神も身体も限界までこき使われていたらしい。 「あー、一番酷かったのはやっぱアレだな、宴会で土下座させられて仕事でのミスを詰られるやつ。もはや仕事でもねーけど」 「マジすか、飲み会でそんな前にやったこととか根に持たれるんすか」 「そりゃあ、もうあんな職場で働いてるやつなんか頭おかしいやつしかいねえよ。大学卒業しても勉強だけ出来て後はゴミみたいな人間、本当にいるんだな」  先輩は昔からこんなに口が悪い、というわけではないのだ。あの中にいたら誰だっておかしくなるし幻覚のひとつやふたつくらい見るだろう、と尋常ではないほどの汗を拭って苦笑いした。 「そうだ、水、もらうよ」 「ああ、全然構いませんよ」  そういって先輩は小さな袋に入った錠剤を取り出した。 「それ、なんです?」 「もう俺も歳だからね。ダイエットしようと思って。本当は食前に飲まなくちゃいけないんだけど���ついつい忘れるね」  俺は驚いた。正直、もともと放漫な食生活をしていて、前の会社に勤めていたときの自暴自棄な暴飲暴食も重なってかなりの肥満体型にはなっていたが、ダイエットか……。自分の腹の肉が気になるお年頃なのは、俺も同じだったことを思い出させられる。 「そしたら、ラーメンはもう卒業ですか?」 「違えよ、これ飲んだら実質カロリーゼロだから」 「言い訳雑過ぎっしょ……」  昨日とは違って、帰り際にはスープ一滴、餃子のひとかけらも残ってはいなかった。
◆閉店まで 四日
 壁に貼ったカレンダーに、「あと四日」の文字。そう、一日一日を刻んでいくことで、ゆっくりと自らの終わりを生活の実感と一致させていく。今日もジージーと蝉の鳴く声がずっと煩く響いている。  『アイツ』、まだ来ねえな。もう店閉めるまであと四日だぞ、早く来ないと手遅れになるぞ、と虚空に呟く。自分で選んだ未来を後悔しっぱなしでは終わらせられないのだ。そのためには『アイツ』が終わらせてくれないと、何も始まらない。  俺の店はビルの一階にあって、その賃料はそこそこのものだ。話は既につけてあるが、念のため会ってもう一度段取りを確認しておかなくてはならない。迷惑にならないように、早い時間にその人を訪ねた。 「ごめんください」 「ああ、どうも、ラーメン屋の方ですか。先日の話で何かありましたか」 「いえ、特にそういうわけではないのですが、再度、事情の再確認とか、まあ、ご迷惑をおかけするわけにはいきませんから」 「何度でも確認していただければと思います。実は事情が変わった、というときに対応できないと大変でしょうし」  いつ会ってもこのお爺さんは腰が低い。年月を経て銀色になった髪が陽の光にふんわりと輝く。歳を正しくとるとはそういうことで、ちゃんと報われてきた人間の顔をしているという感じを受ける。  俺もこうなりたいな、と思ったことは一度や二度ではない。しかしそれは土台無理というものだ──正しく歳をとるというのは、たぶんきちんとした職に就き、社会の為に汗水を垂らし、たまに適度な休息を取って家族を養い愛することによって、普通の人間として為しうることなのだ、たぶん。俺にはその資格なんて、到底ない。 「どうにもならないとは思わないんですがねえ……私も醤油ラーメン、好きでしたよ。正直、廃業というのは心惜しいものです」  それでも、この大家さんにそこまで言ってもらえるのだから、俺はある意味ではとても幸せ者なのだろうな。 「それで、どうします? 一応、建物は残ってるんで、片付けに入るでしょう。そのときにもう一度引き払うときの条件だけ確認することにしましょうか」 「ええ、それで構いません」 「ありがとう。それでは、日課のジョギングにでも行ってきますよ。最近は妻も一緒に走りたいなんて言ってくるものでしてね」  そういうと、大家さんはそのまま川沿いに走り出していった。そうか、奥さんと一緒に走ってらっしゃるのか。こんな感じで生きている仲睦まじい熟年夫婦というのは、見ているだけでどこか心が癒されるものだ。まるで木々にとまる二羽の雀のように、心細い夜でも寄り添って生きることが出来る、『アイツ』とはそういう風になりたかったな……でも、それもいつかの話だから、今日は今日を生きる。  店はいつものように、繁盛するはずもなく、ただただ空席の目立つ日常だ。この店は別に儲からない。なんなら赤字で、店を維持するのにも金がかかる有様だ。それでいいとは俺は一度も思ったことがない。そして、閉めると決意してからもそれが変わらないのだから、もうラーメン屋に未練なんてない。  ふらっと、そのとき一人の女性が入って来た。 「いらっしゃい」 「あの、ひとりなんですけど、いいですかね」 「構いませんよ。そちらのカウンター席へ」  この店に初めてやって来るお客さんらしい。こんなところにやってくるなんて、相当な物好きしかいないだろうに──半ば同情めいた気持ちも持ちつつ、彼女がこの時期に似合わない薄めながらも長袖のジャケットを椅子にかけたところで、オーダーを伺う。 「ご注文は?」 「……醤油ラーメンの味玉つきで」 「かしこまりました、ラーメン味玉一丁!」  ……お前以外誰もいなくてもオーダーを通すときに叫ぶのは雰囲気づくりだよ、ほっとけ。俺はバイトの子にそんな思いを込めて目線を向ける。  味玉は、前の日から煮込んでいることもしばしばあるくらい時間がかかる。きっちり濃い口の甘辛い醤油ベースのたれの味を染みこませて、あっさりした醤油ラーメンに合うようなしっとりとした半熟で仕上げてある。このラーメンと味玉のマリアージュはまさしくヒロシ&キーボー、『三年目の浮気』さながら。たぶん、食べた人は旨すぎて泣くんじゃないか? とすら思う。  そんな風に自分がトッピングやサイドメニューにラーメンと同じくらい拘るのは、ラーメンに自信がないからではないと自分でも信じている──というか、そう思いたいだけなのかもしれないけど。  半袖になったその女性は、一口食べるや否や、自分のスマホでそれを撮り始めた。何かグッとくるものがあったのだろうか、それとも今流行している写真投稿サイトにアップロードするのだろうか、とバイト先の子に言ったら、 「さすがに今どき写真投稿は古いですよ。時代はストーリーに動画を上げるのが鉄板です」  と言われて、おじさんは何を言われているのかさっぱりだった。  味わうようにして食べるということの尊さをそうして如何なる形で知るのだろう、そんな人は、と昔は否定的だったんだけれど、もうこんなに一般的な風景となった今では何も気にならなくなるものだなあ。そんなことを思った。 「食べることって幸せの源流なんでしょうね。ほら、あの人も幸せそうな顔してる」 「食事に集中してもらいたい気もするけど、まあ、あれも一つの形なんだろうな。食べるってことの」 「おっ、店長が珍しく納得した」  何が珍しくだ、俺はかなりお前の言っていることに同意しているぞ──と思っていたら、彼女は綺麗にラーメンを平らげてしまって、それから俺たちのほうに駆けよって来た。 「醤油ラーメンと味玉、ごちそうさまでした。すみません、写真とか撮ってばかりでお邪魔でしたよね。お詫びします」 「いえいえ全然、こちらとしては美味しそうに食べて、美味しそうに写してくれたら本当にありがたいですから……」 「そう言っていただけると本当にありがたいです。……ありがとうございました、ごちそうさまでした」  お金を支払ったその対価としてラーメンと味玉を魂込めて作り提供しただけなのに、その女性はやけに丁寧に礼を言った。そしてまた帰り際に見せた笑顔がまたぺかーっと明るくて、顔も性格も美人っていうのは世に二人以上もいるんだなと、やっぱり昔のことを思い出したものだ。 「どうしたんですか、店長?」 「いや、なんでもない。ただ何となく、あの人、凄いなって思っただけだ」  そのとき、一陣の強い風が町中をひと舐めした。何の予感なのだろう? 俺はとても不思議な気分になった。
◆閉店まで 三日
 その日は、開店から尋常ではない忙しさだった。  何があったなんてことは、確認するヒマもなさそうだった。 「いらっしゃいませ! ここでお待ちいただけますか、すみません、慣れていないものでして」  この店では一切見たことのないような繁盛、行列、人の山。どんなに旨いラーメンだと言い張っても人が寄ってこなかった盆地の小さなラーメン屋に、こんなに人が集まるだなんて。何か、騙されるオチの夢を見ている気分だった。暑さと疲れで頭はずっと痛いが、その心地よい苦痛が俺に確かな生の実感をもたらしてくれた。 「お次のお客様は……二名様! ええ、どうぞこちらへ。そちらは五名様ですか、テーブルが空くまでお待ちいただけますか。すみません」  喉も痛いが、汗を拭いながら叫ぶ。人生のなかでこんなセリフを言うことになるとは思いもしなかった。これ、一度言ってみたかったんだ……。 「どうです、今日は流石にこの人数じゃ回せないでしょう」  大家さんが様子を見るついでに、ラーメンを食べに来てくれたらしい。どうやら奥さんも一緒のようだった。 「そうっすね……これは、バイト増員も考えなくちゃいけない」 「それでも、決めたことはするんですよね?」  『店を閉める』ということを、繁盛している店内で言うわけにもいかないという細やかな配慮にお礼を申し上げたい。俺は「そうっすね。もう決めたことなんで」と気持ちを傾けないように、自分を制御するようにして言った。 「そうですか。まあ、それも貴方が決断したことで、私がやいのやいの言えた話じゃないですものね。とりあえず、今はこの急場を凌いでいきましょう。頑張ってください」  大家さんからの応援は、かなり安心感をもたらしてくれることが分かった。実はこの店で食事をするのは初めてだということで、ラーメンの味を伺ったら「さっぱりしていてとても食べやすいですね」という高評価をいただいた。ますます閉めるのが申し訳なくなるから、本当は大家さんは一番最後に食べてもらうつもりだったのだが、こうなってしまっては仕方のないことだ。  そしてこの混乱じみた行列は午後になっても途切れない。何人捌いても、また後ろに列が出来て、みんな一様に醤油ラーメンを食べて帰るのだから驚きだ。全員が同じメニューを頼むなんて、普通じゃありえない。  これが、もっと昔、それこそ店が開店してすぐくらいの頃だったらな、と俺はまた昔のことを思い返すのだった。ずんどうから香る潮の香りのする醤油の匂いでいろんなことが思い出せるくらいには、この店にも歴史がある。  実はこの店が全国的に展開している雑誌に掲載されたことがあり、そのおかげで一時期は賑わっていた。当時の看板メニューは今と違って貝ベースの塩ラーメンだったが、今のようなシンプルさの欠片もないゴテゴテした作り方をしていたせいで店の受注能力を大幅に上回り、結果として俺が倒れてしまった。その間にその雑誌での宣伝効果が切れてしまい、今まで見たいな閑古鳥の鳴く店になっていたのだった。  それが、今はこんなことになっているなんて。  思い当たる節なんて殆どないのだけれど、あるとすれば昨日の女性が写真をたくさん撮っていたことくらいしかあり得ない。写真投稿サイトにレビュー付きで載せて、それが一気に情報として拡大した、ということは全くもってありうることだ。それ何て女神?  いやしかし、それならば昨日の今日でこんなに繁盛するものなのだろうか。  俺は、にわかには信じられないといったような顔でこの現状を精一杯もてなすことだけで大変だった。心は全然間に合っていない。 「売り上げ恐ろしいことになりそうですね」 「そうだな……いったい何諭吉だろうな…………」 「給料上がりますかね?」 「まあ、そのうちな」  バイトの子には申し訳ないが、給料が上がる前にこの店は閉まるし、何ならこの売り上げもあんまり意味がない──正直、あんまりラーメン屋で儲けるということにバカバカしさを感じるようにもなってきた。歳かな、と考え直そうとしても、その考えは抜けない。  恐らく翌日もこんな感じだろう。誰かに手伝ってもらわないと久しぶりに過労死しそうだ……そんなとき、頭の中でひとりだけ思い浮かぶ人物がいた。  ──ああ、先輩なら手伝ってくれそうだな。  明日は土曜日で、客足はきょう以上のものになるだろう。ゴリ松先輩なら、土日は休みだし、たぶん副業も許可されているはずだし、後輩からの頼みを断るなんてことはしないんじゃないだろうか……と、甘いながらも色々と考えたのである。  早速、俺はメッセージでゴリ松先輩のアカウントをタッチする。 『先輩! なんか店が繁盛しちゃって、人手が足りないので手伝ってもらっていいですか! お金は出します』  我ながら軽いメッセージだとは思っていた。万が一怒られたらごめんなちゃいすれば、それで済む関係だから、それでもいいやと思っていた。俺と先輩の間柄はそういうものだったし、いつでも即返事が返ってくるのが基本だった。  しかし、いつまで待っても、夜まで待っても言葉は返ってこない。  心配になって電話をかけてみても、留守電になったままだった。  これはどういうことだろうと思って、ゴリ松先輩の会社に電話しようかとも思ったが、さすがに金曜の深夜に電話を受ける人間なんかいないと思って、もう先輩に店を手伝ってもらうのは諦めようと思った。  明日は絶対に修羅場になるだろうに、なんで既読無視してんすか……。俺はそう思っていた。
◆閉店まで 二日
 十年の歴史の中で、こんなに気合を入れて一杯を仕上げられるのは今日くらいのものだろう。それも、沢山の人に。なかなか料理人のはしくれとしてではあるが、誇らしいものがある。なんとなく熱く生きているのは蝉だけじゃなくて俺もなんじゃないか、死ぬ間際にこんなことがあるのなら人生もアリすぎるだろうよ、と思っていた。  やはりというか、昨日連絡のつかなかったゴリ松先輩は来なかった。  そして慢性的な人員不足が続いたまま、昨日よりも大勢の人々がこの店に押し寄せてきた。流石に疲れからなのかぐっすり眠れはしたものの、働きだすと休みも食事も取れないのが結構つらい。同じものを淡々と作るという作業感も相まって、なかなかグロッキーである。  見渡すと、店の中にはアベックや家族連れも多いし、一人で食べに来る人もいる。別に何があったということはないんだろうけど、そういう普遍的で普通で気が狂うほど幸せな時間をこんな自分のどうでもいいラーメンで奪ってしまうことは許されるのだろうか、とか、そんな自己否定にまで考えが至ってしまう。  それでも、店を閉めるという考えに変化はなかったどころか、むしろそうしようと動機が強化された。もうこの状態をずっと続けていくなんてのは到底不可能なんだから、尚更パッと閉めてどこか沖縄にでも高跳びしてやろうという気持ちだったのだ。  この地方特有の蒸し暑さは益々凶暴さを増していて、ずっと家にいたほうが涼しいだろうに、と思うくらいに列はどんどんと長くなっていく。外を覗けばコンクリートから無色透明な逃げ水が噴き出しているようにすら見えた。  ──あれ、俺、なんでラーメンなんか作りたいと思ったんだろう? 安定してたサラリーマンのままだって何にも困らなかったはずなのに。  暑さで少しボーっとしていると、俺の心のなかに潜む悪魔のような存在が俺のほうに囁いてくる。うるさい、俺の勝手だろう、と反論しようものなら、 「そんな風に思っているのは頑張って他力で得た絶頂を味わっているお前だけだ。本当は安定こそが大事で重要な価値観なんだ。それ以外に何を求める」  と口を塞ぎに来るのだ。ラーメンを作るというのは、恐らくその悪魔のいう『安定』とは真逆のことなのだと思う。想像するに、地震や台風、インフルエンザとかで店を開けられなくなることなんてザラにあるのかもしれないし、今までみたいに客が来ない状態がずっと続くように生きているなんてことだってありうるのだ。それは、サラリーマンを辞めなかった世界での『安定』から見ると全く物足りないし、面白くもないのだろうし、逆に言ってしまえば今の絶頂に終止符を打てる俺のことを嫉妬しているということなのかもしれない。 「醤油ラーメン以外も食べる人いないんですかね……」 「まあ、たぶんだけど、この前来た女の人がなんかでウチの写真を載せてくれて一気に繁盛したってことだろうな。ほんと、先輩が来てくれたら助かったんだけどなあ」 「どうしてるんでしょうね」 「どうせ二日酔いだろ。今の職場でもしこたま飲まされてるのは変わらんだろうね、あの性格だし断れないから」  そんな風に俺たちはゴリ松先輩のことを軽くしか心配していなかった。そして、それが彼に対しては真摯な態度だと思っていた。 「ああ、ヤバい! 長ネギを切らした。でも、買いに行くなんて暇はないな……。  よし、仕方がねえや、こっからはネギ抜きになるぞ」 「え、いいんですか。拘り抜いてるのに」 「これくらい平気だ。というか、それしかやれることがない」  厨房は戦場で、冷蔵庫は弾薬庫だった。ネギも弾薬のひとつなのだが、それが切れてしまっては戦えないといった性質のものではない。むしろ心配だったのは、麺とスープの弾切れのほうだった。完売次第閉店ってなわけだが、それが明日まで続くようなら、来るかどうかもわからない『アイツ』に食わせてやれないということを意味するわけだ。それだけは避けたかった。 「分かりました。その代わり、サイドメニューの提供をやめて、ラーメン一本に絞りましょう。そのほうがサーブも早くなりますし、ラーメンの味だけを味わってもらえるようになります」  そう主張するバイトの子の意見を採用して、前もって準備していた味玉以外のサイドメニューを全て提供取りやめにした。味に自信があり、シンプルな構造をしている麺だからこんな芸当が出来るわけだけれど、ここまでのことになると想定していなかったから、ラーメンを作り続けることへの疲れとか大変さを思い知らされた。名店の人たちはこれを毎日続けて繰り返しているんだな……と苦悩し、俺には到底こんなのは続けることができないと改めて思うのだった。  そのとき、ふと携帯が鳴った。 「店長、出なくていいんですか」 「うーん……そうだな。そっち、一人で回せたりするか」 「正直ちょっと厳しいですけど、五分くらいなら」 「なら、頼んだぞ。ちょっと出てくる」  そう言って、俺は店の裏手に出て震えるバイブレーションに応えた。 「もしもし」 「もしもし、すみません、大手市民病院です。横田賢治さんでございますでしょうか?」 「ええ、そうですが。病院が、どうかしましたか」 「こちらの取り違えでなければ、高松亮吾さんのご友人ということですよね──いえいえ、高松さんのご両親にもご連絡したのですが、全く連絡がつきませんもので、こちらから把握した情報でお電話をおかけした次第です。いまは面会謝絶状態なのですが、近く詳しく説明いたしますのでよくお聞きください──高松さんは薬物の過剰摂取が原因とみられる心肺異常を来しておりまして、現在はかなり大変な状況になっています」  ゴリ松先輩が、そんなことをしでかすとは思えず、言葉を失う。 「薬物、ですか」 「そうですね。警察の方からお話を聞く限りでは、MDMAではないかと」  思えば、そんなようなことを見たような気が──ああ、そうだ、あんなに露骨に錠剤を飲んでいたのに気が付かないはずがない。「ダイエットのため」と言われ、確かに痩せていたような気がしていたからそう思っていたけど、今こうして言われてみれば、覚せい剤であるという風にしか見えなくなってくるものだ。  そんな風に冷静に考えられる自分が、ひどく冷徹で無情な人間に思えてきた。あの先輩が薬物を使って倒れているなんて、という気持ちがないわけじゃない。だけど同時に、なんとなく憐れむような目で見てしまう自分がいる……つまり、あのブラックな環境に身を置いていたら薬という浮輪に頼りたくもなるけど、それなしではもう人生という海原を泳ぎ切ることはもう不可能になってしまうのだ、と。 「そうでしたか」 「ショックになられるお気持ちも痛いほどわかります。まずはゆっくり休んでいただき、可能であれば高松さんのご両親にも横田さんからご説明をお願いします」  全く無理難題なことを言い残して、失礼します、と通話が切れた。残された電話番号だけが表示されている携帯のディスプレイに、心を置いて行かれたような気がする。  あんなにラーメンを旨い旨いと言って食ってくれた先輩。部活で挫けそうになったときに助けてくれた先輩。前の職場で悩んでいた時に、自分も苦しいのに相談に乗ってくれて、脱サラを決意させてくれた先輩。それらが全て崩れていくのを見るのがつらいし、たぶん先輩は退院したら何らかの罪に問われて前科者となるのだろう。そうなれば、俺を支えてくれた精神的支柱のひとつを俺はなくすことになる。  ならば、尚更ラーメン屋なんてやっていて意味はあるのだろうか? 常連を失ってまで評判になるようなラーメン屋をしたいわけではない。街の喧騒とは無縁の場所に、来る人の人生を浮かべるようなラーメン屋のほうが俺には合っていて、いつかそこに先輩やバイトの子や『アイツ』を招くことが出来たなら……そんな軽い妄想をして現実逃避をするしかなかったのだ。  時間は、もうほとんど残されていない。蝉は墜落するまでが生なのだ。今から堕ちてどうするんだ、俺、とひとつ気持ちを入れなおして、また戦場に戻る。  暗い時間までずっと店の前には待っている人が絶えなくて、そのおかげで色んなことを考えなくて済んだ。だけど住処の小さなアパートに帰ると、何もない空間で空虚に今からのことを考えてしまうのだ。未来なんて嘯くけれど、そんなのは虚言に過ぎないのだ、と。  結局、誰もがただ一人で代わりのない人生という舞台に立って無頼、自分の後始末は自分でつけなければいけない。  俺は明日、あの店を絶対に終わらせる。性懲りもなく目指していた夢をここに臨終させる。
◆閉店まで 一日(最終日)
 自分で作っていて、ラーメンを食べたいと思うことは、今まで一度もなかった。思えばそこからおかしいわけで、自分で作っていたラーメンに対して「食べたい」と思えないなんて、作っている労力とか材料とか結果として出来た麺そのものに対して可哀想とかそういう次元ではない虚しさすら発生させることなのだ。それは罪である。人に認められるためにラーメンを作るという発想を根本的に転回するのが、本当はアルチザンとしてあるべき姿なのだろうと信じるようになった。  その日は朝から雨だったが、徐々に雲間から陽の光が降り注ぐような、なんともいえない変な天候だった。  それで、またいつも見ている夢とダブるな、と忌々しげな気持ちにもなる。あの中華そばの暖簾を潜ると、雨が降っていても必ず食べた後には晴れているのだ。そういえば、あのおっちゃんはどうしているだろうなあ、俺の頭をがしがしと撫でてくれたおっちゃんはもう流石に死んでるか。俺のラーメン屋人生の最期を晴れで終わらせようとしてくれてるのは間違いなくあのおっちゃんの仕業だと思う。  相変わらず、今日も人が死ぬほどやってくる。来々、万客往来。謝謝。  は、はは、最後にこんなに俺のラーメンに時間を浪費しようってんだから、みんな愚かでみんな面白い人間なんだろう。本当にどうもありがとう。  今日の為に急きょ麺もスープも卵も全部三倍仕込んで、どうせだからと日が明けるまで営業しちまおうと思った。バイトの子には「別に途中で上がっちゃってもいいからね?」と言ったが、「店長がそこまでやるんだったらやらせてください。お祭りみたいで楽しいじゃないですか? ちゃんと手伝ってくれる友達も呼びますから」とむしろ臨戦態勢を約束されてしまった。そしてその通り、近くの大学に通う下宿生の子たちが手伝いに来てくれていることで、一昨日・昨日よりも負担は大きく減っている。  どれもこれも、『アイツ』が来ることを信じてやっているのだ。俺にラーメンだけをさせてくれた恩人がいなくなって、俺はどうしても今持てる最大級の力を注いだ味の結晶を食べさせなければいけないと思ってしまう、囚われてしまうようになった。でもいつまでもそれを待っているわけには行かない、それは歳を取ることによるタイムリミットも関係しているし、もしくはこの不安定な職種においてずっとここにいるという保証があるわけでもないということがあるのかもしれないけれど。だから、今日をその期限として、『アイツ』にそれを味合わせるための挑戦を続けていたのだ。  実は、スープも麺もこの忙しい中でアンケートを取るなどして、細かく調整を加えている。どんなに完成されたラーメンでも、更なるアップデートが必要になってくるはずなのだ。それを体現するための手段なら、俺はどんなに煩雑なことでも鬱陶しがらないことをずっと前から誓っていた。  十年という道のりはやはり地下に潜っていて、思ったよりも長くて怠いものであったが、それでも最後に地上へ上がってきて命の尽きるまで暮らしを燃やすということが、こんなに美しく面白いものだとは。 「替え玉ください!」 「はい! 替え玉一丁ォー!」  自分が密かに憧れていた厨房の中の掛け声だって、複数人でやれば普通に楽しい。  色んな人と働く楽しみとか、お客さんとのコミュニケーションとか、お金の勘定とか、結局やっているのは脱サラする前と変わらない人間的に当たり前のことばかりだけど、きっとそれが一番良かったんだろう。  これからはそれを形を変えてやるだけだ。俺はそう自分に言い聞かせた。  ……いや、でも今日はいくら待っていてもゴリ松先輩は来ないんだよな。いつもやっていたラーメン屋が無くなってたら、そりゃあ驚くことになるだろうなあ、青木さんだって、写真を送ってくれた女性だって。もちろんそれがどうということない人だっているのかもしれない。だけど、店には店で紡いでいた歴史とか物語があるのもまた確かなのだ。  そしてそう、俺にも歴史や物語があるのだ。  昔、誰かに聞かれたことがある。確か、元の会社の上司だったろうか。 「横井君はさ、誰に向けてラーメンを作りたいと思ってるの」 「俺は、親父に認めてもらえるような一杯が作れればいいなと思いながら、そういう風なことを前提にしながら、ラーメンを作ることになると思います」 「ふーん。で、君はラーメンなんて儲かりもしないものをどうしても作りたいんだ?」  そうだ、それで俺は喧嘩っ早いし耐え性もないから、すぐに襟首掴んで一発だけ強く頬を、年老いてもうボロボロの頬を殴ったんだった。その眼はニヤニヤと俺のほうを向いていて、今にも「殴ってもいいだろうけど、じきに真実だと分かるだろうに、愚かだねえ」と言いたげだった。  いや、ラーメン屋が儲からないなんてのは、俺が考えるよりもずっと真実に近いことなのだろう。だが、それを分かっていながらラーメンを作ろうという、そんな個人的な動機をビジネスの物差しで当てはめて全否定してくる人間にはとても腹が立ったのだ。  例えば、言葉だけでは出来ないコミュニケーションが食事を通じて出来たという自分の経験を元に何かするのは��そんなに責められるべきことなのだろうか? 何も俺の父に限ったことじゃない。ゴリ松先輩だって、大家さんだって、青木さんだって、あの女性だって、……もっと広げて言うのなら、どこかの国で戦争してる兵士でも、あるいは偉そうなことを言っている政治家も、近くにいるホームレスも、誰も一人で生きてきたわけではない。誰かと食事をした経験くらいあるさ。それだけが俺のモチベーションだったってだけだ。  気づけば、外は闇で、蝉はむしろピりつくような高音で鳴いている。もう終わりが近いことくらい、俺にも分かっていた。知らせなくてはいけない大家さん以外の誰もが俺の決意なんて知らないだろうけど、『アイツ』が来るか夜が明けるまでこの店は動き続けるぞ。  語らい合えるくらい店が静かになってから、そう、何事もなかったかのように、たぶんフラっとやってくるんだろう?  俺の今まであった辛いこと、これから起こる辛いこと、でもその中にある楽しくて面白い本質について、俺のそれに対しての解答としての一杯を挟んで語り合いたいんだ。  なあ、純菜。  俺に言いたいことがあれば、何でも言ってくれよ。だから早く来てくれよ。彼岸からこっちに来て、さ。  ついに一度も文句言ってくれなかったな。ラーメンなんて、とも言わなかったな。何だろうな、俺はとってもそのことに対して申し訳なくて苦しくて、結局何も食べさせてやれなかったんだっていう罪悪感に襲われていて、ああ、もうなんかダメだ。  涙腺が緩むのもやっぱり歳のせいかな。  脱サラするときだけ、ちょっと怒られたけどさ。本当は俺のやりたいことをめちゃくちゃ応援してくれてたんだよな。別居してからも色々面倒見てくれたり、ラーメンの味見してくれたりしたのって、そういうことだよな。そうだと言ってくれたら、それだけでもう嬉しくて飛び上がるような気がする。  蝉の堕ちるまでには食べきってくれよ、麺が伸びるから。線香も花もラブレターも指輪も何もかも渡せなくて、本当に申し訳ないけど。  それと、ありがとう。
 俺の夜はどうやら明けたらしい。  蝉は鳴かなくなり、ぽとりと街路樹のそばに堕ちているのを見つけた。まるで俺だね。疲れ果てた世界の姿を見せてくれてありがとう。狂乱が嘘みたいに、静かに朝は来た。そして、眠っているバイトの子たちに今後の処遇と金とラーメンのレシピを書いた軽くない置手紙を残し、最低限の荷物だけを持って俺は旅に出る。重いずんどう? 好きにすればいい。この場所に縛られるのが馬鹿らしくなっただけだ。俺はまた新しい蝉に憑依するだけの魂なのだから、夢に終止符を打ったらまた新しい麺に出会うのみ。  それでも、この町はすこし幸せの残り香がする。お世話になった人がいっぱいいる。何より、純菜と過ごした年月がここには残っている。  だからこそ、俺はこの町にあの貝ベースの醤油ラーメンを置いて行ったのだ──幸せと永遠の後悔の象徴として。  相変わらずジリジリと焼くような陽射しなのに少し秋の匂いを感じて、背伸びをした。そこに、きっと、いや間違いなく純菜がいるような気がする。 「美味しかったよ」  本当にそこにいるみたいな、そんなホログラムみたいな幻影を見せられているのかもしれない。それが俺に涙を流させていることに、俺はまだ気づいていなかった。
 ラーメン屋を閉めてからというもの、今どき流行らない古めかしい中華そばの店に純菜と二人で行った幸せな時代を思い出す夢ばかり見る。  何の変哲もない一杯六百円とかの、メンマ・チャーシュー・ネギが乗ったいわゆる普通の醤油ラーメン。  古臭い空気感と、時たま子供でも分かるようにして漂う煙草の薄い臭いと、べたついた床。上を見るとメニューがずらっと書いてあって、「どれにしようかな」と悩みながらも結局あのシンプルな中華ラーメンに行き着くのだ。  しかしそのときの俺はそれで満足だったし、純菜と言葉を交わさなくても、味に集中している時間だけは何か空気が変わったように打ち解けられたような気がした。 「美味しいね」  そう、純菜と真に心を交わすのは、デートでもセックスでもなく、この一杯を挟んでいた時間なのだ。  そして俺はその店を切り盛りする角刈りのおっちゃんに「お、今度は彼女を連れてきよったか! もうませてやがるな、最近のガキは!」なんて言われてがしがしとひとしきり頭を撫でられたあと、俺が「ごちそうさまでした」と言ったところで、その夢は終わる。  今ならそんな夢を見たって、魘されない。
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hitodenashi · 6 years
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21/青い血球標本
(蒼月の日の話 だいたいサしか出てこない。ちょっとイの人)
(※※鬱)
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 墓土を掘り返していた。  素手で黙々と、掘っていた。  墓土は冷たく湿っていて、少しだけ骨の匂いがした。膝をつきながら、ひたすらに下を目指して掘っていた。踏み固められていない柔らかな深い青灰色の土に五指を差し込んでは横に分け、手首まで埋めては土をすくった。土の中には、わらじむしもみみずもいなかった。時折小石が埋まっているくらいで、そこには墓土だけが盛られていた。  土はひたすら柔らかだった。掘り返されることを待っているかのように。 「貴女は一体、何を探しているんでしょう」  目の前の墓石に、誰か座っている。けむくじゃらの、白いけものの足をつまらなそうにぶらぶらさせて。  一心不乱に土を掘る自分からは、そのつま先しか見ることはできなかった。  オレは何も答えなかった。ただ土を掻き分けていた。
 自分は、何を探しているのだろう。
 別に誰が悪いと言うわけではない。誰を責めたい訳でもない。ましてや両親や妹に非なんてあるはずがない。自分にだって、悪いところがあったわけではない。言ってしまえば、ただ数多ある中の不幸な出来事の一つだったということだけだ。  生まれた時から五体は満足だし、意識は明瞭だし、意思もはっきりしていた。  やりたいことがあった。難しいことだった。そのために痛みを負うことはなんとも思えなかった。骨も折れた。肉だって切れた。血はたくさん流した。それでも見たい景色があった。ただそれだけだった。  誰かが自分を憐れんだ。そんな血だらけの身体で、よくぞそこまでと言った。オレにはその真意が解らなかった。だって、全部オレがやりたいからやっただけのことだ。そこには大義も名分もない、だから、嘲笑されることはあっても、同情される謂われはなかった。そういうと、皆自分をひとでないものを見るような目に変わった。  その姿は周りの目に、冬の氷の内で走るただの手負いの獣の姿としか、映っていなかった。
 そんな中で、彼を見つけた。  はじめ、いやな物を噛んだような心持ちだった。あんたに解る筈が無いと吐き捨てたあの言葉を聞いて、自分は思った。ああ、この人は死のうとしているのだと。それでも、死にたくないと、微かにもがく音が聞こえたような気がした。  だから、気がついたら、尋ねていたのだ。  それが、その言葉が、楔になると、知っていた。
 墓土を掘り返していた。  何が入っているとも解らずに自分は土を掘り続けている。土は掘れば掘るほど冷たくなっていった。呼吸のたびに喉がすっと冷たくなった。  穴は大分大きくなっていて、自分が寝転べる程度の深さと大きさは掘れていた。爪の先に土が詰まって、真っ黒になった。それでもみみず一匹出てこなかった。土に立てた膝に、小石が食い込んでいた。 「スコップでも使えばよろしいのに」  けむくじゃらはまだそこに居た。頬杖でもついているのか、足がぶらぶら目の前で揺れていた。きっ、とそちらをにらむと、オレの顔と同じ顔をした何かがそこに座っていた。  真っ白な中に、赤い目がオレを面白くもなさそうに見下ろしていた 「そんなんじゃ、何か見つかる前に手が真っ黒になっちゃいますよ」 「うるさいです」 「何探してるのかもわからないのにどうしてずっと掘ってるんですか」 「……」  黙って土を掘っていると、それは呆れたように笑った。 「貴女は一体、何を探しているんでしょう」 「……花を探しています」 「花は、土の中に咲きませんよ?」  まさしくそうだと思った。では、自分は一体何を探してここを掘っているのだろう。こいつなら何かを知っているだろうか。だって、自分は何も知らないのだ。柔らかい墓土を分けて分けて、黒い爪とにらめっこする。 「貴女は」 「?」 「貴女はここに何があるのか知っていますか」 「知ってますよ」 「何があるんですか」 「今は教えません」 「どうして」 「秘密です」  女はそれ以降何も応えなかった。オレは穴を掘っ��。
 自分は、何を探したいのだろう。
 見上げた大きな月が青い。  遠くの喧噪は暗さなんて気にしないのだろうけど、あまり人がいないここら辺だと、周囲が薄ぼんやりと青くなっていて、自分の血の色を見ているようだった。縁起が良いだろう日なのに、空気が少しだけぎこちなくて、じくじくした。イフの眉間の皺が始終刻まれっぱなしだったのが、大体の原因だ。  オレは相も変わらずいつもの調子で、別に示し合わせて待ち伏せしていた訳でも無いのに、結局二人で最後まで回ってしまった。連れ合いがいないのはどっちも同じことだったし、なんだかんだ話し相手――オレが一方的に捲し立てていたとも言うが――にはなった。機嫌が悪そうな彼を見るのは、いつものことだった。それでも、自分と居合わせたことを不運続きだと零したその一言が、僅かに心臓に穴を開けたような気はした。
「サアレ、あんたにやる。……要らなければ、捨てろ」
 だから、ぶっきらぼうに、もっと言えば投げ出すように差し出されたそれを、素直に受け取れなかった。  言い訳のようなことを、二、三言、言っていたような気がした。あまり耳に入れようとしれなかったので、聞きはぐれていたけれどいつものことだしどうでもよかった。 「ありがとうございますまさか貴方がオレのために用意してくれるとは思っても居ませんでした意外の極みの意外です」 「人の話を……――もういい。適当にその辺で折った奴だ。深い意味はないが、あんたらしいやつがあっただろ」 「どういう意味ですか」 「そのままだろう」  猫柳。こんな風に、彼に見えているのだろうか、自分は。  銀白色のふわふわが青の中に沈んでいた。色も相まって、オレの尻尾のようだ。オレの尻尾のほうがもっとふわふわだが。  適当に見繕ったと言われてしまったが、さてどうしたものか。慣習は知っているものの、自分が貰う側に回るとは全く考えていなかったので、何も持っていない。 「貴方から受け取るなんて考えていなかったので何も用意していませんよ」 「別に、どうだっていい。返す必要も無い。ジンクスだろうがなんだろうが、慣習なんだろう。何度も言うが、深い意味は無いしな」 「へえ」
 変な人だな、という言葉はしまっておいた。どうせ怒るだろうから。もう一度、ありがとうございます。と言って、���柳を月にかざしてくるくる回した。  青い光の中で、結ばれた赤い切れ端が紫色に照らされている。  オレを変なものだと解った上で、こうしてどうにか何か、会話をしようと思う人は、不思議だと思う。自分が言うのは烏滸がましいけれど、きっと変わっている。性根が優しいひとなのだろうと思った。こんなに、冷たい色の目をしているのに。
「オレが嫌いならさっさと逃げれば良いのに」  深く考えないで言った言葉だったが、イフが嫌そうな顔をして、一瞬だけオレの顔を見て、違うところを見た。
「……逃げたところで、あんたは追っかけてくるだろ」 「チャーシュー麺?」 「あんたの耳はどうなってるんだ?」 「そんな面倒なことしません狩りじゃあるまいしああ別に貴方が狩られる側になりたいというなら全力で追い回させて貰いますが」 「聞こえてるなら最初からそう応対しろ」 「気をつけます」  会いたいと思っていないという一点ではお互い同じなのに、多分、彼はもっと言えば“会いたくない”のだろうとは思っている。それでも多分、オレを足蹴にして暴言を吐いてどこへなりと消えないのには、理由があるのだと思いたかった。だから、楔を打つのだ。オレが追うと彼は思っている。そう望まれているなら、期待の通り追いかけよう。
 だって、死ぬなら死ぬで、理由をつけて死にたいんでしょう。  ねえ、そうでしょう。
 彼は最後までオレの目を見なかった。どうせなら、青い光で目の色が何色に見えているか聞きたかったのに。  青い夜道はいつもよりも寒く感じた。道すがら、花水木の小枝を折って、咲いていないそれをランプに放り込んだ。別にどうしようとも思わなかった。  心臓が音を立てた。胸を押さえて、一瞬だけ蹲った。  月の光が、まるで自分からこぼれた血の色のようだった。
 墓土の上に、赤い血がこぼれた。  見上げると、女が目から赤い涙をこぼしていた。それが血に見えた。血、なのかもしれなかった。青灰の墓土が、紫を帯びた黒に変わった。  何故泣いているのかは、わからなかった。オレは穴を掘り続けていた。もう少し掘れば、蹲れば外から隠れられる程度には深く掘った。  土はどんどんと湿り気を帯びていった。手は既に泥まみれで、服も真っ黒に汚れていた。息をつく。黙々と指が土をかき分ける。  涙はぼたぼたとこぼれていた。オレは顔を上げた。 「なんで泣いているんですか」 「泣いてなんかないですよ」 「じゃあそれはなんですか」 「血です、貴女の」 「オレの?」  眉を顰めた。女は頷いた。 「何にせよ、貴女はもう泣けないから」  代わりに泣いているとでも言いたいのか。そんな口ぶりだった。  泣いてどうなるというのだろう。泣いて、縋って、喚いたら何か変わるのだろうか。どうにもならない。答えなんて見えている。そうであれば泣く必要なんてないじゃないか。無意味だ。 「心臓が痛くはありませんか」 「ありません」  そんな痛みも、とうの昔に忘れた。わからなくした。苦しいものなんて、煩うものなんて、ない方が良い。無くたって困らない。それが本当に正しくないとしても、正しくないと確信があっても、そうでなければ 、
 墓土は湿っていた。まるで泣いているようだった。  女の血の涙はまだこぼれ落ちていた。雨のように降っている。止む気配はない。そのまま零していれば、心臓まで止まってしまうだろうに。
「……あの、」 「はい」 「貴女は、ここに何があるのか知っていますか」 「知ってますよ」 「……何があるんですか」 「死体です、私(あなた)の」  土を掘る手を止めた。女を見上げる。
「そして、貴女(サアレ)の」
 女はその顔で笑った。真っ赤な舌をしていた。
 花水木は咲いた。そして、彼の手に渡った。  これで最期だと思った。手向けの花になっただろう。  最後の楔は打ってきた。もうきっと、彼は自分の前に現れないような気がしている。それならそれでおしまいだ。あっけない末路だった。  もがいてもがいて、もがいて、それでも苦しいと零す彼を忍びないと思って差し伸べた楔なだけだった。それを絶って、定型になり(死に)たいのであれば、それでいい。弔いはした。これは正当な埋葬だった。  でも、それは、誰の。  じわりと何かが滲み出してきた。戸惑う。違う。もう痛みなんて、忘れた。痛いことなんて解らない。だって、それは冬の寒さの中で痺れるようなもので、そうでなければ、きっとこわくなってしまう。名前を呼んでしまいそうになる。  誰もいないのに。  誰も来てくれやしないのに
 そのことに気がついてしまえば、絶望しかないのに。
 墓土を掘る手が止まった。  女は消えていた。墓石には、青い燐光だけが取り残されていた。  自分一人が、墓穴に膝をついて、へたり込んでいた。顔を上げる。息を吐く。周囲の地面には霜が立っていて、墓石には雪も積もっていた。もう一度息を吐いた。土の匂いが充満している。空気は十二分に湿っている。それでも、オレの息は白くなってはくれなかった。
 手のひらは真っ黒になっていた。  こわごわと両手を顔の前に持ってくる。土を掘り続けた両手は、爪が割れていた。皮もめくれていて、膝の小石は肉にめり込んでいた。それでも、何も感じてはいなかった。血の一滴も出ていやしなかった。
「――――――」
 喉だけがひゅうと音を立てた。その場に蹲った。ざり、と砂の擦れるような音がした。土を恐る恐る払うと、そこには木の棺が見えた。
「あ――――ぁ、あ」
 自分の体と同じ大きさの棺が埋まっていた。自分の頬を反射的に触る。冷たい。冷たい以上のことがわからない。だって、“寒いとは感じないのだ”。
 何が埋まっているかなんて解っていた。誰がいるかなんて明白だった。誰が、誰を慈しんでやれるというのだろう。馬鹿なサアレ。哀れな私。
 弔われたかったのは、誰でも無いお前じゃないか。
 痛くなくてもいいと思っていた。理解なんて、いらなかった。自分が自分であると認めてやれれば、個であれると信じていた。  でも、でも、違うのだ。誰かが認めてくれなければ、それは意味がないのだ。今、やっと気がついた。それでも、穴の開いた心臓は痛んでくれない。血なんて零れやしない。遅すぎたのだ。私の血は零れすぎてしまった。世界を青く染めるほどに。  ここにいるのは、土の下にある死の匂いは。
「ぅ、――あああ……――――」
 嫌だ。と喚いても、亡霊に何ができるというのだろう。  蓋を開く勇気が、自分には無い。木の板の上で、体を丸めて慟哭した。けれど、涙は流れてくれなかった。血の一滴も、こぼれてはくれなかった。泣いて、泣いて、嗚咽を繰り返しても、喉が引きつっても、乾いた声だけが響いていた。  自分は、いつから人でなくなっていたのだろう。 「――か――――――れか、」  雪が降ってきた。自分が指先から霞んでいく。  誰か、誰か。  声にならない声で吼えた。誰も居ない墓穴の中で、世界が白くなっていく。声は無限の白��吸い込まれて、消えていく。
 誰か、どうか、私(サアレ)を殺さないで。ここに埋まっているの。誰か、誰か。死にたくない。  もう、誰に届くはずも無い声でもう一度吼えた。聞こえることは無いその声で。それでも、もし誰かの耳に届くのなら、もし誰かが蓋を開いてくれるなら。  高い空は、分厚く灰色の雲で覆われていた。太陽の光は届かない。  視界は雑音に侵されるように霞んでいった。そうして、自分が解けていく。無くなっていく。それでも、最期の一欠片まで吼えつづけた。
 もし、もし、誰か、聞こえているなら、オレ(サアレ)を助けて。  どうか、
(If you heard this voice,) (If you open this coffin,)
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